説明

ワーク搬送ロボット及びワーク搬出入方法

【課題】プレスブレーキへ供給し位置決めするワークを吸着保持する機能のワーク保持手段とワークをクランプする機能のワーク保持手段とを備えたワーク搬送ロボット及びワーク搬入方法を提供する。
【解決手段】ワーク搬送ロボット1にX,Y,Z方向へ移動自在に備えたロボットヘッド15に主回転軸17を回転自在に備えると共に、当該主回転軸17の軸心に対して直交する方向のワーク支持面を備えた回転フレーム23を前記主回転軸17に一体的に備え、この回転フレーム23に支持されたワークWの一辺側を把持自在又は吸着保持自在な第1ワーク保持手段27を前記回転フレーム23に備えると共に、前記ワークWの前記一辺に隣接しかつ前記一辺に交差する方向のワークの他辺側を把持自在又は吸着保持自在の第2ワーク保持手段29を前記回転フレーム23に備え、前記第1ワーク保持手段27又は第2ワーク保持手段29の一方を、前記ワークの辺に沿う方向であって他方のワーク保持手段に対して接近離反する方向へ移動可能に構成してある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばプレスブレーキ等のごとき板材折曲げ加工機に対して板状のワークの搬出入を行うワーク搬送ロボット及びワーク搬出入方法に係り、さらに詳細には、ワークを吸着する機能を備えたワーク保持手段とワークをクランプする機能を備えたワーク保持手段とを備え、両ワーク保持手段の間においてワークの持ち換えを行うことができると共に、一方のワーク保持手段に対して他方のワーク保持手段によってワークを相対的に移動することのできるワーク搬送ロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プレスブレーキなどのごとき板材折曲げ加工機に対して板状のワークの搬出入を行うワーク搬送ロボットには、例えばバキュームカップや電磁石を利用してワークを吸着保持する形式と、ワークの一辺側をワーククランプによってクランプして把持する形式とがある。ワーク搬出入ロボットにおいて、ワークを保持するワーク保持部が前述したごとく吸着保持する形式においては、ワークの被保持部に穴等の加工が行われていると、ワークを保持することができない場合がある。また、ワークをクランプして保持する形式の場合には、ワークの被保持部に成形加工などが行われていると、この成形加工部に変形を与えることがあるので、ワークをクランプして保持することができない場合がある。
【0003】
そこで、吸着保持機能を有するワーク保持部とクランプ機能を備えたワーク保持部との両方を備えたワーク搬送ロボットも提案されている(例えば特許文献1,2参照)。
【特許文献1】特開平6−254627号公報
【特許文献2】特開2001−269737号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1に記載の構成は、板状のワークを吸着保持する機能の第1ワーク保持手段とワークをクランプし把持する機能を備えた第2ワーク保持手段とを隣接して備えた構成であるが、第1ワーク保持手段と第2ワーク保持手段とをそれぞれ個別に使用してワークを保持する構成である。
【0005】
したがって、特許文献1に記載の構成においては、第1ワーク保持手段と第2ワーク保持手段とによってワークを同時に保持することができないという問題がある。
【0006】
特許文献2に記載の構成は、ワークを吸着保持する機能の第1ワーク保持手段と、ワークをクランプして把持する機能の第2ワーク保持手段とを一体的に備えた構成であるから、第1ワーク保持手段と第2ワーク保持手段とによってワークを同時に保持することができるものの、例えば第2のワーク保持手段によってワークを保持して第1ワーク保持手段に対してワークを相対的に移動することができないという問題がある。
【0007】
したがって、前記特許文献1,2に記載の従来構成においては、板状のワークを板材折曲げ加工機へ供給してワークの折曲げ加工を行うとき、ワーク保持手段が板材折曲げ加工機と干渉する虞れがある場合、第1ワーク保持手段によってワークを保持した状態において第2ワーク保持手段のワーク保持位置を変更することができないので、折曲げ加工機から離れた位置に備えた例えば掴み替え台上にワークを一時的に載置し、ワークの保持位置を変更する必要があり、作業能率の向上を図る上において問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、前述のごとき問題に鑑みてなされたもので、ワーク位置決め部に位置決めされている板状のワークを、板材折曲げ加工機へ供給し、この板材折曲げ加工機において折曲げ加工された製品を製品格納部へ搬送するワーク搬送ロボットであって、当該ワーク搬送ロボットにX,Y,Z方向へ移動自在に備えたロボットヘッドに主回転軸を回転自在に備えると共に、当該主回転軸の軸心に対して直交する方向のワーク支持面を備えた回転フレームを前記主回転軸に一体的に備え、この回転フレームに支持されたワークの一辺側を把持自在又は吸着保持自在な第1ワーク保持手段を前記回転フレームに備えると共に、前記ワークの前記一辺に隣接しかつ前記一辺に交差する方向のワークの他辺側を把持自在又は吸着保持自在の第2ワーク保持手段を前記回転フレームに備え、前記第1ワーク保持手段又は第2ワーク保持手段の一方を、前記ワークの辺に沿う方向であって他方のワーク保持手段に対して接近離反する方向へ移動可能に構成してあることを特徴とするものである。
