説明

不全角化抑制剤、毛穴縮小剤又は肌荒れ防止・改善剤及び皮膚外用組成物

【課題】不全角化抑制、毛穴縮小、肌荒れ防止・改善等の機能を有し、感覚刺激等の安全性上の問題がない、安全性の高い不全角化抑制剤、毛穴縮小剤又は肌荒れ防止・改善剤を提供すること、さらに前記機能を有する化合物を配合した皮膚外用組成物を提供すること。
【解決手段】α−アミノ酸誘導体及びその塩からなる群から選ばれる化合物の1種又は2種以上からなる不全角化抑制剤、毛穴縮小剤又は肌荒れ防止・改善剤。さらに、前記不全角化抑制剤、毛穴縮小剤又は肌荒れ防止・改善剤であるα−アミノ酸誘導体及びその塩からなる群から選ばれる化合物の1種又は2種以上を含有する皮膚外用組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮脂が原因の不全角化を抑制する不全角化抑制剤、毛穴周囲の皮脂中の刺激成分による不全角化を抑制し、毛穴周囲の皮膚を正常に保ち、毛穴のすり鉢状構造の目立ちを抑える毛穴縮小剤、不飽和脂肪酸により惹起される肌荒れを防止・改善する、肌荒れ防止・改善剤、及び不全角化抑制、毛穴縮小、肌荒れ防止・改善の機能を有する皮膚外用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、特に若い女性を中心として、毛穴の目立ちに対する悩みは大きくなっており、これを改善する皮膚外用組成物が必要とされてきた。しかし毛穴が目立つメカニズムは明らかではなく、収斂化粧水や角栓の除去による対応が一般的である。あるいはファンデーションで見た目の改善を図ることも多い。しかし、例えば収斂化粧水は、肌を引き締めることを目的にしており、アルコールにより一時的に皮膚表面温度を下げたり、有機酸等により、蛋白質を凝固させたりする作用による。従って一時的に肌を引き締めるものであるため、皮膚への負荷が大きく、また毛穴の目立ちの根本的な解決となっておらず、その効果も充分ではなかった。
【0003】
一方、グリコール酸やアスコルビン酸誘導体に毛孔縮小効果があるという報告もある(例えば、非特許文献1参照。)ものの、その作用メカニズムや効果の程度等、不明な点も多い。
【0004】
また、角栓除去は毛穴につまった角栓を物理的に除去する方法であり、例えば、塩生成基を有する高分子化合物を含有した角栓除去剤(例えば、特許文献1参照。)、水不溶性シクロデキストリンポリマーを含有した化粧料(例えば、特許文献2参照。)、粘度が5〜80mPa・s/25℃の油分を50質量%以上含有した角栓除去用化粧料(例えば、特許文献3参照。)等による除去が知られている。このような角栓を除去する方法では物理的な力が肌にダメージになることもあり、皮膚への副作用が問題となることがあった。またその効果も一時的で角栓がすぐに再生してしまうことや、角栓を除去すると逆に毛穴が大きくなってしまうこともあり、必ずしも効果は充分とはいえなかった。
【0005】
本発明者らは、毛穴の目立ちを改善する皮膚外用組成物を開発すべく、毛穴の目立つメカニズムについて鋭意検討を行い、
(1)毛孔部周囲のすり鉢状に窪んだ部分が毛穴として認識され、この部分が広いと目立つこと、
(2)さらにこのすり鉢状部分の角層が不全角化状態(本来消失しているはずの核が残存している)であること、
(3)毛穴の目立つ人は皮脂量、特に不飽和脂肪酸が多いこと、
(4)この不飽和脂肪酸は不全角化の要因になること、
(5)毛穴の目立ちは皮脂中の不飽和脂肪酸が要因となっている可能性が高いこと
等を見出し、第102回日本皮膚科学会総会で発表した(非特許文献2参照。)。
【0006】
以上から、毛穴の目立つメカニズムに関しては、皮脂が原因で起こる不全角化が一因になっていることを明らかにした。さらに、不全角化を改善することにより、毛穴の目立ちが改善されることも明らかにした。
【0007】
さらに、上記不全角化抑制効果、毛穴縮小効果を有する薬剤の探索を行った結果、興奮性細胞受容体のアンタゴニストまたは抑制性細胞受容体のアゴニストが、これらの機能を有することを見出し(特許文献4参照。)、これらの代表例として、前者アンタゴニストとしてはD−グルタミン酸やTNP−ATPが挙げられている。また後者アゴニストとしてはグリシン、β−アラニン、GABA、セリン、タウリンなどが挙げられている。
【0008】
しかしながら、従来の化合物は不全角化抑制効果、毛穴縮小効果、肌荒れ防止・改善効果等の効果が充分でない、また感覚刺激を有し、皮膚外用組成物への応用に当たって配合が制限される等、いずれも不全角化抑制剤、毛穴縮小剤、肌荒れ防止・改善剤として充分満足できるものではなく、さらに優れた化合物の開発が望まれていた。
【0009】
【特許文献1】特開平5−97627号公報
【特許文献2】特開平5−105619号公報
【特許文献3】特開2002−241260号公報
【特許文献4】特願2002−153457
【非特許文献1】矢沢等、フレグランスジャーナル、2002年、30巻、2号、p54〜58
【非特許文献2】飯田等、第102回日本皮膚科学会総会プログラム・抄録、2003年、103、p846
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、不全角化抑制、毛穴縮小、肌荒れ防止・改善等の機能を有し、感覚刺激等の安全性上の問題がない、安全性の高い不全角化抑制剤、毛穴縮小剤又は肌荒れ防止・改善剤を提供すること、さらに前記機能を有する化合物を配合した皮膚外用組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、上記課題を解決するために、前記知見に基づき不飽和脂肪酸による不全角化抑制作用を持つ化合物の探索研究を行った結果、特定のα−アミノ酸誘導体及びその塩が前記作用を有し、感覚刺激もなく安全性が高く、上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
すなわち、本発明は、下記一般式(1)で示されるα−アミノ酸誘導体及びその塩からなる群から選ばれる化合物の1種又は2種以上からなる不全角化抑制剤、毛穴縮小剤又は肌荒れ防止・改善剤である。
【0013】
【化4】

【0014】
(一般式(1)中、Rは水素原子、CH基又はCHOH基を表す。R及びRはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、アリル基、カルボベンジルオキシ基、下記一般式(2)で表される基、下記一般式(3)で表される基のいずれかを表す。ただし、R及びRが同時に水素原子であることはない。また、Rが水素原子である場合、R及びRの一方は下記一般式(2)又は下記一般式(3)で表される基である。)
【0015】
【化5】

【0016】
(一般式(2)中、X、X及びXは、それぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基、アミノ基、炭素数1〜4のモノ又はジアルキルアミノ基、フッ素原子、トリフルオロメチル基のいずれかを表す。n、m及びpはそれぞれ独立に0〜3の整数を表し、k及びqはそれぞれ独立に0〜2の整数を表す。)
【0017】
【化6】

【0018】
(一般式(3)中、X、X、X、k、n、m、pは一般式(2)に同じ。)
【0019】
前記一般式(1)中、R及びRのいずれか一方が水素原子であることが好ましい
【0020】
前記一般式(1)中、R及びRのいずれか一方が炭素数1〜3のアルキル基であることが好ましく、特に、R及びRの一方(他方)が水素原子であることが好ましい。
【0021】
前記一般式(1)中、R及びRのいずれか一方がカルボベンジルオキシ基であることが好ましく、特に、R及びRの一方(他方)が水素原子であることが好ましい。
【0022】
前記一般式(1)中、R及びRのいずれか一方がシクロヘキシル基であることが好ましく、特に、R及びRの一方(他方)が水素原子であることが好ましい。
【0023】
前記一般式(1)中、R及びRのいずれか一方がベンゼンスルホニル基であることが好ましく、特に、R及びRの一方(他方)が水素原子であることが好ましい。
【0024】
前記一般式(1)で示されるα−アミノ酸誘導体が、N−メチル−L−セリン、N−メチル−DL−セリン、N−メチル−D−セリン、N−エチル−L−セリン、N−エチル−DL−セリン、N−エチル−D−セリン、N−メチル−L−アラニン、N−メチル−DL−アラニン、N−メチル−D−アラニン、N−エチル−L−アラニン、N−エチル−DL−アラニン、N−エチル−D−アラニン、N−カルボベンジルオキシ−L−セリン、N−カルボベンジルオキシ−DL−セリン、N−カルボベンジルオキシ−D−セリン、N−カルボベンジルオキシ−L−アラニン、N−カルボベンジルオキシ−DL−アラニン、N−カルボベンジルオキシ−D−アラニン、N−シクロヘキシルグリシン、N−シクロヘキシル−DL−セリン、N−シクロヘキシル−L−セリン、N−シクロヘキシル−D−セリン、N−シクロヘキシル−L−アラニン、N−シクロヘキシル−DL−アラニン、N−シクロヘキシル−D−アラニン、N−ベンゼンスルホニルグリシン、N−ベンゼンスルホニル−L−セリン、N−ベンゼンスルホニル−DL−セリン、N−ベンゼンスルホニル−D−セリン、N−ベンゼンスルホニル−L−アラニン、N−ベンゼンスルホニル−DL−アラニン、N−ベンゼンスルホニル−L−アラニンであることが好ましい。
【0025】
前記本発明の不全角化抑制剤、毛穴縮小剤又は肌荒れ防止・改善剤は、皮膚外用組成物に調製されることができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、安全性の高い、皮脂が原因の不全角化を抑制する不全角化抑制剤、毛穴周囲の皮脂中の刺激成分による不全角化を抑制し、毛穴周囲の皮膚を正常に保ち、毛穴のすり鉢状構造の目立ちを抑える毛穴縮小剤、不飽和脂肪酸により惹起される肌荒れを防止・改善する、肌荒れ防止・改善剤が得られる。また、不全角化抑制、毛穴縮小、肌荒れ防止・改善の機能を有する皮膚外用組成物が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明について詳述する。
【0028】
本発明においては、下記一般式(1)で示されるα−アミノ酸誘導体及びその塩からなる群から選ばれる化合物の1種又は2種以上が用いられる。
【0029】
【化7】

【0030】
(一般式(1)中、Rは水素原子、CH基又はCHOH基を表す。R及びRはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、アリル基、カルボベンジルオキシ基、下記一般式(2)で表される基、下記一般式(3)で表される基のいずれかを表す。ただし、R及びRが同時に水素原子であることはない。また、Rが水素原子である場合、R及びRの一方は下記一般式(2)又は下記一般式(3)で表される基である。)
【0031】
【化8】

【0032】
(一般式(2)中、X、X及びXは、それぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基、アミノ基、炭素数1〜4のモノ又はジアルキルアミノ基、フッ素原子、トリフルオロメチル基のいずれかを表す。n、m及びpはそれぞれ独立に0〜3の整数を表し、k及びqはそれぞれ独立に0〜2の整数を表す。)
【0033】
【化9】

