説明

ワークピースを加工するためのレーザ加工機ならびにワークピースをレーザビームによって加工するための機械的な方法

【課題】ワークピース加工が最適化されているようにする。
【解決手段】作動装置53の作動駆動装置18が、駆動制御装置64によって制御可能であり、これにより、ワークピース52とビームカートリッジ12とが、レーザビーム15のスイッチオン時に加工運動で互いに相対的に、ワークピース支持体8に形成された支持平面51に対して平行に運動可能であるワークピース加工の加工段階の期間の間、ワークピース52とビームカートリッジ12との間の間隔が、レーザビーム15のビーム軸線14に沿ったワークピース支持体8とビームカートリッジ12との相応の相互の送りによってコンスタントな間隔値に保持可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加工したいワークピースにレーザビームを貫通させてワークピースを加工するためのレーザ加工機であって、ワークピースを支承するためのワークピース支持体が設けられており、レーザ加工ヘッドと、レーザビームに対する、カートリッジ開口を備えたビームカートリッジとが設けられており、作動装置が設けられており、レーザ加工ヘッドが、ワークピースの一方の側に配置されており、ワークピース支持体とビームカートリッジとが、ワークピースの、レーザ加工ヘッドと反対の側に配置されており、レーザビームが、レーザ加工ヘッドからワークピースの貫通後にビームカートリッジのカートリッジ開口内に進入するようになっており、ワークピース支持体とビームカートリッジとが、作動装置の、駆動制御装置により制御される作動駆動装置によってレーザビームのビーム軸線に沿った作動運動で互いに相対的に送り可能であることにより、作動装置によって、ビームカートリッジ内に進入するレーザビームのビーム軸線に沿って存在する、ワークピースとビームカートリッジとの間の間隔が可変である形式のものに関する。
【0002】
さらに、本発明は、加工したいワークピースにレーザビームを貫通させてワークピースを加工するための機械的な方法であって、ワークピースを、ワークピース支持体に支承し、レーザ加工ヘッドを、ワークピースの一方の側に配置し、カートリッジ開口を備えたビームカートリッジを、ワークピースの、ワークピース支持体に対応した反対の側に配置し、レーザビームを、レーザ加工ヘッドからワークピースの貫通後にビームカートリッジのカートリッジ開口内に進入させ、ワークピース支持体とビームカートリッジとを、作動装置の、駆動制御装置により制御される作動駆動装置によってレーザビームのビーム軸線に沿った作動運動で互いに相対的に送ることにより、作動装置によって、ビームカートリッジ内に進入するレーザビームのビーム軸線に沿って存在する、ワークピースとビームカートリッジとの間の間隔を変化させて、ワークピースを加工するための機械的な方法に関する。
【0003】
さらに、本発明は、前述した形式のレーザ加工機を運転するための加工プログラムに関する。
【0004】
さらに、本発明は、前述した形式の加工プログラムを作成するための方法に関する。
【0005】
さらに、本発明は、コンピュータプログラム製品に関する。
【0006】
加工したいワークピースは、特にプレート状のワークピース、有利には金属薄板である。
【背景技術】
【0007】
冒頭で述べた形式のレーザ加工機と、前述した機械的な方法とは、特開平10−217050号公報に基づき公知である。この公知先行技術の事例では、金属薄板加工に用いられるレーザ加工機が、加工したい金属薄板の上方に配置されたレーザ加工ヘッドと、金属薄板下側に設けられた、レーザ加工ヘッドから、加工したいワークピースに向けられたレーザビームに対するビームカートリッジとを有している。該当する金属薄板の貫通後、レーザビームはビームカートリッジ内に進入する。さらに、このビームカートリッジを介して、特にレーザビームの加工箇所に生ぜしめられる蒸気およびドロスが吸い取られる。さらに、前述した形式のビームカートリッジは、レーザビームによって形成された金属薄板切片をレーザ加工機の加工領域から排出するために働くこともできる。公知のレーザ加工機の、ワークピース支承のためのブラシ領域を備えたワークピース支持体は、ビームカートリッジに対する切欠きを備えている。この場合、ブラシ領域は、ビームカートリッジに対する切欠きの縁部のすぐ近くにまで達している。平らな金属薄板の加工時には、ビームカートリッジがレーザビームのビーム軸線に沿って上側の終端位置をとる。この場合、ビームカートリッジは、ワークピース支持体に設けられた切欠きを貫通している。上側の終端位置に位置するビームカートリッジはその上面でワークピース支持体のブラシ領域の剛毛の自由端部に整合している。これに相応して、加工したい金属薄板がワークピース支持体のブラシ領域でも、ビームカートリッジの上面でも静止する。所望の加工を実施する、たとえば切片を形成するためには、金属薄板がレーザビームに対して垂直にブラシ領域とビームカートリッジとにわたって運動させられる。加工したい金属薄板が、この金属薄板の主平面に対して下向きに突出した変形加工部を備えている場合には、この変形加工部が、ワークピース支持体にわたる金属薄板の運動時に、上側の終端位置に運動させられたビームカートリッジに衝突する恐れがある。このような衝突を回避するためには、金属薄板下面で突出した変形加工部が、上側の終端位置に位置するビームカートリッジに接近するやいなや、公知のレーザ加工機のビームカートリッジが、作動装置によって下側の終端位置に下降させられる。ビームカートリッジの下降運動は検出器によってトリガされる。この検出器はワークピース支持体にビームカートリッジに対する切欠きの近傍で設けられていて、ワークピース支持体にわたる金属薄板運動時に、加工したい金属薄板の、下向きに張り出した変形加工部によって始動される。下側の終端位置では、ビームカートリッジがワークピース支持体の下方に位置しており、これによって、金属薄板下面で突出した変形加工部を衝突なしにビームカートリッジを越えて運動させることができる。切断運転に対して、公知のレーザ加工機には、前述した上側の終端位置でビームカートリッジのただ1つの位置しか設けられていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平10−217050号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
公知先行技術から出発して、本発明の課題は、ワークピース加工が最適化されているようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この課題を解決するために本発明に係る、ワークピースを加工するためのレーザ加工機によれば、ワークピース支持体とビームカートリッジとが、作動装置の作動駆動装置によってレーザビームのビーム軸線に沿って互いに相対的に、可変に規定可能である量を備えた作動運動で送り可能であることにより、ワークピースとビームカートリッジとの間の間隔が可変であり、作動装置の作動駆動装置が、駆動制御装置によって制御可能であり、これにより、ワークピースとビームカートリッジとが、レーザビームのスイッチオン時に加工運動で互いに相対的に、ワークピース支持体に形成された支持平面に対して平行に運動可能であるワークピース加工の加工段階の期間の間、ワークピースとビームカートリッジとの間の間隔が、レーザビームのビーム軸線に沿ったワークピース支持体とビームカートリッジとの相応の相互の送りによってコンスタントな間隔値に保持可能である。
【0011】
本発明に係るレーザ加工機の有利な態様によれば、作動装置の作動駆動装置が、駆動制御装置によって制御可能であり、これにより、ワークピースとビームカートリッジとが、レーザビームのスイッチオフ時に位置決め運動で互いに相対的に、ワークピース支持体に形成された支持平面に対して平行に運動可能であるワークピース加工の別の加工段階の期間の間、ワークピースとビームカートリッジとの間の間隔が、レーザビームのビーム軸線に沿った作動装置の作動駆動装置によるワークピース支持体とビームカートリッジとの相応の相互の送りによって位置決め運動に対する間隔値に調整可能である。
【0012】
本発明に係るレーザ加工機の有利な態様によれば、ワークピース支持体とビームカートリッジとが、作動装置の作動駆動装置によってレーザビームのビーム軸線に沿って、相応の量を備えた作動運動で互いに相対的に送り可能であることにより、ワークピースとビームカートリッジとの間の間隔が、ワークピース加工のその都度1回の加工段階に対応したそれぞれ異なる間隔値に調整可能である。
【0013】
本発明に係るレーザ加工機の有利な態様によれば、位置決め運動に対するワークピースとビームカートリッジとの間の間隔が、加工運動に対する間隔よりも大きな間隔値に調整可能である。
【0014】
本発明に係るレーザ加工機の有利な態様によれば、ワークピース支持体とビームカートリッジとが、作動装置の作動駆動装置によってレーザビームのビーム軸線に沿って、相応の量を備えた作動運動で互いに相対的に送り可能であることにより、ワークピースが、該ワークピースとビームカートリッジとの共通の運動状態時にレーザビームによって加工可能であり、ワークピースとビームカートリッジとの間の間隔が、ワークピースとビームカートリッジとの共通の運動状態に対応した間隔値に調整可能である。
【0015】
本発明に係るレーザ加工機の有利な態様によれば、ワークピースが、該ワークピースとビームカートリッジとの共通の静止時にレーザビームによって加工可能である。
【0016】
本発明に係るレーザ加工機の有利な態様によれば、ワークピースとビームカートリッジとの間の間隔が、ワークピースとビームカートリッジとの共通の運動状態に対応した間隔値0に調整可能である。
【0017】
本発明に係るレーザ加工機の有利な態様によれば、ワークピース支持体とビームカートリッジとが、作動装置の作動駆動装置によってレーザビームのビーム軸線に沿って、相応の量を備えた作動運動で互いに相対的に送り可能であることにより、ワークピースとビームカートリッジとの間の間隔が、ワークピースの材料に対応した間隔値に調整可能である。
【0018】
本発明に係るレーザ加工機の有利な態様によれば、ワークピース支持体とビームカートリッジとが、作動装置の作動駆動装置によってレーザビームのビーム軸線に沿って、相応の量を備えた作動運動で互いに相対的に送り可能であることにより、ワークピースとビームカートリッジとの間の間隔が、ワークピースの厚さに対応した間隔値に調整可能である。
【0019】
本発明に係るレーザ加工機の有利な態様によれば、ワークピースとビームカートリッジとの間の間隔を調整するための作動駆動装置の駆動制御装置が、レーザ加工ヘッドとワークピースとの間の相互の間隔を調整するための作動駆動装置の駆動制御装置によって少なくとも部分的に形成されるようになっている。
