説明

伝送装置、ネットワーク監視装置、ネットワーク通信システムとその故障診断方法

【課題】短時間で容易にネットワーク通信システムの故障箇所を特定可能な伝送装置等を実現することを目的とする。
【解決手段】通信回線を介した光通信の通信状態を監視する回線監視部111と、回線監視部が通信状態に異常を検出した場合に、伝送装置の光通信を停止させる監視制御部114と、通信回線に障害が発生しているか否かの自己診断をする回線試験部120と、回線試験部が行なう自己診断の結果を伝送装置100と接続されるネットワーク監視装置300に送信する送信部とを備える伝送装置とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、伝送装置、ネットワーク監視装置、ネットワーク通信システムとその故障診断方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、安定して品質の高い通信を確保するために、構築した光通信ネットワークが正常な光通信を行っているか否かや、光通信を中継する伝送装置が正常に動作しているか否かを常時モニターし、監視する必要がある。
【0003】
また、光通信ネットワークを新たに構築・増設した場合や、光通信ネットワークのメンテナンス時等には、この光通信ネットワークにおける各種の光特性等を測定する事により、この通信ネットワークが正常に動作するか否を確認し、診断する必要がある。
【0004】
さらには、伝送装置等に何らかの異常が検出された場合には、光通信ネットワークに故障が発生したか否かを確認し、万一故障が発生している場合には、その故障箇所を特定し、さらには故障を解決して通信を復旧させる必要がある。
【0005】
従来、このような光通信ネットワークの動作を確認したり、診断したり等する様々な診断手法が提唱されている。例えば、サブネットワークに対してそれぞれサブネットワーク管理装置を接続し、各サブネットワークで発生するアラームを対応する各サブネットワーク管理装置で検出するネットワーク障害診断方式が提案されている。
【0006】
このネットワーク障害診断方式は、総合ネットワーク管理装置で各サブネットワーク管理装置で検出された各アラームを収集して、各アラーム発生に対応して次々と障害部位候補を推定する。また、このネットワーク障害診断方式は、これらの障害部位候補集合どうしの共通集合を求めることにより、障害部位を自動的に特定して表示する。また、このネットワーク障害診断方式は、オペレータの指示により障害発生原因の解析を実施している。
【0007】
また、他のネットワーク障害管理装置においては、ネットワークを管理するネットワーク障害管理装置に関する各種情報を記憶する第一の記憶部を備える。第一の記憶部は、各ネットワークや各中継器との間のネットワーク接続関係等、このネットワーク障害管理装置の装置状態を記憶する。
【0008】
さらに、このネットワーク障害管理装置は、ネットワーク構成に関する情報を記憶する第二の記憶部を備える。さらに、このネットワーク障害管理装置は、ネットワーク構成と装置状態による障害発生箇所及びその原因に関する情報を記憶する第三の記憶部を備える。
【0009】
そして、通信障害等の異常発生時にネットワーク障害管理装置に入力される情報に基づいて、第一の記憶部、第二の記憶部、第三の記憶部に記録される各情報を用いて、通信障害の状態や通信障害の発生箇所や通信障害の発生原因を求めるネットワーク障害管理装置が提案されている。
【0010】
また、通信ネットワークの故障発生時における各測定器の呼状態とこの呼状態に対応する通信ネットワークの応答状態とを故障コードとして記憶し、発信側測定器で得られた故障コードと着信測定器で得られた故障コードとの組合わせに基づいて故障の原因を推定する方法が提示されている。
【0011】
このような通信ネットワーク診断方法は、例えば下記特許文献1等に開示されている。
【特許文献1】特開平08−191299
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
従来、ネットワーク通信システムの故障発生箇所を特定するための作業は、煩瑣であり相当の時間と手間を要するだけでなく、作業に熟練したオペレータが行う必要があった。
【0013】
本発明は、上述の問題点に鑑み為されたものであり、短時間で容易にネットワーク通信システムの故障箇所を特定可能な伝送装置等を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この発明にかかる伝送装置は、通信回線を介した光通信の通信状態を監視する回線監視部と、回線監視部が通信状態に異常を検出した場合に、伝送装置の光通信を停止させる監視制御部と、通信回線に障害が発生しているか否かの自己診断をする回線試験部と、回線試験部が行なう自己診断の結果を伝送装置と接続されるネットワーク監視装置に送信する送信部とを備えることを特徴とする。
【0015】
また、この発明にかかる伝送装置は、好ましくは回線監視部が、通信回線を介する入力光強度または出力光強度を測定する光パワー測定部と、光通信のエラー率を算出するエラー率演算部とを備え、伝送装置は、回線監視部が光通信の通信状態を監視した監視情報を記憶する監視情報記憶部を備え、回線監視部が通信状態に異常を検出した場合に、監視制御部が、伝送装置の光通信を停止させ、回線試験部が、伝送装置の通信回線に障害が発生しているか否かの自己診断を行い、送信部が、監視情報記憶部が記憶する監視情報と、自己診断の結果と、をネットワーク監視装置に送信することを特徴とする。
【0016】
また、この発明にかかるネットワーク監視装置は、上述の伝送装置から送信された自己診断の結果を受信するネットワーク監視装置であって、受信した自己診断の結果に基づき故障箇所を推定する故障箇所推定部と、故障箇所推定部が推定した故障箇所に対応する故障解決方法を予め記憶する故障解決方法記憶部と、故障箇所推定部が推定した故障箇所と、故障解決方法記憶部が記憶する故障箇所に対応する故障解決方法と、を表示する表示部とを備えることを特徴とする。
【0017】
また、この発明にかかるネットワーク監視装置は、好ましくは伝送装置に自己診断を実施させる指示が入力される指示入力部を備え、表示部は、伝送装置の回線監視部が通信状態に異常を検出したことを表示する表示部であることを特徴とする。
【0018】
また、この発明にかかるネットワーク通信システムは、複数の伝送装置と、ネットワーク監視装置と、を備えるネットワーク通信システムであって、回線試験部は、複数の伝送装置間の通信回線について、障害が発生しているか否かの回線試験をし、送信部は、監視情報記憶部が記憶する監視情報と、自己診断の結果と、回線試験の結果と、をネットワーク監視装置に送信することを特徴とする。
【0019】
また、この発明にかかるネットワーク通信システムは、好ましくは第一の伝送装置と第二の伝送装置とを備え、第一の伝送装置の第一の回線試験部と第二の伝送装置の第二の回線試験部とが、第一の伝送装置から第二の伝送装置を経由して第一の伝送装置に戻る通信回線について障害が発生しているか否かの回線試験であるループ試験と、第一の伝送装置から第二の伝送装置への通信回線と、及び第二の伝送装置から第一の伝送装置への通信回線と、の各々の通信回線について障害が発生しているか否かの回線試験であるワンウェイ試験と、を行なうことを特徴とする。
【0020】
また、この発明にかかる伝送装置は、回線監視部が、通信回線を介する入力光強度を測定する光パワー測定部と、入力光強度の閾値を記憶する閾値記憶部と、閾値記憶部に記憶される入力光強度の閾値と光パワー測定部で測定する入力光強度とを比較する比較部と、を備え、回線監視部は、比較部での比較結果により、光パワー測定部で測定する入力光強度が、閾値より小さい場合に異常を検出したと判断することを特徴とする。
【0021】
