説明

人体接近検出装置

【課題】送受信用アンテナにより電波の送受信が行われた場合であっても、誤動作が生じるのを効果的に防止することができ、安価に構成可能で複雑な前処理が不要な人体接近検出装置を提供する。
【解決手段】人体接近検出装置は、車両用ドアハンドル4のハウジング6の内部のドア2側の壁面6a近傍に設けられ、人体が接近することにより静電容量が変化する板状のセンサ電極11と、ハウジング6の内部のドア2とは反対側の壁面6b近傍かつセンサ電極11の平面方向と平行に設けられ、キーレスエントリーシステムに用いられる認証用送受信キーの送受信用アンテナ19と、センサ電極11の静電容量を検出する主回路部20とを備える。センサ電極11は、送受信用アンテナ19に対して、この送受信用アンテナ19で発生する磁界の影響の受け方が対称となるように配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車などの車両に設けられたドアや建物などの施設に設けられたドアの施錠および解錠を制御するシステムに用いられ、これらのドアに設けられたドアハンドルへの人体の接近を検知する人体接近検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、自動車などの車両に設けられたドアや建物などの施設に設けられたドアの施錠および解錠の操作を制御するシステムとして、例えば図12に示すように、車両用ドアに設けられた車両用ドアハンドルのハウジング30内のドア側の壁面内側近傍にセンサ電極31を設け、人体が車両用ドアハンドルのドア側の壁面に接触すると静電容量変化を検知して施錠および解錠を行うものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
従来のこの種のシステムは、通常、車体のフレーム(ボディ)自体が電気的に接地されており、車体のドア32とそのドアハンドルのハウジング30内のセンサ電極31とにより形成される静電容量を基準として、人のドアハンドルへの接近を判断することができるように構成されている。
【0004】
すなわち、この種のシステムでは、人の手がそのドア32とセンサ電極31との間に入ってセンサ電極31と人体とにより静電容量が形成されることによって、センサ電極31が検出する静電容量が変化するので、この静電容量変化によって人の車両用ドアハンドルへの接近を検出することが行われている。
【0005】
なお、この種のシステムにおいて、例えばハウジング30内のドアとは反対側の壁面内側近傍にキーレスエントリーシステムに用いられる送受信用アンテナ39がさらに配置されている場合、人が所持する認証用送受信キーの送受信器との間で、この認証用送受信キーの送受信が行われて車両の所有者などであると認証された場合にドアの施錠および解錠が行われる。
【0006】
このとき、図13(a)に示すように、送受信用アンテナ39からは電波が発生し、この送受信用アンテナ39と対称ではない状態で配置されたセンサ電極31に影響を及ぼす磁力線38a,38bで表すような磁界が発生する。この場合、同図(b)に示すように、発生した磁界はセンサ電極31上で図示のような向きの渦電流37を発生させる。
【0007】
【特許文献1】特開2002−295064号公報の段落[0022]
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述したような従来の車両用ドアの施錠および解錠の操作を制御するシステムでは、例えばセンサ電極31の近傍に上述したような送受信用アンテナ39が存在する場合、その送受信用アンテナ39とセンサ電極31との間には静電容量結合がある。このため、送受信用アンテナ39から電波が発生するとその影響によって送受信用アンテナ39とセンサ電極31との間で静電容量が変化して、人体が接近したものと誤って検知してしまうという問題がある。
【0009】
また、自車とは異なる他の自動車などの送受信用アンテナが接近した場合にも、同様に誤動作が生じてしまうという問題がある。さらに、上述したような渦電流37によって、センサ電極31にて検出される静電容量値が変動すると、誤動作の要因となってしまう場合があるという問題がある。
【0010】
このような問題は、人体が接近した場合や送受信用アンテナ39から電波が発生した場合などの様々な状況の静電容量の変化を信号パターンとして制御装置などに記憶させておき、実際に発生した静電容量の信号パターンと比較判定することにより解消可能ではある。しかし、このような方式では、大量のデータ処理や記憶装置などが必要となり、システム全体が高価なものとなるとともに処理が複雑になってしまうという問題がある。
【0011】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので、送受信用アンテナにより電波の送受信が行われた場合であっても、誤動作が生じるのを効果的に防止することができるとともに、安価に構成可能で複雑な前処理を不要とすることができる人体接近検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決し、目的を達成するため、本発明に係る人体接近検出装置は、ドアに取り付けられたドアハンドルのハウジングの内部におけるドア側壁面近傍に設けられ、人体が接近することにより静電容量が変化する板状のセンサ電極と、前記センサ電極の静電容量変化を検出する検知回路と、前記ハウジングの内部の前記ドアとは反対側の壁面近傍かつ前記センサ電極の平面方向に対して平行に設けられ、キーレスエントリーシステムに用いられる認証用送受信キーの送受信用アンテナとを備え、前記センサ電極は、前記送受信用アンテナの平面方向の中心に対して、該送受信用アンテナに発生する磁界の影響の受け方が対称となるように配置されていることを特徴とする。
