説明

一種の木質型材及びその製造方法

【課題】
【解決手段】本発明は木質型材及びその製造方法に関わるものであって、特に軟質木素材型材及びその製造方法に関わるものであり、木材の加工分野に属するものである。本発明は下記の技術案により実現できる。一種の木質型材の製造方法であって、下記の手順が含まれる。(1)製材手順、(2)乾燥手順、(3)研磨手順、(4)熱圧手順:二枚の140〜200℃温度の押え板にて素材板の両表面層に対して、圧縮密着を行う。(5)予炭化手順: 160〜200℃の条件で素材板に対して予め炭化を行う。(6)炭化手順:200〜225℃の条件で素材板に対して炭化を行う。(7)冷却手順。(8)含水率制御手順。本発明は特に床材及び事務用家具等の木質製品の製造に適用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一種の木質型材及びその製造方法に関わるもので、特に軟質木の素材の型材及びその製造方法に関わるもので、木材加工分野に属するものである。
【背景技術】
【0002】
天然木資源の枯渇及び国家の天然木に対する保護対策に従い、人工林木材は今後国内外における木材市場の中で需要と供給の矛盾を緩和する主要木材となる。人工林木材には、主に杉、馬尾松(バビショウ、カラマツの一種)、カラマツ、ポプラ、キリ等の樹種が含まれ、これらは生長速度が速く、生産高が高く、伐採周期が短い等の特徴を有しているが、その生長が速いため、材質が悪く、密度及び表面の硬度が低く、耐腐食性と耐候性が悪く、容易に変形、割れる等の欠陥があることにより、幅広く応用されていない。
【0003】
木材の機能性を向上させるのは、人工林木材の物理化学的性能を改善する効率的な手段である。これらの木材は処理することにより、密度、表面硬度、耐摩耗性、防腐蝕性と寸法安定性等が大幅に向上できるので、天然木床材、天然木家具及びその他の建築化粧材料に幅広く応用することができる。
【0004】
型材の力学性能を高める方法には、圧縮する方法がある。
【0005】
ポプラ、南部松、バビショウ等は常に見られる速成樹種であるが、その材質が柔らかく、材質そのものの各方向の異方性が大きいので、これら速成樹材料の機能性を向上する為の研究が多く、国内外に数多い参考できる成功経験がある。
【0006】
ところが、圧縮木材は膨張して元に戻りやすく、特に水の有る条件でその現象が酷い。
【0007】
これら圧縮木材の欠点を解決するため、常に蒸気或いは樹脂にて圧縮木材の膨張を防止している。例えば、1996年に方桂珍氏等が異なる濃度の低分子量メラミン・アルデヒド(MF)樹脂を、木材の圧縮を固定する架橋剤としてポプラに含浸し、処理材料ASEを47%、MEEを36%とし、10%濃度の架橋剤にて処理したテスト材料に対して、圧縮後室内温度で水に浸して、その固定変形を完全に維持させた。17.5%と25%濃度の架橋剤にて処理したテスト材料も、熱湯の中でその変形を維持することができた。1997年において、方桂珍氏等はポプラとMF架橋剤の作用原理に対して研究を行い、1998年には、更に異なる濃度のフェノールアルデヒド(PF)プリポリマーにてポプラ木材を処理し、加熱中に柾目模様に圧縮処理を行った結果、10%のPFプリポリマー処理を経由したテスト材料において、ASEが60%以上に達し、MEEが52%で、室内温度状態で或いは熱湯に浸漬して、その圧縮変形を完全に維持することができた。1998年において、方桂珍氏等は1、2、3、4−ブタン4カルボン酸(BTCA)を架橋剤とし、NaH2PO2を触媒として、ポプラを処理した後、150℃の恒温で圧縮し、低分子量PF樹脂にて処理して、木材の寸法安定性と力学強度を高めた。2000年において、方桂珍氏等は低分子量の低色度フェノールアルデヒド樹脂を木材に含浸する研究と低分子量フェノールアルデヒド樹脂にてポプラに対して改質を行う研究を行った。
【0008】
現在、木材表面を圧縮硬化する方法とは、鋸で裁断した乾燥木材の表面部分に対して、5〜6h、所定の深さに浸水してから、一定量の水が浸透されてから、マイクロ波放射にて加熱し、その後それを熱プレス装置にて圧縮、密着させてから乾燥して、圧縮部分を固定するのである。然しながら、この技術は表面が浸水された後、木材表面の含水量が大きくなるので、短時間で水分を蒸発させる際、その表面が素早く収縮し、大きい内部応力が生じて、表面が容易に割れ、しかも圧縮乾燥硬化中に木材表面の内部応力バランスが十分に取れなく、表面も十分に塑性硬化されないため、使用中容易に膨張する。
【0009】
上記方法において、化学試薬にて処理するので、排気或いは排水を生じ、騒音が大きく、環境も汚染する。それに出来上がった型材は寸法安定性が悪く、曲がりやすく、耐腐食性と耐候性が理想的でなく、寿命が短く、歩留まりが少ない等の欠点がある。
【0010】
特許文献1において、特許技術「表面強化型天然木型材、床材及びその製造方法」が公表されている。その製造方法は次の通りである。(1)原木型材を乾燥する、(2)原木型材を210〜250℃の熱プレス装置で圧縮する、(3)圧縮後の原木型材を20〜60分間保温する。(4)原木型材の含水率を6〜9%の間に制御する。上記案は、乾燥中皺が生じ易く、その後の圧縮中に容易に割れるため、木材のロスが多く、歩留まりが約60〜70%だけであり、しかも処理後の色が深く、焦げた匂いがする。上記工程により得た床材は、北方等の乾燥気候条件でしか使用できなく、南方で使用すると変形が大きく、耐腐食性のレベルがIII級しかない。
