交流モータおよび電源装置
【課題】モータの制御回路などの電源を簡略化すること。
【解決手段】ステータコアティースに巻き回されたモータ励磁巻線31−1,31−2を有する交流モータ1のモータ部16において、モータ励磁巻線31−1,31−2と共にステータコアティースに巻き回されてモータ励磁巻線31−1,31−2に通電される交流電圧によって発生する磁力線によって電圧が誘起される電源巻線32−1,32−2を有するモータ部16を有する構成とする。
【解決手段】ステータコアティースに巻き回されたモータ励磁巻線31−1,31−2を有する交流モータ1のモータ部16において、モータ励磁巻線31−1,31−2と共にステータコアティースに巻き回されてモータ励磁巻線31−1,31−2に通電される交流電圧によって発生する磁力線によって電圧が誘起される電源巻線32−1,32−2を有するモータ部16を有する構成とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交流モータおよび電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
単相交流同期モータなどの交流モータでは、同期運転中は電源周波数に同期するなど、モータの運転そのものに関する制御は必要としないが、正常回転検出や速度制御などを行うための制御回路を有するものがある(たとえば特許文献1参照)。
【0003】
このような制御回路は、マイコン(マイクロ・コンピュータ)、センサ、ドライバなどの回路を内部に有する。そして、マイコンならば数十ミリアンペア程度のDC(直流)3V〜5Vの電源を必要とし、センサまたはドライバならば数ミリアンペア程度のDC7V〜15Vの電源を必要とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−22847号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したような制御回路のための電源回路は、たとえばAC(交流)100Vを入力とし、数十ミリアンペアのDC3〜15Vを出力するなど、入力電圧が高く、出力電圧および負荷電流が小さい。このため電源回路としての効率はきわめて低い(たとえば20%程度)。さらには電源回路に要するコストおよび電源回路の寸法などがモータの低価格化および小型化を阻害する要因となっている。
【0006】
さらに、電源回路に平滑用の電解コンデンサを用いる場合には、様々な電子デバイスの中で比較的寿命が短い電解コンデンサの寿命が電源回路の寿命となるため、電源回路の長寿命化が難しい。
【0007】
本発明は、このような背景の下に行われたものであって、モータの制御回路などの電源を簡略化することができる交流モータおよび電源装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の1つの観点は、交流モータとしての観点である。すなわち、本発明の交流モータは、ステータコアティースに巻き回されたモータ励磁巻線を有する交流モータにおいて、モータ励磁巻線と共にステータコアティースに巻き回されてモータ励磁巻線に通電される交流電圧によって発生する磁力線によって電圧が誘起される電源巻線を有するモータ部を有するものである。
【0009】
たとえば本発明の交流モータは、モータ部の電源巻線により誘起された電圧によって動作してモータ部を制御する制御回路を有することができる。
【0010】
また、たとえば本発明の交流モータは、電源巻線により誘起された電圧を外部に供給するための電圧供給端子を有することができる。
【0011】
さらに、本発明の交流モータは、ステータコアティースを複数有し、電源巻線を複数のステータコアティースの少なくとも2つに有することができる。このときに、複数の電源巻線が直列または並列に接続されるようにしてもよい。
【0012】
本発明の他の観点は、電源装置としての観点である。すなわち、本発明の電源装置は、ステータコアティースに巻き回されたモータ励磁巻線を有するモータ部を有し、モータ部は、モータ励磁巻線と共にステータコアティースに巻き回されてモータ励磁巻線に通電される交流電圧によって発生する磁力線によって電圧が誘起される電源巻線を有し、電源巻線により誘起された電圧を外部に供給するための電圧供給端子を有するものである。
【0013】
さらに、モータ部は、ステータコアティースを複数有し、本発明の電源装置は、電源巻線を複数のステータコアティースの少なくとも2つに有することができる。このときに、複数の電源巻線が直列または並列に接続されるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0014】
各発明によれば、モータの制御回路などの電源を簡略化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第一の実施の形態の交流モータの構成を示す図である。
【図2】図1の交流モータが有するモータ部の構成図である。
【図3】図1のモータ部の電源電圧と出力電圧との関係を示す図である。
【図4】図1の電源回路の動作を説明するための図である。
【図5】図1の交流モータの電源巻線数とDC出力電圧との関係を測定するための要部構成を示す図であり、単独巻線の場合を示す図である。
【図6】図1の交流モータの電源巻線数とDC出力電圧との関係を測定するための要部構成を示す図であり、並列巻線(×2)の場合を示す図である。
【図7】図1の交流モータの電源巻線数とDC出力電圧との関係を測定するための要部構成を示す図であり、並列巻線(×4)の場合を示す図である。
【図8】図1の交流モータの電源巻線数とDC出力電圧との関係を示す図である。
【図9】図1のモータ部の電源巻線の巻き方と負荷変動との関係を測定するための要部構成を示す図であり、単独巻線(300T)の場合を示す図である。
【図10】図1のモータ部の電源巻線の巻き方と負荷変動との関係を測定するための要部構成を示す図であり、並列巻線(×2)(300T×2)の場合を示す図である。
【図11】図1のモータ部の電源巻線の巻き方と負荷変動との関係を測定するための要部構成を示す図であり、並列巻線(×4)(300T×4)の場合を示す図である。
【図12】図1のモータ部の電源巻線の巻き方と負荷変動との関係を測定するための要部構成を示す図であり、直列巻線(150T×2=300T)の場合を示す図である。
【図13】図1のモータ部の電源巻線の巻き方と負荷変動との関係を示す図である。
【図14】図1のモータ部の入出力特性を測定するための要部構成を示す図である。
【図15】図1のモータ部の入出力特性を示す図である。
【図16】従来の交流モータの電源回路を本発明の第一の実施の形態の交流モータにおける電源回路の比較例として示す図である。
【図17】本発明の第二の実施の形態のモータ部の構成を示す図である。
【図18】図17のモータ部を有する本発明の第二の実施の形態の交流モータの要部構成を示す図である。
【図19】本発明の第三の実施の形態のモータ部の構成を示す図である。
【図20】図19のモータ部を有する本発明の第三の実施の形態の交流モータの要部構成を示す図である。
【図21】本発明の第四の実施の形態のモータ部の構成を示す図である。
【図22】図21のモータ部を有する本発明の第四の実施の形態の交流モータの要部構成を示す図である。
【図23】本発明の第五の実施の形態のモータ部の構成を示す図である。
【図24】図23のモータ部を有する本発明の第五の実施の形態の交流モータの要部構成を示す図である。
【図25】本発明の第六の実施の形態のモータ部の構成を示す図である。
【図26】図25のモータ部を有する本発明の第六の実施の形態の交流モータの要部構成を示す図である。
【図27】本発明の第七の実施の形態のモータ部の構成を示す図である。
【図28】図27のモータ部を有する本発明の第七の実施の形態の交流モータの要部構成を示す図である。
【図29】本発明の第八の実施の形態のモータ部の構成を示す図である。
【図30】図29のモータ部を有する本発明の第八の実施の形態の交流モータの要部構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(モータ部16およびモータ部16を有する交流モータ1の概要について)
本発明の第一の実施の形態の交流モータ1の構成例を図1に示し、この交流モータ1のモータ部16の構成例を図2に示す。図2に示すモータ部16を有する図1に示す交流モータ1は、モータ部16とその周辺回路とによって構成される。図1に示す周辺回路は、たとえば図2に示すモータ部16の筐体の周囲に別体に構成されて装着される。あるいは、図1に示す周辺回路は、たとえば図2に示すモータ部16の筐体の内部に収容される。
【0017】
モータ部16は、モータ励磁巻線31−1,31−2に電源巻線32−1,32−2を巻き回す。これによりモータ励磁巻線31−1,31−2を一次側巻線とし、電源巻線32−1,32−2を二次側巻線とするトランスを構成する。
【0018】
(交流モータ1の構成について)
図1は、本発明の第一の実施の形態としての交流モータ1の構成例を示すブロック図である。交流モータ1は、モータ制御回路15の制御に従って、モータ部16を回転駆動させる。詳細は後述するが、モータ制御回路15には、モータ部16の起動時には、電源回路13およびレギュレータ14を介して直流電源が供給されるが、同期駆動後は、モータ部16により発生した電圧が整流器17およびレギュレータ14を介して直流電源として供給されるようになされている。
【0019】
電源端子11−1,11−2には、交流モータ1に交流電源を供給する単相交流電源2が接続される。なお単相交流電源2は、たとえば100V/50Hz、100V/60Hz、110V/60Hz、230V/50Hzなどの商用電源(正弦波)である。なお、交流モータ1に適用できる単相交流電源2の周波数としては、たとえば40Hz〜75Hzの範囲内のいずれでも適用可能である。
【0020】
電源端子11−1,11−2には、整流器12およびモータ制御回路15が接続される。すなわち電源端子11−1,11−2を介して整流器12およびモータ制御回路15に単相交流電源2の単相交流電圧が供給される。
【0021】
整流器12は、電源端子11−1,1−2から供給される単相交流電圧を全波整流し、電源回路13に供給する。
【0022】
電源回路13は、整流器12により全波整流された電圧の大きさおよびコンデンサC1の充電電圧に基づいてスイッチング動作し、整流器12により全波整流された電圧を断続的に出力する。電源回路13の構成およびその動作については後述する。
【0023】
コンデンサC1は、電源回路13の出力電圧、および整流器17からの電圧を充電するためのコンデンサである。なおモータの起動時は主に電源電圧13の出力電圧が充電され、同期時は、整流器17からの電源が主に充電される。この例では、コンデンサC1には7V程度の電圧が充電される。
【0024】
レギュレータ14は、たとえば三端子レギュレータであり、電源回路13または整流器17から出力された直流電圧(たとえばDC7V程度)を入力し、モータ制御回路15の制御系のCPU(Central processing Unit)が動作するための所定の電圧(たとえばDC5V程度)を出力する。なおモータの起動時は主に電源電圧13の出力電圧を入力し、同期時は、整流器17からの電圧を主に入力する。
【0025】
コンデンサC2は、レギュレータ14の出力電圧を平滑化するためのコンデンサである。
【0026】
モータ制御回路15は、スイッチSW1,SW2、不図示の起動回路、回転検出回路、速度制御回路などを有する。起動回路は、モータ部16が静止状態から起動する際に、整流器12の全波整流された電圧から擬似交流を生成する。回転検出回路は、モータ部16が同期駆動中に、回転速度を検出する。速度制御回路は、モータ部16が同期駆動中に、回転検出回路の検出結果にしたがって回転速度を調整するなどの制御を行う。
【0027】
また、モータ制御回路15は、起動時は、スイッチSW1,SW2を開放し、電源端子11−1,11−2から供給される単相交流電圧のモータ部16への供給を停止し、電源回路13を介して供給される整流器12により全波整流された電圧から起動回路が生成した擬似交流をモータ部16に供給する。すなわち起動時のモータ部16は、供給された疑似交流によって発生した回転磁界により駆動を開始する。一方、モータ部16の同期駆動中は、モータ制御回路15は、スイッチSW1,SW2を閉結し、電源端子11−1,11−2から供給される単相交流電圧をモータ部16に直接供給する。すなわち同期時のモータ部16は、単相交流電圧によって直接同期駆動される。
【0028】
モータ制御回路15の制御系(たとえば、速度制御回路、起動回路、回転検出回路)の電源として、DC5V程度の直流電源が必要となり、これは、レギュレータ14を介して供給される。また、スイッチSW1,SW2を構成するスイッチング素子(たとえばFET:電界効果トランジスタなど)の電源としては、DC7V程度の電源が必要であり、これは、コンデンサC1の放電により直接供給される。
