ロック装置
【課題】小型化を図りつつ、給電プラグ及びこれは接続されるインレット部を覆う蓋をそれぞれロックすることができるロック装置を提供する。
【解決手段】給電プラグに設けられた係止爪がインレット部に設けられた係合部に係止される係止状態が、解除される方向への係止爪の動きを規制するロック位置とこれを許容するアンロック位置との間を変位するロックバーと、インレット部を外部環境から保護する蓋40に設けられた湾曲板材41との係合を通じて蓋40の開閉を規制する蓋ロック位置と、湾曲板材41との係合が解除されて蓋40の開閉が許容される蓋アンロック位置との間を変位する蓋ロック部材48と、ロックバー及び前記蓋ロック部材48にそれぞれ作動連結されたモータとを備えてなるロック装置。
【解決手段】給電プラグに設けられた係止爪がインレット部に設けられた係合部に係止される係止状態が、解除される方向への係止爪の動きを規制するロック位置とこれを許容するアンロック位置との間を変位するロックバーと、インレット部を外部環境から保護する蓋40に設けられた湾曲板材41との係合を通じて蓋40の開閉を規制する蓋ロック位置と、湾曲板材41との係合が解除されて蓋40の開閉が許容される蓋アンロック位置との間を変位する蓋ロック部材48と、ロックバー及び前記蓋ロック部材48にそれぞれ作動連結されたモータとを備えてなるロック装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給電プラグとこれが接続されるインレットを覆う蓋とをそれぞれロックするロック装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両からの排出ガスを少なく抑えることを目的として、各車両メーカでは、モータを駆動源とする電気自動車(ハイブリッド車も含む)の開発気運が非常に高くなってきている。このような電気自動車では、車両の動力源を駆動するためのバッテリの電力残量が少なくなる度に、例えば家庭や電気スタンド等においてバッテリに充電を行う必要がある。このことから、電気自動車にはユーザにも簡単に扱える様々な充電システムが設けられることになる。このようなシステムとしては、例えば特許文献1に示されるものが知られている。このシステムでは、例えば家庭の商用電源に繋がる給電プラグを接続可能としたインレット部を車両に設け、帰宅したときなどに駐車車両のインレット部に給電プラグを接続し、商用電源を車両に送り込むことによって車両のバッテリに充電を行う。給電プラグには係止爪が、インレット部には係合部がそれぞれ形成されており、両者が係合することにより、給電プラグとインレット部との接続が好適に維持される。給電プラグに設けられる操作部の操作に連動して係止爪が変位することにより、係合部との係合状態が解除される。これにより、給電プラグをインレット部から取り外し可能となる。
【0003】
ところで、電気自動車のバッテリ充電には、急速充電の技術が開発されているといっても、ガソリン車のガソリン補給に比べて比較的長い時間を要する。特に、一般家庭に高速充電用の器具が備え付けられることはまれであるので、ユーザが自宅でバッテリ充電を行う場合には、家庭用電源に繋がる給電プラグを車両のインレット部に接続して充電を開始してから、その状態で車両を長時間放置するケースが少なくない。この場合、例えば給電中の車両から給電プラグを取り外して、同給電プラグを別の車両のインレット部に装着して盗電されたり、給電プラグやコンセントに使用されている金属を目的として給電プラグ自体が盗まれたりする可能性も想定される。
【0004】
そこで、給電プラグがインレット部から不正に取り外されないようにするために、例えば給電プラグとインレット部との接続状態をロックするロック装置を給電プラグに搭載することが検討されている。このロック装置としては、次のような構成が考えられる。すなわち、モータを駆動源としてロック位置とアンロック位置との間を変位するロックバーを設ける。そして、給電プラグの係止爪とインレット部の係合部との係合が検出された際に、ロックバーをアンロック位置からロック位置へ自動的に変位させて、このロックバーで係止爪の動きをロックする。これにより、係止爪がロック状態となって、係止爪と係合部との係合が解除できなくなるため、給電プラグをインレット部から引き抜くことができなくなる。所定のアンロック条件の成立が検出されると、ロックバーをロック位置からアンロック位置へ自動的に変位させて係止爪の動きを解放する。これにより、給電プラグの操作部への操作を通じて係止爪と係合部との係合を解除することができる。すなわち、給電プラグをインレット部から取り外し可能となる。
【0005】
また、車両には、インレット部を外部環境から保護するために車両の外観意匠の一部を兼ねた蓋が設けられている。そして、この蓋を、蓋ロック装置によってロックすることにより、車両走行中等において蓋が開放されることを抑制する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平9−161898号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このように、別々に構成されるロック装置と蓋ロック装置とを車両に搭載する場合、これらを搭載するスペースをそれぞれ確保する必要がある。これら両ロック装置は、インレット部周辺に設けることが好ましい。しかし、インレット部の周辺は搭載スペースが限られているため、両ロック装置の小型化が求められていた。
【0008】
本発明は、こうした実状に鑑みてなされたものであり、その目的は、小型化を図りつつ、給電プラグ及びこれが接続されるインレット部を覆う蓋をそれぞれロックすることができるロック装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、給電プラグ及び受電コネクタの一方に設けられた係止爪が他方に設けられた被係止部に係止される係止状態が、解除される方向への前記係止爪の動きを規制するロック位置とこれを許容するアンロック位置との間を変位する爪規制部材と、前記受電コネクタを外部環境から保護する蓋に設けられた蓋係合部材との係合を通じて蓋の開閉を規制するロック位置と、当該蓋係合部材との係合が解除されて蓋の開閉が許容されるアンロック位置との間を変位する蓋規制部材と、前記爪規制部材及び前記蓋規制部材にそれぞれ作動連結された駆動源とを備えることを要旨とする。
【0010】
同構成によれば、単一の駆動源の動作を通じて、給電プラグ及び蓋のロックを行うことができる。両規制部材の駆動源が共通になる分、ロック装置とが必要とする搭載スペースを小さくすることができる。また、駆動源の制御基盤等も共用することができることから、両ロック装置の更なる省スペース化を図ることができるとともに制御基盤分のコストを抑えることができる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のロック装置において、前記駆動源は、モータであって、前記モータの回転運動を前記爪規制部材の往復運動に変換する第1の変換機構と、前記モータの回転運動を前記蓋規制部材の往復運動に変換する第2の変換機構とを備えることを要旨とする。
【0012】
同構成によれば、モータの回転制御を通じて両規制部材をそれぞれのロック位置とアンロック位置との間において、往復運動させることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のロック装置において、前記第2の変換機構は、滑車とこれに掛けられたワイヤとを備え、前記ワイヤの端部は、前記蓋規制部材に連結し、前記ワイヤの蓋規制部材と反対側の端部は、前記モータの回転を通じて、前記蓋規制部材の変位方向と交わる方向へ引っ張られることを要旨とする。
【0013】
同構成によれば、ワイヤと滑車という簡易な構成によって、駆動源の駆動力を蓋規制部材に伝達することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載のロック装置において、前記蓋規制部材は、前記爪規制部材の変位方向と同方向に変位するように設け、前記第1及び第2の変換機構は、同一のものとしたことを要旨とする。
【0014】
同構成によれば、両規制部材の変位方向が同じであるため、第1及び第2の変換機構の共用化が図られる。これにより、ロック装置の構成を簡素なものとすることができる。
請求項5に記載の発明は、請求項2に記載のロック装置において、前記第2の変換機構は、前記モータと一体的に回転するカムを備え、前記カムに形成されたカム面と前記蓋規制部材の一部との係合を通じて、前記蓋規制部材は往復運動を行うことを要旨とする。
【0015】
同構成によれば、モータの回転運動を、カムという簡易な構成で蓋規制部材の往復運動に変換することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明では、小型化を図りつつ、給電プラグ及びこれは接続されるインレット部を覆う蓋をそれぞれロックすることができるロック装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態を示す充電システム及び電子キーシステムの概略構成を示すブロック図。
【図2】同実施形態の給電プラグの概略構成を示す部分断面図。
【図3】同実施形態のインレット部及びロック装置の概略構成を示す断面図。
【図4】同実施形態のロック装置の分解斜視図。
【図5】同実施形態の給電プラグとインレット部との接続態様を示す斜視図。
【図6】同実施形態のロック装置がアンロック状態の場合における給電プラグの係止爪が係合したインレット部の横断面図。
【図7】図6におけるA−A線に沿った断面図。
【図8】同実施形態のロック装置がロック状態の場合における給電プラグの係止爪が係合したインレット部の横断面図。
【図9】図8におけるA−A線に沿った断面図。
【図10】同実施形態の車両凹部周辺の外観図。
【図11】同実施形態の給電プラグと蓋のロック構造を車両内側からみた斜視図。
【図12】図11におけるB−B線に沿った断面図。
【図13】同実施形態のモータの駆動に伴い推移するロックバー及び蓋ロック部材のロック/アンロックを示すタイムチャート。
【図14】第2の実施形態の給電プラグと蓋のロック構造の分解斜視図。
【図15】同実施形態の蓋部の斜視図。
【図16】図15における係合部材が図14における貫通孔に挿入されたときの、図14及び図15におけるC−C線に沿った断面図。
【図17】同実施形態の蓋部が閉操作された状態の係合板材における蓋部がアンロック状態のインレット部の断面図。
【図18】同実施形態の蓋部が閉操作された状態の係合板材における蓋部がロック状態のインレット部の断面図。
【図19】第3の実施形態の給電プラグと蓋のロック構造の分解斜視図。
【図20】同実施形態の給電プラグと蓋のロック構造における正面図。
【図21】同実施形態の給電プラグと蓋のロック構造を車両内側からみた斜視図。
【図22】蓋アンロック状態の図21におけるD−D線に沿った断面図。
【図23】蓋ロック状態の図21におけるD−D線に沿った断面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明をプラグインハイブリッド車に具体化した給電プラグのロック装置の一実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、ハイブリッド式の車両1には、駆動輪2の車両用駆動源としてエンジンとモータとの駆動力を組み合わせて使用するハイブリッドシステム3が備えられている。このハイブリッドシステム3には、バッテリ4が接続されている。
【0019】
ハイブリッドシステム3は、エンジンの動力のみを機械的に駆動輪2に伝えて走行するモード、エンジン及びモータの双方で駆動輪2を直接駆動するモード、及びエンジンを使用せずにモータのみで走行するモードを有し、車両の走行状態等に応じて各種走行モードを切り替える。また、ハイブリッドシステム3は、エンジンの動力によってバッテリ4に充電するモード、駆動輪2の制動力をモータによって電力に変換してバッテリ4に充電するモードを有し、車両の走行状態等に応じて各種充電モードを切り替える。車両1は、ハイブリッドシステム3によって切り替わる各種走行モードに応じて走行したり、各種充電モードに応じてバッテリ4へ充電したりする。
【0020】
バッテリ4には、インレット部5がコンバータ6を介して接続されている。このインレット部5は、車両1の外部電源(交流電源)61と充電装置62を介して接続された給電プラグ10を挿し込むコネクタ部品であって、例えば車両1の前部側面にガソリン車の給油口と同様の態様で搭載されている。充電装置62は、給電プラグ10がインレット部5に挿入された場合に、その旨示す接続信号を車両1へ発信する。コンバータ6は、給電プラグ10からインレット部5を介して送り込まれた交流電圧を直流電圧に変換し、この変換した直流電圧をバッテリ4に送る。こうして、外部電源61からバッテリ4に充電される。
【0021】
車両1には、例えばユーザが実際に車両キーを操作しなくてもドアの施錠及び解錠等の車両制御が実行される電子キーシステム70が搭載されている。この電子キーシステム70では、車両1とユーザに携帯される車両キーとしての電子キー80との間の無線通信を通じて車両制御が実行される。
【0022】
電子キーシステム70を以下に詳細に説明する。車両1に搭載される照合ECU71には、車両1の各ドアに埋設されて車外にLF(Low Frequency)帯の信号を発信する車外LF発信機72と、車内床下に埋設されて車内にLF帯の無線信号を発信する車内LF発信機73と、車内後部の車体に埋設されてUHF(Ultra High Frequency)帯の無線信号を受信するUHF受信機74とが接続されている。なお、照合ECU71は、電子キー80に対応する固有のIDコードが記憶されたメモリ71aを備えている。
【0023】
一方、電子キー80に搭載される通信制御部81には、LF帯の信号を受信するLF受信部82と、通信制御部81の指令に従いUHF帯の信号を発信するUHF発信部83とが接続されている。通信制御部81は、電子キー80固有のIDコードが記憶されたメモリ81aを備えている。
【0024】
照合ECU71は、車外LF発信機72からリクエスト信号Srqを間欠的に発信させて、車両1の周辺に通信エリアを形成する。電子キー80を携帯したユーザがこの通信エリアに入り込む等してリクエスト信号SrqをLF受信部82が受信すると、通信制御部81はリクエスト信号Srqに応答する形でUHF発信部83から自身のメモリ81aに登録されたIDコードを含ませたIDコード信号Sidを返信する。照合ECU71は、UHF受信機74でIDコード信号Sidを受信すると、自身のメモリ71aに登録されたIDコードと電子キー80のIDコードとのID照合(車外照合)を行う。そして、照合ECU71は、車外照合が成立すると、図示しないドアロック装置によるドアの解錠を許可又は実行する。
【0025】