【0009】
また、前記ワーク搬送ロボットにおいて、前記第1ワーク保持手段はワークの支持面を吸着自在な吸着手段を備え、前記第2のワーク保持手段は、ワークをクランプ自在なワーククランプを、前記ワークから離反する方向へ移動可能かつ前記回転フレームのワーク支持面に対して没入可能に備えていることを特徴とするものである。
【0010】
また、前記ワーク搬送ロボットにおいて、前記ワーククランプは前記ワークの反対側を指向するように反転旋回可能であることを特徴とするものである。
【0011】
また、ワーク位置決め部に位置決めされている板状のワークを、板材折曲げ加工機へ供給し、この板材折曲げ加工機において折曲げ加工された製品を製品格納部へ搬送するワーク搬送ロボットであって、当該ワーク搬送ロボットにX,Y,Z方向へ移動自在に備えたロボットヘッドに主回転軸を回転自在に備え、この主回転軸に一体的に備えたビーム部材を、当該主回転軸に対して直交する方向に長く設け、このビーム部材に、ワークを吸着自在な吸着手段を備えた第1ワーク保持手段を備えると共にワークをクランプ自在なワーククランプを備えた第2ワーク保持手段を備え、この第2ワーク保持手段を、前記ビーム部材の長手方向に移動可能に備えていることを特徴とするものである。
【0012】
また、前記ワーク搬送ロボットにおいて、前記ワーククランプは、前記第1ワーク保持手段に保持されているワークに対して接近離反する方向へ移動可能かつ前記第1ワーク保持手段におけるワーク支持面に対して没入可能に構成してあることを特徴とするものである。
【0013】
また、前記ワーク搬送ロボットにおいて、前記ワーククランプは、前記ワークの反対側を指向するように反転旋回可能に設けてあることを特徴とするものである。
【0014】
また、前記ワーク搬送ロボットにおいて、前記第2ワーク保持手段は、前記ロボットヘッドの両側方において前記ビーム部材にそれぞれ備えられていることを特徴とするものである。
【0015】
また、前記ワーク搬送ロボットにおいて、前記第1ワーク保持手段に保持されているワークを前記第2ワーク保持手段によって把持し、前記第1ワーク保持手段の保持を解放後に前記第1ワーク保持手段に対してワークを相対的に移動可能に構成してあることを特徴とするものである。
【0016】
また、前記ワーク搬送ロボットを使用して板材折曲げ加工機に対してワークの搬出入を行うワーク搬出入方法であって、ワーク位置決め部に位置決めされている板状のワークの取り出しは、吸着保持機能を有するワーク保持手段によって行い、前記板材折曲げ加工機による折曲げ加工を終了した製品を製品格納部へ搬送するときには吸着保持機能を有する前記ワーク保持手段によって前記製品を保持することを特徴とするものである。
【0017】
また、前記ワーク搬出入方法において、把持機能を備えたワーク保持手段によって製品を保持しているときには、当該ワーク保持手段によって製品を保持している状態において、吸着保持機能を有する前記ワーク保持手段に製品の持ち換えを行うことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ワークを吸着保持自在な第1ワーク保持手段とワークをクランプして把持自在な第2ワーク保持手段とによってワークを同時に保持することができると共に、第1ワーク保持手段に保持されているワークに対して第2ワーク保持手段のワーク把持位置を変更することができる。したがって、板材折曲げ加工機によってワークの折曲げ加工を行うとき、第1,第2のワーク保持位置の変更を容易に行うことができ、前記板材折曲げ加工機と第1,第2のワーク保持手段との干渉を容易に回避することができるものである。
【0019】
すなわち、本発明によれば、第1ワーク保持手段によってワークを保持した状態において、第2ワーク保持手段によるワークの保持位置を変更することができるものである。したがって、掴み替え台にワークを一時的に載置する必要がなく、ワーク保持手段の保持位置変更を能率よく行うことができ、板状のワークの折曲げ加工能率向上を図ることができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1を参照するに、本発明の実施形態に係るワーク搬送ロボット1は、板状のワークWの折曲げ加工を行う板材折曲げ加工機の一例としてのプレスブレーキ3の前側に配置してある。前記ワーク搬送ロボット1は、前記プレスブレーキ3の前側に左右方向(X軸方向)に長く設けたガイド部材5に沿って左右方向へ移動自在に支持されている。上記ワーク搬送ロボット1は、前記ガイド部材5に支持されて左右方向へ移動自在なXスライダ7を備えており、このXスライダ7上には垂直な軸心回りに旋回自在な旋回台9を備えている。
【0021】
