説明

会議装置

【課題】簡易な構成により、エコー、ハウリングの発生を効果的に抑制できる会議装置を提供する。
【解決手段】テレビ会議装置10では、マイクロフォン17a及びスピーカー15aは、マイクロフォン17aの音声入力方向及びスピーカー15aの音声出力方向が互いに概ね直交するように筐体に設けられている。この場合、スピーカー15aから出力された音は、マイクロフォン17aを介して入力され難い。したがって、簡易な構成により、エコー、ハウリングの発生を効果的に抑制できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、会議装置に係り、更に詳しくは、通信網を介して少なくとも音声データを送受信する通信手段を含む会議装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像及び音声の双方向通信によるテレビ会議が、カメラ、マイクロフォン及びスピーカーを有する複数の会議装置を用いて複数のグループ間で行われている。
【0003】
このテレビ会議では、一のグループの音声は、その会議装置のマイクロフォンを介して入力され、該入力された音声は、インターネット(通信網)を介して他のグループの会議装置に送信され、そのスピーカーから出力される。また、他のグループの音声は、その会議装置のマイクロフォンを介して入力され、該入力された音声は、インターネットを介して一のグループの会議装置に送信され、そのスピーカーから出力される(例えば、特許文献1及び2参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このため、他の会議装置のスピーカーから出力された一のグループの音声が、他の会議装置のマイクロフォンを介して入力され、一のグループのスピーカーから出力されるおそれがあり、一の会議装置のスピーカーから出力された他のグループの音声が、一の会議装置のマイクロフォンを介して入力され、他のグループのスピーカーから出力されるおそれがあった。すなわち、エコー、ハウリングが発生するおそれがあった。
【0005】
本発明は、かかる事情の下になされたもので、その目的は、簡易な構成により、エコー、ハウリングの発生を効果的に抑制できる会議装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、第1の観点からすると、通信網を介して少なくとも音声データを送受信する通信手段を含む会議装置であって、前記通信手段が収容される筐体と、音声を前記通信手段により送信される前記音声データとして入力するマイクロフォンと、前記通信手段により受信された前記音声データを音声として出力するスピーカーとを備え、前記マイクロフォン及び前記スピーカーは、前記マイクロフォンの音声入力方向及び前記スピーカーの音声出力方向が互いに概ね直交するように前記筐体に設けられる会議装置である。
【0007】
また、本発明は、第2の観点からすると、通信網を介して少なくとも音声データを送受信する通信手段を含む会議装置であって、略直方体形状の部材から成り、前記通信手段が収容される筐体と、音声を前記通信手段により送信される前記音声データとして入力するマイクロフォンと、前記通信手段により受信された前記音声データを音声として出力するスピーカーとを備え、前記筐体の隣り合う2つの壁の一方に、前記マイクロフォンを介して入力される前記音声を取り込む音声取込口が設けられ、他方に、前記スピーカーから出力された前記音声を放出する音声放出口が設けられる会議装置である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、簡易な構成により、エコー、ハウリングの発生を効果的に抑制できる会議装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1(A)及び図1(B)は、本発明の一実施形態に係るテレビ会議装置の不使用状態における外観を示す斜視図である。
【図2】テレビ会議装置の分解斜視図である。
【図3】テレビ会議装置の平面図である。
【図4】テレビ会議装置の側面図(その1)である。
【図5】テレビ会議装置の側面図(その2)である。
【図6】テレビ会議装置の制御の構成を示すブロック図である。
【図7】テレビ会議装置が有する画像入力装置の斜視図である。
【図8】画像入力装置の動作を説明するための図(その1)である。
【図9】画像入力装置の動作を説明するための図(その2)である。
【図10】テレビ会議装置の正面図である。
【図11】図10のA−A断面図の一部である。
【図12】図12(A)は、テレビ会議装置が有する音声入力装置の斜視図であり、図12(B)は、音声入力装置の分解斜視図である。
【図13】テレビ会議装置を用いるテレビ会議の態様を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態を図1(A)〜図13に基づいて説明する。図1(A)及び図1(B)には、一実施形態に係る会議装置としてのテレビ会議装置の不使用状態における外観が示されている。テレビ会議装置10は、図1(A)及び図1(B)に示されるように、不使用状態において、全体として、薄い略直方体状(略平板状)の外形を有している。図1(A)及び図1(B)では、テレビ会議装置10は、例えば机、テーブルなどの上面(載置面)上に水平面に平行に載置されている。以下、テレビ会議装置の長手方向をX軸方向、水平面内でX軸方向に直交する方向をY軸方向、X軸及びY軸方向に直交する方向(鉛直方向)をZ軸方向として説明する。
【0011】
図2には、図1のテレビ会議装置10が分解された状態が斜視図にて示されている。テレビ会議装置10は、図2に示されるように、筐体25、制御装置11、電子カメラ21を含む画像入力装置23、冷却系19、スピーカー15aを含む音声出力装置15、マイクロフォン17aを含む音声入力装置17などを備えている。
【0012】
筐体25は、薄型の箱形中空部材(略直方体形状の部材)から成る。筐体25は、図3に示されるように、平面視で、例えばほぼA4版サイズの矩形の外形を有し、図4及び図5に示されるように、側面視で、例えば、その厚さが、例えば20mm〜45mm程度となっている。筐体25の材料としては、例えばプラスチックなどの硬質樹脂が用いられている。
【0013】
図2に示されるように、筐体25の上壁の−Y側の端部近傍には、X軸方向のほぼ全域に亘って延び、X軸方向を長手方向とする平面視矩形の+Z側及び+X側に開口する凹部30が形成されている。凹部30を規定する底面の+X側の端部には、切り欠き34が形成されている。
【0014】
筐体25は、図2に示されるように、その厚さ方向(図2における上下方向)に分離可能に接合された上側カバー27及び下側カバー29により構成されている。上側カバー27は、−Z側が開放された薄い箱形に形成されている。下側カバー29は、+Z側が開放された薄い箱形に形成されている。上側カバー27の上壁(筐体25の上壁)は、凹部30の+Y側に、操作部38が配置される操作パネル部36を有している。
【0015】
図3に示されるように、操作パネル部36のX軸方向中央部には、操作部38の一部をそれぞれ構成する複数(例えば4つ)の操作ボタンがY軸方向に間隔をおいた状態で嵌め込まれている。これら4つの操作ボタンは、それぞれ凹部30側から順に、後述するロック解除ボタン33、テレビ会議装置10に対する電源のON/OFFを行うための電源ボタン35、通信相手とのインターネット回線を切断するための回線ボタン37、例えば液晶モニタ、パーソナルコンピュータ(以下、PCと称する)、液晶テレビ(いずれも不図示)などによりその画面上に又はプロジェクターP(図13参照)によりスクリーンS(図13参照)上に表示されるメニュー画面内において選択された項目を決定するための決定ボタン39となっている。操作パネル部36における決定ボタン39の外周近傍には、上記メニュー画面内の項目を選択するためのカーソル40が、決定ボタン39の外周を取り囲んだ状態で嵌め込まれている。上記メニュー画面内において選択及び決定される項目としては、例えば、テレビ会議を行う相手方のテレビ会議装置の宛先などが挙げられる。