【0011】
特許文献2において、特許技術「木材熱プレス炭化強化方法」が公表されている。その製造方法は次の通りである。(1)乾燥:木材密度によって、乾燥炉の中で木材の含水率を3〜17%に制御する。(2)研磨:木材に対して研磨処理を行う。(3)熱プレス炭化:研磨後の木材を160〜260℃の熱プレス装置の中に入れて熱プレス炭化を行う。木材の圧縮比率を5〜50%に制御し、10〜240分間保温する。冷却:炭化後の木材を80℃以下に冷却する。(4)完成品:木材を自然条件或いは温度湿度調整室内に置き、木材の用途によって木材の含水率を5〜10%に調整する。上記案による木材は圧縮炭化中、容易に割れ、歩留まりが低く、約50〜60%である。同時に上記案による木材は耐腐食性が悪く(通常III級以下)、品質が安定しなく、寸法安定性が低く、同時に過度に炭化される場合もあり、材料の色が黒く、焦げた匂いがする。
【0012】
特許文献3において、特許技術「ポプラの圧縮炭化による三層天然木複合床材の製造方法」が公表されている。その製造方法は次の通りである。速成樹ポプラを鋸で板材に裁断し、乾燥と研磨を行い、圧縮率(圧縮率が30%、40%、50%、60%)と板材の厚み2〜4mmによって、20〜40%含水率のポプラ薄板に加工する。板材はプレス装置の中で必要の圧縮率に圧縮される。圧縮時の温度を70〜110℃にし、印加する圧力は薄板に設けられた圧縮率によって決める。圧縮後の板材は一定の圧力条件或いは特製の治具にて炭化固定させ、熱プレス装置或いは特製の治具の中で炭化させる。炭化温度は190〜220℃にし、時間は1.5〜5時間にし、炭化装置には排気口を設ける。炭化処理完了後、一定の圧力条件の下でポプラ薄板の温度を40〜60℃に下げてから、ポプラを取り出し、ワイドベルトサンダー(研削研磨機)にて黒くなった外層を研削する。研削後のポプラ薄板の厚みを2〜4mmにする。既存技術において、上記案ではポプラの含水率が大きく、繊維飽和点前後で、70〜110℃の条件の下で乾燥後、木材の収縮率が大きく、それに応じて木材の残応力も大きくなり、190〜220℃の条件の下で炭化する際、木材が容易に割れ、圧縮率も大きく、全体が圧縮されるため、木材ロスが大きい。炭化装置に設けられた排気口は、圧縮された木材表面に凸凹する斑を生じ、研削後これら斑によりその区域の硬度が下がり、しかもその後含水率の湿度調整処理がないため、木材が使用中吸湿により変形される。この様なプロセスは産業化するのに役に立たない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】中国特許出願公開第101603623号明細書
【特許文献2】中国特許出願公開第101214675号明細書
【特許文献3】中国特許出願公開第101486212号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、上記背景技術の不足を解決し、一種の木質型材の製造方法を提供することである。物理的な木材機能性向上方法によって、軟質木における材質が柔らかく、密度が小さく、容易に割れる等の問題を解決すると同時に、既存技術における木材圧縮後の膨張性が大きく、木材ロスが大きく、含浸する樹脂が環境を汚染し、寸法安定性が低く、耐腐食耐気候性が低く、変形しやすく、歩留まりが低い等の欠点を解決し、更に生産工程が複雑であり、エネルギー消耗が高い等の欠点を解決するのである。当該木質型材の製造方法は、工程が簡単で、汚染がなく、当該木質型材の製造方法による木質型材の歩留まりが99%で、引いては100%に達し、得る木質型材の寸法安定性が高く、防腐食耐磨耗性が強く、表面硬度が高く、使用寿命が70年以上に達する。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明において、上記技術の目的は、下記の技術案により実現できる。一種の木質型材の製造方法であって、下記の手順が含まれる。
(1)材料準備手順:気乾密度が700kg/m3以下である木材を裁断して板材を得る。
(2)乾燥手順:板材を乾燥して、含水率を6〜20%に下げる。
(3)研磨手順:乾燥した板材に対して研磨を行い板材素材を得る。
(4)熱プレス手順:2枚の140〜200℃温度の押え板にて、素材板材の二表面層を圧縮密着する。
(5)予炭化手順:素材板材を160〜200℃の温度条件で予め炭化させる。
(6)炭化手順:素材板材を200〜225℃の温度条件で炭化させる。
(7)冷却手順:
(8)含水率制御手順。
【0016】
一般的に気乾密度が≦700kg/m3である木材を軟質木と呼び、大多数は速成樹材料を指す。軟質木素材を断裁方法によって、必要寸法の板材が得る。例えば長さが600mm〜2000mmで、幅が110mm〜200mm、厚みが30mm〜60mmの床材板材がある。
【0017】
