説明

介護支援システム

【課題】24時間介護は必要ではないが、緊急時には介護支援が必要な在宅高齢者などの安否確認を簡単に確実に行い、緊急時には、すばやく確実に介護者を出向かせることを可能とする介護支援システム及び装置を得ること。
【解決手段】被介護者の居室に設置された端末装置は、接続された安否確認ボタンの操作情報を通信回線を介して、介護支援センタのセンタサーバ装置へメールとして発信する。センタサーバ装置は、受信した確認ボタンの操作内容のメールを解析し、支援要請の要否を判断し、支援が必要なときは、あらかじめ登録されている介護者の携帯端末へ、介護支援要請のメールを発信し、介護支援要請をおこなう。介護支援可能な介護者は、応諾のメールをセンタサーバ装置へ発信し、応諾のメールを受信したセンタサーバ装置は、応諾済みのメールを他の携帯端末へ発信するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被介護者である高齢者等の安否確認を伴う介護の現場において、被介護者の生活の場に設置した端末装置と確認入力手段により、被介護者の安否を遠隔地において確認をするものである。一方、被介護者が、介護者の支援を緊急に必要とする場合は、確認入力手段を操作することにより、センタ装置により、介護者をメールで呼び出し、被介護者の部屋に向かわせる介護支援に関するシステム及びその装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、高齢者の生活の場において、普段の生活は介護を必要とせず生活をしている人に於いても、いつ何時倒れ、緊急事態が発生するかわからない。また、介護が必要な人であっても、自宅などで、生活している人は多い。自宅などで生活している人の大部分は、24時間介護を必要としてはいないが、緊急時には、誰か駆けつけてくれる人が必要な場合が多い。従って、緊急時に、押しボタンなどを押すことにより、電話回線などを利用して、特定の連絡先へ通報され担当の者が駆けつけるようにしている。このとき、通報先が不在の場合は対応できない。さらに、連絡先不在を防ぐために、警備会社が業務を請け負う場合も多いが、利用に際し、その都度、料金が発生する場合も有り、そうした場合は利用をためらうことも多い。さらに、緊急時には、自ら連絡が取れない場合が多い。このような場合を想定して、定期的に訪問したり、電話連絡を取ったりと様々な安否確認の方法が考えられ、取られているが十分とはいえない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
解決しようとする課題は、介護を受ける立場からは、自身の居室にいて簡単に、自己の安否を外部に知らせることである。緊急時には、自己で連絡ができる場合は、確実に連絡が取れ、自己で連絡が取れない場合は、速やかに発見し、駆けつけれくれる装置、システムを安価に得ることである。
【0004】
一方、介護支援する立場からは、被介護者の安否確認が容易にでき、緊急時には、確実に発見し、駆けつけることができる装置、システムを安価に得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明の介護支援システムは、被介護者が居住する各部屋に設置された確認入力手段と確認入力手段に接続され通信回線に接続された端末装置と、被介護者を支援する介護支援センタに設置された通信回線に接続されたセンタサーバ装置と、被介護者を介護支援する複数の介護者が各々携帯する通信回線に接続可能な携帯端末とを備える。
【0006】