【0034】
(一般式(3)中、X、X、X、k、n、m、pは一般式(2)に同じ。)
【0035】
以下、前記一般式(1)で示されるα−アミノ酸誘導体について説明する。
【0036】
一般式(1)中、Rは水素原子、CH基又はCHOH基を表す。本発明は、Rが水素原子である場合、相当するグリシン誘導体となり、RがCH基である場合、相当するアラニン誘導体となり、RがCHOH基である場合、相当するセリン誘導体となる。アラニン誘導体については効果がいずれも良好であることから、D体、L体、DL体(DL混合物)いずれであってもよく、またDL体(DL混合物)についてその混合比も問わない。セリン誘導体についても効果がいずれも良好であることから、D体、L体、DL体(DL混合物)いずれであってもよく、またDL体(DL混合物)についてその混合比も問わない。
【0037】
及びRはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、アリル基、カルボ ベンジルオキシ基、前記一般式(2)で表される基、前記一般式(3)で表される基のいずれかを表す。
【0038】
ただし、R及びRは同時に水素原子であることはない。また、R及びRは、Rが水素原子(グリシン誘導体)の場合を除いてこの範囲であればいずれの組み合わせもとり得る。Rが水素原子(グリシン誘導体)である場合、R及びRの一方は前記一般式(2)又は前記一般式(3)で表される基である。また、その場合、一方がこの基であれば、一方(他方)は本発明の範囲であればいずれであっても構わない。
【0039】
本発明のα−アミノ酸誘導体においては、本発明の効果が良好であることから、R及びRの一方が水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、アリル基のいずれかであることが好ましい。さらに効果が良好であることから、水素原子であることが最も好ましい。
【0040】
前記炭素数1〜3のアルキル基としては、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基が挙げられる。本発明のα−アミノ酸誘導体においては、効果が良好であることから、メチル基又はエチル基であることが好ましい。
【0041】
及びRの一方が、炭素数1〜3のアルキル基である場合、前述したように一方(他方)は本発明の範囲(水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、アリル基、カルボベンジルオキシ基、前記一般式(2)で表される基、前記一般式(3)で表される基)であれば、効果が良好であることからいずれの場合も好ましい。さらに一方(他方)が水素原子であると最も効果が良好であることから最も好ましい。ただし、この場合、Rが水素原子(グリシン誘導体)であることはない。
【0042】
これに相当する好ましいα−アミノ酸誘導体としては、具体的には、N−メチル−L−アラニン、N−メチル−DL−アラニン、N−メチル−D−アラニン、N−エチル−L−アラニン、N−エチル−DL−アラニン、N−エチル−D−アラニン、N−n−プロピル−L−アラニン、N−n−プロピル−DL−アラニン、N−n−プロピル−D−アラニン、N−iso−プロピル−L−アラニン、N−iso−プロピル−DL−アラニン、N−iso−プロピル−D−アラニン、N−メチル−L−セリン、N−メチル−DL−セリン、N−メチル−D−セリン、N−エチル−L−セリン、N−エチル−DL−セリン、N−エチル−D−セリン、N−n−プロピル−L−セリン、N−n−プロピル−DL−セリン、N−n−プロピル−D−セリン、N−iso−プロピル−L−セリン、N−iso−プロピル−DL−セリン、N−iso−プロピル−D−セリンが挙げられる。
【0043】
さらに好ましいのは、N−メチル−L−アラニン、N−メチル−DL−アラニン、N−メチル−D−アラニン、N−エチル−L−アラニン、N−エチル−DL−アラニン、N−エチル−D−アラニン、N−メチル−L−セリン、N−メチル−DL−セリン、N−メチル−D−セリン、N−エチル−L−セリン、N−エチル−DL−セリン、N−エチル−D−セリンである。
【0044】
及びRの一方がアリル基である場合、一方(他方)は前述したように本発明の範囲(水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、アリル基、カルボベンジルオキシ基、前記一般式(2)で表される基、前記一般式(3)で表される基)であれば、効果が良好であることからいずれの場合も好ましい。一方(他方)が水素原子であるとさらに効果が良好であることから最も好ましい。ただし、この場合、Rが水素原子(グリシン誘導体)であることはない。
【0045】
これに相当する好ましいα−アミノ酸誘導体としては、具体的には、N−アリル−L−アラニン、N−アリル−DL−アラニン、N−アリル−D−アラニン、N−アリル−L−セリン、N−アリル−DL−セリン、N−アリル−D−セリンが挙げられる。
【0046】
及びRの一方がカルボベンジルオキシ基である場合、前述したように本発明の効果が良好であることから、一方(他方)が水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、アリル基のいずれかであることが好ましい。さらに効果が良好であることから、水素原子、メチル基、エチル基のいずれかであることが好ましく、水素原子であることが最も好ましい。前述したようにこの場合、Rが水素原子(グリシン誘導体)であることはない。
【0047】
これに相当する好ましいα−アミノ酸誘導体としては、具体的には、N−カルボベンジルオキシ−L−アラニン、N−カルボベンジルオキシ−DL−アラニン、N−カルボベンジルオキシ−D−アラニン、N−カルボベンジルオキシ−L−セリン、N−カルボベンジルオキシ−DL−セリン、N−カルボベンジルオキシ−D−セリン、N−カルボベンジルオキシ−N−メチル−L−アラニン、N−カルボベンジルオキシ−N−メチル−DL−アラニン、N−カルボベンジルオキシ−N−メチル−D−アラニン、N−カルボベンジルオキシ−N−メチル−L−セリン、N−カルボベンジルオキシ−N−メチル−DL−セリン、N−カルボベンジルオキシ−N−メチル−D−セリン、N−カルボベンジルオキシ−N−エチル−L−アラニン、N−カルボベンジルオキシ−N−エチル−DL−アラニン、N−カルボベンジルオキシ−N−エチル−D−アラニン、N−カルボベンジルオキシ−N−エチル−L−セリン、N−カルボベンジルオキシ−N−エチル−DL−セリン、N−カルボベンジルオキシ−N−エチル−D−セリンが挙げられる。
【0048】
最も好ましいのは、N−カルボベンジルオキシ−L−アラニン、N−カルボベンジルオキシ−DL−アラニン、N−カルボベンジルオキシ−D−アラニン、N−カルボベンジルオキシ−L−セリン、N−カルボベンジルオキシ−DL−セリン、N−カルボベンジルオキシ−D−セリンである。
【0049】
前記一般式(2)中、X、X及びXは、それぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基、アミノ基、炭素数1〜4のモノ又はジアルキルアミノ基、フッ素原子、トリフルオロメチル基のいずれかを表す。
【0050】
炭素数1〜4のアルキル基としては、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基、1−メチルプロピル基が挙げられる。
【0051】
炭素数1〜4のアルコキシ基としては、具体的にはメトキシ基、エトキシ基、n−プロピロキシ基、iso−プロピロキシ基、n−ブトキシ基、iso−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、2−メチルプロピロキシ基が挙げられる。
【0052】
炭素数1〜4のモノ又はジアルキルアミノ基としては、N−メチルアミノ基、N−エチルアミノ基、N−n−プロピルアミノ基、N−iso−プロピルアミノ基、N−n−ブチルアミノ基、N−iso−ブチルアミノ基、N−tert−ブチルアミノ基、N−(1−メチルプロピル)アミノ基、N、N−ジメチルアミノ基、N−エチル−N−メチルアミノ基、N−メチル−N−n−プロピルアミノ基、N−メチル−N−iso−プロピルアミノ基、N−n−ブチル−N−メチルアミノ基、N−iso−ブチル−N−メチルアミノ基、N−tert−ブチル−N−メチルアミノ基、N−(1−メチルプロピル)−N−メチルアミノ基、N−エチル−N−メチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基、N−エチル−N−n−プロピルアミノ基、N−エチル−N−iso−プロピルアミノ基、N−n−ブチル−N−エチルアミノ基、N−iso−ブチル−N−エチルアミノ基、N−tert−ブチル−N−エチルアミノ基、N−エチル−N−(1−メチルプロピル)アミノ基、N−メチル−N−n−プロピルアミノ基、N−エチル−N−n−プロピルアミノ基、N,N−ジ(n−プロピル)アミノ基、N−n−プロピル−N−iso−プロピルアミノ基、N−n−ブチル−N−n−プロピルアミノ基、N−iso−ブチル−N−n−プロピルアミノ基、N−tert−ブチル−N−n−プロピルアミノ基、N−(1−メチルプロピル)−N−n−プロピルアミノ基、
【0053】
N−メチル−N−iso−プロピルアミノ基、N−エチル−N−iso−プロピルアミノ基、N−iso−プロピル−N−n−プロピルアミノ基、N,N−ジ(iso−プロピル)アミノ基、N−n−ブチル−N−iso−プロピルアミノ基、N−iso−ブチル−N−iso−プロピルアミノ基、N−tert−ブチル−N−iso−プロピルアミノ基、N−(1−メチルプロピル)−N−iso−プロピルアミノ基、N−n−ブチル−N−メチルアミノ基、N−n−ブチル−N−エチルアミノ基、N−n−ブチル−N−n−プロピルアミノ基、N−n−ブチル−N−iso−プロピルアミノ基、N,N−ジ(n−ブチルアミノ)基、N−n−ブチル−N−iso−ブチルアミノ基、N−n−ブチル−N−tert−ブチルアミノ基、N−n−ブチル−N−(1−メチルプロピル)アミノ基、N−iso−ブチル−N−メチルアミノ基、N−iso−ブチル−N−エチルアミノ基、N−iso−ブチル−N−n−プロピルアミノ基、N−n−ブチル−N−iso−プロピルアミノ基、N,N−ジ(iso−ブチルアミノ)基、N−iso−ブチル−N−ter−ブチルアミノ基、
【0054】
N−iso−ブチル−N−tert−ブチルアミノ基、N−iso−ブチル−N−1−メチルプロピルアミノ基、N−ter−ブチル−N−メチルアミノ基、N−ter−ブチル−N−エチルアミノ基、N−ter−ブチル−N−n−プロピルアミノ基、N−ter−ブチル−N−iso−プロピルアミノ基、N,N−ジ(ter−ブチルアミノ)基、N−ter−ブチル−N−iso−ブチルアミノ基、N−n−ブチル−N−tert−ブチルアミノ基、N−ter−ブチル−N−(1−メチルプロピル)アミノ基、N−メチル−N−(1−メチルプロピル)アミノ基、N−エチル−N−(1−メチルプロピル)アミノ基、N−(1−メチルプロピル)−N−n−プロピルアミノ基、N−(1−メチルプロピル)−N−iso−プロピルアミノ基、N−n−ブチル1−メチルプロピルアミノ基、N−iso−ブチル−N−(1−メチルプロピル)アミノ基、N−tert−ブチル−N−(1−メチルプロピル)アミノ基、N,N−ジ(1−メチルプロピル)アミノ基等が挙げられる。
【0055】
本発明の効果が良好であることから、X〜Xは炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基であることが好ましい。さらに溶解性が良好であることから、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、水酸基のいずれかであることが好ましい。
【0056】
一般式(2)において、n、m及びpはそれぞれ独立に0〜3の整数を表す。これらは、X〜Xの置換数を表し、置換位置はそれぞれ任意である。n、m及びpは本発明の効果及び溶解性からn+m+p<4であることが好ましく、最も好ましいのは、n=m=p=0である。
【0057】
一般式(2)において、k及びqはそれぞれ独立に0〜2の整数を表す。qが0である場合、一般式(2)の環状アルキル部は、X〜X、n、m及びpに相当するシクロペンチル部となり、qが1である場合、相当するシクロヘキシル部となり、qが2である場合相当するシクロヘプチル部となる。一般式(2)において、kはX〜X、n、m及びpに相当する環状アルキル部と結合部位までのメチレン基の数を表す。
【0058】
本発明のα−アミノ酸誘導体においては、効果が良好であることから一般式(2)はシクロヘキシル部を有していること(q=1)が好ましい。即ち、X〜X、n、m及びpに相当するシクロヘキシル基、これに相当するシクロヘキシルメチル基、これに相当する2−シクロヘキシルエチル基が好ましい。さらに溶解性が良好であり、効果が良好であることから、シクロヘキシル基(n=m=p=k=0、q=1)、シクロヘキシルメチル基(n=m=p=0、k=1、q=1)、2−シクロヘキシルエチル基(n=m=p=0、k=2、q=1)のいずれかであることが好ましく、最も好ましいのはシクロヘキシル基(n=m=p=k=0、q=1)である。
【0059】
一般式(1)においてR及びRの一方が一般式(2)で表される基である場合、前述したように、一方(他方)は水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、アリル基のいずれかであると効果が良好であることから好ましい。さらに効果が良好であることから、水素原子、メチル基、エチル基のいずれかであることが好ましく、水素原子であることが最も好ましい。
【0060】
これらに相当する好ましいα−アミノ酸誘導体としては、具体的には、N−シクロヘキシル−グリシン、N−シクロヘキシル−L−アラニン、N−シクロヘキシル−DL−アラニン、N−シクロヘキシル−D−アラニン、N−シクロヘキシル−L−セリン、N−シクロヘキシル−DL−セリン、N−シクロヘキシル−D−セリン、N−シクロヘキシルメチル−グリシン、N−シクロヘキシルメチル−L−アラニン、N−シクロヘキシルメチル−DL−アラニン、N−シクロヘキシルメチル−D−アラニン、N−シクロヘキシルメチル−L−セリン、N−シクロヘキシルメチル−DL−セリン、N−シクロヘキシルメチル−D−セリン、N−2−シクロヘキシルエチル−グリシン、N−2−シクロヘキシルエチル−L−アラニン、N−2−シクロヘキシルエチル−DL−アラニン、N−2−シクロヘキシルエチル−D−アラニン、N−2−シクロヘキシルエチル−L−セリン、N−2−シクロヘキシルエチル−DL−セリン、N−2−シクロヘキシルエチル−D−セリン、及びこれらのメチル化体、エチル化体が挙げられる。
【0061】
さらに好ましいのは、N−シクロヘキシル−グリシン、N−シクロヘキシル−L−アラニン、N−シクロヘキシル−DL−アラニン、N−シクロヘキシル−D−アラニン、N−シクロヘキシル−L−セリン、N−シクロヘキシル−DL−セリン、N−シクロヘキシル−D−セリンである。
【0062】
前記一般式(3)中、X〜X、k、n、m及びpは一般式(2)に同じである。kが0である場合、一般式(3)はX〜X、n、m及びpに相当したベンゼンスルホニル基となり、kが1である場合これらに相当したベンジルスルホニル基となり、kが2である場合これらに相当したフェニルエチルスルホニル基となる。
【0063】
本発明の効果及び溶解性が良好であることから、X〜Xは水酸基、メチル基、エチル基、プロピル基、メトキシ基、エトキシ基、プロピロキシ基のいずれかであることが好ましい。最も好ましいのはメトキシ基である。
【0064】
n、m及びpは本発明の効果が良好であることからn+m+p<4であることが好ましく、さらに溶解性が良好であることから、好ましいのはn+m+p<2であり、最も効果が良好であることから、最も好ましいのは、n=m=p=0である。kは本発明の合成のし易さから、0もしくは1であることが好ましく、最も好ましいのは効果が良好であることからkが0である。
【0065】
これに相当する好ましい一般式(3)で表される基として、具体的には、例えばベンゼンスルホニル基、2−メトキシベンゼンスルホニル基、3−メトキシベンゼンスルホニル基、4−メトキシベンゼンスルホニル基、4−エトキシベンゼンスルホニル基、3−エトキシベンゼンスルホニル基、2−エトキシベンゼンスルホニル基、4−プロポキシベンゼンスルホニル基、3−プロポキシベンゼンスルホニル基、2−プロポキシベンゼンスルホニル基、2,4−ジメトキシベンゼンスルホニル基、3,4−ジメトキシベンゼンスルホニル基、3,4,5−トリメトキシベンゼンスルホニル基、2−ヒドロキシベンゼンスルホニル基、3−ヒドロキシベンゼンスルホニル基、4−ヒドロキシベンゼンスルホニル基、2,4−ジヒドロキシベンゼンスルホニル基、3,4−ジヒドロキシベンゼンスルホニル基、3,4,5−トリヒドロキシベンゼンスルホニル基、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゼンスルホニル基、3−ヒドロキシ−4−メトキシベンゼンスルホニル基、4−ヒドロキシ−3−メトキシベンゼンスルホニル基、2−メチルベンゼンスルホニル基、3−ベンゼンスルホニル基、4−メチルベンゼンスルホニル基、2−エチルベンゼンスルホニル基、3−エチルベンゼンスルホニル基、4−エチルベンゼンスルホニル基、2−プロピルベンゼンスルホニル基、3−プロピルベンゼンスルホニル基、4−プロピルベンゼンスルホニル基、
【0066】
ベンジルスルホニル基、2−メトキシベンジルスルホニル基、3−メトキシベンジルスルホニル基、4−メトキシベンジルスルホニル基、4−エトキシベンジルスルホニル基、3−エトキシベンジルスルホニル基、2−エトキシベンジルスルホニル基、4−プロポキシベンジルスルホニル基、3−プロポキシベンジルスルホニル基、2−プロポキシベンジルスルホニル基、2,4−ジメトキシベンジルスルホニル基、3,4−ジメトキシベンジルスルホニル基、3,4,5−トリメトキシベンジルスルホニル基、2−ヒドロキシベンジルスルホニル基、3−ヒドロキシベンジルスルホニル基、4−ヒドロキシベンジルスルホニル基、2,4−ジヒドロキシベンジルスルホニル基、3,4−ジヒドロキシベンジルスルホニル基、3,4,5−トリヒドロキシベンジルスルホニル基、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンジルスルホニル基、3−ヒドロキシ−4−メトキシベンジルスルホニル基、4−ヒドロキシ−3−メトキシベンジルスルホニル基、2−メチルベンジルスルホニル基、3−メチルベンジルスルホニル基、4−メチルベンジルスルホニル基、2−エチルベンジルスルホニル基、3−エチルベンジルスルホニル基、4−エチルベンジルスルホニル基、2−プロピルベンジルスルホニル基、3−プロピルベンジルスルホニル基、4−プロピルベンジルスルホニル基、
【0067】
フェニルエチルスルホニル基、4−メトキシフェニルエチルスルホニル基、3−メトキシフェニルエチルスルホニル基、2−メトキシフェニルエチルスルホニル基、4−エトキシフェニルエチルスルホニル基、3−エトキシフェニルエチルスルホニル基、2−エトキシフェニルエチルスルホニル基、4−プロポキシフェニルエチルスルホニル基、3−プロポキシフェニルエチルスルホニル基、2−プロポキシフェニルエチルスルホニル基、2,4−ジメトキシフェニルエチルスルホニル基、3,4−ジメトキシフェニルエチルスルホニル基、3,4,5−トリメトキシフェニルエチルスルホニル基、2−ヒドロキシフェニルエチルスルホホニル基、3−ヒドロキシフェニルエチルスルホニル基、4−ヒドロキシフェニルエチルスルホニル基、2,4−ジヒドロキシフェニルエチルスルホニル基、3,4−ジヒドロキシフェニルエチスルホニル基、3,4,5−トリヒドロキシフェニルエチルスルホニル基、2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニルエチスルホニル基、3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニルエチルスルホニル基、4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニルエチルスルホニル基、2−メチルフェニルエチルスルホニル基、3−メチルフェニルエチルスルホニル基、4−メチルフェニルエチルスルホニル基、2−エチルフェニルエチルスルホニル基、3−エチルフェニルエチルスルホニル基、4−エチルフェニルエチルスルホニル基、2−プロピルフェニルエチルスルホニル基、3−プロピルフェニルエチルスルホニル基、4−プロピルフェニルエチルスルホニル基等が挙げられる。
【0068】
さらに好ましい一般式(3)として表される基としては、ベンゼンスルホニル基、4−メトキシベンゼンスルホニル基、3−メトキシベンゼンスルホニル基、2−メトキシベンゼンスルホニル基である。最も好ましい一般式(3)として表される基としては、ベンゼンスルホニル基である。
【0069】
一般式(1)においてR及びRの一方が一般式(3)で表される基である場合、前述したように、一方(他方)は水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、アリル基のいずれかであると効果が良好であることから好ましい。さらに効果が良好であることから、水素原子、メチル基、エチル基のいずれかであることが好ましく、水素原子であることが最も好ましい。
【0070】
これに相当する好ましいα−アミノ酸誘導体としては、N−ベンゼンスルホニルグリシン、N−4’−メトキシベンゼンスルホニルグリシン、N−3’−メトキシベンゼンスルホニルグリシン、N−2’−メトキシベンゼンスルホニルグリシン、N−ベンジルスルホニルグリシン、N−4’−メトキシベンジルスルホニルグリシン、N−3’−メトキシベンジルスルホニルグリシン、N−2’−メトキシベンジルスルホニルグリシン、N−フェニルエチルスルホニルグリシン、N−4’−メトキシフェニルエチルスルホニルグリシン、N−3’−メトキシフェニルエチルスルホニルグリシン、N−2’−メトキシフェニルエチルスルホニルグリシン、
【0071】
N−ベンゼンスルホニル−D−アラニン、N−4’−メトキシベンゼンスルホニル−D−アラニン、N−3’−メトキシベンゼンスルホニル−D−アラニン、N−2’−メトキシベンゼンスルホニル−D−アラニン、N−ベンジルスルホニル−D−アラニン、N−4’−メトキシベンジルスルホニル−D−アラニン、N−3’−メトキシベンジルスルホニル−D−アラニン、N−2’−メトキシベンジルスルホニル−D−アラニン、N−フェニルエチルスルホニル−D−アラニン、N−4’−メトキシフェニルエチルスルホニル−D−アラニン、N−3’−メトキシフェニルエチルスルホニル−D−アラニン、N−2’−メトキシフェニルエチルスルホニル−D−アラニン、
【0072】
N−ベンゼンスルホニル−DL−アラニン、N−4’−メトキシベンゼンスルホニル−DL−アラニン、N−3’−メトキシベンゼンスルホニル−DL−アラニン、N−2’−メトキシベンゼンスルホニル−DL−アラニン、N−ベンジルスルホニル−DL−アラニン、N−4’−メトキシベンジルスルホニル−DL−アラニン、N−3’−メトキシベンジルスルホニル−DL−アラニン、N−2’−メトキシベンジルスルホニル−DL−アラニン、N−フェニルエチルスルホニル−DL−アラニン、N−4’−メトキシフェニルエチルスルホニル−DL−アラニン、N−3’−メトキシフェニルエチルスルホニル−DL−アラニン、N−2’−メトキシフェニルエチルスルホニル−DL−アラニン、
【0073】
N−ベンゼンスルホニル−L−アラニン、N−4’−メトキシベンゼンスルホニル−L−アラニン、N−3’−メトキシベンゼンスルホニル−L−アラニン、N−2’−メトキシベンゼンスルホニル−L−アラニン、N−ベンジルスルホニル−L−アラニン、N−4’−メトキシベンジルスルホニル−L−アラニン、N−3’−メトキシベンジルスルホニル−L−アラニン、N−2’−メトキシベンジルスルホニル−L−アラニン、N−フェニルエチルスルホニル−L−アラニン、N−4’−メトキシフェニルエチルスルホニル−L−アラニン、N−3’−メトキシフェニルエチルスルホニル−L−アラニン、N−2’−メトキシフェニルエチルスルホニル−L−アラニン、
【0074】
N−ベンゼンスルホニル−D−セリン、N−4’−メトキシベンゼンスルホニル−D−セリン、N−3’−メトキシベンゼンスルホニル−D−セリン、N−2’−メトキシベンゼンスルホニル−D−セリン、N−ベンジルスルホニル−D−セリン、N−4’−メトキシベンジルスルホニル−D−セリン、N−3’−メトキシベンジルスルホニル−D−セリン、N−2’−メトキシベンジルスルホニル−D−セリン、N−フェニルエチルスルホニル−D−セリン、N−4’−メトキシフェニルエチルスルホニル−D−セリン、N−3’−メトキシフェニルエチルスルホニル−D−セリン、N−2’−メトキシフェニルエチルスルホニル−D−セリン、
【0075】
N−ベンゼンスルホニル−DL−セリン、N−4’−メトキシベンゼンスルホニル−DL−セリン、N−3’−メトキシベンゼンスルホニル−DL−セリン、N−2’−メトキシベンゼンスルホニル−DL−セリン、N−ベンジルスルホニル−DL−セリン、N−4’−メトキシベンジルスルホニル−DL−セリン、N−3’−メトキシベンジルスルホニル−DL−セリン、N−2’−メトキシベンジルスルホニル−DL−セリン、N−フェニルエチルスルホニル−DL−セリン、N−4’−メトキシフェニルエチルスルホニル−DL−セリン、N−3’−メトキシフェニルエチルスルホニル−DL−セリン、N−2’−メトキシフェニルエチルスルホニル−DL−セリン、
【0076】
N−ベンゼンスルホニル−L−セリン、N−4’−メトキシベンゼンスルホニル−L−セリン、N−3’−メトキシベンゼンスルホニル−L−セリン、N−2’−メトキシベンゼンスルホニル−L−セリン、N−ベンジルスルホニル−L−セリン、N−4’−メトキシベンジルスルホニル−L−セリン、N−3’−メトキシベンジルスルホニル−L−セリン、N−2’−メトキシベンジルスルホニル−L−セリン、N−フェニルエチルスルホニル−L−セリン、N−4’−メトキシフェニルエチルスルホニル−L−セリン、N−3’−メトキシフェニルエチルスルホニル−L−セリン、N−2’−メトキシフェニルエチルスルホニル−L−セリン等に、さらにこれらのN−メチル化体、N−エチル化体等が挙げられる。
【0077】
さらに好ましいα−アミノ酸誘導体としては、N−ベンゼンスルホニルグリシン、N−4’−メトキシベンゼンスルホニルグリシン、N−3’−メトキシベンゼンスルホニルグリシン、N−2’−メトキシベンゼンスルホニルグリシン、N−ベンゼンスルホニル−D−アラニン、N−4’−メトキシベンゼンスルホニル−D−アラニン、N−3’−メトキシベンゼンスルホニル−D−アラニン、N−2’−メトキシベンゼンスルホニル−D−アラニン、N−ベンゼンスルホニル−DL−アラニン、N−4’−メトキシベンゼンスルホニル−DL−アラニン、N−3’−メトキシベンゼンスルホニル−DL−アラニン、N−2’−メトキシベンゼンスルホニル−DL−アラニン、N−ベンゼンスルホニル−L−アラニン、N−4’−メトキシベンゼンスルホニル−L−アラニン、N−3’−メトキシベンゼンスルホニル−L−アラニン、N−2’−メトキシベンゼンスルホニル−L−アラニン、N−ベンゼンスルホニル−D−セリン、N−4’−メトキシベンゼンスルホニル−D−セリン、N−3’−メトキシベンゼンスルホニル−D−セリン、N−2’−メトキシベンゼンスルホニル−D−セリン、N−ベンゼンスルホニル−DL−セリン、N−4’−メトキシベンゼンスルホニル−DL−セリン、N−3’−メトキシベンゼンスルホニル−DL−セリン、N−2’−メトキシベンゼンスルホニル−DL−セリン、N−ベンゼンスルホニル−L−セリン、N−4’−メトキシベンゼンスルホニル−L−セリン、N−3’−メトキシベンゼンスルホニル−L−セリン、N−2’−メトキシベンゼンスルホニル−L−セリンが挙げられる。
【0078】
最も好ましいα−アミノ酸誘導体としては、N−ベンゼンスルホニルグリシン、N−ベンゼンスルホニル−D−アラニン、N−ベンゼンスルホニル−DL−アラニン、N−ベンゼンスルホニル−L−アラニン、N−ベンゼンスルホニル−D−セリン、N−ベンゼンスルホニル−DL−セリン、N−ベンゼンスルホニル−L−セリンである。
【0079】
本発明においては、前記一般式(1)で示されるα−アミノ酸誘導体はいずれも塩であっても構わず、塩となる組み合わせもいずれであっても構わない。塩となる組み合わせは例えばナトリウム、カリウム、カルシウム、亜鉛、マグネシウム等のアルカリ金属イオン及びアルカリ土類金属イオン、アンモニウムイオン、メチルアミン、ピリジン、トリメチルアミン、トリエタノールアミン等のアミンイオン、塩酸、硫酸、リン酸、臭化水素酸、メチル硫酸やp−トルエンスルホン酸等のアルキル硫酸、酢酸、乳酸、マレイン酸、フマル酸、シュウ酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸等の酸、ベタイン、グリシン、アラニン、セリン、タウリン等のアミノ酸類等が挙げられるが、本発明はこれに限らない。
【0080】
本発明においては、α−アミノ酸誘導体が、N−メチル−L−セリン、N−メチル−DL−セリン、N−メチル−D−セリン、N−エチル−L−セリン、N−エチル−DL−セリン、N−エチル−D−セリン、N−メチル−L−アラニン、N−メチル−DL−アラニン、N−メチル−D−アラニン、N−エチル−L−アラニン、N−エチル−DL−アラニン、N−エチル−D−アラニン、N−カルボベンジルオキシ−L−セリン、N−カルボベンジルオキシ−DL−セリン、N−カルボベンジルオキシ−D−セリン、N−カルボベンジルオキシ−L−アラニン、N−カルボベンジルオキシ−DL−アラニン、N−カルボベンジルオキシ−D−アラニン、N−シクロヘキシルグリシン、N−シクロヘキシル−DL−セリン、N−シクロヘキシル−L−セリン、N−シクロヘキシル−D−セリン、N−シクロヘキシル−L−アラニン、N−シクロヘキシル−DL−アラニン、N−シクロヘキシル−D−アラニン、N−ベンゼンスルホニルグリシン、N−ベンゼンスルホニル−L−セリン、N−ベンゼンスルホニル−DL−セリン、N−ベンゼンスルホニル−D−セリン、N−ベンゼンスルホニル−L−アラニン、N−ベンゼンスルホニル−DL−アラニン及びN−ベンゼンスルホニル−L−アラニン、並びにこれらの塩からなる群から選ばれる化合物であった場合に、不全角化抑制、毛穴縮小、肌荒れ防止・改善効果が最も良好であり、製剤への溶解性も良好で、感覚刺激等の安全性の問題もなく、安全性が高く、本発明の目的を解決する点で最も優れている。
