説明

乗車案内システム、降車案内装置および案内端末装置

【課題】 非接触型ICを備えた案内端末装置と、非接触型ICと通信して運賃決済を行う運賃清算手段を備えた降車案内装置とを備え、降車停留所の登録、降車案内を可能にした乗車案内システムを提供する。
【解決手段】 案内端末装置20は、乗車する車両の路線コード、乗車停留所コード、降車停留所コードを含む乗車情報を運賃清算手段520に送信し、運賃清算手段520は、運行路線と各停留所コードを記憶した路線データ記憶手段と、降車停留所を登録する降車停留所登録手段と、乗車区間に応じた運賃を計算して非接触型IC214への課金を行う運賃計算手段と、警告手段と、を備え、案内端末装置20から受信した路線または降車停留所が路線データ記憶手段に記憶された路線と一致しないか、または降車停留所が前記路線上にない場合には警告手段により案内端末装置に警告するとともに、運賃計算手段による課金を停止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交通手段である車両に設けられ運賃清算手段を有する降車案内装置と通信する非接触型ICを備えた案内端末装置とを備えた乗車案内システム、降車案内装置、案内端末装置に関するものであり、特に、案内端末装置から乗車する路線バスや鉄道などの交通機関の路線、乗車停留所、降車停留所を運賃清算手段を有する降車案内装置に送信することにより、運賃清算を行うとともに車両の運転者に降車停留所などの案内を行うようにした乗車案内システム、降車案内装置、案内端末装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、地図データ、道路データを用いて、所望の出発地から目的地までの経路を探索して利用者を案内するナビゲーション装置、ナビゲーションシステムが知られており、このようなナビゲーション装置、ナビゲーションシステムとしては自動車に搭載して運転者に経路を案内するカーナビゲーション装置、携帯電話をナビゲーション端末として利用して経路探索サーバに経路探索要求を送り、その結果を受信して経路案内を受ける通信型のナビゲーションシステムなどが実用化されている。
【0003】
特に、通信型のナビゲーションシステムは、携帯電話などの携帯端末をナビゲーション端末として利用したシステムであって、歩行者用のナビゲーションシステムとしても用いられるものである。歩行者用のナビゲーションシステムとしては、交通機関を含めた経路案内機能を付加することが好ましく、徒歩経路の探索と案内に加えて、経路探索サーバに交通機関の路線や運行時刻データを蓄積し、所望の出発駅から所望の目的駅までの経路(乗車候補列車)を、徒歩経路の探索と案内に加えて案内する機能を有するナビゲーションシステムも存在する。また、徒歩経路の経路探索を伴わずに情報配信サーバから交通機関の路線や時刻表、乗車可能な列車などの情報の配信を受けて表示する交通案内システムも存在する。
【0004】
また、航空機、列車、電車、バスなどの交通手段を用いて出発地から目的地までの経路を探索して案内する経路探索システムも知られている。このような経路探索システムは一般的には、ユーザが指定する出発日時、出発地、目的地、到着時刻等の経路探索条件に基づいて、各交通機関の運行時刻データをデータベース化した運行時刻データベースを参照して、乗り継ぎを含めて出発地と目的地を結ぶ、利用可能な各交通手段を経路として順次たどり、経路探索条件に合致する案内経路(列車などの交通手段)の候補を1つまたは複数提示するように構成される。経路探索条件としては更に、所要時間、乗り継ぎ回数、運賃などの条件を指定できるようにされているのが一般的である。
【0005】
また、交通機関に関する検索、案内を行うシステムとして、携帯電話などの端末装置から交通機関の路線情報や時刻表情報を案内する情報配信サーバに接続して所望の出発駅、出発時刻、目的駅などを指定して乗車可能な路線や列車、電車などの交通手段の情報配信を受け、端末装置に表示することができる案内システムも提供されている。一般に端末装置からこのような利用を行う場合には、ダウンロードしたい情報の存在する場所を特定するためのURL(Universal Resource Identifier)やドメイン名などのアドレス情報を端末装置に入力して当該アドレスにより特定される情報配信サーバ(情報サイト)にアクセスして所望の情報をダウンロードする構成がとられている。
【0006】
例えば、下記の特許文献1(特開2000−57161号公報)には、時刻表情報提供システムが開示されている。この特許文献1に開示された時刻表情報提供システムは、ネットワークを通じて利用者端末へ時刻表情報を提供するシステムにおいて、時刻表データベースと、利用者が指定した路線情報を受け取り、当該路線に対応する時刻表データを時刻表データベースから取得して記憶手段に一時的に記憶する取得手段と、現在時刻を取得し、記憶手段に記憶された時刻表データに基づいて、現在時刻から所定時間後までの時刻表データを特定する時刻表データ特定手段と、前記特定された時刻表データを利用者端末上に表示する表示手段と、を備えて構成したものである。
【0007】
また、下記の特許文献2(特開2002−56498号公報)には、バス乗車方法及びシステムが開示されている。この特許文献2に開示されたバス乗車方法及びシステムは、ユーザがバスへの乗車を希望する所在地情報をサーバがユーザ端末から受信し、ユーザが乗車を希望するバスの現在走行位置情報をバスに予め設置されたバス設置端末から受信し、少なくとも所在地情報と現在走行位置情報とに基づいてサーバが、ユーザが指定するバス停留所までの所要時間の予測を算出し、サーバが所要時間の予測結果及びユーザが希望したバスの乗車状況をユーザ端末に送信し、且つ表示させるように構成したものである。
【0008】
一方、路線バスや電車などの交通手段に乗車したユーザに対して、ユーザが使用する携帯端末装置に乗車中の路線経路を表示するとともに、乗車中のバス車両や電車の現在位置を表示し、また、乗り越し防止のためにユーザが予定している降車停留所に接近した際に表示、音、光、振動などの方法により降車案内することのできる案内システムも知られている。このような案内システムの1つとして、例えば、下記の特許文献3(特開2003−179542号公報)に開示された降車駅案内システムがある。
【0009】
この特許文献3に開示された降車駅案内システムにおいては、携帯端末には降車駅を設定する手段と、狭域無線通信手段と、輸送手段が設定した降車駅に近接したことを通知する通知手段とを備え、輸送手段は、現在位置情報を取得する測位手段と、携帯端末の狭域無線通信手段と通信することのできる狭域無線通信手段とを備えて構成されている。そして輸送手段の測位手段は、GPS衛星からの位置情報電波を受信して輸送手段の現在位置情報を取得しても良く、輸送手段の運行路線近傍に配置した、位置情報の発信機能を有する手段からの信号を受信して現在位置情報を取得しても良い。
【0010】
すなわち、この降車駅案内システムではユーザが携帯する端末装置は、インターネットなどのネットワークを介してサーバから輸送手段の運行情報をダウンロードでき、電車などの輸送手段に設けられた測位手段で測位した現在位置情報をユーザが携帯する端末装置が無線通信により取得して、設定した降車駅への接近を検出して音、光、振動などの方法により降車案内するものである。
【0011】
また、下記の特許文献4(特開昭60−211600号公報)にはバスの降車停留所予約システムが開示されている。この予約システムは、バス車両に、降車を希望する停留所を指定するための降車停留所指定装置と、停留所毎に降車者の有無を記憶する記憶手段と、停留所の通過毎に停留所更新信号を発生し、更新信号毎に記憶手段を検索して次の停留所に降車者が有るか否かを識別する識別手段と、識別手段が次の停留所に降車者が有ることを識別した際に報知する報知手段と、を備えた装置を設置したものである。
【0012】