端末装置は、確認入力手段の操作内容を記憶する操作記憶部と、確認入力手段の操作内容が、緊急支援要請の場合は、センタサーバ装置へ、通信回線を介して緊急支援要請である確認入力手段の操作内容をメールとして発信する緊急メール発信手段とを有し、センタサーバ装置のサーバ記憶手段は、確認入力手段の操作情報と操作情報の意味との対応表である操作対応表を記憶した操作対応表記憶部と、各部屋に設置された端末装置に設定された個別認識符号、端末装置の所在地、被介護者情報から成る端末装置情報を記憶した端末装置情報記憶部と、介護者の有する携帯端末のメールアドレスを記憶したメールアドレス記憶部とを有し、センタサーバ装置は、確認入力手段の操作情報を収集する操作情報収集手段と、端末装置からメール送信された確認入力手段の操作情報または収集した確認入力手段の操作情報を解析し、操作対応表に従い、操作情報が、支援要請か否かを判断する操作情報解析手段と、操作情報解析手段により、操作情報が支援要請と判断された場合には、記憶された携帯端末のメールアドレスに支援要請メールを送信する支援要請メール発信手段とを有することを特徴とする。
ここで、操作情報収集手段は、端末装置から、自発的に、メール送信されてくる確認入力手段の操作情報を収集する手段でも良い。また、操作情報収集手段は、センタサーバ装置が端末装置情報に従い端末装置をポーリングし、端末装置は、センタサーバ装置からポーリングされた時に、記憶されている確認入力手段の操作情報を送信し、この確認入力手段の操作情報を収集するポーリング要請手段で構成しても良い。
【0007】
さらに、請求項2の発明の介護支援システムは、請求項1の介護支援システムにおいて、センタサーバ装置は、支援要請メールを受信した携帯端末から支援要請に応答可能である旨のメールを受信するメール受信手段と、応答した携帯端末以外の複数の携帯端末に応答済みである旨のメールを発信する応答済みメール発信手段とを有することを特徴とする。
【0008】
さらに、請求項3の発明の端末装置は、請求項1又は請求項2に記載の介護支援システムに用いられる端末装置であって、確認入力手段と、確認入力手段の操作内容を記憶する操作記憶部を有する記憶手段と、通信回線と接続する接続手段と、確認入力手段の操作内容が緊急支援要請であるか否かを判断し、緊急支援要請であった場合、操作情報をセンタサーバ装置に通信回線を介してメールとして送信する緊急メール発信手段と、記憶された操作記憶情報をセンタサーバ装置からのポーリングによりセンタサーバ装置に送信する情報送信手段とを有することを特徴とする。
【0009】
さらに、請求項4の発明のセンタ装置は、請求項1又は請求項2に記載の介護支援システムに用いられるセンタサーバ装置であって、確認入力手段の操作情報と操作情報の意味との対応表である操作対応表を記憶した操作対応表記憶部と、各部屋に設置された端末装置に設定された個別認識符号、端末装置の所在地、被介護者情報から成る端末装置情報を記憶した端末装置情報記憶部と、介護者の有する携帯端末のメールアドレスを記憶したメールアドレス記憶部と、確認入力手段の操作情報を収集する操作情報収集手段と、端末装置からメール送信された確認入力手段の操作情報または収集した確認入力手段の操作情報を解析し、操作対応表に従い、操作情報が、支援要請か否かを判断する操作情報解析手段と、操作情報解析手段により、操作情報が支援要請と判断された場合には、記憶された携帯端末のメールアドレスに支援要請メールを送信する支援要請メール発信手段とを有することを特徴とする。
【0010】
ここで、操作情報収集手段は、端末装置から、自発的に、メール送信されてくる確認入力手段の操作情報を収集する手段でも良い。また、操作情報収集手段は、センタサーバ装置が端末装置情報に従い端末装置をポーリングし、端末装置は、センタサーバ装置からポーリングされた時に、記憶されている確認入力手段の操作情報を送信し、この確認入力手段の操作情報を収集するポーリング要請手段で構成しても良い。
【発明の効果】
【0011】
本発明の介護支援システムは、被介護者が居住する各部屋に確認入力手段を設置し、確認入力手段に接続された端末装置の操作記憶部に、確認入力手段の操作情報が記憶され、端末装置に接続された通信回線を介して、被介護者が操作した確認入力手段の情報が、被介護者を支援する介護支援センタに設置されたセンタサーバ装置に収集される。被介護者の安否情報である確認入力手段の操作情報を介護支援センタにおいて収集できるようにした。さらに、確認入力手段の操作内容と、その意味の対応表である操作対応表をセンタサーバ装置に記憶させ、操作情報解析手段により、支援要請か否かを判断することができるようになり、被介護者と直接話をしなくても、センタサーバ装置において、支援要請か否かが分かるようになる。ここで、確認入力手段の操作内容が、介護支援の要請であれば、センタサーバ装置は、あらかじめメールアドレス記憶部に登録し記憶されている複数の介護支援者の携帯端末のメールアドレスへ介護支援の要請である旨のメールを発信することができるようになる。
