説明

事前調整スラリー様残余物からの触媒オイリング反応を行うための油圧ガスケットを備えた油反応真空ポンプ及びその方法

本発明は、炭化水素を含んだ残余物を2つの段階で拡散触媒変換するための方法及び装置を記載するもので、第1段階では、固体投入材料を反応スラリーに変換するために発電機の廃熱によって摂氏120-200度に加熱し、第2段階ではそれを、内部にコーティングが施され且つ油圧ガスケットを備えた1つまたは複数の油反応真空ポンプを用いて中間蒸留物に変換する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
全ての石油と大気中の全ての酸素は、地球の10億年以上にわたる光合成の結果である。これらは、海と後に陸地の死んだ有機物質が平均温度14-17°Cにおいて拡散触媒処理を経た結果である。
【0002】
現在の炭化水素含有廃棄物を環境に優しい方法で処理するには、この過程をこれら廃棄物にどのように利用できるかという問いが、触媒油と残余物との間の摩擦のみで実行される外部加熱を用いない拡散触媒処理として結実した。摩擦は次の5つの段階からなる処理の可能性を開く。それら段階とは、混合すなわち触媒と残余物との間の摩擦と、吸着と、反応と、脱着と、除去または蒸発である。摩擦がなければ、この過程は技術的に使用可能で迅速な形で進行し得ない。
【背景技術】
【0003】
次の発明は、この過程がどのように方法及び装置として技術的に短時間で実現でき、長寿命で、信頼性が高く、従って費用対効果が高いもとなるかを示している。この方法は、油圧ガスケットを備えた油反応器真空ポンプにおける反応の実現と、このシステムを中間蒸留物用の生産プラントに組み込むことに関し、これが予想されるあらゆるリスクを最小限とし、前処理技術を介して生産を最適化する。この装置は、利用可能な要素を工業規模で本実施の教示として用いるこの方法の実施形態に関わる。代表的な実施形態は、実例に基づいて本発明を説明するものである。
【0004】
こうした機械とプラントは、ドイツ特許10 2005 056 735号に記載されている。この処理を可能とする中心的な要素は、この特許における高性能チャンバミキサーである。これは、石油形成処理を概ね3分で繰り返すことを可能とし、生産物は処理温度に従って均一に中間蒸留物である。
【0005】
この特許には、この過程の中心要素に関して、液封真空ポンプの動作原理に従い、過圧側で1.5バールの過圧を発生すると記載されている。これは、ポンプと撹拌子とを備えると共により高圧であって圧力線において問題を抱える特許103 56 245号からは大きな進歩ではあるが、その実用においてなお大きな欠点を抱えている。
【0006】
液封真空ポンプとその配置は、ドイツ特許10 2005 056 735号のプラントの中心要素であり従って中核をなすが、プラントの信頼性と従って処理の費用対効果とを制限する多くの欠点を持つ。
【0007】
具体的には、液封真空ポンプのガスケットシステムが250-320°Cの処理温度において基本的に適切でなく、さらに、固体状態での投入材料の導入が大量の空気を混入しているため、高性能チャンバミキサーにおいてさえ、この処理は試験運転で期待される結果を連続的に達成しないことが欠点として証明されている。
【0008】
これらの欠点はガスケットシステムと導入システムとに集中しており、前者は故障時のプラント運転停止の原因になり、後者は、固形分が壁に固着することで導入コンテナ内で風管が形成された時に、特に蒸留域で燃焼反応を引き起こす。
【0009】
予期されていなかったが、本発明による水力学装置(hydraulics)が、この技法の信頼性の問題に解決をもたらすことが発見された。この水力学装置の製作においては、250-320°Cという高温が大きな負担となってしまうため、真空ポンプが継続的にそれに耐えられないことが考慮されるが、コンベヤユニットの媒体が水から油に変わることで、ベアリングとガスケットをこうした高温下でも信頼性を得られるように再設計可能である。このことは、ポンプとプラントの運転耐久性を保証するためには処理を施す必要がある投入材料にも当てはまる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明による油圧ガスケットを備えた油反応器真空ポンプを示す。
