説明

位置検知システムおよび位置検知方法

【課題】船体の外板におけるロボットの位置を精度良く検知できる位置検知技術を提供する。
【解決手段】ロボットの位置検知システムは、船体外板80の異なる位置に取り付けられ船体外板80に伝播させる音波を発信する2つの音源部31、32と、ロボット2Aに設けられ船体外板80を伝播した音波を受信する音波受信部25とを備えている。そして、この位置検知システムでは、各音源部31、32から発信された音波が船体外板80を伝播して音波受信部25で受信されるまでの各伝播時間と、船体外板80における各音源部31、32の位置情報とに基づき、ロボット2Aの位置を検知する。その結果、船体外板80におけるロボット2Aの位置を精度良く検知できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、船体の外板におけるロボットの位置を検知する位置検知技術に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に船舶では、船体の外板にフジツボやムラサキイガイ等が付着すれば、外国に外来種を運んでしまう可能性があり、環境に悪影響を与える恐れがある。また、船体外板に付着した異物の影響により水に対しての抵抗が大きくなるため、燃費が悪くなり燃料コストの増加やCO2排出量の増大を招くこととなる。特にコンテナ船やタンカー等の大型船では燃料消費量が多いため、数%の燃費悪化でも相当なコスト増となる。このため、2年半に1回等の頻度で定期的に船舶をドックに上げ、船体外板に付着した異物の除去や再塗装等の作業を行うようにしているが、このような作業に必要な費用も高額である。
【0003】
一方、港などに停泊中の船舶において水中に潜ったダイバーが船体外板を点検し、付着物を除去することも行われるが、その作業効率は悪く危険で時間のかかる作業となっている。
【0004】
そこで、上記ダイバーの作業効率を向上させる技術として、例えば停泊中の船舶において水中ロボットを用い水面下の船体外板を検査する技術が提案されている。この水中ロボットによる検査では、その水中での位置を正確に検知することが重要である。
【0005】
水中ロボットの位置検知に関しては、例えば特許文献1に開示される技術がある。この技術によれば、船底ビルジ部より外方斜め下方に張り出して設置された超音波受信器にて水中ロボットから発信され水中を伝播した超音波を受信することで、水中ロボットの位置検知が可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平8−136240号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1の技術では、水中ロボットから発信された超音波は水中を伝播して超音波受信器で受信されるため、その伝播経路において水流や浮遊物等の影響を受けてしまうと、ノイズの原因となる。これでは、船体の外板上で検査を行う水中ロボットの位置を精度良く検知するのは困難である。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、船体の外板におけるロボットの位置を精度良く検知できる位置検知技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するため、請求項1の発明は、船体の外板におけるロボットの位置を検知する位置検知システムであって、前記外板の異なる位置に取り付けられ、前記外板に伝播させる音波を発信する複数の音波発信部と、前記ロボットに設けられ、前記外板を伝播した音波を受信する音波受信手段と、前記複数の音波発信部それぞれから発信された音波が前記外板を伝播して前記音波受信手段で受信されるまでの各伝播時間と、前記外板における前記複数の音波発信部それぞれの位置情報とに基づき、前記ロボットの位置を検知する位置検知手段とを備える。
【0010】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明に係る位置検知システムにおいて、前記複数の音波発信部それぞれは、マグネットにより前記外板に対して着脱自在である。
【0011】
また、請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明に係る位置検知システムにおいて、前記音波受信手段は、前記ロボットの異なる位置に設けられた複数の音波受信部を有する。
【0012】
また、請求項4の発明は、船体の外板におけるロボットの位置を検知する位置検知システムであって、前記ロボットに設けられ、前記外板に伝播させる音波を発信する音波発信手段と、前記外板の異なる位置に取り付けられ、前記外板を伝播した音波を受信する複数の音波受信部と、前記音波発信手段から発信された音波が前記外板を伝播して前記複数の音波受信部それぞれで受信されるまでの各伝播時間と、前記外板における前記複数の音波受信部それぞれの位置情報とに基づき、前記ロボットの位置を検知する位置検知手段とを備える。
【0013】
また、請求項5の発明は、請求項4の発明に係る位置検知システムにおいて、前記複数の音波受信部それぞれは、マグネットにより前記外板に対して着脱自在である。
【0014】