一方、端末装置から情報配信サーバへのアクセスを容易にする手法として二次元コードを用いた技術が知られている。例えば、雑誌や新聞、折り込み広告、掲示広告等に二次元コードを印刷しておき、この二次元コードに広告主の情報、例えば、広告主が開設しているホームページのURL(Uniform Resource Locator)、二次元コードの獲得位置、目的地位置、地図およびナビゲーションサーバのURLなどの情報の他、店名、店のプロフィール、電話番号、所在地、営業時間、休日などの様々な情報を記録しておき、携帯端末に内蔵されたカメラにより二次元コードを読取り、読取った情報を利用してホームページにアクセスすることによって広告主の店の地図を入手したりナビケーションを受けたりすることができる。
【0013】
このようなシステムについては、例えば、特許文献5(特開2002−48586号公報)に開示されている。すなわち、特許文献5に開示されたナビゲーション方法は、ワンタッチで瞬時に読取られた光学的データに基づいて、現在地の入力なしに目的地までのナビゲーション情報を提供するものである。この方法は、サービス利用者が広告媒体に表示された光学的データ(二次元コード)を携帯情報機器に搭載した読取り装置を用いて読取る第1の段階と、携帯情報機器を用いて光学的データを解読してコード獲得位置及び目的地位置の情報を少なくとも含む文字データに変換する第2の段階と、携帯情報機器を用いて文字データをナビゲーション用サーバへ通信ネットワークを介して転送する第3の段階と、ナビゲーション用サーバがコード獲得位置から目的地位置までの誘導経路を携帯情報機器へ通信ネットワークを介して送信する第4の段階とからなるものである。
【0014】
また、特定の場所に設置された掲示板や電柱に記号パターン(二次元コード)を設置(貼り付け等の方法により)して、これを携帯端末に搭載したカメラ等の読取り手段により読取って、二次元コードに記録された情報に基づいて地図情報を取得するシステムも提案されている。例えば、下記の特許文献6(特開2003−319033号公報)に開示されたシステムは、掲示板に表された記号パターンを携帯電話機に具備されたデジタルカメラにより撮影する。撮影した静止画像は、映像処理サーバに送信され、静止画像から記号パターンが認識され、対応するデータに変換される。更に、変換後のデータに基づいて、映像処理サーバが情報サーバに保持される情報を携帯電話機に転送する。これにより、携帯電話機においては、掲示板の記号パターンをその画面上に映し出し、それをクリックするだけで、掲示板に表示された情報の更に詳しい情報へとリンクすることができる。
【0015】
すなわち、この特許文献6に開示されたシステムは、記号パターンに地図情報を提供するサーバのURLを記録しておき、これを携帯電話のカメラで読取って当該URLにリンクすることで簡単に地図提供サーバから情報をダウンロードできるようにしたものである。記号パターンを設置した掲示板や電柱のそれぞれに位置情報を割り当てておくことにより、携帯電話が記号パターンを読取った位置を地図情報配信サーバが知ることができ、携帯電話が記号パターンを読取った位置(場所)を含む地図情報を携帯電話に配信できるようにしたものである。
【0016】
二次元コードには、各種の方式があるが、これらについては、下記の特許文献7(特開2000−222517号公報)、特許文献8(特開2000−337853号公報)、特許文献9(特開平9−50481公報)等に開示されている。
【0017】
【特許文献1】特開2000−57161号公報(図4)
【特許文献2】特開2002−56498号公報(図1、図2、段落[0045])
【特許文献3】特開2003−179542号公報(図1、段落[0031]〜[0035])
【特許文献4】特開昭60−211600号公報(図2)
【特許文献5】特開2002−48586号公報(図1)
【特許文献6】特開2003−319033号公報(図1)
【特許文献7】特開2000−222517号公報(図12)
【特許文献8】特開2000−337853号公報(図8)
【特許文献9】特開平9−50481号公報(図7)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
一般的に交通機関を利用する際、利用者は殆どの場合乗車する前にどの停留所まで乗車するかを決めている、すなわち、降車停留所を決めているのが普通である。降車停留所が終点より手前である場合には、乗客は次の停留所のアナウンスや表示を聞きのがしたり、見落としたりすることがないように注意を払わなければならず、緊張を強いられた状態になる。利用する交通機関が路線バスである場合には、降車する乗客がいない停留所ではバス車両は停車せずに通過するのが一般的であり、乗客には更なる緊張が強いられる。また、車内が混雑している場合には降車合図のブザーが近くになくて焦ることもしばしば経験する。また、車内の停車表示やアナウンスも混雑で確認しづらくなり、特に、視聴覚に障害を持つ乗客にとっては大きな問題であった。
【0019】
このような不便さを解消するためには、乗客に対して適切に降車案内できる降車案内手段を有する乗車案内システムを提供することが好ましい。しかしながら、上記特許文献3の降車案内システムにおいては、運行車両から案内端末装置が車両の現在位置の情報を得て、設定した降車停留所への接近を検出して案内するものであり、各車両には現在位置測位手段を備えるかもしくは路線近傍に設けられた位置送信手段から現在位置情報を得て、案内端末装置に送信する手段が必要になる。
【0020】
すなわち、上記特許文献3に開示された降車案内システムにおいては、全ての車両に案内端末装置に対して現在位置情報を通知する手段が必要になり、車両コストが増大しこのコスト増が運賃に反映された場合には運賃の上昇につながるという問題点があった。また、交通機関は路線バス、鉄道など多岐にわたり、その経営も個々の輸送業者がそれぞれ独自に行うものであるから、上記特許文献3に開示された降車案内システムを全ての交通機関において統一的に適用できないという問題点があった。
【0021】
また、上記特許文献4に開示された降車予約システムにおいては、バス車両に降車案内のための特別の装置を設置する必要があり、また、乗車時に乗客が降車停留所を指定する必要があるため、運行遅延の原因になるという問題点があった。また、上記特許文献3や特許文献4に開示されたシステムには、視聴覚に障害を有する乗客や、車椅子や杖の必要な乗客に対する配慮がなされていないという問題点があった。
【0022】
本願の発明者は前記の問題点を解消すべく種々検討を重ねた結果、非接触型ICを備えた携帯電話などの携帯端末装置を用いて駅改札や車両に運賃決済を行う装置を有し、運賃決済をするシステムに着目し、運賃清算手段を有する降車案内装置に降車停留所の登録、案内機能を持たせるようになせば、上記の問題点を解消し得ることを想到して本発明を完成するに至ったものである。
【0023】
すなわち、本発明は前記の問題点を解消することを課題とし、非接触型ICを備えた案内端末装置と、非接触型ICと通信して運賃決済を行う運賃清算手段を備えた降車案内装置とを備え、降車停留所の登録、降車案内を可能にした乗車案内システム、降車案内装置、案内端末装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0024】
前記課題を解決するために、本願の請求項1にかかる発明は、
少なくとも路線コードと乗車停留所コードと降車停留所コードを含む乗車情報を入力する入力手段と非接触型ICを備えた案内端末装置と運賃清算手段とを備えた乗車案内システムであって、
前記案内端末装置は、乗車する車両の路線コード、乗車停留所コード、降車停留所コードを含む乗車情報を運賃清算手段に送信し、
前記運賃清算手段は、運行路線と各停留所コードを記憶した路線データ記憶手段と、案内端末装置から送信された降車停留所コードに基づいて降車停留所を登録する降車停留所登録手段と、乗車区間に応じた運賃を計算して非接触型ICへの課金を行う運賃計算手段と、警告手段と、を備え
案内端末装置から受信した路線または降車停留所が路線データ記憶手段に記憶された路線と一致しないか、または降車停留所が前記路線上にない場合には警告手段により案内端末装置に警告するとともに、前記運賃計算手段による課金を停止することを特徴とする。
【0025】
また、本願の請求項2にかかる発明は、請求項1にかかる発明において、運賃清算手段は、更に、降車案内手段を備え、該降車案内手段は、前記降車停留所登録手段に登録された停留所毎に当該停留所の手前で、車両の運転者に対して停車指示を案内することを特徴とする。
