説明

低脂血、低コレステロール血活性を有する新規化合物、それらの製造方法ならびにそれらを含有する製剤組成物

【課題】新規の置換ピロール化合物、それらの誘導体、それらの類似体、それらの互変異性形態、それらの立体異性体、それらの多形体、それらの製薬上許容可能な塩、それらの製薬上許容可能な溶媒和物およびそれらを含有する製薬上許容可能な組成物の提供。
【解決手段】本発明は特に、以下の一般式(I):


の新規の置換ピロール化合物、それらの類似体、それらの誘導体、それらの多形体、それらの互変異性形態、それらの製薬上許容可能な塩、それらの製薬上許容可能な溶媒和物、それらを含有する製剤組成物に関する。本発明は、このような化合物の製造方法、このような化合物を含有する組成物、ならびに医療におけるこのような化合物および組成物の使用にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
産業上の利用分野
本発明は、新規の低脂血および低コレステロール血性化合物、それらの誘導体、それらの類似体、それらの互変異性形態、それらの立体異性体、それらの多形体、それらの製薬上許容可能な塩、それらの製薬上許容可能な溶媒和物およびそれらを含有する製薬上許容可能な組成物に関する。
【0002】
【化1】

【0003】
特に本発明は、一般式(I)の新規のβ−アリール−α−置換プロパン酸、それらの誘導体、それらの類似体、それらの互変異性形態、それらの立体異性体、それらの多形体、それらの製薬上許容可能な塩、それらの製薬上許容可能な溶媒和物、それらを含有する製薬上許容可能な組成物、それらの調製、それらの調製における新規中間体ならびに医療におけるこれらの化合物の使用に関する。
【0004】
本発明は、前記の新規化合物、それらの誘導体、それらの類似体、それらの互変異性形態、それらの立体異性体、それらの多形体、それらの製薬上許容可能な塩、それらの製薬上許容可能な溶媒和物、新規中間体およびそれらを含有する製剤組成物の製造方法にも関する。
【0005】
一般式(I)の化合物は、総コレステロール(TC)、低密度リポタンパク質(LDL)、トリグリセリドおよび遊離脂肪酸を低下させ、そして高密度リポタンパク質を増大する。一般式(I)の化合物は、X症候群として類別される代謝性疾患の治療に有用である。X症候群の特有の特徴としては初期インスリン抵抗性が挙げられるがこれは高インスリン血症、異脂血症およびグルコース寛容減損をもたらし、これらは、糖尿病合併症を引き起こし得る高血糖により特性化される非インスリン依存性真性糖尿病(2型糖尿病)にさらに進行し得る。
【0006】
一般式(I)の化合物は、肥満症、高脂血症、高血糖症、特に2型糖尿病、高血圧症、心臓血管性疾患、特にアテローム硬化症のような疾患の治療および予防に有用である。さらに一般式(I)の化合物は、微小蛋白尿症の蛋白尿症への進行の防止または遅延のために、2型糖尿病と関連付けられ得る腎臓疾患、例えば糖尿病性腎症、糸球体腎炎、糸球体硬化症、ネフローゼ症候群、高血圧性腎硬化症および最終段階腎疾患を治療するのに有用である。本発明の化合物は、乾癬、多嚢胞性卵巣症候群、骨粗鬆症、炎症および炎症性腸疾患、動脈硬化症、黄色腫、膵臓性、筋緊張性ジストロフィー、内皮細胞活性化による障害ならびに高脂血症の治療および/または予防に有用である。本発明の化合物は、1つまたはそれ以上の低血糖薬、抗高血糖薬、低脂血薬、低リポタンパク質血薬、例えばスタチン、グリタゾン、スルホニル尿素、fibric acid誘導体、α−グリコシダーゼ阻害剤または酸化防止剤等と組合せてまたはそれらとともに前記の疾患の治療に有用である。
【背景技術】
【0007】
発明の背景
本発明は、低コレステロール血薬、低脂血薬、低リポタンパク質血薬、抗肥満薬および抗高血糖薬としての実用性を有する一般式(I)により表される化合物、それらの製造方法およびそれらの使用方法、ならびにそれらを含有する製剤組成物に関する。
【0008】
高脂血症は、アテローム硬化症による心臓血管性疾患を引き起こす場合の主危険因子として認識されてきた。アテローム硬化症およびその他のこのような末梢血管性疾患は、世界中の大人口のクオリティーオブライフに影響を及ぼす。治療中、心臓血管性疾患の発生を防止するための重要な過程として、上昇血漿コレステロール、低密度リポタンパク質および血漿トリグリセリドを下げることに重点が置かれる。アテローム硬化症および冠動脈疾患における病因の詳細は、RossおよびGlomset (New Engl. J. Med. 295, 369-377(1976))により考察されている。血漿コレステロールは一般に種々の血清リポタンパク質でエステル化され、そして多数の研究が血清HDL−コレステロール濃度と心臓血管性疾患との間の逆関係を示唆する。多数の研究が、LDLおよびVLDL−コレステロールレベル上昇による冠動脈疾患の発生の危険性増大を示している(Stampfer et al. N. Engl. J. Med. 325, 373-381 (1991))。他の研究においては、アテローム硬化症の進行に対するHDLの防御作用が説明されている。したがってHDLは、コレステロールのレベル増大に伴う疾患を治療する場合の決定的因子である(Miller et al. Br. Med. J. 282, 1741-1744 (1981); Picardo et al., Arteriosclerosis, 6, 434-441 (1986); Macikinnon et al., J. Biol. Chem. 261, 2548-2552 (1986))。