また、この発明にかかる伝送装置は、好ましくは回線監視部が、通信回線を介する出力光強度を測定する光パワー測定部と、出力光強度の閾値を記憶する閾値記憶部と、閾値記憶部に記憶される出力光強度の閾値と光パワー測定部で測定する出力光強度とを比較する比較部とを備え、回線監視部は、比較部での比較結果により、光パワー測定部で測定する出力光強度が、閾値より小さい場合に異常を検出したと判断することを特徴とする。
【0022】
また、この発明にかかる伝送装置は、さらに好ましくは回線監視部が、エラー率の閾値を記憶する閾値記憶部と、閾値記憶部に記憶されるエラー率の閾値と、エラー率演算部で算出するエラー率と、を比較する比較部とを備え、回線監視部は、比較部での比較結果により、エラー率演算部で算出するエラー率が閾値より大きい場合に異常を検出したと判断することを特徴とする。
【0023】
また、この発明にかかる伝送装置の故障診断方法は、通信回線を介した光通信の伝送をし、通信状態を監視する回線監視部を備える伝送装置の故障診断方法において、回線監視部が通信状態に異常を検出した場合に、伝送装置が光通信を停止させる工程と、通信回線に障害が発生しているか否かの自己診断をする工程と、自己診断の結果を伝送装置と接続されるネットワーク監視装置に送信する工程とを有することを特徴とする。
【0024】
また、この発明にかかる伝送装置の故障診断方法は、好ましくは回線監視部が、通信回線を介する入力光強度または出力光強度を測定する光パワー測定部と、光通信のエラー率を算出するエラー率演算部とを備え、伝送装置は、回線監視部が光通信の通信状態を監視した監視情報を記憶する監視情報記憶部を備え、回線監視部が通信状態に異常を検出した場合に、伝送装置が光通信を停止させる工程と、伝送装置が、伝送装置の通信回線に障害が発生しているか否かの自己診断を行う工程と、伝送装置が、監視情報記憶部が記憶する監視情報と、自己診断の結果と、をネットワーク監視装置に送信する工程とを有することを特徴とする。
【0025】
また、この発明にかかるネットワーク監視装置における伝送装置の故障診断方法は、伝送装置から送信された自己診断の結果を受信するネットワーク監視装置における伝送装置の故障診断方法であって、ネットワーク監視装置が、受信した自己診断の結果に基づき故障箇所を推定する工程と、故障解決方法を予め記憶し、ネットワーク監視装置が備える故障解決方法記憶部から、推定した故障箇所に対応する故障解決方法を読み出す工程と、故障箇所推定部が推定した故障箇所と、故障解決方法記憶部から読み出した故障箇所に対応する故障解決方法と、をネットワーク監視装置の表示部に表示する工程とを有することを特徴とする。
【0026】
また、この発明にかかるネットワーク監視装置における伝送装置の故障診断方法は、好ましくはネットワーク監視装置が、伝送装置に自己診断を実施させる指示が入力される指示入力部を備え、表示部が、回線監視部が通信状態に異常を検出した場合に、異常を検出したことを表示する工程を有することを特徴とする。
【0027】
また、この発明にかかるネットワーク通信システムの故障診断方法は、複数の伝送装置とネットワーク監視装置とを備えるネットワーク通信システムの故障診断方法であって、回線試験部が、複数の伝送装置間の通信回線について、障害が発生しているか否かの回線試験をする回線試験工程と、送信部が、監視情報記憶部が記憶する監視情報と、自己診断の結果と、回線試験の結果と、をネットワーク監視装置に送信する工程とを有することを特徴とする。
【0028】
また、この発明にかかるネットワーク通信システムの故障診断方法は、好ましくはネットワーク通信システムが、第一の伝送装置と第二の伝送装置とを備え、回線試験工程は、第一の伝送装置の第一の回線試験部と第二の伝送装置の第二の回線試験部とが、第一の伝送装置から第二の伝送装置を経由して第一の伝送装置に戻る通信回線について障害が発生しているか否かの回線試験であるループ試験をする工程と、第一の伝送装置から第二の伝送装置への通信回線と、及び第二の伝送装置から第一の伝送装置への通信回線と、の各々の通信回線について障害が発生しているか否かの回線試験であるワンウェイ試験をする工程とであることを特徴とする。
【0029】
また、この発明にかかるネットワーク通信システムの故障診断方法は、光通信により通信回線を介して情報を伝送する伝送装置と、伝送装置を監視するネットワーク監視装置を備えるネットワーク通信システムの故障診断方法において、伝送装置は、光通信の通信品質を監視する回線監視部を備え、伝送装置が、回線監視部による通信品質の監視情報を、監視情報記憶部に記憶させる工程と、回線監視部が通信品質に異常を検出した場合に、ネットワーク監視装置が、異常の原因となる故障箇所を確認する調査を伝送装置に指示する工程と、伝送装置が、ネットワーク監視装置からの指示に基づいて、通信回線に障害が発生しているか否かの伝送装置内部の自己診断と、伝送装置間の回線試験と、を実施する工程と、伝送装置が、自己診断の結果と、回線試験の結果と、監視情報記憶部が記憶する監視情報と、をネットワーク監視装置に送信する工程と、ネットワーク監視装置が、受信した自己診断の結果と、回線試験の結果と、監視情報記憶部が記憶する監視情報と、から伝送装置の故障箇所を推定する工程と、ネットワーク監視装置が、推定した故障箇所に対応する故障解決方法を故障解決方法記憶部から読み出す工程と、ネットワーク監視装置が、故障解決方法記憶部から読み出した故障箇所に対応する故障解決方法を表示部に表示する工程とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0030】
短時間で容易にネットワーク通信システムの故障箇所を特定可能な伝送装置等を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
本実施形態で例示するネットワーク通信システムは、ネットワーク監視装置が通信状態に異常を検出すると、異常を検出した事をオペレータに通知する。さらに、本実施形態で例示するネットワーク通信システムのネットワーク監視装置は、異常を生じた伝送装置に対して、故障箇所を推定するための自己診断動作を指示する。
【0032】
また、ネットワーク監視装置から自己診断動作を指示された伝送装置は、伝送装置内部の通信回線に異常があるか否かの自己診断動作を行う。また、ネットワーク監視装置から自己診断動作を指示された伝送装置は、他の伝送装置との間の通信回線に異常があるか否かの回線試験を行う。
【0033】
また、伝送装置は、往復路についての回線試験であるループ試験と、往路と復路との各々についての回線試験であるワンウェイ試験と、の二つの回線試験を行う。また、伝送装置は、中継する情報の通信状態を監視するとともに、その監視結果を記憶する。
【0034】
ネットワーク監視装置は、伝送装置が記憶している監視結果と自己診断の結果と回線試験の結果とを、伝送装置から受信してこれらの自己診断情報を元に故障箇所を推定する。また、故障箇所を推定したネットワーク監視装置は、推定した故障箇所に対応する故障解決方法を記憶部から読み出し、読み出した故障解決方法を表示部へ表示する。
【0035】
これにより、ネットワーク通信システムは、熟練したオペレータが煩瑣な作業をしなくても、容易にかつ短時間で的確に故障箇所の推定を行い、速やかに通信を復旧する事が可能となる。
【0036】
そこで、以下図面を参照しながら第一の実施形態について詳細に説明する。
【0037】
(第一の実施形態)
図1は、本実施形態のネットワーク通信システムを示す概念ブロック図である。図1に示すように、ネットワーク通信システム1000は、光通信を中継する伝送装置100と伝送装置200とネットワーク監視装置300とを備える。また、ネットワーク通信システム1000は、他の中継装置や伝送装置あるいは端末装置である対向装置400と、対向装置500と、を備える。
【0038】
ネットワーク通信システム1000において、伝送装置100は、対向装置400から光ファイバ等の伝送路101を介して伝送された情報を、受信部103で受信する。また、伝送装置200は、伝送装置100の送信部104から光ファイバ等の伝送路201を介して送信された情報を、受信部203で受信する。そして、伝送装置200は、送信部204から光ファイバ等の伝送路501を介して対向装置500へと情報を伝送する。
