説明

低欠陥の一体型窓を有する化学機械研磨パッド

【課題】プラグ−イン−プレース窓に伴う漏出の問題、及び一体型窓に伴う研磨の欠陥問題を軽減する化学機械研磨パッドを提供する。
【解決手段】研磨面と一体型窓とを有する研磨層を含む化学機械研磨パッドであって;一体型窓が研磨層に一体化されており;一体型窓が硬化剤とイソシアナート末端プレポリマーポリオールとのポリウレタン反応生成物であり;イソシアナート末端プレポリマーポリオール中に含まれる未反応NCO部分と反応して一体型窓を形成する硬化性アミン部分を硬化剤が含み;硬化剤およびイソシアナート末端プレポリマーポリオールが、アミン部分:未反応NCO部分の化学量論量比1:1〜1:1.25で提供され;一体型窓が0.1容積%未満の空隙率を有しており;一体型窓が5〜25%の圧縮永久歪みを示す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、化学機械研磨の分野に関する。特に、本発明は、低欠陥の一体型窓を有する化学機械研磨パッドに関する。本発明は、低欠陥の一体型窓を有する化学機械研磨パッドを用いて、基体を化学機械研磨する方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
集積回路および他の電子デバイスの製造においては、導体物質、半導体物質、および誘電体物質の複数の層が、半導体ウェハの表面上に堆積されるかまたは半導体ウェハの表面から除かれる。導体物質、半導体物質および誘電体物質の薄層が、多くの堆積技術によって堆積させられ得る。現在の処理における一般的な堆積技術には、スパッタリングとしても知られている物理蒸着(PVD)、化学蒸着(CVD)、プラズマ援用化学蒸着(PECVD)および電気化学めっき(ECP)が挙げられる。
【0003】
物質の層は逐次的に堆積され、除去されるので、ウェハの最上面は平坦でなくなる。その後の半導体処理(例えば、金属化)はウェハが平坦な表面を有することを必要とするので、このウェハは平坦化されることを必要とする。平坦化は望まれない表面形状および表面欠陥、例えば、粗い表面、凝集した物質、結晶格子損傷、ひっかき傷、および汚染された層または物質などを除去するのに有用である。
【0004】
化学機械平坦化または化学機械研磨(CMP)は半導体ウェハのような基体を平坦化するのに使用される一般的な技術である。従来のCMPにおいては、ウェハはキャリアアセンブリー上にマウントされ、CMP装置における研磨パッドと接触するように配置される。このキャリアアセンブリーはウェハに制御可能な圧力をかけて、それを研磨パッドに押し付ける。このパッドは、外部の駆動力によってウェハに対して動かされ(例えば、回転させられ)る。これと同時に、化学組成物(スラリー)または他の研磨溶液がウェハと研磨パッドとの間に供給される。よって、パッド表面およびスラリーの化学的および機械的作用によって、ウェハ表面は研磨され平坦化される。
【0005】
化学機械研磨に伴われる1つの課題は、いつの時点で基体が所望の程度まで研磨されたかを決定することである。研磨の終点を決定するためのその場での(in situ)方法が開発されてきた。このような方法の1つは、レーザーによって発生した光が基体寸法を測定するために使用される、レーザー干渉法を利用する。その結果、光学的方法によって基体の寸法特徴の決定を容易にするフィーチャーを有する化学機械研磨パッドが開発されてきた。例えば、米国特許第5,605,760号(特許文献1)は研磨パッドの少なくとも一部分が、ある範囲の波長にわたってレーザー光に対して透明である研磨パッドを開示する。ある実施形態においては、この研磨パッドは透明な窓区画をそのほかの不透明パッド中に含む。この窓区画は、成型された研磨パッド中の透明なポリマー物質の棒またはプラグであることができる。この棒またはプラグは研磨パッド内で挿入成形されることができるか(すなわち、一体型窓)、または成形操作後に研磨パッドにおける切り込みに挿入されうる(すなわち、プラグ−イン−プレース(plug−in−place)窓)。
【0006】
