説明

交通情報保持装置、その制御方法及び制御プログラム

【課題】限定した地域に臨時に配信される交通情報を長時間保持することが可能な交通情報保持装置、その制御方法及びその制御プログラムを提供する。
【解決手段】2次メッシュ数抽出部31は、FM多重受信部1を介して受信した交通情報に対して、当該交通情報が有する2次メッシュ数を抽出する。地域臨時情報判定部32は、この抽出した2次メッシュ数が地域臨時情報に相当する2次メッシュ数として予め設定した基準値である「10」以下であるかを判定し、受信した交通情報の2次メッシュ数が「10」以下である場合、保持時間設定部33が、この交通情報の保持時間を24時間に設定する。保持制御部34は、この交通情報を記憶部12に記憶する。保持制御部34は、記憶部12に記憶された交通情報の保持時間が経過したかを判定し、保持時間が経過している場合、保持制御部34は、保持時間が経過した交通情報を記憶部12から消去する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交通情報を保持する情報保持技術に係り、特に、FM多重放送により限定された地域に送信される交通情報に対する保持時間の設定を制御する交通情報保持装置、その制御方法及びそのプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、車載用に代表されるナビゲーション装置は、安全で快適なドライブをアシストする装置として、広く普及しており、様々な機能を装備している。例えば、目的地までの誘導経路に関する交通情報(渋滞情報、工事情報、速度規制情報、車線規制情報等)を取得して、これを画面に表示、もしくは音声で読み上げることにより、ユーザに対して報知する機能が設けられている。
【0003】
この交通情報は、上記の通り、ユーザへの報知や目的地への経路案内に用いられるため、ナビゲーション装置上に一時的に保持されるのが一般的である。より詳細に言えば、交通情報が、VICSセンター(「VICS」は登録商標)から通信メディアや放送メディアを介して送信されると、当該送信された交通情報をナビゲーション装置に内蔵、あるいは別途接続されたメモリ等の記憶媒体に一時間程度保存する。
【0004】
ここで、特許文献1には、上記交通情報の保持時間を設定可能とする技術が開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−279094号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記の通り、交通情報を送信するVICSセンターは、通信、放送メディアとして電波ビーコン、光ビーコン、FM多重放送を採用し、そのうちのFM多重放送は、都道府県単位の広域の交通情報を提供する他、特定の地域に限定した交通情報も提供する。この地域に限定した交通情報としては、例えば、地震が発生した地域の通行止め情報や、イベント会場近辺の混雑した駐車場情報等の臨時に配信される情報が挙がる。
【0007】
しかしながら、このような特定の地域に限定した臨時の情報(以下、地域臨時情報と称する。)は、都道府県単位の広域の交通情報に比べて送信範囲が狭く設定されているので、当該地域臨時情報をユーザに対して報知する上で下記のような不都合が生じてしまう。例えば、地域臨時情報の送信範囲が狭いが故に、車両が移動することで即座に送信範囲から外れてしまうので、地域臨時情報を常時受信している状態を保つことができず、また、ユーザが当該情報を必要とする場合に見つけ出すのに困難を要する。
【0008】
さらに、このような地域臨時情報も交通情報の1つであるから、受信しても上述したように1時間程度で消去される。そのため、例えば、地域臨時情報が地震発生による通行止め情報である場合には、受信後1時間が経過してしまうと当該通行止め情報は既に消去されるので、ユーザはその情報を知ることができないことに加え、誤って通行止め道路を走行してしまうケースなどの不都合が生じる。
【0009】
また、上記特許文献1に記載の技術は、そもそも地域臨時情報を対象とするものではないから、当該地域臨時情報を受信しても一定時間経過後には消去される。故に、上記と同様に、当該情報を知ることができず、見つけ出すには困難を要することや、通行禁止区域を誤って走行してしまう等の不都合が生じる。
