説明

乾燥貯蔵システム

【課題】 再加熱をしても冷却器にできるだけ低温のガス冷媒を送ることができるようにし、冷却器での冷却効果を向上させ、除湿効果を向上させて収容物の乾燥及び貯蔵をより確実に行なう。
【解決手段】 ガス冷媒を吐出する圧縮機1と、圧縮機1から吐出されたガス冷媒を冷却凝縮する庫外凝縮器2と、庫外凝縮器2からのガス冷媒を受ける受液器3と、受液器3からのガス冷媒を噴射する膨張弁4と、倉庫W内の内気をガス冷媒との熱交換により冷却して倉庫W内に吹き出すとともに熱交換により温度上昇したガス冷媒を圧縮機1に送る冷却器5と、冷却器5からの吹出空気をガス冷媒との熱交換により加温して倉庫W内に吹き出す庫内第一凝縮器6と、庫内第一凝縮器6からの吹出空気をガス冷媒との熱交換により更に加温して倉庫W内に吹き出す庫内第二凝縮器7とを備え、庫内第一凝縮器6及び庫内第二凝縮器7から流出するガス冷媒を庫外凝縮器2で冷却凝縮させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、玉葱やにんにく等の農作物等からなる収容物を倉庫内に収容した状態で乾燥するとともに乾燥後に低温で貯蔵する乾燥貯蔵システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の乾燥貯蔵システムとしては、例えば、特許文献1(特開平7−127975号公報)に記載されたものが知られている。
図8に示すように、この乾燥貯蔵システムSaは、ガス冷媒を吐出する圧縮機1と、倉庫W外に設けられ圧縮機1から主吐出経路10を通して吐出されたガス冷媒を冷却して凝縮液化する庫外凝縮器2と、庫外凝縮器2で凝縮液化されたガス冷媒を受ける受液器3と、受液器3からのガス冷媒を噴射する開度調整可能な膨張弁4と、倉庫W内に設けられ倉庫W内の内気を取り込んで膨張弁4から噴射されたガス冷媒との熱交換により冷却して倉庫W内に吹き出すとともに熱交換により温度上昇したガス冷媒を圧縮機1に送る冷却器5と、倉庫W内に設けられ冷却器5から吹き出された吹出空気を取り込んで圧縮機1から第一吐出経路11を通して吐出されたガス冷媒との熱交換により加温して倉庫内に吹き出す庫内第一凝縮器6と、倉庫W内に設けられ庫内第一凝縮器6から吹き出された吹出空気を取り込んで圧縮機1から第二吐出経路12を通して吐出されたガス冷媒との熱交換により更に加温して倉庫W内に吹き出す庫内第二凝縮器7とを備えて構成されている。
【0003】
第一吐出経路11は主吐出経路10から分岐して設けられており、主吐出経路10と第一吐出経路11との分岐点には、主吐出経路10を開閉するとともに第一吐出経路11を開閉する三方弁30が介装されている。この三方弁30は、圧縮機1からのガス冷媒が主吐出経路10を通って入る入口31と、入口31から入ったガス冷媒を主吐出経路10を通して庫外凝縮器2に送る一方出口32と、入口31から入ったガス冷媒を第一吐出経路11を通して庫内第一凝縮器6及び/または庫内第二凝縮器7に送る他方出口33とを備えている。また、第二吐出経路12は第一吐出経路11から分岐して設けられており、この第二吐出経路12には、第二吐出経路12を開閉する開閉弁40が設けられている。更に、庫内第一凝縮器6での熱交換により凝縮されたガス冷媒を流出させる第一流出経路13が共用経路15を介して受液器3に接続され、庫内第二凝縮器7での熱交換により凝縮されたガス冷媒を流出させる第二流出経路14が共用経路15を介して受液器3に接続されている。
また、三方弁30及び開閉弁40を開閉して庫内第一凝縮器6及び庫内第二凝縮器7を有効若しくは無効にする制御を行なうとともに、少なくとも庫内第一凝縮器6が有効のとき三方弁30の一方出口32を閉にする制御を行なう制御部(図示せず)が備えられている。
【0004】
この乾燥貯蔵システムSaを用いて、倉庫W内に収容物を収容した状態で収容物を乾燥させるとともに低温で貯蔵させるときは、以下のようにする。先ず、この乾燥貯蔵システムSaで乾燥させるときは、制御部(図示せず)により三方弁30と開閉弁40との開閉制御をし、圧縮機1→庫外凝縮器2→受液器3→膨張弁4→冷却器5の経路、圧縮機1→庫内第一凝縮器6→受液器3→膨張弁4→冷却器5の経路、圧縮機1→庫内第一凝縮器6及び庫内第二凝縮器7→受液器3→膨張弁4→冷却器5の経路の3つの経路の何れかを選択して行なう。この場合、庫内第一凝縮器6及び庫内第二凝縮器7が有効になるときは、冷却器5からの冷気が再加熱され、温度調整が行なわれる。この従来の乾燥貯蔵システムSaにおいては、倉庫内温度を10℃〜30℃の範囲で調整するようにしている。
【0005】
次に、この乾燥貯蔵システムSaを用いて、乾燥後に収容物を貯蔵するときは、制御部(図示せず)により、三方弁30の一方出口32を開にして他方出口33を閉にするとともに開閉弁40を閉にし、圧縮機1→庫外凝縮器2→受液器3→膨張弁4→冷却器5の経路のみを有効にして行なう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平7−127975号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、この従来の乾燥貯蔵システムSaにおいては、庫内第一凝縮器6及び/または庫内第二凝縮器7でガス冷媒を冷却凝縮してはいるが、ガス冷媒を一回凝縮しているだけなので、このガス冷媒は比較的高温であり、第一流出経路13及び第二流出経路14が受液器3に接続されているため、この比較的高温のガス冷媒が直接受液器3に入るようになり、このガス冷媒が冷却器5に送られるようになるので、冷却器5での熱交換効率が低下して冷却効果が低下し、そのため、倉庫W内の冷却が十分に行なわれず、それだけ、倉庫W内の除湿効果が十分に得られなくなって、収容物の乾燥及び貯蔵が十分に行なわれないという問題があった。
これを解消するために、即ち、受液器3に入るガス冷媒の温度を低くするために、三方弁30の一方出口32と他方出口33とを共に開にして庫外凝縮器2と、庫内第一凝縮器6及び/または庫内第二凝縮器7とでガス冷媒を二系統で凝縮することも考えられるが、ガス冷媒が2系統に分散されるので、ガス冷媒の流量が減少してしまい、それだけ、庫内第一凝縮器6及び/または庫内第二凝縮器7での再加熱効果が低下してしまうという欠点がある。