その後、板材の間の間隔が15〜25mmになる様に積み重ねてから乾燥する。前記の乾燥手順では高温高湿快速乾燥方法を採用しており、その目的は、軟質材が乾燥中皺を生ずるのを防止し、板材がカビ或いは青変するのを防止して、最終的に製品の品質を保証するためである。乾燥手順によって板材の含水率を6〜20%に下げる。前記の乾燥手順において、木材を室内で5日間以上自然乾燥させてから過熱乾燥させるのを優先とする。自然乾燥にて一部の水分を取り除く方法により、熱圧中の割れを防止することができる。乾燥手順を設けたのは、各種の軟質木の間に差異が大きく、軟質木そのものの各方向の異方性が大きいので、高温高湿乾燥方法を採用して、高温高湿条件で木材を乾燥すると、木材が厚み方向の上で、小さな木材含水率のグラデーションを形成するので、乾燥による表面割れ、内部割れ、皺等の欠陥を避け、歩留まりが減少、後工程の熱プレスに対する影響等を避けることができる。同時に、高温条件で、ばい菌と虫の生長を抑えるか殺すので、板材のカビ或いは青変を防止することができる。乾燥手順において、樹脂を有する板材に対して、その含水率を12〜16%に乾燥させ、樹脂のない板材に対して、含水率を8〜12%に乾燥させるのを優先とする。含水率が低過ぎると(例えば3〜5%である場合)、板材が脆くなるので、熱プレス及び炭化中に、板材が容易に割れ、しかも歩留まりが低い。含水率が高過ぎると(例えば含水率が20〜40%である場合)、板材が熱プレス及び炭化中、板材内の水分が過熱水蒸気を形成するので、含水率が高くなり、板材内の過熱水蒸気の圧力が大きくなる。更に熱プレス及び炭化する板材は、通常は密度が小さく、生長速度が速い軟質材料であるため、過熱水蒸気の圧力が板材内の繊維間の柾目模様の引張り強度より容易に大きくなり、板材を容易に爆裂させ、木材のロスが大きくなる。実践によると、上記方法にて板材を処理すると、製品の歩留まりが99%以上に達する。
【0018】
威力ブランドの四面研削機(型番:U23EL)にて乾燥後の板材表面に対して四面研削を行い、対応する二つの表面層を圧縮表面とし、前記の圧縮表面層の研磨方向と板材の繊維方法が平行になる様にし、厚み20mm〜27mmの板材素材を得る。
【0019】
その後、研磨後の素材板材を熱プレス、予炭化、炭化の順に行い、冷却後含水率のコントロールを行う。
【0020】
本発明において、前記熱プレス手順とは、素材板材を熱プレス機の中に入れて、押え板が0.5〜6mm/sの速度で閉させるのを優先とする。素材板材の圧縮率を10〜30%に制御し、圧力を20〜50MPaに制御した後、押え板の温度を150〜160℃にし、保温保圧を30min〜120minに制御する。
【0021】
前記予炭化手順とは、上記保温保圧終了後、再度押え板の温度を170〜180℃に上げ、保温保圧を30min〜120minに制御する。前記炭化手順とは、予炭化手順終了後、押え板の温度を200〜225℃に上げた条件で、保温保圧を45min〜120 minに制御する。
【0022】
押え板の温度が150〜160℃で、保温保圧が30min〜120minの過程が熱圧過程である。この過程中、素材板材は必要の厚みに圧縮され、素材板材の対応する二つの圧縮表面層は1〜10mmのみ圧縮され、30min〜120minに保温保圧し(30min〜90minを優先とし、45min〜90minを更に優先とする)、素材板材の対応する二つの圧縮表面層が0.6〜4mmになる様にする(即ち、第一圧縮密着層と第二圧縮密着層)。しかも圧縮密着層の密度が、自然層密度の1.3〜3倍である。上記の熱圧中、押え板のプレス速度は0.5〜4mm/sを優先とし、圧縮率は10〜25%を優先とし、圧力は30〜40MPaを優先とする。
【0023】
その後、予炭化処理を行い、押え板の温度を170〜180℃までに上げた後、保圧状態で保温する。予炭化において、素材板材の含水量を更に低減し、素材板材が十分熱透過する様にし、更に過熱水蒸気の圧力が素材板材内部の繊維間の横方向の引張り強度より小さくなる様にして、後工程の炭化手順で炭化による欠陥が出ない様にする。例えば、素材板材に内部割れ、表面割れ、色不均一、変形等の問題が起きない様にして、歩留まりを高めるのである。歩留まりは殆ど100%に達する。
【0024】
予炭化が終了した後、押え板を200〜225℃まで素早く温度をあげ、45min〜120 minに保温保圧するが、この過程が炭化過程である。炭化中、素材板材は一連の複雑な化学反応を行うので、炭化後の素材板材は優れた性能を有するのである。詳細は以下の通りである。
1.防湿性の強化:素材板材は炭化処理後、その吸水原理が変化する。処理温度が高まることにより、吸湿性能の強い半繊維素は処理中分解されるので、素材板材の吸湿性が下がる。水分子と素材板材分子の間において水素基が少なくなり、素材板材の吸湿性と吸水性が低減され、炭化後の素材板材の平衡含水率が、未炭化処理の素材板材に比べ45%以上下がる。
2.寸法安定性の高め:素材板材は高温環境の中で熱処理を行うが、炭化により素材板材の水酸基濃度が下がるので、素材板材の吸湿性と内部応力が小さくなり、炭化後の素材板材と外部水分の交換能力が著しく弱くなり、炭化後の木質型材が使用中水分の変化による変形、収縮と湿気による膨張を大いに減少している。
3.耐腐食と耐候性を著しく強化する:素材板材は炭化中に複雑な化学反応を行い、素材板材の一部の成分を変化させ、素材板材の腐食菌の栄養物質を低減し、食物チェーンにおける菌類の素材板材での生長を押える。そこで、炭化後の素材板材の耐腐食性能と耐候性を著しく高め、防腐食、白蟻防止、真菌防止の効果がある。
