説明

予め冷凍された焼き菓子または生地製品の解凍、加熱および/またはグレージング装置、システムおよび方法

選択された温度および高湿度を有する環境で製品を解凍することができ、コンベヤが、製品を早まって過度にオーブンへ挿入するのを防止するように構成され、オーブンが、選択された表面温度より高温に製品を加熱するように構成され、グレーザーが、製品の表面温度が所望の範囲内にある場合に製品にグレーズを適用するように構成される、予め冷凍された焼き菓子および他の生地製品の解凍、加熱および/またはグレージング装置、システム、および方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はドーナツおよび焼き菓子の加工装置に関し、より具体的には、予め冷凍されたドーナツおよび焼き菓子の解凍、加熱および/またはグレージング装置、システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ドーナツおよび同様の焼き菓子は非常に一般的な食品で、ますます一般的になってきている。
出来立てのドーナツを提供する小売店がますます一般的になるにつれ、出来立てドーナツおよびパッケージ入りドーナツのいずれの需要も増加している。
【0003】
この需要の増加に応えるため、新鮮な焼き菓子やドーナツを焼いたり油で揚げたりするための装置がないという労働制約がある小売店は、最良の代替手段で顧客に提供する方法を探している。
多くの小売店は冷凍ドーナツを購入し、室温あるいは冷蔵で解凍する。解凍後ドーナツをトレーに置き、ラック・オーブンまたはコンベヤ・オーブンのいずれかで加熱する。最後に、必要に応じてドーナツをグレージング用網に移動し、グレージング、糖衣かけ、および/または詰め物をすることができる。
そのような方法および関連装置の一例は、国際公開番号WO 99/48373号に開示されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
予め冷凍されたドーナツの解凍、加熱および仕上げ用の新システムおよび方法は、その先行技術の改良であるが、それ自体、多くの方法で改善されることになる可能性がある。
例えば、国際公開番号WO 99/48373号のシステムは、各々のドーナツを少なくとも二度手動で運搬する必要がある。
これは時間の浪費であり、ドーナツまたはその仕上がりを損ねるおそれがある。
また、冷蔵庫でドーナツを解凍すると、ドーナツはビニール袋の内部であっても水分を失い、最終製品があまり好ましくないものとなる。
さらに、各々のドーナツは、オーブンを出た後トレーからグレージング用網へ運搬されるか、あるいはグレージングされる前に、他の多くのドーナツのトレーが置かれた網ラック上で加熱されるため、ドーナツの温度は、ドーナツがオーブンを出る時とドーナツがグレージングされる時の間で変化し、最終製品のグレージングの一貫性および品質に悪影響を及ぼす。
これらの欠点および他の欠点は、予め冷凍されたドーナツおよび焼き菓子の再加熱およびグレージングにおける最先端技術に関連して報告されている。

【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、一般に、冷凍ドーナツおよび焼き菓子の解凍および/またはその加熱および/またはグレージング装置、システムおよび方法に関する。
本開示において、用語「ドーナツ」および「焼き菓子」は、ドーナツ、シナモン・ロール、ケーキ、マフィン、クロワッサンなどのような、油で揚げたり焼いたりしたあらゆる生地製品を意味するために、同義的に使用される。
【0006】
特別な一実施形態において、本発明は60〜80パーセントの相対湿度および80〜110°Fの温度を有する解凍環境を作成するステップと、手動あるいは自動で製品を解凍環境に挿入するステップと、解凍環境に少なくとも20分間製品を置くステップとを含む方法を含む。
先行技術の解凍環境に対して、本環境における製品の解凍によって、最終製品の水分の減少が防止される。
【0007】
別の実施形態において、本発明はグレージング用網上に焼き菓子を置くステップと、上述したような解凍環境にグレージング用網を少なくとも20分間置くステップと、解凍環境からコンベヤ・オーブンへグレージング用網を移動させるステップと、コンベヤ・オーブンを通ってグレージング用網を駆動してドーナツを加熱するステップとを含む方法に関する。
しかしながら、本発明の別の実施形態においては焼き菓子がコンベヤ・オーブンを出た後、特別な実施形態においては焼き菓子の表面温度が160〜180°Fである時、焼き菓子にグレージングを施すステップをさらに含む。
【0008】
