説明

位置決定

【課題】移動装置の位置決定技術を提供する。
【解決手段】システム、方法、及びコンピュータプログラム製品は、複数の送信器から移動装置で受信された各信号の検出電力を指示する電力情報を得る。少なくともその得られた電力情報を使用して、移動装置がその対応位置にある確率を各々指示する各確率値を複数の位置に対して決定する。少なくとも一部分はその決定された確率値に基づいて移動装置の推定位置を識別する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に、位置決定に係る。
【背景技術】
【0002】
プロセッサをベースとする装置の重要性が高まったことでナビゲーションサービス及び他の形態の位置決定が大勢のユーザに利用できることになった。例えば、地球上及び空における場所の地理に関する地図、方向、ナビゲーション情報及び他の情報を提供することのできるオンラインサービスが現在利用可能となっている。
【0003】
ある装置は、ポータブル使用とされ、それ故、時々、モバイルとも称される。それらの幾つかは、情報を交換することのできるホームステーション、ネットワーク又は他のベースに接続するために、ある形態の無線通信に依存している。ある移動装置では、無線信号カバレージの範囲が相当のものであり、従って、ユーザは、広大な地理的エリアのどこででも装置を動作することができる。装置と共に移動できるこの能力は、装置の位置を、若干厳密な地理的位置に対して決定する必要性も高める。この点に関して、地上の送信器からの信号を使用するグローバルポジショニングシステム(GPS)及び他の解決策を含む幾つかの技術が導入されている。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、移動装置の位置決定に係る。1つ以上の送信器から移動装置により受信された信号の測定電力レベル(例えば、信号強度)及びそれらの各位置に基づいて統計学的モデルが構築される。移動装置の最後の既知の位置又は推定位置、及び/又は地理的情報のような他の情報を使用して、統計学的モデルを構築することもできる。次いで、この統計学的モデルを使用して、移動装置の最後の既知の位置を取り巻く領域又は移動装置付近の基準点(例えば、セルラー送信塔)を取り巻く領域内の1つ以上のランダムに又は擬似ランダムに選択された位置に移動装置が存在する見込みを決定する。選択された位置に移動装置がある確率を使用して、移動装置の位置を推定する。
【0005】
第1の態様において、1つの方法は、複数の送信器から移動装置で受信された各信号の検出電力を指示する電力情報を得るステップと、少なくともその得られた電力情報を使用して、移動装置がその対応位置にある確率を各々指示する各確率値を複数の位置に対して決定するステップと、少なくとも一部分はその決定された確率値に基づき移動装置の推定位置を識別するステップと、を備えている。
【0006】
その実施形態は、次の特徴のいずれか又は全部を含んでもよいし、或いは含まなくてもよい。確率値を決定し推定位置を識別するステップは、少なくとも一部分はその得られた電力情報に基づいて統計学的モデルを生成する段階と、その生成された統計学的モデルを適用する地理的領域を選択する段階と、その選択された地理的領域内で、各々の確率値が複数の位置のうちの対応する位置に関連していると識別される複数の位置をランダムに又は擬似ランダムに選択する段階と、を含む。別の特徴によれば、この方法は、移動装置の以前の位置が登録されたことを決定する段階も含み、地理的領域は、その登録された以前の位置を考慮して選択される。
【0007】
更に別の特徴によれば、この方法は、複数の送信器の中で、得られた電力情報に基づき最も強い信号を有する第1の送信器を決定する段階を含み、地理的領域は、その決定された第1送信器の位置を考慮して選択される。更に別の特徴によれば、複数の以前の位置の決定がなされ、この方法は、以前の位置の決定のうち最も最近のものに対してエラー推定を発生する段階を含み、地理的領域は、その発生されたエラー推定を考慮して選択される。
【0008】
別の特徴において、統計学的モデルは、確率値を決定する際に、少なくとも1つの項を追加して考慮するように構成される。複数の送信器の各々に対して、移動装置が各送信器から距離dにある条件付き確率が対数正規分布をたどることを反映する項を統計学的モデルに追加することができ、対数正規分布の平均及び標準偏差は、各送信器の電力の関数である。別の特徴によれば、この方法は、既知の位置に関する信号強度情報を含むトレーニングデータセットを得る段階と、その得られたトレーニングデータセットを使用して平均及び標準偏差に対する関数を推定する段階とを含む。
【0009】
1つの特徴によれば、複数の送信器の各対に対して、移動装置が複数の送信器の対を結ぶ線上の点から距離dにある条件付き確率が対数正規分布をたどることを反映する項を統計学的モデルに追加することができ、その平均及び標準偏差は、各2つの送信器の電力の関数である。更に別の特徴によれば、この方法は、既知の位置に関する信号強度情報を含むトレーニングデータセットを得る段階と、その得られたトレーニングデータセットを使用して平均及び標準偏差に対する関数を推定する段階とを含む。
【0010】
別の特徴において、この方法は、移動装置に対して以前に推定された位置を得る段階と、移動装置がその以前に推定された位置から距離dにある条件付き確率がその以前に推定された位置の周りで半径方向に対称的なガウス分布をたどることを反映する項を統計学的モデルに追加する段階と、を含む。半径方向に対称的なガウス分布の標準偏差は、エラー推定と、以前に推定された位置がどれほど最近識別されたかに関する情報とに基づく。
【0011】
更に別の特徴によれば、この方法は、複数の位置のうちの少なくとも1つに関する地理的情報を得る段階と、その得られた地理的情報に基づいて統計学的モデルに項を追加する段階と、を含む。地理的情報は、ある位置に向けて他の位置に勝るバイアスを与えることができる。更に、推定位置を識別するステップは、移動装置が対応位置にある最も高い確率に関連した前記決定された確率値の1つを選択する段階、及び/又は前記決定された確率値に基づいてセントロイド位置を決定し、その決定されたセントロイド位置を推定位置として選択する段階を含む。
【0012】
更に別の特徴によれば、この方法は、推定位置を識別するために付加的な電力情報が要求されることを決定するステップと、推定位置の識別をある期間だけ延期するステップと、付加的な電力情報を収集するステップとを備え、移動装置の推定位置は、付加的な電力情報にも基づいて識別される。
【0013】
これらの一般的な及び特定の態様は、システム、方法、又はコンピュータプログラム、或いはシステム、方法及びコンピュータプログラムの組み合わせを使用して実施することができる。
【0014】
本明細書に述べる要旨の特定の実施形態は、次の効果の1つ以上を実現するように実施することができる。改良された位置決定を提供することができる。
【0015】
本明細書に述べる要旨の1つ以上の実施形態は、添付図面に示して、以下に詳細に説明する。要旨の他の特徴、態様及び効果は、以下の説明、添付図面及び特許請求の範囲から明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】規範的移動装置のブロック図である。
【図2】図1の移動装置の規範的なネットワーク動作環境のブロック図である。
【図3】図1の移動装置の規範的実施形態のブロック図である。
【図4】移動装置及び4つの規範的送信器の回路図である。
【図5】統計学的モデルを生成するのに使用される信号及び又は位置情報を示す。
【図6A】1つ以上の送信器からの測定電力レベル及び1つ以上の送信器の位置に基づいて統計学的モデルへの貢献を決定する規範的第1プロセスのフローチャートである。
【図6B】1つ以上の送信器からの測定電力レベル及び1つ以上の送信器の位置に基づいて統計学的モデルへの貢献を決定する規範的第2プロセスのフローチャートである。
【図7】移動装置の位置を推定するプロセスの一例を示す。
【図8】規範的移動装置のマップ表示を例示する。
【発明を実施するための形態】
【0017】
種々の図面において同じ要素は同じ参照番号及び呼称で示す。
【0018】
図1は、規範的移動装置100のブロック図である。移動装置100は、例えば、ハンドヘルドコンピュータ、パーソナルデジタルアシスタント、セルラー電話、ネットワーク機器、カメラ、スマートホン、エンハンスト汎用パケット無線サービス(EGPRS)移動電話、ネットワークベースステーション、メディアプレーヤ、ナビゲーション装置、e−メール装置、ゲームコンソール、或いはこれらデータ処理装置又は他のデータ処理装置の2つ以上の組み合わせである。移動装置100のような装置の位置を決定する実施例を以下に説明する。例えば、少なくとも受信信号強度を考慮する統計学的モデルを使用して位置を決定することができる。
