説明

ワイヤーハーネス用のグロメット

【課題】ワイヤーハーネスから無理な力がグロメットインナに作用してきた場合にも、十分なパネル貫通孔の遮断性を維持する。
【解決手段】グロメットインナは、グロメットアウタの環状肉厚部に固定された環状本体部25と、環状本体部に連結された係止用の筒状嵌合部23と、筒状嵌合部の内周に環状板体22を介して連結保持された筒状のコネクタハウジング29と、コネクタハウジングの内空間を二分する仕切壁28と、仕切壁を貫通する連結端子とを有する。コネクタハウジングと連結端子とで、パネルの一方側に配索されるワイヤーハーネスの端末コネクタと他方側に配索されるワイヤーハーネスの端末コネクタとを接続する連結コネクタが構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パネルの貫通孔と該貫通孔を挿通するワイヤーハーネスとの間の空間を遮蔽するグロメットに係り、特に、硬質材料製の連結コネクタを兼ね備えたグロメットインナを有し、そのグロメットインナと軟質材料製のグロメットアウタを組み合わせた2部品構成のワイヤーハーネス用のグロメットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、グロメットがアッセンブリされたワイヤーハーネスを車両パネルの貫通孔に取り付けるには、図5または図6に示すような作業要領を実施している。なお、図5及び図6の作業の区分けは、車両の仕様に応じている。
【0003】
図5に示す作業では、まず、パネル(車体パネル等)100の貫通孔105へ、図の手前側からワイヤーハーネスW1の図の奥側の部分を通し、更に、ワイヤーハーネスW1が貫通する小径部201と、漏斗状に徐々に拡径する部分を介して、パネル100の貫通孔105に嵌まる大きさにまで大径に形成された大径部203と、を有するゴム製のグロメット200を強制的に小さく潰しながら、パネル100の貫通孔105へ手前側から奥側に押し込んだ後、ワイヤーハーネスW1の図の手前側を手前に引っ張って、グロメット200の漏斗状の部分の傾斜面を利用しながら、グロメット200の大径部203の外周嵌合溝204を、パネル100の貫通孔105の周縁部に嵌め込ませて、グロメット200の取り付けを完了している。
【0004】
また、図6に示す作業では、まず、ワイヤーハーネスW1の図の手前側をパネル100の貫通孔105に図の奥側から手前側に向けて通し、一緒にグロメット200を貫通孔105に通した部分を保持しながら、グロメット200の大径部203の外周嵌合溝204をパネル100の貫通孔105の周縁部に押し込み嵌合させて、グロメット200を取り付けを完了している。
【0005】
従来では、パネル100の一方側から他方側まで連続したワイヤーハーネスを使用する関係から、上述の二種類のうちのいずれかのグロメット装着要領を実施せざるを得なかったのであるが、いずれの場合も、グロメット200を潰しながら、グロメット200の装着作業を行わなくてはならないため、力のいる作業であり、手間がかかって面倒であるばかりか、装着が困難な場合もあった。また、作業工程も多くなるため、組み付け性が悪いという問題もあった。
【0006】
そこで、グロメットを、ゴムやエラストマ等の軟質材料製のグロメットアウタと、その内周部に固着された硬質材料製のグロメットインナとで構成し、硬質材料製のグロメットインナをパネルの貫通孔の周縁部等に係止させることで、グロメットアウタを特に潰したり大きく変形させたりせずに、グロメットアウタのシールリップをパネルに密着させるようにした、2部品構成のグロメットが開発されている(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
また、グロメットアウタの装着性の改善とは別に、ワイヤーハーネスのパネル貫通部における組み付け性の向上を図るために、硬質樹脂で製作しているグロメットインナに、パネルの一方側と他方側の両側からワイヤーハーネスの端末コネクタを接続可能な連結コネクタを形成した、コネクタ付きのグロメットも開発されている(例えば、特許文献2や特許文献3を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−218110号公報
