説明

位置に基づく通信モード切り換え

多くの通信システムの地理的有効範囲領域(102,104,106,108)を規定する記憶データに基づいて、無線装置(200)の通信モードを自動的に設定するための方法(400,500)および装置(200)が提供される。1つの方法では、有効範囲サーバ(226)から、複数の地理的領域およびその複数の地理的領域のそれぞれにおいて利用可能なすべての通信モードを記述するデータを受信する。無線通信装置の現在の地理的位置を決定して、その現在の地理的位置を含む地理的領域を現在の領域として決定する。無線通信装置の通信モードは、無線通信装置において記憶されている現在の領域を記述するデータに基づいて設定される。したがって、有効範囲サーバにおいて、データを中央で管理および更新することができる。好ましい実施形態においては、データには、たとえばセルラ・モードおよび無線LANモードのような多くの通信モードが含まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器の分野に関し、より詳細には、地理的位置に基づいて異なるモードを利用する携帯型機器に関する。
【背景技術】
【0002】
セルラ電話などの携帯型電子装置では、複数の通信モードが利用されている。セルラ電話モードは通常、そのモードで使用されているプロトコルによって識別される。セルラ電話サービスにおいて用いられるプロトコルの例としては、アドバンスド・モバイル・フォン・サービス(AMPS:Advanced Mobile Phone Service )プロトコル、いくつかの符号分割多元接続(CDMA:Code Division Multiple Access )プロトコル、およびグローバル・システム・フォー・モバイル(GSM:Global System for Mobile)プロトコルが挙げられる。これらのプロトコルには種々の変形が存在し、それぞれの変形を、通信装置に対する動作「モード」として考えることができる。これらのセルラ電話サービス以外にも、無線ローカル・エリア・ネットワーク(WLANまたは無線LAN:Wireless Local Area Network )が、個人および公共ベースで広く実施されている。無線LANの例としては、IEEE802.11(b)規格に準拠する機器を介した無線ネットワーク・データ通信が挙げられる。たとえば、企業の中には、オフィス・ビル内に独自の無線LANシステムを設けているところがあり、従業員はこのような無線ネットワークを介して通信することができる。802.11(b)規格を用いることによって、公に利用可能な無線LANを、たとえば喫茶店および「インターネット・カフェ」の付近において、常時実施することができる。また無線LANを、たとえば見本市または他のコンベンション環境の付近において、比較的短い期間、設定することができる。ほとんどの無線LANアーキテクチャには、認証プロトコルおよびデータ暗号化が含まれる。これらによって、ネットワークを個人的に用いること、許可されたユーザを識別すること、およびネットワーク・オペレータが望む場合には、公に利用可能なネットワークの利用に対する請求書の作成でさえ可能になる。いくつかの異なるセルラ電話システムおよび/または無線LANシステムにおいて、地理的有効範囲がオーバーラップしていることは普通である。そのため、これらの無線システムのうちの複数を、所定の位置において利用することができる。携帯型通信機器のユーザには、多くの場合、利用コスト、利用可能なデータ速度またはバンド幅、および他の要因に基づいて、これらの無線システムのうちのどれを使用するかについての好みがある。携帯型通信装置の現在位置においてどのシステムが利用可能であるかを判断するために、携帯型通信装置では、普通、信号を周期的に走査して、異なる無線システムを識別する信号を探索する。このような周期的な走査を行なうために、携帯型通信装置では、エネルギーが消費されて、バッテリ寿命が短くなる。またこの周期的な走査によって、通信装置の動作が妨げられる可能性もある。何故なら、受信器およびおそらくは送信回路も、通信から走査機能へと切り換えられるからである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、前述したような従来技術の問題を打開する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一態様では、無線通信装置の通信モードを設定するための方法が提供される。本方法によれば、有効範囲サーバから、複数の地理的領域およびその複数の地理的領域のそれぞれにおいて利用可能なすべての通信モードを記述するデータを受信する。有効範囲サーバから受信したデータは、無線通信装置において記憶される。無線通信装置の現在の地理的位置を決定して、その現在の地理的位置を含む地理的領域を、現在の領域として決定する。無線通信装置の通信モードを、無線通信装置に記憶されている現在の領域を記述するデータに基づいて設定する。好ましい方法では、有効範囲サーバから受信したデータには、複数の地理的領域のそれぞれにおいて利用可能な通信モードに対する相対的な優先度情報が含まれる。
【0005】
