説明

中間脊椎移植体、ならびに脊柱の脊椎固定術のための外科手術方法

それ自体公知の方法で、円錐状部分(13)を有する頭部(2)と、雄ねじ(14)とを有する中間脊椎移植体(1)が開示される。頭部(2)には、頭部(2)から下部構造(3)に延びる複数のストラットによって形成される中央部分(5、6、7、8)が成形される。このようにして、頭部(2)とストラット(5、6、7、8)と下部構造(3)との間に、大きな面積の窓部(9、10、11、12)が開放したままである。本発明によれば、頭部(2)の雄ねじ(14)は、円錐状部分(13)に形成され、頭部(2)の外側端部領域は、外側から見て凸状に湾曲しかつ鋭い縁部がない保護隆起部(15)によって形成される。本発明による中間脊椎移植体(1)により、隣接した大静脈又は大動脈の損傷の危険なしに、隣接した椎骨体(30、31)の特に腹側周囲の完全な延伸も達成される。同時に、中間脊椎移植体(1)の形状の選択によって、脊椎前湾を調整できる。さらに、このような中間脊椎移植体(1)を使用する脊柱の脊椎固定術のための外科手術法が開示されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中間脊椎移植体であって、
a)円錐状部分と雄ねじとを担持する頭部と、
b)同様に雄ねじを担持する頭部に成形された中央部分と、
c)中央部分に成形された下部構造とを有し、
d)中央部分が、頭部から下部構造に延びる複数のストラットによって形成され、この結果、頭部とストラットと下部構造との間に、大きな面積の窓部が開放したままである中間脊椎移植体、
ならびに
隣接した椎骨体の間の椎骨の間隙に、少なくとも1つの中間脊椎移植体が挿入される脊柱の脊椎固定術のための外科手術法に関する。
【背景技術】
【0002】
上述の種類の中間脊椎移植体が、特許文献1に記載されている。この中間脊椎移植体は、意識的に、以前に知られている中間脊椎移植体のスリーブ状の形状を放棄し、その代わりに、可能な限り大きな窓部を開放させる狭いストラット付きの中央部分を使用している。中間脊椎移植体内に格納された海綿質では、このようにして、一方の椎骨体から他方の椎骨体への大きな面積の直接の道が開かれ、これにより、特に優れた力結合が可能になり、骨形成が加速される。さらに、このような中間脊椎移植体では、手術中及び手術後のレントゲンの制御性が向上する。
公知の中間脊椎移植体の場合、頭部は、雄ねじを担持する円筒状部分と、端部領域で隣接する円錐状のねじのない部分とを有する。この中間脊椎移植体により、危険なしに、椎骨体の特に腹側周囲の完全な延伸を行うことは不可能であるが、この理由は、隣接した大静脈及び大動脈の損傷の危険が、完全には排除されないからである。
【0003】
【特許文献1】独国特許第19957339C2号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、特に椎骨体の腹側領域においても、同時に延伸に適切であるように、冒頭に述べた種類の中間脊椎移植体を形成することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題は、本発明によれば、
f)頭部の雄ねじが円錐状部分に形成され、
g)頭部の外側端部領域が、外側から見て凸状に湾曲しかつ鋭い縁部がない保護隆起部によって形成されることによって解決される。
【0006】
本発明による中間脊椎移植体は、その頭部の雄ねじにより、椎骨体の腹側周囲の緻密体にねじ込まれ、この場合、その円錐形のため、椎骨体の対応する延伸が行われる。この場合、頭部の保護隆起部は、椎骨体の腹側縁部を越えて移動されるが、保護隆起部に鋭い縁部がないため、隣接した大きな脈管を傷つけず、椎骨体から脈管をおそらくは鈍く幾分押し退ける。本発明による中間脊椎移植体は、椎骨体周縁に正確に位置決めすることができる。
【0007】
頭部の円錐状部分は、延伸プロセス中に、椎骨体のその腹側周囲に十分な力を伝達できるために、少なくとも7mmの軸方向延長部を有するべきであろう。
【0008】
同様の理由から、頭部の雄ねじが少なくとも3つの完全なねじ山を備えることが推奨される。
【0009】
頭部の保護隆起部は、ねじ山も含む場合がある実際上すべての鋭い縁部が、隣接した脈管から常に十分な距離を有することを保証するために、少なくとも5mmの軸方向延長部を有するべきであろう。
【0010】
保護隆起部は、閉じたキャップの形態を有することができるか、リング状であることもでき、この場合、中央導通開口部を備えることができる。
【0011】