【0012】
さらに、確認入力手段の操作内容が、緊急支援の要請の場合は、端末装置は、緊急メール発信手段により、確認入力手段の操作情報をメールとしてセンタサーバ装置へ発信できるようにしたので、緊急時の連絡も速やかに可能となる。さらに、センタサーバ装置では、確認入力手段の操作情報をメール受信すると、あらかじめ記憶されている操作対応表に従い、確認入力手段の操作情報を解析するので、その操作内容が、緊急支援であれば、あらかじめ登録されている複数の介護者の携帯端末のメールアドレスにに緊急支援要請のメールを発信するようにした。これにより、緊急時にも、すばやく介護者へ支援要請の連絡を取ることが可能となる。緊急支援要請のメールには、例えば、端末装置情報より、介護を必要としている人の情報を含めることにより、介護支援センタと連絡を取らなくても、どこに向かったら良いか、連絡することができる。さらに、連絡をメール発信により行うことにより、携帯端末として、携帯電話を利用することが可能となる。これにより、特別な携帯端末を用意しなくても、介護者へ連絡をすることが可能となる。
【0013】
さらに、請求項2の発明によれば、請求項1の介護支援システムにおいて、支援要請メールを受信した携帯端末において、支援要請に応答可能である旨のメールがセンタに発信された場合、センタサーバ装置は、応答した携帯端末以外の複数の携帯端末に応答済みである旨のメールを発信するようにしたので、応答した携帯端末以外の携帯端末を有する複数の介護者に応答済みであることを通知することが可能となる。これにより、他の介護者が重複して支援に出向くことを防止することが可能となる。
【0014】
さらに、請求項3の発明の端末装置は、請求項1又は請求項2に記載の介護支援システムに用いられる端末装置であって、確認入力手段と、確認入力手段の操作内容を記憶する操作記憶手段と、通信回線と接続する手段と、確認入力手段の入力が緊急支援要請であった場合、操作情報をセンタサーバ装置に通信回線を介してメールとして送信する手段と、記憶された操作記憶情報をセンタサーバ装置からのポーリングによりセンタサーバ装置に送信する情報送信手段とを有するようにしたので、被介護者の居住する部屋に設置された端末装置に接続された確認入力手段を操作することにより、センタサーバ装置へ自己の安否確認を通知することが可能となる端末装置を得ることができるようになる。
【0015】
さらに、請求項 4の発明のセンタサーバ装置は、請求項1又は請求項2の介護支援システムに用いられるセンタサーバ装置であって、確認入力手段の操作内容と、操作の意味との対応表である操作対応表記憶部と、端末装置に設定された個別認識符号、端末装置の所在地、被介護者情報から成る端末装置情報を記憶する端末装置情報記憶部と、介護者の有する携帯端末のメールアドレスを記憶するメールアドレス記憶部を有するサーバ記憶手段と、端末装置の確認入力手段の操作情報を収集する操作情報収集手段と、操作対応表を用いて、確認入力手段の操作情報を解析する操作情報解析手段と、操作情報を解析した結果、支援要請が必要な場合は、複数の携帯端末のメールアドレスに支援要請メールを発信する支援要請メール発信手段と、支援要請のメールに応答が有った場合は、応答した携帯端末以外の携帯端末に応答済みである旨のメールを発信する応答済みメール発信手段とを有するようにしたので、センタサーバ装置により、端末装置から操作情報を得、それを解析し、介護者の携帯する携帯端末に、介護支援要請情報をメールとして発信することが可能となる。さらに、介護支援要請を受けた携帯端末から、支援に向かう旨の応答メールを受信した場合は、応諾した携帯端末以外の携帯端末へ応答済みのメールを発信するようにしたので、他の携帯端末を有する介護支援者が、重複して介護支援に向かうことを防ぐことが可能となるセンタサーバ装置を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下本発明を具体的な実施例に基づき説明する。