本発明の別の実施形態によれば、コンベヤ・オーブンの準備ができる前に、オペレーターが焼き菓子をコンベヤ・オーブンに挿入することを防止することができる。
本発明の一実施形態は、コンベヤ・オーブンを経るトラックを提供するステップと、トラックを静止させたままオーブンを所望の温度へ予熱するステップと、オーブンが所望の温度に予熱された後トラックが起動し、オペレーターが焼き菓子を加熱するためにコンベヤ・オーブンを使用することを可能にするステップとを含む。
本発明の別の実施形態においてトラックは、オペレーターがトラックに沿ってコンベヤ・オーブンへグレージング用網を滑り込ませることを防止する突起を含む。
【0009】
また、本発明は焼き菓子の加熱システムにも関する。本システムの一実施形態はオーブンとトラックとを含む。
トラックはオーブン中の通路を通ってまたは通路と平行に伸長し、コンベヤ・オーブンを通ってグレージング用網を駆動する操作を行うことが可能である。
トラックは、トラックの長さ方向に沿って互いに相隔たって位置する側面突起を含む。
側面突起は、使用中にグレージング用網に係合するようにトラックのループから外側へ伸長している。
側面突起は、コンベヤ・オーブンを通ってグレージング用網を駆動し、かつグレージング用網がオーブンに早まって挿入されることを防止するように構成されている。
【0010】
また、本発明は焼き菓子の加熱およびグレージング・システムにも関する。
システムの一実施形態は、上述したものと同様のオーブンおよびトラックを含む。
さらに、システムは、焼き菓子上にグレージングを霧のように振り掛けるように構成されたグレージング用塗布器をも含む。
グレージング用塗布器は、ドーナツの表面温度が160〜180°Fの範囲にある場合にドーナツにグレージングを施すように選択された位置で、オーブンの下流に置かれる。
【0011】
また、本発明はグレージング用網コンベヤのための駆動ギヤにも関する。
一実施形態において、駆動ギヤは回転駆動シャフトと結合する中央開口部と、グレージング用網に係合する複合的周辺部とを含む。
複合的周辺部は、駆動ギヤの周辺に関して外側に伸長し、互いに相隔たって周辺に位置するいくつかの放射状突起を有する。各々の突起は、グレージング用網上の相補的な構造と結合する外表面に円周溝を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本詳細な説明は、ドーナツおよび焼き菓子の解凍、加熱および/またはグレージング装置、システムおよび方法に関する。
本発明の実施形態は、個人が予め冷凍されたドーナツの解凍、加熱および/またはグレージングを行うことを可能とし、高度に高品質で好ましい最終製品を製造することを可能とする。
本発明のいくつかの詳細および特定の実施形態について以下に説明し、それらの実施形態について完全な理解を促すために図1〜10に図示する。
しかしながら、当業者は、本発明が更なる実施形態を有する可能性があり、記述および/または図示されたものを詳細なしに実行されることがあると理解できるものである。
【0013】
図1〜3は、ドーナツの解凍、加熱およびグレージング・システム100を図示する。
一般に、システム100は解凍器102、コンベヤ・オーブン104およびグレーザー106を含む。
以下により詳細に記述するように、本発明の解凍器102はドーナツを解凍するように構成され、本発明のコンベヤ・オーブン104はドーナツを加熱するように構成される。
また、本発明のグレーザー106は、ドーナツがオーブンを出た後およびドーナツの表面温度が160〜180°Fの範囲にある間、ドーナツにグレージングを施すように位置し、構成される。
【0014】
図示された解凍器102は、システム100の残部の位置に転がして、且つその位置から出られるような大きさと構成の独立ユニットである。
本発明者らは、解凍器102がシステム100と一体部分または完全に独立した構成要素であることが可能であり、それによって解凍器が様々な大きさ、形および容量を有することが可能であることを理解している。
図示された解凍器は、ワシントン州シアトルBelshaw Brothers社から購入することができ、型およびモデル番号はTZ6である。
当業者は、他の型およびモデルの解凍器を代用することができ、図示された解凍器102の多くの特徴は本発明の意図から逸脱することなく変更できることを直ちに理解するであろう。
例えば、手動による装填および非装填に対立するものとして、解凍器を自動化することができる。
【0015】
一般に、図示された解凍器102はハウジング108、ドア110およびいくつかの内棚112を含む。
棚112は標準的で剛直なグレージング用網を支持できる大きさおよび形とすることができる。
