説明

乳化化粧料

【課題】 毛穴の存在を自然な仕上がりで目立たなく見せる技術を提供する。
【解決手段】 1)架橋型メチルポリシロキサンと2)球状粉体とを水中油乳化剤形の化粧料に含有させる。前記球状粉体は、粒径3〜20μmのものであることが好ましく、前記球状粉体としては、少なくとも表面に多孔質層を有さない無水珪酸及び/又は架橋構造を有していても良いメチルポリシロキサン樹脂乃至はメチルフェニルポリシロキサン樹脂が好ましく、更に、繊維状二酸化チタンを含有することが好ましく、前記繊維状二酸化チタンは、中空構造を有することが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧料に関し、更に詳細には、下地化粧料に好適な化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
毛穴の存在は、顔の印象形成に於いて、大きな影響を与えるが、該影響は決して好ましいものとは言えない。「肌理の細やかな肌」、「もち肌」等の皮膚の喩えがプラスのものであるのに対し、「毛穴が目立つ」「夏みかん」等の例えは大きなマイナスイメージとなっていることがその証拠と言える。諸原材料の開発などの技術の進歩により、美白化粧料や保湿化粧料が充実してきた今、「毛穴」を目立たなくさせる技術の開発が、香粧品科学の分野では新たなテーマとなりつつある。
【0003】
この様な、化粧料による毛穴に関する対応には2つの方向が存する。即ち、毛穴の形状を有効成分の投与によって縮小させる方向(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3を参照)と、粉体などの光学的な効果を利用して、毛穴の存在を目立たなくさせる方法(例えば、特許文献4、特許文献5、特許文献6)である。この内、前者については、皮膚の表面形状そのものを大きく変えることを必要とするため、ある程度の効果を奏するものはあっても、満足が行くほど大きな効果を奏するものは存在していないのが現状である。又、後者に於いては、ある程度のメークテクニックがあれば、化粧直後はそこそこの効果を奏しても、経時的に効果を失する場合が少なくないし、メークテクニックのレベルによっては当初の効果さえもおぼつかない欠点が存した。又、更に、毛穴の充填物そのものが目立つと、毛穴の補正効果は損なわれるため、毛穴の充填物と皮膚との見た目の差を減じせしめる工夫も望まれていた。勿論、この様な光学効果に於いて、二酸化チタンや酸化亜鉛などの高隠蔽性粉体の隠蔽力に依存して毛穴に充填されている粉体と、皮膚との境界をカバーすることは、自然な見え方で毛穴を補正するという、本願の発明の主旨とは矛盾するものであり、好ましい対応とは言えない。
【0004】
一方、粒径3〜20μmの球状粉体が、簡便性という面で、毛穴の充填に著しい効果を有することも、毛穴を充填すべき該粒径3〜20μmの球状粉体を含有する毛穴補正用の化粧料も全く知られていなかった。又、この様な粉体を毛穴に充填する際に、その剤形として、架橋型メチルポリシロキサンを含有する水中油乳化剤形が好適であることも全く知られていなかった。
【0005】
架橋型メチルポリシロキサンについて、このものをアルキル変性カルボキシビニルポリマーとともに水中油乳化剤形で使用することは知られていた(例えば、特許文献7を参照)が、粒径3〜20μmの球状粉体とともに化粧料に製剤化することは全く知られていなかった。
【0006】
【特許文献1】特開2005−179342号公報
【特許文献2】特開2004−339120号公報
【特許文献3】特開2003−137713号公報
【特許文献4】特開2004−210655号公報
【特許文献5】特開2005−089461号公報
【特許文献6】特開平11−349442号公報
【特許文献7】特開2002−284624号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、この様な状況下為されたものであり、毛穴の存在を自然な仕上がりで目立たなく見せる技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この様な状況に鑑みて、本発明者らは、毛穴の存在を自然な仕上がりで目立たなく見せる技術を求めて、鋭意研究努力を重ねた結果、1)架橋型メチルポリシロキサンと2)球状粉体とを含有する水中油乳化剤形の化粧料が、その様な特性を有していることを見出し、発明を完成させるに至った。即ち、本発明は、以下に示すとおりである。
(1)1)架橋型メチルポリシロキサンと2)球状粉体とを含有する水中油乳化剤形の化粧料。
(2)前記球状粉体が、粒径3〜20μmのものであることを特徴とする、(1)に記載の化粧料。
(3)前記球状粉体が、少なくとも表面に多孔質層を有さない無水珪酸及び/又は架橋構造を有していても良いメチルポリシロキサン樹脂乃至はメチルフェニルポリシロキサン樹脂であることを特徴とする、(1)又は(2)に記載の化粧料。
(4)更に、繊維状二酸化チタンを含有することを特徴とする、(1)〜(3)何れか1項に記載の化粧料。
(5)前記繊維状二酸化チタンが、中空構造を有することを特徴とする、(1)〜(4)何れか1項に記載の化粧料。
(6)更に、親水性界面活性剤として、ポリグリセリンポリオキシブチレンアルキルエーテルを含有することを特徴とする、(1)〜(5)何れか1項に記載の化粧料。
(7)下地化粧料であることを特徴とする、(1)〜(6)何れか1項に記載の化粧料。
(8)毛穴補正効果を有することを特徴とする、(1)〜(7)何れか1項に記載の化粧料。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、毛穴の存在を自然な仕上がりで目立たなく見せる技術を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