【実施例1】
【0017】
以下、本発明の介護支援システムについて図面を参照して説明する。図1は、介護支援システムのネットワークを介した接続関係を示した図である。
【0018】
端末装置1(1000)、端末装置2(1001)、端末装置n(100n)は、高齢者などの被介護者の自宅の居室、介護施設等の居室などに設置されている。端末装置1(1000)は、例えば、通信回線(8)、被介護者の加入しているインタネットサービスプロバイダを含むインタネット網(7)を介して、介護支援センタのセンタサーバ装置(3000)(以下、センタサーバ装置(3000)記述する)と接続する。一方、携帯端末1(2000)、携帯端末2((2001)、携帯端末m(200m)は、携帯可能な介護支援者が携帯するの端末装置である。携帯端末1(2000)は、本実施例では携帯電話を用いて説明する。携帯端末1(2000)は、携帯電話回線通信網A(6)、携帯電話回線通信網B(6)を含む通信回線(8)又は公共無線LANと、介護支援者の携帯端末1(2000)の加入しているインタネットサービスプロバイダを含むインタネット網(7)を介して、センタサーバ装置(3000)と接続する。端末装置1(1000)、携帯端末1(2000)に関する情報、確認ボタン操作対応表などの情報は、予め、管理端末9からローカルエリアネットワーク(5)(以下LAN(5)と記述する)、 ワイドエリアネットワーク(以下WANと記述する)などを介してセンタサーバ装置(3000)に登録されている。
【0019】
次に、図2は、端末装置1(1000)のハードウェアの接続ブロック図である。
【0020】
端末装置1(1000)は、確認入力手段である確認ボタン入力手段(1000B)としてボタン装置と有している。また、端末装置1(1000)は、音声出力手段(1000s)としてのスピーカを有している。さらに、端末装置1(1000)は、操作記憶部である確認ボタン操作記憶部(141)、機能を実現するに必要なプログラム、データを記憶するRAM、ROM、ハードディスク等のメモリにより構成される記憶手段(140)を有している。また、公衆電話回線及び、インタネットを含むネットワークへの接続装置としてのLAN端子、パラレル端子、同軸端子等の接続手段(150)を有している。また、センタサーバ装置から自己の端末装置がポーリングされるためのポーリング情報を受信するためのポーリング情報受信手段(121)を有した受信手段(120)を有している。また、緊急支援を要求するメールを発信するためのメール送信手段(131)と記憶された確認ボタンの状態データをセンタサーバ装置からのポーリングに応答して送信するデータ送信手段(132)とから成る送信手段(130)を有している。これらの受信手段(120)、送信手段(130)は、モデム、ターミナルアダプタ等で構成されている。表示手段(110)は、ディスプレイ等の表示装置で構成されている。例えば、確認ボタン(1000B )の入力により消灯するLEDである。また、確認ボタンの入力を判断して、緊急メールを発信する緊急メール発信手段(101)、センタサーバ装置(3000)からのポーリングに対し、確認ボタン操作記憶部(141)に記憶された確認ボタンの状態を示すデータを発信する情報送信手段である確認ボタンデータ発信手段(102)を有し、周辺機器を制御し、必要とされる機能を実現するための処理プログラムを実行するCPUを備えた制御装置(100)を有している。端末装置1000は、これらの装置から成るコンピュータシステムにより具現されている。さらに、必要に応じて、キーボード、マウス等の入力装置、等も備えている。
【0021】