同様に、解凍器102の内壁は支持物で固定され、その支持物の上で標準的なグレージング用網をスライドさせることが可能である。
いずれの場合も、標準的なグレージング用網はドーナツを解凍するための解凍器102に挿入、除去することができる。
【0016】
例示された実施形態において、解凍器102は内部空洞114を有する。
操作中に、空洞114を80〜100°Fの範囲の温度に加熱できるが、約95°Fの温度が好ましい。
同様に、操作中の相対湿度は60〜80%の範囲にできるが、約70%が好ましい。
解凍器102のドア110は手動で開閉して内部空洞114へのアクセスを可能とし、ドーナツを内部空洞に挿入、除去することができる。
別の実施形態においては、当技術分野において一般に理解されるように、ルーバ・タイプ・ドアのような異なるタイプのドアを解凍器102に含めることができる。
【0017】
一般的状況において、いくつかのドーナツを運搬するグレージング用網を、所望の温度および湿度で解凍器102に挿入し、少なくとも20分間で解凍するために解凍器中にドーナツを置く。
しかしながら、本発明の利点の一つは、その特定の時にオペレーターがドーナツを除去することができない場合、ドーナツは解凍、加湿された状態で5時間、6時間あるいはそれ以上、解凍器102によって保持されるであろうということである。
したがって、本発明によって、ドーナツが20分間という短時間で解凍されることが可能であるか、あるいはドーナツの品質または価値に悪影響を及ぼさずに、5時間、6時間あるいはそれ以上という長時間解凍された状態で保存することが可能である。
ドーナツを解凍するための発明の環境は、ドーナツを乾燥させ易い先行技術の方法に対して、実際にドーナツを加湿することができ、ドーナツをさらに価値あるものとする。
【0018】
一般に、コンベヤ・オーブン104は、トラック・アセンブリ116およびインピンジャ・オーブン118から構成される。
トラック・アセンブリ116および放射オーブン118は先行技術のピザ・オーブンに類似している。
例示された実施形態において、インピンジャ・オーブン118は、各々208、240、および400/230ボルトの定格のモデル1301、1302または1313から選択されるLincoln社商標の改良品である。
インピンジャ・オーブン118は、約375〜450°Fの間の温度に設定することができ、約425°Fに設定することができることが好ましい。
関連分野の当業者は、本開示を精査した後、他のタイプのオーブンおよび他の設定が存在し、これらはいずれも本発明の意図から逸脱することなく、例示された実施形態の代用として使用することができることを理解するであろう。
【0019】
本発明のトラック・アセンブリ116は、先行技術または上に記載した未改良版オーブンにおいて使用されるようなメッシュ網またはベルトを含まない。
代わりに、オーブンからメッシュ網が除去され、一対の対向するチェーン120に置き換えられた。二つのチェーン120の間には空間がある。
チェーン120の特別な一実施形態は、図4および5に最もよく図示されている。
各々のチェーン120は一対の対向する末端ギヤ122の周りへ伸長する。
例示された実施形態において、二つの内一つのチェーン120からの末端ギヤ122は各々、側方向シャフト124によって対向するチェーンの対応する末端ギヤに連結され、一体となって回転する。したがって、チェーン120は、少なくとも実質的には一体となって移動し、固定された方向でインピンジャ・オーブン118を通ってグレージング用網を駆動する。
本発明者らは、本発明の意図から逸脱することなく、別のギヤを末端ギヤ122間に置くことができると理解している。
【0020】
図4に見られるように、右端の側方向シャフト124はカップリング126に連結される。
カップリング126は、操作中モーター128によって駆動され、次にコントローラー130によって制御される。
システムは、所望の速度でチェーン120を駆動するように構成することができ、所望の持続時間にわたってオーブンを通ってドーナツを移動させ、ドーナツに適切な熱量が伝えられる。
下に示すように、他の調節がシステムに対してなされ、ドーナツに所望の熱量が伝えられる。
【0021】
側方向突起132は各チェーンの長さ方向に沿っていくつかの位置でチェーン120に取り付けられている。
図5に図示するように、側方向突起は、チェーンの最上部から上向きに突き出すように、チェーン120のループから外側に向き、操作中にグレージング用網に係合する。
各々の側方向突起132は、グレージング用網が側方向突起を通過して不注意に滑らせることを防止するために設計された、背面凹面の表面134を有する。