【0029】
モータ部16は、たとえば単相交流同期モータである。モータ部16は、図2に示すように、モータ励磁巻線31−1〜31−4、電源巻線32−1,32−2、磁極数4極のロータマグネット33−1〜33−4、4極のステータコアティース34−1〜34−4、回転軸35、ロータヨーク36、およびステータヨーク37を有する。ロータマグネット33−1〜33−4の内側には回転軸35が設けられる。回転軸35とロータマグネット33−1〜33−4との間には、ロータヨーク36が設けられる。
【0030】
ステータコアティース34−1〜34−4にはモータ励磁巻線31−1〜31−4が巻き回されており、モータ励磁巻線31−1〜31−4に通電されると隣接するステータコアティース34−1〜34−4は互いに異なる極性に磁化される。また、ステータコアティース34−1〜34−4は、ステータヨーク37によって連結されている。また、ステータヨーク37は、モータ部16の筐体を構成する。
【0031】
モータ励磁巻線31−1〜31−4が通電されると、モータ励磁巻線31−1〜31−4に回転磁界が発生し、回転軸35が回転する。
【0032】
モータ励磁巻線31−1,31−2には、電源巻線32−1,32−2が巻き回されている。電源巻線32−1は、整流器18に接続されている。電源巻線32−2は、整流器17に接続されている。
【0033】
コンデンサC3は、整流器18の出力電圧を平滑化するためのコンデンサである。
【0034】
整流器17は、電源巻線31−2に励起した電圧を全波整流し、レギュレータ14に供給する。なお、整流器17の出力電圧は、その詳細は後述するが、電源巻線の巻線数、個数等により調整される。
【0035】
整流器18は、電源巻線31−1に励起した電圧を全波整流し、外部電源端子19−1,19−2に供給する。なお整流器18の出力電圧は、その詳細は後述するが、電源巻線の巻線数、個数等により調整される。
【0036】
外部電源端子19−1,19−2には、直流電圧を使用するセンサなどの外部機器20が接続されている。すなわち整流器18によって全波整流され、コンデンサC3によって平滑化された直流電圧が、外部電源端子19−1,19−2を介して外部機器20に供給される。
【0037】
図3は、モータ励磁巻線31−1,31−2に供給される電源電圧とその電源電圧により電源巻線32−1,32−2において発生する電圧(出力電圧)を示す図である。図3は、横軸に時間をとり、右側の縦軸に出力電圧(V)をとり、左側の縦軸に電源電圧(V)をとる。
【0038】
モータ部16のモータ励磁巻線31−1,31−2に電源電圧が通電されると、これに応じて電源巻線32−1,32−2に出力電圧が発生する。図3では、モータ励磁巻線31−1,31−2はそれぞれ850T(ターン)とし、電源巻線32−1,32−2はそれぞれ300Tとしている。この場合、電源電圧の実効値を100Vとすると実効値8.8Vの出力電圧が出力される。
【0039】
出力電圧=
(入力電圧/磁極数)×(電源巻線のターン数/モータ励磁巻線のターン数)
であり、図2および図3の例では、
(100V/4)×(300T/850T)=8.8V
である。
【0040】
このようにモータ部16の電源巻線32−1,32−2に発生した出力電圧が整流器17により全波整流され、コンデンサC1およびレギュレータ14に供給される。
【0041】
(電源回路13について)
電源回路13は、ダイオードD1,D2、スイッチング素子Q1、トランジスタQ2、抵抗R1〜R5、およびツェナーダイオードZDを有する。
【0042】
スイッチング素子Q1は、整流器12から供給される電圧の出力を制御するスイッチング素子である。スイッチング素子Q1がオンのとき、整流器12から供給される電圧は、電源回路13の出力電圧として取得され、オフのとき、整流器12から供給される電圧の出力は停止する。
【0043】
スイッチング素子Q1には、抵抗R1に発生する電圧がゲート電圧として印加される。なお、前述したように、スイッチング素子Q1は、一例としてNチャネルのMOS型FET(電界効果トランジスタ)の記号を示したがスイッチング素子Q1の種類をこれに限定するものではない。
【0044】
抵抗R2,R3および抵抗R4,R5は、それぞれ、トランジスタQ2のベースに対する抵抗分圧回路を構成し、トランジスタQ2のベースには、整流器12からの入力電圧が抵抗R2,R3の値に応じて分圧された所定の大きさの電圧が供給される。すなわち抵抗R2,R3を所定の値にすることにより、整流器12からの入力電圧が所定の値以上に上昇したときに、トランジスタQ2のベースに、トランジスタQ2をONする電圧が供給されるようにすることができる。
【0045】
トランジスタQ2のベースに所定の電圧が通電されてトランジスタQ2がONすると、抵抗R1に発生するスイッチング素子Q1のゲート電圧は接地電位に降下するのでスイッチング素子Q1はOFFになる。なお、ツェナーダイオードZDは、温度特性を改善するためのものであり、その役割については後述する。
【0046】
このことから、抵抗R2,R3により、スイッチング素子Q1がオンとなる入力電圧の上限を決定することができる。
【0047】
トランジスタQ2のベースにはまた、コンデンサC1に充電された電圧が抵抗R4,R5の値に応じて分圧された所定の大きさの電圧が供給される。抵抗R4,R5を所定の値にすることにより、コンデンサC1に充電された電圧が所定の値以上に上昇したときに、トランジスタQ2をONする電圧が供給されるようにすることができる。
【0048】
トランジスタQ2のベースに所定の電圧が通電されてONすると、上述したようにスイッチング素子Q1はオフになる。スイッチング素子Q1がOFFになると、コンデンサC1への充電が停止する。
【0049】
このことから、抵抗R4,R5、およびコンデンサC1の容量により、電源回路13の電圧出力を制御することができる。
【0050】
図4は、整流器12から電源回路13への入力電圧、電源回路13の出力電圧、およびスイッチング素子Q1のゲート電圧の関係を示す図である。抵抗R2,R3は、整流器12からの入力電圧が所定の値(この例の場合、Vin_max=75V)以上に上昇したときに、トランジスタQ2をONする電圧が供給されるような値を有し、抵抗R4,R5は、コンデンサC1に充電された電圧が所定の値(この例の場合、Vs=7V)以上に上昇したときに、トランジスタQ2をONする電圧が供給されるような値を有しているものとする。
【0051】
整流器12から電源回路13に供給される入力電圧がVin_max(75V)より小さく、かつコンデンサC1への充電電圧(出力電圧)がVs(7V)より小さい区間では、トランジスタQ2のベースには、トランジスタQ2をON状態にする電圧が供給されていないので、トランジスタQ2はOFF状態になる。これにより、スイッチング素子Q1はON状態になり、整流器12からの電圧が電源回路13の出力電圧として出力される。その間、電源回路13の出力電圧は、コンデンサC1に充電される(図中、「コンデンサC1充電区間」)。
【0052】
一方、整流器12から電源回路13に供給される入力電圧がVin_max(75V)以上であるとき、またはコンデンサC1への充電電圧(出力電圧)がVs(7V)以上であるとき、トランジスタQ2のベースには、トランジスタQ2をON状態にする電圧が供給されて、トランジスタQ2がON状態になり、スイッチング素子Q1がOFF状態になる。これにより、電源回路13からの電圧出力は停止する。たとえば、区間Toffでは、整流器12から電源回路13に供給される入力電圧がVin_max(75V)より小さいが、コンデンサC1への充電電圧(出力電圧)がVs(7V)以上となり、電源回路13からの電圧出力は停止する。
【0053】
なお、コンデンサC1の容量は、たとえば充電されていない間の放電でも、要求電圧(たとえば、7V)を出力できる大きさとなっている。
【0054】
ここで、モータ起動時およびモータ同期時の電源回路13の動作について説明する。起動が開始され、図4に示したようにスイッチング素子Q1のON/OFFが繰り返され、断続的に整流器12からの電圧が出力され、コンデンサC1に充電される。ここでコンデンサC1に充電された電圧が、直接またはレギュレータ14を介してモータ制御回路15に供給される。
【0055】
その後、同期状態に入ると、図3に示したようなモータ部16から出力された電圧が、整流器17を介して、継続的にコンデンサC1が供給されて充電される。その結果、コンデンサC1が、Vs以上の電圧になりトランジスタQ2がON状態になり、スイッチング素子Q1がOFF状態になる。その結果電源回路13の電圧出力は停止し、モータ制御回路15への電源供給は、モータ部16で発生した電圧により充電されたコンデンサC1からの放電により行われる。
【0056】
なお、その後、何らかの原因によってモータ部16の同期運転が停止されると、電源巻線32−2が発生する電圧が低下し、コンデンサC1の充電電圧が電圧Vs以下になる場合が生じる。そのときは、電源回路13からの電源供給が開始される。
【0057】
電源回路13を図1に示す構成とすることにより以下のような関係式が成り立つ。すなわち、スイッチング素子Q1がON状態になる上限の入力電圧(入力電圧の上限に相当する)をVin_max、出力電圧をVs、トランジスタQ2のベースとエミッタとの間の電圧をVbe、ダイオードD1の順方向電圧をVf1、ダイオードD2の順方向電圧をVf2、抵抗R2,R3の抵抗値をそれぞれR2,R3、ツェナーダイオードZDのツェナー電圧をVzとすれば、スイッチング素子Q1がON状態になる上限の入力電圧Vin_maxは、抵抗R2,R3の抵抗値を適宜選択することにより、
Vin_max=(Vz+Vbe+Vf1)×(1+(R2/R3))
として設定することができる。また、出力電圧Vsは、抵抗R4,R5の抵抗値を適宜選択することにより、
Vs=(Vz+Vbe+Vf2)×(1+(R4/R5))
として設定することができる。
【0058】
また、ツェナーダイオードZDのツェナー電圧Vzの温度特性は、トランジスタQ2のベースとエミッタとの間の電圧Vbeの温度特性とダイオードD1,D2の順方向電圧Vf1,Vf2の温度特性とが互いにキャンセルするような乗数を選択することにより良好なものとすることができる。たとえばトランジスタQ2のベースとエミッタとの間の電圧Vbeが−2mV/℃であり、ダイオードD1,D2の順方向電圧Vf1,Vf2の温度特性が−2mV/℃であるとすれば、ツェナーダイオードZDのツェナー電圧Vzの温度特性を+4mV/℃とすることがよい。
【0059】
(電源巻線の巻線数とDC出力電圧との関係について)
次に、電源巻線32−1〜32−4の巻線数とDC出力電圧との関係について図5〜図8を参照して説明する。一例として、図5に示すように、モータ部16の1つのモータ励磁巻線31−1に1つの電源巻線32−1を巻き回した場合(単独巻線)、図6に示すように、モータ部16の2つのモータ励磁巻線31−1,31−2にそれぞれ1つずつ電源巻線32−1および電源巻線32−2をそれぞれ同じ巻線数ずつ巻き回し、電源巻線32−1,32−2を並列接続した場合(並列巻線(×2))、図7に示すように、モータ部16の4つのモータ励磁巻線31−2〜31−4にそれぞれ1つずつ電源巻線32−1、電源巻線32−2、電源巻線32−3、および電源巻線32−4を同じ巻線数ずつ巻き回し、電源巻線32−1〜32−4を並列接続した場合(並列巻線(×4))のそれぞれについて、モータ部16にAC100V60Hzの単相交流電圧を通電して同期駆動状態とし、モータ励磁巻線31−1〜31−4に20mAの電流が流れるような負荷を与え、外部電源端子19−1,19−2のDC出力電圧を測定した結果を図8に示す。モータ励磁巻線31−1〜31−4の巻線数は850Tとする。図8は、横軸に電源巻線数(T)をとり、縦軸にDC出力電圧(V)をとる。
【0060】
実線(単独巻線)は、モータ部16の1つのモータ励磁巻線31−1に1つの電源巻線32−1を巻き回した場合(図5相当)の電源巻線32−1の巻線数と外部電源端子19−1,19−2のDC出力電圧との関係を示している。
【0061】
破線(並列巻線(×2))は、モータ部16の2つのモータ励磁巻線31−1,31−2にそれぞれ1つずつ電源巻線32−1および電源巻線32−2を同じ巻線数ずつ巻き回し、2つの電源巻線32−1,32−2を並列に接続した場合(図6相当)の電源巻線32−1,32−2の巻線数と外部電源端子19−1,19−2のDC出力電圧との関係を示している。
【0062】
一点鎖線は、モータ部16の4つのモータ励磁巻線31−1〜31−4にそれぞれ1つずつ電源巻線32−1、電源巻線32−2、電源巻線32−3、および電源巻線32−4を同じ巻線数ずつ巻き回し、4つの電源巻線32−1〜32−4を並列に接続した場合(図7相当)の電源巻線32−1〜32−4の巻線数と外部電源端子19−1,19−2のDC出力電圧との関係を示している。