【0039】
また、ネットワーク通信システム1000において、伝送装置200は、対向装置500から光ファイバ等の伝送路502を介して伝送された情報を、受信部205で受信する。また、伝送装置100は、伝送装置200の送信部206から光ファイバ等の伝送路202を介して送信された情報を、受信部105で受信する。そして、伝送装置100は送信部106から光ファイバ等の伝送路102を介して対向装置400へと情報を伝送する。
【0040】
また、伝送装置100は、受信部103と受信部105とで受信した光情報の特性を測定等して監視する回線監視部110を備える。回線監視部110は、受信した光情報のエラー有無等をチェックするエラーチェック部111を備える。また、エラーチェック部111は、受信した光情報の中に含まれるエラービットの割合を算出するエラー発生率演算部112を備える。
【0041】
また、回線監視部110は、受信部103と受信部105及び送信部104と送信部106とで送受信される入出力光の光強度を測定する光パワー測定部113を備える。また、回線監視部110は、伝送装置100で行う通信状態の監視動作全体を制御する監視制御部114を備える。
【0042】
また、監視制御部114は、伝送装置100の通信状態を、回線監視部110で監視した結果等を記録する記憶部115を備える。記憶部115には、光パワー測定部113で測定した光通信の入力光強度と出力光強度との測定結果も記録される。
【0043】
また、伝送装置100は、伝送装置100の内部や外部の通信回線の障害有無を確認等する回線試験をする回線試験部120を備える。また、回線試験部120は、回線試験を行う為の試験フレームを生成する試験フレーム生成部121を備える。
【0044】
また、伝送装置100は、試験フレーム生成部121で生成した試験フレームを伝送装置100の装置内に備える通信回線を周回させる装置内ループ試験部124を備える。また、伝送装置100は、試験フレーム生成部121で生成した試験フレームを、伝送装置100と伝送装置200との間の通信回線である伝送路201と伝送路202と伝送装置200とで形成されるループを周回させて、伝送装置200と連携して伝送装置間のループ試験を行う装置間ループ試験部125を備える。装置内ループ試験部124と装置間ループ試験部125とは、ループ試験部123に備えられる。
【0045】
また、回線試験部120は、伝送路201と伝送路202との各々について、伝送装置200と連携して個別に回線試験を行うワンウェイ試験部122を備える。また、回線試験部120は、装置内ループ試験部124又は装置間ループ試験部125等により通信回線に挿入された試験フレームを、検出する試験フレーム検出部126を備える。
【0046】
また、回線試験部120は、試験フレーム検出部126で検出した試験フレームから、回線試験の結果が良好であるか否かを判定する試験結果判定部127を備える。伝送装置100は、試験結果が良好であるか否かの判定結果を記憶部115に記録する。すなわち、記憶部115には、伝送装置100の通信状態を監視した結果である光通信のエラー発生率や光パワーと、自己診断や他の伝送装置との間での回線試験の結果とが記録される。
【0047】
また、伝送装置200は、伝送装置100と同一の構成をとるものとする。すなわち、伝送装置200は、受信部203と受信部205とで受信した光情報の特性を測定等して監視する回線監視部210を備える。回線監視部210は、受信した光情報のエラー有無等をチェックするエラーチェック部211を備える。また、エラーチェック部211は、受信した光情報の中に含まれるエラービットの割合を算出するエラー発生率演算部212を備える。
【0048】
また、回線監視部210は、受信部203と受信部205及び送信部204と送信部206とで送受信される入出力光の光強度を測定する光パワー測定部213を備える。また、回線監視部210は、伝送装置200で行う通信状態の監視動作全体を制御する監視制御部214を備える。
【0049】
また、監視制御部214は、伝送装置200の通信状態を、回線監視部210で監視した結果等を記録する記憶部215を備える。記憶部215には、光パワー測定部113で測定した光通信の入力光強度と出力光強度との測定結果も記録される。
【0050】
また、伝送装置200は、伝送装置200の内部や外部の通信回線の障害有無を確認等する回線試験をする回線試験部220を備える。また、回線試験部120は、回線試験を行う為の試験フレームを生成する試験フレーム生成部221を備える。
【0051】
また、伝送装置200は、試験フレーム生成部221で生成した試験フレームを伝送装置200の装置内に備える通信回線を周回させる装置内ループ試験部224を備える。また、伝送装置200は、試験フレーム生成部221で生成した試験フレームを、伝送装置200と伝送装置100との間の通信回線である伝送路202と伝送路201と伝送装置100とで形成されるループを周回させて、伝送装置100と連携して伝送装置間のループ試験を行う装置間ループ試験部225を備える。装置内ループ試験部224と装置間ループ試験部225とは、ループ試験部223に備えられる。
【0052】
また、回線試験部220は、伝送路202と伝送路201との各々について、伝送装置100と連携して個別に回線試験を行うワンウェイ試験部222を備える。また、回線試験部220は、装置内ループ試験部224又は装置間ループ試験部225等により通信回線に挿入された試験フレームを、検出する試験フレーム検出部226を備える。
【0053】
また、回線試験部220は、試験フレーム検出部226で検出した試験フレームから、回線試験の結果が良好であるか否かを判定する試験結果判定部227を備える。伝送装置200は、試験結果が良好であるか否かの判定結果を記憶部215に記録する。すなわち、記憶部215には、伝送装置200の通信状態を監視した結果である光通信のエラー発生率や光パワーと、自己診断や他の装置との間での回線試験の結果とが記録される。伝送装置200は、LED表示部230に異常表示を表示させることができる。
【0054】
また、ネットワーク通信システム1000は、伝送装置100や伝送装置200や対向装置400や対向装置500等を管理し、ネットワーク通信システム1000全体の通信状態を監視するネットワーク監視装置300を備える。ネットワーク監視装置300は、ネットワーク監視装置300全体の動作制御を行うCPU310を備える。ネットワーク監視装置300は、伝送装置100等と専用回線で接続されてもよいし、伝送装置間通信の送信部を介して接続されてもよい。専用回線で接続する場合には、伝送装置100等はネットワーク監視装置300との専用の不図示の送信部を備えるものとする。
【0055】
また、ネットワーク監視装置300は、CPU310に故障推定処理をさせる動作プログラムを記憶する故障箇所推定プログラム記憶部321と、故障解決方法を予め記憶する故障解決方法記憶部323とを備える。故障箇所推定プログラム記憶部321と故障解決方法記憶部323とは、記憶部320に備えられる。CPU310は、故障箇所推定プログラム記憶部321に基づき動作する故障箇所推定部311と故障解決方法記憶部323から故障解決方法を読み出し処理する読み出し部312とを備える。
【0056】
また、ネットワーク監視装置300は、読み出し部312が故障解決方法記憶部323から読み出した故障解決方法を、オペレータが視認できるように表示する表示部324を備える。また、ネットワーク監視装置300は、ネットワーク通信システム1000に異常が検出された場合に、異常が検出された伝送装置100等に、故障箇所を推定するための自己診断や回線試験等を行わせると共に、自己診断の結果や回線試験の結果等を送信させる指示を入力する指示入力部325を備える。
【0057】
