伝送装置および警報送信方法
【課題】イーサネットを扱うT−MPLS技術を使用したネットワークでは、自クライアント装置と対向側クライアント装置間において、その中継している各装置に対し、透過的にリンク断警報を転送し、シャットダウンを実施させる必要である。
【解決手段】クラアント装置とT−MPLS装置がオートネゴによってリンクしているネットワークシステムでも、FDI上にリンク維持フィールドを定義することによって、対向側ノードがFDIを受信した場合においてもシャットダウンの要否を判定する。
【解決手段】クラアント装置とT−MPLS装置がオートネゴによってリンクしているネットワークシステムでも、FDI上にリンク維持フィールドを定義することによって、対向側ノードがFDIを受信した場合においてもシャットダウンの要否を判定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、伝送装置および警報送信方法も係り、イーサネット(登録商標)信号をT−MPLS(Transport-MPLS)信号にカプセル化/からデカプセル化する伝送装置およびその警報送信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、各家庭内にインターネットを始めとするブロードバンド回線が普及し、IPトラフィックを中心として回線需要が増大している。それに応じて、これまでWANの主流であったSONET/SDH、ATMなどに代わり、高速で安価なイーサネットが急速に市場に普及している。
【0003】
イーサネット信号は、IEEE802.3で規定されているMAC(Media Access Control)フレームとMACフレームの間のIFG(Inter Frame Gap)と呼ばれる無信号状態を表すデータ(最低12バイト以上)により構成される。MACとは、OSI参照モデルの第2層(レイヤ2)に属するプロトコルのことである。MACフレームの役割は、OSI参照モデルの第3層(レイヤ3)以上のプロトコルやデータをMACフレームのデータ領域に格納し、この格納されたレイヤ3以上のプロトコルを確実に目的の端末へ伝送することである。MACフレームは、MACフレームの先頭を示すプリアンブル(8バイト)と、MACフレームの宛先の端末のMACアドレスを示す宛先アドレス(6バイト)と、MACフレームを送信する端末のMACアドレスを示す送信元アドレス(6バイト)と、MACフレームの長さなどを示すType/Length(2バイト)と、データ領域(可変長)およびFCS(Frame Check Sequence)(4バイト)とで構成される。FCSは、チェックサム値とも呼ぶ。
【0004】
イーサネットでは通信可能状態をリンクアップ状態と呼び、通信不可状態をリンクダウン状態と呼ぶ。符号化されたMACフレームやIFGが、コード違反なく正常受信した場合にリンクアップ状態と判定される。また、オートネゴシエーション機能がONの場合は、上記の条件に加えて、IEEE802.3に規定されるオートネゴシエーションシーケンス完了した場合にリンクアップ状態と判定される。オートネゴシエーション機能とは、NLP(Normal Link Pulse)/FLP(Fast Link Pulse)などのオートネゴシエーションフレームを互いに送信し合い、オートネゴシエーションシーケンスに基づいて、接続されている装置間で装置の動作モードや状態を交換し合う機能である。オートネゴシエーション機能は、伝送装置の仕様にて、ONまたはOFFに設定される。
【0005】
一方、近年、通信キャリアのバックボーンネットワークのフルIP(Internet Protocol)・Ethernet(登録商標)化が進展している。その結果、旧来から存在するSDH/SONET技術をベースとするバックボーンネットワークと新しいIP・Ethernet技術をベースとするバックボーンネットワークが並存する状況となっている。
【0006】
この状況を受け、ネットワーク並存による設備、保守の非効率解消の為に、SDH/SONET信号をIP・Ethernetパケット化することにより、IP・Ethernetベースのバックボーンネットワークに集約を図る為の検討が行なわれている。具体的には、ITU−T Y.1370.1、Y.1371、Y.1381などに規定されるT−MPLS(Transport-MPLS)技術などである。
【0007】
図1を参照して、MPLSフレーム500を説明する。図1において、MPLSフレーム500は、8バイトのプリアンブル510、6バイトの宛先アドレス520、6バイトの送信元アドレス530、3バイトのType/Length540、各4バイトのシムヘッダ550−1、550−2、可変長のデータ560、FCS(Frame Check Sequence)570から構成される。MPLSフレーム500の前後には、IFG10が挿入される。
【0008】
データ560には、SDH/SONET信号のペイロードデータを格納する。また、シムヘッダ550は、20ビットのラベル551、3ビットのEXP552、1ビットのS553、8ビットのTTL554から構成される。なお、シムヘッダ550は、2つ以上スタックすることも可能であり、図1では、2つスタックしている。
【0009】
図2を参照して、シムヘッダの各フィールドの内容を説明する。図2において、ラベル551は、MPLSのラベルIDである。各ノードは、ラベルを参照して、データ転送を行なう。EXP552は、Experimental Use(実験用)ビットである。S553は、Bottom of Stackであり、1のとき、最後のラベルを示す。一方、S553は、0のとき、次のラベルがあることを示す。TTL554は、Time To Liveであり、転送されるごとに1デクリメントされる。TTL554が0でフレームは、廃棄される。
【0010】
なお、ここでは伝送媒体としてEthernetを使用している場合を示しているので、MACのヘッダ(プリアンブル〜Type/Lengthまでのヘッダ)と、フッタであるFCSが付与された形となっている。しかし、物理的な伝送媒体としてはEthernetでなくても良い。その場合は、MACのヘッダ、フッダの代わりに、伝送媒体に従ったヘッダ、フッダが付与される。
【0011】
T−MPLSネットワークでは、シムヘッダに格納するラベルに対し、宛先IPアドレスの情報が与えられる。その後はラベルのみを見てフォワーディングが繰り返され、目的地まで到着したらラベルが外される。結果的に、MPLSによりフォワーディングされるラベル・パケットの道筋を、1本のパスのように扱うことが可能である。T−MPLSネットワークでは、各ノードのラベルテーブルを制御することによって、IPネットワークに明示的なルートを提供し、特定ルートにパケットが集約を防止することにより、リンクの使用効率を高めることが可能となる。
【0012】
また、T−MPLS技術では、IP・Ethernetパケット化した際においても、転送されるデータの高品質で安定した転送を支援する為にITU−T Y.1711において、OAM(Operation And Maintenance)機能と呼ばれる保守運用機能を提供している。
【0013】
図3を参照して、OAMのフレームフォーマットを説明する。図3において、OAMフレーム600は、図1にて示したMPLSフレーム500のシムヘッダ550−2をOAMラベル680とし、データ560を44バイトのOAMペイロード660にした構成となっている。
【0014】
すなわち、OAMフレーム600は、8バイトのプリアンブル610、6バイトの宛先アドレス620、6バイトの送信元アドレス630、3バイトのType/Length640、4バイトのシムヘッダ650、4バイトのOAMラベル680、44バイトのOAMペイロード660、4バイトのFCS670から構成される。MPLSフレーム600の前後には、IFG10が挿入される。
【0015】
OAMラベル680は、20ビットのラベル681、3ビットのEXP682、1ビットのS683、8ビットのTTL684から構成される。OAMラベル680は、ITU−TのY.1711によりOAMフレーム用にラベルID=14を予約している。また、EXP、S、TTLの値は、EXP=0、S=1、TTL=1と規定されている。
【0016】
OAMペイロード660は、1バイトのFunction Type661、20バイトのLSP(Label Switch Path) TTSI(Trail Termination、Source Identifier)663、2バイトのBIP(Bit Interleaved Party)665、それぞれ3バイトおよび18バイトのOAMフレーム別のデータ領域662、665からなる。以下、各フィールドの内容を説明する。
【0017】
Function type661は、OAM種別を示すフィールドである。Function typeの値は、Y.1711で規定されている(図4参照)。LSP TTSI663は、OAMフレーム送出ノードを特定するLSR IDとLSP IDから構成されている。Y.1711ではLSR IDは、ノードに割り振られたIPv6アドレスまたはIPv4アドレスと規定されている。誤り訂正用のBIP16 665の演算範囲は、Function type661からBIP16フィールドの直前までの42Byteである。
【0018】
図4を参照して、OAMの代表的な機能種別を説明する。図4において、Function type661が0x01のとき、OAMは、CV(Connectivity Verification)である。Function type661が0x02のとき、OAMは、FDI(Forward Defect Indicator)である。Function type661が0x03のとき、OAMは、BDI(Backward Defect Indicator)である。Function type661が0x07のとき、OAMは、FFD(First Failure Detection)である。
【0019】
CVは、MPLSパスのEnd to Endの正常性を確認するための機能である。CVは、送信端ポイントであるT−MPLS装置内のUNI(User Network Interface)から挿入され、受信端ポイントであるT−MPLS装置内のUNIで終端される。CVの挿入周期は、1秒固定である。CV受信端ポイントであるUNIは、3秒間CV未受信状態が続くとLOCV(Loss Of CV)状態を検出し、CV送信端ポイントであるUNIへBDIでLOCV検出を通知する。LOCV検出により、伝送路断などの伝送路の状態を確認することが可能となる。
【0020】
図5を参照して、FDIとBDIの送信方向を説明する。図5において、ネットワーク700は、3台のMPLS装置200と、m台のユーザ装置300とから構成される。MPLS装置200は、WestからEast方向に順に、MPLS装置200−1、MPLS装置200−3、MPLS装置200−2が配置されている。MPLS装置200−1には、ユーザ装置300−1〜ユーザ装置300−nが接続されている。MPLS装置200−2には、ユーザ装置300−n+1〜ユーザ装置300−mが接続されている。
【0021】
図5において、MPLS装置200−1からMPLS装置200−3への伝送路に断が発生したとき、MPLS装置200−3は、MPLS装置200−2にFDIを送信する。また、MPLS装置200−3は、MPLS装置200−1にBDIを送信する。
【0022】