【0019】
ある実施形態では、移動装置100は、タッチ感知ディスプレイ102を備えている。タッチ感知ディスプレイ102は、液晶ディスプレイ(LCD)技術、発光ポリマーディスプレイ(LPD)技術、又は他のディスプレイ技術を実施することができる。タッチ感知ディスプレイ102は、ユーザとの触覚及び/又は触知接触を感知することができる。
【0020】
ある実施形態では、タッチ感知ディスプレイ102は、マルチタッチ感知ディスプレイ102を含むことができる。マルチタッチ感知ディスプレイ102は、例えば、各タッチポイントの圧力、角度及び/又は位置に関連したデータを処理することを含めて、複数の同時タッチポイントを処理することができる。このような処理は、複数の指でのジェスチャー及び指との相互作用、コーディング(chording)、及び他の相互作用を容易にする。他のタッチ感知ディスプレイ技術を使用することもでき、例えば、スタイラス又は他のポインティング装置を使用して接触をなすディスプレイを使用することもできる。マルチタッチ感知ディスプレイ技術の幾つかの例が、米国特許第6,323,846号、第6,570,557号、第6,677,932号、及び第6,888,536号に説明されており、その各々を参考としてここにそのまま援用する。
【0021】
ある実施形態では、移動装置100は、タッチ感知ディスプレイ102に1つ以上のグラフィックユーザインターフェイスを表示し、種々のシステムオブジェクトへのユーザアクセスを与えると共に、ユーザへ情報を搬送することができる。ある実施形態では、グラフィックユーザインターフェイスは、1つ以上のディスプレイオブジェクト104、106を含むことができる。ここに示す例では、ディスプレイオブジェクト104、106は、システムオブジェクトのグラフィック表示である。システムオブジェクトは、例えば、装置ファンクション、機器、ウインドウ、ファイル、アラート、イベント、又は他の識別可能なシステムオブジェクトを含む。
【0022】
ある実施形態では、移動装置100は、電話装置、e−メール装置、ネットワークデータ通信装置、Wi−Fiベースステーション装置(図示せず)、及び媒体処理装置のような複数の装置ファンクションを実施することができる。ある実施形態では、特定のディスプレイオブジェクト104をメニューバー118に表示することができる。ある実施形態では、図1に示すグラフィックユーザインターフェイスのようなトップレベルグラフィックユーザインターフェイスから装置ファンクションにアクセスすることができる。オブジェクト104の1つにタッチすると、例えば、それに対応するファンクションを呼び出すことができる。
【0023】
ある実施形態では、移動装置100は、ネットワーク配布ファンクションを実施することができる。例えば、このファンクションは、ユーザが移動装置100を携帯し、移動しながらその関連ネットワークにアクセスできるようにする。特に、移動装置100は、インターネットアクセス(例えば、Wi−Fi)をその付近の他のワイヤレス装置へ拡張することができる。例えば、移動装置100は、1つ以上の装置のためのベースステーションとして構成することができる。従って、移動装置100は、他のワイヤレス装置へのネットワークアクセスを許可又は拒絶することができる。
【0024】
ある実施形態では、装置のファンクションを呼び出すときに、移動装置100のグラフィックユーザインターフェイスは、対応する装置ファンクションに関連した特定のファンクションへのユーザアクセスを容易にするために、変化し、増大され、或いは別のユーザインターフェイス又はユーザインターフェイス要素と置き換えられる。例えば、ユーザが電話オブジェクトにタッチするのに応答して、タッチ感知ディスプレイ102のグラフィックユーザインターフェイスは、種々の電話ファンクションに関連したディスプレイオブジェクトを提示し、同様に、e−メールオブジェクトにタッチすると、グラフィックユーザインターフェイスが種々のe−メールファンクションに関連したディスプレイオブジェクトを提示するようにさせ、ウェブオブジェクトにタッチすると、グラフィックユーザインターフェイスが種々のウェブサーフィンファンクションに関連したディスプレイオブジェクトを提示するようにさせ、そしてメディアプレーヤオブジェクトにタッチすると、グラフィックユーザインターフェイスが種々のメディア処理ファンクションに関連したディスプレイオブジェクトを提示するようにさせる。
【0025】
ある実施形態では、移動装置100の底部付近に位置したボタン120を押すことにより、図1のトップレベルグラフィックユーザインターフェイス環境又は状態を回復することができる。ある実施形態では、各対応する装置ファンクションは、タッチ感知ディスプレイ102に表示される対応する「ホーム」ディスプレイオブジェクトを有し、そしてこの「ホーム」ディスプレイオブジェクトを押すことにより、図1のグラフィックユーザインターフェイス環境を回復することができる。
【0026】
ある実施形態では、トップレベルグラフィックユーザインターフェイスは、付加的なディスプレイオブジェクト106、例えば、ショートメッセージングサービス(SMS)オブジェクト、カレンダーオブジェクト、写真オブジェクト、カメラオブジェクト、計算器オブジェクト、株オブジェクト、天気オブジェクト、マップオブジェクト144、ノートオブジェクト、時計オブジェクト、アドレス帳オブジェクト、及び設定オブジェクトを含むことができる。例えば、マップオブジェクト144にタッチすると、マップ及び位置に基づくサービス環境及びサポート環境を呼び出すことができ、同様に、ディスプレイオブジェクト106を選択すると、それに対応するオブジェクト環境及びファンクションを呼び出すことができる。
【0027】
又、図1のグラフィックユーザインターフェイスには、付加的な及び/又は異なるディスプレイオブジェクトを表示することもできる。例えば、装置100が、他の装置のためのベースステーションとして機能する場合には、1つ以上の「接続」オブジェクトがグラフィックユーザインターフェイスに現れて、接続を指示する。ある実施形態では、ディスプレイオブジェクト106は、ユーザによって構成することができ、例えば、ユーザは、どのディスプレイオブジェクト106が表示されるか指定することができ、及び/又は他のファンクション及びそれに対応するディスプレイオブジェクトを与える付加的なアプリケーション又は他のソフトウェアをダウンロードすることができる。
【0028】
ある実施形態では、移動装置100は、1つ以上の入力/出力(I/O)装置及び/又はセンサ装置を含むことができる。例えば、電話及びボイスメールファンクションのようなボイスイネーブルファンクションを促進するために、スピーカ160及びマイクロホン162を含ませることができる。ある実施形態では、スピーカ160及びマイクロホン162の音量制御のためのアップ/ダウンボタン184を含ませることができる。又、移動装置100は、入呼びのリングインジケータのためのオン/オフボタン182を備えることもできる。ある実施形態では、スピーカ電話ファンクションのようなハンズフリーボイスファンクションを促進するためにスピーカ164を含ませることができる。ヘッドホン及び/又はマイクロホンを使用するためにオーディオジャック166を含ませることができる。
【0029】
ある実施形態では、ユーザが移動装置100をユーザの耳の付近に位置させるのを容易に検出し、それに応答して、タッチ感知ディスプレイ102を解離して偶発的なファンクションの呼び出しを防止するために、接近センサ168を含ませることができる。ある実施形態では、移動装置100がユーザの耳の付近にあるときに付加的な電力を保存するためにタッチ感知ディスプレイ102をターンオフすることができる。
【0030】
他のセンサを使用することもできる。例えば、ある実施形態では、タッチ感知ディスプレイ102の輝度を容易に調整するために、周囲光センサ170を使用することができる。又、ある実施形態では、方向矢印174で指示されたように、移動装置100の移動を検出するために加速度計172を使用することができる。従って、例えば、肖像画又は風景画のような検出された向きに基づいてディスプレイオブジェクト及び/又はメディアを提示することができる。ある実施形態では、移動装置100は、グローバルポジショニングシステム(GPS)又は他のポジショニングシステム(例えば、Wi−Fiアクセスポイント、テレビジョン信号、セルラーグリッド、ユニフォームリソースロケータ(URL)を使用するシステム)により与えられるような位置決定能力をサポートするための回路及びセンサを備えることができる。ある実施形態では、ポジショニングシステム(例えば、GPS受信器)を移動装置100に一体化することもできるし、又は個別の装置として設けて、インターフェイス(例えば、ポート装置190)を経て移動装置100に結合して、位置ベースサービスへアクセスすることもできる。