【0009】
糖尿病は大人口に影響を及ぼし、そしてこの症状は多数のその他の合併症と関連がある。通常は当該疾患は他の疾患症状、例えば肥満、高脂血症、高血圧およびアンギナと関連がある。不適正な治療がグルコース寛容減損およびインスリン抵抗性を悪化させて、明白な糖尿病をもたらし得るということは、十分に認識された事実である。目下、スルホンアミドおよびビグアニドは、インスリンとともに糖尿病の治療において選定される作用物質である。この療法に限定されるものとしては、昏睡を引き起こし得るあるいはいくつかの場合には死をもたらし得る軽症〜重症低血糖症が挙げられ、これらは主に不満足な血糖制御によるものである。近年、インスリン感作作用を有するチアゾリジンジオン種の薬剤が、その他の抗糖尿病剤、例えばトログリタゾン、ロシグリタゾンおよびピオグリタゾンと組合せて用いられている。これらは糖尿病の治療に有用であり、脂質代謝に影響を及ぼす。インスリン抵抗性および2型糖尿病を有する患者はしばしばトリグリセリド増大および低HDL−コレステロール濃度を示し、したがって心臓血管性疾患のより大きいな危険性を有する。チアゾリジンジオンは、腫瘍を誘導する能力を有し、そして肝不全をもたらし得る肝機能不全を引き起こすことが報告されている。目下、インスリン抵抗性、糖尿病および高脂血症を治療するために、安全且つ有効な薬剤が必要とされている。
【0010】
肥満は、罹患率および死亡率の増大に関連しているもう一つの主要健康問題である。それは代謝障害であり、この場合、余分量の脂肪が体内に蓄積される。肥満の病因は明らかでないが、しかし一般的特徴としては消費されるより余分のカロリー摂取が挙げられる。種々の療法、例えば食餌療法、運動療法、食欲抑制、脂肪吸収抑制等が、肥満と戦うために用いられてきた。しかしながら肥満は冠動脈性心疾患、卒中、糖尿病、痛風、変形性関節症、高脂血症および生殖能力低減といったようないくつかの疾患と密接に関連するので、この異常を治療するためのより効率的な療法の必要性は不可欠である。それは社会的および心理学的問題ももたらす。
【0011】
ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体(PPAR)は、ステロイド/レチノイド/甲状腺ホルモン受容体ファミリーの一成員である。PPAR∝、PPARγおよびPPARδは、PPARの亜型として同定されている。PPARγ活性化は、脂肪細胞分化の開始および調節(Endocrinology 135, 798-800 (1994))ならびにエネルギー恒常性(Cell, 83, 803-812 (1995))において中心的役割を演じることが見出された。脂肪細胞分化中、いくつかの高度特殊化タンパク質が誘導され、これが脂質貯蔵および代謝に関与する。しかしながら筋肉におけるPPARγ活性化からグルコース代謝の変化およびインスリン抵抗性の低減までの正確な連鎖は明らかになっていない。PPARαは脂肪酸のβ−酸化の刺激に関与し(Trends Endocrine. Metabolism, 4, 291-296 (1993))、血漿循環遊離脂肪酸低減を引き起こす(Current. Biol. 5, 618-621, 1995)。近年、脂肪細胞前駆体の終末分化におけるPPARγの役割が癌の治療と結び付けられてきた(Cell, 79, 1147-1156 (1994); Cell, 79, 377-389 (1996); Molecular Cell, 465-470, (1998); Carcinogenesis, 1949-1953 (1998); Pro. Natl. Acad. Sci., 94, 237-241 (1997); Cancer Research, 58, 3344-3352, (1998))。PPARγはある種の細胞中で一貫して発現されるため、PPARγアゴニストは非毒性化学療法をもたらす。
【0012】
レプチンは、レプチン受容体に結合された場合に、満腹信号を視床下部に送るのに関与する。したがってレプチン抵抗性は、過剰食物摂取、エネルギー消費量低減、肥満、グルコース寛容減損および糖尿病をもたらす。インスリン感作物質は血漿レプチン濃度を低下させることが報告されている(Pro. Natl. Acad. Sci. 93, 5793-5796, (1996); WO 98/02159)。
【0013】
PPARαアゴニストは、肥満の治療に有用であることが判明している(WO 97/36579)。二重PPARαおよびγアゴニストは、X症候群に関して有用であることが示唆されている(WO 97/25042)。PPARγアゴニストおよびHMG−CoAレダクターゼ阻害剤は相乗作用を示し、アテローム硬化症および黄色腫の治療における組合せの非有用性を示した(欧州特許第0753 298号)。
【0014】