FDIは、上り方向(MPLS装置200−1の送信方向)に異常およびその原因を通知する。FDIは、UNIにおけるユーザ装置とのリンクダウン検出時やNNI(Network Node Interface)におけるT−MPLS装置同士のリンクダウン検出時などに検出パスに対して挿入する。FDIは、障害検出が解除されるまで1秒間隔で挿入される。FDIは、ペイロードのDefect typeフィールド6622(後述)でパスの終端ポイントであるUNIとそのパスの中継ポイントであるNNIにその要因となっている障害情報を通知する。
【0023】
図6を参照して、FDIペイロード660Aを説明する。図6において、FDIのペイロード660Aは、OAMペイロード660のOAM別データ領域662に、Reserved6621、Defect type6622、OAMペイロード660のOAM別データ領域664にDefect location6641、Pad all0 6642を割り振って、構成される。なお、BDIのペイロードも同様の構成である。
【0024】
BDIは、図5に示す下り方向(送信方向と逆向きの方向)に異常およびその原因を通知するための機能である。BDIは、FDIを受信したパスおよびLOCVを検出したパスに対してEndポイントであるUNIへ障害発生情報を通知のために挿入する。BDIは、FDIを受信している間1秒間隔で挿入される。BDIは、FDIと同様にペイロードのDefect type6622で対向パスの終端ポイントであるUNIとそのパスの中継ポイントであるNNIに対して障害発生情報を通知する。
【0025】
FFDは、CVと同様にMPLSパスのEnd to Endの正常性を確認するための機能である。FFDは、送信端ポイントであるUNIから挿入される。FFDは、受信端ポイントであるUNIで終端される。CVの挿入周期は、1秒固定であるのに対し、FFDの挿入周期は10ms、20ms、50ms、100ms、200ms、500msで可変設定可能である。FFDは、主に伝送路断が起きた際の現用系から予備系への切替のために使用する。このため、FFDは、許容切替時間によって挿入周期を変更する必要がある。
【0026】
一般的に伝送装置は、保守運用上の観点から、伝送する信号が透過伝送することが求められる。図7を参照して、この透過伝送を説明する。図7において、ネットワーク710は、2本の光ファイバ20で接続された局舎10−1と局舎10−2で構成されている。2つの局舎10は、それぞれ2本の光ファイバ20で接続されたユーザ装置300と伝送装置200で構成されている。伝送装置200は、それぞれUNI 210、SW(switch)230、NNI 240から構成されている。UNI 210は、ユーザ装置300を接続する。NNI 240−1は、NNI 240−2と接続する。SW230は、UNI 210からの電気信号を交換して、NNI 240に送信する。また、SW230は、NNI 240からの電気信号を交換して、UNI 210に送信する。UNI 210とNNI 240は、それぞれO/E変換部30と、E/O変換部40を備えている。O/E変換部30は、光信号を電気信号に変換する。E/O変換部40は、電気信号を光信号に変換する。
【0027】
図7において、各装置を接続する実線は、物理的配線(光ファイバまたは電気ケーブル)である。また、破線は論理的接続を示している。紙面の上の物理的配線は、ユーザ装置300−Aからユーザ装置300−Bへの方向(West→East)で信号が伝送されている。一方、紙面の下の物理的配線は、ユーザ装置300−Bからユーザ装置300−Aへの方向(East→West)で信号が伝送されている。
【0028】
透過伝送は、ネットワーク710において、局舎10−1に設置されたユーザ装置300−Aと、局舎10−2に設置されたユーザ装置300−Bとの間に、物理的に伝送装置200−Aと伝送装置200−Bが介在するが、論理的にユーザ装置300−Aとユーザ装置300−Bが直接接続されている状態と等価であることを言う。具体的には、ユーザ装置300−Aから出力される信号のフォーマットやデータの内容を変更する事なく、そのままユーザ装置300−Bへ出力する伝送の事を指す。また、このような透過伝送装置では、ユーザ装置300−Aと伝送装置間における障害に起因する警報もそのままユーザ装置300−Bに通知することが必要となる。
【0029】
イーサネット信号を扱うT−MPLS装置としても、このような透過伝送装置であることが求められる。T−MPLS装置は、検出したリンクダウン警報を、T−MPLSネットワーク内部にて警報転送をおこない、ユーザ装置300−Bまで通知することが必要である。
【0030】
従来、端末間におけるデータリンクの確立を監視し、端末間のどの位置で障害が発生しても対向する端末でリンクが切断されることにより障害を検出することができた。さらに、対向端末が、送信側端末に対してリンクを切断する制御を行なうことで、送信側端末でリンク切断状態になり、障害を認識することができた。端末間に中継装置が入っていても、中継装置が端末からのデータをなんら加工せずに透過的に転送すれば動作は変わらない。
【0031】
しかし、端末からのデータを一旦終端し、GFP(Generic Framing Procedure)等の技術でカプセル化を行なって中継区間を転送する場合、端末間のデータリンク制御が行なえない。このため、中継区間で発生した障害が対向端末で検出できないという問題があった。中継区間をGFP等でカプセル化する理由として、具体的には、複数のイーサネット信号を多重して伝送する場合、各パケットがどのイーサネット信号に含まれていたのかを識別する必要があり、GFPのヘッダ内に識別情報を載せるためである。
【0032】
特許文献1では警報の転送方法として、GFPの場合はペイロードヘッダ内に警報ビットを定義する転送方法やOAMフレームを定義して転送する方法が挙げられている。
しかし、現在T−MPLSを用いたネットワークにおいて、リンクダウンが発生した場合、FDIを転送することがITU−T Y.1711に規定されており、OAMフレームを定義する方法であるとその分主信号に対する帯域を逼迫する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0033】
【特許文献1】特開2003−110585号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0034】
イーサネットを扱うT−MPLS技術を使用したネットワークでは、自クライアント装置と対向側クライアント装置間において、その中継している各装置に対し、透過的にリンク断警報を転送し、シャットダウンを実施させる必要である。
【0035】
ITU−T Y.1711においてクライアント装置とT−MPLS装置間の障害により、T−MPLS装置にてリンクダウンを検出した場合、FDIを用いて対向側T−MPLS装置まで障害を通知し、それを受信した対向側ノードがシャットダウンを実施する。
【0036】
オートネゴシエーションOFF時に、障害発生側ノードでリンク断が発生し、FDIを送信する。対向側ノードでこのFDIを受信すると、自身をシャットダウンさせることで、対向側ノードに接続されたクライアント端末に警報を通知する。
【0037】
この方式をオートネゴシエーションONで用いた場合、FDIを受信した対向側ノードが配下のクライアント装置への送信ポートをシャットダウンすると、双方向のシャットダウン現象を引き起こす。
【0038】
この現象はオートネゴシエーションのシーケンスに起因する。対向側ノードの送信ポートがシャットダウンすることで、対向側クライアント装置の送信ポートと対向側ノードの受信ポート間の片系リンクのみが稼働している事となる。しかし、オートネゴシエーションのシーケンスで、互いに監視用パルスを定期的に送受信していると、片系状態なので対向ノードから配下クライアント装置へ応答が戻ってこない。シーケンス上、このような状態の場合、両系共に強制的にリンクダウンを実施してしまう。
【0039】
したがって、対向側ノードとそれに接続されているクライアント装置間とで発生したリンクダウン状態を今度は対向側ノードが当初リンクダウンを発生した自系装置へFDIを転送することとなり、稼働している自系リンクに対して強制的なシャットダウンが掛かる。このような波及リンクダウンが原因で自系、対向側ともに復旧不可能状態が継続する。
【課題を解決するための手段】
【0040】
オートネゴシエーションON時に対応可能なリンクダウン転送方式として、T−MPLSネットワークの状態によりシャットダウンの有無を判断するリンク維持要求フィールドを定義する。リンクダウンを検出した自系T−MPLS装置(ノード)から対向側ノードへその特殊情報(リンク維持要求フィールド)を送り、対向側ノードがその情報の数値に応じてシャットダウンの有無を判断することで上記問題を回避できる。
【0041】
上述した課題は、クライアント装置と対向伝送装置と接続され、クライアント装置からの第1の信号をカプセル化して対向伝送装置に送信し、対向伝送装置からの第2の信号をデカプセル化してクライアント装置に送信する伝送装置において、クライアント装置とのリンクのオートネゴシエーションと、アップ/ダウンとを判定するリンク判定部と、第1の信号の正常性を判定するクライアント判定部と、第2の信号をシャットダウンするシャットダウン処理部と、対向伝送装置に第1の警報を送信し、対向伝送装置から第2の警報を受信する警報送受信部と、警報処理部とからなり、リンク判定部がリンクダウンを検出したとき、警報処理部は、オートネゴシエーションのON/OFFと、シャットダウンの実行/非実行と、第1の信号の正常/異常とに基づいて、対向伝送装置に送る第1の警報を作成し、警報送受信部から送信する伝送装置により、達成できる。
【0042】
また、オートネゴシエーションの設定がONか判定する第1のステップと、クライアント装置への信号シャットダウンを実行中か判定する第2のステップと、クライアント装置からの信号が正常か判定する第3のステップと、第1のステップ、第2のステップ、第3のステップの判定結果に基づいて、警報を作成する第4のステップと、警報を対向する伝送装置に送信する第5のステップとからなる警報送信方法により、達成できる。
【発明の効果】
【0043】
本発明によれば、オートネゴシエーションがON/OFFいずれの設定であった場合でも、透過的に警報転送が行なえる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】MPLSデータフレームのフォーマットである。
【図2】シムヘッダの内容を説明する図である。
【図3】MPLS OAMフレームのフォーマットである。
【図4】MPLS OAMの代表的な内容を説明する図である。
【図5】FDIとBDIの方向を説明する伝送ネットワークのブロック図である。
【図6】FDIのペイロードのフォーマットである。
【図7】伝送ネットワークの構成を説明するブロック図である。
【図8】オートネゴシエーションOFF時の伝送ネットワークの構成を説明するブロック図である。
【図9】MPLS装置のハードウェアブロック図である。
【図10】SDH−UNIのハードウェアブロック図である。
【図11】FDI−BDIの受信処理プロセスを説明するOAM処理部のフローチャートである。
【図12】FDI−BDIの送信処理プロセスを説明する警報処理部のフローチャートである。
【図13】オートネゴシエーションOFF時のリンクダウン転送のシーケンス図である。