【0010】
本発明は、上記のような課題を解決するために提案されたものであって、その目的は、限定した地域に臨時に配信される交通情報を長時間保持することが可能な、交通情報保持装置、その制御方法及びその制御プログラムを提供することにある。また、本発明は、限定した地域に臨時に配信される交通情報と他の交通情報とを自動で判別することが可能な、交通情報保持装置、その制御方法及びその制御プログラムを提供することも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するため、本発明は、外部から送信される交通情報を受信する受信部と、当該受信部により受信された交通情報を一定時間記憶する記憶部と、を備える交通情報保持装置において、前記交通情報は、外部から送信された場合に当該交通情報を受信可能とする受信可能領域情報を含むものであり、前記受信部により前記交通情報を受信した場合に、当該交通情報が有する前記受信可能領域情報を抽出する抽出手段と、前記抽出手段により抽出された前記受信可能領域情報が各都道府県規模の広域領域に相当する所定の閾値以下であるかを判定する判定手段と、前記判定手段により前記前記受信可能領域情報が所定の閾値以下であると判定された場合に、この受信可能領域を有する交通情報の前記記憶部への保持時間を前記一定時間を超える時間に設定する保持時間設定手段と、を備えることを特徴とする。
【0012】
本発明の他の態様は、前記受信可能領域情報は、複数の区画領域情報から構成されるものであって、前記抽出手段は、前記交通情報から区画領域情報の数を抽出し、前記判定手段は、抽出された区画領域情報の数が各都道府県規模の広域領域に相当する所定の閾値以下であるかを判定することを特徴とする。
【0013】
本発明の他の態様は、前記区画領域情報は2次メッシュ情報であること、前記各都道府県規模の広域領域に相当する所定の閾値は10個の2次メッシュ情報からなることを特徴とする。
【0014】
以上のような本発明によれば、交通情報が有する2次メッシュの数を抽出して、予め設定した広域領域に相当する閾値と比較することにより、当該交通情報が広域の交通情報か地域臨時情報かを判別することができ、交通情報が地域臨時情報である場合には、広域の交通情報よりも長い保持時間を設定することが可能となる。
【0015】
また、前記交通情報保持装置の制御方法やコンピュータ上に前記交通情報保持装置を実現するプログラムも、本発明の一態様である。
【発明の効果】
【0016】
以上のような本発明によれば、交通情報が有する2次メッシュの区画数に基づいて、当該交通情報が各都道府県規模に相当する広域の交通情報か、あるいはそれよりも小さい特定の地域に限定した交通情報であるかを判別することができるので、特定の地域に限定した交通情報に対しては、広域の交通情報よりも長い保持時間を設定することが可能となる。
【0017】
これにより、例えば、車両が移動することで特定の地域に限定した送信された交通情報の当該送信範囲から外れた場合であっても、即座にこの交通情報は破棄されず長時間の受信可能状態を保つことができ、特定の地域に限定した交通情報を取得する上での利便性の向上に貢献する。さらには、このような特定の地域に限定した交通情報を、ユーザが認識し易くなるが故に、例えば通行禁止区域を誤って走行してしまうことを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態に係る全体構成を示すブロック図
【図2】本発明の実施形態に係る保持時間設定手順を示すフローチャート
【図3】本発明の実施形態に係る保持時間の経過判定定順を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、本発明を実施するための最良の実施の形態(以下、「本実施形態」という。)を、図1〜5を参照して説明する。
[本実施形態]
[1.構成]
[1.1.全体構成]
本実施形態は、ナビゲーション機能と一体に実現した交通情報保持装置(以下、「本装置」とも呼ぶ」)に関するもので、その制御方法、制御プログラムとしても把握可能である。本装置の構成を図1に示す。なお、ナビゲーション機能は必須ではなく、情報保持装置単独で構成することも可能である。