前記旋回台9には水平な軸心回りに上下方向に揺動自在な第1揺動アーム11が支持されており、この第1揺動アーム11の先端部には、第1揺動アーム11に対して水平な軸心回りに揺動自在な第2揺動アーム13が支持されている。この第2揺動アーム13は、当該第2揺動アーム13の長手方向の軸心回りに回動自在に設けられており、この第2揺動アーム13の先端部には、当該第2揺動アーム13の長手方向の前記軸心に対して直交する方向(図2においてのY軸方向)の軸心回りに揺動自在なロボットヘッド15(図2参照)が備えられている。そして、このロボットヘッド15には、当該ロボットヘッド15の前記揺動軸心に対して直交する方向(図2においてのZ軸方向)の主回転軸17が回転自在に支持されており、この主回転軸17には、当該主回転軸17の軸心に対して直交する平面を備えた板状の取付部材19が一体的に取付けてある。
【0022】
なお、上記構成のごときワーク搬送ロボット1は、多関節型の産業用ロボットとして周知の構成であるから、ワーク搬送ロボット1のより詳細な構成及び動作の説明は省略する。既に理解されるように、ワーク搬送ロボット1に備えた前記ロボットヘッド15は左右方向(X軸方向),前後方向(Y軸方向)及び上下方向(Z軸方向)へ移動自在であり、かつ水平な軸心回りに揺動可能である。
【0023】
前記取付部材19には四角形状の枠体フレーム21が一体的に取付けてある。この枠体フレーム21及び前記取付部材19はワークWを支持するワーク支持面を備えた回転フレーム23を構成するもので、この回転フレーム23には、当該回転フレーム23に支持される四角形状の板状のワークWの一辺側WAを吸着保持するための複数の電磁石又はバキュームカップなどの吸着手段25をY軸方向に列状に備えた第1ワーク保持手段27が備えられている。
【0024】
さらに、前記回転フレーム23には、前記ワークWの前記一辺WAに隣接しかつ前記一辺WAに直交(交差)する方向のワークWの他辺側WBを上下からクランプして把持自在な第2ワーク保持手段29が備えられている。より詳細には、前記回転フレーム23における前記枠体フレーム21には、前記第1ワーク保持手段27に備えた複数のバキュームカップ25の列方向に対して直交するX軸方向のガイド部材31(図3参照)が一体的に取付けてあり、このガイド部材31にはL形状のスライダ33が移動自在に支持されている。
【0025】
上記スライダ33は、前記ガイド部材31に移動自在に支持された垂直部33Aの下部に、前記枠体フレーム21から離反する方向に長い水平部33Bを備えることによってL形状に構成してある。そして、前記ガイド部材31に沿って前記スライダ33を往復動するために、前記回転フレーム23にはスライダ往復動用のアクチュエータが装着されている。すなわち、前記回転フレーム23における枠体フレーム21にはサーボモータ35(図4参照)が装着してあり、このサーボモータ35によって回転されるプーリと枠体フレーム21に回転自在に支持されたプーリ37には、前記ガイド部材31に平行なエンドレス状のタイミングベルト39が掛回してある。そして、このタイミングベルト39の一部と前記スライダ33は連結具41を介して連結してある。
【0026】
上記構成により、前記サーボモータ35を適宜に回転することにより、スライダ33をガイド部材31に沿って矢印A方向に移動でき、かつガイド部材31の所望位置にスライダ33を位置決めすることができる。すなわち、スライダ33を、ワークWの他辺側WBに沿う方向であって前記第1ワーク保持手段27に対して接近離反する方向へ移動、位置決めすることができるものである。なお、前記ガイド部材31に沿ってスライダ33を移動する構成としては、前述したごとき構成に限ることなく、例えばラック,ピニオン機構とすることや、アクチュエータとしてエアーシリンダなどのごとき流体圧機構を採用した構成など、種々の構成を採用することができる。
【0027】
前記スライダ33における前記水平部33Bには前記バキュームカップ(吸着手段)25の列方向と平行なY軸方向のガイド部材43が設けてあり、このガイド部材43には、スライドブラケット45が移動自在に支持されている。そして、上記スライドブラケット45をガイド部材43に沿って移動するためのアクチュエータの一例として、前記スライドブラケット45にはサーボモータ47が装着してあり、このサーボモータ47によって回転されるピニオン49が、前記ガイド部材43と平行に設けたラック51に噛合してある。
【0028】
上記構成により、サーボモータ47を適宜に回転駆動することにより、スライドブラケット45をガイド部材43に沿って、前記回転フレーム23に対して接近離反する矢印B方向へ移動位置決めすることができるものである。
【0029】
前記スライドブラケット45には、当該スライドブラケット45に装着した例えばエアーシリンダなどのごとき上下動用アクチュエータ53によって矢印C方向に上下動される昇降ブラケット55が上下動可能に支持されており、この昇降ブラケット55には、上下方向に長い回転軸57が回転自在に支持されている。そして、上記回転軸57を軸心回りに矢印D方向に回転するために、前記回転軸57には従動ギア59が一体的に取付けてあり、この従動ギア59には、前記昇降ブラケット55に装着したサーボモータなどのごとき回転用アクチュエータ61によって回転される駆動ギア63が噛合してある。
【0030】
したがって、前記回転用アクチュエータ61によって駆動ギア63を回転することにより、前記回転軸57を軸心回りに回転することができるものである。
【0031】