(1)本発明の化粧料の必須成分である架橋型メチルポリシロキサン
本発明の化粧料は、必須成分として架橋型メチルポリシロキサンを含有し、水中油乳化剤形であることを特徴とする。架橋型メチルポリシロキサンは、ジメトキシジメチルシロキサンを重合させて2次元型のメチルポリシロキサンを製造する際に、メチルトリメトキシシロキサンのような架橋剤を加えることにより製造することが出来る。又、ジメトキシジメチルシロキサンとジメトキシメチルビニルシロキサンとを共重合させ、しかる後にビニル基を重合させて架橋構造を構築した(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマーを用いることも出来る。この様な架橋構造を有するメチルポリシロキサンには、既に市販のものが存し、この様な市販品を購入して利用することも出来る。好ましい市販品としては、例えば、信越シリコーン株式会社製の「シリコーンKSG−16」等が好適に例示できる。このものは(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマーである。本発明の化粧料に於いては、かかる成分は唯一種を含有することも出来るし、二種以上を組み合わせて含有させることも出来る。本発明の化粧料に於いて、かかる成分は、毛穴に充填され、光学効果により、毛穴を目立たなくさせる後記の球状粉体を、的確に、且つ、効率的に毛穴の中へと配向せしめる作用を有する。この様な作用を発現するためには、かかる成分は、化粧料全量に対して、総量で0.1〜20質量%含有することが好ましく、より好ましくは1〜10質量%である。これは多すぎると乳化系の安定性を損なう場合が存し、少なすぎると前記効果が得られない場合が存するからである。
【0011】
(2)本発明の化粧料の必須成分である球状粉体
本発明の化粧料は、球状粉体、好ましい形態としては、粒径3〜20μm、より好ましくは4〜15μmの球状粉体を含有することを特徴とする。かかる球状粉体の素材としては、化粧料で使用されているものであれば特段の限定無く、例えば、シリカ、シリコーン、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ナイロン樹脂、シルクパウダー、硫酸バリウム、アルミナ等が好適に例示できる。これらはハイドロジェンメチルポリシロキサンの焼き付け、金属石鹸の被覆、アシル化アミノ酸塩の被覆等の表面処理が為されていても良い。これらの中でより好ましいものは、珪素−酸素結合における、酸素を置換する置換基として炭素数1〜4のアルキル基乃至はフェニル基を有していても良い、無水珪酸であり、この様なものとしては、具体的には、ガラス状或いは多孔質状のシリカ、メチルシロキサン網状重合体等のアルキルシロキサン網状重合体、高重合度のメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルポリシロキサン乃至はメチルフェニルポリシロキサンの部分架橋物などが例示でき、中でも、少なくとも表面に多孔質層を有さない無水珪酸及び/又は架橋構造を有していても良いメチルポリシロキサン樹脂乃至はメチルフェニルポリシロキサン樹脂であることが好ましい。特に少なくとも表面に多孔質層を有さない無水珪酸及び/又は架橋構造を有していても良いメチルポリシロキサン樹脂乃至はメチルフェニルポリシロキサン樹脂であることが好ましい。この様な球状粉体は、既に市販されているもので、前記の粒度分布のものを使用することも出来るし、市販の粉体を分級処理して、粒度を合わせ、使用することも出来る。分級前の市販の粉体としては、TORAY株式会社より販売されている「トレフィル」(高重合度メチルポリシロキサン)、東芝シリコーン株式会社から販売されている「トスパール」(メチルポリシロキサン網状重合体)等例示でき、既に分級されている市販の粉体としては、、信越シリコーン株式会社から販売されている、「シリコーンKSP300」((ジフェニルジメチコン/ビニルジフェニルジメチコン/シルセスキオキサン)クロスポリマー)、触媒化成工業株式会社から販売されている「HOLLOWY−N15」(表面に多孔質層を有さず、空気粒を内包したシリカ)等が特に好適に例示できる。「シリコーンKSP300」と「HOLLOWY−N15」が特に好ましい。これらの粉体は、皮脂と混合しても光学効果の変化が極めて少ない。これらの球状粉体は唯一種を含有することも出来るし、二種以上を組み合わせて含有させることも出来る。かかる粉体の好ましい含有量は、顔の大きさや毛穴の状況によって異なるが、0.005〜10質量%であり、より好ましくは0.01〜1質量%である。これは、多すぎても、毛穴を充填しない球状粉体が存するようになり、化粧効果を損なう場合が存し、少なすぎると、毛穴を充填しきれず、毛穴を目立たなくさせる効果が損なわれる場合が存するためである。かかる粉体が毛穴に充填されることにより、毛穴の穴部分の陰影を消すことが出来、これにより毛穴が目立たなくなる。
【0012】
(3)本発明の化粧料
本発明の化粧料は、前記必須成分を含有し、好ましくは、水中油乳化剤形であることを特徴とする。水中油乳化剤形を形成する為の界面活性剤としては、ポリグリセリンポリオキシブチレンアルキルエーテル((グリセリン/オキシブチレン)コポリマーアルキル)を親水性界面活性剤として用いることが好ましい。これは、反転が緩和であり、延展途中での反転により、前記球状粉体の毛穴への充填が阻害されにくいためである。かかる界面活性剤としては既に市販されているものが存し、市販品を購入して利用することも出来る。市販品としては、ポリグリセリンポリオキシブチレンステアリルエーテルである、「ハイグリオールS−26」(日本サーファクタント株式会社製)が好ましく例示できる。かかる成分の好ましい含有量は、0.1〜5質量%である。
【0013】