【0016】
操作パネル部36における決定ボタン39の+X側には、スピーカー15aから出る音の音量を調整するための一対のボリュームボタン41a、41b(一方が音量を上げるためのボタンで、他方が音量を下げるためのボタン)が互いにX軸方向に隣接した状態で嵌め込まれている。操作パネル部36における決定ボタン39の−X側には、決定ボタン39側から順に、例えば液晶モニタの画面上又はスクリーンS(図13参照)上に上記メニュー画面を呼び出すためのメニューボタン45、及びマイクミュートボタン47が嵌め込まれている。
【0017】
操作パネル部36に配置された上記各操作ボタン及びカーソルが、それぞれ、操作(押圧)されると、その下側にある部材と係合し、これにより、所望の機能が実現されるようになっている。特に、ロック解除ボタン33を除く上記各操作ボタン及びカーソルは、後述するサブボード13上に実装された対応する操作端子118に対応する位置に配置されている。上記各ボタン及びカーソルは、それぞれ、押圧されていない状態で、その上面が操作パネル部36の上面とほぼ面一になっている。
【0018】
ここで、図4及び図5から分かるように、操作パネル部36は、+Y側が−Y側よりも低くなるようにXY平面(筐体25の下面)に対し僅かに(例えば4.6°)傾斜している。これにより、特にユーザが筐体25の概ね+Y側に位置する場合に、上記各操作ボタン及びカーソルの視認性及び操作性に優れる。
【0019】
また、図1(A)に示されるように、筐体25の+Y側の側壁のX軸方向中間部には、後述するメインボード12に実装される、記録メディアM(図6参照)、外部機器等との間の入出力用のUSB端子49、PCとの接続用のUSB端子51が嵌め込まれている。
【0020】
図1(B)に示されるように、筐体25の−Y側の側壁には、後述するメインボード12に実装される画像出力端子55、通信用のLAN端子57などが嵌め込まれている。また、図4に示されるように、筐体25の+X側の側壁には、電源ジャック60が嵌め込まれている。
【0021】
制御装置11は、音声データ及び画像データをエンコード処理またはデコード処理をして、通信網としてのインターネットを介した音声及び画像の双方向通信を制御する。
【0022】
制御装置11は、図2に示されるように、筐体25内に収容されており、制御用基板としてのメインボード12、音声処理用及び操作用基板としてのサブボード13などを含む。
【0023】
メインボード12には、図6に示されるように、CPU(Central Processing Unit)100、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)104、HDD(Hard Disk Drive)106(もしくはストレージまたは記録デバイス)、データ入出力I/F108、ネットワークI/F(Interface)110、撮像素子I/F112、画像出力I/F114の各構成要素が、アドレスバス、データバス等のバスライン116を介して、双方向通信可能に接続された状態で実装されている。なお、上述した画像データは、動画または間欠画像(一定時間間隔の静止画像)のデータである。
【0024】
CPU100は、所定のプログラム(テレビ会議装置用プログラム)に基づいてテレビ会議装置10全体の動作を制御する。ROM102は、IPL(InitialProgram Loader)等のCPUの駆動に用いられるプログラムが記憶されている。RAM104は、CPUのワークエリアとして使用される。
【0025】
HDD106は、上記テレビ会議装置用プログラム、画像データ、音声データ等の各種データが記憶される。なお、HDDに限らず、例えばSSD(Solid State Drive)等を用いても良い。上記テレビ会議装置用プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、例えばフラッシュメモリ107等の記録メディアの、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしても良い。また、上記テレビ会議装置用プログラムは、HDD106ではなく、ROM102に記憶されるようにしても良い。HDD106は、CPU100の制御にしたがってHDD106に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。
【0026】
データ入出力I/F108は、前述したUSB端子49、51を含み、USB端子49に接続された例えばフラッシュメモリ等の記録メディアMに対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御するとともに、USB端子51に接続されたPCのディスプレイに表示されたデータの相手側のテレビ会議装置への送信を制御する。記録メディアMは、USB端子49に着脱自在となっている。また、記録メディアMは、CPU100の制御にしたがってデータの読み出し又は書き込み(記憶)、を行う不揮発性メモリであれば、フラッシュメモリに限らず、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)等を用いても良い。
【0027】
ネットワークI/F110は、前述したLAN端子57(例えばイーサネット(登録商標)端子)を含み、インターネットを介したデータ(画像データ及び音声データ)の入出力を行う。撮像素子I/F112は、電子カメラ21から出力される画像信号を所定の画像データとして取り込む。なお、電子カメラ21を含む画像入力装置23の詳細は後述する。
【0028】
画像出力I/F114は、前述した画像出力端子55を含み、テレビ会議を行う相手方のテレビ会議装置の宛先や画質調整、出力信号の選択などの操作用アイコン等のメニュー画面、通信網を介して受信されたデータのうちエンコードされた画像データ、及び電子カメラ21により入力された画像のデータを、画像出力端子55に接続される例えば液晶モニタ(不図示)、プロジェクターP(図13参照)などの表示装置が受け入れ可能な所定のアナログまたはデジタルの画像信号に変換して出力するようになっている。なお、エンコードされた画像データを所定のコーデックを用いてデコードするのはCPU100による。この所定の画像信号としては、アナログRGB信号(VGA)、コンポーネントビデオ信号、HDMI(High―Definition Multimedia Interface)信号、DVI(Digital Video Interactive)信号が挙げられる。
【0029】
サブボード13には、前述した複数の操作ボタンそれぞれに個別に対応する複数の操作端子118、音声入出力I/F120、音声制御部122などの各構成要素が、実装されている。複数の操作端子118及び音声制御部122それぞれは、バスライン116を介して、互いに双方向通信可能に接続され、かつメインボード12に実装された上記各構成要素と双方向通信可能に接続されている。
【0030】
音声入出力I/F120は、マイクロフォン17aを介して入力された音声信号を所定の音声データとして取り込んで、該音声データを音声制御部122に送信するとともに、ネットワークI/F110、音声制御部122を介して受信された音声データをスピーカー15aで再生可能な音声信号に変換する。なお、マイクロフォン17aを含む音声入力装置17、スピーカー15aを含む音声出力装置15の詳細は、後述する。
【0031】
音声制御部122は、一対のボリュームボタン41a、41bが操作されるのに伴いスピーカー15aから出力される音の音量を調整し、マイクミュートボタン47が操作される(ON/OFFされる)のに伴いマイクロフォン17aによる音の入力/非入力を切り替える。