【図14】オートネゴシエーションON時の伝送ネットワークの構成を説明するブロック図である。
【図15】リンク維持要求フィールドを説明するFDIのペイロードのフォーマットである。
【図16】FDIおよびリンク維持要求フィールドの送信プロセスを説明するノードのフローチャートである。
【図17】オートネゴシエーションON時のリンクダウン転送のシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下、本発明の実施の形態について、実施例を用い図面を参照しながら詳細に説明する。なお、実質同一部位には、同じ参照番号を振り説明は繰り返さない。
【0046】
まず、図8を参照して、オートネゴシエーションOFF時におけるリンクダウン転送ネットワークの構成を説明する。図8において、リンクダウンネットワーク800は、2台のノード400と、ノード400にそれぞれ接続されたクライアント装置300で構成されている。クライアント装置300とノード400との間は、2本の光ファイバ20で双方向接続されている。また、ノード400−Aとノード400−Bとの間は、2本の光ファイバ20で双方向接続されている。光ファイバ20に付した矢印は、光信号の伝送方向である。
【0047】
図8において、クライアント装置300−Aとノード400−Aとの間のリンクA、およびクライアント装置300−Bとノード400−Bとの間のリンクBは、ともにオートネゴシエーション接続なしで設定している。2台のノード400は、それぞれT−MPLS装置である。
【0048】
図9を参照して、T−MPLS装置400のハード構成を説明する。図9において、T−MPLS装置400は、SDH−UNI 410、GbE−UNI 420、SW430、NNI 440の4パッケージから構成されている。SDH−UNI 410は、SONET/SDH信号とMPLS信号のカプセル化/デカプセル化、および多重化/多重分離化を実施する。GbE−UNI 420は、Ethernet信号とMPLS信号のカプセル化/デカプセル化、および多重化/多重分離化を実施する。SW430は、伝送方路の切替を実施する。NNI 440は、多重化した高速信号を対向MPLS装置まで長距離伝送する。
【0049】
SDH−UNI 410およびGbE−UNI 420は、クライアント装置300とのインタフェースにSFP(Small Form Factor Pluggable)411、421を複数備える。また、SDH−UNI 410およびGbE−UNI 420は、SW430とのインタフェースに電気コネクタ417、427を複数備える。SW430は、複数の電気コネクタ437を備える。NNI 440は、ノード400とのインタフェースにXFP(10 Gigabit Small Form Factor Pluggable)441を備える。また、NNI 440は、SW430とのインタフェースに電気コネクタ447を複数備える。
ここで、保守運用信号のOAM信号について、SDH−UNI 410およびGbE−UNI 420は、挿入・受信処理を実行する。
【0050】
図10を参照して、SDH−UNI 410のハードウェア構成を説明する。図10において、SDH−UNI 410は、n台のSFP411、SDH/SONET⇔MPLS変換部412、OAM処理部413、警報処理部414、伝送路断検出装置415、オートネゴシエーション判定回路416、2台の電気コネクタ417から構成される。
【0051】
最初に、主信号(実線)の動きを説明する。ユーザ装置から出力されたSDH/SONET信号について、SFP411は、光電変換を実施する。変換後の電気信号について、SDH/SONET⇔MPLS変換部412は、カプセル化し、SW430へと出力する。逆にSW430より入力したMPLS信号について、伝送路断検出装置415は、主信号とOAM信号とを区別して処理する。主信号の場合、SDH/SONET⇔MPLS変換部412は、デカプセル化する。デカプセル化された電気信号について、SFP411は、電光変換を実施して、ユーザ装置300に送出する。SDH/SONET⇔MPLS変換部412は、クライアント装置300からの受信信号が正常に受信されているか判定する。SDH/SONET⇔MPLS変換部412は、クライアント装置300への送信信号をシャットダウンできる。
【0052】
ユーザ装置300とのオートネゴシエーション接続に関して、オートネゴシエーション判定回路416は、設定と管理をおこなう。オートネゴシエーション判定回路416は、オートネゴシエーションフレームの送受信によりユーザ装置側のサポート・モードを認識する。この結果、より高速通信が可能なモードの選択が行なわれる。オートネゴシエーションシーケンスが正常に完了し、リンク確立後においても定期的に監視用フレームを送信されており、オートネゴシエーション判定回路416は、その設定を管理している。よって、オートネゴシエーションの設定の有無について、オートネゴシエーション判定回路416は、確認できる。
【0053】
なお、図10を参照して説明したSDH−UNI 410は、GbE−UNI 420も同様の構成であることは、当業者の自明事項である。すなわち、SDH/SONET⇔MPLS変換部412を、GbE⇔MPLS変換部422と読み替えればまったく同様の構成である。
【0054】
次にOAM信号(破線)の動きを説明する。OAM信号について、OAM処理部413は、送信と受信処理を実施する。この受信処理について、図11を参照して、説明する。図11において、OAM処理部413は、FDIを検出したか判定する(S11)。YESのとき、OAM処理部413は、警報処理部414にFDI受信を通知して(S13)、終了する。ステップ11でNOのとき、OAM処理部413は、BDIを検出したか判定する(S15)。YESのとき、OAM処理部413は、警報処理部414にBDI受信を通知して(S17)、終了する。ステップ11でNOのとき、OAM処理部413は、規定外フレームとして廃棄して(S19)、終了する。
【0055】
図12を参照して、OAM処理部413の送信処理について、説明する。SDH/SONET⇔MPLS変換部412および伝送路断検出装置415は、障害を検出したとき、警報処理部414に通知する。警報処理部414は、その障害の種類によって、対向装置に通知すべき警報について、OAM処理部413に通知する。図12において、OAM処理部413は、MPLS伝送路にパケットが流れていないか(アイドル)か判定する(S21)。YESのとき、OAM処理部413は、FDIまたはBDIを送出して(S23)、終了する。ステップ21でNOのとき、再びステップ21に遷移する。
【0056】
なお、図11および図12を参照して説明したSDH−UNI 410のOAM処理部413の動作は、GbE−UNI 420のOAM処理部423(図示せず)の動作もまったく同様である。
【0057】
図13を参照して、オートネゴシエーションOFF時のリンクダウン転送シーケンスを説明する。図13において、初期状態は、クライアント300−Aとノード400−A間にリンクが確立されている。また、クライアント300−Bとノード400−B間にリンクが確立されている。この結果、クライアント300−A、ノード400−A、クライアント300−B、ノード400−Bは、いずれもリンクアップ状態にある。
【0058】
この状態から、クライアント装置300−Aからノード400−Aへの伝送路に障害が発生する。ノード400−Aは、リンクダウンを検出する(S31)。ノード400−Aは、ノード400−BにFDIを送信する(S32)。ノード400−Bは、クライアント装置300−Bへの出力をshut downする(S33)。クライアント装置300−Bは、リンクダウンを検出する(S34)。なお、ノード400−Aは、ノード400−Bに定期的にFDIを送信する。この結果、ノード400−Bは、クライアント装置300−Bへの出力のshut downを継続する。
【0059】
ここで、クライアント装置300−Aからノード400−Aへの伝送路に障害が回復する。この結果、ノード400−Aは、リンクアップする(S37)。ノード400−Aは、ノード400−BへのFDI定期送信を解除する(S38)。FDIを受信しなくなったノード400−Bは、shut downを解除する(S39)。クライアント装置300−Bは、リンクアップ(リンクダウンを回復)する(S41)。
【0060】
なお、クライアント装置300−Aは、ノード400−AとのオートネゴシエーションOFFなので、常にリンクアップ状態である。また、ノード400−Bも、クライアント装置300−BとのオートネゴシエーションOFFなので、常にリンクアップ状態である。したがって、ノード400−Bは、クライアント装置300−Bへの出力をshut downしても、対向ノード400−AにFDIを送信することはない(後述する表1の#2参照)。
【0061】
図14を参照して、オートネゴシエーションON時におけるネットワークの構成を説明する。図14において、ネットワーク800Aの構成は、図8のネットワーク800と同一である。しかし、クライアント装置300−Aとノード400−Aとの間のリンクA、およびクライアント装置300−Bとノード400−Bとの間のリンクBは、ともにオートネゴシエーション接続ありで設定している。
【0062】
オートネゴシエーションON時のリンクダウンによって、波及したノード400−Aのシャットダウンを回避するために、本実施例ではFDI上にリンク維持要求フィールドを定義し、対向するT−MPLSノードがリンク維持要求フィールドを読み取ることで、オートネゴシエーション設定の有無や信号入力状態、および信号出力状態によってフレキシブルにシャットダウン有無を判定する。
【0063】
図15を参照して、FDI中のリザーブバイトに、リンク維持要求フィールドを割り当てることを説明する。図15において、FDIのペイロード660Bは、Function661、リンク維持要求フィールド6621A、Defect type6622、LSP TTSI1663、Defect location6641、Pad all0 6642、BIP 16 665で構成されている。図6との対比から明らかなように、図15のリンク維持要求フィールド6621Aは、図6のReserved6621に割り付けられている。リンク維持要求フィールド6621Aは、他のフィールドに割り当てられてもよいが、Reserved6621に割り付けられていることで、警報転送に係る通信帯域が必要最低限量で実現できる。
【0064】
図16を参照して、リンクダウンの検出後におけるFDIの送信処理を説明する。図16において、ノード400は、リンクダウンを検出すると、現在のリンク間でオートネゴシエーション設定の有無の判断を行なう(S51)。なお、オートネゴシエーション機能の有無の判断については、先述したように、オートネゴシエーション判定回路416に設定の有無について記録しているので、それを確認することで確認可能である。
【0065】
オートネゴシエーションOFFのとき(NO)、ノード400は、対向側ノードに対して送信するFDIののリザーブバイトにリンク維持要求フィールドの”0x00”を設定する(S56)。ここで、リンク維持要求フィールドが”0x00”は、対向ノードに対する出力shut down指示である。ノード400は、shut downを実行する(S57)。ノード400は、FDIを送信して(S58)、終了する。
【0066】