また、請求項6の発明は、請求項4または請求項5の発明に係る位置検知システムにおいて、前記音波発信手段は、前記ロボットの異なる位置に設けられた複数の音波発信部を有する。
【0015】
また、請求項7の発明は、請求項1ないし請求項6のいずれかの発明に係る位置検知システムにおいて、前記ロボットに設けられ、前記外板の表面を撮影して画像を取得する撮像手段をさらに備える。
【0016】
また、請求項8の発明は、請求項7の発明に係る位置検知システムにおいて、前記ロボットを前記外板上で移動させる駆動手段と、前記駆動手段によって前記ロボットを移動させつつ、前記撮像手段で前記画像を順次に取得させる画像取得手段とをさらに備える。
【0017】
また、請求項9の発明は、船体の外板におけるロボットの位置を検知する位置検知方法であって、前記外板の異なる位置に取り付けられた複数の音波発信部それぞれから、前記外板に伝播させる音波を発信する音波発信工程と、前記ロボットに設けられた音波受信手段で前記外板を伝播した音波を受信する音波受信工程と、前記複数の音波発信部それぞれから発信された音波が前記外板を伝播して前記音波受信手段で受信されるまでの各伝播時間と、前記外板における前記複数の音波発信部それぞれの位置情報とに基づき、前記ロボットの位置を検知する位置検知工程とを備える。
【0018】
また、請求項10の発明は、船体の外板におけるロボットの位置を検知する位置検知方法であって、前記ロボットに設けられた音波発信手段から、前記外板に伝播させる音波を発信する音波発信工程と、前記外板の異なる位置に取り付けられた複数の音波受信部それぞれで前記外板を伝播した音波を受信する音波受信工程と、前記音波発信手段から発信された音波が前記外板を伝播して前記複数の音波受信部それぞれで受信されるまでの各伝播時間と、前記外板における前記複数の音波受信部それぞれの位置情報とに基づき、前記ロボットの位置を検知する位置検知工程とを備える。
【0019】
また、請求項11の発明は、請求項9または請求項10の発明に係る位置検知方法において、所定の駆動手段によって前記ロボットを前記外板上で移動させつつ、前記ロボットに設けられた撮像手段で前記外板の表面を撮影して画像を順次に取得させる画像取得工程をさらに備える。
【発明の効果】
【0020】
請求項1から請求項3、請求項7から請求項9および請求項11の発明によれば、船体の外板の異なる位置に取り付けられた複数の音波発信部それぞれから発信された音波が外板を伝播してロボットに設けられた音波受信手段で受信されるまでの各伝播時間と、外板における複数の音波発信部それぞれの位置情報とに基づき、船体の外板におけるロボットの位置を検知するため、ロボットの位置を精度良く検知できる。
【0021】
特に、請求項2の発明においては、複数の音波発信部それぞれがマグネットにより船体の外板に対して着脱自在であるため、音波発信部の取付けおよび取外し作業を容易に行える。
【0022】
また、請求項3の発明においては、複数の音波受信部がロボットの異なる位置に設けられるため、ロボットの姿勢を検出できる。
【0023】
また、請求項4から請求項8、請求項10および請求項11の発明によれば、ロボットに設けられた音波発信手段から発信された音波が船体の外板を伝播して、外板の異なる位置に取り付けられた複数の音波受信部それぞれで受信されるまでの各伝播時間と、外板における複数の音波受信部それぞれの位置情報とに基づき、船体の外板におけるロボットの位置を検知するため、ロボットの位置を精度良く検知できる。
【0024】
また、請求項5の発明においては、複数の音波受信部それぞれがマグネットにより船体の外板に対して着脱自在であるため、音波受信部の取付けおよび取外し作業を容易に行える。
【0025】
また、請求項6の発明においては、複数の音波発信部がロボットの異なる位置に設けられるため、ロボットの姿勢を検出できる。
【0026】
また、請求項7の発明においては、船体の外板表面を撮影して画像を取得する撮像手段がロボットに設けられるため、船体の外板表面の画像を容易に取得でき、その画像から例えば船体外板の異常(フジツボ等の付着や塗装はがれなど)を検出できる。
【0027】
また、請求項8および請求項11の発明においては、駆動手段によってロボットを船体の外板上で移動させつつロボットに設けられた撮像手段で画像を順次に取得させるため、船体の外板において画像取得が必要な領域内の画像を効率良く取得できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の第1実施形態に係るロボットの位置検知システムの要部構成を示す概念図である。
【図2】ロボットの要部構成を示す斜視図である。
【図3】ロボットを下面から見た図である。
【図4】音源部の要部構成を説明するための図である。
【図5】位置検知システムの機構構成を示すブロック図である。
【図6】船体外板で検出された付着物等の領域をマッピング表示する一例を示す図である。
【図7】船体外板におけるロボットの位置検知を説明するための図である。
【図8】ロボットの位置検知を説明するためのタイムチャートである。
【図9】位置検知システムの基本的な動作を示すフローチャートである。
【図10】本発明の第2実施形態に係る位置検知システムの機能構成を示すブロック図である。
【図11】船体外板におけるロボットの位置検知を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
