説明

位相変調で直接変調されたレーザ光伝送システム

【課題】アナログ伝送を用いて都市圏及び長距離伝送の光ネットワークでアナログ光出力が使用され得る一方、分散による有害な影響を回避できるように、1550nmにおけるレーザの直接変調のための、単純で低コストのシステムを提供する。
【解決手段】レーザ、レーザをアナログRF信号で直接振幅変調して、振幅変調された情報包含要素及び位相変調された要素を含む光信号を生成するための変調器、及び、遠隔受信器において受信された光信号に存在する歪を削減するために前記レーザの出力にカップルされた位相変調器、を備える、光ファイバ・リンクを介した、遠隔受信器への送信のための変調された光信号を生成するための光送信器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
1.本発明の技術分野
本発明は、アナログ信号のための光伝送システムに関連し、特に、直接変調される固体素子レーザに関連する。より詳細には、本発明は、半導体レーザにおけるチャープ(chirp)から生じる位相変調された要素の相殺(cancellation)に関連する。この半導体レーザにおけるチャープは、レーザにおける固有の非線形性に起因して、直接変調された入力から、半導体レーザの出力を歪ませる。
【背景技術】
【0002】
2.関連技術の説明
発光ダイオード(LED)又は半導体レーザのアナログ輝度を、電気信号で直接変調することは、音声及び映像信号のようなアナログ信号を、光ファイバ上で伝送するための技術分野で知られている最も単純な方法の一つと考えられている。そのようなアナログ伝送技術は、デジタル・パルス符号変調のようなデジタル伝送、又は、アナログ又はパルス周波数変調に比して、実質的により小さい帯域幅要求という利点を持つが、振幅変調の使用は、光源のノイズと非線形性という問題から悪影響を受け得る。
【0003】
その理由から、直接変調技術は、その応用が、分散(dispersion)がゼロである光ファイバリンクを採用する短い伝送リンクであるような1310nmレーザと関連して使用されてきた。都市圏(metro)及び長距離(long haul)のファイバ伝送リンクにおける応用に対しては、リンクの群速度分散によって、外部的に変調された(externally modulated)1550nmレーザが使用されるべきことが要求される。しかし、そのような外部変調技術は、複雑で、高価である。それ故、本発明は、アナログ伝送を用いて都市圏及び長距離伝送の光ネットワークでアナログ光出力が使用され得る一方、分散による有害な影響を回避できるように、1550nmにおけるレーザの直接変調のための、単純で低コストのシステムを提供するという問題に向けられる。
【0004】
レーザの直接電流変調は、密波長分割多重(DWDM)システムのようなデジタル光伝送システムで使用されることが知られている。例えば、非特許文献1(Kartalopoulos, DWDM Networks, Devices, and Technology (IEEE Press, 2003), p. 154)を参照頂きたい。
【0005】
1550nmにおいてアナログシステムを設計することにおける困難性の1つは、1550nmにおける使用に適切な低チャープの線形レーザが、従来技術で知られていないことである。低チャープ・レーザ1つのタイプは、デジタル光伝送システムで使用される、外部キャビティ・レーザであり、それは、商業的に入手可能な製品である。
【0006】
1550nmにおけるアナログ光伝送システムのために要求される低チャープ特性に加えて、当該システムは、高度に線形でなければならない。一定のアナログ伝送に固有の歪みは、線形の電気的変調信号が、光信号に線形的に変換されることを妨げ、その代わり、信号が歪まされる。これらの影響は、チャンネルが互いにと干渉することを防ぐための、優秀な線形性を要求するマルチ・チャンネル映像伝送にとって特に不利益である。高度に線形化されたアナログ光システムは、放送TV伝送、CATV、インタラクティブTV、及び、映像電話伝送のような、商業アナログ・システムにおける広い応用を持つ。
【0007】
光及び他の非線形送信機の線形化について、しばらく研究が為されてきた。しかし、提案された解決法は、実際的には不利益を持つ。上述の、議論されている殆どの応用は、多くの実際的な実施のためには、余りにも広い帯域幅を持つ。フィード・フォーワード技術は、光パワー・コンバイナ及びマルチプル光源のような複雑なシステム要素を要求する。擬似光フィード・フォーワード技術は、類似の複雑さの問題の影響を受け、更に、極端に良く整合した(matched)パーツを要求する。
【0008】