【0020】
1は、VICSセンターがFM多重放送によって送信する交通情報を取得する為のFM多重受信部である。2は、VICSセンターが光ビーコンや電波ビーコンによって送信する交通情報を取得する為のビーコン受信部である。
【0021】
3は、システム全体の制御を司るメインCPU(中央演算装置)及びその周辺回路であり、本装置各部の制御を含む情報処理を行う制御部である。4は、メインプログラムをロードする為のダイナミックRAM(DRAM)、5は、メイン電源オフの間も設定などメモリ内容を保持するためのバッテリーバックアップ付スタティックRAM(SRAM)、6は、起動時等に制御部3よりアクセスされるROMである。ここで、メインメモリMはDRAM4とSRAM5とROM6とから構成されている。
【0022】
7は、地図などの情報を描画及び表示する表示案内部で、液晶表示パネルなどの表示画面と、音声データを出力するスピーカを持つ。なお、表示案内部7では、表示部とスピーカを一体に構成しているが、別個独立に配設することも可能である。8は、表示案内部7用に設けられたビデオRAM(VRAM)である。
【0023】
9は、情報や操作の入力を受け付ける入力部で、タッチキーなどからの入力を検出する制御装置であるが、入力部の構成や種類は自由で、表示案内部7周囲の操作スイッチ類であるハードキーのほか、リモコンユニット、表示パネルと一体のタッチセンサなどを単独、又は自由に組み合わせて用いることができる。
【0024】
10は、I/O制御回路やドライバなどを使って表示案内部7や入力部9と制御部3を結ぶインターフェース部である。
【0025】
11は、測位技術(例えば、GPS、ジャイロ、地磁気センサ、加速度センサ、車速パルスなど)により、現在位置、方位、速度など自車の挙動に関する航法情報を得る測位部である。ここで、自車位置情報は、測位部11であるGPSを用いて取得した電波航法情報とジャイロスコープを通じて取得した自立航法情報により決定する。なお、電波航法情報としてFM多重受信部1から受信した情報を採用することも可能である。
【0026】
12は、記憶装置であり、HDD、DVD−ROM、CD−ROMなどのドライブを用いて、各種データベースを記憶しておく記憶部である。なお、この記憶部12は、地図データベース(典型的には、経路探索用データベースや地図表示用データベース)はもちろんのこと、その他の検索データや地図関連データなども記録されている。
【0027】
この地図データベースは、経路探索用と地図表示用の2つからなり、経路探索用データベースは、経路探索に必要なデータ(ノード、リンク)で構成される。経路探索用データベースのリンクは、地図表示用の道路リンクと、地図IDとして共通のIDを持ち、相互に関連付けられている。一方、地図表示データベースは、表示用として、詳細な道路形状情報(形状点列)、エリア形状情報等を含んでいる。
【0028】
[1.2.制御部の具体的な構成]
次に、制御部3が有する各処理手段について具体的に説明する(図1に示す31、32…)。なお、従来のナビゲーション装置と同様の処理である、自車の現在位置情報を測位部11やFM多重受信部1及びビーコン受信部2から取得した情報をもとに逐次計算し検出し、ユーザにより入力部9を通じて入力された目的地の指定を受付け、これに基づき自車位置から目的地までの経路候補を計算する手段は、ナビゲーション部30として記載する。このナビゲーション部30は、経路計算を行わない場合でも現在の自車位置を検知し、また目的地の指定がある場合には当該目的地も検知するものとする。
【0029】
31は、VICSセンターのFM多重放送により配信された交通情報から、当該交通情報の送信領域に相当する2次メッシュの区画数を抽出する2次メッシュ数抽出部である。2次メッシュとは、表面を一定の規則に従い多数の正方形等に分割したメッシュを標準化した1次メッシュを縦横に8等分したものである。この2次メッシュの1区画の広さは、東西10km、南北8Km程度であり、VICSセンターが送信する交通情報はこの2次メッシュの区画単位で送信される。
【0030】