前記回転軸57には、前記ワークWを上下からクランプ自在な前記第2ワーク保持手段29を構成するワーククランプ65が装着してある。より詳細には、前記回転軸57は、図5に示すように中空軸に構成してあり、この回転軸57の中空部には、クランプ用アクチュエータの一例として、例えばエアーシリンダなどのごとき流体圧機構におけるピストンロッド又はシリンダが上下動部材67として上下動可能に設けられている。
【0032】
本実施形態においては、流体圧機構におけるシリンダ67が上下動する上下動部材として備えられており、このシリンダ67内を上部室67Uと下部室67Lとに区画するピストン69を上端部に備えたピストンロッド69Rが前記回転軸57内に固定してある。
【0033】
したがって、前記上部室67Uへ作動流体を供給すると上下動部材67としてのシリンダが上昇し、下部室67Lへ作動流体を供給すると、上下動部材67は下降するものである。なお、上下動部材67としてシリンダが上下動する場合について例示するが、回転軸57内にシリンダを備えてピストンロッドが上下動する構成とすることもできるものである。
【0034】
前記ワークWを下側からクランプするために、前記回転軸57には基部側の下部クランプジョー71が一体的に取付けてあり、この下部クランプジョー71には、U字形状の連結部材73を介することによって先端側の下部クランプジョー71Aが離隔した状態において一体的に連結してある。すなわち基部側の下部クランプジョー71と先端側の下部クランプジョー71Aとの間には空隙75が形成してある。したがって、ワークWの端縁部に立下り部が形成してある場合、上記立下り部を前記空隙75に位置させることにより、何等の問題なくワークWの位置決めを行うことができるものである。
【0035】
前記下部クランプジョー71,71Aと協働してワークWをクランプするために、前記上下動部材67には、前記下部クランプジョー71,71Aと対向した上部クランプジョー77,77Aが取付けてある。より詳細には、前記上下動部材67には下部クランプジョー71と対向して基部側の上部クランプジョー77が一体的に取付けてあり、下部クランプジョー71Aと対向した先端側の上部クランプジョー77Aは逆U字形の連結部材79を介して上部クランプジョー77に連結してある。そして、上部クランプジョー77と77Aとの間には空隙81が形成してある。したがって、ワークWの端縁部に立上り部が形成してある場合であっても、何等の問題なくワークWをクランプすることができる。
【0036】
上記構成により、上下に開いた状態の下部クランプジョー71,71A上にワークWを相対的に位置決めした後、クランプ用アクチュエータにおける前記シリンダ(上下動部材)67を下降することにより、ワーククランプ65における上下のクランプジョー77,77A;71,71AによってワークWを上下方向からクランプし把持することができる。そして、ワーククランプ65によってワークWをクランプした状態において、スライダ33をガイド部材31に沿って移動すること、及びスライドブラケット45をガイド部材43に沿って移動することにより、前記ワーククランプ65をX,Y方向へ移動することができ、当該ワーククランプ65に把持されたワークWを、回転フレーム23上においてX,Y方向へ移動することができるものである。
【0037】
したがって、前記第1ワーク保持手段27によってワークWを保持した状態において板材折曲げ加工機3に対してワークWの搬送(供給)を行った後、前記第1ワーク保持手段27によるワークWの保持位置を変更するようなとき、前記回転フレーム23上においてワークWを第1ワーク保持手段27に対してX,Y方向へ移動して保持位置を変更することができ、保持位置変更を容易に行うことができ、作業能率向上を図ることができるものである。
【0038】
既に理解されるように、回転フレーム23上のワークWが、図2に示すように、中窓WMを形成することによって、四辺WA,WB,WC,WDを備えた四角形状のワークWの場合、図2に示すように、ワークWの一辺側WAを複数のバキュームカップ25を備えた第1ワーク保持手段27でもって吸着保持し、上記一辺側WAと直交する他辺側WBをワーククランプ65を備えた第2ワーク保持手段29によって把持することにより、ワークWを確実に保持して搬送することができるものである。
【0039】
したがって、ワークWが薄板で腰が弱いような場合であっても、ワークWをX,Y軸方向の直交する方向を保持することとなり、ワークWに生じる傾向にある撓み等の発生を抑制して板材折曲げ加工機3へワークWの搬送(供給)を行うことができるものである。
【0040】
前述のごとく板材折曲げ加工機3へワークWを供給してワークWの折曲げ加工を行うとき、ワーククランプ65などが板材折曲げ加工機3の一部と干渉する虞れがある場合には、ワーククランプ65によるワークWのクランプを解放した後、スライドブラケット45をガイド部材43に沿って前記回転フレーム23から離反する方向へ移動する。そして、ワーククランプ65がワークWから離れた後に、昇降ブラケット55を下降することにより、前記ワーククランプ65を、前記回転フレーム23のワーク保持面から没入して板材折曲げ加工機3との干渉を回避することができる。
【0041】