【0081】
本発明に係る一般式(1)で示されるα−アミノ酸誘導体及びその塩が、不全角化抑制作用、毛穴縮小作用、肌荒れ防止・改善作用を有することは新規である。
【0082】
本発明に係る一般式(1)で示されるα−アミノ酸誘導体が、炭素数1〜3のアルキル基、アリル基、カルボベンジルオキシ基のいずれかを有する場合、いずれも相当するα−アミノ酸もしくは相当する類縁体にそれぞれ相当するN−アルキル基、N−アリル基、N−カルボベンジルオキシ基の導入等により、容易に得ることが可能である。
【0083】
また、本発明に係る一般式(1)で示されるα−アミノ酸誘導体が、一般式(2)で表される基を有する場合、相当するα−アミノ酸もしくは類縁体にそれぞれ相当する一般式(2)で表される基の導入等により、容易に得ることが可能である。また、保護された相当する一般式(2)の導入後の脱保護化、一般式(2)に相当する基の導入後に一般式(2)に導く等の方法により、容易に得ることが可能である。
【0084】
また、本発明に係る一般式(1)で示されるα−アミノ酸誘導体が、一般式(3)で表される基を有する場合、いずれも相当するα−アミノ酸もしくは類縁体に相当する一般式(3)の導入等により、容易に得ることが可能である。例えば、特表平9−504300号公報に記載の方法等が挙げられる。また、保護された相当する一般式(3)後の脱保護化、相当する一般式(3)の導入後にフリーデルクラフツ等による芳香環へのアルキル基導入等のように一般式(3)に導く方法等、容易な方法で得ることが可能である。
【0085】
また、本発明に係る一般式(1)で示されるα−アミノ酸誘導体は、相当するα−アミノ酸類縁体と相当するアミンとの反応により、容易に得ることも可能である。例えば、特開昭61−161247号公報に記載された方法などが挙げられる。さらに、R及びRの一方が水素原子である場合、アミノ基の一方が保護された相当するα−アミノ酸類縁体に一方(他方)に相当する基を導入した後に脱保護を行っても良い。また、一方が炭素数1〜3のアルキル基又は一般式(2)で表される基のいずれかである場合、相当するアルデヒド体を用いて導入することも可能である。また、保護された相当するα−アミノ酸類縁体にR及びRもしくはこれに相当する基を導入した後、脱保護を行うことにより得ることも可能で、段階的にR及びRもしくはこれに相当する基を導入して得ることも可能である。
【0086】
特に本発明に係る一般式(1)で示されるα−アミノ酸誘導体が、N−メチル−DL−アラニンである場合、本化合物は公知物質であり、公知の方法で容易に合成することが可能であり、シグマ社から容易に市販品を入手することも可能である。
【0087】
特に本発明に係る一般式(1)で示されるα−アミノ酸誘導体が、N−メチル−L−アラニン、N−メチル−L−セリンである場合、本化合物は公知物質であり、公知の方法で容易に合成することが可能である。例えば、P.Quittらの方法(Helv.Chem.Acta、327〜333、1963)により得られることは公知である。
【0088】
特に本発明に係る一般式(1)で示されるα−アミノ酸誘導体が、N−シクロヘキシルグリシン、N−シクロペンチルグリシン、N−シクロヘプチルグリシン、N−シクロヘキシル−L−アラニン、N−シクロペンチル−L−アラニン、N−シクロヘプチル−L−アラニンのいずれかである場合、これらは公知物質であり、公知の方法で容易に合成することが可能である。例えば、N−シクロヘキシルグリシンは特開昭57−26656号公報及び前述した特開昭61−161247号公報に記載された方法により得られることは公知である。また、N−シクロペンチルグリシン、N−シクロヘプチルグリシン、N−シクロヘキシル−L−アラニン、N−シクロペンチル−L−アラニン及びN−シクロヘプチル−L−アラニンは前述した特開昭57−26656号公報に記載された方法により得られることは公知である。
【0089】
特に本発明に係る一般式(1)で示されるα−アミノ酸誘導体が、N−カルボベンジルオキシ−DL−セリン、N−カルボベンジルオキシ−L−セリン、N−カルボベンジルオキシ−D−セリン、N−カルボベンジルオキシ−DL−アラニン、N−カルボベンジルオキシ−L−アラニン、N−カルボベンジルオキシ−D−アラニンのいずれかである場合、これらの化合物はいずれも公知物質であり、公知の方法で容易に合成することが可能であり、東京化成工業株式会社等から容易に市販品を入手することも可能である。
【0090】
特に本発明に係る一般式(1)で示されるα−アミノ酸誘導体が、N−ベンゼンスルホニル−L−セリン又はN−ベンゼンスルホニル−L−アラニンである場合、これらの化合物はいずれも公知物質であり、公知の方法で容易に合成することが可能である。例えば、特表平9−504300号公報に記載された方法により得られることは公知である。
【0091】
以下に本発明に係るα−アミノ酸誘導体の代表的な合成例を挙げるが、これらに本発明は限定されるものではない。
【0092】
(合成例)
(1)N−ベンゼンスルホニルグリシン
グリシン10g、1N水酸化ナトリウム溶液120mLに溶解し、氷冷下、ベンゼンスルホニルクロライド17.4gを滴下した。2N水酸化ナトリウム溶液を加えてpH9.2に調整し、6時間撹拌した。酢酸エチル50mLで洗浄した後、塩酸を加え、pH2以下に調整した。酢酸エチル500mLで抽出した後、硫酸マグネシウムで乾燥・濾去した後、減圧濃縮し、得られた残渣をエタノール水で再結晶し、目的物15.0gを得た。
【0093】
(2)N−4’−メトキシベンゼンスルホニルグリシン
合成例(1)のベンゼンスルホニルクロライドを4−メトキシベンゼンスルホニルクロライドに代えて合成することにより、目的物を得た。
【0094】
(3)N−3’−メトキシベンゼンスルホニルグリシン
合成例(1)のベンゼンスルホニルクロライドを3−メトキシベンゼンスルホニルクロライドに代えて合成することにより、目的物を得た。
【0095】
(4)N−2’−メトキシベンゼンスルホニルグリシン
合成例(1)のベンゼンスルホニルクロライドを2−メトキシベンゼンスルホニルクロライドに代えて合成することにより、目的物を得た。
【0096】
(5)N−シクロヘキシル−DL−アラニン
2−ブロモプロピオン酸エチル10g、シクロヘキシルアミン16gをエタノール50mLに加え、加熱還流2時間した。空冷後、減圧濃縮し、酢酸エチル200mLで抽出し、精製水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。得られた残渣を減圧蒸留し、9.8gのN−シクロヘキシル−DL−アラニンエチルエステルを得た。得られたN−シクロヘキシル−DL−アラニンエチルエステルを水酸化ナトリウム溶液(水酸化ナトリウム1.68g/精製水100mL)に加え、均一になるまでTHFを加えた。室温で3時間攪拌した後、アンバーライトIR120B[H]で中和し、減圧濃縮した。得られた残渣を再結晶し、目的物7.2gを得た。
【0097】
(6)N−シクロヘキシル−N−メチルグリシン
2−ブロモ酢酸エチル20g、N−シクロヘキシル−N−メチルアミン15gをエタノール40mLに加え、加熱還流2時間した。空冷後、減圧濃縮し、酢酸エチル200mLで抽出し、精製水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。得られた残渣を減圧蒸留し、10.5gのN−シクロヘキシル−DL−アラニンエチルエステルを得た。得られたN−シクロヘキシル−N−メチルグリシンエチルエステルを水酸化ナトリウム溶液(水酸化ナトリウム2.4g/精製水100mL)に加え、均一になるまでTHFを加えた。室温で3時間攪拌した後、アンバーライトIR120B[H]で中和し、減圧濃縮した。得られた残渣を再結晶し、目的物5.1gを得た。
【0098】
本発明に係る一般式(1)で示されるα−アミノ酸誘導体及びその塩は、いずれも後で証明するように、優れた不全角化を抑制する機能、毛穴縮小機能、肌荒れを防止・改善する機能を有する。したがって、本発明に係る一般式(1)で示されるα−アミノ酸誘導体及びその塩は及びその塩からなる群から選ばれる化合物の1種又は2種以上は、不全角化抑制剤、毛穴縮小剤、肌荒れ防止・改善剤として有用である。
【0099】
本発明のα−アミノ酸誘導体及びその塩は、有効成分として含有され、不全角化抑制剤、毛穴縮小剤、肌荒れ防止・改善剤として有用である。この不全角化抑制剤、毛穴縮小剤、肌荒れ防止・改善剤は、好ましくは皮膚に外用される形態で応用され、例えば、顔用として鼻、頬等の毛穴の目立ちを改善し、肌荒れを防止・改善し、またボディー用として足等の脱毛処理後における毛穴の目立ちを改善し、肌荒れを防止・改善する。
【0100】
前記不全角化抑制剤、毛穴縮小剤及び肌荒れ防止・改善剤は、本発明のα−アミノ酸誘導体及びその塩は前記新規な機能の発見に基づく新規で有用な用途である。
【0101】
本発明に係る前記不全角化抑制剤、毛穴縮小剤及び肌荒れ防止・改善剤は安全性が高いことから、極めて応用範囲が広く、種々の分野に応用することができる。前記分野としては、例えば、医薬部外品を含む化粧料、医薬品、食品等が挙げられ、これらが好適である。
【0102】
また、本発明に係る不全角化抑制剤、毛穴縮小剤又は肌荒れ防止・改善剤である本発明のα−アミノ酸誘導体及びその塩は感覚刺激を有さず、いずれも皮膚外用組成物に配合され、不全角化抑制機能、毛穴縮小機能、肌荒れ防止・改善機能等の機能を有する皮膚外用組成物に調製される。
【0103】
この、本発明に係る不全角化抑制剤、毛穴縮小剤又は肌荒れ防止・改善剤である本発明のα−アミノ酸誘導体及びその塩を含有する皮膚外用組成物は新規であり、安全性が高く、不全角化抑制効果、毛穴縮小効果、肌荒れ防止・改善効果を発揮する皮膚外用剤組成物として有用である。
【0104】
本発明に係る皮膚外用組成物は、毛穴縮小剤をはじめ、鼻、頬等の毛穴の目立ちを改善する顔用化粧料、肌荒れを防止・改善する、特に顔用化粧料、足等の脱毛処理後における毛穴の目立ちを改善するボディー用皮膚外用剤等に好適に使用し得るものである。
【0105】
本発明のα−アミノ酸誘導体及びその塩が不全角化抑制剤、毛穴縮小剤、肌荒れ防止・改善剤、皮膚外用組成物等の組成物に含有される場合、本発明のα−アミノ酸誘導体及びその塩は機能を発揮するに有効な量が含有されるが、その含有量は、それぞれ前記組成物全量中、0.001〜20.0質量%が好ましく、さらに好ましくは、0.01〜10.0質量%であり、特に好ましくは0.2〜5.0質量%である。なお、本発明のα−アミノ酸誘導体及びその塩が混合されて用いられる場合は、それらの総含有量の上限を20.0質量%以下にすることが好ましく、さらに好ましくは10.0質量%以下であり、特に5.0質量%以下が好ましい。
【0106】
本発明に係る不全角化抑制剤、毛穴縮小剤、肌荒れ防止・改善剤、皮膚外用組成物等の組成物には、通常化粧品や医薬品等の皮膚外用剤に用いられる成分、例えば油分、界面活性剤、粉末、色材、水、アルコール類、増粘剤、キレート剤、シリコーン類、酸化防止剤(抗酸化剤)、紫外線吸収剤、保湿剤、香料、各種薬効成分、防腐剤、中和剤、pH調整剤等必要に応じて適宜配合することができる。
【0107】
上記任意配合成分のうち、油分の具体的な例としては、例えば、アボガド油、ツバキ油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、月見草油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、トリグリセリン、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン等の液体油脂、カカオ脂、ヤシ油、馬脂、硬化ヤシ油、パーム油、牛脂、羊脂、硬化牛脂、パーム核油、豚脂、モクロウ核油、硬化油、モクロウ、硬化ヒマシ油等の固型油脂、ミツロウ、カンデリラロウ、カルナバロウ、ラノリン、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、還元ラノリン、ホホバロウ、硬質ラノリン、ポリオキシエチレン(以下、POEという。)ラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル等のロウ類、流動パラフィン、オゾケライト、スクワレン、パラフィン、セレシン、スクワラン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素、
【0108】
ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアレン酸イソセチル、12−ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ジ2−エチルヘキシル酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ2−エチルヘキシル酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ2−エチルヘキシル酸ペンタエリスリトール、トリ2−エチルヘキシル酸グリセリン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、セチル−2−エチルヘキサノエート、2−エチルヘキシルパルミテート、トリミリスチン酸グリセリン、トリ2−ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オイル、アセトグリセライド、パルミチン酸−2−ヘプチルウンデシル、
【0109】
アジピン酸ジイソプロピル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、アジピン酸ジ2−ヘプチルウンデシル、セバシン酸ジ2−エチルヘキシル、ミリスチン酸−2−ヘキシルデシル、パルミチン酸−2−ヘキシルデシル、アジピン酸−2−ヘキシルデシル、セバシン酸ジイソプロピル、コハク酸−2−エチルヘキシル等のエステル油、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ウンデシレン酸、ラノリン脂肪酸、イソステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、エイコサペンタエン酸等の高級脂肪酸、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、セトステアリルアルコール、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、2−デシルテトラデシノール、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、ヘキシルドデカノール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール等の直鎖、分岐高級アルコール、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等のシリコーン油、パーフルオロヘキサン、トリパーフルオロ−n−ブチルアミン等のパーフルオロカーボンないしパーフルオロポリエーテル等を挙げることができる。
【0110】
また、界面活性剤としては、例えば、セッケン用素地、ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等の脂肪酸セッケン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム等の高級アルキル硫酸エステル塩、POEラウリル硫酸トリエタノールアミン、POEラウリル硫酸ナトリウム等のアルキルエーテル硫酸エステル塩、ラウロイルサルコシンナトリウム等のN−アシルサルコシン酸、N−ミリストイル−N−メチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリッドナトリウム等の高級脂肪酸アミドスルホン酸、POEステアリルエーテルリン酸等のリン酸エステル塩、モノラウロイルモノエタノールアミドPOEスルホコハク酸ナトリウム、ラウリルポリプロピレングリコールスルホコハク酸ナトリウム等のスルホコハク酸塩、リニアドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、リニアドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、
【0111】
N−ステアロイルグルタミン酸ジナトリウム、N−ステアロイルグルタミン酸モノナトリウム等のN−アシルグルタミン酸塩、硬化ヤシ油脂肪酸グリセリン硫酸ナトリウム等の高級脂肪酸エステル硫酸エステル塩、ロート油等の硫酸化油、POEアルキルエーテルカルボン酸、POEアルキルアリルエーテルカルボン酸塩、高級脂肪酸エステルスルホン酸塩、二級アルコール硫酸エステル塩、高級脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル塩、ラウロイルモノエタノールアミドコハク酸ナトリウム、カゼインナトリウム等のアニオン系界面活性剤;塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム等のアルキルトリメチルアンモニウム塩、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム塩等のジアルキルジメチルアンモニウム塩、塩化セチルピリジニウム等のアルキルピリジニウム塩、アルキル四級アンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、ジアルキルモリホニウム塩、POEアルキルアミン、アルキルアミン塩、ポリアミン脂肪酸誘導体、アミルアルコール脂肪酸誘導体、塩化ベンザルコニウム等のカチオン系界面活性剤;
【0112】
2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキシド−1−カルボキシエチロキシ二ナトリウム塩等のイミダゾリン系両性界面活性剤、アミドベタイン、スルホベタイン等のベタイン系界面活性剤等の両性界面活性剤;
【0113】
ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタントリオレエート等のソルビタン脂肪酸エステル類、モノ綿実油脂肪酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン、セスキオレイン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリンリンゴ酸塩等のグリセリンポリグリセリン脂肪酸類、モノステアリン酸プロピレングリコール等のプロピレングリコール脂肪酸エステル類、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル、POE・メチルポリシロキサン共重合体等の親油性非イオン性界面活性剤;
【0114】
POEソルビタンモノオレエート、POEソルビタンモノステアレート等のPOEソルビタン脂肪酸エステル類、POEソルビットモノラウレート、POEソルビットモノオレエート、POEソルビットモノステアレート等のPOEソルビット脂肪酸エステル類、POEグリセリンモノオレエート、POEグリセリンジステアレート等のPOEグリセリン脂肪酸エステル類、POEモノオレエート、POEジステアレート、POEモノジオレエート等のPOE脂肪酸エステル類、POEラウリルエーテル、POEオレイルエーテル、POEコレスタノールエステル等のPOEアルキルエーテル類、POEオクチルフェニルエーテル、POEノニルフェニルエーテル等のPOEアルキルフェニルエーテル類、
【0115】
POE・ポリオキシプロピレン(以下、POPという。)モノブチルエーテル、POE・POPセチルエーテル、POE・POPグリセリンエーテル等のPOE・POPアルキルエーテル類、POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油、POE硬化ヒマシ油モノイソステアレート、POE硬化ヒマシ油マレイン酸等のPOEヒマシ油硬化ヒマシ油誘導体、POEソルビットミツロウ等のPOEミツロウ・ラノリン誘導体、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、脂肪酸イソプロパノールアミド等のアルカノールアミド、POEプロピレングリコール脂肪酸エステル、POE脂肪酸アミド、POEアルキルアミン、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルエトキシジメチルアミンオキシド等の親水性非イオン性界面活性剤等を挙げることができる。
【0116】
また、粉末としては、例えば、マイカ、タルク、カオリン、セリサイト(絹雲母)、白雲母、金雲母、合成雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、合成雲母、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水ケイ酸(シリカ)、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ストロンチウム、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化コバルト、群青、紺青、酸化チタン、酸化亜鉛、雲母チタン(酸化チタンコーテッドマイカ)、魚燐箔、オキシ塩化ビスマス、窒化ホウ素、赤色228号、赤色226号、青色404号、ポリエチレン粉末、ポリメタクリル酸メチル粉末、ポリアミド樹脂粉末(ナイロン粉末)、セルロース粉末、オルガノポリシロキサンエラストマー、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー等を挙げることができる。
【0117】
また、アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール等の低級アルコール;コレステロール、シトステロール、ラノステロール等を挙げることができる。
【0118】
また、増粘剤としては、例えば、アラビアゴム、トラガントカム、ガラクタン、キャロプガム、グアーガム、カラギーナン、ペクチン、寒天、デンプン(トウモロコシ、コムギ、ジャガイモ、コメ)等の植物系高分子、デキストラン、プルラン等の微生物系高分子、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等のデンプン系高分子、コラーゲン、カゼイン、ゼラチン等の動物系高分子、メチルセルロース、ニトロセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、結晶セルロース等のセルロース系高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系高分子、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー等のビニル系高分子、POE系高分子、POEポリオキシプロピレン共重合体系高分子、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸アミド等のアクリル系高分子、ポリエチレンイミン、カチオンポリマー、ベントナイト、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ラポナイト、ヘクトライト、無水ケイ酸等の無機系水溶性高分子等の水溶性高分子等を挙げることができる。
【0119】
また、キレート剤としては、例えば、シトラマル酸、アガル酸、グリセリン酸、シキミ酸、ヒノキチオール、没食子酸、タンニン酸、コーヒー酸、エチレンジアミン四酢酸、エチレングリコールジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、フィチン酸、ポリリン酸、メタリン酸、ならびにこれらの類似体ならびにこれらのアルカリ金属塩及びカルボン酸エステル等を挙げることができる。
【0120】
また、紫外線吸収剤としては、例えば、パラアミノ安息香酸等の安息香酸系紫外線吸収剤;アントラニル酸メチル等のアントラニル酸系紫外線吸収剤;サリチル酸オクチル等のサリチル酸系紫外線吸収剤;パラメトキシケイ皮酸イソプロピル、パラメトキシケイ皮酸オクチル等のケイ皮酸系紫外線吸収剤;ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル等の紫外線吸収剤を挙げることができる。
【0121】
また、保湿剤としては、例えば、ポリエチレングリコール(以下、PEGという。)、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、キシリトール、マルチトール、マルトース、D−マンニット、ブドウ糖、果糖、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、グルコサミン、シクロデキストリン等を挙げることができる。
【0122】
また、薬効成分としては、例えば、ビタミンA油、レチノール、パルミチン酸レチノール、塩酸ピリドキシン、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸アミド、ニコチン酸dl−α−トコフェロール、アスコルビン酸リン酸マグネシウム、ビタミンD2、dl−α−トコフェロール、パントテン酸、ビオチン等のビタミン類;アズレン、グリチルリチン等の抗炎症剤;アルブチン等の美白剤、エストラジオール等のホルモン類;酸化亜鉛、タンニン酸等の収斂剤;L−メントール、カンフル等の清涼剤;その他塩化リゾチーム、塩酸ピリドキシン、イオウ等を配合することができる。さらに多様な薬効を示す各種抽出物を配合することができる。すなわちドクダミエキス、オウバクエキス、カンゾウエキス、シャクヤクエキス、ボタンピエキス、ヘチマエキス、ユキノシタエキス、ユーカリエキス、チョウジエキス、マロニエエキス、ヤグルマギクエキス、海藻エキス、タイムエキス等を挙げることができる。
【0123】
また、防腐剤としては、例えば、安息香酸、サリチル酸、パラオキシ安息香酸エステル(メチルパラベン、エチルパラベン、ブチルパラベン等)、ソルビン酸、パラクロルメタクレゾール、ヘキサクロロフェン、塩化ベンザルコニウム、塩化クロルヘキシジン、トリクロロカルバニリド、感光素、フェノキシエタノール等を挙げることができる。
【0124】
また、その他、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、水酸化カリウム、水酸化カリウム、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム等の中和剤;乳酸、クエン酸、グリコール酸、コハク酸、酒石酸、リンゴ酸、炭酸水素ナトリウム炭酸水素アンモニウム等のpH調整剤;アスコルビン酸、α−トコフェロール、カロチノイド等の抗酸化剤を本発明の製剤に配合することができる。
【0125】
上記成分は例示であり、これらに限定されるものではない。またこれら成分は、所望する形態に応じた処方に従い、適宜組み合わせて配合することが可能である。
【0126】
本発明の不全角化抑制剤、毛穴縮小剤、肌荒れ防止・改善剤、皮膚外用組成物等の組成物は、医薬品,医薬部外品(軟膏剤,歯磨剤等)及び化粧品[洗顔料、乳液、クリーム、ジェル、エッセンス(美容液)、パック・マスク等の基礎化粧品;ファンデーション、口紅等のメーキャップ化粧品;口腔化粧品、芳香化粧品、毛髪化粧品、ボディー化粧品等]の形態に広く適用可能である。なお、これらの形態に、本発明の不全角化抑制剤、毛穴縮小剤、肌荒れ防止・改善剤、皮膚外用組成物等の組成物の取り得る形態が限定されるものではない。
【0127】
また、剤型としては、水溶液系,可溶化系、乳化系、油液系、ゲル系、軟膏系、エアゾール系、水−油2層系、水−油−粉末3層系等、幅広い剤型を取り得る。
【0128】
本発明の不全角化抑制剤、毛穴縮小剤、肌荒れ防止・改善剤、皮膚外用組成物等の組成物を使用することにより、不全角化を抑制して肌状態を良好な状態に維持し、また改善し、さらに毛穴を縮小することで、毛穴の目立ちを抑えた若々しくみずみずしい肌を提供することが可能である。
【実施例】
【0129】
以下実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。配合量は特に断りのない限り質量%である。
【0130】
「実施例1」不全角化抑制効果試験
α−アミノ酸誘導体及びその塩の評価試料として、主に3質量%水溶液(30質量%エタノールを含む。)を調製した。なおpHは7.0〜7.5になるように、塩酸又は水酸化ナトリウムで調整した。また、試料の溶解度が低い場合はそれに応じて溶液を調製した。
【0131】
ヘアレスマウス(HR−1;星野実験動物)の背部に10質量%オレイン酸(溶媒:エタノール)を100μl塗布した。この後、試料溶液(α−アミノ酸誘導体等)を100μlずつ塗布した。これを3日間続けた。その翌日、背部の皮膚状態をCCDカメラで観察し、肌荒れ状態(角層剥離及び紅斑)を評価した。コントロール(対照水溶液)塗布の肌状態を2.0、全く肌荒れのない状態を0.0とし、肌状態に応じて0.25点間隔で視感判定した。また同時に、ヘアレスマウス背部の角層をテープで剥離し、ヘマトキシリンで核を染色して、不全角化の度合いを観察し、1.0〜3.0の範囲(0.25刻み)の不全角化値で評価した。なお、値が大きいほど有核角層細胞数が多い、すなわち不全角化が進んでいることを示す。結果を表1に示す。
【0132】
【表1】

