説明

ロボットにより工作機械へワークの着脱を行うロボットシステム

【課題】ロボットにより工作機械へワークの着脱を行うロボットシステムの利便性や処理効率を高める。
【解決手段】工作機械10へワーク1の着脱を行うロボット20は、工作機械10の、ワーク1を出し入れするための扉12が形成された左側面14に対して垂直に延びる走行軸部材40、およびそれに沿ってスライド移動するスライダ部材50を有する走行軸機構30と、スライダ部材50に取り付けられた可動アーム機構60を有している。可動アーム機構60は、一端がスライダ部材50に第1の軸71回りに回転可能に取り付けられた第1のアーム70、第1の軸71に平行な第2の軸72回りに回転可能に第1のアーム70の他端に一端が取り付けられた第2のアーム80、および第2のアーム80の他端に取り付けられたワークの保持機構を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボットにより工作機械へワークの着脱を行うロボットシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
工作機械へワークの着脱を行うロボットシステムとしては、走行軸部材、およびそれに沿って走行するスライダ部材を備える走行軸機構と、このスライダ部材に搭載された可動アーム機構を有するシステムが知られている。すなわち、ワークは、通常、工作機械内のワークの着脱部、工作機械への装着前のワークが載せられた取出しテーブル、工作機械で処理された後、工作機械から外したワークを載せる払出しテーブルなどの複数の位置に搬送する必要がある。そこで、走行軸機構をこれらの搬送位置間に延びる構成とすることによって、可動アーム機構の大型化を抑制しながら、ロボットシステムの動作範囲を走行軸部材の長手方向に拡大して、これらの搬送位置間でのワークの搬送が可能となる。また、走行軸機構を用いた構成によれば、大型の可動アーム機構を用いたような場合に比べて、工作機械や周辺装置とのロボットシステムの干渉を回避するのも比較的容易になる。
【0003】
特許文献1〜3に、このような走行軸機構と可動アーム機構との組み合わせによってワークを搬送する装置が開示されている。
【0004】
これらのうち特許文献1,2では、図12に模式的に示すように、工作機械110へのワーク105の着脱時に可動アーム機構120が、工作機械110の鉛直壁111に設けられた扉112を介して工作機械110内に挿入される構成になっている。走行軸部材130は、扉112が設けられた鉛直壁111に平行に延び、工作機械110に加えて、取出しテーブル102や払出しテーブル104などに、可動アーム機構120をアクセス可能としている。
【0005】
一方、特許文献3では、図13に模式的に示すように、工作機械117へのワーク100の着脱時に可動アーム機構125が、工作機械117の天井壁118に設けられた扉119を介して工作機械117内に挿入される構成になっている。走行軸部材135は、工作機械117の上方を延びるように構成されている。
【0006】
【特許文献1】特開平5−318249号公報
【特許文献2】特許第3865703号
【特許文献3】実開平6−33690号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
工作機械は、ワークの種類の変更時や、ワークの処理のために工作機械に装着された工具の保守時などに、作業員が工作機械の正面の扉を介して工作機械内にアクセスして作業を行うことができるようになっているのが普通である。作業の内容は、ワークの装着部や保持機構などの交換・調整・検査、工具の交換、または機内洗浄などであり、工作機械の正面には、通常、そのために必要な操作パネルが設けられている。
【0008】
そこで、可動アームが鉛直壁の扉から挿入される構成の場合、作業員が作業用に用いる扉を、可動アーム機構を挿入する扉としても共用するのが合理的である。しかしながら、この場合、ロボットシステムの稼動中には、工作機械の正面にロボットが進入するため、作業員が工作機械の正面の作業スペースに近づくことができない。このため、処理状況の目視点検などの、本来、ロボットシステムを停止させる必要のない作業や、工作機械内でのロボットシステムの動作確認作業など、ロボットシステムを動作させながら作業を行う必要がある場合に不便を生じる場合がある。また、工作機械の保守作業などのために、システムを停止させた時に、可動アーム機構が、工作機械の正面の扉の前に位置していると、作業員が作業を行うためのスペースが狭くなるなどの不便を生じる場合がある。
【0009】
一方、図12に示す例では、作業員のアクセス用の扉114と操作パネル115が設けられた正面壁113に対して側面の鉛直壁111に設けられた扉112から、可動アーム機構120が挿入されるようになっている。この構成によれば、上記のような不便を生じることはないが、システムのレイアウト上の不便を生じる場合がある。
【0010】
すなわち、一般的に、上記のロボットシステムなどの複数の装置が設置される工場などの施設では、作業員が、各装置に近づいて作業を行うために通路が設けられ、この通路の両側に各装置が配置される。この時、通路には、各装置の可動部が進入しないように、安全策が取られる。
【0011】