【図2】本発明による、この油反応器真空ポンプの運転に必要な前処理の組み込みを示す。
【図3】油反応器真空ポンプと前処理技術との二要素を備えた処理全体を示す。
【図4】真空ポンプの変更例を示す。
【図5】油反応器真空ポンプの前処理技法への組み込みを示す。
【図6】オイリングプラントにおける構成を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明による水力学装置は、油圧制御または調節されたガスケットシステムと、前処理によってプラントとポンプの条件に適合された固体投入材料とを含む。図1は、本発明による油圧ガスケットを備えた油反応器真空ポンプを示し、図2は、本発明による、この油反応器真空ポンプの運転に必要な前処理の組み込みを示す。図3は、油反応器真空ポンプと前処理技術との二要素を備えた処理全体を示す。
【0012】
驚くべきことに、拡散触媒処理は、プラスチック、ゴム、及び油類などの工業炭化水素のより大きな構成要素の場合は、触媒の付加のみを必要とすることが発見された。農業からの残余物などの概ね生物学的起源の投入材料に関しては、これら材料の有機構成成分の触媒効果はこの処理には十分である。生物学的残余物の無機構成成分は、触媒(すなわち第1または第2主族の金属の1つをそれぞれが備えた珪酸アルミニウム)と同じ構造を基本的には含んでいる。
【0013】
図1の説明は、信頼性が高く、熱的に安定した油密ユニットを製作するために必要な真空ポンプの変更のための方法に関するものであり、これが長い寿命、高い実用的能力、及び容易な修理性をもたらす。ここに含まれる要素は、油圧ガスケット及び高温反応油と接触する部品のコーティングが、どのようにこの技術の実施を可能とするかを示している。
【0014】
押さえナットという形式となっているガスケットの外側パッキンユニットは番号1で示した。これは、シャフト上で発生しうる油の漏れを防ぐためにネジ2を用いて動作させる。この押さえナットがそのシール作用を失った場合、その前に位置した押さえナット3がガスケットのさらなる段を実現する。
【0015】
この油圧ガスケットはシール作用を最適化するように配置されている。これは、押さえナットとベアリングとの間に位置したオイルチャンバ4を含み、これは、止め栓を備えた管路6を介して圧力管路への接続部5を含む。チャンバ4は管路7を介して圧力制御されており、油反応真空ポンプ8の部分真空管路20に弁9を介して接続され、僅かな過圧のみがチャンバ4に発生するようになっている。
【0016】
従って、チャンバ下半分4に集められた粒子はバルブ9を介して排出でき、ベアリングに押し込まれることはない。さらに、十分な油が一方の側に導入されてベアリング10を潤滑し、他方の側では、ガスケットに対して作用する過圧は非常に小さく保たれるので、ガスケットは容易に意図された機能を果たすことができる。部分真空がベアリングの内側から作用し、これが潤滑のために油を吸引する。
【0017】
よく似たシステムによれば、ベアリング11の潤滑は封入された反対側で作用する。この封入は他方の側でチャンバ12を形成し、これは、油反応真空ポンプの圧力管路から延び且つ閉止弁14を備えた供給管路13を含み、閉止弁16を備えた粒子の排出管路15もチャンバの下部に含む。従って、油反応真空ポンプの内容物の潤滑能力はベアリングの潤滑に用いられる。この潤滑能力は、油反応真空ポンプ内の反応温度が250°C-320°Cであっても達成される。
【0018】
これは、油反応真空ポンプにおける反応に導入される混合物中のセルロース、プラスチック、及び込むなどの内容物物質に起因する。ビチューメン相の構成成分は油反応真空ポンプ内で形成され、これが十分な貫流が発生した場合に高温においても十分な潤滑を保証する。
【0019】
油反応真空ポンプ17では、鋳造物の原初部品に塗布されるコーティングが、媒体と接触する全ての部品に施されている。これはTiAlNまたはAlCrNからなる単層または多層コーティングであり、鋼鉄またはGGG50−鋳造物に塗布される。
【0020】