【0133】
表1から明らかなように、N−メチル−L−セリン、N−メチル−DL−セリン、N−メチル−D−セリン、N−エチル−L−セリン、N−エチル−DL−セリン、N−エチル−D−セリン、N−メチル−L−アラニン、N−メチル−DL−アラニン、N−メチル−D−アラニン、N−エチル−L−アラニン、N−エチル−DL−アラニン、N−エチル−D−アラニン、N−カルボベンジルオキシ−L−セリン、N−カルボベンジルオキシ−DL−セリン、N−カルボベンジルオキシ−D−セリン、N−カルボベンジルオキシ−L−アラニン、N−カルボベンジルオキシ−DL−アラニン、N−カルボベンジルオキシ−D−アラニン、N−シクロヘキシルグリシン、N−シクロヘキシル−DL−セリン、N−シクロヘキシル−L−セリン、N−シクロヘキシル−D−セリン、N−シクロヘキシル−L−アラニン、N−シクロヘキシル−DL−アラニン、N−シクロヘキシル−D−アラニン、N−ベンゼンスルホニルグリシン、N−ベンゼンスルホニル−L−セリン、N−ベンゼンスルホニル−DL−セリン、N−ベンゼンスルホニル−D−セリン、N−ベンゼンスルホニル−L−アラニン、N−ベンゼンスルホニル−DL−アラニン、N−ベンゼンスルホニル−L−アラニンに角層剥離及び紅斑に基づく肌荒れを抑える効果が見られた。また、不全角化値を低下させた。以上から、上記化合物には不全角化の抑制効果が認められた。一方、同じα−アミノ酸の本発明の範囲ではない誘導体であるN−アセチルグリシン、馬尿酸及びホスホノメチルグリシンでは効果がなかった。
【0134】
「実施例2」ヒト毛穴縮小効果
健常人男性の頬部を用い、1ヶ月間1日2回試料を塗布する実験を各群5人で行った。α−アミノ酸誘導体及びその塩の各3質量%水溶液(15質量%エタノールを含む)を主として調製した。なおpHは7.0〜7.5になるように、塩酸又は水酸化ナトリウムで調整した。また、溶解度が低い場合はそれに応じて溶液を調製した。対照は15質量%エタノール水溶液を用い、前記試料水溶液と前記対照水溶液を半面ずつ塗布した。
【0135】
塗布連用前と連用後にレプリカを採取し、同一部位の毛穴の形状変化を、3次元レーザースキャン顕微鏡で観察した。毛穴の大きさは、視感判定により1〜13の13段階(数字が大きい程毛穴は大きい。)で評価し、塗布前後の評点の差(塗布後−塗布前)を算出して、これをレプリカ判定値として、各試料の有効性を検討した。結果を表2に示す。
【0136】
【表2】