次に、ネットワーク通信システム1000の動作と処理について、図2等を用いて詳細に説明する。図2は、ネットワーク通信システム1000の動作処理の概要を示すフロー図である。また、以下の説明では、図2に示す各ステップごとに対応する説明図等を用いながら順次説明することとする。
【0058】
(ステップS21)
伝送装置100は、伝送装置100自身の装置状態を記憶部115に記録する。ここで、伝送装置100自身の装置状態とは、例えば伝送装置100の電源が遮断された場合の電源断情報や、伝送装置100の冷却ファン等が故障等した故障情報等、伝送装置100の装置状態に異常が発生した場合の発生時刻や発生箇所、電圧値、電流値等の検出情報である。
【0059】
伝送装置100は、通常、伝送装置100自身の装置状態を監視する電圧検出部等のセンサーを複数備える。従って、伝送装置100は、伝送装置100自身の装置状態を監視している複数のセンサーの出力値を、装置の状態を示す情報として記憶部115に記録する。
【0060】
(ステップS22)
伝送装置100は、中継する光通信の回線状態を記憶部115に記録する。伝送装置100の回線監視部110は、通信回線を介して伝送される光の強度等を監視している。このため、回線監視部110は、監視している光の強度等を、回線状態を示す情報として、記憶部115に記録する。
【0061】
図3は、回線監視部110が、伝送装置100で中継する伝送路101,201,202,102を介する光情報について監視する様子を概念的に示すブロック図である。図3に示すように、回線監視部110は、監視制御部114の指示に基づいて監視動作を行い、回線監視部110での監視結果は全て記憶部115に記録するものとする。
【0062】
具体的には、伝送装置100は、エラー発生率演算部112で算出するエラー発生率や、光パワー測定部113で測定する入出力光強度を、記憶部115に記録する。また、図4は、伝送装置100が、伝送路101を介して伝送されてきた光情報を、エラーチェック部111でエラーチェックして、伝送路201を介して伝送する様子を示すブロック概念図である。
【0063】
図4に示すように、伝送装置100は、エラーチェック部111のエラー発生率演算部112が算出したエラー発生率を記憶部115に記録する。また、光通信の回線状態とは、例えばエラーチェック部111でチェックしたエラー発生回数や、エラー発生率演算部112で算出するエラー発生率や、光パワー測定部113で測定する入出力光強度等、通信回線を介する光通信の状態を監視して得た通信回線の情報である。
【0064】
(ステップS23)
ネットワーク監視装置300は、伝送装置100または伝送装置200から装置異常または回線異常の警報通知があるか否かを判断する。ネットワーク監視装置300は、伝送装置100等から警報通知があればステップS24へと進む。また、ネットワーク監視装置300は、伝送装置100等から警報通知がなければステップS21へと戻る。なお、以下の説明においては、伝送装置100が異常警報を通知したものとして説明を続ける。
【0065】
(ステップS24)
オペレータが、ネットワーク監視装置300の指示入力部325から、異常を検出した伝送装置100に対して自己診断命令を指示入力する。なお、このステップS24でのオペレータの指示入力は、オペレータの指示を待つことなく、伝送装置100からの異常通知を受信したネットワーク監視装置300が自動的に指示することとしてもよい。
【0066】
(ステップS25)
伝送装置100は、伝送装置100の内部の通信回線について、ループ試験を行う。具体的には、図5に示すように監視制御部114が光通信の中継伝送に関する送受信を停止させる。図5は、伝送装置100内部のループ試験を概念的に説明するブロック図である。
【0067】
図5において、回線試験部120の試験フレーム生成部121が生成した試験フレームを、装置内ループ試験部124が、伝送装置100の内部の通信回線511,512を経由する内部ループに挿入させる。また、この際、監視制御部114が、送信部104,106、受信部103,105を介する外部の伝送路101,102,201,202との送受信を停止させる。
【0068】
そして、試験フレーム検出部126が伝送装置100の内部ループを伝送されてきた試験フレームを検出する。また、試験結果判定部127は、試験フレーム検出部126が検出した試験フレームが良好であるか否かを判定する。試験結果判定部127は、例えばデフォルトで試験フレーム生成部121が生成したオリジナル試験フレームと、試験フレーム検出部126が検出した試験フレームとを比較する。
【0069】
そして、試験結果判定部127は、オリジナル試験フレームとの比較結果により、オリジナル試験フレームに対する誤りビット率や、検出光強度を試験フレーム挿入時の挿入光強度と比較した結果から、試験フレーム検出部126が検出した試験フレームは良好であるか否かを判定する。
【0070】
また、試験結果判定部127で判定した装置内ループ試験の結果は、監視制御部114が、記憶部115に記録する。なお、上述の動作は伝送装置100が行うものとして動作説明をした。しかし、伝送装置200に異常が検出された場合等には、伝送装置200が伝送装置内ループ試験を行ってもよいし、伝送装置100と伝送装置200との両方の伝送装置が、各々伝送装置内ループ試験を行ってもよい。
【0071】
(ステップS26)
ネットワーク通信システム1000の伝送装置100と伝送装置200とは、連携して双方の伝送装置間でループ試験動作を行う。図6は、伝送装置間の試験動作を説明するブロック概念図である。図6に示すように、伝送装置100の監視制御部114は、伝送装置100の送信部106と受信部103との各々の送受信動作を停止させる。
【0072】
また、伝送装置200の監視制御部214は、伝送装置200の送信部204と受信部205との各々の送受信動作を停止させる。そして、伝送装置100の試験フレーム生成部121は、装置間ループ試験を行うための試験フレームを生成する。また、装置間ループ試験部125は、試験フレーム生成部121が生成した試験フレームを送信部104から伝送路201へと挿入する。
【0073】
また、伝送装置200は、伝送路201から伝送されてきた試験フレームを受信部203で受信する。また、伝送装置200の装置間ループ試験部225は、受信部203で受信した試験フレームを送信部206から伝送装置200へ送信するように、伝送装置間ループを形成する。
【0074】
また、伝送装置100は、伝送路202から戻ってきた試験フレームを受信部105で受信する。そして、受信部105で受信した試験フレームは、試験フレーム検出部126が検出する。また、試験結果判定部127は、試験フレーム検出部126で検出した試験フレームが良好であるか否かを判定する。
【0075】
試験結果判定部127は、例えばデフォルトで試験フレーム生成部121が生成したオリジナル試験フレームと、試験フレーム検出部126が検出した試験フレームとを比較する。
【0076】
そして、試験結果判定部127は、オリジナル試験フレームとの比較結果により、オリジナル試験フレームに対する誤りビット率や、検出光強度を試験フレーム挿入時の挿入光強度と比較した結果から、試験フレーム検出部126が検出した試験フレームは良好であるか否かを判定する。
【0077】
また、試験結果判定部127で判定した伝送装置間ループ試験の結果は、監視制御部114が、記憶部115に記録する。
【0078】
なお、上述の説明においては、伝送装置100が試験フレームを生成する伝送装置間ループ試験動作について説明した。しかし、伝送装置100に代えて伝送装置200が試験フレームを作成してもよい。また、伝送装置100と伝送装置200との双方が、各々試験フレームを作成して装置間ループ試験を行ってもよい。
【0079】
(ステップS27)
伝送装置100のワンウェイ試験部122と、伝送装置200のワンウェイ試験部222とが連携して、伝送装置100から伝送装置200に至る伝送路201について、試験フレームを挿入して回線試験を行う。
