説明

ワーク搬送ライン

【課題】センサ誤動作を発生しにくくして、生産性を維持することができるワーク搬送ラインを提供する。
【解決手段】 識別具40はフレーム枠37に取り付ける。IDリーダーに代表される読取装置14〜17で、情報、特にハンガー番号を読み取る。想像線で示す105はバーコード、106はバーコードリーダーであり、仮にワークであるバンパー11を直接管理する。しかし、バンパー11に付す関係で、バーコード105は当然小片となり、読み取り対象が小面積であるため、バーコードリーダー106のレンズが僅かに曇っているだけで、読み取りエラーが発生する。この点、識別具40のサイズが自由に選べれば、読み取り面積を必要なだけ拡大することができ、面積が大きいほど、読み取りの信頼性が高まる。ワーク11の代わりにワーク支持具12を検出対象としたので、センサの誤動作の要因を排除することができ、生産性を維持することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数種類のワークを受け入れ、これらのワークをワーク支持具で搬送しつつ種類別に区分してトラッキング領域に集め、指定した種類のワークを取り出すことができるワーク搬送ラインに関する。
【背景技術】
【0002】
車両用樹脂バンパーを例にとると、射出成形工程で成形されたバンパーは、次に塗装工程で塗装を施す。射出成形したバンパーの全数を同一色にすることは殆どないため、施す予定の色毎にバンパーを区分けし、その上で適宜塗装工程に流す必要がある。
【0003】
そこで、射出成形工程と塗装工程との間に、複数種類のワークを受け入れ、貯留し、指定した種類のワークを取り出すことができるワーク搬送ラインを介在させる必要がある。
ワーク搬送ラインにおいてワークを管理する各種の技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2003−171011公報(図1)
【0004】
特許文献1を次図に基づいて説明する。
図8は従来の技術の基本原理を説明する図であり、搬送ライン100に沿ってトラッキング領域A〜Dを設定し、これらのトラッキング領域A〜Dの入口にセンサSa〜Sdを配置し、材料101には番号1、2、3・・・を付与する。
【0005】
そして、番号1、2、3・・・を付与した材料101をセンサSa〜Sdで検出し、データ処理することにより、トラッキング領域A〜Dに存在する材料101の番号を特定するというものである。
【0006】
ところで、材料101を検知するセンサには、リミットスイッチなどの機械式センサ、光電センサなどの光学式センサが考えられる。機械式センサでは繰り返して使用することで回転部や摺動部が摩耗して、動きが悪くなり、誤動作が発生し易くなる。また、光学式センサではレンズが曇ると検出精度が低下し、誤動作が発生し易くなる。
【0007】
センサSa〜Sdのうちの例えばセンサSbに異常があって、センサSbで材料101が検出できない場合には、検出情報が不足又は欠落するため、ずれた材料101の位置を認定することが考えられる。
【0008】
センサSa〜Sdが正常であるか否かは、適当な故障診断手法(例えば多数の材料101が移動中であるにも拘わらず、一定時間以上センサのオンオフ信号が発せられないときに異常と診断する。)により、迅速に発見することができる。
しかし、この時点ではずれは発生しており、ワーク搬送ラインを止めて、トラッキング領域A〜Dに現実に存在する材料101の番号を全数調べて、データを修正するなどの処置を講じる必要がある。
【0009】
すなわち、材料若しくはワークに識別番号を付し、この識別番号をセンサで追跡し搬送ラインの個々の領域毎にデータテーブルを有して管理する従来の技術では、センサの誤動作が、即く搬送ラインの停止に繋がり、生産性の低下を招く。そこで、生産性を維持することができるワーク搬送ラインが求められる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は生産性を維持することができるワーク搬送ラインを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、材料若しくはワークを直接検出することに、種々の制約があることに着目した。
機械式センサであれば、材料やワークを痛めないようにごく小さな力でセンサ接点が切り替わるようにする必要があり、小さな力で切り替えるようにすると、回転部や摺動部の作動不良がセンサの作動不良に直結する。
また、光学式センサであれば、材料やワークに影響を及ぼさないように識別具を小さくする必要があり、識別具が小さいと僅かなレンズ曇りでもセンサの作動不良を招く。
【0012】