【0020】
本発明に係るレーザ加工機の有利な態様によれば、ワークピースとビームカートリッジとの間の間隔が、作動装置の作動駆動装置によって、経験的に検出された少なくとも1つの間隔値に調整可能であり、該間隔値が、作動装置の作動駆動装置の数値駆動制御装置のメモリに格納されている。
【0021】
本発明に係るレーザ加工機の有利な態様によれば、ワークピースとビームカートリッジとの間の間隔に対して調整したい間隔値を測定するための装置が設けられており、ワークピースとビームカートリッジとの間の間隔が、作動装置の作動駆動装置によって前記間隔値に調整可能である。
【0022】
本発明に係るレーザ加工機の有利な態様によれば、ワークピースとビームカートリッジとの間の間隔に対して調整したい間隔値を測定するための装置が、レーザビームのビーム軸線に沿って存在する、レーザ加工ヘッドとワークピースとの間の間隔を測定するための装置によって少なくとも部分的に形成されるようになっている。
【0023】
本発明に係るレーザ加工機の有利な態様によれば、ワークピース支持体とビームカートリッジとを相互に送るための作動装置の作動駆動装置が、作動駆動モータを有しており、該作動駆動モータによって、ワークピース支持体が、レーザビームのビーム軸線に沿って定置のビームカートリッジの場合に、該ビームカートリッジに対して相対的に送り可能であるかまたは該作動駆動モータによって、ビームカートリッジが、レーザビームのビーム軸線に沿って定置のワークピース支持体の場合に、該ワークピース支持体に対して相対的にレーザビームのビーム軸線に沿って送り可能である。
【0024】
本発明に係るレーザ加工機の有利な態様によれば、ワークピース支持体とビームカートリッジとを相互に送るための作動装置の作動駆動装置が、排出・作動駆動装置によって形成されるようになっており、該排出・作動駆動装置によって、さらに、ワークピース支持体および/またはビームカートリッジが、ワークピース加工の製品の排出のために、レーザビームのビーム軸線に沿って運動可能である。
【0025】
本発明に係るレーザ加工機の有利な態様によれば、ワークピース加工の製品の排出のために、ワークピース支持体とビームカートリッジとが、排出・作動駆動装置によって一緒にレーザビームのビーム軸線に沿って運動可能であり、ワークピース支持体とビームカートリッジとを相互に送るために、ワークピース支持体が、該ワークピース支持体の運動方向で運動阻止されたビームカートリッジの場合に、該ビームカートリッジに対して相対的にレーザビームのビーム軸線に沿って送り可能であるかまたはビームカートリッジが、該ビームカートリッジの運動方向で運動阻止されたワークピース支持体の場合に、該ワークピース支持体に対して相対的にレーザビームのビーム軸線に沿って送り可能である。
【0026】
本発明に係るレーザ加工機の有利な態様によれば、ワークピース支持体とビームカートリッジとを相互に送るために、ワークピース支持体が、該ワークピース支持体の運動方向でロックされたビームカートリッジの場合に、該ビームカートリッジに対して相対的にレーザビームのビーム軸線に沿って送り可能であるかまたはビームカートリッジが、該ビームカートリッジの運動方向でロックされたワークピース支持体の場合に、該ワークピース支持体に対して相対的にレーザビームのビーム軸線に沿って送り可能である。
【0027】
本発明に係るレーザ加工機の有利な態様によれば、ワークピース支持体とビームカートリッジとの相互の送り時のビームカートリッジまたはワークピース支持体のロックのために、ビームカートリッジまたはワークピース支持体に対する、送り運動の方向に有効なストッパが設けられている。
【0028】
本発明に係るレーザ加工機の有利な態様によれば、ビームカートリッジまたはワークピース支持体に対するストッパが、ワークピース支持体とビームカートリッジとの相互の送り運動の方向でそれぞれ異なる位置に調整可能である。
【0029】
本発明に係るレーザ加工機の有利な態様によれば、加工したいワークピースがプレート状である。
【0030】
本発明に係るレーザ加工機の有利な態様によれば、加工したいプレート状のワークピースが金属薄板である。
【0031】
さらに、前述した課題を解決するために本発明に係る、ワークピースを加工するための機械的な方法によれば、ワークピース支持体とビームカートリッジとを、作動装置の作動駆動装置によってレーザビームのビーム軸線に沿って、可変に規定される量を備えた作動運動で互いに相対的に送ることにより、ワークピースとビームカートリッジとの間の間隔を変化させ、作動装置の作動駆動装置を駆動制御装置によって制御し、これにより、ワークピースとビームカートリッジとを、レーザビームのスイッチオン時に加工運動で互いに相対的に、ワークピース支持体に形成された支持平面に対して平行に運動させるワークピース加工の加工段階の期間の間、ワークピースとビームカートリッジとの間の間隔を、レーザビームのビーム軸線に沿ったワークピース支持体とビームカートリッジとの相応の相互の送りによってコンスタントな間隔値に保持する。
【0032】
本発明に係る機械的な方法の有利な態様によれば、ワークピース支持体とビームカートリッジとを、作動装置の作動駆動装置によってレーザビームのビーム軸線に沿って、相応の量を備えた作動運動で互いに相対的に送ることにより、ワークピースとビームカートリッジとの間の間隔を、ワークピース加工の別の加工段階に対応した間隔値に調整し、それぞれ異なる加工段階に対応した間隔値がそれぞれ異なっている。
【0033】
本発明に係る機械的な方法の有利な態様によれば、ワークピース支持体とビームカートリッジとを、作動装置の作動駆動装置によってレーザビームのビーム軸線に沿って、相応の量を備えた作動運動で互いに相対的に送ることにより、ワークピースとビームカートリッジとの間の間隔を、ワークピースの材料に対応した間隔値に調整する。
【0034】
本発明に係る機械的な方法の有利な態様によれば、ワークピース支持体とビームカートリッジとを、作動装置の作動駆動装置によってレーザビームのビーム軸線に沿って、相応の量を備えた作動運動で互いに相対的に送ることにより、ワークピースとビームカートリッジとの間の間隔を、ワークピースの厚さに対応した間隔値に調整する。
【0035】
本発明に係る機械的な方法の有利な態様によれば、ワークピースとビームカートリッジとの間の間隔に対する間隔値を、経験的に検出しかつ作動装置の作動駆動装置の数値駆動制御装置のメモリに格納し、ワークピースとビームカートリッジとの間の間隔を、前記間隔値に調整する。
【0036】
本発明に係る機械的な方法の有利な態様によれば、加工したいワークピースにおける該ワークピースとビームカートリッジとの間の間隔に対する調整したい間隔値を測定し、ワークピースとビームカートリッジとの間の間隔を、前記間隔値に調整する。
【0037】
本発明に係る機械的な方法の有利な態様によれば、特にプレート状のワークピース、有利には金属薄板を加工するための前述した機械的な方法において、加工したいワークピースにおける該ワークピースとビームカートリッジとの間の間隔に対する調整したい間隔値を、以下の方法ステップ:すなわち、ワークピース支持体とビームカートリッジとを、レーザビームのビーム軸線の方向で互いに相対的に、間隔値0を備えた相互の間隔に送り、ワークピース支持体とビームカートリッジとに支承されたワークピースにおいて、ワークピース支持体とビームカートリッジとを、間隔値0を備えた相互の間隔から出発して互いに相対的にレーザビームのビーム軸線の方向に送り、ビームカートリッジをワークピースから遠ざけ、ビームカートリッジをワークピースから遠ざけた、ワークピース支持体とビームカートリッジとの相互の送りの間、ワークピースが、ビームカートリッジの上方でその最大の撓みを達成する時点を検出し、ワークピースが、ビームカートリッジの上方でその最大の撓みを達成した時点以降、ワークピース支持体とビームカートリッジとの相互の間隔の実際値を検出し、検出された実際値に基づき、ワークピースとビームカートリッジとの間の間隔に対する調整したい間隔値を測定する:を備えた測定法により測定する。
【0038】
本発明に係る機械的な方法の有利な態様によれば、ビームカートリッジの上方のワークピースの最大の撓みを、レーザビームのビーム軸線に沿って存在する、基準レベルとビームカートリッジの上方のワークピースとの間の間隔に基づき規定する。
【0039】
本発明に係る機械的な方法の有利な態様によれば、ワークピースとして、プレート状のワークピースを加工する。
【0040】
本発明に係る機械的な方法の有利な態様によれば、プレート状のワークピースとして、金属薄板を加工する。
【0041】
さらに、前述した課題を解決するために本発明に係る、レーザ加工機を運転するための加工プログラムによれば、当該加工プログラムが、レーザ加工機の数値制御装置で実行される場合に、前述した機械的な方法が実施されることを生ぜしめる、作動装置の作動駆動装置に対する制御命令および/またはワークピースとビームカートリッジとの間の間隔に対する調整したい間隔値を測定するための装置に対する制御命令が設けられている。
【0042】
さらに、前述した課題を解決するために本発明に係る、加工プログラムを作成するための方法によれば、加工プログラムが、レーザ加工機の数値制御装置で実行される場合に、前述した機械的な方法が実施されることを生ぜしめる、作動装置の作動駆動装置に対する制御命令および/またはワークピースとビームカートリッジとの間の間隔に対する調整したい間隔値を測定するための装置に対する制御命令を生成する。
【0043】
さらに、前述した課題を解決するために本発明に係るコンピュータプログラム製品によれば、当該コンピュータプログラム製品が、符号化手段を有しており、当該コンピュータプログラム製品が、データ処理設備で運転される場合に、符号化手段が、前述した方法の全てのステップを実施するために適合されている。
【発明の効果】
【0044】
本発明の事例では、レーザビームのビーム軸線に沿ってワークピース支持体とビームカートリッジとの間に存在する間隔を、構造的に設定された範囲の枠内であらゆる任意の間隔値に調整することができる。したがって、加工したいワークピースもしくは加工されるワークピースとビームカートリッジとの間の間隔を可能な限り大きなフレキシビリティで調整することができる。ワークピースとビームカートリッジとの間の間隔は、その都度の要求に最適に適合させることができる。本発明による方法の実施はプログラム制御されて行われる。制御プログラムを作成するためには、このために設けられた方法が使用される。この方法は、データ処理設備でコンピュータプログラム製品によって実施することができる。
【0045】
