説明

人力によるマッサージ器

【課題】従来技術では、電気動力が必要であったり、人力でも上下方向の揉みほぐしができず、また、専用の椅子が必要であり、可搬性及び収納性に欠けていた。
【解決手段】ペダルを先端に有する梃子を支点を介して梃子の後端に下端が回動可能に連結された棹を取り付け、棹の上方をガイドするガイド部材と、棹に取り付けたマッサージローラと、棹を引き下ろすためのゴムバンドとを市販の折りたたみ椅子に着脱可能に設置し、ペダルを足で踏む力を梃子を介して棹を上下動させ、棹に取り付けたマッサージローラが上下動することで腰や背中、足の裏を同時に効果的に押し揉むことができ、可搬性、収納性、汎用性を持つ人力によるマッサージ器を考案した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、人力によるマッサージ器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のマッサージ椅子は電気動力により、腰部、背中部、足部、腕部などを揉む椅子が実用化されており、また、人力によるマッサージ椅子としては、下記特許の足踏みにより背もたれ棹を回動させて腰部、背中部及び肩部を揉みほぐす機構のものがある。
【特許文献1】特許第3115568号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、以上の技術によれば、電気動力によるマッサージ椅子は電源を要し、構造が大きく、重いため使用場所は限られていた。また、上記特許における足踏み式マッサージ椅子は、突起体が装着された棹が回動する構造であり、腰部や背中部を揉みほぐす部位は、上下方向については突起体が装着された位置に限定されていた。また、上記の足踏み式マッサージ椅子は、構造が複雑であり、椅子部も回動する背もたれ棹機構を有する専用のものが必要であり、折りたたみ機構もないことから可搬性、収納性、汎用性に欠けていた。さらに、上記の足踏み式マッサージ椅子の足型の板状ペダルは、足先部分を軸に踵部で踏み込む構造であり、足裏をマッサージするための圧力が踵部に集中してしまっていた。そこで、この発明は、人力により、腰部や背中部に対して上下方向に揉みほぐすことができ、足裏へのマッサージ刺激も効果的にでき、市販されている背もたれが布製などの折りたたみ椅子に取り付け、動力が不要で場所を選ばずに人力によるマッサージ機能を得ることができる可搬性、収納性、汎用性に優れたマッサージ器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
以上の課題を解決するために、第一発明は、ペダルと、このペダルを先端に有する梃子と、この梃子を支える支点と、支点を通る軸と、軸を介して梃子を保持する台座と、梃子の後端に下端が回動可能に連結された上下動する棹と、棹の上方をガイドするガイド部材と、棹に取り付けたマッサージローラと、棹を引き下ろすためのゴムバンドと、背もたれ部が布、または天然皮革、または合成皮革、または樹脂製シートでできた折りたたみ椅子からなり、電気等の動力を用いず、アーチ型もしくは横に倒した円筒型のペダルを裸足で上下に踏むことにより圧力を集中し、任意の足裏部位への効果的なマッサージ効果を得るとともに、梃子の先端に取り付けられたペダルを力点として上下させるのに対し、梃子の中間に取り付けられた支点を介して梃子の後端の作用点に回動可能に取り付けられた棹が上下し、棹に取り付けられたマッサージローラが折りたたみ椅子の布等からなる背もたれをはさんで腰から背中のツボを押しながら上下することにより、上下方向の位置を固定することなくマッサージ効果を得ることを特徴とするマッサージ器である。
また、第二発明は、前記の折りたたみ椅子の脚部に対して、前記の梃子を支点を介して保持する台座と、ゴムバンドとが着脱可能な機構を有し、背もたれ枠パイプに対してガイド部材が着脱可能な機構を有することを特徴とする請求項1記載の人力によるマッサージ器であり、マッサージ器と折りたたみ椅子を分離し、折りたたんで別々に運搬できる可搬性を持ち、折りたたみ椅子とマッサージ器を折りたたんで場所を取らずに保管できる収納性を持ち、専用の椅子でなく市販の背もたれが布製などの折りたたみ椅子に取り付けてマッサージ効果が得られるという汎用性を持つことを特徴とするマッサージ器である。
【発明の効果】
【0005】
第一発明、または第二発明によれば、持ち運ぶことができ、収納時も場所を取らずに保管でき、背もたれが布製などの市販の折りたたみ椅子に取り付け、屋内、屋外でも場所を問わずに、座って足裏の任意の部位でペダルを踏んで上下させることにより足の裏のマッサージと腰・背中への上下方向へのマッサージを同時に効果的に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
図1は、この発明のマッサージ器本体(a)を示し、図2は、マッサージ器を折りたたみ椅子(b)に取り付けた状態の斜視図、図3はその側面図、図4はガイド部材(c)を背もたれ枠パイプ(14)に取り付ける取り付け具(13)の斜視図である。
【0007】
支点を介して梃子(2)を支持するため、本体の台座(9)に側板(11)2枚を立てて固定し、その両側板に穴を設け、支点となる棒(3)を貫通させる。その前部には前方への加重を支えるための補助台座(10)を設置する。そして、折りたたみ椅子(b)の前脚部の構造に合わせ、横にパイプが通っている場合は、台座(9)と補助台座(11)の間の間隙部に横パイプを挟み込んで設置し、折りたたみ椅子とマッサージ器本体(a)を固定する。また、折りたたみ椅子(b)の脚の構造が縦脚4本の場合は、前脚2本の下部にフックなどの取り付け具によりマッサージ器本体(a)を設置する。
【0008】
可動部は、梃子(2)の一方に足で踏むアーチ型もしくは横に倒した円筒型のペダル(1)が取り付けられ、梃子の力点となる。もう一方の作用点となる反対側には回動可能な継ぎ手(4)を介して上下動する棹(5)が取り付けられている。そして、梃子(2)の途中の支点となる部位に穴があり、そこに台座・側板と連結するために支点を通る軸(3)が通され貫通している。そして、これらは右部と左部が対称で一対となっている。また、ペダル(1)の上部の足の裏面にあたる部位には、小指の先大の突起物を複数設けても良い。
【0009】
上下動する棹(5)の途中には腰から背中のツボを押し揉むためのマッサージローラ(8)が取り付けられている。この状態で、ペダル(1)を上下させることにより、梃子の原理により、上下動する棹(5)及びマッサージローラ(8)が連動して下から上へと動く。
【0010】
上下動する棹(5)の上部には上下動する棹(5)を折りたたみ椅子(b)の背もたれ部(15)に押し付けるとともに左右方向の位置を固定するためのガイド部材(c)が取り付けられる。ガイド部材(c)は、ガイドローラの軸(6)に対しガイドローラ(7)が回転する構造を有し、上下動する棹(5)が上下するのに、つれ回りし、その上下方向の運動を円滑にするとともに支えている。ガイドローラの軸(6)は折りたたみ椅子(b)の背もたれの枠パイプ(14)に蝶ネジ機構などを有する取り付け具(13)とステー(12)により固定されており、背もたれ(15)と上下動する棹(5)及びマッサージローラ(8)との間隔を一定にたもっている。
【0011】
上下動する棹(5)は、その途中にゴムバンド(16)が取り付けられ、ゴムバンドの先は折りたたみ椅子(b)の後脚(17)に固定する。これにより、上下動する棹(5)はペダル(1)に踏みおろす力が加わらない場合は下方向に引き下げられる。それに伴い、ペダル(1)は上方向に持ち上げられる。
【0012】
マッサージ器本体(a)とガイド部材(c)は、折りたたみ椅子(b)との着脱が容易にでき、外した状態ではマッサージ器(a)も折りたたみ椅子(b)も別々にたたんでの保管や運搬ができる。また、折りたたみ椅子(b)は通常の単独での使用も可能である。
【0013】
「実施形態の効果」
この実施形態によれば、持ち運ぶことができ、収納時も場所を取らずに保管でき、背もたれが布製などの市販の折りたたみ椅子に取り付け、屋内、屋外でも場所を問わず、座って足裏の任意の部位でペダルを踏み、上下させることにより足の裏のマッサージと腰・背中への上下方向へのマッサージを同時に効果的に行うことができる。
【0014】
「他の実施形態」
図2の実施形態では、折りたたみ椅子(b)は前脚部2本と後脚部2本が横パイプでつなげられている構造であるが、他の実施形態では、脚それぞれが独立した4本構造のもので、マッサージ器本体(a)が前脚部もしくは折りたたみ椅子本体に取り付けられ、上下動する棹(5)を下方向に引っ張るゴムバンド(16)が後脚部もしくは折りたたみ椅子本体に取り付けられるものでも良い。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】この発明の一実施形態のうちマッサージ器本体を示す斜視図である。
【図2】この発明の一実施形態であり、折りたたみ椅子にマッサージ器本体を取り付けた状態を示す斜視図である。
【図3】この発明の一実施形態であり、折りたたみ椅子にマッサージ器本体を取り付けた図2の状態の側面図である。
【図4】この発明の一実施形態であり、折りたたみ椅子の背もたれ枠パイプにガイド部材をステーを介し、取り付け具で取り付けた状態の斜視図である。
【符号の説明】
【0016】
a マッサージ器本体(下記1〜5)
b 折りたたみ椅子
c ガイド部材(下記6、7)
1 ペダル 2 梃子
3 支点を通る軸 4 回動可能な継ぎ手
5 上下動する棹 6 ガイドローラの軸
7 ガイドローラ 8 マッサージローラ
9 台座 10 補助台座
11 側板 12 ステー
13 取り付け具 14 背もたれ枠パイプ
15 背もたれ(布等) 16 ゴムバンド
17 後脚