上述のように、外部変調器は、従来技術における光伝送システムにおける使用のために良く知られている。特許文献1(米国特許第5,699,179号)は、ファイバによって誘引される複合第2次(CSO)歪要素を削減するための、外部変調された、フィード・フォーワードの、線形化されたアナログ光送信機を説明する。
【0009】
本発明の前に、外部キャビティ・レーザにおけるチャープに起因する、位相変調された要素(components)を相殺する目的のために、直接的に(電流)変調されたレーザにカップルされた外部変調機の応用は存在しなかった。
【0010】
【特許文献1】米国特許第5,699,179号公報
【非特許文献1】Kartalopoulos, DWDM Networks, Devices, and Technology (IEEE Press, 2003), p. 154
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0011】
1.本発明の目的
本発明の目的は、直接変調されたレーザを用いた、改善された光伝送システムを提供することである。
【0012】
本発明の他の目的は、1550nmアナログ光伝送システムで用いられるレーザにおけるチャープを補償することである。
【0013】
ノイズ削減を改善するために、1550nmアナログ光伝送システムで使用するための位相変調を提供することもまた本発明の他の目的である。
【0014】
位相変調で直接変調されたレーザを用いて、長距離伝送の、分散的な(dispersive)光ファイバ媒体に適した、低チャープの、高度に線形の、アナログ光伝送システムを提供することもまた、本発明の他の目的である。
【0015】
長距離の分散的な(dispersive)光ファイバ媒体に適したアナログ光伝送システムにおいて、低チャープ・レーザを変調するための位相シフト回路を提供することもまた、本発明の他の目的である。
【0016】
広帯域アナログ光伝送システムにおいて、直接変調及び位相歪み補償工程を提供することもまた、本発明の目的である。
【0017】
2.本発明の特徴
簡単に、及び一般的意味において、本発明は、分散的な光ファイバ・リンクを通して、広帯域のアナログ無線周波数信号入力を受信するための入力、光信号を生成するための半導体レーザ、及び、レーザを、アナログ信号で直接変調するための変調回路であって、位相変調要素に起因して光ファイバ・リンクの受信器端に存在する信号における歪を削減するための光位相変調器を含む変調回路、を有する遠隔の受信器に伝送するための、変調された光信号を生成するための光送信機を提供する。
【0018】
他の特徴においては、本発明は、分散的な(dispersive)光ファイバ・リンクを通して使用するための光伝送システムであって、アナログ信号入力を有する光送信機、低チャープ・レーザ、レーザを直接変調するための変調回路、及び、半導体レーザによって生成された光信号の位相変調要素を相殺する(canceling)ための減衰及び位相シフト回路、を含む光伝送システムを提供する。
【0019】
他の特徴においては、本発明は更に、好ましくは、レーザのような非線形素子によって生成された、第2次及び更に高い偶数次数の歪プロダクトを削減するように光位相変調器を制御するための回路を含む、低コストの直接変調技術を提供する。
【0020】
本発明の他の特徴においては、本発明は、外部位相変調器とともに”Cバンド”における1530nmから1570nmの範囲で作動する、外部キャビティ・レーザとしての低チャープ・レーザを提供する。
【0021】
本発明の他の特徴において、入力RF変調信号を、2つの電気的パス(1つは主で、1つは副)に分割するアナログ信号の伝送における歪を削減するためのチャープ相殺回路が提供される。位相変調相殺信号は、振幅と位相において調整されて、非線形素子によるチャープの周波数又は位相従属を整合させる。信号の位相は、電気的パスの1つにおける遅延又は位相調整要素によって同期される。主及び副信号は、次に、光位相変調器によって再結合されて、振幅変調のみを有する単一の変調信号を生成する。従って、位相変調器は、非線形送信素子に固有の位相要素歪を相殺し、アナログ信号を、分散的な光ファイバ・リンクを通した伝送に適したものにすることによって、光信号の伝送を線形化する。我々は、この構成及び技術を、ポスト位相補正(post phase correction)(PPC)と呼ぶ。
【0022】
以下の詳細な説明を含む本明細書の開示から、及び、本発明の実施によって、本発明の追加的な目的、利点、及び、新規な特徴が当業者にとって明白になるであろう。本発明が、好ましい実施例を参照して以下に説明される一方、本発明は、それに限定されないことが理解されるべきである。ここに開示される教示にアクセス可能な、本技術分野における当業者は、本発明の範囲内に存在する、追加的な応用、修正、及び他の分野における実施例がここに開示され、特許請求の範囲に記載されており、その開示及び特許請求の範囲の記載との関係で、本発明が、非常に有用性を有するものであることを理解するであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