本発明は、ワークピースとビームカートリッジとの間の間隔をワークピース支持体とビームカートリッジとの相応の相互の送りによって、ワークピースとビームカートリッジとが、レーザビームのスイッチオン時に加工運動で互いに相対的に、ワークピース支持体に形成された支持平面に対して平行に運動可能であるワークピース加工の加工段階の期間の間にコンスタントに保持することができることによって特徴付けられている。この目的のために設けられた、作動装置の作動駆動装置に対する駆動制御装置は、最適な経過および加工結果のために、ワークピースとビームカートリッジとの間の一貫した間隔を生ぜしめる。たとえばワークピース支持体とビームカートリッジとの、所定の加工段階の開始時に行われる相互の調整は、続くワークピース加工の間、必要な場合に、作動装置の作動駆動装置の相応の制御によって変化させることができ、これによって、ワークピースとビームカートリッジとの間の間隔が全加工段階の間に不変となる。前述した間隔調整に対する前提条件は、ワークピースとビームカートリッジとの間の間隔の連続的な監視もしくは検出である。たとえば金属薄板表面粗さに基づく間隔変化には、駆動制御装置により作動駆動装置の制御によって、コンスタントに維持したい間隔の維持もしくは再形成の方向で反応される。
【0046】
独立請求項による本発明の特別な構成は、従属請求項2〜21および2331から明らかである。
【0047】
本発明の有利な構成では、ワークピース支持体とビームカートリッジとが、作動装置の作動駆動装置によって互いに相対的に調整され、これによって、ワークピース加工のそれぞれ異なる加工段階に対して、ワークピースとビームカートリッジとの間のそれぞれ異なる大きさの間隔を割り当てることができる。ワークピース加工のそれぞれ異なる段階では、ワークピースとビームカートリッジとの間のそれぞれ異なる間隔が有利となり得る。たとえば1つのワークピースが比較的迅速な位置決め運動でビームカートリッジに対して相対的に運動させられると、ワークピースとビームカートリッジとの間の間隔を比較的大きな間隔値に調整することが有利となる(請求項2、、23参照)。ワークピース支持体が、たとえばワークピース支承のためのブラシ領域を有していると、このブラシ領域のブラシがワークピースの迅速な位置決め運動時にかなり曲がり、したがって、金属薄板がビームカートリッジに向かって運動させられることが見込まれ得る。これにもかかわらず、ワークピースとビームカートリッジとの間の間隔が相応に大きい場合には、ワークピースがその位置決め運動時にビームカートリッジに接触させられ、たとえばスクラッチ形成によって損傷されることが阻止される。
【0048】
1つのワークピースとビームカートリッジとがワークピースのレーザ加工時に互いに相対的に実施する運動は、一般的に、前述した位置決め運動よりも著しく緩速である。したがって、たとえばブラシ領域を備えたワークピース支持体の使用時には、ワークピースの加工運動に基づき、ワークピース支持体のブラシの、場合により僅かな曲がりと、これに相俟って、ビームカートリッジへのワークピースの、場合によるほんの僅かな接近とが生ぜしめられる。この事情では、ワークピース支持体とビームカートリッジとの相応に相互の送りによって、1つのワークピースとビームカートリッジとの間の間隔が、加工運動に対して、ワークピースの迅速な位置決め運動時よりも小さな間隔値に調整れ得る(請求項4参照)。加工運動時にワークピースとビームカートリッジとの間の接触と、これに相俟ったワークピース損傷とを回避するためには、小さな間隔値で十分である。
【0049】
ワークピースのレーザ加工時の最適な状況のために、基本的には、ワークピースとビームカートリッジとの間の間隔に対して、その都度可能な最小値を選択することが推奨に値する。ワークピースからの間隔が最小の場合には、ビームカートリッジが、これに付与された機能を最適に果たすことができる。特にビームカートリッジは、ワークピースからの間隔が最小の場合に、最大の吸取り作用を発揮することができ、レーザビームの加工箇所に生ぜしめられる蒸気およびドロスを、特に機能確実に導出することができる。さらに、ワークピースからの間隔が最小の場合には、ビームカートリッジが、レーザビームの加工箇所から出発した側方への飛び火も有効に阻止することができる。このような飛び火は、加工箇所の近傍の装置における損傷、たとえばワークピース支持体のブラシの発火に繋がり得る。
【0050】
ワークピースとビームカートリッジとの間の間隔に対する間隔値0が自体有利である。しかし、ワークピース支持体とビームカートリッジとの相応の相互の送りは、1つのワークピースの位置決め運動時にかつ加工運動時に、これに相俟ったワークピースの損傷の危険に鑑みて、ほとんど推奨に値しない。しかし、相応の相互の送りは、本発明の別の有利な構成では、ワークピースとビームカートリッジとの相対運動なしの事例に対して設けられている(請求項5、、7参照)。ワークピース加工時に、たとえばワークピース加工のために必要となる、レーザ加工ヘッドとワークピースとの相対運動が専らレーザ加工ヘッドの運動によって発生させられる場合には、ワークピースとビームカートリッジとの相対運動は行われない。レーザ加工ヘッドの単独の運動は、たとえば1つの金属薄板に切片を形成するための最終的な分離切断時に実施され得る。
【0051】
本発明の別の構成では、ワークピースとビームカートリッジとの間の間隔の測定に対するパラメータひいてはワークピース支持体とビームカートリッジとの相互の送りに対するパラメータとして、材料と、有利には金属薄板加工の事例では、ワークピース厚さとが考慮される(請求項89、24、25参照)。加工したいワークピースの材料は、特にレーザビームの加工箇所における火花形成の量と、固有剛性ひいてはビームカートリッジの上方でのワークピースの撓みの規模とが材料にも関連している限り重要となる。特に固有剛性ひいてはビームカートリッジの上方での金属薄板の撓みの程度に対して、ワークピース厚さもしくは金属薄板厚さが関連している。
【0052】
本発明によれば、レーザ加工ヘッドとワークピースとの間の相互の間隔を調整するための作動駆動装置の駆動制御装置によって少なくとも部分的に形成される、ワークピースとビームカートリッジとの間の相互の間隔を調整するための作動駆動装置の駆動制御装置が有利になる(請求項10参照)。レーザ加工ヘッドとワークピースとの間の相互の間隔を調整するためのこのような形式の作動駆動装置は、たとえば「TRUMPF(登録商標)」社(71254 Ditzingen、Deutschland)の公知のレーザ加工機に設けられている。作動駆動装置は、第1に、ワークピース加工と、これに相俟ったワークピースとレーザ加工ヘッドとの相対運動との間のレーザ加工ビームの不変の焦点位置を生ぜしめる。本発明によれば、レーザ加工ヘッドとワークピースとの間の間隔を調整するために設けられた装置を、ワークピースとビームカートリッジとの間の間隔を調整するために同時に使用することができる。この二重使用に基づき、ワークピースとビームカートリッジとの間の間隔を調整するために必要となる手間が最小限に減少させられる。
【0053】
ワークピースとビームカートリッジとの間の間隔ひいてはワークピース支持体とビームカートリッジとの相互の送りのための作動運動の量を調整することができる間隔値は、本発明の事例では、種々異なる形式で規定することができる。
【0054】
便宜上、経験的に検出された間隔値に依存してもよい。この間隔値は、ワークピース支持体とビームカートリッジとの相互の送りのための作動駆動装置の数値駆動制御装置のメモリに格納されている(請求項11、26参照)。
【0055】
本発明の、その都度の使用事例に対して個別に調和された最適化された構成は、調整したい間隔値が、その都度加工したいワークピースに対して測定されることを提案している(請求項12、27参照)。
【0056】
ワークピースとビームカートリッジとの間の間隔に対する調整したい間隔値を測定するためにも、本発明の有利な構成では、すでに前述した、レーザ加工ヘッドとワークピースとの間の相互の間隔を調整するための装置が使用される(請求項13参照)。
【0057】
ワークピースとビームカートリッジとの間の間隔に対する調整したい間隔値を測定するための機能確実な方法は、請求項28に記載されている。この方法の結果として、ワークピースとビームカートリッジとの間の接触が確実に回避される、ワークピースとビームカートリッジとの間の相互の間隔に対する間隔値ひいてはワークピースとビームカートリッジとの相互の送り運動に対する量が得られる。したがって、ワークピースとビームカートリッジとの相対運動下でのスクラッチなしのワークピース加工が可能となる。
【0058】
本発明による方法の有利な実施態様では、ビームカートリッジの上方のワークピースの最大の撓みが間隔測定によって規定される(請求項29参照)。この間隔測定のためには、特に前述した、レーザ加工ヘッドとワークピースとの間の相互の間隔を調整するための装置が適している。
【0059】
発明コンセプトの可能な限り簡単な構造的な変換のために、請求項14によれば、ワークピース支持体とビームカートリッジとの相互の送りのために、専らワークピース支持体または専らビームカートリッジがレーザビームのビーム軸線に沿って運動させられることが提案されている。このような作動駆動は、ただ1つの作動駆動モータで十分であり、その上、ワークピース支持体とビームカートリッジとの相互の間隔の簡単な調整を許容する。
【0060】
請求項15によれば、ワークピース支持体とビームカートリッジとの相互の送りのために、駆動構成要素が使用される。この駆動構成要素は、そのほか、ワークピース加工の製品をレーザビームの作業領域から排出するために働く。この二重使用によっても、構成部材の節約ひいては本発明の構造的に簡単なかつ廉価な変換が可能となる。
【0061】
請求項16および17は、「ワークピース加工の製品の排出」の機能と、「ワークピース支持体とビームカートリッジとの相互の送り」の機能とを組み合わせるための構造的な手段に関する。ワークピース加工の製品の排出のためには、ワークピース支持体とビームカートリッジとが一緒に運動させられる。ワークピース支持体とビームカートリッジとの相互の送り運動は、それぞれ他方の構成部材に対するワークピース支持体またはビームカートリッジの運動阻止下、特にロック下で発生させられる。
【0062】
構造的に簡単なかつ常に機能確実な解決手段のために、本発明の有利な構成では、ワークピース支持体もしくはビームカートリッジのロックのためにストッパが設けられている(請求項18参照)。
【0063】