すなわち、送信範囲を都道府県単位とする広域の交通情報では、2次メッシュの区画数は高く設定されており(例えば「15」以上)、ある地域に限定された地域臨時情報では、当該区画数は低く設定されている(例えば「10」以下)。なお、一例ではあるが、都道府県単位の広域の交通情報に相当する区画数を「15」以上としているのは、都道府県のうち送信範囲が最も狭い沖縄県の2次メッシュ区画数が「15」である点に対応し、それ故に、これより領域の狭い地域臨時情報に対しては区画数を「10」以下としている
【0031】
32は、2次メッシュ数抽出部31により抽出された2次メッシュの区画数(以下、2次メッシュ数と称する)が、予め設定した地域臨時情報に相当する所定の2次メッシュ数(例えば「10」)以下であるかを判定する地域臨時情報判定部である。
【0032】
33は、地域臨時情報判定部32による判定結果に応じて、2次メッシュ数抽出部31で抽出した2次メッシュ数を有する交通情報の記憶部12への保持時間を設定する保持時間設定部である。
【0033】
具体的には、この保持間設定部33は、地域臨時情報判定部32により2次メッシュ数が予め設定した地域臨時情報に相当する所定の2次メッシュ数以下であると判定された場合に、この2次メッシュ数を有する交通情報が地域臨時情報に該当するとして、送信範囲が広域の交通情報と比較して保持時間を長く設定する(例えば24時間)。一方、地域臨時情報判定部32により2次メッシュ数が地域臨時情報に相当する所定の2次メッシュ数を上回ると判定された場合には、この2次メッシュ数を有する交通情報は広域情報である可能性が高いとして、地域臨時情報よりも保持時間を短く設定する(例えば1時間)。
【0034】
34は、保持間設定部33により設定された保持時間で各種交通情報を記憶部12に保持しておく保持制御部である。なお、この保持制御部34は、交通情報を保持すると共に、当該交通情報の受信時刻データも同時に記憶する。
【0035】
さらに、保持制御部34は、記憶部12に記憶した交通情報の受信時刻に基づいて、交通情報に応じた保持時間(例えば、地域臨時情報なら24時間、広域の交通情報なら1時間)が経過したかを判定する判定機能を備えている。保持時間が経過していると判定する場合には、当該保持時間が経過した交通情報を記憶部12から消去する。
【0036】
[2.作用]
次に、上記構成を有する本実施形態の作用を図2及び3のフローチャートを参照して以下に説明する。なお、一例として、以降では、地域臨時情報判定部32において基準とする地域臨時情報に相当する2次メッシュ数を「10」とし、また、保持時間設定部33において設定する保持時間を、交通情報が地域臨時情報に該当する場合に24時間、広域情報に該当する場合に1時間として説明する。
【0037】
[2.1.保持時間設定処理]
まず、図2のフローチャートを参照して、受信した交通情報に応じた保持時間の設定手順について以下に説明する。図2に示す通り、2次メッシュ数抽出部31は、FM多重受信部1を介して受信した交通情報に対して、当該交通情報が有する2次メッシュ数を抽出する(S201)。2次メッシュ数抽出部31により受信した交通情報の2次メッシュ数が抽出されると、地域臨時情報判定部32は、この抽出した2次メッシュ数が地域臨時情報に相当する2次メッシュ数として予め設定した基準値である「10」以下であるかを判定する(S202)。
【0038】
地域臨時情報判定部32により、受信した交通情報の2次メッシュ数が「10」以下であると判定された場合には(S202のYES)、当該交通情報が地域臨時情報に相当するとして、保持時間設定部33が、この交通情報の保持時間を24時間に設定する(S203)。そして、保持制御部34は、保持設定部33により保持時間が24時間に設定された交通情報(地域臨時情報に相当)を記憶部12に記憶する(S204)。
【0039】
一方、地域臨時情報判定部32により、受信した交通情報の2次メッシュ数が「10」を上回ると判定された場合には(S202のNO)、当該交通情報が広域情報に相当するとして、保持時間設定部33が、この交通情報の保持時間を1時間に設定する(S205)。そして、保持制御部34は、保持設定部33により保持時間が1時間に設定された交通情報(広域情報に相当)を記憶部12に記憶する(S204)。
【0040】
[2.2.保持間経過判定処理]