本発明の他の態様においては、有効範囲記憶表、地理的位置決め装置、地理的領域比較装置、および通信モード制御装置を含む無線通信装置が提供される。有効範囲記憶表には、複数の地理的領域およびその複数の地理的領域のそれぞれにおいて利用可能なすべての通信モードを記述するデータが記憶され、地理的位置決め装置によって、無線通信装置の現在の地理的位置が決定される。地理的領域比較装置によって、無線通信装置の現在の地理的位置を含む地理的領域が、現在の領域として決定され、通信モード制御装置によって、無線通信装置の通信モードが、有効範囲記憶表において記憶されている現在の領域を記述するデータに基づいて設定される。1つの好ましい装置では、通信モードには、少なくとも1つのセルラ電話音声通信モードおよび少なくとも1つの無線LAN通信モードが含まれる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明は、好ましい実施形態によれば、従来技術の問題を、GPS受信器などの一体化された地理的位置決め装置を有する無線通信装置(たとえば音声およびデータ対応の無線電話機)を提供することによって打開する。この無線通信装置では、多くの無線通信システム、たとえば従来のセルラ電話システムおよび無線LANシステムの地理的有効範囲を特定するデータを受信し、この有効範囲データを用いて、複数の無線通信システムのうちの1つを無線通信装置の現在位置に基づいて選択する。
【0007】
図1に、多くの無線通信システムの典型的な地理的有効範囲エリアを示す有効範囲マップ100を例示する。典型的な有効範囲マップ100は、4つの有効範囲エリアを示しており、それぞれ、異なる無線通信システムに関連している。第1のシステムは第1の有効範囲エリア102を有し、第2のシステムは第2の有効範囲エリア104を有し、第3のシステムは第3の有効範囲エリア106を有し、第4のシステムは第4の有効範囲エリア108を有する。この例では、説明を簡単明瞭にするために、円形の有効範囲エリアを用いているが、実施される無線通信システムは、例示したものよりも複雑な有効範囲エリアを有することができることを理解されたい。この例における種々の無線通信システムでは、異なる通信モードが使用されている。いくつかの異なる無線通信システムでは、基本的に同一の通信プロトコルが利用されているが、異なるシステムが同一の領域で動作できるような従来技術が用いられている。以下の説明では、異なるサービス、たとえば異なるセルラ電話または無線LANサービスのプロバイダを、それらが基本的に同一の無線プロトコルを用いて通信している場合であっても、異なる通信モードを用いているものとして説明する。
【0008】
典型的な有効範囲マップ100では、第1の有効範囲エリアおよび第2の有効範囲エリア104には、共有の有効範囲118の領域が存在する。また第3の有効範囲エリア106は、全体として共有の有効範囲エリア118の内部に存在するように示されている。また第4の有効範囲エリア108は、第1の有効範囲エリア102との間に共有の有効範囲の領域も有するものとして示されている。この説明では、「領域」を、無線通信装置のユーザに関連するモードまたは無線通信プロバイダの同一の組によってカバーされる地理的領域として記述する。所定の領域で利用可能となり得る他のモードであるが、無線通信装置のユーザには関連しない他のモード、たとえばユーザがアクセスできない個人の無線LANは、領域内における通信モードの定義には含まれない。
【0009】
典型的な有効範囲マップ100に示す第1、第2、および第4の通信システムの有効範囲エリアは、従来のセルラ電話システムのものと一致する。たとえば、第1の有効範囲エリア102は、モトローラiDENプロトコルを利用することができ、第2の有効範囲エリア104は、GSMプロトコルを利用することができる。第3の有効範囲106領域は、802.11(b)プロトコルなどの無線LANプロトコルを利用することができる。第3の有効範囲エリアは、無線LANプロトコルを有しているが、この領域での通信装置は、このプロトコルを用いてこの領域内で音声通信を行なうために、IP上音声通信(VOIP:Voice Over IP )などの技術を用いることができる。典型的な有効範囲エリア100では、第4の有効範囲エリア108は、AMPSプロトコルを利用している。
【0010】
無線通信装置は、所定の通信システムの有効範囲エリアの内部に存在する場合、その通信システムを利用することができる。無線通信装置が、2つ以上の通信システムによってサービスされる領域の内部に存在するときには、無線通信装置は、その領域をサービスするそれら2つ以上のシステムのいずれを用いても通信することができる。典型的な有効範囲マップ100は、無線通信装置が位置することができる3つの典型的な地理的位置を示している。位置110は、第1の有効範囲エリア102、第2の有効範囲エリア104、および第3の有効範囲エリア106の3つの有効範囲エリアの部分を含む領域の内部に位置するように示されている。位置A110に位置する無線通信装置は、通信に対する第1のシステム、第2のシステム、または第3のシステムのいずれも用いることができる。何故なら、その装置は、これらの3つのシステムのすべての有効範囲エリアの内部に存在するからである。この場合の好ましいシステムは、いくつかの要因に依存する。複数のシステムが利用可能であるときには、通常は、最も安価で、最も速く、かつ/もしくは最も品質が高い通信システムが選択される。無線通信装置は、この好ましいシステムに対応する動作通信モードを用いることを選択する。
【0011】
第2の位置である位置B112が、典型的な有効範囲マップ100において、第1の有効範囲エリア102の部分および第2の有効範囲エリア104の部分を含む領域118の内部に示されている。この結果、位置B112に存在する無線通信装置は、第1のシステムまたは第2のシステムを用いることができる。無線通信装置が、位置A110に位置し、第3の有効範囲エリア106を伴う第3のシステムを用いることを選択していた場合、この無線通信装置が位置B112に移動するときには、他の通信システムに変更する必要がある。位置B112で使用するように無線通信装置によって選択される特定の通信システムは、位置A11において選択する際に用いられたものと同様の基準に基づく。この例での無線通信装置は、第3の地理的領域106の境界を横断した後で、この例における第1の通信システムと第2の通信システムとの間で選択される好ましい通信システムに変更する必要がある。