本発明の化粧料に於いては、前記必須成分の粉体以外に、必須成分に分類されない粉体成分を含有することも出来る。この様な粉体としては、表面を処理されていても良い、マイカ、タルク、カオリン、合成雲母等の体質粉体類、;表面を処理されていても良い、雲母チタン、魚燐箔、オキシ塩化ビスマス等のパール剤類;雲母チタンの内、被覆二酸化チタン量をコントロールして被覆し、干渉色を出させた虹彩箔、粒度を0.1〜2μmに揃えた微粒子二酸化チタン、金属塩を配位させたピラードクレー、4級アンモニウム塩などで有機変性した粘土鉱物、繊維状の二酸化チタン等の特殊加工粉体類、;タルクを二酸化チタン、シリカアルミナで順次被覆した粉体のような複合粉体等が好適に例示できる。特に好ましいものは、粒度が異なるなど、本発明の化粧料の必須成分に属さない球状粉体と特殊加工粉体と複合粉体である。前記繊維状の二酸化チタンとしては、中実のものであっても、空隙を有するものであっても良く、好ましくは空隙を有するものである。空隙としては、気泡状の空隙を有することも出来るし、円筒状の空隙を有することも出来る。より好ましいものは、円筒状の空隙を中心部付近に有する、管状のものである。かかる繊維状の二酸化チタンは、短径が0.1〜10μmに対し、長径が1〜500μmの形状を有することが好ましい。この様な繊維状の二酸化チタンには、市販されているものが存し、この様な市販品を購入して使用することも出来る。好ましい市販品としては、中実繊維状の二酸化チタンである「繊維状酸化チタン」(岩谷産業株式会社製)、管状の二酸化チタンである、「中空チタンファイバー」(触媒化成工業株式会社製)等が例示できる。これらの中では、効果の上から、触媒化成工業株式会社製の「中空チタンファイバー」が特に好ましい。この様な繊維状の二酸化チタンの好ましい含有量は、本発明の化粧料は、繊維状の二酸化チタンを0.005〜10質量%、より好ましくは、0.01〜5質量%、必須成分として含有することを特徴とする。かかる繊維状の二酸化チタンとしては、中実のものであっても、空隙を有するものであっても良く、好ましくは空隙を有するものである。空隙としては、気泡状の空隙を有することも出来るし、円筒状の空隙を有することも出来る。より好ましいものは、円筒状の空隙を中心部付近に有する、管状のものである。かかる繊維状の二酸化チタンは、短径が0.1〜10μmに対し、長径が1〜500μmの形状を有することが好ましい。この様な繊維状の二酸化チタンには、市販されているものが存し、この様な市販品を購入して使用することも出来る。好ましい市販品としては、中実繊維状の二酸化チタンである「繊維状酸化チタン」(岩谷産業株式会社製)、管状の二酸化チタンである、「中空酸化チタンファイバー」(触媒化成工業株式会社製)等が例示できる。これらの中では、効果の上から、触媒化成工業株式会社製の「中空酸化チタンファイバー」が特に好ましい。かかる繊維状の二酸化チタンの好ましい含有量は、0.005〜10質量%、より好ましくは、0.01〜5質量%である。かかる成分は、毛穴に充填された球状粉体と皮膚との区別が目立たないようにさせる作用を有する。又、皮脂で前記球状粉体が濡れて、光学効果を損なうのを防ぐ作用を有する。
【0014】
これら以外に、メークアップ化粧料であることから、本発明の化粧料は、更に色材を含有することが出来る。この様な色材としては、;表面を処理されていても良い、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化コバルト、群青、紺青の無機顔料類、;レーキ化されていても良い赤色202号、赤色228号、赤色226号、黄色4号、青色404号、黄色5号、赤色505号、赤色230号、赤色223号、橙色201号、赤色213号、黄色204号、黄色203号、青色1号、緑色201号、紫色201号、赤色204号等の有機色素類等が例示できる。
【0015】
前記の成分以外に、本発明の化粧料では、通常化粧料で使用される任意の成分を含有することが出来る。この様な任意成分としては、例えば、マカデミアナッツ油、アボガド油、トウモロコシ油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマシ油、サフラワー油、綿実油、ホホバ油、ヤシ油、パーム油、液状ラノリン、硬化ヤシ油、硬化油、モクロウ、硬化ヒマシ油、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、イボタロウ、ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン、ホホバロウ等のオイル、ワックス類;流動パラフィン、スクワラン、プリスタン、オゾケライト、パラフィン、セレシン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素類;オレイン酸、イソステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸等の高級脂肪酸類;セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール、ミリスチルアルコール、セトステアリルアルコール等の高級アルコール等;イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソプロピル、セバチン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタンエリトリット等の合成エステル油類;ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン;オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサンシロキサン等の環状ポリシロキサン;アミノ変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等の変