説明

上げ下げ窓

【課題】 上げ下げ窓における気密性および水密性を確保しつつ、障子の開閉操作性および気密材の耐久性を向上させる。
【解決手段】 本発明の上げ下げ窓1は、壁面8に形成された開口部81を室内側から閉鎖しうる障子2がスライドレール3に沿って昇降自在に支持されている。開口部81の室内側の左右両側には、それぞれスライドレール3を互いに平行に配設する。各スライドレール3には、レールを摺動するスライダ31を備え、これらのスライダ31間に障子2を走方向変換手段4を介在させて取着する。そして障子2は、開口部81の室内側周縁部に添設された気密材6から離間した状態で、壁面8と平行に昇降するとともに、走方向変換手段4を介して壁面8と平行な姿勢のまま水平移行することができ、開口部81の気密材6に均等に密着しうる構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上げ下げ窓に関し、特に障子の操作性の改善および障子閉鎖時の気密性・水密性の向上を図った上げ下げ窓に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、住宅等の建物の開口部は、その外壁面に窓枠を取り付け、この窓枠内に障子を開閉自在に建て込み、窓枠または障子の外周部に気密材を設けることによって、障子を閉じた時に気密材を窓枠に密着させ、外部から外気や雨水の浸入を防止するように図られている。
【0003】
このような気密性や水密性を確保する手段は、障子を上下に昇降させて開閉する上げ下げ窓においても、障子の外周部や上下の障子の召し合せ框に気密材を設けることによってなされている。従来、例えば特許文献1,2等に記載されているような上げ下げ窓の構造が提案されている。この種の上げ下げ窓は、外障子と内障子の少なくともいずれか一方が縦枠に昇降自在に支持されており、外障子の下框と内障子の上框の一方または両方に気密材が備えられ、この気密材を他方に密着させることによって、障子を閉鎖したときの気密性を確保するようになされている。
【特許文献1】特開2003−328655号公報
【特許文献2】特開2003−64966号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような上げ下げ窓は、内障子と外障子とが相対的に開閉移動する構造上、障子の開閉操作時に気密材を他方の障子に押しつけつつ昇降させることになるので、外障子または内障子の気密材が擦れ、ねじれたり変形したりするおそれがあった。このように気密材が他方の障子等に擦れると、ゴム等の弾性材からなる気密材を採用している場合には特に、気密材の変形等によって障子閉鎖時に内障子と外障子との間に隙間ができ、障子間の気密性や水密性が低下してしまうという問題点があった。また、このように気密材が他方の障子等に擦れることで、障子の上げ下げが重くなったり、不快な音を生じたりする原因にもなりかねなかった。
【0005】
また、上記のような上げ下げ窓のほか、壁面に設けられた開口部に対して、一枚の障子が室内側から昇降することによって、開口部を開閉する構造の上げ下げ窓においても、開口部と障子との間での同様の課題を有しており、障子に設けられた気密材を変形させることなく、障子の上げ下げを可能とするような技術が必要とされていた。
【0006】
そこで本発明は、上記のような問題点にかんがみてなされたものであり、上げ下げ窓における気密性および水密性を確保しつつ、障子の開閉操作性および気密材の耐久性を向上させることのできる上げ下げ窓を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した目的を達成するため、本発明は、壁面に形成された開口部を室内側から閉鎖しうる障子がスライドレールに沿って昇降自在に支持された上げ下げ窓であって、開口部の室内側の左右両側にそれぞれスライドレールが互いに平行に配設され、各スライドレールには、レールを摺動するスライダが備えられるとともに、これらのスライダ間に障子が走方向変換手段を介在させて取着されて、壁面から離間した状態で壁面と平行に上昇した障子が、走方向変換手段を介して壁面と平行な姿勢のまま開口部方向に水平移行することにより開口部が閉鎖されることを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、昇降可能な障子が、閉鎖する開口部から離間した状態で壁面と平行に上げ下げされるので、昇降時に障子が開口部や壁面に擦れることがない。また、かかる障子の昇降はスライダの上下動で操作することができ、かかるスライダの上下動を走方向変換手段によって水平動へ変換することもできるようになされている。したがって、壁面から離間した状態で上昇した障子を、開口部方向に水平移行させるため動力や操作が別途必要になることはなく、スライダを昇降させる操作だけで障子を開閉することができ、操作性も高めることができる。
