説明

人の移動監視方法およびシステム

本発明の人の移動監視方法は、パブリックエリアからセキュアエリアへの人の移動経路における第一のポイントで、個人のバイオメトリクスデータおよび関連身元確認データを取得し、
セキュアエリアにおける第二のポイントで、個人のバイオメトリクスデータおよび関連身元確認データを取得し、第二のポイントにおいて取得された身元確認データを、第二のポイントで取得されたものと比較し、整合性がある場合には、この整合性のある身元確認データについて、第一のポイントで取得された関連イメージを、第二のポイントで取得された関連イメージと比較することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して人の移動監視方法およびシステム、および人の移動監視方法を実行するためにコンピュータに指示するための電子計算機コーディング手段が搭載された、電子計算機読取可能データ記録用媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、パスポートが、入国し、出国するための旅客の身元確認に用いられる唯一の書類である。 しかしながら、目的地に到達する前に、例えば成り済まし、パスポートにおけるデータおよび写真の偽造などの不正行為が行われる可能性がある。イミグレーション係官にとって、パスポートの所持者が確かにパスポート中に記載された人なのかを確認することは困難である。イミグレーション係官は、いくつかの類似点がある以上、乗客が更に続行することを許可する。イミグレーション係官は日々非常にたくさんのパスポートに目を通すため、パスポートの所持者が法的執行機関により手配されているかを視覚的に認識することは、冗長で退屈である。これは、手配犯が侵入、逃亡、または彼らが目的に向かって前進するための余地を与えてしまう。
【0003】
現在世界が直面しているテロリズムには、セキュリティシステムにおける技術の革新の助力を得て取り組むことができる。入国および出国する乗客の移動を追跡するためのセキュリティシステムを適合化させ、並びに高めることが特に必要である。これは、手配犯の国外逃亡を防止すると共に、セキュリティの脅威に対して自由な旅客が構えることを防止することとなる。
【0004】
現存する個人の身元の確認方法には、乗客の詳細を手作業で確認するイミグレーション係官が含まれている。これは、非効率的なだけではなく、セキュリティ上の過失が増大する結果となる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
入国および/または出国する乗客をスクリーニングし、監視するエミグレーション、イミグレーション係官並びに他の人々を補助することができる方法およびシステムが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第一の形態によれば、パブリックエリアからセキュアエリアへの人の移動経路における第一のポイントで、個人のバイオメトリクスデータおよび関連身元確認データを取得し、セキュアエリアにおける第二のポイントで、個人のバイオメトリクスデータおよび関連身元確認データを取得し、第二のポイントにおいて取得された身元確認データを、第二のポイントで取得されたものと比較し、整合性がある場合には、この整合性のある身元確認データについて、第一のポイントで取得された関連イメージを、第二のポイントで取得された関連イメージと比較することを特徴とする人の移動監視方法が提供される。
【0007】
この方法においては、第一のポイントおよび/または第二のポイントで取得された個人のバイオメトリクスデータおよび関連身元確認データが保存されてもよい。
【0008】
空港に、第一および第二のポイントが設けられていてもよく、第一のポイントが、搭乗券チェックインポイントであってもよく、第二のポイントが、航空機搭乗ポイントであってもよい。
【0009】
上記の方法においては、第一および/または第二のポイントで取得された個人のバイオメトリクスデータおよび関連身元確認データが、セキュアエリアから退出する人の移動経路における第三のポイントに転送されてもよい。
【0010】
上記の方法においては、第三のポイントで個人のバイオメトリクスデータおよび関連身元確認データを取得し、第三のポイントで取得された身元確認データを、転送されたデータにおけるものと比較し、整合性がある場合には、整合する身元確認データについて、転送されたデータにおける関連バイオメトリクスデータを、第三のポイントで取得された関連バイオメトリクスデータと比較してもよい。
【0011】
第三のポイントが、降機空港に配置されていてもよく、また、第三のポイントが、イミグレーションポイントであってもよい。
【0012】
上記の方法においては、セキュアエリア内に存在する間、人のバイオメトリクスデータを定期的に取得し、かつ、イメージを比較して、セキュアエリア内に存在するいずれかの人の疑わしい特徴を特定してもよい。
【0013】