次に、図3は、介護支援センタのセンタサーバ装置(3000)のハードウェアの接続ブロック図である。さらに、センタサーバ装置(3000)の物理的なハードウェア構成としては、周知のサーバー機能を有するコンピュータシステムに対し、複数の端末装置1(1000)からのメールを受信するメール受信手段(321)とセンタサーバ装置(3000)からのポーリングにより端末装置から送信されてくる確認ボタンの状態を示すデータを受信するデータ受信手段322から成るサーバ受信手段320を有している。また、介護支援を行う介護者が携帯する携帯端末1(2000)へメールを送信するメール送信手段(331)、端末装置に対して確認ボタンの状態データを取得するために端末装置をポーリングするためのポーリング情報送信手段(332)とから成るサーバ送信手段330を有している。また、操作対応表記憶部であるボタン操作対応表記億部(341)、端末装置情報記憶部(342)、メールアドレス記憶部(343)を有するサーバ記憶手段(340)を有している。また、操作情報収集手段を構成する端末装置1(1000)へポーリングを行うポーリング要請手段(301)、端末装置1(1000)から得られた確認ボタンの操作内容を解析する操作解析手段である確認ボタン操作情報解析手段(302)、携帯端末1(2000)へ支援要請のメールを発信する支援要請メール発信手段(303)、支援要請は応諾された場合、応答済みメールを発信する応答済みメール発信手段(304)から成り、周辺機器を制御し、必要とされる機能と実現するための処理プログラムを実行するCPUを備えた制御装置(300)を有している。センタサーバ装置3000はこれらのコンピュータシステムにより具現されている。
【0022】
上記、 及び以後の説明では簡単のために、 端末装置1(1000)、携帯端末1(2000)、センタサーバ装置(3000)、いずれも、 代表的な例において、 1台について説明するが、 端末装置1(1000)、携帯端末1(2000)、センタサーバ装置(3000)、いずれも複数台の接続設置が可能であり、一般的には複数台の接続設置がなされるものであるが、 その動作は、 共通であるので、 説明を省略する。
【0023】
次に、上述したそれぞれの装置に付いて相互の動作を交え、図7、図8のフローチャートを参照して、詳しく説明する。先ず、介護支援システムにおいて、端末装置1(1000)は、被介護者の自宅の居室、介護施設の居室などに設置されており、確認ボタン(1000B)、モデム、ターミナルアダプタなどが接続され、公衆電話回線、ADSL回線、CATV、FTTH等の通信回線(8)に接続され、電源が投入されている。一方、センタサーバ装置(3000)は、介護支援センター、介護施設の事務室等の被介護者の支援を管理する場所に設置されており、モデム、ターミナルアダプタ、LANなどが接続され、公衆電話回線、ADSL回線、CATV、FTTH等の通信回線(8)に接続され、電源が投入されている。
【0024】
端末装置1(1000)には、確認ボタン(1000B)が接続されており、通常は、安全であることを知らせるために、1日1回確認ボタン(1000B)を押す。確認ボタンの押下が検出されると(S20)、制御装置100により、確認ボタン操作記憶部(141)へ確認ボタンが押された日時と、操作内容が図6の確認ボタン操作記録テーブルのように記憶される(S22)。このとき、確認ボタン(1000B)の操作内容が、通常の安全確認でないと判断される(S24)と、緊急メール発信手段(101)により、緊急支援の要請メールとして、確認ボタン操作記憶部(141)に記憶された確認ボタンの操作内容がメールとして、センタサーバ装置(3000)へ発信される(S26)。このとき、同時に、確認ボタン操作記憶部(141)の記憶内容を消去する(S28)。
【0025】
一方、センタサーバ装置(3000)は、通常は、1日1回、端末装置1(1000)をポーリングし、確認ボタン操作情報を収集する。センタサーバ装置(3000)は、ポーリング要請手段(301)により、サーバ記憶手段(340)の端末装置情報記憶部(342)に記憶された端末情報のIPアドレスを用い、ポーリングを行う情報を端末装置1(1000)へ送信する(S40,S42)。端末装置1(1000)は、ポーリング情報受信手段(121)により、ポーリングの要請情報を受信した場合(S30)、確認ボタンデータ発信手段(102)により、確認ボタン操作記憶部(141)に記憶された確認ボタンの操作情報(図6)をセンタサーバ装置(3000)へ送信する(S32)。このとき、同時に、確認ボタン操作記憶部(141)の記憶内容を消去する(S34)。