もし、材料若しくはワークを支持するパレットやハンガーをセンサの対象とすれば、機械式センサを十分に大きな力で作動させることができ、光学式センサのために十分に大きな識別具を設けることができる。
このような知見から、ワークの代わりにワークを支持するワーク支持具を管理対象とすることを試み、発明を完成することに成功した。
【0013】
すなわち、請求項1に係る発明は、複数種類のワークを受け入れ、これらのワークをワーク支持具で搬送しつつ種類別に区分してトラッキング領域に集め、指定した種類のワークを取り出すことができるワーク搬送ラインにおいて、ワーク支持具に個々に識別可能な識別具を設け、ワーク搬送ライン中に且つトラッキング領域の手前に識別具を読み取る読取装置を設け、これらの読取装置で得たワーク支持具の位置情報を一括管理する中央制御部を備えることを特徴とする。
【0014】
請求項2に係る発明は、中央制御部には、トラッキング領域毎に、そのときに存在するワーク支持具の総数をカウントするカウンタ機能を持たせたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に係る発明では、ワーク支持具に個々に識別可能な識別具を設け、ワーク搬送ライン中に且つトラッキング領域の手前に識別具を読み取る読取装置を設け、これらの読取装置で得たワーク支持具の位置情報を中央制御部で一括管理することで、任意のワーク支持具がどのトラッキング領域にあるか、又は任意のトラッキング領域にどのワーク支持具があるかを、常時、監視することができるようになった。ワーク支持具とこのワーク支持具で支持させるワークとの照合データがあれば、ワークがどのトラッキング領域にあるか、又は任意のトラッキング領域にどのワークがあるかを、常時、監視することができる。
【0016】
すなわち、ワークの代わりにワークを支持するワーク支持具を管理対象としたので、センサ(識別具)の誤動作の要因を排除することができ、生産性を維持することができる。
【0017】
請求項2に係る発明では、中央制御部に、トラッキング領域毎に、そのときに存在するワーク支持具の総数をカウントするカウンタ機能を持たせたので、トラッキング領域毎にワーク支持具の総数、すなわちワークの総数を知ることができ、ワーク搬送ラインのより高度な管理が実施できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。
図1は本発明に係るワーク搬送ラインの原理図であり、ワーク搬送ライン10は、複数種類のワーク11・・・(・・・は複数を示す。以下同様。)を受け入れ、これらのワーク11・・・をワーク支持具12・・・で搬送しつつ種類別に区分してトラッキング領域2〜4に集め、指定した種類のワーク11を取り出すことができる搬送ラインをベースとした構成体である。
【0019】
そして、ワーク支持具12・・・に個々に識別可能な識別具(図2で説明する。)を設け、ワーク搬送ライン10中に且つトラッキング領域1〜6の手前に識別具を読み取る読取装置としての第1〜第4センサ14〜17を設け、これらの第1〜第4センサ14〜17で得たワーク支持具12・・・の位置情報を一括管理する中央制御部18を備えることを特徴とする。中央制御部18は表示部19やキーボードなどの入力部21を有する。
【0020】
22は前工程の出口部、23は前工程の管理部、24は第1移載ロボット、25は第1進路切替部、26は第2進路切替部、27は領域2出口に設けた領域2用ストッパ、28は領域3出口に設けた領域3用ストッパ、29は領域4出口に設けた領域4用ストッパ、31は第2移載ロボット、32は後工程の入口部である。
【0021】
図2は本発明に係るワーク支持具及び識別具の一例を説明する斜視図であり、ハンガー形式のワーク支持具12の一例を説明する。なお、ハンガーの場合は牽引機構が必要であるが、図が複雑になるため省略した。
【0022】
ワーク支持具12は、レール34に掛けたロール35・・・と、これらのロール35・・・から下げたステー36・・・と、これらのステー36の下端に固定したフレーム枠37と、このフレーム枠37から下げた支柱38・・・と、これらの支柱38・・・から水平に延ばしたフック39・・・と、フレーム枠37に付設した識別具40とからなる。
【0023】
識別具40はフレーム枠37に取り付けるため、サイズは自由に選べる。そして、IDリーダーに代表される読取装置(第1〜第4センサ14〜17)で、情報、特にハンガー番号を読み取る。
【0024】
想像線で示す105はバーコード、106はバーコードリーダーであり、仮にワークであるバンパー11を直接管理するとすれば、バンパー11にバーコード105などの識別具を付し、これをバーコードリーダー106で読み取る必要がある。しかし、バンパー11に付す関係で、バーコード105は当然小片となり、読み取り対象が小面積であるため、バーコードリーダー106のレンズが僅かに曇っているだけで、読み取りエラーが発生する。