また、板材折曲げ加工機3とワーククランプ65の干渉を回避するために、ワーククランプ65をワークWの面から没入退避する動作としては、ワーククランプ65をワークWから離反する方向へ移動した後、回転用アクチュエータ61によって回転軸57を180°回転し、ワーククランプ65がワークWの方向を指向していた状態(図3に示す状態)からワークWの反対側を指向する状態に反転旋回する。その後、昇降ブラケット55を下降してワーククランプ65をワークWの面から没入し、スライドブラケット45を元の位置へ戻すと、図6に示すように、ワーククランプ65がワークWの反対方向を指向し、かつワークWの面から没入した状態となる。この図6に示す位置は、ワーククランプ65の退避位置である。
【0042】
この状態においては、スライドブラケット45をスライダ33の垂直部33Aに近接した状態に保持することとなるので、スライドブラケット45を水平部33Bの先端側に保持する場合に比較して安定した状態となり、回転フレーム23のX,Y,Z方向への移動時の振動発生を抑制することができるものである。
【0043】
前記構成において、前記ガイド部材5に近接して配置されたワーク位置決め部83(図1参照)に予めX軸,Y軸方向の基準位置へ位置決めされたワークを、前記ワーク搬送ロボット1によってプレスブレーキ3へ供給するには、図6に示したように、第2ワーク保持手段29におけるワーククランプ65を回転フレーム23のワーク支持面から没入した退避位置へ退避した状態に保持する。換言すれば、第1ワーク保持手段27における複数の吸着手段(バキュームカップ)25のみによってワークWを保持する状態にする。
【0044】
次に、ワーク搬送ロボット1をガイド部材5に沿って適宜に移動すると共に回転フレーム23を前記ワーク位置決め部83の上方に位置決めし、かつ前記回転フレーム23の上下を反転する。すなわち吸着手段25が下を向いた状態とする。そして、前記吸着手段25を最上部のワークWにおける一辺側WAの上面に当接し吸着する。その後、最上部のワークWにおける一辺側を、その下側のワークから離れるように持上げた後、第2ワーク保持手段29におけるワーククランプ65が、ワークWにおける他辺側WBをクランプする位置へ復帰し、このワーククランプ65によってワークWの他辺側WBをクランプする。
【0045】
上述のように、第1ワーク保持手段27における吸着手段25によって最上部のワークWの一辺側を吸着保持すると共に、第2ワーク保持手段29におけるワーククランプ65によって最上部のワークWの他辺側を把持した後、回転フレーム23を上方に持上げ、かつ上下の反転を行うと、図2に示す状態になる。その後、ワーク搬送ロボット1によってワークWをプレスブレーキ3へ供給してワークWの各辺WC,WDの折曲げ加工を行う。そして、ワークWの辺WAの折曲げ加工を行う場合には、第2ワーク保持手段29によってワークWを第1ワーク保持手段27に対してX,Y軸方向へ移動し、ワークWの辺WAをワーク保持手段27から大きく突出した状態に保持する。そして、ワークWの辺WAがプレスブレーキ3と対応するように回転フレーム23を回動し、プレスブレーキ3へワークWを供給して辺WAの折曲げ加工を行う。
【0046】
ワークWの3辺WA,WC,WDの折曲げ加工を行った後、ワークWの辺WBの折曲げ加工を行う場合には、ワークWを掴み替え台85(図1参照)上に一時載置し、ワークWの掴み替えを行ってワークWにおける辺WBの折曲げ加工を継続して行う。
【0047】
前述のようにワークWの4辺WA〜WDの折曲げ加工を行うと、ワークWは折曲げ部によって補強される態様となる。また、場合によっては第2ワーク保持手段29におけるワーククランプ65によって折曲げ部を変形する場合もあるので、ワークWの最終曲げ工程時には第1ワーク保持手段27における吸着手段25によって支持し、折曲げ加工終了時のワーク(製品)を前記吸着手段25により吸着保持して製品格納部87へ搬送する。
【0048】
なお、ワークWの折曲げ加工を行った部分を、ワーククランプ65における下部クランプジョー71,71Aの間の空隙75又は上部クランプジョー77,77Aの間の空隙81に位置し、ワーククランプ65によりワークWを把持して製品の折曲げ加工を行ったときには、第1ワーク保持手段27に製品を持ち換え、ワーククランプ65を図6に示した退避位置へ位置決めする。その後に製品を製品格納部87へ搬送する。
【0049】
前述のように、第1ワーク保持手段27によって製品を保持して製品格納部87へ製品を搬送した後、製品の保持を解放するときには、回転フレーム23の上下を反転して、すなわち第1ワーク保持手段27における吸着手段25を下向きにして製品の保持を解放するものである。このように、第1ワーク保持手段27によって製品を保持し、製品格納部87へ解放するとき、第2ワーク保持手段29におけるワーククランプ65は退避位置へ退避した状態にあるので、前記ワーククランプ65と製品が干渉するようなことがなく、製品格納部87への製品の解放を容易に行うことができるものである。
【0050】
なお、上記説明においては、第1ワーク保持手段27は、吸着手段25を備えた構成とし、第2ワーク保持手段29はワーククランプ65を備えた構成として説明したが、第1,第2のワーク保持手段27,29が共に吸着手段25を備えた構成や、共にワーククランプ65を備えた構成とすることも可能である。また、第1ワーク保持手段27に備えた吸着手段25をX,Y方向へ移動可能かつワークWに設けた穴、成形加工部を回避する位置へ位置変更可能な構成とすることもできるものである。