【特許文献2】特開平6−231644号公報
【特許文献3】特開平10−189127号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上述した従来技術では、グロメットアウタを、グロメットインナのパネル貫通孔に対する係止によって、確実にパネルに対してシール可能に装着できる点、グロメットインナに形成した連結コネクタを介して、パネルの一方側に配索するワイヤーハーネスと他方側に配索するワイヤーハーネスとを接続することによって、長いワイヤーハーネスをパネル貫通孔を通して連続配索する面倒を無くすことができる点などが効果として得られるものの、連結コネクタにワイヤーハーネスを接続した後で、ワイヤーハーネスに無理な曲げ力や引張力などが作用した際に、その力が、グロメットアウタのシール部にまで及ぶおそれが大いにあり、それが理由となって、グロメットによるパネル貫通孔の遮断性が低下する可能性があった。
【0010】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、グロメットアウタを確実・容易にパネルに対してシール可能に装着できると共に、パネルの貫通孔を通してのワイヤーハーネスの配索作業性の向上を図ることができ、しかも、その上で、例えば、グロメットインナに形成した連結コネクタにワイヤーハーネスを接続した後で、ワイヤーハーネスから無理な力がグロメットインナに作用してきた場合にも、グロメットアウタのシール部の性能に影響を及ぼさないようにして、十分なパネル貫通孔の遮断性を維持することのできるグロメットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前述した目的を達成するために、本発明に係るワイヤーハーネス用のグロメットは、下記(1)〜(3)を特徴としている。
(1) パネルの貫通孔と該貫通孔を挿通するワイヤーハーネスとの間の空間を遮蔽するグロメットにおいて、
前記パネルの片方の板面に押圧密着することにより前記パネルとの間をシールするシールリップを備えた軟質材料製の環状のグロメットアウタと、該グロメットアウタの内周部に一体に固着された硬質樹脂製のグロメットインナとを備え、
前記グロメットインナは、
前記グロメットアウタの前記シールリップを突設してある環状肉厚部の内周凹部に埋め込み固定された環状本体部と、
前記環状本体部に連結され、前記パネルの貫通孔に挿入されることで、該貫通孔の周縁部に係止して、それにより、前記グロメットアウタのシールリップを前記パネルの片方の板面に押圧密着させる筒状嵌合部と、
前記筒状嵌合部の内周に、該筒状嵌合部の内空間を軸線方向に仕切る環状板体を介して、前記筒状嵌合部と同軸状に保持された筒状のコネクタハウジングと、
前記コネクタハウジングの軸線方向の中央部に配されて、該コネクタハウジング内の空間を軸方向に互いに遮断された二空間に二分する仕切壁と、
前記仕切壁の一方側から他方側に貫通すると共に、その状態で当該仕切壁に保持固定された連結端子と、を有しており、
前記コネクタハウジングと前記連結端子とで、前記パネルの一方側に配索されるワイヤーハーネスの端末コネクタと他方側に配索されるワイヤーハーネスの端末コネクタとを接続する連結コネクタが構成されていること。
(2) 上記(1)の構成のワイヤーハーネス用のグロメットにおいて、
前記筒状嵌合部が、内部に空洞を有した外周壁と内周壁との二重壁として構成されており、その二重壁のうちの内周壁に前記環状板体の外周が連結されていること。
(3) 上記(1)または(2)の構成のワイヤーハーネス用のグロメットにおいて、
前記連結コネクタのうち前記仕切壁で隔てられた少なくとも一方の側のコネクタが、当該コネクタに接続される前記ワイヤーハーネスの端末コネクタと共に、防水コネクタによって構成されていること。
【0012】
上記(1)の構成のワイヤーハーネス用のグロメットによれば、グロメットとワイヤーハーネスを別構造のものとして扱うことができるようにしているので、グロメットを予め装着した後で、パネルの一方側に配索するワイヤーハーネスと他方側に配索するワイヤーハーネスを連結コネクタを介して接続することで、パネルの一方側から他方側への電線の配索を完了させることができる。従って、グロメットの装着に際してワイヤーハーネスが全く邪魔になることがなく、ワイヤーハーネスの配索作業性の向上を図ることができる。また、グロメットアウタを、グロメットインナのパネル貫通孔に対する係止によって、確実・容易にパネルに対してシール可能に装着できる。