【0025】
この点、本発明のように識別具40のサイズが自由に選べれば、読み取り面積を必要なだけ拡大することができ、面積が大きいほど、読み取りの信頼性が高まる。
ワーク11の代わりにワーク支持具17を検出対象としたので、センサ(識別具)の誤動作の要因を排除することができ、生産性を維持することができる。
【0026】
また、バーコード105はシートに印刷し、このシートをバンパー11に貼り付ける場合には、シートを貼り付ける工程及び剥がす工程が追加となると共に、バンパー11に残る糊を剥がす工程が追加となり生産コストが嵩む。
【0027】
この点、本発明では識別具40をワーク支持具12に常設するため、シートを貼り付ける工程及び剥がす工程は不要である共に、バンパー11に残る糊を剥がす工程が不要であるため、生産コストの高騰を抑えることができる。
【0028】
以上の構成からなるワーク搬送ラインの作用を次に説明する。
図1において、ハンガー12が第1センサ14に到達した時点で、第1センサ14はハンガー12(便宜上、n番ハンガーと呼ぶ。)を検知したことを中央制御部18に伝達する。同時に、第1移載ロボット24は、前工程の出口部22にあるバンパー11をn番ハンガーに載せる。さらに同時に、載せたバンパー11の情報(型番、色指定などのワーク情報)は前工程の管理部23から中央制御部18へ伝達する。このときに伝達するワーク情報はCCCであったとする。
【0029】
この時点で、n番ハンガーは領域1の入口にあり、ワーク情報はCCCである。
そこで、中央制御部18は表示部19に次図(a)の表示をさせる。
図3は本発明に係る表示部の表示例を示す図である。
(a)に示すとおり、ハンガー番号にn、領域番号に1、領域内カウンタ値にE、ワーク情報にCCCを割り当てる。領域内カウンタ値はその領域(ここでは領域1)に、存在する同一ワーク情報(ここではCCC)のうちの何番目(ここではE)を表示する。
【0030】
なお、領域内カウンタ値は変動値であり、この領域1内の先行するCCCが次の領域2に移ると、順位が1つ繰り上がる。すなわち、時間経過と共に、E番目→(E−1)番目→(E−2)番目→・・・→1(1は先頭を意味する。)のごとく変化する。領域内カウンタ値の欄については以下同様。
【0031】
図1に戻って、n番ハンガーが第2センサ15に到達したら、第2センサ15はn番ハンガーを検知したことを中央制御部18に伝達する。
【0032】
今まで説明しなかったが、中央制御部18に、ワーク情報がAAAであれば領域2へハンガー11を導き、ワーク情報がBBBであれば領域3へハンガー11を導き、ワーク情報がCCCであれば領域4へハンガー11を導くように予め命令しておく。
【0033】
中央制御部18は、第1進路切替部25を制御して、第2センサ15を通過した後のn番ハンガーを領域3、4へ向かわせる。
n番ハンガーが第3センサ16に到達したら、第3センサ16はn番ハンガーを検知したことを中央制御部18に伝達する。
中央制御部18は、第2進路切替部26を制御して、第3センサ16を通過した後のn番ハンガーを領域4へ向かわせる。
【0034】
この時点でn番ハンガーは領域4の入口にある。ワーク情報はCCCのままである。
中央制御部18は表示部19に、図3(b)に示すとおり、ハンガー番号にn、領域番号に4、領域内カウンタ値にF、ワーク情報にCCCを表示する。領域内カウンタ値は変動値であり、時間経過と共に繰り上がる。
【0035】
図1に戻って、n番ハンガーが領域4用ストッパ29で止まっていたとする。領域4用ストッパ29を開放すればn番ハンガーが領域5へ移すことができる。この移動情報を中央制御部18に伝達する。
【0036】
この時点でn番ハンガーは領域5の入口にある。ワーク情報はCCCのままである。
中央制御部18は表示部19に、図3(c)に示すとおり、ハンガー番号にn、領域番号に5、領域内カウンタ値にG、ワーク情報にCCCを表示する。領域内カウンタ値は変動値であり、時間経過と共に繰り上がる。
【0037】
図1に戻って、n番ハンガーが第4センサ17に到達したら、第4センサ17はn番ハンガーに付した識別具を読み取り、番号nを中央制御部18に伝達する。
中央制御部18は、この番号nが、取り出し予定番号と合致していることを確認し、確認できれば、第2移載ロボット31でn番ハンガーのワーク11を後工程の入口部32へ移す。これでn番ハンガーは空になり、次の領域6へ移すことができる。
【0038】
これでn番ハンガーは領域6の入口にあり、ワーク情報は空になる。