【0032】
また、音声制御部122は、相手方のテレビ会議装置との双方向通信時に、スピーカー15aから出力された音がマイクロフォン17aを介して入力され、相手方のテレビ会議装置との間で音波のループを形成して発生するエコー、ハウリングを抑制するエコーキャンセル機能を有するとともに、例えば室内の空調、後述するファン19cの作動音などのマイクロフォン17aを介して入力された音を低減させるノイズリダクション機能を有する。
【0033】
画像入力装置23は、図7に示されるように、電子カメラ21に加えて、アーム69、一軸ヒンジ装置67などを含む。
【0034】
電子カメラ21は、その撮影レンズ21aを介して被写体の画像を入力し、該入力された画像を電気信号に変換して撮像素子I/F112に出力する。撮影レンズ21aとしては、例えば、焦点距離の短い単焦点の広角レンズが用いられている。電子カメラ21は、その撮影レンズ21aが露出した状態で中空部材から成るカメラハウジング63内に収容されている。カメラハウジング63は、アーム69の先端部(長手方向一端部)に、二軸ヒンジ装置(不図示)を介して取り付けられており、アーム69に対し、アーム69の長手方向に平行に延びる第1の軸線及び該第1の軸線に直交する第2の軸線それぞれの周りに独立に相対回動可能となっている。アーム69は、その基端部(長手方向他端部)が、切り欠き34を介して筐体25内の+X側の端に収容された一軸ヒンジ装置67を介して筐体25に接続されており、筐体25に対し、Y軸に平行に延びる第3の軸線周りに相対回動可能となっている(図8及び図9参照)。カメラハウジング63とアーム69との間には、上記二軸ヒンジ装置の一部を覆うカバー部材71が配置されている。
【0035】
以下、電子カメラ21が収容されたカメラハウジング63、アーム69、カバー部材71及び上記二軸ヒンジ装置を含むユニットを画像入力ユニット24と称する。そして、カメラハウジング63とアーム69との第1及び第2の軸線それぞれの周りの相対位置が、図2及び図7に示される状態にあるときの画像入力ユニット24の状態を基準状態と称する。すなわち、画像入力ユニット24は、基準状態にあるとき、その背面(図2における上面)が全体として平坦となる。
【0036】
画像入力ユニット24は、一軸ヒンジ装置67の作用により、凹部30及び切り欠き34を介して筐体25内に収容される収容位置と該収容位置から突出する突出位置との間を第3の軸線周りに回動可能となっている。画像入力ユニット24は、収容位置に位置するとき、その下面の少なくとも一部が凹部30を規定する底面上に載置され、かつその上面(背面)が操作パネル部36の上面の−Y側の端部とほぼ同じ高さに位置する。画像入力ユニット24の筐体25に対する第3の軸線周りの回動角度は、画像入力ユニット24が収容位置に位置するときを0°とすると、例えば0°以上135°以下の範囲内に機械的に規定されている。また、図3に示されるように、画像入力ユニット24は、収容位置に位置するとき、X軸及びY軸方向に関して、凹部30にほぼ嵌合した状態となっている。
【0037】
画像入力ユニット24は、一軸ヒンジ装置67に設けられた弾性部材(不図示)により収容位置から突出位置に向けて付勢されている。また、画像入力ユニット24は、突出位置から収容位置に回動したときに、前述したロック解除ボタン33を含むロック装置(不図示)により、収容位置にて筐体25に対し機械的に係止される。そして、収容位置に位置する画像入力ユニット24は、ロック解除ボタン33が操作(押圧)されることにより、上記ロック装置による筐体25に対する係止が解除され、上記弾性部材の作用により、収容位置から突出位置に向けて所定角度(例えば15°)回動する。すなわち、一軸ヒンジ装置67は、上記弾性部材の作用により画像入力ユニット24を筐体25内からポップアップさせる機能(ポップアップ機能)を有する。
【0038】
また、画像入力ユニット24は、一軸ヒンジ装置67に設けられた保持トルク発生装置(不図示)の作用により、筐体25に対する第1の軸線周りの所定範囲内の任意の位置(例えば上記回動角度が45°以上135°以下となる位置)で保持可能である。また、画像入力ユニット24では、上記二軸ヒンジ装置に設けられた保持トルク発生装置(不図示)の作用により、カメラハウジング63は、アーム69に対する第2及び第3の軸線それぞれの周りの所定範囲内の任意の位置で保持可能である。
【0039】
冷却系19は、以下の構成により、制御装置11のメインボード12に実装された例えばCPU100などの発熱体が発する熱を筐体25外に放出することにより、その発熱体を冷却する。
【0040】
冷却系19は、図2に示されるように、それぞれ筐体25内に設けられたヒートパイプ19a、ヒートシンク19b、横置き式のファン19cなどを含む。
【0041】
ここで、図5に示されるように、筐体25の−X側の側壁のY軸方向中間部には、Z軸方向に延び、Y軸方向に並んだ複数のスリット状の貫通孔から成る排気口53が形成されている。また、図2に示されるように、筐体25の下壁(下側カバー29の下壁)の−X側の端部近傍には、複数の貫通孔から成る吸気口59が形成されている。
【0042】
ヒートパイプ19aは、その一端部が例えばCPU100などに接続され、その中間部がXY平面に平行に延び、その他端部がヒートシンク19bに接続されている。ヒートシンク19bは、例えばY軸方向に所定間隔で並ぶ複数の金属製のフィンを含む放熱部材から成り、筐体25内における排気口53に隣接する位置に配置されている。したがって、例えばCPU100などに発生した熱は、ヒートパイプ19a、ヒートシンク19bに順次伝わり、排気口53を介して筐体25外に放出される。
【0043】
ファン19cは、整流機能を有し、筐体25内における吸気口59の直上であって、ヒートシンク19bの+X側近傍に、その吸気方向が概ね+Z方向となるように、かつその排気方向が概ね−X方向となるように配置されている。
【0044】
したがって、吸気口59を介してファン19cにより吸引されたエアは、ヒートシンク19bを経由(通過)して、排気口53から筐体25外に排出される。これにより、ヒートシンク19bからの熱の放出(拡散)効果がより一層高められる。
【0045】
音声出力装置15は、図2に示されるように、スピーカー15aに加えて、例えば箱形の中空部材から成るスピーカーボックス15bなどを含む。
【0046】
スピーカー15aとしては、例えばフルレンジタイプの丸型スピーカーが採用されている。スピーカー15aは、音声入出力I/F120(図6参照)に結線されており、該音声入出力I/F120から送信される音声信号を音声に変換して出力する。
【0047】
図10には、テレビ会議装置10が正面図(+Y方向から見た図)にて示されている(なお、図10では、操作部38等の図示が省略されている)。そして、図11には、図10のA−A線断面図の一部が示されている。スピーカー15aは、図11に示されるように、その軸線が操作パネル部36に直交するように、すなわちその音声出力方向が概ね上向き(斜め上向きを含む)となるように、スピーカーボックス15bの天板部に嵌め込まれている。
【0048】
ここで、図3及び図10に示されるように、操作パネル部36の+X側かつ+Y側の角部には、スピーカー15aから出る音を外部に放出するための複数の貫通孔43aから成る音声放出口43が形成されている。ここでは、音声放出口43を構成する複数の貫通孔43aは、図3から分かるように、平面視正六角形の仮想枠内に密集状態で形成されているが、これに限らず、例えば、平面視多角形(但し、正六角形を除く)、平面視円形、平面視楕円形などの仮想枠内に密集状態で形成されることとしても良い。音声取込口43は、その貫通孔の大きさ、個数、仮想枠内における密集度が、スピーカー15aを含む音声出力装置15の性能等に応じて適正に設定されている。