【0026】
また、本願の請求項3にかかる発明は、請求項2にかかる発明において、運賃清算手段は、更に降車者のデータを記憶する降車者データ記憶手段を備え、前記非接触型ICには案内端末装置を所有する乗客の属性情報を記録し、運賃清算手段は降車停留所を前記降車停留所登録手段に登録するとともに、前記属性情報を降車者データ記憶手段に記憶し、前記降車案内手段が車両の運転者に降車案内する際に降車者の属性情報を案内することを特徴とする。
【0027】
また、本願の請求項4にかかる発明は、請求項1にかかる発明において、運賃清算手段は、降車停留所登録手段に正常に降車停留所の登録が行われた際に、降車停留所が登録されたことを前記案内端末装置に通知し、案内端末装置は、降車停留所登録済みの表示を行うことを特徴とする。
【0028】
本願の請求項5にかかる発明は、
車両に設置された運賃清算手段であって、少なくとも路線コードと乗車停留所コードと降車停留所コードとを含む乗車情報を入力する入力手段と非接触型ICを備えた案内端末装置と通信する運賃清算手段を含む降車案内装置において、
記運賃清算手段は、運行路線と各停留所コードを記憶した路線データ記憶手段と、案内端末装置から送信された降車停留所コードに基づいて降車停留所を登録する降車停留所登録手段と、乗車区間に応じた運賃を計算して非接触型ICへの課金を行う運賃計算手段と、警告手段と、を備え
前記案内端末装置から受信した乗車する車両の路線コード、乗車停留所コード、降車停留所コードを含む乗車情報に基づいて、受信した路線または降車停留所が路線データ記憶手段に記憶された路線と一致しないか、または降車停留所が前記路線上にない場合には警告手段により案内端末装置に警告するとともに、前記運賃計算手段による課金を停止することを特徴とする。
【0029】
また、本願の請求項6にかかる発明は、請求項5にかかる発明において、運賃清算手段は、更に降車案内手段を備え、該降車案内手段は、前記降車停留所登録手段に登録された停留所毎に当該停留所の手前で、車両の運転者に対して停車指示を案内することを特徴とする。
【0030】
また、本願の請求項7にかかる発明は、請求項6にかかる発明において、運賃清算手段は、更に降車者のデータを記憶する降車者データ記憶手段を備え、前記非接触型ICには案内端末装置を所有する乗客の属性情報を記録し、運賃清算手段は降車停留所を前記降車停留所登録手段に登録するとともに、前記属性情報を降車者データ記憶手段に記憶し、前記降車案内手段が車両の運転者に降車案内する際に降車者の属性情報を案内することを特徴とする。
【0031】
また、本願の請求項8にかかる発明は、請求項5にかかる発明において、運賃清算手段は、降車停留所登録手段に正常に降車停留所の登録が行われた際に、降車停留所が登録されたことを前記案内端末装置に通知することを特徴とする。
【0032】
本願の請求項9にかかる発明は、
運行路線と各停留所コードを記憶した路線データ記憶手段と、案内端末装置から送信された降車停留所コードに基づいて降車停留所を登録する降車停留所登録手段と、乗車区間に応じた運賃を計算して非接触型ICへの課金を行う運賃計算手段と、警告手段と、を備えた降車案内装置と通信する案内端末装置であって、
前記案内端末装置は、少なくとも路線コードと乗車停留所コードと降車停留所コードを含む乗車情報を入力する入力手段と非接触型ICを備え、非接触型ICに記録された情報を前記降車案内装置に送信するとともに、前記入力手段により入力した乗車情報を前記降車案内装置に送信することを特徴とする。
【0033】
また、本願の請求項10にかかる発明は、請求項9にかかる発明において、降車停留所登録手段に正常に降車停留所の登録が行われた際に、降車停留所が登録されたことを前記降車案内装置から受信し、降車停留所登録済みである旨表示することを特徴とする。
【0034】
また、本願の請求項11にかかる発明は、請求項9にかかる発明において、
入力手段は、二次元コード読み取り手段から構成され、
該二次元コード読み取り手段は、路線上の各停留所名を路線に沿って順次表記した路線図において路線図に表記された各停留所名に隣接して設置される二次元コードであって、各二次元コードには、情報配信サーバのドメイン名、路線コード、路線図が掲示される停留所を乗車停留所とする乗車停留所コード、該二次元コードが隣接して設置される停留所名に対応した停留所を降車停留所とする降車停留所コードを含むリンク情報が記録されて前記路線図に設置された二次元コードから前記乗車情報を読み取ることを特徴とする。
【発明の効果】
【0035】
請求項1にかかる発明においては、案内端末装置は、乗車する車両の路線コード、乗車停留所コード、降車停留所コードを含む乗車情報を運賃清算手段に送信し、運賃清算手段は、案内端末装置から受信した路線または降車停留所が路線データ記憶手段に記憶された路線と一致しないか、または降車停留所が前記路線上にない場合には警告手段により案内端末装置に警告するとともに、前記運賃計算手段による課金を停止する。
従って、乗客が誤った路線の車両に乗車しようとした場合には、警告がなされるから乗客は誤った車両に乗車することなく、正しい路線の車両に乗車することができるようになる。また、この場合に課金がなされることはない。
【0036】
請求項2にかかる発明においては、請求項1にかかる乗車案内システムにおいて、運賃清算手段は、更に、降車案内手段を備え、該降車案内手段は、前記降車停留所登録手段に登録された停留所毎に当該停留所の手前で、車両の運転者に対して停車指示を案内する。
従って、車両の運転者は停留所毎に降車者の有無を容易に知ることができ、乗客は自身の降車停留所が登録されるため、停留所に注意を集中することなく、降車合図のボタンを操作する必要もなくなる。
【0037】
請求項3にかかる発明においては、請求項2にかかる乗車案内システムにおいて、
運賃清算手段は、更に降車者のデータを記憶する降車者データ記憶手段を備え、前記非接触型ICには案内端末装置を所有する乗客の属性情報を記録し、運賃清算手段は降車停留所を前記降車停留所登録手段に登録するとともに、前記属性情報を降車者データ記憶手段に記憶し、前記降車案内手段が車両の運転者に降車案内する際に降車者の属性情報を案内する。
従って、車両の運転者は、案内された降車停留所で降車する乗客の属性を知ることができ、例えば、視聴覚障害を有する乗客である場合には、降車停留所への停車速度をゆるめたり、降車時間を長目に調整したりすることができるようになる。
【0038】
請求項4にかかる発明においては、請求項1にかかる乗車案内システムにおいて、運賃清算手段は、降車停留所登録手段に正常に降車停留所の登録が行われた際に、降車停留所が登録されたことを前記案内端末装置に通知し、案内端末装置は、降車停留所登録済みの表示を行う。
従って、案内端末装置を操作した乗客は、運賃清算手段に自身の降車停留所が登録されたことを知ることができるようになり、乗車中の車両内において、降車停留所に注意を集中する必要がなく、降車合図のボタン操作をする必要もなくなる。
【0039】
また、請求項5ないし請求項8にかかる発明においては、それぞれ、請求項1ないし請求項4にかかる乗車案内システムを構成する運賃清算手段を備えた降車案内装置を提供することができるようになる。更に、本願の請求項9、請求項10にかかる発明においては、それぞれ請求項1、請求項4にかかる乗車案内システムを構成する案内端末装置を提供することができるようになる。
【0040】
本願の請求項11にかかる発明においては、案内端末装置の入力手段は、二次元コード読み取り手段から構成され、該二次元コード読み取り手段は、路線上の各停留所名を路線に沿って順次表記した路線図において路線図に表記された各停留所名に隣接して設置される二次元コードであって、各二次元コードには、情報配信サーバのドメイン名、路線コード、路線図が掲示される停留所を乗車停留所とする乗車停留所コード、該二次元コードが隣接して設置される停留所名に対応した停留所を降車停留所とする降車停留所コードを含むリンク情報が記録されて前記路線図に設置された二次元コードから乗車情報を読み取る。
従って、案内端末装置を所有する乗客は、停留所に掲示された路線図に設けられた二次元コードから路線コード、乗車停留所コード、降車停留所コード等の乗車情報を容易に案内端末装置に入力することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