多数の化合物が、高脂血症、高コレステロール血症および高血糖症の治療に有用であることが報告されている(米国特許第5,306,726号、米国特許第5,985,884号、米国特許第6,054,453号、欧州特許第90 3343号、PCT公告WO 91/19702、WO 94/01420、WO 94/13650、WO 95/03038、WO 95/17394、WO 96/04260、WO 96/04261、WO 96/33998、WO 97/25042、WO 97/36579、WO 98/28534、WO 99/08501、WO 99/16758、WO 99/19313、WO 99/20614、WO 00/23417、WO 00/23445、WO 00/23451)。
【0015】
2〜3のβ−アリール−α−ヒドロキシプロパン酸、それらの誘導体およびそれらの類似体は、高血糖症および高コレステロール血症の治療に有用であることが報告されている。従来技術に記載されたこのような化合物のいくつかを如何に略記する:
1.米国特許第5,306,726号およびWO 91/19702は、低脂血薬および低血糖薬のような一般式(II)および(III)のいくつかの3−アリール−2−ヒドロキシプロピオン酸誘導体を開示する。
【0016】
これらの化合物の例は、式(IV)および(V)で示される。
【0017】
【化2】

【0018】
2.国際特許出願WO 95/03038およびWO 96/04260は、式(VI)(式中,Raは2−ベンズオキサゾリルまたは2−ピリジルを表し、そしてRbはCF3、CH2OCH3またはCH3を表す)の化合物を開示する。典型例は、(S)−3−[4−[2−[N−(2−ベンズオキサゾリル)N−メチルアミノ]エトキシ]フェニル]−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)プロパン酸(VII)である。
【0019】
【化3】

【0020】
3.国際特許出願WO 94/13650およびWO 94/01420およびWO /95/17394は、一般式(VIII):
【0021】
【化4】

【0022】
(式中、A1は芳香族複素環部分を表し、A2は置換ベンゼン環を表し、そしてA3は式(CH2m−CH−(OR1)(ここで、R1はアルキル基を表し、mは1〜5の整数である)の部分を表し、Xは置換または非置換Nを表し、YはC=OまたはC=Sを表し、R2はOR3(ここで、R3は水素、アルキル、アラルキルまたはアリール基であり得る)を表し、そしてnは2〜6の整数である)
の化合物を開示する。これらの化合物の一例は、式(IX)で示される。
【0023】
【化5】

【0024】
4.国際特許出願WO 00/23,445、WO 00/23,417およびWO 00/23,451は、糖尿病および肥満の治療に有用な式(X)の化合物を開示する。これらの化合物の典型例は、式(XI)および(XII)で示される。
【0025】
【化6】

【0026】
5.WO 00/540,414、WO 99/16,758、WO 99/19,313は、グルコース、コレステロールおよびトリグリセリドを低減する一般式(XIII)、(XIV)、(XV)および(XVI)の化合物を報告する。
【0027】
【化7】

【0028】
【化8】

【発明の開示】
【0029】
発明の要約
本発明の目的は、付加的体重低減作用ならびに高脂血により引き起こされる疾患、冠動脈疾患、X症候群下に分類される疾患およびアテローム硬化症の治療および/または予防に有益な作用を有し得る低コレステロール血薬、低脂血薬、低リポタンパク質血薬、抗肥満薬および抗高血糖薬としての実用性を有する一般式(I)により表される新規化合物を開発することである。
【0030】
本発明の主な目的は、一般式(I)により表される新規のβ−アリール−α−置換プロパン酸、それらの誘導体、それらの類似体、それらの互変異性形態、それらの立体異性体、それらの多形体、それらの製薬上許容可能な塩、それらの製薬上許容可能な溶媒和物およびそれらを含有する製剤組成物またはそれらの混合物を提供することである。
【0031】
本発明の別の目的は、毒性作用を伴わずにまたは毒性作用低減を伴って活性強化を示す一般式(I)により表される新規のβ−アリール−α−置換プロパン酸、それらの誘導体、それらの類似体、それらの互変異性形態、それらの立体異性体、それらの多形体、それらの製薬上許容可能な塩、それらの製薬上許容可能な溶媒和物およびそれらを含有する製剤組成物またはそれらの混合物を提供することである。
【0032】
本発明のさらに別の目的は、一般式(I)により表される新規のβ−アリール−α−置換プロパン酸、それらの誘導体、それらの類似体、それらの互変異性形態、それらの立体異性体、それらの多形体、それらの製薬上許容可能な塩、それらの製薬上許容可能な溶媒和物の製造方法を提供することである。
【0033】
本発明のさらに別の目的は、一般式(I)の化合物、それらの誘導体、それらの類似体、それらの互変異性形態、それらの立体異性体、それらの多形体、それらの製薬上許容可能な塩、それらの製薬上許容可能な溶媒和物またはそれらの混合物を含有する製剤組成物を、このような組成物の調製に普通に用いられる適切な担体、溶媒、希釈剤およびその他の媒質と組合せて提供することである。