従って、油反応真空ポンプにおける反応油に対する十分な硬度及び化学的防護がもたらされる。油反応真空ポンプの取り入れ側の接続管路は番号8で示した。圧力側では、油反応真空ポンプは圧力管路18を備える。羽根を備え且つコーティングされているか或いはステンレス鋼製のインペラー19は、真空ポンプのインペラーより直径が小さい。これは取り入れ側での部分真空を減少させるが、オイリング過程における油の固体構成成分の低干渉処理を可能とする。インペラーの壁間隔は0.5-1 mmから3-10 mmまで増加されている。
【0021】
図2は、油反応器真空ポンプの前処理技法への組み込みを示す。油反応真空ポンプは、電動機、ディーゼルエンジン、またはガスタービンなどの形式の機械駆動装置を備える。3つのうちいずれの場合でも廃熱が発生され、その熱は前処理技法の熱オイルループで使用される。熱オイルは排ガス熱交換器21で加熱され、熱オイル管路22を介して前処理容器23、25のジャケット加熱器と分離器28とに達する。投入フラップまたはシュレッダーが前処理容器25の入力に配置されている。
【0022】
従って、材料は前処理容器23、25及び分離器28において加熱され、混合機・ポンプユニット24の作用によって循環し続ける。図3に示した灰プラントの凝縮物及び処理全体の触媒を含む油類の供給の結果として、水がこれらの油類に取って代わられる。こうした水は熱の供給によって蒸発し、蒸留ユニット26で精製され、水容器27で凝結且つ収集される。ユニット内で発生するスラリーは、油反応真空ポンプの上にある貯蔵容器29において、コンベアユニットと分離器28を介して、プラントの充填レベルの関数として連続的に供給される。
【0023】
図3は、油反応真空ポンプと前処理技法とがオイリング処理全体及びオイリングプラントで統合されていることを示す。貯蔵容器を備えた油反応真空ポンプは番号31で示した。灰プラントは番号32で示したが、これは、隣接する冷却チャンバ及び灰チャンバを備えた加熱チャンバの分離容器から部分蒸気を供給する。この部分蒸気は、金属、セラミック、岩、ガラス、及び塩からなる入力物質の反応しない構成成分の割合に左右される。回収される油と触媒はこの部分蒸気と共に排出することもできるので、灰プラントへの供給量はこの構成成分の1.5から3倍である。
【0024】
炭化水素の回収は400-500°Cまでの加熱処理によって実行され、炭化水素は蒸留及び凝結によって分離され、図の前処理技法へと導かれる。触媒は水中に懸濁し且つ濾過して取り除かれるので、水と混合して回収する。
【0025】
蒸留ユニットは番号33で示し、これは蒸発器34の上方に位置している。蒸発器ストリップは、油反応真空ポンプから到着する油流を100から3,000の多数の部分流に分割するもので、蒸留器34の内部に配置されている。得られる中間蒸留物のための大きな蒸発面がもたらされる。これは蒸留ユニット33を介して上方に排出されるので、貯蔵容器31に達することはない。
【0026】
凝縮器35は、単一または二重実施形態において蒸気を液化する。少量が蒸留戻り管路36を介して蒸留塔内の塔に戻されるが、これは塔の上部ヘッド温度を調節するのが目的である。これが、夏季用ディーゼル、冬季用ディーゼル、または灯油などの中間蒸留物のタイプを決定する。管路37は生産物をディーゼルタンクに導く。これは、生産物の漏れに対してプラント全体の安全性を確保するため、1つまたは複数の真空ポンプへの接続管路を備えている。
【0027】
水分離タンク38は、反応水成分をタンクに放出するため凝縮器の入力側に位置している。この量の水は、水分離容器38内の上部レベルに達するまで管路内の生産物と交換される。
【0028】
これが達成されると、伝導度センサがドレン弁を開く信号を与え、これは信号が該当しなくなるまで継続する。図2の容器25への中和剤の入力量を決定するpHセンサが、この分離タンク38の下部に取り付けられている。
【0029】
灰プラントは番号32で示すが、これは分離器の内部に接続され、プラントの無機構成成分の濃縮を制限する。これは十分な材料を受け取るので、ガラス、金属、セラミック物質や石灰の付加により形成される塩類のような入力にまだ存在する構成成分がプラント全体で制限される。この灰プラントは、含まれる炭化水素を450-500°Cで蒸発させる加熱器を含む。これらは凝縮され、前処理プラントに供給される。