ユーザがグレージング用網をチェーン120に逆らって無理に移動させる場合、背面凹面の表面134はユーザの方向を向くため、背面凹面の表面によってグレージング用網が側方向突起を越えて滑ることを防止し、したがって、ドーナツがオーブンに早まって挿入されたり、さらに必要以上にオーブンへ挿入されたりすることを防止する。
【0022】
本発明の別の実施形態において、コントローラー130は、インピンジャ・オーブン118が所望の温度に達した後にのみモーター128を起動し、あるいはチェーン120を移動するように構成されている。
コントローラーは、単独または側方向突起132と共に、オーブンが準備できる前にオペレーターがオーブンに焼き菓子を挿入し、さらにグレージング用網をオーブンに必要以上に挿入することを防止することができる。
【0023】
図1〜3に示すように、グレーザー106は、インピンジャ・オーブン118の下流に位置する。
チェーン120下流の終了点136は、グレーザー106の上流に位置し、グレーズがチェーンに接触することを防止する。
この分離によって、チェーンによってグレーズがオーブンに戻されて燃える可能性を減少または排除することができる。
【0024】
一般に、グレーザー106はポンプ138、デリバリー・ホース140、ディストリビュータ142、コレクション・ボール144およびリターン・ホース146を含む。
例示された実施形態におけるポンプ138は、Unibloc−GP商標、モデル番号「UniblocGP−275−15/15」でFlowtech社から購入できる。本開示を精査した当業者は、本発明の意図から逸脱することなく、図示されたポンプ138の代わりに他のポンプを用いることができることを理解するであろう。
【0025】
操作中コレクション・ボール144中のグレーズは、リターン・ホース146を通って重力によってポンプ138へ送られる。
操作する場合、ポンプ138はデリバリー・ホース140を介してディストリビュータ142にグレーズを供給する。
ディストリビュータ142の中のグレーズは、少なくとも実質的にはトラック・アセンブリ116の全幅にそって広がり、ディストリビュータから下方のコレクション・ボール144へ流れ落ちる。
ドーナツを運搬するグレージング用網はディストリビュータ142の下を通過するため、グレーズは各々のドーナツの上に注がれる。
【0026】
本発明者らは、ドーナツの表面温度が160〜180°Fまでの間にある場合、グレーズの適用が最適であると判断した。
したがって、本発明は、インピンジャ・オーブン118の温度、チェーン120の速度、およびオーブンとディストリビュータ142の間の間隔がすべて制御および/または調節されるように、単独および組み合わせで、ドーナツがディストリビュータの下を通過する場合に各々のドーナツの表面温度が所望の範囲内にあるように、構成される。
【0027】
また、ドーナツはグレージング用網上でシステムを通過するため、ディストリビュータ142の下を通過する時グレージング用網も熱い。
したがって、グレージング用網上に流れ落ちるグレーズは、グレージング用網に収集されず、代わりに大部分がグレージング用網から滴る。
この配置によって、グレーズの消費は最小限で、最適のドーナツ・グレージングが生成される。先行技術のシステムはドーナツが熱すぎる時にグレージングを行うことがあったため、グレーズが流出しドーナツへの適用範囲が不十分となった。
あるいはドーナツが冷たすぎる時にドーナツにグレージングを行った結果、冷却後乳状および/またはフレーク状のグレーズとなった。
これらの状況のいずれも、ドーナツの価値およびしたがって市場性にとって好ましくない。
【0028】
本発明の一実施形態において、本発明によるシステムは90秒という短時間、3分という長時間の調理時間でうまく操作されているが、各々のドーナツは約2分間でオーブンを通過する。
本発明者らは、本発明のニーズをなお満たしたままで、温度および時間を変化させることができると理解している。
【0029】
図6および7は、本発明の一実施形態による二次的駆動アセンブリ148を図示する。
二次的駆動アセンブリ148は、グレージング用網がグレーズ・ディストリビュータ142の真下を通過した後、グレージング用網を受け取り、単独またはチェーン120と連結してのいずれかで、システムの残部を通ってグレージング用網を動かす。
図2に図示するように、二次的駆動アセンブリ148は、ベルト150によってトラック・アセンブリ116のカップリング126に搭載されたプーリに連結されている。
その結果、プーリの相対的な大きさによって、二次的駆動アセンブリ148およびトラック・アセンブリ116は同じ速度でグレージング用網を駆動するように構成することができる。