性ポリシロキサン等のシリコーン油等の油剤類;脂肪酸セッケン(ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等)、ラウリル硫酸カリウム、アルキル硫酸トリエタノールアミンエーテル等のアニオン界面活性剤類;塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、ラウリルアミンオキサイド等のカチオン界面活性剤類;イミダゾリン系両性界面活性剤(2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等)、ベタイン系界面活性剤(アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)、アシルメチルタウリン等の両性界面活性剤類;ソルビタン脂肪酸エステル類(ソルビタンモノステアレート、セスキオレイン酸ソルビタン等)、グリセリン脂肪酸類(モノステアリン酸グリセリン等)、プロピレングリコール脂肪酸エステル類(モノステアリン酸プロピレングリコール等)、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル、POEソルビタン脂肪酸エステル類(POEソルビタンモノオレエート、モノステアリン酸ポリオキエチレンソルビタン等)、POEソルビット脂肪酸エステル類(POE−ソルビットモノラウレート等)、POEグリセリン脂肪酸エステル類(POE−グリセリンモノイソステアレート等)、POE脂肪酸エステル類(ポリエチレングリコールモノオレート、POEジステアレート等)、POEアルキルエーテル類(POE2−オクチルドデシルエーテル等)、POEアルキルフェニルエーテル類(POEノニルフェニルエーテル等)、プルロニック型類、POE・POPアルキルエーテル類(POE・POP2−デシルテトラデシルエーテル等)、テトロニック類、POEヒマシ油・硬化ヒマシ油誘導体(POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油等)、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド等の非イオン界面活性剤類;ポリエチレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、イソプレングリコール、1,2−ペンタンジオール、2,4−ヘキサンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール等の多価アルコール類;ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム等の保湿成分類;パラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤;アントラニル酸系紫外線吸収剤;サリチル酸系紫外線吸収剤、;桂皮酸系紫外線吸収剤、;ベンゾフェノン系紫外線吸収剤;糖系紫外線吸収剤;2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン等の紫外線吸収剤類;エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール類;ビタミンA又はその誘導体、ビタミンB6塩酸塩、ビタミンB6トリパルミテート、ビタミンB6ジオクタノエート、ビタミンB2又はその誘導体、ビタミンB12、ビタミンB15又はその誘導体等のビタミンB類;α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、ビタミンEアセテート等のビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH、パントテン酸、パンテチン、ピロロキノリンキノン等のビタミン類等;フェノキシエタノール等の抗菌剤などが好ましく例示できる。ここで、夏の紫外線などで損傷した皮膚に投与する蓋然性が高いことから、一過性の刺激を発現させる蓋然性の高いブチルパラベンは含有しないことが好ましく、この状況で防腐力を維持する目的から、フェノキシエタノールを0.01〜1質量%、より好ましくは0.3〜0.6質量%含有することが好ましい。
【0016】
本発明の化粧料は、前記の必須成分や任意成分を常法に従って処理することにより製造することが出来る。本発明の化粧料としては、毛穴に必須成分の粉体を充填し、毛穴を目立たなくさせるための化粧料に適用することが好ましく、その為には、毛穴に対し、他の化粧料の影響を受けずに投与できる類の化粧料であることが好ましく、アンダーメークアップ化粧料やコントロールカラー化粧料などの下地化粧料に適用することが特に好ましい。下地料の中でもコントロールカラーに応用することが特に好ましい。これは、アンダーメークアップ化粧料によって、化粧料のりを改善された皮膚の上に塗布することで、球状粉体の毛穴充填率を更に高めることが出来るからである。又、この様なアンダーメークアップ化粧料にも、毛穴の充填に好適な球状粉体(本発明の必須成分である球状粉体)を含有せしめておくことは、その効果を更に高めることが出来るので好ましい。
【0017】
以下に、本発明について、実施例を挙げて、更に詳細に説明を加えるが、本発明がかかる実施例にのみ限定されないことは言うまでもない。
【実施例1】
【0018】
以下に示す処方に従って、本発明の化粧料である、コントロールカラー(水中油乳化剤形)を作成した。即ち、イ、ロの成分を80℃に加熱し、イにハを加え、分散させた後、攪拌下ロを徐々に加え乳化し、攪拌冷却し、コントロールカラー1を得た。同様に、「シリコーンKSG−16」をジメチコンに置換した比較例1、「シリコーンKSP300」と「HOLLOWY−N15」とを通常のシリカ(平均粒径1μm)に置換した比較例2も作成した。
【0019】

