ロータリスイッチ
【課題】節度発生間隔を可変としつつも明確な節度感が得られるロータリスイッチを提供する。
【解決手段】ロータリスイッチ11は、内周面に複数個の節度山13からなる節度面12aを有する円筒状の節度体12と、節度体12の内部に収容された状態でモータ20の出力軸21に一体回転可能に連結されるとともに節度面12aに向けて付勢される節度ピース24とを備えてなる。ロータリスイッチ11は、節度体12に連結されたノブ15と、モータ20の出力軸21に作動連結された節度ピース24と、ノブ15の回転位置情報を出力するロータリエンコーダ16とを備えてなる。ロータリスイッチ11は、ロータリエンコーダ16を通じて取得されるノブ15の回転位置情報に基づきノブ15の回転速度を求めるとともに当該回転速度に基づき節度体12と節度ピース24との相対回転数差による節度発生間隔を変更すべくモータを制御する制御装置を備えてなる。
【解決手段】ロータリスイッチ11は、内周面に複数個の節度山13からなる節度面12aを有する円筒状の節度体12と、節度体12の内部に収容された状態でモータ20の出力軸21に一体回転可能に連結されるとともに節度面12aに向けて付勢される節度ピース24とを備えてなる。ロータリスイッチ11は、節度体12に連結されたノブ15と、モータ20の出力軸21に作動連結された節度ピース24と、ノブ15の回転位置情報を出力するロータリエンコーダ16とを備えてなる。ロータリスイッチ11は、ロータリエンコーダ16を通じて取得されるノブ15の回転位置情報に基づきノブ15の回転速度を求めるとともに当該回転速度に基づき節度体12と節度ピース24との相対回転数差による節度発生間隔を変更すべくモータを制御する制御装置を備えてなる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転操作を通じて機器の制御量を設定するロータリスイッチに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、回転操作により操作対象である機器の制御量等を切り換えるロータリスイッチが知られている。このようなロータリスイッチにおいては、確実な切り換え及び快適な操作感を得るために節度機構を設けることが一般に行われている。節度機構は、例えば特許文献1に開示されるように、ロータリスイッチを構成する固定体及び回転体のいずれか一方には複数個の節度山が形成されてなる節度面が、また他方には節度面に向けて付勢される節度ピースが設けられてなる。この構成によれば、回転体の回転に際して、節度ピースが節度体の節度面に対して相対的に摺動することにより節度感が得られる。
【0003】
このようなロータリスイッチは、走行中の車両の現在位置及び進行方向等の情報を人工衛星及び地磁気計及び走行距離計等を利用して測定して車室内に設けられた表示装置の画面上に表示してユーザに知らせるナビゲーションシステム等の入力装置としても多く採用されている。ユーザは、ロータリスイッチを回転操作することにより表示装置の画面上に表示された複数の機能項目から一つの機能項目を選択して所望の画面に切り換えたり車両の付帯装備を作動させたりする。表示装置に表示される画面は、例えば目的地の住所を入力する住所入力画面、並びに観光地及び広狭施設等のジャンルを選択するジャンル入力画面等、多岐にわたる。また、各種の入力画面に表示される機能項目数及びそれらの配置間隔は入力画面毎に異なる。そしてこれら複数の入力画面への入力操作は、設置スペースの節約及び操作性の確保等の観点から、単一のロータリスイッチで共用されることも多い。
【0004】
この場合、前述したように、機能項目数及びそれらの配置間隔は入力画面毎に異なるため、操作性の観点から入力画面に応じてロータリスイッチの節度発生間隔を変えることが要求される。しかし、前述した特許文献1に示されるような機械式の節度機構では、複数種類の入力画面に応じてロータリスイッチの節度を変更することは困難である。これは、機械式の節度機構においては、ロータリスイッチの節度発生間隔は、節度面における節度山の数及びそれらの配設間隔により決定されるからである。そこで、こうした節度発生間隔の変更に対する要望に対して、例えば特許文献2には、機能項目数及びそれらの配置間隔に応じてロータリスイッチの節度発生間隔をモータにより可変制御するいわゆる電気式の節度機構が開示されている。この節度機構によれば、モータへの通電量の制御を通じてロータリスイッチの節度発生間隔は設定される。そして、ロータリスイッチには、画面に応じた様々な反力が与えられる。
【特許文献1】特開2004−22301号公報
【特許文献2】特開2003−150261号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述した特許文献2に示されるような電気式の節度機構によれば、モータの制御を通じて表示装置に表示される画面に応じてロータリスイッチの節度発生間隔が変更されることから任意の触感が得られる。しかし、電気式の節度機構では、モータの駆動力をロータリスイッチの操作速度に応じた反力として当該スイッチに付与するものであることから、特許文献1に示されるような機械式の節度機構に比べて、明確な節度感が得られにくいという問題があった。
【0006】
このように、機械式の節度機構及び電気式の節度機構には、それぞれ相反する利点及び欠点があった。すなわち、機械式の節度機構によれば、明確な節度は得られるものの、節度発生間隔のバリエーションには限りがある。一方、電気式の節度機構によれば節度発生間隔にバリエーションは持たせられるものの、明確な節度感が得られにくい。したがって、明確な節度が得られるという機械式の節度機構の利点と、節度発生間隔を任意に変更できるという電気式の節度機構の利点との双方が得られるロータリスイッチは未だ具体化されていない。このような実状から、明確な節度感が得られるとともに、節度発生間隔のバリエーションを確保することができるロータリスイッチが望まれている。
【0007】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、節度発生間隔を可変としつつも明確な節度感が得られるロータリスイッチを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明は、内周面又は外周面に複数個の節度山が回転軸周方向において所定間隔毎に形成されてなる円筒状の節度体と、ピースホルダに収容されるとともに節度体の内周面又は外周面に向けて付勢される節度ピースとを備え、ノブの回転操作に応じて節度ピースが節度体の内周面又は外周面に対して相対的に回転摺動することにより節度感を得るようにしたロータリスイッチにおいて、節度体及びピースホルダのいずれか一方はノブに一体回転可能に連結されるとともに、同じく他方はモータの出力軸に一体回転可能に連結され、ノブの機械的な回転変位を電気信号に変換してノブの回転位置情報として出力する回転センサと、当該回転位置センサを通じて取得されるノブの回転位置情報に基づきノブの回転速度を求めるとともに当該求められた回転速度に基づき節度体と節度ピースとの相対回転数差による節度発生間隔を変更すべくモータを制御する制御装置と、をさらに備えてなることをその要旨とする。
【0009】
本発明によれば、モータを停止した状態でノブが回転操作された場合には、節度山の数及びそれらの配置間隔に基づいた間隔の節度が得られる。そして、節度発生間隔を変える場合には、モータが駆動される。この場合には、回転センサを通じて取得されたノブの回転位置情報に基づきノブの回転速度が求められるとともに、当該求められた回転速度に基づき節度体と節度ピースとの相対回転数差による節度発生間隔を変更すべくモータが制御される。ノブの回転方向と逆方向へモータを駆動させた場合には、前述したモータ停止時に比べて、節度体と節度ピースとの相対回転数差が大きくなることから、節度発生間隔は狭くなる。逆に、ノブの回転方向と同方向へモータを駆動させた場合には、前述したモータ停止時に比べて、節度体と節度ピースとの相対回転数差が小さくなることから、節度発生間隔は広くなる。このように、節度体と節度ピースとの相対回転数差に基づき節度発生間隔が変更されることから、ノブの回転方向及び回転速度に応じてモータの回転方向及び回転数を制御することにより、任意の節度発生間隔を発生させることが可能となる。また、節度自体は、節度ピースが、複数個の節度山が形成された節度体の内周面又は外周面に対して相対的に摺動することにより得られることから、明確な節度感が得られる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のロータリスイッチにおいて、節度体は、その内周面に節度山が形成されるとともにノブに一体回転可能に連結され、ピースホルダは、節度体の内部に収容された状態でモータの出力軸に一体回転可能に連結されてなることをその要旨とする。このように構成した場合であれ、請求項1と同様の作用効果が得られる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のロータリスイッチにおいて、ピースホルダは円筒状に形成されるとともにノブに一体回転可能に連結され、また当該ピースホルダの内周面に開口して形成された収容部には節度ピースが収容され、節度体は、その外周面に節度山が形成されるとともにピースホルダの内部に収容された状態でモータの出力軸に一体回転可能に連結されてなることをその要旨とする。このように構成した場合であれ、請求項1と同様の作用効果が得られる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載のロータリスイッチにおいて、節度体は、その内周面に節度山が形成されるとともにモータの出力軸に一体回転可能に連結され、節度ピースは、節度体の内部に収容された状態でノブに一体回転可能に連結されてなることをその要旨とする。このように構成した場合であれ、請求項1と同様の作用効果が得られる。
【0013】
請求項5に記載の発明は、内周面又は外周面に複数個の節度山が回転軸周方向において所定間隔毎に形成されてなる円筒状の節度体と、ピースホルダに収容されるとともに節度体の内周面又は外周面に向けて付勢される節度ピースとを備え、ノブの回転操作に応じて節度ピースが節度体の内周面又は外周面に対して相対的に回転摺動することにより節度感を得るようにしたロータリスイッチにおいて、ノブは、太陽歯車と内歯車との間で回転力の伝達を媒介する遊星歯車がキャリアに回転可能に保持されてなる遊星歯車機構を介して節度体に作動連結され、遊星歯車機構を構成する内歯車には節度体が、同じく太陽歯車又はキャリアにはモータの出力軸が、同じくキャリア又は太陽歯車には操作軸を通じてノブが一体回転可能に連結され、ノブの機械的な回転変位を電気信号に変換してノブの回転位置情報として出力する回転センサと、当該回転位置センサを通じて取得されるノブの回転位置情報に基づきノブの回転速度を求めるとともに当該求められた回転速度に基づきノブとモータの出力軸との相対回転数差による節度発生間隔を変更すべくモータを制御する制御装置と、をさらに備えてなることをその要旨とする。
【0014】
本発明によれば、モータを停止した状態でノブが回転操作された場合には、ノブの回転力はキャリア又は太陽歯車、並びに遊星歯車を介して内歯車に伝達される。ここで、節度体は内歯車に一体回転可能に連結されることから、ロータリスイッチの回転操作に伴い、太陽歯車と内歯車との歯数比に応じた回転数で回転する。この結果、節度山の数及びそれらの配置間隔に基づいた節度発生間隔が得られる。そして、節度発生間隔を変える場合には、モータが駆動される。この場合には、回転センサを通じて取得されたノブの回転位置情報に基づきノブの回転速度が求められるとともに、当該求められた回転速度に基づきノブとモータの出力軸との相対回転数差による節度発生間隔を変更すべくモータは制御される。
【0015】
すなわち、ノブの回転力はキャリア又は太陽歯車を介して遊星歯車に伝達されるとともに、モータの回転力は太陽歯車又はキャリアを介して遊星歯車に伝達される。この結果、遊星歯車は、キャリア又は太陽歯車、並びに太陽歯車又はキャリアの2つの回転が合成された運動を行う。そしてこの遊星歯車の回転力は内歯車に伝達され当該内歯車は節度体と一体回転する。ここで、モータの回転数を大きくするほどノブと内歯車との減速比が大きくなるので、節度発生間隔は大きくなるとともにノブの操作感触は重くなる。逆に、モータの回転数を小さくするほどノブと内歯車との減速比が小さくなるので、節度発生間隔は小さくなるとともにノブの操作感触は軽くなる。このように、モータの回転数を制御することにより節度発生間隔を任意に設定することが可能となるとともに、節度発生間隔の広狭に応じた操作感触が好適に得られる。また、節度自体は、節度ピースが、複数個の節度山が形成された節度体の内周面又は外周面に対して相対的に摺動することにより得られることから、明確な節度感が得られる。