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペダルと、このペダルを先端に有する梃子と、この梃子を支える支点と、支点を通る軸と、軸を介して梃子を保持する台座と、梃子の後端に下端が回動可能に連結された上下動する棹と、棹の上方をガイドするガイド部材と、棹に取り付けたマッサージローラと、棹を引き下ろすためのゴムバンドと、背もたれ部が布、または天然皮革、または合成皮革、または樹脂製シートでできた折りたたみ椅子からなり、ペダルを足で踏む力を梃子を介して棹を上下動させ、棹に取り付けたマッサージローラが上下動することで腰や背中を押し揉むことを特徴とする人力によるマッサージ器。
【請求項2】
前記の折りたたみ椅子の脚部に対して、前記の梃子を支点を介して保持する台座と、ゴムバンドとが着脱可能な機構を有し、背もたれ枠パイプに対してガイド部材が着脱可能な機構を有することを特徴とする請求項1記載の人力によるマッサージ器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−229242(P2008−229242A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−76866(P2007−76866)
【出願日】平成19年3月23日(2007.3.23)
【特許番号】特許第4116664号(P4116664)
【特許公報発行日】平成20年7月9日(2008.7.9)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第3項適用申請有り 〔博覧会名〕 1 全日本学生児童発明くふう展 2 東京都児童生徒発明くふう展 3 北区小・中学校アイディア工夫展〔主催者名〕 1 社団法人発明協会、毎日新聞 2 東京都 3 北区青少年委員会、北区小・中学生アイディア工夫展実行委員会〔開催期間〕 1 平成19年3月6日〜3月11日 2 平成18年11月23日〜27日 3 平成18年9月30日〜10月1日
【出願人】(507095987)
【Fターム(参考)】