照合ECU71は、車外照合が成立してドアが解錠された後に、車内LF発信機73からリクエスト信号Srqを発信して車内全域に車内通信エリアを形成する。電子キー80を携帯したユーザがこの車内通信エリアに入り込む等してリクエスト信号SrqをLF受信部82が受信すると、通信制御部81は、UHF発信部83から自身のメモリ81aに登録されたIDコードを含ませたIDコード信号Sidを返信する。照合ECU71は、UHF受信機74でIDコード信号Sidを受信すると、自身のメモリ71aに登録されたIDコードと電子キー80のIDコードとのID照合(車内照合)を行う。照合ECU71は、車内照合が成立すると、ハイブリッドシステム3の始動を許可する。
【0026】
本実施形態では、車両1に外部電源61から充電する際にも電子キーシステム70によるIDコードの照合が行われる。車両1には、充電に関わる制御を行う充電ECU75が設けられている。充電ECU75は、図示しない車内LAN(Local Area Network)を介して照合ECU71と通信可能であるとともに、この通信を利用して照合ECU71におけるID照合の成立結果を確認することができる。また、充電ECU75は、車両1に設けられた取り外しスイッチ76と電気的に接続されている。さらに、充電ECU75は、バッテリ4及びインレット部5に設けられた接続ロック装置20と電気的に接続されている。充電ECU75は、タイマ75aを内蔵し、接続ロック装置20の作動時間を計測する。この充電ECU75が計測する作動時間とは、接続ロック装置20がロック状態からアンロック状態に切り替わる時間である。接続ロック装置20は、インレット部5と給電プラグ10との接続又は接続解除を許容するアンロック状態と、両者の接続又は接続解除を規制するロック状態の2つの状態をとる。通常、接続ロック装置20はロック状態に維持される。充電ECU75は、接続ロック装置20のロック/アンロックを車外照合の成立結果によって切り替える。充電ECU75は、照合ECU71における車外照合が成立したことを確認して、接続ロック装置20をアンロック状態に切り替えてバッテリ4への充電を許可する。このとき、充電ECU75は、インレット部5と給電プラグ10とが接続されて、充電装置62からの接続信号を受信すると、コンバータ6の制御を通じて、外部電源61からバッテリ4への充電を開始する。従って、電子キー80を携帯しない第3者には、接続ロック装置20のロックを解除できない。なお、車外通信エリアは、車両周囲の全域に亘り形成されるので、車両1の前部側面に設けられたインレット部5の前にユーザが電子キー80を携帯して立つことにより、車外照合は問題なく実行される。
【0027】
図2に示すように、給電プラグ10のプラグ本体11の基端11aには、外部電源61(図1参照)と接続されるケーブル12が接続されている。プラグ本体11には、ユーザが把持するグリップ部13が形成されている。プラグ本体11の先端11bには、インレット部5に嵌着される円筒状の嵌着部14が形成されている。嵌着部14の内部には、複数の接続端子15が設けられている。接続端子15は、電力の伝送経路となるパワー端子や、各種制御指令の通信経路となる制御端子等を備える。
【0028】
この嵌着部14の上部には、給電プラグ10とインレット部5とが接続された際に、両者の接続状態を好適に維持するための係止爪16が設けられている。係止爪16は、プラグ本体11の内部に設けられた軸を中心として回動可能に設けられている。係止爪16は、図2に実線で示す第1の位置と2点鎖線で示す第2の位置との間を変位する。第1の位置は、給電プラグ10とインレット部5とが接続された際にインレット部5の一部に係合して、両者の接続状態を好適に保持する位置である。また、第2の位置は、インレット部5の一部との係合が解除されて、給電プラグ10をインレット部5から取り外すことが可能となる位置である。なお、係止爪16は、通常時において第1の位置に弾性保持されるとともに、プラグ本体11の上部に設けられた操作部17を押し操作すると第2の位置(傾動状態)へ変位する。操作部17の操作が解除されると、係止爪16は第1の位置へ弾性復帰する。
【0029】
図3に示すように、インレット部5のインレット本体5aには、給電プラグ10をインレット部5に接続する際に、嵌着部14が挿入される円筒部5bが形成されている。そして、円筒部5bの内部には、複数の接続端子29が設けられている。接続端子29は、電力の伝送経路となるパワー端子や、各種制御指令の通信経路となる制御端子等を備える。嵌着部14が円筒部5bに挿入された際、同円筒部5bのパワー端子には嵌着部14のパワー端子が、円筒部5bの制御端子には嵌着部14の制御端子がそれぞれ接続される。
【0030】
図3に示すように、インレット本体5aの外周面上部には、係止爪16と係合する被係止部としての係合部21が形成されている。係合部21のプラグ挿入側には、斜面5cが形成されている。係合部21は、係止爪16の挿入及び傾動を許容する係合凹部21aを有する。係止爪16は、係合凹部21aのプラグ挿入側の内面21bに係合する。これにより、給電プラグ10のインレット部5に対する引き抜き方向への変位が規制される。インレット本体5aの上部には、係合部21と係合する係止爪16のロック/アンロックを切り替える接続ロック装置20が固定されている。
【0031】
図4に示すように、接続ロック装置20は、直方体状のケース31を備える。ケース31は、同ケース31の上部、前部及び下部の3部を形成するコの字板状のケース本体32と、ケース31の後部及び右側部の2部を形成してケース本体32を閉蓋するL字板状の第1蓋部33と、ケース31の左側部を形成してケース本体32を閉蓋する第2蓋部34とを備える。ケース31の後部にあたる第1蓋部33の外側面には、充電ECU75(図1参照)と電気的に接続されるコネクタ35が設けられている。
【0032】
ケース本体32の内部には、モータ収容部32aと、部材収容部32bとが仕切壁32cを挟んで形成されている。モータ収容部32aには、ロック用駆動源としてのモータ22が収容されている。モータ22は、2個の螺子36によって仕切壁32cに固定されている。モータ22の駆動軸22aは、仕切壁32cに形成された貫通孔32dに挿入されて部材収容部32bの内部に突出している。モータ22の駆動軸22aには、該駆動軸22aと同軸方向に伸びる円柱状の伝達部材(ギヤ付きシャフト)25が固定されている。伝達部材25のモータ22側の端部25bは、貫通孔32dに軸受24を介して軸支されている。伝達部材25の端部25bと反対側の端部25cは、第2蓋部34に形成された軸受部34aに軸支されている。伝達部材25の中央部の外周には、周方向に沿って雄螺子部25aが形成されている。
【0033】
伝達部材25には、管状のストッパ26が螺合されている。ストッパ26の内周面には、伝達部材25の雄螺子部25aと螺合する雌螺子部26aが形成されている。ストッパ26の下部には、その軸方向の往復直線運動を案内するレール26dが形成されている。レール26dは、ケース本体32(部材収容部32b)の内面下部に形成されたレール溝32fに嵌装されている。これにより、ストッパ26のケース本体32に対する相対回転が規制される。このため、伝達部材25がモータ22によって回転すると、ストッパ26は、伝達部材25の軸方向、すなわちレール溝32fに沿って直線移動する。伝達部材25及びストッパ26は第1の変換機構を構成する。
【0034】
ストッパ26のコネクタ35側には、磁石収容部26bが形成されている。磁石収容部26bには、磁石27が収容されている。第1蓋部33の内面に取着された基盤37には、第1ホール素子38と第2ホール素子39とが設置されている。これら第1ホール素子38及び第2ホール素子39は、伝達部材25の軸方向と平行となるようにそれぞれ設置されている。なお、第1ホール素子38はストッパ26が最も第2蓋部34側に変位したときの磁石27に、第2ホール素子39はストッパ26が最もモータ22側に変位したときの磁石27にそれぞれ対向するように配置されている。これら第1ホール素子38及び第2ホール素子39は、基盤37を介してコネクタ35の接続端子29(制御端子)に電気的に接続されている。つまり、第1ホール素子38及び第2ホール素子39が検出する磁界の変化は充電ECU75によって検出される。また、モータ22も基盤37を介してコネクタ35の接続端子29(制御端子)に電気的に接続されている。つまり、モータ22は、充電ECU75によって制御される。充電ECU75は、第1ホール素子38及び第2ホール素子39における検出結果に基づいて、モータ22の駆動を制御する。
【0035】
ケース本体32(部材収容部32b)の内部において、レール溝32fの上側の部分には、これに沿って延びるロックバー誘導溝32gが形成されている。このロックバー誘導溝32gには、板状のロックバー23が摺動可能に挿入されている。爪規制部材としてのロックバー23の中央部には、緩衝孔23aが形成されている。ロックバー23は、伝達部材25の軸方向へ延びる長孔状をなす。この緩衝孔23aには、ストッパ26のレール26dが上方から挿入されている。レール26dと緩衝孔23aとの間には、伝達部材25の軸方向において隙間23bが形成される。
【0036】
図6に示すように、ロックバー誘導溝32gは、ケース本体32に形成された突出孔32kを介して外部に開放されている。ロックバー23は、そのモータ22側(右側)の端部が、外部に突出可能とされている。図7に示すように、突出孔32kから突出するロックバー23の上面は、ケース本体32の下面に形成された案内面32hに摺動案内される。
【0037】
ロックバー23の第2蓋部34側の側面には、ばね取付部23cが突出して形成されている。ばね取付部23cには、ばね28の一端が取り付けられるとともに、他端は第2蓋部34の内面に形成された凹部34bに固定されている。ばね28は、ロックバー23をモータ22の軸方向に沿って第2蓋部34から離間する方向へ常時付勢する。ロックバー23の第2蓋部34から離間する方向への変位は、緩衝孔23aの第2蓋部34側の端部がレール26dに当接することにより規制される。すなわち、ばね28の弾性力によりロックバー23は、常時その緩衝孔23aの第2蓋部34側(左側)の端部が、レール26dの根元に当接した状態に維持される。従って、ストッパ26がモータ22側へ変位すると、これに追従してロックバー23は、ばね28の弾性力によって緩衝孔23aの第2蓋部34側の端部がレール26dに当接した状態を保ちつつ、モータ22側へ変位する。反対に、ストッパ26が第2蓋部34側へ変位すると、レール26dと緩衝孔23aの第2蓋部34側の端部との当接を通じて、ロックバー23は、ばね28の弾性力に抗してストッパ26と一体となって第2蓋部34側へ変位する。
【0038】
ロックバー23は、図6に示すアンロック位置と図8に示すロック位置との間を変位する。ロック位置は、ロックバー23がケース本体32の外部に突出するとともに、これが係合部21(係合凹部21a)の上方に存在する位置である。ロックバー23がこのロック位置にあるとき、給電プラグ10(図2参照)の係止爪16の上方(係合部21に対する係合が解除される方向)への変位は、係止爪16の上部がロックバー23の下面に当接することにより規制される。すなわち、係止爪16は、操作部17の操作を通じた第1の位置(係合状態)から第2の位置(係合解除状態)への変位が規制されるロック状態となる。また、ロック位置は、給電プラグ10をインレット部5に挿入する際に係止爪16の先端がロックバー23に当接して給電プラグ10のインレット部5への挿入を規制する位置でもある。一方、アンロック位置は、ロックバー23がロックバー誘導溝32g内に完全に収容される位置である。ロックバー23がこのアンロック位置にあるとき、係止爪16は、操作部17の操作を通じて第1の位置から第2の位置への変位が許容されるアンロック状態となる。なお、ロックバー23がロック位置にあるとき、ストッパ26の磁石27は第2ホール素子39と対応し、同じくアンロック位置にあるとき、磁石27は第1ホール素子38と対応する。
【0039】
図4に示すように、伝達部材25の第2蓋部34側の端部25cには、ワイヤ51の端部が固着されている。詳しくは、ワイヤ51の端部は、軸受部34aに軸支された伝達部材25の軸受部34aと雄螺子部25aとの間の部分に固着されている。これにより、モータ22の駆動力によって伝達部材25が回転すると、ワイヤ51は、伝達部材25によって巻き取られたり、巻き取りを戻されたりする。ワイヤ51の伝達部材25と反対側の端部は、ケース本体32の前面に設けられたワイヤ孔32jからケース本体32の外部に導出されている。
【0040】
図10に示すように、凹部1aの側部には、図示しないヒンジを介して開閉する蓋40が設けられている。この蓋40は、閉じている場合には、その外面が車両1の意匠面を形成する。インレット部5は、蓋40が閉じられることにより外部環境から保護される。蓋40の内面には、略U字状の湾曲板材41が固着されている。そして、この湾曲板材41と蓋40の内面とから車両上下方向に貫通する蓋係合部としての蓋ロック孔42が形成されている。
【0041】
図11及び図12に示すように、車両1の凹部1aの上部には、蓋40が閉められた場合に蓋ロック孔42と対応するロック凹部45が形成されている。ロック凹部45の底壁には、上下方向に貫通するワイヤ孔46が形成されている。さらに、車両1の内部においてロック凹部45の上方には、定滑車47が固定されている。
【0042】
ロック凹部45には、略円柱状の蓋ロック部材48が収容されている。この蓋係合部材としての蓋ロック部材48は、蓋40が閉じられた状態において、蓋ロック孔42に上方から挿入可能とされている。蓋ロック部材48とロック凹部45の底壁との間にはコイルばね49が介在されている。このコイルばね49は、その弾性力によって蓋ロック部材48を常時下方へ付勢する。蓋ロック部材48の上部には、定滑車47を経由してワイヤ51の伝達部材25と反対側の端部が固着されている。蓋ロック部材48の下方への変位は、コイルばね49の弾性力に抗して伝達部材25がワイヤ51を介して蓋ロック部材48を上方へ引っ張ることにより規制されている。湾曲板材41、蓋ロック部材48、及びコイルばね49は蓋ロック装置50を構成する。また定滑車47及びワイヤ51は第2の変換機構を構成する。
【0043】
蓋ロック部材48は、図12に実線にて示す蓋アンロック位置と2点鎖線にて示す蓋ロック位置との間を変位する。蓋ロック位置は、蓋ロック部材48がロック凹部45から下方へ突出するとともに、これが、蓋40が閉じられている場合の蓋ロック孔42に収容される位置である。蓋ロック部材48をアンロック位置からロック位置へ変位させる場合には、伝達部材25が順回転されることによりワイヤ51の巻き取りが解放される。これにより、蓋ロック部材48は下方へ変位する。蓋ロック部材48がこの蓋ロック位置にあるとき、蓋40の開く方向への変位は、蓋ロック部材48が湾曲板材41の内面に当接することにより規制される。一方、蓋アンロック位置は、蓋ロック部材48がロック凹部45に完全に収容される位置である。蓋ロック部材48がこの蓋アンロック位置にあるとき、蓋40は、その開く方向への変位が許容される蓋アンロック状態となる。蓋ロック部材48を蓋ロック位置から蓋アンロック位置へ変位させる場合には、伝達部材25が逆回転することによりワイヤ51が巻き取られる。これにより、蓋ロック部材48がコイルばね49の弾性力に抗して上方へ変位する。蓋ロック部材48は、ロックバー23がロック位置となった場合に蓋ロック位置へ変位し、ロックバー23がアンロック位置となった場合に蓋アンロック位置へ変位する。