【0009】
上記の走方向変換手段の具体的な構成としては、回転板、ガイドローラー、およびストッパ部材を備えたものが挙げられる。このうち、回転板は3つの連結部を有し、第1連結部はスライダに回転可能に枢支され、第2連結部はスライドレールの室外側にあって第1連結部よりも上方に設けられ、ガイドローラーを備えるとともに障子の縦框を連結してなり、第3連結部はスライドレールの室内側にあって第2連結部よりも上方に設けられて、ガイドローラーを備える。ストッパ部材は、スライドレールの室外側に突出して第2連結部のガイドローラーが当接しうる底面が水平に形成されて、スライドレールに沿って上昇した第2連結部のガイドローラーのそれ以上の上昇を規制し、このストッパ部材の上部のスライドレール上には、室内側方向に開口する第3連結部の出没部が設けられている。
【0010】
このような構成により、スライダの上昇によって第2連結部のガイドローラーがストッパ部材に当接すると、この第2連結部がストッパ部材に沿って室外側へ移行して回転板を回転させるとともに、第3連結部のガイドローラーが出没部内へ転動して、第2連結部に結合された障子を開口部方向に水平移行させることができる。
【0011】
また、本発明は前記上げ下げ窓において、前記出没部内には室内側下方向へ傾斜した案内面が設けられており、スライダの降下に伴って、出没部内の第3連結部のガイドローラーが、案内面に沿ってスライドレールの室内側へ移行して回転板を回転させるとともに、第2連結部のガイドローラーがストッパ部材に沿って室内側へ転動して、開口部を閉鎖していた障子が室内側へ水平移行するように構成されている。
【0012】
さらに、本発明の上げ下げ窓においては、気密材が、開口部の室内側周縁部または障子の室外側周縁部のいずれか一方に添設され、障子が開口部を閉鎖したとき、気密材と障子とが密着して気密および水密を保つようになされることを特徴としている。
【0013】
前記のように障子は、壁面から離間した状態で昇降し、走方向変換手段を介して開口部方向に水平移行して、開口部を閉鎖するようになされるので、障子の昇降動作によっても、開口部の室内側周縁部または障子の室外側周縁部に添設された気密材が他方に擦れることがなく、気密材の変形や破損のおそれもない。また、障子は壁面と平行な姿勢のまま水平移行して開口部を閉鎖するので、障子と開口部との間で気密材が均等に密着し、障子と開口部との間の高い気密性および水密性を確保することができる。
【発明の効果】
【0014】
上述のように構成される本発明の上げ下げ窓によれば、障子の開閉操作時、気密材を押しつけつつ障子を昇降させるということがないので、気密材の変形や破損のおそれがなく、気密材を良好な状態で長期間使用することができ、また、障子は壁面と平行な姿勢のまま水平移行して開口部を閉鎖するので、気密材がねじれたりめくれたりすることがなく、障子と開口部との間で気密材が均等に密着し、高い気密性と水密性を確保するとともに、気密材の耐久性を高めることができる。また、これにより、障子の開閉操作を軽い力で行うことができ、操作性をも高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明に係る上げ下げ窓を実施するための最良の形態について、図面を参照しつつ説明する。図1および図2は本発明の上げ下げ窓を示し、図1は上げ下げ窓を室外側から見た正面図、図2は上げ下げ窓を設けた壁面の室内側正面図である。
【0016】
本発明に係る上げ下げ窓1は、壁面に形成された開口部81を室内側から閉鎖しうる障子2が、スライドレール3に沿って昇降自在に支持されている。
【0017】
スライドレール3は、開口部81の室内側の左右両側に互いに平行に配設されている。各スライドレール3には、レールを摺動するスライダ(図示省略)が備えられており、これらのスライダ間に障子2が、壁面8から離間して走行するように備えられている。また、この障子2は、走方向変換手段を介在させて左右のスライダ間に取着されている。走方向変換手段は、スライドレール3に沿って壁面8から離間した状態で垂直方向に上昇した障子2を、壁面8の開口部81の方向に水平に移行させ、また逆に、開口部81からスライドレール3の方向に水平に移行した障子2を、スライドレール3に沿って垂直に下降させるものである。これにより、図示するように、開口部81が障子2で閉鎖されるような仕組みになっている。
【0018】