【0016】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のロータリスイッチにおいて、太陽歯車にはモータの出力軸が、キャリアには操作軸を通じてノブが連結されてなることをその要旨とする。
【0017】
本発明によれば、ノブの回転力はキャリアを介して遊星歯車に伝達されるとともに、モータの回転力は太陽歯車を介して遊星歯車に伝達される。この結果、遊星歯車は、キャリア及び太陽歯車の2つの回転が合成された運動を行う。そしてこの遊星歯車の回転力は内歯車に伝達され当該内歯車は節度体と一体回転する。したがって、本発明のように構成した場合であれ、請求項5と同様の作用効果が得られる。
【0018】
請求項7に記載の発明は、請求項5に記載のロータリスイッチにおいて、太陽歯車には操作軸を通じてノブが、キャリアにはモータの出力軸が連結されてなることをその要旨とする。
【0019】
本発明によれば、ノブの回転力は太陽歯車を介して遊星歯車に伝達されるとともに、モータの回転力はキャリアを介して遊星歯車に伝達される。この結果、遊星歯車は、太陽歯車及びキャリアの2つの回転が合成された運動を行う。そしてこの遊星歯車の回転力は内歯車に伝達され当該内歯車は節度体と一体回転する。したがって、本発明のように構成した場合であれ、請求項5と同様の作用効果が得られる。
【0020】
請求項8に記載の発明は、請求項5に記載のロータリスイッチにおいて、キャリアの外周面にはその全周にわたって歯形を形成するとともに当該歯形にはモータの出力軸を噛合させる一方、太陽歯車には操作軸を通じてノブが連結されてなることをその要旨とする。
【0021】
本発明によれば、ノブの回転力は太陽歯車を介して遊星歯車に伝達されるとともに、モータの回転力はキャリアを介して遊星歯車に伝達される。この結果、遊星歯車は、太陽歯車及びキャリアの2つの回転が合成された運動を行う。そしてこの遊星歯車の回転力は内歯車に伝達され当該内歯車は節度体と一体回転する。したがって、本発明のように構成した場合であれ、請求項5と同様の作用効果が得られる。
【0022】
請求項9に記載の発明は、請求項6に記載のロータリスイッチにおいて、モータはノブとキャリアとを連結する操作軸を挿通可能とした軸方向へ延びる貫通孔が形成された出力軸を有してなる中空モータを採用するとともに、ノブは中空モータの貫通孔に挿通された操作軸を通じてキャリアに連結されてなることをその要旨とする。このように構成した場合であれ、請求項6と同様の作用効果が得られる。また、操作軸を挿通可能とされた中空モータを採用することにより、ノブと中空モータとを同軸上に且つ節度体を基準として同じ側に配設することができる。
【0023】
請求項10に記載の発明は、請求項1〜請求項9のうちいずれか一項に記載のロータリスイッチにおいて、制御装置は、機器の操作内容を示す複数の機能項目が表示される画面を備えてなる表示装置に接続されるとともに、ノブの回転操作量に応じて表示装置の画面に表示された複数の機能項目のうちいずれか一つを選択可能とし、表示装置の表示態様が機能項目数の異なる他の表示態様に切り換えられた場合には、当該他の表示態様において画面に表示される機能項目数に応じた節度感を得るべくモータを制御することをその要旨とする。
【0024】
本発明によれば、表示装置の表示態様が機能項目数の異なる他の表示態様に切り換えられた場合であれ、モータの回転数制御を通じて、当該他の表示態様において画面に表示される機能項目数に応じた節度感が好適に得られる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、ロータリスイッチにおいて節度発生間隔を可変としつつも明確な節度感が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
<第1の実施の形態>
以下、本発明を、走行中の車両の現在位置及び進行方向等の情報を人工衛星及び地磁気計及び走行距離計等を利用して測定して車室内の画面上に表示してユーザに知らせるナビゲーションシステムの入力装置として機能するロータリスイッチに具体化した第1の実施の形態を図1〜図3に基づいて説明する。
【0027】
ナビゲーションシステムの表示装置は、図示しない車両のセンタクラスタ等に設けられる。ユーザは、表示装置の画面を目視しながらロータリスイッチを回転操作することにより当該画面上に表示された複数の機能項目から一つの機能項目を選択して所望の画面に切り換えたり車両の付帯装備を作動させたりする。表示装置に表示される画面は多岐にわたり、各種の画面に表示される機能項目数及びそれらの配置間隔は画面毎に異なる。これら複数種類の画面に基づく入力操作は、設置スペースの節約及び操作性の確保等の観点から、単一のロータリスイッチで共用される。
【0028】
図1に示すように、ロータリスイッチ11は、車両側に固定される図示しないケースの内部に回転可能に支持される節度体12を備えてなる。節度体12は一側面が開口した有底円筒状に形成されてなる。節度体12の内周面は、その全周にわたって複数個(本実施の形態では24個)の節度山13が所定間隔毎に且つ滑らかに連続して形成されてなる節度面12aとされている。図2に示されるように、節度山13は、節度体12をその軸線に直交する平面で切断したときの断面形状が三角形状になるように形成されている。
【0029】
図1に示されるように、節度体12の開口と反対側の側面の中央には操作軸14の一端が固定されるとともに、同じく他端にはユーザにより回転操作される円柱状のノブ15が固定されている。ノブ15は、ユーザの操作性を確保すべく例えばセンタクラスタの表面から一部が突出して設けられる。ユーザによりノブ15が回転操作されると当該ノブ15の回転力は操作軸14を通じて節度体12に伝達される。すなわち、ノブ15、操作軸14及び節度体12は、同軸上で一体的に回転する。
【0030】
また、ケースの内部において、操作軸14の途中には、ノブ15の機械的な回転変位を電気信号に変換してノブ15の回転位置情報として出力する回転センサとして、光学式のロータリエンコーダ16が設けられている。ロータリエンコーダ16は、操作軸14に一体回転可能に取り付けられる円板17、並びに当該円板17を間に挟むように配設される複数組(例えば2組)の発光素子18及び受光素子19を備えてなる。発光素子18としては例えば発光ダイオードが、また受光素子19としては例えばフォトトランジスタが採用可能である。なお、図1では便宜上1組の発光素子18及び受光素子19のみを示す。
【0031】
円板17には、径方向へ延びる複数個のスリット17aが回転方向において等間隔に形成されている。2組の発光素子18及び受光素子19は二箇所のスリット17aを挟むように配設されている。発光素子18から出た光は、ノブ15の回転操作を通じて操作軸14が回転することによりスリット1ピッチ毎に光路を遮られるとともに、回転量に比例して光の透過と遮断とが繰り返される。2つの受光素子19は、それぞれ対応するスリット17aを通過してきた光を位相の異なる2つの電気信号として取り出してノブ15の回転位置情報として出力する。
【0032】
一方、節度体12の開口側には、モータ20が配設されている。モータ20の出力軸21は節度体12と同軸上に配設されるとともに、当該出力軸21の先端には直方体状のピースホルダ22が固定されている。図2に併せ示されるように、ピースホルダ22は、節度体12の内部においてその径方向へ延びるように一端寄りに片寄らせた状態で出力軸21に固定されている。ピースホルダ22において節度体12の内周面に対向する側面(図2における上面)には、ピースホルダ22の軸線に沿う方向へ延びる収容穴22aが形成されている。収容穴22aには、コイルばね23を介して球状の節度ピース24が一部露出した状態で収容されている。節度ピース24は、収容穴22a内を移動可能に収容されるとともに、コイルばね23の弾性力により節度面12a側へ常時付勢される。節度ピース24の外方への移動は、当該節度ピース24が節度面12aに当接することにより規制される。
【0033】
次に、ロータリスイッチの電気的な構成について説明する。
図3に示すように、ロータリスイッチ11は、ノブ15の回転操作に応じてモータ20を制御する制御装置31を備えてなる。制御装置31には、前述した発光素子18、受光素子19及びモータ20に加えて車両用ナビゲーションシステムの表示装置32が接続されている。表示装置32は、機器の操作内容を示す複数の機能項目が表示される画面を備えてなる。ナビゲーションシステムの機能を切り換えるべく図示しないスイッチが操作された際には、表示装置32の画面は、機能項目数の異なる他の画面に切り換えられる。
【0034】
制御装置31は、EEPROM等の図示しない記憶装置に格納されたモータ制御プログラム及び表示制御プログラム等の各種の制御プログラムに基づきモータ20及び表示装置32を制御する。具体的には、制御装置31は、ロータリエンコーダ16を通じて取得されるノブ15の回転位置情報に基づきノブ15の回転速度を求めるとともに当該求められた回転速度に基づき節度体12と節度ピース24との相対回転数差による節度発生間隔を変更すべくモータ20を制御する。制御装置31は、表示装置32の画面上の機能項目数及びそれらの配置間隔等に応じた節度をノブ15に付与すべくモータ20の回転数を制御する。また、制御装置31は、ロータリエンコーダ16を通じて取得されるノブ15の回転位置情報に基づきノブ15の回転方向を求めるとともに、当該求められた回転方向に基づきモータ20の回転方向を制御する。さらに、制御装置31は、ノブ15の回転操作量に応じて表示装置32の画面に表示された複数の機能項目のうちいずれか一つを選択する。例えば、ノブ15の回転操作量に応じて表示装置32の画面上を移動する可視又は不可視のカーソルを通じて所望の機能項目を選択する。
【0035】
次に、前述のように構成したロータリスイッチの動作を説明する。
モータ20を停止した状態でノブ15が回転操作された場合には、節度ピース24はコイルばね23の弾性力により節度面12aに圧接した状態で当該節度面12aに対して相対的に摺動する。この結果、節度山13の数及びそれらの配置間隔に応じた発生間隔の節度が得られる。モータ20が停止状態に保たれる場合には、ノブ15を正逆いずれの方向へ回転操作したときも同様の節度感が得られる。
【0036】
一方、節度発生間隔を変える場合には、モータ20が駆動される。この場合には、前述したように、ロータリエンコーダ16を通じて取得されたノブ15の回転位置情報に基づきノブ15の回転速度及び回転方向が求められる。そして、これら求められたノブ15の回転速度及び回転方向に基づき節度体12と節度ピース24との相対回転数差による節度発生間隔を変更すべくモータは制御される。例えば、ノブ15の回転方向と逆方向へモータ20を駆動させた場合には、前述したモータ20の停止時に比べて、節度体12と節度ピース24との相対回転数差が大きくなることから、節度の発生間隔は狭くなる。逆に、ノブ15の回転方向と同方向へモータ20を駆動させた場合には、前述したモータ20の停止時に比べて、節度体12と節度ピース24との相対回転数差が小さくなることから、節度の発生間隔は広くなる。このように、ノブ15とモータ20、すなわちこれらと一体回転する節度体12と節度ピース24との相対回転数差に応じた節度がノブ15に付与される。
【0037】
次に、ノブ15の回転速度とモータ20の回転速度との関係について、以下に示される表2を参照しつつ具体的に説明する。表2では、便宜上、ノブ15の回転速度を「1」とし、これに対してモータ20の回転速度を「1」、「0.5」、「0」、「−1」としたときの節度数を示す。なお、モータ20の回転方向が同方向であるときは「正」、逆方向であるときは「負」とする。ここでは、モータ20の回転方向がノブ15の回転方向と逆方向であるときにのみ負号(−)を付し、モータ20の回転方向がノブ15の回転方向と同方向であるときの正号(+)は省略する。
【0038】