【0013】
本発明に係る人体接近検出装置は、以上のように構成することにより、ドアハンドルのハウジング内に設けられた送受信用アンテナにより電波が送受信された場合であっても、この送受信用アンテナの平面方向の中心に対して磁界の影響の受け方が対称となるようにセンサ電極が配置されているため、検出される静電容量値が変動することは抑制されるので、誤動作が生じるのを効果的に防止することができる。また、本発明に係る人体接近検出装置は、上述したような大量のデータ処理や記憶装置などは必要としない。
【0014】
前記送受信用アンテナは、丸棒状または矩形棒状の金属部材からなり、前記センサ電極は、前記送受信用アンテナの中心を基準として位置的に対称となる状態、または前記送受信用アンテナの両端部それぞれとの前記平面方向と直交する方向の離間距離が異なる状態で配置されている構成とされていてもよい。
【0015】
前記センサ電極は、例えば前記位置的に対称となる状態で配置されている場合、前記送受信用アンテナの磁界の影響が及ぶ範囲内に収まるように配置されている構成とされていてもよい。また、前記センサ電極は、例えば前記離間距離が異なる状態で配置されている場合、前記磁界の影響の受け方が大きい方の前記送受信用アンテナの端部と対応する部分の離間距離が、該送受信用アンテナの他の端部と対応する部分の離間距離よりも大きくなるように、所定位置に段差が設けられた状態で配置されている構成とされていてもよい。
【0016】
前記センサ電極は、リジッド基板上にパターン形成された導電体からなり、前記段差は、該リジッド基板の両面上にパターン形成された前記導電体間のギャップにより構成されていてもよい。また、前記センサ電極は、フレキシブルプリント基板またはメンブレン回路にパターン形成された導電体からなり、前記段差は、該フレキシブルプリント基板または該メンブレン回路を所定位置でクランク状に折り曲げることにより構成されていてもよい。
【0017】
この場合、前記段差は、前記フレキシブルプリント基板または前記メンブレン回路を所定位置でクランク状に折り曲げた上で、離間距離が大きい方の前記センサ電極と前記送受信用アンテナとの間に樹脂を充填することにより構成されていてもよい。
【0018】
前記ハウジングの内部における前記センサ電極と前記送受信用アンテナとの間に設けられ、該センサ電極の外部環境変化による静電容量変化を抑制するとともに、当該センサ電極と同等の電位またはグランド電位が与えられる補助電極をさらに備えた構成とされていてもよい。
【0019】
前記補助電極は、前記ハウジングの内部の前記ドア側壁面近傍に設けられ、前記センサ電極の周囲を取り囲むように配置されたシールド電極を含む構成とされていてもよい。
【0020】
前記センサ電極および前記補助電極は、同一のフレキシブルプリント基板に形成され、該フレキシブルプリント基板上に、前記検知回路が搭載されている構成とされていてもよい。また、前記センサ電極および前記補助電極の少なくとも一方には、溝が形成されている構成とされていてもよい。
【0021】
前記ハウジング内に設けられ、前記センサ電極による静電容量の検出状態を発光により報知する発光体をさらに備え、前記ハウジングの少なくとも一部は、透光性素材で形成されている構成とされていてもよい。
【発明の効果】
【0022】
以上のように本発明によれば、送受信用アンテナにより電波の送受信が行われた場合であっても、誤動作が生じるのを効果的に防止することができるとともに、安価に構成可能で複雑な前処理を不要とすることができる人体接近検出装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下に、添付の図面を参照して、本発明に係る人体接近検出装置の好ましい実施の形態を詳細に説明する。
【0024】
図1は、本発明の第1実施の形態に係る人体接近検出装置が搭載される自動車の車両用ドアハンドルの例を示す平面図、図2は図1のA−A’断面図、図3は同人体接近検出装置におけるセンサ電極と送受信用アンテナとの配置の例を示す斜視図である。この第1実施の形態に係る人体接近検出装置は、例えば自動車の車両用ドアの施錠および解錠を制御するシステムに用いられ、車両用ドアに設けられた車両用ドアハンドルへの人体の接近を検知するものである。
【0025】
第1実施の形態に係る人体接近検出装置は、主にセンサ部10と主回路部20とを備えて構成されている。センサ部10は、車両用ドアハンドル4を構成するハウジング6のドア2側の壁面6aに沿って長手方向(図2の紙面と直交する方向)に延びる矩形状(板状)のセンサ電極11を備えている。
【0026】