【0049】
スピーカーボックス15bは、図2に示されるように、筐体25内における+X側の端であって、操作パネル部36の下方の箇所に、スピーカー15aが音声放出口43の直下に位置するように、より詳細には、スピーカー15aの軸線が音声放出口43の中心(上記平面視正六角形の仮想枠の中心)を通るように(図3参照)、配置されている。そして、図11に示されるように、音声放出口43を構成する複数の貫通孔43aそれぞれは、操作パネル部36に直交する方向、すなわちスピーカー15aの軸線に平行な方向に延びている。
【0050】
したがって、スピーカー15aから出力された音は、貫通孔43aで音のケラレがなく、音声放出口43を介してスムーズに(こもることなく)筐体25外に放出される。
【0051】
スピーカーボックス15bは、シリコンゴム、ウレタンゴム等の弾性部材から成る緩衝部材88を介して筐体25に固定されている。これにより、スピーカー15aから出る音が筐体25に伝わることが防止されるため、筐体25にビビリ音が発生することが抑制されるとともに、スピーカー15aから出る音が筐体25を介してマイクロフォン17aにより入力されることが抑制される。
【0052】
音声入力装置17は、図12(A)に示されるように、マイクロフォン17aに加えて、マイクロフォン17aを筐体25に保持させるための保持部材18などを含む。
【0053】
マイクロフォン17aとしては、例えば無指向性の小型のマイクロフォンが採用されている。マイクロフォン17aは、音声入出力I/F120(図6参照)に結線されており、入力した音声を音声信号に変換して音声入出力I/F120に送信する。
【0054】
マイクロフォン17aは、図12(B)に示されるように、例えば薄い(高さの低い)円柱状の部材から成り、図3及び図11を総合すると分かるように、その軸線が実質的にY軸に平行になるように、すなわちその音声入力方向が概ね−Y方向となるように筐体25内におけるスピーカー15aの+Y側の斜め下方に配置されている。
【0055】
保持部材18は、図11に示されるように、Y軸方向を軸線方向とし、+Y側に開口する有底の筒状部18aと、該筒状部18aの+Y側の端(開口端)近傍から筒状部18aの径方向外方に突出するつば部18bとを有する。ここでは、保持部材18の材料として、例えばプラスチックなどの硬質樹脂が用いられているが、これに特に限定されない。
【0056】
マイクロフォン17aは、その+Y側の面の中央部及びその−Y側の面の一部を除く、その全体が、例えばゴム、ウレタンなどの軟質樹脂製のY軸方向を軸線方向とする筒状の部材から成るホルダ17b(図12(A)及び図12(B)参照)により覆われた状態で密着保持されている。
【0057】
ホルダ17bは、その−Y側部分が、保持部材18の筒状部18aの内周側に嵌め込まれており、その+Y側部分が、保持部材18の+Y側の端(開口端)よりも+Y側に突出している。ホルダ17bの−Y側の側壁には、マイクロフォン17aと音声入出力I/F120とを接続する配線を通すための貫通孔89が形成されている。
【0058】
つば部18bは、ホルダ17bの+Y側部分が筐体25の+Y側の側壁に圧接するように、例えばスポンジ、ゴム、ウレタン等の材料から成る緩衝部材17dを介して筐体25に固定されている。
【0059】
筒状部18aの+Y側の端(開口端)は、ホルダ17bの+Y側部分がその内周側に挿入されたリング状の緩衝部材17c(図12(A)及び図12(B)参照)を介して筐体25の+Y側の側壁に圧接している。緩衝部材17cは、例えばスポンジ、ゴム、ウレタン等の材料から成る。
【0060】
以上より、マイクロフォン17aは、その+Y側の面の中央部を除く全体が保持部材18及びホルダ17bにより覆われているとともに(12(A)参照)、その+Y側の面の中央部の周囲を覆うホルダ17bの+Y側部分が筐体25の+Y側の側壁の内壁面に圧接している(図11参照)。これにより、筐体25内におけるマイクロフォン17aが位置する空間と、筐体25内における音声出力装置15及び冷却系19が位置する空間とが物理的に遮断されている。
【0061】
ここで、筐体25の+Y側の側壁におけるマイクロフォン17aの+Y側の面の中央部(ホルダ17bにより覆われていない部分)に対応する箇所には、図10に示されるように、X軸方向に所定間隔(等間隔)で形成された複数(例えば3つ)の貫通孔20aから成る音声取込口20が形成されている。すなわち、図11から分かるように、筐体25内におけるマイクロフォン17aが位置する空間は、音声取込口20を介して筐体25の外部と連通している。3つの貫通孔20aは、それぞれマイクロフォン17aの軸線に平行に(Y軸に平行に)延びている。マイクロフォン17aの軸線は、例えば3つの貫通孔20aのうちの中央の貫通孔20aの中心、すなわち音声取込口20の中心を通る。なお、音声取込口は、少なくとも1つの貫通孔で構成されれば良く、該貫通孔の数に関わらず、マイクロフォン17aの軸線が、音声取込口20の中心を通ることが好ましい。ここで、音声取込口20の中心とは、音声取込口が例えばX軸方向に等間隔で並ぶ奇数個の貫通孔で構成される場合には、中央の貫通孔(1個の場合は、その1個の貫通孔)の中心であり、音声取込口が例えばX軸方向に並ぶ偶数個の貫通孔で構成される場合には、中央の2つの貫通孔(2個の場合は、その2個の貫通孔)の中心を結ぶ線分の中点である。
【0062】
したがって、筐体25外で発生する音(特にテレビ会議装置10の概ね+Y側に位置する人の音声)が音声取込口20を介してスムーズに入力される。
【0063】
ここで、マイクロフォン17aは、図11に示されるように、その軸線の筐体25の下面からの高さHが20mm以下(例えば、16mm)になるように、筐体25に対する高さ位置が設定されている。これにより、マイクロフォン17aを介して入力される直接音(発話者から直接的に入力される音声)と、マイクロフォン17aを介して入力される反射音(発話者が発した音声が、筐体25が載置された載置面に反射して入力される音)とが、半波長分の位相差でマイクロフォン17aを介して入力されて打ち消し合うことが防止される。
【0064】
ここで、例えばファン19cの通常の作動音、音声出力装置15から筐体25内に漏れる通常の音などの所定の周波数帯域内のノイズ(雑音)が、直接的に又は筐体25を介してマイクロフォン17aにより入力されても、そのノイズは、前述した音声制御部122のノイズリダクション機能により低減されるため、インターネットを介して相手方のテレビ会議装置に送信されることが防止される。
【0065】
しかしながら、仮に、例えばファン19cの時折発生する異常な作動音、音声出力装置15から筐体25内に漏れる異常な音などの上記周波数帯域外のノイズ(例えば極端に高い音、極端に低い音など)がマイクロフォン17aにより直接的に又は筐体25を介して入力されると、そのノイズは、音声制御部122では、低減できず、相手方のテレビ会議装置に送信され、そのテレビ会議装置のスピーカーから出力されてしまう。
【0066】
そこで、本実施形態では、上述のように、保持部材18、ホルダ17b及び筐体25の+Y側の側壁により、筐体25内におけるマイクロフォン17aが位置する空間と、筐体25内における音声出力装置15、冷却系19などが位置する空間とを、物理的に遮断し、上記周波数帯域内及び上記周波数帯域外のノイズが、マイクロフォン17aにより直接的に入力されることを防止することとしている。
【0067】
また、上述のように、保持部材18を、緩衝部材17c、17dを介して筐体25に保持させることとし、上記周波数帯域内及び上記周波数帯域外のノイズが筐体25を介してマイクロフォン17aにより入力されることを防止することとしている。
【0068】