【0063】
図8に示すように、電源巻線32−1〜32−4の個々の巻線数を増減(100T〜400T)させることによって、DC出力電圧を調整することができる。さらに、単独巻線、並列巻線(×2)、並列巻線(×4)とすることにより、個々の電源巻線32−1〜32−4については同じ巻線数であっても並列数が増えるほど出力電圧を上昇させることができる。電源巻線32−1〜32−4の個々の巻線数が同じでも並列数が増えるほど出力電圧を上昇させることができるのは、並列数が増えるほどモータ励磁巻線31−1〜31−4と電源巻線32−1〜32−4との間の磁気結合が良好になるためである。
【0064】
(モータ部16の電源巻線32−1〜32−4の巻き方と負荷変動との関係について)
次に、モータ部16の電源巻線32−1〜32−4の巻き方と負荷変動との関係について図9〜図13を参照して説明する。一例として、図9に示すように、モータ部16の1つのモータ励磁巻線31−1に1つの電源巻線32−1を300T巻き回した場合(単独巻線:300T)、図10に示すように、モータ部16の2つのモータ励磁巻線31−1,31−2にそれぞれ1つずつ電源巻線32−1および電源巻線32−3をそれぞれ300Tずつ巻き回し、電源巻線32−1,32−2を並列接続した場合(並列巻線(×2):300T×2)、図11に示すように、モータ部16の4つのモータ励磁巻線31−2〜31−4にそれぞれ1つずつ電源巻線32−1、電源巻線32−2、電源巻線32−3、および電源巻線32−4をそれぞれ300Tずつ巻き回し、電源巻線32−1〜32−4を並列接続した場合(並列巻線(×4):300T×4)、および図12に示すように、モータ部16の2つのモータ励磁巻線31−1,31−2にそれぞれ1つずつ電源巻線32−1および電源巻線32−2をそれぞれ150Tずつ巻き回し、電源巻線32−1,32−2を直列接続した場合(直列巻線:150T×2=300T)のそれぞれについて、モータ部16に100V60Hzの単相交流電圧を通電して同期駆動状態とし、電源巻線32−1〜32−4のAC出力電圧を測定した結果を図13に示す。
【0065】
図13は、横軸に負荷電流(mA)をとり、縦軸にAC出力電圧(V)をとる。モータ励磁巻線31−1〜31−4は850Tとし、同期駆動状態のモータ部16にAC100V60Hzの単相交流電圧を通電する。
【0066】
図13の実線は、モータ部16の1つのモータ励磁巻線31−1に1つの電源巻線32−1を300T巻き回した場合(図9相当)のモータ部16の負荷変動とAC出力電圧との関係を示す(単独巻線:300T)。
【0067】
図13の破線は、モータ部16の2つのモータ励磁巻線31−1,31−2にそれぞれ1つずつ電源巻線32−1および電源巻線32−2をそれぞれ150Tずつ巻き回し、2つの電源巻線32−1,32−2を直列に接続した場合(図12相当)のモータ部16の負荷変動とAC出力電圧との関係を示す(直列巻線:150T×2=300T)。
【0068】
図13の一点鎖線は、モータ部16の2つのモータ励磁巻線31−1,31−2にそれぞれ1つずつ電源巻線32−1および電源巻線32−2をそれぞれ300Tずつ巻き回し、2つの電源巻線32−1,32−2を並列に接続した場合(図10相当)のモータ部16の負荷変動とAC出力電圧との関係を示す(並列巻線(×2):300T×2)。
【0069】
図13の二点鎖線は、モータ部16の4つのモータ励磁巻線31−1〜31−4にそれぞれ1つずつ電源巻線32−1、電源巻線32−2、電源巻線32−3、および電源巻線32−4をそれぞれ300Tずつ巻き回し、4つの電源巻線32−1〜32−4を並列に接続した場合(図11相当)のモータ部16の負荷変動とAC出力電圧との関係を示す(並列巻線(×4):300T×4)。
【0070】
図13に示すように、単独巻線300Tの場合と直列巻線(150T×2=300T)の場合とは負荷電流の増加に伴うAC出力電圧の変動については殆ど変わらない。一方、単独巻線300Tまたは直列巻線(150T×2=300T)の場合と比較し、並列巻線(×2)(300T×2)、並列巻線(×4)(300T×4)の順に負荷電流の増加に伴うAC出力電圧の変動が小さくなっている。このように多数の並列した電源巻線32−1〜32−4を有するモータ部16の方が単独巻線または直列巻線に比べて負荷変動に対するAC出力電圧の変動が少ないことがわかる。
【0071】
(入出力特性について)
次に、モータ部16の入出力特性について図14、図15を参照して説明する。一例として、図14に示すように、モータ部16の2つのモータ励磁巻線31−1,31−2にそれぞれ1つずつ電源巻線32−1および電源巻線32−2をそれぞれ300Tずつ巻き回し、2つの電源巻線32−1,32−2を並列に接続する。そしてモータ部16に、AC90V60Hz,AC100V60Hz,AC110V60Hzの単相交流電圧をそれぞれ通電して同期駆動状態とし、それぞれの場合の電源巻線32−1,32−2のAC出力電圧を測定した結果を図15に示す。
【0072】
図15は、横軸に負荷電流(mA)をとり、縦軸にDC出力電圧(V)をとる。図15の実線は、モータ部16に、AC90V60Hzを入力した場合であり、図15の破線は、モータ部16に、AC100V60Hzを入力した場合であり、図15の一点鎖線は、モータ部16に、AC110V60Hzを入力した場合である。
【0073】
図15に示すように、モータ部16は、モータ励磁巻線31−1,31−2の入力電圧の変化に応じて電源巻線32−1,32−2の出力電圧が広い負荷領域にわたり忠実に変化していることがわかる。これによりモータ部16におけるモータ励磁巻線31−1,31−2と電源巻線32−1,32−2とはトランスの一次側巻線、二次側巻線として良好に機能していることがわかる。
【0074】
(第一の実施の形態の効果について)
モータ部16は、同期運転中には交流モータ1のモータ制御回路15に電源巻線32−2から電源を供給することができるので、電源回路13は起動運転時のみ運転すればよい。これにより電源回路13を簡略化することができる。
【0075】
さらに、交流モータ1は、電源装置としての機能も有し、外部電源端子19−1,19−2を利用して外部機器20として、たとえばセンサなどへ電源を供給できる。すなわち、外部電源端子19−1,19−2は、数ミリアンペア程度のDC10V〜15Vの電源をセンサに供給することができる。これによれば別途、センサ用の電源装置を用意する必要がなく、交流モータ1の設置スペースを小さくすることができると共に、センサ用の電源装置に要するコストを削減できる。また、別途、センサ用の電源装置を設置して配線を施すなどの工数が削減できるためユーザの利便性を向上させることができる。
【0076】
(比較例)
ここで電源回路13の比較例を図16を参照して説明する。図16は、交流モータ50の構成図であり、電源回路13に代えてDC−DCコンバータ53を使用する比較例である。図16の交流モータ50の構成部材において、交流モータ1の構成と同じ部材については同一の符号を付した。図16の例では、モータ制御回路15は、モータ励磁巻線51−1,51−2を有する交流モータ50を制御している。整流器12および平滑コンデンサC52の出力がDC−DCコンバータ53に入力される。DC−DCコンバータ53は、所定の出力電圧を出力する。
【0077】
図16の比較例では、DC−DCコンバータ53を動作させるために、平滑コンデンサC52が必須の構成要素になる。平滑コンデンサC52は、全波整流された最大140V付近の電圧に耐える必要がある。したがって、通常、平滑コンデンサC52として高耐圧の電解コンデンサが用いられる。このような高耐圧の平滑コンデンサC52は、一般的に大型であり高価格である。さらに、電解コンデンサは、様々な電子デバイスの中で比較的寿命が短い。
【0078】
一方、電源回路13は、整流器12の全波整流された電圧によって動作するので平滑コンデンサC52を必要としない。これにより電源回路13を利用することにより、交流モータ1の周辺構成を小型化、低価格化、および長寿命化することができる。
【0079】
全波整流されている入力電圧は、0V付近から140V付近までの電圧を有するが、電源回路13は、その内の比較的低い電圧の領域(10V付近〜75V付近)のみを利用してコンデンサC1に充電する。これにより、所望する7V付近の出力電圧を得るのに際し、無効となる高い電圧を用いることなく効率良く所望する出力電圧を得ることができる。
【0080】
(本発明の第二の実施の形態のモータ部16Aおよび交流モータ1Aについて)
次に、本発明の第二の実施の形態のモータ部16Aおよび交流モータ1Aについて図17および図18を参照して説明する。図18では、交流モータ1Aの構成におけるモータ部16Aおよび整流器17以外の構成は図示を省略した。第一の実施の形態のモータ部16および交流モータ1と第二の実施の形態のモータ部16Aおよび交流モータ1Aとは一部が異なる。よって、モータ部16および交流モータ1と同一または同種の部材については同一または同一系の符号を付し、その説明を簡略化または省略し、主として異なる部材について説明する。
【0081】
交流モータ1Aのモータ部16Aは、モータ部16から電源巻線32−1を除去したものである。これによりモータ部16Aは、レギュレータ14を介してモータ制御回路15の電源のみを供給する。
【0082】
(第二の実施の形態の効果について)
交流モータ1Aは、単に、モータ制御回路15に電源を供給するための電源巻線32−2のみを有する。これにより第一の実施の形態と同様に、モータ部16Aは、同期運転中には交流モータ1Aのモータ制御回路15に電源巻線32−2から電源を供給することができる。これにより交流モータ1Aは、第一の実施の形態と同様に、簡略化、高効率化された電源回路13を用いて周辺回路を構成できる。
【0083】
また、交流モータ1Aは、1つのモータ励磁巻線31−2のみに電源巻線32−2を巻き回せばよいため、製造工数を削減できる。したがって、交流モータ1Aの単価は、交流モータ1よりも安価にできる。たとえば別途センサ電源などを必要としない用途であれば、交流モータ1Aは交流モータ1よりも適する。
【0084】
(本発明の第三の実施の形態のモータ部16Bおよび交流モータ1Bについて)
次に、本発明の第三の実施の形態のモータ部16Bおよび交流モータ1Bについて図19および図20を参照して説明する。図20では、交流モータ1Bの構成におけるモータ部16および整流器17,18−1,18−2、コンデンサC3,C4、外部出力端子19−1〜19−4以外の構成は図示を省略した。第一の実施の形態のモータ部16および交流モータ1と第三の実施の形態のモータ部16Bおよび交流モータ1Bとは一部が異なる。よって、モータ部16および交流モータ1と同一または同種の部材については同一または同一系の符号を付し、その説明を簡略化または省略し、主として異なる部材について説明する。
【0085】
交流モータ1Bのモータ部16Bは、モータ部16のモータ励磁巻線31−4に電源巻線32−4を追加したものである。これによりモータ部16Bは、2組の外部電源端子19−1,19−2および19−3,19−4を有する。
【0086】
(第三の実施の形態の効果について)
交流モータ1Bは、2組の外部電源端子19−1,19−2および19−3,19−4を有するので、センサ電源の他に、他の用途に電源を供給することができる。たとえば外部電源端子19−3,19−4にパイロットランプを接続すれば、モータ部16Bが同期運転中には点灯し、それ以外では消灯する表示器を構成することができる。これによればユーザは、この表示器を監視することによって交流モータ1Bの運転状況を容易に把握することができる。その他にも外部電源端子19−3,19−4には、様々な機器を接続することができる。
【0087】
なお、外部接続端子19−1,19−2および19−3,19−4に接続する機器に応じて適宜、電源巻線32−1,32−4の巻線数を可変することによって、外部接続端子19−1,19−2および19−3,19−4の出力電圧を個々に所望する電圧に設定することができる。
【0088】
(本発明の第四の実施の形態のモータ部16Cおよび交流モータ1Cについて)
次に、本発明の第四の実施の形態のモータ部16Cおよび交流モータ1Cについて図21および図22を参照して説明する。図22では、交流モータ1Cの構成におけるモータ部16C、整流器17,18、外部電源端子19−1,19−2以外の構成の図示は省略した。第一の実施の形態のモータ部16および交流モータ1と第四の実施の形態のモータ部16Cおよび交流モータ1Cとは一部が異なる。よって、モータ部16および交流モータ1と同一または同種の部材については同一または同一系の符号を付し、その説明を簡略化または省略し、主として異なる部材について説明する。
【0089】
