説明

ワーク処理装置

【課題】ワークからどの程度の汚れが除去されたかを速やかに知ることができると共に、ワークに付着する汚れの状態から、適切な出力のプラズマを放出し得るワーク処理装置を提供すること。
【解決手段】プラズマ発生部30は、全体制御部94の制御の下、プラズマを放出し、ワークWに付着したパーティクルPAを除去する。撮影部101は、プラズマ処理前のワークWの画像(処理前画像)を取得する。撮影部102は、プラズマ処理後のワークの画像(処理後画像)を取得する。除去量検出部941は、処理前画像と処理後画像とからパーティクルPAの除去量を検出する。欠陥ワーク判定部942は、欠陥ワークであるか否かを判定し、欠陥ワークが存在することを示す情報を表示部97に表示する。欠陥ノズル検出部943は、検出された除去量から欠陥ノズルを検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマをワークに放出してワークに付着する汚れを除去するワーク処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体基板等の被処理ワークに対してプラズマを照射し、その表面に付着した微細な汚れ(パーティクル)を除去するワーク処理装置が知られている。また、本発明に関連する技術として、マグネトロンの高寿命化を図ることを目的として、マグネトロンに印加するマイクロ波電力パルスのデューティー比及びそのデューティー比の繰り返し周波数が各々一定となるように制御する技術が開示されている(特許文献1)。
【0003】
また、電極部のプラズマ汚染を抑制し、プラズマの検出精度の向上を図ることを目的として、プラズマの状態を測定するためのプラズマ測定プルーブにおいて、非測定時にプラズマ測定プルーブの電極部を遮蔽する技術が開示されている(特許文献2)。
【特許文献1】特開平07−41955号公報
【特許文献2】特開平07−6894号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のワーク処理装置では、ワークにどの程度の汚れが付着しているかを示すワークの汚れの状態の判定は、ユーザの目視によって行われたり、他の分析装置を用いて行われたりすることが一般的であり、インラインで汚れの状態の判定がなされていなかった。そのため、ユーザはワークからどの程度の汚れが除去されたかを速やかに認識することができないという問題があった。また、インラインで汚れの状態の判定がなされていないため、ワークの汚れの状態に基づいて、プラズマの出力を制御することもなされておらず、その結果、ワークに対して適切な出力のプラズマを放出することができないという問題があった。更に、特許文献1及び2には、汚れの状態を検出することに関する記載が全くなされていない。
【0005】
本発明の目的は、ワークの汚れの状態を検出するワーク処理装置を提供することである。また、ワークに付着する汚れの状態を検出し、適切な出力のプラズマを放出するワーク処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によるワーク処理装置は、プラズマを放出することでワークに付着する汚れを除去するプラズマ発生手段と、前記プラズマ発生手段により汚れを除去した後のワークの画像を取得する画像取得手段と、前記画像取得手段により取得された汚れを除去した後のワークの画像を基に、当該ワークの汚れの状態を検出する検出手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、プラズマ処理された後のワークの画像を基に、ワークの汚れの状態が検出されているため、ワークの汚れの状態をインラインで検出することが可能となる結果、ユーザはワークを目視したり、他の分析装置を用いたりしなくとも、速やかにワークの汚れの状態を認識することができる。
【0008】
また、上記構成において、前記画像取得手段は、前記プラズマ発生手段により汚れを除去する前の画像と汚れを除去した後の画像とを取得し、前記検出手段は、前記画像取得手段により取得された汚れを除去する前の画像と汚れを除去した後の画像とを比較し、プラズマを放出することで除去された汚れの除去量を前記汚れの状態として検出し、前記検出手段により検出された汚れの除去量を基に、前記プラズマ発生手段から放出されるプラズマの状態を検出することが好ましい。
【0009】
この構成によれば、プラズマ発生手段によるプラズマ処理の前後のワークの画像を比較することで、ワークの汚れの除去量が検出され、当該除去量を基に、プラズマの状態が検出されているため、プラズマ発生手段から目標とする出力のプラズマが放出されているか、或いは、プラズマ発生手段が故障していないか等を検出することができる。すなわち、プラズマの出力を直接測定することは困難であることが知られているが、このように、ワークに付着した汚れの除去量を検出すれば、プラズマの出力を直接測定しなくとも、プラズマの故障等を高精度に検出することが可能となる。
【0010】
また、上記構成において、前記検出手段により検出された汚れの状態が、基準とする汚れの状態を超える場合、当該ワークを欠陥ワークと判定する欠陥ワーク判定手段を更に備えることが好ましい。
【0011】
この構成によれば、ユーザは欠陥ワークの存在を速やかに知ることができる。
【0012】
また、上記構成において、前記欠陥ワーク判定手段により欠陥ワークと判定されたワークを、正常なワークと区別可能に搬送するワーク搬送手段を更に備えることが好ましい。
【0013】
この構成によれば、欠陥ワークと正常なワークとが区別して搬送されるため、欠陥ワークと正常なワークとの仕分けを自動化することができる。その結果、ユーザは各ワークに対して欠陥ワークであるか否かを記録するような作業を行う手間が省かれ、大量のワークを効率良く処理することができる。
【0014】
また、上記構成において、前記検出手段により検出された汚れの状態を基に、前記プラズマ発生手段から放出されるプラズマの出力をフィードバック制御する出力制御手段を更に備えることが好ましい。
【0015】
この構成によれば、汚れの状態に応じた出力のプラズマが放出されるため、ワークに付着する汚れが少ない場合は、プラズマの出力を増大させ、適切な出力のプラズマをワークに放出することで、ワークの歩留まりを向上させることができる。
【0016】
本発明によるワーク処理装置は、プラズマを放出することでワークに付着する汚れを除去するプラズマ発生手段と、前記プラズマ発生手段により汚れを除去する前のワークの画像を取得する画像取得手段と、前記画像取得手段により取得された汚れを除去する前のワークの画像を基に、ワークに付着する汚れの状態を検出する検出手段と、前記検出手段により検出された汚れの状態に応じた出力のプラズマを、前記プラズマ発生手段から放出させる出力制御手段とを備えることを特徴とする。
【0017】
