説明

二次電池

【課題】第1短絡プレートと接続プレートの接触により短絡が誘発された場合、熱により第1短絡プレートの溶融現象が発生しても第2短絡プレートと接続プレートの接触により短絡状態を維持させ、ヒューズ部のヒューズ機能が作用し続けるようにした二次電池を提供すること。
【解決手段】電極組立体と、前記電極組立体を受容するケースと、前記ケースを密封し、キャッププレートを含むキャップ組立体と、前記キャッププレートに結合される縁部を有する第1短絡プレートと前記キャッププレートに結合される縁部を有する第2短絡プレートで構成される短絡部材と、を含む二次電池が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次電池に関する。
【背景技術】
【0002】
二次電池(Rechargeable battery)は、充電が不可能な一次電池とは異なり、充電及び放電が可能な電池である。一つの電池セルがパックの形で包装された低容量電池の場合、携帯及びカムコーダなどのような利用形態が実現可能な小型電子機器に使用されることが多い。一方、電池パックが数十個連結された電池パック単位の大容量電池の場合、電気自動車やハイブリッド自動車などのモータ駆動用電源として広く使用される。
【0003】
二次電池は様々な形状で製造されているが、代表的な形状としては円筒状、角状が挙げられる。また、こうした二次電池は、正・負極板の間に絶縁体であるセパレータ(separator)を介在させて形成された電極組立体と電解液とをケース内に設置し、そのケースに電極端子を接続したキャップ組立体を設置した構成を有する(例えば、下記の特許文献1を参照)。
【0004】
また、二次電池は過充電などにより過度な熱が生じたり、電解液の分解によって内部圧力が上昇したりして、発火や爆発が起きる危険性がある。そのため、こうした危険性に対し、より安全性を高めた構造を有する二次電池が要求されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−129497号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、第1短絡プレートと接続プレートとの接触により短絡が誘発され、熱により第1短絡プレートの溶融現象が発生しても第2短絡プレートと接続プレートとの接触により短絡状態を維持させることで、ヒューズ部のヒューズ機能が有効に作用し続けるようにすることが可能な、新規かつ改良された二次電池を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、電極組立体と、前記電極組立体を受容するケースと、前記ケースを密封し、キャッププレートを含むキャップ組立体と、前記キャッププレートに結合される縁部を有する第1短絡プレートと前記キャッププレートに結合される縁部を有する第2短絡プレートとで構成される短絡部材と、を含む二次電池が提供される。
【0008】
また、前記第1短絡プレートは前記ケースの内部領域に向かって突出された丸い領域を有していてもよく、前記第2短絡プレートは前記ケースの内部領域に向かって突出された丸い領域を有していてもよい。
【0009】
前記第1短絡プレートは、前記二次電池の内部圧力が第1臨界値に到達した際、前記ケースの前記内部領域から遠くなる方向に突出していてもよい。また、前記第2短絡プレートは、前記二次電池の内部圧力が第1臨界値より大きい第2臨界値に到達した際、前記ケースの前記内部領域から遠くなる方向に突出していてもよい。
【0010】
また、前記第1短絡プレートと前記第2短絡プレートは、互いに接触していてもよい。
【0011】
また、前記第1短絡プレートと前記第2短絡プレートとは、重畳していてもよい。
【0012】
また、前記キャッププレートは孔及び前記孔の外側に形成された段差面を有していてもよく、前記第1短絡プレート及び前記第2短絡プレートは前記段差面に位置していてもよい。
【0013】
また、前記第2短絡プレートは、前記第1短絡プレートの厚さよりも厚いものであってもよい。
【0014】
また、前記短絡部材は、前記キャッププレートから離隔され、前記第1短絡プレート又は第2短絡プレートと接触されるように位置する接続プレートをさらに含んでいてもよい。さらに、前記キャッププレートと前記接続プレートとの間に介在された第1絶縁部材をさらに含んでいてもよい。そして、前記第1絶縁部材は、前記第1短絡プレート及び第2短絡プレートに整列される孔を有していてもよい。また、前記接続プレートは、孔及び前記孔の外側から前記第1短絡プレート及び前記第2短絡プレートに向かって延長される突起を有していてもよい。そして、前記突起は、斜めの縁又は凹んでいる縁を有していてもよい。さらに、前記突起の縁は、前記突起に接触する前記第1又は第2短絡プレートの表面に整合する形に形成されていてもよい。