航空機上にて定期的な人のバイオメトリクスデータの取得を実行することもできる。
【0014】
上記の方法においては、更に、第一のおよび/または第二のポイントで取得された個人のバイオメトリクスデータおよび関連身元確認データが、人がセキュアエリア内に存在する間に定期的に取得されたその人のバイオメトリクスデータと比較するために転送されてもよい。
【0015】
上記の方法においては、更に、第三のポイントにおいて取得された人のバイオメトリクスデータおよび関連データと比較するために、人がセキュアエリア内に存在する間に定期的に取得されたその人のバイオメトリクスデータの少なくとも一部が、セキュアエリアから退出する人の移動経路における第三のポイントに転送されてもよい。
【0016】
前記バイオメトリクスデータが、イメージ、指紋、眼球走査データを含む群のうちの一つまたは複数よりなるものであってもよい。
【0017】
本発明の第二の形態によれば、パブリックエリアからセキュアエリアへの人の移動経路における第一のポイントで個人のバイオメトリクスデータを取得するための第一のバイオメトリクスデータ収集装置と、関連身元確認データを保存するための第一のデータ記憶装置と、セキュアエリア内の第二のポイントで個人のバイオメトリクスデータを取得するための第二のバイオメトリクスデータ収集装置と、関連身元確認データを保存するための第二のデータ記憶装置と、および第一のデータ記憶装置に保存された身元確認データを第二のデータ記憶装置に保存されたものと比較すると共に、整合性がある場合には、整合する身元確認データについて、第一のバイオメトリクスデータ収集装置によって取得された関連イメージを、第二のバイオメトリクスデータ収集装置によって取得された関連イメージと比較するための処理装置とを有してなることを特徴とする人の移動を監視するためのシステムが提供される。
【0018】
第一のおよび第二のバイオメトリクスデータ収集装置が、空港に配置されており、第一のバイオメトリクスデータ収集装置が、搭乗券チェックインポイントに配置されており、第二のバイオメトリクスデータ収集装置が、航空機搭乗ポイントに配置されていてもよい。
【0019】
上記のシステムは、更に、第一のおよび/または第二のバイオメトリクスデータ収集装置により取得された個人のバイオメトリクスデータおよび関連身元確認データを、セキュアエリアから退出する人の移動経路における第三のポイントに配置された第三のデータ記憶装置に転送する転送装置を有してなるものであってもよい。
【0020】
上記のシステムは、更に、第三のポイントに配置された、個人のバイオメトリクスデータを取得するための第三のバイオメトリクスデータ収集装置を有してなり、第三のデータ記憶装置が関連身元確認データを保存し、および第三のバイオメトリクスデータ収集装置によって取得された身元確認データを転送されたデータにおけるものと比較し、整合性のある場合には、整合する身元確認データについて、転送されたデータにおける関連バイオメトリクスデータを、第三のバイオメトリクスデータ収集装置によって取得された関連バイオメトリクスデータと比較するための第二の処理装置を有してなるものであってもよい。
【0021】
第三のバイオメトリクスデータ収集装置および第三のデータ記憶装置が、降機空港に配置されており、第三のバイオメトリクスデータ収集装置および第三のデータ収集装置が、イミグレーションポイントに配置されていてもよい。
【0022】
上記のシステムは、更に、人がセキュアエリア内に存在する間、その人のバイオメトリクスデータを定期的に取得すると共に、セキュアエリア内に存在するいずれかの人の疑わしい特徴を特定するための第四のバイオメトリクスデータ収集装置を有してなるものであってもよい。
【0023】
第四のバイオメトリクスデータ収集装置が、航空機上に配置されていてもよい。
【0024】
第一の転送装置が、第一のおよび/または第二のポイントで取得された個人のバイオメトリクスデータおよび関連身元確認データを、人がセキュアエリア内に存在する間に定期的に取得されたその人のバイオメトリクスデータと比較するために転送するものであってもよい。
【0025】
上記のシステムは、更に、第三のポイントにおいて取得された人のバイオメトリクスデータおよび関連データと比較するために、人がセキュアエリア内に存在する間に定期的に取得されたその人のバイオメトリクスデータの少なくとも一部を、セキュアエリアから退出する人の移動経路における第三のポイントに転送するための第二の転送装置を有してなるものであってもよい。
【0026】
前記バイオメトリクスデータが、イメージ、指紋、眼球走査データを含む群のうちの一つまたは複数よりなるものであってもよい。
【0027】
