交通信号機と交通信号機の電源供給方法と交通信号機システムと交通信号機システムの電源供給方法
【課題】設置場所や天候や時間帯等の周囲環境に影響されることなく、剰余発光から所望の電力を生じることが可能な省エネルギーかつ低消費電力な交通信号機と交通信号機の電源供給方法と交通信号機システムと交通信号機システムの電源供給方法とを提供することを目的とする。
【解決手段】交通信号機の遮光板の信号光源側の面に、信号光源の光を受光可能なようにフレキシブル太陽電池を一体的に備え、太陽電池で生じた電力を、交通信号機の電源として利用する交通信号機とする。また、遮光板が、互いに異なる表示色を発光する信号光源ごとに各々設けられる交通信号機とする。
【解決手段】交通信号機の遮光板の信号光源側の面に、信号光源の光を受光可能なようにフレキシブル太陽電池を一体的に備え、太陽電池で生じた電力を、交通信号機の電源として利用する交通信号機とする。また、遮光板が、互いに異なる表示色を発光する信号光源ごとに各々設けられる交通信号機とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交通信号機と交通信号機の電源供給方法と交通信号機システムと交通信号機システムの電源供給方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、種々の太陽電池パネルや太陽電池モジュールを備える交通信号機が提案されている。このような交通信号機は、太陽光を充分に受光可能な位置に太陽電池パネル等を配置し、できるだけ多くの太陽光を受光可能なように配置角度が調整される。例えば、下記特許文献1には以下に説明する信号機システム10が記載されている。
【0003】
図10は、従来の信号機システムを説明する図である。図10に示すように、信号機システム10は、車両灯器11と、歩行者灯器12と、車両灯器11及び歩行者灯器12を予め定められたタイミングで点灯制御する交通信号制御装置13とを備える。
【0004】
また、信号機システム10は、車両灯器11と歩行者灯器12と交通信号制御装置13とに電力を供給する電源を具備する。そして、車両灯器11と歩行者灯器12と交通信号制御装置13とは、信号機用支柱19に取り付けられている。
【0005】
車両灯器11は、本体14と、本体14内に収容された赤、黄、青のLEDモジュールと、本体14の各色のLEDモジュールの上方位置にそれぞれ取り付けられた庇15(遮光板または鍔とも称する)とを備えている。
【0006】
歩行者灯器12も、車両灯器11と同様に本体16と、本体16内に収容された赤、青のLEDモジュールと、本体16の各LEDモジュールの上方位置にそれぞれ取り付けられた庇17とを備えている。
【0007】
車両灯器11の本体14と庇15及び歩行者灯器12の本体16と庇17と交通信号制御装置13の筐体とは、いずれも樹脂(ポリカーボネイト等)、鉄、アルミニウム等で形成される。特に、車両灯器11の本体14の横側面や庇15の外表面は、湾曲して形成されており、また、歩行者灯器12の庇の外表面は角部を有して形成されている。
【0008】
また、電源は、太陽電池モジュール18と商用電源(100V交流電源等)とを有しており、太陽電池モジュール18で発生した電力は主電源或いは補助電源として利用される。
【0009】
例えば、商用電源を主電源、太陽電池モジュール18を補助電源として利用する場合、交通信号制御装置13は、車両灯器11と歩行者灯器12とに供給する電力を通常時においては主電源たる商用電源とできる。
【0010】
また、車両灯器11と歩行者灯器12とを点灯させるのに必要な電力が太陽電池モジュール18から十分に供給可能な場合には、交通信号制御装置13は、車両灯器11と歩行者灯器12とに供給する電力を商用電源から太陽電池モジュール18に切り替え制御する。
【0011】
なお、交通信号制御装置13内には、太陽電池モジュール18で発生した電力を蓄電する充放電電池が内蔵されており、各太陽電池モジュール18とバッテリとが電気的に接続されている。
【0012】
太陽電池モジュール18は柔軟性を有するフィルム状に形成されており、車両灯器11の本体14の上面と、その側面と、庇15と、歩行者灯器12の本体16の上面と、その側面と、庇17と、交通信号制御装置13の筐体の上面とその側面とに両面テープ又は接着剤等によって一体的に装着される。
【0013】
フィルム状の太陽電池モジュール18としては、例えば、色素増感型太陽電池、有機薄膜太陽電池(色素増感型を除いたもの)、アモルファスシリコン系太陽電池のように、フィルムシート状とすることが可能な太陽電池を用いることができる。
【0014】
太陽電池はポリイミドフィルム等を基板材料として太陽電池を形成しているため、薄い、軽い、曲げられる、割れないという長所を有する。また、プラスチックフィルム基板上に形成したa−Si太陽電池を保護フィルムによりカバーした構造で、この状態での厚みは約0.4mm程度と薄い。また、フィルムは耐熱性プラスチックフィルムを使用しており、アモルトンフィルムの外側面を透明シートで覆うことで、防水処置を施すことが好ましい。
【0015】
上述の構成とすることにより太陽電池モジュールを装着するための新たな設置スペースや部品を不要とすることができ、太陽電池モジュールの設置作業の容易化を図ることができる。また、太陽電池モジュールの設置コストを低減することができる。
【0016】
さらに、太陽電池モジュール18がフィルム状に形成されているため、太陽電池モジュール18は、車両灯器11や歩行者灯器12が大型化したり、外観を変更することなく、車両灯器11と歩行者灯器12とに装着することができる。
【0017】
また、フィルム状の太陽電池モジュール18は、車両灯器11の本体14の横側面や庇15の外表面のような湾曲した表面、或いは、歩行者灯器12の庇17の外表面のような角部を有した表面にも一体的に装着される。このため、太陽電池モジュール18は、交通信号機や交通信号制御装置の形状によらず、太陽光を集光しやすいより多くの位置に装着することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】特開2006−338369号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
従来、交通信号機には太陽電池モジュールが太陽光を受光可能な位置に配置されており、都市部における高速道路下等日照が期待できない場所や、積雪時や雨天時や夜間等の日照が期待できない天候・時間帯には、発電することができなかった。一方で、太陽電池の発電効率(光電変換効率)は年々飛躍的に向上しつつあることから、比較的少ない光量でも効率的な発電を可能とするような剰余光の有効活用が期待される。
【0020】
本発明は、上述の問題点に鑑み為されたものであり、設置場所や天候や時間帯等の周囲環境に影響されることなく、剰余発光から所望の電力を生じることが可能な省エネルギーかつ低消費電力な交通信号機と交通信号機の電源供給方法と交通信号機システムと交通信号機システムの電源供給方法とを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明の交通信号機は、交通信号機の遮光板の信号光源側の面に、信号光源の光を受光可能なようにフレキシブル太陽電池を一体的に備え、太陽電池で生じた電力を、交通信号機の電源として利用する交通信号機とする。
【0022】
また、本発明の交通信号機は、好ましくは遮光板が、互いに異なる表示色を発光する信号光源ごとに各々設けられることを特徴とする。
【0023】
また、本発明の交通信号機は、さらに好ましくは交通信号機の信号光源が、複数の発光ダイオードであることを特徴とする。
【0024】
また、本発明の交通信号機は、さらに好ましくは互いに異なる表示色を発光する信号光源ごとに、信号光源を保護する保護カバーを備え、保護カバーの辺縁部は、信号光源から太陽電池への光照射量が増大するように、保護カバーの中心部に比較して、信号光源の光を広角側に屈折させる照射角拡大部を備えることを特徴とする。
【0025】
また、本発明の交通信号機の電源供給方法は、遮光板の信号光源側の面に、信号光源の光を受光可能なようにフレキシブル太陽電池を一体的に備える交通信号機の電源供給方法において、太陽電池で生じた電力を、交通信号機の電源とすることを特徴とする。
【0026】
また、本発明の交通信号機の電源供給方法は、好ましくは遮光板が、互いに異なる表示色を発光する信号光源ごとに各々設けられることを特徴とする。
【0027】
また、本発明の交通信号機の電源供給方法は、さらに好ましくは交通信号機の信号光源が、複数の発光ダイオードであることを特徴とする。
【0028】
また、本発明の交通信号機の電源供給方法は、さらに好ましくは交通信号機が、互いに異なる表示色を発光する信号光源ごとに、信号光源を保護する保護カバーを備え、保護カバーの辺縁部は、信号光源から太陽電池への光照射量が増大するように、保護カバーの中心部に比較して、信号光源の光を広角側に屈折させる照射角拡大部を備えることを特徴とする。
【0029】
また、本発明の交通信号機システムは、上述のいずれかに記載の交通信号機を備える交通信号機システムにおいて、太陽電池で生じた電力を蓄電する充放電電池を備え、充放電電池から交通信号機に電力を供給することを特徴とする。
【0030】
また、本発明の交通信号機システムの電源供給方法は、上述のいずれかに記載の交通信号機を備える交通信号機システムの電源供給方法において、太陽電池で生じた電力を蓄電する充放電電池を備え、充放電電池から交通信号機に電力を供給することを特徴とする。
【0031】
また、本発明の交通信号機は、交通信号機の遮光板の信号光源側の面に、信号光源の光を受光可能なようにフレキシブル太陽電池を一体的に備え、太陽電池で生じた電力を、交通信号機の電源として利用し、遮光板は、互いに異なる表示色を発光する信号光源ごとに各々設けられており、互いに異なる表示色を発光する信号光源ごとに、信号光源を保護する保護カバーを備えるとともに、保護カバーは、その辺縁部に、信号光源から太陽電池への光照射量が増大するように、保護カバーの中心部に比較して、信号光源の光を広角側に屈折させる照射角拡大部を備え、互いに異なる表示色を発光する信号光源ごとに各々設けられたフレキシブル太陽電池は、並列接続とされてもよい。
【0032】