交流モータ1Cのモータ部16Cは、モータ部16のモータ励磁巻線31−4に電源巻線32−4を追加し、電源巻線32−1と電源巻線32−4とを直列に接続したものである。これにより電源巻線32−1と電源巻線32−4とが発生する電圧を加算した電圧が外部出力端子19−1,19−2に供給される。
【0090】
(第四の実施の形態の効果について)
交流モータ1Cは、電源巻線32−1と電源巻線32−4とが直列に接続されているため、電源巻線32−1と電源巻線32−4とが発生する電圧を加算した電圧が外部出力端子19−1,19−2に供給される。このようにして、ユーザが所望する電圧を外部電源端子19−1,19−2から取り出すことができる。特に、比較的高い電圧を必要とする機器に対して外部電源端子19−1,19−2から電源を供給する場合に適する。
【0091】
たとえばモータ励磁巻線31−1,31−4はそれぞれ850Tとし、電源巻線32−1,32−4はそれぞれ300Tとすれば、単相交流電源2の電圧実効値を100Vとすると、上述したように、個々の電源巻線32−1,32−4にはそれぞれ実効値8.8Vの出力電圧が発生する。よって、外部電源端子19−1,19−2からは8.8V×2=17.6Vの電圧が出力される。
【0092】
(本発明の第五の実施の形態のモータ部16Dおよび交流モータ1Dについて)
次に、本発明の第五の実施の形態のモータ部16Dおよび交流モータ1Dについて図23および図24を参照して説明する。図24では、交流モータ1Dの構成におけるモータ部16D、整流器17,18−1,18−2,18−3,コンデンサC3〜C5、外部電源端子19−1〜19−6以外の構成の図示は省略した。第一の実施の形態のモータ部16および交流モータ1と第五の実施の形態のモータ部16Dおよび交流モータ1Dとは一部が異なる。よって、モータ部16および交流モータ1と同一または同種の部材については同一または同一系の符号を付し、その説明を簡略化または省略し、主として異なる部材について説明する。
【0093】
交流モータ1Dのモータ部16Dは、モータ部16のモータ励磁巻線31−3,31−4に電源巻線32−3,32−4を追加したものである。これにより3組の外部電源端子19−1,19−2、19−3,19−4、および19−5,19−6を有する。
【0094】
(第五の実施の形態の効果について)
交流モータ1Dは、3組の外部電源端子19−1,19−2、19−3,19−4、および19−5,19−6を有するので、異なる3つの機器に対して電源を供給することができる。たとえば外部電源端子19−1,19−2は、センサに対して電源を供給し、外部電源端子19−3,19−4は、パイロットランプに対して電源を供給し、外部電源端子19−5,19−6は、その他の機器に対して電源を供給することができる。
【0095】
なお、外部接続端子19−1,19−2、19−3,19−4、および19−5,19−6に接続する機器に応じて適宜、電源巻線32−1,32−3,32−4の巻線数を可変することによって、外部接続端子19−1,19−2、19−3,19−4、および19−5,19−6の出力電圧を個々に所望する電圧に設定することができる。
【0096】
(本発明の第六の実施の形態のモータ部16Eおよび交流モータ1Eについて)
次に、本発明の第六の実施の形態のモータ部16Eおよび交流モータ1Eについて図25および図26を参照して説明する。図26では、交流モータ1Eの構成におけるモータ部16E、整流器17,18、コンデンサC3、外部電源端子19−1,19−2以外の構成の図示は省略した。第一の実施の形態のモータ部16および交流モータ1と第六の実施の形態のモータ部16Eおよび交流モータ1Eとは一部が異なる。よって、モータ部16および交流モータ1と同一または同種の部材については同一または同一系の符号を付し、その説明を簡略化または省略し、主として異なる部材について説明する。
【0097】
交流モータ1Eのモータ部16Eは、モータ部16のモータ励磁巻線31−3,31−4に電源巻線32−3,32−4を追加し、電源巻線32−1,32−3,32−4を直列に接続したものである。これにより電源巻線32−1と電源巻線32−3と電源巻線32−4とに発生する電圧を加算した電圧を外部電源端子19−1,19−2に供給することができる。
【0098】
(第六の実施の形態の効果について)
交流モータ1Eは、電源巻線32−1、電源巻線32−3、および電源巻線32−4が直列に接続されているため、電源巻線32−1,32−3,32−4が発生する電圧を加算した電圧が外部出力端子19−1,19−2に供給される。このようにして、ユーザが所望する電圧を外部電源端子19−1,19−2から取り出すことができる。特に、比較的高い電圧を必要とする機器に対して外部電源端子19−1,19−2から電源を供給する場合に適する。
【0099】
たとえばモータ励磁巻線31−1,31−3,31−4はそれぞれ850Tとし、電源巻線32−1,32−3,32−4はそれぞれ300Tとすれば、単相交流電源2の電圧実効値を100Vとすると、上述したように、個々の電源巻線32−1,32−3,32−4にはそれぞれ実効値8.8Vの出力電圧が発生する。よって、外部電源端子19−1,19−2からは8.8V×3=26.4Vの電圧が出力される。
【0100】
(本発明の第七の実施の形態のモータ部16Fおよび交流モータ1Fについて)
次に、本発明の第七の実施の形態のモータ部16Fおよび交流モータ1Fについて図27および図28を参照して説明する。図28では、交流モータ1Fの構成におけるモータ部16F、整流器18,18−1,18−2、コンデンサC3,C5、外部電源端子19−1,19−2,19−5,19−6以外の構成の図示は省略した。第一の実施の形態のモータ部16および交流モータ1と第七の実施の形態のモータ部16Fおよび交流モータ1Fとは一部が異なる。よって、モータ部16および交流モータ1と同一または同種の部材については同一または同一系の符号を付し、その説明を簡略化または省略し、主として異なる部材について説明する。
【0101】
交流モータ1Fのモータ部16Fは、モータ部16のモータ励磁巻線31−3,31−4に電源巻線32−3,32−4を追加し、電源巻線32−1,32−4を直列に接続すると共に、電源巻線32−3に整流器18−2を接続したものである。これにより電源巻線32−1と電源巻線32−4とに発生する電圧を外部電源端子19−1,19−2に供給することができると共に、外部電源端子19−5,19−6を有することができる。
【0102】
(第七の実施の形態の効果について)
交流モータ1Fによれば、外部電源端子19−1,19−2と外部電源端子19−5,19−6とで大きく異なる電圧を出力することができる。よって、大きく異なる電圧を要する2つの異なる機器に対してそれぞれ電源を供給することができる。
【0103】
たとえばモータ励磁巻線31−1,31−3,31−4はそれぞれ850Tとし、電源巻線32−1,32−3,32−4はそれぞれ300Tとすれば、単相交流電源2の電圧実効値を100Vとすると、上述したように、個々の電源巻線32−1,32−3,32−4にはそれぞれ実効値8.8Vの出力電圧が発生する。よって、外部電源端子19−1,19−2からは8.8V×2=17.6Vの電圧が出力される。一方、外部電源端子19−5,19−6からは8.8Vの電圧が出力される。
【0104】
(本発明の第八の実施の形態のモータ部16Gおよび交流モータ1Gについて)
次に、本発明の第八の実施の形態のモータ部16Gおよび交流モータ1Gについて図29および図30を参照して説明する。図30では、交流モータ1Gの構成におけるモータ部16G、整流器17,18、コンデンサC5、外部電源端子19−5,19−6以外の構成の図示は省略した。第一の実施の形態のモータ部16および交流モータ1と第七の実施の形態のモータ部16Gおよび交流モータ1Gとは一部が異なる。よって、モータ部16および交流モータ1と同一または同種の部材については同一または同一系の符号を付し、その説明を簡略化または省略し、主として異なる部材について説明する。
【0105】
交流モータ1Gのモータ部16Gは、モータ部16のモータ励磁巻線31−3,31−4に電源巻線32−3,32−4を追加し、電源巻線32−1,32−3,32−4を並列に接続すると共に、電源巻線32−1に整流器18を接続したものである。これにより電源巻線32−1,32−3,32−4に発生する電圧を外部電源端子19−1,19−2に供給することができる。
【0106】
(第八の実施の形態の効果について)
図8で説明したように、単独巻線の場合と比較すると、並列巻線数が増えるほどDC出力電圧が高くなっていることがわかる。これは並列巻線数が増えるほどモータ励磁巻線31−1,31−3,31−4と電源巻線32−1,32−3,32−4との間の磁気結合が良好になるためである。また、図13で説明したように、単独巻線の場合と比較すると、多数の並列した電源巻線32−1,32−3,32−4を有するモータ部16Gの方が負荷変動に対するAC出力電圧の変動が少ない。これにより、交流モータ1Gによれば、外部電源端子19−1,19−2に、並列に接続された3つの電源巻線32−1,32−3,32−4の電圧を供給することができるため、比較的高負荷の機器に電源を供給するのに適する。
【0107】
(その他の実施の形態について)
上述した第八の実施の形態では、3つの電源巻線32−1,32−3,32−4を並列に接続したが、2つの電源巻線32−1,32−3または32−3,32−4または32−1,32−4を並列に接続してもよい。このときには、余った電源巻線32−2または32−1または32−2については、単独で整流器および外部電源端子を設けてもよい。
【0108】
また、上述した第一〜第八の実施の形態では、電源巻線32−2にレギュレータ14へ電源を供給する整流器17を有したが、この代わりに外部電源端子を設けてもよい。あるいは、電源巻線32−2を含めて全ての電源巻線32−1〜32−4を直列に接続、または並列に接続するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0109】
また、上述した第一〜第八の実施の形態では、インナーローター型の交流モータ1〜1Gを例に挙げて説明したが、交流モータ1〜1Gをアウターローター型に置き換えても同様に説明することができる。
【0110】
1,1A,1B,1C,1D,1E,1F,1G…交流モータ、13…電源回路、15…モータ制御回路(制御回路)、16,16A,16B,16C,16D,16E,16F,16G…モータ部、19−1〜19−6…外部電源端子(電圧供給端子)、31−1〜31−4…モータ励磁巻線、32−1〜32−4…電源巻線、34−1〜34−4…ステータコアティース
【技術分野】
【0001】
本発明は、交流モータおよび電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
単相交流同期モータなどの交流モータでは、同期運転中は電源周波数に同期するなど、モータの運転そのものに関する制御は必要としないが、正常回転検出や速度制御などを行うための制御回路を有するものがある(たとえば特許文献1参照)。
【0003】
このような制御回路は、マイコン(マイクロ・コンピュータ)、センサ、ドライバなどの回路を内部に有する。そして、マイコンならば数十ミリアンペア程度のDC(直流)3V〜5Vの電源を必要とし、センサまたはドライバならば数ミリアンペア程度のDC7V〜15Vの電源を必要とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−22847号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したような制御回路のための電源回路は、たとえばAC(交流)100Vを入力とし、数十ミリアンペアのDC3〜15Vを出力するなど、入力電圧が高く、出力電圧および負荷電流が小さい。このため電源回路としての効率はきわめて低い(たとえば20%程度)。さらには電源回路に要するコストおよび電源回路の寸法などがモータの低価格化および小型化を阻害する要因となっている。
【0006】
さらに、電源回路に平滑用の電解コンデンサを用いる場合には、様々な電子デバイスの中で比較的寿命が短い電解コンデンサの寿命が電源回路の寿命となるため、電源回路の長寿命化が難しい。
【0007】
本発明は、このような背景の下に行われたものであって、モータの制御回路などの電源を簡略化することができる交流モータおよび電源装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の1つの観点は、交流モータとしての観点である。すなわち、本発明の交流モータは、ステータコアティースに巻き回されたモータ励磁巻線を有する交流モータにおいて、モータ励磁巻線と共にステータコアティースに巻き回されてモータ励磁巻線に通電される交流電圧によって発生する磁力線によって電圧が誘起される電源巻線を有するモータ部を有するものである。