【0030】
オイリングプラントは番号33で示した。これは容器システム24の周りに油反応真空ポンプを10機まで備え、これは蒸発した成分と液体油成分との分離をもたらす。蒸発した成分は、再循環・凝縮ユニット35を備えた蒸留プラントにより精製される。凝縮器は2つの出力管路36及び37を備えている。これらは、凝縮器の内部で溢れにより様々なチャンバへつながっている。
【0031】
管路36は第1チャンバからの水の残余成分も受け取る。これは重力の作用により容器38内で内部の生産物と交換される。この容器はpH値を測定し、過剰な水を伝導度センサ及び弁を介して定期的に排出させる。管路37は生産物管路である。これは、適切な品質を備えた生産物のみをタンクに流入させる濁り度計を備えている。不適切な生産物は灰プラントの凝縮物に導かれる。
【0032】
図4の説明は、信頼性が高く、熱的に安定した油密ユニットを製作するために必要な真空ポンプの変更のための装置に関するものであり、これが長い耐用寿命、高い実用的能力、及び容易な修理性をもたらす。ここに含まれる要素は、油圧ガスケット及び高温反応油と接触する部品のコーティングが、どのようにこの技術の実施を可能とするかを示している。
【0033】
押さえナットという形式となっているガスケットの外側パッキンユニットは番号101で示した。これは内部パッキング、スリーブ、及びネジにより形成される。第2押さえナットは、その前方に位置した押さえナット103を介して付加的に配置されている。
【0034】
油圧ガスケットチャンバ104が、シャフト軸において油反応真空ポンプの方向に配置されている。これは、押さえナットとベアリングとの間に位置したオイルチャンバ104を含み、止め栓を備えた管路106を介して圧力管路への接続部105を備えている。油圧ガスケットチャンバ104は管路107を介して圧力制御されており、油反応真空ポンプ108の部分真空管路120に弁109を介して接続されている。弁109は、油圧ガスケットチャンバ104の電子コントローラを備えている。
【0035】
ベアリング111は、油反応真空ポンプの他方の側に位置している。これが封入された反対側となる。この封入はチャンバ112を備えるよう構成されており、これは、油反応真空ポンプの圧力管路から延び且つ閉止弁114を備えた供給管路113を含み、閉止弁16を備えた粒子の排出管路115もチャンバの下部に含む。
【0036】
油反応真空ポンプ117では、鋳造物の原初部品に塗布されるコーティングが、媒体と接触する全ての部品に施されている。これはTiAlNまたはAlCrNからなる単層または多層コーティングであり、鋼鉄またはGGG 50鋳造物に塗布される。
【0037】
油反応真空ポンプの取り入れ側の接続管路は番号118で示した。圧力側では、油反応真空ポンプは圧力管路118を備える。羽根を備え且つコーティングされているか或いはステンレス鋼製のインペラー119は、真空ポンプのインペラーより直径が小さい。インペラーの壁間隔は0.5-1 mmから3-10 mmまで増加されている。
【0038】
図5は、油反応器真空ポンプの前処理技法への組み込みを示す。油反応真空ポンプは、電動機、ディーゼルエンジン、またはガスタービンなどの形式の機械駆動装置を備える。熱オイルが排ガス熱交換器121内に供給されている。排ガス熱交換器121は、熱オイル管路122を介して前処理容器123、125のジャケット加熱器と分離器128とに接続されている。投入フラップまたはシュレッダーが前処理容器125の入力に配置されている。
【0039】
前処理容器123、125及び分離器128は、混合機・ポンプユニット124に接続されて回路を形成している。これら前処理容器への接続管路は、図6に示した灰プラントと共に取り付けられている。水容器127に接続された蒸留ユニット126は、前処理容器123の上に配置されている。貯蔵容器129への接続管路は、分離器128の排出口に設けられている。
【0040】
図6はオイリングプラントにおける構成を示す。貯蔵容器を備えた油反応真空ポンプは番号131で示した。灰プラントは分離器138への接続管路を含み、番号132で示した。灰プラントの後に、水混合チャンバが設けられていて、触媒回収プランとして触媒スクリーンを備えている。