【0044】
次に、給電プラグ10からバッテリ4に充電を行うときの、接続ロック装置20の動作について説明する。本実施形態では、車両1が、駆動源が駆動している走行可能状態から駆動源が停止した走行不能状態となった場合を想定する。このとき、蓋40は、閉じた状態であるとともに、蓋ロック装置50は、蓋ロック部材48を蓋ロック位置に位置させている。これにより、蓋40は、開く方向への変位が規制されている。すなわち、この状態では、給電プラグ10をインレット部5へ接続しようとしても、当該インレット部5は、蓋40によって外部から確認できない状態である。従って、まず、蓋40を開けるところからスタートする。なお、このとき、接続ロック装置20は、ロックバー23をロック位置に位置させている。
【0045】
ユーザにより、取り外しスイッチ76が押下されたとき、取り外しスイッチ76は、その旨示す信号を充電ECU75に出力する。充電ECU75は、取り外しスイッチ76から操作信号が入力されると、モータ22に逆回転の駆動信号を出力して、係止爪16のアンロック動作を開始する。
【0046】
モータ22が逆回転駆動すると、この駆動力により伝達部材25がロックのときと逆方向に回転して、ストッパ26がアンロック側に直進移動する。この際、ロックバー23は、自身の緩衝孔23aを介してストッパ26によってアンロック側に押されることにより、ばね28の付勢力に抗して、アンロック位置に向かって直進移動する。このとき、伝達部材25の逆回転によってワイヤ51が巻き取られることにより、蓋ロック部材48は、コイルばね49の弾性力に抗して上方へ移動する。
【0047】
そして、ロックバー23がアンロック位置に位置、すなわちストッパ26の磁石27が第1ホール素子38に対向する位置に移動すると、これが第1ホール素子38により検出される。充電ECU75は第1ホール素子38を通じてロックバー23がアンロック位置に到達した旨を検出すると、モータ22の駆動を停止させる。ロックバー23はアンロック位置に保たれる。これにより、インレット部5への給電プラグ10を挿入が許容される。また、このとき、蓋ロック部材48は、ロック凹部45に収容される。これにより、蓋40の開閉が許容される。
【0048】
図5に示すように、嵌着部14と円筒部5b、係止爪16と係合部21の係合凹部21aとの位置を合わせた状態で給電プラグ10をインレット部5側へ動かす。図7に示すように、係止爪16は、これを第1の位置に保持しようとする弾性力に抗して斜面5cに案内されて上方へ変位する。そして、更に給電プラグ10をインレット部5側へ動かすと、同図にて2点鎖線で示すように、係止爪16は、斜面5cを乗り越えて係合凹部21aに至る。すると、係止爪16はこれを第1の位置に保持しようとする弾性力により下方へ変位して係合凹部21aの内面に係合する(図7の実線)。このとき、給電プラグ10の接続端子15とインレット部5の接続端子29とが好適に接続された状態となる。これにより、給電プラグ10とインレット部5とが電気的に接続された状態となる。
【0049】
給電プラグ10とインレット部5とが接続されると、充電ECU75は、充電装置62からの接続信号を受信する。接続信号の受信を通じて充電ECU75は、給電プラグ10とインレット部5との接続を認識する。そして、充電ECU75は、外部電源61からバッテリ4への充電を開始するとともに、ロックバー23をロック位置へ変位させるべくモータ22へ駆動信号を出力する。このようにして、充電ECU75は、係止爪16のロック動作を開始する。
【0050】
モータ22が駆動すると、この駆動力によって伝達部材25が回転する。伝達部材25の回転運動は、伝達部材25の雄螺子部25aとストッパ26の雌螺子部26aとの螺合によって、ストッパ26の軸方向の直進運動に変換される。従って、ストッパ26(レール26d)は、ケース31のモータ22側、すなわちロック側への直進運動を開始する。ロックバー23は、ばね28の弾性力によりモータ22側へ常時付勢されているので、自身の緩衝孔23aの内面がレール26dに当接した状態を保ちつつ、ストッパ26とともに、ロック位置に向かって直進移動する。このとき、伝達部材25によって巻き取られていたワイヤ51は、伝達部材25の順回転によってその巻き取りが解除される。従って、蓋ロック部材48は、コイルばね49の弾性力によって下方へ変位する。
【0051】
そして、ロックバー23がロック位置、すなわちストッパ26の磁石27が第2ホール素子39に対向する位置に移動すると、これが第2ホール素子39により検出される。充電ECU75は、第2ホール素子39を通じてロックバー23がロック位置に到達したことを検出すると、モータ22の駆動を停止させる。ロックバー23は、図8及び図9に示すように、ロック位置に保たれる。このとき、蓋ロック部材48は、蓋ロック位置に位置する。しかし、蓋40は開き状態のため、蓋ロック部材48は、蓋ロック孔42に収容されることはない。なお、蓋ロック位置は、給電プラグ10等に干渉しない位置に設定されている。
【0052】
このように、係止爪16がロック状態に保たれている場合に、例えば第三者等が給電プラグ10をインレット部5から取り外そうとして、操作部17の操作を行ったとする。これに伴い係止爪16は上方に変位しようとする。しかし、係止爪16の上方にはロックバー23が位置しているので、係止爪16が上方に持ち上がろうとしても、ロックバー23によってこの動きが規制され、係止爪16は係合部21に引っ掛かった状態を維持する。これにより、第三者等が給電プラグ10を取り外そうとしても、係止爪16と係合部21との係合を解除できないので、給電プラグ10の不正取り外しが防止される。
【0053】
給電プラグ10とインレット部5との接続を解除するには、取り外しスイッチ76を操作する。充電ECU75は、車外照合の成立が検出された状態で取り外しスイッチ76の操作を検出すると、モータ22に逆回転の駆動信号を出力して、係止爪16のアンロック動作を開始する。
【0054】
モータ22が逆回転駆動すると、この駆動力により伝達部材25がロックのときと逆方向に回転して、ストッパ26がアンロック側に直進移動する。この際、ロックバー23は、自身の緩衝孔23aを介してストッパ26によってアンロック側に押されることにより、ばね28の弾性力に抗して、アンロック位置に向かって直進移動する。
【0055】
そして、ロックバー23がアンロック位置に位置、すなわちストッパ26の磁石27が第1ホール素子38に対向する位置に移動すると、これが第1ホール素子38により検出される。充電ECU75は第1ホール素子38を通じてロックバー23がアンロック位置に到達した旨を検出すると、モータ22の駆動を停止させる。ロックバー23はアンロック位置に保たれる。これにより、図6及び図7に示すように、ロックバー23は、部材収容部32b内に収容されて、係止爪16の上部にロックバー23が位置する状態が解除される。操作部17の押し操作により係止爪16を開き操作することが可能となるので、係止爪16を開いて、給電プラグ10をインレット部5から取り外すことが可能となる。このとき、伝達部材25によってワイヤ51が巻き取られるため、蓋ロック部材48は上方へ変位してロック凹部45に収容される。これにより、蓋40が閉じられても、蓋ロック部材48が蓋40(湾曲板材41の外面)に干渉することがなくなる。従って、給電プラグ10がインレット部5から取り外されれば、蓋40を閉じることが可能となる。
【0056】
蓋40は、閉じ操作されると、車両1に設けられた図示しないマイクロスイッチを押下する。充電ECU75は、マイクロスイッチを通じて蓋40が閉じたことを検出すると、モータ22を順回転駆動させる。すると、ロックバー23はロック位置に変位するとともに、蓋ロック部材48は下方へ変位して蓋ロック孔42に収容される。従って、蓋40が閉じたにおいては、蓋ロック部材48が湾曲板材41の内面と係合することにより、蓋40の開操作が規制される。これにより、第3者によるインレット部5へのアクセスが抑制される。
【0057】
このように、ロックバー23がロック位置にあるとき、蓋ロック部材48は蓋ロック位置に、ロックバー23がアンロック位置にあるとき、蓋ロック部材48は、蓋アンロック位置にそれぞれ位置する。つまり、図13に示すように、ロックバー23及び蓋ロック部材48は、それぞれロック/アンロックするタイミングが同じになるように設定されている。しかし、ロック/アンロックするタイミングが同じであっても、蓋40をロックする場合には、同蓋40が閉じた状態である必要があるため、給電プラグ10はインレット部5に挿入することができない。よって、ロックバー23と蓋ロック部材48との両方がロック位置/蓋ロック位置に変位しても、蓋ロック部材48は、湾曲板材41と係合して蓋40をロックするが、ロックバー23は、係止爪16することができない。つまり、ロックバー23は、ロック位置に変位するのみである。一方、給電プラグ10をロックする場合には、給電プラグ10がインレット部5に挿入されている状態である必要があるため、蓋40が開いた状態である。よって、ロックバー23と蓋ロック部材48との両方がロック位置/蓋ロック位置に変位しても、ロックバー23は係止爪16の上部と係合して、同係止爪16の動きを規制することにより給電プラグ10をロックするが、蓋ロック部材48は、湾曲板材41と係合することができない。つまり、蓋ロック部材48は、蓋ロック位置に変位するのみである。
【0058】
このように、車両1の構造上、給電プラグ10をロックするとき蓋40をロックすることはできず、蓋40をロックするとき給電プラグ10をロックすることはできない。また、その必要もない。従って、ロックバー23及び蓋ロック部材48がそれぞれロック/アンロックするタイミングを同じに設定することに何ら問題は生じない。むしろ、ロック/アンロックするタイミングが同じに設定されることにより、ECU75によるモータ22の制御を容易にすることができる。
【0059】
以上詳述したように、本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)接続ロック装置20と蓋ロック装置50とを作動させるモータ22が共通になる分、両ロック装置が必要とする搭載スペースを小さくすることができる。また、モータ22に接続される制御基板も両ロック装置で共用とすることができるため、両ロック装置の更なる省スペース化を図ることができる。また、両ロック装置にモータ及び制御基板をそれぞれ設ける場合と異なり、一つのモータ及び一つの制御基板分のコストを抑えることができる。
【0060】
(2)モータ22の回転制御することによってロックバー23及び蓋ロック部材48を往復運動させることができる。従って、モータの制御を容易に行うことができる。
(3)接続ロック装置20の構造を利用して蓋ロック部材48を作動させることができる。従って、接続ロック装置20の構造を大幅に変更する必要がないため、ロック装置の開発工数を抑制することができる。
【0061】
(4)伝達部材25と蓋ロック部材48とを定滑車47に掛けられたワイヤ51で連結するという簡易な構成によって、モータ22の駆動力を蓋ロック部材48に伝達することができる。
【0062】
(第2の実施形態)
以下、本発明を具体化した第2の実施形態を図面に従って説明する。なお、本実施形態と上記第1の実施形態との主たる相違点は、伝達部材25と蓋ロック部材との間の第2の変換機構の構成である。このため、説明の便宜上、第1の実施形態と同一の部分については同一の符号を付すこととして、その説明を省略する。
【0063】
図14に示すように、蓋ロック装置90は、ストッパ26と一体形成された蓋規制部材及び棒状部材としての四角柱状の蓋ロック部材91と、図15に示すように、蓋40の内面に固定された板状の係合部材92とを備えている。蓋ロック部材91は、ストッパ26の上部に設けられるとともに、雌螺子部26aの軸線に沿ってモータ22側に突出している。この蓋ロック部材91は、ストッパ26がロック位置に位置したときにモータ22(仕切壁32c)と干渉しないように、その突出長が設定されている。また、ケース31の前面上部において、仕切壁32cの左側には矩形状の貫通孔93が形成されている。
【0064】
図15に示すように、係合部材92は、蓋40を閉じたとき、貫通孔93に対応する位置に設けられている。係合部材92は、貫通孔93に挿入可能とされている。係合部材92の上部には係合凹部94が形成されている。図16に示すように、蓋40が閉じ操作された場合に、係合部材92は貫通孔93に進入する。このとき係合部材92の上面は、部材収容部32bの内面と摺接又は近接する。これにより、係合凹部94と部材収容部32bの内面との間には、蓋ロック部材91の突出方向に貫通する蓋係合部としての蓋ロック孔95が形成されている。蓋ロック孔95は蓋ロック部材91と対応する。このように、係合部材92の蓋40に対する位置、及び蓋ロック孔95(係合凹部94)の係合部材92に対する位置が設定されている。
【0065】
なお、本例の蓋40は、図示しない可動ヒンジによって連結されている。この可動ヒンジは、蓋40の回転中心であるヒンジが車両1の幅方向に可動するものである。これによって、蓋40の開閉を円滑に行うことが可能になる。すなわち、凹部1aを閉じた状態の蓋40を開く場合には、まず、蓋40を車両1の外側に向かって引っ張る。すると、蓋40は可動ヒンジとともに車両1の外側に変位して、貫通孔93から係合部材92が抜かれる。この後、蓋40をヒンジ中心に回転させる。これにより、凹部1aは開いた状態になる。逆に、開いた状態の蓋40を閉じるときには、先ほどとは逆の操作態様をとる。すなわち、蓋40をヒンジ中心に回転させた後、可動ヒンジとともに車両1に向かって押すことによって、閉じた状態となる。このとき、貫通孔93へ係合部材92が挿入される。
【0066】
次に、バッテリ4への充電が完了する等して、インレット部5から給電プラグ10を抜いた後に蓋40が閉じて、蓋ロック装置90が作動するまでの各部の動作ついて説明する。なお、取り外しスイッチ76が押下されて、ロックバー23及び蓋ロック部材91がアンロック位置、また蓋40が開いた状態となっているところから説明を開始する。
【0067】
図17に示すように、このように構成された蓋ロック装置90において、ストッパ26がアンロック位置にある状態で蓋40が閉じ操作されると、同蓋40は図示しないマイクロスイッチを押下するとともに、係合部材92は貫通孔93(図16参照)に挿入される。
【0068】
図18に示すように、マイクロスイッチの押下を契機として、ストッパ26はロック位置に変位する。このとき、ストッパ26のモータ22側への変位に伴って、蓋ロック部材91もモータ22側へ変位する。そして、蓋ロック部材91は、蓋ロック孔95に挿入される。この挿入された蓋ロック部材91と蓋ロック孔95の内面とが係合することにより、蓋40の開く方向への変位が規制される。これにより、第3者によるインレット部5へのアクセスが抑制される。
【0069】
なお、本実施形態においても、上記第1の実施形態と同様に、ロックバー23及び蓋ロック部材91のロック/アンロックするタイミングが同じに設定されることにより、ECU75によるモータ22の制御を容易にすることができる(図13参照)。
【0070】
以上詳述したように、本実施形態によれば、上記第1の実施形態の(1)〜(3)効果に加えて以下に示す効果が得られるようになる。