このストッパは、有利には、ビームカートリッジとワークピース支持体との相互の送り運動の方向に調整可能となる(請求項19参照)。こうして、相互の送り運動の方向での、ストッパに支持された構成部材、すなわち、ビームカートリッジまたはワークピース支持体のそれぞれ異なる終端位置を規定することができる。ワークピース支持体とビームカートリッジとの相互の送り時の最大の調整移動距離が不変に設定されている場合には、ストッパに支持されていない構成部材の終端位置もストッパの調節によって変化する。この場合、このストッパの調節によって、たとえばワークピース支持体に運転に起因して生ぜしめられる摩耗が考慮され得る。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】金属薄板をレーザ切断するためのユニットと、金属薄板を打ち抜くためのユニットとを備えたレーザ加工機の斜視的な部分図である。
【図2】図1によるアッセンブリIIを第1の機能状態で示す図である。
【図3】図2によるアッセンブリの詳細図である。
【図4】図2および図3によるアッセンブリを、図2に示した矢印IVの方向で見た図である。
【図5】図1によるアッセンブリIIを第2の機能状態で示す図である。
【図6】図5によるアッセンブリを、図5に示した矢印VIの方向で見た図である。
【図7】図5による機能状態における図5に示した部分VIIの詳細図である。
【図8】図7によるアッセンブリを別の機能状態で示す図である。
【図9】図7によるアッセンブリをさらに別の機能状態で示す図である。
【図10】第1の相対位置を備えた図1によるアッセンブリIIのワークピース支持体とビームカートリッジとを示す図である。
【図11】第2の相対位置を備えた図1によるアッセンブリIIのワークピース支持体とビームカートリッジとを示す図である。
【図12】第3の相対位置を備えた図1によるアッセンブリIIのワークピース支持体とビームカートリッジとを示す図である。
【図13】図10によるワークピース支持体とビームカートリッジとの、調整したい相互の間隔の測定を示すための原理図である。
【図14】図11によるワークピース支持体とビームカートリッジとの、調整したい相互の間隔の測定を示すための原理図である。
【図15】図12によるワークピース支持体とビームカートリッジとの、調整したい相互の間隔の測定を示すための原理図である。
【発明を実施するための形態】
【0065】
以下に、本発明を実施するための最良の形態を図面につき詳しく説明する。
【0066】
図1によれば、複合機として形成されたレーザ加工機1は、金属薄板をレーザ切断するためのユニット2と、このユニット2に組み合わされた、金属薄板を打抜き加工するためのユニット3とを有している。共通の機枠4はC字形に形成されていて、上側の枠脚部5と下側の枠脚部6とを有している。上側の枠脚部5の自由端部には、ワークピースもしくは金属薄板を打抜き加工するためのユニット3の打抜きヘッド(図示せず)と、レーザ切断するためのレーザ加工ヘッド(図示せず)とが相並んで取り付けられている。打抜きヘッドもレーザ加工ヘッドも慣用の構造である。レーザ加工ヘッドは、上側の枠脚部5でx/y/z座標系の3軸方向に、それぞれ比較的短い移動距離区間にわたって運動可能である。
【0067】
C字形の機枠4の開口室7内には、従来の構造の座標ガイド(図示せず)が収納されている。加工したい金属薄板は、座標ガイドに慣用の緊締爪によって位置固定され、座標ガイドによってレーザ加工機1の打抜きヘッドとレーザ加工ヘッドとに対して、x軸とy軸とによって展開された水平方向平面で運動することができる。金属薄板の、座標ガイドによって発生させられる運動は、該当する加工装置に対する各金属薄板の位置決めのために役立ち得るだけでなく、金属薄板加工の目的のためにも実施され得る。レーザ加工ヘッドでは、付加的な位置決め・加工運動が、レーザ加工ヘッドの前述した可動性に基づき可能となる。
【0068】
該当する金属薄板は、下側の枠脚部6にわたる運動時に、この下側の枠脚部6の上面に取り付けられたブラシ支持体に慣用の形式で載置している。このブラシ支持体は、図1には、レーザ切断するためのユニット2のワークピース支持体8の範囲で示してある。
【0069】
下側の枠脚部6に設けられたブラシ支持体の別の部分と一緒に、ワークピース支持体8は、下側の枠脚部6の排出開口9に対するカバーを形成している。この排出開口9を介して、図示の事例では、予めレーザ加工ヘッドによって大型サイズの金属薄板ボードから獲得された金属薄板切片が導出される。
【0070】
加工したい金属薄板ボードだけでなく、この金属薄板ボードから獲得されるワークピース切片も、ワークピース支持体8の水平方向の方向付け時に剛毛10の自由端部に載置している。この剛毛10自体はワークピース支持体8のブラシ領域11を形成している(図2参照)。ワークピース支持体8は、図2に詳細図で示したアッセンブリIIの一部である。
【0071】
ワークピース支持体8のほかに、アッセンブリIIは、カートリッジ開口13を備えたビームカートリッジ12を有している。カートリッジ開口13でビームカートリッジ12は、金属薄板のレーザ切断時に、図2にビーム軸線14によって示したレーザビーム15の方向でレーザ加工ヘッドの下方に配置されている。加工したい金属薄板の貫通後、レーザビーム15はビームカートリッジ12のカートリッジ開口13内に進入する。この場合、ビームカートリッジ12は負圧源(図示せず)に接続されている。この負圧源によって、ビームカートリッジ12を介して、加工したい金属薄板の切断時にレーザビーム15の加工箇所に形成される蒸気およびドロスが吸い取られる。ビームカートリッジ12の環状の縁部16を取り囲んで、剛毛10が配置されている。この剛毛10はビームカートリッジ12の縁部16のすぐ近くにまで達している。
【0072】
金属薄板切片をレーザビーム15の加工領域から排出するためには、ワークピース支持体8とビームカートリッジ12とが一緒に排出運動を実施する。さらに、ワークピース支持体8とビームカートリッジ12とはレーザビーム15のビーム軸線14に沿って互いに相対的に送り可能となる。両機能は駆動装置18によって実現される。したがって、この駆動装置18は排出・作動駆動装置を形成している。
【0073】
これに相応して、駆動装置18の、回転方向切換制御可能な駆動モータ19は、特に作動駆動モータとして働く。歯付きベルト(図示せず)を介して、駆動モータ19はボール転がりスピンドル20をスピンドル回転軸線21を中心として駆動する。ボール転がりスピンドル20に装着された、スピンドル回転軸線21に沿って可動のスピンドルナット22は、駆動プレート23にねじ締結されている。この駆動プレート23自体は、機枠固定されたガイドプレート24でz方向に可動にガイドされている。スピンドルナット22から離れて位置する側では、駆動プレート23自体が山形材状の連行体25をy方向にガイドする。この連行体25のガイドのためには、駆動プレート23に、z方向に互いに間隔を置いて配置された2つのリニアガイドが設けられている。連行体25は水平方向の脚部によって2つの支承箇所でワークピース支持体8に旋回可動に結合されている。
【0074】
旋回軸受けが、ワークピース支持体8と高さ可動のプレート26との間に同じく設けられている。旋回軸受けはワークピース支持体8の旋回軸線27を規定している(図4参照)。さらに、旋回軸受けは高さ可動のプレート26とワークピース支持体8との間に、このワークピース支持体8に対するストッパを形成している。このストッパは、ワークピース支持体8がその水平方向の位置を越えて上方に旋回し得ることを阻止する。
【0075】
高さ可動のプレート26は、機枠固定された第2のガイドプレート28でz方向に移動可能にガイドされている。この目的のためには、このガイドプレート28が、z方向に延びるガイドレール29,30を備えている(図3、図4参照)。高さ可動のプレート26には、ガイドレール29,30に装着された直動軸受け31,32が組み付けられている。
【0076】
高さ可動のプレート26をガイドするためのガイドレール29,30の間には、ガイドプレート28が、同じくz方向に延びるガイドレール33を備えている(図3、図4参照)。このガイドレール33はガイドキャリッジ34を支承している。このガイドキャリッジ34自体は、フォーク状の結合ロッド35の下側の端部に枢着されている。この結合ロッド35は、ワークピース支持体8に向けられた上側の端部でビームカートリッジ12に旋回可動に結合されている。結合ロッド35の下側の端部と、ガイドレール33に装着されたガイドキャリッジ34との間のジョイント結合部の旋回ジャーナルは、結合ロッド35に設けられた支承アイレットを越えて延長されていて、生ぜしめられた一方の張出し部で対応ストッパ36を形成している。この対応ストッパ36はストッパ37に対応配置されている。このストッパ37は全部で3つの結合ねじ38,39,40を介して、機枠固定されたガイドプレート28にz方向で浮動支承されている。この場合、結合ねじ38,39,40は長孔41,42,43を貫通している。この長孔41,42,43はその長軸でストッパ37にz方向で延びている。
【0077】
高さ可動のプレート26と反対の側では、機枠固定されたガイドプレート28が、プリロードシリンダ44と減衰式のストッパ45とを支承している(図4参照)。プリロードシリンダ44から下向きに進出した、図4に認めることができないピストンロッドはその自由端部で舌片46にねじ締結されている。この舌片46は異形材片47の脚部によって形成される。この異形材片47は高さ可動のプレート26に固く結合されている。舌片46と反対の側では、異形材片47において当接突起48が突出している。この当接突起48は、ガイドプレート28に取り付けられた減衰式のストッパ45に上方から係合する。
【0078】
図1〜図4には、水平方向に方向付けられたワークピース支持体8を備えたアッセンブリIIが示してある。このアッセンブリIIのこの機能状態では、レーザビーム15によって自由切断された完成部材が、少なくとも部分的にワークピース支持体8によって、詳細には、ワークピース支持体8のブラシ領域11によって支承される。ワークピース支持体8によって下方から支持された加工製品を排出するためには、ワークピース支持体8がビームカートリッジ12と一緒に、すでに前述した排出運動を実施する。この排出運動は並進成分と回転成分とを有している。ワークピース支持体8とビームカートリッジ12との並進運動はz方向に行われる。この線形の運動には、ワークピース支持体8の旋回軸線27を中心とした回転運動が続いている。
【0079】
図1〜図4によれば、駆動プレート23が、機枠固定されたガイドプレート24に対してz方向でその上側の終端位置をとっている。この上側の終端位置では、駆動プレート23がスピンドルナット22とボール転がりスピンドル20とを介して駆動モータ19によって下降運動に対してロックされている。駆動プレート23にz方向で支持された連行体25がワークピース支持体8を保持していて、このワークピース支持体8を介してビームカートリッジ12と高さ可動のプレート26とを図示の位置に保持している。相応のプリロードに基づき、プリロードシリンダ44と、このプリロードシリンダ44の、異形材片47に作用したピストンロッドとによって、高さ可動のプレート26ひいてはビームカートリッジ12ならびにワークピース支持体8に、z方向で下方に向けられた力が加えられる。この力は、駆動モータ19によって発生させられた反力によって補償される。高さ可動のプレート26とのジョイント結合部に設けられたストッパによって、ワークピース支持体8がその水平方向の位置に支持されている。