本発明による中間脊椎移植体の下部構造は、少なくとも5mmの軸方向延長部を有することが好ましい。この場合、椎骨体の背側側面の緻密質が腹側側面よりも薄いという解剖学上の事実が顧慮される。
【0012】
下部構造は、特に板であることもできる。
【0013】
この板は、ねじ込み器具用の把持装置を備えるべきであり、この場合、手術者の主動的作用の下にのみねじ込み器具に連結され、同様に手術者の主動的協力の下にのみ再び解放される実施形態が好ましい。このような把持装置は公知である。
【0014】
個々の患者データからほぼ無関係に、頭部の円錐状部分の円錐状外面と、想定される同軸の円筒外面とによって画定される角度(α)は、10°〜20°、好ましくは15°であるべきであろう。
【0015】
本発明による中間脊椎移植体の特に有利な実施形態は、中央部分及び下部構造が頭部の円錐状部分に対し逆方向に円錐状であることを特徴とする。したがって、中央部分及び下部構造の円錐形は、間に中間脊椎移植体が挿入される両方の椎骨体の脊椎前湾を決定する。
【0016】
一般的な解剖学上の状況に応じて、概して、中央部分及び下部構造用に2つの円錐角度を選択的に用意することで十分である。すなわち、中央部分及び下部構造の円錐状外面と、想定される同軸の円筒外面とによって画定される角度(β)は、一実施形態において約3°また他の実施形態において約6°であるべきであろう。
【0017】
中間脊椎移植体は、多様な材料から、特にステンレス鋼、炭素セラミック材料、アルミニウム合金、チタン、プラスチック、この場合特にポリイソシアネート等から構成される。
【0018】
しかし、本発明による中間脊椎移植体は、生体吸収可能な材料、特にポリアクタイドからも製造できる。
【0019】
中間脊椎移植体が、少なくとも1つの軸方向領域に、非回転対称の断面形状を備える場合、中間脊椎移植体は、ねじ込み後に意図しないねじれから保護される。この場合、椎骨体の緻密体の背側領域と相互作用する下部構造それ自体が、非回転対称の断面形状を備える場合、特に好ましい。
【0020】
中間脊椎移植体の保護隆起部が研磨される場合、中間脊椎移植体は、特に脈管に優しい。
【0021】
さらに、本発明の課題は、冒頭に述べた種類の脊柱の脊椎固定術のために、患者に優しい外科手術法を提供することである。
【0022】
上記課題は、次の手術段階、すなわち、
a)椎骨の間隙への入口が、顕微手術により小さな脊椎関節を部分除去して背側側面から開かれる段階と、
b)椎骨の間隙の上板及び底板の軟骨が取り除かれる段階と、
c)椎骨の間隙の背側領域に、ねじが切り込まれる段階と、
d)延伸器具を用いて椎骨の間隙が事前延伸される段階と、
e)事前延伸がスペーサ要素を用いて直立に保持されて、延伸器具が取り除かれる段階と、
f)椎骨の間隙のねじに、第1の中間脊椎移植体がねじ込まれる段階と、
g)第1の中間脊椎移植体から間隔を置いて挿入される第2の中間脊椎移植体のために、a)〜f)の段階が繰り返される段階と、を含む方法によって解決される。
【0023】
本発明による外科手術法は、その顕微手術の形態及び背側側面からの手術のため患者に優しく、また非常に小さな傷のみしか生じない。したがって、感染の危険は著しく低減される。患者が受ける痛みははるかに小さく、病院における滞在時間は著しく短くなる。
【0024】
患者がすでに予め手術されていない限り、段階a)の後に、靱帯フラバムを外側から内側に薄くすることが必要な場合がある。しかし、この場合、内側領域は維持されたままであり、この結果、傷跡の形成が大部分回避される。
【0025】
段階b)の後、露出された骨部分を新鮮にすることができ、すなわち表面を削り取ることができ、椎骨の間隙に入れられた海綿質との癒着が緩和される。
【0026】
中間脊椎移植体それ自体には、椎骨の間隙に導入する前に、海綿質を充填すべきであろう。
【0027】
椎骨の間隙も、遅くとも第2の中間脊椎移植体を導入する前に海綿質で充填することが好ましい。
【0028】
本発明による方法が特に有益なのは、請求項1〜13のいずれか1項に記載の中間脊椎移植体が使用され、中間脊椎移植体が、特に腹側領域を延伸しつつ、頭部の保護隆起部と円錐状領域との間の移行線が、椎骨体の腹側周囲の側方収容部の頂点の高さに位置するまでねじ込まれる場合である。本発明による方法のこの形態では、すなわち危険なしに、特に椎骨体の腹側領域も必要な方法で延伸できる。
【0029】
中間脊椎移植体をねじ込む際に、トルクを測定することができる。所定のトルク値を下回った場合、このことは、使用される中間脊椎移植体の最大直径が小さすぎ、また達成された延伸が十分でないことを意味する。この場合、より大きな最大直径を有する他の中間脊椎移植体が選択される。