【0012】
第3の位置である位置C114が、第1の有効範囲エリア102のみの内部に存在するように示されている。この場合、位置C114に存在する無線通信装置は、位置C114における通信用の第1の通信システムを用いる必要がある。位置C114では、1つの通信モードのみが利用可能であるため、通信システムの選択は行なわれない。無線通信装置が、位置B112に位置し、第2の通信システムを用いている場合、この無線通信装置が第2の有効範囲エリア104を離れるときには、離れた後で、第1の通信システムに変更する必要がある。これは、装置が位置C114に移動しているときに起こるであろう。
【0013】
図2に、本発明の好ましい実施形態による無線通信システムのコンポーネントのブロック・ダイアグラム200を例示する。ブロック・ダイアグラム200には、無線通信装置202が例示されている。無線通信装置202には、プロセッサ204、GPS受信器206、有効範囲記憶表208、音声回路210、および通信アンテナ214を用いる無線通信回路212が含まれている。典型的な実施形態における無線通信回路212には、無線送信器回路および無線受信器回路が含まれる。無線通信装置202は、無線リンク216を介して、通信タワー218と無線通信を行なっている。この例の無線通信タワーは、音声通信回路220に結合されていて、無線通信装置202と音声通信端末222との間の音声回路が完成している。無線通信タワー218はさらに、データ通信リンク224に結合されていて、有効範囲サーバ226と無線通信装置202との間でデータ通信が行なえるようになっている。
【0014】
典型的な実施形態では、無線通信装置202のユーザと音声通信端末222との間の音声通信を示しているが、これは、説明を簡単にし、典型的な実施形態を理解するためのものである。典型的な実施形態の音声通信端末は、従来の電話機端末であるが、他の音声端末も用いることもできる。無線通信装置202を、音声通信だけでなく、無線通信装置202のユーザが用いるデータ・アプリケーションをサポートするデータ通信に対しても用いることができる。典型的な実施形態においては、典型的な実施形態の音声回路210は、通信装置202のユーザの音響信号を受信および生成する。これは、従来のセルラ電話機において行なわれているものである。これらの音声信号は、無線通信回路212によって処理されて、アンテナ214を介して通信される。これも、従来のセルラ電話機において行なわれている。
【0015】
無線通信装置202が行なうユーザ音声またはユーザ・データの通信に加えて、本発明の典型的な実施形態ではさらに、種々の無線通信システムの地理的有効範囲のデータが通信される。地理的有効範囲のデータベースは、典型的な実施形態の有効範囲サーバ226において維持される。地理的有効範囲のデータベースは、種々のセルラ電話通信システムの地理的有効範囲の変化を反映するために絶えず保守される。そのような変化は、たとえば、基地局タワーの追加および/または除去に起因するものである。また地理的有効範囲のデータベースには、無線通信装置によって用いられ、かつ無線通信装置のユーザに関連する無線LANシステムおよび他の通信システムの地理的有効範囲に関係するデータも含まれる。無線通信システムがユーザに関連するというのは、たとえば、ユーザが、申し込みまたは何らかの他の権限を通してシステムにアクセスできるか、あるいは無線通信システムが任意のユーザにとって利用可能である場合のことである。
【0016】
地理的有効範囲のデータベースに含まれる無線LANシステムとしては、ユーザが申し込みまたは他のアクセス権限を有していれば加入者にとってアクセス可能となる公共の無線LANシステムが挙げられる。他の含まれる無線LANシステムとしては、ユーザの雇用主が操作するシステム、およびユーザに使用許可が出ているシステムが挙げられる。また有効範囲データベースは、システム動作の追加およびキャンセル、たとえば、一時的な無線LANの設定を反映するように更新される。一時的な無線通信システムの設定が行なわれるのは、たとえば、見本市、コンベンション・センターにおいて、および他のこのような一時的なイベントにおいてである。地理的有効範囲のデータベースは、有効範囲サーバ226から、データ通信リンク224、無線タワー218、無線リンク216、ならびに無線通信装置202の通信アンテナ214および無線通信回路212を介して通信される。無線通信回路は、無線リンク216から地理的有効範囲のデータを取り出して、そのデータをプロセッサ204に送る。プロセッサ204は、地理的有効範囲のデータを、典型的な実施形態の無線通信装置202の内部に含まれる有効範囲記憶表208に記憶する。たとえば、表208を、装置202の内部の不揮発性メモリ、たとえばフラッシュROMに、記憶することができる。
【0017】
本発明の実施形態においては、有効範囲サーバ226は、単一のサーバによって、あるいは任意の個数のサーバで構成される「サーバ・クラウド」によって具体化される。このようなサーバ・クラウドの個々のサーバは、種々の仕方で、互いに接続し、かつネットワークたとえばインターネットに接続することができる。また個々のサーバを、適切なレベルのサービスおよび優位な特徴たとえばデータおよび経路の冗長性が得られるように、遠距離で分離することができる。
【0018】