【0080】
アッセンブリIIのこの機能状態で駆動モータ19がスイッチオンされ、相応の回転方向で運転されると、スピンドルナット22がボール転がりスピンドル20に対して運動させられ、スピンドルナット22と共に駆動プレート23が、図1〜図4に示した位置から出発して下方に運動させられる。駆動プレート23に同期して、高さ可動のプレート26と、ビームカートリッジ12と、ワークピース支持体8とが、プリロードシリンダ44でいま解放されたプリロード力の作用下で負のz方向に運動させられる。駆動プレート23とワークピース支持体8との同期的な運動に基づき、連行体25が駆動プレート23に対して、まず、図1〜図4に示したy方向における位置をy方向で維持する。
【0081】
約20ミリメートルの下降行程後、高さ可動のプレート26に固く結合された異形材片47に設けられた当接突起48が、機枠固定された減衰式のストッパ45に衝突する。この減衰式のストッパ45によって、高さ可動のプレート26と、ビームカートリッジ12と、ワークピース支持体8とが、負のz方向への更なる線形の運動に対してロックされる。これによって、ワークピース支持体8とビームカートリッジ12との排出運動の並進成分が終了する。
【0082】
駆動モータ19によって負のz方向に引き続き駆動プレート23が運動させられる。この駆動プレート23の下降運動に基づき、連行体25が駆動プレート23に沿ってy方向でワークピース支持体8に向かって移動させられる。同時に連行体25がワークピース支持体8をビームカートリッジ12と一緒にワークピース支持体8の旋回軸線27を中心として下方に旋回させる。これによって、ワークピース支持体8とビームカートリッジ12との排出運動の回転成分が生ぜしめられる。
【0083】
駆動モータ19のスイッチオフによって、アッセンブリIIに、図5〜図7による状況が生ぜしめられるやいなや、ワークピース支持体8とビームカートリッジ12との排出運動が終了される。
【0084】
図6には、機枠固定されたガイドプレート28の側から見た図5による配置事例が示してある。図6には、機枠固定されたプリロードシリンダ44と、高さ可動のプレート26に結合された異形材片47の舌片46との間に設けられた、符号49を備えたピストンロッドを認めることができる。さらに、図6には、異形材片47の、減衰式のストッパ45に載置しているような当接突起48が示してある。
【0085】
図5〜図7から、機枠固定されたガイドプレート28に対する結合ロッド35の下側の端部のリニアガイドの領域における状況を同じく知ることができる。結合ロッド35の下側の端部と、この端部に枢着されたガイドキャリッジ34とは、ガイドプレート28に結合されたガイドレール33に対してz方向で、このガイドレール33に沿って可動の対応ストッパ36がz方向で、ガイドプレート28に設けられたストッパ37の当接突出部50から最大の間隔を有する位置をとっている。
【0086】
ビームカートリッジ12とワークピース支持体8とは、図5〜図7によるアッセンブリIIの運転状態では、図10に示した相互の位置をとっている。ワークピース支持体8に形成された支持平面51に対して垂直方向でのワークピース支持体8とビームカートリッジ12との間の間隔が間隔値0に調整されている。したがって、ワークピース支持体8によって下方から支持された、図10に示した金属薄板52の形のワークピースが、ビームカートリッジ12、詳細には、カートリッジ開口13の縁部16の、図10で上方に向けられた端面に載置するようになっている。
【0087】
ワークピース支持体8とビームカートリッジ12との相互の送りは作動装置53によって生ぜしめられる。この作動装置53の一部はフォーク状の結合ロッド35である。この結合ロッド35はその上側の両端部でビームカートリッジ12に枢着されている。この目的のためには、ビームカートリッジ12が2つの支承ブロック54,55を有している(図6、図10参照)。結合ロッド35の枢着箇所に並んで、支承ブロック54,55内に緊締ねじ56,57がねじり込まれている(図10参照)。この緊締ねじ56,57は滑壁状の軸部でワークピース支持体8のベースプレート58と、このベースプレート58に下面で固く結合された支持フランジ59とを貫通している。この支持フランジ59の貫通開口(図示せず)では、緊締ねじ56,57の滑壁状の軸部がガイドブシュの内部に配置されていて、これによって、低摩擦でかつ半径方向に十分に遊びなしにガイドされている。これに対して、ワークピース支持体8のベースプレート58に設けられた貫通開口60,61は半径方向に拡幅されている。この貫通開口内には、コイルばねの形の緊締ばね62,63が挿入されている。この緊締ばね62,63は緊締ねじ56,57の滑壁状の軸部を取り囲んでいて、その軸方向の端部において、一方で、支持フランジ59に支持されていて、他方で、緊締ねじ56,57のねじ頭の下面に支持されている。緊締ばね62,63はそのプリロードに基づき、図10による機能状態において、ビームカートリッジ12に設けられた支承ブロック54,55を、ワークピース支持体8のベースプレート58に設けられた支持フランジ59の下面に向かって引っ張る。
【0088】
アッセンブリIIの、図5〜図7に示した運転状態から出発して、同じく作動装置53の一部を成す駆動モータ19が、ワークピース支持体8とビームカートリッジ12との前述した排出運動時のモータ回転方向と逆方向に向けられたモータ回転方向で運転させられると、駆動モータ19によって駆動されたスピンドルナット22が駆動プレート23をz方向で上方に運動させる。駆動プレート23と共に連行体25が正のz方向に移動させられる。ワークピース支持体8とビームカートリッジ12とから成るユニットが枢着された高さ可動のプレート26が、まず、z方向における初期の位置を維持する。したがって、上方に運動させられた連行体25がワークピース支持体8をその水平な位置に旋回させる。この場合、連行体25が駆動プレート23に沿ってy方向に移動させられる。
【0089】
ワークピース支持体8が水平方向に方向付けられている場合には、駆動プレート23と連行体25との更なる行程運動が、ワークピース支持体8と、このワークピース支持体8に取り付けられたビームカートリッジ12との、線形で上方に向けられた運動を生ぜしめる。ワークピース支持体8とビームカートリッジ12とから成る構成ユニットと一緒に、ワークピース支持体8に結合された高さ可動のプレート26が正のz方向に運動させられる。ワークピース支持体8と、ビームカートリッジ12と、高さ可動のプレート26との線形の行程運動は、プリロードシリンダ44で形成された戻し力の作用に抗して実施される。ワークピース支持体8と高さ可動のプレート26との間のジョイント結合部に設けられた、ワークピース支持体8に対するストッパは、このワークピース支持体8が連行体25による負荷に基づき、その水平方向の位置を越えて上方に旋回することを阻止する。
【0090】
ビームカートリッジ12は、ワークピース支持体8の運動に相俟った運動時に、ビームカートリッジ12に枢着された結合ロッド35をz方向で上方に連行する。したがって、この結合ロッド35の下側の端部が、この端部に結合されたガイドキャリッジ34および結合ロッド35の下側の端部とガイドキャリッジ34との間のジョイント結合部に設けられた対応ストッパ36と一緒に、図5〜図7による状況から出発して正のz方向に移動させられる。ワークピース支持体8の上方旋回に続く、水平方向に方向付けられたワークピース支持体8を伴って実施される、ワークピース支持体8とビームカートリッジ12との線形運動の途中、結合ロッド35の下側の端部で突出した対応ストッパ36が、機枠固定されたガイドプレート28に設けられたストッパ37の当接突出部50に衝突する(図8参照)。この時点では、ワークピース支持体8とビームカートリッジ12とが相変わらず図10による相互の位置をとっている。すなわち、ビームカートリッジ12のカートリッジ開口13における縁部16の上面が、相変わらず、ブラシ領域11の剛毛10の自由端部に整合している。
【0091】
駆動モータ19の更なる運転時には、ワークピース支持体8が駆動プレート23と連行体25とを介して引き続き正のz方向に運動させられる。しかし、この運動をビームカートリッジ12は、ストッパ37に対する、結合ロッド35を介して生ぜしめられた支持に基づき一緒に実施することができない。これに基づき、レーザビーム15のビーム軸線14の方向へのワークピース支持体8とビームカートリッジ12との相互の送り運動が生ぜしめられる。この送り運動は、徐々に圧縮される緊締ばね62,63の作用に抗して実施される。送り運動の量は、図2に概略的に示した数値駆動制御装置64によって、構造的に設定された範囲内で任意に規定可能である。図11によれば、ワークピース支持体8は、機枠固定されたストッパ37に支持されたビームカートリッジ12に対して相対的に量h1の送り運動で送られている。図11から同じく明らかであるように、ワークピース支持体8とビームカートリッジ12とのこの相互の送り時には、ワークピース支持体8のブラシ領域11に載置した金属薄板52がその下面でビームカートリッジ12から間隔h1を有している。図12によれば、ワークピース支持体8とビームカートリッジ12との相互の送り運動ひいてはワークピース支持体8によって下方から支持された金属薄板52と、ビームカートリッジ12との間の間隔が量h2を有している。
【0092】
図示の事例では、h2はh1の二倍の量である。ワークピース支持体8とビームカートリッジ12との間の間隔h2は、金属薄板52が迅速な位置決め運動でワークピース支持体8にわたって運動させられなければならない事例に対して選択される。相互の間隔h1には、ワークピース支持体8とビームカートリッジ12とが、より緩速な加工運動に対して調整される。この加工運動は、レーザ加工機1の座標ガイドによって運動させられる、レーザビーム15に対して相対的な金属薄板52によって実施される。この金属薄板52の位置決め運動時だけでなく、加工運動時にも、金属薄板52とビームカートリッジ12との接触と、これに相俟った、金属薄板下面におけるスクラッチ形成とが排除されている。
【0093】