【0008】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので、庫内第一凝縮器及び庫内第二凝縮器で再加熱をしてもガス冷媒をその温度ができるだけ低温になるようにして冷却器に送ることができるようにし、冷却器での冷却効果を向上させ、除湿効果を向上させて収容物の乾燥及び貯蔵をより確実に行なうことができるようにした乾燥貯蔵システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このような目的を達成するため、本発明の乾燥貯蔵システムは、倉庫内に収容した収容物を倉庫内に収容した状態で乾燥するとともに乾燥後に低温で貯蔵する乾燥貯蔵システムにおいて、ガス冷媒を吐出する圧縮機と、倉庫外に設けられ該圧縮機から主吐出経路を通して吐出されたガス冷媒を冷却して凝縮液化する庫外凝縮器と、該庫外凝縮器で凝縮液化されたガス冷媒を受ける受液器と、該受液器からのガス冷媒を噴射する開度調整可能な膨張弁と、倉庫内に設けられ倉庫内の内気を取り込んで上記膨張弁から噴射されたガス冷媒との熱交換により冷却して倉庫内に吹き出すとともに該熱交換により温度上昇したガス冷媒を上記圧縮機に送る冷却器と、倉庫内に設けられ該冷却器から吹き出された吹出空気を取り込んで上記圧縮機から第一吐出経路を通して吐出されたガス冷媒との熱交換により加温して倉庫内に吹き出す庫内第一凝縮器と、倉庫内に設けられ上記庫内第一凝縮器から吹き出された吹出空気を取り込んで上記圧縮機から第二吐出経路を通して吐出されたガス冷媒との熱交換により更に加温して倉庫内に吹き出す庫内第二凝縮器とを備え、上記主吐出経路に該主吐出経路を開閉する主吐出経路開閉弁を介装し、上記第一吐出経路を上記主吐出経路の上記主吐出経路開閉弁より上流側から分岐して設け、該第一吐出経路に該第一吐出経路を開閉する第一吐出経路開閉弁を設け、上記第二吐出経路を上記主吐出経路の上記主吐出経路開閉弁より上流側から分岐して設け、該第二吐出経路に該第二吐出経路を開閉する第二吐出経路開閉弁を設け、上記庫内第一凝縮器での熱交換により凝縮されたガス冷媒を流出させる第一流出経路を上記主吐出経路の上記主吐出経路開閉弁より下流側に接続し、上記庫内第二凝縮器での熱交換により凝縮されたガス冷媒を流出させる第二流出経路を上記主吐出経路の上記主吐出経路開閉弁より下流側に接続し、上記庫内第一凝縮器及び庫内第二凝縮器から流出するガス冷媒を上記庫外凝縮器で冷却凝縮させるようにし、上記第一吐出経路開閉弁及び上記第二吐出経路開閉弁を開閉して上記庫内第一凝縮器及び庫内第二凝縮器を有効若しくは無効にする制御を行なうとともに少なくとも上記庫内第一凝縮器が有効のとき上記主吐出経路開閉弁を閉にする制御を行なう制御部を備えた構成としている。
【0010】
これにより、制御部は、第一吐出経路開閉弁及び第二吐出経路開閉弁を閉にして主吐出経路開閉弁を開にする制御(圧縮機→庫外凝縮器→受液器→膨張弁→冷却器の経路有効)と、第一吐出経路開閉弁及び第二吐出経路開閉弁を開にして主吐出経路開閉弁を閉にする制御(圧縮機→庫内第一凝縮器及び庫内第二凝縮器→庫外凝縮器→受液器→膨張弁→冷却器の経路有効)と、第一吐出経路開閉弁を開にするとともに第二吐出経路開閉弁を閉にして主吐出経路開閉弁を閉にする制御(圧縮機→庫内第一凝縮器→庫外凝縮器→受液器→膨張弁→冷却器の経路有効)との何れかを選択的に行なうようになる。即ち、制御部が第一吐出経路開閉弁及び第二吐出経路開閉弁を閉にして主吐出経路開閉弁を開にする制御を行なう冷却運転と、制御部が第一吐出経路開閉弁及び第二吐出経路開閉弁を開にして主吐出経路開閉弁を閉にする制御を行なう、または、第一吐出経路開閉弁を開にするとともに第二吐出経路開閉弁を閉にして主吐出経路開閉弁を閉にする制御を行なう再加熱運転の何れかを選択的に行なうようになる。この冷却運転と再加熱運転とを繰り返し行なうことにより、倉庫内に収容物を収容した状態で収容物を乾燥させ、その後、貯蔵状態にする。
この場合、再加熱運転においては、庫内第一凝縮器,庫内第二凝縮器からのガス冷媒は、必ず庫外凝縮器を通って更に凝縮されることになるので、庫内第一凝縮器及び庫内第二凝縮器が再加熱をしてもガス冷媒をその温度ができるだけ低温になるようにして冷却器に送ることができるようになり、そのため、冷却器での冷却効果が向上させられ、除湿効果が向上させられて収容物の乾燥及び貯蔵がより確実に行なわれる。
【0011】
詳しくは、先ず、制御部により、第一吐出経路開閉弁及び第二吐出経路開閉弁を閉にして庫内第一凝縮器及び庫内第二凝縮器を無効にするとともに主吐出経路開閉弁を開にし、冷却運転を行なう場合について説明すると、圧縮機を運転させて圧縮機から主吐出経路を通してガス冷媒を吐出させると、吐出されたガス冷媒は、主吐出経路開閉弁を通って主吐出経路から庫外凝縮器に送られ、ここで、倉庫外の外気と熱交換して冷却されて凝縮液化し、その後、受液器に送られて膨張弁に至り、膨張弁から噴射されて冷却器に送られる。このとき、膨張弁の開度を適宜に調整し、膨張弁から噴射されるガス冷媒の温度を調整する。この冷却器では、倉庫内の内気を取り込んでガス冷媒と熱交換させ、この熱交換によって内気は冷却されて倉庫内に吹き出され、これによって倉庫内が冷却される。また、冷却器で倉庫内の内気との熱交換により温度上昇したガス冷媒は圧縮機に送られ、圧縮機から吐出させられて、上記と同様のサイクルで循環させられる。このようにガス冷媒を循環させると、倉庫内が冷却されて倉庫内温度が低下していく。
【0012】
次に、制御部により、第一吐出経路開閉弁及び第二吐出経路開閉弁を開にして庫内第一凝縮器及び庫内第二凝縮器を有効にするとともに主吐出経路開閉弁を閉にし、再加熱運転を行なう場合について説明すると、冷却器から圧縮機に送られて圧縮機から主吐出経路を通して吐出されたガス冷媒は、主吐出経路から分岐した第一吐出経路及び第二吐出経路を通り、第一吐出経路開閉弁を通って庫内第一凝縮器に送られるとともに第二吐出経路開閉弁を通って庫内第二凝縮器に送られる。庫内第一凝縮器では、冷却器から吹き出された吹出空気を取り込んで圧縮機からのガス冷媒と熱交換させ、この熱交換によって吹出空気は再加熱されて倉庫内に吹き出される。また、庫内第一凝縮器で冷却器からの吹出空気との熱交換により冷却凝縮されたガス冷媒は、第一流出経路を通って主吐出経路開閉弁より下流側で主吐出経路に至り庫外凝縮器に送られる。庫内第二凝縮器では、庫内第一凝縮器から吹き出された吹出空気を取り込んで圧縮機からのガス冷媒と熱交換させ、この熱交換によって吹出空気は更に再加熱されて倉庫内に吹き出される。また、庫内第二凝縮器で庫内第一凝縮器からの吹出空気との熱交換により冷却凝縮されたガス冷媒は、第二流出経路を通って主吐出経路開閉弁より下流側で主吐出経路に至り、庫内第一凝縮器で冷却凝縮されたガス冷媒と合流して庫外凝縮器に送られる。この庫外凝縮器では、庫内第一凝縮器及び庫内第二凝縮器で冷却凝縮されたガス冷媒が、倉庫外の外気と熱交換して更に冷却されて凝縮される。その後、受液器に送られて膨張弁に至り、膨張弁から噴射されて冷却器に送られる。庫内第一凝縮器及び庫内第二凝縮器で一度冷却凝縮したガス冷媒を、庫外凝縮器で更に冷却凝縮するので、受液器に入るガス冷媒は、従来と比較して低温となる。
【0013】