【0051】
図7は、ワーク搬送ロボット1においてワークを保持する部分の第2の実施形態を示すもので、ワーク搬送ロボット1の全体的構成は省略してある。この第2の実施形態において、前述した構成と同一機能を奏する構成要素には同一符号を付することとして、重複する説明は省略する。
【0052】
この第2実施形態において、回転フレーム23にはX軸方向に長いビーム部材89が一体的に取付けてあり、このビーム部材89におけるY軸方向の面であって主回転軸17と反対側の側面には、ワークWを吸着自在な電磁石又はバキュームカップなどのごとき複数の吸着手段25がビーム部材89の長手方向に適宜間隔に取付けてある。すなわち、ビーム部材89におけるY軸方向の一側面に、複数の前記吸着手段25を適宜間隔に備えた第1ワーク保持手段27が備えられている。
【0053】
前記ワーク吸着手段25は、長尺のワークLWの長さに対応して、又長尺のワークLWに予め加工された穴などの位置に対応してX軸方向へ位置調整可能に、前記ビーム部材89に取付けてある。したがって、複数のワーク吸着手段25は互いの間隔が調整自在であると共に、ワークWの所望位置に対応して位置調節自在なものである。なお、この第2の実施形態においては、複数のワーク吸着手段25においてワークWを支持する面がワーク支持面を構成するものである。
【0054】
前記ビーム部材89におけるY軸方向の他側面、すなわち前記主回転軸17側の側面で前記回転フレーム23の左右両側方には、左右方向(X軸方向)に長い左右のガイド部材91L,91Rがそれぞれ取付けられており、上記左右のガイド部材91L,91Rには左右の第2ワーク保持手段29L,29Rが左右方向へ移動自在に支持されている。この左右の第2ワーク保持手段29L,29Rは、前述した第2ワーク保持手段29と同一構成であるから、第2ワーク保持手段29L,29Rの詳細な説明は省略する。
【0055】
前記第2ワーク保持手段29L,29Rをガイド部材91L,91Rに沿って左右方向へ移動するために、前記ビーム部材89の左右両端部にはそれぞれプーリ93L,93Rが回転自在に備えられており、この左右のプーリ93L,93Rには左右方向に長いエンドレス状のタイミングベルト95が掛回してある。そして、左側の第2ワーク保持手段29Lにおけるスライダ33は前記タイミングベルト95の上側に連結してあり、右側の第2ワーク保持手段29Rにおけるスライダ33はタイミングベルト95の下側に連結してある。
【0056】
したがって、モータなどのベルト回転用アクチュエータ(図示省略)によって前記タイミングベルト95を回転すると、左右の第2ワーク保持手段29L,29Rは互いに同期して接近離反する方向へ移動するものである。なお、左右の第2ワーク保持手段29L,29Rは必ずしも互いに接近離反する必要はないものであり、左右の第2ワーク保持手段29L,29Rはそれぞれ個別に独立して左右方向へ移動する構成とすることもできる。すなわち、左右の第2ワーク保持手段29L,29Rを個別に左右方向へ移動自在に構成し、かつ個別に移動するためのアクチュエータを個別に備えた構成とすればよいものである。
【0057】
この第2の実施形態においても、第1ワーク保持手段27と左右の第2ワーク保持手段29L,29Rでもって長尺のワークLWを同時に保持することができると共に、第1ワーク保持手段27がワークLWの保持を解放した状態にあるとき、左右の第2ワーク保持手段29L,29Rの適宜一方でもってワークLWを保持してX軸方向へ移動することにより、第1ワーク保持手段27に対してワークLWをX軸方向に移動することができるものである。すなわち、第1ワーク保持手段27によるワークLWのX軸方向の保持位置を適宜位置に変更することができるものである。
【0058】
また、左右の第2ワーク保持手段29L,29RによってワークLWを保持した状態においてスライドブラケット45をY軸方向(前後方向)に移動することにより、第1ワーク保持手段27によるY軸方向の保持位置を適正位置に変更することができるものである。
【0059】
さらに、第1ワーク保持手段27がワークLWを保持した状態にあるとき、左右の第2ワーク保持手段29L,29RがワークLWを解放して左右方向へ移動することができる。すなわち、左右の第2ワーク保持手段29L,29RによるワークLWのX軸方向(左右方向)の保持位置を適正位置に変更することができるものである。
【0060】
すなわち、第2実施形態においては、第1ワーク保持手段27における複数の吸着手段25の列方向と第2ワーク保持手段29L,29Rの移動方向とが同方向であるが、ワークLWの持ち替えを自在に行い得るものである。
【0061】
以上のごとき構成において、前記ワーク搬送ロボット1によってワークWをプレスブレーキ3へ自動的に供給する自動化を行う場合には、次のようにすることが望ましい。
【0062】
すなわち、図8に示すように、製品のCAD情報が自動プログラミング装置に入力されると、自動プログラミング装置においては製品の曲げ順及びワークの折曲げ加工に使用する金型のレイアウトが決定される(ステップS1)。製品の曲げ順及び金型レイアウトが決定されると、曲げ工程毎にワーククランプ65及び/又は吸着手段25の位置及び第1ワーク保持手段27及び/又は第2ワーク保持手段29を使用するかをコンピュータにおいてシミュレーションされ決定される(ステップS2)。