<第1実施形態>
<ロボットの位置検知システムの構成>
図1は、本発明の第1実施形態に係るロボットの位置検知システム(以下では「位置検知システム」とも略称する)1Aの要部構成を示す概念図である。
【0030】
位置検知システム1Aは、船舶8における船体の外板(以下では「船体外板」ともいう)80上で作業(画像取得作業)を行うロボット2Aと、船体外板80上に取り付けられた2つの音源部31、32とを備えており、船体外板80におけるロボット2Aの位置を検知する。また、位置検知システム1Aは、ケーブルCBaを介してロボット2Aと通信可能に接続するとともに、アンプ(増幅器)33が介挿されたケーブルCB1〜3を介して各音源部31、32と電気的に接続する制御装置4を備えている。
【0031】
まず、ロボット2Aの構成について図2〜3を参照して説明する。
【0032】
図2は、ロボット2Aの要部構成を示す斜視図である。また、図3は、ロボット2Aを下面(裏側)から見た図である。
【0033】
ロボット2Aは、水中での作業が可能な水中ロボットとして構成されており、ロボット2Aの各部位は適宜に防水処理(防水加工)が施されている。そして、ロボット2Aは、例えば箱型の形状を有したロボット本体部(以下では「本体部」とも略称する)20と、本体部20の下面に設けられた4個のボールキャスタ21(図3)と、本体部20の両サイドに設けられた2つの車輪22と、本体部20の前面(正面)に設けられた撮像部23および照明部24と、本体部20の下部中央付近に設けられた音源受信部25とを備えている。
【0034】
4個のボールキャスタ21は、そのボール部が永久磁石として形成されている。このような構成のボールキャスタ21は鉄製の船体外板(鉄板)80に磁気的に吸着するため、ロボット2Aを船体外板80に吸い貼り付かせ、その船体外板80に沿った移動を可能とする。なお、各ボールキャスタ21には、ロボット2Aが移動する際に生じる振動などを吸収するバネ機構等を付加するのが好ましい。
【0035】
2つの車輪22は、回転軸22cを中心に回転自在となっている。この車輪22を例えばモータなどのアクチュエータ26(図5)によって回転させることで、図2のようにZ軸に沿った方向Daにロボット2Aを前進させることが可能である。なお、各車輪22に対して例えば不均衡な回転トルクを与えたり、互いに逆方向の回転を与えることでロボット2Aの進行方向を変更することができる。
【0036】
撮像部23は、メインカメラとして使用する第1カメラ231と、サブカメラとして使用する第2カメラ232を有しており、図2に示すようにロボット2A前方の撮影領域Es(網掛け部)における船体外板80表面を撮影し、その画像を取得することが可能である。ここで、車輪22の回転によりロボット2Aを方向Daに前進させれば、撮影領域Esの先にある次の撮影領域Etの画像を撮像部23で取得できる。なお、次の撮影領域Etを撮影するためのロボット2Aの前進動作に関しては、例えばエンコーダによって車輪22の回転角度を検出し、数十cm程度の距離をロボット2Aが移動するようにする。このように船体外板80上でロボット2Aを一定距離ずつ移動させながら、撮像部23で順次に撮影領域Esの画像を取得すれば、例えば喫水線より下方の船体外板80全域を隈無く撮影することが可能となる。
【0037】
なお、撮像部23では、第1カメラ231により撮影領域Esについての2次元画像を取得できるが、この撮影領域Esを第2カメラ232でも撮影するようにすれば撮影領域Esに関する船体外板80の3次元形状情報を取得できる。これにより、船体外板80に付着したフジツボなどの突起物を容易に検出できるため、この突起物を回避するようにロボット2Aを移動させる制御が可能となる。このようなロボット2Aの回避動作により、ボールキャスタ21の磁気的な吸着力により船体外板80に吸い付いて移動するロボット2Aにおいて、突起物にボールキャスタ21が乗り上げ、ロボット2Aが船体外板80から離れて落下するのを未然に防止できる。
【0038】
照明部24は、ロボット2Aの前方にある撮影領域Es付近を照明するもので、例えば照明光が不足する水中での撮影時などに使用される。
【0039】
音波受信部25は、例えばコンクリートマイクとして構成されており、船体外板80を伝播した音波を受信する音波センサとして機能する。この音波受信部25では、その下面部25fを船体外板80表面に当接させて音波を検出することとなるが、ロボット2Aが移動する際には下面部25fを船体外板80から離す必要がある。そこで、不図示の駆動機構を用い音波受信部25を上下方向Dbに昇降可能としている。これにより、ロボット2Aが移動中には音波受信部25を上昇させ、静止中のロボット2Aにおいて音波を受信する際には音波受信部25を下降させることができるため、ロボット2Aの移動時には音波受信部25の下面部25fの保護が図れるとともに、音波の受信を適切に行えることとなる。
【0040】
次に、音源部31、32の構成について図4を参照して説明する。
【0041】
図4は、音源部31の要部構成を説明するための図である。この図4では、音源部31の縦断面を主に示している。
【0042】
音源部(以下では「第1音源部」ともいう)31は、音源本体310と、音源本体310を覆うように形成された筐体311とを備えている。