ステアリン酸 1.5質量%
蔗糖ステアレート 1 質量%
蔗糖パルミテート 1 質量%
ステアリルモノグリセライド 2 質量%
POE(45)ステアレート 0.5質量%
ソルビタンセスキラウレート 0.5質量%
ソルビタンモノイソステアレート 0.5質量%
「ハイグリオールS−26」 0.5質量%
セタノール 0.2質量%
スクワラン 3 質量%
「シリコーンKSG−16」 5 質量%
シクロメチコン 10 質量%

1,3−ブタンジオール 6 質量%
キサンタンガム 0.1質量%
トリエタノールアミン 0.5質量%
フェノキシエタノール 0.5質量%
水 48.9質量%

「中空酸化チタンファイバー」 0.1質量%
「シリコーンKSP300」 0.1質量%
「HOLLOWY−N15」 0.1質量%
金属石鹸処理微粒子二酸化チタン 10 質量%
赤色226号 0.04質量%
「トスパール2000B」 5 質量%
シリカ(平均粒径1μm) 2.96質量%
【0020】
<試験例1>
コントロールカラー1と比較例1、比較例2とを用いて、毛穴への粉体の充填による、毛穴補正効果を調べた。即ち、毛穴の目立つパネラーを用い、洗顔後に顔の額、両頬、鼻の頭、顎先の5点に化粧料をおき、唯一度の擦過で化粧料を延展して、化粧料を塗布してもらい、化粧の前後における毛穴の周囲の状況をビデオマイクロスコープで撮影し、粉体の充填の状況を下記の基準に従って判定した。その結果、コントロールカラー1はスコア5であったのに対し、比較例1はスコア3、比較例2はスコア2であり、必須の成分の添加効果が確認された。このことを数値として確認するために、画像の毛穴の部分を拡大し、しかる後に二値化処理を行い、毛穴総面積に対する、黒で表される非充填部分の面積比率(%)を算出した。結果を表1に示す。これよりスコア判定が客観的なものであることが証明された。
【0021】
スコア1:殆ど毛穴に粉体を認めない
スコア2:毛穴の縁にのみ粉体を認める
スコア3:毛穴の半分程度まで粉体が充填されている
スコア4:毛穴の中心部には粉体を認めない
スコア5:毛穴の殆どを粉体が充填している
【0022】
【表1】