プラグ−イン−プレース窓を含む従来の化学機械研磨パッドは、そのプラグ−イン−プレース窓と化学機械研磨パッドの他の部分との間の境界において、研磨媒体の漏出をもたらす傾向がある。この研磨媒体の漏出物は研磨層、介在層またはサブパッド層に浸透する場合があり、研磨層の圧縮性の領域による相違をもたらし、結果的に、研磨の欠陥を増大させうる。この研磨媒体の漏出物は研磨パッドを通って浸透する場合があり、研磨装置に損傷を生じさせる場合もある。
【0007】
時間の経過と共に窓が研磨パッドから外側に膨らみ、そのパッドの使用が研磨の欠陥(例えば、研磨される基体のひっかき傷)を生じさせるので、一体型窓を含む従来の化学機械研磨パッドはプラグ−イン−プレース窓と比較して研磨の欠陥を増大させる傾向がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第5,605,760号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
よって、従来プラグ−イン−プレース窓に伴われていた漏出の問題および従来の一体型窓に伴われていた研磨の欠陥問題を軽減する窓を有する改良された化学機械研磨パッドが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一形態においては、研磨面と一体型窓とを有する研磨層を含む化学機械研磨パッドであって;一体型窓が研磨層に一体化されており;一体型窓が硬化剤とイソシアナート末端プレポリマーポリオールとのポリウレタン反応生成物であり;イソシアナート末端プレポリマーポリオール中に含まれる未反応NCO部分と反応して一体型窓を形成する硬化性アミン部分を硬化剤が含み;硬化剤およびイソシアナート末端プレポリマーポリオールが、アミン部分:未反応NCO部分の化学量論量比1:1〜1:1.25で提供され;一体型窓が0.1容積%未満の空隙率を有しており;一体型窓が5〜25%の圧縮永久歪みを示し;研磨面が、磁性基体、光学基体および半導体基体から選択される基体を研磨するのに適合されている;化学機械研磨パッドが提供される。
【0011】
本発明の別の形態においては、プラテンを有する化学機械研磨装置を提供し;磁性基体、光学基体および半導体基体から選択される少なくとも1種の基体を提供し;研磨層を有する化学機械研磨パッドであって、研磨層はその中に形成された一体型窓を含み、一体型窓が5〜25%の圧縮永久歪みを示す、化学機械研磨パッドを選択し;プラテンに化学機械研磨パッドを取り付け;並びに、研磨層の研磨面で前記少なくとも1種の基体を研磨する;ことを含む、磁性基体、光学基体および半導体基体から選択される基体を化学機械研磨する方法が提供される。
【0012】
本発明の別の形態においては、プラテンを有する化学機械研磨装置を提供し;磁性基体、光学基体および半導体基体から選択される少なくとも1種の基体を提供し;請求項1に従った化学機械研磨パッドを選択し;プラテンに化学機械研磨パッドを取り付け;並びに、研磨層の研磨面で前記少なくとも1種の基体を研磨する;ことを含む、磁性基体、光学基体および半導体基体から選択される基体を化学機械研磨する方法が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書および特許請求の範囲において使用される場合、用語「研磨媒体」は、粒子含有研磨溶液および粒子非含有研磨溶液、例えば、研磨剤非含有および反応性液体研磨溶液を包含する。
【0014】
本明細書および特許請求の範囲において使用される場合、用語「ポリ(ウレタン)」は、(a)(i)イソシアナートと(ii)ポリオール(ジオールなど)との反応から形成されるポリウレタン;および(b)(i)イソシアナートと(ii)ポリオール(ジオールなど)および(iii)水、アミン(ジアミンおよびポリアミンなど)、または水およびアミン(ジアミンおよびポリアミンなど)の組み合わせとの反応から形成されるポリ(ウレタン)を包含する。
【0015】