ステップ51でオートネゴシエーションがONの場合、ノード400は、クライアントへの送信側ポートがシャットダウンしているか判定する(S52)。NOのとき、ノード400は、ステップ56に遷移する。ステップ52でYESのとき、ノード400は、受信ポートに入力されているキャリアの強度が不足していないか判定する(S53)。NOのとき、ノード400は、ステップ56に遷移する。ステップ53でYESのとき、ノード400は、FDIのリザーブバイトにリンク維持要求フィールド”0x01”を設定して(S54)、ステップ58に遷移する。ここで、リンク維持要求フィールドが”0x0”は、対向ノードに対するリンク維持指示である。
【0067】
表1 リンク維持要求フィールド値決定条件
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
# オートネゴ Link Down Shutdown 信号無 FDI リンク維持要求
シエーション Status 入力状態 送出 フィールド
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
1 OFF 1 d.c. d.c. ○ 0x00
2 OFF 0 d.c. d.c. × −
3 ON 1 1 1 ○ 0x00
4 ON 1 1 0 ○ 0x01
5 ON 1 0 1 ○ 0x00
6 ON 0 1 1 × −
7 ON 1 0 0 ○ 0x00
8 ON 0 1 0 × −
9 ON 0 0 1 × −
10 ON 0 0 0 × −
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0068】
表1を参照して、各ステータス時のFDIの送出とリンク維持要求フィールド値の設定について、説明する。表1において、リザーブバイト決定条件は、オートネゴシエーション、Link Down、Shutdown Status、信号無入力状態、FDI送出、リンク維持要求フィールドから構成される。Link downは、1のとき、リンクダウン検出、0のとき、リンクダウン未検出時(リンクアップ状態時)を示す。Shutdoun Statusは、1のとき、シャットダウンを実行中、0のとき、信号送信状態を示す。信号無入力状態は、1のとき、伝送キャリアのパワー強度不足、0のとき、正常に入力が確認可能な状態を示す。リンク維持要求フィールド(本実施例ではFDIのリザーブバイトを使用)は、”0x00”のとき、シャットダウン実行を行ない、”0x01”のとき、シャットダウン実行を行なわないことを示す。これら条件に応じて対向側T−MPLS装置は、シャットダウンの有無を判定する。なお、表1において、d.c.は、don't careであり、無関係を意味する。
【0069】
#1と#2は、オートネゴシエーション設定がOFFの条件下で各ステータスに応じて判定する。自ノードでリンクダウンを判明した時に、対向側ノードへリンク維持要求フィールド”0x00”のシャットダウンを実行するFDIを送信する(#1)。一方、#2は、リンクアップ状態のため、FDIの送信は行なわない。
【0070】
#3から#10は、オートネゴシエーション設定がON時に各ステータスに応じて、FDIの送信およびリンク維持要求フィールドの設定値である。#3は、リンクダウンを検出時に、送信ポートがシャットダウン状態かつ信号無入力状態である。これは自ノードと配下クライアント装置との送受信ができておらず、特に受信ポートで信号が無入力状態であるため、配下クライアント装置からの信号が正常に届いていない場合を想定するとリンクダウンが検出されるため、対向側ノードへリンク維持要求フィールド”0x00”のシャットダウンを実行するFDIが送信される。
【0071】
#4は、リンクダウンを検出時に、送信ポートをシャットダウン状態で、信号入力状態は正常である。この場合、対向側ノードに対しFDIを送信するが、リンク維持要求フィールドは”0x01”を設定する。これは図14のノード400−Bを自ノードとして置き換えると、オートネゴシエーションON時に、ノード400−Bがノード400−AからFDIを受信したため、ノード400−Bはクライアント装置300−Bへの送信ポートをシャットダウンする。ノード400−Bの受信ポートは、クライアント装置300−Bからの信号を正常に受信している。この場合、リンクダウンの原因が自身のシャットダウンにあると推定できる。ノード400−Bは、両系シャットダウン状態を回避するために、対向側T−MPLS装置には、シャットダウンさせないリンク維持要求フィールド”0x01”に設定する。
【0072】
#5は、リンクダウンを検出時に、送信ポートはシャットダウンせず、信号が無入力状態である。受信ポートに信号が無入力状態であるため、配下クライアント装置からの信号が正常に届いていない。よって、リンクダウンが検出されるため、対向側ノードへリンク維持要求フィールド”0x00”のシャットダウンを実行するFDIを送信する。
【0073】
#6は、リンクアップ時に、送信ポートをシャットダウンし、信号が無入力状態である。これは信号が無入力状態でありながらリンクダウンを検出しておらず、通常稼働している時には起こらないケースである。装置自体の故障などによりリンクダウンが検出しなくなってしまった場合の処置として、FDIを送出しない設定とする。
【0074】
#7は、リンクダウンを検出時に、送信ポートはシャットダウンせず、信号入力状態も正常である。これは自ノードと配下クライアント装置間でリンクの確立をするためオートネゴシエーションフレームを互いに送受信しあっている間に起こる状態である。リンクダウンが検出されるので、対向側ノードへリンク維持要求フィールド”0x00”のシャットダウンを実行するFDIを送信する。
【0075】
#8は、リンクアップ時に、送信ポートをシャットダウンし、信号入力状態も正常である。リンクダウンをしていないので、FDIは送信しない。
#9は、リンクアップ時に、送信ポートをシャットダウンせず、信号が無入力状態である。これは#6と同様に信号無入力状態でありながら、リンクダウンが検出されておらず、装置自身の故障により発生する状態を想定しており、この場合はFDIの送信を実施しない。
#10は、リンクアップ時に、送信ポートをシャットダウンせず、信号入力状態も正常である。設定したステータスが全て正常であるため、FDIの送信は行なわない。
【0076】
図17を参照して、オートネゴシエーションONのときの、リンクダウン転送シーケンスを説明する。図17において、初期状態において、クライアント装置300−Aとノード400−Aとの間のリンクA、クライアント装置300−Bとノード400−Bとの間のリンクBは、いずれリンクアップ中である。リンクA間で障害発生時に、ノード400−Aは、リンクダウンを検出する(S61)。クライアント装置300−Aは、オートネゴシエーションシーケンスが失敗して、リンクダウンを検出する(S62)。ノード400−Aは、ノード400−BにFDIを送出する(S63)。ここで、FDIのリンク維持要求フィールド6621Aは、”0x00”をセットする。ノード400−Bでは、FDIを受信したことにより、シャットダウンを実行する(S64)。クライアント装置300−Bは、リンクダウンを検出する(S66)。
【0077】
ノード400−Bは、オートネゴシエーションシーケンスに失敗し、リンクダウンを検出する(S67)。ノード400−Bは、表1の#4の状態にあたるため、リンク維持要求フィールド6621Aが”0x01”のFDIを送出する(S68)。ノード400−Aは、リンク維持要求フィールド6621AのFDIを受信しても、シャットダウンは実施しない。なお、ノード400−A、ノード400−Bは、定期的なFDIの送信を継続する。
【0078】
リンクA間の障害が回復したとき、ノード400−Aは、リンクアップする(S71)。クライアント装置300−Aは、オートネゴシエーションシーケンスに成功し、リンクアップする(S72)。ノード400−Aは、FDIの定期送信を解除する(S73)。ノード400−Bは、FDIを受信しなくなったので、shut downを解除する(S74)。その結果、クライアント装置300−Bは、リンクアップする(S76)。ノード400−Bは、オートネゴシエーションシーケンスに成功し、リンクアップする(S77)。ノード400−Bは、FDIの定期送信を解除する(S78)。
【0079】
以上のように、FDIのリザーブバイト値にリンク維持要求フィールドの設定をすることで、オートネゴシエーションON時において、ネットワーク波及リンクダウンを回避することができる。
【符号の説明】
【0080】
200…MPLS装置(ノード)、300…ユーザ装置(クライアント装置)、400…MPLS装置(ノード)、410…SDH−UNI、420…GbE−UNI、430…SW、440…NNI、411…光モジュール(SFP)、412…SDH/SONET⇔MPLS変換部、413…OAM処理部、414…警報処理部、415…伝送路検出装置、416…オートネゴシエーション判定回路、417…電気コネクタ、420…GbE−UNI、421…SFP、427…電気コネクタ、430…SW、437…電気コネクタ、440…NNI、441…XFP、447…電気コネクタ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、伝送装置および警報送信方法も係り、イーサネット(登録商標)信号をT−MPLS(Transport-MPLS)信号にカプセル化/からデカプセル化する伝送装置およびその警報送信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、各家庭内にインターネットを始めとするブロードバンド回線が普及し、IPトラフィックを中心として回線需要が増大している。それに応じて、これまでWANの主流であったSONET/SDH、ATMなどに代わり、高速で安価なイーサネットが急速に市場に普及している。
【0003】
イーサネット信号は、IEEE802.3で規定されているMAC(Media Access Control)フレームとMACフレームの間のIFG(Inter Frame Gap)と呼ばれる無信号状態を表すデータ(最低12バイト以上)により構成される。MACとは、OSI参照モデルの第2層(レイヤ2)に属するプロトコルのことである。MACフレームの役割は、OSI参照モデルの第3層(レイヤ3)以上のプロトコルやデータをMACフレームのデータ領域に格納し、この格納されたレイヤ3以上のプロトコルを確実に目的の端末へ伝送することである。MACフレームは、MACフレームの先頭を示すプリアンブル(8バイト)と、MACフレームの宛先の端末のMACアドレスを示す宛先アドレス(6バイト)と、MACフレームを送信する端末のMACアドレスを示す送信元アドレス(6バイト)と、MACフレームの長さなどを示すType/Length(2バイト)と、データ領域(可変長)およびFCS(Frame Check Sequence)(4バイト)とで構成される。FCSは、チェックサム値とも呼ぶ。
【0004】
イーサネットでは通信可能状態をリンクアップ状態と呼び、通信不可状態をリンクダウン状態と呼ぶ。符号化されたMACフレームやIFGが、コード違反なく正常受信した場合にリンクアップ状態と判定される。また、オートネゴシエーション機能がONの場合は、上記の条件に加えて、IEEE802.3に規定されるオートネゴシエーションシーケンス完了した場合にリンクアップ状態と判定される。オートネゴシエーション機能とは、NLP(Normal Link Pulse)/FLP(Fast Link Pulse)などのオートネゴシエーションフレームを互いに送信し合い、オートネゴシエーションシーケンスに基づいて、接続されている装置間で装置の動作モードや状態を交換し合う機能である。オートネゴシエーション機能は、伝送装置の仕様にて、ONまたはOFFに設定される。