【0031】
ある実施形態では、ポート装置190、例えば、ユニバーサルシリアルバス(USB)ポート、又はドッキングポート、或いは他のワイヤードポート接続を含ませることもできる。ポート装置190は、例えば、他の通信装置100、ネットワークアクセス装置、パーソナルコンピュータ、プリンタ、ディスプレイスクリーン、或いはデータを受信及び/又は送信できる他の処理装置のような他のコンピューティング装置へのワイヤード接続を確立するのに使用できる。ある実施形態では、ポート装置190は、移動装置100が、例えば、TCP/IP、THHP、UDP及び他の既知のプロトコルのような1つ以上のプロトコルを使用して、ホスト装置と同期できるようにする。
【0032】
又、移動装置100は、カメラレンズ及びセンサ180を備えることもできる。ある実施形態では、カメラレンズ及びセンサ180は、移動装置100の背面に位置することができる。カメラは、静止映像及び/又はビデオを捕獲することができる。
【0033】
又、移動装置100は、802.11b/g通信装置186及び/又はBluetoothTM通信装置188のような1つ以上のワイヤレス通信サブシステムを備えることもできる。又、他の802.x通信プロトコル(例えば、WiMax、Wi−Fi、3G)、コード分割多重アクセス(CDMA)、移動通信用グローバルシステム(GSM)、エンハンストデータGSM環境(EDGE)、等を含む他の通信プロトコルをサポートすることもできる。
【0034】
図2は、規範的ネットワーク動作環境200のブロック図である。図2において、移動装置202a及び202bは、各々、移動装置100を表す。移動装置202a及び202bは、例えば、データ通信において1つ以上のワイヤード及び/又はワイヤレスネットワーク210を経て通信することができる。例えば、セルラーネットワークのようなワイヤレスネットワーク212は、ゲートウェイ216の使用により、インターネットのようなワイドエリアネットワーク(WAN)214と通信することができる。同様に、802.11gワイヤレスアクセス装置のようなアクセス装置218は、ワイドエリアネットワーク214への通信アクセスを与えることができる。ある実施形態では、ワイヤレスネットワーク212及びアクセス装置218を経てボイス及びデータの両通信を確立することができる。例えば、移動装置202aは、(例えば、VoIPプロトコルを使用して)電話コールを発信及び受信し、(例えば、POP3プロトコルを使用して)e−メールメッセージを送信及び受信し、そして(例えば、TCP/IP又はUDPプロトコルを使用して)ワイヤレスネットワーク212、ゲートウェイ216及びワイドエリアネットワーク214を経てウェブページ、写真及びビデオのような電子ドキュメント及び/又はストリームを検索することができる。同様に、ある実施形態では、移動装置202bは、電話コールを発信及び受信し、e−メールメッセージを送信及び受信し、そしてアクセス装置218及びワイドエリアネットワーク214を経て電子ドキュメントを検索することができる。ある実施形態では、移動装置202a又は202bは、1つ以上のケーブルを使用してアクセス装置218に物理的に接続することができ、アクセス装置218は、パーソナルコンピュータである。この構成では、移動装置202a又は202bは、「テザー(tethered)」装置と称することができる。
【0035】
又、移動装置202a及び202bは、他の手段により通信を確立することもできる。例えば、ワイヤレス装置202aは、ワイヤレスネットワーク212を経て他のワイヤレス装置、例えば、他の移動装置202a又は202b、セルラー電話、等と通信することができる。同様に、移動装置202a及び202bは、図1に示すBluetoothTM通信装置188のような1つ以上の通信サブシステムを使用することにより、例えば、パーソナルエリアネットワークのようなピア・ツー・ピア通信220を確立することができる。他の通信プロトコル及び技術を実施することもできる。
【0036】
移動装置202a又は202bは、例えば、1つ以上のワイヤード及び/又はワイヤレスネットワーク210を経て1つ以上のサービス230、240、250、260及び270と通信することができる。例えば、1つ以上のナビゲーションサービス230は、ナビゲーション情報、例えば、マップ情報、位置情報、ルート情報及び他の情報を移動装置202a又は202bに与えることができる。移動装置202bのユーザは、例えば、図1に示すトップレベルグラフィックユーザインターフェイス上のマップオブジェクト144を押すことにより、マップファンクションを呼び出すことができ、そして特定位置のマップを要求して受け取り、ルートの方向を要求して受け取り、又は、例えば、特定位置の付近にある会社のリストを要求して受け取ることができる。他の実施形態では、位置決定は、移動装置202a又は202b上でローカルに遂行することができる。例えば、移動装置202a又は202b上でナビゲーションサービス230を実施することができる。
【0037】
メッセージングサービス240は、例えば、e−メール及び/又は他のメッセージングサービスを提供することができる。メディアサービス250は、例えば、歌のファイル、オーディオブック、映画ファイル、ビデオクリップ、及び他のメディアデータのようなメディアファイルへのアクセスを与えることができる。ある実施形態では、個別のオーディオ及びビデオサービス(図示せず)が、各形式のメディアファイルへのアクセスを与えることができる。同期サービス260は、例えば、同期サービス(例えば、同期ファイル)を遂行することができる。アクチベーションサービス270は、例えば、移動装置202a又は202bをアクチベートするためのアクチベーションプロセスを遂行することができる。移動装置202a又は202bのソフトウェアに対してソフトウェア更新が存在するかどうか自動的に決定し、次いで、ソフトウェア更新を移動装置202a又は202bへダウンロードし、そこで、ソフトウェア更新を手動で又は自動的にアンパック及び/又はインストールできるソフトウェア更新サービスを含めて、他のサービスを提供することもできる。
【0038】
又、移動装置202a又は202bは、1つ以上のワイヤード及び/又はワイヤレスネットワーク210を経て他のデータ及びコンテンツにアクセスすることもできる。例えば、ニュースサイト、RSSフィード、ウェブサイト、ブログ、ソーシャルネットワークサイト、デベロッパーネットワークサイト、等のコンテンツパブリッシャーは、移動装置202a又は202bによってアクセスすることができる。このようなアクセスは、ユーザが、例えば、ウェブオブジェクトに応答してウェブブラウジングファンクション又はアプリケーション(例えば、ブラウザ)を呼び出すことにより与えることができる。
【0039】
図3は、図1の移動装置100の規範的実施形態のブロック図300である。移動装置100は、メモリインターフェイス302、1つ以上のデータプロセッサ、映像プロセッサ及び/又は中央処理ユニット304、及び周辺インターフェイス306を含むことができる。メモリインターフェイス302、1つ以上のプロセッサ304、及び/又は周辺インターフェイス306は、個別のコンポーネントでもよいし、又は1つ以上の集積回路に一体化することもできる。移動装置100内の種々のコンポーネントは、1つ以上の通信バス又は信号ラインによって結合することができる。
【0040】
センサ、装置及びサブシステムは、複数のファンクションを促進するために周辺インターフェイス306へ結合することができる。例えば、モーションセンサ310、光センサ312及び接近センサ314は、図1を参照して述べた方向付け、照明及び接近ファンクションを促進するために周辺インターフェイス306に結合することができる。又、関連ファンクションを促進するために、ポジショニングシステム(例えば、GPS受信器)、温度センサ、バイオメトリックセンサ又は他の感知装置のような他のセンサ316を周辺インターフェイス306に接続することもできる。
【0041】
写真及びビデオクリップを記録するようなカメラファンクションを促進するために、カメラサブシステム320及び光学的センサ322、例えば、電荷結合デバイス(CCD)又は相補的金属酸化物半導体(CMOS)光学的センサを使用することができる。
【0042】