この構成によれば、プラズマ処理前のワークの画像からワークの汚れの状態が検出され、検出された状態に応じた出力のプラズマがワークに放出されるため、ワークに付着する汚れをより正確に除去することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、プラズマ処理された後のワークの画像を基に、ワークの汚れの状態が検出されているため、ワークの汚れの状態をインラインで検出することが可能となる結果、ユーザはワークを目視したり、他の分析装置を用いたりしなくとも、速やかにワークの汚れの状態を認識することができる。また、プラズマ処理前のワークの画像からワークの汚れの状態が検出され、検出された状態に応じた出力のプラズマがワークに放出されるため、ワークに付着する汚れをより正確に除去することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1によるワーク処理装置Sについて図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明に係るワーク処理装置Sの全体構成を示す斜視図である。このワーク処理装置Sは、プラズマを発生し、処理対象となるワークWに前記プラズマを照射するプラズマ発生ユニットPU(プラズマ発生手段)と、ワークWを前記プラズマの照射領域を経由する所定のルートで搬送する搬送手段Cとを備えている。本実施の形態では、ワークWとして、プラズマディスプレイや液晶ディスプレイ等のフラットパネルディスプレイに採用されるガラス基板が採用されている。図2は、図1とは視線方向を異ならせたプラズマ発生ユニットPUの斜視図、図3は一部透視側面図である。なお、図1〜図3において、X−X方向を前後方向、Y−Y方向を左右方向、Z−Z方向を上下方向というものとし、−X方向を前方向、+X方向を後方向、−Yを左方向、+Y方向を右方向、−Z方向を下方向、+Z方向を上方向として説明する。
【0020】
プラズマ発生ユニットPUは、マイクロ波を利用し常温常圧でのプラズマ発生が可能なユニットであって、大略的に、マイクロ波を伝搬させる導波管10、この導波管10の一端側(左側)に配置され所定波長のマイクロ波を発生するマイクロ波発生装置20、導波管10に設けられたプラズマ発生部30、導波管10の他端側(右側)に配置されマイクロ波を反射させるスライディングショート40、導波管10に放出されたマイクロ波のうち反射マイクロ波がマイクロ波発生装置20に戻らないよう分離するサーキュレータ50、サーキュレータ50で分離された反射マイクロ波を吸収するダミーロード60、及びインピーダンス整合を行うスタブチューナ70を備えて構成されている。
【0021】
搬送手段Cは、図略の駆動モータにより回転駆動される搬送ローラ80を含み、途中で搬送経路が第1の搬送経路D1と第2の搬送経路D2とに2分岐している。第1の搬送経路D1は、正常ワークと判定されたワークWを搬送する。第2の搬送経路D2は、欠陥ワークと判定されたワークWを搬送する。なお、欠陥ワークと正常ワークとの判定手法については後述する。
【0022】
搬送経路上、プラズマ発生ユニットPUの手前には、プラズマ発生ユニットPUによってプラズマ処理が施される前のワークWの表面の画像を撮影する撮影部101が配設されている。また、搬送経路上、プラズマ発生ユニットPUの下流側には、プラズマ発生ユニットPUによってプラズマ処理が施された後のワークWの表面の画像を撮影する撮影部102が配設されている。撮影部101,102は、搬送手段CのワークWの搬送方向と直交する幅方向を長手方向とするCCDラインセンサ、及びワークWに対して光を照射する光源等を含み、光源からワークWに対して光を照射し、その反射光を受光することでワークWの表面の画像を取得する。
【0023】
搬送経路上、撮影部102の下流側には、欠陥ワークと判定されたワークWを第2の搬送経路D2に導くための切替板81が配設されている。切替板81は、搬送経路D1の搬送方向を長手方向とし、上方向に立設された平板状の部材から構成されている。
【0024】
この切替板81は、ワーク処理装置Sの通常動作時には、第1の搬送経路D1の右端の位置(ホームポジション)に位置し、ワークWを第2の搬送経路D2に導くときは、第1の搬送経路D1の搬送方向と直交する方向にスライドして、上流側から搬送されるワークWを第2の搬送経路D2に押し出した後、ホームポジションに戻る。一方、ワークWを第1の搬送経路D1に導くときには、ホームポジションに位置した状態を保ち、ワークWを押し出す動作を行わない。
【0025】
導波管10は、例えば非磁性金属(アルミニウム等)からなり、断面矩形の長尺管状を呈し、マイクロ波発生装置20により発生されたマイクロ波をプラズマ発生部30へ向けて、その長手方向に伝搬させるものである。導波管10は、分割された複数の導波管ピースが互いのフランジ部同士で連結された連結体で構成されており、一端側から順に、マイクロ波発生装置20が搭載される第1導波管ピース11、スタブチューナ70が組み付けられる第2導波管ピース12及びプラズマ発生部30が設けられている第3導波管ピース13が連結されてなる。なお、第1導波管ピース11と第2導波管ピース12との間にはサーキュレータ50が介在され、第3導波管ピース13の他端側にはスライディングショート40が連結されている。
【0026】
また、第1導波管ピース11、第2導波管ピース12及び第3導波管ピース13は、それぞれ金属平板からなる上面板、下面板及び2枚の側面板を用いて角筒状に組み立てられ、その両端にフランジ板が取り付けられて構成されている。なお、このような平板の組み立てによらず、押し出し成形や板状部材の折り曲げ加工等により形成された矩形導波管ピース若しくは非分割型の導波管を用いるようにしても良い。また、断面矩形の導波管に限らず、例えば断面楕円の導波管を用いることも可能である。さらに、非磁性金属に限らず、導波作用を有する各種の部材で導波管を構成することができる。
【0027】
マイクロ波発生装置20は、例えば2.45GHzのマイクロ波を発生するマグネトロン等のマイクロ波発生源と、このマイクロ波発生源にて発生されたマイクロ波の強度を所定の出力強度に調整するアンプとを具備する装置本体部21と、装置本体部21で発生されたマイクロ波を導波管10の内部へ放出するマイクロ波送信アンテナ22とを備えて構成されている。本実施形態に係るプラズマ発生ユニットPUでは、例えば1W〜3kWのマイクロ波エネルギーを出力できる連続可変型のマイクロ波発生装置20が好適に用いられる。
【0028】
図3に示すようにマイクロ波発生装置20は、装置本体部21からマイクロ波送信アンテナ22が突設された形態のものであり、第1導波管ピース11に載置される態様で固定されている。詳しくは、装置本体部21が第1導波管ピース11の上面板11Uに載置され、マイクロ波送信アンテナ22が上面板11Uに穿設された貫通孔111を通して第1導波管ピース11内部の導波空間110に突出する態様で固定されている。このように構成されることで、マイクロ波送信アンテナ22から放出された例えば2.45GHzのマイクロ波は、導波管10により、その一端側(左側)から他端側(右側)に向けて伝搬される。
【0029】
プラズマ発生部30は、第3導波管ピース13の下面板13B(矩形導波管の一つの側面;処理対象ワークとの対向面)に、左右方向へ一列に整列して突設された8個のプラズマ発生ノズル31を具備して構成されている。このプラズマ発生部30の幅員、つまり8個のプラズマ発生ノズル31の左右方向の配列幅は、平板状のワークWの搬送方向と直交する幅方向のサイズtと略合致する幅員とされている。これにより、ワークWを搬送ローラ80で搬送しながら、ワークWの全表面(下面板13Bと対向する面)に対してプラズマ処理が行えるようになっている。
【0030】
なお、8個のプラズマ発生ノズル31の配列間隔は、導波管10内を伝搬させるマイクロ波の波長λに応じて定めることが望ましい。例えば、波長λの1/2ピッチ、1/4ピッチでプラズマ発生ノズル31を配列することが望ましく、2.45GHzのマイクロ波を用いる場合、矩形の導波管10の断面サイズが2.84インチ×1.38インチのとき、λ=230mmであるので、115mm(λ/2)ピッチ、或いは57.5mm(λ/4)ピッチでプラズマ発生ノズル31を配列すれば良い。
【0031】
図4は、2つのプラズマ発生ノズル31を拡大して示す側面図(一方のプラズマ発生ノズル31は分解図として描いている)、図5は、図4のA−A線側断面図である。プラズマ発生ノズル31は、中心導電体32、ノズル本体33、ノズルホルダ34、シール部材35及び保護管36を含んで構成されている。