本発明の第三の形態によれば、パブリックエリアからセキュアエリアへの人の移動経路における第一のポイントにおいて個人のバイオメトリクスデータおよび関連身元確認データを取得し、セキュアエリアの第二のポイントにおいて、個人のバイオメトリクスデータおよび関連身元確認データを取得し、および第二のポイントにおいて取得された身元確認データを、第二のポイントで取得されたものと比較し、整合性がある場合には、整合する身元確認データについて、第一のポイントにおいて取得された関連イメージを、第二のポイントで取得された関連イメージと比較することよりなる、人の移動を監視する方法を実行するために、コンピュータに指示を出すための電子計算機コーディング手段が搭載されていることを特徴とする電子計算機読取可能データ記録用媒体が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
空路での移動における乗客の追跡に採用されるセキュリティシステム100の実施態様例が、図1に示されている。これは、正確な認識および乗客の追跡により可能とされる。個人は、彼らの顔認証、指紋認証、網膜/虹彩認証その他などのバイオメトリクス的特徴を利用することにより、認識される。この実施態様例におけるデータの転送は、無線技術により行われる。知能的に空路の旅客の移動を追跡するために、コンピュータ−視野が採用されている。
【0029】
図1は、空港セキュリティシステム100を含む実施態様例を示している。このシステム100は、乗機空港300、航空機400および降機空港500を包含する。
【0030】
実施態様例における乗機空港300は、三つのエリア、すなわち、ランドサイドエリア301、エミグレーションエリア307およびエアサイドエリア309により構成されている。
【0031】
ランドサイドエリア301は、降機空港300における公衆によりアクセス可能なエリアをさし、すなわち、エミグレーション307より手前のエリアである。ランドサイドエリア301は、空港チェックインまたは航空券発券カウンター305の近傍に配置されたビデオカメラ303を包含する。チェックインカウンター305に配置された係員は、搭乗券を発行する際に、乗客の身分証明、パスポートの有効性、ビザなどの形式的事項のチェックをする。
【0032】
ビデオカメラ303は、空港チェックインカウンター305において乗客がチェックインをしている際に、当該乗客のイメージをキャプチャする。
【0033】
エミグレーションエリア307は、政府機関からの係官以外の乗客に対して立入禁止とされている。これらの係官は、乗客の身分証明、出国許可証明、旅行が禁止されている乗客の身分証明、手配犯の身分証明などの詳細を審査する。
【0034】
エアサイドエリア309は、乗客に制限されたエリア、すなわちエミグレーション307通過後のエリアをさす。エアサイドエリア309は、搭乗ゲートチェックインカウンターの近傍に配置されたビデオカメラ311を包含する。ビデオカメラ311は、航空機400に搭乗する前の乗客のイメージ(確証用)をキャプチャする。
【0035】
降機空港300におけるランドサイドエリア301およびエアサイドエリア309の両方のセキュリティシステムは、ローカルエリア有線または無線ネットワーク319並びに遠隔審査許可サーバ321を通じて相互にリンクされている。
【0036】
無線アンテナ315は、エアサイドエリア309の近傍に配設されて、乗客データをそれぞれの航空機400(無線周波数で)に無線モデム317を通じて転送する。単純に、航空機400からの乗客データもアンテナ315によって、処理のために受信することができる。
【0037】
アンテナ315によって転送された乗客データは、航空機400のアンテナ401および無線モデム403によって受信される。モデム403により受信されたデータは、機載サーバ405によって処理される。機載カメラ407は、航空機内に設置されて、航空機に搭乗している乗客のイメージを取得する。これらのカメラからのイメージは、処理のためにサーバ405に向けても転送される。実施態様例においては、機載カメラ407は、乗客の各々の上方に設けられてもよく、並びに、正しい整合性のために定期的に監視される。あるいは、機載カメラ407は、それぞれの乗客の液晶テレビ(LCD TV)モニターに並んで、または一体的に設けることもできる。
【0038】
実施態様例における降機空港500は、三つのエリア、すなわちランドサイドエリア513、イミグレーションエリア507およびエアサイドエリア505により構成されている。
【0039】
ランドサイドエリア513は、降機空港500における公衆によりアクセス可能なエリアをさし、すなわち、イミグレーション507通過後のエリアである。
【0040】
イミグレーションエリア507は、イミグレーションカウンター511の近傍に配置されたビデオカメラ509を包含する。ビデオカメラ509は、乗客が降機空港500に到着した際に、当該乗客のイメージをキャプチャする。イミグレーション係官は、乗客の身分証明、ビザ、旅行が禁止されている乗客の身分証明、手配犯の身分証明などの乗客の詳細を審査する。
【0041】
エアサイドエリア505は、空港500で降機して到着する乗客のみに限定されている。
【0042】