本発明の化学機械研磨パッドは、研磨面および一体型窓(integral window)を有する研磨層を含み;この一体型窓は研磨層に一体化されており;この一体型窓は硬化剤とイソシアナート末端プレポリマーポリオールとのポリウレタン反応生成物であり;イソシアナート末端プレポリマーポリオール中に含まれる未反応NCO部分と反応して一体型窓を形成する硬化性アミン部分を硬化剤が含み;硬化剤およびイソシアナート末端プレポリマーポリオールは、アミン部分:未反応NCO部分の化学量論量比1:1〜1:1.25で提供され;一体型窓は10.0容積%未満、好ましくは0.1容積%未満、より好ましくは0.000001から0.1容積%未満、さらにより好ましくは0.000001から0.9容積%未満、最も好ましくは0.000001〜0.05容積%の空隙率を有しており;一体型窓は5〜25%、好ましくは5〜20%、より好ましくは5〜15%、さらにより好ましくは5〜10%、最も好ましくは5〜8%の永久圧縮歪みを示し;研磨面は、磁性基体、光学基体および半導体基体から選択される基体を研磨するのに適合されている。
【0016】
好ましくは、硬化剤およびイソシアナート末端プレポリマーポリオールは、NH:未反応NCOの化学量論量比1:1〜1:1.25、好ましくは1:1〜1:1.15、より好ましくは1:1〜1:1.10を与えるのに適切な比率で提供される。この化学量論量は、この化学量論量レベルの原料を提供することにより直接達成されうるか、またはNCOの幾分かを、故意に水と反応させることによりもしくは付随的な水分に曝露することにより間接的に達成されうる。
【0017】
イソシアナート末端プレポリマーポリオールには、例えば、ポリオールと多官能性芳香族イソシアナートとの反応生成物が挙げられる。好適なポリオールには、例えば、ポリエーテルポリオール;ポリカーボナートポリオール;ポリエステルポリオール;ポリカプロラクトンポリオール;エチレングリコール;1,2−プロピレングリコール;1,3−プロピレングリコール;1,2−ブタンジオール;1,3−ブタンジオール;2−メチル−1,3−プロパンジオール;1,4−ブタンジオール;ネオペンチルグリコール;1,5−ペンタンジオール;3−メチル−1,5−ペンタンジオール;1,6−ヘキサンジオール;ジエチレングリコール;ジプロピレングリコール;トリプロピレングリコールおよびこれらの混合物が挙げられる。好ましいポリオールには、ポリテトラメチレンエーテルグリコール[PTMEG];ポリプロピレンエーテルグリコール[PPG];エステルベースのポリオール(例えば、エチレンまたはブチレンアジペート);これらのコポリマー並びにこれらの混合物が挙げられる。好適な多官能性芳香族イソシアナートには、2,4−トルエンジイソシアナート;2,6−トルエンジイソシアナート;4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート;ナフタレン−1,5−ジイソシアナート;トリジンジイソシアナート;パラ−フェニレンジイソシアナート;キシリレンジイソシアナートおよびこれらの混合物が挙げられる。好ましくは、多官能性芳香族イソシアナートは、20重量パーセント未満、より好ましくは15重量パーセント未満、より好ましくは12重量パーセント未満の脂肪族イソシアナート、例えば、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアナート;イソホロンジイソシアナートおよびシクロヘキサンジイソシアナートを含む。好ましくはイソシアナート末端プレポリマーポリオールは8.75〜9.40重量%、好ましくは8.90〜9.30重量%、より好ましくは9.00〜9.25重量%の未反応NCO部分を含む。好ましくは、イソシアナート末端プレポリマーポリオールはイソシアナート末端ポリテトラメチレンエーテルグリコールを含む。より好ましくは、イソシアナート末端プレポリマーポリオールは、イソシアナート末端ポリテトラメチレンエーテルグリコールを含み;このイソシアナート末端プレポリマーポリテトラメチレンエーテルグリコールは8.90〜9.30重量%の未反応NCO部分を含む。最も好ましくは、イソシアナート末端プレポリマーポリオールはイソシアナート末端ポリテトラメチレンエーテルグリコールを含み;このイソシアナート末端プレポリマーポリテトラメチレンエーテルグリコールは9.00〜9.25重量%の未反応NCO部分を含む。