また、上げ下げ窓1の気密材は、開口部81の窓枠811の室内側周縁部、または障子2の室外側周縁部の少なくともいずれか一方に設けられて、開口部81が障子2で閉鎖されることによって両者の間に気密材が密着し、気密性および水密性を確保するようになされている。したがって、障子2が開口部81を開放して昇降動作する間は、障子2は壁面8から離間して走行するので、障子2と気密材とは全く擦れることがなく、摩擦抵抗を生じることがないので、気密材の変形や破損を防ぐことができる。
【0019】
なお、図1,2では、開口部81として丸窓を例示したが、本発明は開口部81に障子面を押し当てることで開口部81を閉鎖する構成であるので、開口部81の形状はこれに限定されず、三角形、多角形、楕円形、または複数種類の直線や曲線で囲まれた形状等、いろいろな形状の開口部81に適用することができる。
【実施例】
【0020】
次に、本発明に係る上げ下げ窓の実施例について説明する。図3〜図8は本発明の上げ下げ窓の実施例を示し、図3,4は上げ下げ窓の内部機構を室内側から見た正面図、図5(a)(b)は上げ下げ窓の縦断面図、図6は上げ下げ窓の横断面図、図7は上げ下げ窓の分解斜視図、図8(a)〜(c)は上げ下げ窓の走方向変換手段の動作を示す説明図である。なお、図5、図6においては図面を見やすくするために、窓枠や障子等の構成部材には断面を示すハッチングを省略して記載している。
【0021】
本実施例の上げ下げ窓1は、図3,4に示すように、開口部(81)の室内側の左右両側に互いに平行に配設されたスライドレール3に沿って障子2が昇降し、スライドレール3の上部で開口部を閉鎖するように構成されている。以下の実施例では、図5(a)に示すように、上げ下げ窓1が壁体の内側に納められて、室外側の壁面8と、室内側の壁面80の双方に対応して設けられた開口部81の窓枠811,812の間を障子2が昇降して、室外側壁面8の開口部81を閉鎖しうるようになされた例を説明する。
【0022】
図6,図7に示すように、スライドレール3は、溝形状に形成されて、壁面8から所定距離だけ離間した位置に設けられている。スライドレール3を摺動するスライダ31は、スライドレール3の内側に収容されており、長尺板状に形成されたスライドバー32を障子2との間に備えている。スライドレール3に沿って昇降する障子2は、左右縦框21の上下2箇所の支持点で、走方向変換手段4を介して、スライダ31およびスライドバー32に取着されている。
【0023】
走方向変換手段4は、スライドバー32の上下両端部にそれぞれ設けられている。各走方向変換手段4は、回転板41、ガイドローラー42,43、およびストッパ部材44を備えた構成とされている。
【0024】
この走方向変換手段4の回転板41は、略三角形状に形成されて3つの連結部を有する。このうち、第1連結部411は、スライドバー32を挟んでスライダ31に回転可能に枢支されている。
【0025】
第2連結部412は、図8(a)に示すように、スライドレール3の室外側にあって第1連結部411よりも上方に設けられている。この第2連結部412には、回転軸412aに連結されたガイドローラー42がスライドレール3の側部に位置するように備えられている。また、この第2連結部412には、上面視略L字状の障子取付板5が結合され、この障子取付板5を介して障子2の背面側が第2連結部412に連結されている。
【0026】
第3連結部413は、スライドレール3の室内側にあって第2連結部412よりも上方に設けられている。この第3連結部413にも、回転軸413aに連結されたガイドローラー43が備えられて、第2連結部412のガイドローラー42とでスライドレール3を室外側と室内側から挟むように配置されている。これにより、障子2の昇降時には回転板41が回転しないようになされている。
【0027】
ストッパ部材44は、その底面が水平な平滑面で構成されており、底面がスライドレール3の室外側に突出するように、スライドレール3の幅方向に設けられている。このストッパ部材44の底面には、第2連結部412のガイドローラー42が当接しうるようになっている。
【0028】
また、このストッパ部材44の天面側は、室内側下方へ傾斜した斜面が形成されて案内面46となされている。スライドレール3は、案内面46を備えたストッパ部材44の取付位置が、室内側方向に開口しており、この開口部に連続するように案内面46をスライドレール3の内側に納めている。これにより、第3連結部413の出没部45が設けられている。
【0029】
回転板41は、第1連結部を支点として回転するが、この回転板41が回転する際に第3連結部413はスライドレール3の内外へ出没する。出没部45は、この第3連結部413、および第3連結部413のガイドローラー43を内側に収容するためのスペースとして設けられている。
【0030】
さらに、スライドバー32にも、回転板41の回転により、第3連結部413のガイドローラー43が出没部45内に収容されたとき、回転軸413aの逃げを確保しうる切欠部321が設けられている。例示の形態では、スライドバー32と下方の回転板41との間にだけ設けられている。