4.環境保全、安全:炭化過程は純粋の物理技術である。素材板材の炭化において、ただ温度、水蒸気と関係があり、化学試薬を一切入れないので、炭化過程は環境に優しく、安全である。それ以外、炭化により、素材板材が安定で、防腐食と珍しい木材の色を有する様にしているので、軟質木を一部の珍しい木材の代わりに使用することができる。
5.内外色が一致する:炭化木の色は内外一致し、樹種と工程により、炭化木の色が黄色からブラウンまである。松、杉、ポプラ類の色の浅い速成樹木材に対して、炭化後これらのコストの安価な木材は、熱帯の珍しい木材に似た色になり、見た目に高級感があり、優れた安定性を有する。
【0025】
実験によると、上記熱圧及び炭化手順を採用すると、歩留まりが99%に達し、引いては100%に達する。
【0026】
本発明において、優先とするもう一つの前記熱圧手順は下記通りである。素材板材を熱プレス機に入れて、押え板を0.5〜6mm/sの速度で閉じる様にして、素材板材の圧縮率を10〜30%に制御し、圧力を20〜50MPaに制御した後、押え板の温度を170〜200℃に制御し、保温保圧を1min〜40minにする。前記の予炭化手順において、保温保圧終了後、押え板の温度を160〜170℃に下げ、保温保圧を30min〜120minにする。前記の炭化手順において、予炭化手順終了後、押え板の温度を200〜225℃に上げた条件で、保温保圧を45min〜120 minにする。押え板の温度が170〜200℃である場合が熱プレス過程で、熱プレス過程中、素材板材が短時間で温度変化が大きく、製品の品質に有利であるが、残応力も生ずる。その後、予炭化手順に入る。即ち、押え板の温度を160〜170℃に下げ、保温保圧を行い、当該素材板材内部の残応力を釈放し、当該素材板材が後工程の炭化中爆裂するのを防止する。押え板の温度が200〜225℃の間の過程が炭化過程である。実験によると、上記熱プレス及び炭化手順において、歩留まりが99%に達し、引いては100%に達する。
【0027】
本発明において優先とする前記手順(7)冷却手順は、炭化手順終了後、保圧状態で、押え板の温度を120℃以下に下げるのである。冷却手順により、熱プレス及び炭化手順後の素材板材の温度が120℃以下に下がる。即ち、素材板材の可塑温度以下に下がり、熱圧及び炭化手順の素材板材が固定成形される。
【0028】
本発明において優先とするもう一つの前記手順(7)の冷却手順は、炭化手順終了後、熱プレス機の圧力をゆっくり抜いて、素材板材を素早く取り出してから常温プレス機に送り、常温プレス機を素早く閉じて、常温プレス機の押え板の圧力を0.2〜4MPaの間に制御する。
【0029】
本発明において優先とする前記手順(8)の含水率の制御手順は、冷却後の素材板材を温度湿度調整室に入れて含水率を制御するのである。温度湿度調整室内の温度を39〜80℃に制御し、相対湿度を75〜95%に制御して、木材の含水率を4〜12%に戻す。含水率を元に戻す手順により、木質型材が各地域の気候条件に適用する様にする。
【0030】
本発明における優先方法として、更に含水率を制御する手順の後に押えローラ塗布手順が含まれる。前記押えローラの塗布手順とは、UV樹脂を0.5〜1.0Mpaの圧力にて圧縮層に0.05〜0.15mm含浸させてUV硬化するのである。本発明において、UV樹脂を第一圧縮密着層或いは第二圧縮密着層に含浸し、塗料と当該木質型材の表面の木繊維が接触して架橋硬化反応をするので、塗膜硬度、柔軟性共配慮して、当該木質型材の各性能を向上している。
【0031】
上記の木質型材の製造方法によって得る木質型材には、圧縮密着層とその繊維が連結された自然層が含まれる。圧縮密着層とは自然層の両側に位置する第一圧縮密着層と第二圧縮密着層である。当該木質型材は全体の密度が350〜750kg/m3で、含水率が4〜12%で、耐腐食レベルがII級以上で、重量の損失が≦24%である。当該木質型材は接着剤が使用されていなく、その中の自然層は圧縮されてない木材構造であるが、表面圧縮により自然層の構造が影響を受ける可能性があるが、圧縮密着層の圧縮量に比べると無視することができる。上記圧縮密着層の密度、即ち第一圧縮密着層と第二圧縮密着層の密度は、その対応する表面層から0.6〜4mmの深さに木材の自然密度になるまで段々と小さくなり、圧縮密着層と自然層の間は自然繊維にて連結されるので、現在のベニヤとは異なる。上記自然的連結はその連結が堅固で、汚染がなく、製造工程も簡単である。前記第一圧縮密着層或いは第二圧縮密着層の表面塗膜の硬度は3〜6Hに達している。
【0032】
当該木質型材の含水率は4〜12%である。含水率とは、木材の中に含まれる水分の重量と完全に乾燥した後の木材重量のパーセントで、木材含水率と定義される。大気条件での吸湿平衡含水率とは、木材が一定の温度湿度の条件で、最後に達する吸湿安定含水率或いは脱離安定含水率で、木材の平衡含水率と称する。一般的に、地域によって木材の平衡含水率も異なる。広州地域での年間平均平衡含水率は15.1%で、北京地域では11.4%である。11%までに乾燥された木材は北京に適用し、広州で使用されると湿気を吸収して膨張、変形する。そこで、通常木材の最終含水率は使用地域の平衡含水率と近いか或いは同じでなければ、木製品の使用安定性を保証することができない。本型材は圧縮炭化処理後、軟質材料表面の硬度を高めるだけではなく、優れた固定作用があり、しかも吸湿性も大いに低減するので、使用地域での季節温度と湿度の変化の、寸法安定性に対する影響を大いに低減し、使用寿命を延長し、異なる気候条件によって含水率を調整する必要が無く、異なる地域の気候条件に適応する。