次に、制御部により、第一吐出経路開閉弁を開にして庫内第一凝縮器を有効にし且つ第二吐出経路開閉弁を閉にして庫内第二凝縮器を無効にするとともに主吐出経路開閉弁を閉にして再加熱運転を行なう場合について説明すると、冷却器から圧縮機に送られて圧縮機から主吐出経路を通して吐出されたガス冷媒は、主吐出経路から分岐した第一吐出経路を通り、第一吐出経路開閉弁を通って庫内第一凝縮器に送られる。庫内第一凝縮器に送られたガス冷媒は、上記のように流れ、庫外凝縮器に送られる。この庫外凝縮器では、庫内第一凝縮器で冷却凝縮されたガス冷媒が、倉庫外の外気と熱交換して更に冷却されて凝縮される。その後、受液器に送られて膨張弁に至り、膨張弁から噴射されて冷却器に送られる。庫内第一凝縮器で一度冷却凝縮したガス冷媒を、庫外凝縮器で更に冷却凝縮するので、受液器に入るガス冷媒は、従来と比較して低温となる。
【0014】
このように、この乾燥貯蔵システムを用いて、倉庫内に収容物を収容した状態で収容物を乾燥させるときは、制御部によってガス冷媒の循環経路を可変させ、適宜に冷却運転と再加熱運転とを繰り返し行なって倉庫内を除湿し、これによって、倉庫内に収容された収容物を円滑に乾燥させることができる。また、この乾燥貯蔵システムを用いて、倉庫内に収容物を収容した状態で乾燥後に収容物を低温で貯蔵するときは、制御部により、倉庫内を低温に保つように適宜に冷却運転と再加熱運転とを切り換えて貯蔵する。
【0015】
上記のように、本発明の乾燥貯蔵システムは、庫内第一凝縮器及び/または庫内第二凝縮器で一度冷却凝縮したガス冷媒を、庫外凝縮器で更に冷却凝縮してから受液器に送るので、即ち、庫内第一凝縮器と庫外凝縮器とが直列の同一循環経路に設けられており、庫内第二凝縮器と庫外凝縮器とも直列の同一循環経路に設けられているため、受液器に入るガス冷媒は従来と比較して低温となり、庫内第一凝縮器及び/または庫内第二凝縮器が再加熱をしてもガス冷媒をその温度ができるだけ低温になるようにして冷却器に送ることができるようになることから、冷却器での熱交換効率が向上して冷却効果が向上し、そのため、倉庫内の冷却が十分に行なわれるようになり、それだけ、倉庫内の除湿効果を向上させることができ、収容物の乾燥及び貯蔵をより確実に行なうことができる。
【0016】
そして、必要に応じ、上記制御部を、収容物を乾燥させる乾燥モードから収容物を低温貯蔵する貯蔵モードに切り換えるモード切換手段と、上記乾燥モードにおいて倉庫内温度が第一設定温度TAになるように上記第一吐出経路開閉弁及び上記第二吐出経路開閉弁を開閉して上記庫内第一凝縮器及び庫内第二凝縮器を有効若しくは無効にする制御を行なうとともに少なくとも上記庫内第一凝縮器が有効のとき上記主吐出経路開閉弁を閉にする制御を行なう乾燥制御手段と、上記貯蔵モードにおいて倉庫内温度が第一設定温度TAより低温の第二設定温度TBになるように且つ倉庫内湿度が設定湿度H以下になるように上記第一吐出経路開閉弁及び上記第二吐出経路開閉弁を開閉して上記庫内第一凝縮器及び庫内第二凝縮器を有効若しくは無効にする制御を行なうとともに少なくとも上記庫内第一凝縮器が有効のとき上記主吐出経路開閉弁を閉にする制御を行なう貯蔵制御手段とを備えて構成している。
【0017】
これにより、制御部は、先ず、乾燥モードになり乾燥制御手段を行なう。この乾燥制御手段では、倉庫内温度が第一設定温度TAになるように、冷却運転と再加熱運転とを切り換えて行なうので、倉庫内温度を常時第一設定温度TA付近に保つことができるとともに、第一設定温度TAを設定しておくだけで自動的に冷却運転と再加熱運転との切り換えを行なうようになるので、冷却運転と再加熱運転との切り換えを容易に行なうことができる。そして、収容物の乾燥後、モード切換手段により、乾燥モードから貯蔵モードに切り換えて貯蔵制御手段を行なう。この貯蔵制御手段では、倉庫内温度が第二設定温度TBになるように且つ倉庫内湿度が設定湿度H以下になるように、冷却運転と再加熱運転とを切り換えて行なうので、倉庫内温度を常時第二設定温度TB付近に保つことができるとともに倉庫内湿度を設定湿度H以下に保つことができる。また、第二設定温度TB及び設定湿度Hを設定しておくだけで自動的に冷却運転と再加熱運転との切り換えを行なうようになるので、冷却運転と再加熱運転との切り換えを容易に行なうことができる。即ち、モード切換手段により、乾燥モードから貯蔵モードに自動的に切り換わるので、乾燥及び貯蔵を容易且つ確実に行なうことができる。また、貯蔵モードにおいては、倉庫内湿度を考慮して制御を行なっているので、貯蔵環境を極めて良好なものに保持することができる。
【0018】
また、必要に応じ、上記乾燥制御手段は、倉庫内温度が第一設定温度TAよりも高温のとき上記第一吐出経路開閉弁及び上記第二吐出経路開閉弁を閉にして上記庫内第一凝縮器及び庫内第二凝縮器を無効にするとともに上記主吐出経路開閉弁を開にし、倉庫内温度が第一設定温度TAよりも低温のとき上記第一吐出経路開閉弁及び上記第二吐出経路開閉弁を開にして上記庫内第一凝縮器及び庫内第二凝縮器を有効にするとともに上記主吐出経路開閉弁を閉にする制御を行なう構成としている。
【0019】
これにより、倉庫内温度が第一設定温度TAよりも高温のときは、第一吐出経路開閉弁及び第二吐出経路開閉弁を閉にして主吐出経路開閉弁を開にし、冷却運転を行なって倉庫内を冷却して、倉庫内温度が第一設定温度TAになるように温度低下させる。そして、倉庫内温度が第一設定温度TAよりも低温のときは、第一吐出経路開閉弁及び第二吐出経路開閉弁を開にして主吐出経路開閉弁を閉にし、再加熱運転を行なって倉庫内温度が第一設定温度TAになるようにする。即ち、倉庫内温度を常時第一設定温度TA付近に保つことができるとともに、第一設定温度TAを設定しておくだけで自動的に冷却運転と再加熱運転との切り換えを行なうようになるので、冷却運転と再加熱運転との切り換えを容易に行なうことができる。また、収容物を乾燥させるときには、倉庫内温度をある程度高温に保つことが望ましいので、第一設定温度TAをある程度高温に設定しておくが、庫内第一凝縮器及び庫内第二凝縮器を有効にしているので、倉庫内温度を適正な温度にすることができる。
【0020】
更に、必要に応じ、上記貯蔵制御手段は、倉庫内温度が第二設定温度TBよりも高温のとき上記第一吐出経路開閉弁及び上記第二吐出経路開閉弁を閉にして上記庫内第一凝縮器及び庫内第二凝縮器を無効にするとともに上記主吐出経路開閉弁を開にし、倉庫内温度が第二設定温度TBよりも低温且つ倉庫内湿度が設定湿度Hよりも高いとき上記第一吐出経路開閉弁を開にして上記庫内第一凝縮器を有効にし且つ上記第二吐出経路開閉弁を閉にして上記庫内第二凝縮器を無効にするとともに上記主吐出経路開閉弁を閉にし、倉庫内温度が第二設定温度TBよりも低温且つ倉庫内湿度が設定湿度H以下のとき上記第一吐出経路開閉弁及び上記第二吐出経路開閉弁を閉にして上記庫内第一凝縮器及び庫内第二凝縮器を無効にするとともに上記主吐出経路開閉弁を閉にする制御を行なう構成としている。
【0021】