また、本発明の交通信号機の電源供給方法は、遮光板の信号光源側の面に、信号光源の光を受光可能なようにフレキシブル太陽電池を一体的に備える交通信号機の電源供給方法において、太陽電池で生じた電力を、交通信号機の電源とする工程を有し、遮光板は、互いに異なる表示色を発光する信号光源ごとに各々設けられ、交通信号機は、互いに異なる表示色を発光する信号光源ごとに、信号光源を保護する保護カバーを備えるとともに、保護カバーは、その辺縁部に、信号光源から太陽電池への光照射量が増大するように、保護カバーの中心部に比較して、信号光源の光を広角側に屈折させる照射角拡大部を備え、互いに異なる表示色を発光する信号光源ごとに各々設けられたフレキシブル太陽電池は、並列接続とされてもよい。
【0033】
また、本発明の交通信号機の電源供給方法は、好ましくは赤色の信号光源に対応するフレキシブル太陽電池が電力を供給する工程と、青色の信号光源に対応するフレキシブル太陽電池が電力を供給する工程と、黄色の信号光源に対応するフレキシブル太陽電池が電力を供給する工程とを順に有してもよい。
【発明の効果】
【0034】
設置場所や天候や時間帯等の周囲環境に影響されることなく、剰余発光から所望の電力を生じることが可能な省エネルギーかつ低消費電力な交通信号機と交通信号機の電源供給方法と交通信号機システムと交通信号機システムの電源供給方法とを提供することを目的とする。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】第一の実施形態にかかる車両用信号機の外観概要を模式的に説明する正面図である。
【図2】第一の実施形態にかかる車両用信号機を下面側から模式的に説明する底面図である。
【図3】第一の実施形態にかかる車両用信号機のA−A断面を模式的に説明する断面図である。
【図4】車両用信号機の使用状態を例示する図である。
【図5】第二の実施形態にかかる車両用信号機を下面側から模式的に説明する底面図である。
【図6】第二の実施形態にかかる車両用信号機のB−B断面を模式的に説明する断面図である。
【図7】車両用信号機を備える交通信号機システムの概要を説明するブロック概念図である。
【図8】電力供給調整装置の構成概念を説明するブロック図である。
【図9】交通信号機システムの動作と処理との概要を順次説明するフロー図である。
【図10】従来の信号機システムを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本実施形態で説明する車両用信号機は、発光部分の視認性を確保するために、風雨や積雪や汚れから発光部分を守るとともに逆光等の光を遮る遮光板を備える。遮光板は、フードまたは鍔または庇とも呼ばれる。また、車両用信号機は、遮光板の内面側、すなわち点灯による光が照射される面に太陽電池を備える。
【0037】
車両用信号機の太陽電池は、でLEDや各種電球からなる信号の発光に起因する光エネルギーを光電変換する。実施形態で説明する車両用信号機は、太陽電池で光電変換した光エネルギーを信号の発光電源として循環、還元する。
【0038】
このため、車両用信号機は、設置場所や天候や昼夜を問わず、自身の信号の点灯に起因する一定の起電力を太陽電池から与えられ、これを電源の一部とすることができる。従って、省エネルギーかつ高効率な車両用信号機とすることができる。
【0039】
また、車両用信号機は、太陽電池に照射される自身の信号の点灯光量を増大させるために、発光部分の保護カバー辺縁部に、光を外側に屈折させる照射角拡大部を備える。一般に、信号灯は、一定の視認性を確保するために約30°程度の照射角を有する。しかし、実施形態で例示する車両用信号機の照射角拡大部に入射した点灯光は、遮光板の内側に設けられた太陽電池方向へと、大きく上方へと屈折する。
【0040】
照射角拡大部は、保護カバーの辺縁部に設けられるので、車両用信号機の前方に位置する車両の運転者等視認者への影響はなく、従来活用されていない不要な光エネルギーを太陽電池に集光する。
【0041】
(第一の実施形態)
図1は、第一の実施形態にかかる車両用信号機1011の外観概要を模式的に説明する正面図である。図1に示すように車両用信号機1011は、赤色に点灯する車両用信号光源1011aと黄色に点灯する車両用信号光源1011bと青色に点灯する車両用信号光源1011cとを有する。
【0042】
また、車両用信号機1011は、遮光板130を各色光源ごとに備える。すなわち、車両用信号機1011は、車両用信号光源1011aの略上半円周状に遮光板130aを備え、車両用信号光源1011bの略上半円周状に遮光板130bを備え、車両用信号光源1011cの略上半円周状に遮光板130cを備える。なお、遮光板130a,130b,130cを以下適宜遮光板130と総称するものとする。
【0043】
また、車両用信号機1011は、遮光板130の下面に太陽電池1021を備える。すなわち、車両用信号機1011は、遮光板130aの下面に太陽電池1021aを備え、遮光板130bの下面に太陽電池1021bを備え、遮光板130cの下面に太陽電池1021bを備える。太陽電池1021は、自在に折り曲げ可能なフレキシブルに形成されており、接着剤や両面テープ等により遮光板130の下面に取り付けられる。なお、太陽電池1021a,1021b,1021cを以下適宜太陽電池1021と総称する。
【0044】
また、車両用信号機1011は、点灯部分を保護する保護カバー140を備える。すなわち、車両用信号機1011は、車両用信号光源1011aの発光部分を保護する保護カバー140aを備え、車両用信号光源1011bの発光部分を保護する保護カバー140bを備え、車両用信号光源1011cの発光部分を保護する保護カバー140cを備える。なお、保護カバー140a,140b,140cを以下適宜保護カバー140と総称する。
【0045】
また、車両用信号機1011が備える保護カバー140は、各々円形状であって、保護カバー140の辺縁部には、点灯光の進路を太陽電池1021の方向へと変化させる照射角拡大部140a1,140b1,140c1を備える。典型的には、照射角拡大部140a1,140b1,140c1は、保護カバー140の中心部140a2,140b2,140c2に比較して屈折率が異なる部材で構成される。
【0046】
照射角拡大部140a1,140b1,140c1は、硝子やプラスチック等から形成されるレンズであってもよく、プリズムやハーフミラーにより構成してもよい。
【0047】
また、図2は、車両用信号機1011を下面側から模式的に説明する底面図である。図2において、遮光板130の下面側には太陽電池1021aが配置されている。また、図2では図1と対応する部位には同一の符号を付して、説明の重複を避けるためにここではその説明を省略する。
【0048】
また、図3は、図1に示す車両用信号機1011のA−A断面を模式的に説明する断面図である。図3において、照射角拡大部140b1に到達した点灯光は、円形状の保護カバー140b2の中心から外側に向かう方向へと進行方向を曲げられる。その結果、太陽電池1021bで受光する光量が増大する。
【0049】
一方で、中心部140b2に到達した点灯光は、車両用信号機1011の前方方向(図3における左方向)へとそのまま進行する。このため、車両用信号機1011は、信号標識としての視認性を低下させることなく、視認性に影響しない辺縁部の光を太陽電池1021で光電変換し、これを電源として再活用することができる。
【0050】
また、太陽電池1021は、車両用信号機1011が日照の悪い場所や暗い場所に配置された場合や、夜間、積雪時等の環境条件に拘わらず、赤青黄いずれかの信号点灯により、常に一定以上の受光量を確保できるので、一定以上の発電を継続することが可能である。このため、車両用信号機1011は、安定して高効率かつ省電力な電力活用を実現できる。
【0051】
(第二の実施形態)
第二の実施形態では、光源としてLEDを利用した車両用信号機1011(2)について説明する。なお、第二の実施形態では、第一の実施形態で説明した車両用信号機1011と対応する部位には対応する符号を伏すものとする。
【0052】
図5は、第二の実施形態にかかる車両用信号機1011(2)を下面側から模式的に説明する底面図である。図5に示すように車両用信号機1011(2)は、赤色に点灯する車両用信号光源1011a(2)と黄色に点灯する車両用信号光源1011b(2)と青色に点灯する車両用信号光源1011c(2)とを有する。
【0053】
また、車両用信号機1011(2)は、遮光板130(2)を各色光源ごとに備える。すなわち、車両用信号機1011(2)は、車両用信号光源1011a(2)の略上半円周状に遮光板130a(2)を備え、車両用信号光源1011b(2)の略上半円周状に遮光板130b(2)を備え、車両用信号光源1011c(2)の略上半円周状に遮光板130c(2)を備える。
【0054】
また、車両用信号機1011(2)は、遮光板130(2)の下面に太陽電池1021(2)を備える。すなわち、車両用信号機1011(2)は、遮光板130a(2)の下面に太陽電池1021a(2)を備え、遮光板130b(2)の下面に太陽電池1021b(2)を備え、遮光板130c(2)の下面に太陽電池1021b(2)を備える。太陽電池1021(2)は、自在に折り曲げ可能なフレキシブルに形成されており、接着剤や両面テープ等により遮光板130(2)の下面に取り付けられる。
【0055】
また、車両用信号機1011(2)は、点灯部分を保護する保護カバー140(2)を備える。すなわち、車両用信号機1011(2)は、車両用信号光源1011a(2)の発光部分を保護する保護カバー140a(2)を備え、車両用信号光源1011b(2)の発光部分を保護する保護カバー140b(2)を備え、車両用信号光源1011c(2)の発光部分を保護する保護カバー140c(2)を備える。
【0056】
また、車両用信号機1011が備える保護カバー140(2)は、各々円形状であって、保護カバー140(2)の辺縁部には、点灯光の進路を太陽電池1021(2)の方向へと変化させる照射角拡大部140a1(2),140b1(2),140c1(2)を備える。典型的には、照射角拡大部140a1(2),140b1(2),140c1(2)は、保護カバー140(2)の中心部140a2(2),140b2(2),140c2(2)に比較して屈折率が異なる部材で構成される。
【0057】
照射角拡大部140a1(2),140b1(2),140c1(2)は、硝子やプラスチック等から形成されるレンズであってもよく、プリズムやハーフミラーにより構成してもよい。
【0058】
また、図6は、図5に示す車両用信号機1011(2)のB−B断面を模式的に説明する断面図である。図6において、照射角拡大部140b1(2)に到達した点灯光は、円形状の保護カバー140b2(2)の中心から外側に向かう方向へと進行方向を曲げられる。その結果、太陽電池1021b(2)で受光する光量が増大する。
【0059】