【0041】
蒸留ユニットは蒸発器134の上方に位置しており、番号133で示した。100から3,000までの多数の脱出孔を備えた蒸発器ストリップが、蒸留器134の内部に設けられている。その上には蒸留ユニット133が設けられ、その下には、貯蔵容器131への接続管路を備えた油収集容器が配置されている。
【0042】
蒸留塔133は、単一または二重実施形態において凝縮器135の下流側に設けられている。蒸留塔は、蒸留塔133への蒸留戻り管路136を備えている。管路137がディーゼルタンクに接続されており、これは1つまたは複数の真空ポンプへの接続管路を備える。
【0043】
水分離タンク138は、凝縮器の入力側に位置している。図2の容器125での中和剤の入力量を決定するpHセンサが、この分離タンク138の下部に取り付けられている。
【0044】
灰プラントは分離器の内部に接続されており、番号132で示した。この灰プラントは、600°Cの加熱温度を達成するよう設計された加熱器を備えている。
【0045】
オイリングプラントは番号131で示した。これは、容器システム134の周りに油反応真空ポンプを10機まで備える。蒸留プラントは再循環・凝縮ユニット135を備えている。凝縮器は2つの出力管路136及び137を備えている。これらは、凝縮器の内部で溢れにより様々なチャンバへつながっている。
【0046】
管路136は、伝導度メーター及びpH値メーターを含んだ容器138に接続されている。管路137は生産物管路である。これは、2つの線でディーゼルタンクと前処理プラントに接続された濁り度センサを備えている。
【0047】
本発明による方法は、例示的な実施形態でより詳細に説明する。細断されたトリム木材料の毎時500リットルのオイリングに関しては、油反応真空ポンプは中間蒸留物への変換に関しては反応器にもなり、90mmのシャフトと、200kW電動機を用いた駆動力と、90.8mmの内径と、130mmの外径とを備えている。
【0048】
油反応真空ポンプの圧力は、圧力側では1バールで、吸引側では0.3バールの部分真空である。油圧ガスケットチャンバ4は、逃がし弁9によって0.05バール過圧の圧力に設定されている。チャンバ12内の圧力は、内部が過圧状態になるように弁14を介して設定される。油反応真空ポンプの動作ノイズに従って、これはチャンバ4内よりもかなり高く設定される。残りの寸法は図1の縮尺に従って実現されている。
【0049】
図2の排気ガス熱交換器の設計は、500kW発電機のガス流に基づいている。熱オイル管路22は流動において360°Cの温度に維持され、前処理技法の熱の取り出しによって帰路では240°Cに維持される。熱オイルを用いて加熱される容器23、25、及び28は、1.4mの外径と1.4mの高さとを備えている。蒸留塔26は、300mmの直径と2mの高さを備えている。油反応真空ポンプの前の貯蔵容器は、1.5mの直径と1.5mの高さとを備えている。
【0050】
図3に示した灰プラントは、それぞれが200mmの直径を備えた中空スクリューと、蒸留プラントとを備えている。加熱スクリューの直径は400mmで、冷却スクリューの直径は300mmである。実際のオイリングプラントは、2つの油反応真空ポンプと、直径1.8mの蒸発器34を備えた回路とを含む。その上に位置する蒸留塔は、直径600mmで高さ3mの泡鐘トレイ塔である。凝縮器は、それぞれが50/90°Cの冷却水を用いる冷却能200kWの最大出力を備えている。
【0051】
伝導度センサ及びpHメーターを備えた反応水分離器38は、蒸留塔に接続された還流管路を上部に含む。冷却水は、空気熱交換器を用いた戻り冷却によって50°Cに維持される。本発明による装置は、別の例示的な実施形態でより詳細に説明する。細断されたトリム木材料から毎時500リットルの中間蒸留物を生産するプラントは、油反応真空ポンプを含み、このポンプは90mmのシャフトと、200kW電動機を用いた駆動力と、90.8mmの内径と、130mmの外径とを備えている。
【0052】