また、上述のように、マイクロフォン17aを、ホルダ17bを介して、筐体25と保持部材18とで狭持することとし、筐体25及び保持部材18に対するガタつきを防止するとともに、上記周波数帯域内及び上記周波数帯域外のノイズが筐体25及び保持部材18の少なくとも一方を介してマイクロフォン17aにより入力されることを防止することとしている。
【0069】
ここで、スピーカー15aから筐体25外に出力された所定値未満の大きさの音、所定の周波数帯域内の音(例えば、普通に会話するときの声等)などがマイクロフォン17aを介して入力された場合であっても、前述した音声制御部122のエコーキャンセル機能により、エコー、ハウリングの発生を抑制できる。
【0070】
しかしながら、仮に、スピーカー15aから筐体25外に出力された上記所定値以上の大きさの音(例えば、大声、咳払い、くしゃみ、衝撃音などの突発的な音を含む)、上記周波数帯域外の音(例えば極端に高い音、極端に低い音など)などの音が、マイクロフォン17aを介して入力された場合、音声制御部122によっては、エコー、ハウリングの発生を抑制できないおそれがある。
【0071】
したがって、エコー、ハウリングの発生を効果的に(充分に)抑制するためには、スピーカー15aから出力される音が、極力、マイクロフォン17aを介して入力されないことが望まれる。一方、テレビ会議の性質上、テレビ会議の参加者(会議参加者)の音声がマイクロフォン17aを介して入力され易くすること、及びテレビ会議の参加者がスピーカー15aから出力される音声を聞き取り易くすることが当然に望まれる。
【0072】
本実施形態では、前述したように、筐体25の上壁(操作パネル部36)に、スピーカー15aから出力された音声を放出する音声放出口43を形成するとともに、筐体25の上壁と概ね直交する(隣り合う)+Y側の側壁に、マイクロフォン17aを介して入力される音声を取り込む音声取込口20を形成することとしている。
【0073】
この場合、スピーカー15aから出力され、音声放出口43から放出された音声は、音声取込口20からマイクロフォン17aを介して入力され難い。これにより、エコー、ハウリングが効果的に抑制される。
【0074】
そして、本実施形態では、スピーカー15a及びマイクロフォン17aを、それぞれの軸線の所定平面(YZ平面)への射影像が互いに概ね直交するように筐体25に対し配置することとしている。「概ね直交する」とは、これらの射影像の成す角度θ(図11参照)が例えば80°以上100°以下の範囲内にあることをいう。
【0075】
換言すると、本実施形態では、スピーカー15a及びマイクロフォン17aを、スピーカー15aの音声出力方向及びマイクロフォン17aの音声入力方向が互いに概ね直交するように筐体25に設けることとしている。
【0076】
具体的には、スピーカー15aを、その音声出力方向が概ね上向き(斜め上向きを含む)になるように筐体25に対し配置するとともに、マイクロフォン17aを、その音声入力方向が概ね−Y方向となるように筐体25に対し配置することとしている。
【0077】
この場合、スピーカー15aから出力された音は、マイクロフォン17aを介して入力され難いので、エコー、ハウリングが効果的に抑制される。
【0078】
更に、本実施形態では、マイクロフォン17aをスピーカー15aの斜め下方に配置することとして、マイクロフォン17aがスピーカー15aの音声出力方向から外れるようにしている。
【0079】
上述の如く、スピーカー15aの音声出力方向が概ね上向き(斜め上向きを含む)なので、テレビ会議装置10の周囲の任意の位置に位置する人がスピーカー15aから出力される音声を聞き取り易くなる。また、上述の如く、マイクロフォン17aの音声入力方向が概ね−Y方向なので、テレビ会議装置10の概ね+Y側に位置する人の音声がマイクロフォン17aを介して非常に入力され易くなる。
【0080】
そこで、会議参加者がテレビ会議装置10の概ね+Y側に位置することとすれば、会議参加者の音声がマイクロフォン17aを介して非常に入力され易くなるとともに、スピーカー15aから出力される音声を会議参加者が聞き取り易くなる。
【0081】
ここで、本実施形態では、図11から分かるように、スピーカー15aは、+Y側が−Y側(よりも低くなるようにXY平面に対し僅かに(例えば4.6°)傾斜している。換言すると、スピーカー15a及びマイクロフォン17aそれぞれの軸線の所定平面(YZ平面)への射影像が成す角度θ、すなわちマイクロフォン17aの軸線を含むXY平面に平行な平面と、スピーカー15aの軸線を含むYZ平面に直交する平面との成す角度θは、例えば85.4°に設定されている。なお、スピーカー15aの傾斜角度と操作パネル部36の傾斜角度は同じ(4.6°)である。
【0082】
そこで、会議参加者がテレビ会議装置10の概ね+Y側に位置することとすれば、マイクロフォン17aの音声入力方向及びスピーカー15aの音声出力方向が概ね会議参加者側に向けられることになるので、会議参加者の音声がマイクロフォン17aを介して非常に入力され易くなるとともにスピーカー15aから出力される音声を会議参加者が非常に聞き取り易くなる。
【0083】
すなわち、テレビ会議装置10は、マイクロフォン17a及びスピーカー15a双方の機能をフルに発揮させつつ、エコー、ハウリングを効果的に抑制することを念頭に設計されている。
【0084】
また、本実施形態では、前述したように、吸気口59は、筐体25の下壁の−X側の端部近傍、すなわちマイクロフォン17aの−X側、−Y側かつ−Z側の位置に形成されているとともに、ファン19cによる吸気口59を介したエアの流入方向は+Z方向である。すなわち、筐体25内へのエアの流入経路は、マイクロフォン17aの音声入力方向から外れている。また、排気口53は、筐体25の−X側の側壁のY軸方向中間部、すなわちマイクロフォン17aの−X側かつ−Y側の位置に形成されているとともに、ファン19cによる排気口53を介したエアの流出方向は−X方向である。すなわち、筐体25外へのエアの流出経路は、マイクロフォン17aの音声入力方向から外れている。
【0085】
したがって、ファン19cの吸気音(吸気口59における風切り音等を含む)及び排気音(排気口53における風切り音等を含む)は、マイクロフォン17aを介して入力され難く、これにより、ファン19cの吸気音及び排気音が相手方のテレビ会議装置にノイズとして送信されることが効果的に抑制される。
【0086】
以上のように構成されるテレビ会議装置10を用いるテレビ会議の一例を、以下に説明する。ここでは、複数のメンバーでそれぞれ構成される複数のグループ間で、各グループがテレビ会議装置10を1つ用いてテレビ会議を行うこととする。したがって、以下の説明は、全てのグループについて妥当する。
【0087】
一のグループの複数のメンバー(例えば7人)は、図13に示されるように、例えば会議室内に配置されたY軸方向を長手方向とする平面視矩形のテーブルTの+X側、−X側及び+Y側にそれぞれテーブルT側を向いた状態で着座する。
【0088】
テーブルTの中央には、プロジェクターPが、テーブルTの−Y側かつ+Z側の斜め上方に配置されたスクリーンS上に画像を投影可能に載置される。
【0089】
テレビ会議装置10は、画像入力ユニット24が収容位置に位置する状態で、例えばテーブルTの+X側かつ−Y側の隅部上(プロジェクターPの水平画角αから外れる位置であって、スクリーンSと対向する位置に着座する人がスクリーンSに映し出される画像を見るのに邪魔にならない位置)に、操作パネル部36側が+Y側に位置し、かつ画像入力ユニット24側が−Y側に位置するようにその向きが設定された状態で載置(設置)される。
【0090】
これにより、テレビ会議装置10では、音声取込口20が+Y方向を向き、音声放出口43が+Z側かつ+Y側の斜め上方を向くので、一のグループのメンバー全員の音声がマイクロフォン17aを介して入力され易く、一のグループのメンバー全員がスピーカー15aから出力される音声を聞き取り易くなる。