【0031】
また、本実施例において、気密材6は、気密性および水密性を有する断面中空のゴム状弾性部材からなり、開口部81の窓枠811の室内側周縁部に添設されている。図5(b)および図6は、開口部81が障子2で閉鎖された様子を示している。図示するように、障子2と開口部81の周縁部との間に介在された気密材6は、障子2によって押しつけられ、両者の間に密着して気密を保つようになされる。この気密材6は、開口部81の周縁部と、障子2との間に介在されていればよいので、開口部81の周縁部に対応して、障子2の室外側周縁部に添設されていてもよい。
【0032】
以上のような構成の上げ下げ窓1は、図3に示したように、スライダ31が電動モーターM等の駆動により押し上げられ、これに伴って、図5(a)に示すように、障子2がスライドレール3に沿って壁面8の窓枠811の気密材6から離間した状態で、壁面8と平行に上昇する。
【0033】
障子2の上昇時、図8(a)に示すように、走方向変換手段4のガイドローラー42,43は、それぞれスライドレール3の室外側と室内側に沿って走行し、障子2を壁面8と平行な状態にしたまま上昇させる。
【0034】
障子2が所定の高さまで上昇すると、図8(b)に示すように、回転板41の第2連結部412のガイドローラー42が、ストッパ部材44の底面に当接する。これにより、スライドレール3に沿って上昇した第2連結部412のガイドローラー42が、それ以上、上昇するのを止める。
【0035】
このままさらに、スライダ31が押し上げられると、第2連結部412のガイドローラー42は、第1連結部411の上昇によって室外側に押し出されて、ストッパ部材44の底面に沿って室外側へ移行する。また、これと同時に、第3連結部413のガイドローラー43は、スライドレール3の出没部45内へ、ほぼ案内面46に沿うようにして転動し、回転板41を回転させる。
【0036】
このように回転板41が回転すると、第2連結部412に結合された障子取付板5を介して、障子取付板5に取着された障子2が開口部方向(室外側)へ押し出され、壁面8と平行な姿勢のまま水平移行する。そして、障子取付板5に取着された障子2が、窓枠811の室内側周縁部の気密材6を強く押しつけるまで、スライダ31が上昇する(図8(c)参照)。
【0037】
スライダ31の上昇が停止すると、障子2の水平移行が停止するとともに、回転板41の回転が停止し、障子2が最大限、室外側へ押し出された状態となる。これにより、図5(b)および図6に示したように、障子2が開口部81の窓枠811に添設された気密材6にしっかりと密着して、開口部81を気密・水密状態に閉鎖することとなる。
【0038】
また、上記のように開口部81が障子2に閉鎖された状態から、スライダ31を降下させ始めると、前記上昇時の動作とは逆に、スライドレール3の出没部45内に収容されていた第3連結部413のガイドローラー43が、案内面46に沿って転動してスライドレール3の室内側へ移行する。これにより、回転板41が回転するとともに、第2連結部412のガイドローラー42も室内側へ引き戻される。このような回転板41の回転により、障子2が開口部81から離れ、室内側へ水平移行する。
【0039】
第3連結部413のガイドローラー43が、案内面46から離れてスライドレール3の室内側まで戻ると、障子2は、壁面8の窓枠811の気密材6から離間した元の昇降位置まで戻され、壁面8と平行に下降することになる。これにより、開口部81が開放される。
【0040】
このように、本発明の上げ下げ窓1においては、障子2が窓枠811の気密材6から離間して昇降する仕組みであるので、障子2の昇降時に、気密材6と障子2とが互いに擦れることがなく、開口部81の開閉をすることができる。これは、開口部81の形状に対応して、気密材6が障子2の室外側周縁部に添設されている場合でも同様である。
【0041】
したがって、気密材6が変形したり破損したりするおそれがなく、良好な状態で長期間使用することができる。また、障子2が壁面8に対して傾くことなく、壁面8と平行な状態で水平に移行して開口部81の気密材6に押しつけられるので、気密材6は、障子2と開口部81との間で均等に押圧されて両者に密着し、高い気密性を確保することができる。さらに、障子2が壁面8から離間して、障子2と気密材6とが擦れることなく昇降することにより、障子2を昇降させるときの気密材6との摩擦抵抗がなく、障子2の上げ下げに要する力を小さくすることができる。
【0042】