【0015】
また、前記第1短絡プレートは結合凹溝を有してもよく、前記第2短絡プレートは前記結合凹溝の内側に位置される結合突起を有していてもよい。
【0016】
また、前記第1短絡プレートの周辺領域及び前記第2短絡プレートの周辺領域は、溶接されていてもよい。
【0017】
また、前記第1及び第2短絡プレートは、アルミニウムからなっていてもよい。
【0018】
さらに、前記第2短絡プレートは、ガス放出用の孔を有していてもよい。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように本発明によれば、薄い第1厚さを有する第1短絡プレートと第1厚さより厚い第2厚さを有する第2短絡プレートとを具備する二次電池において、第1短絡プレートと接続プレートとが接触して短絡が誘発され、熱により第1短絡プレートが溶融しても第2短絡プレートと接続プレートとを接触させて短絡を維持することができる。その結果、上記の二次電池は、過充電などにより内部圧力が臨界圧力より大きくなる場合でも、短絡状態を維持させて第1ヒューズ部のヒューズ機能が有効に作用し続けるため、安全性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る二次電池を示す斜視図である。
【図2】図1のI−I’線に沿って切り取った二次電池を示す断面図である。
【図3A】図2に示す「A」部分の拡大断面図である。
【図3B】図3Aの第1短絡プレートが接続プレートに接触する場合を示す断面図である。
【図3C】図3Aの第2短絡プレートが接続プレートに接触する場合を示す断面図である。
【図4A】本発明の他の実施形態に係る二次電池のうち、図2の「A」部分と対応する部分の拡大断面図である。
【図4B】図4Aの第1短絡プレートが接続プレートに接触する場合を示す断面図である。
【図4C】図4Aの第2短絡プレートが接続プレートに接触する場合を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0022】
図1は本発明の一実施形態に係る二次電池を示す斜視図である。図2は図1のI−I’線に沿って切り取った二次電池を示す断面図である。図3Aは図2に示した「A」部分の拡大断面図である。図3Bは図3Aの第1短絡プレートが接続プレートに接触する場合を示す断面図である。図3Cは図3Aの第2短絡プレートが接続プレートに接触する場合を示す断面図である。
【0023】
図1及び図2を参照すると、本発明の一実施形態に係る二次電池100は、電極組立体110、第1集電板120、第2集電板130、ケース140、キャップ組立体150、及び短絡部材160を含む。
【0024】
前記電極組立体110は、薄い板状或いは膜状で形成された第1電極板111、セパレーター113、第2電極板112の積層体を巻き取るか重ねて形成する。ここで、第1電極板111は正極として作用することができ、第2電極板112は負極として動作することができる。
【0025】
前記第1電極板111は、アルミニウムのような金属箔で形成された第1電極集電体に遷移金属酸化物などの第1電極活物質を塗布することで形成され、第1活物質が塗布されない領域である第1電極無地部111aを含む。前記第1電極無地部111aは、第1電極板111と、第1電極板111の外部との間の電流の流れの通路になる。一方、本発明に係る実施形態において前記第1電極板111の材質はこれらに限定されない。
【0026】
前記第2電極板112は、ニッケル又は銅などのような金属箔で形成された第2電極集電体に黒鉛又は炭素などの第2電極活物質を塗布することで形成され、第2電極活物質が塗布されない領域である第2電極無地部112aを含む。前記第2電極無地部112aは、第2電極板112と、第2電極板112の外部との間の電流の流れの通路になる。一方、本発明に係る実施形態において前記第2電極板112の材質はこれらに限定されない。
【0027】
前記のような第1電極板111及び第2電極板112は、極性が異なるようにして配置されてもよい。
【0028】
前記セパレーター113は、第1電極板111と第2電極板112との間に配置されて短絡を防止し、リチウムイオンの移動を可能にする役割を果たし、ポリエチレンや、ポリプロピレンや、ポリエチレンとポリプロピレンの複合フィルムなどからなっている。一方、本発明に係る実施形態において前記セパレーター113の材質はこれらに限定されない。
【0029】
前記の電極組立体110の両側端部には、第1電極板111と第2電極板112の各々と電気的に接続するための第1集電板120と第2集電板130とが結合される。