一方で、中心部140b2(2)に到達した点灯光は、車両用信号機1011(2)の前方方向(図6における左方向)へとそのまま進行する。このため、車両用信号機1011(2)は、信号標識としての視認性を低下させることなく、視認性に影響しない辺縁部の光を太陽電池1021(2)で光電変換し、これを電源として再活用することができる。
【0060】
また、太陽電池1021(2)は、車両用信号機1011(2)が日照の悪い場所や暗い場所に配置された場合や、夜間、積雪時等の環境条件に拘わらず、赤青黄いずれかの信号点灯により、常に一定以上の受光量を確保できるので、一定以上の発電を継続することが可能である。このため、車両用信号機1011(2)は、安定して高効率かつ省電力な電力活用を実現できる。なお、図6において、610はLEDである。
【0061】
(交通信号機システム)
図7は、上述した車両用信号機1011を備える交通信号機システム1000の概要を説明するブロック概念図である。図7に示すように、交通信号機システム1000は、信号機1010と、電源1020と、電力供給調整装置1030と、点灯制御装置1060とを備える。
【0062】
信号機1010は、車両用信号機1011と、歩行者用信号機1012とを備える。車両用信号機1011は、赤色に点灯する車両用信号光源1011aと黄色に点灯する車両用信号光源1011bと青色に点灯する車両用信号光源1011cと(以下車両用信号機1011と総称する)を備える。
【0063】
また、歩行者用信号機1012は、赤色に点灯する信号光源1012aと青色に点灯する信号光源1012bと(以下歩行者用信号機1012と総称する)を備える。
【0064】
本実施の形態では、車両用信号機1011、歩行者用信号機1012は、各々発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)を用いて構成することができる。
【0065】
例えば、車両用信号光源1011aでは、赤色に発光する多数のLEDが円状に配置される。このように、車両用信号機1011、歩行者用信号機1012は、何れも多数のLEDを配置することによって、発光させるべき点灯領域が構成される。各色の光源が備えるLEDの個数は任意であるが、車両用信号機1011と歩行者用信号機1012とが、各々300カンデラ程度の光度となるように、例えば190個程度のLEDを備えてもよい。
【0066】
車両用信号機1011と歩行者用信号機1012とを各々LEDを用いて構成した場合には、点灯制御装置1060が、信号機1010をパルス駆動により点灯制御する。点灯制御装置1060は、パルス駆動のデューティ比を適宜制御することで、信号機1010の光量を調整することが可能である。
【0067】
また、電源1020は、太陽電池(補助電源)1021と、商用電源(主電源)1022とから構成される。太陽電池1021は、信号光源(典型的にはLED光)の一部を集光して電力に変換する多数の太陽電池セル(モジュールとも称する)を敷き詰めて配置することによって構成される。
【0068】
この太陽電池1021は、信号光源を受光可能な位置であって、信号機1010の遮光板の内面側すなわち信号光源側に密着して取付けることが好ましい。また、商用電源1022はAC100Vを安定して出力する。
【0069】
車両用信号機1011の遮光板は、雨天・積雪時等でも車両の運転手等から車両用信号機1011が見易いように、車両用信号機1011全体の庇や鍔として設けてもよい。また、車両用信号機1011の遮光板は、赤色に点灯する車両用信号光源1011aと、黄色に点灯する車両用信号光源1011bと、青色に点灯する車両用信号光源1011cとの各々に対して、個別に庇や鍔として設けてもよい。
【0070】
同様に、歩行者用信号機1012の遮光板は、雨天・積雪時等でも歩行者等に歩行者用信号機1012が見易いように、歩行者用信号機1012全体の庇や鍔として設けてもよい。また、歩行者用信号機1012の遮光板は、赤色に点灯する信号光源1012aと、青色に点灯する信号光源1012bとの各々に対して、個別に庇や鍔として設けてもよい。
【0071】
また、車両用信号機1011は、上述したように風雨等から車両用信号光源1011aと車両用信号光源1011bと車両用信号光源1011cとを保護する為の透明な保護カバーを各々備える。また、各保護カバーは、太陽電池1021の受光量が増加するように、保護カバーの辺縁部に、車両用信号光源1011aと車両用信号光源1011bと車両用信号光源1011cとの各々の照射角を、外側へ拡大させるようなレンズ機能を有する照射角拡大部を備えるものとする。
【0072】
さらに好ましくは、車両用信号光源1011aと車両用信号光源1011bと車両用信号光源1011cとを保護する各保護カバーの照射角拡大部は、車両用信号機1011の発光を、遮光板に設けられた太陽電池1021に向けて導くように屈折させる機能を有する。
【0073】
同様に、歩行者用信号機1012は、上述したように風雨等から信号光源1012a,1012bを保護する為の透明な保護カバーを各々備える。また、各保護カバーは、太陽電池1021の受光量が増加するように、その辺縁部に、信号光源1012a,1012bの照射角を、各々外側へ拡大させるようなレンズ機能を有する照射角拡大部を備えるものとする。
【0074】
さらに好ましくは、信号光源1012a,1012bを保護する各保護カバーの照射角拡大部は、信号光源1012a,1012bの発光を、各々遮光板に設けられた太陽電池1021に向けて導くように屈折させる。
【0075】
なお、上述した保護カバーは、プラスチック等の各種樹脂や硝子等を材料として形成することができるが、光源色に対する透光性が良好であり耐候性、耐久性を有するその他任意の材料で形成してもよい。また、照射角拡大部は、典型的にはいわゆるレンズとすることができるが、光の進行方向を所望の方向に変更するプリズムやハーフミラー等公知の各種素子を用いてもよい。
【0076】
次に、電力供給調整装置1030について以下詳細に説明する。図8は、電力供給調整装置1030の構成概念を説明するブロック図である。
【0077】
図8に示すように電力供給調整装置1030は、制御部(CPU)1031と、DC/DCコンバータ1032と、加算調整部1033と、DC/ACコンバータ1034と、AC/DCコンバータ1035と、監視記憶部1040と、充放電電池1050とを備える。
【0078】
太陽電池1021で生起した電力は、DC/DCコンバータ1032に入力される。また、DC/DCコンバータ1032の出力は、監視記憶部1040に接続される。監視記憶部1040は、加算調整部1033を介してDC/ACコンバータ1034に接続される。
【0079】
また、商用電源1022がAC/DCコンバータ1035に接続され、AC/DCコンバータ1035の出力が、加算調整部1033を介してDC/ACコンバータ1034に接続される。
【0080】
また、制御部1031は、DC/DCコンバータ1032と、加算調整部1033と、DC/ACコンバータ1034と、AC/DCコンバータ1035と、監視記憶部1040とに接続されて、電力供給調整装置1030全体として所望の動作処理が実行されるように、各々を調整制御する。
【0081】
すなわち、制御部1031は、監視記憶部1040から得られる太陽電池1021の電力監視情報を取得して、加算調整部1033に対して信号機1010へ出力される電力が所定の値となるように指示し調整させる。加算調整部1033は、直流の電流電圧において、太陽電池1021の電力に商用電力1022の電力を加算し、所望の値となるように調整することができる。
【0082】
充放電電池1050は、加算調整部1033とDC/ACコンバータ1034との間に接続される。充放電電池1050は、通常時には電源1020からの電力によって蓄電されると共に、停電等の障害発生時には点灯制御装置1060へ供給される電力を安定化させる。すなわち充放電電池1050は、信号機1010へ供給される電力を安定化させる。
【0083】
また、充放電電池1050は、例えば鉛蓄電池、ニッケル・カドミウム蓄電池やニッケル・水素蓄電池などのアルカリ蓄電池、無停電電源(UPS)などとしてもよい。充放電電池1050は、停電時にも数時間程度から数十時間程度の点灯補償を可能とする程度の蓄電容量であることが好ましい。なお、信号機1010は、車両用信号機1011と歩行者用信号機1012とを共に備えるものに限られず、いずれか任意の一方のみを備えてもよい。なお、図4は、車両用信号機1011の使用状態を例示する図である。
【0084】
次に、図9を用いて交通信号機システム1000の動作と処理とについて、各ステップごとに説明する。図9は、交通信号機システム1000の動作と処理との概要を順次説明するフロー図である。
【0085】
(ステップS1100)
制御部1031は、信号機1010の点灯に必要な電力が供給されるように、商用電源1022からの電力供給を開始させる。また、制御部1031は、太陽電池1021からの電力を常に信号機1010に供給するように、加算調整部1033を制御する
【0086】
(ステップS1101)
監視記憶部1040は、太陽電池1021からの電力を監視する。制御部1031は、太陽電池1021からの電力が、信号機1010の正常な点灯動作に対応する電力を示す規定値以下であるか否かを判定する。
【0087】
太陽電池1021からの電力が、信号機1010の正常な点灯動作に対応する電力を示す規定値以下である場合には、ステップS1105へと進む。また、太陽電池1021からの電力が、信号機1010の正常な点灯動作に対応する電力を示す規定値以下でない場合には、ステップS1102へと進む。
【0088】
すなわち、太陽電池1021は、信号機1010の電源となるだけではなく、信号機1010が正常に発光動作しているか否かのセンサとしての機能も併せ持つこととなる。太陽電池1021からの電力が規定値以下であれば、信号機1010の点灯動作に異常があると判断されることとなる。また、太陽電池1021からの電力が規定値以下でなければ、信号機1010の点灯動作に異常がないと判断されることとなる。
【0089】
(ステップS1102)
制御部1031は、監視記憶部1040からの電力監視情報を基に、信号機1010の各信号光源1011a,1011b,1011c,1012a,1012bを点灯させるのに必要な電力から、太陽電池1021による電力分を減算し、不足分の電力を演算処理する。
【0090】
(ステップS1103)
制御部1031は、ステップS1102で算出した不足分の電力を商用電源1022で補うように、AC/DCコンバータ1035と加算調整部1033とを制御し、または指示をし、信号機1010の正常な点灯動作に必要な電力を点灯制御装置1060に出力する。
【0091】
(ステップS1104)