【0034】
本発明のさらなる目的は、新規の中間体およびそれらの製造方法を提供することである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
本発明の詳細な説明
したがって本発明は、一般式(I)
【0036】
【化9】

【0037】
(式中、1つまたはそれ以上の基R1、R2、R3、R4は同一であり得るしまたは異なることもあり、そして水素、ハロゲン、ペルハロアルキル、ヒドロキシ、チオ、アミノ、ニトロ、シアノ、ホルミル、アミジノ、グアニジノ、ならびに線状または分枝鎖(C1〜C12)アルキル、(C2〜C12)アルケニル、(C3〜C7)シクロアルキル、(C3〜C7)シクロアルケニル、ビシクロアルキル、ビシクロアルケニル、(C1〜C12)アルコキシ、シクロ(C3〜C7)アルコキシ、アリール、アリールオキシ、アラルキル、アラルコキシ、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアラルキル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアラルコキシ、ヘテロシクリルアルキルオキシ、アシル、アシルオキシ、アシルアミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、アラルキルアミノ、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アラルコキシカルボニル、ヘテロシクロアルコキシカルボニル、ヘテロアリールオキシカルボニル、ヘテロアラルコキシカルボニル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、モノアルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アルコキシアルキル、アリールオキシアルキル、アラルコキシアルキル、アルキルチオ、チオアルキル、アルコキシカルボニルアミノ、アリールオキシカルボニルアミノ、アラルキルオキシカルボニルアミノ、アミノカルボニルアミノ、アルキルアミノカルボニルアミノ、アルキルアミジノ、アルキルグアニジノ、ジアルキルグアニジノ、ヒドラジノ、ヒドロキシアミノ、カルボン酸およびその誘導体、スルホン酸およびその誘導体、ホスホン酸およびその誘導体から選択される置換または非置換基を表し;あるいは隣接基R2およびR3は一緒になって、任意に1つまたはそれ以上の二重結合を含有しそして任意にO、NまたはSから選択される1つまたはそれ以上の異種原子を含有する5または6員環を形成し得るし;nは1〜8の範囲の整数であり;WはO、SまたはNR9(ここでR9はアルキルまたはアリールを表す)を表し;Arは置換または非置換二価の単一または縮合芳香族、ヘテロ芳香族または複素環式基を表し;R5およびR6はともに水素を表すか、または一緒になって結合を表し;R5およびR6はヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、ハロゲン、アシル、置換または非置換アラルキル基も表し;XはOまたはSを表し;R7は水素、ペルフルオロアルキル、ならびにアルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリル、アルコキシアルキル、アリールオキシアルキル、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、アシル基から選択される置換または非置換基を表し;YはOまたはSを表し;Zは酸素またはNR10(R10は水素、あるいはアルキル、アリール、アラルキル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル基から選択される置換または非置換基を表す)を表し;R8は水素、あるいはアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アルキルアミノアルキル基から選択される置換または非置換基を表し;R10およびR8は一緒になって、炭素原子を含有するかあるいはO、NおよびSから選択される1つまたはそれ以上の異種原子を含有する5または6員置換または非置換環式環構造を形成し得る)
の化合物に関する。
【0038】
1、R2、R3およびR4により表される適切な基は、水素、ハロゲン原子、例えばフッ素、塩素、臭素またはヨウ素;ペルハロアルキル、特にペルハロ(C1〜C6)アルキル、例えばフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、トリフルオロエチル、フルオロエチル、ジフルオロエチル等;ヒドロキシ、チオ、アミノ、ニトロ、シアノ、ホルミル、アミジノ、グアニジノ基;置換または非置換(C1〜C12)アルキル基、特に線状または分枝鎖(C1〜C8)アルキル基、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソ−ペンチル、ヘキシル、イソ−ヘキシル、ヘプチル、オクチル等;シクロ(C3〜C7)アルキル基、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル。シクロアルキル基は置換され得る;シクロ(C3〜C7)アルケニル基、例えばシクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、シクロヘプタジエニル、シクロヘプタトリエニル等。シクロアルケニル基は置換され得る;(C1〜C12)アルコキシ、特に(C1〜C6)アルコキシ基、例えばメトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、ブチルオキシ、イソ−プロピルオキシ等。これらは置換され得る;シクロ(C3〜C7)アルコキシ基、例えばシクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ、シクロヘプチルオキシ等、シクロアルコキシ基は置換され得る;アリール基、例えばフェニルまたはナフチル。アリール基は置換され得る;アリールオキシ基、例えばフェノキシ、ナフチルオキシ。アリールオキシ基は置換され得る;アラルキル基、例えばベンジル、フェネチル、C65CH2CH2CH2、ナフチルメチル等。アラルキル基は置換され得る、そして置換アラルキルは、CH364CH2、Hal−C64CH2、CH3OC64CH2、CH3OC64CH2CH2等のような基である;アラルコキシ基、例えばベンジルオキシ、フェネチルオキシ、ナフチルメチルオキシ、フェニルプロピルオキシ等。アラルコキシ基は置換され得る;ヘテロシクリル基、例えばアジリジニル、ピロリジニル、モルホリニル、ピペリジニル、ピペラジニル等。ヘテロシクリル基は置換され得る;ヘテロアリール基、例えばピリジル、チエニル、フリル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、オキサジアゾリル、テトラゾリル、ベンゾピラニル、ベンゾフラニル等。ヘテロアリール基は置換され得る;ヘテロシクロ(C1〜C6)アルキル、例えばピロリジンアルキル、ピペリジンアルキル、モルホリンアルキル、チオモルホリンアルキル、オキサゾリンアルキル等。ヘテロシクロ(C1〜C6)アルキル基は置換され得る;ヘテロアラルキル基、例えばフランメチル、ピリジンメチル、オキサゾールメチル、オキサゾールエチル等。ヘテロアラルキル基は置換され得る;ヘテロアリールオキシ、ヘテロアラルコキシ、ヘテロシクロアルコキシ、ヘテロシクリルアルコキシ。ここでヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロシクロアルキルおよびヘテロシクロアルキル部分は前記と同様であり、そして置換され得る;アシル基、例えばアセチル、プロピオニルまたはベンゾイル。アシル基は置換され得る;アシルオキシ基、例えばMeCO、EtCOO、PhCOO等。これらは任意に置換され得る;アシルアミノ基、例えばCH3CONH、C25CONH、C37CONH、C65CONH。これらは置換され得る;(C1〜C6)モノアルキルアミノ基、例えばCH3NH、C25NH、C37NH、C613NH等。これらは置換され得る;(C1〜C6)ジアルキルアミノ基、例えばN(CH32、CH3(C25)N等。これらは置換され得る;アリールアミノ基、例えばC65HN、CH3(C65)N、C64(CH3)NH、NHC64−Hal等。これらは置換され得る;アラルキルアミノ基、例えばC65CH2NH、C65CH2CH2NH、C65CH2NCH3等。これらは置換され得る;ヒドロキシ(C1〜C6)アルキル。これらは置換され得る;アミノ(C1〜C6)アルキル。これらは置換され得る;モノ(C1〜C6)アルキルアミノ(C1〜C6)アルキル、ジ(C1〜C6)アルキルアミノ(C1〜C6)アルキル基。これらは置換され得る;アルコキシアルキル基、例えばメトキシメチル、エトキシメチル、メトキシエチル、エトキシエチル等。これらは置換され得る;アリールオキシアルキル基、例えばC65OCH2、C65OCH2CH2、ナフチルオキシメチル等。これらは置換され得る;アラルコキシアルキル基、例えばC65CH2OCH2、C65CH2OCH2CH2等。これらは置換され得る;(C1〜C6)アルキルチオ、チオ(C1〜C6)アルキル。これらは置換され得る;アルコキシカルボニルアミノ基、例えばC25OCONH、CH3OCONH等。これらは置換され得る;アリールオキシカルボニルアミノ基、例えばC65OCONH、C65OCONCH3、C65OCONC25、C64CH3OCONH、C64(OCH3)OCONH等。これらは置換され得る;アラルコキシカルボニルアミノ基、例えばC65CH2OCONH、C65CH2CH2OCONH、C65CH2OCON(CH3)、C65CH2OCON(C25)、C64CH3CH2OCONH、C64OCH3CH2OCONH等。