これにより、倉庫内温度が第二設定温度TBよりも高温のときは、第一吐出経路開閉弁及び第二吐出経路開閉弁を閉にして主吐出経路開閉弁を開にし、冷却運転を行なって倉庫内を冷却して、倉庫内温度が第二設定温度TBになるように温度低下させる。そして、倉庫内温度が第二設定温度TBよりも低温且つ倉庫内湿度が設定湿度Hよりも高いときは、第一吐出経路開閉弁を開にして第二吐出経路開閉弁を閉にするとともに主吐出経路開閉弁を閉にし、再加熱運転を行なって倉庫内温度が第二設定温度TBになるようにする。また、倉庫内温度が第二設定温度TBよりも低温且つ倉庫内湿度が設定湿度H以下になったときは、第一吐出経路開閉弁及び第二吐出経路開閉弁を閉にして主吐出経路開閉弁を閉にし、全ての経路を遮断してシステムを停止させる。即ち、倉庫内温度を常時第二設定温度TB付近に保つことができるとともに倉庫内湿度を設定湿度H以下に保つことができる。また、第二設定温度TB及び設定湿度Hを設定しておくだけで自動的に冷却運転と再加熱運転との切り換えを行なうようになるので、冷却運転と再加熱運転との切り換えを容易に行なうことができる。
【0022】
更にまた、必要に応じ、上記モード切換手段を、上記乾燥モードを所定時間行なわせるタイマーを備えて構成している。
これにより、所定時間を経過すると、モード切換手段によって、乾燥モードから貯蔵モードに自動的に切り換えられるので、モード切り換えを容易に行なうことができるようになる。
【0023】
そして、また、必要に応じ、上記第一設定温度TAを31℃以上に設定可能にした構成としている。例えば、31℃以上40℃まで設定可能にしている。
これにより、収容物を乾燥させる際に、倉庫内温度を、従来に比較してより高温に保つことができるので、乾燥効率を向上させることができる。
【0024】
更に、必要に応じ、上記第二設定温度TBを±0℃以下に設定可能にした構成としている。例えば、−1℃以下−3℃まで設定可能にしている。
これにより、収容物を貯蔵する際に、倉庫内温度を、従来に比較してより低温に保つことができ、例えば、収容物を±0℃以下にして貯蔵することができるので、貯蔵性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明の乾燥貯蔵システムによれば、制御部が第一吐出経路開閉弁及び第二吐出経路開閉弁を閉にして主吐出経路開閉弁を開にする制御(圧縮機→庫外凝縮器→受液器→膨張弁→冷却器の経路有効)を行なう冷却運転と、制御部が第一吐出経路開閉弁及び第二吐出経路開閉弁を開にして主吐出経路開閉弁を閉にする制御(圧縮機→庫内第一凝縮器及び庫内第二凝縮器→庫外凝縮器→受液器→膨張弁→冷却器の経路有効)を行なう、または、第一吐出経路開閉弁を開にするとともに第二吐出経路開閉弁を閉にして主吐出経路開閉弁を閉にする制御(圧縮機→庫内第一凝縮器→庫外凝縮器→受液器→膨張弁→冷却器の経路有効)を行なう再加熱運転の何れかを選択的に行ない、この冷却運転と再加熱運転とを繰り返し行なうことにより、倉庫内に収容物を収容した状態で収容物を乾燥させ、その後、貯蔵状態にする。
【0026】
この場合、再加熱運転においては、庫内第一凝縮器及び/または庫内第二凝縮器で一度冷却凝縮したガス冷媒を、庫外凝縮器で更に冷却凝縮してから受液器に送るので、即ち、庫内第一凝縮器と庫外凝縮器とが直列の同一循環経路に設けられており、庫内第二凝縮器と庫外凝縮器とも直列の同一循環経路に設けられているため、受液器に入るガス冷媒は従来と比較して低温となり、庫内第一凝縮器及び/または庫内第二凝縮器が再加熱をしてもガス冷媒をその温度ができるだけ低温になるようにして冷却器に送ることができるようになることから、冷却器での熱交換効率が向上して冷却効果が向上し、そのため、倉庫内の冷却が十分に行なわれるようになり、それだけ、倉庫内の除湿効果を向上させることができ、収容物の乾燥及び貯蔵をより確実に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施の形態に係る乾燥貯蔵システムを示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る乾燥貯蔵システムの制御部を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る乾燥貯蔵システムの作用を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態に係る乾燥貯蔵システムを示し、乾燥制御手段及び貯蔵制御手段において冷却運転を行なう場合のブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る乾燥貯蔵システムを示し、乾燥制御手段において再加熱運転を行なう場合のブロック図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る乾燥貯蔵システムを示し、貯蔵制御手段において再加熱運転を行なう場合のブロック図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る乾燥貯蔵システムを停止させた場合を示すブロック図である。
【図8】従来の乾燥貯蔵システムの一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付図面に基づいて本発明の実施の形態に係る乾燥貯蔵システムを説明する。尚、上記と同様のものには同一の符号を付して説明する。
図1乃至図7には、本発明の実施の形態に係る乾燥貯蔵システムSを示している。本システムSは、農作物等の収容物を倉庫W内に収容した状態で乾燥するとともに乾燥後に低温で貯蔵するものであり、ガス冷媒を吐出する圧縮機1と、倉庫W外に設けられ圧縮機1から主吐出経路10を通して吐出されたガス冷媒を冷却して凝縮液化する庫外凝縮器2と、庫外凝縮器2で凝縮液化されたガス冷媒を受ける受液器3と、受液器3からのガス冷媒を噴射する開度調整可能な膨張弁4と、倉庫W内に設けられ倉庫W内の内気を取り込んで膨張弁4から噴射されたガス冷媒との熱交換により冷却して倉庫W内に吹き出すとともに熱交換により温度上昇したガス冷媒を圧縮機1に送る冷却器5と、倉庫W内に設けられ冷却器5から吹き出された吹出空気を取り込んで圧縮機1から第一吐出経路11を通して吐出されたガス冷媒との熱交換により加温して倉庫W内に吹き出す庫内第一凝縮器6と、倉庫W内に設けられ庫内第一凝縮器6から吹き出された吹出空気を取り込んで圧縮機1から第二吐出経路12を通して吐出されたガス冷媒との熱交換により更に加温して倉庫W内に吹き出す庫内第二凝縮器7とを備えて構成されている。
【0029】
主吐出経路10には主吐出経路10を開閉する主吐出経路開閉弁V1が介装され、第一吐出経路11には第一吐出経路11を開閉する第一吐出経路開閉弁V2が設けられ、第二吐出経路12には第二吐出経路12を開閉する第二吐出経路開閉弁V3が設けられている。
【0030】