図12に示すロボットシステムは、走行軸部材130の長手方向に長い構造を有しているので、走行軸部材130を通路に平行に配置するのが合理的である。すなわち、それによって、ロボットシステムの各部を通路から比較的近くに位置させることができ、保守作業などのためにロボットシステムにアクセスしやすくなる。また、通路に鉛直な方向に広い設置スペースを必要とせず、設置スペースを効率的に使用して、複数の通路を平行に配置するなどの合理的なレイアウトを実現することができる。
【0012】
しかしながら、この配置では、工作機械110の正面の作業スペースに入るためには、通路から離れて奥に入る必要があり、作業効率の低下を招いてしまう。また、場合によっては、工作機械110に隣接する装置が、作業スペースに進入しないように、この装置を作業時に停止させる必要が生じたり、作業スペースを確保するために、装置の配置密度の低下を招いたりすることが考えられる。
【0013】
図13に示す構成では、上記のような不便は生じないが、走行軸部材135を高い位置に配置する必要がある。そのため、コストが嵩む場合があり、また、施設によっては、走行軸部材135を設置する高さを確保するのが困難な場合もある。
【0014】
また、工作機械が、例えば、工具の主軸が鉛直に延び、その工具によって、主軸の直下のワークに処理を施す構成の場合、主軸の直下のワークの保持部に直接可動アーム機構を進入させるのが困難となる場合がある。この場合、主軸の直下に保持されるワークの着脱を可能とするには、工作機械の、ワークが保持される加工テーブルを横に移動させるなどする必要があり、そのための機構を追加する必要が生じたり、作業効率の低下を招いたりするという不便が生じる場合がある。
【0015】
また、図12,13に示す構成では、可動アーム機構を工作機械内に挿入した状態では、走行軸部材に沿って移動させると、工作機械の鉛直壁などとの干渉が生じる。このため、可動アーム機構を走行軸部材に沿って工作機械に出し入れする位置に移動させるためには、可動アーム機構を一旦退避姿勢にする必要がある。このため、可動アーム機構を一旦退避姿勢にする分、ワークの交換に必要な時間を長くとられ、処理効率の低下を招くという不便を生じる場合がある。
【0016】
本発明の目的は、上記のような従来技術に鑑みて、ロボットにより工作機械へワークの着脱を行うロボットシステムの利便性や処理効率を高めることにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上述の目的を達成するため、本発明のロボットシステムは、ロボットにより工作機械へワークの着脱を行うロボットシステムにおいて、ロボットは、工作機械の、ワークを出し入れするための扉が形成された面に対して垂直に延びる走行軸部材、および走行軸部材に沿ってスライド移動するスライダ部材を有する走行軸機構と、一端がスライダ部材に第1の軸回りに回転可能に取り付けられた第1のアーム、第1の軸に平行な第2の軸回りに回転可能に第1のアームの他端に一端が取り付けられた第2のアーム、および第2のアームの他端に取り付けられたワークの保持機構を有する可動アーム機構と、を有することを特徴とする。
【0018】
この構成によれば、可動アーム機構の各アームは、走行軸部材に沿う方向に延ばした状態で、走行軸機構によって工作機械に向かって移動させることによって、工作機械内に挿入することができ、また逆に、工作機械から引き出すことができる。したがって、可動アーム機構を工作機械に出し入れする際に、可動アーム機構を退避姿勢にすることなく、走行軸機構のみを動作させれば済み、処理効率を高めることができる。
【0019】
また、可動アーム機構は、工作機械の、ワークを出し入れする扉に対して垂直な方向の領域のみで動作して、ワークの着脱操作を行うことができる。したがって、工作機械の、ワークを出し入れする扉が形成された面とは垂直な他の面を、作業員が工作機械にアクセスするための扉や操作パネルを配置した正面とすることができ、それによって、正面側には、ロボットが進入しないようにして、常に作業スペースを確保しておくことができる。また、工作機械の正面に沿って通路を設置すれば、走行軸部材が、通路に平行に延びることになり、この通路からロボットの保守・点検も行うことができ、優れた利便性が得られる。
【0020】
本発明において、第1の軸は、水平面内でスライダの走行方向に対して垂直な方向から傾斜した構成とするのが好ましい。それにより、第1、第2の軸回りの第1、第2のアームの回転動作によって、ワークの保持機構の位置を、走行軸部材に垂直な方向に調整することが可能となり、ロボットによって工作機械内の広範囲の位置へのアクセスが可能となる。
【0021】
上記のように第1の軸を傾斜させるには、スライダ部材が傾斜面を有し、この傾斜面に可動アーム機構を取り付けた構成とするのが好適である。この場合、スライダ部材上の、傾斜面より可動アーム機構が取り付けられたのと反対側の部分に走行軸機構の駆動モータを配置するのが好ましい。それによって、傾斜面を形成することによって生じたスペースを、走行軸機構の駆動モータを配置するのに利用し、スライダ部材のコンパクト化を図ることができる。
【0022】
スライダ部材は、走行軸部材の側面に沿ってスライド移動可能に取り付けても、下面に沿ってスライド移動可能に取り付けてもよい。スライダ部材を走行軸部材の側面と下面のどちらに取り付けるかは、工作機械の外形やロボットシステムが設置される設備の構造などに応じて、適宜選択することができる。