【0080】
具体的には、図6に示すように伝送装置100の試験フレーム生成部121が作成した試験フレームを、ワンウェイ試験部122が送信部104から伝送路201に送出する。伝送装置200の受信部203は、伝送路201から伝送された試験フレームを受信し、試験フレーム検出部226が受信した試験フレームを検出する。
【0081】
また、伝送装置200の試験結果判定部227は、試験フレーム検出部226が検出した試験フレームが良好か否かを判定する。試験結果判定部227が判定した結果は、回線試験の結果として、伝送装置200の記憶部215に記憶する。
【0082】
(ステップS28)
伝送装置100のワンウェイ試験部122と、伝送装置200のワンウェイ試験部222とが連携して、伝送装置200から伝送装置100に至る伝送路202について、試験フレームを挿入して回線試験を行う。
【0083】
具体的には、図6に示すように、伝送装置200の試験フレーム生成部221が作成した試験フレームを、ワンウェイ試験部222が送信部206から伝送路202に送出する。伝送装置100の受信部105は、伝送路202から伝送された試験フレームを受信し、試験フレーム検出部126が受信した試験フレームを検出する。
【0084】
また、伝送装置100の試験結果判定部127は、試験フレーム検出部126が検出した試験フレームが良好か否かを判定する。試験結果判定部127が判定した結果は、回線試験の結果として、伝送装置100の記憶部115に記憶する。
【0085】
(ステップS29)
ネットワーク通信システム1000の伝送装置100と伝送装置200とは、各々の送受信部における入出力光強度を測定し、各々の記憶部115,116に測定した入出力光強度を記録する。図7は、伝送装置100と伝送装置200等との装置間における入出力光強度の測定を概念的に示す図である。
【0086】
具体的には、伝送装置100は、送信部104から試験光を送出し、光パワー測定部113が、送出する出力光強度を測定する。また、伝送装置200の光パワー測定部213は、受信部203で受信した試験光の入力光強度を測定する。光パワー測定部213で測定した光強度は、記憶部215に記録する。
【0087】
同様に、伝送装置200は、送信部206から試験光を送出し、光パワー測定部213が、送出する出力光強度を測定する。また、伝送装置100の光パワー測定部113は、受信部105で受信した試験光の入力光強度を測定する。光パワー測定部113で測定した光強度は、記憶部115に記録する。
【0088】
このようにして、伝送装置100と伝送装置200との間での送信部104,206,受信部203,105での光強度が測定され、記録される。また、図7に示すように、対向装置400と伝送装置100との間、及び対向装置500と伝送装置200との間においても上述と同様の動作を実施することにより、伝送装置100の送信部104,106及び受信部103,105、並びに伝送装置200の送信部204,206及び受信部203,205について、光強度を測定し記録することができる。
【0089】
なお、このステップS29の工程は、省略してもよい。ステップS29を省略する場合には、伝送装置100については、回線監視部110が光通信の状態を監視して記憶部115に記録した回線状態の情報を用いることとできる。また、ステップS29を省略する場合には、伝送装置200については、回線監視部210が光通信の状態を監視して記憶部215に記録した回線状態の情報を用いることとできる。
【0090】
(ステップS2a)
伝送装置100は、ステップS21で記憶部115に記録した装置状態の情報と、ステップS22で記憶部115に記録した回線状態の情報と、ステップS25で記憶部115に記録した伝送装置内のループ試験結果(自己診断の結果に対応)と、ステップS26乃至ステップS28で記憶部115に記録した装置間の回線試験の結果と、をネットワーク監視装置300に送信する。
【0091】
また、伝送装置200は、ステップS21で記憶部215に記録した装置状態の情報と、ステップS22で記憶部215に記録した回線状態の情報と、ステップS25で記憶部215に記録した伝送装置内のループ試験結果(自己診断の結果に対応)と、ステップS26乃至ステップS28で記憶部215に記録した装置間の回線試験の結果と、をネットワーク監視装置300に送信する。
【0092】
なお、ステップS25乃至ステップS28で記憶部115に記録した自己診断の結果や回線試験の結果は、記憶部115に記録することなく、順次、ネットワーク監視装置300に送信することとしてもよい。また、伝送装置内のループ試験結果(自己診断の結果に対応)と、伝送装置間等の回線試験の結果とは、伝送装置100等が自ら行う故障診断の情報であるので、いわば自己診断情報であるといえる。
【0093】
(ステップS2b)
ネットワーク監視装置300は、伝送装置100と伝送装置200とから送信された上述の自己診断情報等を受信する。
【0094】
(ステップS2c)
ネットワーク監視装置300の故障箇所推定部311は、故障箇所推定プログラム記憶部321に記録される故障箇所推定プログラムに基づいて、受信した上述の自己診断情報等から故障箇所を推定する。
【0095】
ネットワーク監視装置300は、伝送装置100等に蓄積された伝送装置自体の装置状態を示す情報と、光通信の回線状態を示す情報と、自己診断の結果と、装置間の回線試験の結果との情報から複合的にフレキシブルに故障箇所を推定することができる。また、故障箇所は、一カ所に限られるものではない。
【0096】
また、故障箇所推定部311が推定するのは故障箇所のみに限られず、故障原因や故障の深刻度、再発頻度等であってもよい。故障箇所推定部311が、できるだけ複合的かつ多面的に様々な故障関連事項を推定演算することにより、後のステップにおいてより多面的かつ複合的に、必要な対応や故障解決方法を導出することができるので好ましい。
【0097】
(ステップS2d)
ステップS2cで故障箇所推定部311が推定した故障箇所に対応する故障解決方法を、ネットワーク監視装置300の読み出し部312が故障解決方法記憶部323から読み出す。故障解決方法記憶部323には予め、故障箇所との対応関係において可能性の高い故障原因とその復旧方法とを記憶させているものとする。
【0098】
なお、故障解決方法記憶部323が記憶するのは、故障解決方法に限られず、故障に付随してオペレータに通知することが好ましいお勧め情報やお勧め対応策、さらにはアップグレード情報等とすることが好ましい。
【0099】
例えば、オペレータが、予算と時間との関係で、取り急ぎの故障復旧で済ませる事とするのか、抜本的な故障解決とする復旧作業をする事とするのか等を選択できることとすることが好ましい。これにより、オペレータや顧客等の事情に応じた適切な対応とできる。
【0100】
(ステップS2e)
ネットワーク監視装置300は、表示部324にステップS2dで読み出した故障解決方法を、オペレータに視認できるように表示する。ここで、表示部324は、例えばステップS2cで推定した故障箇所について、自己診断情報等から確からしさの推定確率を算出し、例えば確率の高い順から順に第三位までの故障箇所とその故障解決方法を表示してもよい。
【0101】
これにより、仮に故障箇所推定部311が、複数の故障箇所や複数の故障原因等の可能性を算出し、推定した場合においても、オペレータはより確からしい順に対応すればよいので、迅速かつ妥当な故障復旧対応を実現できる。
【0102】
このため、伝送装置100等に何らかの異常が発生した際には、ネットワーク通信システム1000は、速やかに自己診断情報等を収集し、故障箇所を推定することができる。また、推定した故障箇所に対応する有力な確からしい故障解決方法を速やかに知ることができる。このためオペレータは、煩瑣な検査作業や確認作業に煩わされることはなく、迅速かつ的確な通信障害復旧作業を行うことができる。
【0103】