次に、図3のフローチャートを参照して、記憶部12に記憶された交通情報の保持時間の経過判定手順を以下に説明する。
図3に示す通り、保持制御部34は、記憶部12に記憶された各種交通情報の保持時間設定部33により設定された保持時間が経過したかを判定する(S301)。
【0041】
具体的には、保持時間設定手段33により保持時間が24時間と設定された交通情報(地域臨時情報に相当)に対しては、受信時刻から24時間が経過したかを判定する。また、保持時間設定手段33により保持時間が1時間と設定された交通情報(広域情報に相当)に対しては、受信時刻から1時間が経過したかを判定する。
【0042】
保持時間設定部33により設定された保持時間が経過していると判定される場合には(S301のYES)、この保持制御部34は、保持時間が経過した交通情報を記憶部12から消去する(S302)。すなわち、地域臨時情報に相当する交通情報は24時間後に記憶部12から消去され、広域情報に相当する交通情報は1時間経過後に記憶部12から消去される。なお、保持時間を経過していないと判定された場合には(S301のNO)、保持制御部34による保持時間の経過判定処理が繰り返し行われる。
【0043】
以上のような、本実施形態によれば、交通情報が有する2次メッシュ数を抽出して、予め設定した基準値と比較することにより、当該交通情報が広域の交通情報か地域臨時情報かを判別すことができ、交通情報が地域臨時情報である場合には、広域の交通情報よりも長い保持時間を設定することが可能となる。
【0044】
これにより、例えば、車両が移動することで地域臨時情報の送信範囲から外れた場合であっても、即座に地域臨時情報が破棄されず、長時間の受信可能状態を保つことができ、当該地域臨時情報を取得する上での利便性の向上に貢献する。さらには、地域臨時情報をユーザが認識することが容易になるが故に、例えば通行禁止区域を誤って走行してしまうことを防止することができる。
【0045】
[他の実施形態]
【0046】
なお、本発明は、上述した通り、記憶部12に記憶された交通情報に対して保持制御部34により設定された保持時間が経過したかを判定するが、当該保持制御部34において、交通情報に設定された保持時間に応じて経過判定を行う時間間隔を任意に設定可能な実施形態も包含する。例えば、地域臨時情報に相当する交通情報に該当するとして、保持時間設定部33により24時間の設定時間が設定され記憶されている場合には、この保持制御部34は、保持時間の経過判定の間隔を一定時間(一例として4時間)と設定した上で、経過判定を行うことも可能である。
【符号の説明】
【0047】
1…FM多重受信部
2…ビーコン受信部
3…CPU
4…DRAM
5…SRAM
6…ROM
7…表示案内部
8…VRAM
9…入力部
10…インターフェース部
11…測位部
12…記憶装置
30…ナビゲーション部
31…2次メッシュ数抽出部
32…地域臨時情報判定部
33…保持時間設定部
34…保持制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から送信される交通情報を受信する受信部と、当該受信部により受信された交通情報を一定時間記憶する記憶部と、を備える交通情報保持装置において、
前記交通情報は、外部から送信された場合に当該交通情報を受信可能とする受信可能領域情報を含むものであり、
前記受信部により前記交通情報を受信した場合に、当該交通情報が有する前記受信可能領域情報を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段により抽出された前記受信可能領域情報が各都道府県規模の広域領域に相当する所定の閾値以下であるかを判定する判定手段と、
前記判定手段により前記前記受信可能領域情報が所定の閾値以下であると判定された場合に、この受信可能領域を有する交通情報の前記記憶部への保持時間を前記一定時間を超える時間に設定する保持時間設定手段と、
を備えることを特徴とする交通情報保持装置。
【請求項2】
前記受信可能領域情報は、複数の区画領域情報から構成されるものであって、
前記抽出手段は、前記交通情報から区画領域情報の数を抽出し、
前記判定手段は、抽出された区画領域情報の数が各都道府県規模の広域領域に相当する所定の閾値以下であるかを判定することを特徴とする請求項1に記載の交通情報保持装置。