高周波受信器及び送信器、及び/又は光学的(例えば、赤外線)受信器及び送信器を含む1つ以上のワイヤレス通信サブシステム324を通して通信ファンクションを促進することができる。通信サブシステム324の特定の設計及び実施は、移動装置100が動作するように意図されたところの通信ネットワークに依存する。例えば、移動装置100は、GSMネットワーク、GPRSネットワーク、EDGEネットワーク、Wi−Fi又はWiMaxネットワーク、及びBluetoothTMネットワークを経て動作するように設計された通信サブシステム324を含む。特に、ワイヤレス通信サブシステム324は、装置100を他のワイヤレス装置に対するベースステーションとして構成できるようにホスティングプロトコルを含む。ある実施形態では、通信サブシステム324のいずれか又は全部を使用して受信した信号の強度を決定し、このような強度を指示する電力情報を得て、移動装置100の位置の推定に使用することができる。
【0043】
音声認識、音声複製、デジタル記録及び電話ファンクションのようなボイスイネーブルファンクションを促進するために、オーディオサブシステム326をスピーカ328及びマイクロホン330に結合することができる。
【0044】
I/Oサブシステム340は、タッチスクリーンコントローラ342及び/又は他の入力コントローラ344を含むことができる。タッチスクリーンコントローラ342は、タッチスクリーン346に結合することができる。タッチスクリーン346及びタッチスクリーンコントローラ342は、例えば、これに限定されないが、容量性、抵抗性、赤外線及び表面音波技術を含む複数のタッチ感知技術のいずれか、並びにタッチスクリーン346との1つ以上の接触点を決定するための他の接近センサアレイ又は他の要素を使用して、接触及び又は移動が開始し又は終了することを検出することができる。
【0045】
他の入力コントローラ344は、他の入力/制御装置348、例えば、1つ以上のボタン、ロッカースイッチ、サムホイール、赤外線ポート、USBポート、及び/又はスタイラスのようなポインタ装置に結合することができる。1つ以上のボタン(図示せず)は、スピーカ328及び/又はマイクロホン330の音量制御のためのアップ/ダウンボタンを含むことができる。
【0046】
1つの実施形態では、第1の期間中ボタンを押すと、タッチスクリーン346のロックが解離し、そして第1の期間より長い第2の期間ボタンを押すと、移動装置100への電力をオン又はオフに切り換えることができる。ユーザは、1つ以上のボタンのファンクションをカスタマイズすることができる。タッチスクリーン346は、例えば、バーチャル又はソフトボタン及び/又はキーボードを実施するのにも使用できる。
【0047】
ある実施形態では、移動装置100は、記録されたオーディオ及び/又はビデオファイル、例えば、MP3、AAC及びMPEGファイルを提示することができる。ある実施形態では、移動装置100は、iPodTMのようなMP3プレーヤのファンクションを含むことができる。それ故、移動装置100は、iPodに適合できる36ピンコネクタを含む。他の入力/出力及び制御装置を使用することもできる。
【0048】
メモリインターフェイス302は、メモリ350に結合することができる。メモリ350は、高速ランダムアクセスメモリ及び/又は不揮発性メモリ、例えば、1つ以上の磁気ディスク記憶装置、1つ以上の光学的記憶装置、及び/又はフラッシュメモリ(例えば、NAND、NOR)を含むことができる。メモリ350は、Darwin、RTXC、LINUX、UNIX、OS X、WINDOWSのようなオペレーティングシステム352、又はVxWorksのような埋め込み型オペレーティングシステムを記憶することができる。オペレーティングシステム352は、基本的なシステムサービスを取り扱うと共に、ハードウェア依存タスクを遂行するためのインストラクションを含む。ある実施形態では、オペレーティングシステム352は、カーネル(例えば、UNIXカーネル)である。
【0049】
又、メモリ350は、1つ以上の付加的な装置、1つ以上のコンピュータ、及び/又は1つ以上のサーバーとの通信を促進するために通信インストラクション354を記憶することもできる。メモリ350は、グラフィックユーザインターフェイスの処理を促進するためのグラフィックユーザインターフェイスインストラクション356;センサ関連処理及びファンクションを促進するためのセンサ処理インストラクション358;電話関連プロセス及びファンクションを促進するための電話インストラクション360;電子メッセージング関連プロセス及びファンクションを促進するための電子メッセージングインストラクション362;ウェブブラウジング関連プロセス及びファンクションを促進するためのウェブブラウジングインストラクション364;メディア処理関連プロセス及びファンクションを促進するためのメディア処理インストラクション366;GPS及びナビゲーション関連プロセス及びファンクションを促進するためのGPS/ナビゲーションインストラクション368;カメラ関連プロセス及びファンクションを促進するためのカメラインストラクション370;及び/又は他のプロセス及びファンクション、例えば、セキュリティプロセス及びファンクションを促進するための他のソフトウェアインストラクション372を含む。ある実施形態では、例えば、使用すべき位置決定技術を選択することにより、インストラクション368の幾つか又は全部を実行して、移動装置100の位置を決定することができる。インストラクション358は、メモリ350内の他のインストラクションの1つ以上又は全部を使用してファンクションを遂行できるように構成することができる。又、メモリ350は、他のソフトウェアインストラクション(図示せず)、例えば、ウェブビデオ関連プロセス及びファンクションを促進するためのウェブビデオインストラクション;及び/又はウェブショッピング関連プロセス及びファンクションを促進するためのウェブショッピングインストラクションを記憶することもできる。ある実施形態では、メディア処理インストラクション366は、オーディオ処理関連プロセス及びファンクション、並びにビデオ処理関連プロセス及びファンクションを促進するために、オーディオ処理インストラクション及びビデオ処理インストラクションへ各々分割される。又、メモリ350には、アクチベーションレコード及びインターナショナルモバイルイクイップメントアイデンティティ(IMEI)374又は同様のハードウェア識別子を記憶することもできる。
【0050】
上述したインストラクション及びアプリケーションの各々は、上述した1つ以上のファンクションを遂行するためのインストラクションのセットに対応する。これらのインストラクションは、個別のソフトウェアプログラム、手順又はモジュールとして実施される必要はない。メモリ350は、付加的なインストラクション又はより少数のインストラクションを含むことができる。更に、移動装置100の種々のファンクションは、1つ以上の信号処理及び/又は特定用途向け集積回路を含めて、ハードウェア及び又はソフトウェアで実施することができる。
【0051】
図4は、4つの規範的な送信器400−1から400−4及び移動装置402を概略的に示す。ここでは、移動装置402は、図1から3を参照して上述した移動装置のような移動装置を表す。移動装置402は、例えば、幾つか挙げると、Wi−Fiベースステーション装置、又はセル塔、又は衛星のようなリモート送信器、等のネットワークアクセスポイントを含む1つ以上の送信器400と通信することができる。ある実施形態では、アクセスポイントは、802.11b/gワイヤレスルータ、802.11nワイヤレスルータ、及び適当なWi−Fi又は他のワイヤレスネットワーキング技術又はプロトコルを実施する他のWi−Fi装置の組み合わせでよい。
【0052】
アクセスポイント及び/又は他のセル塔との通信を使用して、位置推定器404は、移動装置402が現在位置する地理的エリア及び位置を推定することができる。推定は、少なくとも一部分は、各送信器400−1ないし400−4の信号強度を含む信号及び/又は位置情報406に基づく。この例では、情報406は、移動装置402に存在する。他の実施形態では、位置推定器404、及び/又は信号及び/又は位置情報406は、移動装置402以外のどこか、例えば、移動装置と通信するサーバー装置に維持することができる。
【0053】
移動装置402は、例えば、送信器400−1から信号を受信することができる。この信号は、送信器400−1の識別子を含み、又、ある実施形態では、送信器400−1の緯度及び経度のような他の情報を含むことができる。ある実施形態では、送信器の緯度及び経度は、装置402において決定することもできるし、又はデータベースを使用してサーバーにおいて遠隔決定することもできる。位置推定器404は、例えば、情報406を使用して移動装置402の推定位置を、ある程度の不確実性又はエラーで、識別することができる。