【0043】
音源本体310は、磁石と可動コイルとを備えたスピーカ(例えば骨伝導スピーカ)として構成されており、その下面310fを船体外板80に当接させることで、船体外板80に伝播させる音波を発信するが可能である。
【0044】
筐体311は、円柱状の外形を有し、その下部に例えば円環状(リング状)の永久磁石として構成されたマグネット部31m(平行斜線部)が取り付けられている。このマグネット部31mによる船体外板80への磁気的な吸着力により、音源部31は船体外板80に対して着脱自在となっている。このような構成により、船体外板80に対する音源部31の取付け・取外し作業を容易化できる。
【0045】
なお、音源部(以下では「第2音源部」ともいう)32についても、図4に示す第1音源部31と同様の構成を有している。
【0046】
図1に戻って、制御装置4の構成を説明する。
【0047】
制御装置4は、例えばパーソナルコンピュータとして構成されており、キーボードやマウス(不図示)からなる入力部41と、例えば液晶ディスプレイとして構成される表示部42とを備えている。
【0048】
次に、位置検知システム1Aの機能構成について図5を参照して説明する。
【0049】
図5は、位置検知システム1Aの機構構成を示すブロック図である。
【0050】
ロボット2Aは、上述した撮像部23、照明部24、音波受信部25およびアクチュエータ26を備えるとともに、これらの各部位と電気的に接続する制御部27と、制御装置4と通信するためのインターフェース部28とを備えている。
【0051】
アクチュエータ26は、車輪22を駆動してロボット2Aを船体外板80上で移動させる駆動部として機能する。
【0052】
制御部27は、例えばCPUおよびメモリを有し、ロボット2Aの各部を統括的に制御するための部位である。
【0053】
また、上述した第1音源部31および第2音源部32は、船体外板80の異なる位置、例えば図1のように船首付近の上方および船尾付近の上方の各位置に取り付けられ、船体外板80に伝播させる音波を発信する音波発信部3を構成する。
【0054】
制御装置4は、上述した入力部41および表示部42の他に記憶部43を備えるとともに、これらの各部とデータ伝送可能に接続する制御部44と、ロボット2Aとの通信やアンプ33を介しての音源発信部3の制御を行うためのインターフェース部45とを有している。
【0055】
記憶部43は、例えばハードディスクとして構成されており、後述するロボット2Aの位置検知を行うためのアプリケーションプログラムなどを格納している。
【0056】
制御部44は、例えばコンピュータとして働くCPUおよびメモリを有しており、制御装置4を統括的に制御する部位である。この制御部44では、例えば記憶部43に記憶されたアプリケーションプログラムを読み出し、当該プログラムをCPUで実行することにより、各種機能をソフトウェア的に実現することが可能である。
【0057】
制御部44は、ソフトウェア的に実現される位置検知部441と画像解析部442とを有している。
【0058】
位置検知部441では、各音源部31、32から発信された音波が船体外板80を伝播してロボット2Aの音波受信部25に到達するのにかかる時間と、その各音源部31、32の位置とに基づき、船体外板80上におけるロボット2Aの位置を検知する。このロボット2Aの位置検知については、後で詳述する。
【0059】
画像解析部442では、アクチュエータ26を用いてロボット2Aを移動させつつ撮像部23でロボット2A前方の撮影領域Es(図2)の画像を順次に取得させる制御を行うとともに、これによって取得した画像群を解析する。この画像解析では、例えば船体外板80との色の違いやテクスチャの違いにより付着物や塗装はがれ、錆などを検出するとともに、検出した付着物については、さらに、その画像の特徴量(色、テクスチャ、幾何学形状など)に基づきフジツボ、ムラサキイガイなどの分類分けを行う。例えばフジツボに関しては、色が灰色でエッジが多いという特徴に基づき他の付着物との識別が可能である。そして、画像解析によって得られた結果については、例えば図6に示すように簡略化された船体の立体画像Gs上に、フジツボが付着した領域Eaや、ムラサキイガイが付着した領域Eb、塗装はがれが発生している領域Ecをマッピング表示する。このような解析結果の表示を行えば、船体外板80における付着物の種類および位置(付着範囲)を容易に把握できるため、例えばダイバーによる付着物の除去作業を効率良く行えることとなる。なお、図6に示す船体の立体画像Gsについては、簡略化したものを表示するのは必須でなく、船体の三次元データを用いて詳細に表示しても良い。また、図6に示す船体の立体画像Gs上に、位置検知部441によってリアルタイムに検知されるロボット2Aの位置を表示させるようにすれば、移動中のロボット2Aの現在位置を把握でき、利便性が向上する。また、図6に示すような解析結果の表示を視認したダイバーが潜って付着物の除去作業を行う際に実際の付着物の位置(箇所)を示す目印となるもの(例えばマグネットを備えた旗状のものなど)をロボット2Aに装備しておき、それをロボット2Aの作業中(移動中)に画像解析部442で検出された付着物の箇所に取り付けるようにすれば、タイバーによる付着物の除去作業の効率化が図れる。