このように構成されたセンサ部10は、図2に示すように、例えば一枚のフレキシブルプリント基板(FPC)によって構成されており、センサ電極11は、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンテレフタレート(PEN)、ポリイミド(PI)、ポリアミド(PA)またはエポキシ樹脂などの各種の絶縁体からなる絶縁板14上にパターン形成された銅、銅合金またはアルミニウムなどの各種の導電体などから構成されている。なお、主回路部20は、センサ電極11の静電容量変化を検出するものであり、同様にこの絶縁板4上に搭載されていてもよいが、既存の検知回路を適用することができるので、この第1実施の形態においては、図示および説明を省略する。
【0027】
センサ電極11は、図3(a)に示すように、ここでは長方形状に形成されており、人体が接近することにより静電容量が変化するものであり、キーレスエントリーシステムの認証用送受信キーの送受信用アンテナ19と対向配置されている。この送受信用アンテナ19は、車両用ドアハンドル4のハウジング6内におけるドア2とは反対側の壁面6bの近傍かつセンサ電極11の平面方向と平行に設けられ、この壁面6bとセンサ電極11との間に配置される。この送受信用アンテナ19は、具体的には、ハウジング6の壁面6bに沿って長手方向に延びる矩形棒状の金属部材からなる。その他、送受信用アンテナ19は、丸棒状の金属部材により構成されてもよい。
【0028】
これらセンサ電極11と送受信用アンテナ19とは、センサ電極11が、送受信用アンテナ19に対して、この送受信用アンテナ19に発生する磁界の影響の受け方が対称となるように配置されている。すなわち、図3(a)に示した場合では、例えば送受信用アンテナ19の中心部P(例えば、長さ方向、幅方向および厚さ方向すべての中心となる位置)を基準とすると、センサ電極11は、位置的に対称(点対称)となる状態(すなわち、例えば、ある平面方向の左右前後の位置関係が対称となる状態)で配置されている。
【0029】
このため、第1実施の形態に係る人体接近検出装置は、送受信用アンテナ19により電波の送受信が行われた場合であっても、センサ電極11が受ける送受信用アンテナ19にて発生する磁界の影響に伴う渦電流の影響を、センサ電極11全体で打ち消し合い、結果的にセンサ電極11が検出する静電容量の変動を抑制することができる。これにより、誤動作が生じるのを効果的に防止することができ、安価に構成可能で複雑な前処理を不要とすることができる。
【0030】
なお、第1実施の形態に係る人体接近検出装置は、上述したように、センサ電極11が送受信用アンテナ19に発生する磁界の影響の受け方が対称となるように配置されればよいため、次のような位置関係で配置されてもよい。すなわち、図3(b)に示すように、例えばセンサ電極11が、送受信用アンテナ19の中心部Pを基準とした両端部19a,19bのいずれか一方の端部側に平面方向に偏って配置されている場合(ここでは、センサ電極の端部11bと送受信用アンテナ19の端部19bとが距離的に近い状態で配置されている場合)、換言すれば送受信用アンテナ19の両端部19,19bとそれぞれ平面方向と直交する方向の離間距離が異なる状態で配置されている場合は、センサ電極11の所定位置に段差15が設けられた状態で配置される。
【0031】
この場合、センサ電極11の段差15は、送受信用アンテナ19の磁界の影響の受け方が大きい方の端部19aと対応する端部11aの離間距離が、他の端部19bと対応する端部11bの離間距離よりも大きくなるように所定位置に形成されている。段差15は、例えば絶縁板14がリジッド基板からなる場合は、このリジッド基板の両面上にパターン形成されたセンサ電極11のリジッド基板を貫通する方向のギャップにより構成されればよく、絶縁板14がフレキシブルプリント基板やメンブレン回路からなる場合は、センサ電極11が形成された所定位置をクランク状に折り曲げて構成されればよい。
【0032】
なお、絶縁板14がフレキシブルプリント基板やメンブレン回路からなる場合においては、上述した段差15を形成した後に、送受信用アンテナ19との離間距離が大きい方のセンサ電極11上の空間に、樹脂材などを充填して段差15が形成された絶縁板14の形状を保つように構成してもよい。
【0033】
通常、送受信用アンテナ19の電波の出力は、端部19a,19bにおいて影響が特に強くなることから(図3(b)の場合は端部19a)、この端部19aと端部11aとの間に端部19bと端部11bとの間よりも広い空間を設けることで、センサ電極11にて受ける送受信用アンテナ19の磁界の影響を対称とすることが可能となり、図3(a)にて示した状態と同様の効果を発揮することができる。
【0034】
また、例えばセンサ電極11が、図3(a)に示したように送受信用アンテナ19の中心部Pを基準として位置的に対称となる状態で配置されており、かつ図3(c)に示すように、センサ電極11の面積が送受信用アンテナ19の対向面の面積よりも小さく形成されているときは、送受信用アンテナ19の磁界の影響が及ぶ範囲内にセンサ電極11が収まるように(すなわち、センサ電極11の両端部11a,11bが、それぞれ送受信用アンテナ19の両端部19a,19bよりも平面方向に中心部P寄りに配置され、かつ幅方向端部も平面方向に中心部P寄りに配置されるように)、配置されていてもよい。このような場合であっても、センサ電極11にて受ける送受信用アンテナ19の磁界の影響を対称とすることができる。