地理的位置決め装置、たとえば典型的な実施形態のGPS受信器206によって、無線通信装置202の現在位置が決定される。典型的な実施形態のGPS受信器206から、無線通信装置202の現在位置がプロセッサ204に送られ、プロセッサ204では、この現在位置を、有効範囲記憶表208において規定される領域と比較する。典型的な実施形態のプロセッサ204では、地理的領域比較装置において地理的領域の比較が行なわれて、有効範囲記憶表208(無線通信装置202の内部に含まれている)に、現在の領域が含まれているか否かが判断される。この文脈における「現在の領域」とは、現在位置が位置する領域である。有効範囲記憶表208に現在の領域が存在しない場合には、プロセッサ204は、地理的有効範囲のデータベースを更新して無線通信装置202の現在位置の領域におけるデータを含むように要求する。
【0019】
この典型的な実施形態の有効範囲記憶表208には、有効範囲サーバ226において維持および記憶される地理的有効範囲のデータベース全体のサブセットが記憶される。この結果、地理的有効範囲のデータベースを、中央サーバ上で、自動手段、手動手段、または自動手段および手動手段の組み合わせによって管理することが可能となる。また有効範囲サーバ226を複数のサーバ間で分散させて、分散データベースを形成することもできる。このような分散データベースの物理的な配置を、分散データベースに記憶される地理的位置に物理的に近いサブ・データベース・サーバに、地理的有効範囲の情報が記憶されるように、行なうことができる。データベースを中央サーバ上で維持すると、入力を用いてデータベースの更新が簡単になるため好都合である。これにはたとえば、一時的な時間の間に設定される無線LANシステムなどの一時的な無線通信サービスが含まれる。この結果、これらの一時的な無線LANシステムの知識が最初に既知であり、かつ関連性があるためにこの情報が無線通信装置に通信されるときに、データベースの更新を行なうことができる。
【0020】
典型的な実施形態において規定される領域は、各ユーザまたはユーザのグループの無線通信システムの好みに応じて特化される。各ユーザまたはユーザのグループは、無線通信システムの申し込みまたはアクセスに基づいて異なる好みを有することができる。無線通信システムの選択に対して同一の好みを有するユーザからなるグループの例は、同一の会社に雇用され、かつ会社から無線通信装置を提供してもらっている従業員のグループである。
【0021】
図3に、典型的な実施形態において使用される典型的な地理的有効範囲のデータベース300を例示する。地理的有効範囲のデータベース300には、領域列302、モード個数列304、好ましいモード列306、「他のモード」列308、およびアクティブ時間列310が存在する。地理的有効範囲のデータベース300には、最初の行312および最後の行314などの行が、利用可能なモードのプロファイルを有する隣接する各地理的領域に対して設けられている。利用可能なモードのプロファイルによって、その領域において利用可能な従来のセルラ電話サービス、無線LANサービス、および他のタイプの無線サービスに関連するモードなどの無線通信モードの組み合わせが記述される。領域列302では、コンベンションによる範囲および用途の要求として、領域が規定される。領域列302に記憶される領域仕様の例は、特定の緯度および経度における中心と特定の半径とを有する円である。他の領域仕様としては、四角形、長方形、または特定の用途に対して好適な他の仕様が挙げられる。
【0022】
モード個数列304は、その領域で利用可能なモードの個数を示す。領域では、多くのモードが利用可能である。たとえば、iDENプロトコル、AMPSプロトコル、GSMプロトコル、および種々の無線LANプロトコル(たとえばIEEE802.11(b))を利用するモードである。好ましいモード306では、この領域において利用可能なモードであって、このユーザが用いるのに好ましいモード、すなわち、モードの順序づけられた優先度における第1のモードを示す。好ましいモードは、多くの基準に基づいて選択される。たとえば、そのモードに関連するサービスのコスト、またはデータ転送の速度である。典型的な実施形態における領域は、同一の好みの各ユーザまたはユーザのグループに対して個別化して規定されている。さらなる実施形態においては、領域を、共通のものとして規定してもよいし、任意の数のユーザに対して任意の方法で個別化して規定してもよい。
【0023】
他のモード列308には、この領域内部で利用可能な残りのモード、すなわち順序づけられた優先度における好ましいモードよりも下にあるモードの順序リストが含まれる。他のモードの仕様は、これらの他のモードを用いることに対してユーザが有する好みに基づいて順序付けられる。ユーザの好みは、同様に、種々の要因、たとえばデータ転送のコストおよび速度によって決定される。通信装置202では、好ましいモードが利用可能でないときに用いる他のモードを、他のモード列において特定される他のモードの順序リストを下へ下がることによって決定する。好ましいモードは、システムの停止により、あるいは建造物の内部で動作するときなどの無線経路の遮断により利用可能でない場合がある。
【0024】
アクティブ時間列310は、領域データが有効である時間を示す。領域データは、たとえば一時的な無線通信モードがその領域において利用可能である場合に、特定の時間の間でのみ有効となることができる。特定の継続時間の間だけ有効である領域データの例は、見本市または他のイベントをサポートするためにコンベンション・センターにおいてインストールされている無線LANシステムなどの一時的な無線LANシステムを含む領域である。永続的に動作する無線通信システムのみを有する領域が設定される場合、アクティブ時間列310は、領域が常に有効であることを特定することができる。