【0060】
<ロボット2Aの位置検知>
図7は、船体外板80におけるロボット2Aの位置検知を説明するための図である。なお、図7において円弧状の破線は船体外板80での音波の伝播を表現している。また、図8は、ロボット2Aの位置検知を説明するためのタイムチャートである。この図8においては、横軸が時間tを示しており、第1音源部31および第2音源部32から発信された各音波J1、J2が時間遅れT1、T2を伴って音波受信部25で受信されることを表している。
【0061】
本実施形態の位置検知システム1Aにおいて船体外板80上のロボット2Aの位置を検出する手法を、以下で説明する。
【0062】
まず、船体外板80で基準となる位置(既知の位置)に取り付けられた各音源部31、32から例えば時間をずらせて音波を照射し、船体外板80に伝播させるようにする。具体的には、制御装置4により音源部31、32での音波の発信タイミングを制御し、図8に示すように第1音源部31から音波J1を発信させた後に、第2音源部32から音波J2を発信させる。
【0063】
このように各音源部31、32から船体外板80に発信された音波は、図7に示す船体外板80の伝播経路P1、P2に沿ってロボット2Aの音波受信部25に到達する。よって、図8に示すように各音源部31、32から発信された音波J1、J2が、船体外板80を伝播し、その音波K1、K2を音波受信部25で受信(キャッチ)するまでの各伝播時間T1、T2を計測すれば、図7に示す音波の伝播経路P1、P2の距離を導出できる。ここでは、例えば各音源部31、32での音波の発信タイミングを制御する制御装置4に、ロボット2Aから音波受信部25で音波を受信したタイミング(時刻)の情報をケーブルCBaを介して送るようにすれば、制御装置4で音波の発信タイミングと受信タイミングとのずれを求めて各伝播時間T1、T2が得られることとなる。このように得られた各伝播時間T1、T2[s]に、船体外板80で音波が伝播する際の速度(音速)Vo[m/s](鉄板ではVo=5000m/s程度)を乗算すれば、各伝播経路P1、P2の距離、つまり各音源部31、32から音波受信部25までの距離が算出できる。各音源部31、32から音波受信部25までの距離が分かれば、船体外板80における各音源部31、32の位置が既知であるため、船体外板80におけるロボット2Aの位置を特定することが可能となる。なお、図7に示す2つの音源部31、32およびロボット2Aの配置では、船体外板80の片側面(図7に係る紙面の上側)におけるロボット2Aの位置検知を行えることとなるが、これと反対の面(図7に係る紙面の下側)におけるロボット2Aの位置検知を行う場合には、その反対側の面において図7に示すような音源部31、32およびロボット2Aの配置を行えば良い。
【0064】
なお、船体外板80での音速に関しては、船体外板80の材質などの影響によって変化するため、事前に音速を計測して校正(キャリブレーション)を行っておくのが好ましい。例えば、ロボット2Aの作業を開始する前に船体外板80における既知の位置、つまり音源部31(32)からの距離が判明している位置にロボット2Aをセットし、音源部31(32)からの音波の伝播時間T1(T2)を計測するようにすれば、船体外板80での音速を精度良く求められることとなる。
【0065】
以上のような位置検知手法により、例えば図7に示すように水面Lw下で船体外板80に貼り付きながら作業するロボット2Aの位置を適切に検出できることとなるが、以下では、この具体的な動作を説明する。
【0066】
<位置検知システム1Aの動作>
図9は、位置検知システム1Aの基本的な動作を示すフローチャートである。この動作については、例えば制御装置4の制御部44によって実行される。
【0067】
図1のように船舶外板80に各音源部31、32を取り付けるとともにロボット2Aを既知の位置にセットしてから、制御装置4で記憶部43内のアプリケーションプログラムを実行すると、ロボット2Aの位置検知動作に関するキャリブレーションが実行される(ステップS1)。このキャリブレーションにより、上述のように船舶外板80での音速Voが精度良く求められ、ロボット2Aの位置検知に用いられる。
【0068】
ステップS2では、音源部31、32から船体外板80に音波を発信する。ここでは、図8に示すように第1音源部31からの音波J1の発信タイミングと第2音源部32からの音波J2の発信タイミングとをずらせるようにし、各音源部31、32から発信された音波J1、J2を音波受信部25で区別できるようにする。
【0069】
ステップS3では、ステップS2で発信され船体外板80を伝播する音波をロボット2Aの音波受信部25で受信して各伝播時間T1、T2(図8)を計測する。
【0070】
ステップS4では、位置検知部441において、ステップS3で計測された各伝播時間T1、T2から船体外板80におけるロボット2Aの位置を検知する。ここでは、上述のように各伝播時間T1、T2に船体外板80での音速Voを乗じてロボット2Aの位置が特定されるが、この音速VoにステップS1のキャリブレーション動作で得られたものを使用すれば、ロボット2Aの位置検知精度が向上する。
【0071】