【0023】
第2のアームは、第2の軸回りに回転可能に第1のアームに結合された基部と、第2の軸に垂直な第3の軸方向に延び第3の軸回りに回転可能に基部に一端が結合されたシャフト部と、シャフト部の他端に結合されたワーク保持部と、を有する構成とし、ワーク保持部は、第3の軸に垂直な第4の軸回りに回転可能にシャフト部に結合された基部と、基部に、第4の軸に垂直な第5の軸回りに回転可能に結合された末端部と、を有し、末端部にワークの保持機構が結合されている構成とするのが好ましい。この構成によれば、走行軸機構と第1、第2の軸回りの回転機構によって、保持機構に保持されたワークの位置を調整するのに加えて、第3〜5軸回りの回転機構によって、保持機構に保持されたワークの姿勢を、工作機械への着脱などに適した姿勢に調節することが可能となる。
【0024】
第1の軸は、水平面に対して下向きまたは上向きに傾斜させてもよい。第1の軸の、水平面に対する傾斜を調整することによって、第1のアームの動作範囲の最適化などの調整を行うことができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、ロボットにより工作機械へワークの着脱を行うロボットシステムの利便性および処理効率を高めることができる。すなわち、工作機械の正面にロボットが進入しないようにして、作業員による作業スペースを確保することができ、また、正面に沿った通路からロボットの保守・点検も可能となり、利便性が高まる。また、ロボットの工作機械内への挿入および工作機械からの引き出しを、可動アーム機構を退避姿勢にしなくても、走行軸機構を動作させるだけで実行でき、処理効率が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0027】
図1,2は、本発明の一実施形態のロボットシステムの全体構成を模式的に示している。図1(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は右側面図、(d)は左側面図であり、図2は斜視図である。
【0028】
図1,2に示すように、本実施形態のロボットシステムは、1つの工作機械10に対し、ワーク1を着脱する働きをする1つのロボット20を用いた構成である。ロボット20は、走行軸部材40、およびそれに沿ってスライド移動可能なスライダ部材50を備える走行軸機構30と、旋回運動可能な2つのアーム70,80を備える可動アーム機構60を有している。
【0029】
図3,4は、図1,2におけるロボット20のみをより詳細に示している。図3(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は左側面図、(d)は右側面図である。図4(a)は、ロボット20の全体の斜視図、(b)は、スライダ部材50および可動アーム機構60の部分を拡大して示す斜視図、(c)は、スライダ部材50の機構部を示す、図4(a)の矢印A方向に見た図である。
【0030】
本実施形態において、工作機械10は、成形機やマシニングセンタなどの、成形部品であるワークの作製、または、供給されるワークに対する成形部品の結合や機械加工などの所定の処理を行う公知のどのような種類であってもよい。工作機械10の詳細は、本発明に直接関係しないので、説明を省略する。
【0031】
いずれにしても、工作機械10は、内部に設けられたワーク1の保持部にアクセスするための扉11,12を有している。詳細には示さないが、ワーク1の保持部は、例えば処理テーブルであり、その上方には、加工工具を保持する冶具が備えられた主軸が配置されていてよい。
【0032】
本実施形態では、工作機械10には、操作パネル15が設けられた正面13に位置する扉11と、左側面14に位置する扉12が設けられている。正面13の扉11は、作業員9が、保守作業などのために工作機械10内にアクセスするのに用いられる。
【0033】
工作機械10の左側面14の扉12は、ロボット20によって、ワーク1を工作機械10に着脱するために用いられる。すなわち、ロボット20は、台車3上にあるワーク1を捕捉し、走行軸部材40に沿って移動させて、左側面14の扉12を介して工作機械10内に挿入し工作機械10の保持部に装着し、および/または、工作機械10で処理されたワーク1を捕捉して工作機械10の保持部から外し、左側面14の扉12を介して工作機械10の外に出して台車3上に載せるように動作する。
【0034】
このような動作を効率的に行うことができるように、工作機械10の扉12が設けられた左側面14側に隣接して、ワークを保持する台車3が配置されており、走行軸部材40は、左側面14に垂直に、左右に延びるように配置されている。すなわち、ワークを載せる台車3を、工作機械10にワークを出し入れする扉12の近傍に配置し、走行軸部材40を、扉12と台車3をつなぐ方向に配置することによって、効率的な動作が可能となる。
【0035】
台車3の替わりに、コンベアなどを用いてもよい。また、工作機械10での処理前のワーク1を保持するものと、処理後のワーク1を保持するものと、別々に台車3やコンベアなどを設けてもよい。また、上記のように、台車3は、扉12の近傍に配置するのが処理の効率化のためには好ましいが、当然ではあるが、ロボット20の動作範囲内であれば、台車3の配置には特別な制約はない。
【0036】