【0032】
中心導電体32は、良導電性の金属から構成された棒状部材からなり、その上端部321の側が第3導波管ピース13の下面板13Bを貫通して導波空間130に所定長さだけ突出(この突出部分を受信アンテナ部320という)する一方で、下端部322がノズル本体33の下端縁331と略面一になるように、上下方向に配置されている。この中心導電体32には、受信アンテナ部320が導波管10内を伝搬するマイクロ波を受信することで、マイクロ波エネルギー(マイクロ波電力)が与えられるようになっている。当該中心導電体32は、長さ方向略中間部において、シール部材35により保持されている。
【0033】
ノズル本体33は、良導電性の金属から構成され、中心導電体32を収納する筒状空間332を有する筒状体である。また、ノズルホルダ34も良導電性の金属から構成され、ノズル本体33を保持する比較的大径の下部保持空間341と、シール部材35を保持する比較的小径の上部保持空間342とを有する筒状体である。一方、シール部材35は、テフロン(登録商標)等の耐熱性樹脂材料やセラミック等からなる絶縁性部材からなり、前記中心導電体32を固定的に保持する保持孔351をその中心軸上に備える筒状体からなる。
【0034】
ノズル本体33は、上方から順に、ノズルホルダ34の下部保持空間341に嵌合される上側胴部33Uと、後述するガスシールリング37を保持するための環状凹部33Sと、環状に突設されたフランジ部33Fと、ノズルホルダ34から突出する下側胴部33Bとを具備している。また、上側胴部33Uには、所定の処理ガスを前記筒状空間332へ供給させるための連通孔333が穿孔されている。
【0035】
このノズル本体33は、中心導電体32の周囲に配置された外部導電体として機能するもので、中心導電体32は所定の環状空間H(絶縁間隔)が周囲に確保された状態で筒状空間332の中心軸上に挿通されている。ノズル本体33は、上側胴部33Uの外周部がノズルホルダ34の下部保持空間341の内周壁と接触し、またフランジ部33Fの上端面がノズルホルダ34の下端縁343と接触するようにノズルホルダ34に嵌合されている。なお、ノズル本体33は、例えばプランジャやセットビス等を用いて、ノズルホルダ34に対して着脱自在な固定構造で装着されることが望ましい。
【0036】
ノズルホルダ34は、第3導波管ピース13の下面板13Bに穿孔された貫通孔131に密嵌合される上側胴部34U(上部保持空間342の位置に略対応する)と、下面板13Bから下方向に延出する下側胴部34B(下部保持空間341の位置に略対応する)とを備えている。下側胴部34Bの外周には、処理ガスを前記環状空間Hに供給するためのガス供給孔344が穿孔されている。図示は省略しているが、このガス供給孔344には、所定の処理ガスを供給するガス供給管の終端部が接続するための管継手等が取り付けられる。かかるガス供給孔344と、ノズル本体33の連通孔333とは、ノズル本体33がノズルホルダ34への定位置嵌合された場合に互いに連通状態となるように、各々位置設定されている。なお、ガス供給孔344と連通孔333との突き合わせ部からのガス漏洩を抑止するために、ノズル本体33とノズルホルダ34との間にはガスシールリング37が介在されている。
【0037】
シール部材35は、その下端縁352がノズル本体33の上端縁334と当接し、その上端縁353がノズルホルダ34の上端係止部345と当接する態様で、ノズルホルダ34の上部保持空間342に保持されている。すなわち、上部保持空間342に中心導電体32を支持した状態のシール部材35が嵌合され、ノズル本体33の上端縁334でその下端縁352が押圧されるようにして組み付けられているものである。
【0038】
保護管36(図5では図示省略している)は、所定長さの石英ガラスパイプ等からなり、ノズル本体33の筒状空間332の内径に略等しい外径を有する。この保護管36は、ノズル本体33の下端縁331での異常放電(アーキング)を防止して後述するプルームPを正常に放射させる機能を有しており、その一部がノズル本体33の下端縁331から突出するように、前記筒状空間332に内挿されている。なお、保護管36は、その先端部が下端縁331と一致するように、或いは下端縁331よりも内側へ入り込むように、その全体が筒状空間332に収納されていても良い。
【0039】
プラズマ発生ノズル31は上記のように構成されている結果、ノズル本体33、ノズルホルダ34及び第3導波管ピース13(導波管10)は導通状態(同電位)とされている一方で、中心導電体32は絶縁性のシール部材35で支持されていることから、これらの部材とは電気的に絶縁されている。従って、図6に示すように、導波管10がアース電位とされた状態で、中心導電体32の受信アンテナ部320でマイクロ波が受信され中心導電体32にマイクロ波電力が給電されると、その下端部322及びノズル本体33の下端縁331の近傍に電界集中部が形成されるようになる。
【0040】
かかる状態で、ガス供給孔344から例えば酸素ガスや空気のような酸素系の処理ガスが環状空間Hへ供給されると、前記マイクロ波電力により処理ガスが励起されて中心導電体32の下端部322付近においてプラズマ(電離気体)が発生する。このプラズマは、電子温度が数万度であるものの、ガス温度は外界温度に近い反応性プラズマ(中性分子が示すガス温度に比較して、電子が示す電子温度が極めて高い状態のプラズマ)であって、常圧下で発生するプラズマである。
【0041】
このようにしてプラズマ化された処理ガスは、ガス供給孔344から与えられるガス流によりプルームPとしてノズル本体33の下端縁331から放射される。このプルームPにはラジカルが含まれ、例えば処理ガスとして酸素系ガスを使用すると酸素ラジカルが生成されることとなり、有機物の分解・除去作用、レジスト除去作用等を有するプルームPとすることができる。本実施形態に係るプラズマ発生ユニットPUでは、プラズマ発生ノズル31が複数個配列されていることから、左右方向に延びるライン状のプルームPを発生させることが可能となる。
【0042】
スライディングショート40は、各々のプラズマ発生ノズル31に備えられている中心導電体32と、導波管10の内部を伝搬されるマイクロ波との結合状態を最適化するために備えられているもので、マイクロ波の反射位置を変化させて定在波パターンを調整可能とするべく第3導波管ピース13の右側端部に連結されている。従って、定在波を利用しない場合は、当該スライディングショート40に代えて、電波吸収作用を有するダミーロードが取り付けられる。
【0043】
図7は、スライディングショート40の内部構造を示す透視斜視図である。図7に示すように、スライディングショート40は、導波管10と同様な断面矩形の筐体構造を備えており、導波管10と同じ材料で構成された中空空間410を有する筐体部41と、前記中空空間410内に収納された円柱状の反射ブロック42と、反射ブロック42の基端部に一体的に取り付けられ前記中空空間410内を左右方向に摺動する矩形ブロック43と、この矩形ブロック43に組み付けられた移動機構44と、反射ブロック42にシャフト45を介して直結されている調整ノブ46とが備えられている。
【0044】
反射ブロック42は、マイクロ波の反射面となる先端面421が第3導波管ピース13の導波空間130に対向するよう左右方向に延在する円柱体である。この反射ブロック42は、矩形ブロック43と同様な角柱状を呈していても良い。前記移動機構44は、調整ノブ46の回転操作により矩形ブロック43及びこれと一体化された反射ブロック42を左右方向に推進若しくは後退させる機構であって、調整ノブ46を回転させることで反射ブロック42が中空空間410内において矩形ブロック43にてガイドされつつ左右方向に移動可能とされている。かかる反射ブロック42の移動による先端面421の位置調整によって、定在波パターンが最適化される。なお、調整ノブ46の回転操作を、ステッピングモータ等を用いて自動化することが望ましい。