ワークピース支持体8とビームカートリッジ12との間の相互の間隔の、図10に示した間隔値0は、ワークピース支持体8に載置した金属薄板52と、ビームカートリッジ12とが、同じ運動状態を有している、すなわち、互いに相対的に運動させられない場合に選択される。これは、たとえば、金属薄板52がワークピース支持体8に対して運動させられずに静止していて、ワークピース加工が専らレーザビーム15の運動によって行われる場合の事例である。この運動は、機枠4に対するレーザ加工ヘッドの可動性に基づき可能となる。レーザ加工ヘッドもしくはレーザビーム15のこのような加工運動は、たとえば金属薄板部材からの切出し時の最終的な分離断片の形成のために実施される。
【0094】
構造的な理由に基づき、ワークピース支持体8もしくは金属薄板52とビームカートリッジ12との相互の間隔は最大で間隔値h2に調整され得る。図12に示したように、間隔値h2の場合には、緊締ねじ56,57のねじ頭がその下面で、ワークピース支持体8のベースプレート58に設けられた貫通開口60,61の、向かい合って位置する縁部に衝突している。同時に緊締ねじ56,57が結合ロッド35を介して、機枠固定されたストッパ37に支持されているので、これによって、ビームカートリッジ12に対して相対的なワークピース支持体8の鉛直方向への可動性が終了する。遅くともアッセンブリIIのこの機能状態で、駆動モータ19が相応の制御に基づきスイッチオフされる。この駆動モータ19が、たとえば駆動制御装置64の誤機能に基づき、図12による運転状態の達成時にスイッチオフされないと、ワークピース支持体8が機械的な固定ストッパに衝突するまで、駆動モータ19が、ワークピース支持体8と、ビームカートリッジ12と、高さ可動のプレート26とから成るユニットを引き続き正のz方向に運動させ得る。妨害事例に制限されたこの付加運動時には、ビームカートリッジ12に枢着された結合ロッド35の下側の端部に設けられた対応ストッパ36がストッパ37を、反力を乗り越えて上方に移動させる。この反力は調整ばね65によって形成される(図6参照)。この調整ばね65には、機枠固定された結合ねじ39の下面において、この結合ねじ39とストッパ37のハウジングとの間でプリロードがかけられている、すなわち、予備荷重が加えられている。調整ばね65と、ビームカートリッジ12およびワークピース支持体8の間の緊締ばね62,63との硬さの適宜な相互の調整に基づき、調整ばね65が、前述した形式の不規則な運転状態の場合にしか短縮されないものの、緊締ばね62,63の圧縮下で生ぜしめられる、ワークピース支持体8とビームカートリッジ12との規則的な相互の送り運動の場合には短縮されない。
【0095】
ワークピース支持体8とビームカートリッジ12との、障害に起因した付加運動もz方向にガイドされている。このためには、図8から明らかである、高さ可動のプレート26に結合された直動軸受け31,32に対する機枠固定されたガイドレール29,30の張出し部が働く。
【0096】
機械的な固定ストッパに対するワークピース支持体8の衝突時には、結合ロッド35に対するストッパ37に、図9に示した状況が生ぜしめられる。
【0097】
ワークピース支持体8とビームカートリッジ12との相互の送りが、図10による相互の間隔値0から出発するz方向でのレベルひいてはワークピース支持体8が不規則な運転時にz方向にとり得る終端位置も、機枠固定されたガイドプレート28に設けられたストッパ37の高さ調節を介して変化させることができる。このような高さ調節は、特にワークピース支持体8の剛毛10の、摩耗に起因した短縮を補償するために行われる。
【0098】
調節機構は、すでに前述した、プリロードがかけられた調整ばね65を有している。この調整ばね65は、図8によれば、ストッパ37の内部に設けられた孔内に設けられていて、一方で、ストッパ37のハウジングに支持されていて、他方で、機枠固定されたガイドプレート28に係合した結合ねじ39に支持されている。調整ばね65から離れて位置する側では、結合ねじ39が調整ねじ66によって負荷される。この調整ねじ66は、ストッパ37のハウジングに設けられた雌ねじ山に係合している。調整ねじ66のねじりによって、ストッパ37を、調整ねじ66のねじり方向に応じて、調整ばね65の作用に抗して正のz方向に送ることができるかまたは調整ばね65のアシストによって負のz方向に送ることができる。調整ねじ66によって行われた調整を確保するためには、位置固定ねじ67が働く。図示の事例では、2.5ミリメートルの調節移動距離にわたるストッパ37の高さ調節が可能となる。
【0099】
ワークピース支持体8とビームカートリッジ12との間の間隔もしくは金属薄板52とビームカートリッジ12との間の間隔が、最適化された加工経過のために調整されなければならない間隔値は経験的に検出することができ、駆動モータ19に対する作動値の形で数値駆動制御装置64に格納することができる。調整したい間隔値は種々異なるパラメータ、たとえば加工したいワークピースの材料と厚さとに関連している。
【0100】
補足的または択一的には、調整したい間隔値を個別に、すなわち、その都度加工したいワークピースにつき規定する可能性が存在する。この目的のために使用することができる方法が、図13〜図15に示してある。
【0101】
図13では、レーザ加工機1のワークピース支持体8とビームカートリッジ12とが、間隔値0を備えた相互の間隔に調整されている。これに相応して、金属薄板52が、ワークピース支持体8のブラシ領域11だけでなく、ビームカートリッジ12に設けられたカートリッジ開口13の縁部16にも載置している。金属薄板52の上方には、レーザ加工ヘッド68のうち、レーザノズル69しか図示していない。このレーザノズル69は焦点位置調整のための装置70の一部を同時に成している。この装置70によって、加工運動時に、金属薄板52に対するレーザビーム15のコンスタントな焦点位置が保証される。この目的のためには、焦点位置調整のための装置70が、レーザ加工ヘッド68のレーザノズル69と、金属薄板52の上面との間の間隔を測定するための容量型の測定装置71と、レーザ加工ヘッド68もしくはレーザノズル69をz方向に調整するための作動駆動装置72とを有している。レーザノズル69は容量型の間隔測定時に使用される。焦点位置調整のための装置70は公知の構造であり、「TRUMPF(登録商標)」社からこの形で売り出される。
【0102】
金属薄板52の下面とビームカートリッジ12との間の接触と、これに金属薄板加工時に相俟った、金属薄板52の下面の損傷とが確実に排除されている、ワークピース支持体8とビームカートリッジ12との間の間隔に対する間隔値の測定のためには、(スイッチオンされていない)レーザビーム15のビーム軸線14が、ビームカートリッジ12に設けられたカートリッジ開口13の中心を通って延びる位置に、レーザ加工ヘッド68がビームカートリッジ12の上方で運動させられる。レーザ加工ヘッド68の間隔調整ひいては特に作動駆動装置72は機能されない。レーザ加工ヘッド68もしくはレーザノズル69の、これにより不変なレベルは、続く間隔測定に対する基準レベルを形成している。
【0103】
ワークピース支持体8とビームカートリッジ12との間の間隔の間隔値0の場合には、容量型の測定装置71によって、レーザ加工ヘッド68もしくはレーザノズル69と金属薄板52との間の間隔が検出される(図13参照)。
【0104】
次いで、アッセンブリIIの駆動モータ19の操作によって、ワークピース支持体8が、ストッパ37に支持されたビームカートリッジ12に対して正のz方向に送られる。続いて、この送り運動時に、レーザ加工ヘッド68もしくはレーザノズル69と金属薄板52との間の間隔が測定される。ワークピース支持体8とビームカートリッジ12との相対運動に基づき、金属薄板52がビームカートリッジ12の上方で撓み得る。したがって、続いて測定された、レーザノズル69と金属薄板52との間の間隔は、ワークピース支持体8とビームカートリッジ12との相互の送り運動時には最初不変のままである。金属薄板52がその最大の撓みを達成すると、ワークピース支持体8とビームカートリッジ12との更なる相互の送り運動によって、金属薄板52がビームカートリッジ12の上方で持ち上げられ、これに相応して、レーザノズル69と金属薄板52との間の、測定された間隔が減少させられる。図14には、金属薄板52がまさにその最大の撓みを達成した時点が示してある。
【0105】
レーザノズル69と金属薄板52との間の間隔の変化の最初の規定は、金属薄板52がまさにビームカートリッジ12にもはや接触しない時点をマーキングする。この時点で存在する、ワークピース支持体8とビームカートリッジ12との間の間隔の間隔値が検出される。この間隔値は、続くワークピース加工時に、金属薄板52とビームカートリッジ12との間の接触と、これに相俟った、金属薄板52におけるスクラッチ形成とを回避するために少なくとも調整されなければならない値である。念のために、最終的に調整された間隔値は、予め規定された最小の間隔値よりも幾分大きく、たとえば0.2ミリメートル大きく寸法設定され得る。最終的に調整された間隔値における状況は、図15に示してある。金属薄板52はその下面でビームカートリッジ12からの十分に安全な間隔を有している。
【0106】
いま続くワークピース加工に対して、間隔調整が開始される、すなわち、特にレーザ加工ヘッド68もしくはレーザノズル69に対する作動駆動装置72もスイッチオンされる。したがって、金属薄板52とレーザノズル69との相対運動時に、焦点位置調整のための装置70によって、レーザノズル69と金属薄板52との間の間隔がコンスタントに保持される。このことは、レーザ加工ヘッド68に対する作動駆動装置72の相応の制御によって行われる。
【0107】
金属薄板52の表面粗さの場合には、レーザ加工ヘッド68によってz方向への補償運動が実施される。この補償運動は、アッセンブリIIの駆動モータ19を制御するための基本位置として働き得る。駆動モータ19が数値駆動制御装置64によって制御され、これによって、ワークピース支持体8とビームカートリッジ12とがレーザ加工ヘッド68の補償運動と同時に相応の相互の送り運動を実施すると、ワークピース加工の開始前に調整された、ワークピース支持体8とビームカートリッジ12との間の間隔に対する間隔値を、金属薄板52とビームカートリッジ12との、加工に起因した全相対運動の間に維持することができる。
【0108】
駆動モータ19の駆動制御装置64だけでなく、作動駆動装置72の制御装置も、レーザ加工機1の、プログラミング可能な制御装置に組み込まれている。制御プログラムは、コンピュータアシストされたプログラミングシステムによって発生させられ、次いで、レーザ加工機1の数値制御装置に入力される。
【符号の説明】
【0109】