無線アンテナ501は、無線モデム503を通じてそれぞれの航空機400(無線周波数で)から乗客データを受信するためにエアサイドエリア505の近傍に配設される。同様に、乗客データは、アンテナ501により処理のために航空機400に送信することもできる。
【0043】
アンテナ501および無線モデム503を通じて受信された乗客データは、ローカルエリア有線または無線ネットワークを介して、データの処理のために降機空港500のイミグレーションサーバ515に送られる。
【0044】
乗機空港300のローカルエリアネットワーク319および降機空港500のローカルエリアネットワーク515は、グローバル有線または無線ワイドエリアネットワーク409によって相互にリンクされている。
【0045】
空港チェックインカウンター305において乗客がチェックインする再に、ビデオカメラ303によって撮られた当該乗客のイメージは、下記の手法により処理される。
1.イメージは、法的執行機関により手配されている個人の、既存のデータベースで確証され、乗客が、当該手配犯のうちの一人でないことが確定される。矛盾が生じている場合には、空港チェックインカウンター305のスタッフは空港警備、警察またはエミグレーション307に至急警告する。
2.イメージは、乗客の確認を、当該乗客のイメージと手配されている個人等のイメージとの間の整合性をとることにより行うために、必要に応じて降機空港500および/またはその他の当局等に送信され、並びに
3.イメージは、将来参照するために空港データベースに送信される。空港チェックインカウンター305のスタッフは、パスポート写真および/またはパスポート項目などの乗客のデータをタイプ入力し、スキャン入力し若しくは記入する。このデータは、ビデオカメラ303によってキャプチャされた乗客の写真と共に、乗機空港300の遠隔審査許可サーバ321に保存される。
【0046】
乗機空港300のエアサイドエリア309では、搭乗ゲートチェックインカウンターの近傍に配置された他のビデオカメラ311が、乗客の写真をキャプチャする。乗客の写真は、当該乗客のパスポート項目が添付されて、空港300のサーバ321に送信され、ここで、搭乗ゲートチェックインカウンター313において撮影された写真が、チェックインカウンター305において撮影された前出の写真のものと比較される。これにより、航空機に搭乗する乗客が、空港チェックインカウンター305において事前にチェックインした人物と同一であることを保証することができる。
【0047】
サーバ321に保存されたリアルタイム乗客データは、無線式に航空機405上のサーバ(「機載サーバ」)に転送される。
【0048】
離陸前および旅の途中において、乗客が航空機400に座っている間、乗客の各々の顔前に設けられたカメラ407によって乗客の写真が繰り返して撮影される。これにより、乗客の移動の監視および追跡が補助される。乗客の繰り返しイメージは、コンピュータ405による、機内サーバ405の乗客データベースに保存するために最適な写真の選択を行うためにも用いられる。強調された乗客のイメージは、乗客を更に正確かつ安全に認識するために利用することができる。航空機サーバ405に保存された乗客データは、遠隔審査サーバ321における乗客のデータと整合性が取られる。相違がある場合には、乗機空港300、航空機400、または降機空港500における警備員に対して、必要な行動をとるよう警告がなされる。
【0049】
航空機400上にてカメラ407によってキャプチャされた写真は、航空機400内の乗客の不審な行為を特定することにも利用されてもよい。不審な行為とは、特に限定されるものではないが、そわそわした行動、過剰な菓子類の摂取、乗客の定常的な筋肉の緊縮並びに異常/連続的な眼球の動きなどの神経質的な兆候などを含む。しかしながら、不審な行動は、単に乗客が飛行することへの恐怖によるものであるかもしれないため、乗客を不審と認識しないように注意をしなければならない。
【0050】
イミグレーションの係員が、その国において手配されている人物を特定することが可能となるように、旅行の途中、航空機上の乗客のイメージが、無線式に降機空港500のイミグレーションサーバ517に転送されてもよい。
【0051】
航空機が目的地に到達する前に、イミグレーション係官は、すでに乗客のデータを受け取り、調査を済ませていることとなる。したがって、更なる注意/質問が必要な人物の特定が簡単であり、または手配リストに記載されている乗客の逮捕することさえ容易である。しかも、イミグレーション507の側にカメラ509により撮影された乗客のイメージは、降機地ポイントに到着した乗客が、出発したまたは乗機空港300で搭乗した者と同一人物であるかを確認するために処理されてもよい。パスポートデータを、パスポートが不正に改ざんされず、空港にて用いられた物と同一のものであることを確定するためにクロスチェックをしてもよい。
【0052】
乗機地サーバ321および降機地サーバ517に保存された乗客の写真は、乗客が将来次の旅行をするときに、検索されおよび参照されてもよい。
【0053】