【0005】
一方、近年、通信キャリアのバックボーンネットワークのフルIP(Internet Protocol)・Ethernet(登録商標)化が進展している。その結果、旧来から存在するSDH/SONET技術をベースとするバックボーンネットワークと新しいIP・Ethernet技術をベースとするバックボーンネットワークが並存する状況となっている。
【0006】
この状況を受け、ネットワーク並存による設備、保守の非効率解消の為に、SDH/SONET信号をIP・Ethernetパケット化することにより、IP・Ethernetベースのバックボーンネットワークに集約を図る為の検討が行なわれている。具体的には、ITU−T Y.1370.1、Y.1371、Y.1381などに規定されるT−MPLS(Transport-MPLS)技術などである。
【0007】
図1を参照して、MPLSフレーム500を説明する。図1において、MPLSフレーム500は、8バイトのプリアンブル510、6バイトの宛先アドレス520、6バイトの送信元アドレス530、3バイトのType/Length540、各4バイトのシムヘッダ550−1、550−2、可変長のデータ560、FCS(Frame Check Sequence)570から構成される。MPLSフレーム500の前後には、IFG10が挿入される。
【0008】
データ560には、SDH/SONET信号のペイロードデータを格納する。また、シムヘッダ550は、20ビットのラベル551、3ビットのEXP552、1ビットのS553、8ビットのTTL554から構成される。なお、シムヘッダ550は、2つ以上スタックすることも可能であり、図1では、2つスタックしている。
【0009】
図2を参照して、シムヘッダの各フィールドの内容を説明する。図2において、ラベル551は、MPLSのラベルIDである。各ノードは、ラベルを参照して、データ転送を行なう。EXP552は、Experimental Use(実験用)ビットである。S553は、Bottom of Stackであり、1のとき、最後のラベルを示す。一方、S553は、0のとき、次のラベルがあることを示す。TTL554は、Time To Liveであり、転送されるごとに1デクリメントされる。TTL554が0でフレームは、廃棄される。
【0010】
なお、ここでは伝送媒体としてEthernetを使用している場合を示しているので、MACのヘッダ(プリアンブル〜Type/Lengthまでのヘッダ)と、フッタであるFCSが付与された形となっている。しかし、物理的な伝送媒体としてはEthernetでなくても良い。その場合は、MACのヘッダ、フッダの代わりに、伝送媒体に従ったヘッダ、フッダが付与される。
【0011】
T−MPLSネットワークでは、シムヘッダに格納するラベルに対し、宛先IPアドレスの情報が与えられる。その後はラベルのみを見てフォワーディングが繰り返され、目的地まで到着したらラベルが外される。結果的に、MPLSによりフォワーディングされるラベル・パケットの道筋を、1本のパスのように扱うことが可能である。T−MPLSネットワークでは、各ノードのラベルテーブルを制御することによって、IPネットワークに明示的なルートを提供し、特定ルートにパケットが集約を防止することにより、リンクの使用効率を高めることが可能となる。
【0012】
また、T−MPLS技術では、IP・Ethernetパケット化した際においても、転送されるデータの高品質で安定した転送を支援する為にITU−T Y.1711において、OAM(Operation And Maintenance)機能と呼ばれる保守運用機能を提供している。
【0013】
図3を参照して、OAMのフレームフォーマットを説明する。図3において、OAMフレーム600は、図1にて示したMPLSフレーム500のシムヘッダ550−2をOAMラベル680とし、データ560を44バイトのOAMペイロード660にした構成となっている。
【0014】
すなわち、OAMフレーム600は、8バイトのプリアンブル610、6バイトの宛先アドレス620、6バイトの送信元アドレス630、3バイトのType/Length640、4バイトのシムヘッダ650、4バイトのOAMラベル680、44バイトのOAMペイロード660、4バイトのFCS670から構成される。MPLSフレーム600の前後には、IFG10が挿入される。
【0015】
OAMラベル680は、20ビットのラベル681、3ビットのEXP682、1ビットのS683、8ビットのTTL684から構成される。OAMラベル680は、ITU−TのY.1711によりOAMフレーム用にラベルID=14を予約している。また、EXP、S、TTLの値は、EXP=0、S=1、TTL=1と規定されている。
【0016】
OAMペイロード660は、1バイトのFunction Type661、20バイトのLSP(Label Switch Path) TTSI(Trail Termination、Source Identifier)663、2バイトのBIP(Bit Interleaved Party)665、それぞれ3バイトおよび18バイトのOAMフレーム別のデータ領域662、665からなる。以下、各フィールドの内容を説明する。
【0017】
Function type661は、OAM種別を示すフィールドである。Function typeの値は、Y.1711で規定されている(図4参照)。LSP TTSI663は、OAMフレーム送出ノードを特定するLSR IDとLSP IDから構成されている。Y.1711ではLSR IDは、ノードに割り振られたIPv6アドレスまたはIPv4アドレスと規定されている。誤り訂正用のBIP16 665の演算範囲は、Function type661からBIP16フィールドの直前までの42Byteである。
【0018】
図4を参照して、OAMの代表的な機能種別を説明する。図4において、Function type661が0x01のとき、OAMは、CV(Connectivity Verification)である。Function type661が0x02のとき、OAMは、FDI(Forward Defect Indicator)である。Function type661が0x03のとき、OAMは、BDI(Backward Defect Indicator)である。Function type661が0x07のとき、OAMは、FFD(First Failure Detection)である。
【0019】
CVは、MPLSパスのEnd to Endの正常性を確認するための機能である。CVは、送信端ポイントであるT−MPLS装置内のUNI(User Network Interface)から挿入され、受信端ポイントであるT−MPLS装置内のUNIで終端される。CVの挿入周期は、1秒固定である。CV受信端ポイントであるUNIは、3秒間CV未受信状態が続くとLOCV(Loss Of CV)状態を検出し、CV送信端ポイントであるUNIへBDIでLOCV検出を通知する。LOCV検出により、伝送路断などの伝送路の状態を確認することが可能となる。
【0020】
図5を参照して、FDIとBDIの送信方向を説明する。図5において、ネットワーク700は、3台のMPLS装置200と、m台のユーザ装置300とから構成される。MPLS装置200は、WestからEast方向に順に、MPLS装置200−1、MPLS装置200−3、MPLS装置200−2が配置されている。MPLS装置200−1には、ユーザ装置300−1〜ユーザ装置300−nが接続されている。MPLS装置200−2には、ユーザ装置300−n+1〜ユーザ装置300−mが接続されている。
【0021】
図5において、MPLS装置200−1からMPLS装置200−3への伝送路に断が発生したとき、MPLS装置200−3は、MPLS装置200−2にFDIを送信する。また、MPLS装置200−3は、MPLS装置200−1にBDIを送信する。
【0022】
FDIは、上り方向(MPLS装置200−1の送信方向)に異常およびその原因を通知する。FDIは、UNIにおけるユーザ装置とのリンクダウン検出時やNNI(Network Node Interface)におけるT−MPLS装置同士のリンクダウン検出時などに検出パスに対して挿入する。FDIは、障害検出が解除されるまで1秒間隔で挿入される。FDIは、ペイロードのDefect typeフィールド6622(後述)でパスの終端ポイントであるUNIとそのパスの中継ポイントであるNNIにその要因となっている障害情報を通知する。
【0023】
図6を参照して、FDIペイロード660Aを説明する。図6において、FDIのペイロード660Aは、OAMペイロード660のOAM別データ領域662に、Reserved6621、Defect type6622、OAMペイロード660のOAM別データ領域664にDefect location6641、Pad all0 6642を割り振って、構成される。なお、BDIのペイロードも同様の構成である。
【0024】
BDIは、図5に示す下り方向(送信方向と逆向きの方向)に異常およびその原因を通知するための機能である。BDIは、FDIを受信したパスおよびLOCVを検出したパスに対してEndポイントであるUNIへ障害発生情報を通知のために挿入する。BDIは、FDIを受信している間1秒間隔で挿入される。BDIは、FDIと同様にペイロードのDefect type6622で対向パスの終端ポイントであるUNIとそのパスの中継ポイントであるNNIに対して障害発生情報を通知する。
【0025】
FFDは、CVと同様にMPLSパスのEnd to Endの正常性を確認するための機能である。FFDは、送信端ポイントであるUNIから挿入される。FFDは、受信端ポイントであるUNIで終端される。CVの挿入周期は、1秒固定であるのに対し、FFDの挿入周期は10ms、20ms、50ms、100ms、200ms、500msで可変設定可能である。FFDは、主に伝送路断が起きた際の現用系から予備系への切替のために使用する。このため、FFDは、許容切替時間によって挿入周期を変更する必要がある。
【0026】
一般的に伝送装置は、保守運用上の観点から、伝送する信号が透過伝送することが求められる。図7を参照して、この透過伝送を説明する。図7において、ネットワーク710は、2本の光ファイバ20で接続された局舎10−1と局舎10−2で構成されている。2つの局舎10は、それぞれ2本の光ファイバ20で接続されたユーザ装置300と伝送装置200で構成されている。伝送装置200は、それぞれUNI 210、SW(switch)230、NNI 240から構成されている。UNI 210は、ユーザ装置300を接続する。NNI 240−1は、NNI 240−2と接続する。SW230は、UNI 210からの電気信号を交換して、NNI 240に送信する。また、SW230は、NNI 240からの電気信号を交換して、UNI 210に送信する。UNI 210とNNI 240は、それぞれO/E変換部30と、E/O変換部40を備えている。O/E変換部30は、光信号を電気信号に変換する。E/O変換部40は、電気信号を光信号に変換する。
【0027】