【0091】
また、テレビ会議装置10の上記設置に併せて、テレビ会議装置10に対する電気及び通信に関する配線の接続(例えば、電源ジャック60と電源との結線、LAN端子51、57とインターネットに接続される端子との結線、画像出力端子55とプロジェクターPの端子との結線など)が行われる。
【0092】
次に、ユーザ(一のグループのメンバー)は、ロック解除ボタン33(図9参照)を押し下げて、画像入力ユニット24の筐体25に対する係止を解除する。このとき、一軸ヒンジ装置67のポップアップ機能により、画像入力ユニット24が筐体25に対し第3の軸線周りに回動して筐体25内から所定量突出する(図8参照)。
【0093】
そこで、ユーザは、画像入力ユニット24を掴んで第3の軸線周りにその総回動角度が例えば90°になるまで手動で回動させるとともに(図9参照)、カメラハウジング63を第1及び第2の軸線それぞれの周りに適宜手動で回動させることにより、電子カメラ21を、例えば一のクループのメンバー全員の姿がその撮影視野内に入る位置に位置させる。
【0094】
次に、ユーザは、電源ボタン35(図10参照)を押して一のテレビ会議装置10を起動させる。このとき、冷却系19(図2参照)のファン19cが作動し、エアが、吸気口59を介して筐体25内に流入し、ヒートシンク19bを経由し、排気口53を介して筐体25外に流出する。
【0095】
また、テレビ会議装置10が起動されたときには、一のテレビ会議装置10がインターネット上の所定のサーバ(不図示)に接続され、該サーバから他のテレビ会議装置10の宛先リストが一のテレビ会議装置10に送信され、その宛先リストが一のテレビ会議装置10に接続されたプロジェクターPによりスクリーンS上に映し出される。そこで、ユーザは、カーソル40を操作することにより、スクリーンS上に映し出された宛先リストの中からテレビ会議を行いたい他のグループの宛先を選択し、決定ボタン39を押して決定する。この場合、その選択及び決定された他のグループが、上記サーバに接続された他のテレビ会議装置10にて、テレビ会議を行うことを承諾するための操作を行ったときに、一及び他のテレビ会議装置10間でインターネット回線が接続される。
【0096】
このようにして一及び他のテレビ会議装置10間でインターネット回線が接続されると、一のテレビ会議装置10の電子カメラ21により入力される一のグループのメンバー全員の姿(画像)が、インターネット回線を介して通信相手の他のグループの他のテレビ会議装置10に送信され、該他のテレビ会議装置10に接続されたプロジェクターPによりスクリーンS上に映し出される。また、他のテレビ会議装置10の電子カメラ21により入力される他のグループのメンバー全員の姿(画像)が、インターネット回線を介して一のテレビ会議装置10に送信され、該一のテレビ会議装置10に接続されたプロジェクターPによりスクリーンS上に映し出される。
【0097】
また、一のテレビ会議装置10のマイクロフォン17aを介して一のグループの音声が入力され、該入力された音声は、インターネット回線を介して他のテレビ会議装置10に送信され、そのスピーカー15aから出力される。一方、他のテレビ会議装置10のマイクロフォン17aを介して他のグループの音声が入力され、該入力された音声は、インターネット回線を介して一のテレビ会議装置10に送信され、そのスピーカー15aから出力される。
【0098】
このとき、前述したように、一のテレビ会議装置10のスピーカー15aから出力される他のグループの音声は、一のテレビ会議装置10のマイクロフォン17aを介して入力され難い。したがって、他のグループの音声が他のテレビ会議装置10のスピーカー15aから出力されること、すなわちエコーが抑制され、ひいてはエコーが繰り返されることで発生するハウリングが抑制される。
【0099】
また、他のテレビ会議装置10のスピーカー15aから出力される一のグループの音声は、他のテレビ会議装置10のマイクロフォン17aを介して入力され難い。したがって、一のグループの音声が一のテレビ会議装置10のスピーカー15aから出力されること、すなわちエコーが抑制され、ひいてはエコーが繰り返されることで発生するハウリングが抑制される。
【0100】
また、前述したように、一のテレビ会議装置10のファン19cの吸気音及び排気音が、マイクロフォン17aを介して入力され難く、他のテレビ会議装置10にノイズとして送信されることが防止される。また、前述したように、一のテレビ会議装置10のファン19cの作動音、音声出力装置15から筐体25内に漏れる音なども、マイクロフォン17aを介して入力され難く、他のテレビ会議装置10にノイズとして送信されることが防止される。
【0101】
以上より、一及び他のテレビ会議装置10それぞれで、エコー、ハウリングを効果的に抑制することができる。また、一及び他のテレビ会議装置10それぞれで、上記ノイズがマイクロフォン17aを介して入力されることが防止される。したがって、一及び他のグループ間で、高品質な音声の双方向通信が実現された状態で、テレビ会議を行うことができる。
【0102】
以上のようにして、画像及び音声の双方向通信によるテレビ会議が行われる。
【0103】
なお、ユーザは、テレビ会議が開始される前、及びテレビ会議が行われている間に、適宜、ボリュームボタン41a、41bを操作してスピーカー15aから出る音の音量を調整し、マイクミュートボタン47を押して一のグループ側の音声が他のグループ側に出力されないようにする。また、ユーザは、適宜、メニューボタン45を押して、スクリーン上にメニュー画面を呼び出して、カーソル40及び決定ボタン39の操作によりメニュー画面上の項目を選択・決定することにより、所望の機能を実行する。
【0104】
また、ユーザは、通信相手の他のグループを変更したいときには、回線ボタン37を押して、現に接続されている他のテレビ会議装置10とのインターネット回線を切断する。このとき、スクリーンS上にメニュー画面が映し出され、そのメニュー画面上に上記宛先リストが表示される。そこで、ユーザは、前述と同様に、一のテレビ会議装置10のカーソル40及び決定ボタン39を操作して、次にテレビ会議を行いたい他のテレビ会議装置10を選択及び決定する。そして、その選択及び決定された他のテレビ会議装置10にて、前述と同様に、双方向通信を承諾する操作が行われたときに、一及び他のテレビ会議装置10間の画像及び音声の双方向通信が開始される。以後、前述と同様に、テレビ会議が行われる。
【0105】
テレビ会議が終了後、ユーザは、電源ボタン35を押してテレビ会議装置10への電力供給を停止する。このように電源ボタン35を押すと、テレビ会議装置10をシャットダウンし、通信相手との通信を終了させることもできる。そして、ユーザは、カメラハウジング63をアーム69に対し第1及び第2の軸線それぞれの周りに適宜回動させて画像入力ユニット24を基準状態に戻し、基準状態にある画像入力ユニット24を第3の軸線周りに回動させて筐体25内に収容する。画像入力ユニット24は、筐体25内に収容されるとき、上記ロック装置の作用により筐体25に対し係止される。画像入力ユニット24が筐体25内に収容された状態で、テレビ会議装置10は、平面視A4版サイズの平板状の形態となる。
【0106】
なお、以上説明したテレビ会議装置10の使用方法は、テレビ会議装置10に、画像出力装置として、プロジェクターPの代わりに、例えば液晶モニタ、PC、液晶テレビなどを接続した場合も同様である。
【0107】
以上説明したように、本実施形態のテレビ会議装置10によれば、スピーカー15a及びマイクロフォン17aを、それぞれの軸線の所定平面(YZ平面)への射影像が互いに概ね直交するように筐体25に対し配置するだけの簡易な構成により、エコー、ハウリングの発生を効果的に抑制することができる。
【0108】