【0045】
サーキュレータ50は、例えばフェライト柱を内蔵する導波管型の3ポートサーキュレータからなり、一旦はプラズマ発生部30へ向けて伝搬されたマイクロ波のうち、プラズマ発生部30で電力消費されずに戻って来る反射マイクロ波を、マイクロ波発生装置20に戻さずダミーロード60へ向かわせるものである。このようなサーキュレータ50を配置することで、マイクロ波発生装置20が反射マイクロ波によって過熱状態となることが防止される。
【0046】
図8は、サーキュレータ50の作用を説明するためのプラズマ発生ユニットPUの上面図である。図示するように、サーキュレータ50の第1ポート51には第1導波管ピース11が、第2ポート52には第2導波管ピース12が、さらに第3ポート53にはダミーロード60がそれぞれ接続されている。そして、マイクロ波発生装置20のマイクロ波送信アンテナ22から発生されたマイクロ波は、矢印aで示すように第1ポート51から第2ポート52を経由して第2導波管ピース12へ向かう。一方、第2導波管ピース12側から入射する反射マイクロ波は、矢印bで示すように、第2ポート52から第3ポート53へ向かうよう偏向され、ダミーロード60へ入射される。
【0047】
ダミーロード60は、上述の反射マイクロ波を吸収して熱に変換する水冷型(空冷型でも良い)の電波吸収体である。このダミーロード60には、冷却水を内部に流通させるための冷却水流通口61が設けられており、反射マイクロ波を熱変換することにより発生した熱が前記冷却水に熱交換されるようになっている。
【0048】
スタブチューナ70は、導波管10とプラズマ発生ノズル31とのインピーダンス整合を図るためのもので、第2導波管ピース12の上面板12Uに所定間隔を置いて直列配置された3つのスタブチューナユニット70A〜70Cを備えている。図9は、スタブチューナ70の設置状況を示す透視側面図である。図示するように、3つのスタブチューナユニット70A〜70Cは同一構造を備えており、第2導波管ピース12の導波空間120に突出するスタブ71と、該スタブ71に直結された操作棒72と、スタブ71を上下方向に出没動作させるための移動機構73と、これら機構を保持する外套74とから構成されている。
【0049】
スタブチューナユニット70A〜70Cに各々備えられているスタブ71は、その導波空間120への突出長が各操作棒72により独立して調整可能とされている。これらスタブ71の突出長は、例えばマイクロ波電力パワーをモニターしつつ、中心導電体32による消費電力が最大となるポイント(反射マイクロ波が最小になるポイント)を探索することで決定される。なお、このようなインピーダンス整合は、必要に応じてスライディングショート40と連動させて実行される。このスタブチューナ70の操作も、ステッピングモータ等を用いて自動化することが望ましい。
【0050】
搬送手段Cは、所定の搬送路に沿って配置された複数の搬送ローラ80を備え、図略の駆動手段により搬送ローラ80が駆動されることで、処理対象となるワークWを、前記プラズマ発生部30を経由して搬送させるものである。ここで、処理対象となるワークWとしては、プラズマディスプレイパネルや半導体基板のような平型基板、電子部品が実装された回路基板等を例示することができる。また、平型形状でないパーツや組部品等も処理対象とすることができ、この場合は搬送ローラに代えてベルトコンベア等を採用すれば良い。
【0051】
次に、実施の形態1によるワーク処理装置Sの電気的構成について説明する。図10は、ワーク処理装置Sの制御系90を示すブロック図である。この制御系90はCPU(中央演算処理装置)等からなり、機能的にマイクロ波出力制御部91、ガス流量制御部92、モータ制御部93,98、全体制御部94を備えている。さらに、全体制御部94に対してユーザの操作に応じた操作信号を与える操作部95、ユーザに欠陥ワークを報知する表示部97を備えている。
【0052】
マイクロ波出力制御部91は、マイクロ波発生装置20から出力されるマイクロ波のON−OFF制御、出力強度制御を行うもので、所定のパルス信号を生成してマイクロ波発生装置20の動作制御を行う。具体的には、マイクロ波出力制御部91は、全体制御部94からマイクロ波停止信号を受信したとき、マイクロ波発生装置20にマイクロ波の出力を停止させ、全体制御部94からマイクロ波出力信号を受信したとき、マイクロ波発生装置20にマイクロ波の出力を開始させる。
【0053】
ガス流量制御部92は、プラズマ発生部30の各プラズマ発生ノズル31へ供給する処理ガスの流量制御を行うものである。具体的には、ガスボンベ等の処理ガス供給源921とプラズマ発生ノズル31との間を接続するガス供給管922に設けられた流量制御弁923の開閉制御乃至は開度調整を行う。また、ガス流量制御部92は、全体制御部94から閉信号を受信した場合、流量制御弁923を閉じ、開信号を受信した場合、流量制御弁を開け、開信号のレベルに応じて、流量制御弁923の開度を調整する。なお、図10においては、1つのガス流量制御部92と流量制御弁923としか示していないが、実際には、8本のプラズマ発生ノズル31の各々に対応する8つのガス流量制御部92と流量制御弁923とが存在する。そして、8つのガス流量制御部92は、全体制御部94によって個別に制御される。また、ガス流量制御部92と流量制御弁923の個数は、8つに限定されず、プラズマ発生ノズル31の個数に応じて適宜変更される。
【0054】
モータ制御部93は、搬送ローラ80を回転駆動させる駆動モータ931の動作制御を行うもので、ワークWの搬送開始及び停止、搬送速度の制御等を行う。
【0055】
全体制御部94は、当該ワーク処理装置Sの全体的な動作制御を司り、操作部95から与えられる操作信号に応じて、上記マイクロ波出力制御部91、ガス流量制御部92及びモータ制御部93を、所定のシーケンスに基づいて動作制御する。すなわち、予め与えられた制御プログラムに基づいて、ワークWの搬送を開始させてワークWをプラズマ発生部30へ導き、所定流量の処理ガスを各プラズマ発生ノズル31へ供給させつつマイクロ波電力を与えてプラズマ(プルームP)を発生させ、ワークWを搬送しながらその表面にプルームPを放射させるものである。これにより、複数のワークWを連続的に処理することができる。
【0056】
特に、実施の形態1において、全体制御部94は、除去量検出部941、及び欠陥ワーク判定部942の機能を備えている。除去量検出部941は、撮影部101により撮影されたプラズマ処理前のワークWの画像(処理前画像)と撮影部102により撮影されたプラズマ処理後のワークWの画像(処理後画像)との差分画像を求め、この差分画像からプラズマ処理によるパーティクルの除去量を検出する。
【0057】
欠陥ワーク判定部942は、除去量検出部941によって検出されたパーティクルの除去量を所定の目標除去量と比較することで欠陥ワークであるか否かを判定する。
【0058】
欠陥ノズル検出部943は、除去量検出部941によって検出された各プラズマ発生ノズル31のパーティクルの除去量を所定の目標除去量と比較することで、欠陥ノズルの有無を検出する。なお、除去量検出部941及び欠陥ノズル検出部943は検出手段の一例に相当し、欠陥ワーク判定部942は欠陥ワーク判定手段の一例に相当する。
【0059】
また、欠陥ワーク判定部942は、欠陥ワークと判定した場合、当該ワークが欠陥ワークであることを示す情報を表示部97に表示させる。また、欠陥ワーク判定部942は、欠陥ワークと判定した場合、当該ワークWの先端が、切替板81の後端に到達したとき、切替板81をスライドさせ、当該ワークWを第2の搬送経路D2に導く。