【0035】
さらに、図3(b)に示したように送受信用アンテナ19の中心部Pを基準とした両端部19a,19bのいずれか一方の端部側に偏ってセンサ電極11が配置されている場合は、磁界の影響の大きさを考慮して、例えば図3(d)に示すように、段差15を介して送受信用アンテナ19との離間距離が大きい方のセンサ電極11の表面に(ここでは、端部11a側の表面)、センサ電極11と同等の電位またはグランド電位が与えられる補助電極(シールド電極)12を形成してもよい。このような場合であっても、センサ電極11にて受ける送受信用アンテナ19の磁界の影響を対称とすることができる。
【0036】
このように、第1実施の形態に係る人体接近検出装置によれば、センサ電極11が受ける送受信用アンテナ19の磁界の影響をセンサ電極11の配置態様によりセンサ電極11全体で打ち消し合って、静電容量の変動を抑制することができる。これにより、誤動作が生じるのを効果的に防止して、さらに安価に構成可能で複雑な前処理を不要とすることができる。
【0037】
なお、キーレスエントリーシステムの基本的構造は、上述した特許文献1に記載されているため、ここでは説明を省略する。また、第1実施の形態に係る人体接近検出装置は、車両用ドアハンドル4のハウジング6のドア2側の壁面6aのセンサ領域に人体の手が存在しないときの静電容量と最大値との間の任意の閾値に静電容量が達したときをトリガとして、自動車のドア2の施錠および解錠を行うように構成されている。
【0038】
図4は、本発明の第2実施の形態に係る人体接近検出装置が搭載される自動車の車両用ドアハンドルの例を示す断面図、図5は同人体接近検出装置の電気的な概略構成の例を示す回路図である。なお、以降において、既に説明した部分と重複する箇所には同一の符号を付して説明を省略する。
【0039】
図4に示すように、第2実施の形態に係る人体接近検出装置は、例えばハウジング6の内部におけるセンサ電極11と送受信用アンテナ19との間に設けられ、センサ電極11の外部環境変化による静電容量変化を抑制するとともに、上述した補助電極12に含まれ、図5に示すように、このセンサ電極11と同等の電位が与えられる第1シールド電極12aおよびグランド電位が与えられる第2シールド電極13が配置されている点が、第1実施の形態の人体接近検出装置と相違している。
【0040】
すなわち、第1シールド電極12aは、壁面6a側の絶縁板14上のセンサ電極11形成箇所近傍においては、このセンサ電極11の周りを取り囲むロの字状に形成されており、送受信用アンテナ19との間においては、センサ電極11を覆うような長方形状に形成されている。また、第2シールド電極13は、センサ電極11上の第1シールド電極12aと送受信用アンテナ19との間に配置され、センサ電極11上の第1シールド電極12aよりも平面方向における長手方向とは異なる幅方向(図4の紙面における上下方向)に多少小さな長方形状に形成されている。
【0041】
なお、図4に示すように、ここではセンサ電極11上の第1シールド電極12aは、センサ電極11と同等の大きさで形成され、この第1シールド電極12a上の第2シールド電極13は、第1シールド電極12aよりも小さく形成されているが、これら第1シールド電極12aおよび第2シールド電極13は、送受信用アンテナ19よりも幅方向が大きくなるように形成されている。
【0042】
図5に示すように、この第2実施の形態に係る人体接近検出装置の主回路部20は、例えば次のように構成されている。すなわち、センサ電極11は、主回路部20の検知回路23の入力端に接続されている。また、センサ電極11は、演算増幅器からなるバッファ21の一方の入力端に接続されている。バッファ21の他方の入力端には、第1シールド電極12aが接続されるとともに、出力端に接続されている。
【0043】
バッファ21は、センサ電極11と第1シールド電極12aとを常に高インピーダンス状態を保ちつつ、同電位として両者間の充放電を防止する。センサ電極11からの出力信号は、検知回路23に入力されている。検知回路23は、センサ電極11と、第2シールド電極13、ドア2およびグランドとみなされる接近した人体との間の静電容量に応じて周波数またはデューティー比が変化するパルス信号を出力する。
【0044】
このパルス信号は、ローパスフィルタ(LPF)24に入力されている。LPF24は、検知回路23からのパルス信号を平滑化して検知信号を出力する。制御回路25は、LPF24からの検知信号を入力し、その信号レベルに応じて外部電気回路にスイッチ出力を行う。
【0045】
図6は、静電容量Cに応じてデューティー比が変化する検知回路23の構成の例を示す回路図である。検知回路23は、例えば、一定周期のトリガ信号TGを出力するトリガ信号発生回路231と、入力端に接続された静電容量Cの大きさによってデューティー比が変化するパルス信号Poを出力するタイマー回路232とを備えて構成されている。
【0046】
タイマー回路232は、例えば2つの比較器2321,2322と、これら比較器2321,2322の出力がそれぞれリセット端子Rおよびセット端子Sに入力されるRSフリップフロップ回路(以下、「RS−FF」と呼ぶ)2323と、このRS−FF2323の出力DIS(ディスチャージ信号)をLPF24に出力するバッファ2324と、RS−FF2323の出力DISでオン/オフ制御されるトランジスタ2325とを備えて構成されている。