走行軸部材40は、工作機械10が設置された床面上に設置された2本の柱31によって両端を支持されている。柱31は、必要であれば、3本以上設けてもよく、また、その配置も走行軸部材40の両端に限られず、走行軸部材40の途中に配置してもよく、走行軸部材40を片持ち梁状に支持する構成としてもよい。いずれにしても、走行軸部材40は、スライダ部材50とアーム機構60に加えてワーク1を支持するのに十分な剛性を有するように構成すればよい。
【0037】
走行軸部材40は、可動アーム機構60が動作時に走行軸部材40に干渉しにくくなるので、比較的高い位置に配置するのが好ましい。しかし、走行軸機構40と可動アーム機構60の、着脱動作に必要な動作範囲内で干渉が生じない範囲であれば、比較的低い位置に配置してもよい。
【0038】
本実施形態では、走行軸部材40は、工作機械10の中央部よりも少し背が低くなった背面側の部分の上方を通って工作機械10をまたぐように配置されている。通常、工作機械10の背面側は、切削液回収や切削屑の回収などを行う保守空間が床面付近に必要であるが、上部の空間は有効に利用できる。このため、本実施形態の工作機械10でも、背面側の部分の背が低くなっており、そこに走行軸部材40を通すことによって、高さを抑えている。このようにして、ロボットシステムの全体として必要な容積の最小化を図っている。
【0039】
図4(c)に示すように、走行軸部材40の、工作機械10の正面13と同じ側の側面には、上下に並んで平行に延びる2つのレール41が形成されている。スライダ部材50には、走行軸部材40のレール41のそれぞれに、スライド移動可能に係合する2つずつ、合計4つのブロック51が固定されている。レール41とブロック51とは、このように協働して、スライダ部材50が走行軸部材40に沿って移動するように案内するLM(Linear Motion)ガイドを構成している。
【0040】
また、スライダ部材50には、走行軸駆動モータ52が取り付けられ、これに接続された減速機53の出力軸にピニオン54が固定されている。走行軸部材40には、スライダ部材50のピニオン54が噛み合うラック42がレール41に平行に形成されている。この構成により、走行軸駆動モータ52の回転運動が減速機で減速されてピニオン54に伝達され、ピニオン54とラック42の噛み合いによって、レール41に沿ったスライダ部材50の直線運動に変換される。
【0041】
図3(a)に示すように、可動アーム機構60の第1のアーム70は、一端を第1の軸71回りに回転可能に可動アーム機構60のベース部材61に連結されている。第1のアーム70の他端には、第1の軸71に平行な第2の軸72回りに回転可能に第2のアーム80の一端が連結されている。
【0042】
本実施形態では、スライダ部材50には、その走行方向に対し垂直な方向に対して傾斜し、右斜め手前に面する傾斜面55が形成され、この傾斜面55に、可動アーム機構60のベース部材61が、取り付けられている。その結果、第1、第2の軸71,72も、傾斜面55に平行に延び、スライダ部材50の走行方向に対し垂直な方向に対して傾斜している。
【0043】
この際、前述の走行軸駆動モータ52や減速機53は、スライダ部材50上の、傾斜面55より奥側の部分に配置されている。この構成によれば、傾斜面55を設けるために生じたスペースを利用して、走行軸駆動モータ52や減速機53を配置することができ、これらのために、スライダ部材50が大型化するのを抑制することができる。
【0044】
図3(b)に示すように、第2のアーム80は、第2の軸72回りに回転可能に第1のアーム70に連結された基部81と、第2の軸72に垂直な第3の軸73に沿って延び第3の軸73回りに回転可能に基部81に結合されたシャフト部82とを有している。第2のアーム80は、さらに、シャフト部82の先端に取り付けられたワーク保持部85を有している。ワーク保持部85は、シャフト部82に、第3の軸73に垂直な第4の軸74回りに回転可能に連結された基部86と、基部86に、第4の軸74に垂直な第5の軸75回りに回転可能に連結された末端部87を有し、末端部87に、ワーク1を保持するためのワーク保持機構が備えられている。ロボットハンドがワーク保持機構として好適であるが、ワーク保持機構は、特定のワークの穴に嵌合するようになった弾性爪やフック部材などであってもよい。
【0045】
以上の構成によって、ロボット20は、走行軸機構30による直線運動と、第1〜5の軸71〜75回りの回転との6自由度を有している。その結果、ロボット20によって、保持したワーク1の位置だけでなく、姿勢も制御可能となる。つまり、スライダ部材50の位置、第1、2の軸71,72回りの第1、第2のアーム70,80の各角度位置を調節することによって、第2のアーム70の先端のワーク保持機構を任意の位置に配置することができる。そして、第3〜5の軸73〜75回りのシャフト部82、ワーク保持部85の基部86、および末端部87の角度位置を調節することによって、第2のアーム70の先端のワーク保持機構の姿勢を任意の姿勢に調節することができる。
【0046】