【0026】
センタサーバ装置(3000)は、端末装置1(1000)からの確認ボタンデータをデータ受信手段(322)により受信すると、確認ボタン操作情報解析手段(302)により、受信したデータの内容を、ボタン操作対応表記憶部(341)に記憶された確認ボタン操作対応表(図4)を参照して、操作の意味を解析して、介護支援者へのメール発信の内容及び、有無を確定する(S46)。一方、ポーリング時刻ではないと判定され(S40)、端末装置から緊急支援要請メールが発信された場合には、メール受信手段(321)により受信されたメールが緊急支援要請メールか否かが判定される(S56)。そして、緊急支援要請メールである場合には、確認ボタン操作情報解析手段(302)により、受信したデータの内容を、ボタン操作対応表記憶部(341)に記憶された確認ボタン操作対応表(図4)を参照して、確認ボタンの操作の意味を解析して、介護支援者へのメール発信の内容及び、有無を確定する(S58)。これらの解析結果は、サーバ表示手段(310)に表示される。ここで、介護支援が必要であると判断されると(S48)、例えば、被介護者の端末装置に付された個別認識符号(ID)により管理された端末装置情報(図5)により、指定介護者情報が有る場合は、指定介護者へ一斉に介護支援のメールを発信する(S50)。指定介護者が無い場合は、メールアドレス記憶部(343)に記憶されている介護者の携帯端末1(2000)のメールアドレスに一斉に介護支援要請のメールを発信する(S50)。
【0027】
携帯端末1(2000)を携帯する介護者は、受信したメールを読んで、自分が出向くことが可能であるなら、自己が出向く意味のメールをセンタサーバ装置(3000)へ発信する。センタサーバ装置(3000)は、介護者の携帯端末1(2000)から、介護支援応諾のメールを受信すると(S52)、応答済みメール発信手段(304)により、介護要請のメールを発信した他の介護者の携帯端末1(2000)へ、介護支援応諾済みのメールを発信する(S54)。これにより、介護者が重複して介護支援に出向くことを防ぐ。また、複数の介護者の携帯端末1(2000)から、応諾のメールが届いた場合は、最速に応諾した介護者、又は、所定の時間内で応諾した者の内、被介護者のところへ最も早く出向くことができる者等、と言った所定の規則を作ることで、応諾した者の内の一人を決定することができる。また、応諾メールへ、応諾する旨とともに、被介護者のところへの、到着予定時刻を所定の書式で含めることにより、誰が一番早く出向くことができるか、センタサーバ装置(3000)で判断できるようになる。これにより、介護支援応諾メールを発信した携帯端末1(2000)へも、他の介護者が出向くことが決定された場合は、応諾済みのメールを発信するようにする。
【0028】
上記実施例では、端末装置1(1000)は、被介護者の自宅に設置されていることを前提に説明したが、例えば、これは、介護施設の居室であっても良い。介護施設の場合は、ナースコールが有ると、一旦、詰め所や、事務所に戻り、どこで、ナースコールがあったか確認してから、再び出向く。また、詰め所が出払っている場合は、誰かが戻ってくるまで、気が付かないなどの、無駄や、欠点があった。しかし、看護士、介護士が携帯する携帯端末1(2000)へ支援要請のメールを発信することにより、詰所に戻らなくても、どこでナースコールをされているか、現在居る場所で知ることができるようになる。これにより、看護士、介護士の時間的なロスを減らすことができるようになると共に、被介護者に於いても、担当者が詰所に居なくても、確実にナースコールを伝えることができ、素早く介護担当者が部屋に来ることができるようになる。
【0029】