上記(2)の構成のワイヤーハーネス用のグロメットによれば、前記筒状嵌合部が、内部に空洞を有した外周壁と内周壁との二重壁として構成されており、その二重壁の内周部に前記環状板体の外周が連結されているので、連結コネクタ側から無理な力が伝わってきても、二重壁の内周壁の撓み性によって、その力の影響をほぼ吸収することができ、一層の遮蔽性能を維持することができる。
上記(3)の構成のワイヤーハーネス用のグロメットによれば、防水コネクタの採用により、電線間の隙間の止水や電線とコネクタハウジングとの隙間の止水を省略することができ、全体の止水処理の省略により、ワイヤーハーネスの組み付け効率の向上が図れる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、グロメットアウタを確実・容易にパネルに対してシール可能に装着できると共に、パネルの貫通孔を通してのワイヤーハーネスの配索作業性の向上を図ることができる。しかも、グロメットインナに形成した連結コネクタにワイヤーハーネスを接続した後で、ワイヤーハーネスから無理な力がグロメットインナに作用してきた場合にも、グロメットアウタのシール部の性能に影響を及ぼさないようにして、十分なパネル貫通孔の遮断性を安定して維持することができる。
【0014】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態のグロメットの断面図である。
【図2】本発明の実施形態のグロメットの使用状態を示す断面図である。
【図3】本発明の実施形態のグロメットの組立要領を示す図である。
【図4】本発明の実施形態のグロメットを車体パネルに取り付けて、車体パネルの一方側と他方側に配索する電線をグロメットに設けた連結コネクタで繋ぐまでの工程説明図である。
【図5】従来のグロメットの装着手順の説明図である。
【図6】従来のグロメットの別の装着手順の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1は実施形態のグロメットの断面図、図2は本発明の実施形態のグロメットの使用状態を示す断面図、図3は本発明の実施形態のグロメットの組立要領を示す図、図4は本発明の実施形態のグロメットをパネルに取り付けて、パネルの一方側と他方側に配索するワイヤーハーネスをグロメットに設けた連結コネクタで接続するまでの工程説明図である。
【0017】
図1〜図3に示すように、このグロメット10は、パネル(車体パネル等)100の貫通孔105と該貫通孔105を挿通するワイヤーハーネスW1、W2との間の空間を遮蔽するためのものであり、パネル100の片方の板面に押圧密着することによりパネル100との間をシールする複数の環状のシールリップ34を備えた軟質材料(ゴムやエラストマ等)製の環状のグロメットアウタ30と、該グロメットアウタ30の内周部に一体に固着された硬質樹脂製のグロメットインナ20とからなる。
【0018】
ゴム等の軟質材料製のグロメットアウタ30は、パネル100の貫通孔105の径よりやや大きな環状肉厚部31を有しており、その環状肉厚部31の内部には、内周面が開口した環状空間として内周凹部32が設けられている。環状肉厚部31の内周縁38は、パネル100の貫通孔105の径よりやや小さい径に設定されている。また、内周凹部32の入口の縁には、小さな環状の抜け止めリブ33が設けられている。シールリップ34は、環状肉厚部31から斜め外方に向けて突出しており、全てが同一断面で一周している。シールリップ34の枚数や配置は、パネル100のどの板面箇所に密着させるかによって自由に決めることができる。図2に示すように、パネル100の板面に沿って遮音パネルSを配設する場合は、その遮音パネルSの上に密着するようにシールリップ34を配置することもある。
【0019】