【0033】
本発明における上記木質型材は、「GB 1941-91木材硬度試験方法」によって、型材の表面硬度を測定したところ1500N以上であり、その自然層の2.0倍以上である。同時に、その使用平衡含水率が既存技術による圧縮型材に比べ大いに低く、しかも使用中型材の含水率の変化が少ないため、寸法安定性が大いに高まる。現在の圧縮木は、圧縮層を封止する必要があるため、大量の化学試薬を採用しているが、本発明における上記木質型材には、既存技術の上記化学試薬が含まれていない。それ以外、上記木質型材は防腐食性能が優れている。「GB/T 13942.1-1992 木材の天然耐久性試験方法 木材天然耐腐食性試験室試験方法」標準によって、本発明の優先樹種サンプルに対して試験を行った結果、その耐腐食レベルがII級以上に達し、重量損失が24%以下であった。
【0034】
上記木質型材の素材は、ポプラ、杉の木、バビショウ、南部松、カラマツ、キリ等の速成樹材料である。処理する前に、これらは力学性能が低く、防腐食防湿性が理想的でなく、安定性が低く、ばい菌と虫の侵害を受けやすく、容易に割れたり変形する。
【0035】
耐腐食レベルはI以上であることを優先とする。
【0036】
第一圧縮密着層と第二圧縮密着層の厚みは1〜2mmの間であることを優先とする。
【0037】
上記含水率が6.5〜10%であることを優先とし、7〜9%を更に優先とする。
【0038】
本発明において、第一圧縮密着層と第二圧縮密着層の厚みが0.6〜4mmの間で、圧縮密着層の密度が自然層密度の1.3〜3倍であることを優先とする。
【0039】
本発明において、当該木質型材の素材がポプラで、その全体の密度が380〜550kg/m3で、含水率が6〜12%で、第一圧縮密着層と第二圧縮密着層の厚みが0.6〜4mmであることを優先とする。
【0040】
本発明において、当該木質型材の素材が南部松で、その全体の密度が500〜720kg/m3で、含水率が4〜11%で、第一圧縮密着層と第二圧縮密着層の厚みが0.6〜3mmであることを優先とする。
【0041】
本発明において、当該木質型材の素材がバビショウで、その全体の密度が480〜680kg/m3で、含水率が5〜10%で、第一圧縮密着層と第二圧縮密着層の厚みが0.6〜2.5mmであることを優先とする。
【0042】
本発明において、当該木質型材の素材が杉の木で、その全体の密度が350〜550kg/m3で、含水率が5〜10%で、第一圧縮密着層と第二圧縮密着層の厚みが0.6〜2.5mmであることを優先とする。
【発明の効果】
【0043】
上記の木質型材は下記のメリットがある。
1.厚みと密度の分布:第一圧縮密着層と第二圧縮密着層の厚みがいずれも0.6〜4mmの間で、第一圧縮密着層と第二圧縮密着層の密度がいずれも自然層密度の1.3〜3倍である。
2.吸湿性:素材に比べ、45%以上低減する。
3.寸法安定性:素材に比べ55%以上高まる。
【0044】
上記を纏めると、本発明は下記の有益効果がある。
1.当該木質型材は速成樹材料を採用することができるので、資源が豊富で、価格が安価である優越性がある。当該木質型材の表面は、熱圧及び炭化された後、珍しい樹種の天然の優れた木材微環境特性と物理力学性能を有し、同時に本発明では、一次成型複合式木材物理的機能性改良技術、即ち熱プレス及び炭化技術を採用して直接に型材を得ているので、数枚の素材に樹脂を含浸させる等の段階を省くので、コスト節減と同時に型材の力学性能を強化し、木材の天然特性を維持することができる。
2.当該木質型材は、平衡含水率が小さく、変化が小さく、寸法安定性が高く、耐腐食耐候性が強く、圧縮密着方向上の膨張性が低く、出来上がった製品に対して含水率を再度調整する必要が無く、直接に屋外、オンドル等の各種の異なる環境条件に応用することができる。
3.当該木質型材において、圧縮密着層と自然層の繊維が連結されており、その間に貼着、仕分け等の技術問題が存在しなく、熱圧した後再度炭化により高温固定処理を行うため、相互対応する二つの表面層が硬く、中間部分が柔らかい等、弾性を有する木材の新らしい特性を形成するので、天然木床材に用いるのに独特の優位点を有する。出来上がった天然木床材は、木の模様が現れ、踏み心地が良く、有害気体を一切排出しなく、視覚、触覚、味覚とも配慮しているので、特に年長者と子供のいる家庭用床材として適合しており、これは汎用天然木床材が追い付かない部分である。
4.当該木質型材の製造方法において、熱プレスする前に乾燥手順を設けることにより、木材にカビが発生したり青変するのを防止して、木材の外観を強化すると同時に、後工程における熱プレス及び炭化中に木材が割れたり、爆裂して、機械を損傷したり作業者を傷つけるのを防止し、製品の歩留まりを高め、製品の品質を保証する。
5.当該木質型材の製造方法において、その採用方法が簡単であるため、産業化を進めるのに有利である。本発明において、重要な手順は、主に乾燥、熱圧、炭化手順である。これら各手順において設備が完備し、プロセスが適合し、そのプロセスが正しく実施されるのであれば、高品質の製品が得られる。