【0137】
表2から明らかなように、N−メチル−L−セリン、N−メチル−DL−セリン、N−メチル−D−セリン、N−エチル−L−セリン、N−エチル−DL−セリン、N−エチル−D−セリン、N−メチル−L−アラニン、N−メチル−DL−アラニン、N−メチル−D−アラニン、N−エチル−L−アラニン、N−エチル−DL−アラニン、N−エチル−D−アラニン、N−カルボベンジルオキシ−L−セリン、N−カルボベンジルオキシ−DL−セリン、N−カルボベンジルオキシ−D−セリン、N−カルボベンジルオキシ−L−アラニン、N−カルボベンジルオキシ−DL−アラニン、N−カルボベンジルオキシ−D−アラニン、N−シクロヘキシルグリシン、N−シクロヘキシル−DL−セリン、N−シクロヘキシル−L−セリン、N−シクロヘキシル−D−セリン、N−シクロヘキシル−L−アラニン、N−シクロヘキシル−DL−アラニン、N−シクロヘキシル−D−アラニン、N−ベンゼンスルホニルグリシン、N−ベンゼンスルホニル−L−セリン、N−ベンゼンスルホニル−DL−セリン、N−ベンゼンスルホニル−D−セリン、N−ベンゼンスルホニル−L−アラニン、N−ベンゼンスルホニル−DL−アラニン及びN−ベンゼンスルホニル−L−アラニンに毛穴縮小効果が認められた。
【0138】
「実施例3」オレイン酸塗布による肌荒れに対する抑制効果。
オレイン酸塗布による肌荒れに対するα−アミノ酸誘導体及びその塩の抑制効果を調べるため、塗布前と塗布後での水分蒸散量(TEWL値)を測定し、その差の値をコントロール(対照水溶液)と比較し、効果を調べた。試料の調製及び塗布方法は実施例1に従った。なお、TEWLはTEWA meter TM210(Courage+Khazaka社)を用いて測定した。
【0139】
ヘアレスマウス(HR−1、各群4匹)の背部に10質量%オレイン酸(溶媒:エタノール)を100μl塗布した。この後試料溶液(α−アミノ酸誘導体等)を100μlずつ塗布した。これを3日間続けた。その翌日、背部のTEWL値を測定し、4匹の値を平均した。結果を表3に示す。ΔTEWL値が大きいほど肌荒れが悪化したことを示す。
【0140】
【表3】