【0054】
ある実施形態では、推定位置の確度又は精度は、距離の単位で表される(例えば、「推定位置は、50メーターまでの精度である」)。即ち、移動装置402の実際の位置は、推定位置から精度距離内となる。例えば、第1の地理的エリアは、推定位置の緯度及び経度を中心とする円で、その半径は、指示された確度又は精度(例えば、推定位置の確度が38メーターまでの場合には38メーター)に等しい。或いは、第1の地理的エリアは、マップ表示上に、方形、長方形、楕円、ダイヤモンド、三角形、又は他の形状の包囲領域として表されてもよい。
【0055】
移動装置402は、例えば、送信器400ではなく又は送信器400に加えて、位置に基づくサービスのための付加的な装置又はサービス(図示せず)に接続することができる。このような装置又はサービスは、幾つか挙げると、BluetoothTM装置、GPS、無線又はTV塔、又はセルラーグリッドを含む。例えば、移動装置402は、BluetoothTM通信装置188(図1)でピア装置に接続して、他の移動装置及び/又はBluetoothTMイネーブル装置から位置に基づく情報を受信することができる。ある実施形態では、移動装置402は、他の技術(例えば、GPS)を使用してその位置及び/又は地理的エリアを決定又は推定することができる。
【0056】
ある実施形態では、位置の推定は、例えば、位置推定器404により統計学的モデルを使用して発生される。このようなモデルは、少なくとも一部分は、1つ以上の送信器に関する電力情報に基づくものである。このモデルは、以下に詳細に述べるように、移動装置の現在位置を推定するのに使用される1つ以上の位置サンプルの分布を発生するのに使用できる。
【0057】
A.統計学的モデルのコンポーネント
図5は、移動装置402のような移動装置の位置を推定するのに使用される統計学的モデル530を生成するのに使用できる信号及び/又は位置情報406を示す。ある実施形態によれば、統計学的モデル530は、位置推定器404により生成される。図4を参照して述べたように、1つ以上の送信器から装置によって受信された信号の測定電力レベル(即ち、信号強度)505、及び既知の送信器の位置510は、統計学的モデル530を生成するのに使用される。
【0058】
例えば、移動装置402は、受信信号強度指示子(RSSI)と、送信器からの各信号に関連した独特なIDとを得ることができる。送信器(例えば、セル塔)の地理的位置は、リモートサーバーに問合せするか、又は移動装置に記憶されたデータベースにおけるルックアッププロセスにより、送信器IDを使用してルックアップすることができる。セル塔が幾つかの送信器を含む場合には、例えば、問題となる送信器からの受信信号の最大値を得ることにより、それらのRSSIを、セル塔に対する単一のRSSIへと合成することができる。
【0059】
ある実施形態では、送信器の座標に変換を適用することができる。例えば、緯度/経度の対を、最も強い信号をもつ送信器に関して、相対的な送信器位置を表す値へと変換することができる。即ち、ある実施形態では、緯度/経度の対を、最も強い信号をもつ送信器からのメーター「北」及びメーター「東」へ変換することができる。
【0060】
再び図5を参照すれば、他の情報を任意に使用して、統計学的モデル530を生成することができる。これは、履歴的位置情報515及び/又は地理的情報520を含む。
【0061】
履歴的位置情報515は、例えば、位置推定器404によって統計学的モデル530を生成及び/又は変更するのに使用できる。履歴的位置情報515(最近知られた位置情報を含む)は、例えば、位置推定器404により決定された以前の推定位置に基づき、及び/又は装置402と通信する他のデータソースから得られた位置情報に基づく。例えば、履歴的位置情報515は、Wi−Fiホットスポットから、又は位置推定を行うことのできるGPSユニットのような他の装置から得ることができる。履歴的位置情報515は、装置402の最後に分かった位置を考慮に入れられるように統計学的モデルに貢献することができる。図6を参照して以下に詳細に述べるように、装置402の最近分かった位置は、古い測定より正確であると推測され、従って、位置情報ファクタがどれほど最近のものかを統計学的モデルに考慮する。
【0062】
又、地理的情報520は、移動装置にとって別の位置より見込みの高い位置である位置ポイントに確率決定の焦点を合わせるように使用できる。この情報は、装置がより近くにある見込みが高い位置に対するバイアスを与える。例えば、ハイウェイや、ショッピングモールのような人の多いエリアのような位置は、装置402が近くにある見込みが低い位置、例えば、都市ブロックの中央、湖の中央、サービス道路、等に勝るバイアスが与えられる。
【0063】
B.統計学的モデルへの信号強度及び送信器位置の貢献
図6Aは、1つ以上の送信器から装置により受信された信号の測定電力レベル(例えば、信号強度)505、及び既知の送信器の位置510に基づいて、統計学的モデル530への貢献を決定する第1のプロセス600を示す。装置により信号が受信されるところの各ソースが識別される(605)。各ソースの識別された位置(610)及び各ソースから受け取られた識別された信号強度(615)に基づいて各ソースに対し統計学的モデルに項が追加される(620)。ある実施形態では、各ソースに対し統計学的モデルに追加される項は、装置がソースから距離dにある条件付き確率が、そのソースに関連した信号強度の関数である平均及び標準偏差を有する対数正規分布をたどるという仮定に基づく。
【0064】
ある実施形態によれば、送信器から既知の距離にある既知の位置におけるRSSIデータのような測定信号強度を含むトレーニングセットのデータが得られる。ある実施形態によれば、トレーニングセットのデータは、GPS受信器を有する移動装置によって収集され、移動装置は、異なる幾何学形状(例えば、高さ、向き、等)を有する1つ以上の塔の付近の種々の位置(例えば、数千の位置)における各送信器信号強度の対数をとる。トレーニングセットは、一度に収集することができる。ある実施形態によれば、トレーニングデータを使用して、以下に述べるように、統計学的モデルに対するパラメータを生成することができ、これらパラメータは、各移動装置に記憶される。ある実施形態によれば、トレーニングセットのデータは、移動装置により記憶することもできるし、データベースを使用してサーバーに遠隔記憶することもできる。数十万のデータポイントに対する信号を収集してトレーニングセットに含ませることができる。既知の位置における測定信号強度のトレーニングデータセットから、標準的な最小二乗法(least-squares fitting)アルゴリズムを経て推定することができる。
【0065】
図6Bは、1つ以上の送信器から装置により受信された信号の測定電力レベル(例えば、信号強度)505、及び既知の送信器の位置510に基づいて、統計学的モデル530への貢献を決定する第2のプロセス650を示す。装置により信号が受信されるところのソースの対が識別される(605)。装置が信号を受信するところの塔の全ての対を考慮する。例えば、3つの塔A、B及びCがある場合には、A、B;A、C;及びB、Cの対が考えられる。
【0066】
ソースの各対の識別された位置(660)、及び各ソースから受け取られた識別された信号強度(665)に基づいて、ソースの対に対し統計学的モデルに項が追加される(670)。ソースの各対に対して統計学的モデルに追加される項は、移動装置が複数の送信器の対を結ぶ線上の点‘p’から距離dにある条件付き確率が、その対の2つの送信器間の信号強度比の関数である平均及び標準偏差を有する対数正規分布をたどることを反映するものである。点‘p’の位置、平均及び標準偏差は、既知の位置における測定信号強度のトレーニングデータセットから、例えば、標準的な最小二乗回帰法を経て推定される。
【0067】
最小二乗回帰法は、1つ以上の送信器から装置により受信される信号の測定電力レベル(即ち、信号強度)505及び既知の送信器の位置510に基づいて統計学的モデル530への貢献を決定する第1及び第2のプロセス600、650についてここに述べたが、他の回帰技術を含む他の技術を使用して、統計学的モデルのパラメータを計算できることが明らかであろう。
【0068】
C.統計学的モデルへの履歴的位置情報及び/又は地理的情報の貢献
図5を参照して述べたように、履歴的位置情報515は、統計学的モデル530を生成及び/又は変更するように任意に使用することができる。ある実施形態によれば、移動装置がその履歴的位置に対して所与の位置にある条件付き確率が、その以前に知られた位置の周りで半径方向に対称的なガウス分布をたどることを反映する項を統計学的モデルに追加することができ、その標準偏差は、既知の位置の正確な推定(もしあれば)と、既知の位置測定がどれほど最近とられたかの情報とに基づく。例えば、最近の測定は、古い測定より正確であると仮定できる。