【0030】
本発明の実施例について、図面を参照して以下に詳細に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
最初に、図1を参照する。この図は、全体的に参照番号1で示される中間脊椎移植体を示している。中間脊椎移植体は、移植状態の腹側を示した頭部2、ならびに移植状態の背側を示した底板3を含み、これらは、狭い4つのフレーム5、6、7、8によって互いに結合される。フレーム5、6、7、8と、頭部2と、底板3との間に、大きな面積の窓部9、10、11、12が留まる。
【0032】
中間脊椎移植体1の頭部2は、雄ねじ14を担持する円錐状部分13、ならびに円錐状部分13に隣接し、中間脊椎移植体1の腹側端部を形成する外側から見て凸状の保護キャップ15を含む。図示した実施例では球形キャップ面である保護キャップ15は、さらに以下に明らかになる理由、すなわち、特に鋭いエッジを決して有しないという理由から研磨される。保護キャップ15の矢印の高さD3は、少なくとも4〜5mmであり、この理由は、同様に以下にさらに明らかになる。円錐状部分13は、7mmを下回らない軸方向長さD4を有する。雄ねじ14は、円錐状部分3の内側に少なくとも3つの完全なねじ山を有する。円錐状部分13の円錐外面が、想定される円筒外面と共に画定し、かつ半分の円錐角度に対応する角度αは、10°〜20°であり、好ましくは約15°にある。
【0033】
フレーム5、6、7、8も、想定される円錐面に位置するが、この円錐面は、頭部2の円錐状領域13とは正反対の方向に、図1の下部に位置する中間脊椎移植体1の背側端部に向かって先細りする。この想定される円錐の円錐外面が円筒外面と共に画定し、かつ半分の円錐角度に対応する角度βは、約6°又は約3°にあり、それに応じて、それらの椎骨体の間に中間脊椎移植体を挿入するべきである。フレーム5、6、7、8も、雄ねじ14の継続部として頭部2の円錐状領域13に形成される雄ねじ15を担持する。
【0034】
フレーム5、6、7、8は、特に図2に示されているように、底板3の面取りされたエッジに一体に移行する。底板3の底面図は、その他の点で、ほぼ正方形である。フレーム5、6、7、8の雄ねじ16は、底板3の面取りされたエッジの雄ねじ17に続く。
【0035】
底板3の下側に、図2から理解されるように、図示した例では十字溝18の形態を有するねじ込み器具用の把持装置が組み込まれる。図面には示していない対応するねじ込み器具は、十字状の軸方向に延在する相補的な突出部を有し、図面に円形孔として概略的に示されている格子装置19に嵌め込むことができる。格子装置19は、ねじ込み器具と十字溝18との間の結合の形成が手術者の主動的取扱いを必要とし、また反対に、底板3からのねじ込み器具の解放が、手術者の主動的取扱いの下にのみ行われ、また意図せずに行われることができないように形成される。この種類の結合は、それ自体公知であり、したがってより詳細に説明する必要はない。
【0036】
底板3の軸方向延在部D5は、4mmを下回ってはならないであろう。
【0037】
これまで説明した限りでは、中間脊椎移植体1は、患者毎に本質的に異ならない。しかし、個々の患者データは、次の方法で中間脊椎移植体1の寸法に反映され、手術前にCT又はX線撮影から抽出しなければならない。
【0038】
底板3の背側の外側正面と、頭部2の円錐状領域13と研磨された保護キャップ15との間の移行線20との間の軸方向距離D1は、特に図4から理解されるように、結合すべき椎骨体30、31の背側の外側縁部と、側方収容部の椎骨体30、31の腹側縁部の対向する頂点32、33との間の間隔に対応する。すなわち、中間脊椎移植体1の移植位置は、背側の外側正面が椎骨体30、31の背側縁部とほぼ面一であり、一方、中間脊椎移植体1の頭部2の移行線20が、両方の椎骨体30、31の頂点32、33を結合するような位置である。この場合、頭部2の保護キャップ15は、腹側で、椎骨体30、31の腹側縁部を越えて突出する。
【0039】
中間脊椎移植体1は、異なる材料から構成することができる。一方で、上述の独国特許第19957339C2号に記載されているように、ステンレス鋼又は炭素セラミック材料が考えられる。体内に永久に残る材料としては、アルミニウム合金、チタンならびにあるプラスチック、特にポリイソシアネート(PIC)も適切である。同時に、特にポリアクタイドのような生体吸収可能な材料、すなわち、例えば商標テラモン(Telamon)で販売されているように、ポリ(L−ラクティッド−co−D、L−ラクティッド)からなるコポリマが利用可能である。