【0030】
前記第1集電板120は、アルミニウムなどの導電性材質で形成され、電極組立体110の一側端部へ突出された第1電極無地部111aと接触することで、第1電極板111と電気的に接続される。前記第1集電板120は、図2に示すように、第1接続部121、第1延長部123、第1端子孔124及び第1ヒューズ部125を含むように構成されていてもよい。
【0031】
前記第1接続部121は、電極組立体110の上部とキャップ組立体150の下部との間に設けられ、プレート状に形成される。
【0032】
前記第1延長部123は、第1接続部121の端部から折曲されて延長され、第1電極無地部111aと実質的に接触するプレート状に形成されている。ここで、前記第1接続部121と第1延長部123とが合う角(折曲部分の角度)を「C」とすると、前記第1接続部121と第1延長部123とは、前記角Cを中心に垂直を形成していてもよい。つまり、第1接続部121と第1延長部123とが接続する部分に相当する第1集電板120の折曲部分における角度Cは略直角であってもよい。
【0033】
前記第1端子孔124は、第1接続部121の一側に形成され、前記キャップ組立体150の第1電極端子152を挟んで結合するための空間を提供する。ここで、前記第1端子孔124は、第1接続部121のうち、角Cと遠くに離隔されるように位置する。つまり、第1端子孔124は、第1接続部121と第1延長部123とが接続する部分に相当する第1集電板120の折曲部分から所定距離だけ離れた位置に形成される。
【0034】
前記第1ヒューズ部125は、電解液と接触しないように電極組立体110の上部領域(すなわち第1接続部121上)に形成される。また、前記第1ヒューズ部125は、第1端子孔124に結合される第1電極端子152と重畳されないように第1接続部121のうち、角Cと隣接した領域に位置する。つまり、第1ヒューズ部125は、第1端子孔124よりも、第1接続部121と第1延長部123とが接続する部分に相当する第1集電板120の折曲部分から近い位置に形成される。
【0035】
具体的に、前記第1ヒューズ部125は、第1ヒューズ孔125aと、第1ヒューズ孔125aの周辺から突出された第1補強突起125bとを有する。この第1ヒューズ孔125aは、電流の流れを遮断するヒューズとして機能する。また、この第1ヒューズ孔125aは、第1接続部121の電極端子の領域に位置する。この第1ヒューズ孔125aが形成された領域は、二次電池100に短絡が生じて大きい電流が流れた場合に生じる熱によって溶融される。ここで、第1ヒューズ部125は、第1ヒューズ孔125aが形成された領域の第1接続部121を溶融させることにより、電気的に分離させる。前記第1補強突起125bは、二次電池100に短絡が生じる前に外部衝撃を受けて第1ヒューズ孔125aが形成された領域に切断させないように、第1ヒューズ孔125aの形成領域の強度を補強する強度補強機能を実現させる。
【0036】
前記第2集電板130は、ニッケルなどの導電性材質で形成され、電極組立体110の他側端部へ突出形成された第2電極無地部112aと接触することで、第2電極板112と電気的に接続される。前記第2集電板130は、第2接続部131、第2延長部133及び第2端子孔134を含む。
【0037】
前記第2集電板130の第2接続部131、第2延長部133及び第2端子孔134は、図2に示された前記第1集電板120の第1接続部121、第1延長部123及び第1端子孔124と実質的に同じ形状を有しており、実質的に同じ役割を果たすので、重複説明は省略する。
【0038】
前記ケース140は、アルミニウム、アルミニウム合金又はニッケルがメッキされたスチルなどのような導電性金属で形成され、電極組立体110、第1集電板120及び第2集電板130が挿入安着できる開口部が形成された略六面体状に形成される。図2には、ケース140とキャップ組立体150とが結合された状態に示しているので開口部は図示されていないが、キャップ組立体150の縁部分が実質的に解放された部分である。一方、ケース140の内面は絶縁処理されており、電極組立体110、第1集電板120、第2集電板130及びキャップ組立体150と絶縁されている。ここで、前記ケース140は一つの極性(例えば、正極)として作用することがある。
【0039】
前記キャップ組立体150は、ケース140に結合される。前記キャップ組立体150は、具体的に、キャッププレート151、第1電極端子152、第2電極端子153、ガスケット154、ナット155を含むように構成されてもよい。また、前記キャップ組立体150は、栓156、ベントプレート157、接続板158、上部絶縁部材159a(第1絶縁部材)及び下部絶縁部材159bを含んでいてもよい。