【0009】
たとえば本発明の交流モータは、モータ部の電源巻線により誘起された電圧によって動作してモータ部を制御する制御回路を有することができる。
【0010】
また、たとえば本発明の交流モータは、電源巻線により誘起された電圧を外部に供給するための電圧供給端子を有することができる。
【0011】
さらに、本発明の交流モータは、ステータコアティースを複数有し、電源巻線を複数のステータコアティースの少なくとも2つに有することができる。このときに、複数の電源巻線が直列または並列に接続されるようにしてもよい。
【0012】
本発明の他の観点は、電源装置としての観点である。すなわち、本発明の電源装置は、ステータコアティースに巻き回されたモータ励磁巻線を有するモータ部を有し、モータ部は、モータ励磁巻線と共にステータコアティースに巻き回されてモータ励磁巻線に通電される交流電圧によって発生する磁力線によって電圧が誘起される電源巻線を有し、電源巻線により誘起された電圧を外部に供給するための電圧供給端子を有するものである。
【0013】
さらに、モータ部は、ステータコアティースを複数有し、本発明の電源装置は、電源巻線を複数のステータコアティースの少なくとも2つに有することができる。このときに、複数の電源巻線が直列または並列に接続されるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0014】
各発明によれば、モータの制御回路などの電源を簡略化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第一の実施の形態の交流モータの構成を示す図である。
【図2】図1の交流モータが有するモータ部の構成図である。
【図3】図1のモータ部の電源電圧と出力電圧との関係を示す図である。
【図4】図1の電源回路の動作を説明するための図である。
【図5】図1の交流モータの電源巻線数とDC出力電圧との関係を測定するための要部構成を示す図であり、単独巻線の場合を示す図である。
【図6】図1の交流モータの電源巻線数とDC出力電圧との関係を測定するための要部構成を示す図であり、並列巻線(×2)の場合を示す図である。
【図7】図1の交流モータの電源巻線数とDC出力電圧との関係を測定するための要部構成を示す図であり、並列巻線(×4)の場合を示す図である。
【図8】図1の交流モータの電源巻線数とDC出力電圧との関係を示す図である。
【図9】図1のモータ部の電源巻線の巻き方と負荷変動との関係を測定するための要部構成を示す図であり、単独巻線(300T)の場合を示す図である。
【図10】図1のモータ部の電源巻線の巻き方と負荷変動との関係を測定するための要部構成を示す図であり、並列巻線(×2)(300T×2)の場合を示す図である。
【図11】図1のモータ部の電源巻線の巻き方と負荷変動との関係を測定するための要部構成を示す図であり、並列巻線(×4)(300T×4)の場合を示す図である。
【図12】図1のモータ部の電源巻線の巻き方と負荷変動との関係を測定するための要部構成を示す図であり、直列巻線(150T×2=300T)の場合を示す図である。
【図13】図1のモータ部の電源巻線の巻き方と負荷変動との関係を示す図である。
【図14】図1のモータ部の入出力特性を測定するための要部構成を示す図である。
【図15】図1のモータ部の入出力特性を示す図である。
【図16】従来の交流モータの電源回路を本発明の第一の実施の形態の交流モータにおける電源回路の比較例として示す図である。
【図17】本発明の第二の実施の形態のモータ部の構成を示す図である。
【図18】図17のモータ部を有する本発明の第二の実施の形態の交流モータの要部構成を示す図である。
【図19】本発明の第三の実施の形態のモータ部の構成を示す図である。
【図20】図19のモータ部を有する本発明の第三の実施の形態の交流モータの要部構成を示す図である。
【図21】本発明の第四の実施の形態のモータ部の構成を示す図である。
【図22】図21のモータ部を有する本発明の第四の実施の形態の交流モータの要部構成を示す図である。
【図23】本発明の第五の実施の形態のモータ部の構成を示す図である。
【図24】図23のモータ部を有する本発明の第五の実施の形態の交流モータの要部構成を示す図である。
【図25】本発明の第六の実施の形態のモータ部の構成を示す図である。
【図26】図25のモータ部を有する本発明の第六の実施の形態の交流モータの要部構成を示す図である。
【図27】本発明の第七の実施の形態のモータ部の構成を示す図である。
【図28】図27のモータ部を有する本発明の第七の実施の形態の交流モータの要部構成を示す図である。
【図29】本発明の第八の実施の形態のモータ部の構成を示す図である。
【図30】図29のモータ部を有する本発明の第八の実施の形態の交流モータの要部構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(モータ部16およびモータ部16を有する交流モータ1の概要について)
本発明の第一の実施の形態の交流モータ1の構成例を図1に示し、この交流モータ1のモータ部16の構成例を図2に示す。図2に示すモータ部16を有する図1に示す交流モータ1は、モータ部16とその周辺回路とによって構成される。図1に示す周辺回路は、たとえば図2に示すモータ部16の筐体の周囲に別体に構成されて装着される。あるいは、図1に示す周辺回路は、たとえば図2に示すモータ部16の筐体の内部に収容される。
【0017】
モータ部16は、モータ励磁巻線31−1,31−2に電源巻線32−1,32−2を巻き回す。これによりモータ励磁巻線31−1,31−2を一次側巻線とし、電源巻線32−1,32−2を二次側巻線とするトランスを構成する。
【0018】
(交流モータ1の構成について)
図1は、本発明の第一の実施の形態としての交流モータ1の構成例を示すブロック図である。交流モータ1は、モータ制御回路15の制御に従って、モータ部16を回転駆動させる。詳細は後述するが、モータ制御回路15には、モータ部16の起動時には、電源回路13およびレギュレータ14を介して直流電源が供給されるが、同期駆動後は、モータ部16により発生した電圧が整流器17およびレギュレータ14を介して直流電源として供給されるようになされている。
【0019】
電源端子11−1,11−2には、交流モータ1に交流電源を供給する単相交流電源2が接続される。なお単相交流電源2は、たとえば100V/50Hz、100V/60Hz、110V/60Hz、230V/50Hzなどの商用電源(正弦波)である。なお、交流モータ1に適用できる単相交流電源2の周波数としては、たとえば40Hz〜75Hzの範囲内のいずれでも適用可能である。
【0020】
電源端子11−1,11−2には、整流器12およびモータ制御回路15が接続される。すなわち電源端子11−1,11−2を介して整流器12およびモータ制御回路15に単相交流電源2の単相交流電圧が供給される。
【0021】
整流器12は、電源端子11−1,1−2から供給される単相交流電圧を全波整流し、電源回路13に供給する。
【0022】
電源回路13は、整流器12により全波整流された電圧の大きさおよびコンデンサC1の充電電圧に基づいてスイッチング動作し、整流器12により全波整流された電圧を断続的に出力する。電源回路13の構成およびその動作については後述する。
【0023】
コンデンサC1は、電源回路13の出力電圧、および整流器17からの電圧を充電するためのコンデンサである。なおモータの起動時は主に電源電圧13の出力電圧が充電され、同期時は、整流器17からの電源が主に充電される。この例では、コンデンサC1には7V程度の電圧が充電される。
【0024】
レギュレータ14は、たとえば三端子レギュレータであり、電源回路13または整流器17から出力された直流電圧(たとえばDC7V程度)を入力し、モータ制御回路15の制御系のCPU(Central processing Unit)が動作するための所定の電圧(たとえばDC5V程度)を出力する。なおモータの起動時は主に電源電圧13の出力電圧を入力し、同期時は、整流器17からの電圧を主に入力する。
【0025】
コンデンサC2は、レギュレータ14の出力電圧を平滑化するためのコンデンサである。
【0026】
モータ制御回路15は、スイッチSW1,SW2、不図示の起動回路、回転検出回路、速度制御回路などを有する。起動回路は、モータ部16が静止状態から起動する際に、整流器12の全波整流された電圧から擬似交流を生成する。回転検出回路は、モータ部16が同期駆動中に、回転速度を検出する。速度制御回路は、モータ部16が同期駆動中に、回転検出回路の検出結果にしたがって回転速度を調整するなどの制御を行う。
【0027】
また、モータ制御回路15は、起動時は、スイッチSW1,SW2を開放し、電源端子11−1,11−2から供給される単相交流電圧のモータ部16への供給を停止し、電源回路13を介して供給される整流器12により全波整流された電圧から起動回路が生成した擬似交流をモータ部16に供給する。すなわち起動時のモータ部16は、供給された疑似交流によって発生した回転磁界により駆動を開始する。一方、モータ部16の同期駆動中は、モータ制御回路15は、スイッチSW1,SW2を閉結し、電源端子11−1,11−2から供給される単相交流電圧をモータ部16に直接供給する。すなわち同期時のモータ部16は、単相交流電圧によって直接同期駆動される。
【0028】
モータ制御回路15の制御系(たとえば、速度制御回路、起動回路、回転検出回路)の電源として、DC5V程度の直流電源が必要となり、これは、レギュレータ14を介して供給される。また、スイッチSW1,SW2を構成するスイッチング素子(たとえばFET:電界効果トランジスタなど)の電源としては、DC7V程度の電源が必要であり、これは、コンデンサC1の放電により直接供給される。
【0029】
モータ部16は、たとえば単相交流同期モータである。モータ部16は、図2に示すように、モータ励磁巻線31−1〜31−4、電源巻線32−1,32−2、磁極数4極のロータマグネット33−1〜33−4、4極のステータコアティース34−1〜34−4、回転軸35、ロータヨーク36、およびステータヨーク37を有する。ロータマグネット33−1〜33−4の内側には回転軸35が設けられる。回転軸35とロータマグネット33−1〜33−4との間には、ロータヨーク36が設けられる。
【0030】
ステータコアティース34−1〜34−4にはモータ励磁巻線31−1〜31−4が巻き回されており、モータ励磁巻線31−1〜31−4に通電されると隣接するステータコアティース34−1〜34−4は互いに異なる極性に磁化される。また、ステータコアティース34−1〜34−4は、ステータヨーク37によって連結されている。また、ステータヨーク37は、モータ部16の筐体を構成する。
【0031】
モータ励磁巻線31−1〜31−4が通電されると、モータ励磁巻線31−1〜31−4に回転磁界が発生し、回転軸35が回転する。
【0032】
モータ励磁巻線31−1,31−2には、電源巻線32−1,32−2が巻き回されている。電源巻線32−1は、整流器18に接続されている。電源巻線32−2は、整流器17に接続されている。
【0033】
コンデンサC3は、整流器18の出力電圧を平滑化するためのコンデンサである。
【0034】
整流器17は、電源巻線31−2に励起した電圧を全波整流し、レギュレータ14に供給する。なお、整流器17の出力電圧は、その詳細は後述するが、電源巻線の巻線数、個数等により調整される。
【0035】
整流器18は、電源巻線31−1に励起した電圧を全波整流し、外部電源端子19−1,19−2に供給する。なお整流器18の出力電圧は、その詳細は後述するが、電源巻線の巻線数、個数等により調整される。
【0036】
外部電源端子19−1,19−2には、直流電圧を使用するセンサなどの外部機器20が接続されている。すなわち整流器18によって全波整流され、コンデンサC3によって平滑化された直流電圧が、外部電源端子19−1,19−2を介して外部機器20に供給される。
【0037】
図3は、モータ励磁巻線31−1,31−2に供給される電源電圧とその電源電圧により電源巻線32−1,32−2において発生する電圧(出力電圧)を示す図である。図3は、横軸に時間をとり、右側の縦軸に出力電圧(V)をとり、左側の縦軸に電源電圧(V)をとる。
【0038】
モータ部16のモータ励磁巻線31−1,31−2に電源電圧が通電されると、これに応じて電源巻線32−1,32−2に出力電圧が発生する。図3では、モータ励磁巻線31−1,31−2はそれぞれ850T(ターン)とし、電源巻線32−1,32−2はそれぞれ300Tとしている。この場合、電源電圧の実効値を100Vとすると実効値8.8Vの出力電圧が出力される。
【0039】
出力電圧=
(入力電圧/磁極数)×(電源巻線のターン数/モータ励磁巻線のターン数)