(5)蓋ロック部材91、係合部材92、係合凹部94といった簡易な形状で蓋ロック装置90が構成される。従って、蓋ロック装置90は、接続ロック装置20に組み込む際に、同接続ロック装置20の構成を大幅に変更することなく組み込むことができる。つまり、蓋ロック部材91、係合凹部94を備えた係合部材92を追加するだけでよい。
【0071】
(第3の実施形態)
以下、本発明を具体化した第3の実施形態を図面に従って説明する。なお、本実施形態と上記第1の実施形態との主たる相違点は、伝達部材25と蓋ロック部材との間の第2の変換機構の構成である。このため、説明の便宜上、第1の実施形態と同一の部分については同一の符号を付すこととして、その説明を省略する。
【0072】
図19に示すように、第2蓋部34において、軸受部34aの対応する部位には、軸受部34aよりも小径の貫通孔34cが形成されている。伝達部材25のモータ22とは反対側の端部25cには、同端部25cよりも小径の円柱25dが同軸上に形成されている。円柱25dの先端部は、貫通孔34cの内側から挿入されて第2蓋部34の外側に突出する。
【0073】
図20に示すように、第2蓋部34の外側に突出した円柱25dの先端部には、円盤状の第1カム101が取着されている。この第1カム101の第2蓋部34と反対側の面には、図21に示すように、渦巻き状のカム溝102が形成されている。図20に示すように、第1カム101の更に外側(接続ロック装置20と反対側)には、第2カム103が設けられている。図22に示すように第2カム103は、給電プラグ10とインレット部5との接続方向に延びる直方体状をなす。第2カム103の端部には、その先端部がカム溝102に挿入されるカム突104が形成されている。第2カム103の下面において、カム突104と反対側の端部には、カム面としてのカム山105が形成されている。カム山105の先端部は曲面状に形成されている。カム山105の両側部は滑らかな曲面を介して第2カム103の下面に連続している。第2カム103は、凹部1aの上方に形成されたカム収容部108の内部に摺動可能に設けられている。
【0074】
カム収容部108の下部には、これ連続するロック収容部106が形成されている。このロック収容部106底壁には貫通孔107が形成されている。ロック収容部106は、貫通孔107を介して凹部1aに連通する。ロック収容部106には、2段円柱状の蓋ロック部材110が収容されている。蓋ロック部材110は、第2カム103の延びる方向に対して直交する方向へ延びている。蓋規制部材としての蓋ロック部材110は、上部の大径部111と下部の小径部112とからなる。大径部111は、貫通孔107より大径とされている。小径部112の先端部は貫通孔107よりも小径とされている。大径部111の上面には、カム山105と係合するカム円盤113が設けられている。このカム円盤113は、蓋ロック部材110の軸線方向(図中左右方向)に対して直交する軸を中心として回転自在に設けられている。また、大径部111の下面とロック収容部106の内底面との間には、小径部112が挿通された状態でコイルばね116が介在されている。このコイルばね116は、その弾性力によって蓋ロック部材110を常時上方へ付勢している。蓋ロック部材110の上方への変位は、カム円盤113が第2カム103(カム山105)に当接することにより規制される。なお、蓋40には、上記第1の実施形態と同様に、湾曲板材41によって蓋ロック孔42(図10参照)が設けられている。この蓋ロック孔42は、蓋40が閉じた状態であるとき、貫通孔107と同軸となるように設けられている。すなわち、蓋40が閉じた状態であるとき、蓋ロック部材110が下方へ変位すると、小径部112の先端部が蓋ロック孔42に挿入される(蓋ロック位置)。蓋ロック部材110と湾曲板材41とが係合することによって蓋40の開く方向への変位が規制される。小径部112の先端部がロック収容部106に完全に収容されたとき、蓋ロック部材110は、蓋ロック孔42と係合しない蓋アンロック位置となる。蓋ロック装置120は、湾曲板材41、第1カム101、第2カム103、蓋ロック部材110、及びコイルばね116によって構成されている。
【0075】
次に、バッテリ4への充電が完了する等して、インレット部5から給電プラグ10を抜いた後に蓋40が閉じて、蓋ロック装置120が作動するまでの各部の動作ついて説明する。なお、取り外しスイッチ76が押下されて、ロックバー23及び蓋ロック部材110がアンロック位置、蓋アンロック位置である状態、また蓋40が開いた状態となっているところから説明を開始する。
【0076】
図22に示すように、蓋ロック部材110がロック収容部106に収容された状態で、蓋40が閉じられると、図示しない車両1に設けられたマイクロスイッチを押下する。すると、モータ22が逆回転駆動する。これにより、第1カム101が時計回りに回転(右回転)する。すると、カム突104が渦巻き状のカム溝102に案内されることにより、第2カム103は、カム収容部108を右方へ向かって変位する。これにより、カム山105も同方向に変位する。すると、カム円盤113は、カム山105の変位によって斜面から下方への力を受ける。従って、蓋ロック部材110は、コイルばね116の弾性力に抗して下方へ移動する。図23に示すようにカム円盤113がカム山105の頂部に到達したとき、蓋ロック部材110は、蓋ロック位置に至る。すなわち、小径部112の先端部は、蓋ロック孔42に挿入される。蓋ロック部材110と湾曲板材41とが係合することによって蓋40の開く方向への変位が規制される。これにより、第3者によるインレット部5へのアクセスが禁止される。
【0077】
一方、これとは、逆に蓋40を開けて給電プラグ10からバッテリ4への充電を行うときには、取り外しスイッチ76を押下する。すると、図23に示すように、モータ22は順回転駆動する。これにより、第1カム101が左回転する。すると、カム突104が渦巻き状のカム溝102に案内されることにより第2カム103は、カム収容部108を左方へ向かって変位する。これにより、カム山105も同方向に変位する。大径部111はコイルばね116の弾性力により常時上方へ付勢されているので、カム山105の左方への変位に伴い、カム円盤113はカム山105に沿って上方へ移動する。すると図22に示すように、カム円盤113は第2カム103の下面に到達することにより、蓋ロック部材110はアンロック位置に到達する。すなわち、蓋ロック部材110の上方への変位に伴い、小径部112は、蓋ロック孔42から離脱して貫通孔107に収容される。これにより、蓋ロック部材110と湾曲板材41との係合が解除されるので、蓋40の開操作が行えるようになる。
【0078】
なお、本実施形態においても、上記第1の実施形態と同様に、ロックバー23及び蓋ロック部材110のロック/アンロックするタイミングが同じに設定されることにより、ECU75によるモータ22の制御を容易にすることができる(図13参照)。
【0079】
以上詳述したように、本実施形態によれば、上記第1の実施形態の(1),(2)効果に加えて以下に示す効果が得られるようになる。
(6)モータ22の回転運動を、第1カム101,第2カム103、及び蓋ロック部材110といった簡易な構成のカム装置によって蓋ロック部材110の往復運動に変換することができる。この蓋ロック部材110の往復運動を利用して、蓋ロック部材110を蓋ロック位置と蓋アンロック位置との間において、容易に上下運動に変換させることができる。
【0080】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記第1の実施形態において、ワイヤ51は、伝達部材25によって巻き取るように構成したが、モータ22の回転駆動力を基に移動する他の部材に設けてもよい。例えば図4の2点鎖線にて示すように、ワイヤ51は、ストッパ26やロックバー23等にその一端を取着して、第2蓋部34等に設けられた貫通孔を通して他端を蓋ロック部材48に取着してもよい。このようにしても、モータ22の回転運動に応じて往復運動するストッパ26(ロックバー23)の往復運動に伴って、蓋ロック部材48を蓋ロック孔42に収容させたり離脱させたりすることができる。
【0081】
・上記第2の実施形態において、蓋ロック部材91はストッパ26の上部に同ストッパ26と一体形成したが、ストッパ26の他の位置、例えばレール26d等に設けてもよい。また、蓋ロック部材91は、必ずしもストッパ26と一体形成でなく他の部材で形成して、ストッパ26に固着してもよいし、往復移動する他の部材、例えば、ロックバー23等に取着してもよい。また、係合凹部94は、蓋ロック部材91と係合して蓋40の開操作ができなくなればよいので、例えば貫通孔であってもよい。
【0082】
・上記第3の実施形態において、第1カム101、第2カム103、及び蓋ロック部材110は、正面カム及び直動カムといった平面カムを組み合わせたカム装置であるが、他のカム装置、例えば円筒カムや円錐カム等の立体カムを用いてもよい。
【0083】
・上記各実施形態において、外部電源61からバッテリ4へ充電する際の制御は、充電ECU75にて行ったが、照合ECU71が行ってもよい。
・上記各実施形態において、モータ22の駆動力は、伝達部材25を介してストッパ26に伝達させて同ストッパ26を駆動させたが、伝達部材25を省略するとともにモータ軸に雄螺子を形成してモータ22がストッパ26を直接駆動するようにしてもよい。
【0084】
・上記各実施形態において、インレット部5は車両1の前方右側面に設けるようにしたが、前方右側面に限らず、後方側面や車両前面等に設けてもよい。
・上記各実施形態において、係止爪16は、給電プラグ10の嵌着部14の上部に設けるようにしたが、片側だけでなく嵌着部14を挟んで上下等の複数箇所に設けるようにしてもよい。
【0085】
・上記各実施形態において、係止爪16は給電プラグ10に、係合部21は、インレット部5にそれぞれ形成されたが、逆であってもよい。
・上記各実施形態において、凹部として緩衝孔23aを形成したが、孔ではなく凹部を形成してもよい。
【0086】
・上記各実施形態において、駆動手段としてモータ22を用いたが、ソレノイド等の他の駆動手段を用いてもよい。
・上記各実施形態において、キーの認証を電子キー80によるID照合により行ったが、メカニカルキーによる機械的な照合で行ってもよい。
【0087】
・上記各実施形態において、電子キーシステム70は、例えばIDコードの発信元としてトランスポンダを使用するイモビライザーシステムを採用してもよい。
・上記各実施形態において、電子キーシステム70で使用する電波の周波数は、必ずしもLFやUHFに限定されず、これら以外の周波数が使用可能である。また、車両1から電子キー80に電波発信するときの周波数と、電子キー80から車両1に電波を返すときの周波数とは、必ずしも異なるものに限定されず、これらを同じ周波数としてもよい。
【0088】
・上記各実施形態において、ユーザ認証は、必ずしも電子キー80を使用したキー認証に限定されず、例えば生体認証等の他の認証を応用してもよい。
・上記各実施形態において、プラグインハイブリッド式の車両1のインレット部5に適用したが、プラグインハイブリッド式の車両に限らず、電気自動車のインレット部等に適用してもよい。
【0089】
・上記各実施形態において、本例の接続ロック装置20は、必ずしも車両1のみに適用されることに限らず、充電式バッテリを持つ装置や機器であれば、その採用先は特に限定されない。
【符号の説明】
【0090】
T…駆動時間、T1…所定時間、1…車両、2…駆動輪、3…ハイブリッドシステム、4…バッテリ、5…インレット部、5a…インレット本体、5b…円筒部、5c…斜面、6…コンバータ、10…給電プラグ、11…プラグ本体、11a…基端、11b…先端、12…ケーブル、13…グリップ部、14…嵌着部、15,29…接続端子、16…係止爪、17…操作部、20…ロック装置、21…係合部、21a…係合凹部、21b…内面、22…モータ、22a…駆動軸、23…ロックバー、23a…緩衝孔、23b…隙間、23c…ばね取付部、24…軸受、25…伝達部材、25a…雄螺子部、25b,25c…端部、25d…円柱、26…ストッパ、26a…雌螺子部、26b…磁石収容部、26d…レール、27…磁石、28…ばね、31…ケース、32…ケース本体、32a…モータ収容部、32b…部材収容部、32c…仕切壁、32d…貫通孔、32f…レール溝、32g…ロックバー誘導溝、32h…案内面、32k…突出孔、33…第1蓋部、34…第2蓋部、34a…軸受部、34b…凹部、35…コネクタ、36…螺子、37…基盤、38…第1ホール素子、39…第2ホール素子、41…湾曲板材、42…蓋ロック孔、45…ロック凹部、46…ワイヤ孔、47…定滑車、48…蓋ロック部材、49…コイルばね、50…蓋ロック装置、51…ワイヤ、61…外部電源、62…充電装置、70…電子キーシステム、71…照合ECU、71a…メモリ、72…車外LF発信機、73…車内LF発信機、74…UHF受信機、75…充電ECU、75a…タイマ、76…スイッチ、80…電子キー、81…通信制御部、81a…メモリ、82…LF受信部、83…UHF発信部、90…蓋ロック装置、91…蓋ロック部材、92…係合部材、93…貫通孔、94…係合凹部、95…蓋ロック孔、101…第1カム、102…カム溝、103…第2カム、104…カム突、105…カム山、106…ロック収容部、107…貫通孔、108…カム収容部、110…蓋ロック部材、111…大径部、112…小径部、113…カム円盤、116…コイルばね、120…蓋ロック装置。
【技術分野】
【0001】
本発明は、給電プラグとこれが接続されるインレットを覆う蓋とをそれぞれロックするロック装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両からの排出ガスを少なく抑えることを目的として、各車両メーカでは、モータを駆動源とする電気自動車(ハイブリッド車も含む)の開発気運が非常に高くなってきている。このような電気自動車では、車両の動力源を駆動するためのバッテリの電力残量が少なくなる度に、例えば家庭や電気スタンド等においてバッテリに充電を行う必要がある。このことから、電気自動車にはユーザにも簡単に扱える様々な充電システムが設けられることになる。このようなシステムとしては、例えば特許文献1に示されるものが知られている。このシステムでは、例えば家庭の商用電源に繋がる給電プラグを接続可能としたインレット部を車両に設け、帰宅したときなどに駐車車両のインレット部に給電プラグを接続し、商用電源を車両に送り込むことによって車両のバッテリに充電を行う。給電プラグには係止爪が、インレット部には係合部がそれぞれ形成されており、両者が係合することにより、給電プラグとインレット部との接続が好適に維持される。給電プラグに設けられる操作部の操作に連動して係止爪が変位することにより、係合部との係合状態が解除される。これにより、給電プラグをインレット部から取り外し可能となる。
【0003】