次に、図8乃至図10を用いて、回線監視部110で測定する光通信の特性の典型例について説明する。なお、以下の説明においては、主として第一の実施形態と相違する部分について詳細に説明することとし、同じ構成や動作となる部分については説明を省略するか簡略に行うこととする。
【0104】
(第二の実施形態)
図8は、伝送装置100の回線監視部110がエラーチェック部111を備えるブロック概念図を示す図である。図8に示すように、伝送装置100は、エラーチェック部111のエラー発生率演算部112で、伝送路101,102,201,202を介する光通信による伝送情報のうち、エラービットが含まれる割合を算出する。
【0105】
また、エラー発生率演算部112で算出したエラービットが含まれる割合は、監視制御部114にて、監視制御部114が備えるエラー発生率閾値記憶部802の閾値と、エラー発生率比較部801で比較される。
【0106】
エラー発生率比較部801での比較により、エラー発生率演算部112で算出したエラービットが含まれる割合の方が、予め設定されるエラー発生率閾値より大きければ、伝送装置100は、LED表示部130に異常表示を表示させる。また、エラー発生率演算部112で算出したエラービットが含まれる割合の方が、予め設定されるエラー発生率閾値より大きければ、伝送装置100は、ネットワーク監視装置300に異常の発生を検出した事を通知する。
【0107】
また、エラー発生率演算部112は、伝送装置100で中継して伝送する全ての光通信について、常にエラーの発生率を監視し、いわば通信品質をモニターすることが、より信頼性の高い高品質な通信を実現する上で好ましい。
【0108】
さらに、エラー発生率演算部112で演算するエラー発生率について、伝送装置100は、典型的には全て記憶部115に記録しておく事が好ましい。これにより、伝送装置100に通信障害等の異常が生じた場合には、ネットワーク監視装置300が、記憶部115に記録された監視情報等に基づき、より的確な故障箇所推定等の判断をすることが可能となる。
【0109】
ここで、エラー発生率演算部112で演算するエラー発生率や監視制御部114で行う異常閾値判断等は、伝送装置100が有するいわゆるパフォーマンスモニタ機能を用いるものであってもよい。パフォーマンスモニタ機能は、伝送装置が受信したフレームが異常フレームであるか否かを確認し、受信フレーム数と、受信フレーム数の中に含まれる異常フレーム数とをカウントする事により、エラーフレーム率を測定する機能である。
【0110】
また、エラーチェック部111は、通信規格で一般的に用いられている異常フレーム検出方法(誤り検出方法)等を用いて異常フレームの確認と検出を実現できる。例えば、通信規格としてEthernet(登録商標)を用いる場合には、エラーチェック部111は、MACフレームに含まれるFCSフィールドのチェックを行うことで、異常フレームの判定を行うことができる。
【0111】
また、符号化を用いて伝送可能な通信規格を用いる場合には、フレーム受信時に符号誤りを検出する事により、エラーチェック部111は異常フレームの判定を行うことができる。符号化を用いる伝送とは、8B/10B符号化としては、例えばギガビットイーサネット(登録商標)、10ギガビットイーサネットなどである。また、64B/66B符号化としては、例えば10ギガビットイーサネットである。
【0112】
また、パフォーマンスモニタ機能は、ネットワーク通信システム1000の稼働中は、常に機能している事が好ましく、一定時間ごとに受信フレームと異常フレームとのカウント数を確認し、その一定時間において、エラー率が一定値を超えていれば異常(エラー)と判定する。
【0113】
また、パフォーマンスモニタ機能を用いると、例えば15分間でのエラー率が10の−7乗以上と測定された場合に、エラー判定を出力する伝送装置100とすることができる。このように、エラー発生率閾値記憶部802に記憶するエラー発生率閾値を低めに設定すると、例えば深刻かつ重大な故障が発生する前に、エラー発生率がまだ十分に小さい段階で、故障の発生を予測し、事前に故障発生防止対策を講じることも可能となるので好ましい。
【0114】
(第三の実施形態)
また、図9は、伝送装置100の回線監視部110がエラー訂正部9111を備えるブロック概念図を示す図である。図9に示すように、伝送装置100は、エラー訂正部9111のエラー訂正率演算部9112で、伝送路101,102,201,202を介する光通信による伝送情報のうち、エラー訂正ビットが含まれる割合を算出する。
【0115】
また、エラー訂正率演算部9112で算出したエラー訂正ビットが含まれる割合は、監視制御部114にて、監視制御部114が備えるエラー訂正率閾値記憶部902の閾値と、エラー訂正率比較部901で比較される。
【0116】
エラー訂正率比較部901での比較により、エラー訂正率演算部9112で算出したエラー訂正ビットが含まれる割合の方が、予め設定されるエラー訂正率閾値より大きければ、伝送装置100は、LED表示部130に異常表示を表示させる。また、エラー訂正率演算部9112で算出したエラー訂正ビットが含まれる割合の方が、予め設定されるエラー訂正率閾値より大きければ、伝送装置100は、ネットワーク監視装置300に異常の発生を検出した事を通知する。
【0117】
また、エラー訂正率演算部9112は、伝送装置100で中継して伝送する全ての光通信について、常にエラーの訂正率を監視し、いわば通信品質をモニターすることが、より信頼性の高い高品質な通信を実現する上で好ましい。
【0118】
さらに、エラー訂正率演算部9112で演算するエラー訂正率について、伝送装置100は、典型的には全て記憶部115に記録しておく事が好ましい。これにより、伝送装置100に通信障害等の異常が生じた場合には、ネットワーク監視装置300が、記憶部115に記録された監視情報等に基づき、より的確な故障箇所推定等の判断をすることが可能となる。
【0119】
ここで、エラー訂正部9111が行うエラー訂正等は、上述したパフォーマンスモニタ機能を用いるものであってもよい。パフォーマンスモニタ機能を用いると、伝送装置100は、フレームを受信する受信部103,105において、受信したフレームをエラー訂正が可能な範囲で、エラー訂正を実行できる。また、パフォーマンスモニタ機能を用いると、エラー訂正した後に、上述の異常フレームのチェックを実行できる。
【0120】
また、パフォーマンスモニタ機能を用いると伝送装置100は、仮に受信部103で受信したフレームについて、異常フレーム数が閾値より大きい場合には、対向装置400と伝送路101とを故障箇所と推定する。すなわち、この場合にはネットワーク監視装置300の故障箇所推定部311の機能の一部を、伝送装置100側で担うことが可能となる。
【0121】
また、パフォーマンスモニタ機能を用いると伝送装置100は、仮に受信部105で受信したフレームについて、異常フレーム数が閾値より大きい場合には、伝送装置200と伝送路202とを故障箇所と推定する。すなわち、この場合にはネットワーク監視装置300の故障箇所推定部311の機能の一部を、伝送装置100側で担うことが可能となる。
【0122】
また、パフォーマンスモニタ機能を用いると伝送装置200は、仮に受信部203で受信したフレームについて、異常フレーム数が閾値より大きい場合には、伝送装置100と伝送路201とを故障箇所と推定する。すなわち、この場合にはネットワーク監視装置300の故障箇所推定部311の機能の一部を、伝送装置200側で担うことが可能となる。
【0123】
また、パフォーマンスモニタ機能を用いると伝送装置200は、仮に受信部205で受信したフレームについて、異常フレーム数が閾値より大きい場合には、対向装置500と伝送路502とを故障箇所と推定する。すなわち、この場合にはネットワーク監視装置300の故障箇所推定部311の機能の一部を、伝送装置200側で担うことが可能となる。
【0124】