図2は、図1に示される空港セキュリティシステム100の実施態様例における工程フローの一例を示す。
【0054】
工程フローは、ステップ201から開始される。ステップ203では、発券/チェックインカウンターの航空会社/空港スタッフが、搭乗券を発行し、乗客のプロファイルおよび乗客のイメージを記録する。
【0055】
ステップ205では、乗客のチェックインプロファイルが乗機空港の遠隔審査許可サーバデータベースに保存される。
【0056】
ステップ207では、搭乗ゲートチェックインカウンターで、航空会社/空港スタッフが乗客の確証を行い、並びに乗客の詳細を鮮明なイメージと共に再記録して、乗客の確証プロファイルを作成する。
【0057】
ステップ209では、乗客の確証プロファイルが遠隔審査許可サーバのデータベースに保存される。
【0058】
ステップ213では、乗客の確証プロファイルを含むデータベースが、グローバル有線および/または無線ワイドエリアネットワークを介して降機空港のイミグレーションサーバに複写される。
【0059】
ステップ211では、遠隔審査許可サーバからのデータベース(乗客確証プロファイルを含む)が、機載サーバに無線式で転送され、複写される。
【0060】
ステップ215では、機載サーバおよび機載カメラのネットワークは、旅中において繰り返し乗客を撮影し、および監視する。
【0061】
ステップ217では、機載サーバからの乗客のデータを含むデータベースが、イミグレーションサーバに無線式で転送されると共に、このデータのコピーが降機地の国におけるイミグレーションサーバに保存される。
【0062】
ステップ219では、一旦乗機地の空港での乗客の記録と降機地の空港での当該記録が整合する場合には、入国する乗客が降機地の空港におけるいずれの当局によっても手配されていなければ、イミグレーションの係官が乗客の通過を許可する。
【0063】
実施態様例のセキュリティシステムは、容疑者を認識するためにイミグレーション係官を補助するバイオメトリクスおよび知的技術を採用する。このシステムは、乗客が不審な行為をとった場合には、更なる観察および必要な対応のために適切な当局に警告を発する。知的技術は、乗客の行為および動作の分析に用いられてもよい。
【0064】
実施態様例に記載のセキュリティシステムは、空路での旅行において多様な応用を有している。空路での旅客の監視に利用されてもよく、また、チェックインする乗客、航空機内に着席している乗客および到着ポイントでチェックアウトする乗客が同一であることを確実とするために利用されてもよい。これは、実施態様例では、発券/チェックインカウンター、搭乗ゲート、航空機、イミグレーションにおいて乗客のイメージをキャプチャ(ビデオカメラにより)すると共に、乗客のパスポート/プロファイルに対して当該イメージを処理することにより達成される。また、航空機に搭乗中に撮影された乗客の繰り返しイメージが、乗客の外観に非整合性が存在しないかまたは誰か不審な行動をする者がいないかチェックするために比較される。更に、システムは、法的執行機関により手配されている人または入国または出国が禁止されている乗客の審査をも補助する。システムは、チェックインした乗客が行方不明であることが判明した場合および当該乗客が搭乗ゲートまたは到着ポイントに現れないときに、これを探知しおよび警告をすることも可能である。
【0065】
本発明の実施態様は、下記の技術を利用するものであってもよい。
1.個人の認証のための、特に制限されないが、顔認証、指紋認証、網膜/虹彩認証その他のバイオメトリクス技術の採用。
2.データ転送を目的とした無線技術。
3.物体追跡のためのコンピュータビジョンに基づいた技術。
4.航空機内のサーバ、ソフトウェアおよび乗客データを保存するためのデータベース。
5.空港内のサーバ、ソフトウェアおよび乗客データを保存するためのデータベース。
6.航空機内の適切な機載エアラインコンピュータ、インターフェースおよびソフトウェア。
7.発券/チェックイン/搭乗/イミグレーションカウンターでのカメラ。
【0066】
実施態様例の方法およびシステムは、図3に概略的に示されている通り、コンピュータシステム800で実施することができる。当該方法およびシステムは、コンピュータシステム800内で実行されて、コンピュータシステム800に対して、実施態様例の方法を実行するよう指示するコンピュータプログラムなどのソフトウェアとして実施されてもよい。
【0067】
コンピュータシステム800は、コンピュータモジュール802、キーボード804およびマウス806などの入力モジュール並びにディスプレイ808、およびプリンタ810などの複数の出力装置を含んでなる。
【0068】
コンピュータモジュール802は、例えば、インターネット若しくはローカルエリアネットワーク(LAN)またはワイドエリアネットワーク(WAN)などのその他のネットワークシステムにアクセスできるよう、適当な無線通信装置814を介してコンピュータネットワーク812に接続されている。
【0069】