第一吐出経路11は主吐出経路10の主吐出経路開閉弁V1より上流側から分岐して設けられ、この第一吐出経路11を通って庫内第一凝縮器6に送られ庫内第一凝縮器6での熱交換により凝縮されたガス冷媒を流出させる第一流出経路13が主吐出経路10の主吐出経路開閉弁V1より下流側に接続されている。また、第二吐出経路12は主吐出経路10の主吐出経路開閉弁V1より上流側であって主吐出経路10と第一吐出経路11との分岐点より下流側から分岐して設けられ、この第二吐出経路12を通って庫内第二凝縮器7に送られ庫内第二凝縮器7での熱交換により凝縮されたガス冷媒を流出させる第二流出経路14が主吐出経路10の主吐出経路開閉弁V1より下流側に接続されている。実施の形態では、第一流出経路13は共用経路15を介して主吐出経路10に接続されており、第二流出経路14は共用経路15を介して主吐出経路10に接続されている。この第一流出経路13及び第二流出経路14を通して庫内第一凝縮器6及び庫内第二凝縮器7から流出するガス冷媒を庫外凝縮器2で更に冷却凝縮させるようにしている。
【0031】
更に、庫外凝縮器2には、庫外凝縮器2で倉庫W外の外気を取り込んでガス冷媒との熱交換により加温され倉庫W外に吹き出された吹出空気を、倉庫W外に送る庫外ファン8が設けられている。更にまた、倉庫W内には、冷却器5,庫内第一凝縮器6,庫内第二凝縮器7から倉庫W内に吹き出された吹出空気を、倉庫W内で循環させる庫内ファン9が設けられている。
【0032】
また、本乾燥貯蔵システムSは、第一吐出経路開閉弁V2及び第二吐出経路開閉弁V3を開閉して庫内第一凝縮器6及び庫内第二凝縮器7を有効若しくは無効にする制御を行なうとともに少なくとも庫内第一凝縮器6が有効のとき主吐出経路開閉弁V1を閉にする制御を行なう制御部20を備えている。
【0033】
制御部20は、収容物を乾燥させる乾燥モードから収容物を低温貯蔵する貯蔵モードに切り換えるモード切換手段21と、乾燥モードにおいて倉庫内温度が第一設定温度TAになるように第一吐出経路開閉弁V2及び第二吐出経路開閉弁V3を開閉して庫内第一凝縮器6及び庫内第二凝縮器7を有効若しくは無効にする制御を行なうとともに少なくとも庫内第一凝縮器6が有効のとき主吐出経路開閉弁V1を閉にする制御を行なう乾燥制御手段22と、貯蔵モードにおいて倉庫内温度が第一設定温度TAより低温の第二設定温度TBになるように且つ倉庫内湿度が設定湿度H以下になるように第一吐出経路開閉弁V2及び第二吐出経路開閉弁V3を開閉して庫内第一凝縮器6及び庫内第二凝縮器7を有効若しくは無効にする制御を行なうとともに少なくとも庫内第一凝縮器6が有効のとき主吐出経路開閉弁V1を閉にする制御を行なう貯蔵制御手段23とを備えて構成されている。
【0034】
モード切換手段21は、乾燥モードを所定時間行なわせるタイマー(図示せず)を備えて構成されている。乾燥モードを行なわせる時間を設定し、タイマー(図示せず)が所定時間の終了を検知したとき、乾燥モードを終了させ、その後、乾燥モードから貯蔵モードに切り換える。
【0035】
乾燥制御手段22は、倉庫内温度が第一設定温度TAよりも高温のとき第一吐出経路開閉弁V2及び第二吐出経路開閉弁V3を閉にして庫内第一凝縮器6及び庫内第二凝縮器7を無効にするとともに主吐出経路開閉弁V1を開にし、倉庫内温度が第一設定温度TAよりも低温のとき第一吐出経路開閉弁V2及び第二吐出経路開閉弁V3を開にして庫内第一凝縮器6及び庫内第二凝縮器7を有効にするとともに主吐出経路開閉弁V1を閉にする制御を行なう。この乾燥制御手段22が第一吐出経路開閉弁V2及び第二吐出経路開閉弁V3を閉にして庫内第一凝縮器6及び庫内第二凝縮器7を無効にするとともに主吐出経路開閉弁V1を開にする制御(圧縮機1→庫外凝縮器2→受液器3→膨張弁4→冷却器5の経路有効)を行なうと冷却運転を行なうようになり、乾燥制御手段22が第一吐出経路開閉弁V2及び第二吐出経路開閉弁V3を開にして庫内第一凝縮器6及び庫内第二凝縮器7を有効にするとともに主吐出経路開閉弁V1を閉にする制御(圧縮機1→庫内第一凝縮器6及び庫内第二凝縮器7→庫外凝縮器2→受液器3→膨張弁4→冷却器5の経路有効)を行なうと再加熱運転を行なうようになる。この冷却運転と再加熱運転の何れかを選択的に行なう。この乾燥制御手段22は、倉庫W内の所定位置に設置され倉庫W内の温度を検知する温度センサ(図示せず)の検知に基づいて行なわれる。
【0036】
貯蔵制御手段23は、倉庫内温度が第二設定温度TBよりも高温のとき第一吐出経路開閉弁V2及び第二吐出経路開閉弁V3を閉にして庫内第一凝縮器6及び庫内第二凝縮器7を無効にするとともに主吐出経路開閉弁V1を開にし、倉庫内温度が第二設定温度TBよりも低温且つ倉庫内湿度が設定湿度Hよりも高いとき第一吐出経路開閉弁V2を開にして庫内第一凝縮器6を有効にし且つ第二吐出経路開閉弁V3を閉にして庫内第二凝縮器7を無効にするとともに主吐出経路開閉弁V1を閉にし、倉庫内温度が第二設定温度TBよりも低温且つ倉庫内湿度が設定湿度H以下のとき第一吐出経路開閉弁V2及び第二吐出経路開閉弁V3を閉にして庫内第一凝縮器6及び庫内第二凝縮器7を無効にするとともに主吐出経路開閉弁V1を閉にする制御を行なう。この貯蔵制御手段23が第一吐出経路開閉弁V2及び第二吐出経路開閉弁V3を閉にして庫内第一凝縮器6及び庫内第二凝縮器7を無効にするとともに主吐出経路開閉弁V1を開にする制御(圧縮機1→庫外凝縮器2→受液器3→膨張弁4→冷却器5の経路有効)を行なうと冷却運転を行なうようになり、貯蔵制御手段23が第一吐出経路開閉弁V2を開にして庫内第一凝縮器6を有効にし且つ第二吐出経路開閉弁V3を閉にして庫内第二凝縮器7を無効にするとともに主吐出経路開閉弁V1を閉にする制御(圧縮機1→庫内第一凝縮器6→庫外凝縮器2→受液器3→膨張弁4→冷却器5の経路有効)を行なうと再加熱運転を行なうようになる。この冷却運転と再加熱運転の何れかを選択的に行なう。この貯蔵制御手段23は、温度センサ(図示せず)及び倉庫W内の所定位置に設置され倉庫W内の湿度を検知する湿度センサ(図示せず)の検知に基づいて行なわれる。
【0037】
また、本乾燥貯蔵システムSにおいては、第一設定温度TAが31℃以上に設定可能であり、第二設定温度TBが±0℃以下に設定可能である。
【0038】
従って、この実施の形態に係る乾燥貯蔵システムSを用いて、倉庫W内に収容された収容物を乾燥及び貯蔵するときは、以下のようにする。
玉葱やにんにく等の農作物等からなる収容物を倉庫W内に収容し、収容物が倉庫W内に収容された状態で、本システムSを作動させ、冷却運転と再加熱運転とを繰り返し行なって、収容物を倉庫内に収容した状態で乾燥させ、その後、貯蔵状態にする。以下に、本システムSの作用を、図3に示すフローチャートに従って説明する。
【0039】
本乾燥貯蔵システムSは、制御部20により、先ず、乾燥モードに入る(S−1)。ここで、第一設定温度TAを設定しておく。収容する収容物によって乾燥に係る適温があるが、本システムSは第一設定温度TAが31℃以上に設定可能であるので、収容する収容物に対応した適温に設定することができ、それだけ、乾燥効率を向上させることができる。次に、乾燥モードを行なわせる時間をタイマー設定する(S−2)。これにより乾燥モードが作動する。
【0040】