であり、図2および図3の例では、
(100V/4)×(300T/850T)=8.8V
である。
【0040】
このようにモータ部16の電源巻線32−1,32−2に発生した出力電圧が整流器17により全波整流され、コンデンサC1およびレギュレータ14に供給される。
【0041】
(電源回路13について)
電源回路13は、ダイオードD1,D2、スイッチング素子Q1、トランジスタQ2、抵抗R1〜R5、およびツェナーダイオードZDを有する。
【0042】
スイッチング素子Q1は、整流器12から供給される電圧の出力を制御するスイッチング素子である。スイッチング素子Q1がオンのとき、整流器12から供給される電圧は、電源回路13の出力電圧として取得され、オフのとき、整流器12から供給される電圧の出力は停止する。
【0043】
スイッチング素子Q1には、抵抗R1に発生する電圧がゲート電圧として印加される。なお、前述したように、スイッチング素子Q1は、一例としてNチャネルのMOS型FET(電界効果トランジスタ)の記号を示したがスイッチング素子Q1の種類をこれに限定するものではない。
【0044】
抵抗R2,R3および抵抗R4,R5は、それぞれ、トランジスタQ2のベースに対する抵抗分圧回路を構成し、トランジスタQ2のベースには、整流器12からの入力電圧が抵抗R2,R3の値に応じて分圧された所定の大きさの電圧が供給される。すなわち抵抗R2,R3を所定の値にすることにより、整流器12からの入力電圧が所定の値以上に上昇したときに、トランジスタQ2のベースに、トランジスタQ2をONする電圧が供給されるようにすることができる。
【0045】
トランジスタQ2のベースに所定の電圧が通電されてトランジスタQ2がONすると、抵抗R1に発生するスイッチング素子Q1のゲート電圧は接地電位に降下するのでスイッチング素子Q1はOFFになる。なお、ツェナーダイオードZDは、温度特性を改善するためのものであり、その役割については後述する。
【0046】
このことから、抵抗R2,R3により、スイッチング素子Q1がオンとなる入力電圧の上限を決定することができる。
【0047】
トランジスタQ2のベースにはまた、コンデンサC1に充電された電圧が抵抗R4,R5の値に応じて分圧された所定の大きさの電圧が供給される。抵抗R4,R5を所定の値にすることにより、コンデンサC1に充電された電圧が所定の値以上に上昇したときに、トランジスタQ2をONする電圧が供給されるようにすることができる。
【0048】
トランジスタQ2のベースに所定の電圧が通電されてONすると、上述したようにスイッチング素子Q1はオフになる。スイッチング素子Q1がOFFになると、コンデンサC1への充電が停止する。
【0049】
このことから、抵抗R4,R5、およびコンデンサC1の容量により、電源回路13の電圧出力を制御することができる。
【0050】
図4は、整流器12から電源回路13への入力電圧、電源回路13の出力電圧、およびスイッチング素子Q1のゲート電圧の関係を示す図である。抵抗R2,R3は、整流器12からの入力電圧が所定の値(この例の場合、Vin_max=75V)以上に上昇したときに、トランジスタQ2をONする電圧が供給されるような値を有し、抵抗R4,R5は、コンデンサC1に充電された電圧が所定の値(この例の場合、Vs=7V)以上に上昇したときに、トランジスタQ2をONする電圧が供給されるような値を有しているものとする。
【0051】
整流器12から電源回路13に供給される入力電圧がVin_max(75V)より小さく、かつコンデンサC1への充電電圧(出力電圧)がVs(7V)より小さい区間では、トランジスタQ2のベースには、トランジスタQ2をON状態にする電圧が供給されていないので、トランジスタQ2はOFF状態になる。これにより、スイッチング素子Q1はON状態になり、整流器12からの電圧が電源回路13の出力電圧として出力される。その間、電源回路13の出力電圧は、コンデンサC1に充電される(図中、「コンデンサC1充電区間」)。
【0052】
一方、整流器12から電源回路13に供給される入力電圧がVin_max(75V)以上であるとき、またはコンデンサC1への充電電圧(出力電圧)がVs(7V)以上であるとき、トランジスタQ2のベースには、トランジスタQ2をON状態にする電圧が供給されて、トランジスタQ2がON状態になり、スイッチング素子Q1がOFF状態になる。これにより、電源回路13からの電圧出力は停止する。たとえば、区間Toffでは、整流器12から電源回路13に供給される入力電圧がVin_max(75V)より小さいが、コンデンサC1への充電電圧(出力電圧)がVs(7V)以上となり、電源回路13からの電圧出力は停止する。
【0053】
なお、コンデンサC1の容量は、たとえば充電されていない間の放電でも、要求電圧(たとえば、7V)を出力できる大きさとなっている。
【0054】
ここで、モータ起動時およびモータ同期時の電源回路13の動作について説明する。起動が開始され、図4に示したようにスイッチング素子Q1のON/OFFが繰り返され、断続的に整流器12からの電圧が出力され、コンデンサC1に充電される。ここでコンデンサC1に充電された電圧が、直接またはレギュレータ14を介してモータ制御回路15に供給される。
【0055】
その後、同期状態に入ると、図3に示したようなモータ部16から出力された電圧が、整流器17を介して、継続的にコンデンサC1が供給されて充電される。その結果、コンデンサC1が、Vs以上の電圧になりトランジスタQ2がON状態になり、スイッチング素子Q1がOFF状態になる。その結果電源回路13の電圧出力は停止し、モータ制御回路15への電源供給は、モータ部16で発生した電圧により充電されたコンデンサC1からの放電により行われる。
【0056】
なお、その後、何らかの原因によってモータ部16の同期運転が停止されると、電源巻線32−2が発生する電圧が低下し、コンデンサC1の充電電圧が電圧Vs以下になる場合が生じる。そのときは、電源回路13からの電源供給が開始される。
【0057】
電源回路13を図1に示す構成とすることにより以下のような関係式が成り立つ。すなわち、スイッチング素子Q1がON状態になる上限の入力電圧(入力電圧の上限に相当する)をVin_max、出力電圧をVs、トランジスタQ2のベースとエミッタとの間の電圧をVbe、ダイオードD1の順方向電圧をVf1、ダイオードD2の順方向電圧をVf2、抵抗R2,R3の抵抗値をそれぞれR2,R3、ツェナーダイオードZDのツェナー電圧をVzとすれば、スイッチング素子Q1がON状態になる上限の入力電圧Vin_maxは、抵抗R2,R3の抵抗値を適宜選択することにより、
Vin_max=(Vz+Vbe+Vf1)×(1+(R2/R3))
として設定することができる。また、出力電圧Vsは、抵抗R4,R5の抵抗値を適宜選択することにより、
Vs=(Vz+Vbe+Vf2)×(1+(R4/R5))
として設定することができる。
【0058】
また、ツェナーダイオードZDのツェナー電圧Vzの温度特性は、トランジスタQ2のベースとエミッタとの間の電圧Vbeの温度特性とダイオードD1,D2の順方向電圧Vf1,Vf2の温度特性とが互いにキャンセルするような乗数を選択することにより良好なものとすることができる。たとえばトランジスタQ2のベースとエミッタとの間の電圧Vbeが−2mV/℃であり、ダイオードD1,D2の順方向電圧Vf1,Vf2の温度特性が−2mV/℃であるとすれば、ツェナーダイオードZDのツェナー電圧Vzの温度特性を+4mV/℃とすることがよい。
【0059】
(電源巻線の巻線数とDC出力電圧との関係について)
次に、電源巻線32−1〜32−4の巻線数とDC出力電圧との関係について図5〜図8を参照して説明する。一例として、図5に示すように、モータ部16の1つのモータ励磁巻線31−1に1つの電源巻線32−1を巻き回した場合(単独巻線)、図6に示すように、モータ部16の2つのモータ励磁巻線31−1,31−2にそれぞれ1つずつ電源巻線32−1および電源巻線32−2をそれぞれ同じ巻線数ずつ巻き回し、電源巻線32−1,32−2を並列接続した場合(並列巻線(×2))、図7に示すように、モータ部16の4つのモータ励磁巻線31−2〜31−4にそれぞれ1つずつ電源巻線32−1、電源巻線32−2、電源巻線32−3、および電源巻線32−4を同じ巻線数ずつ巻き回し、電源巻線32−1〜32−4を並列接続した場合(並列巻線(×4))のそれぞれについて、モータ部16にAC100V60Hzの単相交流電圧を通電して同期駆動状態とし、モータ励磁巻線31−1〜31−4に20mAの電流が流れるような負荷を与え、外部電源端子19−1,19−2のDC出力電圧を測定した結果を図8に示す。モータ励磁巻線31−1〜31−4の巻線数は850Tとする。図8は、横軸に電源巻線数(T)をとり、縦軸にDC出力電圧(V)をとる。
【0060】
実線(単独巻線)は、モータ部16の1つのモータ励磁巻線31−1に1つの電源巻線32−1を巻き回した場合(図5相当)の電源巻線32−1の巻線数と外部電源端子19−1,19−2のDC出力電圧との関係を示している。
【0061】
破線(並列巻線(×2))は、モータ部16の2つのモータ励磁巻線31−1,31−2にそれぞれ1つずつ電源巻線32−1および電源巻線32−2を同じ巻線数ずつ巻き回し、2つの電源巻線32−1,32−2を並列に接続した場合(図6相当)の電源巻線32−1,32−2の巻線数と外部電源端子19−1,19−2のDC出力電圧との関係を示している。
【0062】
一点鎖線は、モータ部16の4つのモータ励磁巻線31−1〜31−4にそれぞれ1つずつ電源巻線32−1、電源巻線32−2、電源巻線32−3、および電源巻線32−4を同じ巻線数ずつ巻き回し、4つの電源巻線32−1〜32−4を並列に接続した場合(図7相当)の電源巻線32−1〜32−4の巻線数と外部電源端子19−1,19−2のDC出力電圧との関係を示している。
【0063】
図8に示すように、電源巻線32−1〜32−4の個々の巻線数を増減(100T〜400T)させることによって、DC出力電圧を調整することができる。さらに、単独巻線、並列巻線(×2)、並列巻線(×4)とすることにより、個々の電源巻線32−1〜32−4については同じ巻線数であっても並列数が増えるほど出力電圧を上昇させることができる。電源巻線32−1〜32−4の個々の巻線数が同じでも並列数が増えるほど出力電圧を上昇させることができるのは、並列数が増えるほどモータ励磁巻線31−1〜31−4と電源巻線32−1〜32−4との間の磁気結合が良好になるためである。
【0064】
(モータ部16の電源巻線32−1〜32−4の巻き方と負荷変動との関係について)
次に、モータ部16の電源巻線32−1〜32−4の巻き方と負荷変動との関係について図9〜図13を参照して説明する。一例として、図9に示すように、モータ部16の1つのモータ励磁巻線31−1に1つの電源巻線32−1を300T巻き回した場合(単独巻線:300T)、図10に示すように、モータ部16の2つのモータ励磁巻線31−1,31−2にそれぞれ1つずつ電源巻線32−1および電源巻線32−3をそれぞれ300Tずつ巻き回し、電源巻線32−1,32−2を並列接続した場合(並列巻線(×2):300T×2)、図11に示すように、モータ部16の4つのモータ励磁巻線31−2〜31−4にそれぞれ1つずつ電源巻線32−1、電源巻線32−2、電源巻線32−3、および電源巻線32−4をそれぞれ300Tずつ巻き回し、電源巻線32−1〜32−4を並列接続した場合(並列巻線(×4):300T×4)、および図12に示すように、モータ部16の2つのモータ励磁巻線31−1,31−2にそれぞれ1つずつ電源巻線32−1および電源巻線32−2をそれぞれ150Tずつ巻き回し、電源巻線32−1,32−2を直列接続した場合(直列巻線:150T×2=300T)のそれぞれについて、モータ部16に100V60Hzの単相交流電圧を通電して同期駆動状態とし、電源巻線32−1〜32−4のAC出力電圧を測定した結果を図13に示す。
【0065】
図13は、横軸に負荷電流(mA)をとり、縦軸にAC出力電圧(V)をとる。モータ励磁巻線31−1〜31−4は850Tとし、同期駆動状態のモータ部16にAC100V60Hzの単相交流電圧を通電する。
【0066】
図13の実線は、モータ部16の1つのモータ励磁巻線31−1に1つの電源巻線32−1を300T巻き回した場合(図9相当)のモータ部16の負荷変動とAC出力電圧との関係を示す(単独巻線:300T)。
【0067】
図13の破線は、モータ部16の2つのモータ励磁巻線31−1,31−2にそれぞれ1つずつ電源巻線32−1および電源巻線32−2をそれぞれ150Tずつ巻き回し、2つの電源巻線32−1,32−2を直列に接続した場合(図12相当)のモータ部16の負荷変動とAC出力電圧との関係を示す(直列巻線:150T×2=300T)。
【0068】