【0018】
硬化剤には、例えば、4,4’−メチレン−ビス−o−クロロアニリン[MBCA]、4,4’−メチレン−ビス−(3−クロロ−2,6−ジエチルアニリン)[MCDEA];ジメチルチオトルエンジアミン;トリメチレングリコール ジ−p−アミノベンゾアート;ポリテトラメチレンオキシド ジ−p−アミノベンゾアート;ポリテトラメチレンオキシド モノ−p−アミノベンゾアート;ポリプロピレンオキシド ジ−p−アミノベンゾアート;ポリプロピレンオキシド モノ−p−アミノベンゾアート;1,2−ビス(2−アミノフェニルチオ)エタン;4,4’−メチレン−ビス−アニリン;ジエチルトルエンジアミン;5−tert−ブチル−2,4−トルエンジアミン;3−tert−ブチル−2,6−トルエンジアミン;5−tert−アミル−2,4−トルエンジアミン;3−tert−アミル−2,6−トルエンジアミン;クロロトルエンジアミンおよびこれらの混合物が挙げられる。好ましくは硬化剤はMBCAである。
【0019】
一体型窓を製造する場合に、原料および化学量論量は好ましくは、生じる一体型窓物質が、70℃、22時間で、ASTM D395−03メソッドAに従って計算して、5〜25%、より好ましくは5〜20%、さらにより好ましくは5〜15%、さらにより好ましくは5〜10%、さらにより好ましくは5〜<10%、最も好ましくは5〜8%の永久圧縮歪み(compression set)を示すように選択される。場合によっては、プレポリマーの使用を回避する単一の混合工程を用いて、ウレタンポリマーベースの一体型窓を製造することができる。
【0020】
一体型窓は好ましくは、20〜70%、20〜50%、および30〜50%から選択される範囲の、670nmの波長の光についての光透過性を示す。
【0021】
本発明の化学機械研磨パッドは、場合によっては、研磨層に取り付けられたベース層をさらに含む。研磨層は場合によっては、接着剤を用いてベース層に接着され得る。接着剤は、感圧接着剤、ホットメルト接着剤、コンタクト(contact)接着剤およびこれらの組み合わせから選択されうる。ある実施形態においては、接着剤はホットメルト接着剤である。ある実施形態においては、接着剤はコンタクト接着剤である。ある実施形態においては、接着剤は感圧接着剤である。
【0022】
本発明の化学機械研磨パッドは、場合によっては、研磨層とベース層との間に挿入され、研磨層およびベース層に取り付けられた少なくとも1つの追加の層、並びにベース層を含む。様々な層が、場合によって、接着剤を用いて一緒に接着されうる。この接着剤は感圧接着剤、ホットメルト接着剤、コンタクト接着剤およびこれらの組み合わせから選択されうる。ある実施形態においては、接着剤はホットメルト接着剤である。ある実施形態においては、接着剤はコンタクト接着剤である。ある実施形態においては、接着剤は感圧接着剤である。
【0023】
本発明の化学機械研磨パッドは好ましくは研磨装置のプラテンに取り付けられる様に適合される。本発明の化学機械研磨パッドは、場合によって、感圧接着剤および真空の少なくとも一方を用いてプラテンに固定されるように適合される。
【0024】
本発明の化学機械研磨パッドの研磨層の研磨面は、基体の研磨を容易にするために、場合によっては、マクロテクスチャーおよびミクロテクスチャーの少なくとも一方を示す。好ましくは、研磨面がマクロテクスチャーを示し、このマクロテクスチャーは少なくとも1つのハイドロプレーニングを軽減し;研磨媒体流れに影響を及ぼし;研磨層の剛性を改変し;エッジ効果を低減させ;および研磨面と基体との間の領域から研磨デブリを移送して除くことを容易にするように設計される。
【0025】