中央制御部18は表示部19に、図3(d)に示すとおり、ハンガー番号にn、領域番号に6、領域内カウンタ値にH、ワーク情報に空を表示する。領域内カウンタ値は変動値であり、時間経過と共に繰り上がる。
【0039】
以上は正常時の作用を述べたが、ワーク搬送ラインでは次のようなトラブルが予想される。
図1において、第2センサ15、第3センサ16の誤検知や第1・第2進路切替部25、26の作動不良が予想される。なお、第1センサ14が異常の場合はワークの受け入れが滞ってワーク搬送ラインが機能しなくなり、また、第4センサ17が異常の場合はワークの取り出しが滞ってワーク搬送ラインが機能しなくなるため、第1・第4センサ14、17が異常のままで、ワーク搬送ラインの搬送作業を継続することはない。
【0040】
この点、第2センサ15、第3センサ16の誤動作や第1・第2進路切替部25、26の誤動作が発生しても、以下の理由により、しばらくは搬送作業を継続することができる。
なお、センサなどが異常のままで搬送作業を継続すると、例えば、ワーク情報CCCに係るハンガーを集める領域4に、他のワーク情報AAA、BBBに係るハンガーが混在する。この混在の対策が不可欠となる。
本発明では第4センサ17を設けたことにより、ハンガーの混在があっても搬送作業を継続することができる。その詳細を次に説明する。
【0041】
第4センサ17の位置で、取り出し予定番号と読み取ったハンガー番号とを比較するため、取り出し予定番号と読み取ったハンガー番号とに不一致が合った場合には、中央制御部18は、ワーク11の取り出しを止めて、ワーク11を載せたままのハンガー12Eを領域6へ移す。このハンガー12Eは第1センサ14を通過させて領域1へ戻すごとくに、再トライをさせる。
【0042】
中央制御部18は、取り出し予定番号と読み取ったハンガー番号とに不一致が合ったとの情報を取得したら、警告を発し、作業者に注意を促す。作業者は状況に応じて調査、センサなどの整備、修理、交換などの対策を講じる。
【0043】
ここで、重要なことは、センサなどに異常があっても、ワーク搬送ラインを止める必要が無いことである。取り出し予定番号と異なるハンガーのワークは、後工程の入口部32へ移載されないからである。すなわち、取り出し予定番号と合致したハンガーのワークのみが後工程の入口部32へ移載されるため、生産を継続することができる。
【0044】
作業者はワーク搬送ラインを止めずに、ゆっくりと警告の要因を調査することができる。すなわち、ワーク11を載せたままのハンガーが、第4センサ17を通過することを容認すれば、当分の間は、ワーク搬送ラインを止める必要がないことになり、生産性を良好に維持することができる。
【0045】
この点、ワークに直接識別番号を付し、この番号を複数のセンサで逐次監視する技術にあっては、センサの異常を放置すると、ワークの所在が不明瞭となり、ワークの管理が困難になるから、迅速にワーク搬送ラインを止めて、調査、センサの整備、修理、交換などの対策を講じる必要がある。この結果、生産性の低下は免れない。
【0046】
次に、ハンガー番号、ワーク情報、領域番号の取得方法を説明する。
図4はハンガー番号及びワーク情報の取得方法を説明するフロー図である。なお、ST××はステップ番号を示す。
ST01:先ず、第1センサでハンガー番号を読み取る。
ST02:中央制御部へハンガー番号nを伝達する。
ST03:n番ハンガーにワークを載置する。このワークの情報をCCCとする。
ST04:中央制御部へワーク情報CCCを伝達する。
これで、中央制御部は、ハンガー番号及びワーク情報を取得できたことになる。
【0047】
図5は領域番号の取得方法を説明するフロー図である。なお、ステップ番号は11(ST11)から始める。
ST11:第1センサがn番ハンガーを検知したとする。
ST12:中央制御部は、第1センサの情報に基づいてn番ハンガーが領域1にあると認定する(図3(a)参照)。
ST13:n番ハンガーが移動することで、第2センサがn番ハンガーを検知したとする。
【0048】
ST14:中央制御部には、n番ハンガーに係るワーク情報はCCCであることが記憶されており(図4のST04参照)、ここでは所定の領域にn番ハンガーを誘導する必要上、ワーク情報を確認する。すなわち、ワーク情報がAAAであるか否かを調べる。
ST15:仮に、ワーク情報がAAAであれば、中央制御部はn番ハンガーが領域2にあると認定する。
ST16:ST14でNOであれば、第3センサがn番ハンガーを検知するまで待つ。
【0049】
ST17:第3センサが検知したワーク情報がBBBであるか否かを調べる。
ST18:ST17でYESであれば、中央制御部はn番ハンガーが領域3にあると認定する。
ST19:ST17でNOであれば、中央制御部はn番ハンガーが領域4にあると認定する(図3(b)参照)。