【0060】
モータ制御部98は、切替板81をスライドさせる駆動モータ981の動作制御を行い、欠陥ワーク判定部942の制御の下、欠陥ワークと判定されたワークWが第2の搬送経路D2に押し出されるように、駆動モータ981を駆動させる。
【0061】
表示部97は、液晶ディスプレイ、陰極線管ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ等の表示装置から構成され、全体制御部94の制御の下、種々の情報を表示する。
【0062】
次に、実施の形態1によるワーク処理装置Sの動作について説明する。図11は、実施の形態1によるワーク処理装置Sの動作を示すフローチャートである。まず、ステップS1において、ワーク処理装置Sは、欠陥ノズルの検出処理を行う。なお、欠陥ノズルの検出処理については後述する。
【0063】
ステップS2において、全体制御部94は、モータ制御部93に駆動モータ931を駆動させて搬送ローラ80を駆動させ、搬送手段CにワークWを搬送させる。
【0064】
ステップS3において、除去量検出部941は、撮影部101によりワークWにプリントされたリファレンスマークRMが検出されると(ステップS3でYES)、撮影部101に処理前画像の撮影を開始させる(ステップS4)。一方、ステップS3において、NOと判定された場合、処理がステップS3に戻される。図12は、リファレンスマークRMを示した図である。図12に示すようにリファレンスマークRMは、ワークWに対して予め定められた汚れの除去対象となる領域(除去領域D1)の開始位置と終了位置とを示し、例えば、ワークWの幅方向の端において、ワークWの搬送方向の上流側と下流側との位置にベタ状にプリントされた矩形状のマークである。
【0065】
従って、除去量検出部941は、上流側のリファレンスマークRMが撮影部101により検出されると、撮影部101から出力されるワークWの露光データの取り込みを開始し、下流側のリファレンスマークRMが撮影部101により検出されると、撮影部101から出力されるワークWの露光データの取り込みを終了する。そして、取り込んだ露光データを処理前画像として、図略のRAMに一時的に記憶する。なお、除去領域がワークW全域に及ぶ場合は、リファレンスマークRMは不要である。この場合、除去量検出部941は、撮影部101がワークWの先端を検出したときに、露光データの取り込みを開始し、撮影部101がワークWの後端を検出したときに、露光データの取り込みを終了すればよい。
【0066】
ここで、実施の形態1では、撮影部101のピクセルサイズは、7μm×7μmであり、1ラインあたりの露光時間は600(μs/ライン)であり、各画素は12ビットの分解能(すなわち、1画素あたり、4096階調を再現可能)を有するものとする。
【0067】
そして、撮影部101は、搬送方向の長さが1300mmのワークWを20sかけて露光するものとすると、20s/600μs=33333,1300mm/33333の演算から、1ラインあたりの搬送方向の露光長は、39μmとなる。
【0068】
従って、撮影部101の1画素あたりの露光範囲は7μm×39μm=273μmとなり、1μm×1μmのパーティクルの1画素あたりの露光範囲に対する割合は、1/273=0.37%となる。そして、撮影部101の分解能は4096階調であるため、プラズマ処理の前後で1μm×1μmのパーティクルの変化を検出することができる。
【0069】
ステップS5において、全体制御部94は、ガス流量制御部92に流量制御弁923を開かせ、プラズマ発生部30にガスを供給すると共に、マイクロ波発生装置20にマイクロ波を出力させ、プラズマ発生部30からプラズマを放出させる。これにより、ワークWはプラズマ処理が施され、表面に付着した微細な汚れであるパーティクルが除去される。
【0070】
ステップS6において、除去量検出部941は、撮影部102によりプラズマ処理が施されたワークWの上流側のリファレンスマークRMが検出されると(ステップS6でYES)、撮影部101と同様にして、撮影部102を用いて、下流側のリファレンスマークRMが検出されるまで、ワークWの露光データの取り込み、処理後画像を取得する(ステップS7)。一方、ステップS6でNOと判定された場合、処理がステップS6に戻される。
【0071】
ステップS7において、除去量検出部941は、処理前画像から処理後画像を差し引き両画像の差分画像を算出し、差分画像からパーティクルの除去量を検出する(ステップS8)。図13は、処理前画像、処理後画像、及び差分画像との関係を示した図であり、(a)は処理前画像を示し、(b)は処理後画像を示し、(c)は差分画像を示している。(a)に示す処理前画像では、左上と右下とにパーティクルPAを示す画像が表れ、ワークWのこの位置にパーティクルPAが付着していることが分かる。そして、(a)に示す処理前画像のワークWに対してプラズマ処理を施すと、左上のパーティクルPAの一部が除去されると共に、右下のパーティクルPAが除去されたため、(b)に示すように、左上のパーティクルPAを示す画像の一部が点線で示すように消失すると共に、右下のパーティクルPAを示す画像が点線で示すように消失していることが分かる。
【0072】
従って、(a)に示す処理前画像から(b)に示す処理後画像を差し引くと、除去されずに残存するパーティクルPAを示す画像が相殺されることから、(c)に示すように、差分画像には、(a)に示す左上のパーティクルPAからプラズマ処理により除去されたパーティクルPAを示す画像((b)に示す消失した画像)が表れ、プラズマ処理により除去された(a)に示す右下のパーティクルPAの画像が表れていることが分かる。
【0073】
よって、(c)に示す差分画像に表れるパーティクルPAの画像を求めることにより、プラズマ処理によるパーティクルPAの除去量を検出することができる。詳細には、以下のようにして、パーティクルPAの除去量が検出される。
【0074】
図14は、撮影部101,102の1画素の露光領域GA(本実施の形態では273μm)と階調値との関係を示した図である。(a)では、露光領域GAの全域にパーティクルPAが存在しているため、撮影部101,102は、この露光領域GAの階調値を4096とする。(b)では、露光領域GAにパーティクルPAが全く存在していないため、撮影部101,102は、この露光領域GAの階調値を0とする。(c)では、露光領域GAの半分の領域にパーティクルPAが存在しているため、撮影部101,102は、この露光領域GAの階調値を2048とする。
【0075】
従って、処理前画像において2048の階調値を有する画素が、処理後画像において1024の階調値となった場合、差分画像において当該画素の階調値は1024となるため、1024/4096×273μmのパーティクルPAが除去されたことが分かる。
【0076】
以上のようにして、除去量検出部941は、差分画像の各画素の階調値を階調数である4096で除し、1画素あたりの露光領域の面積である273μmを乗じ、得られた値を積算することで、パーティクルPAの除去量を算出する。
【0077】
ステップS9において、欠陥ワーク判定部942は、ステップS8で算出されたパーティクルPAの除去量を、予め定められた目標とするパーティクルPAの除去量である目標除去量以上であるか否かを判定し、目標除去量以上の場合(ステップS9でYES)、切替板81をスライドさせずに、ワークWを第1の搬送経路D1に搬送する(ステップS11)。ステップS12において、欠陥ワーク判定部942は、現在プラズマ処理が終了された直後のワークWが正常なワークWであることを示す情報を表示部97に表示する。