1 レーザ加工機、 2 ユニット、 3 ユニット、 4 機枠、 5 枠脚部、 6 枠脚部、 7 開口室、 8 ワークピース支持体、 9 排出開口、 10 剛毛、 11 ブラシ領域、 12 ビームカートリッジ、 13 カートリッジ開口、 14 ビーム軸線、 15 レーザビーム、 16 縁部、 18 駆動装置、 19 駆動モータ、 20 ボール転がりスピンドル、 21 スピンドル回転軸線、 22 スピンドルナット、 23 駆動プレート、 24 ガイドプレート、 25 連行体、 26 プレート、 27 旋回軸線、 28 ガイドプレート、 29 ガイドレール、 30 ガイドレール、 31 直動軸受け、 32 直動軸受け、 33 ガイドレール、 34 ガイドキャリッジ、 35 結合ロッド、 36 対応ストッパ、 37 ストッパ、 38 結合ねじ、 39 結合ねじ、 40 結合ねじ、 41 長孔、 42 長孔、 43 長孔、 44 プリロードシリンダ、 45 ストッパ、 46 舌片、 47 異形材片、 48 当接突起、 49 ピストンロッド、 50 当接突出部、 51 支持平面、 52 金属薄板、 53 作動装置、 54 支承ブロック、 55 支承ブロック、 56 緊締ねじ、 57 緊締ねじ、 58 ベースプレート、 59 支持フランジ、 60 貫通開口、 61 貫通開口、 62 緊締ばね、 63 緊締ばね、 64 数値駆動制御装置、 65 調整ばね、 66 調整ねじ、 67 位置固定ねじ、 68 レーザ加工ヘッド、 69 レーザノズル、 70 装置、 71 測定装置、 72 作動駆動装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加工したいワークピース(52)にレーザビーム(15)を貫通させてワークピース(52)を加工するためのレーザ加工機であって、
・ワークピース(52)を支承するためのワークピース支持体(8)が設けられており、
・レーザ加工ヘッド(68)と、レーザビーム(15)に対する、カートリッジ開口(13)を備えたビームカートリッジ(12)とが設けられており、
・作動装置(53)が設けられており、
レーザ加工ヘッド(68)が、ワークピース(52)の一方の側に配置されており、ワークピース支持体(8)とビームカートリッジ(12)とが、ワークピース(52)の、レーザ加工ヘッド(68)と反対の側に配置されており、レーザビーム(15)が、レーザ加工ヘッド(68)からワークピース(52)の貫通後にビームカートリッジ(12)のカートリッジ開口(13)内に進入するようになっており、ワークピース支持体(8)とビームカートリッジ(12)とが、作動装置(53)の、駆動制御装置(64)により制御される作動駆動装置(18)によってレーザビーム(15)のビーム軸線(14)に沿った作動運動で互いに相対的に送り可能であることにより、作動装置(53)によって、ビームカートリッジ(12)内に進入するレーザビーム(15)のビーム軸線(14)に沿って存在する、ワークピース(52)とビームカートリッジ(12)との間の間隔が可変である形式のものにおいて、
ワークピース支持体(8)とビームカートリッジ(12)とが、作動装置(53)の作動駆動装置(18)によってレーザビーム(15)のビーム軸線(14)に沿って互いに相対的に、可変に規定可能である量を備えた作動運動で送り可能であることにより、ワークピース(52)とビームカートリッジ(12)との間の間隔が可変であり、作動装置(53)の作動駆動装置(18)が、駆動制御装置(64)によって制御可能であり、これにより、ワークピース(52)とビームカートリッジ(12)とが、レーザビーム(15)のスイッチオン時に加工運動で互いに相対的に、ワークピース支持体(8)に形成された支持平面(51)に対して平行に運動可能であるワークピース加工の加工段階の期間の間、ワークピース(52)とビームカートリッジ(12)との間の間隔が、レーザビーム(15)のビーム軸線(14)に沿ったワークピース支持体(8)とビームカートリッジ(12)との相応の相互の送りによってコンスタントな間隔値に保持可能であることを特徴とする、ワークピースを加工するためのレーザ加工機。
【請求項2】
作動装置(53)の作動駆動装置(18)が、駆動制御装置(64)によって制御可能であり、これにより、ワークピース(52)とビームカートリッジ(12)とが、レーザビーム(15)のスイッチオフ時に位置決め運動で互いに相対的に、ワークピース支持体(8)に形成された支持平面(51)に対して平行に運動可能であるワークピース加工の別の加工段階の期間の間、ワークピース(52)とビームカートリッジ(12)との間の間隔が、レーザビーム(15)のビーム軸線(14)に沿った作動装置(53)の作動駆動装置(18)によるワークピース支持体(8)とビームカートリッジ(12)との相応の相互の送りによって位置決め運動に対する間隔値に調整可能である、請求項1記載のレーザ加工機。
【請求項3】
ワークピース支持体(8)とビームカートリッジ(12)とが、作動装置(53)の作動駆動装置(18)によってレーザビーム(15)のビーム軸線(14)に沿って、相応の量を備えた作動運動で互いに相対的に送り可能であることにより、ワークピース(52)とビームカートリッジ(12)との間の間隔が、ワークピース加工のその都度1回の加工段階に対応したそれぞれ異なる間隔値に調整可能である、請求項記載のレーザ加工機。
【請求項4】
位置決め運動に対するワークピース(52)とビームカートリッジ(12)との間の間隔が、加工運動に対する間隔よりも大きな間隔値に調整可能である、請求項記載のレーザ加工機。
【請求項5】
ワークピース支持体(8)とビームカートリッジ(12)とが、作動装置(53)の作動駆動装置(18)によってレーザビーム(15)のビーム軸線(14)に沿って、相応の量を備えた作動運動で互いに相対的に送り可能であることにより、ワークピース(52)が、該ワークピース(52)とビームカートリッジ(12)との共通の運動状態時にレーザビーム(15)によって加工可能であり、ワークピース(52)とビームカートリッジ(12)との間の間隔が、ワークピース(52)とビームカートリッジ(12)との共通の運動状態に対応した間隔値に調整可能である、請求項1からまでのいずれか1項記載のレーザ加工機。
【請求項6】
ワークピース(52)が、該ワークピース(52)とビームカートリッジ(12)との共通の静止時にレーザビーム(15)によって加工可能である、請求項5記載のレーザ加工機。
【請求項7】
ワークピース(52)とビームカートリッジ(12)との間の間隔が、ワークピース(52)とビームカートリッジ(12)との共通の運動状態に対応した間隔値0に調整可能である、請求項5記載のレーザ加工機。
【請求項8】
ワークピース支持体(8)とビームカートリッジ(12)とが、作動装置(53)の作動駆動装置(18)によってレーザビーム(15)のビーム軸線(14)に沿って、相応の量を備えた作動運動で互いに相対的に送り可能であることにより、ワークピース(52)とビームカートリッジ(12)との間の間隔が、ワークピース(52)の材料に対応した間隔値に調整可能である、請求項1からまでのいずれか1項記載のレーザ加工機。
【請求項9】
ークピース支持体(8)とビームカートリッジ(12)とが、作動装置(53)の作動駆動装置(18)によってレーザビーム(15)のビーム軸線(14)に沿って、相応の量を備えた作動運動で互いに相対的に送り可能であることにより、ワークピース(52)とビームカートリッジ(12)との間の間隔が、ワークピース(52)の厚さに対応した間隔値に調整可能である、請求項1からまでのいずれか1項記載のレーザ加工機。
【請求項10】
ワークピース(52)とビームカートリッジ(12)との間の間隔を調整するための作動駆動装置(18)の駆動制御装置(64)が、レーザ加工ヘッド(68)とワークピース(52)との間の相互の間隔を調整するための作動駆動装置(72)の駆動制御装置によって少なくとも部分的に形成されるようになっている、請求項1から9までのいずれか1項記載のレーザ加工機。
【請求項11】
ワークピース(52)とビームカートリッジ(12)との間の間隔が、作動装置(53)の作動駆動装置(18)によって、経験的に検出された少なくとも1つの間隔値に調整可能であり、該間隔値が、作動装置(53)の作動駆動装置(18)の数値駆動制御装置(64)のメモリに格納されている、請求項1から10までのいずれか1項記載のレーザ加工機。
【請求項12】
ワークピース(52)とビームカートリッジ(12)との間の間隔に対して調整したい間隔値を測定するための装置(70)が設けられており、ワークピース(52)とビームカートリッジ(12)との間の間隔が、作動装置(53)の作動駆動装置(18)によって前記間隔値に調整可能である、請求項1から11までのいずれか1項記載のレーザ加工機。
【請求項13】
ワークピース(52)とビームカートリッジ(12)との間の間隔に対して調整したい間隔値を測定するための装置(70)が、レーザビーム(15)のビーム軸線(14)に沿って存在する、レーザ加工ヘッド(68)とワークピース(52)との間の間隔を測定するための装置(70)によって少なくとも部分的に形成されるようになっている、請求項1から12までのいずれか1項記載のレーザ加工機。
【請求項14】
ワークピース支持体(8)とビームカートリッジ(12)とを相互に送るための作動装置(53)の作動駆動装置(18)が、作動駆動モータ(19)を有しており、該作動駆動モータ(19)によって、ワークピース支持体(8)が、レーザビーム(15)のビーム軸線(14)に沿って定置のビームカートリッジ(12)の場合に、該ビームカートリッジ(12)に対して相対的に送り可能であるかまたは該作動駆動モータ(19)によって、ビームカートリッジ(12)が、レーザビーム(15)のビーム軸線(14)に沿って定置のワークピース支持体(8)の場合に、該ワークピース支持体(8)に対して相対的にレーザビーム(15)のビーム軸線(14)に沿って送り可能である、請求項1から13までのいずれか1項記載のレーザ加工機。
【請求項15】
ワークピース支持体(8)とビームカートリッジ(12)とを相互に送るための作動装置(53)の作動駆動装置(18)が、排出・作動駆動装置によって形成されるようになっており、該排出・作動駆動装置によって、さらに、ワークピース支持体(8)および/またはビームカートリッジ(12)が、ワークピース加工の製品の排出のために、レーザビーム(15)のビーム軸線(14)に沿って運動可能である、請求項1から14までのいずれか1項記載のレーザ加工機。
【請求項16】
ワークピース加工の製品の排出のために、ワークピース支持体(8)とビームカートリッジ(12)とが、排出・作動駆動装置によって一緒にレーザビーム(15)のビーム軸線(14)に沿って運動可能であり、ワークピース支持体(8)とビームカートリッジ(12)とを相互に送るために、ワークピース支持体(8)が、該ワークピース支持体(8)の運動方向で運動阻止されたビームカートリッジ(12)の場合に、該ビームカートリッジ(12)に対して相対的にレーザビーム(15)のビーム軸線(14)に沿って送り可能であるかまたはビームカートリッジ(12)が、該ビームカートリッジ(12)の運動方向で運動阻止されたワークピース支持体(8)の場合に、該ワークピース支持体(8)に対して相対的にレーザビーム(15)のビーム軸線(14)に沿って送り可能である、請求項1から15までのいずれか1項記載のレーザ加工機。