ステップS5では、ロボット2Aの撮像部23により船体外板80の表面を撮影して画像を取得する。具体的には、図2のようにロボット2A前方の撮影領域Esを撮像部23で撮影し、船体外板80上面の画像を取得する。なお、撮像部23で取得された画像データは、ケーブルCBa(図1)を介して制御装置4に送られる。
【0072】
ステップS6では、船体外板80で画像取得が必要な領域(例えば船体外板80のうち水面Lw(図7)下の領域)の撮影が未完であるかを判定する。ここで、撮影が未完の場合には、ステップS7に進み、必要な領域の撮影が完了している場合には、ステップS8に進む。
【0073】
ステップS7では、アクチュエータ26を駆動してロボット2Aを移動させる。これにより、例えば図2に示すように、この移動前に撮影した撮影領域Esに対して、その前方の撮影領域Etの画像を撮像部23で取得することが可能となる。以上のようにアクチュエータ26によってロボット2Aを船体外板80上で移動させつつロボット2Aに設けられた撮像部23で船体外板80の表面を撮影して画像を順次に取得させることにより、船体外板80で画像取得が必要な領域についての画像を効率良く取得できる。なお、上述のように、ステップS3で船体外板80を伝播する音波を受信する際にはロボット2Aにおいて音波受信部25を下降させるが、ステップS7でロボット2Aを移動させる際には音波受信部25を上昇させ、その下面部25fを保護するようにする。
【0074】
ステップS8では、ステップST5において撮像部3で取得した画像から、付着物等を検出して表示部42に表示する。すなわち、船体外板80で画像取得が必要な領域内においてロボット2Aを移動させつつ撮像部23で順次に取得した撮影領域Es(図2)の各画像を画像解析部442で解析して、付着物や塗装はがれ、錆などを検出し、その検出結果を例えば図6に示すように船体の立体画像Gsに重畳させて表示部42に表示する。このようにロボット2Aを用いて取得した画像を解析し船体外板80上の付着物等を表示させる動作(検査)を定期的に行うようにすれば、船体外板80における付着物等の状態を時系列で把握することができ、船体のメンテナンス時期の決定等に活用できることとなる。
【0075】
以上で説明した位置検知システム1Aにおいては、異なる位置に取り付けられた2つの音源部31、32それぞれから発信された音波が船体外板80を伝播して音波受信部25で受信されるまでの各伝播時間T1、T2(図8)と、船体外板80における各音源部31、32の位置情報とに基づき、ロボット2Aの位置を検知する。その結果、各音源部31、32から発信された音波の伝播経路P1、P2(図7)は船体外板80に沿った経路となるため、従来のように水流や水中の浮遊物等の影響を受けずに、船体外板80におけるロボット2Aの位置を精度良く検知できる。
【0076】
このようにロボット2Aの位置を精度良く検知できれば、ロボット2Aで取得した画像を解析し検出された付着物の領域などを図6のように適切にマッピング表示することが可能となる。そして、このマッピング表示を視認することで付着物等の位置(付着状況)を予め把握したダイバーは、水面下の船体外板80における付着物等の除去作業を効率良く行えることとなる。
【0077】
<第2実施形態>
<位置検知システムの構成>
図10は、本発明の第2実施形態に係る位置検知システム1Bの機能構成を示すブロック図である。この図10は、図5に対応しており、第1実施形態と同様の機能を有する部位には、同じ参照符号を付している。
【0078】
位置検知システム1Bは、第1実施形態の位置検知システム1Aと類似の構成を有しているが、ロボットの構成が異なるとともに、第1実施形態の2つの音源部31、32に代わって船体外板80の異なる位置に2つの音波受信部51、52が取り付けられる点が相違している。
【0079】
すなわち、第2実施形態のロボット2Bは、第1実施形態と類似の構成を有しているが、第1実施形態の音波受信部25に代わって第1実施形態の音源部31(32)と同様の機能を有した音源部29を備える点で相違している。
【0080】
第2実施形態の2つの音波受信部(以下では「第1音波受信部」、「第2音波受信部」ともいう)51、52は、第1実施形態の音波受信部25と同様の機能を有している。そして、各音源受信部51、52においては、図4のように筐体311の下部にマグネット部31mが取り付けられた音源部31と同様の構成を採用するようにする。これにより、マグネットによる船体外板80への吸着力によって音波受信部51、52が船体外板80に対して着脱自在となり、船体外板80に対する音波受信部51、52の取付け・取外し作業を容易化できる。
【0081】
以上のような構成を備えた位置検知システム1Bにおけるロボット2Bの位置検知について、以下で説明する。
【0082】
<ロボット2Bの位置検知>
図11は、船体外板80におけるロボット2Bの位置検知を説明するための図である。なお、図11において円弧状の破線は船体外板80での音波の伝播を表現している。
【0083】
第1実施形態の位置検出システム1Aでは、上述のように船体外板80上の異なる位置に取り付けられた2つの音源部31、32から発信された音波が船体外板80を伝播してロボット2Aの音波受信部25で受信されるまでの各伝播時間T1、T2(図8)を計測することでロボット2Aの位置を検出する。これに対し、第2実施形態の位置検出システム1Bでは、図11に示すようにロボット2Bの音源部29から発信された音波が船体外板80を伝播し、船体外板80上の異なる位置に取り付けられた2つの音波受信部51、52で受信されるまでの各伝播時間を計測することで、ロボット2Bの位置を検出するようになっている。このロボット2Bの位置検知手法について、以下で具体的に説明する。