【0030】
図6および7において、二次的駆動アセンブリ148は、すぐ上で参照した一対の対向する駆動ギヤ152、従動プーリ154および駆動プーリ156を含む。
駆動プーリ156はベルト150によって従動プーリ154に連結されている。
従動プーリ154はシャフト158に回転可能に固定され、これによって、二つの対向する駆動ギヤ152は連結され、駆動ギヤは一体となって回転する。
【0031】
図8〜10は、本発明の一実施形態による駆動ギヤ152をさらに図示する。
各々の駆動ギヤはシャフト158に係合する中央開口部160を有する。
外側へ伸長するいくつかの放射状突起162は、放射状に中央開口部160の外側にある。
各々の放射状突起162の反対側に一対の放射状の凹部164がある。各々の放射状突起162の最も外側の表面には円周溝166がある。
各々の円周溝166の末端は、一対の対向する角168で放射状突起162の外表面と交差する。
【0032】
例示された実施形態において、円周溝16の凹面湾曲(駆動ギヤ152に関して軸方向に向いている)は、湾曲してグレージング用網の構造部材と結合している。
したがって、グレージング用網が二次的駆動アセンブリ148上に位置する場合、グレージング用網の対向する末端は、対向する駆動ギヤの円周溝の内の一つの内に位置したままで、グレージング用網の一つの末端部材は駆動ギヤ152内の一つの円周溝166の一つの内に位置する。
この係合によって、グレージング用網が所望の方向に保持され、駆動ギヤ152が回転する時、角168に接するグレージング用網の構造部材が保持される。
【0033】
駆動ギヤ152は使用中回転するため、角168はグレージング用網の構造部材に連続的に点荷重を及ぼし、それにより二つの本体の間に最大摩擦力を生成させる。
この最大摩擦力によって、駆動ギヤ152にグレージング用網上に可能な最大推進力を働かせることができる。
したがって、残余グレーズがグレージング用網によって運搬されたとしても、駆動ギヤ152はその方向に沿ってグレージング用網を動かし続けることができる場合がある。
さらに、放射状突起162と円周溝166の間のくぼみ164は、グレーズが駆動ギヤ152から除去されることができる通路を提供する。
【0034】
さらに、駆動ギヤ152はその方向に沿ってグレージング用網を回転、駆動するため、駆動ギヤの複雑な表面形状によってグレージング用網は上下に移動する(図3参照)。
したがって、グレージング用網が高位置にある場合にグレージング用網とシステムの間の接触点数が最小となるため、システムのいかなる摩擦抵抗も低下する。
【0035】
上記の米国特許、米国特許公開公報、米国特許出願、外国特許、外国特許出願および本明細書に挙げた、および/または出願データ・シートにおいて参照された非特許出版物はすべて、全体が参照として本明細書に組み込まれる。
【0036】
上記の内容からわかるように、本発明の具体的実施形態は例示目的のために本明細書中に記述したが、様々な改良が本発明の意図および範囲から逸脱することなくなされる場合がある。
したがって、本発明は、添付請求項による場合を除き、制限されない。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の一実施形態によるドーナツまたは焼き菓子の解凍、加熱および/またはグレージング・システムの正面等角図である。
【図2】図1のシステムの背面等角図である。
【図3】図1のシステムの正面図である。
【図4】本発明の一実施形態による図1のシステム用コンベヤの平面図である。
【図5】図4のコンベヤの正面図である。
【図6】本発明の一実施形態によるグレージング用網の駆動ギヤ・アセンブリの等角図である。
【図7】図6のグレージング用網の駆動アセンブリの平面図である。
【図8】図6のアセンブリからのグレージング用網の駆動ギヤの等角図である。
【図9】図8のグレージング用網の駆動ギヤの軸方向図である。
【図10】図8のグレージング用網の駆動ギヤの半径方向図である。
【符号の説明】
【0038】
100 グレージング・システム
102 解凍器
104 コンベヤ・オーブン
106 グレーザー
108 ハウジング
110 ドア
112 棚
114 内部空洞
116 トラック・アセンブリ
118 インピンジャ・オーブン
120 チェーン
122 末端ギヤ
124 側方向シャフト
126 カップリング
128 モーター
130 コントローラー
132 側方向突起
134 背面凹面の表面
136 チェーン下流の終了点
138 ポンプ
140 デリバリー・ホース