詳細には示さないが、可動アーム機構60には、第1〜5の軸71〜75回りの回転制御のために1つずつ、全部で5つのサーボモータが搭載されている。これら5つのサーボモータ、および走行軸駆動モータ52は、動力線と信号線を含む機内ケーブルにより、スライダ部材50に取り付けられたロボット分線盤90(図3(b))に接続され、これを介して、最終的には、ロボット接続ケーブル91(図3(a))により、制御装置95(図1)に接続され、制御装置95により制御される。走行軸機構30による直線移動に伴うロボット接続ケーブル91の走行軸部材40に沿って延びる部分の長さの変化を吸収するため、スライダ部材50にはケーブル受け92が備えられている。本実施形態では、ケーブル受け92は走行軸部材40の背面側に配置され、スライダ部材50が高さ方向に大きくなるのが抑えられている。
【0047】
以上のような構成のロボット20では、前述のように、可動アーム機構60の第1、第2のアーム70,80の旋回運動の中心となる第1、第2の軸71,72が、スライダ部材50の走行方向、すなわち走行軸部材40の長手方向に垂直な方向に対して傾斜している。その結果、第2のアーム80は、工作機械10に向かって走行軸部材40に対して斜めに突出した姿勢にすることができる。したがって、走行軸部材40を、工作機械10の中央に干渉しないように背面寄りに配置しても、第2のアーム80の先端を、工作機械10の中央付近にある場合が多い、ワーク1の保持部に無理なく到達させることができる。
【0048】
また、第1、第2の軸71,72がスライダ部材50の走行方向に対して傾斜していることにより、第1、第2のアーム70,80の角度位置によって、第2のアーム80の先端の、スライダ部材50の走行方向に対して垂直な方向の位置を調節可能となっている。したがって、工作機械10内の広範囲の位置に、第2のアーム80の先端を届かせることができるようになっている。
【0049】
次に、図5〜7を参照して、本実施形態におけるロボット20の動作について説明する。
【0050】
図5は、ロボット20が、ワーク1を保持した状態で、工作機械10の左側面14の扉12の前に待機した状態を示している。この時、第1、第2のアーム70,80は、走行軸部材40に対して斜めに、工作機械10側に突出した姿勢となっている。その結果、第2のアーム80の先端は、工作機械10内のワーク1の保持部に対応して工作機械10の中央付近に位置する扉12の正面に位置している。
【0051】
次に、図5に示す状態から、走行軸機構30のスライダ部材50を工作機械10に近づける方向に動作させることで、図6に示すように、第2のアーム80を扉12から工作機械10内に挿入することができる。そして、この状態で、工作機械10に対して、ロボット20によってワーク1の着脱を行うことができる。
【0052】
この時、図12,13に示すような従来技術では、可動アーム機構120,125を、走行軸部材130,135に沿って移動させた後に動作させることによって、初めて、可動アーム機構120,125の先端が工作機械110,117内に挿入されている。これに対して、本実施形態の構成では、可動アーム機構60の先端を工作機械10内に挿入するのに、可動アーム機構60を動作させる必要がないため、効率的な動作が可能である。これは、可動アーム機構60を工作機械10から引き出す際にも同様であり、可動アーム機構60をあまり動作させることなく、走行軸機構40の動作のみで、可動アーム機構60を引き出すことができ、効率的な動作が可能である。
【0053】
また、可動アーム機構60を、図5の、挿入前の待機状態で、着脱操作時の姿勢に近い姿勢としておくことができ、それによって、着脱操作の効率をさらに向上させることができる。また、可動アーム機構60は、水平方向に工作機械10内に挿入されるので、工作機械10の工具の主軸が鉛直に延び、その直下にワーク1用の治具が配置されている場合でも、その治具にワーク1を装着する操作を行うことが可能である。
【0054】
次に、図7は、ロボット20によってワーク1を台車3上に払い出している状態を示している。この状態では、可動アーム機構60は、図6に示す状態に比べて、走行軸機構40の動作によって工作機械10から離れる方向に移動させられており、第1、第2のアーム70,80がワークを払い出すのに適した姿勢に動かされている。
【0055】
なお、上記のようなロボット20の動作では、可動アーム機構60の、ワーク1を保持する先端部が工作機械10内の部材などに干渉するのを回避できるように、先端部の動作経路を制御できるようにするのが好ましい。動作経路の制御は、作業員が、経路設定をするのに分かりやすいなどの理由から、直交座標系に基づいて設定可能とするのが都合がよい。この際、本実施形態のロボット20では、第1、第2の軸71,72が傾斜しているため、動作経路設定用の直交座標系としては、この傾斜に沿ったものを適宜用いるのが好ましい。それによって、第1、第2の軸71,72に平行な方向の動作を避けて不必要に走行軸機構30を動作させるのを抑制するなどの、合理的な制御が可能となる場合がある。
【0056】
以上のように、本実施形態のロボットシステムによれば、可動アーム機構60を挿入する工作機械10の扉12が設けられた左側面14に対して垂直に延びる走行軸部材40に沿って可動アーム機構60を移動させることによって、効率的な動作が可能である。また、この際、可動アーム機構60の第1、第2の軸71,72を走行軸部材40に垂直な方向に対して傾斜させておくことにより、回転機構を連結したシンプルな構成の可動アーム機構60を用いながら、ロボット20によって、工作機械10内の広範囲の位置に無理なくアクセスし、ワーク1の着脱操作を実行可能とすることができる。なお、本実施形態における走行軸機構30も、比較的シンプルなものであり、本実施形態のロボットシステムは、全体として、特殊な機構を用いたり、大型化したりすることのない、シンプルな構成を有している。