【0084】
まず、ロボット2Bの音源部29から音波を発信し、船体外板80に伝播させるようにする。このように音源部29から船体外板80に向けて照射された音波は、図11に示す伝播経路Q1、Q2に沿って、船体外板80で基準となる位置(既知の位置)に取り付けられた各音波受信部51、52に到達する。よって、音源部29から発信された音波が船体外板80を伝播して2つの音波受信部51、52それぞれで受信(キャッチ)するまでの各伝播時間を計測すれば、上述した第1実施形態と同様に、図11に示す音波の伝播経路Q1、Q2の距離、つまり音源部29から各音波受信部51、52までの距離を導出できる。
【0085】
このように音源部29から各音波受信部51、52までの距離が分かれば、船体外板80における各音波受信部51、52の位置が既知であるため、船体外板80におけるロボット2Bの位置を特定することが可能となる。
【0086】
以上のような位置検知手法により、例えば図11に示すように水面Lw下で船体外板80に貼り付きながら作業するロボット2Bの位置を適切に検出できる。
【0087】
なお、位置検知システム1Bの基本的な動作については、図9のフローチャートに示す第1実施形態の動作と類似しているが、図9のステップS2〜3の動作が多少異なっている。
【0088】
すなわち、本実施形態の位置検知システム1Bでは、図9のステップS2においてロボット2Bの音源部29から船体外板80に音波を発信するとともに、図9のステップS3において船体外板80を伝播した音波を各音波受信部51、52で受信して各伝播時間を計測する。
【0089】
以上で説明した位置検知システム1Bにおいては、ロボット2Bの音源部29から発信された音波が船体外板80を伝播して2つの音波受信部51、52それぞれで受信されるまでの各伝播時間と、船体外板80における各音波受信部51、52の位置情報とに基づき、ロボット2Bの位置を検知する。その結果、第1実施形態と同様に、船体外板80におけるロボット2Bの位置を精度良く検知できる。
【0090】
<変形例>
上記の各実施形態においては、回転ブラシやウォータージェットにより船体外板80上の異物等を清掃する清掃機構をロボット2A(2B)に設けるようにしても良い。このような清掃機構により、ロボット2A(2B)の移動中に検出されたフジツボの幼生など比較的簡単に除去できるものを、その都度、船体外板80から取り除くことが可能となる。特に、異物が付着しずらく付着した異物の除去も容易に行えるようになる特別な塗装(付着防止塗装)が施された船体外板80に対しては、ロボットに設けられた上記の清掃機構による付着物等の除去が有効である。
【0091】
上記の各実施形態においては、ボール部がマグネットとして構成されるボールキャスタ21の代わりに、船体外板80に接触する車輪22の外周部をマグネットとして構成し船体外板80に対してロボットを磁気的に吸着させるようにしても良い。
【0092】
上記の各実施形態においては、音源部31、32や音波受信部51、52をマグネットを用いて船体外板80に取り付けるのは必須でなく、両面粘着シートなどを用いて船体外板80に取り付けるようにしても良い。
【0093】
上記の各実施形態において船体外板80に伝播させる音波については、振動により、その周囲に伝わる波動で音波受信部によって受信可能なものであれば良く、例えば超音波や可聴音を用いることが可能である。
【0094】
上記の第1実施形態においては、ロボット2Aに1つの音波発信部25を設けるのは必須でなく、ロボット2Aの異なる位置に2以上の音波発信部25を設けるようにしても良い。これにより、ロボット2Aでの異なる2以上の位置を検知できるため、ロボット2Aの姿勢(傾き)を検出することが可能になる。同様に、上記の第2実施形態においてロボット2Bの異なる位置に2以上の音源部29を設けるようにすれば、ロボット2Bでの異なる2以上の位置を検知できるため、ロボット2Bの姿勢を検出することが可能になる。
【0095】
上記の第1実施形態においては、船体外板80に2つの音源部31、32を取り付けるのは必須でなく、3以上の音源部を取り付けるようにしても良い。これにより、各音源部からロボットまでの3以上の距離情報が得られるため、より精度の良いロボットの位置検知が行える。同様に、上記の第2実施形態において船体外板80に3以上の音波受信部を取り付けるようにすれば、各音波受信部からロボットまでの3以上の距離情報が得られるため、より精度の良いロボットの位置検知が行えることとなる。
【0096】
上記の第1実施形態においては、音波の発信タイミングを異ならせることで各音源部からの音波を区別するのは必須でなく、音波の周波数やパルス幅を異ならせることで各音源部からの音波を区別するようにしても良い。
【0097】
本発明は詳細に説明されたが、以上の説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
【符号の説明】
【0098】
1A、1B ロボットの位置検知システム
2A、2B ロボット