142 ディストリビュータ
144 コレクション・ボール
146 リターン・ホース
148 二次的駆動アセンブリ
150 ベルト
152 駆動ギヤ
154 従動プーリ
156 駆動プーリ
158 シャフト
160 中央開口部
162 放射状突起
164 放射状の凹部
166 円周溝
168 角

【特許請求の範囲】
【請求項1】
再加熱される前に冷凍焼き菓子を準備する方法であって、
60パーセントから80パーセントまでの範囲(60パーセントおよび80パーセントを含む)の相対湿度および華氏80度から華氏100度までの範囲(華氏80度および華氏100度を含む)の温度を有する解凍環境を生成するステップと、
冷凍された焼き菓子の少なくとも一つを前記解凍環境に挿入するステップと、
焼き菓子が著しい量の水分を失わずに解凍されるように、少なくとも20分間前記解凍環境に焼き菓子を置くステップとを含む、
再加熱される前に冷凍焼き菓子を準備する方法。
【請求項2】
前記解凍環境の相対湿度が約70パーセントである請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記解凍環境の温度が華氏約95度である請求項1に記載の方法。
【請求項4】
冷凍された焼き菓子の少なくとも一つを前記解凍環境に置くことが、冷凍された焼き菓子の少なくとも一つを網上に最初に置くことを含む請求項1に記載の方法。
【請求項5】
冷凍された焼き菓子の少なくとも一つを前記解凍環境に置くことが、単一の網上に様々なタイプの焼き菓子を最初に置くことを含む請求項1に記載の方法。
【請求項6】
焼き菓子を前記解凍環境に少なくとも20分間置くことが、焼き菓子の品質に悪影響を及ぼさずに4時間を超す時間解凍環境に焼き菓子を置くことを含む請求項1に記載の方法。
【請求項7】
冷凍焼き菓子の解凍および再加熱方法であって、
前記方法が、60から80パーセントまでの範囲(60パーセントおよび80パーセントを含む)の相対湿度および華氏80から華氏100度までの範囲(華氏80度および華氏100度を含む)の温度を有する解凍環境を生成するステップと、
冷凍された焼き菓子の少なくとも一つを網上に挿入するステップと、
焼き菓子が著しい量の水分を失わずに解凍されるように、前記網を少なくとも20分間前記解凍環境に置くステップと、
前記解凍環境から加熱したオーブンを通って前記網を駆動させる移動トラックに前記網を移動させるステップと、
前記加熱したオーブンを通ってオーブンの外へ前記網を駆動するステップとを含み、
それによって焼き菓子が全ステップを通して人の手で触れられるのは一度だけである、冷凍焼き菓子の解凍および再加熱方法。
【請求項8】
加熱されたオーブンの下流に位置し、焼き菓子の表面温度が華氏160度から華氏180度の間にある場合に、焼き菓子にグレージングを施すように位置するグレージング用塗布器をさらに含む請求項7に記載の方法。
【請求項9】
焼き菓子を受け取り、加熱するためにオーブンを準備するのに使用する方法であって、
前記方法が、少なくとも部分的にオーブンを経由し、焼き菓子を運搬する剛直な網をオーブンに駆動するように構成されているトラックを提供するステップと、
前記トラックを静止した状態で保持したまま所望の温度までオーブンを予熱するステップと、
前記オーブンが予熱される前に焼き菓子がオーブンへ導入されないように、オーブンが所望の温度に予熱された後、前記トラックを起動するステップとを含む、
焼き菓子を受け取り、加熱するためにオーブンを準備するのに使用する方法。

【請求項10】
前記トラックが、少なくとも一方向において前記トラックと剛直な網の間の相対運動を防止するための突起を少なくとも一つ含み、
焼き菓子をオーブンへ早まって挿入することをさらに防止する請求項9に記載の方法。

【請求項11】
剛直な網をオーブンに運搬するためのトラックであって、
少なくとも部分的に前記オーブンを通って伸張する連続的なループを形成するために、前記オーブン付近で少なくとも二つの回転可能な末端部材に係合するように構成された細長い柔軟なループと、
ループの長さ方向に沿って互いに相隔てられて位置する複数の側方向突起であって、前記側方向突起が剛直な網に逆らって移動し、前記トラックに対して相対的な縦方向のグレージング用網の移動を防止するようにトラックが末端部材に係合する場合、側方向突起が前記ループから外側へ突き出すような方向を向く側方向突起とを含み、
それによってオーブンに剛直な網を早まって挿入することができない、剛直な網をオーブンに運搬するためのトラック。
【請求項12】
前記トラックが二つの回転可能な末端部材の周りを移動する時、前記側突起が前記剛直な網をオーブンに駆動するようにさらに構成される請求項11に記載のトラック。