さて、表2に示されるように、ノブ15の回転速度が「1」、モータ20の回転速度が「1」のとき、ノブ15を1回転させたときの節度数は「0」となる。これは、節度体12と節度ピース24とが同じ方向に且つ同じ速度で回転し、それらの間の相対回転数差が0となるからである。すなわち、節度体12は、節度ピース24に対して相対的に回転していないことになる。このため、節度が発生することはない。
【0039】
次に、ノブ15の回転速度が「1」、モータ20の回転速度が「0.5」のとき、ノブ15を1回転させたときの節度数は、実際の節度山数の半分の値、すなわち「12」となる。これは、節度ピース24が節度体12と同じ方向に且つ節度体12の半分の速度で回転し、それらの間の相対回転数差がモータ停止時の1/2倍となるからである。すなわち、節度体12は、節度ピース24に対して、実際の回転数の半分の回転数で相対的に回転していることになる。このため、節度数は実際の節度山数の半分の値である「12」となる。
【0040】
次に、ノブ15の回転速度が「1」、モータ20の回転速度が「0」のとき、ノブ15を1回転させたときの節度数は、実際の節度山数と同数の「24」となる。これは、節度ピース24は停止状態に保たれるので、節度体12の回転数がそのまま節度ピース24との間の相対回転数差となるからである。すなわち、節度体12は、節度ピース24に対して、実際の回転数と同じ回転数で相対的に回転していることになる。このため、節度数は実際の節度山数の値である「24」となる。
【0041】
最後に、ノブ15の回転速度が「1」、モータ20の回転速度が「−1」のとき、ノブ15を1回転させたときの節度数は、実際の節度山数の2倍の値、すなわち「48」となる。これは、節度ピース24が節度体12と逆方向に且つ節度体12と同じの速度で回転し、それらの間の相対回転数差がモータ停止時の2倍となるからである。すなわち、節度体12は、節度ピース24に対して、実際の回転数の2倍の回転数で相対的に回転していることになる。このため、節度数は実際の節度山数の2倍の値である「48」となる。
【0042】
【表1】
なお、実際には、表示装置32の画面に応じて好適な節度数、すなわち節度発生間隔が得られるように、ノブ15の回転速度及び回転方向並びに表示装置32の画面の種類を加味した上でモータ20の回転数及び回転方向が制御される。
【0043】
したがって、本実施の形態によれば、節度山13と節度ピース24との相対回転数差に基づき節度発生間隔が変更されることから、ノブ15の回転方向及び回転速度に応じてモータ20の回転方向及び回転数を制御することにより、任意の節度発生間隔を発生させることが可能となる。これにより、表示装置32の画面が機能項目数の異なる他の画面に切り換えられた場合であれ、モータ20の回転数制御を通じて、当該他の画面上に表示される機能項目数に応じた節度感が好適に得られる。そして、求められる節度発生間隔の異なる表示装置32の各種画面に好適に対応することが可能となる。また、節度自体は、節度ピース24が節度面12aに対して相対的に摺動することにより得られることから、明確な節度感が得られる。これにより、ノブ15の操作性及び操作感が確保される。なお、ノブ15を回転操作した際には、前述したように、節度数(節度発生間隔)は変わっても、重い軽い等、必要とされる回転操作力は同じである。
【0044】
<第2の実施の形態>
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。本実施の形態は、前記第1の実施の形態と同様に、操作軸14、ノブ15、ロータリエンコーダ16及びモータ20を備えてなる。
【0045】
図4に示すように、ロータリスイッチ41は、一側面が開口した有底円筒状のピースホルダ42を備えてなる。ピースホルダ42の開口と反対側の側面の中央には、操作軸14(図4では、図示略)を通じてノブ15(図4では、図示略)が一体回転可能に連結されている。ピースホルダ42の内周面には、径方向へ延びる収容穴42aが開口して形成されるとともに、当該収容穴42aにはコイルばね43を介して球状の節度ピース44が一部露出した状態で収容されている。節度ピース44は、収容穴42a内を移動可能に収容されるとともに、コイルばね43の弾性力によりピースホルダ42の中心方向へ常時付勢される。
【0046】
ピースホルダ42の開口側にはモータ20が配設されるとともに、当該モータ20の出力軸21の先端には円柱状の節度体45が固定されている。節度体45の外周面は、その全周にわたって複数個の節度山46が所定間隔毎に且つ滑らかに連続して形成されてなる節度面45aとされている。節度山46は、節度体45をその軸線に直交する平面で切断したときの断面形状が三角形状になるように形成されている。そして、節度体45は、ピースホルダ42の内部に収容された状態に保持される。節度体45の節度面45aには、節度ピース44がコイルばね43の弾性力により常時圧接される。
【0047】
ノブ15若しくはモータ20又はそれらの双方が回転された場合には、節度ピース24はコイルばね23の弾性力により節度面12aに圧接した状態で当該節度面12aに対して相対的に摺動する。そして、ノブ15の回転方向及び回転速度、すなわちピースホルダ42の回転方向及び回転方向に応じてモータ20の回転方向及び回転数が制御されることにより、節度ピース44が設けられたピースホルダ42とモータ20の出力軸21に連結された節度体45との相対回転数差に応じた節度発生間隔が得られる。また、節度自体は、節度ピース44が節度体45の節度面45aに対して相対的に摺動することにより得られることから、明確な節度感が得られる。したがって、本実施の形態によれば、節度発生間隔を可変としつつも明確な節度感を得ることができる。
【0048】
<第3の実施の形態>
次に、本発明の第3の実施の形態を説明する。本実施の形態は、節度体12及び節度ピース24の配設態様の点で前記第1の実施の形態と異なり、他の構成については第1の実施の形態と同様である。
【0049】
図5に示すように、ロータリスイッチ51の節度体12は、一側面が開口した有底円筒状に形成されるとともに、その内周面には複数個の節度山13が回転軸周方向において所定間隔毎に設けられている。節度体12の開口部と反対側の側面の中央には、モータ20の出力軸21が一体回転可能に連結されている。また、ピースホルダ22は、節度体12の内部に収容された状態で操作軸14を介してノブ15に連結されている。このように構成した場合であれ、ノブ15の操作方向及び操作速度に応じてモータ20の回転方向及び回転数を制御することにより、節度体12と節度ピース24との相対回転数差に基づく節度発生間隔が得られる。また、節度自体は、節度ピース24が節度体12の節度面12aに対して相対的に摺動することにより得られることから、明確な節度感が得られる。したがって、本実施の形態によれば、節度発生間隔を可変としつつも明確な節度感を得ることができる。
【0050】
<第4の実施の形態>
次に、本発明の第4の実施の形態を説明する。図6に示すように、ロータリスイッチ61は、前記第1の実施の形態と同様に、操作軸14、ノブ15、ロータリエンコーダ16、節度体12、ピースホルダ22の収容穴22aにコイルばね23を介して収容された節度ピース24、及び制御装置31(図6では、図示略)を備えてなる。ピースホルダ22は、節度体12の内部に収容された状態で図示しないケースに固定部材62を介して固定されている。図8に示されるように、節度ピース24はコイルばね23の弾性力により節度体12の節度面12aに対して常時圧接される。
【0051】
また、図6に示されるように、一端にノブ15が連結された操作軸14の他端は、遊星歯車機構63を介して節度体12に作動連結されている。操作軸14において、ロータリエンコーダ16と遊星歯車機構63との間には、中空モータ64が挿通されている。詳述すると、中空モータ64は、操作軸14を挿通可能とした軸方向へ延びる貫通孔65aが形成された出力軸65を有し、当該貫通孔65aに操作軸14が非接触状態で回転可能に挿通されている。
【0052】
図7に併せ示されるように、遊星歯車機構63は、出力軸65の先端外周面に設けられた環状の太陽歯車71、内径部に太陽歯車71が配設される内歯車72、太陽歯車71と内歯車72との間で回転力の伝達を媒介する4つの遊星歯車73、並びに内歯車72の内径部において4つの遊星歯車73を回転可能に支持する円板状のキャリア74を備えてなる。4つの遊星歯車73は、キャリア74に支持されることにより、自身の軸線を中心に回転(自転)しながら太陽歯車71の軸線回りに一体的に回転(公転)する。
【0053】
図6に示されるように、内歯車72は節度体12の開口と反対側の側面に一体回転可能に連結されている。また、キャリア74の中央には、出力軸65の貫通孔65aに挿通された操作軸14のノブ15と反対側の端部が一体回転可能に連結されている。なお、節度体12、操作軸14、太陽歯車71、内歯車72及びキャリア74は同軸上に配設されている。
【0054】
次に、前述のように構成したロータリスイッチの動作を説明する。
中空モータ64を停止した状態でノブ15が回転操作された場合には、ノブ15の回転力はキャリア74及び遊星歯車73を介して内歯車72に伝達される。ここで、節度体12は内歯車72に一体回転可能に連結されることから、ノブ15の回転操作に伴い、太陽歯車71と内歯車72との歯数比に応じた回転数で回転する。この結果、節度山13の数及びそれらの配置間隔に基づいた節度発生間隔が得られる。
【0055】
一方、節度発生間隔を変える場合には、中空モータ64が駆動される。この場合には、制御装置31は、ロータリエンコーダ16を通じて取得されたノブ15の回転位置情報に基づきノブ15の回転速度を求めるとともに、当該求めた回転速度に基づきノブ15と中空モータ64の出力軸65との相対回転数差による節度発生間隔を変更すべく中空モータ64を制御する。すなわち、ノブ15の回転力はキャリア74を介して遊星歯車73に伝達されるとともに、中空モータ64の回転力は太陽歯車71を介して遊星歯車73に伝達される。この結果、遊星歯車73は、太陽歯車71及びキャリア74の2つの回転が合成された運動を行う。そしてこの遊星歯車73の回転力は内歯車72に伝達され当該内歯車72は節度体12と一体回転する。
【0056】
ここで、中空モータ64の回転数を大きくするほどノブ15と内歯車72との間の減速比が大きくなるので、節度発生間隔は大きくなるとともにノブ15の操作感触は重くなる。逆に、中空モータ64の回転数を小さくするほどノブ15と内歯車72との間の減速比が小さくなるので、節度発生間隔は小さくなるとともにノブ15の操作感触は軽くなる。このように、中空モータ64の回転数を制御することにより節度発生間隔を任意に設定することが可能となるとともに、節度発生間隔の広狭に応じた操作感触が好適に得られる。また、節度自体は、節度ピース24が節度面12aに対して相対的に摺動することにより得られることから、明確な節度感が得られる。
【0057】
したがって、本実施の形態によれば、節度発生間隔を可変としつつも明確な節度感を得ることができる。また、操作軸14を挿通可能とした中空モータ64を採用することにより、ノブ15と中空モータ64とを同軸上に且つ節度体12を基準として同じ側に配設することができる。さらに、中空モータ64の回転数を極端に大きくした場合には、これに伴いノブ15と内歯車72との間の減速比が極端に大きくなる。このことを利用して、ノブ15の回転操作量を規制することも可能である。例えばノブ15の回転操作範囲を0°〜90°と設定する場合には、制御装置31は、ロータリエンコーダ16から取得したノブ15の回転位置情報に基づき当該ノブ15が90°だけ回転操作されるタイミングで中空モータ64の回転数を急激に高める。この結果、必要とされる回転操作力が著しく高められて90°を越えるノブ15の回転操作が困難となる。このように、中空モータ64の回転数制御を通じてノブ15の回転操作量を任意に設定することができる。
【0058】
<第5の実施の形態>
次に、本発明の第5の実施の形態を説明する。本実施の形態は、モータ及びキャリアの配設態様の点で前記第4の実施の形態と異なる。
【0059】
図9に示すように、ロータリスイッチ81は、前記第4の実施の形態と同様に、操作軸14、ノブ15、ロータリエンコーダ16、遊星歯車機構63、節度体12、ピースホルダ22の収容穴22aにコイルばね23を介して収容された節度ピース24、及び制御装置31(図9では、図示略)を備えてなる。遊星歯車機構63のキャリア74は、内歯車72のノブ15側の外部に配設されるとともに、当該キャリア74の中央には操作軸14のノブ15と反対側の端部が一体回転可能に連結されている。一方、節度体12のノブ15と反対側には、モータ82が配設されている。モータ82の出力軸82aは、節度体12及び内歯車72の中央にそれぞれ形成された挿通孔83a,83bに遊挿されるとともに、太陽歯車71の中央に一体回転可能に連結されている。