【0040】
異なる患者のために、すなわち、寸法D1の大きさが区別される複数の組の中間脊椎移植体1を用意しなければならない。この場合、一般に、2mmの段部を設けることで十分であり、実用には、特に28、30、32、34、36mmのD1の寸法が対象とされる。
【0041】
中間脊椎移植体1の最大直径D2は、上述の説明から理解されるように、頭部2とストラット5、6、7との間の移行線21に現れる。最大直径D2は、隣接した椎骨体30、31の間の所望の延伸に対応し、例えば、隣接した健康なセグメントからのX線写真から抽出することができる。したがって、寸法Dについても、1組全体の中間脊椎移植体1が必要であり、これは手術者が用意しなければならない。改めて、2mmの段部で十分であり、実用では、特に10、12、14及び16mmの寸法D2が対象とされる。
【0042】
中間脊椎移植体1の図面に図示していない実施例では、腹側端部は、閉じた保護キャップでなく、5mm以下の導通開口部を有する外側から見て凸状に形成されたリングによって形成される。腹側方向を指すこの保護リングの外面は、同様に研磨されるべきであろう。
【0043】
手術者は、それぞれ2つが必要とされる説明した中間脊椎移植体1により、次の方法で脊椎固定術を実行する。
【0044】
最初に、手術前に、CT又はX線撮影から、使用すべき中間脊椎移植体1の個々のデータD1とD2が算出される。角度βは、互いに結合すべき椎骨体の所望の脊椎前湾に応じて選択される。
【0045】
手術は、背側側面から顕微手術で実施される。椎骨の間隙への必要な入口は、小さな脊椎関節を部分除去して得られ、この場合、予め手術を受けていない患者では、靱帯フラバムを大部分傷めないことができる。靱帯フラバムは、外側から内側に幾分薄くするだけで済むので、この結果、内側層は維持されたままである。このようにして、傷跡の形成が回避される。
【0046】
次に、椎骨の間隙は、上板及び底板の軟骨部分から慎重に解放される。この場合、骨部分が「新鮮にされ」、すなわち、表面が薄く削り取られ、それらの支持力は損なわれない。次に、背側の椎骨縁部に本質的に取り付けられる延伸器具を用いて、椎骨体30、31の事前延伸が実施される。このように達成された事前延伸は、その後に延伸器具が再び取り除かれた場合、椎骨の間隙に導入され取り付けられた距離ブラケットが設けられた2つのスリーブによって、直立に維持される。
【0047】
次に、このスリーブを通して、椎骨の間隙の背側部分でねじが切り込まれる。今や、スリーブを通して、第1の中間脊椎移植体1が頭部2と共に事前に導入され、椎骨体30、31の予め切り込まれたねじを捻ることによってねじ留めされ、この結果、中間脊椎移植体は軸方向に腹側方向に移動する。中間脊椎移植体1には、海綿質が予め充填された。
【0048】
その後、中間脊椎移植体1は、中間脊椎移植体1の頭部2の雄ねじ14が、両方の椎骨体30、31の腹側周囲の緻密体に位置するまで捻られる。中間脊椎移植体1をさらに捻ると、雄ねじ14は、椎骨体30、31の腹側縁部の緻密体に切り込まれ、この場合、頭部2の円錐状領域13の円錐形状は、椎骨体30、31の腹側縁部の対応する延伸のために使用される。中間脊椎移植体1のねじ込み運動は、移行線20が両方の椎骨体30、31の頂点32、33の領域に位置するまで、X線監視の下に継続される。さらなる運動は行われてはならない。この時点まで、頭部2の保護キャップ15は、この領域に延びる大静脈及び大動脈を幾分腹側方向に押して離している可能性があるが、鋭い縁部がないので、これらの脈管を損なうことはない。
【0049】
その後、残る椎骨の間隙は海綿質で充填され、また上に既述した方法で、第1の中間脊椎移植体1の側に、第2の中間脊椎移植体1が挿入される(図3参照)。両方の中間脊椎移植体1、1’の間の間隔は、1cm以上であるべきであろう。第2の中間脊椎移植体1’にも、挿入の前にすでに海綿質が充填された。
【0050】
中間脊椎移植体1、1’の雄ねじ14のねじ込みの際、ねじ込みに必要なトルクが測定される。このトルクが規定値を下回ると、このことは、組から選択された中間脊椎移植体1の寸法D2が小さすぎる証拠であり、この場合、中間脊椎移植体1は、寸法D2が幾分大きな中間脊椎移植体と交換しなければならない。
【0051】
椎骨体の腹側の変位なしの十分な延伸では、さらなる措置は不必要であり、すなわち、この場合、もっぱら中間脊椎移植体1、1’が使用される「単独」技術で十分である。
他の場合には、追加的に内部の固定具による帯固定が行われる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】縮尺による中間脊椎移植体の側面図である。