これらは置換され得る;アミノカルボニルアミノ基;(C1〜C6)アルキルアミノカルボニルアミノ基、ジ(C1〜C6)アルキルアミノカルボニルアミノ基、(C1〜C6)アルキルアミジノ基、(C1〜C6)アルキルグアニジノ基、ジ(C1〜C6)アルキルグアニジノ基、ヒドラジノおよびヒドロキシアミノ基;カルボン酸またはその誘導体、例えばアミド、例えばCONH2、アルキルアミノカルボニル、例えばMeNHCO、Me2NCO、EtNHCO、Et2NCO、アリールアミノカルボニル、例えばPhNHCO、ナフNHCO等、アラルキルアミノカルボニル、例えばPhCH2NHCO、PhCH2CH2NHCOなど、ヘテロアリールアミノカルボニルおよびヘテロアラルキルアミノカルボニル基(ここで、ヘテロアリール基は前記と同様である)、ヘテロシクリルアミノカルボニル(ここで、ヘテロシクリル基は前記と同様である);カルボン酸誘導体、例えばエステル(ここでエステル部分はアルコキシカルボニル、例えばメトキシカルボニルまたはエトキシカルボニルである)。これらは置換され得る;アリールオキシカルボニル基、例えば非置換または置換フェノキシカルボニル、ナフチルオキシカルボニル等;アラルコキシカルボニル基、例えばベンジルオキシカルボニル、フェネチルオキシカルボニル、ナフチルメトキシカルボニル等、ヘテロアリールオキシカルボニル、ヘテロアラルコキシカルボニル(ここで、ヘテロアリール基は前記と同様である)、ヘテロシクロキシカルボニル(ここで、複素環は前記と同様である)。これらのカルボン酸誘導体は置換され得る;スルホン酸またはその誘導体、例えばSO2NH2、SO2NHMe、SO2NMe2、SO2NHCF3、SO2NHCO(C1〜C6)アルキル、SO2NHCOアリール(ここで、アリール基は前記と同様である)。スルホン酸誘導体は置換され得る;ホスホン酸およびその誘導体、例えばP(O)(OH)2、P(O)(OC1〜C6アルキル)2、P(O)(Oアリール)2等から選択され得る。
【0039】
1、R2、R3およびR4により表される基が置換される場合、置換基は、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、あるいはアルキル、シクロアルキル、アルコキシ、シクロアルコキシ、アリール、アラルキル、アラルコキシアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、アシル、アシルオキシ、ヒドロキシアルキル、アミノ、アシルアミノ、アリールアミノ、アミノアルキル、アリールオキシ、アラルコキシ、アルキルアミノ、アルコキシアルキル、アルキルチオ、チオアルキル基、カルボン酸またはその誘導体あるいはスルホン酸またはその誘導体あるいはホスホン酸またはその誘導体から選択される非置換または置換基である。
【0040】
好ましくは、ピロール上の置換基、即ちR1〜R4は、ハロゲン原子、例えばフッ素、塩素、臭素;ヒドロキシ基、任意に、アルキル基、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピルまたはn−ブチルから選択されるハロゲン化基;シクロアルキル基、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル。これらは置換され得る;アリール基、例えばフェニル.これらは置換され得る;アラルキル基、例えばベンジル。これらは置換され得る;(C1〜C3)アルコキシ、ベンジルオキシ、アシルまたはアシルオキシ基;ヘテロアリール、例えばチエニル、ピロリル、フリル、ピリジル、ピリミジニル、イミダゾリル、インドリル、オキサゾリル基。これらは置換され得る;カルボン酸およびその誘導体を表す。
【0041】
2つの隣接基R2およびR3によりそれらが結合される炭素原子と一緒になって形成される適切な環構造は、酸素、窒素または硫黄から選択される1つまたはそれ以上の異種原子を任意に含有し、そして1つまたはそれ以上の二重結合を含有し得る5〜6個の環原子を含有する。環構造は、任意に置換されたフェニル,ピリジル、フラニル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピリミジニル、ピラジニル等であり得る。それらが結合される隣接炭素原子と一緒になってR2およびR3により形成される環構造上の適切な置換基としては、オキソ、ヒドロキシ、ハロゲン原子、例えば塩素、臭素およびヨウ素;ニトロ、シアノ、アミノ、ホルミル、(C1〜C3)アルキル、(C1〜C3)アルコキシ、チオアルキル、アルキルチオフェニルまたはベンジル基が挙げられる。
【0042】
nは1〜8の範囲の整数である。nが1〜4であるのが好ましい。
【0043】
Arにより表される適切な基としては、二価のフェニレン、ナフチレン、ピリジル、キノリニル、ベンゾフリル、ジヒドロベンゾフリル、ベンゾピラニル、インドリル、インドリニル、アザインドリル、アザインドリニル、ピラゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンズオキサゾリル等から選択される置換または非置換基が挙げられる。Arにより表される基上の置換基は、置換または非置換の線状または分枝鎖(C1〜C6)アルキル、(C1〜C3)アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アシル、アミノ、アシルアミノ、チオあるいはカルボン酸またはスルホン酸およびそれらの誘導体またはホスホン酸およびそれらの誘導体から選択され得る。
【0044】
Arが置換または非置換二価フェニレン、ナフチレン、ベンゾフリル、インドリル、インドリニル、キノリニル、アザインドリル、アザインドリニル、ベンゾチアゾリルまたはベンズオキサゾリル基を表すのが好ましい。