ところで、電気自動車のバッテリ充電には、急速充電の技術が開発されているといっても、ガソリン車のガソリン補給に比べて比較的長い時間を要する。特に、一般家庭に高速充電用の器具が備え付けられることはまれであるので、ユーザが自宅でバッテリ充電を行う場合には、家庭用電源に繋がる給電プラグを車両のインレット部に接続して充電を開始してから、その状態で車両を長時間放置するケースが少なくない。この場合、例えば給電中の車両から給電プラグを取り外して、同給電プラグを別の車両のインレット部に装着して盗電されたり、給電プラグやコンセントに使用されている金属を目的として給電プラグ自体が盗まれたりする可能性も想定される。
【0004】
そこで、給電プラグがインレット部から不正に取り外されないようにするために、例えば給電プラグとインレット部との接続状態をロックするロック装置を給電プラグに搭載することが検討されている。このロック装置としては、次のような構成が考えられる。すなわち、モータを駆動源としてロック位置とアンロック位置との間を変位するロックバーを設ける。そして、給電プラグの係止爪とインレット部の係合部との係合が検出された際に、ロックバーをアンロック位置からロック位置へ自動的に変位させて、このロックバーで係止爪の動きをロックする。これにより、係止爪がロック状態となって、係止爪と係合部との係合が解除できなくなるため、給電プラグをインレット部から引き抜くことができなくなる。所定のアンロック条件の成立が検出されると、ロックバーをロック位置からアンロック位置へ自動的に変位させて係止爪の動きを解放する。これにより、給電プラグの操作部への操作を通じて係止爪と係合部との係合を解除することができる。すなわち、給電プラグをインレット部から取り外し可能となる。
【0005】
また、車両には、インレット部を外部環境から保護するために車両の外観意匠の一部を兼ねた蓋が設けられている。そして、この蓋を、蓋ロック装置によってロックすることにより、車両走行中等において蓋が開放されることを抑制する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平9−161898号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このように、別々に構成されるロック装置と蓋ロック装置とを車両に搭載する場合、これらを搭載するスペースをそれぞれ確保する必要がある。これら両ロック装置は、インレット部周辺に設けることが好ましい。しかし、インレット部の周辺は搭載スペースが限られているため、両ロック装置の小型化が求められていた。
【0008】
本発明は、こうした実状に鑑みてなされたものであり、その目的は、小型化を図りつつ、給電プラグ及びこれが接続されるインレット部を覆う蓋をそれぞれロックすることができるロック装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、給電プラグ及び受電コネクタの一方に設けられた係止爪が他方に設けられた被係止部に係止される係止状態が、解除される方向への前記係止爪の動きを規制するロック位置とこれを許容するアンロック位置との間を変位する爪規制部材と、前記受電コネクタを外部環境から保護する蓋に設けられた蓋係合部材との係合を通じて蓋の開閉を規制するロック位置と、当該蓋係合部材との係合が解除されて蓋の開閉が許容されるアンロック位置との間を変位する蓋規制部材と、前記爪規制部材及び前記蓋規制部材にそれぞれ作動連結された駆動源とを備えることを要旨とする。
【0010】
同構成によれば、単一の駆動源の動作を通じて、給電プラグ及び蓋のロックを行うことができる。両規制部材の駆動源が共通になる分、ロック装置とが必要とする搭載スペースを小さくすることができる。また、駆動源の制御基盤等も共用することができることから、両ロック装置の更なる省スペース化を図ることができるとともに制御基盤分のコストを抑えることができる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のロック装置において、前記駆動源は、モータであって、前記モータの回転運動を前記爪規制部材の往復運動に変換する第1の変換機構と、前記モータの回転運動を前記蓋規制部材の往復運動に変換する第2の変換機構とを備えることを要旨とする。
【0012】
同構成によれば、モータの回転制御を通じて両規制部材をそれぞれのロック位置とアンロック位置との間において、往復運動させることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のロック装置において、前記第2の変換機構は、滑車とこれに掛けられたワイヤとを備え、前記ワイヤの端部は、前記蓋規制部材に連結し、前記ワイヤの蓋規制部材と反対側の端部は、前記モータの回転を通じて、前記蓋規制部材の変位方向と交わる方向へ引っ張られることを要旨とする。
【0013】
同構成によれば、ワイヤと滑車という簡易な構成によって、駆動源の駆動力を蓋規制部材に伝達することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載のロック装置において、前記蓋規制部材は、前記爪規制部材の変位方向と同方向に変位するように設け、前記第1及び第2の変換機構は、同一のものとしたことを要旨とする。
【0014】
同構成によれば、両規制部材の変位方向が同じであるため、第1及び第2の変換機構の共用化が図られる。これにより、ロック装置の構成を簡素なものとすることができる。
請求項5に記載の発明は、請求項2に記載のロック装置において、前記第2の変換機構は、前記モータと一体的に回転するカムを備え、前記カムに形成されたカム面と前記蓋規制部材の一部との係合を通じて、前記蓋規制部材は往復運動を行うことを要旨とする。
【0015】
同構成によれば、モータの回転運動を、カムという簡易な構成で蓋規制部材の往復運動に変換することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明では、小型化を図りつつ、給電プラグ及びこれは接続されるインレット部を覆う蓋をそれぞれロックすることができるロック装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態を示す充電システム及び電子キーシステムの概略構成を示すブロック図。
【図2】同実施形態の給電プラグの概略構成を示す部分断面図。
【図3】同実施形態のインレット部及びロック装置の概略構成を示す断面図。
【図4】同実施形態のロック装置の分解斜視図。
【図5】同実施形態の給電プラグとインレット部との接続態様を示す斜視図。
【図6】同実施形態のロック装置がアンロック状態の場合における給電プラグの係止爪が係合したインレット部の横断面図。
【図7】図6におけるA−A線に沿った断面図。
【図8】同実施形態のロック装置がロック状態の場合における給電プラグの係止爪が係合したインレット部の横断面図。
【図9】図8におけるA−A線に沿った断面図。
【図10】同実施形態の車両凹部周辺の外観図。
【図11】同実施形態の給電プラグと蓋のロック構造を車両内側からみた斜視図。
【図12】図11におけるB−B線に沿った断面図。
【図13】同実施形態のモータの駆動に伴い推移するロックバー及び蓋ロック部材のロック/アンロックを示すタイムチャート。
【図14】第2の実施形態の給電プラグと蓋のロック構造の分解斜視図。
【図15】同実施形態の蓋部の斜視図。
【図16】図15における係合部材が図14における貫通孔に挿入されたときの、図14及び図15におけるC−C線に沿った断面図。
【図17】同実施形態の蓋部が閉操作された状態の係合板材における蓋部がアンロック状態のインレット部の断面図。
【図18】同実施形態の蓋部が閉操作された状態の係合板材における蓋部がロック状態のインレット部の断面図。
【図19】第3の実施形態の給電プラグと蓋のロック構造の分解斜視図。
【図20】同実施形態の給電プラグと蓋のロック構造における正面図。
【図21】同実施形態の給電プラグと蓋のロック構造を車両内側からみた斜視図。
【図22】蓋アンロック状態の図21におけるD−D線に沿った断面図。
【図23】蓋ロック状態の図21におけるD−D線に沿った断面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明をプラグインハイブリッド車に具体化した給電プラグのロック装置の一実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、ハイブリッド式の車両1には、駆動輪2の車両用駆動源としてエンジンとモータとの駆動力を組み合わせて使用するハイブリッドシステム3が備えられている。このハイブリッドシステム3には、バッテリ4が接続されている。
【0019】
ハイブリッドシステム3は、エンジンの動力のみを機械的に駆動輪2に伝えて走行するモード、エンジン及びモータの双方で駆動輪2を直接駆動するモード、及びエンジンを使用せずにモータのみで走行するモードを有し、車両の走行状態等に応じて各種走行モードを切り替える。また、ハイブリッドシステム3は、エンジンの動力によってバッテリ4に充電するモード、駆動輪2の制動力をモータによって電力に変換してバッテリ4に充電するモードを有し、車両の走行状態等に応じて各種充電モードを切り替える。車両1は、ハイブリッドシステム3によって切り替わる各種走行モードに応じて走行したり、各種充電モードに応じてバッテリ4へ充電したりする。
【0020】
バッテリ4には、インレット部5がコンバータ6を介して接続されている。このインレット部5は、車両1の外部電源(交流電源)61と充電装置62を介して接続された給電プラグ10を挿し込むコネクタ部品であって、例えば車両1の前部側面にガソリン車の給油口と同様の態様で搭載されている。充電装置62は、給電プラグ10がインレット部5に挿入された場合に、その旨示す接続信号を車両1へ発信する。コンバータ6は、給電プラグ10からインレット部5を介して送り込まれた交流電圧を直流電圧に変換し、この変換した直流電圧をバッテリ4に送る。こうして、外部電源61からバッテリ4に充電される。
【0021】
車両1には、例えばユーザが実際に車両キーを操作しなくてもドアの施錠及び解錠等の車両制御が実行される電子キーシステム70が搭載されている。この電子キーシステム70では、車両1とユーザに携帯される車両キーとしての電子キー80との間の無線通信を通じて車両制御が実行される。
【0022】
電子キーシステム70を以下に詳細に説明する。車両1に搭載される照合ECU71には、車両1の各ドアに埋設されて車外にLF(Low Frequency)帯の信号を発信する車外LF発信機72と、車内床下に埋設されて車内にLF帯の無線信号を発信する車内LF発信機73と、車内後部の車体に埋設されてUHF(Ultra High Frequency)帯の無線信号を受信するUHF受信機74とが接続されている。なお、照合ECU71は、電子キー80に対応する固有のIDコードが記憶されたメモリ71aを備えている。
【0023】
一方、電子キー80に搭載される通信制御部81には、LF帯の信号を受信するLF受信部82と、通信制御部81の指令に従いUHF帯の信号を発信するUHF発信部83とが接続されている。通信制御部81は、電子キー80固有のIDコードが記憶されたメモリ81aを備えている。
【0024】
照合ECU71は、車外LF発信機72からリクエスト信号Srqを間欠的に発信させて、車両1の周辺に通信エリアを形成する。電子キー80を携帯したユーザがこの通信エリアに入り込む等してリクエスト信号SrqをLF受信部82が受信すると、通信制御部81はリクエスト信号Srqに応答する形でUHF発信部83から自身のメモリ81aに登録されたIDコードを含ませたIDコード信号Sidを返信する。照合ECU71は、UHF受信機74でIDコード信号Sidを受信すると、自身のメモリ71aに登録されたIDコードと電子キー80のIDコードとのID照合(車外照合)を行う。そして、照合ECU71は、車外照合が成立すると、図示しないドアロック装置によるドアの解錠を許可又は実行する。
【0025】
照合ECU71は、車外照合が成立してドアが解錠された後に、車内LF発信機73からリクエスト信号Srqを発信して車内全域に車内通信エリアを形成する。電子キー80を携帯したユーザがこの車内通信エリアに入り込む等してリクエスト信号SrqをLF受信部82が受信すると、通信制御部81は、UHF発信部83から自身のメモリ81aに登録されたIDコードを含ませたIDコード信号Sidを返信する。照合ECU71は、UHF受信機74でIDコード信号Sidを受信すると、自身のメモリ71aに登録されたIDコードと電子キー80のIDコードとのID照合(車内照合)を行う。照合ECU71は、車内照合が成立すると、ハイブリッドシステム3の始動を許可する。
【0026】
本実施形態では、車両1に外部電源61から充電する際にも電子キーシステム70によるIDコードの照合が行われる。車両1には、充電に関わる制御を行う充電ECU75が設けられている。充電ECU75は、図示しない車内LAN(Local Area Network)を介して照合ECU71と通信可能であるとともに、この通信を利用して照合ECU71におけるID照合の成立結果を確認することができる。また、充電ECU75は、車両1に設けられた取り外しスイッチ76と電気的に接続されている。さらに、充電ECU75は、バッテリ4及びインレット部5に設けられた接続ロック装置20と電気的に接続されている。充電ECU75は、タイマ75aを内蔵し、接続ロック装置20の作動時間を計測する。この充電ECU75が計測する作動時間とは、接続ロック装置20がロック状態からアンロック状態に切り替わる時間である。接続ロック装置20は、インレット部5と給電プラグ10との接続又は接続解除を許容するアンロック状態と、両者の接続又は接続解除を規制するロック状態の2つの状態をとる。通常、接続ロック装置20はロック状態に維持される。充電ECU75は、接続ロック装置20のロック/アンロックを車外照合の成立結果によって切り替える。充電ECU75は、照合ECU71における車外照合が成立したことを確認して、接続ロック装置20をアンロック状態に切り替えてバッテリ4への充電を許可する。このとき、充電ECU75は、インレット部5と給電プラグ10とが接続されて、充電装置62からの接続信号を受信すると、コンバータ6の制御を通じて、外部電源61からバッテリ4への充電を開始する。従って、電子キー80を携帯しない第3者には、接続ロック装置20のロックを解除できない。なお、車外通信エリアは、車両周囲の全域に亘り形成されるので、車両1の前部側面に設けられたインレット部5の前にユーザが電子キー80を携帯して立つことにより、車外照合は問題なく実行される。
【0027】
図2に示すように、給電プラグ10のプラグ本体11の基端11aには、外部電源61(図1参照)と接続されるケーブル12が接続されている。プラグ本体11には、ユーザが把持するグリップ部13が形成されている。プラグ本体11の先端11bには、インレット部5に嵌着される円筒状の嵌着部14が形成されている。嵌着部14の内部には、複数の接続端子15が設けられている。接続端子15は、電力の伝送経路となるパワー端子や、各種制御指令の通信経路となる制御端子等を備える。
【0028】