点灯制御装置1060から電力供給を受けた信号機1010の車両用信号光源1011a,1011b,1011cのいずれかのLEDに所定の電力が供給されて、対応する赤・青・黄のいずれかの一色が点灯する。また、点灯制御装置1060から電力供給を受けた信号機1010の歩行者用信号光源1012a,1012bのいずれかのLEDに所定の電力が供給されて、対応する赤色または青色が点灯する。
【0092】
(ステップS1105)
監視記憶部1040は、交通信号機システム1000の状態情報を記憶する。このため、監視記憶部1040は、例えば書き換え可能なフラッシュメモリ等の記憶部を備え、太陽電池1021からの出力が規定値以下となった日付と時間と出力値等の状態情報を記憶してもよい。監視記憶部1040が交通信号機システム1000の状態情報を記憶すれば、ステップS1102へと進む。
【0093】
記憶部に記憶された状態情報は、交通信号機システム1000の保守・点検などメンテナンス時等に、外部から取り出し可能としてもよい。これにより、交通信号機システム1000は、遮光板内側に照射される活用されない光エネルギーを、太陽電池1021により回収してエネルギーの有効利用ができる。さらに、交通信号機システム1000は、信号機1010の点灯が正常であるか否かの監視も可能となり、異常である場合の履歴を記録することが可能となる。
【0094】
(ステップS1106)
制御部1031は、信号機1010の点灯動作を終了させるか否か判断する。メンテナンス時等を除けば、通常は信号機1010の点灯を継続する。メンテナンス時等には、保守点検者等から制御部1031に対して点灯終了の指示が入力される。
【0095】
制御部1031は、信号機1010の点灯動作を終了させる場合には、このフローを終了する。また、制御部1031は、信号機1010の点灯動作を終了させない場合には、ステップS1101へと戻る。
【0096】
交通信号機システム1000は、商用電源1022から電力を供給している間にも、常に監視記憶部1040が太陽電池1021からの電力を監視している。また、制御部1031は、太陽電池1021からの電力に加えて商用電源1022からの電力を加算して供給制御し、信号機1010を点灯させるのに必要な電力を、常に信号機1010に供給する。
【0097】
なお、監視記憶部1040は、太陽電池1021の電力をDC/DCコンバータ1032を介さずに直接に監視してもよい。これにより、太陽電池1021の出力電力をより直接的かつ正確・迅速に監視できるので好ましい。
【0098】
また本実施の形態では、点灯制御装置1060が、停電等の予期せぬ電力不足の時には、充放電電池1050の電力によって、信号光源1011a,1011b,1011c,1012a,1012bを数時間以上点灯させるように点灯制御することが可能である。
【0099】
これにより、停電等の予期せぬ電力不足の際でも、信号光源1011a,1011b,1011c,1012a,1012bが不意に消灯することがない。また、車両の運転者や歩行者等に対して、信号光源1011a,1011b,1011c,1012a,1012bの点灯を継続する間に、電力供給に障害が生じていることを、歩行者やメンテナンス会社等に警告・通報することも可能となる。
【0100】
また、交通信号機システム1000は、既設の交差点のシステム構成を大幅に変更する必要はなく、太陽電池1021と電力供給調整装置1030とを設置するだけで剰余光エネルギーを積極的に回収・再利用して省エネルギー化を達成することができる。このため、交通信号機システム1000は、設置コストとランニングコストとが共に低廉であり、かつ極めて汎用性が高い。
【0101】
信号機1010と交通信号機システム1000とは実施形態で説明した内容に限定されることはなく、自明な範囲で適宜その構成を変更してもよく、自明な範囲で適宜その動作や処理を変更してもよい。
【0102】
例えば、太陽電池1021は、実施例で説明したように信号機1010の遮光板の光源側の面に設ける配置だけに限定されることはなく、遮光板の光源側の面に加えて、例えば遮光板の外側面や信号機1010の側面等にも配置して、太陽光を直接受光可能なように構成してもよい。
【0103】
信号機1010は、正常に点灯動作をする限りにおいて、太陽電池1021a,1021b,1021cの少なくともいずれか一つが、少なくとも点灯動作に起因する所定の光量を常に受光して電力を発生させる。
【0104】
このため、太陽電池1021a,1021b,1021cを並列接続とすることで、太陽電池1021a,1021b,1021cの少なくともいずれか一つの起電力を常に信号機1010の電源として用いることができる。信号機1010は、外界の環境や設置場所に作用されることなく、自身の光により常に一定量以上の回生電力を利用できることとなるので高効率となり好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0105】
本発明は、交通信号機と交通信号機の電源供給方法と交通信号機システムと交通信号機システムの電源供給方法、運転教習所の信号、駐車場の整理誘導信号等に幅広く利用できる。
【符号の説明】
【0106】
130・・庇、140・・保護カバー、1000・・交通信号機システム、1010・・信号機、1011・・車両用信号機、1012・・歩行者用信号機、1020・・電源、1021・・太陽電池、1022・・商用電源、1030・・電力供給調整装置、1033・・加算調整部、1060・・点灯制御装置。
【技術分野】
【0001】
本発明は、交通信号機と交通信号機の電源供給方法と交通信号機システムと交通信号機システムの電源供給方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、種々の太陽電池パネルや太陽電池モジュールを備える交通信号機が提案されている。このような交通信号機は、太陽光を充分に受光可能な位置に太陽電池パネル等を配置し、できるだけ多くの太陽光を受光可能なように配置角度が調整される。例えば、下記特許文献1には以下に説明する信号機システム10が記載されている。
【0003】
図10は、従来の信号機システムを説明する図である。図10に示すように、信号機システム10は、車両灯器11と、歩行者灯器12と、車両灯器11及び歩行者灯器12を予め定められたタイミングで点灯制御する交通信号制御装置13とを備える。
【0004】
また、信号機システム10は、車両灯器11と歩行者灯器12と交通信号制御装置13とに電力を供給する電源を具備する。そして、車両灯器11と歩行者灯器12と交通信号制御装置13とは、信号機用支柱19に取り付けられている。
【0005】
車両灯器11は、本体14と、本体14内に収容された赤、黄、青のLEDモジュールと、本体14の各色のLEDモジュールの上方位置にそれぞれ取り付けられた庇15(遮光板または鍔とも称する)とを備えている。
【0006】
歩行者灯器12も、車両灯器11と同様に本体16と、本体16内に収容された赤、青のLEDモジュールと、本体16の各LEDモジュールの上方位置にそれぞれ取り付けられた庇17とを備えている。
【0007】
車両灯器11の本体14と庇15及び歩行者灯器12の本体16と庇17と交通信号制御装置13の筐体とは、いずれも樹脂(ポリカーボネイト等)、鉄、アルミニウム等で形成される。特に、車両灯器11の本体14の横側面や庇15の外表面は、湾曲して形成されており、また、歩行者灯器12の庇の外表面は角部を有して形成されている。
【0008】
また、電源は、太陽電池モジュール18と商用電源(100V交流電源等)とを有しており、太陽電池モジュール18で発生した電力は主電源或いは補助電源として利用される。
【0009】
例えば、商用電源を主電源、太陽電池モジュール18を補助電源として利用する場合、交通信号制御装置13は、車両灯器11と歩行者灯器12とに供給する電力を通常時においては主電源たる商用電源とできる。
【0010】
また、車両灯器11と歩行者灯器12とを点灯させるのに必要な電力が太陽電池モジュール18から十分に供給可能な場合には、交通信号制御装置13は、車両灯器11と歩行者灯器12とに供給する電力を商用電源から太陽電池モジュール18に切り替え制御する。
【0011】
なお、交通信号制御装置13内には、太陽電池モジュール18で発生した電力を蓄電する充放電電池が内蔵されており、各太陽電池モジュール18とバッテリとが電気的に接続されている。
【0012】
太陽電池モジュール18は柔軟性を有するフィルム状に形成されており、車両灯器11の本体14の上面と、その側面と、庇15と、歩行者灯器12の本体16の上面と、その側面と、庇17と、交通信号制御装置13の筐体の上面とその側面とに両面テープ又は接着剤等によって一体的に装着される。
【0013】
フィルム状の太陽電池モジュール18としては、例えば、色素増感型太陽電池、有機薄膜太陽電池(色素増感型を除いたもの)、アモルファスシリコン系太陽電池のように、フィルムシート状とすることが可能な太陽電池を用いることができる。
【0014】
太陽電池はポリイミドフィルム等を基板材料として太陽電池を形成しているため、薄い、軽い、曲げられる、割れないという長所を有する。また、プラスチックフィルム基板上に形成したa−Si太陽電池を保護フィルムによりカバーした構造で、この状態での厚みは約0.4mm程度と薄い。また、フィルムは耐熱性プラスチックフィルムを使用しており、アモルトンフィルムの外側面を透明シートで覆うことで、防水処置を施すことが好ましい。
【0015】
上述の構成とすることにより太陽電池モジュールを装着するための新たな設置スペースや部品を不要とすることができ、太陽電池モジュールの設置作業の容易化を図ることができる。また、太陽電池モジュールの設置コストを低減することができる。
【0016】
さらに、太陽電池モジュール18がフィルム状に形成されているため、太陽電池モジュール18は、車両灯器11や歩行者灯器12が大型化したり、外観を変更することなく、車両灯器11と歩行者灯器12とに装着することができる。
【0017】
また、フィルム状の太陽電池モジュール18は、車両灯器11の本体14の横側面や庇15の外表面のような湾曲した表面、或いは、歩行者灯器12の庇17の外表面のような角部を有した表面にも一体的に装着される。このため、太陽電池モジュール18は、交通信号機や交通信号制御装置の形状によらず、太陽光を集光しやすいより多くの位置に装着することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】特開2006−338369号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
