説明

不安症の治療のための医薬組成物

チョウセンニンジンサポニン(Rg1+Rb1)、グリシルリジン酸およびナツメcAMPを含む、不安症を治療するための医薬組成物または機能性食品。実験は、当該分野において治療のために好ましい薬剤であるジアゼパムと比較して、本発明が有意な抗不安性の効能を有することを証明する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不安障害を治療するために、ジンセノサイドRg1およびRb1、グリシルリジン酸、ならびにナツメ(jujuba)環状アデノシンモノフォスフェート(ナツメcAMP)を含む原料から製造される医薬組成物または健康管理食品に関する。特に本発明は、不安障害を治療するための当該医薬組成物または当該健康管理食品に関し;これは、特定の機能および成分、明白な治療効果、より少ない副作用、ならびに長期の使用のための高い安全性を有する。
【背景技術】
【0002】
心理的障害は、脳機能不全によって引き起こされ、罹患した個体は認識、思考、情緒、挙動、意思、および知能などにおいて異常を示す。心理的障害は10の障害のうち4を占め、これは社会において最も深刻な負担をもたらす。人々は現在、社会的発展の過程における心理的機能障害にますます多くの注意を払っている。医学界および社会は全体として、心理的障害に対抗するための心理的医薬を早急に求めている。不安障害は、主要な治療方法である抗不安薬を伴う、ひとつの一般的な心理的障害である。
【0003】
不安障害は、主に不安感情としての明白な心理的障害である。主な特徴は、発疹、または自律神経障害、筋肉の硬直および運動障害などの症候群と組み合わされた持続的な不安感情、例えば、不安、緊張性昏迷および恐怖などである。ジークムント・フロイトは、不安障害を神経衰弱症と区別したため、世界中の学者達は不安障害について大規模な研究を開始し、大量のデータを蓄積した。現代の医学研究によると、不安障害の病因学には、心理的解剖、神経伝達物質/モジュレータ−受容体および神経内分泌系などの欠陥が含まれる。
【0004】
現在主流の抗不安薬は、その機序が抑制性神経伝達物質、ガンマ−アミノ酪酸(GABA)の活性の調節、症状の軽減および緩和であるベンゾジアゼピンである。しかしながら、ベンゾジアゼピンは、不眠症、アレルギー、筋肉痛、脱力感、吐き気、運動機能障害、かすみ目、倦怠、撹乱および妄想などを含む、多くの副作用を有する。
【0005】
現在の状況に鑑みて、副作用がより少なく、より顕著/効能のある抗不安品質を有する新世代の医薬の探索が製薬界全体の関心の中心となった。
【0006】
したがって、出願人は、先行技術において直面する上記の状況に取り組むことを試みる。
【発明の概要】
【0007】
本発明の目的は、現在利用可能な不安障害の治療の欠点を克服する医薬組成物または健康管理食品を提供することである。当該医薬組成物または健康管理食品は、不安障害を治療するために、ジンセノサイドRg1およびRb1、グリシルリジン酸、ならびにナツメcAMPを含む原料から製造される。特に、特定の機能および成分、明白な治療的効果、より少ない副作用、ならびに長期間の使用に対する高い安全性を提供する新規な技術的スキームを提供する。
【0008】
本発明の医薬の技術的スキームは出願人による努力の結果である。チョウセンニンジン、カンゾウ、ナツメを含む3つの原料を用いる当該スキームは、不安症を治療するため、現代医学の病理学的および薬理学的理論に基づき開発される;特に、それは過去の製薬標的研究とポストリセプター(post-receptor)機序において発展した最近の知見とを統合する。チョセンニンジン由来のジンセノサイドは、cAMP合成を刺激するアデニル酸サイクラーゼ(AC)活性を有し、cAMP分解を減少させるcAMPホスホジエステラーゼ(CAPD)阻害活性を有し;カンゾウ由来のグリシルリジン酸(およびグリシルレチン酸)はCAPDの強力な阻害剤である。ジンセノサイドRg1およびRb1ならびにグリシルリジン酸は、まとめて一組にして用いられる場合、生体内のcAMPおよびプロテインキナーゼA(PKA)それぞれの濃度および活性をさらに増加させる。増加した濃度および活性のcAMPは、GABA α/βサブユニットのリン酸化を触媒することができ、そのβサブユニットのリン酸化は、ニューロンに対するGABAの阻害機能を増幅させ、有意な抗不安作用を達成し得る。最後に、外因性の非加水分解性のcAMPであるナツメ由来のナツメcAMPは、酵素機能を刺激し、生体内のcAMPおよびPKAの発現を効果的に増加する当該生体内のcAMP転移に関係し、さらに当該抗不安作用を増強し得る。したがって、ジンセノサイドRg1およびRb1、グリシルリジン酸ならびにナツメcAMPを含む原料を組み合わせ、本発明の抗不安作用の効果を最大化する。チョウセンニンジン、カンゾウおよびナツメは、漢方薬において一般的に用いられる製薬材料であり、数千年の間、食餌療法の栄養医薬食(dietary nourishing medicinal meals)において用いられてきた。この長い臨床および食餌療法の歴史において、チョウセンニンジン、カンゾウおよびナツメの併用の安全性および有効性は、十分に証明された。発明者による研究および実験結果によって、これら3つの製薬材料をただ普通に煎じて抽出して抽出物を得る場合、当該抽出物は、現在の技術の主流である抗不安薬と比較して有意な抗不安効果を持たないことが示された。