添付の図面を考慮すると共に、以下の説明を参照することによって、本発明の、これらの、及び他の特徴が、より良く理解され、より完全に認識されるであろう。
本発明の新規な特徴及び特性は、添付の特許請求の範囲に規定される。しかし、本発明自身並びに他の特徴及びその利点は、添付の図面と共に、特定の実施例の詳細な説明を参照することによって最も良く理解されであろう。
【0024】
模範的特徴及びその実施例を含む本発明の詳細をこれから説明する。図面及び以下の説明を参照して、類似又は機能的に類似の要素を識別するために類似の参照番号が使用され、類似の参照番号は、模範的実施例の主要な特徴を、非常に単純化された図示的態様で示すことが意図される。更に、図面は、実際の実施例の全ての特徴、及び、描写された要素の相対的な寸法を描くことは意図されず、それらは、一定の比例に拡大又は縮小して描かれていない。
【0025】
図1(a)は、米国特許第5,699,179号に開示される、外部変調器を利用する従来技術の光送信機のブロック図である。全体的に10で示される送信機は、光ファイバ・パス30を通して、光信号を受信機60に送信する。送信機10は、連続波(CW)出力を生成する半導体レーザ12を含む。そのようなレーザの一般的な例は、1,550nmの波長において出力光ビームを生成する、分散フィードバック(distributed feedback:DFB)レーザ、又は、Fabry-Perotレーザである。レーザからの変調されていない光信号が、光ファイバ14によって変調器16にカップルされる。変調器16は、Mach-Zehnder変調器のような単一の変調器、縦列MZ変調器、又は、フィード・フォーワード・リニアライザ内にあるような1つより多い変調器、であり得る。変調器16は、端子18及びライン20を介して、振幅変調された残留側波(AM−SDB)ケーブル・テレビジョン(CATV)又は映像信号のような広帯域RF信号をも受信する。更に、フィード・フォーワード・リニアライザが用いられるときに、復極(depolarizing)信号が、端子22及びライン24を介して変調器16に与えられる。復極信号は、光入力を、変調器16内の誤り訂正変調器(不図示)に復極する(depolarize)ために用いられる。
【0026】
映像データを運ぶ変調された光信号は、ファイバ・リンク26によって、増幅器28にカップルされる。増幅器28は、一般的に、エルビウムがドープされたファイバ増幅器(EDFA)である。増幅された光信号は、光ファイバ伝送ライン30、そして、受信機60にカップルされる。光ファイバ伝送ライン30は、数キロメータに亘って延びる長距離リンクであり得る。この場合には、EDFA28のようなライン増幅器は、信号を所望のレベルに増大させるために、ラインに沿って、間隔が空けられた区間において提供され得る。受信機60においても、入来光信号を増大させるために、増幅器(不図示)が提供され得る。増大された信号は、次に、光検知器に印加され、受信機60で電気信号に復調され、ライン50において元々の映像又はデータ信号を表す信号となる。
【0027】
図1(b)は、レーザの直接電流変調を利用する従来技術の光送信機のブロック図である。広帯域RFアナログ信号が、レーザ12に直接印加される。レーザ12からの変調された光信号は、ファイバ・リンク26によって、EDFAのような増幅器28にカップルされる。増幅された光信号は、ファイバ伝送ライン30、そして、受信機60にカップルされる。受信機において、光信号は電気信号に変換され、ライン50において、元々の映像又はデータ信号を表す信号となる。
【0028】
図2は、非常に単純化された、本発明による光伝送システム100のブロック図である。複数の明確な(distinct)情報含有通信信号(information-containing communications)又はチャンネルを含む広帯域信号のような、アナログRF信号の入力源101が示される。本発明におけるレーザ102の変調回路は、AM−VBS変調器、又は、直交振幅変調器(quadrature amplitude modulator)であり得る。RF入力は、2つの部分に分割されるその1つは、レーザ102に印加されて、それを直接変調する。他の部分は、RF調整回路(conditioning circuitry)103に印加される。RF調整回路103の出力は、位相変調器に印加される。光ファイバ出力113は、分散的(dispresive)光ファイバ・リンクである。
【0029】