この嵌着部14の上部には、給電プラグ10とインレット部5とが接続された際に、両者の接続状態を好適に維持するための係止爪16が設けられている。係止爪16は、プラグ本体11の内部に設けられた軸を中心として回動可能に設けられている。係止爪16は、図2に実線で示す第1の位置と2点鎖線で示す第2の位置との間を変位する。第1の位置は、給電プラグ10とインレット部5とが接続された際にインレット部5の一部に係合して、両者の接続状態を好適に保持する位置である。また、第2の位置は、インレット部5の一部との係合が解除されて、給電プラグ10をインレット部5から取り外すことが可能となる位置である。なお、係止爪16は、通常時において第1の位置に弾性保持されるとともに、プラグ本体11の上部に設けられた操作部17を押し操作すると第2の位置(傾動状態)へ変位する。操作部17の操作が解除されると、係止爪16は第1の位置へ弾性復帰する。
【0029】
図3に示すように、インレット部5のインレット本体5aには、給電プラグ10をインレット部5に接続する際に、嵌着部14が挿入される円筒部5bが形成されている。そして、円筒部5bの内部には、複数の接続端子29が設けられている。接続端子29は、電力の伝送経路となるパワー端子や、各種制御指令の通信経路となる制御端子等を備える。嵌着部14が円筒部5bに挿入された際、同円筒部5bのパワー端子には嵌着部14のパワー端子が、円筒部5bの制御端子には嵌着部14の制御端子がそれぞれ接続される。
【0030】
図3に示すように、インレット本体5aの外周面上部には、係止爪16と係合する被係止部としての係合部21が形成されている。係合部21のプラグ挿入側には、斜面5cが形成されている。係合部21は、係止爪16の挿入及び傾動を許容する係合凹部21aを有する。係止爪16は、係合凹部21aのプラグ挿入側の内面21bに係合する。これにより、給電プラグ10のインレット部5に対する引き抜き方向への変位が規制される。インレット本体5aの上部には、係合部21と係合する係止爪16のロック/アンロックを切り替える接続ロック装置20が固定されている。
【0031】
図4に示すように、接続ロック装置20は、直方体状のケース31を備える。ケース31は、同ケース31の上部、前部及び下部の3部を形成するコの字板状のケース本体32と、ケース31の後部及び右側部の2部を形成してケース本体32を閉蓋するL字板状の第1蓋部33と、ケース31の左側部を形成してケース本体32を閉蓋する第2蓋部34とを備える。ケース31の後部にあたる第1蓋部33の外側面には、充電ECU75(図1参照)と電気的に接続されるコネクタ35が設けられている。
【0032】
ケース本体32の内部には、モータ収容部32aと、部材収容部32bとが仕切壁32cを挟んで形成されている。モータ収容部32aには、ロック用駆動源としてのモータ22が収容されている。モータ22は、2個の螺子36によって仕切壁32cに固定されている。モータ22の駆動軸22aは、仕切壁32cに形成された貫通孔32dに挿入されて部材収容部32bの内部に突出している。モータ22の駆動軸22aには、該駆動軸22aと同軸方向に伸びる円柱状の伝達部材(ギヤ付きシャフト)25が固定されている。伝達部材25のモータ22側の端部25bは、貫通孔32dに軸受24を介して軸支されている。伝達部材25の端部25bと反対側の端部25cは、第2蓋部34に形成された軸受部34aに軸支されている。伝達部材25の中央部の外周には、周方向に沿って雄螺子部25aが形成されている。
【0033】
伝達部材25には、管状のストッパ26が螺合されている。ストッパ26の内周面には、伝達部材25の雄螺子部25aと螺合する雌螺子部26aが形成されている。ストッパ26の下部には、その軸方向の往復直線運動を案内するレール26dが形成されている。レール26dは、ケース本体32(部材収容部32b)の内面下部に形成されたレール溝32fに嵌装されている。これにより、ストッパ26のケース本体32に対する相対回転が規制される。このため、伝達部材25がモータ22によって回転すると、ストッパ26は、伝達部材25の軸方向、すなわちレール溝32fに沿って直線移動する。伝達部材25及びストッパ26は第1の変換機構を構成する。
【0034】
ストッパ26のコネクタ35側には、磁石収容部26bが形成されている。磁石収容部26bには、磁石27が収容されている。第1蓋部33の内面に取着された基盤37には、第1ホール素子38と第2ホール素子39とが設置されている。これら第1ホール素子38及び第2ホール素子39は、伝達部材25の軸方向と平行となるようにそれぞれ設置されている。なお、第1ホール素子38はストッパ26が最も第2蓋部34側に変位したときの磁石27に、第2ホール素子39はストッパ26が最もモータ22側に変位したときの磁石27にそれぞれ対向するように配置されている。これら第1ホール素子38及び第2ホール素子39は、基盤37を介してコネクタ35の接続端子29(制御端子)に電気的に接続されている。つまり、第1ホール素子38及び第2ホール素子39が検出する磁界の変化は充電ECU75によって検出される。また、モータ22も基盤37を介してコネクタ35の接続端子29(制御端子)に電気的に接続されている。つまり、モータ22は、充電ECU75によって制御される。充電ECU75は、第1ホール素子38及び第2ホール素子39における検出結果に基づいて、モータ22の駆動を制御する。
【0035】
ケース本体32(部材収容部32b)の内部において、レール溝32fの上側の部分には、これに沿って延びるロックバー誘導溝32gが形成されている。このロックバー誘導溝32gには、板状のロックバー23が摺動可能に挿入されている。爪規制部材としてのロックバー23の中央部には、緩衝孔23aが形成されている。ロックバー23は、伝達部材25の軸方向へ延びる長孔状をなす。この緩衝孔23aには、ストッパ26のレール26dが上方から挿入されている。レール26dと緩衝孔23aとの間には、伝達部材25の軸方向において隙間23bが形成される。
【0036】
図6に示すように、ロックバー誘導溝32gは、ケース本体32に形成された突出孔32kを介して外部に開放されている。ロックバー23は、そのモータ22側(右側)の端部が、外部に突出可能とされている。図7に示すように、突出孔32kから突出するロックバー23の上面は、ケース本体32の下面に形成された案内面32hに摺動案内される。
【0037】
ロックバー23の第2蓋部34側の側面には、ばね取付部23cが突出して形成されている。ばね取付部23cには、ばね28の一端が取り付けられるとともに、他端は第2蓋部34の内面に形成された凹部34bに固定されている。ばね28は、ロックバー23をモータ22の軸方向に沿って第2蓋部34から離間する方向へ常時付勢する。ロックバー23の第2蓋部34から離間する方向への変位は、緩衝孔23aの第2蓋部34側の端部がレール26dに当接することにより規制される。すなわち、ばね28の弾性力によりロックバー23は、常時その緩衝孔23aの第2蓋部34側(左側)の端部が、レール26dの根元に当接した状態に維持される。従って、ストッパ26がモータ22側へ変位すると、これに追従してロックバー23は、ばね28の弾性力によって緩衝孔23aの第2蓋部34側の端部がレール26dに当接した状態を保ちつつ、モータ22側へ変位する。反対に、ストッパ26が第2蓋部34側へ変位すると、レール26dと緩衝孔23aの第2蓋部34側の端部との当接を通じて、ロックバー23は、ばね28の弾性力に抗してストッパ26と一体となって第2蓋部34側へ変位する。
【0038】
ロックバー23は、図6に示すアンロック位置と図8に示すロック位置との間を変位する。ロック位置は、ロックバー23がケース本体32の外部に突出するとともに、これが係合部21(係合凹部21a)の上方に存在する位置である。ロックバー23がこのロック位置にあるとき、給電プラグ10(図2参照)の係止爪16の上方(係合部21に対する係合が解除される方向)への変位は、係止爪16の上部がロックバー23の下面に当接することにより規制される。すなわち、係止爪16は、操作部17の操作を通じた第1の位置(係合状態)から第2の位置(係合解除状態)への変位が規制されるロック状態となる。また、ロック位置は、給電プラグ10をインレット部5に挿入する際に係止爪16の先端がロックバー23に当接して給電プラグ10のインレット部5への挿入を規制する位置でもある。一方、アンロック位置は、ロックバー23がロックバー誘導溝32g内に完全に収容される位置である。ロックバー23がこのアンロック位置にあるとき、係止爪16は、操作部17の操作を通じて第1の位置から第2の位置への変位が許容されるアンロック状態となる。なお、ロックバー23がロック位置にあるとき、ストッパ26の磁石27は第2ホール素子39と対応し、同じくアンロック位置にあるとき、磁石27は第1ホール素子38と対応する。
【0039】
図4に示すように、伝達部材25の第2蓋部34側の端部25cには、ワイヤ51の端部が固着されている。詳しくは、ワイヤ51の端部は、軸受部34aに軸支された伝達部材25の軸受部34aと雄螺子部25aとの間の部分に固着されている。これにより、モータ22の駆動力によって伝達部材25が回転すると、ワイヤ51は、伝達部材25によって巻き取られたり、巻き取りを戻されたりする。ワイヤ51の伝達部材25と反対側の端部は、ケース本体32の前面に設けられたワイヤ孔32jからケース本体32の外部に導出されている。
【0040】
図10に示すように、凹部1aの側部には、図示しないヒンジを介して開閉する蓋40が設けられている。この蓋40は、閉じている場合には、その外面が車両1の意匠面を形成する。インレット部5は、蓋40が閉じられることにより外部環境から保護される。蓋40の内面には、略U字状の湾曲板材41が固着されている。そして、この湾曲板材41と蓋40の内面とから車両上下方向に貫通する蓋係合部としての蓋ロック孔42が形成されている。
【0041】
図11及び図12に示すように、車両1の凹部1aの上部には、蓋40が閉められた場合に蓋ロック孔42と対応するロック凹部45が形成されている。ロック凹部45の底壁には、上下方向に貫通するワイヤ孔46が形成されている。さらに、車両1の内部においてロック凹部45の上方には、定滑車47が固定されている。
【0042】
ロック凹部45には、略円柱状の蓋ロック部材48が収容されている。この蓋係合部材としての蓋ロック部材48は、蓋40が閉じられた状態において、蓋ロック孔42に上方から挿入可能とされている。蓋ロック部材48とロック凹部45の底壁との間にはコイルばね49が介在されている。このコイルばね49は、その弾性力によって蓋ロック部材48を常時下方へ付勢する。蓋ロック部材48の上部には、定滑車47を経由してワイヤ51の伝達部材25と反対側の端部が固着されている。蓋ロック部材48の下方への変位は、コイルばね49の弾性力に抗して伝達部材25がワイヤ51を介して蓋ロック部材48を上方へ引っ張ることにより規制されている。湾曲板材41、蓋ロック部材48、及びコイルばね49は蓋ロック装置50を構成する。また定滑車47及びワイヤ51は第2の変換機構を構成する。
【0043】
蓋ロック部材48は、図12に実線にて示す蓋アンロック位置と2点鎖線にて示す蓋ロック位置との間を変位する。蓋ロック位置は、蓋ロック部材48がロック凹部45から下方へ突出するとともに、これが、蓋40が閉じられている場合の蓋ロック孔42に収容される位置である。蓋ロック部材48をアンロック位置からロック位置へ変位させる場合には、伝達部材25が順回転されることによりワイヤ51の巻き取りが解放される。これにより、蓋ロック部材48は下方へ変位する。蓋ロック部材48がこの蓋ロック位置にあるとき、蓋40の開く方向への変位は、蓋ロック部材48が湾曲板材41の内面に当接することにより規制される。一方、蓋アンロック位置は、蓋ロック部材48がロック凹部45に完全に収容される位置である。蓋ロック部材48がこの蓋アンロック位置にあるとき、蓋40は、その開く方向への変位が許容される蓋アンロック状態となる。蓋ロック部材48を蓋ロック位置から蓋アンロック位置へ変位させる場合には、伝達部材25が逆回転することによりワイヤ51が巻き取られる。これにより、蓋ロック部材48がコイルばね49の弾性力に抗して上方へ変位する。蓋ロック部材48は、ロックバー23がロック位置となった場合に蓋ロック位置へ変位し、ロックバー23がアンロック位置となった場合に蓋アンロック位置へ変位する。
【0044】
次に、給電プラグ10からバッテリ4に充電を行うときの、接続ロック装置20の動作について説明する。本実施形態では、車両1が、駆動源が駆動している走行可能状態から駆動源が停止した走行不能状態となった場合を想定する。このとき、蓋40は、閉じた状態であるとともに、蓋ロック装置50は、蓋ロック部材48を蓋ロック位置に位置させている。これにより、蓋40は、開く方向への変位が規制されている。すなわち、この状態では、給電プラグ10をインレット部5へ接続しようとしても、当該インレット部5は、蓋40によって外部から確認できない状態である。従って、まず、蓋40を開けるところからスタートする。なお、このとき、接続ロック装置20は、ロックバー23をロック位置に位置させている。
【0045】
ユーザにより、取り外しスイッチ76が押下されたとき、取り外しスイッチ76は、その旨示す信号を充電ECU75に出力する。充電ECU75は、取り外しスイッチ76から操作信号が入力されると、モータ22に逆回転の駆動信号を出力して、係止爪16のアンロック動作を開始する。
【0046】
モータ22が逆回転駆動すると、この駆動力により伝達部材25がロックのときと逆方向に回転して、ストッパ26がアンロック側に直進移動する。この際、ロックバー23は、自身の緩衝孔23aを介してストッパ26によってアンロック側に押されることにより、ばね28の付勢力に抗して、アンロック位置に向かって直進移動する。このとき、伝達部材25の逆回転によってワイヤ51が巻き取られることにより、蓋ロック部材48は、コイルばね49の弾性力に抗して上方へ移動する。
【0047】
そして、ロックバー23がアンロック位置に位置、すなわちストッパ26の磁石27が第1ホール素子38に対向する位置に移動すると、これが第1ホール素子38により検出される。充電ECU75は第1ホール素子38を通じてロックバー23がアンロック位置に到達した旨を検出すると、モータ22の駆動を停止させる。ロックバー23はアンロック位置に保たれる。これにより、インレット部5への給電プラグ10を挿入が許容される。また、このとき、蓋ロック部材48は、ロック凹部45に収容される。これにより、蓋40の開閉が許容される。
【0048】
図5に示すように、嵌着部14と円筒部5b、係止爪16と係合部21の係合凹部21aとの位置を合わせた状態で給電プラグ10をインレット部5側へ動かす。図7に示すように、係止爪16は、これを第1の位置に保持しようとする弾性力に抗して斜面5cに案内されて上方へ変位する。そして、更に給電プラグ10をインレット部5側へ動かすと、同図にて2点鎖線で示すように、係止爪16は、斜面5cを乗り越えて係合凹部21aに至る。すると、係止爪16はこれを第1の位置に保持しようとする弾性力により下方へ変位して係合凹部21aの内面に係合する(図7の実線)。このとき、給電プラグ10の接続端子15とインレット部5の接続端子29とが好適に接続された状態となる。これにより、給電プラグ10とインレット部5とが電気的に接続された状態となる。
【0049】