【0141】
表3から明らかなように、N−メチル−L−セリン、N−メチル−DL−セリン、N−メチル−D−セリン、N−エチル−L−セリン、N−エチル−DL−セリン、N−エチル−D−セリン、N−メチル−L−アラニン、N−メチル−DL−アラニン、N−メチル−D−アラニン、N−エチル−L−アラニン、N−エチル−DL−アラニン、N−エチル−D−アラニン、N−カルボベンジルオキシ−L−セリン、N−カルボベンジルオキシ−DL−セリン、N−カルボベンジルオキシ−D−セリン、N−カルボベンジルオキシ−L−アラニン、N−カルボベンジルオキシ−DL−アラニン、N−カルボベンジルオキシ−D−アラニン、N−シクロヘキシルグリシン、N−シクロヘキシル−DL−セリン、N−シクロヘキシル−L−セリン、N−シクロヘキシル−D−セリン、N−シクロヘキシル−L−アラニン、N−シクロヘキシル−DL−アラニン、N−シクロヘキシル−D−アラニン、N−ベンゼンスルホニルグリシン、N−ベンゼンスルホニル−L−セリン、N−ベンゼンスルホニル−DL−セリン、N−ベンゼンスルホニル−D−セリン、N−ベンゼンスルホニル−L−アラニン、N−ベンゼンスルホニル−DL−アラニン及びN−ベンゼンスルホニル−L−アラニンを塗布することにより、ΔTEWL値が対照水溶液に比べ有意に低く、肌荒れ防止・改善効果が認められた。一方、同じα−アミノ酸の本発明の範囲ではない誘導体であるN−アセチルグリシン、馬尿酸及びホスホノメチルグリシンでは効果がなかった。
【0142】
「実施例4」感覚刺激試験。
女性パネル20名にそれぞれ実施例1で調製した対照水溶液と試料水溶液各1mLをそれぞれ左右のいずれかの頬部に綿棒を用いて塗布し、塗布直後から10分後まで、30秒毎に刺激感を評価し、最終的な評価を申告してもらった。刺激感の評価は以下の4段階の評価点基準に基づき評価を行い、評価点の平均を算出して以下の基準に分類した。
【0143】
(評価点基準)
3:ピリピリ感、ホテリ感、チクチク感、カユミ等の刺激が非常に強く、継続不可能。
2:ピリピリ感、ホテリ感、チクチク感、カユミ等の刺激が強い、許容不可。
1:ピリピリ感、ホテリ感、チクチク感、カユミ等の刺激をやや感じるが、許容可。
0:特に刺激を感じない。
【0144】
(評価基準)
A:評価点平均0.2未満
B:評価点平均0.2〜1.0未満
C:評価点平均1.0〜2.0未満
D:評価点平均2.0以上
【0145】
結果を表4に示した。
【0146】
【表4】