以下、本発明の具体例を実施例及び図面を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の実施例にかかる乗車案内システムの構成を示すブロック図である。図2は本発明の実施例において使用される二次元コードの一例を示す概念図である。図3は本発明の実施例において駅、停留所に掲示される路線図の概念を示す模式図である。図4は降車停留所の二次元コードに記録されたリンク情報を用いてダウンロードした情報を表示した場合を示す表示画面の図である。図5は乗車停留所の二次元コードに記録されたリンク情報を用いてダウンロードしたメニュー画面を表示した場合を示す表示画面の図である。図6は図5のメニュー画面で時刻表を選択した場合に情報配信サーバから配信される時刻表を表示した場合を示す表示画面の図である。
【0042】
図7は、図5のメニュー画面で時刻表を選択した場合に情報配信サーバから配信される時刻表を表示した場合を示す他の表示画面の図である。図8は、図5のメニュー画面で近くの駅を選択した場合に情報配信サーバから配信される駅リストを表示した場合を示す表示画面の図である。図9は、図5のメニュー画面でタクシーを選択した場合に情報配信サーバから配信されるタクシー会社リストを表示した場合の表示画面の図である。図10は、図4のメニュー画面で乗車ボタンが操作された場合に乗車したバスの現在位置を路線図上に表示した場合の表示画面である。図11は、図10の表示画面に降車案内を加えて表示する降車案内表示の画面を示す図である。図12は、バス車両側で降車停留所登録して表示する際の表示画面を示す図である。図13は、降車案内装置における運賃清算手段の構成を示すブロック図である。
【実施例1】
【0043】
なお、以下の実施例においては交通手段として路線バスを一例として説明するが、本発明は路線バスに限られるものではなく、鉄道などの交通機関においても適用可能である。また、本実施例においては、歩行者用のナビゲーション機能を有するシステムを例として説明するが、交通機関に関する各種検索、案内の機能のみを有するシステムであってもよく、また、端末装置は携帯電話を使用した場合を説明するが、PDAなど他の携帯型端末装置であってもよい。
【0044】
本発明の実施例にかかる乗車案内システム10は、インターネットなどのネットワーク11、12を介して通信する案内端末装置20と情報配信サーバ30と各種の交通機関が構築しているロケーションシステムの運行管理サーバ40とバス車両50とを備えて構成されている。本実施例において、降車案内、運賃清算の態様について説明する前に、理解を容易にするため、案内端末装置20に路線、乗車停留所、降車停留所などの情報を入力し、乗車案内および降車案内する態様について説明する。
【0045】
案内端末装置20は、制御手段211、通信手段212、ダウンロードしたデータなど記憶するデータ記憶手段213、非接触型IC214、液晶表示パネルなどからなる表示手段215、操作・入力手段216、GPS受信機を備え現在位置を測位する測位手段217、二次元コード読み取り手段218、データ要求手段219、降車案内手段220、メニュー画像記憶手段221を備えている。制御手段211は、図示してはいないがRAM、ROMを有するマイクロプロセッサ(CPU)を備えて構成され、ROMに格納された制御プログラムにより各部の動作を制御する。
【0046】
操作・入力手段216は、数字キーやアルファベットキー、その他の機能キー、選択キー、スクロールキーなどからなる入力手段であり、出力手段である表示手段215に表示されるメニュー画面から所望のメニューを選択し、あるいは、キーを操作して種々の入力操作を行うものである。通信手段212は、ネットワーク11を介して情報配信サーバ30と通信し、あるいは、バス車両50と通信するためのインターフェースである。メニュー画像記憶手段221は表示部に表示するメニュー画面を記憶するものであり、操作・入力手段216の操作に応じて、各種各階層のメニュー画面を表示手段215に表示する。
【0047】
二次元コード読み取り手段218は後述するようにバスの各停留所に掲示された路線図に設置された二次元コードから当該二次元コードに記録された情報を読み取るものであり、読み取った情報に基づいてデータ要求手段219は情報配信サーバ30にデータの配信、ダウンロードを要求する。情報配信サーバ30から配信、ダウンロードされたデータはデータ記憶手段213に記憶され、必要に応じて表示手段215に表示される。また、降車案内手段は後述するように、バスに乗車した場合に降車停留所を案内するものであり、非接触型ICはバス車両に設置された機器と通信して運賃清算するためのものである。
【0048】
一方、情報配信サーバ30は、制御手段311、通信手段312、経路案内手段313、ページ情報データベース314、経路探索手段315、路線/運行時刻データ316を蓄積したデータベース、停留所周辺の関連情報を蓄積した関連情報データベース317、徒歩および自動車用の経路探索のための道路ネットワークデータ318を蓄積したデータベース、交通機関を用いた経路探索のための交通機関ネットワークデータ319を蓄積したデータベースを備えて構成されている。
【0049】
制御手段311は、図示してはいないがRAM、ROM、プロセッサを有するマイクロプロセッサであり、ROMに格納された制御プログラムにより各部の動作を制御する。通信手段312は、ネットワーク11、12を介して案内端末装置20や運行管理サーバ40と通信するためのインターフェースである。経路案内手段313は、経路探索手段315が探索した案内経路を案内端末装置20に配信するためのデータに編集するためのものである。経路探索手段315はマルチモーダルな経路探索エンジンであって徒歩と交通機関を併用した経路探索機能を有するものである。このような経路探索エンジンは例えば特開2000−258184号公報などに開示されている。経路の探索方法としては周知のダイクストラ法と呼ばれる手法が適用され、経路探索条件は案内端末装置20から送信される。
【0050】
ページ情報データベース314は、情報配信サーバ30のポータルサイトとしてのページ情報(一般にはホームページなどと呼ばれる)のデータが記憶され、案内端末装置20からページの要求があった場合には該当するページのデータをダウンロードさせ、あるいは、案内端末装置20から配信要求があったデータを作成(編集)して配信するものである。
【0051】
運行管理サーバ40は各種の交通機関が構築しているロケーションシステムにおいて、当該交通機関が運行しているバス車両などの運行を管理するサーバであり、運行時刻表や路線ネットワークのデータを蓄積した図示しないデータベースを備え、運行されているバス車両の現在位置(バスロケーション)をリアルタイムに収集したバスロケーションデータベース410を備えている。
【0052】
バス車両50は通信手段510と運賃清算手段520とを備えている。通信手段510は、案内端末装置20と無線通信するためのインターフェースであり案内端末装置20の非接触型ICと通信して非接触型ICに記録されたデータを受信し、また運賃清算手段520からのデータを書き込むことができる。なお、通信手段510は非接触型ICとの間の通信を直接行わず、案内端末装置20側で非接触型ICからの読み出しデータあるいは非接触型ICに書き込む書き込みデータを、案内端末装置20の通信手段212を介して通信する構成とすることもできる。
【0053】
図1に示す乗車案内システムにおいては、図2に示す二次元コードQRを交通機関の駅や停留所に掲示される路線図に用いる。図2に示す二次元コードQRは、上記特許文献8に開示されたQRコードを用いることができ、このQRコードは、記録すべき情報を文字列として作成してコード化し記録したものであり、このQRコードを任意の場所に印刷したり貼り付けたりすることができ、停留所に掲示される路線図に印刷、貼り付けなどの方法により後述するように設置する。
【0054】