油反応真空ポンプの圧力は、圧力側では1バールで、吸引側では0.3バールの部分真空である。油圧ガスケットチャンバ104は、逃がし弁109によって0.05バール過圧の圧力に設定されている。チャンバ112内の圧力は、内部が過圧状態になるように弁114を介して設定される。油反応真空ポンプの動作ノイズに従って、これはチャンバ104内よりもかなり高く設定される。残りの寸法は図4の縮尺に従って実現されている。
【0053】
図5の排気ガス熱交換器の設計は、500kW発電機のガス流に基づいている。熱オイル管路22は流動において360°Cの温度に維持され、前処理技法の熱の取り出しによって帰路では240°Cに維持される。容器123、125、及び128は、排ガス熱交換器と容器壁加熱器との間に作動油用のコンベヤポンプを介して接続管路を備えている。これら容器は、1.4mの外径と、1.4mの高さとを備えている。蒸留塔126は、300mmの直径と2mの高さを備えている。油反応真空ポンプの前の貯蔵容器は、1.5mの直径と1.5mの高さとを備えている。
【0054】
図6に示した灰プラントは、それぞれが200mmの直径を備えた中空スクリューと、蒸留プラントとを備えている。加熱スクリューの直径は400mmで、冷却スクリューの直径は300mmである。実際のオイリングプラントは、2つの油反応真空ポンプと、直径1.8mの蒸発器134を備えた回路とを含む。その上に位置する蒸留塔は、直径600mmで高さ3mの泡鐘トレイ塔である。凝縮器は、それぞれが50/90°Cの冷却水を用いる冷却能200kWの最大出力を備えている。
【0055】
伝導度センサ及びpHメーターを備えた反応水分離器138は、蒸留塔に接続された還流管路を上部に含む。冷却水は、空気熱交換器を用いた戻り冷却によって50°Cに維持される。
【符号の説明】
【0056】
図1の参照番号
1 ガスケットの外側パッキンユニット
2 ネジ
3 押さえナット
4 オイルチャンバ
5 圧力管路への接続部
6 止め栓
7 管路
8 油反応真空ポンプの吸引管路
9 弁
10 吸引側のベアリング
11 ベアリング
12 圧力側のチャンバ
13 供給管路
14 閉止弁
15 排出管路
16 閉止弁
17 油反応真空ポンプ
18 圧力管路
19 インペラー
20 部分真空管路
図2の参照番号
21 排ガス熱交換器
22 熱オイル管路
23 前処理容器のジャケット加熱器
24 混合機・ポンプユニット
25 前処理容器
26 蒸留ユニット
27 水容器
28 分離器
29 貯蔵容器
図3の参照番号
31 貯蔵容器を備えた油反応真空ポンプ
32 灰プラント
33 蒸留ユニット
34 蒸発器
35 凝縮器
36 蒸留戻り管路
37 生産物管路
38 水分離容器
図4の参照番号
101 外側パッキンユニット
102 パッキンのネジ
103 押さえナット
104 油圧ガスケットチャンバ
105 圧力管路
106 管路を備えた止め栓
107 管路
108 油反応真空ポンプ
109 弁
110 シャフト側のベアリング
111 封入された圧力側のベアリング
112 チャンバ圧力側
113 供給管路
114 閉止弁
115 排出管路
116 閉止弁
117 油反応真空ポンプ
118 接続管路
119 インペラー
120 部分真空管路
図5の参照番号
121 排ガス熱交換器
122 熱オイル管路
123 前処理容器
124 ポンプユニット
125 前処理容器
126 蒸留ユニット
127 水容器
128 分離器
129 貯蔵容器
図6の参照番号
131 貯蔵容器を備えた油反応真空ポンプ
132 灰プラント
133 蒸留
134 蒸発器
135 凝縮器
136 蒸留戻り管路
137 生産物管路
138 水分離タンク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地球の石油形成モデルに従って炭化水素を含んだ残余物を拡散触媒変換するための、製品の触媒との強い混合と、吸着と、反応と、脱着と、蒸発による除去との段階を備えた方法であって、前記製品の開始段階すなわち前記強い混合は、固体物質と液体物質とを混合しつつ、発電機の廃熱を用いて、主反応からの触媒含有油で200°C未満の温度範囲で30-200分加熱してスラリーを形成する第1段階と、前記スラリーを1つまたは複数の油反応真空ポンプにおいて250-320°Cの温度において数分間で石油中間留分に変換する第2段階とからなる2つの段階で実行されることを