【0063】
上述のようにシミュレーションによって第1ワーク保持手段27及び/又は第2ワーク保持手段29の使用が決定され、かつワークの支持位置(保持位置)が決定されると、ワーク搬送ロボット1及びプレスブレーキ3を動作するためのNCプログラムがプログラミング装置によって作成され、このNCプログラムに従って折曲げ加工が開始される(ステップS3)。加工が開始されると、第1ワーク保持手段27における吸着手段25によってワーク位置決め部83からワークWを取り出し(ステップS4)、プレスブレーキ3に対してワークWの供給が行われる(ステップS5)。
【0064】
プレスブレーキ3に対してワークWの供給が行われると、プレスブレーキ3におけるラムが下降し、プレスブレーキ3に備えた上下の金型によってワークWの折曲げ加工が行われる(ステップS6)。ワークWの折曲げ加工が行われると、ワークWの次の折曲げ加工を行うに際し、前記吸着手段25によるワークWの吸着支持位置の変更が必要か否かの判別が行われ(ステップS7)、YESの場合にはステップS8において把持手段を変更するか否か判別される。
【0065】
上記ステップS8においてYESの場合には、ステップS9において掴み替え台85を使用するか否かの判別が行われ、NOの場合には、前記吸着手段25によってワークWを吸着支持していた状態から、第2ワーク保持手段29におけるワーククランプ65によりワークWを把持する(ステップS10)。前記ステップS9においてYESの場合には、ワークWを掴み替え台85に一時載置した後、前記ワーククランプ65によってワークWをクランプする(ステップS11)。
【0066】
前記ステップS8においてNOの場合には、ステップS12において、ワーク把持位置変更のために掴み台を使用するか否かの判別が行われ、NOの場合には、ステップS13において、吸着手段25によって吸着保持されているワークWをワーククランプ65によってクランプした後、前記吸着手段25による吸着支持を解放し、この吸着手段25に対してワークWをX,Y軸方向の適宜方向へ移動し、前記吸着手段25によるワークWの吸着位置を変更する。そして、吸着手段25によってワークWを再び吸着支持した後、ワーククランプ65によるワークWのクランプを解放し、ワーククランプ65を退避位置に位置決めする(ステップS14)。
【0067】
ステップS12においてYESの場合には、ステップS15において、掴み替え台85上にワークWを一時載置して、吸着手段25による吸着位置を変更する。
【0068】
前記ステップS10,S11,S14,S15からステップS16へ移行して、プレスブレーキ3に対するワークWの供給位置決めを行い、ワークWの折曲げ加工を行う(ステップS17)。次に、上記折曲げ加工が最終曲げ加工であるか否かを判別し(ステップS18)、NOの場合にはステップS5に戻り、再びプレスブレーキ3に対するワークWの供給位置決めを行う。上記ステップS18においてYESの場合にはステップS19へ移行し、ワークWを第1ワーク保持手段27における吸着手段25によって吸着保持しているか否かを判別する。
【0069】
このステップS19でYESの場合にはステップS20へ移行し、NOの場合にはステップS21へ移動して吸着手段25による吸着保持に変更してからステップS20へ移行する。ステップS20においては製品を製品格納部87へ移送する。その後、ステップS21へ移行し、前記製品格納部87へ移送した製品が最終製品であるか否かを判別し、YESの場合にはワークの折曲げ加工を終了し、NOの場合にはステップS4へ戻り、次の新しいワークWの折曲げ加工を継続する。
【0070】
以上のごとき説明より理解されるように、第1ワーク保持手段27と第2ワーク保持手段29の両方でもってワークWを保持することができると共に、掴み替え台85を使用することなく第1,第2のワーク保持手段27,29によるワーク保持位置を変更することができるので、腰の弱いワークWの保持を確実に行うことができると共にワーク保持の変更を迅速に行うことができ、作業能率向上を図ることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】プレスブレーキ及びワーク搬送ロボットを使用したシステム全体を概略的,概念的に示した斜視説明図である。
【図2】第1,第2のワーク保持手段によってワークを保持している状態を示す斜視説明図である。
【図3】第2ワーク保持手段を示す斜視説明図である。
【図4】第2ワーク保持手段を示す斜視説明図である。
【図5】ワーククランプの構成を示す斜視説明図である。
【図6】ワーククランプが退避位置へ退避した状態を示す斜視説明図である。
【図7】第2実施形態を示す斜視説明図である。
【図8】フローチャートである。
【図9】フローチャートである。
【符号の説明】
【0072】
1 ワーク搬送ロボット
3 プレスブレーキ(板材折曲げ加工機)
15 ロボットヘッド
17 主回転軸
21 枠体フレーム
23 回転フレーム
25 バキュームカップ(吸着手段)
27 第1ワーク保持手段
29 第2ワーク保持手段