路線バスの停留所に掲示される路線図は図3に示すように、路線図が掲示される停留所毎に掲示され、路線名(運行系統)301と、その路線上の各停留所名302が一覧表記されたものであり、各停留所名に隣接して二次元コードQRを設けておく。従来、停留所に掲示される路線図は、図14に示すように単に該当路線上の駅名が順に表記され、路線図が掲示された停留所が乗車停留所(着目停留所)であり乗車停留所名に他の停留所と異なる表記を付し識別できるように作成されているだけである。運行されるバス車両の運行方向は図中矢印Aで記されている。
【0055】
図14に示す路線図において、停留所名302の神田駅前Bは乗車停留所(この路線図が掲示される停留所)であり黒丸印を付して他の停留所と識別できるようにしている。従って、路線図は掲示される停留所毎に異なる表記内容になる。路線図によっては、乗車停留所から各停留所までの所要見込み時間や運賃が表記されるものもある。
【0056】
また、図14のような従来の路線図には、一部、リンク先のURLを表示したり、バス会社のサイトにリンクする二次元コード(QRコードなど)を表示している例もあるが、これは固定的なリンクであって、単にバス会社や自治体の交通局のポータルサイトにリンクしているに過ぎない。そのページから、路線やバスの停留所を選択するという手順を経て当該路線を運行するバスの時刻表や運行状況にアクセスするというものであった。
【0057】
図3の路線図は本発明にかかる路線図であり、神田駅前停留所に掲示される路線図を示している。この路線図では乗車停留所302は停留所名を四角で囲って表記されている。路線系統301は「秋26」と表記され、隣接して路線コードを記録した二次元コードQRが表記されている。また、神田駅前から先の各停留所が一覧表記され、各停留所302に隣接してそれぞれの停留所に関するデータを記録した二次元コードQRが設けられている。
【0058】
各停留所に隣接して設けられた二次元コードQRには、少なくとも情報配信を受けるための情報配信サーバ30のドメイン名(URL)、路線コード、乗車停留所コード(路線図が掲示される停留所)、降車停留所コード(乗車停留所以降の各停留所のそれぞれのコード)から構成されるリンク情報が記録されている。従って、路線図に掲示された乗車停留所以外の各停留所に対応して設けられた二次元コードQRのリンク情報は、それぞれ異なった降車停留所コードを含んで構成されておりリンク情報中のその他の記録内容は同一である。
【0059】
神田駅前Bの停留所からバスに乗車するユーザは乗車停留所である神田駅前停留所に掲示されている路線図から、行き先(降車停留所)を選びその停留所名に隣接して設けられている二次元コードQRからリンク情報を読み取る。二次元コードQRに記録されたリンク情報の読み取りは、例えば、携帯電話を案内端末装置20とする場合、携帯電話に設けられたデジタルカメラからなる二次元コード読み取り手段218で二次元コードQRを撮影し、この画像を処理して記録情報を読み取ることができる。例えば、図3において路線終点の葛西駅前Nに行きたい時は、葛西駅前Nの停留所名の横に隣接して設けられた二次元コードQRを読み取る。この二次元コードQRから得られるリンク情報は、リンク先の情報配信サーバのドメイン名(URL)、乗車停留所コード(神田駅前停B留所のコード)、降車停留所コード(葛西駅前N停留所のコード)から構成されたものである。なお二次元コードQRを設ける際には、間違えて隣の二次元コードをサンプリングしてしまわないように、二次元コードQR間の距離や配置を、例えば、千鳥配列にするなどの配慮をするとよい。
【0060】
路線図の葛西駅前Nの停留所に設けられた二次元コードQRに記録されたリンク情報は、例えば、「http://bus.go.jp/aki26−03−37」である。「http://bus.go.jp/」はリンク先情報配信サーバのドメイン名(URL)、「aki26」は路線コード、路線コードにハイフンで続く「03」は秋26路線の乗車停留所コード(この例ではこの二次元コードQRが掲示された神田駅前Bのコード)、更にハイフンで続く「37」は、降車停留所コード(行き先の葛西駅前Nのコード)である。
【0061】
この二次元コードQRからリンク情報を読み取った案内端末装置20はこのリンク情報を用いてデータ要求手段219を介して該当する情報配信サーバ30にリンクすると、ページ情報データベース314の「http://bus.go.jp/aki26−03−37」に該当するページ情報にリンクし当該ページの情報がダウンロードされる。案内端末装置20はダウンロードしたページ情報をデータ記憶手段213に一時記憶し、表示手段215に表示する。
【0062】
図4はこのようにして案内端末装置20に表示された表示画面の例を示す図である。情報配信サーバ30には、別途バスロケーションシステムの運行管理サーバ40から、予想待ち時間3分、また葛西駅Nの停留所までの予想所要時間が54分であるなどの運行情報を取得しているので、ページ情報をダウンロード(配信)する際、情報配信サーバ30はこれらのデータをページ情報に埋め込んで案内端末装置20にダウンロードさせる。案内端末装置20はダウンロードしたページ情報を表示手段215に表示する。これにより、ユーザは路線「秋26」の神田駅前Bから葛西駅N行きのバスの待ち時間や所要時間などの運行状況を表示することが出来る。
【0063】
図3において、1つの二次元コードQRに記録されたリンク情報に降車停留所も同時に記録している点が重要な点である。この二次元コードQRを読み取ることによって降車停留所がわかっているので、もし、このリンク情報により案内端末装置20にダウンロードして案内するバス車両より前に、途中の停留所まで運行するバス車両があったとしても、そのバスについては表示しない。なぜなら、路線バスの特性として、一部に割引制度はあるが、一般的にはバス車両に乗車するごとに運賃を精算するので、通常は複数回バス車両を乗り継ぐケースは、路線の乗り換え以外の場合には好ましくないからである。
【0064】
なお、案内端末装置20において、表示手段215に表示された図4に示す表示画面の更新ボタン401、乗車ボタン402、メニューボタン403をクリック操作することにより後述する様々な動作態様に移行することができる。更新ボタン401を操作すると、最新の情報にアクセスしてダウンロードすることができ、乗車ボタン402を操作すると後述の降車案内などの機能に移行することができ、メニューボタン403を操作すると、案内端末装置20の基本メニュー画面(基本メニュー画面は図示されていない)に移行することができる。
【0065】
図3において、乗車停留所である神田駅前Bの停留所名の横に設置された二次元コードQRには他の停留所名の横に設置された二次元コードQRとは別の意味を持つリンク情報が記録されている。すなわち、この二次元コードには「http://bus.go.jp/aki26−03−03−37」がリンク情報として記録されている。
【0066】
このように同じ停留所コード「03」が2回連続して記録してある場合は、当該二次元コードから読み取った情報によって、乗車停留所に対応付けて設置された二次元コードQRであることがわかる。案内端末装置20がこの二次元コードQRに記録されたURLにリンクして情報配信サーバ30に配信要求を要求した場合はその停留所周辺に関連する情報を表示するように構成されている。なお、同じ停留所コードを反対方向の停留所(上りに対して下り)でも使う場合があるので、乗車停留所コードのあとに終点である葛西駅前Nの停留所コード(37:葛西駅前行き)を付加して矢印Aの進行方向であることを付け加えて区別している。
【0067】
この二次元コードQRを案内端末装置20である携帯電話で読み取り、二次元コードQRに記録されたリンク情報に基づいて情報配信サーバ30にリンクすると、図5に示す情報配信サーバ30のページにリンクする。このページはこの乗車停留所に関する案内のメニューページであり、「時刻表」、乗車停留所の近くに位置する他の交通機関の「近くの駅」、「タクシー」、「コンビニ」、「その他スポット」などのメニュー画面であり、所望の項目をクリックするとその項目のページに遷移する。
【0068】