6.木材の製造方法において、圧力塗布方法でUV硬化樹脂を圧縮密着層の表面層に含浸させて永久的に硬化させて、圧縮密着層の模様を永久的に封止し、圧縮密着層の吸湿能力を有効に低減し、木材の寸法安定性を更に強化するので、膨張して元に戻るのを防止する。
7.高温高圧熱圧後炭化を行い一次成型する木材機能性改良方法を採用しているので、本発明は工程が簡単で、熱圧後の炭化中にいかなる化学薬剤も添加しないので、排気と排水がなく、熱利用効率が高く、省エネでき、環境にやさしく、木材の固有欠陥を解決し、既存技術において膨張されて元に戻る問題と環境保全の問題を解決しているので、産業化を進めるのに有利である。
8.本発明によって得た木質型材は、相互対応する第一圧縮密着層と第二圧縮密着層を有し、片面圧縮による型材に比べその適用範囲が更に広く、床材を除いて、家具と事務分野に応用できる。例えば、家庭用或いは事務用の机、椅子等がある。片面圧縮による型材を家具或いは事務分野に用いる際、型材製作工程が二工程必要で、二つの片面圧縮型材を貼合わせて使用することになる。然し、本発明が提供している木材型材製造方法による木質型材は、貼り合わせる必要がなく、直接に家具或いは事務分野に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】実施例1での圧縮炭化技術におけるポプラの電子顕微鏡による写真図である。
【図2】実施例1おけるポプラ素材の電子顕微鏡による写真図である。
【図3】実施例1におけるポプラ素材の厚み方向上の密度分布図である。
【図4】実施例1におけるポプラ素材の圧縮炭化技術による製品の厚み方向上の密度分布図である。
【0046】
図1と図2は、それぞれ最終製品とポプラ素材の電子顕微鏡による写真図であって、二枚の図から分かる様に、図2は素材の細胞構造の分布が均一であり、図1は、圧縮表面から奥側2〜3mmぐらいの第一圧縮密度層の密着程度が非常に著しく(第二圧縮密着層の密着程度と第一圧縮密着層は似ている)、更に奥側は天然木材の均一構造をそのまま維持している。
【0047】
図3と図4は、それぞれ素材と最終製品の厚み方向上の密度分布図であり、各試験には3つのサンプルがあり、表面圧縮後の製品の表面から奥側2〜3mmに密度が明らかに大きくなっている。
【発明を実施するための形態】
【0048】
以下に添付図に合わせて更に詳しく説明する。
【0049】
本具体実施例は、ただ本発明に対する解釈であって、本発明の制限ではない。本分野での技術者は、本説明書を読んだ後、必要に応じて、本実施例に対して創造性貢献の無い変更をすることができるが、本発明の請求項範囲内にあるものは、特許法の保護を受けることになる。
【実施例1】
【0050】
ポプラの床材の製造方法であって、速成樹のポプラを素材とし、鋸にてロット生産と同じ仕様の木材に裁断し、それを積重ねた後、フォークリフトにて積重ねた木材を蒸気過熱上風型乾燥炉の中に入れて乾燥させ、高温高湿方法にてその水分が12〜14%になる様に乾燥する。威力ブランドの四面フライス(型番:U23EL)にて乾燥後のブロック状の木材表面に対して研磨を行い、相互対応する研磨表面を圧縮密着面として、前記の圧縮する面の研磨方向と木材の繊維方向が平行になる様にして、厚み25mmの木材素材を得る。当該素材板を三層の熱プレス機の中に入れ、熱プレス機の閉じる速度を3mm/sに制御し、熱プレス機の圧力を30MPaに制御し、二枚の押え板を150℃まで上げてから閉じ、素材板の厚みを20mmまでに押え、二枚の押え板を素材板の圧縮する面に貼り付けてから、50minに保温保圧させる。その後、二枚の押え板の温度を170℃まで上げ、熱プレス機の圧力を30Mpaに制御し、80minに保温保圧して、最後に二枚の押え板の温度を210℃に上げ、60minに保温保圧すると、熱圧、予炭化及び炭化手順が完成したことになる。その後、熱プレス機が保圧状態で、自からの冷却システムを通じて、即ち熱伝達油によって二枚の押え板の温度を120℃以下に下げて、素材板の温度が可塑温度点以下になる様にして、炭化手順後の素材板が固定成形する様にする。その後、冷却された素材板を温度湿度調整室の中に入れて、温度湿度室内の温度を65℃に、相対湿度を90%に調整して、木材の含水率を6〜12%に回復する。
【0051】
その後取り出して、室内の中に一定時間置いてから、それに対して凹条溝加工、表面研削、表面塗布等の手順によって天然木床材を得る。図1は、本実施例において、熱圧及び炭化技術を施した後、ポプラの第一圧縮密着層と自然層が連結された構造における切断面の電子顕微鏡の写真図(第二圧縮密着層構造は第一圧縮密着層の構造と似ている)である。図2と比べると、その繊維間の空間は殆ど圧縮されるので、硬度が高く、各種の床材の強度要求を満足させ、軟質材料の欠陥を解決している。床材の自然層繊維構造は、緊密していないため、吸音、防振作用が良く、踏み心地がよく、軟質木材のメリッドを維持する。
【0052】
前記表面塗布では、高圧ローラ塗布技術を採用して、低粘度UV樹脂を1Mpaの圧力で、圧縮密着層に0.15mmぐらい含浸する様にし、UV硬化を経由した後、圧縮密着層は更に強化される。これら樹脂強化層は、更に圧縮密着層と外部の水分交換を隔離する作用をしているので、圧縮密着層を更に硬化して、木材の安定性を高めるのである。第一圧縮密着層或いは第二圧縮密着層の塗膜硬度は2H〜6Hである。