【0025】
本発明の代替的な実施形態では、無線通信装置に記憶されるのは、領域規定の形態のデータ、およびそれらの領域のそれぞれにおいて利用可能なモードである。これらの実施形態のいくつかにおいては、均一なサイズの領域を有する有効範囲情報が記憶される。これらの実施形態における領域は、たとえば、1つの街区として、あるいは1辺が0.16キロメートル(0.1マイル)の広場として特定される。均一なサイズの領域を用いることは、領域計算が簡単になるため、好都合である。さらに本発明のいくつかの実施形態においては、現在の領域の内部でどのモードを用いるかを決定するための処理を、無線通信装置の内部で行なう。このような実施形態は、他の送信元からのモード優先度情報を用いて構成可能であり、この優先度情報を、たとえば別個に通信されたデータまたは手入力したデータを通して得ることで構成可能である。たとえば、一実施形態においては、記憶されるデータは単に、各領域において利用可能なモードをすべて列挙するのみであり、したがって、ユーザが入力した(またはグループでプログラムした)モードの好みを用いて、現在の領域において利用可能なモードからモードを選択する。このようにして、各ユーザ(またはグループ管理者)は、好ましいモードを選択することができ、個人的な好みに基づいて一部のモードの使用を防止することさえできる。
【0026】
図4に、本発明の典型的な実施形態による無線通信装置に対する通信モードの決定動作の処理フロー400を例示する。無線通信装置202が行なう処理は、ステップ402において無線通信装置の位置を決定することから始まる。典型的な実施形態では、位置の決定を、無線通信装置202の内部に組み込まれているGPS受信器206を用いることによって行なう。本発明のさらなる実施形態では、他の地理的位置決め装置として、無線通信装置の内部に組み込まれている地理的位置決めか、または無線通信装置の外部の設けられており、地理的位置を無線通信装置へ中継により戻す地理的位置決め装置を用いる。外部に設けられた地理的位置決め装置の例は、多くのサイトにおいて無線装置の送信をモニタし、方向探知、到達時間差(TDOA:Time Difference Of Arrival)、または他の処理を行なって、送信中の無線通信装置の位置を決定した後に、その位置を無線通信装置へ中継により戻す位置決めシステムである。
【0027】
装置の位置を決定した後に、処理は進行して、ステップ404において、無線通信装置202の内部の有効範囲記憶表208に記憶されている地理的有効範囲表のデータを検索する。典型的な実施形態の無線通信装置202の内部の有効範囲記憶表208に記憶されている地理的有効範囲表のデータには、典型的な実施形態の有効範囲サーバ226において記憶されている地理的有効範囲のデータベース全体のサブセットが含まれる。無線通信装置において、地理的有効範囲のデータベース全体のサブセットが記憶されることによって、無線通信装置の記憶領域に対する要求が減り、携帯型装置のより効率的かつ費用対効果の高い構成が可能になる。たとえば、いくつかの実施形態においては、サブセットの記憶を、ZIPもしくは郵便番号、または州もしくは郡もしく他の地理的もしくは行政的な境界に基づいて行ない、無線通信装置がこれらの領域に移入するか、あるいは接近するときに、それらの領域に対する地理的有効範囲サブセットのデータを、無線通信装置に通信することが好ましい。
【0028】
次に、処理は、ステップ406において、無線通信装置202の現在位置が、ローカルな有効範囲記憶表208に含まれている領域の内部に存在するか否かを判断する。典型的な実施形態では、現在位置が領域の内部に存在するか否かを確認するためにチェックするのは、その領域規定のアクティブ時間値(アクティブ時間列310に含まれる)に、現在の時間が含まれている場合のみである。アクティブ時間に現在の時間が含まれていない領域は、チェックされない。現在位置が、ローカルな有効範囲記憶表208に含まれる領域の内部に位置していない場合には、処理は進行して、ステップ410において、地理的領域比較装置(プロセッサ204の内部の処理によって実行される)によって、有効範囲サーバ226からのサブセットの更新が要求される。この要求は、プロセッサ204によって生成され、無線通信回路212を介して、通信アンテナ214、無線リンク216、およびデータ・リンク224を通して、有効範囲サーバ226に通信される。次に、有効範囲サーバ226は、無線通信装置202の現在位置に対応する地理的有効範囲のデータベースのサブセットを決定し、そのサブセットを、典型的な実施形態においては、要求を通信する際に用いられる経路と同一の経路を通して、無線通信装置202へ通信により戻す。
【0029】
代替的な実施形態においては、無線通信装置202の位置が追跡され、無線通信装置に現在記憶されているデータが、有効範囲サーバ226によって把握されている。たとえば、無線装置の位置を、(大まかには、無線通信装置が通信している基地局に基づいて、あるいはより正確には、既知のアルゴリズムたとえば三角測量を用いて)有効範囲サーバ226が決定することができる、あるいは位置データを、無線通信装置202から有効範囲サーバ226へ送ることができる。さらに有効範囲サーバ226は、各無線通信装置202に対して現在記憶されているデータに関する情報を記憶することができ、データ更新が無線通信装置202に送られる度に、このデータを更新することができる。あるいは、無線通信装置は、その現在記憶されているデータに関する情報を、有効範囲サーバ226に、イベント(たとえばパワー・オンまたは他の基地局への転送)が発生したときに、かつ/あるいは所定の周期的間隔または他の間隔で送ることによって、このような情報をすべての無線通信装置に対して永続的に記憶する必要をなくすことができる。これらは単に、例示的な実施形態に過ぎず、位置および現在記憶されているデータは、本発明のさらなる実施形態において他の仕方で決定される。