例えば、「時刻表」を選択すると、図6に示すように乗車停留所である神田駅前Bの停留所の路線「秋26」の時刻表601(駅貼り時刻表)のページがダウンロードされて表示手段215に表示される。ページ情報をダウンロード(配信)する際、情報配信サーバ30は、乗車停留所コードと降車停留所コードとから方向(上り、下り)がわかり、路線コードがわかるから、路線/運行時刻データ316を蓄積したデータベースから該当する時刻表のデータを取得してページ情報に埋め込みダウンロードさせる。すなわち、上記の二次元コードQRの例では、路線「秋26」の神田駅前Bから葛西駅N行きのバス時刻の情報を表示することが出来る。
【0069】
この時、図7に示すように、現在時刻と連動して例えば現在時刻が15時台であれば、15時台まで自動的にスクロールした時刻表701を表示するようにしてもよい。また、情報配信サーバはバスロケーションシステムの運行管理サーバから運行情報を受け取っているので、既に発車済みのバスの時刻702に対しては、表示を行わないとか、数字のようにグレーアウトするような表示にしてもよい。
【0070】
また、案内端末装置20が携帯電話である場合、図4においては図示していない基本メニューの中には、「お気に入りに登録」、「データフォルダに保存」、「画面メモへ保存」などの選択肢があるので、図6や図7の時刻表601や時刻表701を再度読み出せるように保存すれば便利である。特によく利用する停留所の乗車停留所に設置された二次元コードQRからリンクして得た情報を保存しておくと便利である。
【0071】
また、乗車停留所でバスを待っていても、交通渋滞などにより運行予定どおりにバスが到着しないことはよく経験することである。このような場合は最寄りの代替交通機関の駅まで移動するしかない。図5に示すメニュー画面において「近くの駅」を選択すると、案内端末装置20に情報配信サーバ30から乗車停留所の付近に位置する交通機関の駅のリストがダウンロードされ、表示手段215に、図8に示すような駅リスト801の画面が表示される。情報配信サーバ30は各停留所の位置情報を保有しているので、乗車停留所から直線距離で近い順に付近に位置する交通機関の複数駅をリスト表示させることができる。案内端末装置20がナビゲーション機能を持っていれば、表示された近くの駅のリストから所望の駅を選択して乗車停留所からその駅までの経路探索を経路探索サーバに要求してナビゲーションを受けることもできる。
【0072】
上記のように乗車停留所でバスを待っていてもなかなかバスが到着しない場合、近くに適当な代替交通機関の駅がない場合にはタクシーを利用する場合もある。図5のメニュー画面で「タクシー」が選択されると、案内端末装置20に情報配信サーバ30から乗車停留所で利用し易いタクシー会社と配車センターの電話番号のリストがダウンロードされ表示手段215に、図9に示すようなタクシー会社リスト901のリスト画面が表示される。案内端末装置20が携帯電話である場合、表示手段215に表示されたリストから所望のタクシー会社の配車センターの電話番号にポインターを合わせ、この画面で表示される発信ボタン902を操作すると、タクシー会社の配車受付電話がつながる。なお、このページにタクシー会社の電話番号リンクを掲載することは一種の広告であるから、タクシー会社から二次元コードQRを掲示したバス会社に広告料が入るように運営しても良い。
【0073】
上記の駅のデータやタクシー会社のデータなど、停留所周辺の関連情報は、停留所毎に収集され、情報配信サーバ30の関連情報データベース317に蓄積されている。
【0074】
以上説明した乗車案内システムにおいて、案内端末装置20は、案内端末装置20を乗車モードに設定する切り替え手段を備えている。案内端末装置20が乗車モードに設定された場合、乗車案内システム10においては、以下のように降車案内を行う。
【0075】
すなわち、乗車停留所で待っていたバスが到着し、そのバスに乗車する際に案内端末装置20において、図4のメニュー画面の乗車ボタン402が操作されると案内端末装置20は「乗車モード」に切り替わり、降車案内をすることができる。なぜなら、乗車停留所の路線図から、目的の降車停留所名の横に設置された二次元コードQRを読み取って得たリンク情報には路線コードと乗車停留所と降車停留所のコードがそれぞれ含まれているからである。乗車ボタン402が操作されて情報配信サーバ30にこれらの情報が送信されると情報配信サーバ30は、バスの路線、方向、降車停留所を知ることができ、また、情報配信サーバ30は乗車ボタン402が操作された時に乗車停留所に最も近いバスを運行管理サーバ40から検索して乗車バスとして認識することができる。
【0076】
これによって、案内端末装置20は乗車モード(路線表示)に切り替わり表示手段215に表示される現在位置をバスのアイコンなどで表示する。現在位置情報の求め方には以下の2とおりの方法をとることがきできる。第1の方法は、情報配信サーバ30が乗車したバスの位置情報を定期的にロケーションシステムの運行管理サーバ40から取得する方法である。これにより案内端末装置20の表示手段215に表示する乗車路線図上に乗車バスの現在位置を表示することができる。
【0077】
第2の方法は、案内端末装置20がGPS受信機を備えた測位手段217を有している場合に適用することができ、測位手段217で取得した位置情報を路線にマップマッチングする方法である。すなわち、前述したように、乗車した路線は情報配信サーバ30に認識されており、乗車路線図が案内端末装置20にダウンロードされているから、測位手段217で取得した位置情報に基づいて現在位置を路線図上にマップマッチングすることができる。
【0078】
上記第1の方法は、案内端末装置20にGPS機能が無くても実現することができるが、乗車ボタン402を押すタイミングによっては乗車バスを誤ることがあり、ユーザはこの点に注意することが必要である。これに対して、上記第2の方法は、GPSにより案内端末装置20自身で現在位置を取得できるから、バスロケーションシステムがない路線に対しても実現でき、停留所の二次元コードQRに記録するリンク情報が本発明に準じていれば、路線、方向、降車停留所を特定することができる。従って、乗車したバスの車内であってもGPSの精度がある程度出ていれば路線図にマップマッチングすることで、十分実用に足りる現在位置の表示、案内が可能になる。このようにして案内端末装置20の表示手段215には図10に示すように、路線図上にバスのアイコン110を表示して乗車バスの現在位置を表示することができる。
【0079】
また、上記のようにして案内端末装置20の現在位置が取得できると、降車停留所の案内をすることができるようになる。路線バスの場合は鉄道の路線ほどユーザが熟知していない場合が多く、初めて乗車した路線では降車停留所の接近が認識できず、乗車中も注意を払い緊張を強いられる場合も多い。さらに、停留所の間隔が短くまた停留所名も似た名称が多く「扇橋一丁目」「扇橋二丁目」「扇橋三丁目」など、まちがえやすい区間もある。
【0080】
これに対処するため、先のように乗車バスの現在位置、乗車した路線、降車停留所が既知であるから、現在位置が降車停留所の手前の区間に入ったら、案内端末装置20はバイブレーションと共に図10で示した現在位置表示から更に図11に示すように「降車ブザーを押してください」のようなメッセージ111を表示して降車案内をすると非常にわかりやすい。
【0081】
上記の乗車案内システム10においては案内端末装置20が乗車路線、乗車停留所、降車停留所を入力するため、各停留所に掲示した路線図に設置された二次元コードQRを読み取る態様を説明したが、本発明はこの態様に限らず、案内端末装置20の操作・入力手段216から直接入力したり、情報配信サーバ30からダウンロードした選択画面を利用して所望の路線、乗車停留所などを選択する態様であってもよい。
【0082】
最近では携帯電話に非接触型IC(無線通信型のICチップ)を内蔵して交通機関利用の際の運賃清算を行う技術が種々提案されている。このような非接触型ICを利用した駅への入場管理を行うシステムは従来公知(特開平11−16011号公報等を参照)である。例えば、自動改札機が非接触型の読取り部を有しており、非接触型ICを内蔵した携帯電話または、非接触型ICを内蔵した乗車券が読取り部に接近した時にICに記録された情報を、無線交信により読み取ったり、書き込んだり(更新したり)することができる。したがって、前記非接触ICの情報を読み書きすることにより、携帯電話や乗車券を使用しているユーザが入場した出発駅や下車した降車駅の情報を取得してユーザの入出場を管理したり、非接触ICに記録された残高の情報等を取得したりすることができる。