【0057】
また、本実施形態のロボットシステムでは、ロボット20による工作機械10へのワーク1の着脱動作時に、ロボット20の可動部を、工作機械10の正面13に面する部分に進入させる必要がない。このため、ロボット20の稼動中であっても、工作機械10の正面13の前方に作業員9(図1(a))が作業を行うための作業スペースを確保しておくことができる。また、保守作業などのために、ロボットシステムを停止させた場合、ロボット20がどの位置で停止しても、工作機械10の正面13の前方の作業スペースを確保しておくことができ、ロボット20が邪魔になることもない。図では、操作パネル15が工作機械10の正面13の右側領域に位置している例を示しているが、左側領域にある場合でも、操作に問題が生じることもない。
【0058】
このような作業員9による作業の利便性のために、図1(a)に示すように、工作機械10の正面13に沿って、作業員9が移動するための通路5を配置するのが好ましい。図1(a)に示す例では、通路5には、それに沿って、ロボット20などの機械の可動部が干渉する可能性のある領域に作業員9が進入するのを防止するための安全柵7が設けられている。ロボット20には、その可動部が安全柵7を越えて通路5に進入しないように、メカ的なストッパやソフトウェアによる進入領域の規制を施すことができる。
【0059】
この際、ロボット20の可動部は、工作機械10へのワーク1の着脱動作時に、工作機械10の正面13側には、進入する必要がない。そこで、工作機械10の正面13では、安全柵7は不要となっている。その結果、工作機械10の正面13は、通路5に直接面するようにすることができ、それによって、作業員9は、通路5から直接、工作機械10の保守作業を行うことができ、効率的な作業が可能となる。
【0060】
また、この配置では、走行軸部材40と通路5は平行になっている。したがって、ロボット20の状態も通路5から明瞭に確認することができる。また、一般的に工場では、通路5の両側に、通路5に沿ってロボットシステムなどの装置が配置される場合が多く、通路5に対し、垂直な方向の長さには制約がある場合が多い。このような面でも、走行軸部材40を通路5に平行に配置した本実施形態の構成は都合がよい。
【0061】
なお、上記の実施形態は、本発明を例示するものであり、特許請求項の範囲に規定する本発明の範囲内で種々の変更が可能である。
【0062】
例えば、上記の実施形態では、第3〜第5の軸73〜75回りの回転機構を有するロボットを示した。この構成によれば、工作機械10に対するワーク1の着脱時や台車3に対するワークの取出し、払い出し時に、ワーク1を適切な姿勢に調節することができ、好ましい。しかし、ワーク1の姿勢があまり問題にならない場合には、第3〜第5の軸73〜75回りの回転機構を省略してもよい。また、工作機械10に対するワーク1の着脱位置や、台車3に対する取出し・払い出し位置に位置させた時に、ワーク1が適切な姿勢になるように、ワーク1が保持機構に対して、所定の位置および姿勢で保持されるように保持機構を構成しておいてもよい。
【0063】
また、可動アーム機構60は、回転機構に加えて、伸縮機構を組合せた構成としてもよい。それによって、ロボット20の動作可能範囲をより広くすることができる。
また、上記の実施形態では、可動アーム機構60を、スライダ部材50に設けられた傾斜面55に設置する構成を示した。この構成によれば、スライダ部材50の傾斜面55の傾斜角度などを変更することによって、共通の可動アーム機構60を用いながら、第1の軸71の傾斜角度を、種々のシステムに適するように調節することができるという利点が得られる。しかし、可動アーム機構60の取付け面を傾斜した構成としてもよい。あるいは、可動アーム機構60の取付け面に対して第1の軸71が斜めになった構成としてもよい。
【0064】
また、この際、ロボット20の制御装置95は、第1の軸71の傾斜角度を任意に設定できる構成とし、設定された傾斜角度に応じて、ロボット20を適切に制御できるようにするのが好ましい。それによって、制御装置95も、第1の軸71の傾斜角度の異なる種々のロボットシステムに対して汎用可能なものとすることができる。
【0065】
また、上述の実施形態では、可動アーム機構60が取り付けられるスライダ部材50の傾斜面55が、走行軸部材40に沿って工作機械10に向かう方向から工作機械の正面13側に斜めに傾斜した方向に面している構成を示したが、傾斜を逆方向にしてもよい。図8は、このような変形例を示しており、図8(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は、工作機械付近を左側から見た斜視図、(d)は右側面図である。同図において、上記の実施形態と同様の部分には、同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0066】