従来、交通信号機には太陽電池モジュールが太陽光を受光可能な位置に配置されており、都市部における高速道路下等日照が期待できない場所や、積雪時や雨天時や夜間等の日照が期待できない天候・時間帯には、発電することができなかった。一方で、太陽電池の発電効率(光電変換効率)は年々飛躍的に向上しつつあることから、比較的少ない光量でも効率的な発電を可能とするような剰余光の有効活用が期待される。
【0020】
本発明は、上述の問題点に鑑み為されたものであり、設置場所や天候や時間帯等の周囲環境に影響されることなく、剰余発光から所望の電力を生じることが可能な省エネルギーかつ低消費電力な交通信号機と交通信号機の電源供給方法と交通信号機システムと交通信号機システムの電源供給方法とを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明の交通信号機は、交通信号機の遮光板の信号光源側の面に、信号光源の光を受光可能なようにフレキシブル太陽電池を一体的に備え、太陽電池で生じた電力を、交通信号機の電源として利用する交通信号機とする。
【0022】
また、本発明の交通信号機は、好ましくは遮光板が、互いに異なる表示色を発光する信号光源ごとに各々設けられることを特徴とする。
【0023】
また、本発明の交通信号機は、さらに好ましくは交通信号機の信号光源が、複数の発光ダイオードであることを特徴とする。
【0024】
また、本発明の交通信号機は、さらに好ましくは互いに異なる表示色を発光する信号光源ごとに、信号光源を保護する保護カバーを備え、保護カバーの辺縁部は、信号光源から太陽電池への光照射量が増大するように、保護カバーの中心部に比較して、信号光源の光を広角側に屈折させる照射角拡大部を備えることを特徴とする。
【0025】
また、本発明の交通信号機の電源供給方法は、遮光板の信号光源側の面に、信号光源の光を受光可能なようにフレキシブル太陽電池を一体的に備える交通信号機の電源供給方法において、太陽電池で生じた電力を、交通信号機の電源とすることを特徴とする。
【0026】
また、本発明の交通信号機の電源供給方法は、好ましくは遮光板が、互いに異なる表示色を発光する信号光源ごとに各々設けられることを特徴とする。
【0027】
また、本発明の交通信号機の電源供給方法は、さらに好ましくは交通信号機の信号光源が、複数の発光ダイオードであることを特徴とする。
【0028】
また、本発明の交通信号機の電源供給方法は、さらに好ましくは交通信号機が、互いに異なる表示色を発光する信号光源ごとに、信号光源を保護する保護カバーを備え、保護カバーの辺縁部は、信号光源から太陽電池への光照射量が増大するように、保護カバーの中心部に比較して、信号光源の光を広角側に屈折させる照射角拡大部を備えることを特徴とする。
【0029】
また、本発明の交通信号機システムは、上述のいずれかに記載の交通信号機を備える交通信号機システムにおいて、太陽電池で生じた電力を蓄電する充放電電池を備え、充放電電池から交通信号機に電力を供給することを特徴とする。
【0030】
また、本発明の交通信号機システムの電源供給方法は、上述のいずれかに記載の交通信号機を備える交通信号機システムの電源供給方法において、太陽電池で生じた電力を蓄電する充放電電池を備え、充放電電池から交通信号機に電力を供給することを特徴とする。
【0031】
また、本発明の交通信号機は、交通信号機の遮光板の信号光源側の面に、信号光源の光を受光可能なようにフレキシブル太陽電池を一体的に備え、太陽電池で生じた電力を、交通信号機の電源として利用し、遮光板は、互いに異なる表示色を発光する信号光源ごとに各々設けられており、互いに異なる表示色を発光する信号光源ごとに、信号光源を保護する保護カバーを備えるとともに、保護カバーは、その辺縁部に、信号光源から太陽電池への光照射量が増大するように、保護カバーの中心部に比較して、信号光源の光を広角側に屈折させる照射角拡大部を備え、互いに異なる表示色を発光する信号光源ごとに各々設けられたフレキシブル太陽電池は、並列接続とされてもよい。
【0032】
また、本発明の交通信号機の電源供給方法は、遮光板の信号光源側の面に、信号光源の光を受光可能なようにフレキシブル太陽電池を一体的に備える交通信号機の電源供給方法において、太陽電池で生じた電力を、交通信号機の電源とする工程を有し、遮光板は、互いに異なる表示色を発光する信号光源ごとに各々設けられ、交通信号機は、互いに異なる表示色を発光する信号光源ごとに、信号光源を保護する保護カバーを備えるとともに、保護カバーは、その辺縁部に、信号光源から太陽電池への光照射量が増大するように、保護カバーの中心部に比較して、信号光源の光を広角側に屈折させる照射角拡大部を備え、互いに異なる表示色を発光する信号光源ごとに各々設けられたフレキシブル太陽電池は、並列接続とされてもよい。
【0033】
また、本発明の交通信号機の電源供給方法は、好ましくは赤色の信号光源に対応するフレキシブル太陽電池が電力を供給する工程と、青色の信号光源に対応するフレキシブル太陽電池が電力を供給する工程と、黄色の信号光源に対応するフレキシブル太陽電池が電力を供給する工程とを順に有してもよい。
【発明の効果】
【0034】
設置場所や天候や時間帯等の周囲環境に影響されることなく、剰余発光から所望の電力を生じることが可能な省エネルギーかつ低消費電力な交通信号機と交通信号機の電源供給方法と交通信号機システムと交通信号機システムの電源供給方法とを提供することを目的とする。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】第一の実施形態にかかる車両用信号機の外観概要を模式的に説明する正面図である。
【図2】第一の実施形態にかかる車両用信号機を下面側から模式的に説明する底面図である。
【図3】第一の実施形態にかかる車両用信号機のA−A断面を模式的に説明する断面図である。
【図4】車両用信号機の使用状態を例示する図である。
【図5】第二の実施形態にかかる車両用信号機を下面側から模式的に説明する底面図である。
【図6】第二の実施形態にかかる車両用信号機のB−B断面を模式的に説明する断面図である。
【図7】車両用信号機を備える交通信号機システムの概要を説明するブロック概念図である。
【図8】電力供給調整装置の構成概念を説明するブロック図である。
【図9】交通信号機システムの動作と処理との概要を順次説明するフロー図である。
【図10】従来の信号機システムを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本実施形態で説明する車両用信号機は、発光部分の視認性を確保するために、風雨や積雪や汚れから発光部分を守るとともに逆光等の光を遮る遮光板を備える。遮光板は、フードまたは鍔または庇とも呼ばれる。また、車両用信号機は、遮光板の内面側、すなわち点灯による光が照射される面に太陽電池を備える。
【0037】
車両用信号機の太陽電池は、でLEDや各種電球からなる信号の発光に起因する光エネルギーを光電変換する。実施形態で説明する車両用信号機は、太陽電池で光電変換した光エネルギーを信号の発光電源として循環、還元する。
【0038】
このため、車両用信号機は、設置場所や天候や昼夜を問わず、自身の信号の点灯に起因する一定の起電力を太陽電池から与えられ、これを電源の一部とすることができる。従って、省エネルギーかつ高効率な車両用信号機とすることができる。
【0039】
また、車両用信号機は、太陽電池に照射される自身の信号の点灯光量を増大させるために、発光部分の保護カバー辺縁部に、光を外側に屈折させる照射角拡大部を備える。一般に、信号灯は、一定の視認性を確保するために約30°程度の照射角を有する。しかし、実施形態で例示する車両用信号機の照射角拡大部に入射した点灯光は、遮光板の内側に設けられた太陽電池方向へと、大きく上方へと屈折する。
【0040】
照射角拡大部は、保護カバーの辺縁部に設けられるので、車両用信号機の前方に位置する車両の運転者等視認者への影響はなく、従来活用されていない不要な光エネルギーを太陽電池に集光する。
【0041】
(第一の実施形態)
図1は、第一の実施形態にかかる車両用信号機1011の外観概要を模式的に説明する正面図である。図1に示すように車両用信号機1011は、赤色に点灯する車両用信号光源1011aと黄色に点灯する車両用信号光源1011bと青色に点灯する車両用信号光源1011cとを有する。
【0042】
また、車両用信号機1011は、遮光板130を各色光源ごとに備える。すなわち、車両用信号機1011は、車両用信号光源1011aの略上半円周状に遮光板130aを備え、車両用信号光源1011bの略上半円周状に遮光板130bを備え、車両用信号光源1011cの略上半円周状に遮光板130cを備える。なお、遮光板130a,130b,130cを以下適宜遮光板130と総称するものとする。
【0043】
また、車両用信号機1011は、遮光板130の下面に太陽電池1021を備える。すなわち、車両用信号機1011は、遮光板130aの下面に太陽電池1021aを備え、遮光板130bの下面に太陽電池1021bを備え、遮光板130cの下面に太陽電池1021bを備える。太陽電池1021は、自在に折り曲げ可能なフレキシブルに形成されており、接着剤や両面テープ等により遮光板130の下面に取り付けられる。なお、太陽電池1021a,1021b,1021cを以下適宜太陽電池1021と総称する。
【0044】
また、車両用信号機1011は、点灯部分を保護する保護カバー140を備える。すなわち、車両用信号機1011は、車両用信号光源1011aの発光部分を保護する保護カバー140aを備え、車両用信号光源1011bの発光部分を保護する保護カバー140bを備え、車両用信号光源1011cの発光部分を保護する保護カバー140cを備える。なお、保護カバー140a,140b,140cを以下適宜保護カバー140と総称する。
【0045】
また、車両用信号機1011が備える保護カバー140は、各々円形状であって、保護カバー140の辺縁部には、点灯光の進路を太陽電池1021の方向へと変化させる照射角拡大部140a1,140b1,140c1を備える。典型的には、照射角拡大部140a1,140b1,140c1は、保護カバー140の中心部140a2,140b2,140c2に比較して屈折率が異なる部材で構成される。
【0046】
照射角拡大部140a1,140b1,140c1は、硝子やプラスチック等から形成されるレンズであってもよく、プリズムやハーフミラーにより構成してもよい。
【0047】
また、図2は、車両用信号機1011を下面側から模式的に説明する底面図である。図2において、遮光板130の下面側には太陽電池1021aが配置されている。また、図2では図1と対応する部位には同一の符号を付して、説明の重複を避けるためにここではその説明を省略する。