【0047】
比較器2322は、トリガ信号発生回路231から出力される図7に示すようなトリガ信号TGを、抵抗R1,R2,R3によって分割された所定の閾値Vth2と比較して、トリガ信号TGに同期したセットパルスを出力する。このセットパルスはRS−FF2323のQ出力をセットする。
【0048】
このQ出力は、ディスチャージ信号DISとしてトランジスタ2325をオフ状態にし、センサ電極11およびグランドの間を、センサ電極11の対接地静電容量Cおよび入力端と電源ラインとの間に接続された抵抗R4による時定数で決まる速度で充電する。これにより、図7に示すように、入力信号Vinの電位が静電容量によって決まる速度で上昇する。
【0049】
そして、入力信号Vinが、抵抗R1,R2,R3により決まる閾値Vth1を超えたら、比較器2321の出力が反転してRS−FF2323の出力を反転させる。この結果、トランジスタ2325がオン状態となってセンサ電極11に蓄積された電荷がトランジスタ2325を介して放電される。
【0050】
したがって、このタイマー回路232は、図7に示すように、センサ電極11および第2シールド電極13間の静電容量に基づくデューティー比で発振するパルス信号Poを出力する。LPF24は、この出力を平滑化することにより、図7に示すような直流の検知信号Voutを出力する。
【0051】
なお、図7中、実線で示す波形と点線で示す波形は、前者が後者よりも静電容量が小さいことを示している。第2実施の形態に係る人体接近検出装置においては、例えば車両用ドアハンドル4のハウジング6のドア2側の壁面6aにおけるセンサ電極11のセンサ領域に人体の手などが近づくと、センサ電極11と第2シールド電極13およびドア2との間の静電容量に加えて、センサ電極11に対する人体をグランドとする容量結合が発生する。
【0052】
このため、検出されるセンサ電極11とグランドとの間の静電容量は大きくなる。したがって、図7の点線で示す波形は人体の近接状態を示している。そして、車両用ドアハンドル4のハウジング6のドア2側の壁面6aにおけるセンサ電極11のセンサ領域全体に人体の手が接触して完全に覆われた状態となると、検出されるセンサ電極11とグランドとの間の静電容量は最大値に達する。
【0053】
この第2実施の形態に係る人体接近検出装置も、第1実施の形態に係る人体接近検出装置と同様に、人体の手が存在しないときの静電容量と最大値との間の任意の閾値に静電容量が達したときをトリガとして、自動車のドア2の施錠および解錠を行うように構成されている。なお、この閾値は、車両用ドアハンドル4への人体の手のかけ方などによる静電容量の増加量から適切な値を演算などして決定し、人体接近検出装置に設定しておけばよい。
【0054】
第2実施の形態に係る人体接近検出装置は、第1実施の形態に係る人体接近検出装置と同様に、センサ電極11が送受信用アンテナ19に対して磁界の影響の受け方が対称となるように配置されていることを前提としつつ、ハウジング6内のセンサ電極11の周囲および対向位置にセンサ電極11と同等の電位の第1シールド電極12aを設けるとともに、この第1シールド電極12aと送受信用アンテナ19との間にグランド電位の第2シールド電極13を設けている。
【0055】
すなわち、センサ電極11に近い位置には、センサ電極11と同等の電位の第1シールド電極12aを配置し、送受信用アンテナ19に近い位置にはグランド電位の第2シールド電極13を配置している。このため、センサ電極11が受ける送受信用アンテナ19の磁界の影響による静電容量の変動が抑制された上で、センサ電極11と送受信用アンテナ19との間の静電容量が低下する。これにより、送受信用アンテナ19による電波の送受信による磁界および静電容量変化の影響を極力受けずに、接近する人体の検出感度を良好に保つことができる構成を実現し、送受信用アンテナ19により電波の送受信が行われた場合であっても、誤動作が生じるのを効果的に防止することができる。
【0056】
第2実施の形態に係る人体接近検出装置のこのような効果は、自車の近傍にある他車の送受信用アンテナにより電波の送受信が行われた場合にも有効である。また、このような構成にすることによって、人体接近検出装置を安価に構成することができ、データ処理などの複雑な前処理や新たな記憶装置などを不要とすることができる。
【0057】
図8は、本発明の第3実施の形態に係る人体接近検出装置が搭載される自動車の車両用ドアハンドルの例を示す断面図である。図8に示すように、第3実施の形態に係る人体接近検出装置は、上述した第2実施の形態に係る人体接近検出装置と同様の構造を備えているが、第2シールド電極13の幅方向の大きさが、第1シールド電極12aと同等(すなわち、センサ電極11とも同等)に形成されている点が相違している。その他の構成や効果は、第2実施の形態の人体接近検出装置と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0058】