一方、硬質樹脂の成形品よりなるグロメットインナ20は、グロメットアウタ30のシールリップ34を突設してある環状肉厚部31の内周凹部32に埋め込み固定された環状本体部25と、この環状本体部25に繋ぎ壁24を介して連結され、パネル100の貫通孔105に挿入されることで、該貫通孔105の周縁部に係止して、それにより、グロメットアウタ30のシールリップ34をパネル100の片方の板面に押圧密着させる筒状嵌合部23と、該筒状嵌合部23の内周に、該筒状嵌合部23の内空間を軸線方向に仕切る環状板体22を介して、筒状嵌合部23と同軸状に保持された筒状のコネクタハウジング29と、該コネクタハウジング29の軸線方向の中央部に配されて、該コネクタハウジング29内の空間を軸方向に互いに遮断された二空間に二分する仕切壁28と、該仕切壁28の一方側から他方側に貫通すると共に、その状態で当該仕切壁28に保持固定された連結端子(図示略)と、を有している。そして、図4に示すように、コネクタハウジング29と連結端子とで、パネル100の一方側に配索されるワイヤーハーネスW1の端末コネクタC1と、他方側に配索されるワイヤーハーネスW2の端末コネクタC2とを接続する連結コネクタ21(21A、21B)が構成されている。
【0020】
また、筒状嵌合部23は、内部に空洞23Cを有した外周壁23Bと内周壁23Aとの二重壁として構成されており、その二重壁のうちの内周壁23Aに、環状板体22の外周が連結されている。なお、外周壁23Bには、筒状嵌合部23をパネル100の貫通孔105に挿入したときに、貫通孔105の周縁部に係止する係止手段23Dが設けられている。
【0021】
上記構成のグロメット10を使用する場合、まず、図3に示すように、グロメットアウタ30とグロメットインナ20を一体化する。即ち、グロメットアウタ30の環状肉厚部31の内周凹部32にグロメットインナ20の環状本体部25を嵌め込む。このように嵌め込むだけで、環状本体部25は抜け止めリブ33によって抜け止め固定される。もちろん、グロメットアウタ30とグロメットインナ20をインサート成形により最初から一体部品として製造しておくこともできる。
【0022】
次に、このグロメット10を、図4に示すように、パネル100の片方の板面側から貫通孔105に装着する。その際、図2に示すように、グロメットインナ20の筒状嵌合部23を貫通孔105に挿入するだけで、グロメットアウタ30のシールリップ34をパネル100の片方の板面に密着させた状態で、グロメット10をパネル100に確実に取り付けることができる。また、この装着までの段階では、ワイヤーハーネスW1、W2は全く関係ないので、邪魔になることもない。
【0023】
次に、グロメット10をパネル100に装着したら、グロメット10をパネル100に当てた方の側から、ワイヤーハーネスW1の端末コネクタC1をグロメット10に設けてある連結コネクタ21のうちの片方のコネクタ21Aに接続する。同様に、反対側のワイヤーハーネスW2の端末コネクタC2をグロメット10に設けてある連結コネクタ21のうちの他方のコネクタ21Bに接続する。これにより、パネル100の貫通孔105を通しての、一方側と他方側のワイヤーハーネスW1、W2の電気的な接続を完了させることができる。
【0024】
以上のように、このグロメット10によれば、グロメット10とワイヤーハーネスW1、W2を別構造のものとして扱うことができるようにしているので、グロメット10の装着に際してワイヤーハーネスW1、W2が全く邪魔になることがなく、ワイヤーハーネスW1、W2の配索作業性の向上を図ることができる。また、グロメットアウタ30を、グロメットインナ20のパネル貫通孔に対する係止によって、確実かつ容易にパネル100に対してシール可能に装着できるので、取り付け性の向上が図れる。
【0025】
しかも、連結コネクタ21を構成するコネクタハウジング29は、その周囲の環状板体22を介して、パネル100の貫通孔105の周縁に係止する筒状嵌合部23に連結しているので、環状板体22が可撓性を持っている場合には、グロメットインナ20に形成した連結コネクタ21にワイヤーハーネスW1、W2を接続した後で、もしワイヤーハーネスW1、W2から無理な曲げ力や引張力などが加わってきても、環状板体22が柔軟に撓むことによって、その力の影響を吸収することができる。その結果、グロメットアウタ30のシールリップ34の部分にまで影響が及ぶことがないようにすることができ、それにより、十分なパネル貫通孔の遮断性を安定して維持することができる。