パフォーマンスモニタ機能を用いると、例えば15分間でのエラー訂正率が10の−6乗以上となった場合に、エラー判定を出力する伝送装置100とすることができる。このように、エラー訂正率閾値記憶部902に記憶するエラー訂正率閾値を低めに設定すると、例えば深刻かつ重大な故障が発生する前に、エラー訂正率がまだ十分に小さい段階で、故障の発生を予測し、事前に故障発生防止対策を講じることも可能となるので好ましい。
【0125】
(第四の実施形態)
また、図10は、回線監視部110が、光パワー測定部113を備え、伝送装置100で中継伝送する光通信の入力光及び出力光について光強度をモニターし、監視する例を示す図である。
【0126】
光パワー測定部113は、伝送路101又は伝送路202から伝送された入力光強度や、伝送路201又は伝送路102に伝送する出力光強度を測定する。光パワー測定部113で測定した光強度は、監視制御部114が備える光パワー比較部1001で、光パワー閾値記憶部1002が記憶する光パワー閾値と比較される。
【0127】
そして、光パワー比較部1001で比較した結果、光パワー測定部113で測定した光強度の方が小さければ、回線監視部110は異常を検出したとして、伝送装置100が備えるLED表示部130に異常を検出した事を表示する。また、光パワー比較部1001で比較した結果、光パワー測定部113で測定した光強度の方が小さければ、伝送装置100は、ネットワーク監視装置300に、異常を検出したことを通報する。
【0128】
ここで、光パワー閾値記憶部1002が記憶する光パワー閾値は、送信側においては1000BASEーSXの場合には例えば、ー9.5dBm未満になったときとできる。また、光パワー閾値記憶部1002が記憶する光パワー閾値は、受信側においては1000BASEーSXの場合には例えば、ー17.0dBm未満になったときとできる。
【0129】
光パワー閾値記憶部1002は、上述するように正常範囲として許容される下限値を通常値(たとえばティピカル値)からの下限閾値として記憶しておいてもよい。
【0130】
また、光パワー閾値記憶部1002が記憶する光パワー閾値は、送信側においては1000BASEーSXの場合には例えば、ー7.5dBm未満になったときとできる。また、光パワー閾値記憶部1002が記憶する光パワー閾値は、受信側においては1000BASEーSXの場合には例えば、ー15.0dBm未満になったときとできる。
【0131】
このように、光パワー閾値記憶部1002は、やや狭い許容範囲を設定することにより、重大かつ深刻な故障が発生する兆候を未然に検出することができる。これにより、早期に異常発生の傾向を、ネットワーク監視装置300に通知し、またLED表示部130に表示することができるので、故障の発生を未然に防止する事も可能な伝送装置100とできる。
【0132】
また、本発明にいうエラー率とは、ビットエラー発生率とフレームエラー発生率とエラー訂正率とを含む概念であり、通信データのうちエラーの割合を示す指標であれば足りる。
【0133】
本実施形態で例示する伝送装置100等とネットワーク監視装置300及びネットワーク通信システム1000は、自明な範囲でその構成と動作及び処理を適宜変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0134】
【図1】本実施形態のネットワーク通信システムを示す概念ブロック図である。
【図2】ネットワーク通信システムの動作処理の概要を示すフロー図である。
【図3】回線監視部が、伝送装置で中継する光情報について監視する様子を概念的に示すブロック図である。
【図4】光情報をエラーチェック部でエラーチェックして伝送するブロック概念図である。
【図5】伝送装置内部のループ試験を概念的に説明するブロック図である。
【図6】伝送装置間の試験動作を説明するブロック概念図である。
【図7】伝送装置間等における入出力光強度の測定を概念的に示す図である。
【図8】伝送装置の回線監視部がエラーチェック部を備えるブロック概念図を示す図である。
【図9】伝送装置の回線監視部がエラー訂正部を備えるブロック概念図を示す図である。
【図10】光通信の入出力光について光強度をモニターする例を示す図である。
【符号の説明】
【0135】
100・・伝送装置、101・・伝送路、102・・伝送路、103・・受信部、104・・送信部、105・・受信部、106・・送信部、110・・回線監視部、111・・エラーチェック部、112・・エラー発生率演算部、113・・光パワー測定部、114・・監視制御部、115・・記憶部、120・・回線試験部、121・・試験フレーム生成部、122・・ワンウェイ試験部、124・・装置内ループ試験部、125・・装置間ループ試験部、126・・試験フレーム検出部、127・・試験結果判定部、130・・LED表示部、200・・伝送装置、201・・伝送路、202・・伝送路、203・・受信部、204・・送信部、205・・受信部、206・・送信部、210・・回線監視部、211・・エラーチェック部、212・・エラー発生率演算部、213・・光パワー測定部、214・・監視制御部、215・・記憶部、220・・回線試験部、221・・試験フレーム生成部、222・・ワンウェイ試験部、224・・装置内ループ試験部、225・・装置間ループ試験部、226・・試験フレーム検出部、227・・試験結果判定部、300・・ネットワーク監視装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信回線を介した光通信の通信状態を監視する回線監視部と、
前記回線監視部が前記通信状態に異常を検出した場合に、
前記光通信を停止させる監視制御部と、
前記通信回線に障害が発生しているか否かの自己診断をする回線試験部と、
前記回線試験部が行なう前記自己診断の結果をネットワーク監視装置に送信する送信部と、を備える
ことを特徴とする伝送装置。
【請求項2】
請求項1に記載の伝送装置において、
前記回線監視部は、前記通信回線を介する入力光強度または出力光強度を測定する光パワー測定部と、前記光通信のエラー率を算出するエラー率演算部と、を備え、
前記伝送装置は、前記回線監視部が前記光通信の通信状態を監視した監視情報を記憶する監視情報記憶部を備え、
前記回線監視部が前記通信状態に異常を検出した場合に、
前記監視制御部が、前記伝送装置の前記光通信を停止させ、
前記回線試験部が、前記伝送装置の通信回線に障害が発生しているか否かの自己診断を行い、
前記送信部が、前記監視情報記憶部が記憶する前記監視情報と、前記自己診断の結果と、を前記ネットワーク監視装置に送信する
ことを特徴とする伝送装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の伝送装置から送信された前記自己診断の結果を受信するネットワーク監視装置において、
受信した前記自己診断の結果に基づき故障箇所を推定する故障箇所推定部と、
前記故障箇所推定部が推定した前記故障箇所に対応する故障解決方法を予め記憶する故障解決方法記憶部と、
前記故障箇所推定部が推定した前記故障箇所と、前記故障解決方法記憶部が記憶する前記故障箇所に対応する前記故障解決方法と、を表示する表示部と
を備えることを特徴とするネットワーク監視装置。
【請求項4】
請求項3に記載するネットワーク監視装置において、
前記伝送装置に前記自己診断を実施させる指示が入力される指示入力部を備え、
前記表示部は、前記伝送装置の前記回線監視部が前記通信状態に異常を検出したことを表示する表示部である
ことを特徴とするネットワーク監視装置。
【請求項5】
複数の請求項2に記載の伝送装置と、請求項4に記載のネットワーク監視装置と、を備えるネットワーク通信システムにおいて、
前記回線試験部は、前記複数の伝送装置間の通信回線について、障害が発生しているか否かの装置間回線試験をし、
前記送信部は、前記監視情報記憶部が記憶する前記監視情報と、前記自己診断の結果と、前記装置間回線試験の結果と、を前記ネットワーク監視装置に送信する
ことを特徴とするネットワーク通信システム。