図9は、本発明の第4実施の形態に係る人体接近検出装置が搭載される自動車の車両用ドアハンドルの例を示す断面図である。図9に示すように、第4実施の形態に係る人体接近検出装置は、第2実施の形態および第3実施の形態に係る人体接近検出装置と同様の構成を備えているが、センサ電極11上に、第2シールド電極13が配置され、この第2シールド電極13と送受信用アンテナ19との間に、第1シールド電極12aが配置されている点が相違している。
【0059】
そして、この第4実施の形態に係る人体接近検出装置は、センサ電極11上の第2シールド電極13の幅方向の大きさが、送受信用アンテナ19の幅方向の大きさより小さく、かつこの第2シールド電極13と送受信用アンテナ19との間の第1シールド電極12aの幅方向の大きさが、送受信用アンテナ19の幅方向の大きさよりも大きくなるように構成されている。その他の構成や効果は、第2実施の形態および第3実施の形態の人体接近検出装置と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0060】
図10は、本発明の第5実施の形態に係る人体接近検出装置が搭載される自動車の車両用ドアハンドルの例を示す断面図である。図10に示すように、第5実施の形態に係る人体接近検出装置は、センサ電極11の周囲およびセンサ電極11上に第1シールド電極12aが配置され、センサ電極11上の第1シールド電極12aの周囲に第2シールド電極が配置されている点が第2〜第4実施の形態の人体接近検出装置と相違している。
【0061】
この第5実施の形態に係る人体接近検出装置は、センサ電極11上の第1シールド電極12aおよびこの第1シールド電極12aの周囲の第2シールド電極13の幅方向の大きさは、それぞれ送受信用アンテナ19の幅方向の大きさよりも小さくなるように構成されている。その他の構成や効果は、第2〜第4実施の形態の人体接近検出装置と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0062】
図11は、本発明の第6実施の形態に係る人体接近検出装置が搭載される自動車の車両用ドアハンドルの例を示す断面図である。図11に示すように、第6実施の形態に係る人体接近検出装置は、センサ電極11の周囲およびセンサ電極11上に第1シールド電極12aのみが配置されている点が第2〜第5実施の形態の人体接近検出装置と相違している。
【0063】
この第6実施の形態に係る人体接近検出装置は、センサ電極11上の第1シールド電極12aの幅方向の大きさがセンサ電極11の幅方向の大きさと同等であるとともに、送受信用アンテナ19の幅方向の大きさよりも大きくなるように構成されている。この場合、センサ電極11上の第1シールド電極12aは、センサ電極11と同等の電位あるいはグランド電位が与えられるように構成されるとよい。その他の構成や効果は、第2〜第5実施の形態の人体接近検出装置と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0064】
なお、上述した第2〜第6実施の形態に係る人体接近検出装置では、第1シールド電極12aは、必ずしも絶縁板14におけるセンサ電極11と同一面上に設けられている必要はなく、ハウジング6のドア2側の壁面6aにおけるセンサ電極11の対応する位置の周囲において、センサ電極11と同等の電位(またはグランド電位)を生じさせるものであれば、異なる平面上に設けられていてもよい。
【0065】
また、センサ電極11に対応する位置の周囲とは、センサ電極11の近傍だけでなく、車両用ドアハンドル4とドア2との接続部など、車両用ドアハンドル4のハウジング6を介したセンサ電極11とドア2との間の空間的位置も含まれる。また、図示は省略するが、上述した人体接近検出装置(第1〜第6実施の形態に係る人体接近検出装置のすべてあるいは一部)において、センサ電極11、第1シールド電極12aおよび第2シールド電極13のそれぞれに、例えば長手方向に延びる溝を形成するようにしてもよい。
【0066】
この溝は、例えば各電極11,12a,13の長手方向に延びるパターンをそれぞれ長手方向に折り返すことによって形成され、各溝の幅は、各電極11,12a,13の長手方向に延びるパターンの幅と同一またはそれよりも短く形成されればよい。
【0067】
すなわち、送受信用アンテナ19は、一般的にバーアンテナと呼ばれるフェライトに巻き線を巻いた構造からなり、コンデンサと直列共振回路を構成して駆動するので、送受信用アンテナ19からの出力によって、各電極11,12a,13の一部またはすべてから渦電流が発生し、送受信用アンテナ19の磁界の影響の受け方が対称となるように配置したにもかかわらず、送受信用アンテナ19からの出力が低下したり、またはそのインピーダンスにより回路の共振周波数が変化して特性が劣化してしまうことがある。
【0068】
しかしながら、上述したような溝を各電極11,12a,13に設けることによって、各電極11,12a,13から発生する渦電流を減少させることができるようになる。また、溝の幅を各電極11,12a,13の長手方向に延びるパターンの幅と同一またはそれよりも短く形成することで、各溝の電位は周囲と同じになり、各電極11,12a,13の効果が低減することを防止することができる。なお、このような溝は、各電極11,12a,13のすべてに形成する必要はなく、そのパターンも折り返すのではなく長手方向に延びる櫛歯状に形成するようにしてもよい。
【0069】