上記の実施例では、簡単のために、確認ボタン(1000B)の安全確認のための入力は、1日1回、センタサーバ装置(3000)によるポーリングも、1日1回で説明したが、相互の取り決めにより、朝夕2回にしてもよく、さらに回数を増やしても良い。安全確認の時刻についても、起床時と就寝時など、被介護者の生活の実情にあわせて、入力負担が少なく、尚且つ安全を確保できる、回数を決めるようにしてもよい。
【0030】
本発明の他の実施例では、端末装置の通信回線において、インタネットを用いる際、固定IPアドレスを使用しても良い。これにより、IPアドレスが固定されるので、センタサーバ装置からのアクセスが容易になる。
【0031】
他の実施例において、端末装置1(1000)は、血圧、体温等のバイタルデータも送信できるようにしても良い。さらに、送信されたバイタルデータは、センタサーバ装置において、集積できるようにしても良い。
【0032】
さらに、端末装置において、メール送信先のアドレス情報を、センタサーバ装置のアドレスだけでなく、介護支援者、親戚等のアドレスを記憶することにより、端末装置から直接、介護支援者、親戚等に、メール発信するようにしても良い。
【0033】
さらに、端末装置1(1000)に、マイクと、スピーカを接続し、インタネットを介して、センタサーバ装置と接続し、センターに居る介護支援担当者と会話できるようにしても良い。
【0034】
さらに、端末装置1(1000)に、カメラを接続し、被介護者の様子を介護支援センターに送信するようにしても良い。
【0035】
さらに、端末装置1(1000)に、例えばバーコードリーダーなどを接続し、病院の診察券などを一旦読み込ませた後、血圧、体温、血糖値などの測定データを発信し、直接診察券の病院へ送信するようにしても良い。さらに、診察予約ができるようにしても良い。さらに、端末装置1(1000)の表示手段(110)に予約されている診察予約日時を表示するようにしても良い。
【産業上の利用の可能性】
【0036】
本発明は、在宅高齢者等の安否確認を容易に確実に行うシステムを提供するものである。
【0037】
上述した実施形態は、本発明の一例であって、これに限定されるものではなく、発明の本質に照らして、様々な変形例が考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】介護支援システムのネットワークを介した接続関係の説明図。
【図2】端末装置のハードウェアの接続ブロック図。
【図3】センタサーバ装置のハードウェアの接続ブロック図。
【図4】確認ボタン操作対応表の説明図。
【図5】端末装置情報の説明図。
【図6】確認ボタン操作記録テーブルの説明図。
【図7】端末装置の処理手順を説明するフローチャート。
【図8】センタサーバ装置の処理手順を説明するフローチャート。
【符号の説明】
【0039】
5…ローカルエリアネットワーク
7…インタネット網
8…通信回線
31…管理端末
1000, 1001, 100n…端末装置
1000B,1001B,100nB…確認ボタン
1000S…音声出力手段(スピーカ)
100…制御装置
101…緊急メール発信手段
102…ポーリングメール発信手段
110…表示手段
120…受信手段
121…ポーリング情報受信手段
130…送信手段
131…メール送信手段
140…記憶手段
141…確認ボタン操作記憶部
150…接続手段
2000、2001、200m…携帯端末1、携帯端末2、携帯端末m
3000…センタサーバ装置
300…制御装置
301…ポーリング要請手段
302…確認ボタン操作情報解析手段
303…支援要請メール発信手段
304…応答済みメール発信手段
310…サーバ表示手段
320…サーバ受信手段
321…メール受信手段
330…サーバ送信手段
331…メール送信手段
332…ポーリング情報送信手段
340…サーバ記憶手段
341…ボタン操作対応表記憶部
342…端末装置情報記憶部
343…メールアドレス記憶部