【0078】
一方、ステップS9において、パーティクルPAの除去量が目標除去量未満の場合(ステップS9でNO)、欠陥ワーク判定部942は、切替板81をスライドさせ、欠陥ワークであると判定したワークWを第2の搬送経路D2に搬送する(ステップS10)。ステップS13において、欠陥ワーク判定部942は、現在プラズマ処理が終了された直後のワークWが欠陥ワークであることを示す情報を表示部97に表示し、欠陥ワークの存在をユーザに報知する。
【0079】
次に、ステップS1に示す欠陥ノズルの検出処理について説明する。図15は、欠陥ノズルの検出処理を示すフローチャートである。まず、ステップS101において、全体制御部94は、モータ制御部93に駆動モータ931を駆動させて搬送ローラ80を駆動させ、搬送手段にプラズマの出力状態を監視するためのテストワークを搬送させる。ここで、テストワークは、幅方向のサイズがプラズマ発生ノズル31の左右方向の幅員とほぼ同じ大きさを有し、表面の全域にパーティクルPAが一定の密度で付着されている。
【0080】
ステップS102において、除去量検出部941は、撮影部101によりテストワークの先端が検出されると、撮影部101によりプラズマ処理が施される前のテストワークの画像を取得させる。
【0081】
ステップS103において、全体制御部94は、ガス流量制御部92に流量制御弁923を開かせ、プラズマ発生部30にガスを供給すると共に、マイクロ波発生装置20にマイクロ波を出力させ、プラズマ発生部30からプラズマを放出させる。これにより、テストワークはプラズマ処理が施され、表面に付着した微細な汚れであるパーティクルが除去される。
【0082】
ステップS104において、除去量検出部941は、撮影部102によりプラズマ処理が施されたテストワークの先端が検出されると、テストワークの後端が検出されるまで、撮影部102にテストワークを撮影させ、プラズマ処理後のテストワークの露光データを取り込み、処理後画像を取得する。
【0083】
ステップS105は、除去量検出部941は、テストワークの処理前画像を8個のプラズマ発生ノズル31の各々に対向する8個の領域DOM1〜DOM8に分割すると共に、テストワークの処理後画像を処理前画像と同様に8個の領域DOM1´〜DOM8´に分割し、DOM1−DOM1´,DOM2−DOM2´,・・・,DOM8−DOM8´の演算を行い8個のプラズマ発生ノズル31の各々に対応する8個の差分画像DEF1−DEF8を算出し、図11に示すステップS8と同様の処理を実行して8個のプラズマ発生ノズル31の各々のパーティクルPAの除去量を算出する。
【0084】
ステップS106において、欠陥ノズル判定部943は、ステップS105で算出された8個のプラズマ発生ノズル31の各々のパーティクルPAの除去量を領域DOM1〜DOM8に対して予め定められた目標除去量以上であるか否かを判定し、全てのプラズマ発生ノズル31のパーティクルPAの除去量が目標除去量以上の場合、欠陥ノズルは存在しないと判定し(ステップS106でNO)、処理をリターンさせ、少なくとも1つのプラズマ発生ノズル31のパーティクルPAの除去量が目標除去量未満である場合、欠陥ノズルは存在すると判定し(ステップS106でYES)、処理をステップS107に進める。ここで、目標除去量は全プラズマ発生ノズル31に対して同一の値を採用してもよいし、プラズマ発生ノズル31に応じて異なる値を採用してもよい。
【0085】
ステップS107において、欠陥ノズル検出部943は、欠陥ノズルが存在することを示す情報を表示部97に表示し、欠陥ノズルの存在をユーザに報知する。ここで、欠陥ノズル検出部943は、8個のプラズマ発生ノズル31のうち、どのプラズマ発生ノズル31が欠陥ノズルであるかが識別できるように、欠陥ノズルの存在を報知する。
【0086】
ステップS108において、全体制御部94は、欠陥ノズルが存在するため、ワーク処理装置Sの稼働を停止させる。
【0087】
以上説明したように、実施の形態1によるワーク処理装置Sによれば、プラズマ処理の前後におけるワークの画像を撮影し、両画像の差分画像からパーティクルPAの除去量を求め、当該除去量が目標除去量に到達していない場合は、当該ワークWを欠陥ワークとして第2の搬送経路D2に搬送すると共に、表示部97に欠陥ワークであることを示す情報を表示する。そのため、ユーザはワークWを目視したり、他の分析装置を用いたりしなくとも汚れの除去量をインラインにより速やかに認識することができる。その結果、大量のワークの洗浄を効率良く行うことができる。また、汚れの除去量を認識することで、プラズマ発生ユニットPUが不具合を起こしていることも認識することができる。
【0088】
更に、テストワークの処理前画像と処理後画像とを取得し、両画像を各プラズマ発生ノズル31に対応する8個の領域DOM1〜DOM8に分け、各領域の差分画像DEF1〜DEF8を算出して、各プラズマ発生ノズル31のパーティクルの除去量を求め、欠陥ノズルの存在を判定しているため、直接測定することが困難なプラズマを測定しなくとも、欠陥ノズルの存在を精度よく検出することができる。
【0089】
なお、本実施の形態において、欠陥ノズル検出部943は、各プラズマ発生ノズル31のパーティクルPAの除去量を表示部97に表示させてもよい。これにより、ユーザは各プラズマ発生ノズル31の出力の劣化等を認識することができ、欠陥ノズルが発生する前に適切な措置を講じることが可能となる。
【0090】
(実施の形態2)
実施の形態2によるワーク処理装置Saは、パーティクルPAの除去量を算出した後、その除去量に基づいて、プラズマ発生ユニットPUから放出されるプラズマの出力をフィードバック制御することを特徴とする。なお、実施の形態2によるワーク処理装置Saにおいて、実施の形態1のワーク処理装置Sと同一のものは同一の符号を付して説明を省略する。
【0091】
図16は、実施の形態2によるワーク処理装置Saの制御系90aを示すブロック図である。実施の形態2においては、全体制御部94の有する機能が実施の形態1と相違すると共に、D/A変換器99を備えている。すなわち、全体制御部94は、欠陥ワーク判定部942に代えて出力制御部944を備えている。出力制御部944は、除去量検出部941により検出されたパーティクルPAの除去量が、目標除去量より小さい場合、マイクロ波のパワーが増大されるようにマイクロ波発生装置20を制御する。一方、パーティクルPAの除去量が、目標除去量より大きい場合、マイクロ波のパワーが減少されるように、マイクロ波発生装置20を制御する。
【0092】
D/A変換器99は、マイクロ波発生装置20のアノード電極に接続され、出力制御部944の制御の下、マイクロ波発生装置20から出力されるマイクロ波のパワーを調整するためのバイアス電流をデジタル・アナログ変換して、マイクロ波発生装置20に出力する。
【0093】
次に、実施の形態2によるワーク処理装置Saの動作について説明する図16は実施の形態2によるワーク処理装置Saの動作を示すフローチャートである。ステップS21〜S28までの処理は図11に示すステップS1〜S8と同一であるため、説明を省略する。ステップS29において、出力制御部944は、ステップS28で検出されたパーティクルPAの除去量と目標除去量とを比較し、検出された除去量が目標除去量より小さい場合(ステップS29で1)、現在設定されているバイアス電流の大きさを所定の分解能分増大させ、D/A変換器99を介してマイクロ波発生装置20に出力し、処理をステップS22に戻す。これにより、マイクロ波発生装置20から出力されるマイクロ波のパワーが増大し、次に搬送されるワークWに対して放出されるプラズマの出力を増大させることができる。
【0094】