3 音波受信部
4 制御装置
23 撮像部
25 音波受信部
29 音源部
31 音源部(第1音源部)
31m マグネット部
32 音源部(第2音源部)
42 表示部
44 制御部
51 音波受信部(第1音波受信部)
52 音波受信部(第2音波受信部)
80 船体の外板(船体外板)
441 位置検知部
442 画像解析部
T1、T2 音波の伝播時間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
船体の外板におけるロボットの位置を検知する位置検知システムであって、
前記外板の異なる位置に取り付けられ、前記外板に伝播させる音波を発信する複数の音波発信部と、
前記ロボットに設けられ、前記外板を伝播した音波を受信する音波受信手段と、
前記複数の音波発信部それぞれから発信された音波が前記外板を伝播して前記音波受信手段で受信されるまでの各伝播時間と、前記外板における前記複数の音波発信部それぞれの位置情報とに基づき、前記ロボットの位置を検知する位置検知手段と、
を備えることを特徴とする位置検知システム。
【請求項2】
請求項1に記載の位置検知システムにおいて、
前記複数の音波発信部それぞれは、マグネットにより前記外板に対して着脱自在であることを特徴とする位置検知システム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の位置検知システムにおいて、
前記音波受信手段は、
前記ロボットの異なる位置に設けられた複数の音波受信部、
を有することを特徴とする位置検知システム。
【請求項4】
船体の外板におけるロボットの位置を検知する位置検知システムであって、
前記ロボットに設けられ、前記外板に伝播させる音波を発信する音波発信手段と、
前記外板の異なる位置に取り付けられ、前記外板を伝播した音波を受信する複数の音波受信部と、
前記音波発信手段から発信された音波が前記外板を伝播して前記複数の音波受信部それぞれで受信されるまでの各伝播時間と、前記外板における前記複数の音波受信部それぞれの位置情報とに基づき、前記ロボットの位置を検知する位置検知手段と、
を備えることを特徴とする位置検知システム。
【請求項5】
請求項4に記載の位置検知システムにおいて、
前記複数の音波受信部それぞれは、マグネットにより前記外板に対して着脱自在であることを特徴とする位置検知システム。
【請求項6】
請求項4または請求項5に記載の位置検知システムにおいて、
前記音波発信手段は、
前記ロボットの異なる位置に設けられた複数の音波発信部、
を有することを特徴とする位置検知システム。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の位置検知システムにおいて、
前記ロボットに設けられ、前記外板の表面を撮影して画像を取得する撮像手段、
をさらに備えることを特徴とする位置検知システム。
【請求項8】
請求項7に記載の位置検知システムにおいて、
前記ロボットを前記外板上で移動させる駆動手段と、
前記駆動手段によって前記ロボットを移動させつつ、前記撮像手段で前記画像を順次に取得させる画像取得手段と、
をさらに備えることを特徴とする位置検知システム。
【請求項9】
船体の外板におけるロボットの位置を検知する位置検知方法であって、
前記外板の異なる位置に取り付けられた複数の音波発信部それぞれから、前記外板に伝播させる音波を発信する音波発信工程と、
前記ロボットに設けられた音波受信手段で前記外板を伝播した音波を受信する音波受信工程と、
前記複数の音波発信部それぞれから発信された音波が前記外板を伝播して前記音波受信手段で受信されるまでの各伝播時間と、前記外板における前記複数の音波発信部それぞれの位置情報とに基づき、前記ロボットの位置を検知する位置検知工程と、
を備えることを特徴とする位置検知方法。
【請求項10】
船体の外板におけるロボットの位置を検知する位置検知方法であって、
前記ロボットに設けられた音波発信手段から、前記外板に伝播させる音波を発信する音波発信工程と、
前記外板の異なる位置に取り付けられた複数の音波受信部それぞれで前記外板を伝播した音波を受信する音波受信工程と、
前記音波発信手段から発信された音波が前記外板を伝播して前記複数の音波受信部それぞれで受信されるまでの各伝播時間と、前記外板における前記複数の音波受信部それぞれの位置情報とに基づき、前記ロボットの位置を検知する位置検知工程と、
を備えることを特徴とする位置検知方法。
【請求項11】
請求項9または請求項10に記載の位置検知方法において、
所定の駆動手段によって前記ロボットを前記外板上で移動させつつ、前記ロボットに設けられた撮像手段で前記外板の表面を撮影して画像を順次に取得させる画像取得工程、
をさらに備えることを特徴とする位置検知方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−75414(P2011−75414A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−227419(P2009−227419)
【出願日】平成21年9月30日(2009.9.30)
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)
【Fターム(参考)】