【0050】
ST20:n番ハンガーが、領域2用ストッパ、領域3用ストッパ又は領域4用ストッパを通過したか否かを調べる。
ST21:ST20がYESであれば、中央制御部はn番ハンガーが領域5にあると認定する(図3(c)参照)。
ST22:n番ハンガーが移動して第4センサを通過する。
ST23:中央制御部はn番ハンガーが領域6にあると認定する(図3(d)参照)。
【0051】
図6は本発明の表示部に表示する基本テーブル図であり、表示部(図1符号19)には、例えば、列数が4で、行数が501のテーブルを表示させる。
第1列にハンガー番号を割り当て、第2列に領域番号を割り当て、第3列に領域内カウンタ値を割り当て、第4列にワーク情報を割り当てる。
第1列及び第4列は図4のフローにより定めることができ、第2列は図5のフローで定めることができる。
【0052】
すなわち、この基本テーブルは、中央制御部で記憶する情報に基づいて発生し、第1列は固定で、第2列から第4例は逐次更新される。図は監視時点の情報であり、仮に6番ハンガーを調べる必要があれば、第7行の表示から、6番ハンガーは現在領域3にあり、CCCのワークを載置しており、第7行−第3列から領域3内での順位は2番目であることが分かる。第3列のカウンタ値は頻繁に変化し、第2列の領域番号はそれよりゆっくり変化し、第4列のワーク情報はさらにゆっくり変化する。
作業者は、随時、最新情報を読み取ることができる。
【0053】
図7は本発明の表示部に表示する変更テーブル図であり、作業者が希望すれば変更テーブルを表示させることができる。
図6の基本テーブルをベースとし、領域番号を第1列、領域内カウンタ値を第2列、ハンガー番号を第3列に移動し、さらに、領域番号を番号順に並べ、次に領域内カウンタ値を番号順に並べることで得た、いわゆるソート処理した変更テーブルである。
【0054】
この変更テーブルによりば、各領域に何台のハンガーがあるかを瞬時に読み取ることができる。
この変更テーブルは一例を示しただけであり、基本テーブルがあれば、いかようにも変更テーブルを作製することが可能であることを意味する。
【0055】
尚、実施例では、ワークはバンパーとしたが、ワークの種類は格別限定するものではない。また、ワーク支持具はハンガーとしたが、パレットやバケットであってもよく、ワーク支持具の種類は任意である
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明は、射出成形工程と塗装工程との間に介在するワーク搬送ラインに好適である。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明に係るワーク搬送ラインの原理図である。
【図2】本発明に係るワーク支持具及び識別具の一例を説明する斜視図である。
【図3】本発明に係る表示部の表示例を示す図である。
【図4】ハンガー番号及びワーク情報の取得方法を説明するフロー図である。
【図5】領域番号の取得方法を説明するフロー図である。
【図6】本発明の表示部に表示する基本テーブル図である。
【図7】本発明の表示部に表示する変更テーブル図である。
【図8】従来の技術の基本原理を説明する図である。
【符号の説明】
【0058】
10…ワーク搬送ライン、11…ワーク、12…ワーク支持具、14〜17…読取装置としての第1〜第4センサ、18…中央制御部、40…識別具。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種類のワークを受け入れ、これらのワークをワーク支持具で搬送しつつ種類別に区分してトラッキング領域に集め、指定した種類のワークを取り出すことができるワーク搬送ラインにおいて、
前記ワーク支持具に個々に識別可能な識別具を設け、ワーク搬送ライン中に且つ前記トラッキング領域の手前に前記識別具を読み取る読取装置を設け、これらの読取装置で得たワーク支持具の位置情報を一括管理する中央制御部を備えることを特徴とするワーク搬送ライン。
【請求項2】
前記中央制御部には、トラッキング領域毎に、そのときに存在するワーク支持具の総数をカウントするカウンタ機能を持たせたことを特徴とする請求項1記載のワーク搬送ライン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−347646(P2006−347646A)
【公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−172659(P2005−172659)
【出願日】平成17年6月13日(2005.6.13)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】