【0069】
図5を参照して更に述べたように、地理的情報520は、移動装置が近くにある見込みが高い位置にバイアスを与える付加的な項を統計学的モデルに追加するように使用できる。
【0070】
D.統計学的モデルを使用する位置の推定
ある実施形態によれば、統計学的モデルの全ての項が与えられると、移動装置が所与の位置にある見込みを計算するために、各項の非正規化条件付き確率の対数が所与の位置について計算される。これらの対数を総計して、所与の位置に対する対数尤度を与える。しかしながら、移動装置は、いかなる地理的位置にも存在できるので、所与の位置に対する対数尤度は、移動装置の最後の既知の位置又は最後の推定位置の周囲の領域における1組の位置についてしか計算されない。これは、位置推定器404が、移動装置の位置の推定に必要な計算の回数を制限するようにさせる。
【0071】
図7は、統計学的モデルを使用して移動装置の推定位置を決定するために遂行できる高レベル方法700を示す。履歴的位置情報が既知である場合には(705)、移動装置の最後の既知の位置を取り巻く領域が識別される(710)。ある実施形態によれば、領域は、移動装置を取り巻く円領域である。又、移動装置の最後の既知の位置に対するエラー推定を生成することもできる。次いで、識別された領域からサンプル位置がランダムに又は擬似ランダムに選択される(即ち、描かれる)(715)。
【0072】
或いは又、履歴的位置情報が得られない場合には(705)、移動装置において最も強い測定信号強度を示す送信器が識別され(720)、そして送信器を含む送信器を取り巻く領域からサンプル位置がランダムに又は擬似ランダムに選択される(即ち、描かれる)(725)。ある実施形態によれば、移動装置の最後の既知の位置を取り巻く領域、又は移動装置において最も強い信号強度を示す送信器を取り巻く領域の計算を、位置推定器404により行うことができる。同様に、位置推定器404は、領域内のサンプル位置を選択することができる。
【0073】
サンプル位置が選択された後に、各サンプル位置の確率値が統計学的モデルを使用して決定される(730)。ある実施形態によれば、位置推定器404により確率値を決定することができる。図5及び6を参照して述べたように、統計学的モデルは、1つ以上の送信器から装置により受信された信号の測定電力レベル(即ち、信号強度)505及び既知の送信器の位置510に基づくものである。又、このモデルは、履歴的位置情報515及び地理的情報520に基づくのも任意である。各サンプル位置に対する各確率値は、移動装置がその対応位置に存在する確率を指示する。これらの確率値は、次いで、移動装置の推定位置を識別するのに使用できる。
【0074】
ある実施形態によれば、最も高い確率値を示すサンプル位置が選択され(735)、そして推定位置がそのサンプル位置として識別される(745)。ある実施形態によれば、推定位置745は、ランダム(又は擬似ランダム)な選択に含まれた各サンプル位置の確率値に基づいてサンプル位置の分布の計算されたセントロイド740として識別することができる。
【0075】
ある実施形態によれば、推定位置に対するエラー推定が識別され(750)、これは、既知の位置のトレーニングコーパス及び最小二乗回帰法による信号測定に基づくパラメータを有する対数尤度の関数である。ここでは、最小二乗回帰法を述べるが、他の回帰技術を含む他の技術を使用してエラー推定を計算できることが明らかであろう。
【0076】
ある状況において、移動装置は、1つ以上の既知の送信器及びおそらくは全ての送信器から信号強度を受信し損なうことがある。これが生じると、推定位置の計算及び識別を、ある期間(例えば、1秒、5秒、1分、又は信号強度が測定されるまで)延期することができる。信号強度測定値が得られると、新たな信号強度測定値に基づいて移動装置の推定位置を識別することができる。
【0077】
E.サンプル点の規範的対数尤度計算
図7を参照して述べたプロセスを使用して、移動装置の最後の既知の位置を取り巻く領域内、又は移動装置において最も強い信号強度を示す送信器を取り巻く領域内で1つ以上のサンプル位置をランダムに又は擬似ランランダムに識別することができる。1つのサンプル位置に対する対数尤度を計算する規範的プロセスを以下に説明する。
【0078】
サンプル位置の対数尤度への信号強度測定値の貢献を計算するための第1のプロセス600を使用して、各塔は、サンプル位置の合計対数尤度に貢献する。
【数1】

但し、dは、ソースとサンプル位置との間の距離であり、sは、ソースからの測定された信号強度である(例えば、トレーニングデータのコーパスから計算された)。
【0079】
前記方程式では、μ(s)及びσ(s)は、f(x)=ax+bという形式の一次関数であり、その厳密なパラメータ(a、b)は、トレーニングデータのコーパスから統計学的に推定される。上述したように、トレーニングセットのデータは、送信器からのGPS付与距離に対する信号強度測定値(電力単位)を含む。ある実施形態では、μ(s)を推定するために、信号強度の測定電力に関して距離の対数の最良の線型適合(linear fit)を推定することができ、ここで、式sum_(トレーニング測定)(log(装置と塔との間の厳密な距離)−(a*測定電力+b))2を最小とするようにパラメータ(a、b)を選択することができ、そして関数μ(s)は、ax+bに等しい。ある実施形態では、移動装置が測定できる各個々の電力レベルに対して、σ(s)を推定するために、分散(variance)が次のように計算される。分散(電力)−square_root(sum_(その電力レベルでの測定)(log(装置と塔との間の厳密な距離)−μ(電力))2)。次いで、式sum_(電力レベル)(分散(電力)−(c*電力+d))2を最小とするようにパラメータ(c、d)を選択することができ、そして関数σ(x)は、cx+dに等しい。
【0080】
或いは又、サンプル位置の対数尤度への信号強度測定の貢献を計算するための第2のプロセス650を使用すると、各位置T1及びT2と、測定信号強度s1及びs2を有するソースの各対が、サンプル位置の合計対数尤度に貢献する。s1>s2のようにソースが順序付けされ、そしてRがs1/s2の比である場合には、複数の送信器の対を結ぶ線上の点‘p’の位置は、次のように決定することができる。
【数2】

但し、cは、トレーニングデータのコーパスからその値を統計学的に推定できるパラメータである。サンプル位置と点‘p’との間の距離をdとすれば、サンプル位置の合計対数尤度へのソース対の貢献は、次のようになる。
【数3】

但し、μ(r)及びσ(r)は、式f(x)=ax+bの一次関数であり、その厳密なパラメータ(a、b)は、上述したように、トレーニングデータのコーパスから統計学的に推定される。
【0081】
図5を参照して上述したように、履歴的位置情報は、統計学的モデルに任意に貢献することができる。この例では、履歴的位置情報は、サンプル点の尤度に貢献する。履歴的な既知の位置の周りの期待される位置の半径rは、古い位置の精度推定、及びその推定がなされて以来の時間に基づいて計算される。サンプル点と履歴的位置との間の距離をdとすれば、サンプル点の対数尤度への履歴的貢献は、次のようになる。
【数4】

【0082】
最終的に、サンプル位置の合計対数尤度を計算するために、貢献する全ての項を総和することができる。上述した計算の各々は、例えば、位置推定器404によって実施することができる。図7について上述したように、移動装置の位置を推定するために、各サンプル位置の対数尤度を計算することができる。
【0083】
図8は、規範的移動装置100のマップディスプレイ802を例示する。マップディスプレイ802は、マップ上に移動装置100の推定位置816を表示し、装置100のユーザが自分の位置を識別できるようにする。マップは、この分野で良く知られたように、ビル、街路、地理的特徴物、等の1つ以上のオブジェクトを含むことができる。
【0084】