【0060】
したがって、本実施の形態によれば、前記第4の実施の形態と同様に、モータ82の回転数を制御することにより節度発生間隔を任意に設定することが可能となるとともに、節度発生間隔の広狭に応じた操作感触が好適に得られる。また、節度自体は、節度ピース24が節度面12aに対して相対的に摺動することにより得られることから、明確な節度感が得られる。したがって、節度発生間隔を可変としつつも明確な節度感を得ることができる。
【0061】
<第6の実施の形態>
次に、本発明の第6の実施の形態を説明する。本実施の形態は、モータ及び操作軸の連結先の点で前記第5の実施の形態と異なる。
【0062】
図10に示すように、ロータリスイッチ91は、前記第5の実施の形態と同様に、操作軸14、ノブ15、ロータリエンコーダ16、節度体12、ピースホルダ22の収容穴22aにコイルばね23を介して収容された節度ピース24、遊星歯車機構63、及び制御装置31(図10では、図示略)を備えてなる。節度体12は、ノブ15側に開口するように配設されている。操作軸14のノブ15と反対側の端部は、節度体12及び内歯車72の中央にそれぞれ形成された挿通孔83a,83bに遊挿されるとともに、太陽歯車71の中央に一体回転可能に連結されている。キャリア74は、内歯車72のノブ15と反対側の外部に配設されるとともに、当該キャリア74の中央にはモータ82の出力軸82aが一体回転可能に連結されている。
【0063】
したがって、ノブ15の回転力は太陽歯車71を介して遊星歯車73に伝達されるとともに、モータ82の回転力はキャリア74を介して遊星歯車73に伝達される。この結果、遊星歯車73は、太陽歯車71及びキャリア74の2つの回転が合成された運動を行う。そしてこの遊星歯車73の回転力は内歯車72に伝達され当該内歯車72は節度体12と一体回転する。そして、前記第5の実施の形態と同様に、モータ82の回転数を制御することにより節度発生間隔を任意に設定することが可能となるとともに、節度発生間隔の広狭に応じた操作感触が好適に得られる。また、節度自体は、節度ピース24が節度面12aに対して相対的に摺動することにより得られることから、明確な節度感が得られる。このため、節度発生間隔を可変としつつも明確な節度感を得ることができる。
【0064】
<第7の実施の形態>
次に、本発明の第7の実施の形態を説明する。本実施の形態は、モータ及びノブの操作軸の連結先の点で前記第5の実施の形態と異なる。
【0065】
図11に示すように、ロータリスイッチ101は、前記第5の実施の形態と同様に、操作軸14、ノブ15、ロータリエンコーダ16、遊星歯車機構63、節度体12、ピースホルダ22の収容穴22aにコイルばね23を介して収容された節度ピース24、及び制御装置31(図11では、図示略)を備えてなる。なお、節度体12の挿通孔83a及び内歯車72の挿通孔83bは形成されていない。
【0066】
図12に示すように、キャリア74の中央には挿通孔102が形成されるとともに、当該キャリア74の外周面にはその全周にわたって歯形74aが形成されている。一方、図11に示されるように、モータ82の出力軸82aの先端には歯車103が一体回転可能に連結されるとともに、当該歯車103はキャリア74の歯形74aに噛合されている。そして、図11に示されるように、遊星歯車機構63を構成する太陽歯車71の中央には、キャリア74の挿通孔102に挿通された操作軸14が一体回転可能に連結されている。
【0067】
したがって、ノブ15の回転力は太陽歯車71を介して遊星歯車73に伝達されるとともに、モータ82の回転力は歯車103及びキャリア74を介して遊星歯車73に伝達される。この結果、遊星歯車73は、太陽歯車71及びキャリア74の2つの回転が合成された運動を行う。そしてこの遊星歯車73の回転力は内歯車72に伝達され当該内歯車72は節度体12と一体回転する。そして、前記第5の実施の形態と同様に、モータ82の回転数を制御することにより節度発生間隔を任意に設定することが可能となるとともに、節度発生間隔の広狭に応じた操作感触が好適に得られる。また、節度自体は、節度ピース24が節度面12aに対して相対的に摺動することにより得られることから、明確な節度感が得られる。このため、節度発生間隔を可変としつつも明確な節度感を得ることができる。
【0068】
<他の実施の形態>
なお、本実施の形態は、次のように変更して実施してもよい。
・第1〜第7の実施の形態では、回転センサとしてロータリエンコーダ16を採用するようにしたが、磁気抵抗素子を使用したMREセンサ、ホール素子(ホールIC)を使用したホールセンサ、及び巨大磁気抵抗素子を使用したGMRセンサ等の磁気センサを採用することも可能である。この場合、操作軸14には、その軸線回りにN極及びS極が交互に着磁されてなる両端が開口した円筒状の磁石を装着するとともに、当該磁石の磁界内に前述の軸センサを配設する。磁気センサは、磁石の回転に伴う磁界の変化をノブ15の回転位置情報として出力する。
【0069】
・第1〜第7の実施の形態では、節度体12は一側面が開口した有底円筒状に形成したが、両側面が開口した円筒状に形成することも可能である。
・第2の実施の形態において、節度体45に操作軸14を、ピースホルダ42に出力軸21を連結するようにしてもよい。
【0070】
・第4〜第7の実施の形態において、節度体12の外周面を節度面12aとし、当該節度面12aの外方から節度ピース24を圧接させることも可能である。
・第4〜第7の実施の形態では、内歯車72を一側面が開口した有底円筒状に形成したが、両側面が開口した円筒状に形成することも可能である。
【0071】
・第4〜第7の実施の形態では、節度体12と内歯車72とを別部材としたが、それらを一体形成することも可能である。このようにすれば、内歯車72の回転力は確実に節度体12に伝達されるので、ノブ15の回転操作に応じた節度が好適に得られる。また、部品点数の低減化も図られる。
【0072】
・第1〜第7の実施の形態では、ロータリスイッチを車両用のナビゲーションシステムの入力手段として具体化したが、エアコンディショナ(温度、風量等の調節)又はオーディオ(音量の調節、選曲等)の入力手段として具体化することも可能である。また、ロータリスイッチの適用対象は車両用の機器に限られない。例えば、家庭用電気機器等の入力手段として具体化してもよい。
【0073】
<他の技術的思想>
次に、前記実施の形態より把握できる技術的思想について以下に記載する。
・請求項5〜請求項9のうちいずれか一項に記載のロータリスイッチにおいて、
節度体と内歯車とは一体形成されてなるロータリスイッチ。この構成によれば、内歯車の回転力は確実に節度体に伝達されるので、ノブの回転操作に応じた節度が好適に得られる。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】第1の実施の形態のロータリスイッチの概略斜視図。
【図2】図1の1−1線断面図。
【図3】第1の実施の形態のロータリスイッチの電気的な構成を示すブロック図。
【図4】第2の実施の形態の節度体及び節度ピースの配設態様を示す図1の1−1線断面図。
【図5】第3の実施の形態のロータリスイッチの概略斜視図。
【図6】第4の実施の形態のロータリスイッチの要部断面図。
【図7】図6の2−2線断面図。
【図8】図6の3−3線断面図。
【図9】第5の実施の形態のロータリスイッチの要部断面図。
【図10】第6の実施の形態のロータリスイッチの要部断面図。
【図11】第7の実施の形態のロータリスイッチの要部断面図。
【図12】図11の4−4線断面図。
【符号の説明】
【0075】
11,41,51,61,81,91,101…ロータリスイッチ、12,45…節度体、12a,45a…節度面、13,46…節度山、14…操作軸、15…ノブ、16…ロータリエンコーダ(回転センサ)、20,82…モータ、21,65,82a…出力軸、22,42…ピースホルダ、24,44…節度ピース、31…制御装置、32…表示装置、42a…収容部、63…遊星歯車機構、64…中空モータ、65a…貫通孔、71…太陽歯車、72…内歯車、73…遊星歯車、74…キャリア、74a…歯形、103…歯車。
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転操作を通じて機器の制御量を設定するロータリスイッチに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、回転操作により操作対象である機器の制御量等を切り換えるロータリスイッチが知られている。このようなロータリスイッチにおいては、確実な切り換え及び快適な操作感を得るために節度機構を設けることが一般に行われている。節度機構は、例えば特許文献1に開示されるように、ロータリスイッチを構成する固定体及び回転体のいずれか一方には複数個の節度山が形成されてなる節度面が、また他方には節度面に向けて付勢される節度ピースが設けられてなる。この構成によれば、回転体の回転に際して、節度ピースが節度体の節度面に対して相対的に摺動することにより節度感が得られる。
【0003】
このようなロータリスイッチは、走行中の車両の現在位置及び進行方向等の情報を人工衛星及び地磁気計及び走行距離計等を利用して測定して車室内に設けられた表示装置の画面上に表示してユーザに知らせるナビゲーションシステム等の入力装置としても多く採用されている。ユーザは、ロータリスイッチを回転操作することにより表示装置の画面上に表示された複数の機能項目から一つの機能項目を選択して所望の画面に切り換えたり車両の付帯装備を作動させたりする。表示装置に表示される画面は、例えば目的地の住所を入力する住所入力画面、並びに観光地及び広狭施設等のジャンルを選択するジャンル入力画面等、多岐にわたる。また、各種の入力画面に表示される機能項目数及びそれらの配置間隔は入力画面毎に異なる。そしてこれら複数の入力画面への入力操作は、設置スペースの節約及び操作性の確保等の観点から、単一のロータリスイッチで共用されることも多い。
【0004】
この場合、前述したように、機能項目数及びそれらの配置間隔は入力画面毎に異なるため、操作性の観点から入力画面に応じてロータリスイッチの節度発生間隔を変えることが要求される。しかし、前述した特許文献1に示されるような機械式の節度機構では、複数種類の入力画面に応じてロータリスイッチの節度を変更することは困難である。これは、機械式の節度機構においては、ロータリスイッチの節度発生間隔は、節度面における節度山の数及びそれらの配設間隔により決定されるからである。そこで、こうした節度発生間隔の変更に対する要望に対して、例えば特許文献2には、機能項目数及びそれらの配置間隔に応じてロータリスイッチの節度発生間隔をモータにより可変制御するいわゆる電気式の節度機構が開示されている。この節度機構によれば、モータへの通電量の制御を通じてロータリスイッチの節度発生間隔は設定される。そして、ロータリスイッチには、画面に応じた様々な反力が与えられる。
【特許文献1】特開2004−22301号公報
【特許文献2】特開2003−150261号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述した特許文献2に示されるような電気式の節度機構によれば、モータの制御を通じて表示装置に表示される画面に応じてロータリスイッチの節度発生間隔が変更されることから任意の触感が得られる。しかし、電気式の節度機構では、モータの駆動力をロータリスイッチの操作速度に応じた反力として当該スイッチに付与するものであることから、特許文献1に示されるような機械式の節度機構に比べて、明確な節度感が得られにくいという問題があった。
【0006】
このように、機械式の節度機構及び電気式の節度機構には、それぞれ相反する利点及び欠点があった。すなわち、機械式の節度機構によれば、明確な節度は得られるものの、節度発生間隔のバリエーションには限りがある。一方、電気式の節度機構によれば節度発生間隔にバリエーションは持たせられるものの、明確な節度感が得られにくい。したがって、明確な節度が得られるという機械式の節度機構の利点と、節度発生間隔を任意に変更できるという電気式の節度機構の利点との双方が得られるロータリスイッチは未だ具体化されていない。このような実状から、明確な節度感が得られるとともに、節度発生間隔のバリエーションを確保することができるロータリスイッチが望まれている。