給電プラグ10とインレット部5とが接続されると、充電ECU75は、充電装置62からの接続信号を受信する。接続信号の受信を通じて充電ECU75は、給電プラグ10とインレット部5との接続を認識する。そして、充電ECU75は、外部電源61からバッテリ4への充電を開始するとともに、ロックバー23をロック位置へ変位させるべくモータ22へ駆動信号を出力する。このようにして、充電ECU75は、係止爪16のロック動作を開始する。
【0050】
モータ22が駆動すると、この駆動力によって伝達部材25が回転する。伝達部材25の回転運動は、伝達部材25の雄螺子部25aとストッパ26の雌螺子部26aとの螺合によって、ストッパ26の軸方向の直進運動に変換される。従って、ストッパ26(レール26d)は、ケース31のモータ22側、すなわちロック側への直進運動を開始する。ロックバー23は、ばね28の弾性力によりモータ22側へ常時付勢されているので、自身の緩衝孔23aの内面がレール26dに当接した状態を保ちつつ、ストッパ26とともに、ロック位置に向かって直進移動する。このとき、伝達部材25によって巻き取られていたワイヤ51は、伝達部材25の順回転によってその巻き取りが解除される。従って、蓋ロック部材48は、コイルばね49の弾性力によって下方へ変位する。
【0051】
そして、ロックバー23がロック位置、すなわちストッパ26の磁石27が第2ホール素子39に対向する位置に移動すると、これが第2ホール素子39により検出される。充電ECU75は、第2ホール素子39を通じてロックバー23がロック位置に到達したことを検出すると、モータ22の駆動を停止させる。ロックバー23は、図8及び図9に示すように、ロック位置に保たれる。このとき、蓋ロック部材48は、蓋ロック位置に位置する。しかし、蓋40は開き状態のため、蓋ロック部材48は、蓋ロック孔42に収容されることはない。なお、蓋ロック位置は、給電プラグ10等に干渉しない位置に設定されている。
【0052】
このように、係止爪16がロック状態に保たれている場合に、例えば第三者等が給電プラグ10をインレット部5から取り外そうとして、操作部17の操作を行ったとする。これに伴い係止爪16は上方に変位しようとする。しかし、係止爪16の上方にはロックバー23が位置しているので、係止爪16が上方に持ち上がろうとしても、ロックバー23によってこの動きが規制され、係止爪16は係合部21に引っ掛かった状態を維持する。これにより、第三者等が給電プラグ10を取り外そうとしても、係止爪16と係合部21との係合を解除できないので、給電プラグ10の不正取り外しが防止される。
【0053】
給電プラグ10とインレット部5との接続を解除するには、取り外しスイッチ76を操作する。充電ECU75は、車外照合の成立が検出された状態で取り外しスイッチ76の操作を検出すると、モータ22に逆回転の駆動信号を出力して、係止爪16のアンロック動作を開始する。
【0054】
モータ22が逆回転駆動すると、この駆動力により伝達部材25がロックのときと逆方向に回転して、ストッパ26がアンロック側に直進移動する。この際、ロックバー23は、自身の緩衝孔23aを介してストッパ26によってアンロック側に押されることにより、ばね28の弾性力に抗して、アンロック位置に向かって直進移動する。
【0055】
そして、ロックバー23がアンロック位置に位置、すなわちストッパ26の磁石27が第1ホール素子38に対向する位置に移動すると、これが第1ホール素子38により検出される。充電ECU75は第1ホール素子38を通じてロックバー23がアンロック位置に到達した旨を検出すると、モータ22の駆動を停止させる。ロックバー23はアンロック位置に保たれる。これにより、図6及び図7に示すように、ロックバー23は、部材収容部32b内に収容されて、係止爪16の上部にロックバー23が位置する状態が解除される。操作部17の押し操作により係止爪16を開き操作することが可能となるので、係止爪16を開いて、給電プラグ10をインレット部5から取り外すことが可能となる。このとき、伝達部材25によってワイヤ51が巻き取られるため、蓋ロック部材48は上方へ変位してロック凹部45に収容される。これにより、蓋40が閉じられても、蓋ロック部材48が蓋40(湾曲板材41の外面)に干渉することがなくなる。従って、給電プラグ10がインレット部5から取り外されれば、蓋40を閉じることが可能となる。
【0056】
蓋40は、閉じ操作されると、車両1に設けられた図示しないマイクロスイッチを押下する。充電ECU75は、マイクロスイッチを通じて蓋40が閉じたことを検出すると、モータ22を順回転駆動させる。すると、ロックバー23はロック位置に変位するとともに、蓋ロック部材48は下方へ変位して蓋ロック孔42に収容される。従って、蓋40が閉じたにおいては、蓋ロック部材48が湾曲板材41の内面と係合することにより、蓋40の開操作が規制される。これにより、第3者によるインレット部5へのアクセスが抑制される。
【0057】
このように、ロックバー23がロック位置にあるとき、蓋ロック部材48は蓋ロック位置に、ロックバー23がアンロック位置にあるとき、蓋ロック部材48は、蓋アンロック位置にそれぞれ位置する。つまり、図13に示すように、ロックバー23及び蓋ロック部材48は、それぞれロック/アンロックするタイミングが同じになるように設定されている。しかし、ロック/アンロックするタイミングが同じであっても、蓋40をロックする場合には、同蓋40が閉じた状態である必要があるため、給電プラグ10はインレット部5に挿入することができない。よって、ロックバー23と蓋ロック部材48との両方がロック位置/蓋ロック位置に変位しても、蓋ロック部材48は、湾曲板材41と係合して蓋40をロックするが、ロックバー23は、係止爪16することができない。つまり、ロックバー23は、ロック位置に変位するのみである。一方、給電プラグ10をロックする場合には、給電プラグ10がインレット部5に挿入されている状態である必要があるため、蓋40が開いた状態である。よって、ロックバー23と蓋ロック部材48との両方がロック位置/蓋ロック位置に変位しても、ロックバー23は係止爪16の上部と係合して、同係止爪16の動きを規制することにより給電プラグ10をロックするが、蓋ロック部材48は、湾曲板材41と係合することができない。つまり、蓋ロック部材48は、蓋ロック位置に変位するのみである。
【0058】
このように、車両1の構造上、給電プラグ10をロックするとき蓋40をロックすることはできず、蓋40をロックするとき給電プラグ10をロックすることはできない。また、その必要もない。従って、ロックバー23及び蓋ロック部材48がそれぞれロック/アンロックするタイミングを同じに設定することに何ら問題は生じない。むしろ、ロック/アンロックするタイミングが同じに設定されることにより、ECU75によるモータ22の制御を容易にすることができる。
【0059】
以上詳述したように、本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)接続ロック装置20と蓋ロック装置50とを作動させるモータ22が共通になる分、両ロック装置が必要とする搭載スペースを小さくすることができる。また、モータ22に接続される制御基板も両ロック装置で共用とすることができるため、両ロック装置の更なる省スペース化を図ることができる。また、両ロック装置にモータ及び制御基板をそれぞれ設ける場合と異なり、一つのモータ及び一つの制御基板分のコストを抑えることができる。
【0060】
(2)モータ22の回転制御することによってロックバー23及び蓋ロック部材48を往復運動させることができる。従って、モータの制御を容易に行うことができる。
(3)接続ロック装置20の構造を利用して蓋ロック部材48を作動させることができる。従って、接続ロック装置20の構造を大幅に変更する必要がないため、ロック装置の開発工数を抑制することができる。
【0061】
(4)伝達部材25と蓋ロック部材48とを定滑車47に掛けられたワイヤ51で連結するという簡易な構成によって、モータ22の駆動力を蓋ロック部材48に伝達することができる。
【0062】
(第2の実施形態)
以下、本発明を具体化した第2の実施形態を図面に従って説明する。なお、本実施形態と上記第1の実施形態との主たる相違点は、伝達部材25と蓋ロック部材との間の第2の変換機構の構成である。このため、説明の便宜上、第1の実施形態と同一の部分については同一の符号を付すこととして、その説明を省略する。
【0063】
図14に示すように、蓋ロック装置90は、ストッパ26と一体形成された蓋規制部材及び棒状部材としての四角柱状の蓋ロック部材91と、図15に示すように、蓋40の内面に固定された板状の係合部材92とを備えている。蓋ロック部材91は、ストッパ26の上部に設けられるとともに、雌螺子部26aの軸線に沿ってモータ22側に突出している。この蓋ロック部材91は、ストッパ26がロック位置に位置したときにモータ22(仕切壁32c)と干渉しないように、その突出長が設定されている。また、ケース31の前面上部において、仕切壁32cの左側には矩形状の貫通孔93が形成されている。
【0064】
図15に示すように、係合部材92は、蓋40を閉じたとき、貫通孔93に対応する位置に設けられている。係合部材92は、貫通孔93に挿入可能とされている。係合部材92の上部には係合凹部94が形成されている。図16に示すように、蓋40が閉じ操作された場合に、係合部材92は貫通孔93に進入する。このとき係合部材92の上面は、部材収容部32bの内面と摺接又は近接する。これにより、係合凹部94と部材収容部32bの内面との間には、蓋ロック部材91の突出方向に貫通する蓋係合部としての蓋ロック孔95が形成されている。蓋ロック孔95は蓋ロック部材91と対応する。このように、係合部材92の蓋40に対する位置、及び蓋ロック孔95(係合凹部94)の係合部材92に対する位置が設定されている。
【0065】
なお、本例の蓋40は、図示しない可動ヒンジによって連結されている。この可動ヒンジは、蓋40の回転中心であるヒンジが車両1の幅方向に可動するものである。これによって、蓋40の開閉を円滑に行うことが可能になる。すなわち、凹部1aを閉じた状態の蓋40を開く場合には、まず、蓋40を車両1の外側に向かって引っ張る。すると、蓋40は可動ヒンジとともに車両1の外側に変位して、貫通孔93から係合部材92が抜かれる。この後、蓋40をヒンジ中心に回転させる。これにより、凹部1aは開いた状態になる。逆に、開いた状態の蓋40を閉じるときには、先ほどとは逆の操作態様をとる。すなわち、蓋40をヒンジ中心に回転させた後、可動ヒンジとともに車両1に向かって押すことによって、閉じた状態となる。このとき、貫通孔93へ係合部材92が挿入される。
【0066】
次に、バッテリ4への充電が完了する等して、インレット部5から給電プラグ10を抜いた後に蓋40が閉じて、蓋ロック装置90が作動するまでの各部の動作ついて説明する。なお、取り外しスイッチ76が押下されて、ロックバー23及び蓋ロック部材91がアンロック位置、また蓋40が開いた状態となっているところから説明を開始する。
【0067】
図17に示すように、このように構成された蓋ロック装置90において、ストッパ26がアンロック位置にある状態で蓋40が閉じ操作されると、同蓋40は図示しないマイクロスイッチを押下するとともに、係合部材92は貫通孔93(図16参照)に挿入される。
【0068】
図18に示すように、マイクロスイッチの押下を契機として、ストッパ26はロック位置に変位する。このとき、ストッパ26のモータ22側への変位に伴って、蓋ロック部材91もモータ22側へ変位する。そして、蓋ロック部材91は、蓋ロック孔95に挿入される。この挿入された蓋ロック部材91と蓋ロック孔95の内面とが係合することにより、蓋40の開く方向への変位が規制される。これにより、第3者によるインレット部5へのアクセスが抑制される。
【0069】
なお、本実施形態においても、上記第1の実施形態と同様に、ロックバー23及び蓋ロック部材91のロック/アンロックするタイミングが同じに設定されることにより、ECU75によるモータ22の制御を容易にすることができる(図13参照)。
【0070】
以上詳述したように、本実施形態によれば、上記第1の実施形態の(1)〜(3)効果に加えて以下に示す効果が得られるようになる。
(5)蓋ロック部材91、係合部材92、係合凹部94といった簡易な形状で蓋ロック装置90が構成される。従って、蓋ロック装置90は、接続ロック装置20に組み込む際に、同接続ロック装置20の構成を大幅に変更することなく組み込むことができる。つまり、蓋ロック部材91、係合凹部94を備えた係合部材92を追加するだけでよい。
【0071】
(第3の実施形態)
以下、本発明を具体化した第3の実施形態を図面に従って説明する。なお、本実施形態と上記第1の実施形態との主たる相違点は、伝達部材25と蓋ロック部材との間の第2の変換機構の構成である。このため、説明の便宜上、第1の実施形態と同一の部分については同一の符号を付すこととして、その説明を省略する。
【0072】
図19に示すように、第2蓋部34において、軸受部34aの対応する部位には、軸受部34aよりも小径の貫通孔34cが形成されている。伝達部材25のモータ22とは反対側の端部25cには、同端部25cよりも小径の円柱25dが同軸上に形成されている。円柱25dの先端部は、貫通孔34cの内側から挿入されて第2蓋部34の外側に突出する。
【0073】
図20に示すように、第2蓋部34の外側に突出した円柱25dの先端部には、円盤状の第1カム101が取着されている。この第1カム101の第2蓋部34と反対側の面には、図21に示すように、渦巻き状のカム溝102が形成されている。図20に示すように、第1カム101の更に外側(接続ロック装置20と反対側)には、第2カム103が設けられている。図22に示すように第2カム103は、給電プラグ10とインレット部5との接続方向に延びる直方体状をなす。第2カム103の端部には、その先端部がカム溝102に挿入されるカム突104が形成されている。第2カム103の下面において、カム突104と反対側の端部には、カム面としてのカム山105が形成されている。カム山105の先端部は曲面状に形成されている。カム山105の両側部は滑らかな曲面を介して第2カム103の下面に連続している。第2カム103は、凹部1aの上方に形成されたカム収容部108の内部に摺動可能に設けられている。
【0074】