【0048】
また、図3は、図1に示す車両用信号機1011のA−A断面を模式的に説明する断面図である。図3において、照射角拡大部140b1に到達した点灯光は、円形状の保護カバー140b2の中心から外側に向かう方向へと進行方向を曲げられる。その結果、太陽電池1021bで受光する光量が増大する。
【0049】
一方で、中心部140b2に到達した点灯光は、車両用信号機1011の前方方向(図3における左方向)へとそのまま進行する。このため、車両用信号機1011は、信号標識としての視認性を低下させることなく、視認性に影響しない辺縁部の光を太陽電池1021で光電変換し、これを電源として再活用することができる。
【0050】
また、太陽電池1021は、車両用信号機1011が日照の悪い場所や暗い場所に配置された場合や、夜間、積雪時等の環境条件に拘わらず、赤青黄いずれかの信号点灯により、常に一定以上の受光量を確保できるので、一定以上の発電を継続することが可能である。このため、車両用信号機1011は、安定して高効率かつ省電力な電力活用を実現できる。
【0051】
(第二の実施形態)
第二の実施形態では、光源としてLEDを利用した車両用信号機1011(2)について説明する。なお、第二の実施形態では、第一の実施形態で説明した車両用信号機1011と対応する部位には対応する符号を伏すものとする。
【0052】
図5は、第二の実施形態にかかる車両用信号機1011(2)を下面側から模式的に説明する底面図である。図5に示すように車両用信号機1011(2)は、赤色に点灯する車両用信号光源1011a(2)と黄色に点灯する車両用信号光源1011b(2)と青色に点灯する車両用信号光源1011c(2)とを有する。
【0053】
また、車両用信号機1011(2)は、遮光板130(2)を各色光源ごとに備える。すなわち、車両用信号機1011(2)は、車両用信号光源1011a(2)の略上半円周状に遮光板130a(2)を備え、車両用信号光源1011b(2)の略上半円周状に遮光板130b(2)を備え、車両用信号光源1011c(2)の略上半円周状に遮光板130c(2)を備える。
【0054】
また、車両用信号機1011(2)は、遮光板130(2)の下面に太陽電池1021(2)を備える。すなわち、車両用信号機1011(2)は、遮光板130a(2)の下面に太陽電池1021a(2)を備え、遮光板130b(2)の下面に太陽電池1021b(2)を備え、遮光板130c(2)の下面に太陽電池1021b(2)を備える。太陽電池1021(2)は、自在に折り曲げ可能なフレキシブルに形成されており、接着剤や両面テープ等により遮光板130(2)の下面に取り付けられる。
【0055】
また、車両用信号機1011(2)は、点灯部分を保護する保護カバー140(2)を備える。すなわち、車両用信号機1011(2)は、車両用信号光源1011a(2)の発光部分を保護する保護カバー140a(2)を備え、車両用信号光源1011b(2)の発光部分を保護する保護カバー140b(2)を備え、車両用信号光源1011c(2)の発光部分を保護する保護カバー140c(2)を備える。
【0056】
また、車両用信号機1011が備える保護カバー140(2)は、各々円形状であって、保護カバー140(2)の辺縁部には、点灯光の進路を太陽電池1021(2)の方向へと変化させる照射角拡大部140a1(2),140b1(2),140c1(2)を備える。典型的には、照射角拡大部140a1(2),140b1(2),140c1(2)は、保護カバー140(2)の中心部140a2(2),140b2(2),140c2(2)に比較して屈折率が異なる部材で構成される。
【0057】
照射角拡大部140a1(2),140b1(2),140c1(2)は、硝子やプラスチック等から形成されるレンズであってもよく、プリズムやハーフミラーにより構成してもよい。
【0058】
また、図6は、図5に示す車両用信号機1011(2)のB−B断面を模式的に説明する断面図である。図6において、照射角拡大部140b1(2)に到達した点灯光は、円形状の保護カバー140b2(2)の中心から外側に向かう方向へと進行方向を曲げられる。その結果、太陽電池1021b(2)で受光する光量が増大する。
【0059】
一方で、中心部140b2(2)に到達した点灯光は、車両用信号機1011(2)の前方方向(図6における左方向)へとそのまま進行する。このため、車両用信号機1011(2)は、信号標識としての視認性を低下させることなく、視認性に影響しない辺縁部の光を太陽電池1021(2)で光電変換し、これを電源として再活用することができる。
【0060】
また、太陽電池1021(2)は、車両用信号機1011(2)が日照の悪い場所や暗い場所に配置された場合や、夜間、積雪時等の環境条件に拘わらず、赤青黄いずれかの信号点灯により、常に一定以上の受光量を確保できるので、一定以上の発電を継続することが可能である。このため、車両用信号機1011(2)は、安定して高効率かつ省電力な電力活用を実現できる。なお、図6において、610はLEDである。
【0061】
(交通信号機システム)
図7は、上述した車両用信号機1011を備える交通信号機システム1000の概要を説明するブロック概念図である。図7に示すように、交通信号機システム1000は、信号機1010と、電源1020と、電力供給調整装置1030と、点灯制御装置1060とを備える。
【0062】
信号機1010は、車両用信号機1011と、歩行者用信号機1012とを備える。車両用信号機1011は、赤色に点灯する車両用信号光源1011aと黄色に点灯する車両用信号光源1011bと青色に点灯する車両用信号光源1011cと(以下車両用信号機1011と総称する)を備える。
【0063】
また、歩行者用信号機1012は、赤色に点灯する信号光源1012aと青色に点灯する信号光源1012bと(以下歩行者用信号機1012と総称する)を備える。
【0064】
本実施の形態では、車両用信号機1011、歩行者用信号機1012は、各々発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)を用いて構成することができる。
【0065】
例えば、車両用信号光源1011aでは、赤色に発光する多数のLEDが円状に配置される。このように、車両用信号機1011、歩行者用信号機1012は、何れも多数のLEDを配置することによって、発光させるべき点灯領域が構成される。各色の光源が備えるLEDの個数は任意であるが、車両用信号機1011と歩行者用信号機1012とが、各々300カンデラ程度の光度となるように、例えば190個程度のLEDを備えてもよい。
【0066】
車両用信号機1011と歩行者用信号機1012とを各々LEDを用いて構成した場合には、点灯制御装置1060が、信号機1010をパルス駆動により点灯制御する。点灯制御装置1060は、パルス駆動のデューティ比を適宜制御することで、信号機1010の光量を調整することが可能である。
【0067】
また、電源1020は、太陽電池(補助電源)1021と、商用電源(主電源)1022とから構成される。太陽電池1021は、信号光源(典型的にはLED光)の一部を集光して電力に変換する多数の太陽電池セル(モジュールとも称する)を敷き詰めて配置することによって構成される。
【0068】
この太陽電池1021は、信号光源を受光可能な位置であって、信号機1010の遮光板の内面側すなわち信号光源側に密着して取付けることが好ましい。また、商用電源1022はAC100Vを安定して出力する。
【0069】
車両用信号機1011の遮光板は、雨天・積雪時等でも車両の運転手等から車両用信号機1011が見易いように、車両用信号機1011全体の庇や鍔として設けてもよい。また、車両用信号機1011の遮光板は、赤色に点灯する車両用信号光源1011aと、黄色に点灯する車両用信号光源1011bと、青色に点灯する車両用信号光源1011cとの各々に対して、個別に庇や鍔として設けてもよい。
【0070】
同様に、歩行者用信号機1012の遮光板は、雨天・積雪時等でも歩行者等に歩行者用信号機1012が見易いように、歩行者用信号機1012全体の庇や鍔として設けてもよい。また、歩行者用信号機1012の遮光板は、赤色に点灯する信号光源1012aと、青色に点灯する信号光源1012bとの各々に対して、個別に庇や鍔として設けてもよい。
【0071】
また、車両用信号機1011は、上述したように風雨等から車両用信号光源1011aと車両用信号光源1011bと車両用信号光源1011cとを保護する為の透明な保護カバーを各々備える。また、各保護カバーは、太陽電池1021の受光量が増加するように、保護カバーの辺縁部に、車両用信号光源1011aと車両用信号光源1011bと車両用信号光源1011cとの各々の照射角を、外側へ拡大させるようなレンズ機能を有する照射角拡大部を備えるものとする。
【0072】
さらに好ましくは、車両用信号光源1011aと車両用信号光源1011bと車両用信号光源1011cとを保護する各保護カバーの照射角拡大部は、車両用信号機1011の発光を、遮光板に設けられた太陽電池1021に向けて導くように屈折させる機能を有する。
【0073】
同様に、歩行者用信号機1012は、上述したように風雨等から信号光源1012a,1012bを保護する為の透明な保護カバーを各々備える。また、各保護カバーは、太陽電池1021の受光量が増加するように、その辺縁部に、信号光源1012a,1012bの照射角を、各々外側へ拡大させるようなレンズ機能を有する照射角拡大部を備えるものとする。
【0074】
さらに好ましくは、信号光源1012a,1012bを保護する各保護カバーの照射角拡大部は、信号光源1012a,1012bの発光を、各々遮光板に設けられた太陽電池1021に向けて導くように屈折させる。
【0075】
なお、上述した保護カバーは、プラスチック等の各種樹脂や硝子等を材料として形成することができるが、光源色に対する透光性が良好であり耐候性、耐久性を有するその他任意の材料で形成してもよい。また、照射角拡大部は、典型的にはいわゆるレンズとすることができるが、光の進行方向を所望の方向に変更するプリズムやハーフミラー等公知の各種素子を用いてもよい。
【0076】
次に、電力供給調整装置1030について以下詳細に説明する。図8は、電力供給調整装置1030の構成概念を説明するブロック図である。
【0077】
図8に示すように電力供給調整装置1030は、制御部(CPU)1031と、DC/DCコンバータ1032と、加算調整部1033と、DC/ACコンバータ1034と、AC/DCコンバータ1035と、監視記憶部1040と、充放電電池1050とを備える。
【0078】