【請求項13】
前記剛直な網が前記オーブンへ早まって挿入されることをさらに防止するために、前記側突起が進行方向の反対に面する凹面を有する請求項11に記載のトラック。
【請求項14】
前記細長い柔軟なループがチェーンを含む請求項11に記載のトラック。
【請求項15】
前記細長い柔軟なループが金属チェーンを含む請求項11に記載のトラック。
【請求項16】
前記二つの回転可能な末端部材が複数部材の一部である請求項11に記載のトラック。
【請求項17】
焼き菓子の加熱システムであって、
オーブンを通って伸長する通路を有するオーブンと、
少なくとも二つの回転可能な末端部材と係合する細長い柔軟なループ中に構成されたトラックと、
前記ループの長さ方向に沿って互いに相隔たって位置する複数の側方向突起とを含むシステムであって、
前記末端部材が、少なくとも部分的に通路を通って伸長するトラックの連続ループを生成するように前記オーブンの付近に存在し、
前記側方向突起が、前記オーブンに挿入されている剛直な網に逆らって移動し、
トラックに対して剛直な網の相対的な縦方向の移動を防止するように前記ループから外へ突き出し、
それによってオーブンに剛直な網を早まって挿入することができない、焼き菓子の加熱システム。

【請求項18】
前記トラックと平行配列で相隔てて置かれた別のトラックをさらに含む請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
オーブン温度、通路の長さ、およびトラックの進行速度が、焼き菓子が少なくとも華氏160度の表面温度を有してオーブンを出るように選択される請求項17に記載のシステム。
【請求項20】
オーブン温度、通路の長さ、およびトラックの進行速度が、焼き菓子が少なくとも華氏180度の表面温度を有してオーブンを出るように選択される請求項17に記載のシステム。
【請求項21】
前記トラックの駆動方向でオーブンの下流に位置し、焼き菓子の表面温度が華氏160度から華氏180度の間にある場合に焼き菓子にグレージングを施すように選択される距離だけオーブンから相隔てて位置するグレージング用塗布器をさらに含む請求項17に記載のシステム。
【請求項22】
焼き菓子の加熱およびグレージング用システムであって、
前記システムが、焼き菓子を運搬する剛直な網がオーブンを通過することができるような形および大きさの通路を有するオーブンと、
前記通路を通って前記剛直な網を駆動するために、通路の少なくとも一つの側に沿って伸長するトラックと、
焼き菓子に適用されたグレージングが前記トラック上に滴らず、前記オーブンに戻らないように、オーブンおよびトラックの端末側終端の下流に位置するグレージング用塗布器とを含む、
加熱およびグレージング用システム。
【請求項23】
前記グレージング用塗布器が、グレーズが焼き菓子に適用される場合、焼き菓子の表面温度が華氏160度から華氏180度の間(華氏160度および華氏180度を含む)にあるように選択された距離だけオーブンから相隔てて位置する請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記トラックの前記端末側終端の下流に位置し、前記トラックから前記剛直な網を受け取り、グレーズ用塗布器を通過した前記剛直な網を運搬するように構成されている駆動輪をさらに含む請求項22に記載のシステム。
【請求項25】
剛直な網のコンベヤ用駆動ギヤであって、
前記剛直な網を駆動するための回転軸を有するシャフトに係合する中央開口部と、相隔たって位置する複数の突起を有する複合的周辺部とを含む駆動ギヤであって、
各々の突起が隣接部分の周辺を越えて放射状に外側へ伸長し、各々の突起が放射状の外側の末端部を横切って伸長する円周溝を有し、前記円周溝が剛直な網上の構造部材と結合する形および大きさである、
剛直な網のコンベヤ用駆動ギヤ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2006−501845(P2006−501845A)
【公表日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−543069(P2004−543069)
【出願日】平成15年9月30日(2003.9.30)
【国際出願番号】PCT/US2003/031131
【国際公開番号】WO2004/032637
【国際公開日】平成16年4月22日(2004.4.22)
【出願人】(592097440)ベルショウ ブラザーズ インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】