換言すると、テレビ会議装置10によれば、スピーカー15a及びマイクロフォン17aを、スピーカー15aの音声出力方向及びマイクロフォン17aの音声入力方向が互いに概ね直交するように筐体25に設けるだけの簡易な構成により、エコー、ハウリングの発生を効果的に抑制することができる。
【0109】
また、テレビ会議装置10によれば、筐体25の上壁(操作パネル部36)に、スピーカー15aから出力された音声を放出する音声放出口43を形成するとともに、筐体25の上壁と隣り合う+Y側の側壁に、マイクロフォン17aを介して入力される音声を取り込む音声取込口20を形成するだけの簡易な構成により、エコー、ハウリングの発生を効果的に抑制することができる。
【0110】
また、テレビ会議装置10では、スピーカー15aが、その音声出力方向が概ね上向き(斜め上向きを含む)となるように筐体25に対し配置されているので、テレビ会議装置10の周囲の任意の位置に位置する人が、スピーカー15aから出力される音声を容易に聞き取ることができる。
【0111】
また、テレビ会議装置10では、スピーカー15aを、+Y側が−Y側よりも低くなるように僅かに傾斜させて配置するとともに、マイクロフォン17aをその音声入力方向が概ね−Y方向となるように配置することとしている。したがって、会議参加者がテレビ会議装置10の概ね+Y側に位置することとすることで、会議参加者の音声がマイクロフォン17aを介して非常に入力され易くなるとともに、会議参加者がスピーカー15aから出力される音声を非常に聞き取り易くなる。
【0112】
また、テレビ会議装置10では、略平板状の小型かつ薄型の筐体25内に、スピーカー15aとマイクロフォン17aとが比較的近接して配置されているが、このような場合であっても、スピーカー15a及びマイクロフォン17aを本実施形態のように配置することで、エコー、ハウリングの発生を効果的に抑制することができる。
【0113】
また、音声放出口43は、筐体25の上壁(操作パネル部36)の+X側かつ+Y側の角部に、すなわち一対のボリュームボタン41a、41b、決定ボタン39、メニューボタン45及びマイクミュートボタン47が並んでいる列の延長線上に形成されているので(図3参照)、外観上(デザイン上)の統一性に優れる。
【0114】
なお、本発明は、上記実施形態で説明したものに特に限定されることなく、種々の変形が可能である。
【0115】
上記実施形態では、上記角度θを85.4°としているが、これに限らず、前述したように、上記角度θは、80°以上100°以下であれば良い(スピーカー15aの音声出力方向及びマイクロフォン17aの音声入力方向が互いに概ね直交すれば良い)。上記角度θが、この範囲内(80°以上100°以下)であれば、テレビ会議装置10の周囲の任意の位置に位置する人がスピーカー15aから出力される音声を比較的容易に聞き取ることができるとともに、スピーカー15aから出力される音声がマイクロフォン17aを介して入力され難い。すなわち、テレビ会議装置10と人との位置関係によらず、スピーカー15aの機能をほぼフルに発揮しつつ、エコー、ハウリングを効果的に抑制することができる。そして、前述したように、会議参加者をテレビ会議装置10の概ね+Y側に位置させることとして、マイクロフォン17a及びスピーカー15a双方の機能をフルに発揮させつつ、エコー、ハウリングを効果的に抑制するという観点からは、上記θは、80°以上90°以下であること(スピーカー15aが、+Y側が−Y側よりも低くなるように傾斜すること)が好ましい。また、操作パネル部36のXY平面に対する傾斜角度を例えば、90°−θにすること、すなわち音声放出口43を構成する複数の貫通孔43aの貫通方向をスピーカー15aの軸に平行にすることが好ましい。
【0116】
上記実施形態では、音声取込口20は筐体25の+Y側の側壁に形成されているが、これに限らず、例えば、音声取込口を筐体25の他の壁(+Y側の側壁以外の壁)に形成することとしても良い。この場合、音声放出口を音声取込口が形成された壁に隣り合う壁に形成することが好ましい。これにより、マイクロフォン及びスピーカーそれぞれの軸線の所定平面(例えばXY平面、YZ平面、XZ平面など)への射影像が互いに直交するとともに、マイクロフォンがスピーカーの音声出力方向から外れた状態で、マイクロフォンを音声取込口に近接させ、かつスピーカーを音声放出口に近接させて配置することができる。この場合、音声取込口を筐体の上壁に形成する、すなわちマイクロフォン17aの音声入力方向を概ね下向き(斜め下向きを含む)にすることとすれば、テレビ会議装置10の周囲の任意の位置に位置する人の音声がマイクロフォン17aを介して入力され易くなる。また、音声放出口を筐体の上壁に形成する、すなわちスピーカー15aの音声出力方向を概ね上向き(斜め上向きを含む)にすることとすれば、テレビ会議装置10の周囲の任意の位置に位置する人がスピーカー15aから出力される音声を聞き取り易くなる。
【0117】
上記実施形態では、音声放出口43は筐体25の上壁に形成されているが、これに限らず、例えば、音声放出口を筐体の他の壁(上壁以外の壁)に形成することとしても良い。この場合、音声取込口を音声放出口が形成された壁と隣り合う壁に形成することが好ましい。これにより、マイクロフォン及びスピーカーそれぞれの軸線方向の所定平面(例えばXY平面、YZ平面、XZ平面など)への射影像が互いに直交するとともに、マイクロフォンがスピーカーの音声出力方向から外れた状態で、マイクロフォンを音声取込口に近接させ、かつスピーカーを音声放出口に近接させて配置することができる。この場合、音声取込口を筐体の上壁に形成する、すなわちマイクロフォン17aの音声入力方向を概ね下向き(斜め下向きを含む)にすることとすれば、テレビ会議装置10の周囲の任意の位置に位置する人の音声がマイクロフォン17aを介して入力され易くなる。
【0118】
上記実施形態では、音声放出口43が筐体25の上壁(操作パネル部36)の+X側かつ+Y側の角部に形成されているが、これに限らず、音声放出口を、操作パネル部36の他の箇所(各操作ボタン及びカーソル40が配置されていない箇所)に形成することとしても良い。この場合、その音声放出口に対応する位置にスピーカー15aを配置する必要がある。
【0119】
上記実施形態では、音声取込口20が筐体25の+Y側の側壁の+X側の端部に形成されているが、これに限らず、例えば、音声取込口を、筐体25の+Y側の側壁の−X側の端部に形成することとしても良いし、筐体25の+Y側の側壁のX軸方向中間部に形成することとしても良い。この場合、その音声取込口に対応する位置にマイクロフォン17aを配置する必要がある。
【0120】
上記実施形態では、吸気口59が筐体25の下壁に形成されているが、これに限らず、要は、吸気口は、筐体の音声取込口が形成された壁(例えば+Y側の側壁)以外の壁に形成されれば良い。この場合、排気口を、吸気口及び音声取込口が形成された壁以外の壁に形成することが好ましい。この場合、ファンの構成及び配置の少なくとも一方を、吸気口及び排気口の位置に応じて変更する必要がある。
【0121】
上記実施形態では、排気口53が筐体25の−X側の側壁に形成されているが、これに限らず、要は、排気口は、筐体の音声取込口が形成された壁(例えば+Y側の側壁)以外の壁に形成されれば良い。この場合、吸気口を、排気口及び音声取込口が形成された壁以外の壁に形成することが好ましい。この場合、ファンの構成及び配置の少なくとも一方を、吸気口及び排気口の位置に応じて変更する必要がある。特に、排気口を−Y側の側壁の−X側の端部に形成することとすれば、マイクロフォン17aから最も離れた位置(マイクロフォン17aの−Y側かつ−X側)から筐体25の後側(−Y側)にエアを排出でき、ファン19cの排気音(排気口での風切り音等を含む)がマイクロフォン17aを介して入力されることをより一層防止できる。
【0122】