太陽電池1021で生起した電力は、DC/DCコンバータ1032に入力される。また、DC/DCコンバータ1032の出力は、監視記憶部1040に接続される。監視記憶部1040は、加算調整部1033を介してDC/ACコンバータ1034に接続される。
【0079】
また、商用電源1022がAC/DCコンバータ1035に接続され、AC/DCコンバータ1035の出力が、加算調整部1033を介してDC/ACコンバータ1034に接続される。
【0080】
また、制御部1031は、DC/DCコンバータ1032と、加算調整部1033と、DC/ACコンバータ1034と、AC/DCコンバータ1035と、監視記憶部1040とに接続されて、電力供給調整装置1030全体として所望の動作処理が実行されるように、各々を調整制御する。
【0081】
すなわち、制御部1031は、監視記憶部1040から得られる太陽電池1021の電力監視情報を取得して、加算調整部1033に対して信号機1010へ出力される電力が所定の値となるように指示し調整させる。加算調整部1033は、直流の電流電圧において、太陽電池1021の電力に商用電力1022の電力を加算し、所望の値となるように調整することができる。
【0082】
充放電電池1050は、加算調整部1033とDC/ACコンバータ1034との間に接続される。充放電電池1050は、通常時には電源1020からの電力によって蓄電されると共に、停電等の障害発生時には点灯制御装置1060へ供給される電力を安定化させる。すなわち充放電電池1050は、信号機1010へ供給される電力を安定化させる。
【0083】
また、充放電電池1050は、例えば鉛蓄電池、ニッケル・カドミウム蓄電池やニッケル・水素蓄電池などのアルカリ蓄電池、無停電電源(UPS)などとしてもよい。充放電電池1050は、停電時にも数時間程度から数十時間程度の点灯補償を可能とする程度の蓄電容量であることが好ましい。なお、信号機1010は、車両用信号機1011と歩行者用信号機1012とを共に備えるものに限られず、いずれか任意の一方のみを備えてもよい。なお、図4は、車両用信号機1011の使用状態を例示する図である。
【0084】
次に、図9を用いて交通信号機システム1000の動作と処理とについて、各ステップごとに説明する。図9は、交通信号機システム1000の動作と処理との概要を順次説明するフロー図である。
【0085】
(ステップS1100)
制御部1031は、信号機1010の点灯に必要な電力が供給されるように、商用電源1022からの電力供給を開始させる。また、制御部1031は、太陽電池1021からの電力を常に信号機1010に供給するように、加算調整部1033を制御する
【0086】
(ステップS1101)
監視記憶部1040は、太陽電池1021からの電力を監視する。制御部1031は、太陽電池1021からの電力が、信号機1010の正常な点灯動作に対応する電力を示す規定値以下であるか否かを判定する。
【0087】
太陽電池1021からの電力が、信号機1010の正常な点灯動作に対応する電力を示す規定値以下である場合には、ステップS1105へと進む。また、太陽電池1021からの電力が、信号機1010の正常な点灯動作に対応する電力を示す規定値以下でない場合には、ステップS1102へと進む。
【0088】
すなわち、太陽電池1021は、信号機1010の電源となるだけではなく、信号機1010が正常に発光動作しているか否かのセンサとしての機能も併せ持つこととなる。太陽電池1021からの電力が規定値以下であれば、信号機1010の点灯動作に異常があると判断されることとなる。また、太陽電池1021からの電力が規定値以下でなければ、信号機1010の点灯動作に異常がないと判断されることとなる。
【0089】
(ステップS1102)
制御部1031は、監視記憶部1040からの電力監視情報を基に、信号機1010の各信号光源1011a,1011b,1011c,1012a,1012bを点灯させるのに必要な電力から、太陽電池1021による電力分を減算し、不足分の電力を演算処理する。
【0090】
(ステップS1103)
制御部1031は、ステップS1102で算出した不足分の電力を商用電源1022で補うように、AC/DCコンバータ1035と加算調整部1033とを制御し、または指示をし、信号機1010の正常な点灯動作に必要な電力を点灯制御装置1060に出力する。
【0091】
(ステップS1104)
点灯制御装置1060から電力供給を受けた信号機1010の車両用信号光源1011a,1011b,1011cのいずれかのLEDに所定の電力が供給されて、対応する赤・青・黄のいずれかの一色が点灯する。また、点灯制御装置1060から電力供給を受けた信号機1010の歩行者用信号光源1012a,1012bのいずれかのLEDに所定の電力が供給されて、対応する赤色または青色が点灯する。
【0092】
(ステップS1105)
監視記憶部1040は、交通信号機システム1000の状態情報を記憶する。このため、監視記憶部1040は、例えば書き換え可能なフラッシュメモリ等の記憶部を備え、太陽電池1021からの出力が規定値以下となった日付と時間と出力値等の状態情報を記憶してもよい。監視記憶部1040が交通信号機システム1000の状態情報を記憶すれば、ステップS1102へと進む。
【0093】
記憶部に記憶された状態情報は、交通信号機システム1000の保守・点検などメンテナンス時等に、外部から取り出し可能としてもよい。これにより、交通信号機システム1000は、遮光板内側に照射される活用されない光エネルギーを、太陽電池1021により回収してエネルギーの有効利用ができる。さらに、交通信号機システム1000は、信号機1010の点灯が正常であるか否かの監視も可能となり、異常である場合の履歴を記録することが可能となる。
【0094】
(ステップS1106)
制御部1031は、信号機1010の点灯動作を終了させるか否か判断する。メンテナンス時等を除けば、通常は信号機1010の点灯を継続する。メンテナンス時等には、保守点検者等から制御部1031に対して点灯終了の指示が入力される。
【0095】
制御部1031は、信号機1010の点灯動作を終了させる場合には、このフローを終了する。また、制御部1031は、信号機1010の点灯動作を終了させない場合には、ステップS1101へと戻る。
【0096】
交通信号機システム1000は、商用電源1022から電力を供給している間にも、常に監視記憶部1040が太陽電池1021からの電力を監視している。また、制御部1031は、太陽電池1021からの電力に加えて商用電源1022からの電力を加算して供給制御し、信号機1010を点灯させるのに必要な電力を、常に信号機1010に供給する。
【0097】
なお、監視記憶部1040は、太陽電池1021の電力をDC/DCコンバータ1032を介さずに直接に監視してもよい。これにより、太陽電池1021の出力電力をより直接的かつ正確・迅速に監視できるので好ましい。
【0098】
また本実施の形態では、点灯制御装置1060が、停電等の予期せぬ電力不足の時には、充放電電池1050の電力によって、信号光源1011a,1011b,1011c,1012a,1012bを数時間以上点灯させるように点灯制御することが可能である。
【0099】
これにより、停電等の予期せぬ電力不足の際でも、信号光源1011a,1011b,1011c,1012a,1012bが不意に消灯することがない。また、車両の運転者や歩行者等に対して、信号光源1011a,1011b,1011c,1012a,1012bの点灯を継続する間に、電力供給に障害が生じていることを、歩行者やメンテナンス会社等に警告・通報することも可能となる。
【0100】
また、交通信号機システム1000は、既設の交差点のシステム構成を大幅に変更する必要はなく、太陽電池1021と電力供給調整装置1030とを設置するだけで剰余光エネルギーを積極的に回収・再利用して省エネルギー化を達成することができる。このため、交通信号機システム1000は、設置コストとランニングコストとが共に低廉であり、かつ極めて汎用性が高い。
【0101】
信号機1010と交通信号機システム1000とは実施形態で説明した内容に限定されることはなく、自明な範囲で適宜その構成を変更してもよく、自明な範囲で適宜その動作や処理を変更してもよい。
【0102】
例えば、太陽電池1021は、実施例で説明したように信号機1010の遮光板の光源側の面に設ける配置だけに限定されることはなく、遮光板の光源側の面に加えて、例えば遮光板の外側面や信号機1010の側面等にも配置して、太陽光を直接受光可能なように構成してもよい。
【0103】
信号機1010は、正常に点灯動作をする限りにおいて、太陽電池1021a,1021b,1021cの少なくともいずれか一つが、少なくとも点灯動作に起因する所定の光量を常に受光して電力を発生させる。
【0104】
このため、太陽電池1021a,1021b,1021cを並列接続とすることで、太陽電池1021a,1021b,1021cの少なくともいずれか一つの起電力を常に信号機1010の電源として用いることができる。信号機1010は、外界の環境や設置場所に作用されることなく、自身の光により常に一定量以上の回生電力を利用できることとなるので高効率となり好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0105】
本発明は、交通信号機と交通信号機の電源供給方法と交通信号機システムと交通信号機システムの電源供給方法、運転教習所の信号、駐車場の整理誘導信号等に幅広く利用できる。
【符号の説明】
【0106】
130・・庇、140・・保護カバー、1000・・交通信号機システム、1010・・信号機、1011・・車両用信号機、1012・・歩行者用信号機、1020・・電源、1021・・太陽電池、1022・・商用電源、1030・・電力供給調整装置、1033・・加算調整部、1060・・点灯制御装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
交通信号機の遮光板の信号光源側の面に、前記信号光源の光を受光可能なようにフレキシブル太陽電池を一体的に備え、前記太陽電池で生じた電力を、前記交通信号機の電源として利用する
ことを特徴とする交通信号機。
【請求項2】
請求項1に記載の交通信号機において、
前記遮光板は、互いに異なる表示色を発光する前記信号光源ごとに各々設けられる
ことを特徴とする交通信号機。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の交通信号機において、
前記交通信号機の前記信号光源は、複数の発光ダイオードである