一方、ステップS29において、ステップS28で検出された除去量が目標除去量よりも小さい場合(ステップS29で3)、出力制御部944は、現在設定されているバイアス電流の大きさを所定の分解能分減少させ、D/A変換器99を介してマイクロ波発生装置20に出力し、処理をステップS22に戻す。これにより、マイクロ波発生装置20から出力されるマイクロ波のパワーが減少し、次に搬送されるワークWに対して放出されるプラズマの出力を減少させることができる。
【0095】
一方、ステップS29において、ステップS28で検出された除去量が目標除去量に等しい場合(ステップS29で2)、現在設定されているバイアス電流の大きさをそのまま維持して、処理をステップS22に戻す。
【0096】
以上説明したように、実施の形態2によるワーク処理装置Saによれば、パーティクルPAの除去量と目標除去量とを比較し、パーティクルPAの除去量が目標除去量となるように、マイクロ波発生装置20から出力されるマイクロ波のパワーが調整されるため、ワークに対して適切な出力のプラズマを放出することができる。
【0097】
(実施の形態3)
次に実施の形態3によるワーク処理装置Sbについて説明する。ワーク処理装置Sbは、1枚のワークWに対するプラズマ処理中に、当該ワークWの画像を取得し、ワークWに付着するパーティクルの量に応じた出力のプラズマをプラズマ発生ノズル31から放出することを特徴とする。
【0098】
図18はワーク処理装置Sbの制御系90bのブロック図を示している。なお、実施の形態3において、実施の形態1,2と同一のものは同一の符号を付し、説明を省略する。実施の形態3では、全体制御部94は、汚れ量検出部945及び出力制御部944bを備えている。また、図10で示す撮影部102が省かれている。更に、撮影部101とプラズマ発生ノズル31との間隔は、実施の形態1,2に比べて短くなっている。
【0099】
汚れ量検出部945は、撮影部101により撮影されたワークWの露光データを所定ライン分取り込む毎に、取り込んだ所定ライン分の画像から当該領域に存在するパーティクルPAの量である汚れ量を検出する。なお、汚れ量検出部945は検出手段に相当する。
【0100】
出力制御部944bは、汚れ量検出部945により検出された汚れ量に対して予め定められた出力のプラズマが放出されるようにバイアス電流をプラズマ発生部30に出力する。
【0101】
次に、ワーク処理装置Sbの動作について説明する。図19は、ワーク処理装置Sbの動作を示すフローチャートである。
【0102】
まず、ステップS41において、全体制御部94は、搬送手段CにワークWの搬送を開始させる。ステップS42において、撮影部101は、ワークの先端を検出すると、出力制御部944bは、撮影部101によりワークの先端が検出されてからワークの先端がプラズマ発生ノズル31に到達したときに、プラズマの放出を開始させる(ステップS43)。ここで、ワークWの搬送速度と撮影部101とプラズマ発生ノズル31との距離は一定であるため、当該距離と時間とから予め算出された時間を出力制御部944bは記憶しており、この時間からプラズマの放出タイミングを定める。
【0103】
ステップS44において、汚れ量検出部945は、撮影部101から出力される所定ライン分の露光データを処理前画像ブロックとして取り込み、取り込んだ処理前画像ブロックから、当該処理前画像ブロックが示すワークWの領域に含まれる汚れ量を検出する(ステップS45)。
【0104】
ここで、汚れ量検出部945は、図11のステップS8において、除去量検出部941が差分画像からワークWの汚れの除去量を検出する手法と同一の手法を用いて、汚れ量を検出する。また、汚れ量検出部945は、各処理前画像ブロックを特定するための情報(例えば、処理前画像ブロックのワークWの先端からの順序を示す番号)に、各処理前画像ブロックの汚れ量を対応づけて、図略のRAM等に一時的に記憶させる。
【0105】
ステップS46において、ある処理前画像ブロックが示すワークWの領域が、撮影部101を通過してから、プラズマ発生ノズル31に到達するまでの時間が経過したときに、当該領域を示す処理前画像ブロックに対応付けられた汚れ量に対して予め定められたバイアス電流をプラズマ発生部30に出力する。これにより、処理前画像が示すワークWの領域の汚れ量に応じた出力のプラズマが放出されることになる。
【0106】
ここで、汚れ量とバイアス電流とは、汚れ量が大きくなるほどバイアス電流の大きさが大きくなるような関係を有しており、汚れ量に応じて適切な出力のプラズマが放出されるような実験的に得られた値を有している。
【0107】
ステップS47において、出力制御部944bは、撮影部101によりワークWの後端が検出された場合(ステップS47でYES)、プラズマの放出を終了する(ステップS48)。一方、ステップS47において、出力制御部944bは、撮影部101によりワークの後端が検出されない場合(ステップS47でNO)、処理をステップS44に戻し、引き続きワークWに対してプラズマ処理を実行する。
【0108】
以上説明したように、実施の形態3によるワーク処理装置Sbによれば、処理前ブロック画像が示すワークWの領域の汚れ量が検出され、当該汚れ量に応じた出力のプラズマがワークWに放出されるため、ワークWに付着するパーティクルPAをより正確に除去することができる。
【0109】
なお、本発明は以下の態様を採用してもよい。
【0110】
(1)上記実施の形態1,2では示さなかったが、実施の形態1に示すパーティクルPAの除去量を基に、欠陥ワークを検出する処理と実施の形態2に示すパーティクルPAの除去量を基にプラズマの出力をフィードバック制御する処理とを組み合わせても良い。この場合、図11において、パーティクルPAの除去量が目標除去量に未満である場合、ワークWをスイッチバックさせて、上流側に搬送し、出力制御部944はバイアス電流の大きさを所定の分解能分増大させ、プラズマをプラズマ発生ユニットPUに搬送して再度プラズマ処理を実行し、パーティクルPAの除去量が目標除去量であるか否かを判定する。そして、所定回数プラズマ処理を施してもパーティクルPAの除去量が目標除去量未満である場合、欠陥ワーク判定部942は、当該ワークWを欠陥ワークとして判定する。
【0111】
(2)実施の形態1,2では、パーティクルPAの除去量を目標除去量と比較する処理を行っていたが、これに限定されず、パーティクルPAの除去量の割合(除去率)を予め定められた規定値と比較することで、欠陥ワークであるか否かの判定、及びバイアス電流を増大させるか否かの判定を行ってもよい。この場合、処理前画像からワークWに付着するパーティクルPAの量を求め、この量で、差分画像から算出したパーティクルPAの除去量を除すことで、除去率を算出すればよい。
【0112】
(3)実施の形態2,3では、バイアス電流を調整することで、プラズマの出力を設定していたが、これに限定されず、流量制御弁923の開度を調整し、プラズマ発生装置20に供給される処理ガスの供給量を調整することで、プラズマの出力を設定してもよい。また、マイクロ波のパワーの調整と、処理ガスの供給量の調整とを組み合わせてプラズマの出力をフィードバック制御してもよい。
【0113】
(4)実施の形態1,2ではワークWとしてガラス基板を用いたが、これに限定されず、回路基板をワークWとして採用してもよい。
【0114】
(5)上記実施の形態1では、複数のプラズマ発生ノズル31を一列に整列配置した例を示したが、ノズル配列はワークWの形状やマイクロ波電力のパワー等に応じて適宜決定すればよく、たとえばワークWの搬送方向に複数列プラズマ発生ノズル31をマトリクス整列したり、千鳥配列したりしてもよい。
【0115】