しかしながら、本発明において記載される通り、これら3つの製薬材料の抽出物を更に精製し、ジンセノサイドRg1およびRb1、グリシルリジン酸、ならびにナツメcAMPなどを含む効果的な成分の濃度を増加させて、有意な抗不安作用を有する医薬組成物が得られる。動物実験の結果により、本発明の製造された医薬組成物が、不安障害を治療するための主流の薬剤、ジアゼパムの医薬組成物と比較して優れた抗不安効果を有することがはっきりと示される。さらに、チョウセンニンジン、カンゾウおよびナツメを摂取することによっては、不安症治療のための現在主流の薬剤を摂取するように副作用を生じないだろう。患者は、副作用の心配から、薬物療法を止める、または拒否することはないだろう。したがって、発明者は、ジンセノサイドRg1およびRb1、グリシルリジン酸、ならびにナツメcAMPが不安障害を治療するための当該医薬組成物または当該健康管理食品を製造するための原料であることを提示する。特に、特定の機能および成分、副作用のない長期使用のための高い安全性を有する新規な技術的スキームは、先行技術において生ずる不利益を改善する。
【0009】
グリシルレチン酸は、グリシルリジン酸よりも高い脂質溶解性を有し、血液脳関門を通って容易に脳に入ることができる。当該グリシルリジン酸は、ヒト体内で、ほぼ100%の効率でグリシルレチン酸に変換されるため、グリシルリジン酸によるCAPDの阻害は、当該体内でグリシルリジン酸をグリシルレチン酸に変換することにより進められる。したがって、グリシルレジン酸またはグリシルレチン酸は、本発明の医薬組成物を製造するための原料となり得る。
【0010】
本発明の一態様に従うと、不安障害を治療するための医薬組成物が提供される。当該医薬組成物は、Rg1およびRb1を有するジンセノサイド;グリシルリジン酸、グリシルレチン酸およびその組み合わせからなる群より選択されるグリシルリジンに関連する酸;ならびにナツメcAMPを含む。
【0011】
好ましくは、当該医薬組成物は、2〜24重量部のジンセノサイド、3〜45重量部のグリシルリジンに関連する酸、および0.003〜0.4重量部のナツメcAMPを含む。
【0012】
好ましくは、当該医薬組成物は、4〜11重量部のジンセノサイド、5〜14重量部のグリシルリジンに関連する酸、および0.01〜0.07重量部のナツメcAMPを含む。
【0013】
好ましくは、ジンセノサイドはチョウセンニンジンから抽出され、グリシルリジンに関連する酸はカンゾウから抽出され、ナツメcAMPはナツメから抽出される。
【0014】
好ましくは、ナツメを抽出し、第一ナツメcAMP濃度を有する第一抽出物を得て、当該第一抽出物をさらに抽出し、第二ナツメ濃度を有する第二抽出物を得て、当該第二ナツメcAMP濃度は、第一ナツメcAMP濃度よりも高い。
【0015】
好ましくは、当該医薬組成物はさらに、少なくとも一つの薬学的に許容される担体および添加物を含む。
【0016】
好ましくは、当該医薬組成物は、錠剤、カプセル、粉末、丸剤、微粉、溶液、マイクロカプセル、懸濁液、エマルション、粒子、滴下薬(dropping pill)、ロール(roll)からなる群より選択される剤形を有する。
【0017】
好ましくは、当該医薬組成物は健康管理食品およびサプリメントの一つとして製造される。
【0018】
本発明の別の側面に従うと、不安障害を治療するための医薬組成物が提供される。当該医薬組成物は、Rg1およびRb1を有するジンセノサイド;ならびにグリシルリジン酸、グリシルレチン酸およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるグリシルリジンに関連する酸を含む。
【0019】
好ましくは、当該医薬組成物は、2〜24重量部のジンセノサイドRg1およびRb1、ならびに3〜45重量部のグリシルリジンに関連する酸を含む。
【0020】
好ましくは、当該医薬組成物は4〜11重量部のジンセノサイドRg1およびRb1、ならびに5〜14重量部のグリシルリジンに関連する酸を含む。
【0021】
本発明の別の側面に従うと、不安障害を治療するための医薬組成物が提供される。当該医薬組成物は、チョウセンニンジン、カンゾウ、およびナツメを含む。
【0022】
好ましくは、当該医薬組成物は、4〜58重量部のチョウセンニンジン、2〜28重量部のカンゾウ、および2〜38重量部のナツメを含む。
【0023】
好ましくは、当該医薬組成物は、10〜26重量部のチョウセンニンジン、5〜13重量部のカンゾウ、および4〜16重量部のナツメを含む。
【0024】
本発明の別の側面に従うと、不安障害を治療するための医薬組成物が提供される。当該医薬組成物は、チョウセンニンジンおよびカンゾウを含む。
【0025】
好ましくは、当該医薬組成物は4〜58重量部のチョウセンニンジンおよび2〜28重量部のカンゾウを含む。
【0026】
好ましくは、当該医薬組成物は、10〜26重量部のチョウセンニンジンおよび5〜13重量部のカンゾウを含む。
【0027】
本発明の別の側面に従うと、不安障害を治療するためのナツメcAMPの医薬組成物の製造方法が提供される。当該製造方法は、(a)ナツメを抽出し、第一ナツメcAMP濃度を有する第一抽出物を得る工程と;(b)当該第一抽出物を精製し、第二ナツメcAMP濃度を有する第二抽出物を得る工程とを含む。当該第二ナツメcAMP濃度は、当該第一ナツメcAMP濃度よりも高い。