【0147】
表4から明らかなように、N−メチル−L−セリン、N−メチル−DL−セリン、N−メチル−D−セリン、N−エチル−L−セリン、N−エチル−DL−セリン、N−エチル−D−セリン、N−メチル−L−アラニン、N−メチル−DL−アラニン、N−メチル−D−アラニン、N−エチル−L−アラニン、N−エチル−DL−アラニン、N−エチル−D−アラニン、N−カルボベンジルオキシ−L−セリン、N−カルボベンジルオキシ−DL−セリン、N−カルボベンジルオキシ−D−セリン、N−カルボベンジルオキシ−L−アラニン、N−カルボベンジルオキシ−DL−アラニン、N−カルボベンジルオキシ−D−アラニン、N−シクロヘキシルグリシン、N−シクロヘキシル−DL−セリン、N−シクロヘキシル−L−セリン、N−シクロヘキシル−D−セリン、N−シクロヘキシル−L−アラニン、N−シクロヘキシル−DL−アラニン、N−シクロヘキシル−D−アラニン、N−ベンゼンスルホニルグリシン、N−ベンゼンスルホニル−L−セリン、N−ベンゼンスルホニル−DL−セリン、N−ベンゼンスルホニル−D−セリン、N−ベンゼンスルホニル−L−アラニン、N−ベンゼンスルホニル−DL−アラニン及びN−ベンゼンスルホニル−L−アラニンは、感覚刺激の問題がなく、安全性が高いことが確認された。一方、従来効果物質として開示されているβ−アラニンは3%では感覚刺激が強く、刺激試験の継続が不可能な女性パネルも多数いた。
【0148】
以下、本発明に係る製剤例として皮膚外用の組成物を示す。なお、いずれの組成物も、不全角化抑制、毛穴縮小、肌荒れ防止・改善等の優れた効果を有していた。
【0149】
製剤例1 化粧水
成分 配合量(質量%)
(1)1,3−ブチレングリコール 6.0
(2)グリセリン 4.0
(3)オレイルアルコール 0.1
(4)POE(20)ソルビタンモノラウリン酸エステル 0.5
(5)POE(15)ラウリルアルコールエステル 0.5
(6)エタノール 10.0
(7)N−ベンゼンスルホニルグリシン 3.0
(8)精製水 残余
【0150】
(製法)
(8)精製水に(1)及び(2)を室温にて溶解し水相とした。(6)エタノールに(3)、(4)及び(5)を溶解し、先の水相に混合可溶化した。次いで(7)N−ベンゼンスルホニルグリシンを添加した。その後濾過、充填し化粧水を得た。
【0151】
製剤例2〜31 化粧水
製剤例2〜31の化粧水を、製剤例1の成分中のN−ベンゼンスルホニルグリシン3.0質量%に替えて、以下の配合量の成分を配合して製剤例1と同様にして調製した。なお、精製水の配合量を調整していずれの製剤例も合計配合量が100質量%になるようにした。N−メチル−L−セリン3.0質量%(製剤例2)、N−メチル−DL−セリン3.0質量%(製剤例3)、N−メチル−D−セリン3.0質量%(製剤例4)、N−エチル−L−セリン3.0質量%(製剤例5)、N−エチル−DL−セリン3.0質量%(製剤例6)、N−エチル−D−セリン3.0質量%(製剤例7)、N−メチル−L−アラニン3.0質量%(製剤例8)、N−メチル−DL−アラニン3.0質量%(製剤例9)、N−メチル−D−アラニン3.0質量%(製剤例10)、N−エチル−L−アラニン3.0質量%(製剤例11)、N−エチル−DL−アラニン3.0質量%(製剤例12)、N−エチル−D−アラニン3.0質量%(製剤例13)、N−カルボベンジルオキシ−L−セリン3.0質量%(製剤例14)、N−カルボベンジルオキシ−DL−セリン3.0質量%(製剤例15)、N−カルボベンジルオキシ−D−セリン3.0質量%(製剤例16)、N−カルボベンジルオキシ−L−アラニン3.0質量%(製剤例17)、N−カルボベンジルオキシ−DL−アラニン3.0質量%(製剤例18)、N−カルボベンジルオキシ−D−アラニン3.0質量%(製剤例19)、N−シクロヘキシルグリシン3.0質量%(製剤例20)、N−シクロヘキシル−DL−セリン3.0質量%(製剤例21)、N−シクロヘキシル−L−セリン3.0質量%(製剤例22)、N−シクロヘキシル−D−セリン3.0質量%(製剤例23)、N−シクロヘキシル−L−アラニン3.0質量%(製剤例24)、N−シクロヘキシル−DL−アラニン3.0質量%(製剤例25)、N−シクロヘキシル−D−アラニン3.0質量%(製剤例26)、N−ベンゼンスルホニル−L−セリン3.0質量%(製剤例27)、N−ベンゼンスルホニル−DL−セリン3.0質量%(製剤例28)、N−ベンゼンスルホニル−D−セリン3.0質量%(製剤例29)、N−ベンゼンスルホニル−L−アラニン3.0質量%(製剤例30)、N−ベンゼンスルホニル−DL−アラニン3.0質量%(製剤例31)、N−ベンゼンスルホニル−L−アラニン3.0質量%(製剤例32)。
【0152】
製剤例33 化粧水
成分 配合量(質量%)
(アルコール相)
(1)エタノール 10.0
(2)オレイルアルコール 0.1
(3)POE(20)ソルビタンモノラウリン酸エステル 0.5
(4)POE(15)ラウリルエーテル 0.5
(5)防腐剤 適量
(6)香料 適量
(水相)
(7)N−シクロヘキシルグリシン 3.0
(8)グリシルグリシン 1.0
(9)1,3−ブチレングリコール 6.0
(10)グリセリン 4.0
(11)イオン交換水 残余
【0153】
(製法)
水相、アルコール相をそれぞれ調製後、混合した。
【0154】
製剤例34〜65 化粧水
製剤例34〜65の化粧水を、製剤例33の成分中のN−シクロヘキシルグリシン3.0質量%に替えて、以下の配合量の成分を配合して製剤例33と同様にして調製した。なお、イオン交換水の配合量を調整していずれの製剤例も合計配合量が100質量%になるようにした。N−メチル−L−セリン3.0質量%(製剤例34)、N−メチル−DL−セリン3.0質量%(製剤例35)、N−メチル−D−セリン3.0質量%(製剤例36)、N−エチル−L−セリン3.0質量%(製剤例37)、N−エチル−DL−セリン3.0質量%(製剤例38)、N−エチル−D−セリン3.0質量%(製剤例39)、N−メチル−L−アラニン3.0質量%(製剤例40)、N−メチル−DL−アラニン3.0質量%(製剤例41)、N−メチル−D−アラニン3.0質量%(製剤例42)、N−エチル−L−アラニン3.0質量%(製剤例43)、N−エチル−DL−アラニン3.0質量%(製剤例44)、N−エチル−D−アラニン3.0質量%(製剤例45)、N−カルボベンジルオキシ−L−セリン3.0質量%(製剤例46)、N−カルボベンジルオキシ−DL−セリン3.0質量%(製剤例47)、N−カルボベンジルオキシ−D−セリン3.0質量%(製剤例48)、N−カルボベンジルオキシ−L−アラニン3.0質量%(製剤例49)、N−カルボベンジルオキシ−DL−アラニン3.0質量%(製剤例50)、N−カルボベンジルオキシ−D−アラニン3.0質量%(製剤例51)、N−シクロヘキシル−DL−セリン3.0質量%(製剤例52)、N−シクロヘキシル−L−セリン3.0質量%(製剤例53)、N−シクロヘキシル−D−セリン3.0質量%(製剤例54)、N−シクロヘキシル−L−アラニン3.0質量%(製剤例55)、N−シクロヘキシル−DL−アラニン3.0質量%(製剤例56)、N−シクロヘキシル−D−アラニン3.0質量%(製剤例57)、N−ベンゼンスルホニルグリシン3.0質量%(製剤例58)、N−ベンゼンスルホニル−L−セリン3.0質量%(製剤例59)、N−ベンゼンスルホニル−DL−セリン3.0質量%(製剤例60)、N−ベンゼンスルホニル−D−セリン3.0質量%(製剤例61)、N−ベンゼンスルホニル−L−アラニン3.0質量%(製剤例62)、N−ベンゼンスルホニル−DL−アラニン3.0質量%(製剤例63)、N−ベンゼンスルホニル−L−アラニン3.0質量%(製剤例64)、N−シクロヘキシルグリシン1.0質量%及びカルボベンジルオキシ−L−セリン1.0質量%(製剤例65)。
【0155】
製剤例66 クリーム
成分 配合量(質量%)
(1)ステアリルアルコール 6.0
(2)ステアリン酸 2.0
(3)水添ラノリン 4.0
(4)スクワラン 9.0
(5)オクチルドデカノール 10.0
(6)1,3−ブチレングリコール 6.0
(7)PEG1500 4.0
(8)POE(25)セチルアルコールエステル 3.0
(9)モノステアリン酸グリセリン 2.0
(10)N−シクロヘキシル−DL−アラニン 3.0
(11)ACES 1.0
(12)トコフェロール 0.1
(13)精製水 残余
【0156】
(製法)
(13)精製水に(6)、(7)を加え70℃に加熱調整した。(1)〜(5)を加熱溶解後、(8)〜(9)、(12)を加え70℃に調整した。ここに(10)及び(11)を添加した。これを先の水相に加えて、ホモミキサーにて乳化粒子を均一にし、脱気・濾過・冷却してグリームを得た。
【0157】
製剤例67〜98 クリーム
製剤例67〜98のクリームを、製剤例66の成分中のN−シクロヘキシル−DL−アラニン3.0質量%に替えて、以下の配合量の成分を配合して製剤例66と同様にして調製した。なお、精製水の配合量を調整していずれの製剤例も合計配合量が100質量%になるようにした。N−メチル−L−セリン3.0質量%(製剤例67)、N−メチル−DL−セリン3.0質量%(製剤例68)、N−メチル−D−セリン3.0質量%(製剤例69)、N−エチル−L−セリン3.0質量%(製剤例70)、N−エチル−DL−セリン3.0質量%(製剤例71)、N−エチル−D−セリン3.0質量%(製剤例72)、N−メチル−L−アラニン3.0質量%(製剤例73)、N−メチル−DL−アラニン3.0質量%(製剤例74)、N−メチル−D−アラニン3.0質量%(製剤例75)、N−エチル−L−アラニン3.0質量%(製剤例76)、N−エチル−DL−アラニン3.0質量%(製剤例77)、N−エチル−D−アラニン3.0質量%(製剤例78)、N−カルボベンジルオキシ−L−セリン3.0質量%(製剤例79)、N−カルボベンジルオキシ−DL−セリン3.0質量%(製剤例80)、N−カルボベンジルオキシ−D−セリン3.0質量%(製剤例81)、N−カルボベンジルオキシ−L−アラニン3.0質量%(製剤例82)、N−カルボベンジルオキシ−DL−アラニン3.0質量%(製剤例83)、N−カルボベンジルオキシ−D−アラニン3.0質量%(製剤例84)、N−シクロヘキシル−DL−セリン3.0質量%(製剤例85)、N−シクロヘキシル−L−セリン3.0質量%(製剤例86)、N−シクロヘキシル−D−セリン3.0質量%(製剤例87)、N−シクロヘキシル−L−アラニン3.0質量%(製剤例88)、N−シクロヘキシル−D−アラニン3.0質量%(製剤例89)、N−シクロヘキシルグリシン3.0質量%(製剤例90)、N−ベンゼンスルホニルグリシン3.0質量%(製剤例91)、N−ベンゼンスルホニル−L−セリン3.0質量%(製剤例92)、N−ベンゼンスルホニル−DL−セリン3.0質量%(製剤例93)、N−ベンゼンスルホニル−D−セリン3.0質量%(製剤例94)、N−ベンゼンスルホニル−L−アラニン3.0質量%(製剤例95)、N−ベンゼンスルホニル−DL−アラニン3.0質量%(製剤例96)、N−ベンゼンスルホニル−L−アラニン3.0質量%(製剤例97)、N−シクロヘキシルグリシン1.0質量%及びベンゼンスルホニル−L−セリン1.0質量%(製剤例98)。
【0158】
製剤例99 クリーム
成分 配合量(質量%)
(1)ステアリン酸 5.0
(2)ステアリルアルコール 4.0
(3)イソプロピルミリステート 18.0
(4)グリセリンモノステアリン酸エステル 3.0
(5)プロピレングリコール 10.0
(6)N−ベンゾイル−β−アラニン 1.0
(7)N−シクロヘキシル−L−セリン 2.0
(8)グリシルグリシン 1.0
(9)水酸化カリウム 0.2
(10)亜硫酸水素ナトリウム 0.01
(11)防腐剤 適量
(12)香料 適量
(13)イオン交換水 残余
【0159】
(製法)
イオン交換水にプロピレングリコール、N−ベンゾイル−β−アラニン、N−シクロヘキシル−L−セリン、グリシルグリシン及び水酸化カリウムを加えて溶解し、加熱して70℃に保った(水相)。他の成分を混合し、加熱融解して70℃に保った(油相)。水相に油相を徐々に加えて予備乳化し、ホモミキサーで均一に乳化後、よくかきまぜながら30℃まで冷却した。
【0160】
製剤例100 美容液
成分 配合量(質量%)
(A相)
(1)エチルアルコール(95%) 10.0
(2)POE(20)オクチルドデカノール 1.0
(3)パントテニルエチルエーテル 0.1
(4)ASDA・4Na 1.5
(5)メチルパラベン 0.15
(6)エタノール 10.0
(B相)
(7)水酸化カリウム 0.1
(C相)
(8)グリセリン 5.0
(9)ジプロピレングリコール 10.0
(10)N−カルボベンジルオキシ−L−セリン 2.0
(11)カルボキシビニルポリマー 0.2
(12)精製水 残余
【0161】
(製法)
A相、C相をそれぞれ均一に溶解し、C相にA相を加えて可溶化した。次いでB相を加えて混合した。
【0162】
製剤例101 乳液
成分 配合量(質量%)
(1)ステアリン酸 2.5
(2)セチルアルコール 1.5
(3)ワセリン 5.0
(4)流動パラフィン 10.0
(5)POE(10)モノオレイン酸エステル 2.0
(6)PEG1500 3.0
(7)トリエタノールアミン 1.0
(8)N−ベンゼンスルホニル−DL−セリン 0.5
(9)亜硫酸水素ナトリウム 0.01
(10)エチルパラベン 0.3
(11)カルボキシビニルポリマー 0.05
(12)香料 適量
(13)イオン交換水 残余
【0163】
(製法)
少量のイオン交換水にカルボキシビニルポリマーを溶解した(A相)。イオン交換水の残部にPEG1500、N−ベンゼンスルホニル−DL−セリン及びトリエタノールアミンを加え、加熱溶解して70℃に保った(水相)。他の成分を混合し、加熱融解して70℃に保った(油相)。水相に油相を加えて予備乳化を行い、A相を加えてホモミキサーで均一に乳化した後、よくかきまぜながら30℃まで冷却した。
【0164】
製剤例102 ジェル
成分 配合量(質量%)
(1)95%エタノール 10.0
(2)ジプロピレングリコール 15.0
(3)POE(15)オレイルアルコールエール 2.0
(4)N−メチル−DL−セリン 1.0
(5)亜硫酸水素ナトリウム 0.03
(6)カルボキシビニルポリマー(「カーボポール941」) 1.0
(7)苛性カリ 0.15
(8)L−アルギニン 0.1
(9)香料 適量
(10)防腐剤 適量
(11)精製水 残余
【0165】
(製法)
(11)精製水に(4)及び(6)を均一に溶解した(水相)。一方、(1)に(2)、(3)、及び(5)、(9)、(10)を溶解し、これを水相に添加した。次いで(7)、(8)で中和させ増粘して、ジェルを得た。
【0166】
製剤例103 パック
成分 配合量(質量%)
(A相)
ジプロピレングリコール 5.0
POE(60)硬化ヒマシ油 5.0
(B相)
オリーブ油 5.0
酢酸トコフェロール 0.2
エチルパラベン 0.2
香料 0.2
(C相)
N−カルボベンジルオキシ−L−アラニン 1.0
亜硫酸水素ナトリウム 0.03
ポリビニルアルコール
(ケン化度90、重合度2000) 13.0
エタノール 7.0
イオン交換水 残余
【0167】
(製法)
A相、B相、C相をそれぞれ均一に溶解し、A相にB相を加えて可溶化した。次いでこれをC相に加えて混合した。
【0168】
製剤例104 ピールオフ型パック
成分 配合量(質量%)
(アルコール相)
95%エタノール 10.0
POE(15)オレイルアルコールエーテル 2.0
防腐剤 適量
香料 適量
(水相)
N−エチル−L−セリン 3.0
グルタチオン 3.0
アルブチン 3.0
ポリビニルアルコール 12.0
PEG1500 1.0
イオン交換水 残余
【0169】
(製法)
80℃にて水相を調製し、50℃に冷却した。次いで、室温で調製したアルコール相を添加後均一に混合し、放冷した。
【0170】
製剤例105 粉末入りパック
成分 配合量(質量%)
(アルコール相)
95%エタノール 2.0
防腐剤 適量
香料 適量
色剤 適量
(水相)
N−ベンゼンスルホニル−L−アラニン 3.0
プロピレングリコール 7.0
亜鉛華 25.0
カオリン 20.0
イオン交換水 残余
【0171】
(製法)
室温にて水相を均一に調製した。次いで、室温にて調製したアルコール相を添加し均一に混合した。
【0172】
製剤例106 固形パウダリーファンデーション
成分 配合量(質量%)
(1)タルク 15.0
(2)セリサイト 10.0
(3)球状ナイロン粉末 10.0
(4)多孔性無水ケイ酸粉末 15.0
(5)窒化ホウ素 5.0
(6)二酸化チタン 5.0
(7)酸化鉄 3.0
(8)ステアリン酸亜鉛 5.0
(9)N−シクロヘキシル−DL−アラニン 3.0
(10)流動パラフィン 残余
(11)トリイソオクタン酸グリセリン 15.0
(12)セスキオレイン酸ソルビタン 1.5
(13)防腐剤 適量
(14)香料 適量
【0173】
(製法)
(1)〜(8)の各成分を混合粉砕したところへ、(9)〜(14)の各成分を混合したものを加えて撹拌混合し、容器に成型して固形パウダリーファンデーションを得た。
【0174】
製剤例107 油中水型乳化ファンデーション
成分 配合量(質量%)
(1)球状ナイロン 10.0
(2)多孔性無水ケイ酸粉末 8.0
(3)雲母チタン 2.0
(4)シリコーン処理セリサイト 2.0
(5)シリコーン処理マイカ 12.0
(6)シリコーン処理二酸化チタン 5.0
(7)シリコーン処理酸化鉄 2.0
(8)イオン交換水 残余
(9)N−シクロヘキシル−N−メチルグリシン 3.0
(10)デカメチルシクロペンタンシロキサン 18.0
(11)ジメチルポリシロキサン 5.0
(12)スクワラン 1.0
(13)POE変性ジメチルポリシロキサン 2.0
(14)防腐剤 適量
(15)香料 適量
【0175】
(製法)
(9)〜(15)の各成分を均一に混合溶解したものに、混合粉砕した(1)〜(7)を加えて分散させた。この分散液に、(8)を加えて乳化し、容器に充填して油中水型乳化ファンデーションを得た。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)で示されるα−アミノ酸誘導体及びその塩からなる群から選ばれる化合物の1種又は2種以上からなる不全角化抑制剤、毛穴縮小剤又は肌荒れ防止・改善剤。
【化1】