図2のシステムで用いられるエッジ放射半導体(edge-emitting semiconductor)レ−ザは、好ましくは、分散化フィードバック・レーザ(DFB)である(Fabry-Perot(FP)レーザも、使用され得るが)。
【0030】
好ましい実施例において、レーザは、1530から1570NMの範囲におけるレーザの光出力の波長内の外部キャビティ・レーザである。更に、広帯域アナログ信号入力は、1オクターブ(octave)より広い帯域幅を持ち、複数の明確な(distinct)情報運搬チャンネルを含む。
【0031】
信号調整回路103は、入力RF信号に対して明確な(distinct)オペレーョンを実行する、一続きの直列接続された回路からなる。RF信号は、減衰器104に印加されて、信号の振幅が、レーザ102のチャープ特性によって導入された位相シフトされた要素(components)の振幅と釣り合うように、適切に調整する。レーザ102に印加されたRF信号は、遠隔受信機における信号に影響を与えるレーザの非線形応答を補償するために、レーザに印加されたRF信号を修正するための従来技術で知られるように、予備歪回路105の使用によって適切に予備歪付加(pre-distorted)される。更に、分散的ファイバ・リンク113が依然として、いくらかの歪を受信機114において受信された信号に導入するという程度の、ファイバによって導入された分散に起因する歪を最小化するための本発明の改善にも関わらず、受信機114において依然として存在する、如何なるそのような歪をも相殺するための、小さな補償信号を導入するために、追加の信号修正回路が予備歪付加回路105に採用され得る。
【0032】
特に、RF周波数の全体の周波数範囲に亘って位相変調された信号の振幅は、チャープの性質(nature)に依存して、RF周波数の逆数の関数として変化し得る。従って、レーザの位相変調の非線形応答を補償するために、補償チルト回路106は、位相変調器に印加されたRF信号のゲインを、RF周波数の逆数の関数として増加させることになる。この特定のアプローチは、レーザのチャープが、”断熱的(adiabatic)”である場合に適用され得る。断熱的なチャープとは、レーザのFM応答が、AM応答と同位相であり、変調周波数に関して一定であることを意味する。この点から、位相変調応答が、変調周波数の逆数として変化し得ることが演繹され得る(なぜなら、周波数変調は、位相変調の導関数(derivative)として振舞うからである)。
【0033】
減衰器104の出力は、次に、チルト回路106に接続される。広帯域RF信号の全体の周波数範囲に亘る増幅器の周波数応答は、一定ではない。しばしば、「チルト」と呼ばれる、このゲイン変化は、をチルト回路106補償することによって補償され得る。
【0034】
SBS(誘導ブリユアン散乱 stimulated Brillouin scattering)抑圧目的のために変調された光信号において一定のトーンを生成するために、トーン生成器108が提供される。トーン生成器108の出力は位相遅延回路107の出力と結合され、そして、結合されたRF信号は、位相変調器109に印加される。このRF結合は、不所望の位相遅延又は振幅チルトが、チャープ相殺パスに導入されないようなやり方で為されねばならない。結合された信号によって、ファイバ接続器110から変調器109に印加された光信号の位相変調がもたらされ、特に、レーザ102によって導入された不所望な位相変調要素の相殺(cancellation)がもたらされる。
【0035】
変調器109の出力は、ファイバ111から増幅器112に亘ってカップルされる。位相変調器は次に、光リンク110にカップルされる。遠隔端において、光リンク113は、受信機114に接続される。受信機は、受信された光信号を、RF信号115に変換する。
【0036】
本発明の位相変調器109は、レーザ102の非線形応答、及び/又は、周波数変調された光信号の、分散的光ファイバ・リンクを通じた伝送によって生成された歪(受信端において決定される)を補償する。調整回路103は、リンクの長さに依存して、分散的光ファイバリンクによって生成された歪を補償するために、選択的に調整可能であり得、或いは、リンクの長さに依存して、分散的光ファイバ・リンクによって生成された歪を補償するための所定の値に工場で設定され得る。長さに依存する分散的効果の、そのような1つの例は、自己位相変調(SPF:self phase modulation)であろう。
【0037】
図3は、ファイバ長の関数として導入された自己位相変調の効果を示すグラフである。種々の曲線は、異なった値の出力パワーを表す。このグラフは、高いパワー信号が、ファイバ長に亘って導入されたチャープにおける最も大きい変化を与える(present)ことを示す。
【0038】