【0083】
本実施例においては、図1に示すように、案内端末装置20として携帯電話のように非接触ICを搭載した携帯端末を用いるように構成し、案内端末装置20と通信する通信手段510と運賃清算を行う運賃清算手段520とを備えた降車案内装置530をバス車両50に設け、運賃清算手段520に案内端末装置20から路線、乗車停留所、降車停留所を入力することにより、運賃の清算と降車停留所の登録、運転者への降車案内を行うように構成している。すなわち、案内端末装置20に内蔵した非接触型IC214に決済用のチャージ金額の残高を記憶しておき、案内端末装置20が非接触型IC214のデータを通信で伝える際に、前述のようにして二次元コードQRから読み取った乗車停留所コード、降車停留所コードを伝える。これによって、運賃清算手段520は、乗車区間に応じた運賃を案内端末装置20に伝え、非接触型IC214にチャージされた決済用の金額から清算することができる。
【0084】
また、非接触型ICに案内端末装置20の所有者の属性情報を記憶しておき、運賃清算手段520から運転者に乗客の属性情報を案内することにより、運転者に適切な対応を促すように構成している。属性情報は後述するように視聴覚障害の有無などの情報であり、運転者は降車者の属性情報を知ることにより、停車時に減速したり停車時間を調整したりするなどの適切な対応をとることができるようになる。
【0085】
なお、バス車両に非接触型IC214と通信してその情報を読み取りまたは書き込む装置である通信手段510を設置する場合は、案内端末装置20で二次元コードQRから読み取った路線コード、乗車停留所コード、降車停留所コードを案内端末装置20側で乗車区間情報として非接触型IC214に記憶しておき、バス車両の通信手段510(非接触型IC読み取り装置)が残高情報とともに乗車区間情報を読み取り運賃清算手段520で運賃清算するように構成することもできる。
【0086】
図13は車両50に設置された運賃清算手段520の構成を示すブロック図である。本実施例にかかる運賃清算手段520は、制御手段521、運賃計算手段522、降車案内手段523、警告手段524、入出力インターフェース525、路線データ記憶手段526、降車停留所登録手段527、降車者データ記憶手段528等を備えている。制御手段521は、図示してはいないがRAM、ROMを有するマイクロプロセッサ(CPU)を備えて構成され、ROMに格納された制御プログラムにより各部の動作を制御する。
【0087】
通信手段510を介して案内端末装置20の非接触型IC214に記録されたチャージ残高情報や属性情報、および、案内端末装置20が二次元コード読み取り手段218により読み取った路線コード、乗車停留所コード、降車停留所コード等の乗車情報は、入出力インターフェース525を介して運賃清算手段520に入力される。降車停留所と降車者の属性情報はそれぞれ関連付けられて降車停留所登録手段527と降車者データ記憶手段528に記憶される。路線データ記憶手段526にはバス車両50が運行される路線のデータが記憶されており、運賃計算手段522は案内端末装置20から入力された路線コード、乗車停留所コード、降車停留所コードから運賃を計算し、案内端末装置20の非接触型IC214のチャージ残高から運賃を差し引きし、新たな残高を非接触型IC214に記録する。
【0088】
路線データは運行管理サーバ40から運賃清算手段520にダウンロードする構成でもよく、フラッシュメモリなどの記録媒体を介して路線データ記憶手段526に記憶する構成でもよい。また、路線データ記憶手段526に記憶する路線データは、バス会社が設定している全ての路線データを記憶してもよく、あるいは、バス車両50が運行する路線データのみを記憶する構成であってもよい。
【0089】
降車案内手段523は、路線の各停留所毎に降車停留所登録手段527に降車停留所が登録されていれば、運転者に音声または表示により案内を行い、かつ、車内の乗客に対して停車する旨の音声案内や表示を行う。降車案内手段523は、また、降車停留所登録手段527に降車停留所と降車を登録した案内端末装置20に対して前述の降車案内のデータを送信する。警告手段524は、案内端末装置20から入力された路線コード、乗車停留所コード、降車停留所コードに基づき、路線データ記憶手段526に記憶された路線データを参照し、案内端末装置20から登録された降車停留所が当該バスの運行路線上にない場合、バス車両50が運行している路線コードと一致しない場合には、乗客が乗車しようとしているバス車両50が誤り(他の路線を運行するバス車両の誤り、あるいは、上りと下りの誤り)であるから、この旨を乗客に警告し、運賃計算手段522による課金(運賃清算)を停止させる。これにより乗客は乗車したバス車両が間違いであったことに気がつき、降車することができるようになる。
【0090】
運賃清算手段520はまた、以下のような処理を行うことができる。すなわち、乗車区間により運賃が変わる運賃体系の場合には、乗車区間の料金が、非接触型IC214にチャージされた残高で足りるかチェックすることができる。もし足りなければ、その旨案内端末装置20に送信し表示手段215に表示する。乗客はこの表示を見て乗車中にチャージ処理を行ったり、不足分の小銭の用意をしたりすることで対処できる。
【0091】
また、乗客は車内の降車ブザーを押さなくても、バス車両側の運賃清算手段520が各乗客の案内端末装置20から得た降車停留所を記憶して運転者に指示を出してくれる。そのときの表示は、図12のようになっており、既に降車登録済みであることを示すメッセージ121を表示している。バスのアナウンスも、「次は扇橋三丁目です。停まります」となり、また、このメッセージ121を該当する乗客の案内端末装置20に送信して表示させることにより、バス車両が降車停留所の区間に入ったことを案内することができるようになる。
【0092】
なお、案内端末装置20に設けられた非接触型ICにユーザ(乗客)の属性情報を記録しておくことにより、バス車両の運転者にユーザの属性を通知して適切な対応を促すこともできるようになる。すなわち、ユーザの属性情報とは、例えば、「車椅子使用の有無」、「杖使用の有無」、「聴覚障害の有無」、「視覚障害の有無」、「初めての乗車区間」などバスの乗降に関係する情報であり、これらの情報を項目毎に非接触型ICに記録しておく。
【0093】
そして、前述のように、乗車の際に非接触型ICからバス車両の通信手段510を介して運賃清算手段520に、路線、乗車停留所、降車停留所を通知するとともにこれらの属性情報を通知する。運賃清算手段520は、この降車者の属性情報を前述したように降車停留所登録手段527に登録する降車停留所と関連付けて降車者データ記憶手段528に記憶する。これによって、運賃清算手段520からバス車両50の運転者には、前述のように各バス停の手前で降車する乗客がいることが通知されとともに属性情報を通知する。このようにすれば、運転者は単に降車する乗客がいることがわかるだけでなく、属性情報に応じた適切な対応が可能になる。
【0094】
すなわち、車椅子や杖の使用が登録されていれば、穏やかに減速するなどの配慮が出来て、また降車口のスロープなどを操作する、また、視覚障害、聴覚障害の乗客が降りる場合は、停車時間を長くとって降車を十分確認する。あるいは、初めての乗車区間である乗客がいる場合は、再度アナウンスを行って降車バス停を強調するなどのサービスを行うなど適切な対応をとることがきできるようになる。なお、初めての乗車区間であるかどうかは、乗客が自ら事前に設定することも出来るが、乗車停留所で降車停留所の二次元コードを読み取ったときに、過去に利用したことがある区間かどうか案内端末装置20側で調べて自動的に設定するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本発明の実施例にかかる乗車案内システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施例において使用される二次元コードの一例を示す概念図である。
【図3】本発明の実施例において駅、停留所に掲示される路線図の概念を示す模式図である。