【0040】
前記キャッププレート151はケース140の開口を密封し、ケース140と同じ材質で形成されていてもよい。前記キャッププレート151は、電解液の注入口151a、ベント孔151b及び短絡孔151cを有していてもよい。ここで、前記短絡孔151cの側面は、段差面SSを有する階段状であってもよく、段差面SSに第1短絡プレート161と第2短絡プレート162とが掛けられるように形成されている。なお、段差面SSの構成については、例えば、図3a〜図4cを参照されたい。また、前記キャッププレート151は、ケース140と同じ極性を有していてもよい。
【0041】
前記第1電極端子152は、キャッププレート151の一側を貫通して第1集電板120と電気的に接続される。前記第1電極端子152は、柱状に形成されていてもよい。また、キャッププレート151の上部に露出された上部柱の外周縁には、ねじ山が形成されていてもよい。そして、キャッププレート151の下部に位置する下部柱には、第1電極端子152がキャッププレート151から抜けないようにフランジ152aが形成され、第1電極端子152のうち、フランジ152aの下部に位置する柱の一部は第1集電板120の第1端子孔124に挟められている。ここで、前記第1電極端子152は、キャッププレート151と電気的に絶縁されてもよい。
【0042】
前記第2電極端子153は、キャッププレート151の他側を貫通して第2集電板130と電気的に接続される。前記第2締結端子153は、第1電極端子152と実質的に同じ形状を有するので、重複説明は省略する。但し、前記第2電極端子153は、キャッププレート151と絶縁される。
【0043】
前記ガスケット154は、絶縁性材質であって、第1電極端子152及び第2電極端子153の各々とキャッププレート151との間に形成されて第1電極端子152及び第2電極端子153の各々とキャッププレート151との間の空間を密封させる。このようなガスケット154は、外部の水分が二次電池100の内部へ浸透することができないようにしたり、二次電池100の内部に収容されている電解液が外部へ流出することができないようにしたりする。
【0044】
前記ナット155は、第1電極端子152及び第2電極端子153の各々に形成されたねじ山に沿って締結されて第1電極端子152及び第2電極端子153の各々とキャッププレート151に固定される。
【0045】
前記栓156はキャッププレート151の電解液の注入口151aを密封し、ベントプレート157はキャッププレート151のベント孔151bに設けられ、臨界圧力で開放できるように形成されたノッチ157aを含む。
【0046】
前記接続板158は、第1電極端子152とキャッププレート151との間に位置され、第1電極端子152が挟めるように形成され、ナット155を介してキャッププレート151とガスケット154とに密着する。この接続板158は、第1電極端子152とキャッププレート151とを電気的に接続する。
【0047】
前記上部絶縁部材159aは、第2電極端子153とキャッププレート151との間に位置し、第2電極端子153が挟まるように形成され、キャッププレート151とガスケット154とに密着される。この上部絶縁部材159aは、第2電極端子153とキャッププレート151とを絶縁させる。ここで、前記上部絶縁部材159aは、孔又はオープニングOP(開口部)を有し、これは前記第1短絡プレート161及び前記第2短絡プレート162に整列配置される。
【0048】
前記下部絶縁部材159bは、第1集電板120と第2集電板130の各々とキャッププレート151との間に形成され、不要な短絡の発生を防止する。
【0049】
前記短絡部材160は、キャップ組立体150の上部に設けられ、過充電などにより二次電池100の内部圧力が臨界圧力より大きくなる場合、短絡を誘導して第1ヒューズ部125が電流の流れを遮断するように働く。このため、前記短絡部材160は、導電性材質の第1短絡プレート161、第2短絡プレート162及び接続プレート163を含むように形成される。
【0050】
図3Aを参照すると、前記第1短絡プレート161は、溶接などの方法によりキャッププレート151の短絡孔151cに設けられる。具体的に、前記第1短絡プレート161は、下に膨らんだ第1ラウンド部161a(電極組立体110の方向であるケース140の内部に向く)と、短絡孔151cの側面(すなわち段差面SSに固定された第1縁部161b)と、第1縁部161bの下面に形成された結合溝161cとを含む反転プレートで構成され、キャッププレート151と電気的に接続される。
【0051】