【0028】
好ましくは、アルデヒド基に結合するマクロ孔質樹脂によって当該第一抽出物をクロマトグラフィーに供することにより、工程(b)を処理する。
【0029】
好ましくは、工程(b)はさらに、アルデヒド基に結合するOU−2マクロ孔質樹脂によって当該第一抽出物をクロマトグラフィーに供する工程(b1)と;当該アルデヒド基に結合するME−2マクロ孔質樹脂によって第一抽出物をクロマトグラフィーに供する工程(b2)とを含む。
【0030】
本発明の明細書および特許請求の範囲に記載される、不安障害を治療するための医薬組成物は、本発明の中心の内容である。本願が公開された後、漢方薬の理論または関連する現代の薬理学の理論に従って、当業者は、通常の増加/減少を進めること、または上述の医薬と同一の効果/機能を有する生薬の他の効果的な成分(例えば、オンジサポニン(onjisaponin)、サイコサポニン(saikosaponin)およびカンゾウクマリン(liquorice coumarin)など)に置換することができる。この通常の増加/減少、同様の機序を有する生薬、他の同一のCAPDインヒビター、ACアクチベータ、または相当する効果的な成分の置換は、当業者の通常の技術的活動に属する。したがって、当該置換は、本発明の保護する範囲内にある。
【0031】
本発明の上記目的および利点は、以下の詳細な説明および添付の図面を検討した後、当業者にとってより容易に明らかとなるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】図1は、本発明の第一の好ましい実施形態に従う、医薬組成物の製造方法を示すフローチャートである。
【図2】図2は、本発明の第二の好ましい実施形態に従う、医薬組成物の製造方法を示すフローチャートである。
【図3】図3は、本発明の第三の好ましい実施形態に従う、医薬組成物の製造方法を示すフローチャートである。
【図4】図4は、本発明の第四の好ましい実施形態に従う、医薬組成物の製造方法を示すフローチャートである。
【図5】図5は、本発明の第五の好ましい実施形態に従う、医薬組成物の製造方法を示すフローチャートである。
【図6】図6は、本発明の第六の好ましい実施形態に従う、医薬組成物の製造方法を示すフローチャートである。
【0033】
好ましい実施形態の詳細な説明
以下の実施形態を参照することにより、本発明をより詳細に説明する。以下の本発明の好ましい実施形態の説明はここにおいて、例証および説明の目的のためだけに提示され;開示される正確な形態を網羅するものでも、限定するものでもないものとする。
【0034】
本発明の目的を達成するために、本発明の技術的スキームは特に以下の通り提供される。
【0035】
例1:
不安障害を治療するための本発明の医薬組成物は、チョウセンニンジンおよびカンゾウの原料から製造される。
【0036】
例2:
不安障害を治療するための本発明の医薬組成物は、4〜58重量部のチョウセンニンジンおよび2〜28重量部のカンゾウを有する原料から製造される。
【0037】
例3:
不安障害を治療するための本発明の医薬組成物は、10〜26重量部のチョウセンニンジンおよび5〜13重量部のカンゾウを有する原料から製造される。
【0038】
例4:
不安障害を治療するための本発明の医薬組成物は、チョウセンニンジン、カンゾウおよびナツメの原料から製造される。
【0039】
例5:
不安障害を治療するための本発明の医薬組成物は、4〜58重量部のチョウセンニンジン、2〜28重量部のカンゾウ、および2〜38重量部のナツメを有する原料から製造される。
【0040】
例6:
不安障害を治療するための本発明の医薬組成物は、10〜26重量部のチョウセンニンジン、5〜13重量部のカンゾウ、および4〜16重量部のナツメを有する原料から製造される。
【0041】
例7:
不安障害を治療するための本発明の医薬組成物は、ジンセノサイドRg1およびRb1ならびにグリシルリジン酸(またはグリシルレチン酸)の原料から製造される。
【0042】
例8:
不安障害を治療するための本発明の医薬組成物は、2〜24重量部のジンセノサイドRg1およびRb1ならびに3〜45重量部のグリシルリジン酸(またはグリシルレチン酸)から製造される。
【0043】
例9:
不安障害を治療するための本発明の医薬組成物は、4〜11重量部のジンセノサイドRg1およびRb1ならびに5〜14重量部のグリシルリジン酸(またはグリシルレチン酸)から製造される。
【0044】
例10:
不安障害を治療するための本発明の医薬組成物は、上記の重量部のジンセノサイドRg1およびRb1を有するチョウセンニンジン抽出物、ならびに上記の重量部のグリシルリジン酸を有するカンゾウ抽出物の原料から製造される。
【0045】
例11:
不安障害を治療するための本発明の医薬組成物は、ジンセノサイドRg1およびRb1、グリシルリジン酸(またはグリシルレチン酸)、ならびにナツメcAMPの原料から製造される。
【0046】
例12:
不安障害を治療するための本発明の医薬組成物は、2〜24重量部のジンセノサイドRg1およびRb1、3〜45重量部のグリシルリジン酸(またはグリシルレチン酸)、ならびに0.003〜0.4重量部のナツメcAMPを有する原料から製造される。
【0047】
例13:
不安障害を治療するための本発明の医薬組成物は、4〜11重量部のジンセノサイドRg1およびRb1、5〜14重量部のグリシルリジン酸(またはグリシルレチン酸)、ならびに0.01〜0.07重量部のナツメcAMPを有する原料から製造される。
【0048】
例14:
不安障害を治療するための本発明の医薬組成物は、上記の重量部のジンセノサイドRg1およびRb1を有するチョウセンニンジン抽出物、上記の重量部のグリシルリジン酸を有するカンゾウ抽出物、ならびに上記の重量部のナツメcAMPを有するナツメ抽出物の原料から製造される。
【0049】
例15:
ナツメcAMPを有する当該原料が、以下に記載する第二抽出物である本発明の医薬組成物が提供される。最初にナツメを抽出して第一抽出物を得て、次に当該第一抽出物をさらに抽出し、ナツメcAMP濃度が当該第一抽出物よりも高い第二抽出物を得る。
【0050】
例16:
ナツメcAMPの原料を含む医薬組成物の製造方法が提供される。その製造方法は以下の工程を含む。
【0051】
(a)ナツメを抽出し、第一抽出物を得る工程と;
(b)当該第一抽出物をさらに精製し、ナツメcAMPの濃度が当該第一抽出物よりも高い第二抽出物を得る工程。
【0052】
例17:
上記の製造方法において、アルデヒド基に結合するマクロ孔質樹脂によって当該第一抽出物のナツメcAMPをクロマトグラフィーに供し、吸収し、分離することにより、当該工程(b)を処理する。
【0053】
例18:
上記の製造方法において、アルデヒド基に結合する当該OU−2マクロ孔質樹脂によって当該第一抽出物のナツメcAMPをクロマトグラフィーに供し、吸収し、分離することにより、当該工程(b)を処理する。
【0054】
例19:
上記の製造方法において、アルデヒド基に結合する当該ME−2マクロ孔質樹脂によって当該第一抽出物のナツメcAMPをクロマトグラフィーに供し、吸収し、分離することにより、当該工程(b)を処理する。
【0055】
例20:
本発明の医薬組成物は、薬学的に許容される担体または添加物を含む。
【0056】
例21:
本発明の医薬組成物は、剤形として製造されてよく、当該剤形は、錠剤、カプセル、粉末、丸剤、微粉、溶液、マイクロカプセル、懸濁液、エマルション、粒子、滴下薬、ロール、および薬学的な経口医薬剤形のいずれか一つから選択される。
【0057】
例22:
本発明の医薬組成物はさらに、健康管理食品および栄養サプリメントとして製造されてよい。
【0058】
本発明の目的を達成するために、当該医薬組成物の製造方法が以下の通り提供される。
【0059】
方法1:
不安障害を治療するための本発明の医薬組成物は、ジンセノサイドRg1およびRb1ならびにグリシルリジン酸を有する抽出物から製造され、当該抽出物は、4〜58重量部のチョウセンニンジンおよび2〜28重量部のカンゾウを有する原料から抽出および精製される。
【0060】
方法2:
不安障害を治療するための本発明の医薬組成物は、ジンセノサイドRg1およびRb1ならびにグリセルリジン酸を有する抽出物から製造され、当該抽出物は、10〜26重量部のチョウセンニンジンおよび5〜13重量部のカンゾウを有する原料から抽出および精製される。
【0061】
方法3:
不安障害を治療するための本発明の医薬組成物は、ジンセノサイドRg1およびRb1、グリセルリジン酸、ならびにナツメcAMPを有する抽出物から製造され、当該抽出物は、4〜58重量部のチョウセンニンジン、2〜28重量部のカンゾウ、および2〜38重量部のナツメを有する原料から抽出および精製される。
【0062】
方法4:
不安障害を治療するための本発明の医薬組成物は、ジンセノサイドRg1およびRb1、グリセルリジン酸、ならびにナツメcAMPを有する抽出物から製造され、当該抽出物は、10〜26重量部のチョウセンニンジン、5〜13重量部のカンゾウ、および4〜16重量部のナツメを有する原料から抽出および精製される。
【0063】
方法5:
不安障害を治療するための本発明の医薬組成物は、(1)チョウセンニンジンから抽出および精製されるジンセノサイドRg1およびRb1、ならびにカンゾウから抽出および精製されるグリセルリジン酸を有する抽出物、または(2)ジンセノサイドRg1およびRb1、ならびにグリシルリジン酸(またはグリシルレチン酸)を有する製造された原料から製造される。
【0064】
方法6:
不安障害を治療するための本発明の医薬組成物は、2〜24重量部のジンセノサイドRg1およびRb1、ならびに3〜45重量部のグリシルリジン酸(またはグリシルレチン酸)を有する原料から製造される。
【0065】
方法7:
不安障害を治療するための本発明の医薬組成物は、4〜11重量部のジンセノサイドRg1およびRb1、ならびに5〜14重量部のグリシルリジン酸(またはグリシルレチン酸)を有する原料から製造される。
【0066】
方法8:
不安障害を治療するための本発明の医薬組成物は、(1)チョウセンニンジン、カンゾウおよびナツメcAMPからそれぞれ抽出および精製されるジンセノサイドRg1およびRb1、グリセルリジン酸、ならびにナツメcAMPを有する抽出物;または(2)ジンセノサイドRg1およびRb1、グリシルリジン酸(またはグリシルレチン酸)、ならびにナツメcAMPを有する製造された原料から製造される。
【0067】
方法9:
不安障害を治療するための本発明の医薬組成物は、2〜24重量部のジンセノサイドRg1およびRb1、3〜45重量部のグリシルリジン酸(またはグリシルレチン酸)、ならびに0.003〜0.4重量部のナツメcAMPを有する原料から製造される。