また、上述した人体接近検出装置は、キーレスエントリーシステムに用いられる発振回路を主回路部20に含めてFPCの絶縁板14上に形成するようにしてもよく、車両用ドアハンドル4のハウジング6内に、LEDやELなどの発光体を設けて、自動車のドア2の施錠および解錠のトリガとなる静電容量の検出の際に、この検出状態を報知するためにLEDやELなどの発光体を発光させるように構成してもよい。
【0070】
この場合は、少なくとも車両用ドアハンドル4のハウジング6の一部、すなわち光を外部に出したい部分を透光性の部材で構成する必要がある。また、この部分にセンサ電極11などを配置する場合は、絶縁板14として透光性を有するものを使用し、その絶縁板14上に透光性導電材料を塗布などすることによってセンサ電極11などのパターンを形成すればよい。なお、透光性導電材料としては、例えばITO(酸化インジウムスズ)、ZnO(酸化亜鉛)、導電性ポリマー(PEDOT/PSS)などを用いればよい。
【0071】
また、上述した人体接近検出装置では、静電容量を検知する検知回路23として、抵抗とコンデンサの時定数によって出力パルスのデューティー比が変化する周知のタイマー回路(タイマーIC)を利用する構成のものを説明したが、これに限定されるものではない。すなわち、例えば直接インピーダンスを測定する方法、発振回路を構成して発振周波数を測定する方法、RC充放電回路を構成して充放電時間を計測する方法、既知の電圧で充電した電荷を既知の容量に移動してその電圧を測定する方法、または電荷の移動を複数回行い既知容量に所定電圧が充電されるまでの回数を測定する方法など、各種の方法があり、検出した静電容量に閾値を設け、または静電容量の信号波形を解析して該当する静電容量の波形になったときをトリガとするなどの各種の処理を行ってもよい。
【0072】
さらに、上述した人体接近検出装置では、演算増幅器のボルテージフォロワによりバッファ21を構成し、センサ電極11と第1シールド電極12aとをこれらバッファ21を介して接続しているが、このようなボルテージフォロワでなくても、例えば1倍の増幅器で高入力インピーダンス低出力インピーダンスであればよく、このときに使用する演算増幅器は、高速(低遅延時間)、高スルーレートの特性を有することが好ましい。
【0073】
また、センサ電極11への印加電圧をA/Dコンバータで取り込み、同じ電圧をD/Aコンバータで出力して、それを第1シールド電極12aに接続する方法であってもよい。そして、検知回路23からセンサ電極11への印加電圧は、演算増幅器の非反転入力に接続し、反転入力をセンサ電極11に接続し、さらに第1シールド電極12aには非反転入力を直接接続してドライブするようにしてもよい。また、センサ電極11へ加える信号と同一周期の矩形波(ディジタル信号)を第1シールド電極12aに加えても、同電位に近い効果が得られることは言うまでもない。
【0074】
以上述べたように、本発明に係る人体接近検出装置によれば、車両用ドアハンドル4のハウジング6内に設けられた送受信用アンテナ19により電波が送受信されたり、自車の近傍にある他車の送受信用アンテナにより電波が送受信された場合であっても、センサ電極11が送受信用アンテナ19に対して磁界の影響の受け方が対称となる状態で配置されているため、センサ電極11の静電容量変化が抑制される。
【0075】
このため、ドア2の施錠や解錠に際しての誤動作が生じるのを効果的に防止することができるとともに、簡単な構成で誤動作を防止することができるので、大量のデータ処理や記憶装置などを必要とせず、安価に人体接近検出装置を構成することが可能となる。
【0076】
また、上述した構成とともに、第1シールド電極12aや第2シールド電極13などの補助電極12を設けることによって、さらにセンサ電極11の静電容量変化を抑制することもできるので、ドア2の施錠や解錠に際しての誤動作が生じるのを確実に防止することができる。
【0077】
さらに、上述した人体接近検出装置は、自動車などの車両に設けられた車両用ドアハンドル4にてドア2の施錠および解錠を制御する場合に適用したものを例に挙げて説明したが、建物などの施設に設けられたドアの施錠および解錠を制御する場合にも同様に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の第1実施の形態に係る人体接近検出装置が搭載される自動車の車両用ドアハンドルの例を示す平面図である。
【図2】図1のA−A’断面図である。
【図3】同人体接近検出装置におけるセンサ電極と送受信用アンテナとの配置の例を示す斜視図である。
【図4】本発明の第2実施の形態に係る人体接近検出装置が搭載される自動車の車両用ドアハンドルの例を示す断面図である。
【図5】同人体接近検出装置の電気的な概略構成の例を示す回路図である。
【図6】同人体接近検出装置の検知回路の構成の例を示す回路図である。
【図7】同人体接近検出装置の動作の例を示す波形図である。
【図8】本発明の第3実施の形態に係る人体接近検出装置が搭載される自動車の車両用ドアハンドルの例を示す断面図である。
【図9】本発明の第4実施の形態に係る人体接近検出装置が搭載される自動車の車両用ドアハンドルの例を示す断面図である。
【図10】本発明の第5実施の形態に係る人体接近検出装置が搭載される自動車の車両用ドアハンドルの例を示す断面図である。