乾燥モードが作動すると、倉庫W内に設置された温度センサ(図示せず)が倉庫内温度を検知し、この検知に基づいて、制御部20は乾燥制御手段22を行なう。
詳しくは、温度センサ(図示せず)が検知した倉庫内温度が第一設定温度TAよりも高温のときは(S−3NO)、第一吐出経路開閉弁V2及び第二吐出経路開閉弁V3を閉にして庫内第一凝縮器6及び庫内第二凝縮器7を無効にするとともに主吐出経路開閉弁V1を開にし、冷却運転を行なう(S−4)。圧縮機1を運転させると、図4に示すように、圧縮機1から主吐出経路10を通して吐出されたガス冷媒は、主吐出経路開閉弁V1を通って主吐出経路10から庫外凝縮器2に送られる。この庫外凝縮器2では、倉庫W外の外気を取り込んで圧縮機1から吐出されたガス冷媒との熱交換により外気を加温して倉庫W外に吹き出し、この吹出空気を庫外ファン8によって倉庫W外に送る。また、圧縮機1から吐出されたガス冷媒は、倉庫W外の外気と熱交換して冷却されて凝縮液化し、その後、受液器3に送られて膨張弁4に至り、膨張弁4から噴射されて冷却器5に送られる。このとき、膨張弁4の開度を適宜に調整し、膨張弁4から噴射されるガス冷媒の温度を調整する。この冷却器5では、倉庫W内の内気を取り込んでガス冷媒と熱交換させ、この熱交換によって内気は冷却されて倉庫W内に吹き出され、この吹出空気を庫内ファン9によって倉庫W内に循環させ、これによって倉庫W内が冷却される。また、冷却器5で倉庫W内の内気との熱交換により温度上昇したガス冷媒は圧縮機1に送られ、圧縮機1から吐出させられて、上記と同様のサイクルで循環させられる。このようにガス冷媒を循環させると、倉庫W内が冷却されて倉庫内温度が第一設定温度TAになるように低下していく。
【0041】
そして、温度センサ(図示せず)が検知した倉庫内温度が第一設定温度TAよりも低温になると(S−3YES)、第一吐出経路開閉弁V2及び第二吐出経路開閉弁V3を開にして庫内第一凝縮器6及び庫内第二凝縮器7を有効にするとともに主吐出経路開閉弁V1を閉にし、再加熱運転を行なう(S−5)。冷却器5から圧縮機1に送られて圧縮機1から主吐出経路10を通して吐出されたガス冷媒は、図5に示すように、主吐出経路10から分岐した第一吐出経路11を通り第一吐出経路開閉弁V2を通って庫内第一凝縮器6に送られるとともに、主吐出経路10と第一吐出経路11との分岐点より下流側から分岐して設けられた第二吐出経路12を通り第二吐出経路開閉弁V3を通って庫内第二凝縮器7に送られる。
【0042】
庫内第一凝縮器6では、冷却器5から吹き出された吹出空気を取り込んで圧縮機1からのガス冷媒と熱交換させ、この熱交換によって冷却器5からの吹出空気は再加熱されて倉庫W内に吹き出し、この吹出空気を庫内ファン9によって倉庫W内に循環させる。また、庫内第一凝縮器6で冷却器5からの吹出空気との熱交換により冷却凝縮されたガス冷媒は、第一流出経路13を通って主吐出経路開閉弁V1より下流側で主吐出経路10に至り庫外凝縮器2に送られる。
【0043】
一方、庫内第二凝縮器7では、庫内第一凝縮器6から吹き出された吹出空気を取り込んで圧縮機1からのガス冷媒と熱交換させ、この熱交換によって吹出空気は更に再加熱されて倉庫W内に吹き出し、この吹出空気を庫内ファン9によって倉庫W内に循環させる。また、庫内第二凝縮器7で庫内第一凝縮器6からの吹出空気との熱交換により冷却凝縮されたガス冷媒は、第二流出経路14を通って主吐出経路開閉弁V1より下流側で主吐出経路10に至り、庫内第一凝縮器6で冷却凝縮されたガス冷媒と合流して庫外凝縮器2に送られる。本実施の形態では、庫内第二凝縮器7からのガス冷媒は、第二流出経路14を通って共用経路15で第一流出経路13からのガス冷媒と合流し、共用経路15を通って主吐出経路10に至り、庫外凝縮器2に送られる。
【0044】
この庫外凝縮器2では、倉庫W外の外気を取り込んで庫内第一凝縮器6及び庫内第二凝縮器7で冷却凝縮されたガス冷媒との熱交換により外気を加温して倉庫W外に吹き出し、この吹出空気を庫外ファン8によって倉庫W外に送る。また、庫内第一凝縮器6及び庫内第二凝縮器7で冷却凝縮されたガス冷媒は、倉庫W外の外気と熱交換して更に冷却されて凝縮される。その後、受液器3に送られて膨張弁4に至り、膨張弁4から噴射されて冷却器5に送られ、上記と同様のサイクルで循環させられる。この場合、庫内第一凝縮器6及び庫内第二凝縮器7で一度冷却凝縮したガス冷媒を、庫外凝縮器2で更に冷却凝縮するので、受液器3に入るガス冷媒は、従来と比較して低温となる。
【0045】
そして、温度センサ(図示せず)が検知した倉庫内温度が第一設定温度TAよりも高温になると(S−3NO)、再び第一吐出経路開閉弁V2及び第二吐出経路開閉弁V3を閉にして庫内第一凝縮器6及び庫内第二凝縮器7を無効にするとともに主吐出経路開閉弁V1を開にし、冷却運転を行なう。このように、倉庫内温度が第一設定温度TAになるように、温度センサ(図示せず)の検知に基づいてガス冷媒の循環経路を可変させて冷却運転と再加熱運転とを行なって倉庫W内を除湿し、これによって、倉庫W内に収容された収容物を円滑に乾燥させることができる。
【0046】
この乾燥制御手段22においては、倉庫内温度を常時第一設定温度TA付近に保つことができるとともに、第一設定温度TAを設定しておくだけで自動的に冷却運転と再加熱運転との切り換えを行なうようになるので、冷却運転と再加熱運転との切り換えを容易に行なうことができる。また、収容物を乾燥させるときには、倉庫内温度をある程度高温に保つことが望ましいので、第一設定温度TAをある程度高温に設定しておくが、庫内第一凝縮器6及び庫内第二凝縮器7を有効にしているので、倉庫内温度を適正な温度にすることができる。
【0047】
乾燥制御手段22により冷却運転と再加熱運転とを繰り返して、タイマー(図示せず)が所定時間の終了を検知するまで乾燥モードを行なう(S−6NO)。そして、タイマー(図示せず)が所定時間の終了を検知すると(S−6YES)、第一吐出経路開閉弁V2及び第二吐出経路開閉弁V3を閉にして庫内第一凝縮器6及び庫内第二凝縮器7を無効にするとともに主吐出経路開閉弁V1を閉にし、全ての経路を遮断してシステムSを停止させ、乾燥モードを終了する(S−7)。
【0048】
そして、モード切換手段21により、乾燥モードから貯蔵モードに切り換える(S−8)。所定時間を経過すると、モード切換手段21によって、乾燥モードから貯蔵モードに自動的に切り換えられるので、モード切り換えを容易に行なうことができるようになる。ここで、第二設定温度TB及び設定湿度Hを設定しておく。尚、第二設定温度TB及び設定湿度Hの設定は、乾燥モード作動前に予め行なっておいても良い。収容する収容物によって貯蔵に係る適温があるが、本システムSは第二設定温度TBが±0℃以下に設定可能であるので、例えば、収容物を±0℃以下にして貯蔵することができ、収容する収容物に対応した適温に設定することができるので、貯蔵性を向上させることができる。これにより、貯蔵モードが作動する。