【0068】
方法10:
不安障害を治療するための本発明の医薬組成物は、4〜11重量部のジンセノサイドRg1およびRb1、5〜14重量部のグリシルリジン酸(またはグリシルレチン酸)、ならびに0.01〜0.07重量部のナツメcAMPを有する原料から製造される。
【0069】
方法11:
ナツメcAMPの原料を含む医薬組成物の製造方法が提供される。その製造方法は以下の工程を含む。
【0070】
(a)ナツメを抽出し、第一抽出物を得る工程と;
(b)当該第一抽出物をさらに精製し、ナツメcAMP濃度が当該第一抽出物よりも高い第二抽出物を得る工程。
【0071】
方法12:
上記の製造方法において、アルデヒド基に結合するマクロ孔質樹脂によって当該第一抽出物のナツメcAMPをクロマトグラフィーに供し、吸収し、分離することにより、当該工程(b)を処理する。
【0072】
方法13:
上記の製造方法において、アルデヒド基に結合する当該OU−2マクロ孔質樹脂によって当該第一抽出物のナツメcAMPをクロマトグラフィーに供し、吸収し、分離することにより、当該工程(b)を処理する。
【0073】
方法14:
上記の製造方法において、アルデヒド基に結合する当該ME−2マクロ孔質樹脂によって当該第一抽出物のナツメcAMPをクロマトグラフィーに供し、吸収し、分離することにより、当該工程(b)を処理する。
【0074】
方法15:
本発明の医薬組成物は、薬学的に許容される担体または添加物を含む。
【0075】
方法16:
本発明の医薬組成物は、剤形として製造されてよく、当該剤形は、錠剤、カプセル、粉末、丸剤、微粉、溶液、マイクロカプセル、懸濁駅、エマルション、粒子、滴下薬、ロールおよび薬学的な経口剤形のうちのいずれか一から選択される。
【0076】
方法17:
本発明において記載される原料は、Good Manufacturing Practice (GMP) 医薬基準および健康管理食品生産/製造基準の方法にしたがって、不安障害を治療するための薬剤、健康管理食品および栄養サプリメントとして製造されてよい。
【0077】
好ましい実施形態
図および好ましい実施形態を組み合わせることにより、本発明を以下でさらに説明する。
【0078】
実施形態1:
図1を参照されたい。図1は、本発明の第一の好ましい実施形態に従う、医薬組成物の製造方法を示すフローチャートである。図1において、20kgのチョウセンニンジン(101)を粉砕後、当該粉砕したチョウセンニンジンを加熱し、70%のエタノール溶液により抽出する。当該抽出したチョウセンニンジンをクロマトグラフィーにより分離および精製し、乾燥し、120gのジンセノサイドRg1およびRb1を有する0.8kgのチョウセンニンジン抽出物を得る(102)。さらに、10kgのカンゾウ(103)を粉砕後、当該粉砕したカンゾウを12時間室温で浸漬する。当該浸漬したカンゾウを煎出およびアルコール沈降により抽出し、濃縮および乾燥し、200gのグリシルリジン酸を有する2kgのカンゾウ抽出物を得る(104)。次に、150gの当該得られたチョウセンニンジン抽出物および200gの当該得られたカンゾウ抽出物を粉砕し、混合し、350gの本発明の医薬組成物(22.5gのジンセノサイドRg1およびRb1、ならびに20gのグリシルリジン酸を含む)を得る(105)。
【0079】
実施形態2:
図2を参照されたい。図2は、本発明の第2の好ましい実施形態に従う医薬組成物の製造方法を示すフローチャートである。図2において、96%の純度を有する製造された3.96gのグリシルレチン酸(202)および実施形態1で得られる200gのチョウセンニンジン抽出物(201)を粉砕および混合した後、203.96gの本発明の医薬組成物(30gのジンセノサイドRg1およびRb1ならびに3.8gのグリシルレチン酸を含む)を得る(203)。
【0080】
実施形態3:
図3を参照されたい。図3は、本発明の第3の好ましい実施形態に従う医薬組成物の製造方法を示すフローチャートである。図3において、90%の純度を有する3.4gの製造されたジンセノサイドRg1、90%の純度を有する7.8gの製造されたジンセノサイドRb1(302)、ならびに90%の純度を有する36.8gのグリシルリジン酸を、粉砕および混合した後、48gの本発明の医薬組成物(10gのジンセノサイドRg1およびRb1ならびに35gのグリシルリジン酸を含む)を得る(304)。
【0081】
実施形態4:
図4を参照されたい。図4は、本発明の第4の好ましい実施形態に従う医薬組成物の製造方法を示すフローチャートである。図4において、10kgのナツメ(401)を粉砕し、室温で水に浸漬し、その後当該浸漬したナツメを煎出およびアルコール沈降により抽出し、ナツメ抽出物を得て、これをさらに順次、当該OU−2およびME−2マクロ孔質樹脂により吸収および分離し、乾燥する。0.3gのナツメcAMPを含む30gのナツメ抽出物を得て、本発明の薬剤を調製するための原料とする(402)。
【0082】
その後、実施形態1で得られる150gのチョウセンニンジン抽出物および200gのカンゾウ抽出物を粉砕し、3gの上記ナツメ抽出物と混合し、353gの本発明の医薬組成物(22.5gのジンセノサイドRg1およびRb1、20gのグリシルリジン酸、ならびに0.03gのナツメcAMPを含む)を得る(403)。
【0083】
実施形態5:
図5を参照されたい。図5は、本発明の第5の好ましい実施形態に従う医薬組成物の製造方法を示すフローチャートである。図5において、実施形態1で得られる150gのチョウセンニンジン抽出物(501)および200gのカンゾウ抽出物(502)を粉砕し、実施形態4で得られる0.5gのナツメ抽出物(503)と混合した後、350.5gの本発明の医薬組成物(22.5gのジンセノサイドRg1およびRb1、20gのグリシルリジン酸、ならびに0.005gのナツメcAMPを含む)を得る(504)。
【0084】
実施形態6:
図6を参照されたい。図6は、本発明の第6の好ましい実施形態に従う医薬組成物の製造方法を示すフローチャートである。図6において、90%の純度を有する6.8gの製造したジンセノサイドRg1(601)、90%の純度を有する15.6gの製造したジンセノサイドRb1(602)、96%の純度を有するグリシルレチン酸26g(603)、ならびに実施形態4で得られる10gのナツメ抽出物cAMP(604)を粉砕および混合した後、58.4gの本発明の医薬組成物(20gのジンセノサイドRg1およびRb1、25gのグリシルレチン酸、ならびに0.1gのナツメcAMPを含む)を得る(605)。
【0085】
実験1:マウスの明暗遷移実験における実施形態1の影響
1.1 実験動物:オスの体重24〜26gの二次のクンミン(Kunming)(KM)マウスは、北京、首都医科大学実験動物科学部より提供される。
【0086】
1.2 実験医薬:実施形態1の医薬は、Beijing Wonner Biotech. Ltd. Co.より提供され、ジアゼパムはTianjin Jinhuei Amino Acid Co. Ltd.の製品である。
【0087】
1.3 実験装置:自製の明暗遷移箱
1.4 用量設計:1.高用量の実施形態4(80 mg/kg/d);2.中用量の実施形態4(40 mg/kg/d);および3.低用量の実施形態4(20 mg/kg/d)。
【0088】
1.5 実験方法および結果:
1.5.1 グループ分けおよび薬剤の投与:マウスをランダムに5つの群に分け、各群10匹のマウスとする。1.高用量の実施形態1(80 mg/kg);2.中用量の実施形態1(40 mg/kg);3.低用量の実施形態1(20 mg/kg);4.ジアゼパム(2.5 mg/kg);および5.生理的食塩水(生理食塩水、NS)。当該薬剤を一日一回マウスの胃に与え、当該マウスに連続7日間投与する。投与期間中、当該マウスは自由に飲食し、8日目に薬剤の最後の投与の1時間後、当該実験を進める。
【0089】
1.5.2 実験方法:
マウス明暗遷移試験:暗チャンバーは、当該明暗遷移チャンバー(44 cm×21cm×21 cm)の3分の1を占め、上部にはふたをする。明チャンバーはその3分の2を占め、明るく照らされている。2つのチャンバーの間に、マウスの通路のためにドアを配置する。実験開始時、マウスを明チャンバーの中心に置き、当該マウスの背は暗チャンバーに向いている。当該マウスが10分間に暗チャンバーに入り、明チャンバーに戻る回数を決定し、その回数は、当該薬剤の抗不安作用を評価するための指標である。
【0090】
1.5.3 統計計算:当該実験データを、
【数1】

【0091】
として表し、当該実験結果を、一元配置分散分析(one−way ANOVA)としてSPSS 11.5統計ソフトウェアにより計算する。
【0092】
1.5.4 実験結果:表1を参照されたい。
【表1】

【0093】
1.6 説明:本実験で採用する当該明暗遷移試験は、当該マウスが生来的に明るい光を嫌うこと、およびその新しい環境に対する自発的な探索行動に基づき構築される。ヒトにおける不安症を治療するための当該臨床医薬(ジアゼパム)および実施形態1は、このマウスモデルに対して自発的な探索行動を増加する機能の改善について優れた相関を有する。上記の実験に従って、本発明の高、中および低用量の実施形態1ならびにジアゼパムのいずれも、マウスが暗チャンバーから明チャンバーへと通過する回数を有意に増加させ、生理食塩水と比較して統計的な意味を有することを見出すことができる。当該実験結果により、実施形態1が抗不安効果を有することが明らかになった。
【0094】
1.7 結論:上記の実験結果に従うと、本発明の高、中および低用量の実施形態1ならびにジアゼパムのいずれも、マウスが暗チャンバーから明チャンバーへ通過する回数を増加させることを示す。当該結果は、実施形態1が抗不安効果を有することを示す。
【0095】
実験2:マウス明暗遷移実験における実施形態4の影響
2.1 実験動物:オスの体重24〜26gの二次のクンミン(KM)マウスは、北京、首都医科大学実験動物科学部より提供される。
【0096】
2.2 実験医薬:実施形態4の医薬はBeijing Wonner Biotech. Ltd. Co.より提供され、ジアゼパムはTianjin Jinhuei Amino Acid Co. Ltd.の製品である。
【0097】
2.3 実験装置:自製の明暗遷移箱
2.4 用量設計:1.高用量の実施形態4(80 mg/kg/d);2.中用量の実施形態4(40m g/kg/d);および3.低用量の実施形態4(20 mg/kg/d)。
【0098】
2.5 実験方法および結果:
2.5.1 グループ分けおよび薬剤の投与:当該マウスをランダムに5つの群に分け、各群10匹のマウスとする。1.高用量の実施形態4(80 mg/kg);2.中用量の実施形態4(40 mg/kg);3.低用量の実施形態4(20 mg/kg);4.ジアゼパム(2.5 mg/kg);および5.生理的食塩水(生理食塩水、NS)。当該薬剤を一日一回マウスの胃に与え、当該マウスに連続7日間投与する。投与期間中、当該マウスは自由に飲食し、8日目に薬剤の最後の投与の1時間後、当該実験を進める。
【0099】
2.5.2 実験方法
マウス明暗遷移試験:当該暗チャンバーは、明暗遷移チャンバー(44 cm×21cm×21 cm)の3分の1を占め、上部にはふたをする。当該明チャンバーはその3分の2を占め、明るく照らされている。2つのチャンバーの間に、マウスの通路のためにドアを配置する。実験開始時、マウスを明チャンバーの中心に置き、当該マウスの背は暗チャンバーに向いている。当該マウスが10分間に暗チャンバーに入り、明チャンバーに戻る回数を決定し、その回数は、当該薬剤の抗不安作用を評価するための指標である。
【0100】
2.5.3 統計的計算:当該実験のデータを、
【数2】

【0101】
として表し、当該実験結果を、一元配置分散分析(one−way ANOVA)としてSPSS 11.5統計ソフトウェアにより計算する。
【0102】
2.5.4 実験結果:表2を参照されたい。
【表2】

【0103】
2.6 説明:本実験で採用する当該明暗遷移試験は、当該マウスが生来的に明るい光を嫌うこと、およびその新しい環境に対する自発的な探索行動に基づき構築される。ヒトにおける不安症を治療するための当該臨床医薬(ジアゼパム)および実施形態4は、このモデルに対して自発的な探索行動を増加する機能の改善について優れた相関を有する。上記の実験に従って、本発明の高、中および低用量の実施形態4ならびにジアゼパムのいずれも、マウスが暗チャンバーから明チャンバーへと通過する回数を有意に増加させ、生理食塩水と比較して統計的な意味を有することを見出すことができる。当該実験結果により、実施形態4が抗不安効果を有することが明らかになった。
【0104】
2.7 結論:上記の実験結果に従うと、本発明の高、中および低用量の実施形態4ならびにジアゼパムのいずれも、マウスが暗チャンバーから明チャンバーへ通過する回数を増加させることを示す。当該結果は、実施形態4が抗不安効果を有することを示す。
【0105】
産業上の有用性:
不安障害を治療するための本発明の当該医薬組成物の適用範囲は:
1.不安障害を治療するための本発明の当該記載された医薬組成物は、当該薬学的に許容される添加物を含んでよい;
2.不安障害を治療するための本発明の当該記載された医薬組成物は、既知の剤形、例えば、粉末、カプセル、錠剤などとして製造されてよい;および
3.不安障害を治療するための本発明の当該記載された医薬組成物は、うつ病を治療するための健康管理食品として製造されてもよい。
【0106】
現在何が最も実用的かつ好ましい実施形態かという観点から、本発明について説明したが、当該開示される実施形態に限られる必要はないと解されるものとする。反対に、添付の特許請求の範囲の精神(spirit)および範囲に含まれる種々の修正および同様の配置を含むものとし、これらは最も広範な範囲の解釈と一致し、前記修正および同様の構成のすべてを包含するものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
チョウセンニンジンおよびカンゾウを含む、不安障害を治療するための医薬組成物。
【請求項2】
4〜58重量部の当該チョウセンニンジンおよび2〜28重量部の当該カンゾウを含む、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
10〜26重量部の当該チョウセンニンジンおよび5〜13重量部の当該カンゾウを含む、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
薬学的に許容される担体および添加物の少なくとも一つをさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
錠剤、カプセル、粉末、丸剤、微粉、溶液、マイクロカプセル、懸濁液、エマルション、粒子、滴下薬(dropping pill)およびロール(roll)からなる群より選択される剤形を有する、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項6】
健康管理食品およびサプリメントの一つとして製造される、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項7】
チョウセンニンジン、カンゾウ、およびナツメ(jujuba)を含む、不安障害を治療するための医薬組成物。
【請求項8】
4〜58重量部の当該チョウセンニンジン、2〜28重量部の当該カンゾウ、および2〜38重量部の当該ナツメを含む、請求項7に記載の医薬組成物。
【請求項9】
10〜26重量部の当該チョウセンニンジン、5〜13重量部の当該カンゾウ、および4〜16重量部の当該ナツメを含む、請求項8に記載の医薬組成物。
【請求項10】
薬学的に許容される担体および添加物の少なくとも一つをさらに含む、請求項7に記載の医薬組成物。
【請求項11】
錠剤、カプセル、粉末、丸剤、微粉、溶液、マイクロカプセル、懸濁液、エマルション、粒子、滴下薬、およびロールからなる群より選択される剤形を有する、請求項7に記載の医薬組成物。