本発明の化学機械研磨パッドの研磨層の研磨面は、場合によっては、穿孔および溝の少なくとも1つから選択されるマクロテクスチャーを示す。場合によっては、穿孔は研磨面部分の道またはその道の全てから、研磨層の厚みを貫通して伸びることができる。場合によっては、研磨中のパッドの回転の際に、少なくとも1つの溝が基体上をスイープするように、溝が研磨面上に配置される。場合によっては、カーブした溝、直線状の溝およびこれらの組み合わせから選択される。溝は場合によっては、10ミル以上、好ましくは10〜150ミルの深さを示す。場合によって、溝は、10ミル以上、15ミル以上、および15〜150ミルから選択される深さと;10ミル以上、10〜100ミルから選択される幅と;30ミル以上、50ミル以上、50〜200ミル、70〜200ミル、および90〜200ミルから選択されるピッチとの組み合わせを有する少なくとも2つの溝を有する溝パターンを形成する。
【0026】
本発明の、磁性基体、光学基体および半導体基体から選択される基体の化学機械研磨方法は、プラテンを有する化学機械研磨装置を提供し;磁性基体、光学基体および半導体基体から選択される少なくとも1種の基体を提供し;研磨層を有する化学機械研磨パッドであって、研磨層はその中に形成された一体型窓を含んでおり、一体型窓が5〜25%、好ましくは5〜20%、より好ましくは5〜15%、さらにより好ましくは5〜10%、さらにより好ましくは5〜8%の圧縮永久歪みを示す、化学機械研磨パッドを選択し;プラテンに化学機械研磨パッドを取り付け;並びに、研磨層の研磨面で前記少なくとも1種の基体を研磨する:ことを含む。好ましくは、本発明の化学機械研磨パッドにおける一体型窓は、40℃の研磨温度で10時間基体を研磨した後、研磨面において、研磨層から50μ以下、より好ましくは0〜50μm、最も好ましくは0〜40μm外側に膨らむ。
【0027】
本発明のいくつかの実施形態が以下の実施例において詳細に説明される。
【実施例】
【0028】
窓ブロック
一体型窓として化学機械研磨層に一体化するために、窓ブロックが次のように製造された。表1に示されるような様々な量の硬化剤(すなわち、MBCA)およびイソシアナート末端プレポリマーポリオール(すなわち、ケムツラ(Chemtura)から入手可能なL325)が混合され、型に入れられた。この型の内容物は次いで、オーブン中で18時間硬化された。オーブンの設定温度は、最初の20分間については93℃;次の15時間40分については104℃;次いで、最後の2時間で21℃に低下させた。次いで、従来の手段による研磨パッドケーキへの組み込みを容易にするために、窓ブロックが切断されてプラグにされた。
【0029】
【表1】

【0030】
圧縮永久歪み試験
上述のように製造された窓ブロック物質のサンプルが、ASTM方法D395−03メソッドAに示された手順に従って試験され、圧縮永久歪みを決定した。その試験の結果が表2に示される。
【0031】
【表2】

【0032】
研磨試験
研磨パッド
同じ研磨層配合物が使用されて、(a)NH対NCO化学量論量比0.78:1.00を有する上記表1に記載された窓比較1に従って、従来の一体型窓組成物を有する対照の研磨パッド、および(b)NH対NCO化学量論量比1:1.05を有する上記表1に記載された実施例3に従って、本発明の一体型窓組成物を有する研磨パッドを製造した。従来の窓配合物を有する対照の研磨パッドおよび本発明の窓配合物を有する研磨パッドは両方とも、50ミルの厚みであり、15ミルの深さの環状溝を有していた。研磨層配合物は両方とも、ロームアンドハースエレクトロニックマテリアルズCMPインコーポレイテッドから入手可能なSubaIV商標サブパッド物質上に積層された。
【0033】
研磨条件
アプライドマテリアルズミラ(Applied Materials Mirra登録商標)200mm研磨剤および上述の研磨パッドを用いて銅ブランケットウェハが研磨された;20.7kPaの研磨押し付け力;化学機械研磨組成物(エポックマテリアルカンパニーリミテッド(Epoch Material Co.,Ltd)から入手可能なEPL2361)および200ml/分の流速;93rpmのテーブル回転速度;87rpmのキャリア回転速度;キニク ディアグリッド(Kinik Diagrid登録商標)AD3CG181060コンディショナー、完全なその場でのコンディショニング、48.3kPaのコンディショニング押し付け力、および62.1kPaの押し付け力の中断での20分間のコンディショニングの中断、続いて10分間の、48.3kPaの押し付け力での中断。銅ブランケットウェハ上のひっかき傷の計数は、パターン形成されていないウェハ表面については、KLA テンコル(Tencor)SP−1検査装置を用いて、研磨の0時間後、2.5時間後、5時間後、7.5時間後および10時間後に決定された。これらのひっかき傷計数検査の結果は表3に示される。