【0049】
貯蔵モードが作動すると、倉庫W内に設置された温度センサ(図示せず)が倉庫内温度を検知するとともに、倉庫W内に設置された湿度センサ(図示せず)が倉庫内湿度を検知する。この検知に基づいて、制御部20は貯蔵制御手段23を行なう。
詳しくは、湿度センサ(図示せず)が検知した倉庫内湿度が設定湿度Hよりも高く(S−9NO)、温度センサ(図示せず)が検知した倉庫内温度が第二設定温度TBよりも高温のときは(S−10NO)、第一吐出経路開閉弁V2及び第二吐出経路開閉弁V3を閉にして庫内第一凝縮器6及び庫内第二凝縮器7を無効にするとともに主吐出経路開閉弁V1を開にし、冷却運転を行なう(S−11)。圧縮機1を運転させると、図4に示すように、ガス冷媒は上記と同様に循環させられる。このようにガス冷媒を循環させると、倉庫W内が冷却されて倉庫内温度が第二設定温度TBになるように低下していく。
【0050】
そして、湿度センサ(図示せず)が検知した倉庫内湿度が設定湿度Hよりも高く(S−9NO)、温度センサ(図示せず)が検知した倉庫内温度が第二設定温度TBよりも低温になると(S−10YES)、第一吐出経路開閉弁V2を開にして庫内第一凝縮器6を有効にし且つ第二吐出経路開閉弁V3を閉にして庫内第二凝縮器7を無効にするとともに主吐出経路開閉弁V1を閉にして再加熱運転を行なう(S−12)。冷却器5から圧縮機1に送られて圧縮機1から主吐出経路10を通して吐出されたガス冷媒は、図6に示すように、主吐出経路10から分岐した第一吐出経路11を通り、第一吐出経路開閉弁V2を通って庫内第一凝縮器6に送られる。この庫内第一凝縮器6では、冷却器5から吹き出された吹出空気を取り込んで圧縮機1からのガス冷媒と熱交換させ、この熱交換によって吹出空気は加温されて倉庫W内に吹き出し、この吹出空気を庫内ファン9によって倉庫W内に循環させる。また、庫内第一凝縮器6で冷却器5からの吹出空気との熱交換により冷却凝縮されたガス冷媒は、第一流出経路13を通って主吐出経路開閉弁V1より下流側で主吐出経路10に至り庫外凝縮器2に送られる。この庫外凝縮器2では、庫内第一凝縮器6で冷却凝縮されたガス冷媒が、倉庫W外の外気と熱交換して更に冷却されて凝縮される。その後、受液器3に送られて膨張弁4に至り、膨張弁4から噴射されて冷却器5に送られる。この場合、庫内第一凝縮器6で一度冷却凝縮したガス冷媒を、庫外凝縮器2で更に冷却凝縮するので、受液器3に入るガス冷媒は、従来と比較して低温となる。
【0051】
そして、湿度センサ(図示せず)が検知した倉庫内湿度が設定湿度Hよりも高く(S−9NO)、温度センサ(図示せず)が検知した倉庫内温度が第二設定温度TBよりも高温になると(S−10NO)、再び第一吐出経路開閉弁V2及び第二吐出経路開閉弁V3を閉にして庫内第一凝縮器6及び庫内第二凝縮器7を無効にするとともに主吐出経路開閉弁V1を開にし、冷却運転を行なう。このように、倉庫内温度が第二設定温度TBになるように且つ倉庫内湿度が設定湿度H以下になるように、温度センサ及び湿度センサの検知に基づいてガス冷媒の循環経路を可変させて冷却運転と再加熱運転とを行なって倉庫W内を除湿するとともに、倉庫内温度を第二設定温度TB付近に保つことができる。
【0052】
そして、上記のサイクルでガス冷媒を循環させることにより倉庫W内が除湿され、倉庫内湿度が低下していき、湿度センサ(図示せず)が検知した倉庫内湿度が設定湿度H以下になり(S−9YES)、温度センサ(図示せず)が検知した倉庫内温度が第二設定温度TBよりも高温になると(S−13NO)、第一吐出経路開閉弁V2及び第二吐出経路開閉弁V3を閉にして庫内第一凝縮器6及び庫内第二凝縮器7を無効にするとともに主吐出経路開閉弁V1を開にし、冷却運転を行なう(S−11)。そして、図4に示すように、ガス冷媒は上記と同様に循環させられる。このようにガス冷媒を循環させると、倉庫W内が冷却されて倉庫内温度が第二設定温度TBになるように低下していく。
【0053】
そして、湿度センサ(図示せず)が検知した倉庫内湿度が設定湿度H以下になり(S−9YES)、温度センサ(図示せず)が検知した倉庫内温度が第二設定温度TBよりも低温になると(S−13YES)、第一吐出経路開閉弁V2及び第二吐出経路開閉弁V3を閉にして庫内第一凝縮器6及び庫内第二凝縮器7を無効にするとともに主吐出経路開閉弁V1を閉にし、図7に示すように、全ての経路を遮断してシステムSを停止させ、貯蔵モードを終了する(S−14)。
【0054】
貯蔵モード終了後は、倉庫内温度が第二設定温度TBよりも低温且つ倉庫内湿度が設定湿度H以下の状態を保持することになるが、収容物が農作物等の場合、収容物が呼吸すること等により、倉庫W内の温度や湿度が上昇してくる場合がある。この場合、温度センサ及び湿度センサの検知に基づいて貯蔵制御手段23が再び作動し、上記と同様に冷却運転と再加熱運転とを繰り返して行なう。
【0055】
このように、倉庫内温度が第二設定温度TBになるように且つ倉庫内湿度が設定湿度H以下になるように、温度センサ(図示せず)及び湿度センサ(図示せず)の検知に基づいてガス冷媒の循環経路を可変させて冷却運転と再加熱運転とを行なうことで、倉庫内温度を常時第二設定温度TB付近に保つことができるとともに、倉庫W内の除湿が行なわれて倉庫内湿度を設定湿度H以下に保つことができ、倉庫W内に収容された収容物を低温で貯蔵することができる。また、貯蔵モードにおいては、倉庫内湿度を考慮して制御を行なっているので、貯蔵環境を極めて良好なものに保持することができる。
【0056】
この貯蔵制御手段23においては、第二設定温度TB及び設定湿度Hを設定しておくだけで自動的に冷却運転と再加熱運転との切り換えを行なうようになるので、冷却運転と再加熱運転との切り換えを容易に行なうことができる。
【0057】
上記のように、本発明の乾燥貯蔵システムSは、庫内第一凝縮器6及び/または庫内第二凝縮器7で一度冷却凝縮したガス冷媒を、庫外凝縮器2で更に冷却凝縮してから受液器3に送るので、即ち、庫内第一凝縮器6と庫外凝縮器2とが直列の同一循環経路に設けられており、庫内第二凝縮器7と庫外凝縮器2とも直列の同一循環経路に設けられているため、受液器3に入るガス冷媒は従来と比較して低温となり、庫内第一凝縮器6及び/または庫内第二凝縮器7が再加熱をしてもガス冷媒をその温度ができるだけ低温になるようにして冷却器5に送ることができるようになることから、冷却器5での熱交換効率が向上して冷却効果が向上し、そのため、倉庫W内の冷却が十分に行なわれるようになり、それだけ、倉庫W内の除湿効果を向上させることができ、収容物の乾燥及び貯蔵をより確実に行なうことができる。また、モード切換手段21により、乾燥モードから貯蔵モードに自動的に切り換わるので、乾燥及び貯蔵を容易且つ確実に行なうことができる。
【0058】