本明細書に述べた実施形態及び他の実施形態、並びに機能的オペレーションは、本明細書に開示した構造及びその構造的等効物、或いはその1つ以上の組み合わせを含むデジタル電子回路、又はコンピュータソフトウェア、ファームウェア、又はハードウェアで実施することができる。ここに開示した実施形態及び他の実施形態は、1つ以上のコンピュータプログラム製品として実施することができ、即ちデータ処理装置により実行するために又はその動作を制御するためにコンピュータ読み取り可能な媒体上にエンコードされたコンピュータプログラムインストラクションの1つ以上のモジュールとして実施することができる。コンピュータ読み取り可能な媒体は、マシン読み取り可能な記憶装置、マシン読み取り可能な記憶基板、メモリ装置、マシン読み取り可能な伝播信号に作用する物質の組成、或いはそれらの1つ以上の組み合わせである。「データ処理装置」という語は、データを処理するための全ての装置、デバイス及びマシンを包含するもので、例えば、プログラム可能なプロセッサ、コンピュータ、或いはマルチプロセッサ又はコンピュータを含む。装置は、ハードウェアに加えて、当該コンピュータプログラムのための実行環境を生成するコード、例えば、プロセッサファームウェア、プロトコルスタック、データベースマネージメントシステム、オペレーティングシステム、又はそれらの1つ以上の組み合わせを構成するコードを含むことができる。伝播信号は、人為的に発生される信号で、例えば、適当な受信装置へ送信するための情報をエンコードするために発生されるマシン発生の電気的、光学的、又は電磁的信号である。
【0085】
コンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、スクリプト、又はコードとしても知られている)は、コンパイル又は解釈言語を含む任意の形態のプログラミング言語で書くことができると共に、スタンドアローンプログラムとして、或いはモジュール、コンポーネント、サブルーチン、又はコンピューティング環境に使用するのに適した他のユニットとして、任意の形態で配備することができる。コンピュータプログラムは、必ずしも、ファイルシステムにおけるファイルに対応しない。プログラムは、他のプログラム又はデータを保持するファイルの一部分に記憶することもできるし(例えば、マークアップ言語ドキュメントに記憶される1つ以上のスクリプト)、当該プログラム専用の単一ファイルに記憶することもできるし、或いは複数の整合されたファイルに記憶することもできる(例えば、1つ以上のモジュール、サブプログラム、又はコードの部分を記憶するファイル)。コンピュータプログラムは、1つのサイトに位置されるか複数のサイトにわたって分布され且つ通信ネットワークによって相互接続される1つのコンピュータ又は複数のコンピュータにおいて実行されるように配備することができる。
【0086】
本書で述べたプロセス及び論理フローは、入力データに作用して出力を発生することにより機能を遂行する1つ以上のコンピュータプログラムを実行する1つ以上のプログラマブルプロセッサにより遂行することができる。又、プロセス及び論理フローは、例えば、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)又はASIC(特定用途向け集積回路)のような特殊目的論理回路によって遂行することもできるし、そのような特殊目的論理回路として装置を具現化することもできる。
【0087】
コンピュータプログラムを実行するのに適したプロセッサは、例えば、汎用及び特殊目的の両マイクロプロセッサと、任意の種類のデジタルコンピュータの1つ以上のプロセッサを含む。一般的に、プロセッサは、リードオンリメモリ、ランダムアクセスメモリ又はその両方からインストラクション及びデータを受け取る。コンピュータの本質的な要素は、インストラクションを遂行するためのプロセッサと、インストラクション及びデータを記憶するための1つ以上のメモリ装置である。一般的に、コンピュータは、データを記憶するための1つ以上の大量記憶装置、例えば、磁気、磁気光学ディスク、又は光学ディスクも備え、或いはそこからデータを受け取り又はそこへデータを転送するように作動的に結合され、或いはその両方である。しかしながら、コンピュータは、このような装置を有する必要はない。コンピュータプログラムインストラクション及びデータを記憶するのに適したコンピュータ読み取り可能な媒体は、全ての形態の不揮発性メモリ、媒体及びメモリ装置を含み、例えば、半導体メモリデバイス、例えば、EPROM、EEPROM、及びフラッシュメモリデバイス;磁気ディスク、例えば、内部ハードディスク又は取り外し可能なディスク;磁気光学ディスク;並びにCD ROM及びDVD−ROMディスクを含む。プロセッサ及びメモリは、特殊目的の論理回路によって捕捉することができ、又、そのような論理回路に合体することもできる。
【0088】
ユーザと対話するために、ここに開示した実施形態は、ユーザに情報を表示するためのディスプレイ装置、例えば、CRT(陰極線管)又はLCD(液晶ディスプレイ)モニタと、ユーザがコンピュータへ入力を与えることができるようにするキーボード及びポインティング装置、例えば、マウス又はトラックボールと、を有するコンピュータにおいて具現化することができる。ユーザと対話するために他の種類の装置を使用することもでき、例えば、ユーザに与えるフィードバックは、例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、又は触覚フィードバックのような感覚フィードバックの形態であり、そしてユーザからの入力は、音響、スピーチ、又は触覚入力を含む任意の形態で受け取ることができる。
【0089】
ここに開示した実施形態は、例えば、データサーバーのようなバックエンドコンポーネントを含むか、例えば、アプリケーションサーバーのようなミドルウェアコンポーネントを含むか、又はここに開示した具現化でユーザと対話できるようにするグラフィックユーザインターフェイス又はウェブブラウザを有するクライアントコンピュータのようなフロントエンドコンポーネントを含むか、或いは1つ以上のこのようなバックエンド、ミドルウェア又はフロントエンドコンポーネントの組み合わせを含むコンピューティングシステムにおいて具現化することができる。システムのこれらコンポーネントは、任意の形態のデジタルデータ通信媒体、例えば、通信ネットワークによって相互接続することができる。通信ネットワークは、例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)、及びワイドエリアネットワーク(WAN)、例えば、インターネットを含む。
【0090】
コンピューティングシステムは、クライアント及びサーバーを含むことができる。クライアント及びサーバーは、一般的に、互いに離れており、典型的に、通信ネットワークを通して対話する。クライアントとサーバーとの関係は、各コンピュータ上で実行されて互いにクライアント/サーバー関係を有するコンピュータプログラムにより生じる。
【0091】
本明細書は、多数の細目を含むが、これらは、請求の範囲を限定するものと解釈されてはならず、特定の実施形態に特有の特徴の説明として解釈すべきである。個別の実施形態に関して本明細書に述べた幾つかの特徴は、1つの実施形態において組み合わせて具現化することもできる。逆に、1つの実施形態に関して述べた種々の特徴は、複数の実施形態に別々に、又は適当な準組み合わせで具現化することもできる。更に、それらの特徴は、ある組み合わせで作用するように説明され、最初にそのように請求されるが、請求された組合せからの1つ以上の特徴を、ある場合には、その組み合わせから削除することができ、且つ請求された組み合わせを準組み合わせ又は準組み合わせの変形へと向けることもできる。
【0092】
同様に、オペレーションは、特定の順序で図示されたが、望ましい結果を達成するために、そのようなオペレーションを図示された特定の順序又は逐次の順序で遂行すること、或いは図示された全てのオペレーションを遂行すること、が必要であると理解されてはならない。ある環境では、マルチタスク及びパラレル処理が好都合である。更に、上述した実施形態における種々のシステムコンポーネントの分離は、全ての実施形態においてそのような分離を必要とすると理解されてはならず、且つ上述したプログラムコンポーネント及びシステムは、一般的に、1つのソフトウェア製品に一緒に一体化することもできるし、又は複数のソフトウェア製品にパッケージすることもできることを理解されたい。
【0093】
本明細書に述べた要旨の特定の実施形態を説明した。特許請求の範囲では他の実施形態も考えられる。例えば、請求項に述べるアクションは、異なる順序で遂行されても、望ましい結果を達成することができる。一例として、添付図面に示したプロセスは、望ましい結果を達成するために、図示された特定の順序、又は逐次の順序を必ずしも必要としない。ある実施形態では、マルチタスク及びパラレル処理が効果的である。
【符号の説明】
【0094】
100:移動装置
102:タッチ感知ディスプレイ
104、106:ディスプレイオブジェクト
118:メニューバー
120:ボタン
144:マップオブジェクト
160:スピーカ
162:マイクロホン
164:スピーカ
166:オーディオジャック