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記油反応真空ポンプは駆動部側で油圧ガスケットを備え、前記油圧ガスケットが機械的ガスケットとシャフトベアリングとの間に位置し、このチャンバの上部における前記油反応真空ポンプの出力圧力管路へのこのチャンバの接続と、このチャンバの下部における前記油反応真空ポンプの吸引管路へのこのチャンバの調節接続とを介して、前記ベアリングが循環油により十分に潤滑され、このチャンバのシール方向における過圧を低く維持する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
閉チャンバが前記駆動の反対側に配置され、前記閉チャンバは、請求項2に記載されたように、前記チャンバから反応油に含まれる粒子を排出し且つベアリング圧力を調節するため、このチャンバの上側において前記油反応真空ポンプの圧力側への接続管路を含み、下側において前記油反応真空ポンプの吸引側への設定可能または可変接続管路を含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記油反応真空ポンプは、反応混合物に接触する全て部材の上に、TiAlNまたはAlCrNからなる耐摩耗性且つ熱安定性の硬質表面コーティングを備えた、請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
前記方法を実行するための装置であって、プラントが少なくとも3つの段、すなわち、エアロックを備えた取り入れ容器と、ポンプと、ミキサーと、蒸留プラントの形式をとる水蒸気と分離容器の形式をとるペースト状塊との排出口を備えた第2容器への接続部と、パイプラインの形式をとる回路の装置を備えた前処理技法を備えた第1段と、加熱灰プラントを備えたバルブエアロックを介して前記分離容器の下部に接続された第2段と、前記取り入れ容器と、油反応真空ポンプと、接続管路と、回路及び生産物排出管路の容器とを含む第3部分とを備えることを特徴とする、前記方法を実行するための装置。
【請求項6】
油圧ガスケットが前記油反応真空ポンプにおける駆動部側に設けられ、前記油圧ガスケットは機械的ガスケットとシャフトベアリングとの間に位置し、前記油圧ガスケットが、このチャンバの上部における、前記油反応真空ポンプの出力圧力管路へのこのチャンバの接続をそなえ、吸引管路がこのチャンバの下部に設けられ、これが前記油反応真空ポンプのこのチャンバの圧力調節接続を備え、これが圧力メーターまたは手動調節ユニットを備える、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
閉チャンバが前記駆動部の反対側に設けられ、前記閉チャンバは、請求項6に記載されたように、このチャンバの上側において前記油反応真空ポンプの圧力側への接続管路を含み、下側において前記油反応真空ポンプの吸引側への設定可能または可変接続管路を含み、この可変接続管路が十分大きく、反応油に含まれる粒子が前記チャンバから排出可能である、請求項5または6に記載の方法。
【請求項8】
前記油反応真空ポンプは、反応混合物に接触する全て部材の上に、TiAlNまたはAlCrNからなる耐摩耗性且つ熱安定性の硬質表面コーティングを備えた、請求項1または2に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2012−518690(P2012−518690A)
【公表日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−550414(P2011−550414)
【出願日】平成21年2月20日(2009.2.20)
【国際出願番号】PCT/DE2009/000246
【国際公開番号】WO2010/063248
【国際公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【出願人】(312001030)
【氏名又は名称原語表記】ALPHAPAT ESTABLISHMENT
【住所又は居所原語表記】Runkelstrasse 27 FL−9495 Triesen Liechtenstein
【Fターム(参考)】