33 スライダ
45 スライドブラケット
53 上下動用アクチュエータ
55 昇降ブラケット
57 回転軸
61 回転用アクチュエータ
65 ワーククランプ
67 シリンダ(上下動部材)
71 基部側の下部クランプジョー
71A 先端側の下部クランプジョー
75,81 空隙
77,77A 上部クランプジョー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワーク位置決め部に位置決めされている板状のワークを、板材折曲げ加工機へ供給し、この板材折曲げ加工機において折曲げ加工された製品を製品格納部へ搬送するワーク搬送ロボットであって、当該ワーク搬送ロボットにX,Y,Z方向へ移動自在に備えたロボットヘッドに主回転軸を回転自在に備えると共に、当該主回転軸の軸心に対して直交する方向のワーク支持面を備えた回転フレームを前記主回転軸に一体的に備え、この回転フレームに支持されたワークの一辺側を把持自在又は吸着保持自在な第1ワーク保持手段を前記回転フレームに備えると共に、前記ワークの前記一辺に隣接しかつ前記一辺に交差する方向のワークの他辺側を把持自在又は吸着保持自在の第2ワーク保持手段を前記回転フレームに備え、前記第1ワーク保持手段又は第2ワーク保持手段の一方を、前記ワークの辺に沿う方向であって他方のワーク保持手段に対して接近離反する方向へ移動可能に構成してあることを特徴とするワーク搬送ロボット。
【請求項2】
請求項1に記載のワーク搬送ロボットにおいて、前記第1ワーク保持手段はワークの支持面を吸着自在な吸着手段を備え、前記第2のワーク保持手段は、ワークをクランプ自在なワーククランプを、前記ワークから離反する方向へ移動可能かつ前記回転フレームのワーク支持面に対して没入可能に備えていることを特徴とするワーク搬送ロボット。
【請求項3】
請求項2に記載のワーク搬送ロボットにおいて、前記ワーククランプは前記ワークの反対側を指向するように反転旋回可能であることを特徴とするワーク搬送ロボット。
【請求項4】
ワーク位置決め部に位置決めされている板状のワークを、板材折曲げ加工機へ供給し、この板材折曲げ加工機において折曲げ加工された製品を製品格納部へ搬送するワーク搬送ロボットであって、当該ワーク搬送ロボットにX,Y,Z方向へ移動自在に備えたロボットヘッドに主回転軸を回転自在に備え、この主回転軸に一体的に備えたビーム部材を、当該主回転軸に対して直交する方向に長く設け、このビーム部材に、ワークを吸着自在な吸着手段を備えた第1ワーク保持手段を備えると共にワークをクランプ自在なワーククランプを備えた第2ワーク保持手段を備え、この第2ワーク保持手段を、前記ビーム部材の長手方向に移動可能に備えていることを特徴とするワーク搬送ロボット。
【請求項5】
請求項4に記載のワーク搬送ロボットにおいて、前記ワーククランプは、前記第1ワーク保持手段に保持されているワークに対して接近離反する方向へ移動可能かつ前記第1ワーク保持手段におけるワーク支持面に対して没入可能に構成してあることを特徴とするワーク搬送ロボット。
【請求項6】
請求項5に記載のワーク搬送ロボットにおいて、前記ワーククランプは、前記ワークの反対側を指向するように反転旋回可能に設けてあることを特徴とするワーク搬送ロボット。
【請求項7】
請求項4,5又は6に記載のワーク搬送ロボットにおいて、前記第2ワーク保持手段は、前記ロボットヘッドの両側方において前記ビーム部材にそれぞれ備えられていることを特徴とするワーク搬送ロボット。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載のワーク搬送ロボットにおいて、前記第1ワーク保持手段に保持されているワークを前記第2ワーク保持手段によって把持し、前記第1ワーク保持手段の保持解放後に前記第1ワーク保持手段に対してワークを相対的に移動可能に構成してあることを特徴とするワーク搬送ロボット。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれかに記載のワーク搬送ロボットを使用して板材折曲げ加工機に対してワークの搬出入を行うワーク搬出入方法であって、ワーク位置決め部に位置決めされている板状のワークの取り出しは、吸着保持機能を有するワーク保持手段によって行い、前記板材折曲げ加工機による折曲げ加工を終了した製品を製品格納部へ搬送するときには吸着保持機能を有する前記ワーク保持手段によって前記製品を保持することを特徴とするワーク搬出入方法。
【請求項10】
請求項9に記載のワーク搬出入方法において、把持機能を備えたワーク保持手段によって製品を保持しているときには、当該ワーク保持手段によって製品を保持している状態において、吸着保持機能を有する前記ワーク保持手段に製品の持ち換えを行うことを特徴とするワーク搬出入方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2009−131910(P2009−131910A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−307906(P2007−307906)
【出願日】平成19年11月28日(2007.11.28)
【出願人】(390014672)株式会社アマダ (548)
【Fターム(参考)】