【請求項12】
健康管理食品およびサプリメントの一つとして製造される、請求項7に記載の医薬組成物。
【請求項13】
Rg1およびRb1を有するジンセノサイド、ならびにグリシルリジン酸、グリシルレチン酸、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるグリシルリジンに関連する酸を含む、不安障害を治療するための医薬組成物。
【請求項14】
当該Rg1および当該Rb1を有する2〜24重量部の当該ジンセノサイド、ならびに3〜45重量部の当該グリシルリジンに関連する酸を含む、請求項13に記載の医薬組成物。
【請求項15】
当該Rg1および当該Rb1を有する4〜11重量部の当該ジンセノサイド、ならびに5〜14重量部の当該グリシルリジンに関連する酸を含む、請求項14に記載の医薬組成物。
【請求項16】
当該ジンセノサイドがジンセノサイドRg1およびRb1を有するチョウセンニンジン抽出物であり、当該グリシルリジンに関連する酸が当該グリシルリジン酸を有するカンゾウ抽出物である、請求項13に記載の医薬組成物。
【請求項17】
薬学的に許容される担体および添加物の少なくとも一つをさらに含む、請求項13に記載の医薬組成物。
【請求項18】
錠剤、カプセル、粉末、丸剤、微粉、溶液、マイクロカプセル、懸濁液、エマルション、粒子、滴下薬およびロールからなる群より選択される剤形を有する、請求項13に記載の医薬組成物。
【請求項19】
健康管理食品およびサプリメントの一つとして製造される、請求項13に記載の医薬組成物。
【請求項20】
Rg1およびRb1を有するジンセノサイド;グリシルリジン酸、グリシルレチン酸、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるグリシルリジンに関連する酸;ならびにナツメ環状アデノシンモノホスフェート(ナツメcAMP)を含む、不安障害を治療するための医薬組成物。
【請求項21】
当該Rg1および当該Rb1を有する2〜24重量部の当該ジンセノサイド、3〜45重量部の当該グリシルリジンに関連する酸、ならびに0.003〜0.4重量部の当該ナツメcAMPを含む、請求項20に記載の医薬組成物。
【請求項22】
当該Rg1および当該Rb1を有する4〜11重量部の当該ジンセノサイド、5〜14重量部の当該グリシルリジンに関連する酸、ならびに0.01〜0.07重量部の当該ナツメcAMPを含む、請求項21に記載の医薬組成物。
【請求項23】
当該ジンセノサイドがジンセノサイドRg1およびRb1を有するチョウセンニンジン抽出物であり、当該グリシルリジンに関連する酸が当該グリシルリジン酸を有するカンゾウ抽出物であり、当該ナツメcAMPが当該ナツメcAMPを有するナツメ抽出物である、請求項20に記載の医薬組成物。
【請求項24】
最初にナツメを抽出して第一抽出物を得て、次に当該第一抽出物を精製することにより得られる当該ナツメcAMP第二抽出物を原料に含み、当該第二抽出物のナツメcAMP濃度が当該第一抽出物よりも高い、請求項20に記載の医薬組成物。
【請求項25】
薬学的に許容される担体および添加物の少なくとも1つをさらに含む、請求項20に記載の医薬組成物。
【請求項26】
錠剤、カプセル、粉末、丸剤、微粉、溶液、マイクロカプセル、懸濁液、エマルション、粒子、滴下薬およびロールからなる群より選択される剤形を有する、請求項20に記載の医薬組成物。
【請求項27】
健康管理食品およびサプリメントの一つとして製造される、請求項20に記載の医薬組成物。
【請求項28】
ナツメ環状アデノシンモノホスフェート(ナツメcAMP)を含む、不安障害を治療するための医薬組成物の製造方法であって:
ナツメを抽出し、第一抽出物を得る工程(a)と;
当該第一抽出物を精製し、第二抽出物を得る工程(b)と
を含み、当該第二抽出物のナツメcAMP濃度が当該第一抽出物よりも高い製造方法。
【請求項29】
アルデヒド基に結合するマクロ孔質樹脂によって当該第一抽出物中の当該ナツメcAMPをクロマトグラフィーに供することにより当該工程(b)を処理する、請求項28に記載の製造方法。
【請求項30】
アルデヒド基に結合するOU−2マクロ孔質樹脂によって当該第一抽出物中の当該ナツメcAMPをクロマトグラフィーに供することにより当該工程(b)を処理する、請求項29に記載の製造方法。
【請求項31】
アルデヒド基に結合するME−2マクロ孔質樹脂によって当該第一抽出物中の当該ナツメcAMPをクロマトグラフィーに供することにより当該工程(b)をさらに処理する、請求項30に記載の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2011−504886(P2011−504886A)
【公表日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−535192(P2010−535192)
【出願日】平成19年11月30日(2007.11.30)
【国際出願番号】PCT/CN2007/003398
【国際公開番号】WO2009/070922
【国際公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【出願人】(507318093)
【出願人】(507317395)
【Fターム(参考)】