【0007】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、節度発生間隔を可変としつつも明確な節度感が得られるロータリスイッチを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明は、内周面又は外周面に複数個の節度山が回転軸周方向において所定間隔毎に形成されてなる円筒状の節度体と、ピースホルダに収容されるとともに節度体の内周面又は外周面に向けて付勢される節度ピースとを備え、ノブの回転操作に応じて節度ピースが節度体の内周面又は外周面に対して相対的に回転摺動することにより節度感を得るようにしたロータリスイッチにおいて、節度体及びピースホルダのいずれか一方はノブに一体回転可能に連結されるとともに、同じく他方はモータの出力軸に一体回転可能に連結され、ノブの機械的な回転変位を電気信号に変換してノブの回転位置情報として出力する回転センサと、当該回転位置センサを通じて取得されるノブの回転位置情報に基づきノブの回転速度を求めるとともに当該求められた回転速度に基づき節度体と節度ピースとの相対回転数差による節度発生間隔を変更すべくモータを制御する制御装置と、をさらに備えてなることをその要旨とする。
【0009】
本発明によれば、モータを停止した状態でノブが回転操作された場合には、節度山の数及びそれらの配置間隔に基づいた間隔の節度が得られる。そして、節度発生間隔を変える場合には、モータが駆動される。この場合には、回転センサを通じて取得されたノブの回転位置情報に基づきノブの回転速度が求められるとともに、当該求められた回転速度に基づき節度体と節度ピースとの相対回転数差による節度発生間隔を変更すべくモータが制御される。ノブの回転方向と逆方向へモータを駆動させた場合には、前述したモータ停止時に比べて、節度体と節度ピースとの相対回転数差が大きくなることから、節度発生間隔は狭くなる。逆に、ノブの回転方向と同方向へモータを駆動させた場合には、前述したモータ停止時に比べて、節度体と節度ピースとの相対回転数差が小さくなることから、節度発生間隔は広くなる。このように、節度体と節度ピースとの相対回転数差に基づき節度発生間隔が変更されることから、ノブの回転方向及び回転速度に応じてモータの回転方向及び回転数を制御することにより、任意の節度発生間隔を発生させることが可能となる。また、節度自体は、節度ピースが、複数個の節度山が形成された節度体の内周面又は外周面に対して相対的に摺動することにより得られることから、明確な節度感が得られる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のロータリスイッチにおいて、節度体は、その内周面に節度山が形成されるとともにノブに一体回転可能に連結され、ピースホルダは、節度体の内部に収容された状態でモータの出力軸に一体回転可能に連結されてなることをその要旨とする。このように構成した場合であれ、請求項1と同様の作用効果が得られる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のロータリスイッチにおいて、ピースホルダは円筒状に形成されるとともにノブに一体回転可能に連結され、また当該ピースホルダの内周面に開口して形成された収容部には節度ピースが収容され、節度体は、その外周面に節度山が形成されるとともにピースホルダの内部に収容された状態でモータの出力軸に一体回転可能に連結されてなることをその要旨とする。このように構成した場合であれ、請求項1と同様の作用効果が得られる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載のロータリスイッチにおいて、節度体は、その内周面に節度山が形成されるとともにモータの出力軸に一体回転可能に連結され、節度ピースは、節度体の内部に収容された状態でノブに一体回転可能に連結されてなることをその要旨とする。このように構成した場合であれ、請求項1と同様の作用効果が得られる。
【0013】
請求項5に記載の発明は、内周面又は外周面に複数個の節度山が回転軸周方向において所定間隔毎に形成されてなる円筒状の節度体と、ピースホルダに収容されるとともに節度体の内周面又は外周面に向けて付勢される節度ピースとを備え、ノブの回転操作に応じて節度ピースが節度体の内周面又は外周面に対して相対的に回転摺動することにより節度感を得るようにしたロータリスイッチにおいて、ノブは、太陽歯車と内歯車との間で回転力の伝達を媒介する遊星歯車がキャリアに回転可能に保持されてなる遊星歯車機構を介して節度体に作動連結され、遊星歯車機構を構成する内歯車には節度体が、同じく太陽歯車又はキャリアにはモータの出力軸が、同じくキャリア又は太陽歯車には操作軸を通じてノブが一体回転可能に連結され、ノブの機械的な回転変位を電気信号に変換してノブの回転位置情報として出力する回転センサと、当該回転位置センサを通じて取得されるノブの回転位置情報に基づきノブの回転速度を求めるとともに当該求められた回転速度に基づきノブとモータの出力軸との相対回転数差による節度発生間隔を変更すべくモータを制御する制御装置と、をさらに備えてなることをその要旨とする。
【0014】
本発明によれば、モータを停止した状態でノブが回転操作された場合には、ノブの回転力はキャリア又は太陽歯車、並びに遊星歯車を介して内歯車に伝達される。ここで、節度体は内歯車に一体回転可能に連結されることから、ロータリスイッチの回転操作に伴い、太陽歯車と内歯車との歯数比に応じた回転数で回転する。この結果、節度山の数及びそれらの配置間隔に基づいた節度発生間隔が得られる。そして、節度発生間隔を変える場合には、モータが駆動される。この場合には、回転センサを通じて取得されたノブの回転位置情報に基づきノブの回転速度が求められるとともに、当該求められた回転速度に基づきノブとモータの出力軸との相対回転数差による節度発生間隔を変更すべくモータは制御される。
【0015】
すなわち、ノブの回転力はキャリア又は太陽歯車を介して遊星歯車に伝達されるとともに、モータの回転力は太陽歯車又はキャリアを介して遊星歯車に伝達される。この結果、遊星歯車は、キャリア又は太陽歯車、並びに太陽歯車又はキャリアの2つの回転が合成された運動を行う。そしてこの遊星歯車の回転力は内歯車に伝達され当該内歯車は節度体と一体回転する。ここで、モータの回転数を大きくするほどノブと内歯車との減速比が大きくなるので、節度発生間隔は大きくなるとともにノブの操作感触は重くなる。逆に、モータの回転数を小さくするほどノブと内歯車との減速比が小さくなるので、節度発生間隔は小さくなるとともにノブの操作感触は軽くなる。このように、モータの回転数を制御することにより節度発生間隔を任意に設定することが可能となるとともに、節度発生間隔の広狭に応じた操作感触が好適に得られる。また、節度自体は、節度ピースが、複数個の節度山が形成された節度体の内周面又は外周面に対して相対的に摺動することにより得られることから、明確な節度感が得られる。
【0016】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のロータリスイッチにおいて、太陽歯車にはモータの出力軸が、キャリアには操作軸を通じてノブが連結されてなることをその要旨とする。
【0017】
本発明によれば、ノブの回転力はキャリアを介して遊星歯車に伝達されるとともに、モータの回転力は太陽歯車を介して遊星歯車に伝達される。この結果、遊星歯車は、キャリア及び太陽歯車の2つの回転が合成された運動を行う。そしてこの遊星歯車の回転力は内歯車に伝達され当該内歯車は節度体と一体回転する。したがって、本発明のように構成した場合であれ、請求項5と同様の作用効果が得られる。
【0018】
請求項7に記載の発明は、請求項5に記載のロータリスイッチにおいて、太陽歯車には操作軸を通じてノブが、キャリアにはモータの出力軸が連結されてなることをその要旨とする。
【0019】
本発明によれば、ノブの回転力は太陽歯車を介して遊星歯車に伝達されるとともに、モータの回転力はキャリアを介して遊星歯車に伝達される。この結果、遊星歯車は、太陽歯車及びキャリアの2つの回転が合成された運動を行う。そしてこの遊星歯車の回転力は内歯車に伝達され当該内歯車は節度体と一体回転する。したがって、本発明のように構成した場合であれ、請求項5と同様の作用効果が得られる。
【0020】
請求項8に記載の発明は、請求項5に記載のロータリスイッチにおいて、キャリアの外周面にはその全周にわたって歯形を形成するとともに当該歯形にはモータの出力軸を噛合させる一方、太陽歯車には操作軸を通じてノブが連結されてなることをその要旨とする。
【0021】
本発明によれば、ノブの回転力は太陽歯車を介して遊星歯車に伝達されるとともに、モータの回転力はキャリアを介して遊星歯車に伝達される。この結果、遊星歯車は、太陽歯車及びキャリアの2つの回転が合成された運動を行う。そしてこの遊星歯車の回転力は内歯車に伝達され当該内歯車は節度体と一体回転する。したがって、本発明のように構成した場合であれ、請求項5と同様の作用効果が得られる。
【0022】
請求項9に記載の発明は、請求項6に記載のロータリスイッチにおいて、モータはノブとキャリアとを連結する操作軸を挿通可能とした軸方向へ延びる貫通孔が形成された出力軸を有してなる中空モータを採用するとともに、ノブは中空モータの貫通孔に挿通された操作軸を通じてキャリアに連結されてなることをその要旨とする。このように構成した場合であれ、請求項6と同様の作用効果が得られる。また、操作軸を挿通可能とされた中空モータを採用することにより、ノブと中空モータとを同軸上に且つ節度体を基準として同じ側に配設することができる。
【0023】
請求項10に記載の発明は、請求項1〜請求項9のうちいずれか一項に記載のロータリスイッチにおいて、制御装置は、機器の操作内容を示す複数の機能項目が表示される画面を備えてなる表示装置に接続されるとともに、ノブの回転操作量に応じて表示装置の画面に表示された複数の機能項目のうちいずれか一つを選択可能とし、表示装置の表示態様が機能項目数の異なる他の表示態様に切り換えられた場合には、当該他の表示態様において画面に表示される機能項目数に応じた節度感を得るべくモータを制御することをその要旨とする。
【0024】
本発明によれば、表示装置の表示態様が機能項目数の異なる他の表示態様に切り換えられた場合であれ、モータの回転数制御を通じて、当該他の表示態様において画面に表示される機能項目数に応じた節度感が好適に得られる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、ロータリスイッチにおいて節度発生間隔を可変としつつも明確な節度感が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
<第1の実施の形態>
以下、本発明を、走行中の車両の現在位置及び進行方向等の情報を人工衛星及び地磁気計及び走行距離計等を利用して測定して車室内の画面上に表示してユーザに知らせるナビゲーションシステムの入力装置として機能するロータリスイッチに具体化した第1の実施の形態を図1〜図3に基づいて説明する。
【0027】
ナビゲーションシステムの表示装置は、図示しない車両のセンタクラスタ等に設けられる。ユーザは、表示装置の画面を目視しながらロータリスイッチを回転操作することにより当該画面上に表示された複数の機能項目から一つの機能項目を選択して所望の画面に切り換えたり車両の付帯装備を作動させたりする。表示装置に表示される画面は多岐にわたり、各種の画面に表示される機能項目数及びそれらの配置間隔は画面毎に異なる。これら複数種類の画面に基づく入力操作は、設置スペースの節約及び操作性の確保等の観点から、単一のロータリスイッチで共用される。
【0028】
図1に示すように、ロータリスイッチ11は、車両側に固定される図示しないケースの内部に回転可能に支持される節度体12を備えてなる。節度体12は一側面が開口した有底円筒状に形成されてなる。節度体12の内周面は、その全周にわたって複数個(本実施の形態では24個)の節度山13が所定間隔毎に且つ滑らかに連続して形成されてなる節度面12aとされている。図2に示されるように、節度山13は、節度体12をその軸線に直交する平面で切断したときの断面形状が三角形状になるように形成されている。
【0029】