【請求項6】
請求項5に記載のネットワーク通信システムにおいて、
第一の伝送装置と第二の伝送装置とを備え、
前記第一の伝送装置の第一の回線試験部と前記第二の伝送装置の第二の回線試験部とが、
前記第一の伝送装置から前記第二の伝送装置を経由して前記第一の伝送装置に戻る通信回線について障害が発生しているか否かの装置間回線試験であるループ試験と、
前記第一の伝送装置から前記第二の伝送装置への通信回線と、及び前記第二の伝送装置から前記第一の伝送装置への通信回線と、の各々の通信回線について障害が発生しているか否かの装置間回線試験であるワンウェイ試験と、を行なう
ことを特徴とするネットワーク通信システム。
【請求項7】
請求項2に記載の伝送装置において、
前記回線監視部は、前記通信回線を介する入力光強度を測定する光パワー測定部と、
前記入力光強度の閾値を記憶する閾値記憶部と、
前記閾値記憶部に記憶される前記入力光強度の閾値と前記光パワー測定部で測定する前記入力光強度とを比較する比較部と、を備え、
前記回線監視部は、前記比較部での比較結果により、前記光パワー測定部で測定する前記入力光強度が、前記閾値より小さい場合に異常を検出したと判断する
ことを特徴とする伝送装置。
【請求項8】
請求項2又は請求項7に記載の伝送装置において、
前記回線監視部は、前記通信回線を介する出力光強度を測定する光パワー測定部と、
前記出力光強度の閾値を記憶する閾値記憶部と、
前記閾値記憶部に記憶される前記出力光強度の閾値と前記光パワー測定部で測定する前記出力光強度とを比較する比較部と、を備え、
前記回線監視部は、前記比較部での比較結果により、前記光パワー測定部で測定する前記出力光強度が、前記閾値より小さい場合に異常を検出したと判断する
ことを特徴とする伝送装置。
【請求項9】
請求項7又は請求項8に記載の記載の伝送装置において、
前記回線監視部は、前記エラー率の閾値を記憶する閾値記憶部と、
前記閾値記憶部に記憶される前記エラー率の閾値と、前記エラー率演算部で算出するエラー率と、を比較する比較部と、を備え、
前記回線監視部は、前記比較部での比較結果により、前記エラー率演算部で算出するエラー率が前記閾値より大きい場合に異常を検出したと判断する
ことを特徴とする伝送装置。
【請求項10】
通信回線を介した光通信の伝送をし、通信状態を監視する回線監視部を備える伝送装置の故障診断方法において、
前記回線監視部が前記通信状態に異常を検出した場合に、
前記伝送装置が前記光通信を停止させる工程と、
前記通信回線に障害が発生しているか否かの自己診断をする工程と、
前記自己診断の結果を前記伝送装置と接続されるネットワーク監視装置に送信する工程と、を有する
ことを特徴とする伝送装置の故障診断方法。
【請求項11】
請求項10に記載の伝送装置の故障診断方法において、
前記回線監視部は、前記通信回線を介する入力光強度または出力光強度を測定する光パワー測定部と、前記光通信のエラー率を算出するエラー率演算部と、を備え、
前記伝送装置は、前記回線監視部が前記光通信の通信状態を監視した監視情報を記憶する監視情報記憶部を備え、
前記回線監視部が前記通信状態に異常を検出した場合に、
前記伝送装置が前記光通信を停止させる工程と、
前記伝送装置が、前記伝送装置の通信回線に障害が発生しているか否かの自己診断を行う工程と、
前記伝送装置が、前記監視情報記憶部が記憶する前記監視情報と、前記自己診断の結果と、を前記ネットワーク監視装置に送信する工程と、
を有することを特徴とする伝送装置の故障診断方法。
【請求項12】
請求項1または請求項2に記載の伝送装置から送信された前記自己診断の結果を受信するネットワーク監視装置における伝送装置の故障診断方法において、
前記ネットワーク監視装置が、受信した前記自己診断の結果に基づき故障箇所を推定する工程と、
故障解決方法を予め記憶し、前記ネットワーク監視装置が備える故障解決方法記憶部から、前記推定した前記故障箇所に対応する故障解決方法を読み出す工程と、
推定した前記故障箇所と、前記故障解決方法記憶部から読み出した前記故障箇所に対応する前記故障解決方法と、を前記ネットワーク監視装置の表示部に表示する工程と
を有することを特徴とするネットワーク監視装置における伝送装置の故障診断方法。
【請求項13】
請求項12に記載するネットワーク監視装置における伝送装置の故障診断方法においてにおいて、
前記ネットワーク監視装置が、前記伝送装置に前記自己診断を実施させる指示が入力される指示入力部を備え、
前記表示部が、前記回線監視部が前記通信状態に異常を検出した場合に、異常を検出したことを表示する工程を有する
ことを特徴とするネットワーク監視装置における伝送装置の故障診断方法。
【請求項14】
複数の請求項2に記載の伝送装置と、請求項4に記載のネットワーク監視装置と、を備えるネットワーク通信システムの故障診断方法において、
前記回線試験部が、前記複数の伝送装置間の通信回線について、障害が発生しているか否かの装置間回線試験をする装置間回線試験工程と、
前記送信部が、前記監視情報記憶部が記憶する前記監視情報と、前記自己診断の結果と、前記装置間回線試験の結果と、を前記ネットワーク監視装置に送信する工程と、
を有することを特徴とするネットワーク通信システムの故障診断方法。
【請求項15】
請求項14に記載のネットワーク通信システムの故障診断方法において、
前記ネットワーク通信システムは、第一の伝送装置と第二の伝送装置とを備え、
前記装置間回線試験工程は、
前記第一の伝送装置の第一の回線試験部と前記第二の伝送装置の第二の回線試験部とが、
前記第一の伝送装置から前記第二の伝送装置を経由して前記第一の伝送装置に戻る通信回線について障害が発生しているか否かの装置間回線試験であるループ試験をする工程と、
前記第一の伝送装置から前記第二の伝送装置への通信回線と、及び前記第二の伝送装置から前記第一の伝送装置への通信回線と、の各々の通信回線について障害が発生しているか否かの装置間回線試験であるワンウェイ試験をする工程と、である
ことを特徴とするネットワーク通信システムの故障診断方法。
【請求項16】
光通信により通信回線を介して情報を伝送する伝送装置と、前記伝送装置を監視するネットワーク監視装置を備えるネットワーク通信システムの故障診断方法において、
前記伝送装置は、前記光通信の通信品質を監視する回線監視部を備え、
前記伝送装置が、前記回線監視部による前記通信品質の監視情報を、監視情報記憶部に記憶させる工程と、
前記回線監視部が前記通信品質に異常を検出した場合に、
前記ネットワーク監視装置が、前記異常の原因となる故障箇所を確認する調査を前記伝送装置に指示する工程と、
前記伝送装置が、前記ネットワーク監視装置からの指示に基づいて、前記通信回線に障害が発生しているか否かの伝送装置内部の自己診断と、伝送装置間の回線試験と、を実施する工程と、
前記伝送装置が、前記自己診断の結果と、前記回線試験の結果と、前記監視情報記憶部が記憶する前記監視情報と、を前記ネットワーク監視装置に送信する工程と、
前記ネットワーク監視装置が、受信した前記自己診断の結果と、前記回線試験の結果と、前記監視情報記憶部が記憶する前記監視情報と、から前記伝送装置の故障箇所を推定する工程と、
前記ネットワーク監視装置が、推定した前記故障箇所に対応する故障解決方法を故障解決方法記憶部から読み出す工程と、
前記ネットワーク監視装置が、前記故障解決方法記憶部から読み出した前記故障箇所に対応する故障解決方法を表示部に表示する工程と、
を有することを特徴とするネットワーク通信システムの故障診断方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−253475(P2009−253475A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−96618(P2008−96618)
【出願日】平成20年4月2日(2008.4.2)
【出願人】(000237662)富士通テレコムネットワークス株式会社 (682)
【Fターム(参考)】