この例のコンピュータモジュール802は、プロセッサ818、ランダムアクセスメモリ(RAM)820および読取専用メモリ(ROM)822を含んでなる。また、コンピュータモジュール802は、例えばディスプレイ808に対するI/Oインターフェース824、並びにキーボード804に対するI/Oインターフェース826などの多数の入力/出力(I/O)インターフェース、をも含んでなる。
【0070】
コンピュータモジュール802の構成要素は、通常、接続バス828を介して、および当業者に周知の態様で通信する。
【0071】
アプリケーションプログラムは、通常、コンピュータシステム800のユーザに対して、CD−ROMまたはフロッピーディスク(登録商標)などのデータ記録用媒体にエンコードされて提供され、および対応するデータ記憶装置830の適合するデータ記録用媒体ドライブを利用することにより読み出される。アプリケーションプログラムは、プロセッサ818による実行において読取られおよび制御される。プログラムデータの中間保存はRAM820を用いることにより達成されてもよい。
【0072】
特定の実施形態に示されるように、広く詳述されている本発明の趣旨および範囲を逸脱しない限りにおいて本願本発明において多数の変形例および/または変更を行うことが可能であることが当業者には理解されるであろう。従って、本実施形態は、すべての点において明らかでありおよび限定的でないと考察されるべきである。
【0073】
乗客の身分証明が作成されるステージの数は、増加されてもよい。追加のカメラが、エミグレーションエリア307およびエアサイドエリア505に配設されていてもよい。
【0074】
実施態様例においては、乗客の認識が、乗客の写真を顔認証ソフトウェアを利用して比較することにより実現され、または、指紋認証、および/または網膜/虹彩認証技術などのその他の認証方法が利用されてもよい。
【0075】
本発明の実施態様は、警備員、エミグレーションおよびイミグレーション係官、航空会社スタッフ並びにその他の者が、建物、会場、エリアまたは国若しくは航空機の機上またはその他のいかなる態様の輸送機関に立入る、または退出する潜在的に危険な人物を、例えば出発前および到着に際してリアルタイムで利用可能な乗客情報を作成することにより、認識する補助をするものであってもよい。
【0076】
本発明の実施態様によれば、税関通過許可の速度向上が可能であり、従って、効率化が可能である。当該システムは、乗客の身元認識の正確性のレベルの増加を補助するものであってもよい。これらによれば、セキュリティに妥協することなく旅客が税関を迅速に通過することができる早期の「グリーンレーン効果」の取得につながる可能性すらある。
【0077】
本発明の実施態様は、単純な情報の整合の代わりに物理的な整合性が提供されるため空港におけるセキュリティレベルの増加を補助するものであってもよい。システムは、パスポートの所有者が、航空機に搭乗している人物と同一であることを確認する。
【0078】
本発明の実施態様は、航海、電車による旅行その他についても適用することも可能である。電車による旅行の場合には、初期チェックは発券カウンターにて行われてもよく、および乗客の認識は、プラットホームの入り口または電車の入り口で行われてもよい。この場合には、乗客は、証明カードによって認識されてもよく、または虹彩認証などのバイオメトリクスデータにより承認されてもよい。本発明は、スポーツ複合施設、または認証が必要となるその他のイベントなどの会場への入場券の発行に適用されてもよい。
【0079】
本発明の実施態様は、搭乗券がインターネットを介して購入される場合においても利用することができる。購入の時、購入者により写真および証明カード、パスポートデータなどの情報が提供され、当該情報が法的執行機関により手配されている者の写真と比較される。入場券を有する人物が空港、スタジアムその他に入場した場合、入場ポイントにて証明の詳細がチェックされる。当該人物の物理的外観の変化があった場合、または当該人物が法的執行機関により手配されている場合には、システムが警備員に必要な対応をとるよう警告を発する。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】空港で採用される、本発明の実施の態様の一例を示す外略図である。
【図2】図1に示す実施の態様例における工程を図示するフローチャートの一例である。
【図3】本発明の実施の態様例における方法およびシステムを実行するためのコンピュータを示す外略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パブリックエリアからセキュアエリアへの人の移動経路における第一のポイントで、個人のバイオメトリクスデータおよび関連身元確認データを取得し、
セキュアエリアにおける第二のポイントで、個人のバイオメトリクスデータおよび関連身元確認データを取得し、