【0026】
特に、筒状嵌合部23を、内部に空洞23Cを有した外周壁23Bと内周壁23Aとの二重壁として構成し、その二重壁の内周壁23Aに環状板体22の外周を連結しているので、連結コネクタ21側から無理な力が伝わってきても、二重壁の内周壁23Aの撓み性によって、その力の影響をほぼ吸収することができ、一層の遮蔽性能を維持することができる。環状板体22が可撓性を持っている場合には、より一層、その力の影響を吸収することができる。
【0027】
また、連結コネクタ21のうち仕切壁28で隔てられた少なくとも一方の側(車外に臨む側)のコネクタ21Aが、当該コネクタ21Aに接続されるワイヤーハーネスW1の端末コネクタC1と共に防水コネクタによって構成されている場合は、電線間の隙間の止水や電線とコネクタハウジングとの隙間の止水を省略することができるので、全体の止水処理の省略により、ワイヤーハーネスの組み付け効率の更なる向上が図れる。
【0028】
尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【符号の説明】
【0029】
10 グロメット
20 グロメットインナ
21(21A,21B) 連結コネクタ
22 環状板体
23 筒状嵌合部
23A 内周壁
23B 外周壁
23C 空洞
25 環状本体部
28 仕切壁
29 コネクタハウジング
30 グロメットアウタ
31 環状肉厚部
32 内周凹部
34 シールリップ
100 パネル
105 貫通孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パネルの貫通孔と該貫通孔を挿通するワイヤーハーネスとの間の空間を遮蔽するグロメットにおいて、
前記パネルの片方の板面に押圧密着することにより前記パネルとの間をシールするシールリップを備えた軟質材料製の環状のグロメットアウタと、該グロメットアウタの内周部に一体に固着された硬質樹脂製のグロメットインナとを備え、
前記グロメットインナは、
前記グロメットアウタの前記シールリップを突設してある環状肉厚部の内周凹部に埋め込み固定された環状本体部と、
前記環状本体部に連結され、前記パネルの貫通孔に挿入されることで、該貫通孔の周縁部に係止して、それにより、前記グロメットアウタのシールリップを前記パネルの片方の板面に押圧密着させる筒状嵌合部と、
前記筒状嵌合部の内周に、該筒状嵌合部の内空間を軸線方向に仕切る環状板体を介して、前記筒状嵌合部と同軸状に保持された筒状のコネクタハウジングと、
前記コネクタハウジングの軸線方向の中央部に配されて、該コネクタハウジング内の空間を軸方向に互いに遮断された二空間に二分する仕切壁と、
前記仕切壁の一方側から他方側に貫通すると共に、その状態で当該仕切壁に保持固定された連結端子と、を有しており、
前記コネクタハウジングと前記連結端子とで、前記パネルの一方側に配索されるワイヤーハーネスの端末コネクタと他方側に配索されるワイヤーハーネスの端末コネクタとを接続する連結コネクタが構成されていることを特徴とするワイヤーハーネス用のグロメット。
【請求項2】
前記筒状嵌合部が、内部に空洞を有した外周壁と内周壁との二重壁として構成されており、その二重壁のうちの内周壁に前記環状板体の外周が連結されていることを特徴とする請求項1に記載のワイヤーハーネス用のグロメット。
【請求項3】
前記連結コネクタのうち前記仕切壁で隔てられた少なくとも一方の側のコネクタが、当該コネクタに接続される前記ワイヤーハーネスの端末コネクタと共に、防水コネクタによって構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のワイヤーハーネス用のグロメット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−200001(P2011−200001A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−63043(P2010−63043)
【出願日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】