【0045】
Arが二価のフェニレンまたはナフチレンにより表されるのがさらに好ましく、これらは置換されないか、あるいはハロゲン、メチル、ハロメチル、メトキシまたはハロメトキシ基により置換され得る。
【0046】
適切なR5としては、水素、低級アルキル基、例えばメチル、エチルまたはプロピル;ヒドロキシ、(C1〜C3)アルコキシ、ハロゲン原子、例えばフッ素、塩素、臭素またはヨウ素;アラルキル、例えばベンジル、フェネチルが挙げられ、これらは置換されないかまたは置換され得るし、あるいはR5はR6と一緒になって結合を表す。
【0047】
適切なR6は、水素、低級アルキル基、例えばメチル、エチルまたはプロピル;ヒドロキシ、(C1〜C3)アルコキシ;ハロゲン原子、例えばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素;アシル基、例えば線状または分枝鎖(C2〜C10)アシル基、例えばアセチル、プロパノイル、ブタノイル、ペンタノイル、ベンゾイルなど;アラルキル、例えばベンジル、フェネチル。これらは非置換または置換され得るか、あるいはR5と一緒になって結合を形成する。
【0048】
5またはR6が置換アラルキルを表す場合、好ましい置換基はヒドロキシ、ハロゲン、アルキルおよびアルコキシである。
【0049】
5またはR6が水素原子を表し、あるいはR5およびR6は一緒になって結合を表すのが好ましい。
【0050】
7により表される適切な基は、水素、置換または非置換化線状または分枝鎖(C1〜C16)アルキル、好ましくは(C1〜C12)アルキル基、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル等;(C3〜C7)シクロアルキル基、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等。シクロアルキル基は置換され得る;アリール基、例えばフェニル、ナフチル。アリール基は置換され得る;ヘテロアリール基、例えばピリジル、チエニル、フリル等。ヘテロアリール基は置換され得る;ヘテロアラルキル基、例えばフランメチル、ピリジンメチル、オキサゾールメチル、オキサゾールエチル等。ヘテロアラルキル基は置換され得る;アラルキル基(ここで、アルキル部分はC1〜C6原子、例えばベンジルおよびフェネチル等を含有し、アリール部分は置換され得る);ヘテロシクリル基、例えばアジリジニル、ピロリジニル、ピペリジニル等。ヘテロシクリル基は置換され得る;(C1〜C6)アルコキシ(C1〜C6)アルキル基、例えばメトキシメチル、エトキシメチル、メトキシエチル、エトキシプロピル等。アルコキシアルキル基は置換され得る;置換または非置換、線状または分枝鎖(C2〜C16)アシル基、例えばアセチル、プロパノイル、ブタノイル、ベンゾイル、オクタのイル、デカノイル等;(C1〜C6)アルコキシカルボニル。アルキル基は置換され得る;アリールオキシカルボニル、例えばフェノキシカルボニル,ナフチルオキシカルボニル.アリール基は置換され得る;(C1〜C6)アルキルアミノカルボニル。アルキル基は置換され得る;アリールアミノカルボニル、例えばPhNHCO、またはナフチルアミノカルボニル。アリール部分は置換され得る。置換基は、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、あるいはアルキル、シクロアルキル、アルコキシ、シクロアルコキシ、アリール、アラルキル、アラルコキシアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、アシル、アシルオキシ、ヒドロキシアルキル、アミノ、アシルアミノ、アリールアミノ、アミノアルキルアリールオキシ、アルコキシカルボニル、アルキルアミノ、アルコキシアルキル、アルキルチオ、チオアルキル基、カルボン酸またはその誘導体あるいはスルホン酸またはその誘導体から選択される非置換/置換基から選択され得る。
【0051】
8により表される適切な基は、水素、置換または非置換、線状または分枝鎖(C1〜C16)アルキル、好ましくは(C1〜C12)アルキル基、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル等;(C3〜C7)シクロアルキル基、例えばシクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル等。シクロアルキル基は置換され得る;アリール基、例えばフェニル、ナフチル。アリール基は置換され得る;ヘテロアリール基、例えばピリジル、チエニル、フリル等。ヘテロアリール基は置換され得る;ヘテロアラルキル基、例えばフランメチル、ピリジンメチル、オキサゾールメチル、オキサゾールエチル等。ヘテロアラルキル基は置換され得る;アラルキル基、例えばベンジルおよびフェネチル。アラルキル基は置換され得る;ヘテロシクリル基、例えばアジリジニル、ピロリジニル、ピペリジニル等。ヘテロシクリル基は置換され得る。R8上の置換基は、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、あるいはアルキル、シクロアルキル、アルコキシ、シクロアルコキシ、アリール、アラルキル、アラルコキシアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、アシル、アシルオキシ、ヒドロキシアルキル、アミノ、アシルアミノ、アリールアミノ、アミノアルキルアリールオキシ、アラルコキシ、アルコキシカルボニル、アルキルアミノ、アルコキシアルキル、アルキルチオ、チオアルキル基、カルボン酸またはその誘導体あるいはスルホン酸またはその誘導体から選択される非置換/置換基から選択され得る。