図7において、各装置を接続する実線は、物理的配線(光ファイバまたは電気ケーブル)である。また、破線は論理的接続を示している。紙面の上の物理的配線は、ユーザ装置300−Aからユーザ装置300−Bへの方向(West→East)で信号が伝送されている。一方、紙面の下の物理的配線は、ユーザ装置300−Bからユーザ装置300−Aへの方向(East→West)で信号が伝送されている。
【0028】
透過伝送は、ネットワーク710において、局舎10−1に設置されたユーザ装置300−Aと、局舎10−2に設置されたユーザ装置300−Bとの間に、物理的に伝送装置200−Aと伝送装置200−Bが介在するが、論理的にユーザ装置300−Aとユーザ装置300−Bが直接接続されている状態と等価であることを言う。具体的には、ユーザ装置300−Aから出力される信号のフォーマットやデータの内容を変更する事なく、そのままユーザ装置300−Bへ出力する伝送の事を指す。また、このような透過伝送装置では、ユーザ装置300−Aと伝送装置間における障害に起因する警報もそのままユーザ装置300−Bに通知することが必要となる。
【0029】
イーサネット信号を扱うT−MPLS装置としても、このような透過伝送装置であることが求められる。T−MPLS装置は、検出したリンクダウン警報を、T−MPLSネットワーク内部にて警報転送をおこない、ユーザ装置300−Bまで通知することが必要である。
【0030】
従来、端末間におけるデータリンクの確立を監視し、端末間のどの位置で障害が発生しても対向する端末でリンクが切断されることにより障害を検出することができた。さらに、対向端末が、送信側端末に対してリンクを切断する制御を行なうことで、送信側端末でリンク切断状態になり、障害を認識することができた。端末間に中継装置が入っていても、中継装置が端末からのデータをなんら加工せずに透過的に転送すれば動作は変わらない。
【0031】
しかし、端末からのデータを一旦終端し、GFP(Generic Framing Procedure)等の技術でカプセル化を行なって中継区間を転送する場合、端末間のデータリンク制御が行なえない。このため、中継区間で発生した障害が対向端末で検出できないという問題があった。中継区間をGFP等でカプセル化する理由として、具体的には、複数のイーサネット信号を多重して伝送する場合、各パケットがどのイーサネット信号に含まれていたのかを識別する必要があり、GFPのヘッダ内に識別情報を載せるためである。
【0032】
特許文献1では警報の転送方法として、GFPの場合はペイロードヘッダ内に警報ビットを定義する転送方法やOAMフレームを定義して転送する方法が挙げられている。
しかし、現在T−MPLSを用いたネットワークにおいて、リンクダウンが発生した場合、FDIを転送することがITU−T Y.1711に規定されており、OAMフレームを定義する方法であるとその分主信号に対する帯域を逼迫する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0033】
【特許文献1】特開2003−110585号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0034】
イーサネットを扱うT−MPLS技術を使用したネットワークでは、自クライアント装置と対向側クライアント装置間において、その中継している各装置に対し、透過的にリンク断警報を転送し、シャットダウンを実施させる必要である。
【0035】
ITU−T Y.1711においてクライアント装置とT−MPLS装置間の障害により、T−MPLS装置にてリンクダウンを検出した場合、FDIを用いて対向側T−MPLS装置まで障害を通知し、それを受信した対向側ノードがシャットダウンを実施する。
【0036】
オートネゴシエーションOFF時に、障害発生側ノードでリンク断が発生し、FDIを送信する。対向側ノードでこのFDIを受信すると、自身をシャットダウンさせることで、対向側ノードに接続されたクライアント端末に警報を通知する。
【0037】
この方式をオートネゴシエーションONで用いた場合、FDIを受信した対向側ノードが配下のクライアント装置への送信ポートをシャットダウンすると、双方向のシャットダウン現象を引き起こす。
【0038】
この現象はオートネゴシエーションのシーケンスに起因する。対向側ノードの送信ポートがシャットダウンすることで、対向側クライアント装置の送信ポートと対向側ノードの受信ポート間の片系リンクのみが稼働している事となる。しかし、オートネゴシエーションのシーケンスで、互いに監視用パルスを定期的に送受信していると、片系状態なので対向ノードから配下クライアント装置へ応答が戻ってこない。シーケンス上、このような状態の場合、両系共に強制的にリンクダウンを実施してしまう。
【0039】
したがって、対向側ノードとそれに接続されているクライアント装置間とで発生したリンクダウン状態を今度は対向側ノードが当初リンクダウンを発生した自系装置へFDIを転送することとなり、稼働している自系リンクに対して強制的なシャットダウンが掛かる。このような波及リンクダウンが原因で自系、対向側ともに復旧不可能状態が継続する。
【課題を解決するための手段】
【0040】
オートネゴシエーションON時に対応可能なリンクダウン転送方式として、T−MPLSネットワークの状態によりシャットダウンの有無を判断するリンク維持要求フィールドを定義する。リンクダウンを検出した自系T−MPLS装置(ノード)から対向側ノードへその特殊情報(リンク維持要求フィールド)を送り、対向側ノードがその情報の数値に応じてシャットダウンの有無を判断することで上記問題を回避できる。
【0041】
上述した課題は、クライアント装置と対向伝送装置と接続され、クライアント装置からの第1の信号をカプセル化して対向伝送装置に送信し、対向伝送装置からの第2の信号をデカプセル化してクライアント装置に送信する伝送装置において、クライアント装置とのリンクのオートネゴシエーションと、アップ/ダウンとを判定するリンク判定部と、第1の信号の正常性を判定するクライアント判定部と、第2の信号をシャットダウンするシャットダウン処理部と、対向伝送装置に第1の警報を送信し、対向伝送装置から第2の警報を受信する警報送受信部と、警報処理部とからなり、リンク判定部がリンクダウンを検出したとき、警報処理部は、オートネゴシエーションのON/OFFと、シャットダウンの実行/非実行と、第1の信号の正常/異常とに基づいて、対向伝送装置に送る第1の警報を作成し、警報送受信部から送信する伝送装置により、達成できる。
【0042】
また、オートネゴシエーションの設定がONか判定する第1のステップと、クライアント装置への信号シャットダウンを実行中か判定する第2のステップと、クライアント装置からの信号が正常か判定する第3のステップと、第1のステップ、第2のステップ、第3のステップの判定結果に基づいて、警報を作成する第4のステップと、警報を対向する伝送装置に送信する第5のステップとからなる警報送信方法により、達成できる。
【発明の効果】
【0043】
本発明によれば、オートネゴシエーションがON/OFFいずれの設定であった場合でも、透過的に警報転送が行なえる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】MPLSデータフレームのフォーマットである。
【図2】シムヘッダの内容を説明する図である。
【図3】MPLS OAMフレームのフォーマットである。
【図4】MPLS OAMの代表的な内容を説明する図である。
【図5】FDIとBDIの方向を説明する伝送ネットワークのブロック図である。
【図6】FDIのペイロードのフォーマットである。
【図7】伝送ネットワークの構成を説明するブロック図である。
【図8】オートネゴシエーションOFF時の伝送ネットワークの構成を説明するブロック図である。
【図9】MPLS装置のハードウェアブロック図である。
【図10】SDH−UNIのハードウェアブロック図である。
【図11】FDI−BDIの受信処理プロセスを説明するOAM処理部のフローチャートである。
【図12】FDI−BDIの送信処理プロセスを説明する警報処理部のフローチャートである。
【図13】オートネゴシエーションOFF時のリンクダウン転送のシーケンス図である。
【図14】オートネゴシエーションON時の伝送ネットワークの構成を説明するブロック図である。
【図15】リンク維持要求フィールドを説明するFDIのペイロードのフォーマットである。
【図16】FDIおよびリンク維持要求フィールドの送信プロセスを説明するノードのフローチャートである。
【図17】オートネゴシエーションON時のリンクダウン転送のシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下、本発明の実施の形態について、実施例を用い図面を参照しながら詳細に説明する。なお、実質同一部位には、同じ参照番号を振り説明は繰り返さない。
【0046】
まず、図8を参照して、オートネゴシエーションOFF時におけるリンクダウン転送ネットワークの構成を説明する。図8において、リンクダウンネットワーク800は、2台のノード400と、ノード400にそれぞれ接続されたクライアント装置300で構成されている。クライアント装置300とノード400との間は、2本の光ファイバ20で双方向接続されている。また、ノード400−Aとノード400−Bとの間は、2本の光ファイバ20で双方向接続されている。光ファイバ20に付した矢印は、光信号の伝送方向である。
【0047】
図8において、クライアント装置300−Aとノード400−Aとの間のリンクA、およびクライアント装置300−Bとノード400−Bとの間のリンクBは、ともにオートネゴシエーション接続なしで設定している。2台のノード400は、それぞれT−MPLS装置である。
【0048】
図9を参照して、T−MPLS装置400のハード構成を説明する。図9において、T−MPLS装置400は、SDH−UNI 410、GbE−UNI 420、SW430、NNI 440の4パッケージから構成されている。SDH−UNI 410は、SONET/SDH信号とMPLS信号のカプセル化/デカプセル化、および多重化/多重分離化を実施する。GbE−UNI 420は、Ethernet信号とMPLS信号のカプセル化/デカプセル化、および多重化/多重分離化を実施する。SW430は、伝送方路の切替を実施する。NNI 440は、多重化した高速信号を対向MPLS装置まで長距離伝送する。
【0049】
SDH−UNI 410およびGbE−UNI 420は、クライアント装置300とのインタフェースにSFP(Small Form Factor Pluggable)411、421を複数備える。また、SDH−UNI 410およびGbE−UNI 420は、SW430とのインタフェースに電気コネクタ417、427を複数備える。SW430は、複数の電気コネクタ437を備える。NNI 440は、ノード400とのインタフェースにXFP(10 Gigabit Small Form Factor Pluggable)441を備える。また、NNI 440は、SW430とのインタフェースに電気コネクタ447を複数備える。
ここで、保守運用信号のOAM信号について、SDH−UNI 410およびGbE−UNI 420は、挿入・受信処理を実行する。
【0050】