(6)上記実施の形態1では、搬送手段Cとして搬送ローラ80の上面に平板状のワークWを載置して搬送する形態を例示したが、この他に、たとえば上下の搬送ローラ間にワークWをニップさせて搬送させる形態、搬送ローラを用いず所定のバスケット等にワークWを収納し前記バスケット等をラインコンベア等で搬送させる形態、或いはロボットハンド等でワークWを把持してプラズマ発生部30へ搬送させる形態であってもよい。
【0116】
(7)上記実施の形態1,2では、マイクロ波発生源として2.45GHzのマイクロ波を発生するマグネトロンを例示したが、マグネトロン以外の各種高周波電源も使用可能であり、また2.45GHzとは異なる波長のマイクロ波を用いるようにしてもよい。
【0117】
(8)実施の形態2では、第1の搬送経路D1と第2の搬送経路D2とを設けて、欠陥ワークを第2の搬送経路D2に搬送するようにしたが、これに限定されず、欠陥ワークをスイッチバックさせて、上流側に搬送することで、正常なワークWと欠陥ワークとを区別してもよい。この場合、第2の搬送経路D2が不要となり、装置の小型化を図ることができる。
【0118】
(9)実施の形態1,2では示していなかったが、除去量検出部941は、検出したパーティクルPAの除去量を表示部97に表示してもよい。
【0119】
(10)実施の形態3において、撮影部102を省いたが、撮影部102に代えて撮影部101を省き、撮影部102によりプラズマ処理後のワークWの露光データが所定ライン分出力される毎に、当該所定ライン分の露光データを処理後画像ブロックとして取得し、処理後画像ブロックが示すワークWの領域の汚れ量を求め、当該汚れ量から、ワークの汚れの状態を検出すると共に、前記処理後画像ブロックの以降のワークWの領域に対して放出するプラズマの出力を定めても良い。
【0120】
(11)実施の形態3において、汚れ量検出部945は、処理前画像毎に検出した汚れ量を積算して、ワークWに付着するパーティクルPAの量を表示部97に表示して、ユーザにワークWの汚れの状態を報知してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0121】
本発明に係るワーク処理装置は、半導体ウェハ等の半導体基板に対するエッチング処理装置や成膜装置、プラズマディスプレイパネル等のガラス基板やプリント基板の清浄化処理装置等に好適に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0122】
【図1】本発明に係るワーク処理装置の全体構成を示す斜視図である。
【図2】図1とは視線方向を異ならせたプラズマ発生ユニットの斜視図である。
【図3】ワーク処理装置の一部透視側面図である。
【図4】2つのプラズマ発生ノズルを拡大して示す側面図(一方のプラズマ発生ノズルは分解図として描いている)である。
【図5】図4のA−A線側断面図である。
【図6】プラズマ発生ノズルにおけるプラズマの発生状態を説明するための透視側面図である。
【図7】スライディングショートの内部構造を示す透視斜視図である。
【図8】サーキュレータの作用を説明するためのプラズマ発生ユニットの上面図である。
【図9】スタブチューナの設置状況を示す透視側面図である。
【図10】ワーク処理装置の制御系を示すブロック図である。
【図11】実施の形態1によるワーク処理装置の動作を示すフローチャートである。
【図12】リファレンスマークを示した図である。
【図13】処理前画像、処理後画像、及び差分画像との関係を示した図であり、(a)は処理前画像を示し、(b)は処理後画像を示し、(c)は差分画像を示している。
【図14】撮影部の1画素の露光領域(本実施の形態では273μm)と階調値との関係を示した図である。
【図15】欠陥ノズルの検出処理を示すフローチャートである。
【図16】実施の形態2によるワーク処理装置の制御系を示すブロック図である。
【図17】実施の形態2によるワーク処理装置の動作を示すフローチャートである。
【図18】実施の形態3によるワーク処理装置の制御系を示すブロック図である。
【図19】実施の形態3によるワーク処理装置の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0123】
10 導波管
20 マイクロ波発生装置
30 プラズマ発生部
31 プラズマ発生ノズル
32 中心導電体
33 ノズル本体
34 ノズルホルダ
344 ガス供給孔
36 保護管
40 スライディングショート
50 サーキュレータ
60 ダミーロード
70 スタブチューナ
80 搬送ローラ
90 全体制御部
91 マイクロ波出力制御部
92 ガス流量制御部
921 処理ガス供給源
922 ガス供給管
923 流量制御弁
93 98 モータ制御部
931 981 駆動モータ
95 操作部
94 全体制御部
941 除去量検出部
942 欠陥ワーク判定部
943 欠陥ノズル検出部
944 出力制御部
S S1 ワーク処理装置
PU プラズマ発生装置
C 搬送手段
W ワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマを放出することでワークに付着する汚れを除去するプラズマ発生手段と、
前記プラズマ発生手段により汚れを除去した後のワークの画像を取得する画像取得手段と、
前記画像取得手段により取得された汚れを除去した後のワークの画像を基に、当該ワークの汚れの状態を検出する検出手段とを備えることを特徴とするワーク処理装置。
【請求項2】
前記画像取得手段は、前記プラズマ発生手段により汚れを除去する前の画像と汚れを除去した後の画像とを取得し、
前記検出手段は、前記画像取得手段により取得された汚れを除去する前の画像と汚れを除去した後の画像とを比較し、プラズマを放出することで除去された汚れの除去量を前記汚れの状態として検出し、
前記検出手段により検出された汚れの除去量を基に、前記プラズマ発生手段から放出されるプラズマの状態を検出することを特徴とする請求項1記載のワーク処理装置。
【請求項3】
前記検出手段により検出された汚れの状態が、基準とする汚れの状態を超える場合、当該ワークを欠陥ワークと判定する欠陥ワーク判定手段を更に備えることを特徴とする請求項1又は2記載のワーク処理装置。
【請求項4】
前記欠陥ワーク判定手段により欠陥ワークと判定されたワークを、正常なワークと区別可能に搬送するワーク搬送手段を更に備えることを特徴とする請求項3記載のワーク処理装置。
【請求項5】
前記検出手段により検出された汚れの状態に応じた出力のプラズマを、前記プラズマ発生手段から放出させる出力制御手段を更に備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のワーク処理装置。
【請求項6】
プラズマを放出することでワークに付着する汚れを除去するプラズマ発生手段と、
前記プラズマ発生手段により汚れを除去する前のワークの画像を取得する画像取得手段と、
前記画像取得手段により取得された汚れを除去する前のワークの画像を基に、ワークに付着する汚れの状態を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された汚れの状態に応じた出力のプラズマを、前記プラズマ発生手段から放出させる出力制御手段とを備えることを特徴とするワーク処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2007−273841(P2007−273841A)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−99191(P2006−99191)
【出願日】平成18年3月31日(2006.3.31)
【出願人】(000135313)ノーリツ鋼機株式会社 (1,824)
【Fターム(参考)】