【0030】
有効範囲サーバによって無線通信装置の位置が追跡され、その追跡が、ローカルな有効範囲記憶表208に含まれていない領域に無線通信装置が登録されると直ちに、あるいは登録後、所定の時間が経過してから行なわれる実施形態においては、有効範囲サーバ226によって、無線通信装置202に対してサブセットの更新がプッシュされる。好ましくは、有効範囲サーバ226は、現在の領域内のデータ(または差異)を、無線通信装置にプッシュするだけである。このようにして、データ更新を無線通信装置に対してプッシュすることで、必要な更新を非常に効率的な仕方で行なうことができ、また無線通信装置に対するさらなる処理の要求を減らすことができる。
【0031】
図4の処理フローに戻って、現在位置が、ローカルな有効範囲記憶表208に含まれる領域の内部に位置する場合には、処理は進行して、ステップ412において、識別された領域の内部における無線通信に対する好ましいモードが識別される。現在位置が位置する領域に対する好ましいモードは、典型的な実施形態における好ましいモード列306におけるデータによって規定される。有効範囲記憶表208における領域および利用可能なモード情報は記憶されているが、有効範囲記憶表208におけるモード好みのデータは含まれていないような代替的な実施形態では、好ましいモードは、特定の実施形態の処理に基づいて決定される。これは前述した通りである。
【0032】
次に、処理によって、ステップ414において、好ましいモードは、無線通信装置202の現在のモードの動作モードであるか否かが決定される。無線通信装置が、現在の領域に対する好ましいモードで動作している場合には、典型的な実施形態の処理を、ステップ418において、所定の時間だけ遅延させる。この処理ループにおける遅延が含まれているのは、この処理を行なう際に無線通信装置が用いるエネルギーおよび処理消費電力を減らすためである。遅延の長さは、いくつかの基準に基づいて選択される。たとえば、無線通信装置の予想される最大速度、すなわち、装置が領域内に留まると予想される継続時間である。また遅延の長さは、従来の無線通信システムにおいてシステム動作モードの変化を決定するために用いられる他の要因に基づくこともできる。
【0033】
好ましいモードが現在の動作モードではない場合には、プロセッサ204(典型的な実施形態においては通信モード制御装置である)の処理によって、ステップ416において、無線通信装置の動作モードが調整される。これについては後述する。この調整を行なった後に、処理は、前述した遅延418を実行して、ステップ402における無線通信装置202の現在位置の決定に戻る。
【0034】
図5に、本発明の好ましい実施形態による無線通信装置に対する動作モードの調整の処理フロー・ダイアグラム500を例示する。動作モードの調整の処理の開始は、ステップ502において、好ましい動作モード(好ましいモード列306におけるデータによって特定される)が、無線通信装置の現在位置を含む領域において利用可能であるか否かを判断することによって行なわれる。典型的な実施形態におけるこの判断は、その通信モードおよびサービスの利用可能性を識別する基地局からの送信を受信することを含む従来の方法を通して行なわれる。また特定のモードの利用可能性の判断には、信号強度および/または他の信号品質測定値が含まれていても良い。好ましいモードが利用可能であると判断された場合には、処理は、ステップ506において、無線通信装置202の動作モードを好ましいモードに変える。次いで、この機能に対する処理は終了する。
【0035】
好ましいモードは利用可能ではないと判断された場合には、処理は進行して、ステップ504において、他のモード列308に記憶される「次の」他のモードが、現在の領域に対して存在するか否かが判断される。他のモードを試みる最初の反復においては、「次の」他のモードは、他のモード列308において特定されている他のモードの順序リストにおける第1の他のモードである。他のモード列に記憶されている次の他のモードが存在しない場合には、処理は進行して、ステップ508において、利用可能な無線通信モードは存在しないことを表明する。次いで、この機能に対する処理は終了する。
【0036】
現在の領域に対して、他のモード列において次の他のモードが特定される場合には、処理は進行して、ステップ510において、この次の他のモードが利用可能であるか否かが判断される。この判断は、その特定の動作モードに対する従来手段およびその関連する無線通信サービスを用いて行なわれる。次に、処理は、ステップ512において、次の他のモードが利用可能であるか否かに依存して、行なうべき次の段階の処理を判断する。この他のモードが利用可能でない場合には、処理は戻って、ステップ504において、他のモード列308において特定される別の「次の」他のモードが存在するか否かが判断される。
【0037】
処理が、この他のモードは利用可能であると判断した場合には、処理は進行して、ステップ514において、動作モードをこの他の動作モードに変更する。次いで、この機能に対する処理は終了する。
【0038】