図10を参照して、SDH−UNI 410のハードウェア構成を説明する。図10において、SDH−UNI 410は、n台のSFP411、SDH/SONET⇔MPLS変換部412、OAM処理部413、警報処理部414、伝送路断検出装置415、オートネゴシエーション判定回路416、2台の電気コネクタ417から構成される。
【0051】
最初に、主信号(実線)の動きを説明する。ユーザ装置から出力されたSDH/SONET信号について、SFP411は、光電変換を実施する。変換後の電気信号について、SDH/SONET⇔MPLS変換部412は、カプセル化し、SW430へと出力する。逆にSW430より入力したMPLS信号について、伝送路断検出装置415は、主信号とOAM信号とを区別して処理する。主信号の場合、SDH/SONET⇔MPLS変換部412は、デカプセル化する。デカプセル化された電気信号について、SFP411は、電光変換を実施して、ユーザ装置300に送出する。SDH/SONET⇔MPLS変換部412は、クライアント装置300からの受信信号が正常に受信されているか判定する。SDH/SONET⇔MPLS変換部412は、クライアント装置300への送信信号をシャットダウンできる。
【0052】
ユーザ装置300とのオートネゴシエーション接続に関して、オートネゴシエーション判定回路416は、設定と管理をおこなう。オートネゴシエーション判定回路416は、オートネゴシエーションフレームの送受信によりユーザ装置側のサポート・モードを認識する。この結果、より高速通信が可能なモードの選択が行なわれる。オートネゴシエーションシーケンスが正常に完了し、リンク確立後においても定期的に監視用フレームを送信されており、オートネゴシエーション判定回路416は、その設定を管理している。よって、オートネゴシエーションの設定の有無について、オートネゴシエーション判定回路416は、確認できる。
【0053】
なお、図10を参照して説明したSDH−UNI 410は、GbE−UNI 420も同様の構成であることは、当業者の自明事項である。すなわち、SDH/SONET⇔MPLS変換部412を、GbE⇔MPLS変換部422と読み替えればまったく同様の構成である。
【0054】
次にOAM信号(破線)の動きを説明する。OAM信号について、OAM処理部413は、送信と受信処理を実施する。この受信処理について、図11を参照して、説明する。図11において、OAM処理部413は、FDIを検出したか判定する(S11)。YESのとき、OAM処理部413は、警報処理部414にFDI受信を通知して(S13)、終了する。ステップ11でNOのとき、OAM処理部413は、BDIを検出したか判定する(S15)。YESのとき、OAM処理部413は、警報処理部414にBDI受信を通知して(S17)、終了する。ステップ11でNOのとき、OAM処理部413は、規定外フレームとして廃棄して(S19)、終了する。
【0055】
図12を参照して、OAM処理部413の送信処理について、説明する。SDH/SONET⇔MPLS変換部412および伝送路断検出装置415は、障害を検出したとき、警報処理部414に通知する。警報処理部414は、その障害の種類によって、対向装置に通知すべき警報について、OAM処理部413に通知する。図12において、OAM処理部413は、MPLS伝送路にパケットが流れていないか(アイドル)か判定する(S21)。YESのとき、OAM処理部413は、FDIまたはBDIを送出して(S23)、終了する。ステップ21でNOのとき、再びステップ21に遷移する。
【0056】
なお、図11および図12を参照して説明したSDH−UNI 410のOAM処理部413の動作は、GbE−UNI 420のOAM処理部423(図示せず)の動作もまったく同様である。
【0057】
図13を参照して、オートネゴシエーションOFF時のリンクダウン転送シーケンスを説明する。図13において、初期状態は、クライアント300−Aとノード400−A間にリンクが確立されている。また、クライアント300−Bとノード400−B間にリンクが確立されている。この結果、クライアント300−A、ノード400−A、クライアント300−B、ノード400−Bは、いずれもリンクアップ状態にある。
【0058】
この状態から、クライアント装置300−Aからノード400−Aへの伝送路に障害が発生する。ノード400−Aは、リンクダウンを検出する(S31)。ノード400−Aは、ノード400−BにFDIを送信する(S32)。ノード400−Bは、クライアント装置300−Bへの出力をshut downする(S33)。クライアント装置300−Bは、リンクダウンを検出する(S34)。なお、ノード400−Aは、ノード400−Bに定期的にFDIを送信する。この結果、ノード400−Bは、クライアント装置300−Bへの出力のshut downを継続する。
【0059】
ここで、クライアント装置300−Aからノード400−Aへの伝送路に障害が回復する。この結果、ノード400−Aは、リンクアップする(S37)。ノード400−Aは、ノード400−BへのFDI定期送信を解除する(S38)。FDIを受信しなくなったノード400−Bは、shut downを解除する(S39)。クライアント装置300−Bは、リンクアップ(リンクダウンを回復)する(S41)。
【0060】
なお、クライアント装置300−Aは、ノード400−AとのオートネゴシエーションOFFなので、常にリンクアップ状態である。また、ノード400−Bも、クライアント装置300−BとのオートネゴシエーションOFFなので、常にリンクアップ状態である。したがって、ノード400−Bは、クライアント装置300−Bへの出力をshut downしても、対向ノード400−AにFDIを送信することはない(後述する表1の#2参照)。
【0061】
図14を参照して、オートネゴシエーションON時におけるネットワークの構成を説明する。図14において、ネットワーク800Aの構成は、図8のネットワーク800と同一である。しかし、クライアント装置300−Aとノード400−Aとの間のリンクA、およびクライアント装置300−Bとノード400−Bとの間のリンクBは、ともにオートネゴシエーション接続ありで設定している。
【0062】
オートネゴシエーションON時のリンクダウンによって、波及したノード400−Aのシャットダウンを回避するために、本実施例ではFDI上にリンク維持要求フィールドを定義し、対向するT−MPLSノードがリンク維持要求フィールドを読み取ることで、オートネゴシエーション設定の有無や信号入力状態、および信号出力状態によってフレキシブルにシャットダウン有無を判定する。
【0063】
図15を参照して、FDI中のリザーブバイトに、リンク維持要求フィールドを割り当てることを説明する。図15において、FDIのペイロード660Bは、Function661、リンク維持要求フィールド6621A、Defect type6622、LSP TTSI1663、Defect location6641、Pad all0 6642、BIP 16 665で構成されている。図6との対比から明らかなように、図15のリンク維持要求フィールド6621Aは、図6のReserved6621に割り付けられている。リンク維持要求フィールド6621Aは、他のフィールドに割り当てられてもよいが、Reserved6621に割り付けられていることで、警報転送に係る通信帯域が必要最低限量で実現できる。
【0064】
図16を参照して、リンクダウンの検出後におけるFDIの送信処理を説明する。図16において、ノード400は、リンクダウンを検出すると、現在のリンク間でオートネゴシエーション設定の有無の判断を行なう(S51)。なお、オートネゴシエーション機能の有無の判断については、先述したように、オートネゴシエーション判定回路416に設定の有無について記録しているので、それを確認することで確認可能である。
【0065】
オートネゴシエーションOFFのとき(NO)、ノード400は、対向側ノードに対して送信するFDIののリザーブバイトにリンク維持要求フィールドの”0x00”を設定する(S56)。ここで、リンク維持要求フィールドが”0x00”は、対向ノードに対する出力shut down指示である。ノード400は、shut downを実行する(S57)。ノード400は、FDIを送信して(S58)、終了する。
【0066】
ステップ51でオートネゴシエーションがONの場合、ノード400は、クライアントへの送信側ポートがシャットダウンしているか判定する(S52)。NOのとき、ノード400は、ステップ56に遷移する。ステップ52でYESのとき、ノード400は、受信ポートに入力されているキャリアの強度が不足していないか判定する(S53)。NOのとき、ノード400は、ステップ56に遷移する。ステップ53でYESのとき、ノード400は、FDIのリザーブバイトにリンク維持要求フィールド”0x01”を設定して(S54)、ステップ58に遷移する。ここで、リンク維持要求フィールドが”0x0”は、対向ノードに対するリンク維持指示である。
【0067】
表1 リンク維持要求フィールド値決定条件
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
# オートネゴ Link Down Shutdown 信号無 FDI リンク維持要求
シエーション Status 入力状態 送出 フィールド
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
1 OFF 1 d.c. d.c. ○ 0x00
2 OFF 0 d.c. d.c. × −
3 ON 1 1 1 ○ 0x00
4 ON 1 1 0 ○ 0x01
5 ON 1 0 1 ○ 0x00
6 ON 0 1 1 × −
7 ON 1 0 0 ○ 0x00
8 ON 0 1 0 × −
9 ON 0 0 1 × −
10 ON 0 0 0 × −
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0068】
表1を参照して、各ステータス時のFDIの送出とリンク維持要求フィールド値の設定について、説明する。表1において、リザーブバイト決定条件は、オートネゴシエーション、Link Down、Shutdown Status、信号無入力状態、FDI送出、リンク維持要求フィールドから構成される。Link downは、1のとき、リンクダウン検出、0のとき、リンクダウン未検出時(リンクアップ状態時)を示す。Shutdoun Statusは、1のとき、シャットダウンを実行中、0のとき、信号送信状態を示す。信号無入力状態は、1のとき、伝送キャリアのパワー強度不足、0のとき、正常に入力が確認可能な状態を示す。リンク維持要求フィールド(本実施例ではFDIのリザーブバイトを使用)は、”0x00”のとき、シャットダウン実行を行ない、”0x01”のとき、シャットダウン実行を行なわないことを示す。これら条件に応じて対向側T−MPLS装置は、シャットダウンの有無を判定する。なお、表1において、d.c.は、don't careであり、無関係を意味する。
【0069】
#1と#2は、オートネゴシエーション設定がOFFの条件下で各ステータスに応じて判定する。自ノードでリンクダウンを判明した時に、対向側ノードへリンク維持要求フィールド”0x00”のシャットダウンを実行するFDIを送信する(#1)。一方、#2は、リンクアップ状態のため、FDIの送信は行なわない。
【0070】