【0034】
【表3】

【0035】
窓の膨らみ
示された研磨条件下で10時間の連続ウェハ研磨の後で、研磨面での一体型窓プロファイルを測定し、研磨面から窓の外側への膨らみの程度を決定した。窓比較1の一体型窓物質は、100μmより大きな平均膨らみを示したが、実施例3の一体型窓物質は40μm未満の平均膨らみを示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
研磨面と一体型窓とを有する研磨層を含む化学機械研磨パッドであって;
一体型窓が研磨層に一体化されており;
一体型窓が硬化剤とイソシアナート末端プレポリマーポリオールとのポリウレタン反応生成物であり;
イソシアナート末端プレポリマーポリオール中に含まれる未反応NCO部分と反応して一体型窓を形成する硬化性アミン部分を硬化剤が含み;
硬化剤およびイソシアナート末端プレポリマーポリオールが、アミン部分:未反応NCO部分の化学量論量比1:1〜1:1.25で提供され;
一体型窓が0.1容積%未満の空隙率を有しており;
一体型窓が5〜25%の圧縮永久歪みを示し;
研磨面が、磁性基体、光学基体および半導体基体から選択される基体を研磨するのに適合されている;
化学機械研磨パッド。
【請求項2】
一体型窓が研磨面に対して平行な面で楕円形の断面を有する、請求項1に記載の化学機械研磨パッド。
【請求項3】
イソシアナート末端プレポリマーポリオールがイソシアナート末端ポリテトラメチレンエーテルグリコールを含む、請求項1に記載の化学機械研磨パッド。
【請求項4】
イソシアナート末端プレポリマーポリオールが8.75〜9.40重量%の未反応NCO部分を含む、請求項1に記載の化学機械研磨パッド。
【請求項5】
イソシアナート末端ポリテトラメチレンエーテルグリコールが9.00〜9.25重量%の未反応NCO部分を含む、請求項3に記載の化学機械研磨パッド。
【請求項6】
一体型窓が、670nmで20〜50%の光透過性を示す、請求項1に記載の化学機械研磨パッド。
【請求項7】
プラテンを有する化学機械研磨装置を提供し;
磁性基体、光学基体および半導体基体から選択される少なくとも1種の基体を提供し;
請求項1に記載の化学機械研磨パッドを選択し;
プラテンに化学機械研磨パッドを取り付け;並びに、
研磨層の研磨面で前記少なくとも1種の基体を研磨する;
ことを含む、磁性基体、光学基体および半導体基体から選択される基体を化学機械研磨する方法。
【請求項8】
プラテンを有する化学機械研磨装置を提供し;
磁性基体、光学基体および半導体基体から選択される少なくとも1種の基体を提供し;
研磨層を有する化学機械研磨パッドであって、研磨層はその中に形成された一体型窓を含み、一体型窓が5〜25%の圧縮永久歪みを示す、化学機械研磨パッドを選択し;
プラテンに化学機械研磨パッドを取り付け;並びに、
研磨層の研磨面で前記少なくとも1種の基体を研磨する;
ことを含む、磁性基体、光学基体および半導体基体から選択される基体を化学機械研磨する方法。
【請求項9】
10時間基体を研磨した後で、研磨面において、一体型窓が研磨層から外側に50μm以下膨らんでいる、請求項7に記載の方法。

【公開番号】特開2012−4335(P2012−4335A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−137935(P2010−137935)
【出願日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【出願人】(504089426)ローム アンド ハース エレクトロニック マテリアルズ シーエムピー ホウルディングス インコーポレイテッド (125)
【Fターム(参考)】