【図4】降車停留所の二次元コードに記録されたリンク情報を用いてダウンロードした情報を表示した場合を示す表示画面の図である。
【図5】乗車停留所の二次元コードに記録されたリンク情報を用いてダウンロードしたメニュー画面を表示した場合を示す表示画面の図である。
【図6】図5のメニュー画面で時刻表を選択した場合に情報配信サーバから配信される時刻表を表示した場合を示す表示画面の図である。
【図7】図5のメニュー画面で時刻表を選択した場合に情報配信サーバから配信される時刻表を表示した場合を示す他の表示画面の図である。
【図8】図5のメニュー画面で近くの駅を選択した場合に情報配信サーバから配信される駅リストを表示した場合を示す表示画面の図である。
【図9】図5のメニュー画面でタクシーを選択した場合に情報配信サーバから配信されるタクシー会社リストを表示した場合の表示画面の図である。
【図10】図4のメニュー画面で乗車ボタンが操作された場合に乗車したバスの現在位置を路線図上に表示した場合の表示画面である。
【図11】図10の表示画面に降車案内を加えて表示する降車案内表示の画面を示す図である。
【図12】バス車両側で降車停留所登録して表示する際の表示画面を示す図である。
【図13】降車案内装置における運賃清算手段の構成を示すブロック図である。
【図14】従来のバス停留所に掲示された路線図の概念を示す模式図である。
【符号の説明】
【0096】
10・・・・乗車案内システム
20・・・・案内端末装置
211・・・制御手段
212・・・通信手段
213・・・データ記憶手段
214・・・非接触型IC
215・・・表示手段
216・・・操作・入力手段
217・・・測位手段
218・・・二次元コード読み取り手段
219・・・データ要求手段
220・・・降車案内手段
221・・・メニュー画像記憶手段
30・・・・情報配信サーバ
311・・・制御手段
312・・・通信手段
313・・・経路案内手段
314・・・ページ情報データベース
315・・・経路探索手段
316・・・路線/運行時刻データ
317・・・関連情報データベース
318・・・道路ネットワークデータ
319・・・交通機関ネットワークデータ
40・・・・運行管理サーバ
410・・・バスロケーションデータベース
50・・・・バス車両
510・・・通信手段
520・・・運賃清算手段
530・・・降車案内装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも路線コードと乗車停留所コードと降車停留所コードを含む乗車情報を入力する入力手段と非接触型ICを備えた案内端末装置と運賃清算手段とを備えた乗車案内システムであって、
前記案内端末装置は、乗車する車両の路線コード、乗車停留所コード、降車停留所コードを含む乗車情報を運賃清算手段に送信し、
前記運賃清算手段は、運行路線と各停留所コードを記憶した路線データ記憶手段と、案内端末装置から送信された降車停留所コードに基づいて降車停留所を登録する降車停留所登録手段と、乗車区間に応じた運賃を計算して非接触型ICへの課金を行う運賃計算手段と、警告手段と、を備え
案内端末装置から受信した路線または降車停留所が路線データ記憶手段に記憶された路線と一致しないか、または降車停留所が前記路線上にない場合には警告手段により案内端末装置に警告するとともに、前記運賃計算手段による課金を停止することを特徴とする乗車案内システム。
【請求項2】
前記運賃清算手段は、更に降車案内手段を備え、該降車案内手段は、前記降車停留所登録手段に登録された停留所毎に当該停留所の手前で、車両の運転者に対して停車指示を案内することを特徴とする請求項1に記載の乗車案内システム。
【請求項3】
前記運賃清算手段は、更に降車者のデータを記憶する降車者データ記憶手段を備え、前記非接触型ICには案内端末装置を所有する乗客の属性情報を記録し、運賃清算手段は降車停留所を前記降車停留所登録手段に登録するとともに、前記属性情報を降車者データ記憶手段に記憶し、前記降車案内手段が車両の運転者に降車案内する際に降車者の属性情報を案内することを特徴とする請求項2に記載の乗車案内システム。
【請求項4】
前記運賃清算手段は、降車停留所登録手段に正常に降車停留所の登録が行われた際に、降車停留所が登録されたことを前記案内端末装置に通知し、案内端末装置は、降車停留所登録済みの表示を行うことを特徴とする請求項1に記載の乗車案内システム。
【請求項5】
車両に設置された運賃清算手段であって、少なくとも路線コードと乗車停留所コードと降車停留所コードを含む乗車情報入力する入力手段と非接触型ICを備えた案内端末装置と通信する運賃清算手段を含む降車案内装置において、
記運賃清算手段は、運行路線と各停留所コードを記憶した路線データ記憶手段と、案内端末装置から送信された降車停留所コードに基づいて降車停留所を登録する降車停留所登録手段と、乗車区間に応じた運賃を計算して非接触型ICへの課金を行う運賃計算手段と、警告手段と、を備え
前記案内端末装置から受信した乗車する車両の路線コード、乗車停留所コード、降車停留所コードを含む乗車情報に基づいて、受信した路線または降車停留所が路線データ記憶手段に記憶された路線と一致しないか、または降車停留所が前記路線上にない場合には警告手段により案内端末装置に警告するとともに、前記運賃計算手段による課金を停止することを特徴とする降車案内装置。
【請求項6】
前記運賃清算手段は、更に降車案内手段を備え、該降車案内手段は、前記降車停留所登録手段に登録された停留所毎に当該停留所の手前で、車両の運転者に対して停車指示を案内することを特徴とする請求項5に記載の降車案内装置。
【請求項7】
前記運賃清算手段は、更に降車者のデータを記憶する降車者データ記憶手段を備え、前記非接触型ICには案内端末装置を所有する乗客の属性情報を記録し、運賃清算手段は降車停留所を前記降車停留所登録手段に登録するとともに、前記属性情報を降車者データ記憶手段に記憶し、前記降車案内手段が車両の運転者に降車案内する際に降車者の属性情報を案内することを特徴とする請求項6に記載の降車案内装置。
【請求項8】
前記運賃清算手段は、降車停留所登録手段に正常に降車停留所の登録が行われた際に、降車停留所が登録されたことを前記案内端末装置に通知することを特徴とする請求項5に記載の降車案内装置。
【請求項9】
運行路線と各停留所コードを記憶した路線データ記憶手段と、案内端末装置から送信された降車停留所コードに基づいて降車停留所を登録する降車停留所登録手段と、乗車区間に応じた運賃を計算して非接触型ICへの課金を行う運賃計算手段と、警告手段と、を備えた降車案内装置と通信する案内端末装置であって、
前記案内端末装置は、少なくとも路線コードと乗車停留所コードと降車停留所コードを含む乗車情報を入力する入力手段と非接触型ICを備え、非接触型ICに記録された情報を前記降車案内装置に送信するとともに、前記入力手段により入力した乗車情報を前記降車案内装置に送信することを特徴とする案内端末装置。
【請求項10】
降車停留所登録手段に正常に降車停留所の登録が行われた際に、降車停留所が登録されたことを前記降車案内装置から受信し、降車停留所登録済みである旨表示することを特徴とする請求項9に記載の案内端末装置。
【請求項11】
前記入力手段は、二次元コード読み取り手段から構成され、
該二次元コード読み取り手段は、路線上の各停留所名を路線に沿って順次表記した路線図において路線図に表記された各停留所名に隣接して設置される二次元コードであって、各二次元コードには、情報配信サーバのドメイン名、路線コード、路線図が掲示される停留所を乗車停留所とする乗車停留所コード、該二次元コードが隣接して設置される停留所名に対応した停留所を降車停留所とする降車停留所コードを含むリンク情報が記録されて前記路線図に設置された二次元コードから前記乗車情報を読み取ることを特徴とする請求9に記載の案内端末装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2006−276940(P2006−276940A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−90675(P2005−90675)
【出願日】平成17年3月28日(2005.3.28)
【出願人】(500168811)株式会社ナビタイムジャパン (410)
【Fターム(参考)】