図13の一点鎖線は、モータ部16の2つのモータ励磁巻線31−1,31−2にそれぞれ1つずつ電源巻線32−1および電源巻線32−2をそれぞれ300Tずつ巻き回し、2つの電源巻線32−1,32−2を並列に接続した場合(図10相当)のモータ部16の負荷変動とAC出力電圧との関係を示す(並列巻線(×2):300T×2)。
【0069】
図13の二点鎖線は、モータ部16の4つのモータ励磁巻線31−1〜31−4にそれぞれ1つずつ電源巻線32−1、電源巻線32−2、電源巻線32−3、および電源巻線32−4をそれぞれ300Tずつ巻き回し、4つの電源巻線32−1〜32−4を並列に接続した場合(図11相当)のモータ部16の負荷変動とAC出力電圧との関係を示す(並列巻線(×4):300T×4)。
【0070】
図13に示すように、単独巻線300Tの場合と直列巻線(150T×2=300T)の場合とは負荷電流の増加に伴うAC出力電圧の変動については殆ど変わらない。一方、単独巻線300Tまたは直列巻線(150T×2=300T)の場合と比較し、並列巻線(×2)(300T×2)、並列巻線(×4)(300T×4)の順に負荷電流の増加に伴うAC出力電圧の変動が小さくなっている。このように多数の並列した電源巻線32−1〜32−4を有するモータ部16の方が単独巻線または直列巻線に比べて負荷変動に対するAC出力電圧の変動が少ないことがわかる。
【0071】
(入出力特性について)
次に、モータ部16の入出力特性について図14、図15を参照して説明する。一例として、図14に示すように、モータ部16の2つのモータ励磁巻線31−1,31−2にそれぞれ1つずつ電源巻線32−1および電源巻線32−2をそれぞれ300Tずつ巻き回し、2つの電源巻線32−1,32−2を並列に接続する。そしてモータ部16に、AC90V60Hz,AC100V60Hz,AC110V60Hzの単相交流電圧をそれぞれ通電して同期駆動状態とし、それぞれの場合の電源巻線32−1,32−2のAC出力電圧を測定した結果を図15に示す。
【0072】
図15は、横軸に負荷電流(mA)をとり、縦軸にDC出力電圧(V)をとる。図15の実線は、モータ部16に、AC90V60Hzを入力した場合であり、図15の破線は、モータ部16に、AC100V60Hzを入力した場合であり、図15の一点鎖線は、モータ部16に、AC110V60Hzを入力した場合である。
【0073】
図15に示すように、モータ部16は、モータ励磁巻線31−1,31−2の入力電圧の変化に応じて電源巻線32−1,32−2の出力電圧が広い負荷領域にわたり忠実に変化していることがわかる。これによりモータ部16におけるモータ励磁巻線31−1,31−2と電源巻線32−1,32−2とはトランスの一次側巻線、二次側巻線として良好に機能していることがわかる。
【0074】
(第一の実施の形態の効果について)
モータ部16は、同期運転中には交流モータ1のモータ制御回路15に電源巻線32−2から電源を供給することができるので、電源回路13は起動運転時のみ運転すればよい。これにより電源回路13を簡略化することができる。
【0075】
さらに、交流モータ1は、電源装置としての機能も有し、外部電源端子19−1,19−2を利用して外部機器20として、たとえばセンサなどへ電源を供給できる。すなわち、外部電源端子19−1,19−2は、数ミリアンペア程度のDC10V〜15Vの電源をセンサに供給することができる。これによれば別途、センサ用の電源装置を用意する必要がなく、交流モータ1の設置スペースを小さくすることができると共に、センサ用の電源装置に要するコストを削減できる。また、別途、センサ用の電源装置を設置して配線を施すなどの工数が削減できるためユーザの利便性を向上させることができる。
【0076】
(比較例)
ここで電源回路13の比較例を図16を参照して説明する。図16は、交流モータ50の構成図であり、電源回路13に代えてDC−DCコンバータ53を使用する比較例である。図16の交流モータ50の構成部材において、交流モータ1の構成と同じ部材については同一の符号を付した。図16の例では、モータ制御回路15は、モータ励磁巻線51−1,51−2を有する交流モータ50を制御している。整流器12および平滑コンデンサC52の出力がDC−DCコンバータ53に入力される。DC−DCコンバータ53は、所定の出力電圧を出力する。
【0077】
図16の比較例では、DC−DCコンバータ53を動作させるために、平滑コンデンサC52が必須の構成要素になる。平滑コンデンサC52は、全波整流された最大140V付近の電圧に耐える必要がある。したがって、通常、平滑コンデンサC52として高耐圧の電解コンデンサが用いられる。このような高耐圧の平滑コンデンサC52は、一般的に大型であり高価格である。さらに、電解コンデンサは、様々な電子デバイスの中で比較的寿命が短い。
【0078】
一方、電源回路13は、整流器12の全波整流された電圧によって動作するので平滑コンデンサC52を必要としない。これにより電源回路13を利用することにより、交流モータ1の周辺構成を小型化、低価格化、および長寿命化することができる。
【0079】
全波整流されている入力電圧は、0V付近から140V付近までの電圧を有するが、電源回路13は、その内の比較的低い電圧の領域(10V付近〜75V付近)のみを利用してコンデンサC1に充電する。これにより、所望する7V付近の出力電圧を得るのに際し、無効となる高い電圧を用いることなく効率良く所望する出力電圧を得ることができる。
【0080】
(本発明の第二の実施の形態のモータ部16Aおよび交流モータ1Aについて)
次に、本発明の第二の実施の形態のモータ部16Aおよび交流モータ1Aについて図17および図18を参照して説明する。図18では、交流モータ1Aの構成におけるモータ部16Aおよび整流器17以外の構成は図示を省略した。第一の実施の形態のモータ部16および交流モータ1と第二の実施の形態のモータ部16Aおよび交流モータ1Aとは一部が異なる。よって、モータ部16および交流モータ1と同一または同種の部材については同一または同一系の符号を付し、その説明を簡略化または省略し、主として異なる部材について説明する。
【0081】
交流モータ1Aのモータ部16Aは、モータ部16から電源巻線32−1を除去したものである。これによりモータ部16Aは、レギュレータ14を介してモータ制御回路15の電源のみを供給する。
【0082】
(第二の実施の形態の効果について)
交流モータ1Aは、単に、モータ制御回路15に電源を供給するための電源巻線32−2のみを有する。これにより第一の実施の形態と同様に、モータ部16Aは、同期運転中には交流モータ1Aのモータ制御回路15に電源巻線32−2から電源を供給することができる。これにより交流モータ1Aは、第一の実施の形態と同様に、簡略化、高効率化された電源回路13を用いて周辺回路を構成できる。
【0083】
また、交流モータ1Aは、1つのモータ励磁巻線31−2のみに電源巻線32−2を巻き回せばよいため、製造工数を削減できる。したがって、交流モータ1Aの単価は、交流モータ1よりも安価にできる。たとえば別途センサ電源などを必要としない用途であれば、交流モータ1Aは交流モータ1よりも適する。
【0084】
(本発明の第三の実施の形態のモータ部16Bおよび交流モータ1Bについて)
次に、本発明の第三の実施の形態のモータ部16Bおよび交流モータ1Bについて図19および図20を参照して説明する。図20では、交流モータ1Bの構成におけるモータ部16および整流器17,18−1,18−2、コンデンサC3,C4、外部出力端子19−1〜19−4以外の構成は図示を省略した。第一の実施の形態のモータ部16および交流モータ1と第三の実施の形態のモータ部16Bおよび交流モータ1Bとは一部が異なる。よって、モータ部16および交流モータ1と同一または同種の部材については同一または同一系の符号を付し、その説明を簡略化または省略し、主として異なる部材について説明する。
【0085】
交流モータ1Bのモータ部16Bは、モータ部16のモータ励磁巻線31−4に電源巻線32−4を追加したものである。これによりモータ部16Bは、2組の外部電源端子19−1,19−2および19−3,19−4を有する。
【0086】
(第三の実施の形態の効果について)
交流モータ1Bは、2組の外部電源端子19−1,19−2および19−3,19−4を有するので、センサ電源の他に、他の用途に電源を供給することができる。たとえば外部電源端子19−3,19−4にパイロットランプを接続すれば、モータ部16Bが同期運転中には点灯し、それ以外では消灯する表示器を構成することができる。これによればユーザは、この表示器を監視することによって交流モータ1Bの運転状況を容易に把握することができる。その他にも外部電源端子19−3,19−4には、様々な機器を接続することができる。
【0087】
なお、外部接続端子19−1,19−2および19−3,19−4に接続する機器に応じて適宜、電源巻線32−1,32−4の巻線数を可変することによって、外部接続端子19−1,19−2および19−3,19−4の出力電圧を個々に所望する電圧に設定することができる。
【0088】
(本発明の第四の実施の形態のモータ部16Cおよび交流モータ1Cについて)
次に、本発明の第四の実施の形態のモータ部16Cおよび交流モータ1Cについて図21および図22を参照して説明する。図22では、交流モータ1Cの構成におけるモータ部16C、整流器17,18、外部電源端子19−1,19−2以外の構成の図示は省略した。第一の実施の形態のモータ部16および交流モータ1と第四の実施の形態のモータ部16Cおよび交流モータ1Cとは一部が異なる。よって、モータ部16および交流モータ1と同一または同種の部材については同一または同一系の符号を付し、その説明を簡略化または省略し、主として異なる部材について説明する。
【0089】
交流モータ1Cのモータ部16Cは、モータ部16のモータ励磁巻線31−4に電源巻線32−4を追加し、電源巻線32−1と電源巻線32−4とを直列に接続したものである。これにより電源巻線32−1と電源巻線32−4とが発生する電圧を加算した電圧が外部出力端子19−1,19−2に供給される。
【0090】
(第四の実施の形態の効果について)
交流モータ1Cは、電源巻線32−1と電源巻線32−4とが直列に接続されているため、電源巻線32−1と電源巻線32−4とが発生する電圧を加算した電圧が外部出力端子19−1,19−2に供給される。このようにして、ユーザが所望する電圧を外部電源端子19−1,19−2から取り出すことができる。特に、比較的高い電圧を必要とする機器に対して外部電源端子19−1,19−2から電源を供給する場合に適する。
【0091】
たとえばモータ励磁巻線31−1,31−4はそれぞれ850Tとし、電源巻線32−1,32−4はそれぞれ300Tとすれば、単相交流電源2の電圧実効値を100Vとすると、上述したように、個々の電源巻線32−1,32−4にはそれぞれ実効値8.8Vの出力電圧が発生する。よって、外部電源端子19−1,19−2からは8.8V×2=17.6Vの電圧が出力される。
【0092】
(本発明の第五の実施の形態のモータ部16Dおよび交流モータ1Dについて)
次に、本発明の第五の実施の形態のモータ部16Dおよび交流モータ1Dについて図23および図24を参照して説明する。図24では、交流モータ1Dの構成におけるモータ部16D、整流器17,18−1,18−2,18−3,コンデンサC3〜C5、外部電源端子19−1〜19−6以外の構成の図示は省略した。第一の実施の形態のモータ部16および交流モータ1と第五の実施の形態のモータ部16Dおよび交流モータ1Dとは一部が異なる。よって、モータ部16および交流モータ1と同一または同種の部材については同一または同一系の符号を付し、その説明を簡略化または省略し、主として異なる部材について説明する。
【0093】
交流モータ1Dのモータ部16Dは、モータ部16のモータ励磁巻線31−3,31−4に電源巻線32−3,32−4を追加したものである。これにより3組の外部電源端子19−1,19−2、19−3,19−4、および19−5,19−6を有する。
【0094】
(第五の実施の形態の効果について)
交流モータ1Dは、3組の外部電源端子19−1,19−2、19−3,19−4、および19−5,19−6を有するので、異なる3つの機器に対して電源を供給することができる。たとえば外部電源端子19−1,19−2は、センサに対して電源を供給し、外部電源端子19−3,19−4は、パイロットランプに対して電源を供給し、外部電源端子19−5,19−6は、その他の機器に対して電源を供給することができる。
【0095】
なお、外部接続端子19−1,19−2、19−3,19−4、および19−5,19−6に接続する機器に応じて適宜、電源巻線32−1,32−3,32−4の巻線数を可変することによって、外部接続端子19−1,19−2、19−3,19−4、および19−5,19−6の出力電圧を個々に所望する電圧に設定することができる。
【0096】
(本発明の第六の実施の形態のモータ部16Eおよび交流モータ1Eについて)