尚、上記実施の形態において、第一流出経路13を共用経路15を介して主吐出経路10に接続し、第二流出経路14を共用経路15を介して主吐出経路10に接続したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、第一流出経路13を主吐出経路10の主吐出経路開閉弁V1より下流側に接続し、第二流出経路14を主吐出経路10の主吐出経路開閉弁V1より下流側に接続しても良く、適宜変更して差支えない。
また、上記実施の形態において、主吐出経路10に主吐出経路開閉弁V1を介装し、第一吐出経路11に第一吐出経路開閉弁V2を設けたが、必ずしもこれに限定されるものではなく、従来例の如く、主吐出経路10に三方弁を介装しても良く、適宜変更して差支えない。
更に、上記実施の形態において、モード切換手段21を、タイマー(図示せず)を備えて構成したが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0059】
S 乾燥貯蔵システム
W 倉庫
V1 主吐出経路開閉弁
V2 第一吐出経路開閉弁
V3 第二吐出経路開閉弁
1 圧縮機
2 庫外凝縮器
3 受液器
4 膨張弁
5 冷却器
6 庫内第一凝縮器
7 庫内第二凝縮器
8 庫外ファン
9 庫内ファン
10 主吐出経路
11 第一吐出経路
12 第二吐出経路
13 第一流出経路
14 第二流出経路
15 共用経路
20 制御部
21 モード切換手段
22 乾燥制御手段
23 貯蔵制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
倉庫内に収容した収容物を倉庫内に収容した状態で乾燥するとともに乾燥後に低温で貯蔵する乾燥貯蔵システムにおいて、
ガス冷媒を吐出する圧縮機と、倉庫外に設けられ該圧縮機から主吐出経路を通して吐出されたガス冷媒を冷却して凝縮液化する庫外凝縮器と、該庫外凝縮器で凝縮液化されたガス冷媒を受ける受液器と、該受液器からのガス冷媒を噴射する開度調整可能な膨張弁と、倉庫内に設けられ倉庫内の内気を取り込んで上記膨張弁から噴射されたガス冷媒との熱交換により冷却して倉庫内に吹き出すとともに該熱交換により温度上昇したガス冷媒を上記圧縮機に送る冷却器と、倉庫内に設けられ該冷却器から吹き出された吹出空気を取り込んで上記圧縮機から第一吐出経路を通して吐出されたガス冷媒との熱交換により加温して倉庫内に吹き出す庫内第一凝縮器と、倉庫内に設けられ上記庫内第一凝縮器から吹き出された吹出空気を取り込んで上記圧縮機から第二吐出経路を通して吐出されたガス冷媒との熱交換により更に加温して倉庫内に吹き出す庫内第二凝縮器とを備え、
上記主吐出経路に該主吐出経路を開閉する主吐出経路開閉弁を介装し、上記第一吐出経路を上記主吐出経路の上記主吐出経路開閉弁より上流側から分岐して設け、該第一吐出経路に該第一吐出経路を開閉する第一吐出経路開閉弁を設け、上記第二吐出経路を上記主吐出経路の上記主吐出経路開閉弁より上流側から分岐して設け、該第二吐出経路に該第二吐出経路を開閉する第二吐出経路開閉弁を設け、
上記庫内第一凝縮器での熱交換により凝縮されたガス冷媒を流出させる第一流出経路を上記主吐出経路の上記主吐出経路開閉弁より下流側に接続し、上記庫内第二凝縮器での熱交換により凝縮されたガス冷媒を流出させる第二流出経路を上記主吐出経路の上記主吐出経路開閉弁より下流側に接続し、上記庫内第一凝縮器及び庫内第二凝縮器から流出するガス冷媒を上記庫外凝縮器で冷却凝縮させるようにし、
上記第一吐出経路開閉弁及び上記第二吐出経路開閉弁を開閉して上記庫内第一凝縮器及び庫内第二凝縮器を有効若しくは無効にする制御を行なうとともに少なくとも上記庫内第一凝縮器が有効のとき上記主吐出経路開閉弁を閉にする制御を行なう制御部を備えたことを特徴とする乾燥貯蔵システム。
【請求項2】
上記制御部を、収容物を乾燥させる乾燥モードから収容物を低温貯蔵する貯蔵モードに切り換えるモード切換手段と、上記乾燥モードにおいて倉庫内温度が第一設定温度TAになるように上記第一吐出経路開閉弁及び上記第二吐出経路開閉弁を開閉して上記庫内第一凝縮器及び庫内第二凝縮器を有効若しくは無効にする制御を行なうとともに少なくとも上記庫内第一凝縮器が有効のとき上記主吐出経路開閉弁を閉にする制御を行なう乾燥制御手段と、上記貯蔵モードにおいて倉庫内温度が第一設定温度TAより低温の第二設定温度TBになるように且つ倉庫内湿度が設定湿度H以下になるように上記第一吐出経路開閉弁及び上記第二吐出経路開閉弁を開閉して上記庫内第一凝縮器及び庫内第二凝縮器を有効若しくは無効にする制御を行なうとともに少なくとも上記庫内第一凝縮器が有効のとき上記主吐出経路開閉弁を閉にする制御を行なう貯蔵制御手段とを備えて構成したことを特徴とする請求項1記載の乾燥貯蔵システム。
【請求項3】
上記乾燥制御手段は、倉庫内温度が第一設定温度TAよりも高温のとき上記第一吐出経路開閉弁及び上記第二吐出経路開閉弁を閉にして上記庫内第一凝縮器及び庫内第二凝縮器を無効にするとともに上記主吐出経路開閉弁を開にし、倉庫内温度が第一設定温度TAよりも低温のとき上記第一吐出経路開閉弁及び上記第二吐出経路開閉弁を開にして上記庫内第一凝縮器及び庫内第二凝縮器を有効にするとともに上記主吐出経路開閉弁を閉にする制御を行なうことを特徴とする請求項2記載の乾燥貯蔵システム。
【請求項4】
上記貯蔵制御手段は、倉庫内温度が第二設定温度TBよりも高温のとき上記第一吐出経路開閉弁及び上記第二吐出経路開閉弁を閉にして上記庫内第一凝縮器及び庫内第二凝縮器を無効にするとともに上記主吐出経路開閉弁を開にし、倉庫内温度が第二設定温度TBよりも低温且つ倉庫内湿度が設定湿度Hよりも高いとき上記第一吐出経路開閉弁を開にして上記庫内第一凝縮器を有効にし且つ上記第二吐出経路開閉弁を閉にして上記庫内第二凝縮器を無効にするとともに上記主吐出経路開閉弁を閉にし、倉庫内温度が第二設定温度TBよりも低温且つ倉庫内湿度が設定湿度H以下のとき上記第一吐出経路開閉弁及び上記第二吐出経路開閉弁を閉にして上記庫内第一凝縮器及び庫内第二凝縮器を無効にするとともに上記主吐出経路開閉弁を閉にする制御を行なうことを特徴とする請求項2または3記載の乾燥貯蔵システム。
【請求項5】
上記モード切換手段を、上記乾燥モードを所定時間行なわせるタイマーを備えて構成したことを特徴とする請求項2乃至4何れかに記載の乾燥貯蔵システム。
【請求項6】
上記第一設定温度TAを31℃以上に設定可能にしたことを特徴とする請求項2乃至5何れかに記載の乾燥貯蔵システム。
【請求項7】
上記第二設定温度TBを±0℃以下に設定可能にしたことを特徴とする請求項2乃至6何れかに記載の乾燥貯蔵システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−203674(P2010−203674A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−49056(P2009−49056)
【出願日】平成21年3月3日(2009.3.3)
【出願人】(500407282)フジプラント株式会社 (1)
【Fターム(参考)】