【図11】本発明の第6実施の形態に係る人体接近検出装置が搭載される自動車の車両用ドアハンドルの例を示す断面図である。
【図12】従来の人体接近検出装置が搭載される自動車の車両用ドアハンドルの平面図である。
【図13】従来の人体接近検出装置における磁界の影響を表すための説明図である。
【符号の説明】
【0079】
2…ドア、4…車両用ドアハンドル、6…ハウジング、6a,6b…壁面、10…センサ部、11…センサ電極、12a…第1シールド電極、13…第2シールド電極、14…絶縁板、15…段差、19…送受信用アンテナ、20…主回路部、21…バッファ、23…検知回路、24…LPF、25…制御回路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドアに取り付けられたドアハンドルのハウジングの内部におけるドア側壁面近傍に設けられ、人体が接近することにより静電容量が変化する板状のセンサ電極と、
前記センサ電極の静電容量変化を検出する検知回路と、
前記ハウジングの内部の前記ドアとは反対側の壁面近傍かつ前記センサ電極の平面方向に対して平行に設けられ、キーレスエントリーシステムに用いられる認証用送受信キーの送受信用アンテナとを備え、
前記センサ電極は、前記送受信用アンテナの平面方向の中心に対して、該送受信用アンテナに発生する磁界の影響の受け方が対称となるように配置されている
ことを特徴とする人体接近検出装置。
【請求項2】
前記送受信用アンテナは、丸棒状または矩形棒状の金属部材からなり、
前記センサ電極は、前記送受信用アンテナの中心を基準として位置的に対称となる状態、または前記送受信用アンテナの両端部それぞれとの前記平面方向と直交する方向の離間距離が異なる状態で配置されていることを特徴とする請求項1記載の人体接近検出装置。
【請求項3】
前記センサ電極は、前記位置的に対称となる状態で配置されている場合、前記送受信用アンテナの磁界の影響が及ぶ範囲内に収まるように配置されていることを特徴とする請求項2記載の人体接近検出装置。
【請求項4】
前記センサ電極は、前記離間距離が異なる状態で配置されている場合、前記磁界の影響の受け方が大きい方の前記送受信用アンテナの端部と対応する部分の離間距離が、該送受信用アンテナの他の端部と対応する部分の離間距離よりも大きくなるように、所定位置に段差が設けられた状態で配置されていることを特徴とする請求項2記載の人体接近検出装置。
【請求項5】
前記センサ電極は、リジッド基板上にパターン形成された導電体からなり、
前記段差は、該リジッド基板の両面上にパターン形成された前記導電体間のギャップにより構成されていることを特徴とする請求項4記載の人体接近検出装置。
【請求項6】
前記センサ電極は、フレキシブルプリント基板またはメンブレン回路にパターン形成された導電体からなり、
前記段差は、該フレキシブルプリント基板または該メンブレン回路を所定位置でクランク状に折り曲げることにより構成されていることを特徴とする請求項4記載の人体接近検出装置。
【請求項7】
前記段差は、前記フレキシブルプリント基板または前記メンブレン回路を所定位置でクランク状に折り曲げた上で、離間距離が大きい方の前記センサ電極と前記送受信用アンテナとの間に樹脂を充填することにより構成されていることを特徴とする請求項6記載の人体接近検出装置。
【請求項8】
前記ハウジングの内部における前記センサ電極と前記送受信用アンテナとの間に設けられ、該センサ電極の外部環境変化による静電容量変化を抑制するとともに、当該センサ電極と同等の電位またはグランド電位が与えられる補助電極をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載の人体接近検出装置。
【請求項9】
前記補助電極は、前記ハウジングの内部の前記ドア側壁面近傍に設けられ、前記センサ電極の周囲を取り囲むように配置されたシールド電極を含むことを特徴とする請求項8記載の人体接近検出装置。
【請求項10】
前記センサ電極および前記補助電極は、同一のフレキシブルプリント基板に形成され、
該フレキシブルプリント基板上に、前記検知回路が搭載されていることを特徴とする請求項8または9記載の人体接近検出装置。
【請求項11】
前記センサ電極および前記補助電極の少なくとも一方には、溝が形成されていることを特徴とする請求項8〜10のいずれか1項記載の人体接近検出装置。
【請求項12】
前記ハウジング内に設けられ、前記センサ電極による静電容量の検出状態を発光により報知する発光体をさらに備え、
前記ハウジングの少なくとも一部は、透光性素材で形成されていることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項記載の人体接近検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−32570(P2009−32570A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−196224(P2007−196224)
【出願日】平成19年7月27日(2007.7.27)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【Fターム(参考)】