第二のポイントにおいて取得された身元確認データを、第二のポイントで取得されたものと比較し、整合性がある場合には、この整合性のある身元確認データについて、第一のポイントで取得された関連イメージを、第二のポイントで取得された関連イメージと比較することを特徴とする人の移動監視方法。
【請求項2】
第一のポイントおよび/または第二のポイントで取得された個人のバイオメトリクスデータおよび関連身元確認データが保存されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
空港に、第一および第二のポイントが設けられていることを特徴とする前記請求項のいずれか1つに記載の方法。
【請求項4】
第一のポイントが、搭乗券チェックインポイントであることを特徴とする前記請求項のいずれか1つに記載の方法。
【請求項5】
第二のポイントが、航空機搭乗ポイントであることを特徴とする前記請求項のいずれか1つに記載の方法。
【請求項6】
第一および/または第二のポイントで取得された個人のバイオメトリクスデータおよび関連身元確認データが、セキュアエリアから退出する人の移動経路における第三のポイントに転送されることを特徴とする前記請求項のいずれか1つに記載の方法。
【請求項7】
第三のポイントで個人のバイオメトリクスデータおよび関連身元確認データを取得し、
第三のポイントで取得された身元確認データを、転送されたデータにおけるものと比較し、整合性がある場合には、整合する身元確認データについて、転送されたデータにおける関連バイオメトリクスデータを、第三のポイントで取得された関連バイオメトリクスデータと比較することを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
第三のポイントが、降機空港に配置されていることを特徴とする請求項6または7に記載の方法。
【請求項9】
第三のポイントが、イミグレーションポイントであることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1つに記載の方法。
【請求項10】
セキュアエリア内に存在する間、人のバイオメトリクスデータを定期的に取得し、かつ、イメージを比較して、セキュアエリア内に存在するいずれかの人の疑わしい特徴を特定することを特徴とする前記請求項のいずれか1つに記載の方法。
【請求項11】
航空機上にて定期的な人のバイオメトリクスデータの取得を実行することを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
第一のおよび/または第二のポイントで取得された個人のバイオメトリクスデータおよび関連身元確認データが、人がセキュアエリア内に存在する間に定期的に取得されたその人のバイオメトリクスデータと比較するために転送されることを特徴とする請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
第三のポイントにおいて取得された人のバイオメトリクスデータおよび関連データと比較するために、人がセキュアエリア内に存在する間に定期的に取得されたその人のバイオメトリクスデータの少なくとも一部が、セキュアエリアから退出する人の移動経路における第三のポイントに転送されることを特徴とする請求項10〜12のいずれか1つに記載の方法。
【請求項14】
前記バイオメトリクスデータが、イメージ、指紋、眼球走査データを含む群のうちの一つまたは複数よりなることを特徴とする前記請求項のいずれか1つに記載の方法。
【請求項15】
パブリックエリアからセキュアエリアへの人の移動経路における第一のポイントで個人のバイオメトリクスデータを取得するための第一のバイオメトリクスデータ収集装置と、
関連身元確認データを保存するための第一のデータ記憶装置と、
セキュアエリア内の第二のポイントで個人のバイオメトリクスデータを取得するための第二のバイオメトリクスデータ収集装置と、
関連身元確認データを保存するための第二のデータ記憶装置と、および
第一のデータ記憶装置に保存された身元確認データを第二のデータ記憶装置に保存されたものと比較すると共に、整合性がある場合には、整合する身元確認データについて、第一のバイオメトリクスデータ収集装置によって取得された関連イメージを、第二のバイオメトリクスデータ収集装置によって取得された関連イメージと比較するための処理装置とを有してなることを特徴とする人の移動を監視するためのシステム。
【請求項16】
第一のおよび第二のバイオメトリクスデータ収集装置が、空港に配置されていることを特徴とする請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
第一のバイオメトリクスデータ収集装置が、搭乗券チェックインポイントに配置されていることを特徴とする請求項15または16に記載のシステム。
【請求項18】
第二のバイオメトリクスデータ収集装置が、航空機搭乗ポイントに配置されていることを特徴とする請求項15〜17のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項19】