図1に示されるように、節度体12の開口と反対側の側面の中央には操作軸14の一端が固定されるとともに、同じく他端にはユーザにより回転操作される円柱状のノブ15が固定されている。ノブ15は、ユーザの操作性を確保すべく例えばセンタクラスタの表面から一部が突出して設けられる。ユーザによりノブ15が回転操作されると当該ノブ15の回転力は操作軸14を通じて節度体12に伝達される。すなわち、ノブ15、操作軸14及び節度体12は、同軸上で一体的に回転する。
【0030】
また、ケースの内部において、操作軸14の途中には、ノブ15の機械的な回転変位を電気信号に変換してノブ15の回転位置情報として出力する回転センサとして、光学式のロータリエンコーダ16が設けられている。ロータリエンコーダ16は、操作軸14に一体回転可能に取り付けられる円板17、並びに当該円板17を間に挟むように配設される複数組(例えば2組)の発光素子18及び受光素子19を備えてなる。発光素子18としては例えば発光ダイオードが、また受光素子19としては例えばフォトトランジスタが採用可能である。なお、図1では便宜上1組の発光素子18及び受光素子19のみを示す。
【0031】
円板17には、径方向へ延びる複数個のスリット17aが回転方向において等間隔に形成されている。2組の発光素子18及び受光素子19は二箇所のスリット17aを挟むように配設されている。発光素子18から出た光は、ノブ15の回転操作を通じて操作軸14が回転することによりスリット1ピッチ毎に光路を遮られるとともに、回転量に比例して光の透過と遮断とが繰り返される。2つの受光素子19は、それぞれ対応するスリット17aを通過してきた光を位相の異なる2つの電気信号として取り出してノブ15の回転位置情報として出力する。
【0032】
一方、節度体12の開口側には、モータ20が配設されている。モータ20の出力軸21は節度体12と同軸上に配設されるとともに、当該出力軸21の先端には直方体状のピースホルダ22が固定されている。図2に併せ示されるように、ピースホルダ22は、節度体12の内部においてその径方向へ延びるように一端寄りに片寄らせた状態で出力軸21に固定されている。ピースホルダ22において節度体12の内周面に対向する側面(図2における上面)には、ピースホルダ22の軸線に沿う方向へ延びる収容穴22aが形成されている。収容穴22aには、コイルばね23を介して球状の節度ピース24が一部露出した状態で収容されている。節度ピース24は、収容穴22a内を移動可能に収容されるとともに、コイルばね23の弾性力により節度面12a側へ常時付勢される。節度ピース24の外方への移動は、当該節度ピース24が節度面12aに当接することにより規制される。
【0033】
次に、ロータリスイッチの電気的な構成について説明する。
図3に示すように、ロータリスイッチ11は、ノブ15の回転操作に応じてモータ20を制御する制御装置31を備えてなる。制御装置31には、前述した発光素子18、受光素子19及びモータ20に加えて車両用ナビゲーションシステムの表示装置32が接続されている。表示装置32は、機器の操作内容を示す複数の機能項目が表示される画面を備えてなる。ナビゲーションシステムの機能を切り換えるべく図示しないスイッチが操作された際には、表示装置32の画面は、機能項目数の異なる他の画面に切り換えられる。
【0034】
制御装置31は、EEPROM等の図示しない記憶装置に格納されたモータ制御プログラム及び表示制御プログラム等の各種の制御プログラムに基づきモータ20及び表示装置32を制御する。具体的には、制御装置31は、ロータリエンコーダ16を通じて取得されるノブ15の回転位置情報に基づきノブ15の回転速度を求めるとともに当該求められた回転速度に基づき節度体12と節度ピース24との相対回転数差による節度発生間隔を変更すべくモータ20を制御する。制御装置31は、表示装置32の画面上の機能項目数及びそれらの配置間隔等に応じた節度をノブ15に付与すべくモータ20の回転数を制御する。また、制御装置31は、ロータリエンコーダ16を通じて取得されるノブ15の回転位置情報に基づきノブ15の回転方向を求めるとともに、当該求められた回転方向に基づきモータ20の回転方向を制御する。さらに、制御装置31は、ノブ15の回転操作量に応じて表示装置32の画面に表示された複数の機能項目のうちいずれか一つを選択する。例えば、ノブ15の回転操作量に応じて表示装置32の画面上を移動する可視又は不可視のカーソルを通じて所望の機能項目を選択する。
【0035】
次に、前述のように構成したロータリスイッチの動作を説明する。
モータ20を停止した状態でノブ15が回転操作された場合には、節度ピース24はコイルばね23の弾性力により節度面12aに圧接した状態で当該節度面12aに対して相対的に摺動する。この結果、節度山13の数及びそれらの配置間隔に応じた発生間隔の節度が得られる。モータ20が停止状態に保たれる場合には、ノブ15を正逆いずれの方向へ回転操作したときも同様の節度感が得られる。
【0036】
一方、節度発生間隔を変える場合には、モータ20が駆動される。この場合には、前述したように、ロータリエンコーダ16を通じて取得されたノブ15の回転位置情報に基づきノブ15の回転速度及び回転方向が求められる。そして、これら求められたノブ15の回転速度及び回転方向に基づき節度体12と節度ピース24との相対回転数差による節度発生間隔を変更すべくモータは制御される。例えば、ノブ15の回転方向と逆方向へモータ20を駆動させた場合には、前述したモータ20の停止時に比べて、節度体12と節度ピース24との相対回転数差が大きくなることから、節度の発生間隔は狭くなる。逆に、ノブ15の回転方向と同方向へモータ20を駆動させた場合には、前述したモータ20の停止時に比べて、節度体12と節度ピース24との相対回転数差が小さくなることから、節度の発生間隔は広くなる。このように、ノブ15とモータ20、すなわちこれらと一体回転する節度体12と節度ピース24との相対回転数差に応じた節度がノブ15に付与される。
【0037】
次に、ノブ15の回転速度とモータ20の回転速度との関係について、以下に示される表2を参照しつつ具体的に説明する。表2では、便宜上、ノブ15の回転速度を「1」とし、これに対してモータ20の回転速度を「1」、「0.5」、「0」、「−1」としたときの節度数を示す。なお、モータ20の回転方向が同方向であるときは「正」、逆方向であるときは「負」とする。ここでは、モータ20の回転方向がノブ15の回転方向と逆方向であるときにのみ負号(−)を付し、モータ20の回転方向がノブ15の回転方向と同方向であるときの正号(+)は省略する。
【0038】
さて、表2に示されるように、ノブ15の回転速度が「1」、モータ20の回転速度が「1」のとき、ノブ15を1回転させたときの節度数は「0」となる。これは、節度体12と節度ピース24とが同じ方向に且つ同じ速度で回転し、それらの間の相対回転数差が0となるからである。すなわち、節度体12は、節度ピース24に対して相対的に回転していないことになる。このため、節度が発生することはない。
【0039】
次に、ノブ15の回転速度が「1」、モータ20の回転速度が「0.5」のとき、ノブ15を1回転させたときの節度数は、実際の節度山数の半分の値、すなわち「12」となる。これは、節度ピース24が節度体12と同じ方向に且つ節度体12の半分の速度で回転し、それらの間の相対回転数差がモータ停止時の1/2倍となるからである。すなわち、節度体12は、節度ピース24に対して、実際の回転数の半分の回転数で相対的に回転していることになる。このため、節度数は実際の節度山数の半分の値である「12」となる。
【0040】
次に、ノブ15の回転速度が「1」、モータ20の回転速度が「0」のとき、ノブ15を1回転させたときの節度数は、実際の節度山数と同数の「24」となる。これは、節度ピース24は停止状態に保たれるので、節度体12の回転数がそのまま節度ピース24との間の相対回転数差となるからである。すなわち、節度体12は、節度ピース24に対して、実際の回転数と同じ回転数で相対的に回転していることになる。このため、節度数は実際の節度山数の値である「24」となる。
【0041】
最後に、ノブ15の回転速度が「1」、モータ20の回転速度が「−1」のとき、ノブ15を1回転させたときの節度数は、実際の節度山数の2倍の値、すなわち「48」となる。これは、節度ピース24が節度体12と逆方向に且つ節度体12と同じの速度で回転し、それらの間の相対回転数差がモータ停止時の2倍となるからである。すなわち、節度体12は、節度ピース24に対して、実際の回転数の2倍の回転数で相対的に回転していることになる。このため、節度数は実際の節度山数の2倍の値である「48」となる。
【0042】
【表1】
なお、実際には、表示装置32の画面に応じて好適な節度数、すなわち節度発生間隔が得られるように、ノブ15の回転速度及び回転方向並びに表示装置32の画面の種類を加味した上でモータ20の回転数及び回転方向が制御される。
【0043】
したがって、本実施の形態によれば、節度山13と節度ピース24との相対回転数差に基づき節度発生間隔が変更されることから、ノブ15の回転方向及び回転速度に応じてモータ20の回転方向及び回転数を制御することにより、任意の節度発生間隔を発生させることが可能となる。これにより、表示装置32の画面が機能項目数の異なる他の画面に切り換えられた場合であれ、モータ20の回転数制御を通じて、当該他の画面上に表示される機能項目数に応じた節度感が好適に得られる。そして、求められる節度発生間隔の異なる表示装置32の各種画面に好適に対応することが可能となる。また、節度自体は、節度ピース24が節度面12aに対して相対的に摺動することにより得られることから、明確な節度感が得られる。これにより、ノブ15の操作性及び操作感が確保される。なお、ノブ15を回転操作した際には、前述したように、節度数(節度発生間隔)は変わっても、重い軽い等、必要とされる回転操作力は同じである。
【0044】
<第2の実施の形態>
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。本実施の形態は、前記第1の実施の形態と同様に、操作軸14、ノブ15、ロータリエンコーダ16及びモータ20を備えてなる。
【0045】
図4に示すように、ロータリスイッチ41は、一側面が開口した有底円筒状のピースホルダ42を備えてなる。ピースホルダ42の開口と反対側の側面の中央には、操作軸14(図4では、図示略)を通じてノブ15(図4では、図示略)が一体回転可能に連結されている。ピースホルダ42の内周面には、径方向へ延びる収容穴42aが開口して形成されるとともに、当該収容穴42aにはコイルばね43を介して球状の節度ピース44が一部露出した状態で収容されている。節度ピース44は、収容穴42a内を移動可能に収容されるとともに、コイルばね43の弾性力によりピースホルダ42の中心方向へ常時付勢される。
【0046】
ピースホルダ42の開口側にはモータ20が配設されるとともに、当該モータ20の出力軸21の先端には円柱状の節度体45が固定されている。節度体45の外周面は、その全周にわたって複数個の節度山46が所定間隔毎に且つ滑らかに連続して形成されてなる節度面45aとされている。節度山46は、節度体45をその軸線に直交する平面で切断したときの断面形状が三角形状になるように形成されている。そして、節度体45は、ピースホルダ42の内部に収容された状態に保持される。節度体45の節度面45aには、節度ピース44がコイルばね43の弾性力により常時圧接される。
【0047】
ノブ15若しくはモータ20又はそれらの双方が回転された場合には、節度ピース24はコイルばね23の弾性力により節度面12aに圧接した状態で当該節度面12aに対して相対的に摺動する。そして、ノブ15の回転方向及び回転速度、すなわちピースホルダ42の回転方向及び回転方向に応じてモータ20の回転方向及び回転数が制御されることにより、節度ピース44が設けられたピースホルダ42とモータ20の出力軸21に連結された節度体45との相対回転数差に応じた節度発生間隔が得られる。また、節度自体は、節度ピース44が節度体45の節度面45aに対して相対的に摺動することにより得られることから、明確な節度感が得られる。したがって、本実施の形態によれば、節度発生間隔を可変としつつも明確な節度感を得ることができる。
【0048】
<第3の実施の形態>
次に、本発明の第3の実施の形態を説明する。本実施の形態は、節度体12及び節度ピース24の配設態様の点で前記第1の実施の形態と異なり、他の構成については第1の実施の形態と同様である。
【0049】