なお、前記第1短絡プレート161の第1縁部161bのうち、結合溝161cの外側に溶接による溶接部が形成されていてもよい。前記第1短絡プレート161は、アルミニウム材質で形成されてもよいが、これに本発明を限定するものではない。また、前記第1短絡プレート161は、反転可能であるように略0.3mm〜0.4mmの第1厚さT1を有していてもよいが、本発明に係る実施形態はこれに限定されるものではない。
【0052】
上述の第1短絡プレート161は、二次電池100に過充電が発生して二次電池100の内部圧力が第1臨界圧力より大きくなる場合、図3Bに示すように反転されて上に膨らんで突出され、接続プレート163に接触することで短絡を誘発させる。すなわち、第1短絡プレート161は、電極組立体110から遠くなる方向であるケース140の内部方向に突出する。前記短絡が誘発されると大きい電流が流れることになり、熱が発生し、この際に第1ヒューズ部125はヒューズ機能を果たすことで二次電池100の安全性を向上させる。ここで、第1短絡プレート161と接続プレート163とは、線接触(line contact)していてもよい。
【0053】
前記第2短絡プレート162は、溶接などの方法によりキャッププレート151の短絡孔151cに設けられ、具体的には、第1短絡プレート161の下部に配置される。前記第2短絡プレート162は、第1短絡プレート161と実質的に対応する大きさを有しており、前記第1短絡プレート161は重畳しうる。
【0054】
具体的に、前記第2短絡プレート162は、下に膨らんだ第2ラウンド部162a(すなわち、ケース140の内部方向に向く)と、短絡孔151cの側面(すなわち段差面SSに固定された第2縁部162b)と、第2縁部162bの下面に形成された結合突起162cと、第2ラウンド部162aに形成されたガス排出孔162dとを含む反転プレートで形成され、キャッププレート151と電気的に接続される。
【0055】
なお、前記第2短絡プレート162の第2縁部162bのうち、結合溝162cの外側に、溶接による溶接部が形成されていてもよい。前記第2短絡プレート162は、アルミニウム材質で形成されていてもよいが、本発明に係る実施形態はこれに限定されるものではない。ここで、前記第2短絡プレート162aの上面は第1ラウンド部161aの下面と接触し、第2縁部162bの上面は第1ラウンド部161bの下面に接触し、第2縁部162bの下面は段差面SSに接触し、結合突起162cは結合溝161cに結合される。
【0056】
上述の第2短絡プレート162は、薄い第1の厚さT1を有する第1短絡プレート161が接続プレート163に接触された状態から溶融される場合、図3Cに示すように反転されて上に膨らんで突出され、接続プレート163に接触することで短絡を維持する。すなわち、第2短絡プレート162は、接続プレート163に接触して短絡を誘発させた第1短絡プレート161が熱により溶融されても、短絡を維持させてヒューズ部125のヒューズ機能が作用し続けることができるように働く。
【0057】
ここで、第2短絡プレート162の反転は、第1短絡プレート161が溶融される場合、二次電池100の内部からガス放出孔162dを介して第1短絡プレート161の溶融された部分に排出されるガスの圧力により実現されうる。これにより、前記第2短絡プレート162は、第1短絡プレート161が溶融される際、二次電池100の内部からガス放出孔162dを介して第1短絡プレート161の溶融された部分に排出されるガスの圧力(すなわち、第1臨界圧力より大きい第2臨界圧力)で反転可能になるように、第1の厚さT1より厚い第2の厚さT2を有していてもよい。前記第2の厚さT2は、例えば略0.5mm〜0.6mmであってもよい。
【0058】
前記接続プレート163は、キャッププレート151から離隔された外側から第2電極端子153が挟めるように形成され、短絡孔151cを覆うように延長される。前記接続プレート163は、第2電極端子153と電気的に接続される。前記接続プレート163は平らな上面と下面とを有し、銅材質で形成されていてもよいが、本発明に係る実施形態はこれに限定されるものではない。また、前記接続プレート163は1mm以上の厚さを有してもよいが、本発明に係る実施形態はこれに限定されるものではない。また、前記接続プレート163は、短絡孔151cと対応する領域に形成される孔163aと突起163bとを含む。
【0059】
前記孔163aは、第1短絡プレート161又は第2短絡プレート162と接続プレート163が接触して短絡が発生する場合、電流の流れが一定になるように働く。すなわち、前記孔163aは第1短絡プレート161又は第2短絡プレート162と接続プレート163との接触領域で抵抗が大きくなるため、第1短絡プレート161又は第2短絡プレート162と接続プレート163との接触領域の抵抗と異なる領域の抵抗との差を最小化するように構成する。