更に、第一のおよび/または第二のバイオメトリクスデータ収集装置により取得された個人のバイオメトリクスデータおよび関連身元確認データを、セキュアエリアから退出する人の移動経路における第三のポイントに配置された第三のデータ記憶装置に転送する転送装置を有してなることを特徴とする請求項15〜18のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項20】
更に、第三のポイントに配置された、個人のバイオメトリクスデータを取得するための第三のバイオメトリクスデータ収集装置を有してなり、第三のデータ記憶装置が関連身元確認データを保存し、および
第三のバイオメトリクスデータ収集装置によって取得された身元確認データを転送されたデータにおけるものと比較し、整合性のある場合には、整合する身元確認データについて、転送されたデータにおける関連バイオメトリクスデータを、第三のバイオメトリクスデータ収集装置によって取得された関連バイオメトリクスデータと比較するための第二の処理装置を有してなることを特徴とする請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
第三のバイオメトリクスデータ収集装置および第三のデータ記憶装置が、降機空港に配置されていることを特徴とする請求項19または20に記載のシステム。
【請求項22】
第三のバイオメトリクスデータ収集装置および第三のデータ収集装置が、イミグレーションポイントに配置されていることを特徴とする請求項19〜21のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項23】
人がセキュアエリア内に存在する間、その人のバイオメトリクスデータを定期的に取得すると共に、セキュアエリア内に存在するいずれかの人の疑わしい特徴を特定するための第四のバイオメトリクスデータ収集装置を有してなることを特徴とする請求項15〜22のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項24】
第四のバイオメトリクスデータ収集装置が、航空機上に配置されていることを特徴とする請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
第一の転送装置が、第一のおよび/または第二のポイントで取得された個人のバイオメトリクスデータおよび関連身元確認データを、人がセキュアエリア内に存在する間に定期的に取得されたその人のバイオメトリクスデータと比較するために転送することを特徴とする請求項23または24に記載のシステム。
【請求項26】
更に、第三のポイントにおいて取得された人のバイオメトリクスデータおよび関連データと比較するために、人がセキュアエリア内に存在する間に定期的に取得されたその人のバイオメトリクスデータの少なくとも一部を、セキュアエリアから退出する人の移動経路における第三のポイントに転送するための第二の転送装置を有してなることを特徴とする請求項23〜25のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項27】
前記バイオメトリクスデータが、イメージ、指紋、眼球走査データを含む群のうちの一つまたは複数よりなることを特徴とする請求項15〜26のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項28】
パブリックエリアからセキュアエリアへの人の移動経路における第一のポイントにおいて個人のバイオメトリクスデータおよび関連身元確認データを取得し、
セキュアエリアの第二のポイントにおいて、個人のバイオメトリクスデータおよび関連身元確認データを取得し、および
第二のポイントにおいて取得された身元確認データを、第二のポイントで取得されたものと比較し、整合性がある場合には、整合する身元確認データについて、第一のポイントにおいて取得された関連イメージを、第二のポイントで取得された関連イメージと比較することによりなる、人の移動を監視する方法を実行するために、コンピュータに指示を出すための電子計算機コーディング手段が搭載されていることを特徴とする電子計算機読取可能データ記録用媒体。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−506159(P2007−506159A)
【公表日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−526048(P2006−526048)
【出願日】平成16年9月10日(2004.9.10)
【国際出願番号】PCT/SG2004/000291
【国際公開番号】WO2005/027023
【国際公開日】平成17年3月24日(2005.3.24)
【出願人】(503210658)ストラテック システムズ リミテッド (3)
【氏名又は名称原語表記】Stratech Systems Limited
【Fターム(参考)】