図4は、減衰が、図2で示される要素104で調整される、一定の試験条件の下でのCSOの値(amount)対減衰を示すグラフである。特に、115.25MHzから547.875MHzの範囲の72個のNTSCチャンネルにおいて、PPC(ポスト位相訂正)構成で65kmのファイバが使用された。本図面に提示された実験データから、CSOが、減衰設定が、6dBに等しい所において最大化されることに気が付く。その結果、CSOが最大化されるような値だけ、位相がシフトされるように位相遅延回路を調整することが適切である。
【0039】
図5は、位相が、図2で示される要素107で調整されるという試験条件の下でのCSO対位相の値を示すグラフである。特に、115.25MHzから547.875MHzの範囲の72個のNTSCチャンネルにおいて、PPC(ポスト位相訂正)構成において、65kmファイバが使用された。本図に示される実験データから、CSOが、0と−10度の間の位相設定において最大化されることに気が付く。その結果、CSOが最大化されるような値だけ、位相がシフトされるように、位相遅延回路を調整することが適切である。
【0040】
当業者にとって、本発明の思想と範囲から離れること無しに、多くの変形及び修正が明白となろう。例えば、TV信号が、レーザ又は発光ダイオードを変調する文脈で説明され、示されるが、固有の歪を持ち得る増幅器のような他の非線形素子も、この技術によって大きく相殺(cancelled)され得る。主、及び、副パスにおける信号の相対的位相の細かい調整は、説明された実施例では副パス内に存在するが、粗い調整が、主パス内にも存在し得る。副パスでの調整が好ましい。何故なら、主パス内のそのような遅延は、このパスに対して不適切なインピーダンスを持ち得るからである。
【0041】
本発明は、レーザの出力をホトダイオードで監視し、信号を制御信号に変換する。この制御信号は、レーザ出力モニタ制御回路にカップルされる。このレーザ出力モニタ制御回路は、レーザの出力に応答して、レーザの温度を調整するための温度コントローラにカップルされたネガティブ・フィードバック制御回路を含む。
【0042】
本発明の技術及び装置の種々の側面が、デジタル回路、又はコンピュータ・ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又は、それらの組み合わせによって実施され得る。本発明の回路は、プログラマブルなプロセッサによって実行するための、機械によって読み取り可能な記憶素子内で有形的に具体化されたコンピュータ・プロダクトにおいて実施され得る。或いは、本発明の回路は、ネットワーク・ノード又はウェブ・サイトに配置されたソフトウェアにおいて実施され得る。このソフトウェアは、自動的に或いは要求に応じて、コンピュータ・プロダクトに、ダウンロードされ得る。以上の技術は、入力データに応じて作動させ、出力を生成することによって本発明の機能を実行するための、一連の信号又は命令のプログラムの実行のための、例えば、単一の中央プロセッサ、マルチ・プロセッサ、1つあるいはそれより多いデジタル信号プロセッサ、論理ゲートのゲート・アレイ、又は、ハード・ワイヤド論理回路によって実行され得る。本方法は有利に、データ記憶システム、少なくとも1つの入力/出力装置、及び、少なくとも1つの出力装置からデータ及び命令を受信し、そこへデータ及び命令を送信するようにカップルされた、少なくとも1つのプログラマブルなプロセッサを含むプログラマブルなシステムで実行可能な1つあるいはそれより多いコンピュータ・プログラムで実行され得る。各コンピュータ・プログラムは、高レベル手順の言語、又は、オブジェクト指向プログラミング言語、或いは、必要であればアセンブリ又は機械語で具現化され得る。そして、いずれの場合でも、言語は、コンパイルまたはインタープロリットされた言語であり得る。適切なプロセッサには、例示として、一般目的及び特別目的マイクロプロセッサの双方が含まれる。一般的に、プロセッサは、リード・オンリ・メモリ、及び/又は、ランダム・アクセス・メモリから命令及びデータを受信する。コンピュータ・プログラム命令及びデータを具体的に具現化することに適した記憶装置は、例示として、EPROM、EEPROM、及びフラッシュ・メモリ素子のような半導体素子、内蔵ハード・ディスク及びリムーバブル・ディスクのような磁気ディスク、光磁気ディスク、及び、CD−ROMディスクを含む、全ての形式の不揮発性のメモリを含む。以上挙げたもののいずれも、特別に設計されたアプリケーション・スペシフィックな集積回路(ASICS)によって補充され得、又は、その中に取り込まれ得る。
【0043】
上に説明された要素の各々、或いは、それらの2つ或いはそれより多くの組み合せによってもまた、上述タイプとは異なる他のタイプの構成(constructions)において、有用なアプリケーションが見出され得ることが理解されるであろう。
【0044】