【図2】図1の中間脊椎移植体の底面図である。
【図3】2つの椎骨体の間に互いに並んで移植された2つの中間脊椎移植体の概略平面図である。
【図4】断面で示した2つの椎骨体の間の中間脊椎移植体の幾分より大きな縮尺の側面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中間脊椎移植体であって、
a)円錐状部分(13)と雄ねじ(14)とを担持する頭部(2)と、
b)同様に雄ねじ(16)を担持する頭部(2)に成形された中央部分(5、6、7、8)と、
c)前記中央部分(5、6、7、8)に成形された下部構造(3)とを有し、
d)前記中央部分(5、6、7、8)が、前記頭部(2)から前記下部構造(3)に延びる複数のストラットによって形成され、この結果、前記頭部(2)と前記ストラット(5、6、7、8)と前記下部構造(3)との間に、大きな面積の窓部(9、10、11、12)が開放したままである中間脊椎移植体において、
e)前記頭部(2)の前記雄ねじ(14)が、前記円錐状部分(13)に形成され、
f)前記頭部(2)の外側端部領域が、外側から見て凸状に湾曲しかつ鋭い縁部がない保護隆起部(15)によって形成される、
ことを特徴とする中間脊椎移植体。
【請求項2】
前記頭部(2)の前記円錐状部分(13)が、少なくとも7mmの軸方向延長部(D4)を有することを特徴とする、請求項1に記載の中間脊椎移植体。
【請求項3】
前記頭部(2)の前記雄ねじ(14)が、少なくとも3つの完全なねじ山を備えることを特徴とする、請求項1又は2に記載の中間脊椎移植体。
【請求項4】
前記本体(2)の前記保護隆起部(15)が、少なくとも5mmの軸方向延長部(D3)を備えることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の中間脊椎移植体。
【請求項5】
前記保護隆起部(15)が、閉じたキャップの形状を有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の中間脊椎移植体。
【請求項6】
前記保護隆起部がリング状であり、かつ中央導通開口部を備えることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の中間脊椎移植体。
【請求項7】
前記下部構造(3)が、少なくとも5mmの軸方向延長部(D5)を備えることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の中間脊椎移植体。
【請求項8】
前記下部構造(3)がプレートであることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の中間脊椎移植体。
【請求項9】
前記下部構造(3)に、ねじ込み器具用の把持装置(18、19)が設けられることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の中間脊椎移植体。
【請求項10】
前記頭部(2)の前記円錐状部分(13)の円錐状外面と、想定される同軸の円筒外面とによって画定される角度(α)が、10°〜20°、好ましくは15°であることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の中間脊椎移植体。
【請求項11】
前記中央部分(5、6、7、8)及び前記下部構造(3)が、前記頭部(2)の前記円錐状部分(15)に対し逆方向に円錐状であることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の中間脊椎移植体。
【請求項12】
前記中央部分(5、6、7、8)及び前記下部構造(3)の前記円錐状外面と、想定される同軸の円筒外面とによって画定される角度(β)が約3°であることを特徴とする、請求項11に記載の中間脊椎移植体。
【請求項13】
前記中央部分(5、6、7、8)及び前記下部構造(3)の前記円錐状外面と、想定される同軸の円筒外面とによって画定される角度(β)が約6°であることを特徴とする、請求項11に記載の中間脊椎移植体。
【請求項14】
ステンレス鋼から構成されることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか1項に記載の中間脊椎移植体。
【請求項15】
炭素セラミック材料から構成されることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか1項に記載の中間脊椎移植体。