図5に示すように、ロータリスイッチ51の節度体12は、一側面が開口した有底円筒状に形成されるとともに、その内周面には複数個の節度山13が回転軸周方向において所定間隔毎に設けられている。節度体12の開口部と反対側の側面の中央には、モータ20の出力軸21が一体回転可能に連結されている。また、ピースホルダ22は、節度体12の内部に収容された状態で操作軸14を介してノブ15に連結されている。このように構成した場合であれ、ノブ15の操作方向及び操作速度に応じてモータ20の回転方向及び回転数を制御することにより、節度体12と節度ピース24との相対回転数差に基づく節度発生間隔が得られる。また、節度自体は、節度ピース24が節度体12の節度面12aに対して相対的に摺動することにより得られることから、明確な節度感が得られる。したがって、本実施の形態によれば、節度発生間隔を可変としつつも明確な節度感を得ることができる。
【0050】
<第4の実施の形態>
次に、本発明の第4の実施の形態を説明する。図6に示すように、ロータリスイッチ61は、前記第1の実施の形態と同様に、操作軸14、ノブ15、ロータリエンコーダ16、節度体12、ピースホルダ22の収容穴22aにコイルばね23を介して収容された節度ピース24、及び制御装置31(図6では、図示略)を備えてなる。ピースホルダ22は、節度体12の内部に収容された状態で図示しないケースに固定部材62を介して固定されている。図8に示されるように、節度ピース24はコイルばね23の弾性力により節度体12の節度面12aに対して常時圧接される。
【0051】
また、図6に示されるように、一端にノブ15が連結された操作軸14の他端は、遊星歯車機構63を介して節度体12に作動連結されている。操作軸14において、ロータリエンコーダ16と遊星歯車機構63との間には、中空モータ64が挿通されている。詳述すると、中空モータ64は、操作軸14を挿通可能とした軸方向へ延びる貫通孔65aが形成された出力軸65を有し、当該貫通孔65aに操作軸14が非接触状態で回転可能に挿通されている。
【0052】
図7に併せ示されるように、遊星歯車機構63は、出力軸65の先端外周面に設けられた環状の太陽歯車71、内径部に太陽歯車71が配設される内歯車72、太陽歯車71と内歯車72との間で回転力の伝達を媒介する4つの遊星歯車73、並びに内歯車72の内径部において4つの遊星歯車73を回転可能に支持する円板状のキャリア74を備えてなる。4つの遊星歯車73は、キャリア74に支持されることにより、自身の軸線を中心に回転(自転)しながら太陽歯車71の軸線回りに一体的に回転(公転)する。
【0053】
図6に示されるように、内歯車72は節度体12の開口と反対側の側面に一体回転可能に連結されている。また、キャリア74の中央には、出力軸65の貫通孔65aに挿通された操作軸14のノブ15と反対側の端部が一体回転可能に連結されている。なお、節度体12、操作軸14、太陽歯車71、内歯車72及びキャリア74は同軸上に配設されている。
【0054】
次に、前述のように構成したロータリスイッチの動作を説明する。
中空モータ64を停止した状態でノブ15が回転操作された場合には、ノブ15の回転力はキャリア74及び遊星歯車73を介して内歯車72に伝達される。ここで、節度体12は内歯車72に一体回転可能に連結されることから、ノブ15の回転操作に伴い、太陽歯車71と内歯車72との歯数比に応じた回転数で回転する。この結果、節度山13の数及びそれらの配置間隔に基づいた節度発生間隔が得られる。
【0055】
一方、節度発生間隔を変える場合には、中空モータ64が駆動される。この場合には、制御装置31は、ロータリエンコーダ16を通じて取得されたノブ15の回転位置情報に基づきノブ15の回転速度を求めるとともに、当該求めた回転速度に基づきノブ15と中空モータ64の出力軸65との相対回転数差による節度発生間隔を変更すべく中空モータ64を制御する。すなわち、ノブ15の回転力はキャリア74を介して遊星歯車73に伝達されるとともに、中空モータ64の回転力は太陽歯車71を介して遊星歯車73に伝達される。この結果、遊星歯車73は、太陽歯車71及びキャリア74の2つの回転が合成された運動を行う。そしてこの遊星歯車73の回転力は内歯車72に伝達され当該内歯車72は節度体12と一体回転する。
【0056】
ここで、中空モータ64の回転数を大きくするほどノブ15と内歯車72との間の減速比が大きくなるので、節度発生間隔は大きくなるとともにノブ15の操作感触は重くなる。逆に、中空モータ64の回転数を小さくするほどノブ15と内歯車72との間の減速比が小さくなるので、節度発生間隔は小さくなるとともにノブ15の操作感触は軽くなる。このように、中空モータ64の回転数を制御することにより節度発生間隔を任意に設定することが可能となるとともに、節度発生間隔の広狭に応じた操作感触が好適に得られる。また、節度自体は、節度ピース24が節度面12aに対して相対的に摺動することにより得られることから、明確な節度感が得られる。
【0057】
したがって、本実施の形態によれば、節度発生間隔を可変としつつも明確な節度感を得ることができる。また、操作軸14を挿通可能とした中空モータ64を採用することにより、ノブ15と中空モータ64とを同軸上に且つ節度体12を基準として同じ側に配設することができる。さらに、中空モータ64の回転数を極端に大きくした場合には、これに伴いノブ15と内歯車72との間の減速比が極端に大きくなる。このことを利用して、ノブ15の回転操作量を規制することも可能である。例えばノブ15の回転操作範囲を0°〜90°と設定する場合には、制御装置31は、ロータリエンコーダ16から取得したノブ15の回転位置情報に基づき当該ノブ15が90°だけ回転操作されるタイミングで中空モータ64の回転数を急激に高める。この結果、必要とされる回転操作力が著しく高められて90°を越えるノブ15の回転操作が困難となる。このように、中空モータ64の回転数制御を通じてノブ15の回転操作量を任意に設定することができる。
【0058】
<第5の実施の形態>
次に、本発明の第5の実施の形態を説明する。本実施の形態は、モータ及びキャリアの配設態様の点で前記第4の実施の形態と異なる。
【0059】
図9に示すように、ロータリスイッチ81は、前記第4の実施の形態と同様に、操作軸14、ノブ15、ロータリエンコーダ16、遊星歯車機構63、節度体12、ピースホルダ22の収容穴22aにコイルばね23を介して収容された節度ピース24、及び制御装置31(図9では、図示略)を備えてなる。遊星歯車機構63のキャリア74は、内歯車72のノブ15側の外部に配設されるとともに、当該キャリア74の中央には操作軸14のノブ15と反対側の端部が一体回転可能に連結されている。一方、節度体12のノブ15と反対側には、モータ82が配設されている。モータ82の出力軸82aは、節度体12及び内歯車72の中央にそれぞれ形成された挿通孔83a,83bに遊挿されるとともに、太陽歯車71の中央に一体回転可能に連結されている。
【0060】
したがって、本実施の形態によれば、前記第4の実施の形態と同様に、モータ82の回転数を制御することにより節度発生間隔を任意に設定することが可能となるとともに、節度発生間隔の広狭に応じた操作感触が好適に得られる。また、節度自体は、節度ピース24が節度面12aに対して相対的に摺動することにより得られることから、明確な節度感が得られる。したがって、節度発生間隔を可変としつつも明確な節度感を得ることができる。
【0061】
<第6の実施の形態>
次に、本発明の第6の実施の形態を説明する。本実施の形態は、モータ及び操作軸の連結先の点で前記第5の実施の形態と異なる。
【0062】
図10に示すように、ロータリスイッチ91は、前記第5の実施の形態と同様に、操作軸14、ノブ15、ロータリエンコーダ16、節度体12、ピースホルダ22の収容穴22aにコイルばね23を介して収容された節度ピース24、遊星歯車機構63、及び制御装置31(図10では、図示略)を備えてなる。節度体12は、ノブ15側に開口するように配設されている。操作軸14のノブ15と反対側の端部は、節度体12及び内歯車72の中央にそれぞれ形成された挿通孔83a,83bに遊挿されるとともに、太陽歯車71の中央に一体回転可能に連結されている。キャリア74は、内歯車72のノブ15と反対側の外部に配設されるとともに、当該キャリア74の中央にはモータ82の出力軸82aが一体回転可能に連結されている。
【0063】
したがって、ノブ15の回転力は太陽歯車71を介して遊星歯車73に伝達されるとともに、モータ82の回転力はキャリア74を介して遊星歯車73に伝達される。この結果、遊星歯車73は、太陽歯車71及びキャリア74の2つの回転が合成された運動を行う。そしてこの遊星歯車73の回転力は内歯車72に伝達され当該内歯車72は節度体12と一体回転する。そして、前記第5の実施の形態と同様に、モータ82の回転数を制御することにより節度発生間隔を任意に設定することが可能となるとともに、節度発生間隔の広狭に応じた操作感触が好適に得られる。また、節度自体は、節度ピース24が節度面12aに対して相対的に摺動することにより得られることから、明確な節度感が得られる。このため、節度発生間隔を可変としつつも明確な節度感を得ることができる。
【0064】
<第7の実施の形態>
次に、本発明の第7の実施の形態を説明する。本実施の形態は、モータ及びノブの操作軸の連結先の点で前記第5の実施の形態と異なる。
【0065】
図11に示すように、ロータリスイッチ101は、前記第5の実施の形態と同様に、操作軸14、ノブ15、ロータリエンコーダ16、遊星歯車機構63、節度体12、ピースホルダ22の収容穴22aにコイルばね23を介して収容された節度ピース24、及び制御装置31(図11では、図示略)を備えてなる。なお、節度体12の挿通孔83a及び内歯車72の挿通孔83bは形成されていない。
【0066】
図12に示すように、キャリア74の中央には挿通孔102が形成されるとともに、当該キャリア74の外周面にはその全周にわたって歯形74aが形成されている。一方、図11に示されるように、モータ82の出力軸82aの先端には歯車103が一体回転可能に連結されるとともに、当該歯車103はキャリア74の歯形74aに噛合されている。そして、図11に示されるように、遊星歯車機構63を構成する太陽歯車71の中央には、キャリア74の挿通孔102に挿通された操作軸14が一体回転可能に連結されている。
【0067】
したがって、ノブ15の回転力は太陽歯車71を介して遊星歯車73に伝達されるとともに、モータ82の回転力は歯車103及びキャリア74を介して遊星歯車73に伝達される。この結果、遊星歯車73は、太陽歯車71及びキャリア74の2つの回転が合成された運動を行う。そしてこの遊星歯車73の回転力は内歯車72に伝達され当該内歯車72は節度体12と一体回転する。そして、前記第5の実施の形態と同様に、モータ82の回転数を制御することにより節度発生間隔を任意に設定することが可能となるとともに、節度発生間隔の広狭に応じた操作感触が好適に得られる。また、節度自体は、節度ピース24が節度面12aに対して相対的に摺動することにより得られることから、明確な節度感が得られる。このため、節度発生間隔を可変としつつも明確な節度感を得ることができる。
【0068】
<他の実施の形態>
なお、本実施の形態は、次のように変更して実施してもよい。
・第1〜第7の実施の形態では、回転センサとしてロータリエンコーダ16を採用するようにしたが、磁気抵抗素子を使用したMREセンサ、ホール素子(ホールIC)を使用したホールセンサ、及び巨大磁気抵抗素子を使用したGMRセンサ等の磁気センサを採用することも可能である。この場合、操作軸14には、その軸線回りにN極及びS極が交互に着磁されてなる両端が開口した円筒状の磁石を装着するとともに、当該磁石の磁界内に前述の軸センサを配設する。磁気センサは、磁石の回転に伴う磁界の変化をノブ15の回転位置情報として出力する。
【0069】
・第1〜第7の実施の形態では、節度体12は一側面が開口した有底円筒状に形成したが、両側面が開口した円筒状に形成することも可能である。
・第2の実施の形態において、節度体45に操作軸14を、ピースホルダ42に出力軸21を連結するようにしてもよい。
【0070】
・第4〜第7の実施の形態において、節度体12の外周面を節度面12aとし、当該節度面12aの外方から節度ピース24を圧接させることも可能である。
・第4〜第7の実施の形態では、内歯車72を一側面が開口した有底円筒状に形成したが、両側面が開口した円筒状に形成することも可能である。
【0071】