ことを特徴とする交通信号機。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の交通信号機において、
互いに異なる表示色を発光する前記信号光源ごとに、前記信号光源を保護する保護カバーを備え、
前記保護カバーは、その辺縁部に、前記信号光源から前記太陽電池への光照射量が増大するように、前記保護カバーの中心部に比較して、前記信号光源の光を広角側に屈折させる照射角拡大部を備える
ことを特徴とする交通信号機。
【請求項5】
遮光板の信号光源側の面に、前記信号光源の光を受光可能なようにフレキシブル太陽電池を一体的に備える交通信号機の電源供給方法において、
前記太陽電池で生じた電力を、前記交通信号機の電源とする工程を有する
ことを特徴とする交通信号機の電源供給方法。
【請求項6】
請求項5に記載の交通信号機の電源供給方法において、
前記遮光板は、互いに異なる表示色を発光する前記信号光源ごとに各々設けられる
ことを特徴とする交通信号機の電源供給方法。
【請求項7】
請求項5または請求項6に記載の交通信号機の電源供給方法において、
前記交通信号機の前記信号光源は、複数の発光ダイオードである
ことを特徴とする交通信号機の電源供給方法。
【請求項8】
請求項5乃至請求項7のいずれか一項に記載の交通信号機の電源供給方法において、
前記交通信号機は、互いに異なる表示色を発光する前記信号光源ごとに、前記信号光源を保護する保護カバーを備え、
前記保護カバーは、その辺縁部に、前記信号光源から前記太陽電池への光照射量が増大するように、前記保護カバーの中心部に比較して、前記信号光源の光を広角側に屈折させる照射角拡大部を備える
ことを特徴とする交通信号機の電源供給方法。
【請求項9】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の交通信号機を備える交通信号機システムにおいて、
前記太陽電池で生じた電力を蓄電する充放電電池を備え、前記充放電電池から前記交通信号機に電力を供給する
ことを特徴とする交通信号機システム。
【請求項10】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の交通信号機を備える交通信号機システムの電源供給方法において、
前記太陽電池で生じた電力を蓄電する充放電電池を備え、前記充放電電池から前記交通信号機に電力を供給する
ことを特徴とする交通信号機システムの電源供給方法。
【請求項11】
交通信号機の遮光板の信号光源側の面に、前記信号光源の光を受光可能なようにフレキシブル太陽電池を一体的に備え、前記太陽電池で生じた電力を、前記交通信号機の電源として利用し、
前記遮光板は、互いに異なる表示色を発光する前記信号光源ごとに各々設けられており、
互いに異なる表示色を発光する前記信号光源ごとに、前記信号光源を保護する保護カバーを備えるとともに、
前記保護カバーは、その辺縁部に、前記信号光源から前記太陽電池への光照射量が増大するように、前記保護カバーの中心部に比較して、前記信号光源の光を広角側に屈折させる照射角拡大部を備え、
互いに異なる表示色を発光する前記信号光源ごとに各々設けられた前記フレキシブル太陽電池は、並列接続とされる
ことを特徴とする交通信号機。
【請求項12】
遮光板の信号光源側の面に、前記信号光源の光を受光可能なようにフレキシブル太陽電池を一体的に備える交通信号機の電源供給方法において、
前記太陽電池で生じた電力を、前記交通信号機の電源とする工程を有し、
前記遮光板は、互いに異なる表示色を発光する前記信号光源ごとに各々設けられ、
前記交通信号機は、互いに異なる表示色を発光する前記信号光源ごとに、前記信号光源を保護する保護カバーを備えるとともに、
前記保護カバーは、その辺縁部に、前記信号光源から前記太陽電池への光照射量が増大するように、前記保護カバーの中心部に比較して、前記信号光源の光を広角側に屈折させる照射角拡大部を備え、
互いに異なる表示色を発光する前記信号光源ごとに各々設けられた前記フレキシブル太陽電池は、並列接続とされる
ことを特徴とする交通信号機の電源供給方法。
【請求項13】
請求項12に記載の交通信号機の電源供給方法において、
赤色の前記信号光源に対応する前記フレキシブル太陽電池が電力を供給する工程と、
青色の前記信号光源に対応する前記フレキシブル太陽電池が電力を供給する工程と、
黄色の前記信号光源に対応する前記フレキシブル太陽電池が電力を供給する工程とを順に有する
ことを特徴とする交通信号機の電源供給方法。
【請求項1】
交通信号機の遮光板の信号光源側の面に、前記信号光源の光を受光可能なようにフレキシブル太陽電池を一体的に備え、前記太陽電池で生じた電力を、前記交通信号機の電源として利用する
ことを特徴とする交通信号機。
【請求項2】
請求項1に記載の交通信号機において、
前記遮光板は、互いに異なる表示色を発光する前記信号光源ごとに各々設けられる
ことを特徴とする交通信号機。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の交通信号機において、
前記交通信号機の前記信号光源は、複数の発光ダイオードである
ことを特徴とする交通信号機。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の交通信号機において、
互いに異なる表示色を発光する前記信号光源ごとに、前記信号光源を保護する保護カバーを備え、
前記保護カバーは、その辺縁部に、前記信号光源から前記太陽電池への光照射量が増大するように、前記保護カバーの中心部に比較して、前記信号光源の光を広角側に屈折させる照射角拡大部を備える
ことを特徴とする交通信号機。
【請求項5】
遮光板の信号光源側の面に、前記信号光源の光を受光可能なようにフレキシブル太陽電池を一体的に備える交通信号機の電源供給方法において、
前記太陽電池で生じた電力を、前記交通信号機の電源とする工程を有する
ことを特徴とする交通信号機の電源供給方法。
【請求項6】
請求項5に記載の交通信号機の電源供給方法において、
前記遮光板は、互いに異なる表示色を発光する前記信号光源ごとに各々設けられる
ことを特徴とする交通信号機の電源供給方法。
【請求項7】
請求項5または請求項6に記載の交通信号機の電源供給方法において、
前記交通信号機の前記信号光源は、複数の発光ダイオードである
ことを特徴とする交通信号機の電源供給方法。
【請求項8】
請求項5乃至請求項7のいずれか一項に記載の交通信号機の電源供給方法において、
前記交通信号機は、互いに異なる表示色を発光する前記信号光源ごとに、前記信号光源を保護する保護カバーを備え、
前記保護カバーは、その辺縁部に、前記信号光源から前記太陽電池への光照射量が増大するように、前記保護カバーの中心部に比較して、前記信号光源の光を広角側に屈折させる照射角拡大部を備える
ことを特徴とする交通信号機の電源供給方法。
【請求項9】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の交通信号機を備える交通信号機システムにおいて、
前記太陽電池で生じた電力を蓄電する充放電電池を備え、前記充放電電池から前記交通信号機に電力を供給する
ことを特徴とする交通信号機システム。
【請求項10】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の交通信号機を備える交通信号機システムの電源供給方法において、
前記太陽電池で生じた電力を蓄電する充放電電池を備え、前記充放電電池から前記交通信号機に電力を供給する
ことを特徴とする交通信号機システムの電源供給方法。
【請求項11】
交通信号機の遮光板の信号光源側の面に、前記信号光源の光を受光可能なようにフレキシブル太陽電池を一体的に備え、前記太陽電池で生じた電力を、前記交通信号機の電源として利用し、
前記遮光板は、互いに異なる表示色を発光する前記信号光源ごとに各々設けられており、
互いに異なる表示色を発光する前記信号光源ごとに、前記信号光源を保護する保護カバーを備えるとともに、
前記保護カバーは、その辺縁部に、前記信号光源から前記太陽電池への光照射量が増大するように、前記保護カバーの中心部に比較して、前記信号光源の光を広角側に屈折させる照射角拡大部を備え、
互いに異なる表示色を発光する前記信号光源ごとに各々設けられた前記フレキシブル太陽電池は、並列接続とされる
ことを特徴とする交通信号機。
【請求項12】
遮光板の信号光源側の面に、前記信号光源の光を受光可能なようにフレキシブル太陽電池を一体的に備える交通信号機の電源供給方法において、
前記太陽電池で生じた電力を、前記交通信号機の電源とする工程を有し、
前記遮光板は、互いに異なる表示色を発光する前記信号光源ごとに各々設けられ、
前記交通信号機は、互いに異なる表示色を発光する前記信号光源ごとに、前記信号光源を保護する保護カバーを備えるとともに、
前記保護カバーは、その辺縁部に、前記信号光源から前記太陽電池への光照射量が増大するように、前記保護カバーの中心部に比較して、前記信号光源の光を広角側に屈折させる照射角拡大部を備え、
互いに異なる表示色を発光する前記信号光源ごとに各々設けられた前記フレキシブル太陽電池は、並列接続とされる
ことを特徴とする交通信号機の電源供給方法。
【請求項13】
請求項12に記載の交通信号機の電源供給方法において、
赤色の前記信号光源に対応する前記フレキシブル太陽電池が電力を供給する工程と、
青色の前記信号光源に対応する前記フレキシブル太陽電池が電力を供給する工程と、
黄色の前記信号光源に対応する前記フレキシブル太陽電池が電力を供給する工程とを順に有する
ことを特徴とする交通信号機の電源供給方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2011−59980(P2011−59980A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−208947(P2009−208947)
【出願日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【特許番号】特許第4569895号(P4569895)
【特許公報発行日】平成22年10月27日(2010.10.27)
【出願人】(509253745)有限会社コバパーク総合設備 (2)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【特許番号】特許第4569895号(P4569895)
【特許公報発行日】平成22年10月27日(2010.10.27)
【出願人】(509253745)有限会社コバパーク総合設備 (2)
【Fターム(参考)】
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