【実施例2】
【0023】
実施例1と同様に、下記の処方に従って、本発明の化粧料であるコントロールカラー2を製造した。このものを試験例1の手技に従って評価したところスコア4であった。本発明の化粧料に於いては、「中空酸化チタンファイバー」を含有する形態が好ましいことが判る。
【0024】

ステアリン酸 1.5質量%
蔗糖ステアレート 1 質量%
蔗糖パルミテート 1 質量%
ステアリルモノグリセライド 2 質量%
POE(45)ステアレート 0.5質量%
ソルビタンセスキラウレート 0.5質量%
ソルビタンモノイソステアレート 0.5質量%
「ハイグリオールS−26」 0.5質量%
セタノール 0.2質量%
スクワラン 3 質量%
「シリコーンKSG−16」 5 質量%
シクロメチコン 10 質量%

1,3−ブタンジオール 6 質量%
キサンタンガム 0.1質量%
トリエタノールアミン 0.5質量%
フェノキシエタノール 0.5質量%
水 48.9質量%

「シリコーンKSP300」 0.1質量%
「HOLLOWY−N15」 0.1質量%
金属石鹸処理微粒子二酸化チタン 10.1質量%
赤色226号 0.04質量%
「トスパール2000B」 5 質量%
シリカ(平均粒径1μm) 2.96質量%
【実施例3】
【0025】
実施例1と同様に、下記の処方に従って、本発明の化粧料であるコントロールカラー3を製造した。このものを試験例1の手技に従って評価したところスコア4であった。本発明の化粧料に於いては、「ポリグリセリンポリオキシブチレングリコールステアリル」を含有する形態が好ましいことが判る。
【0026】

ステアリン酸 1.5質量%
蔗糖ステアレート 1 質量%
蔗糖パルミテート 1 質量%
ステアリルモノグリセライド 2 質量%
POE(45)ステアレート 1 質量%
ソルビタンセスキラウレート 0.5質量%
ソルビタンモノイソステアレート 0.5質量%
セタノール 0.2質量%
スクワラン 3 質量%
「シリコーンKSG−16」 5 質量%
シクロメチコン 10 質量%

1,3−ブタンジオール 6 質量%
キサンタンガム 0.1質量%
トリエタノールアミン 0.5質量%
フェノキシエタノール 0.5質量%
水 48.9質量%

「中空酸化チタンファイバー」 0.1質量%
「シリコーンKSP300」 0.1質量%
「HOLLOWY−N15」 0.1質量%
金属石鹸処理微粒子二酸化チタン 10 質量%
赤色226号 0.04質量%
「トスパール2000B」 5 質量%
シリカ(平均粒径1μm) 2.96質量%
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明は、毛穴補正効果を有するコントロールカラーに応用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1)架橋型メチルポリシロキサンと2)球状粉体とを含有する水中油乳化剤形の化粧料。
【請求項2】
前記球状粉体が、粒径3〜20μmのものであることを特徴とする、請求項1に記載の化粧料。
【請求項3】
前記球状粉体が、少なくとも表面に多孔質層を有さない無水珪酸及び/又は架橋構造を有していても良いメチルポリシロキサン樹脂乃至はメチルフェニルポリシロキサン樹脂であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の化粧料。
【請求項4】
更に、繊維状二酸化チタンを含有することを特徴とする、請求項1〜3何れか1項に記載の化粧料。
【請求項5】
前記繊維状二酸化チタンが、中空構造を有することを特徴とする、請求項1〜4何れか1項に記載の化粧料。
【請求項6】
更に、親水性界面活性剤として、ポリグリセリンポリオキシブチレンアルキルエーテルを含有することを特徴とする、請求項1〜5何れか1項に記載の化粧料。
【請求項7】
下地化粧料であることを特徴とする、請求項1〜6何れか1項に記載の化粧料。
【請求項8】
毛穴補正効果を有することを特徴とする、請求項1〜7何れか1項に記載の化粧料。

【公開番号】特開2007−39371(P2007−39371A)
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−225087(P2005−225087)
【出願日】平成17年8月3日(2005.8.3)
【出願人】(000113470)ポーラ化成工業株式会社 (717)
【Fターム(参考)】