(一般式(1)中、Rは水素原子、CH基又はCHOH基を表す。R及びRはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、アリル基、カルボベンジルオキシ基、下記一般式(2)で表される基、下記一般式(3)で表される基のいずれかを表す。ただし、R及びRが同時に水素原子であることはない。また、Rが水素原子である場合、R及びRの一方は下記一般式(2)又は下記一般式(3)で表される基である。)
【化2】

(一般式(2)中、X、X及びXは、それぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基、アミノ基、炭素数1〜4のモノ又はジアルキルアミノ基、フッ素原子、トリフルオロメチル基のいずれかを表す。n、m及びpはそれぞれ独立に0〜3の整数を表し、k及びqはそれぞれ独立に0〜2の整数を表す。)
【化3】

(一般式(3)中、X、X、X、k、n、m、pは一般式(2)に同じ。)
【請求項2】
請求項1記載の一般式(1)中、R及びRのいずれか一方が水素原子である、請求項1記載の不全角化抑制剤、毛穴縮小剤又は肌荒れ防止・改善剤。
【請求項3】
請求項1記載の一般式(1)中、R及びRのいずれか一方が炭素数1〜3のアルキル基である、請求項1又は2記載の不全角化抑制剤、毛穴縮小剤又は肌荒れ防止・改善剤。
【請求項4】
請求項1記載の一般式(1)中、R及びRのいずれか一方がカルボベンジルオキシ基である、請求項1又は2記載の不全角化抑制剤、毛穴縮小剤又は肌荒れ防止・改善剤。
【請求項5】
請求項1記載の一般式(1)中、R及びRのいずれか一方がシクロヘキシル基である、請求項1又は2記載の不全角化抑制剤、毛穴縮小剤又は肌荒れ防止・改善剤。
【請求項6】
請求項1記載の一般式(1)中、R及びRのいずれか一方がベンゼンスルホニル基である、請求項1又は2記載の不全角化抑制剤、毛穴縮小剤又は肌荒れ防止・改善剤。
【請求項7】
請求項1記載の一般式(1)で示されるα−アミノ酸誘導体が、N−メチル−L−セリン、N−メチル−DL−セリン、N−メチル−D−セリン、N−エチル−L−セリン、N−エチル−DL−セリン、N−エチル−D−セリン、N−メチル−L−アラニン、N−メチル−DL−アラニン、N−メチル−D−アラニン、N−エチル−L−アラニン、N−エチル−DL−アラニン、N−エチル−D−アラニン、N−カルボベンジルオキシ−L−セリン、N−カルボベンジルオキシ−DL−セリン、N−カルボベンジルオキシ−D−セリン、N−カルボベンジルオキシ−L−アラニン、N−カルボベンジルオキシ−DL−アラニン、N−カルボベンジルオキシ−D−アラニン、N−シクロヘキシルグリシン、N−シクロヘキシル−DL−セリン、N−シクロヘキシル−L−セリン、N−シクロヘキシル−D−セリン、N−シクロヘキシル−L−アラニン、N−シクロヘキシル−DL−アラニン、N−シクロヘキシル−D−アラニン、N−ベンゼンスルホニルグリシン、N−ベンゼンスルホニル−L−セリン、N−ベンゼンスルホニル−DL−セリン、N−ベンゼンスルホニル−D−セリン、N−ベンゼンスルホニル−L−アラニン、N−ベンゼンスルホニル−DL−アラニン、N−ベンゼンスルホニル−L−アラニンのいずれかである請求項1記載の不全角化抑制剤、毛穴縮小剤又は肌荒れ防止・改善剤。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか一項に記載の不全角化抑制剤、毛穴縮小剤又は肌荒れ防止・改善剤を含有することを特徴とする皮膚外用組成物。

【公開番号】特開2006−327971(P2006−327971A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−151983(P2005−151983)
【出願日】平成17年5月25日(2005.5.25)
【出願人】(000001959)株式会社資生堂 (1,748)
【Fターム(参考)】