カム収容部108の下部には、これ連続するロック収容部106が形成されている。このロック収容部106底壁には貫通孔107が形成されている。ロック収容部106は、貫通孔107を介して凹部1aに連通する。ロック収容部106には、2段円柱状の蓋ロック部材110が収容されている。蓋ロック部材110は、第2カム103の延びる方向に対して直交する方向へ延びている。蓋規制部材としての蓋ロック部材110は、上部の大径部111と下部の小径部112とからなる。大径部111は、貫通孔107より大径とされている。小径部112の先端部は貫通孔107よりも小径とされている。大径部111の上面には、カム山105と係合するカム円盤113が設けられている。このカム円盤113は、蓋ロック部材110の軸線方向(図中左右方向)に対して直交する軸を中心として回転自在に設けられている。また、大径部111の下面とロック収容部106の内底面との間には、小径部112が挿通された状態でコイルばね116が介在されている。このコイルばね116は、その弾性力によって蓋ロック部材110を常時上方へ付勢している。蓋ロック部材110の上方への変位は、カム円盤113が第2カム103(カム山105)に当接することにより規制される。なお、蓋40には、上記第1の実施形態と同様に、湾曲板材41によって蓋ロック孔42(図10参照)が設けられている。この蓋ロック孔42は、蓋40が閉じた状態であるとき、貫通孔107と同軸となるように設けられている。すなわち、蓋40が閉じた状態であるとき、蓋ロック部材110が下方へ変位すると、小径部112の先端部が蓋ロック孔42に挿入される(蓋ロック位置)。蓋ロック部材110と湾曲板材41とが係合することによって蓋40の開く方向への変位が規制される。小径部112の先端部がロック収容部106に完全に収容されたとき、蓋ロック部材110は、蓋ロック孔42と係合しない蓋アンロック位置となる。蓋ロック装置120は、湾曲板材41、第1カム101、第2カム103、蓋ロック部材110、及びコイルばね116によって構成されている。
【0075】
次に、バッテリ4への充電が完了する等して、インレット部5から給電プラグ10を抜いた後に蓋40が閉じて、蓋ロック装置120が作動するまでの各部の動作ついて説明する。なお、取り外しスイッチ76が押下されて、ロックバー23及び蓋ロック部材110がアンロック位置、蓋アンロック位置である状態、また蓋40が開いた状態となっているところから説明を開始する。
【0076】
図22に示すように、蓋ロック部材110がロック収容部106に収容された状態で、蓋40が閉じられると、図示しない車両1に設けられたマイクロスイッチを押下する。すると、モータ22が逆回転駆動する。これにより、第1カム101が時計回りに回転(右回転)する。すると、カム突104が渦巻き状のカム溝102に案内されることにより、第2カム103は、カム収容部108を右方へ向かって変位する。これにより、カム山105も同方向に変位する。すると、カム円盤113は、カム山105の変位によって斜面から下方への力を受ける。従って、蓋ロック部材110は、コイルばね116の弾性力に抗して下方へ移動する。図23に示すようにカム円盤113がカム山105の頂部に到達したとき、蓋ロック部材110は、蓋ロック位置に至る。すなわち、小径部112の先端部は、蓋ロック孔42に挿入される。蓋ロック部材110と湾曲板材41とが係合することによって蓋40の開く方向への変位が規制される。これにより、第3者によるインレット部5へのアクセスが禁止される。
【0077】
一方、これとは、逆に蓋40を開けて給電プラグ10からバッテリ4への充電を行うときには、取り外しスイッチ76を押下する。すると、図23に示すように、モータ22は順回転駆動する。これにより、第1カム101が左回転する。すると、カム突104が渦巻き状のカム溝102に案内されることにより第2カム103は、カム収容部108を左方へ向かって変位する。これにより、カム山105も同方向に変位する。大径部111はコイルばね116の弾性力により常時上方へ付勢されているので、カム山105の左方への変位に伴い、カム円盤113はカム山105に沿って上方へ移動する。すると図22に示すように、カム円盤113は第2カム103の下面に到達することにより、蓋ロック部材110はアンロック位置に到達する。すなわち、蓋ロック部材110の上方への変位に伴い、小径部112は、蓋ロック孔42から離脱して貫通孔107に収容される。これにより、蓋ロック部材110と湾曲板材41との係合が解除されるので、蓋40の開操作が行えるようになる。
【0078】
なお、本実施形態においても、上記第1の実施形態と同様に、ロックバー23及び蓋ロック部材110のロック/アンロックするタイミングが同じに設定されることにより、ECU75によるモータ22の制御を容易にすることができる(図13参照)。
【0079】
以上詳述したように、本実施形態によれば、上記第1の実施形態の(1),(2)効果に加えて以下に示す効果が得られるようになる。
(6)モータ22の回転運動を、第1カム101,第2カム103、及び蓋ロック部材110といった簡易な構成のカム装置によって蓋ロック部材110の往復運動に変換することができる。この蓋ロック部材110の往復運動を利用して、蓋ロック部材110を蓋ロック位置と蓋アンロック位置との間において、容易に上下運動に変換させることができる。
【0080】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記第1の実施形態において、ワイヤ51は、伝達部材25によって巻き取るように構成したが、モータ22の回転駆動力を基に移動する他の部材に設けてもよい。例えば図4の2点鎖線にて示すように、ワイヤ51は、ストッパ26やロックバー23等にその一端を取着して、第2蓋部34等に設けられた貫通孔を通して他端を蓋ロック部材48に取着してもよい。このようにしても、モータ22の回転運動に応じて往復運動するストッパ26(ロックバー23)の往復運動に伴って、蓋ロック部材48を蓋ロック孔42に収容させたり離脱させたりすることができる。
【0081】
・上記第2の実施形態において、蓋ロック部材91はストッパ26の上部に同ストッパ26と一体形成したが、ストッパ26の他の位置、例えばレール26d等に設けてもよい。また、蓋ロック部材91は、必ずしもストッパ26と一体形成でなく他の部材で形成して、ストッパ26に固着してもよいし、往復移動する他の部材、例えば、ロックバー23等に取着してもよい。また、係合凹部94は、蓋ロック部材91と係合して蓋40の開操作ができなくなればよいので、例えば貫通孔であってもよい。
【0082】
・上記第3の実施形態において、第1カム101、第2カム103、及び蓋ロック部材110は、正面カム及び直動カムといった平面カムを組み合わせたカム装置であるが、他のカム装置、例えば円筒カムや円錐カム等の立体カムを用いてもよい。
【0083】
・上記各実施形態において、外部電源61からバッテリ4へ充電する際の制御は、充電ECU75にて行ったが、照合ECU71が行ってもよい。
・上記各実施形態において、モータ22の駆動力は、伝達部材25を介してストッパ26に伝達させて同ストッパ26を駆動させたが、伝達部材25を省略するとともにモータ軸に雄螺子を形成してモータ22がストッパ26を直接駆動するようにしてもよい。
【0084】
・上記各実施形態において、インレット部5は車両1の前方右側面に設けるようにしたが、前方右側面に限らず、後方側面や車両前面等に設けてもよい。
・上記各実施形態において、係止爪16は、給電プラグ10の嵌着部14の上部に設けるようにしたが、片側だけでなく嵌着部14を挟んで上下等の複数箇所に設けるようにしてもよい。
【0085】
・上記各実施形態において、係止爪16は給電プラグ10に、係合部21は、インレット部5にそれぞれ形成されたが、逆であってもよい。
・上記各実施形態において、凹部として緩衝孔23aを形成したが、孔ではなく凹部を形成してもよい。
【0086】
・上記各実施形態において、駆動手段としてモータ22を用いたが、ソレノイド等の他の駆動手段を用いてもよい。
・上記各実施形態において、キーの認証を電子キー80によるID照合により行ったが、メカニカルキーによる機械的な照合で行ってもよい。
【0087】
・上記各実施形態において、電子キーシステム70は、例えばIDコードの発信元としてトランスポンダを使用するイモビライザーシステムを採用してもよい。
・上記各実施形態において、電子キーシステム70で使用する電波の周波数は、必ずしもLFやUHFに限定されず、これら以外の周波数が使用可能である。また、車両1から電子キー80に電波発信するときの周波数と、電子キー80から車両1に電波を返すときの周波数とは、必ずしも異なるものに限定されず、これらを同じ周波数としてもよい。
【0088】
・上記各実施形態において、ユーザ認証は、必ずしも電子キー80を使用したキー認証に限定されず、例えば生体認証等の他の認証を応用してもよい。
・上記各実施形態において、プラグインハイブリッド式の車両1のインレット部5に適用したが、プラグインハイブリッド式の車両に限らず、電気自動車のインレット部等に適用してもよい。
【0089】
・上記各実施形態において、本例の接続ロック装置20は、必ずしも車両1のみに適用されることに限らず、充電式バッテリを持つ装置や機器であれば、その採用先は特に限定されない。
【符号の説明】
【0090】
T…駆動時間、T1…所定時間、1…車両、2…駆動輪、3…ハイブリッドシステム、4…バッテリ、5…インレット部、5a…インレット本体、5b…円筒部、5c…斜面、6…コンバータ、10…給電プラグ、11…プラグ本体、11a…基端、11b…先端、12…ケーブル、13…グリップ部、14…嵌着部、15,29…接続端子、16…係止爪、17…操作部、20…ロック装置、21…係合部、21a…係合凹部、21b…内面、22…モータ、22a…駆動軸、23…ロックバー、23a…緩衝孔、23b…隙間、23c…ばね取付部、24…軸受、25…伝達部材、25a…雄螺子部、25b,25c…端部、25d…円柱、26…ストッパ、26a…雌螺子部、26b…磁石収容部、26d…レール、27…磁石、28…ばね、31…ケース、32…ケース本体、32a…モータ収容部、32b…部材収容部、32c…仕切壁、32d…貫通孔、32f…レール溝、32g…ロックバー誘導溝、32h…案内面、32k…突出孔、33…第1蓋部、34…第2蓋部、34a…軸受部、34b…凹部、35…コネクタ、36…螺子、37…基盤、38…第1ホール素子、39…第2ホール素子、41…湾曲板材、42…蓋ロック孔、45…ロック凹部、46…ワイヤ孔、47…定滑車、48…蓋ロック部材、49…コイルばね、50…蓋ロック装置、51…ワイヤ、61…外部電源、62…充電装置、70…電子キーシステム、71…照合ECU、71a…メモリ、72…車外LF発信機、73…車内LF発信機、74…UHF受信機、75…充電ECU、75a…タイマ、76…スイッチ、80…電子キー、81…通信制御部、81a…メモリ、82…LF受信部、83…UHF発信部、90…蓋ロック装置、91…蓋ロック部材、92…係合部材、93…貫通孔、94…係合凹部、95…蓋ロック孔、101…第1カム、102…カム溝、103…第2カム、104…カム突、105…カム山、106…ロック収容部、107…貫通孔、108…カム収容部、110…蓋ロック部材、111…大径部、112…小径部、113…カム円盤、116…コイルばね、120…蓋ロック装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
給電プラグ及び受電コネクタの一方に設けられた係止爪が他方に設けられた被係止部に係止される係止状態が、解除される方向への前記係止爪の動きを規制するロック位置とこれを許容するアンロック位置との間を変位する爪規制部材と、
前記受電コネクタを外部環境から保護する蓋に設けられた蓋係合部材との係合を通じて蓋の開閉を規制するロック位置と、当該蓋係合部材との係合が解除されて蓋の開閉が許容されるアンロック位置との間を変位する蓋規制部材と、
前記爪規制部材及び前記蓋規制部材にそれぞれ作動連結された駆動源と、を備えてなるロック装置。
【請求項2】
請求項1に記載のロック装置において、
前記駆動源は、モータであって、
前記モータの回転運動を前記爪規制部材の往復運動に変換する第1の変換機構と、
前記モータの回転運動を前記蓋規制部材の往復運動に変換する第2の変換機構と、を備えてなるロック装置。
【請求項3】
請求項2に記載のロック装置において、
前記第2の変換機構は、滑車とこれに掛けられたワイヤとを備え、
前記ワイヤの端部は、前記蓋規制部材に連結し、
前記ワイヤの蓋規制部材と反対側の端部は、前記モータの回転を通じて、前記蓋規制部材の変位方向と交わる方向へ引っ張られること、を特徴とするロック装置。
【請求項4】
請求項2に記載のロック装置において、
前記蓋規制部材は、前記爪規制部材の変位方向と同方向に変位するように設け、前記第1及び第2の変換機構は、同一のものとしたことを特徴とするロック装置。
【請求項5】
請求項2に記載のロック装置において、
前記第2の変換機構は、前記モータと一体的に回転するカムを備え、
前記カムに形成されたカム面と前記蓋規制部材の一部との係合を通じて、前記蓋規制部材は往復運動を行うことを特徴とするロック装置。
【請求項1】
給電プラグ及び受電コネクタの一方に設けられた係止爪が他方に設けられた被係止部に係止される係止状態が、解除される方向への前記係止爪の動きを規制するロック位置とこれを許容するアンロック位置との間を変位する爪規制部材と、
前記受電コネクタを外部環境から保護する蓋に設けられた蓋係合部材との係合を通じて蓋の開閉を規制するロック位置と、当該蓋係合部材との係合が解除されて蓋の開閉が許容されるアンロック位置との間を変位する蓋規制部材と、
前記爪規制部材及び前記蓋規制部材にそれぞれ作動連結された駆動源と、を備えてなるロック装置。
【請求項2】
請求項1に記載のロック装置において、
前記駆動源は、モータであって、
前記モータの回転運動を前記爪規制部材の往復運動に変換する第1の変換機構と、
前記モータの回転運動を前記蓋規制部材の往復運動に変換する第2の変換機構と、を備えてなるロック装置。
【請求項3】
請求項2に記載のロック装置において、
前記第2の変換機構は、滑車とこれに掛けられたワイヤとを備え、
前記ワイヤの端部は、前記蓋規制部材に連結し、
前記ワイヤの蓋規制部材と反対側の端部は、前記モータの回転を通じて、前記蓋規制部材の変位方向と交わる方向へ引っ張られること、を特徴とするロック装置。
【請求項4】
請求項2に記載のロック装置において、
前記蓋規制部材は、前記爪規制部材の変位方向と同方向に変位するように設け、前記第1及び第2の変換機構は、同一のものとしたことを特徴とするロック装置。
【請求項5】
請求項2に記載のロック装置において、
前記第2の変換機構は、前記モータと一体的に回転するカムを備え、
前記カムに形成されたカム面と前記蓋規制部材の一部との係合を通じて、前記蓋規制部材は往復運動を行うことを特徴とするロック装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
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【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公開番号】特開2011−243500(P2011−243500A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−116442(P2010−116442)
【出願日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【出願人】(000003551)株式会社東海理化電機製作所 (3,198)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【出願人】(000003551)株式会社東海理化電機製作所 (3,198)
【Fターム(参考)】
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