次に、本発明の第六の実施の形態のモータ部16Eおよび交流モータ1Eについて図25および図26を参照して説明する。図26では、交流モータ1Eの構成におけるモータ部16E、整流器17,18、コンデンサC3、外部電源端子19−1,19−2以外の構成の図示は省略した。第一の実施の形態のモータ部16および交流モータ1と第六の実施の形態のモータ部16Eおよび交流モータ1Eとは一部が異なる。よって、モータ部16および交流モータ1と同一または同種の部材については同一または同一系の符号を付し、その説明を簡略化または省略し、主として異なる部材について説明する。
【0097】
交流モータ1Eのモータ部16Eは、モータ部16のモータ励磁巻線31−3,31−4に電源巻線32−3,32−4を追加し、電源巻線32−1,32−3,32−4を直列に接続したものである。これにより電源巻線32−1と電源巻線32−3と電源巻線32−4とに発生する電圧を加算した電圧を外部電源端子19−1,19−2に供給することができる。
【0098】
(第六の実施の形態の効果について)
交流モータ1Eは、電源巻線32−1、電源巻線32−3、および電源巻線32−4が直列に接続されているため、電源巻線32−1,32−3,32−4が発生する電圧を加算した電圧が外部出力端子19−1,19−2に供給される。このようにして、ユーザが所望する電圧を外部電源端子19−1,19−2から取り出すことができる。特に、比較的高い電圧を必要とする機器に対して外部電源端子19−1,19−2から電源を供給する場合に適する。
【0099】
たとえばモータ励磁巻線31−1,31−3,31−4はそれぞれ850Tとし、電源巻線32−1,32−3,32−4はそれぞれ300Tとすれば、単相交流電源2の電圧実効値を100Vとすると、上述したように、個々の電源巻線32−1,32−3,32−4にはそれぞれ実効値8.8Vの出力電圧が発生する。よって、外部電源端子19−1,19−2からは8.8V×3=26.4Vの電圧が出力される。
【0100】
(本発明の第七の実施の形態のモータ部16Fおよび交流モータ1Fについて)
次に、本発明の第七の実施の形態のモータ部16Fおよび交流モータ1Fについて図27および図28を参照して説明する。図28では、交流モータ1Fの構成におけるモータ部16F、整流器18,18−1,18−2、コンデンサC3,C5、外部電源端子19−1,19−2,19−5,19−6以外の構成の図示は省略した。第一の実施の形態のモータ部16および交流モータ1と第七の実施の形態のモータ部16Fおよび交流モータ1Fとは一部が異なる。よって、モータ部16および交流モータ1と同一または同種の部材については同一または同一系の符号を付し、その説明を簡略化または省略し、主として異なる部材について説明する。
【0101】
交流モータ1Fのモータ部16Fは、モータ部16のモータ励磁巻線31−3,31−4に電源巻線32−3,32−4を追加し、電源巻線32−1,32−4を直列に接続すると共に、電源巻線32−3に整流器18−2を接続したものである。これにより電源巻線32−1と電源巻線32−4とに発生する電圧を外部電源端子19−1,19−2に供給することができると共に、外部電源端子19−5,19−6を有することができる。
【0102】
(第七の実施の形態の効果について)
交流モータ1Fによれば、外部電源端子19−1,19−2と外部電源端子19−5,19−6とで大きく異なる電圧を出力することができる。よって、大きく異なる電圧を要する2つの異なる機器に対してそれぞれ電源を供給することができる。
【0103】
たとえばモータ励磁巻線31−1,31−3,31−4はそれぞれ850Tとし、電源巻線32−1,32−3,32−4はそれぞれ300Tとすれば、単相交流電源2の電圧実効値を100Vとすると、上述したように、個々の電源巻線32−1,32−3,32−4にはそれぞれ実効値8.8Vの出力電圧が発生する。よって、外部電源端子19−1,19−2からは8.8V×2=17.6Vの電圧が出力される。一方、外部電源端子19−5,19−6からは8.8Vの電圧が出力される。
【0104】
(本発明の第八の実施の形態のモータ部16Gおよび交流モータ1Gについて)
次に、本発明の第八の実施の形態のモータ部16Gおよび交流モータ1Gについて図29および図30を参照して説明する。図30では、交流モータ1Gの構成におけるモータ部16G、整流器17,18、コンデンサC5、外部電源端子19−5,19−6以外の構成の図示は省略した。第一の実施の形態のモータ部16および交流モータ1と第七の実施の形態のモータ部16Gおよび交流モータ1Gとは一部が異なる。よって、モータ部16および交流モータ1と同一または同種の部材については同一または同一系の符号を付し、その説明を簡略化または省略し、主として異なる部材について説明する。
【0105】
交流モータ1Gのモータ部16Gは、モータ部16のモータ励磁巻線31−3,31−4に電源巻線32−3,32−4を追加し、電源巻線32−1,32−3,32−4を並列に接続すると共に、電源巻線32−1に整流器18を接続したものである。これにより電源巻線32−1,32−3,32−4に発生する電圧を外部電源端子19−1,19−2に供給することができる。
【0106】
(第八の実施の形態の効果について)
図8で説明したように、単独巻線の場合と比較すると、並列巻線数が増えるほどDC出力電圧が高くなっていることがわかる。これは並列巻線数が増えるほどモータ励磁巻線31−1,31−3,31−4と電源巻線32−1,32−3,32−4との間の磁気結合が良好になるためである。また、図13で説明したように、単独巻線の場合と比較すると、多数の並列した電源巻線32−1,32−3,32−4を有するモータ部16Gの方が負荷変動に対するAC出力電圧の変動が少ない。これにより、交流モータ1Gによれば、外部電源端子19−1,19−2に、並列に接続された3つの電源巻線32−1,32−3,32−4の電圧を供給することができるため、比較的高負荷の機器に電源を供給するのに適する。
【0107】
(その他の実施の形態について)
上述した第八の実施の形態では、3つの電源巻線32−1,32−3,32−4を並列に接続したが、2つの電源巻線32−1,32−3または32−3,32−4または32−1,32−4を並列に接続してもよい。このときには、余った電源巻線32−2または32−1または32−2については、単独で整流器および外部電源端子を設けてもよい。
【0108】
また、上述した第一〜第八の実施の形態では、電源巻線32−2にレギュレータ14へ電源を供給する整流器17を有したが、この代わりに外部電源端子を設けてもよい。あるいは、電源巻線32−2を含めて全ての電源巻線32−1〜32−4を直列に接続、または並列に接続するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0109】
また、上述した第一〜第八の実施の形態では、インナーローター型の交流モータ1〜1Gを例に挙げて説明したが、交流モータ1〜1Gをアウターローター型に置き換えても同様に説明することができる。
【0110】
1,1A,1B,1C,1D,1E,1F,1G…交流モータ、13…電源回路、15…モータ制御回路(制御回路)、16,16A,16B,16C,16D,16E,16F,16G…モータ部、19−1〜19−6…外部電源端子(電圧供給端子)、31−1〜31−4…モータ励磁巻線、32−1〜32−4…電源巻線、34−1〜34−4…ステータコアティース
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステータコアティースに巻き回されたモータ励磁巻線を有する交流モータにおいて、
上記モータ励磁巻線と共に上記ステータコアティースに巻き回されて上記モータ励磁巻線に通電される交流電圧によって発生する磁力線によって電圧が誘起される電源巻線を有するモータ部を有する、
ことを特徴とする交流モータ。
【請求項2】
請求項1記載の交流モータであって、
前記モータ部の前記電源巻線により誘起された電圧によって動作して前記モータ部を制御する制御回路を有する、
ことを特徴とする交流モータ。
【請求項3】
請求項1または2記載の交流モータであって、
前記電源巻線により誘起された電圧を外部に供給するための電圧供給端子を有する、
ことを特徴とする交流モータ。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項記載の交流モータであって、
前記モータ部は、前記ステータコアティースを複数有し、
前記電源巻線を複数の前記ステータコアティースの少なくとも2つに有する、
ことを特徴とする交流モータ。
【請求項5】
請求項4記載の交流モータであって、
複数の前記電源巻線が直列または並列に接続される、
ことを特徴とする交流モータ。
【請求項6】
ステータコアティースに巻き回されたモータ励磁巻線を有するモータ部を有し、
上記モータ部は、上記モータ励磁巻線と共に上記ステータコアティースに巻き回されて上記モータ励磁巻線に通電される交流電圧によって発生する磁力線によって電圧が誘起される電源巻線を有し、
上記電源巻線により誘起された電圧を外部に供給するための電圧供給端子を有する、
ことを特徴とする電源回路。
【請求項7】
請求項6記載の電源装置であって、
前記モータ部は、前記ステータコアティースを複数有し、
前記電源巻線を複数の前記ステータコアティースの少なくとも2つに有する、
ことを特徴とする電源装置。
【請求項8】
請求項7記載の電源装置であって、
複数の前記電源巻線が直列または並列に接続される、
ことを特徴とする電源装置。
【請求項1】
ステータコアティースに巻き回されたモータ励磁巻線を有する交流モータにおいて、
上記モータ励磁巻線と共に上記ステータコアティースに巻き回されて上記モータ励磁巻線に通電される交流電圧によって発生する磁力線によって電圧が誘起される電源巻線を有するモータ部を有する、
ことを特徴とする交流モータ。
【請求項2】
請求項1記載の交流モータであって、
前記モータ部の前記電源巻線により誘起された電圧によって動作して前記モータ部を制御する制御回路を有する、
ことを特徴とする交流モータ。
【請求項3】
請求項1または2記載の交流モータであって、
前記電源巻線により誘起された電圧を外部に供給するための電圧供給端子を有する、
ことを特徴とする交流モータ。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項記載の交流モータであって、
前記モータ部は、前記ステータコアティースを複数有し、
前記電源巻線を複数の前記ステータコアティースの少なくとも2つに有する、
ことを特徴とする交流モータ。
【請求項5】
請求項4記載の交流モータであって、
複数の前記電源巻線が直列または並列に接続される、
ことを特徴とする交流モータ。
【請求項6】
ステータコアティースに巻き回されたモータ励磁巻線を有するモータ部を有し、
上記モータ部は、上記モータ励磁巻線と共に上記ステータコアティースに巻き回されて上記モータ励磁巻線に通電される交流電圧によって発生する磁力線によって電圧が誘起される電源巻線を有し、
上記電源巻線により誘起された電圧を外部に供給するための電圧供給端子を有する、
ことを特徴とする電源回路。
【請求項7】
請求項6記載の電源装置であって、
前記モータ部は、前記ステータコアティースを複数有し、
前記電源巻線を複数の前記ステータコアティースの少なくとも2つに有する、
ことを特徴とする電源装置。
【請求項8】
請求項7記載の電源装置であって、
複数の前記電源巻線が直列または並列に接続される、
ことを特徴とする電源装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
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【図19】
【図20】
【図21】
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【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【公開番号】特開2012−16152(P2012−16152A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−149391(P2010−149391)
【出願日】平成22年6月30日(2010.6.30)
【出願人】(507201119)スタンダード電気株式会社 (6)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月30日(2010.6.30)
【出願人】(507201119)スタンダード電気株式会社 (6)
【Fターム(参考)】
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