【請求項16】
アルミニウム合金から構成されることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか1項に記載の中間脊椎移植体。
【請求項17】
チタンから構成されることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか1項に記載の中間脊椎移植体。
【請求項18】
プラスチックから構成されることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか1項に記載の中間脊椎移植体。
【請求項19】
ポリイソシアネートから構成されることを特徴とする、請求項18に記載の中間脊椎移植体。
【請求項20】
生体吸収可能な材料から構成されることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか1項に記載の中間脊椎移植体。
【請求項21】
ポリアクタイドから構成されることを特徴とする、請求項20に記載の中間脊椎移植体。
【請求項22】
少なくとも1つの軸方向領域で、非回転対称の断面形状を備えることを特徴とする、請求項1〜21のいずれか1項に記載の中間脊椎移植体。
【請求項23】
前記下部構造(3)が、非回転対称の断面形状を備えることを特徴とする、請求項22に記載の中間脊椎移植体。
【請求項24】
前記保護隆起部(159が研磨されることを特徴とする、請求項1〜23のいずれか1項に記載の中間脊椎移植体。
【請求項25】
2つの隣接した椎骨体(30、31)の間の椎骨の間隙に、少なくとも1つの中間脊椎移植体(1)が挿入される脊柱の脊椎固定術のための外科手術法において、
次の方法の段階、すなわち、
a)前記椎骨の間隙への入口が、顕微手術により小さな脊椎関節を部分除去して背側側面から開かれる段階と、
b)前記椎骨の間隙の上板及び底板の軟骨が取り除かれる段階と、
c)前記椎骨の間隙の背側領域に、ねじが切り込まれる段階と、
e)延伸器具を用いて前記椎骨の間隙が事前延伸される段階と、
f)前記事前延伸がスペーサ要素を用いて直立に保持されて、前記延伸器具が取り除かれる段階と、
g)前記椎骨の間隙のねじに、第1の中間脊椎移植体(1)がねじ込まれる段階と、
h)前記第1の中間脊椎移植体(1)から間隔を置いて挿入される第2の中間脊椎移植体(1’)のために、a)及びb)の前記段階が繰り返される段階と、を含む方法。
【請求項26】
前記段階a)の後に、靱帯フラバムが外側から内側に薄くされることを特徴とする、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記段階b)の後に、露出された骨部分が新鮮にされることを特徴とする、請求項25又は26に記載の方法。
【請求項28】
前記中間脊椎移植体(1、1’)が、前記椎骨の間隙に導入する際に海綿質で充填されることを特徴とする請求項25〜27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
前記椎骨の間隙が、遅くとも第2の中間脊椎移植体(11)を導入する前に海綿質で充填されることを特徴とする、請求項25〜28のいずれか1項に記載の方法。
【請求項30】
請求項1〜23のいずれか1項に記載の中間脊椎移植体(1)が使用され、前記頭部(2)の保護隆起部(15)と前記円錐状領域(13)との間の移行線(20)が、前記椎骨体(30、31)の腹側周囲の側方収容部の頂点(32、33)の高さに位置するまで、特に腹側領域を延伸しつつ、前記中間脊椎移植体がねじ込まれることを特徴とする請求項25〜29のいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
前記中間脊椎移植体(1、1’)のねじ込みの際に、トルクが測定され、所定のトルクを下回った場合、より大きな最大直径(D2)を有する中間脊椎移植体(1、1’)が選択されることを特徴とする、請求項30に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−521893(P2007−521893A)
【公表日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−552466(P2006−552466)
【出願日】平成16年2月13日(2004.2.13)
【国際出願番号】PCT/EP2004/001359
【国際公開番号】WO2005/082292
【国際公開日】平成17年9月9日(2005.9.9)
【出願人】(506276398)
【Fターム(参考)】