168:接近センサ
170:周囲光センサ
172:加速度計
180:カメラレンズ及びセンサ
182:オン/オフボタン
190:ポート装置
214:ワイドエリアネットワーク
216:ゲートウェイ
218:アクセス装置
202b:コンテンツ
230:ナビゲーションサービス
240:メッセージングサービス
250:メディアサービス
260:同期サービス
270:アクチベーションサービス
302:メモリインターフェイス
304:プロセッサ
306:周辺インターフェイス
310:モーションセンサ
312:光センサ
314:接近センサ
316:他のセンサ
320:カメラサブシステム
324:ワイヤレス通信サブシステム
326:オーディオサブシステム
340:I/Oサブシステム
342:タッチスクリーンコントローラ
344:他の入力コントローラ
346:タッチスクリーン
348:他の入力/制御装置
350:メモリ
352:オペレーティングシステムインストラクション
354:通信インストラクション
356:GUIインストラクション
358:センサ処理インストラクション
360:電話インストラクション
362:電子メッセージングインストラクション
364:ウェブブラウジングインストラクション
366:メディア処理インストラクション
368:GPS/ナビゲーションインストラクション
370:カメラインストラクション
372:他のソフトウェアインストラクション
374:アクチベーションレコード/IMEI

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の送信器から移動装置で受信された各信号の検出電力を指示する電力情報を得るステップと、
少なくともその得られた電力情報を使用して、移動装置がその対応位置にある確率を各々指示する各確率値を複数の位置に対して決定するステップと、
少なくとも一部分はその決定された確率値に基づき移動装置の推定位置を識別するステップと、
を備えた方法。
【請求項2】
確率値を決定し推定位置を識別する前記ステップは、
少なくとも一部分はその得られた電力情報に基づき統計学的モデルを生成する段階と、
その生成された統計学的モデルを適用する地理的領域を選択する段階と、
その選択された地理的領域内で、各々の確率値が対応位置に関連していると識別されるところの複数の位置をランダムに又は擬似ランダムに選択する段階と、
を含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
移動装置の以前の位置が登録されたことを決定する段階を更に含み、前記地理的領域は、その登録された以前の位置を考慮して選択される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
複数の送信器の中で、得られた電力情報に基づき最も強い信号を有する第1の送信器を決定する段階を更に含み、前記地理的領域は、その決定された第1送信器の位置を考慮して選択される、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
複数の以前の位置の決定が遂行され、前記方法は、以前の位置の決定のうち最も最近のものに対してエラー推定を発生する段階を更に含み、前記地理的領域は、その発生されたエラー推定を考慮して選択される、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記統計学的モデルは、確率値を決定する際に、少なくとも1つの項を追加して考慮するように構成される、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記複数の送信器の各々に対して、移動装置が各送信器から距離dにある条件付き確率が対数正規分布をたどることを反映する項を前記統計学的モデルに追加し、対数正規分布の平均及び標準偏差は、各送信器の電力の関数である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
既知の位置に関する信号強度情報を含むトレーニングデータセットを得る段階と、
その得られたトレーニングデータセットを使用して前記平均及び標準偏差に対する関数を推定する段階と、
を更に含む請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記複数の送信器の各対に対して、移動装置が複数の送信器の対を結ぶ線上の点から距離dにある条件付き確率が対数正規分布をたどることを反映する項を前記統計学的モデルに追加し、その平均及び標準偏差は、各2つの送信器の電力の関数である、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
既知の位置に関する信号強度情報を含むトレーニングデータセットを得る段階と、
その得られたトレーニングデータセットを使用して前記平均及び標準偏差に対する関数を推定する段階と、
を更に含む請求項9に記載の方法。
【請求項11】
移動装置に対して以前に推定された位置を得る段階と、
移動装置がその以前に推定された位置から距離dにある条件付き確率がその以前に推定された位置の周りで半径方向に対称的なガウス分布をたどることを反映する項を統計学的モデルに追加する段階と、
を含む請求項6に記載の方法。
【請求項12】
前記半径方向に対称的なガウス分布の標準偏差は、エラー推定と、以前に推定された位置がどれほど最近に識別されたかに関する情報とに基づく、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
複数の位置のうちの少なくとも1つに関する地理的情報を得る段階と、
その得られた地理的情報に基づいて前記統計学的モデルに項を追加する段階と、
を含む請求項6に記載の方法。
【請求項14】
前記地理的情報は、ある位置に向けて他の位置に勝るバイアスを与える、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
推定位置を識別する前記ステップは、移動装置が対応位置にある最も高い確率に関連した前記決定された確率値の1つを選択する段階を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
推定位置を識別する前記ステップは、
前記決定された確率値に基づいてセントロイド位置を決定する段階と、
その決定されたセントロイド位置を前記推定位置として選択する段階と、
を含む請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記推定位置を識別するために付加的な電力情報が要求されることを決定するステップと、
前記推定位置の識別をある期間だけ延期するステップと、
付加的な電力情報を収集するステップと、
を備え、前記移動装置の推定位置は、前記付加的な電力情報にも基づいて識別される、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
有形のプログラムキャリアにエンコードされ、ポータブル装置が、
複数の送信器から移動装置で受信された各信号の検出電力を指示する電力情報を得、
少なくともその得られた電力情報を使用して、移動装置がその対応位置にある確率を各々指示する各確率値を複数の位置に対して決定し、
少なくとも一部分はその決定された確率値に基づき移動装置の推定位置を識別する、
ことを含むオペレーションを遂行するようにさせるよう動作できるコンピュータプログラム製品。
【請求項19】
複数の送信器から移動装置で受信された各信号の検出電力を指示する電力情報を含むプロセッサアクセス可能な媒体と、
1)少なくともその得られた電力情報を使用して、移動装置がその対応位置にある確率を各々指示する各確率値を複数の位置に対して決定し、及び2)少なくとも一部分はその決定された確率値に基づき移動装置の推定位置を識別する位置推定器と、
を備えた移動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2011−525234(P2011−525234A)
【公表日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−509530(P2011−509530)
【出願日】平成21年4月21日(2009.4.21)
【国際出願番号】PCT/US2009/041298
【国際公開番号】WO2009/140031
【国際公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
2.Linux
3.UNIX
4.WINDOWS
【出願人】(503260918)アップル インコーポレイテッド (568)
【Fターム(参考)】