350…サーバ接続手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被介護者が居住する各部屋に設置された確認入力手段と前記確認入力手段に接続され通信回線に接続された端末装置と、
前記被介護者を支援する介護支援センタに設置された前記通信回線に接続されたセンタサーバ装置と、
前記被介護者を介護支援する複数の介護者が各々携帯する前記通信回線に接続可能な携帯端末とを備え、
前記端末装置は、
前記確認入力手段の操作内容を記憶する操作記憶部と、
前記確認入力手段の操作内容が、緊急支援要請の場合は、前記センタサーバ装置へ、前記通信回線を介して緊急支援要請である確認入力手段の操作内容をメールとして発信する緊急メール発信手段と
を有し、
前記センタサーバ装置のサーバ記憶手段は、
前記確認入力手段の操作情報と操作情報の意味との対応表である操作対応表を記憶した操作対応表記憶部と、
前記各部屋に設置された端末装置に設定された個別認識符号、端末装置の所在地、被介護者情報から成る端末装置情報を記憶した端末装置情報記憶部と、
前記介護者の有する携帯端末のメールアドレスを記憶したメールアドレス記憶部と
を有し、
前記センタサーバ装置は、
前記確認入力手段の操作情報を収集する操作情報収集手段と、
前記端末装置からメール送信された確認入力手段の操作情報または前記収集した確認入力手段の操作情報を解析し、前記操作対応表に従い、操作情報が、支援要請か否かを判断する操作情報解析手段と、
前記操作情報解析手段により、操作情報が支援要請と判断された場合には、前記記憶された携帯端末のメールアドレスに支援要請メールを送信する支援要請メール発信手段と
を有することを特徴とする介護支援システム。
【請求項2】
前記センタサーバ装置は、
支援要請メールを受信した前記携帯端末から支援要請に応答可能である旨のメールを受信するメール受信手段と、
応答した携帯端末以外の複数の携帯端末に応答済みである旨のメールを発信する応答済みメール発信手段と
を有することを特徴とする請求項1に記載の介護支援システム。
【請求項3】
確認入力手段と、
前記確認入力手段の操作内容を記憶する操作記憶部を有する記憶手段と、
前記通信回線と接続する接続手段と、
前記確認入力手段の操作内容が緊急支援要請であるか否かを判断し、緊急支援要請であった場合、操作情報を前記センタサーバ装置に前記通信回線を介してメールとして送信する緊急メール発信手段と、
記憶された前記操作記憶情報を前記センタサーバ装置からのポーリングにより前記センタサーバ装置に送信する情報送信手段と、
を有することを特徴とする請求項1又は請求項2の介護支援システムに用いられる端末装置。
【請求項4】
前記確認入力手段の操作情報と操作情報の意味との対応表である操作対応表を記憶した操作対応表記憶部と、
前記各部屋に設置された端末装置に設定された個別認識符号、端末装置の所在地、被介護者情報から成る端末装置情報を記憶した端末装置情報記憶部と、
前記介護者の有する携帯端末のメールアドレスを記憶したメールアドレス記憶部と
前記確認入力手段の操作情報を収集する操作情報収集手段と、
前記端末装置からメール送信された確認入力手段の操作情報または前記収集した確認入力手段の操作情報を解析し、前記操作対応表に従い、操作情報が、支援要請か否かを判断する操作情報解析手段と、
前記操作情報解析手段により、操作情報が支援要請と判断された場合には、前記記憶された携帯端末のメールアドレスに支援要請メールを送信する支援要請メール発信手段と
を有する請求項1又は請求項2の介護支援システムに用いられるセンタサーバ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−352197(P2006−352197A)
【公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−171880(P2005−171880)
【出願日】平成17年6月13日(2005.6.13)
【出願人】(000116677)シンクレイヤ株式会社 (38)
【出願人】(505220505)株式会社ライフサポートジャパン (1)
【Fターム(参考)】