【請求項3】
前記区画領域情報は2次メッシュ情報であることを特徴とする請求項2に記載の交通情報保持装置。
【請求項4】
前記各都道府県規模の広域領域に相当する所定の閾値は10個の2次メッシュ情報からなることを特徴とする請求項3に記載の交通情報保持装置。
【請求項5】
前記記憶部に前記交通情報を記憶する保持制御部を備え、
当該保持制御部は、前記記憶部に記憶された各交通情報に対して、前記保持時間設定手段により設定された保持時間が経過したかを判定し、保持時間が経過したと判定した場合に、その保持時間が設定された交通情報を前記記憶部から削除することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の交通情報保持装置。
【請求項6】
外部から送信される交通情報を受信する受信部と、当該受信部により受信された交通情報を一定時間記憶する記憶部と、コンピュータと、を備える交通情報保持装置の制御方法において、
前記交通情報は、外部から送信された場合に当該交通情報を受信可能とする受信可能領域情報を含むものであり、
前記コンピュータは、
前記受信部により前記交通情報を受信した場合に、当該交通情報が有する前記受信可能領域情報を抽出する抽出ステップと、
前記抽出ステップで抽出された前記受信可能領域情報が各都道府県規模の広域領域に相当する所定の閾値以下であるかを判定する判定ステップと、
前記判定ステップで前記前記受信可能領域情報が所定の閾値以下であると判定された場合に、この受信可能領域を有する交通情報の前記記憶部への保持時間を前記一定時間を超える時間に設定する保持時間設定ステップと、
を実行することを特徴とする交通情報保持装置の制御方法。
【請求項7】
前記受信可能領域情報は、複数の区画領域情報から構成されるものであって、
前記抽出ステップでは、前記交通情報から区画領域情報の数を抽出し、
前記判定ステップでは、抽出された区画領域情報の数が各都道府県規模の広域領域に相当する所定の閾値以下であるかを判定することを特徴とする請求項6に記載の交通情報保持装置の制御方法。
【請求項8】
前記区画領域情報は2次メッシュ情報であることを特徴とする請求項7に記載の交通情報保持装置の制御方法。
【請求項9】
前記各都道府県規模の広域領域に相当する所定の閾値は10個の2次メッシュ情報からなることを特徴とする請求項8に記載の交通情報保持装置の制御方法。
【請求項10】
前記コンピュータは、前記記憶部に記憶された各交通情報に対して、前記保持時間設定ステップで設定された保持時間が経過したかを判定し、保持時間が経過したと判定した場合に、その保持時間が設定された交通情報を前記記憶部から削除する保持制御ステップを実行することを特徴とする請求項6〜9のいずれか1項に記載の交通情報保持装置の制御方法。
【請求項11】
外部から送信される交通情報を受信する受信部と、当該受信部により受信された交通情報を一定時間記憶する記憶部と、コンピュータと、を備える交通情報保持装置の制御プログラムにおいて、
前記交通情報は、外部から送信された場合に当該交通情報を受信可能とする受信可能領域情報を含むものであり、
前記プログラムは前記コンピュータに、
前記受信部により前記交通情報を受信した場合に、当該交通情報が有する前記受信可能領域情報を抽出する抽出処理と、
前記抽出処理で抽出された前記受信可能領域情報が各都道府県規模の広域領域に相当する所定の閾値以下であるかを判定する判定処理と、
前記判定処理で前記前記受信可能領域情報が所定の閾値以下であると判定された場合に、この受信可能領域を有する交通情報の前記記憶部への保持時間を前記一定時間を超える時間に設定する保持時間設定処理と、
を実行させることを特徴とする交通情報保持装置の制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−164387(P2010−164387A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−6112(P2009−6112)
【出願日】平成21年1月14日(2009.1.14)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】