【請求項17】
ワークピース支持体(8)とビームカートリッジ(12)とを相互に送るために、ワークピース支持体(8)が、該ワークピース支持体(8)の運動方向でロックされたビームカートリッジ(12)の場合に、該ビームカートリッジ(12)に対して相対的にレーザビーム(15)のビーム軸線(14)に沿って送り可能であるかまたはビームカートリッジ(12)が、該ビームカートリッジ(12)の運動方向でロックされたワークピース支持体(8)の場合に、該ワークピース支持体(8)に対して相対的にレーザビーム(15)のビーム軸線(14)に沿って送り可能である、請求項16記載のレーザ加工機。
【請求項18】
ワークピース支持体(8)とビームカートリッジ(12)との相互の送り時のビームカートリッジ(12)またはワークピース支持体(8)のロックのために、ビームカートリッジ(12)またはワークピース支持体(8)に対する、送り運動の方向に有効なストッパ(37)が設けられている、請求項17記載のレーザ加工機。
【請求項19】
ビームカートリッジ(12)またはワークピース支持体(8)に対するストッパ(37)が、ワークピース支持体(8)とビームカートリッジ(12)との相互の送り運動の方向でそれぞれ異なる位置に調整可能である、請求項18記載のレーザ加工機。
【請求項20】
加工したいワークピース(52)がプレート状である、請求項1から19までのいずれか1項記載のレーザ加工機。
【請求項21】
加工したいプレート状のワークピース(52)が金属薄板である、請求項20記載のレーザ加工機。
【請求項22】
加工したいワークピース(52)にレーザビーム(15)を貫通させてワークピース(52)を加工するための機械的な方法であって、
・ワークピース(52)を、ワークピース支持体(8)に支承し、
・レーザ加工ヘッド(68)を、ワークピース(52)の一方の側に配置し、カートリッジ開口(13)を備えたビームカートリッジ(12)を、ワークピース(52)の、ワークピース支持体(8)に対応した反対の側に配置し、
・レーザビーム(15)を、レーザ加工ヘッド(68)からワークピース(52)の貫通後にビームカートリッジ(12)のカートリッジ開口(13)内に進入させ、
・ワークピース支持体(8)とビームカートリッジ(12)とを、作動装置(53)の、駆動制御装置(64)により制御される作動駆動装置(18)によってレーザビーム(15)のビーム軸線(14)に沿った作動運動で互いに相対的に送ることにより、作動装置(53)によって、ビームカートリッジ(12)内に進入するレーザビーム(15)のビーム軸線(14)に沿って存在する、ワークピース(52)とビームカートリッジ(12)との間の間隔を変化させて、ワークピースを加工するための機械的な方法において、
ワークピース支持体(8)とビームカートリッジ(12)とを、作動装置(53)の作動駆動装置(18)によってレーザビーム(15)のビーム軸線(14)に沿って、可変に規定される量を備えた作動運動で互いに相対的に送ることにより、ワークピース(52)とビームカートリッジ(12)との間の間隔を変化させ、作動装置(53)の作動駆動装置(18)を駆動制御装置(64)によって制御し、これにより、ワークピース(52)とビームカートリッジ(12)とを、レーザビーム(15)のスイッチオン時に加工運動で互いに相対的に、ワークピース支持体(8)に形成された支持平面(51)に対して平行に運動させるワークピース加工の加工段階の期間の間、ワークピース(52)とビームカートリッジ(12)との間の間隔を、レーザビーム(15)のビーム軸線(14)に沿ったワークピース支持体(8)とビームカートリッジ(12)との相応の相互の送りによってコンスタントな間隔値に保持することを特徴とする、ワークピースを加工するための機械的な方法。
【請求項23】
ワークピース支持体(8)とビームカートリッジ(12)とを、作動装置(53)の作動駆動装置(18)によってレーザビーム(15)のビーム軸線(14)に沿って、相応の量を備えた作動運動で互いに相対的に送ることにより、ワークピース(52)とビームカートリッジ(12)との間の間隔を、ワークピース加工のの加工段階に対応した間隔値に調整し、それぞれ異なる加工段階に対応した間隔値がそれぞれ異なっている、請求項22記載の機械的な方法。
【請求項24】
ワークピース支持体(8)とビームカートリッジ(12)とを、作動装置(53)の作動駆動装置(18)によってレーザビーム(15)のビーム軸線(14)に沿って、相応の量を備えた作動運動で互いに相対的に送ることにより、ワークピース(52)とビームカートリッジ(12)との間の間隔を、ワークピース(52)の材料に対応した間隔値に調整する、請求項22または23記載の機械的な方法。
【請求項25】
ークピース支持体(8)とビームカートリッジ(12)とを、作動装置(53)の作動駆動装置(18)によってレーザビーム(15)のビーム軸線(14)に沿って、相応の量を備えた作動運動で互いに相対的に送ることにより、ワークピース(52)とビームカートリッジ(12)との間の間隔を、ワークピース(52)の厚さに対応した間隔値に調整する、請求項22から24までのいずれか1項記載の機械的な方法。
【請求項26】
ワークピース(52)とビームカートリッジ(12)との間の間隔に対する間隔値を、経験的に検出しかつ作動装置(53)の作動駆動装置(18)の数値駆動制御装置(64)のメモリに格納し、ワークピース(52)とビームカートリッジ(12)との間の間隔を、前記間隔値に調整する、請求項22から25までのいずれか1項記載の機械的な方法。
【請求項27】
加工したいワークピース(52)における該ワークピース(52)とビームカートリッジ(12)との間の間隔に対する調整したい間隔値を測定し、ワークピース(52)とビームカートリッジ(12)との間の間隔を、前記間隔値に調整する、請求項22から26までのいずれか1項記載の機械的な方法。
【請求項28】
特にプレート状のワークピース(52)、有利には金属薄板を加工するための請求項19から25までのいずれか1項記載の機械的な方法において、加工したいワークピース(52)における該ワークピース(52)とビームカートリッジ(12)との間の間隔に対する調整したい間隔値を、以下の方法ステップ:すなわち、
・ワークピース支持体(8)とビームカートリッジ(12)とを、レーザビーム(15)のビーム軸線(14)の方向で互いに相対的に、間隔値0を備えた相互の間隔に送り、
・ワークピース支持体(8)とビームカートリッジ(12)とに支承されたワークピース(52)において、ワークピース支持体(8)とビームカートリッジ(12)とを、間隔値0を備えた相互の間隔から出発して互いに相対的にレーザビーム(15)のビーム軸線(14)の方向に送り、ビームカートリッジ(12)をワークピース(52)から遠ざけ、
・ビームカートリッジ(12)をワークピース(52)から遠ざけた、ワークピース支持体(8)とビームカートリッジ(12)との相互の送りの間、ワークピース(52)が、ビームカートリッジ(12)の上方でその最大の撓みを達成する時点を検出し、
・ワークピース(52)が、ビームカートリッジ(12)の上方でその最大の撓みを達成した時点以降、ワークピース支持体(8)とビームカートリッジ(12)との相互の間隔の実際値を検出し、
・検出された実際値に基づき、ワークピース(52)とビームカートリッジ(12)との間の間隔に対する調整したい間隔値を測定する:
を備えた測定法により測定する、請求項22から27までのいずれか1項記載の機械的な方法。
【請求項29】
ビームカートリッジ(12)の上方のワークピース(52)の最大の撓みを、レーザビーム(15)のビーム軸線(14)に沿って存在する、基準レベルとビームカートリッジ(12)の上方のワークピース(52)との間の間隔に基づき規定する、請求項28記載の機械的な方法。
【請求項30】
ワークピース(52)として、プレート状のワークピース(52)を加工する、請求項22から29までのいずれか1項記載の機械的な方法。
【請求項31】
プレート状のワークピース(52)として、金属薄板を加工する、請求項30記載の機械的な方法。
【請求項32】
請求項1から21までのいずれか1項記載のレーザ加工機(1)を運転するための加工プログラムにおいて、当該加工プログラムが、レーザ加工機(1)の数値制御装置で実行される場合に、請求項22から31までのいずれか1項記載の機械的な方法が実施されることを生ぜしめる、作動装置(53)の作動駆動装置(18)に対する制御命令および/またはワークピース(52)とビームカートリッジ(12)との間の間隔に対する調整したい間隔値を測定するための装置(70)に対する制御命令が設けられていることを特徴とする、レーザ加工機(1)を運転するための加工プログラム。
【請求項33】
請求項32記載の加工プログラムを作成するための方法において、加工プログラムが、レーザ加工機(1)の数値制御装置で実行される場合に、請求項22から31までのいずれか1項記載の機械的な方法が実施されることを生ぜしめる、作動装置(53)の作動駆動装置(18)に対する制御命令および/またはワークピース(52)とビームカートリッジ(12)との間の間隔に対する調整したい間隔値を測定するための装置(70)に対する制御命令を生成することを特徴とする、加工プログラムを作成するための方法。
【請求項34】
コンピュータプログラム製品において、当該コンピュータプログラム製品が、符号化手段を有しており、当該コンピュータプログラム製品が、データ処理設備で運転される場合に、符号化手段が、請求項33記載の方法の全てのステップを実施するために適合されていることを特徴とする、コンピュータプログラム製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−91105(P2013−91105A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−4884(P2013−4884)
【出願日】平成25年1月15日(2013.1.15)
【分割の表示】特願2008−199192(P2008−199192)の分割
【原出願日】平成20年8月1日(2008.8.1)
【出願人】(502300646)トルンプフ ヴェルクツォイクマシーネン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト (76)
【氏名又は名称原語表記】Trumpf Werkzeugmaschinen GmbH + Co. KG
【住所又は居所原語表記】Johann−Maus−Strasse 2,D−71254 Ditzingen,Germany
【Fターム(参考)】