好ましい本発明の実施形態では、無線通信装置として、装置の位置および速度をモニタして、装置が新しい領域に移入するとき、すなわち現在の領域と次の領域との間の境界を横断するときを予想する無線通信装置を利用する。この実施形態では、隣接領域に対する領域データが、無線通信装置の内部に存在する有効範囲記憶表208に記憶されているか否かを判断することができる。隣接領域のデータが有効範囲記憶表208に記憶されていない場合には、装置は、無線通信装置が移入しようとしている隣接領域に対する領域データを受信するために、遠隔の有効範囲サーバ226からの更新を要求する。いくつかの実施形態では、動作の「プッシュ」モードを設けることができる。このモードでは、無線通信装置が存在する領域に基づいて、有効範囲サーバ226が、新しい有効範囲データを自動的に送信する。無線通信装置が存在する領域は、たとえば、無線通信装置が通信する基地局によって決定される。いくつかの実施形態においては、新しい領域データのこのダウンロードは、新しい領域において無線通信装置を始動させることによっても開始される。
【0039】
本発明の一実施形態は、ユーザの家または職場に位置する無線LAN「ホットスポット」に、無線通信装置が接近中であるときを判断するように構成される。無線LANホットスポットは、1つまたは複数の無線LAN基地局によってサービスされる比較的局在化された領域であって、無線通信装置が、1つまたは複数の無線LAN基地局を介した通信を行なうことができ、この通信に対する適切な許可を有している領域である。この判断は好ましくは、無線通信装置の内部に含まれるGPS受信器に基づいて行なわれる。このようにすることで、ホットスポットの有効範囲領域の内部に存在するときに、無線通信装置が、セルラ電話サービスから切り換わってこの無線LANホットスポットを用いて通信するように、無線通信装置を自動的に構成することができる。
【0040】
本発明の典型的な実施形態では、地理的位置データを用いることで、複数モードの無線通信装置の場合に、この装置が位置する領域において好ましい通信モードが使用されていることが保証されるため、好都合である。この実施形態では、無線通信装置に対して現在利用可能な種々の通信モードを走査することが最小限になることで、従来技術に対する優位性が得られる。この結果、本発明を実施しない場合には、どの通信モードが、したがってどの通信システムが、無線通信装置の現在の地理的位置において利用可能であるかを判断する目的でこの周期的走査を行なうために使用される消費電力は、削減される。またこれらの実施形態では、中央管理することができ、かつ種々の地理的位置間に分散することができる遠隔サーバ上で、地理的有効範囲のデータベースが管理、維持、およびサポートされるため、好都合である。有効範囲サーバを中央管理することによって、よりタイムリーで効率的な更新が可能になり、一時的な無線LANシステムなどの一時的な有効範囲エリアを含む有効範囲データベースの「新鮮さ」が向上する。また遠隔サーバを用いることによって、無線通信装置は、すぐ使用する必要がある有効範囲データベース部分のみを記憶することができるため、無線通信装置内に記憶するデータ量を小さくすることができる。この結果、装置に対するハードウェア・コストは低減される。
【0041】
典型的な実施形態では無線通信装置を利用しているが、本発明の範囲には、任意のタイプの地理的位置に基づいたモード切り換えを用いる応用例が含まれることを理解されたい。
【0042】
本発明は、ハードウェア、ソフトウェア、またはハードウェアおよびソフトウェアの組み合わせにより実現可能である。本発明の好ましい実施形態によるシステムは、1つのプログラマブル・プロセッサ内での集中方式で実現可能であるし、相互接続された複数のプロセッサに渡って異なる構成要素が分散する分散方式でも実現可能である。任意の種類のプログラマブル・プロセッサ(または本明細書で説明した方法を実行することに適合された他の装置)が適している。ハードウェアおよびソフトウェアの典型的な組み合わせは、コンピュータ・プログラムを有する多目的プロセッサであって、コンピュータ・プログラムは、ロードおよび実行されているときに、本明細書で説明した方法を行なうようにプロセッサを制御する多目的プロセッサとすることができる。
【0043】
また本発明を、コンピュータ・プログラム製品内に埋め込んで、本明細書で説明した方法を実施することができる特徴をすべて備えるようにすること、かつ情報処理システムにロードされたときにこれらの方法を実施できるようにすることも可能である。本文脈におけるコンピュータ・プログラム手段またはコンピュータ・プログラムが意味するところは、情報処理能力を有するシステムに特定の機能を実行させるように意図された命令の組を、任意の言語、コード、または表記法で任意に表現したものであって、機能の実行は、直接的に、またはa)他の言語、コード、もしくは表記法への変換、およびb)異なる材料形態での再生の一方もしくは両方の後で行なわれる命令の組の表現である。
【0044】
各情報処理システムには、とりわけ、1つまたは複数の装置、および少なくともコンピュータ(または機械)読取可能な媒体が含まれていても良い。コンピュータ読取可能な媒体は、データ、命令、メッセージまたはメッセージ・パケット、および他のコンピュータ読取可能な情報を、コンピュータが、コンピュータ読取可能な媒体から読み出すことを可能にするものである。コンピュータ読取可能な媒体には、不揮発性メモリ、たとえばROM、フラッシュ・メモリ、ディスク・ドライブ・メモリ、CD−ROM、および他の永続的な記憶装置が含まれていても良い。さらにコンピュータ媒体には、たとえば、揮発性記憶装置たとえばRAM、バッファ、キャッシュ・メモリ、およびネットワーク回路が含まれていても良い。さらにコンピュータ読取可能な媒体は、コンピュータ読取可能な情報を、一時的な状態の媒体たとえばネットワーク・リンクおよび/またはネットワーク・インターフェース(有線ネットワークまたは無線ネットワークを含む)の内部に含むことで、このようなコンピュータ読取可能な情報をコンピュータが読むことが可能になっていても良い。