#3から#10は、オートネゴシエーション設定がON時に各ステータスに応じて、FDIの送信およびリンク維持要求フィールドの設定値である。#3は、リンクダウンを検出時に、送信ポートがシャットダウン状態かつ信号無入力状態である。これは自ノードと配下クライアント装置との送受信ができておらず、特に受信ポートで信号が無入力状態であるため、配下クライアント装置からの信号が正常に届いていない場合を想定するとリンクダウンが検出されるため、対向側ノードへリンク維持要求フィールド”0x00”のシャットダウンを実行するFDIが送信される。
【0071】
#4は、リンクダウンを検出時に、送信ポートをシャットダウン状態で、信号入力状態は正常である。この場合、対向側ノードに対しFDIを送信するが、リンク維持要求フィールドは”0x01”を設定する。これは図14のノード400−Bを自ノードとして置き換えると、オートネゴシエーションON時に、ノード400−Bがノード400−AからFDIを受信したため、ノード400−Bはクライアント装置300−Bへの送信ポートをシャットダウンする。ノード400−Bの受信ポートは、クライアント装置300−Bからの信号を正常に受信している。この場合、リンクダウンの原因が自身のシャットダウンにあると推定できる。ノード400−Bは、両系シャットダウン状態を回避するために、対向側T−MPLS装置には、シャットダウンさせないリンク維持要求フィールド”0x01”に設定する。
【0072】
#5は、リンクダウンを検出時に、送信ポートはシャットダウンせず、信号が無入力状態である。受信ポートに信号が無入力状態であるため、配下クライアント装置からの信号が正常に届いていない。よって、リンクダウンが検出されるため、対向側ノードへリンク維持要求フィールド”0x00”のシャットダウンを実行するFDIを送信する。
【0073】
#6は、リンクアップ時に、送信ポートをシャットダウンし、信号が無入力状態である。これは信号が無入力状態でありながらリンクダウンを検出しておらず、通常稼働している時には起こらないケースである。装置自体の故障などによりリンクダウンが検出しなくなってしまった場合の処置として、FDIを送出しない設定とする。
【0074】
#7は、リンクダウンを検出時に、送信ポートはシャットダウンせず、信号入力状態も正常である。これは自ノードと配下クライアント装置間でリンクの確立をするためオートネゴシエーションフレームを互いに送受信しあっている間に起こる状態である。リンクダウンが検出されるので、対向側ノードへリンク維持要求フィールド”0x00”のシャットダウンを実行するFDIを送信する。
【0075】
#8は、リンクアップ時に、送信ポートをシャットダウンし、信号入力状態も正常である。リンクダウンをしていないので、FDIは送信しない。
#9は、リンクアップ時に、送信ポートをシャットダウンせず、信号が無入力状態である。これは#6と同様に信号無入力状態でありながら、リンクダウンが検出されておらず、装置自身の故障により発生する状態を想定しており、この場合はFDIの送信を実施しない。
#10は、リンクアップ時に、送信ポートをシャットダウンせず、信号入力状態も正常である。設定したステータスが全て正常であるため、FDIの送信は行なわない。
【0076】
図17を参照して、オートネゴシエーションONのときの、リンクダウン転送シーケンスを説明する。図17において、初期状態において、クライアント装置300−Aとノード400−Aとの間のリンクA、クライアント装置300−Bとノード400−Bとの間のリンクBは、いずれリンクアップ中である。リンクA間で障害発生時に、ノード400−Aは、リンクダウンを検出する(S61)。クライアント装置300−Aは、オートネゴシエーションシーケンスが失敗して、リンクダウンを検出する(S62)。ノード400−Aは、ノード400−BにFDIを送出する(S63)。ここで、FDIのリンク維持要求フィールド6621Aは、”0x00”をセットする。ノード400−Bでは、FDIを受信したことにより、シャットダウンを実行する(S64)。クライアント装置300−Bは、リンクダウンを検出する(S66)。
【0077】
ノード400−Bは、オートネゴシエーションシーケンスに失敗し、リンクダウンを検出する(S67)。ノード400−Bは、表1の#4の状態にあたるため、リンク維持要求フィールド6621Aが”0x01”のFDIを送出する(S68)。ノード400−Aは、リンク維持要求フィールド6621AのFDIを受信しても、シャットダウンは実施しない。なお、ノード400−A、ノード400−Bは、定期的なFDIの送信を継続する。
【0078】
リンクA間の障害が回復したとき、ノード400−Aは、リンクアップする(S71)。クライアント装置300−Aは、オートネゴシエーションシーケンスに成功し、リンクアップする(S72)。ノード400−Aは、FDIの定期送信を解除する(S73)。ノード400−Bは、FDIを受信しなくなったので、shut downを解除する(S74)。その結果、クライアント装置300−Bは、リンクアップする(S76)。ノード400−Bは、オートネゴシエーションシーケンスに成功し、リンクアップする(S77)。ノード400−Bは、FDIの定期送信を解除する(S78)。
【0079】
以上のように、FDIのリザーブバイト値にリンク維持要求フィールドの設定をすることで、オートネゴシエーションON時において、ネットワーク波及リンクダウンを回避することができる。
【符号の説明】
【0080】
200…MPLS装置(ノード)、300…ユーザ装置(クライアント装置)、400…MPLS装置(ノード)、410…SDH−UNI、420…GbE−UNI、430…SW、440…NNI、411…光モジュール(SFP)、412…SDH/SONET⇔MPLS変換部、413…OAM処理部、414…警報処理部、415…伝送路検出装置、416…オートネゴシエーション判定回路、417…電気コネクタ、420…GbE−UNI、421…SFP、427…電気コネクタ、430…SW、437…電気コネクタ、440…NNI、441…XFP、447…電気コネクタ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クライアント装置と対向伝送装置と接続され、前記クライアント装置からの第1の信号をカプセル化して前記対向伝送装置に送信し、前記対向伝送装置からの第2の信号をデカプセル化して前記クライアント装置に送信する伝送装置において、
前記クライアント装置とのリンクのオートネゴシエーションと、アップ/ダウンとを判定するリンク判定部と、前記第1の信号の正常性を判定するクライアント判定部と、前記第2の信号をシャットダウンするシャットダウン処理部と、前記対向伝送装置に第1の警報を送信し、前記対向伝送装置から第2の警報を受信する警報送受信部と、警報処理部とからなり、
前記リンク判定部がリンクダウンを検出したとき、前記警報処理部は、オートネゴシエーションのON/OFFと、シャットダウンの実行/非実行と、前記第1の信号の正常/異常とに基づいて、前記対向伝送装置に送る前記第1の警報を作成し、前記警報送受信部から送信することを特徴とする伝送装置。
【請求項2】
請求項1に記載の伝送装置であって、
前記警報処理部は、オートネゴシエーションがON、シャットダウンが実行、かつ前記第1の信号が正常のとき、前記対向伝送装置がシャットダウンしないように制御することを特徴とする伝送装置。
【請求項3】
請求項1に記載の伝送装置であって、
前記警報処理部は、オートネゴシエーションがON、シャットダウンが実行、かつ前記第1の信号が正常の以外とき、前記対向伝送装置がシャットダウンするように制御することを特徴とする伝送装置。
【請求項4】
請求項3に記載の伝送装置であって、
シャットダウンが非実行のとき、前記シャットダウン処理部は、前記第2の信号をシャットダウンすることを特徴とする伝送装置。
【請求項5】
オートネゴシエーションの設定がONか判定する第1のステップと、
クライアント装置への信号シャットダウンを実行中か判定する第2のステップと、
クライアント装置からの信号が正常か判定する第3のステップと、
前記第1のステップ、前記第2のステップ、前記第3のステップの判定結果に基づいて、警報を作成する第4のステップと、
前記警報を対向する伝送装置に送信する第5のステップとからなる警報送信方法。
【請求項1】
クライアント装置と対向伝送装置と接続され、前記クライアント装置からの第1の信号をカプセル化して前記対向伝送装置に送信し、前記対向伝送装置からの第2の信号をデカプセル化して前記クライアント装置に送信する伝送装置において、
前記クライアント装置とのリンクのオートネゴシエーションと、アップ/ダウンとを判定するリンク判定部と、前記第1の信号の正常性を判定するクライアント判定部と、前記第2の信号をシャットダウンするシャットダウン処理部と、前記対向伝送装置に第1の警報を送信し、前記対向伝送装置から第2の警報を受信する警報送受信部と、警報処理部とからなり、
前記リンク判定部がリンクダウンを検出したとき、前記警報処理部は、オートネゴシエーションのON/OFFと、シャットダウンの実行/非実行と、前記第1の信号の正常/異常とに基づいて、前記対向伝送装置に送る前記第1の警報を作成し、前記警報送受信部から送信することを特徴とする伝送装置。
【請求項2】
請求項1に記載の伝送装置であって、
前記警報処理部は、オートネゴシエーションがON、シャットダウンが実行、かつ前記第1の信号が正常のとき、前記対向伝送装置がシャットダウンしないように制御することを特徴とする伝送装置。
【請求項3】
請求項1に記載の伝送装置であって、
前記警報処理部は、オートネゴシエーションがON、シャットダウンが実行、かつ前記第1の信号が正常の以外とき、前記対向伝送装置がシャットダウンするように制御することを特徴とする伝送装置。
【請求項4】
請求項3に記載の伝送装置であって、
シャットダウンが非実行のとき、前記シャットダウン処理部は、前記第2の信号をシャットダウンすることを特徴とする伝送装置。
【請求項5】
オートネゴシエーションの設定がONか判定する第1のステップと、
クライアント装置への信号シャットダウンを実行中か判定する第2のステップと、
クライアント装置からの信号が正常か判定する第3のステップと、
前記第1のステップ、前記第2のステップ、前記第3のステップの判定結果に基づいて、警報を作成する第4のステップと、
前記警報を対向する伝送装置に送信する第5のステップとからなる警報送信方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
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【図10】
【図11】
【図12】
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【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2011−182241(P2011−182241A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−45536(P2010−45536)
【出願日】平成22年3月2日(2010.3.2)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月2日(2010.3.2)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
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