図8に示す変形例では、可動アーム機構60が取り付けられたスライダ部材50の傾斜面57は、図1〜7の場合とは逆に、走行軸部材40に沿って工作機械10から離れる方向から工作機械10の正面側に斜めに傾斜した方向に面している。この場合、走行軸部材40は、図1〜7の場合よりも工作機械10の正面13寄りの位置に配置されており、可動アーム機構60は、工作機械10への挿入時に、工作機械10の正面13側から背面側に向かうように傾斜して延びている。
【0067】
図8に示す構成でも、可動アーム機構60の第1、第2のアーム70,80が、走行軸部材40に対して斜めに延びるので、第1、第2のアーム70,80の角度位置によって、走行軸部材40に垂直な方向に可動アーム機構60の先端の位置を調節することができる。それによって、ロボット20によって、工作機械10内の広範囲の位置へアクセスすることが可能となる作用が得られる。この作用は、一般に、第1、第2の軸71が、水平面内でスライダ部材50の走行方向に垂直な方向から傾斜した構成とすることによって得られる。
【0068】
また、可動アーム機構60が取り付けられるスライダ部材50の傾斜面は、下向きまたは上向きに傾斜させてもよい。それによって、第1のアーム70の動作範囲の最適化などの調整を行うことができる。すなわち、第1のアーム70は、その先端側を、スライダ部材50の傾斜面側に向ける方向への動作範囲に制約が生じるので、必要に応じて、傾斜面の向きを調整することによって、必要な動作範囲を確保することができる。
【0069】
また、本発明は、複数の工作機械に対して1つのロボットでワークの着脱を行うロボットシステムにも応用可能である。図9は、このようなロボットシステムとして、2つの工作機械10a,10bに対して1つのロボット20でワークの着脱を行う構成例を示しており、(a)は平面図、(b)は正面図である。同図において、図1〜7と同様の部分には、同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0070】
ロボット20がワーク1を搬送する時間に対し、工作機械10a,10bがワーク1を加工する時間の方が長いのが一般的である。したがって、複数の工作機械10a,10bに対して、1つのロボット20を用いた構成で、効率的な処理が可能である。
【0071】
2つの工作機械10a,10bは、作業員9がアクセスするための扉11と操作パネル15が設けられた正面13がそれぞれ通路5に面するように配置され、左右に並べられている。各工作機械10a,10bには、図示していないが、図1,2などに示すのと同様に、ロボット2の可動アーム機構60を進入させるための扉が左側面14にそれぞれ設けられている。工作機械10a,10bに共通のワーク1を載せる台車3が、左側の工作機械10aの左側に配置されている。台車3としては、工作機械10a用のものと、10b用のものをそれぞれ用いてもよい。
【0072】
走行軸部材40は、2つの工作機械10a,10bの上方をまたぐように左右に延びている。ロボット20は、可動アーム機構60を、左側の工作機械10aの上方を通過させて右側の工作機械10bにアクセスできるようになっている。図9に示す例では、可動アーム機構60が工作機械10aの上方を通過できるように、工作機械10aは、図1,2に示すものから、天井カバーを外すことによって、高さを抑えた構成となっている。天井カバーを外さない場合には、走行軸部材40をより高い位置に配置すればよい。
【0073】
図9に示す構成でも、ロボット20は、着脱動作時に工作機械10a,10bの正面13の前方に進入する必要はなく、必要に応じて機械的なストッパやソフトウェアを用いて、進入しないように設定できる。その結果、工作機械10a,10bの正面13の前方には、安全柵7を設けず、作業員9が正面13から工作機械10a,10bに直接アクセス可能とすることができ、効率的な作業が可能となる。また、両方の工作機械10a,10bに共通の通路5からアクセスできるので、両方の工作機械10a,10bの保守作業を行う場合などにも、作業の効率性を高めることができる。
【0074】
また、上述の実施形態では、スライダ部材50が走行軸部材40の側面に沿ってスライド移動する構成を示したが、下面に沿ってスライド移動する構成、すなわち天吊りの構成としてもよい。図10,11は、このような変形例を示しており、図10(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は右側面図、(d)は左側面図、図11は斜視図である。これらの図において、図1〜7と同様の部分には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0075】
この変形例では、スライダ部材50が走行軸部材40の下方に位置している結果、スライダ部材50やそれに結合された可動アーム機構60のベース部材61が走行軸部材40の横方向へ突き出る量が、上述の実施形態に比べて小さく抑えられている。したがって、工作機械10の外形などに応じて、走行軸部材40の横方向にロボット20の進入を許容できる範囲が小さい場合には、この変形例のような構成をとるのが有利な場合がある。また、この変形例は、ロボットシステム全体の設置面積を低減するのにも有利である。
【0076】