【0045】
本発明の特定の実施形態について開示してきたが、当業者であれば理解するように、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、特定の実施形態に対して変形を施すことができる。したがって、本発明の範囲は、特定の実施形態に限定されず、添付の請求項は、本発明の範囲内にある応用例、変更、ならびにいずれかの実施形態およびすべての実施形態に及ぶことが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】多くの無線通信システムの地理的有効範囲を示す典型的なマップ。
【図2】本発明の好ましい実施形態による無線通信システムのコンポーネントを示すブロック・ダイアグラム。
【図3】本発明の好ましい実施形態によって使用されるような地理的有効範囲のデータベース。
【図4】本発明の好ましい実施形態による無線通信装置に対する通信モードの決定動作の処理フロー・ダイアグラム。
【図5】本発明の好ましい実施形態による動作モードの調整の処理フロー・ダイアグラム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信装置の通信モードを設定するための方法であって、
有効範囲サーバから、複数の地理的領域および該複数の地理的領域のそれぞれにおいて利用可能なすべての通信モードを記述するデータを受信すること、
前記有効範囲サーバから受信した前記データを、無線通信装置において記憶すること、
前記無線通信装置の現在の地理的位置を決定すること、
前記無線通信装置の前記現在の地理的位置を含む地理的領域を、現在の領域として決定すること、
前記無線通信装置において記憶されている前記現在の領域を記述するデータに基づいて、前記無線通信装置の通信モードを設定すること、
を備える方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、前記有効範囲サーバから受信した前記データは、前記複数の地理的領域のそれぞれにおいて利用可能な通信モードに対する相対的な優先度情報を含む、方法
【請求項3】
請求項1に記載の方法において、前記通信モードは、少なくとも1つのセルラ電話音声通信モードおよび少なくとも1つの無線LAN通信モードを含む、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、さらに、
前記有効範囲サーバから、少なくとも1つの地理的領域および該少なくとも1つの地理的領域において利用可能なすべての通信モードを記述するデータを含むデータ更新を受信すること、
を備える方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法において、前記データ更新は、前記無線通信装置が、異なる地理的領域に移入するときに、前記無線通信装置によって自動的に受信される、方法。
【請求項6】
無線通信装置であって、
複数の地理的領域および該複数の地理的領域のそれぞれにおいて利用可能なすべての通信モードを記述するデータを記憶するための有効範囲記憶表と、
前記無線通信装置の現在の地理的位置を決定するための地理的位置決め装置と、
前記無線通信装置の前記現在の地理的位置を含む地理的領域を、現在の領域として決定するための地理的領域比較装置と、
前記有効範囲記憶表において記憶されている前記現在の領域を記述するデータに基づいて、前記無線通信装置の通信モードを設定するための通信モード制御装置と、
を備える無線通信装置。
【請求項7】
請求項6に記載の無線通信装置において、前記有効範囲記憶表において記憶されている前記データは、前記複数の地理的領域のそれぞれにおいて利用可能な通信モードに対する相対的な優先度情報を含む、無線通信装置。
【請求項8】
請求項6に記載の無線通信装置において、前記通信モードは、少なくとも1つのセルラ電話音声通信モードおよび少なくとも1つの無線LAN通信モードを含む、無線通信装置。
【請求項9】
請求項6に記載の方法において、
前記有効範囲記憶表は、すべての地理的領域に対するデータのサブセットを記憶し、
前記有効範囲記憶表において記憶されている前記データに、前記現在の領域を記述するデータが含まれていない場合には、前記地理的領域比較装置は、有効範囲サーバから、少なくとも前記現在の領域を記述するデータを要求する、方法。
【請求項10】
請求項6に記載の無線通信装置において、
前記有効範囲記憶表は、すべての地理的領域に対するデータのサブセットを記憶し、
前記無線通信装置は、さらに、少なくとも1つの地理的領域および該少なくとも1つの地理的領域において利用可能なすべての通信モードを記述するデータを含むデータ更新を有効範囲サーバから受信するための受信器を備える、無線通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2007−501591(P2007−501591A)
【公表日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−533427(P2006−533427)
【出願日】平成16年5月24日(2004.5.24)
【国際出願番号】PCT/US2004/016577
【国際公開番号】WO2005/002248
【国際公開日】平成17年1月6日(2005.1.6)
【出願人】(390009597)モトローラ・インコーポレイテッド (649)
【氏名又は名称原語表記】MOTOROLA INCORPORATED
【Fターム(参考)】