【0053】
図3と図4を比べて見ると、上記天然木床材が圧縮された表面の奥方向2.5mmの厚み部分が著しく強化されている。
【実施例2】
【0054】
南部松の床材の製造方法であって、速成樹の南部松を素材とし、鋸にてロット生産と同じ規格の木材に裁断し、それを積重ねた後、フォークリフトにて積重ねた木材を蒸気過熱上風型乾燥炉の中に入れて、高温高湿方法にてその水分が10〜18%になる様に乾燥させる。威力ブランドの四面フライス(型番:U23EL)にて乾燥後の板材表面に対して研磨を行い、相互対応する研磨表面を選んで圧縮密着面とし、前記の圧縮する面の研磨方向と板材の繊維方向が平行になる様にして、厚み30mmの素材板を得る。当該素材板を三層の熱プレス機の中に入れ、熱プレス機の閉じる速度を4mm/sに、熱プレス機の圧力を40MPaに制御し、二枚の押え板を180℃まで上げてから閉じ、素材板の厚みを24mmまでに押え、25minに保温保圧させる。その後、自からの冷却システムを通じて、即ち熱伝達油によって二枚の押え板の温度を160℃以下に下げて、45minに保温保圧し、最後に210℃の条件で60minに保温保圧させると、熱圧、予炭化及び炭化手順を完成したことになる。その後、ゆっくり圧力を抜いて、熱プレス機を開き、素材板を早速取り出し、速やかに常温プレス機に入れてから、当該常温プレス機を閉じる。常温プレス機の押え板を素材板の表面まで押え、圧力を2.5MPaに制御して冷却し、炭化手順後の素材板の温度を120℃以下に(即ち素材板の可塑温度点以下)下げて、炭化手順を経由した素材板が固定成形する様にする。その後、冷却後の素材板を温度湿度調整室の中に入れて、温度湿度調整室内の温度を60℃に制御し、相対湿度を95%に調整して、木材の含水率を7〜12%に回復する。
【0055】
その後取り出して、室内で一定時間置き、その凹条溝加工、表面研削、表面塗布等の手順によって天然木床材を得る。
【0056】
天然木床材が炭化処理された後、その表面は均一な黄色になり、吸水能力が著しく下がるので、使用する際、その平衡含水率が7〜12%に安定できる。第一圧縮密着層或いは第二圧縮密着層の塗膜硬度は2H〜6Hである。
【実施例3】
【0057】
実施例1と異なる部分を下記の表に並べている。
【実施例4】
【0058】
実施例1と異なる部分を下記の表に並べている。
【実施例5】
【0059】
実施例1と異なる部分を下記の表に並べている。

【0060】
第二圧縮密着層の密度は第一圧縮密着層とほぼ同じである。
【実施例6】
【0061】
事務用机の型材の製造方法であって、速成樹のポプラを素材とし、鋸にてロット生産と同じ仕様の板材に裁断し、それを積重ねた後、その上に荷重を乗せ、フォークリフトにて積重ねた木材を蒸気過熱上風型乾燥炉の中に入れて、高温高湿方法にてその水分が15〜20%になる様に乾燥させる。威力ブランドの四面フライス(型番:U23EL)にて乾燥後の板材表面に対して研磨を行い、前記圧縮密着面の研磨方向と板材の繊維方向が平行になる様にして、厚み50mmの素材板を得る。当該素材板を三層の熱プレス機の中に入れ、熱プレス機の閉じる速度を3.5mm/sに、熱プレス機の圧力を50MPaに制御し、二枚の押え板を160℃までに上げてから閉じ、素材板の厚みを40mmまでに押え、二枚の押え板が素材板の圧着面にしっかり付着する様にしてから、二枚の押え板の温度を180℃に上げ、圧力を50MPaに制御し、90minに保温保圧させる。最後に210℃の条件で80minに保温保圧すると、熱圧、予炭化及び炭化手順を完成したことになる。その後、自からの冷却システム、即ち熱伝達油を通じて、二枚の押え板の温度を100℃以下に下げ、素材板の温度が可塑温度点以下になる様にして、炭化後の素材板が固定成形できる様にする。その後、冷却後の素材板を温度湿度調整室の中に入れて、温度湿度調整室内の温度を65℃に制御し、相対湿度を90%に調整して、木材の含水率が9〜12%に回復する様にした。
【0062】
その後取り出して、室内で一定時間置き、それに対して表面研削、表面塗布等の手順により、天然木床材を得る。
【0063】
前記の表面塗布は高圧ローラー塗布技術を採用し、低粘度UV樹脂を1.0Mpaの圧力で、圧縮密着層に0.12mmぐらい含浸する様にし、UV硬化を経由した後、圧縮密着層が更に強化できる。これらの樹脂強化層はまた圧縮密着層と外部の水分交換を隔離するので、圧縮密着層が再度強化され、木材の安定性を高めるのである。第一圧縮密着層或いは第二圧縮密着層の塗膜硬度は2H〜6Hである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
木質型材の製造方法であって、以下の手順が含まれることを特徴とする、木質型材の製造方法。
(1)材料準備手順(気乾密度が700kg/m3以下の木材を板材にする。)、
(2) 乾燥手順(板材に対して乾燥を行い、板材の含水率を6〜20%に下げる。)、
(3)研磨手順(乾燥した板材に対して研磨を行い素材板を得る。)、
(4)熱プレス手順(二枚の140〜200℃の熱プレスにて、素材板の二つの表面層に対して圧縮密着する。)、