【0060】
前記突起163bは接続プレート163の下面(すなわち第1短絡プレート161と向かい合う面)に形成され、孔163aの周辺から突出される。この突起163bは第1短絡プレート161又は第2短絡プレート162と第3短絡プレート263との間の距離を縮め、第1短絡プレート161又は第2短絡プレート162と接続プレート163との接触を強くさせることができる。
【0061】
前記のように、本発明の一実施形態に係る二次電池100は、薄い第1厚さT1を有する第1短絡プレート161と第1の厚さT1よりも厚い第2の厚さT2を有する第2短絡プレート162とを具備することで、第1短絡プレート161と接続プレート163とが接触して短絡が誘発される場合、熱により第1短絡プレート161が溶融されても第2短絡プレート162と接続プレート163とを接触させて短絡を維持することができる。
【0062】
従って、本発明の一実施形態に係る二次電池100は、過充電などにより内部圧力が臨界圧力より大きくなる場合、短絡状態を維持させて第1ヒューズ部125のヒューズ機能が作用し続けるようにすることで、安全性を向上させることができる。
【0063】
次に、本発明の他の実施形態に係る二次電池について説明する。
【0064】
図4Aは、本発明の他の実施形態に係る二次電池のうち、図2の「A」部分と対応する部分の拡大断面図である。また、図4Bは図4Aの第1短絡プレートが接続プレートに接触する場合を示す断面図である。また、図4Cは図4Aの第2短絡プレートが接続プレートに接触する場合を示す断面図である。
【0065】
本発明の他の実施形態に係る二次電池は、図2に示した二次電池100と比べて短絡部材260の接続プレート263の構成のみが相異なるだけであり、同じ符号を付した他の構成要素については同じ構成を有し、同じ作用を果たす。従って、実質的に同じ構成に対する図示及び重複した説明は省略し、接続プレート263に対して重点的に説明する。
【0066】
図4Aに示すように、本発明の他の実施形態に係る二次電池の短絡部材260は、導電性材質の第1短絡部材161、第2短絡プレート162及び第3短絡プレート263を含む。
【0067】
前記接続プレート263は、孔163aと突起263bを含め、図3Aに示された接続プレート163と類似である。但し、前記接続プレート263の突起263bのうち、第1短絡プレート161と向かい合う面は、第1短絡プレート161が反転された場合、第1短絡プレート161と面接触(surface contact)することができるように凹むラウンド面となっている。
【0068】
上述の接続プレート263は、図4Bに示すように第1短絡プレート161が反転される場合、突起263bを介して第1短絡プレート161と接続プレート163とが面接触するようにし、第1短絡プレート161と接続プレート163との接触に際して抵抗を減らすように働く。これにより、前記接続プレート263は、第1短絡プレート161と接続プレート263とが接触される部分で溶融される現象を減らすように作用する。
【0069】
また、前記接続プレート263は、図4Cに示すように第1短絡プレート161が溶融され、第2短絡プレート162が反転される場合、突起263bを介して第2短絡プレート162と接続プレート263とが面接触するように構成され、第2短絡プレート162と接続プレート263との接触に際して抵抗を減らすように働く。これにより、前記接続プレート263は、さらに円滑に第2短絡プレート162と接続プレート263とによる短絡を維持するように働くことができる。
【0070】
前記のように、本発明の他の実施形態に係る二次電池は、反転される第1短絡プレート161又は第2短絡プレート162と面接触する突起263bを有する接続プレート263を具備することで、熱により第1短絡プレート161が溶融される現象を減らし、第2短絡プレート162による短絡維持をさらに円滑に実現するように働く。従って、本発明の他の実施形態に係る二次電池は、過充電の際に第1ヒューズ部125のヒューズ機能が作用し続けるようにすることで、安全性を向上させることができる。
【0071】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0072】
100 二次電池
110 電極組立体
120 第1集電板
130 第2集電板
140 ケース
150 キャップ組立体
160、260 短絡部材
161 第1短絡プレート
162 第2短絡プレート
163、263 接続プレート


【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極組立体と、