上記実施形態では、筐体25内においてマイクロフォン17aと、音声出力装置15及びファン19cとを空間的に遮断するための部材として保持部材18が用いられているが、これに加えて又は代えて、例えば、筐体を構成する上側カバー及び下側カバーの少なくとも一方により遮蔽部を形成することとして、この遮蔽部により筐体25内においてマイクロフォン17aと、音声出力装置15及びファン19cとを空間的に遮断することとしても良い。すなわち、保持部材18を設ける場合は、上側カバー及び下側カバーの少なくとも一方に、遮蔽機能のみを持たせることとすれば良い。一方、保持部材18を設けない場合には、上側カバー及び下側カバーの少なくとも一方により、ホルダ17bを緩衝部材を介して筐体に保持させることとし、上側カバー及び下側カバーに遮蔽機能及び保持機能を兼備させることとすれば良い。
【0123】
上記実施形態では、筐体25は、平面視矩形の平板状の部材から成るが、これに限られず、例えば、平面視多角形(但し矩形を除く)、平面視円形又は平面視楕円形の上下方向を厚さ方向とする略平板状の部材で構成することとしても良い。
【0124】
上記実施形態では、筐体25は、略直方体形状の部材から成るが、これに限らず、例えば、直方体以外の多角形柱状の部材、円柱形状の部材、楕円柱形状の部材などの、要は、少なくとも隣り合う2つの壁を有する部材から成れば良い。
【0125】
上記実施形態では、双方向通信する複数のテレビ会議装置として、テレビ会議装置10が採用されたが、これに限らず、例えば、一のテレビ会議装置としてテレビ会議装置10を採用し、他のテレビ会議装置としてテレビ会議装置10とは異なる構成のものを採用しても良い。この場合、仮に、他のテレビ会議装置のスピーカーから出力された一のグループ側の音声が他のテレビの会議装置のマイクロフォンを介して入力された場合、一のグループ側の音声が一のテレビ会議装置10のスピーカー15aから出力されること(エコーが発生すること)になる。しかし、このスピーカー15aから出力された一のグループ側の音声は、マイクロフォン17aを介して入力され難いため、エコーの繰り返しが抑制され、ひいてはハウリングが抑制される。
【0126】
上記実施形態では、マイクロフォン17aとして無指向性のマイクロフォンが採用されているが、指向性を有するマイクロフォンを採用しても良い。
【0127】
上記実施形態では、マイクロフォン17aとして円柱形状のものが採用されているが、他の形状であっても良い。
【0128】
上記実施形態では、音声取込口20は、X軸方向(一列)に並ぶ複数の貫通孔20aで構成されているが、これに限らず、例えば、多角形の各頂点に対応する位置に形成された複数の貫通孔で構成することとしても良い。この場合、マイクロフォン17aの軸線は、その多角形の中心を通ることが好ましい。
【0129】
上記実施形態では、スピーカー15aとしてフルレンジタイプのスピーカーが採用されているが、これに限らず、例えば、マルチウェイタイプのスピーカーを採用しても良い。
【0130】
上記実施形態では、スピーカー15aとして丸型スピーカーが採用されているが(図2及び図3参照)、他の形状のスピーカーを採用しても良い。
【0131】
上記実施形態では、マイクロフォン17aは、筐体25の側壁の内側面に取り付けられているが、これに限らず、例えば、筐体25の側壁の外側面に取り付けられても良いし、筐体25の側壁に埋め込まれても良い。
【0132】
上記実施形態では、スピーカー15aは、筐体25の上壁の下方に配置されているが、これに限らず、例えば、筐体25の上壁の下面又は上面に取り付けられても良いし、筐体25の上壁に埋め込まれても良い。
【0133】
上記実施形態では、テレビ会議装置10が、例えば会議室内で用いられているが、これに限定されない。テレビ会議装置10は、上述の如く、小型かつ薄型のポータブルタイプであり、携帯性に優れるため、特定の会議室内に据え置かれる必要はなく、自由に持ち運びし、様々な場所で用いられることが期待できる。すなわち、テレビ会議装置10は、非常にユーティリティーに富む。
【0134】
上記実施形態では、本発明は、いわゆるポータブルタイプ(可搬型)のテレビ会議装置10に適用されたが、本発明は、いわゆる据え置き型のテレビ会議装置にも適用できる。
【0135】
上記実施形態では、会議装置の一例として、画像及び音声の送受信(双方向通信)が可能なテレビ会議装置10について説明したが、本発明の会議装置は、これに限らず、例えば、画像の送信及び音声の送受信のみが可能なものであっても良いし、画像の受信及び音声の送受信のみが可能なものであっても良いし、音声の送受信のみが可能なものであっても良い。
【符号の説明】
【0136】
10…テレビ会議装置(会議装置)、15a…スピーカー、17a…マイクロフォン、17c、17d…緩衝部材、19…冷却系、19b…ヒートシンク(放熱部材)、20…音声取込口、21…電子カメラ、25…筐体、43…音声放出口、53…排気口、59…吸気口、100…発熱部(CPU)、110…ネットワークI/F(通信手段)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0137】
【特許文献1】特開2002−262250号公報
【特許文献2】特開2006−138972号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信網を介して少なくとも音声データを送受信する通信手段を含む会議装置であって、
前記通信手段が収容される筐体と、
音声を前記通信手段により送信される前記音声データとして入力するマイクロフォンと、
前記通信手段により受信された前記音声データを音声として出力するスピーカーとを備え、
前記マイクロフォン及び前記スピーカーは、前記マイクロフォンの音声入力方向及び前記スピーカーの音声出力方向が互いに概ね直交するように前記筐体に設けられる会議装置。
【請求項2】
通信網を介して少なくとも音声データを送受信する通信手段を含む会議装置であって、
略直方体形状の部材から成り、前記通信手段が収容される筐体と、
音声を前記通信手段により送信される前記音声データとして入力するマイクロフォンと、
前記通信手段により受信された前記音声データを音声として出力するスピーカーとを備え、
前記筐体の隣り合う2つの壁の一方に、前記マイクロフォンを介して入力される前記音声を取り込む音声取込口が設けられ、他方に、前記スピーカーから出力された前記音声を放出する音声放出口が設けられる会議装置。
【請求項3】
前記音声取込口及び前記音声放出口の一方は、前記筐体の上壁に設けられ、他方は、前記筐体の一側壁に設けられる請求項2に記載の会議装置。
【請求項4】
前記マイクロフォン及び前記スピーカーの少なくとも一方は、緩衝部材を介して前記筐体に保持される請求項1〜3のいずれか一項に記載の会議装置。
【請求項5】
前記筐体内の発熱部を冷却する冷却系を更に備え、
前記冷却系は、前記筐体内に設けられ、前記発熱部の熱を前記筐体外に放出する放熱部材と、前記放熱部材を経由して前記筐体内を通過する気流を発生させる、ファンを含む気流発生手段とを有し、
前記マイクロフォンの音声入力方向は、前記気流の経路から外れている請求項1〜4のいずれか一項に記載の会議装置。
【請求項6】
前記マイクロフォンは、前記筐体内において、前記スピーカー及び前記ファンと、空間的に遮断されている請求項5に記載の会議装置。
【請求項7】
前記筐体は、上下方向を厚さ方向とする略平板状の部材から成る請求項1〜6のいずれか一項に記載の会議装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−235264(P2012−235264A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−101685(P2011−101685)
【出願日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】