(5)予炭化手順(160〜200℃の条件で素材板を予め炭化させる。)、
(6)炭化手順(200〜225℃の条件で素材板を炭化させる。)、
(7)冷却手順、及び
(8)含水率制御手順
【請求項2】
前記の熱プレス手順が、素材板を熱プレス機の中に置いて、熱プレス板を0.5〜6mm/秒の速度で閉じ、素材板の圧縮率を10〜30%に制御し、圧力を20〜50MPaに制御してから、熱プレス板の温度を150〜160℃に制御し、30分〜120分間保温保圧することであり、前記予炭化手順が、前記保温保圧終了後、熱プレス板の温度を170〜180℃に上げ、30分〜120分間保温保圧することであり、前記炭化手順が、予炭化手順が終了した後、熱プレス板の温度を200〜225℃までに温度を上げた条件で、45分〜120 分間保温保圧することであることを特徴とする、請求項1に記載の木質型材の製造方法。
【請求項3】
前記熱プレス手順が、素材板を熱プレス機の中に入れて、熱プレス板を0.5〜6mm/秒の速度に閉じ、素材板の圧縮率を10〜30%に制御し、圧力を20〜50MPaに制御した後、熱プレス板の温度を170〜200℃に制御し、1分〜40分間保温保圧することであり、前記の予炭化手順が、保温保圧終了後、熱プレス板の温度を160〜170℃に下げ30分〜120分間保温保圧することであり、前記炭化手順は予炭化手順終了後熱プレス板の温度を200〜225℃に上げた条件で、45分〜120 分間保温保圧することであることを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
【請求項4】
前記手順(7)冷却手順において、炭化手順終了後、保圧状態で押え板の温度を120℃以下に下げることを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
【請求項5】
前記手順(7)冷却手順において、炭化手順終了後、熱プレス機の圧力をゆっくり抜いて、素材板を速やかに取り出し、常温プレス機の中に速やかに入れ、常温プレス機を迅速に閉じ、常温プレス機の押え板の圧力を0.2〜4MPaに制御することを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
【請求項6】
前記手順(8)含水率を回復する手順において、冷却後の素材板を温度湿度調整室の中に入れて含水率を回復し、温度湿度調整室の温度を39〜80℃に制御し、相対湿度を75〜95%に調整して、含水率を4〜12%に回復させることを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
【請求項7】
前記木質型材が、圧縮密着層と、前記圧縮密着層に自然層の繊維が連結された自然層と、を含み、前記圧縮密着層がそれぞれ前記自然層の両側に位置する第一圧縮密着層と第二圧縮密着層であって、当該木質型材の全体の密度が350〜750kg/m3で、含水率が4〜12%で、耐腐食レベルがII級以上で、重量損失が24%以下であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の木質型材の製造方法によって得られたものである木質型材。
【請求項8】
前記第一圧縮密着層と第二圧縮密着層の厚みが0.6〜4mmの間で、前記圧縮密着層の密度が前記自然層密度の1.3〜3倍であることを特徴とする、請求項7に記載の木質型材。
【請求項9】
当該木質型材の素材がポプラであって、全体密度が380〜550kg/m3で、含水率が6〜12%で、第一圧縮密着層と第二圧縮密着層の厚みが0.6〜4mmの間であることを特徴とする、請求項7に記載の木質型材。
【請求項10】
当該木質型材の素材が南部松で、全体密度が500〜720kg/m3で、含水率が4〜11%で、第一圧縮密着層と第二圧縮密着層の厚みが0.6〜3mmの間であることを特徴とする、請求項7に記載の木質型材。
【請求項11】
当該木質型材の原材料がバビショウであって、全体密度が480〜680kg/m3で、含水率が5〜10%で、第一圧縮密着層と第二圧縮密着層の厚みが0.6〜2.5mmの間であることを特徴とする、請求項7に記載の木質型材。
【請求項12】
当該木質型材の原材料が杉の木であって、全体密度が350〜550kg/m3で、含水率が5〜10%で、第一圧縮密着層と第二圧縮密着層の厚みが0.6〜2.5mmの間であることを特徴とする、請求項7に記載の木質型材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2012−517365(P2012−517365A)
【公表日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−549423(P2011−549423)
【出願日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際出願番号】PCT/CN2010/070515
【国際公開番号】WO2011/075960
【国際公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(511167076)ジューチアン シューヨウ、ティンバー コーポレーション リミテッド (2)
【出願人】(511167087)
【Fターム(参考)】