前記電極組立体を収容するケースと、
前記ケースを密封し、キャッププレートを含むキャップ組立体と、
前記キャッププレートに結合される縁部を有する第1短絡プレートと、前記キャッププレートに結合される縁部を有する第2短絡プレートと、で形成される短絡部材と、
を含む
ことを特徴とする二次電池。
【請求項2】
前記第1短絡プレートは、前記ケースの内部領域に向かって突出された丸い形状の領域を有し、
前記第2短絡プレートは、前記ケースの内部領域に向かって突出された丸い形状の領域を有する
ことを特徴とする、請求項1に記載の二次電池。
【請求項3】
前記第1短絡プレートは、前記二次電池の内部圧力が第1臨界値に到達した際、前記ケースの前記内部領域から遠くなる方向に突出する
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の二次電池。
【請求項4】
前記第2短絡プレートは、前記二次電池の内部圧力が第1臨界値より大きい第2臨界値に到達した際、前記ケースの前記内部領域から遠くなる方向に突出する
ことを特徴とする、請求項3に記載の二次電池。
【請求項5】
前記第1短絡プレートと前記第2短絡プレートとは、互いに接触する
ことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の二次電池。
【請求項6】
前記第1短絡プレートと前記第2短絡プレートとは、重畳する
ことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の二次電池。
【請求項7】
前記キャッププレートは、孔、及び前記孔の外側に形成された段差面を有し、
前記第1短絡プレート及び前記第2短絡プレートは、前記段差面に位置する
ことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の二次電池。
【請求項8】
前記第2短絡プレートは、前記第1短絡プレートの厚さより厚い
ことを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の二次電池。
【請求項9】
前記短絡部材は、前記キャッププレートから離隔され、前記第1短絡プレート又は前記第2短絡プレートと接触するように位置する接続プレートをさらに含む
ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の二次電池。
【請求項10】
前記キャッププレートと前記接続プレートとの間に介在された第1絶縁部材をさらに含む
ことを特徴とする、請求項9に記載の二次電池。
【請求項11】
前記第1絶縁部材は、前記第1短絡プレート及び前記第2短絡プレートに整列される孔を有する
ことを特徴とする、請求項10に記載の二次電池。
【請求項12】
前記接続プレートは、孔、及び前記孔の外側から前記第1短絡プレート及び前記第2短絡プレートに向かって延長される突起を有する
ことを特徴とする、請求項9に記載の二次電池。
【請求項13】
前記突起は、斜めの縁又は凹んでいる縁を有する
ことを特徴とする、請求項9に記載の二次電池。
【請求項14】
前記突起の縁は、前記突起に接触する前記第1又は第2短絡プレートの表面に整合する形に形成される
ことを特徴とする、請求項9に記載の二次電池。
【請求項15】
前記第1短絡プレートは、結合凹溝を有し、
前記第2短絡プレートは、前記結合凹溝の内側に位置する結合突起を有する
ことを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の二次電池。
【請求項16】
前記第1短絡プレートの周辺領域及び前記第2短絡プレートの周辺領域は、溶接される
ことを特徴とする、請求項1〜15のいずれか1項に記載の二次電池。
【請求項17】
前記第1及び第2短絡プレートは、アルミニウムからなる
ことを特徴とする、請求項1〜16のいずれか1項に記載の二次電池。
【請求項18】
前記第2短絡プレートは、ガス放出用の孔を有する
ことを特徴とする、請求項1〜17のいずれか1項に記載の二次電池。


【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【公開番号】特開2012−195278(P2012−195278A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−203036(P2011−203036)
【出願日】平成23年9月16日(2011.9.16)
【出願人】(509139597)エス・ビー リモーティブ 株式会社 (130)
【氏名又は名称原語表記】SB Limotive Co.,Ltd.
【Fターム(参考)】