本発明が、光送信システムで具現化されたものとして図示及び説明されてきた一方、それらに示された詳細に限定されることは意図されない。なぜなら、本発明の思想から全く離れること無しに、種々の修正及び構造的変更が為され得るからである。
【0045】
更なる分析を行うこと無しに、以上の説明によって、他者が現在の知識適用することによって、先行技術の見地から、本発明の一般的或いは特定の面の、明白に構成される本質的特性である特徴を省略すること無しに、直ぐにそれを種々の応用に対して適用できるという、本発明の要旨が明らかになるであろう。そして、それ故、そのような適用は、添付の請求項の均等物の意義及び範囲内にあるものとして理解されるものとして意図されるべきであり、そのように意図される。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1(a)】従来技術で知られた外部変調された光伝送システムの、大きく単純化されたブロック図である。
【図1(b)】従来技術で知られた直接変調された伝送システムの、大きくで単純化されたブロック図ある。
【図2】本発明による光伝送システムの、大きく単純化されたブロック図である。
【図3】ファイバ長の関数としての自己位相変調チャープの効果を示すグラフである。
【図4】一定の試験条件の下でのCSOの値対減衰を示すグラフである。
【図5】一定の試験条件の下でのCSOの値対位相を示すグラフである。
【符号の説明】
【0047】
10 送信機
14 光ファイバ
18 端子
20 ライン
22 端子
24 ライン
26 ファイバ・リンク
30 光ファイバ・パス
50 ライン
101 アナログRF信号の入力源
103 RF調整回路
106 補償チルト回路
107 位相遅延回路
110 ファイバ接続器
111 ファイバ
113 光ファイバ出力
115 RF信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ファイバ・リンクを介して、遠隔の受信器に送信するための変調された光信号を生成するための光送信器であって、
レーザ、
前記レーザを、アナログRF信号で直接振幅変調して、振幅変調された情報含有要素(information-containing component)及び位相変調要素を含む光信号を生成するための変調器、及び、
遠隔受信器で受信された光信号に存在する歪を削減するために前記レーザの出力にカップルされた位相変調器、
を備える光送信器。
【請求項2】
前記位相変調器が、前記レーザの出力信号内の位相変調された要素を相殺する、請求項1に記載の送信器。
【請求項3】
前記位相変調器が、前記遠隔受信器において受信された光信号のSBSスレッシュホールドを増加させる、請求項1に記載の送信器。
【請求項4】
有効な位相変調相殺が起こるように、変調している電気信号が前記変調された光信号と同期させられるように、前記アナログ信号に接続された入力、及び、前記位相変調器に接続された出力、を有する遅延回路、を更に備える、請求項1に記載の送信器。
【請求項5】
前記レーザが、外部キャビティ・レーザである、請求項1に記載の送信器。
【請求項6】
前記レーザの光出力の波長が、1530から1570nmの範囲にある、請求項1に記載の送信器。
【請求項7】
広帯域アナログ信号入力が、1オクターブより広い帯域を持ち、複数の弁別的な(distinct)情報運搬チャンネルを含む、請求項1に記載の送信器。
【請求項8】
前記遠隔受信器における信号に影響を与えている前記レーザの非線形応答を補償するために、前記レーザに印加されたRF信号を変調するための予備歪回路、を更に備える、請求項1に記載の送信器。
【請求項9】
前記リンクの長さに依存して、分散的な光ファイバ・リンクによって生成された歪を補償するために、前記位相変調が選択的に調整可能である、請求項1に記載の送信器。
【請求項10】
前記遅延回路が、前記分散的光ファイバ・リンクの誘導ブリユアン散乱(stimulated Brillouin scattering)スレッシュホールドを増加させるための低周波数信号変調器、を更に備える、請求項1に記載の送信器。

【図1(a)】
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【図1(b)】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−235925(P2007−235925A)
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−336993(P2006−336993)
【出願日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【出願人】(501195658)エムコア・コーポレイション (22)
【Fターム(参考)】