・第4〜第7の実施の形態では、節度体12と内歯車72とを別部材としたが、それらを一体形成することも可能である。このようにすれば、内歯車72の回転力は確実に節度体12に伝達されるので、ノブ15の回転操作に応じた節度が好適に得られる。また、部品点数の低減化も図られる。
【0072】
・第1〜第7の実施の形態では、ロータリスイッチを車両用のナビゲーションシステムの入力手段として具体化したが、エアコンディショナ(温度、風量等の調節)又はオーディオ(音量の調節、選曲等)の入力手段として具体化することも可能である。また、ロータリスイッチの適用対象は車両用の機器に限られない。例えば、家庭用電気機器等の入力手段として具体化してもよい。
【0073】
<他の技術的思想>
次に、前記実施の形態より把握できる技術的思想について以下に記載する。
・請求項5〜請求項9のうちいずれか一項に記載のロータリスイッチにおいて、
節度体と内歯車とは一体形成されてなるロータリスイッチ。この構成によれば、内歯車の回転力は確実に節度体に伝達されるので、ノブの回転操作に応じた節度が好適に得られる。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】第1の実施の形態のロータリスイッチの概略斜視図。
【図2】図1の1−1線断面図。
【図3】第1の実施の形態のロータリスイッチの電気的な構成を示すブロック図。
【図4】第2の実施の形態の節度体及び節度ピースの配設態様を示す図1の1−1線断面図。
【図5】第3の実施の形態のロータリスイッチの概略斜視図。
【図6】第4の実施の形態のロータリスイッチの要部断面図。
【図7】図6の2−2線断面図。
【図8】図6の3−3線断面図。
【図9】第5の実施の形態のロータリスイッチの要部断面図。
【図10】第6の実施の形態のロータリスイッチの要部断面図。
【図11】第7の実施の形態のロータリスイッチの要部断面図。
【図12】図11の4−4線断面図。
【符号の説明】
【0075】
11,41,51,61,81,91,101…ロータリスイッチ、12,45…節度体、12a,45a…節度面、13,46…節度山、14…操作軸、15…ノブ、16…ロータリエンコーダ(回転センサ)、20,82…モータ、21,65,82a…出力軸、22,42…ピースホルダ、24,44…節度ピース、31…制御装置、32…表示装置、42a…収容部、63…遊星歯車機構、64…中空モータ、65a…貫通孔、71…太陽歯車、72…内歯車、73…遊星歯車、74…キャリア、74a…歯形、103…歯車。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内周面又は外周面に複数個の節度山が回転軸周方向において所定間隔毎に形成されてなる円筒状の節度体と、ピースホルダに収容されるとともに節度体の内周面又は外周面に向けて付勢される節度ピースとを備え、ノブの回転操作に応じて節度ピースが節度体の内周面又は外周面に対して相対的に回転摺動することにより節度感を得るようにしたロータリスイッチにおいて、
節度体及びピースホルダのいずれか一方はノブに一体回転可能に連結されるとともに、同じく他方はモータの出力軸に一体回転可能に連結され、
ノブの機械的な回転変位を電気信号に変換してノブの回転位置情報として出力する回転センサと、当該回転位置センサを通じて取得されるノブの回転位置情報に基づきノブの回転速度を求めるとともに当該求められた回転速度に基づき節度体と節度ピースとの相対回転数差による節度発生間隔を変更すべくモータを制御する制御装置と、をさらに備えてなるロータリスイッチ。
【請求項2】
請求項1に記載のロータリスイッチにおいて、
節度体は、その内周面に節度山が形成されるとともにノブに一体回転可能に連結され、
ピースホルダは、節度体の内部に収容された状態でモータの出力軸に一体回転可能に連結されてなるロータリスイッチ。
【請求項3】
請求項1に記載のロータリスイッチにおいて、
ピースホルダは円筒状に形成されるとともにノブに一体回転可能に連結され、また当該ピースホルダの内周面に開口して形成された収容部には節度ピースが収容され、
節度体は、その外周面に節度山が形成されるとともにピースホルダの内部に収容された状態でモータの出力軸に一体回転可能に連結されてなるロータリスイッチ。
【請求項4】
請求項1に記載のロータリスイッチにおいて、
節度体は、その内周面に節度山が形成されるとともにモータの出力軸に一体回転可能に連結され、
節度ピースは、節度体の内部に収容された状態でノブに一体回転可能に連結されてなるロータリスイッチ。
【請求項5】
内周面又は外周面に複数個の節度山が回転軸周方向において所定間隔毎に形成されてなる円筒状の節度体と、ピースホルダに収容されるとともに節度体の内周面又は外周面に向けて付勢される節度ピースとを備え、ノブの回転操作に応じて節度ピースが節度体の内周面又は外周面に対して相対的に回転摺動することにより節度感を得るようにしたロータリスイッチにおいて、
ノブは、太陽歯車と内歯車との間で回転力の伝達を媒介する遊星歯車がキャリアに回転可能に保持されてなる遊星歯車機構を介して節度体に作動連結され、
遊星歯車機構を構成する内歯車には節度体が、同じく太陽歯車又はキャリアにはモータの出力軸が、同じくキャリア又は太陽歯車には操作軸を通じてノブが一体回転可能に連結され、
ノブの機械的な回転変位を電気信号に変換してノブの回転位置情報として出力する回転センサと、当該回転位置センサを通じて取得されるノブの回転位置情報に基づきノブの回転速度を求めるとともに当該求められた回転速度に基づきノブとモータの出力軸との相対回転数差による節度発生間隔を変更すべくモータを制御する制御装置と、をさらに備えてなるロータリスイッチ。
【請求項6】
請求項5に記載のロータリスイッチにおいて、
太陽歯車にはモータの出力軸が、キャリアには操作軸を通じてノブが連結されてなるロータリスイッチ。
【請求項7】
請求項5に記載のロータリスイッチにおいて、
太陽歯車には操作軸を通じてノブが、キャリアにはモータの出力軸が連結されてなるロータリスイッチ。
【請求項8】
請求項5に記載のロータリスイッチにおいて、
キャリアの外周面にはその全周にわたって歯形を形成するとともに当該歯形にはモータの出力軸を噛合させる一方、太陽歯車には操作軸を通じてノブが連結されてなるロータリスイッチ。
【請求項9】
請求項6に記載のロータリスイッチにおいて、
モータはノブとキャリアとを連結する操作軸を挿通可能とした軸方向へ延びる貫通孔が形成された出力軸を有してなる中空モータを採用するとともに、ノブは中空モータの貫通孔に挿通された操作軸を通じてキャリアに連結されてなるロータリスイッチ。
【請求項10】
請求項1〜請求項9のうちいずれか一項に記載のロータリスイッチにおいて、
制御装置は、機器の操作内容を示す複数の機能項目が表示される画面を備えてなる表示装置に接続されるとともに、ノブの回転操作量に応じて表示装置の画面に表示された複数の機能項目のうちいずれか一つを選択可能とし、表示装置の表示態様が機能項目数の異なる他の表示態様に切り換えられた場合には、当該他の表示態様において画面に表示される機能項目数に応じた節度感を得るべくモータを制御するロータリスイッチ。
【請求項1】
内周面又は外周面に複数個の節度山が回転軸周方向において所定間隔毎に形成されてなる円筒状の節度体と、ピースホルダに収容されるとともに節度体の内周面又は外周面に向けて付勢される節度ピースとを備え、ノブの回転操作に応じて節度ピースが節度体の内周面又は外周面に対して相対的に回転摺動することにより節度感を得るようにしたロータリスイッチにおいて、
節度体及びピースホルダのいずれか一方はノブに一体回転可能に連結されるとともに、同じく他方はモータの出力軸に一体回転可能に連結され、
ノブの機械的な回転変位を電気信号に変換してノブの回転位置情報として出力する回転センサと、当該回転位置センサを通じて取得されるノブの回転位置情報に基づきノブの回転速度を求めるとともに当該求められた回転速度に基づき節度体と節度ピースとの相対回転数差による節度発生間隔を変更すべくモータを制御する制御装置と、をさらに備えてなるロータリスイッチ。
【請求項2】
請求項1に記載のロータリスイッチにおいて、
節度体は、その内周面に節度山が形成されるとともにノブに一体回転可能に連結され、
ピースホルダは、節度体の内部に収容された状態でモータの出力軸に一体回転可能に連結されてなるロータリスイッチ。
【請求項3】
請求項1に記載のロータリスイッチにおいて、
ピースホルダは円筒状に形成されるとともにノブに一体回転可能に連結され、また当該ピースホルダの内周面に開口して形成された収容部には節度ピースが収容され、
節度体は、その外周面に節度山が形成されるとともにピースホルダの内部に収容された状態でモータの出力軸に一体回転可能に連結されてなるロータリスイッチ。
【請求項4】
請求項1に記載のロータリスイッチにおいて、
節度体は、その内周面に節度山が形成されるとともにモータの出力軸に一体回転可能に連結され、
節度ピースは、節度体の内部に収容された状態でノブに一体回転可能に連結されてなるロータリスイッチ。
【請求項5】
内周面又は外周面に複数個の節度山が回転軸周方向において所定間隔毎に形成されてなる円筒状の節度体と、ピースホルダに収容されるとともに節度体の内周面又は外周面に向けて付勢される節度ピースとを備え、ノブの回転操作に応じて節度ピースが節度体の内周面又は外周面に対して相対的に回転摺動することにより節度感を得るようにしたロータリスイッチにおいて、
ノブは、太陽歯車と内歯車との間で回転力の伝達を媒介する遊星歯車がキャリアに回転可能に保持されてなる遊星歯車機構を介して節度体に作動連結され、
遊星歯車機構を構成する内歯車には節度体が、同じく太陽歯車又はキャリアにはモータの出力軸が、同じくキャリア又は太陽歯車には操作軸を通じてノブが一体回転可能に連結され、
ノブの機械的な回転変位を電気信号に変換してノブの回転位置情報として出力する回転センサと、当該回転位置センサを通じて取得されるノブの回転位置情報に基づきノブの回転速度を求めるとともに当該求められた回転速度に基づきノブとモータの出力軸との相対回転数差による節度発生間隔を変更すべくモータを制御する制御装置と、をさらに備えてなるロータリスイッチ。
【請求項6】
請求項5に記載のロータリスイッチにおいて、
太陽歯車にはモータの出力軸が、キャリアには操作軸を通じてノブが連結されてなるロータリスイッチ。
【請求項7】
請求項5に記載のロータリスイッチにおいて、
太陽歯車には操作軸を通じてノブが、キャリアにはモータの出力軸が連結されてなるロータリスイッチ。
【請求項8】
請求項5に記載のロータリスイッチにおいて、
キャリアの外周面にはその全周にわたって歯形を形成するとともに当該歯形にはモータの出力軸を噛合させる一方、太陽歯車には操作軸を通じてノブが連結されてなるロータリスイッチ。
【請求項9】
請求項6に記載のロータリスイッチにおいて、
モータはノブとキャリアとを連結する操作軸を挿通可能とした軸方向へ延びる貫通孔が形成された出力軸を有してなる中空モータを採用するとともに、ノブは中空モータの貫通孔に挿通された操作軸を通じてキャリアに連結されてなるロータリスイッチ。
【請求項10】
請求項1〜請求項9のうちいずれか一項に記載のロータリスイッチにおいて、
制御装置は、機器の操作内容を示す複数の機能項目が表示される画面を備えてなる表示装置に接続されるとともに、ノブの回転操作量に応じて表示装置の画面に表示された複数の機能項目のうちいずれか一つを選択可能とし、表示装置の表示態様が機能項目数の異なる他の表示態様に切り換えられた場合には、当該他の表示態様において画面に表示される機能項目数に応じた節度感を得るべくモータを制御するロータリスイッチ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2008−153121(P2008−153121A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−341468(P2006−341468)
【出願日】平成18年12月19日(2006.12.19)
【出願人】(000003551)株式会社東海理化電機製作所 (3,198)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年12月19日(2006.12.19)
【出願人】(000003551)株式会社東海理化電機製作所 (3,198)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]