一方、この変形例では、走行軸部材40の下方には、ロボット20が干渉する範囲が広がる。また、複数の工作機械に対して共通のロボットによってワークの着脱を行う場合には、可動アーム機構が工作機械の上方を通過できるようにするために、走行軸部材をより高い位置に配置する必要がある。したがって、工作機械の外形や、ロボットシステムが設置される施設の構造などに応じて、上下方向に制約がある場合には、スライダ部材50が走行軸部材40の側面に沿ってスライドする上述の実施形態の構成の方が有利である場合がある。例えば、上述の実施形態の構成によれば、天井の低い工場にもロボットシステムを導入することが可能となる。
【0077】
このように、スライダ部材50が、走行軸部材40の側面に沿ってスライド移動する上述の実施形態の構成と、下面に沿ってスライド移動する本変形例の構成とは、用途に応じて有利な方を適宜選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の一実施形態のロボットシステムを示す図である。
【図2】図1のロボットシステムの斜視図である。
【図3】図1のロボットシステムにおけるロボットを示す図である。
【図4】図1のロボットシステムにおけるロボットを示す斜視図である。
【図5】図1のロボットシステムにおいてロボットが工作機械への進入前に待機している状態を示す図である。
【図6】図1のロボットシステムにおいてロボットがワーク着脱位置にある状態を示す図である。
【図7】図1のロボットシステムにおいてロボットがワークを払い出している状態を示す図である。
【図8】図1の変形例のロボットシステムを示す図である。
【図9】図1の他の変形例として、共通のロボットによって複数の工作機械にワークの着脱を行う構成のロボットシステムを示す図である。
【図10】図1のさらに他の変形例として、可動アーム機構が走行軸部材の下面に装着されている構成のロボットシステムを示す図である。
【図11】図10のロボットシステムの斜視図である。
【図12】工作機械の正面に対し走行軸部材が垂直方向に延びている従来例のロボットシステムを示す図であり、(a)は平面図、(b)は斜視図、(c)は側面図である。
【図13】工作機械の天井から可動アーム機構を進入させる従来例のロボットシステムを示す図であり、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。
【符号の説明】
【0079】
10 工作機械
20 ロボット
30 走行軸機構
40 走行軸部材
50 スライダ部材
60 可動アーム機構
70 第1のアーム
80 第2のアーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットにより工作機械へワークの着脱を行うロボットシステムにおいて、
前記ロボットは、
前記工作機械の、ワークを出し入れするための扉が形成された面に対して垂直に延びる走行軸部材、および該走行軸部材に沿ってスライド移動するスライダ部材を有する走行軸機構と、
一端が前記スライダ部材に第1の軸回りに回転可能に取り付けられた第1のアーム、前記第1の軸に平行な第2の軸回りに回転可能に前記第1のアームの他端に一端が取り付けられた第2のアーム、および該第2のアームの他端に取り付けられたワークの保持機構を有する可動アーム機構と、
を有することを特徴とするロボットシステム。
【請求項2】
前記第1の軸は、水平面内で前記スライダの走行方向に対して垂直な方向から傾斜している、請求項1に記載のロボットシステム。
【請求項3】
前記スライダ部材は、水平面内で前記スライダの走行方向に対して垂直な方向から傾斜した傾斜面を有し、該傾斜面に前記可動アーム機構が取り付けられており、前記走行軸機構の駆動モータが、前記スライダ部材上の、前記傾斜面より前記可動アーム機構が取り付けられたのと反対側の部分に配置されている、請求項2に記載のロボットシステム。
【請求項4】
前記スライダ部材は、前記走行軸部材の側面に沿ってスライド移動可能に取り付けられている、請求項1から3のいずれか1項に記載のロボットシステム。
【請求項5】
前記スライダ部材は、前記走行軸部材の下面に沿ってスライド移動可能に取り付けられている、請求項1から3のいずれか1項に記載のロボットシステム。
【請求項6】
前記第2のアームは、前記第2の軸回りに回転可能に前記第1のアームに結合された基部と、前記第2の軸に垂直な第3の軸方向に延び該第3の軸回りに回転可能に前記基部に一端が結合されたシャフト部と、前記シャフト部の他端に結合されたワーク保持部と、を有しており、
前記ワーク保持部は、前記第3の軸に垂直な第4の軸回りに回転可能に前記シャフト部に結合された基部と、該基部に、前記第4の軸に垂直な第5の軸回りに回転可能に結合された末端部と、を有し、該末端部に前記ワークの保持機構が結合されている、請求項1から5のいずれか1項に記載のロボットシステム。
【請求項7】
前記第1の軸は、水平面に対して下向きまたは上向きに傾斜している、請求項1から6のいずれか1項に記載のロボットシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−89228(P2010−89228A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−263125(P2008−263125)
【出願日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【出願人】(390008235)ファナック株式会社 (1,110)
【Fターム(参考)】