加えて、上げ下げ窓1においては、障子2を昇降させる上下方向の力のみを作用させるだけで、その上下方向の力を変換して、障子2を室外側と室内側との双方向に移動させることができる。したがって、スライダ31の昇降方向のみの駆動だけでよく、かかる駆動が電動モーター等の自動でなされる場合には、その駆動構造を単純にすることができる。また、手動でスライダ31を昇降させるような機構を備えた場合には、障子2の開閉操作が極めて容易であり、高い操作性を実現することができる。
【0043】
なお、上記実施例では開口部81として丸窓を例にあげて説明したが、本発明はこれに限定されず、いろいろな形状の開口部にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明に係る上げ下げ窓を室外側から見た正面図である。
【図2】前記上げ下げ窓を室内側から見た正面図である。
【図3】本発明の上げ下げ窓の実施例について障子が上昇する様子を示す正面図である。
【図4】前記上げ下げ窓の障子が開口部を閉鎖した状態を示す正面図である。
【図5】前記上げ下げ窓の縦断面図であり、(a)は開放状態、(b)は閉鎖状態を示す。
【図6】前記上げ下げ窓の横断面図であり、開口部が閉鎖された状態を示す。
【図7】前記上げ下げ窓の分解斜視図である。
【図8】前記上げ下げ窓の走方向変換手段の動作を示す説明図である。
【符号の説明】
【0045】
1 上げ下げ窓
2 障子
21 縦框
3 スライドレール
31 スライダ
32 スライドバー
4 走方向変換手段
41 回転板
411 第1連結部
412 第2連結部
413 第3連結部
42,43 ガイドローラー
44 ストッパ部材
45 出没部
46 案内面
5 障子取付板
6 気密材
8 壁面
81 開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁面に形成された開口部を室内側から閉鎖しうる障子がスライドレールに沿って昇降自在に支持された上げ下げ窓であって、
開口部の室内側の左右両側にそれぞれスライドレールが互いに平行に配設され、各スライドレールには、レールを摺動するスライダが備えられるとともに、これらのスライダ間に障子が走方向変換手段を介在させて取着されて、
壁面から離間した状態で壁面と平行に上昇した障子が、走方向変換手段を介して壁面と平行な姿勢のまま開口部方向に水平移行することにより開口部が閉鎖されることを特徴とする上げ下げ窓。
【請求項2】
走方向変換手段は、回転板、ガイドローラー、およびストッパ部材を備え、
回転板は3つの連結部を有し、第1連結部はスライダに回転可能に枢支され、第2連結部はスライドレールの室外側にあって第1連結部よりも上方に設けられ、ガイドローラーを備えるとともに障子の縦框を連結してなり、第3連結部はスライドレールの室内側にあって第2連結部よりも上方に設けられて、ガイドローラーを備えた構成とされ、
ストッパ部材は、スライドレールの室外側に突出して第2連結部のガイドローラーが当接しうる底面が水平に形成されて、スライドレールに沿って上昇した第2連結部のガイドローラーのそれ以上の上昇を規制し、
このストッパ部材の上部のスライドレール上には、室内側方向に開口する第3連結部の出没部が設けられて、
スライダの上昇によって第2連結部のガイドローラーがストッパ部材に当接すると、この第2連結部がストッパ部材に沿って室外側へ移行して回転板を回転させるとともに、第3連結部のガイドローラーが出没部内へ転動して、第2連結部に結合された障子を開口部方向に水平移行させることを特徴とする請求項1に記載の上げ下げ窓。
【請求項3】
請求項2に記載の上げ下げ窓において、出没部内には室内側下方向へ傾斜した案内面が設けられて、
スライダの降下に伴って、出没部内の第3連結部のガイドローラーが、案内面に沿ってスライドレールの室内側へ移行して回転板を回転させるとともに、第2連結部のガイドローラーがストッパ部材に沿って室内側へ転動して、開口部を閉鎖していた障子が室内側へ水平移行されることを特徴とする上げ下げ窓。
【請求項4】
開口部の室内側周縁部または障子の室外側周縁部のいずれか一方に気密材が添設されて、障子が開口部を閉鎖したとき、気密材と障子とが密着して気密および水密を保つようになされたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の上げ下げ窓。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−169858(P2006−169858A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−365365(P2004−365365)
【出願日】平成16年12月17日(2004.12.17)
【出願人】(000101776)アルメタックス株式会社 (22)
【出願人】(000211695)中西金属工業株式会社 (222)
【Fターム(参考)】