【0052】
Zは、酸素またはNR10を表す。
【0053】
10により表される適切な基は、水素、置換または非置換、線状または分枝鎖(C1〜C16)アルキル、好ましくは(C1〜C12)アルキル;ヒドロキシ(C1〜C6)アルキル;アリール基、例えばフェニル、ナフチル;アラルキル基、例えばベンジルおよびフェネチル;ヘテロシクリル基、例えばアジリジニル、ピロリジニル、ピペリジニル等;ヘテロアリール基、例えばピリジル、チエニル、フリル等;あるいはヘテロアラルキル基、例えばフランメチル、ピリジンメチル、オキサゾールメチル、オキサゾールエチル等から選択され得る。
【0054】
8およびR10によりそれらが結合される炭素原子と一緒になって形成される環状構造は、酸素、窒素および硫黄から選択される1つまたはそれ以上の異種原子を任意に含有し得る炭素原子を含有する置換または非置換5または6員環構造であり得る。環状構造は、1つまたはそれ以上の二重結合を含有し得る。
【0055】
8およびR10の両方により形成される適切な環状構造は、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピペラジニル、オキサゾリニル、ジアゾリニル等から選択され得る。R8およびR10が一緒になって形成される環状構造上の適切な置換基は、ハロゲン、ヒドロキシ、アルキル、オキソ、アラルキル等から選択され得る。
【0056】
置換され得る任意のR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10およびArに関しては、置換基は本明細書中の任意の箇所に記載されたのと同様である。
【0057】
適切なnは1〜6の範囲の整数であり、好ましくはnは2〜4の整数を表す。
【0058】
本発明の一部を構成する製薬上許容可能な塩は、カルボン酸部分の塩、例えばアルカリ金属塩、例えばLi、NaおよびK塩;アルカリ土類金属塩、例えばCaおよびMg塩;有機塩基、例えばリシン、アルギニン、グアニジン、ジエタノールアミン、コリン、トロメタミン等の塩;アンモニウムまたは置換アンモニウム塩およびアルミニウム塩を明示するよう意図されるが、しかしこれらに限定されない。塩は、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、過塩素酸塩、ホウ酸塩、ヒドロハロゲン化物、酢酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、パルモエート、メタンスルホン酸塩、安息香酸塩、サリチル酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、アスコルビン酸塩、グリセロリン酸塩、ケトグルタル酸塩等を明示する酸付加塩であり得るが、これらに限定されない。製薬上許容可能な溶媒和物は水和され得るか、あるいは結晶化のその他の溶媒、例えばアルコールを含み得る。
【0059】
本発明の特に有用な化合物を以下に挙げる:
(±)エチル3−{4−[2−(ピロール−1−イル)エトキシ]フェニル}−2−エトキシプロパノエート
(+)エチル3−{4−[2−(ピロール−1−イル)エトキシ]フェニル}−2−エトキシプロパノエート
(−)エチル3−{4−[2−(ピロール−1−イル)エトキシ]フェニル}−2−エトキシプロパノエート
(±)エチル3−{4−[2−(2,5−ジメチルピロール−1−イル)エトキシ]フェニル}−2−エトキシプロパノエート
(+)エチル3−{4−[2−(2,5−ジメチルピロール−1−イル)エトキシ]フェニル}−2−エトキシプロパノエート
(−)エチル3−{4−[2−(2,5−ジメチルピロール−1−イル)エトキシ]フェニル}−2−エトキシプロパノエート
(±)エチル3−{4−[2−(2,5−ジイソプロピル−3−フェニルピロール−1−イル)エトキシ]フェニル}−2−エトキシプロパノエート
(+)エチル3−{4−[2−(2,5−ジイソプロピル−3−フェニルピロール−1−イル)エトキシ]フェニル}−2−エトキシプロパノエート
(−)エチル3−{4−[2−(2,5−ジイソプロピル−3−フェニルピロール−1−イル)エトキシ]フェニル}−2−エトキシプロパノエート
(±)エチル3−(4−{2−[2−イソプロピル−5−(4−メトキシフェニル)ピロール−1−イル]エトキシ}フェニル)−2−エトキシプロパノエート
(+)エチル3−(4−{2−[2−イソプロピル−5−(4−メトキシフェニル)ピロール−1−イル]エトキシ}フェニル)−2−エトキシプロパノエート
(−)エチル3−(4−{2−[2−イソプロピル−5−(4−メトキシフェニル)ピロール−1−イル]エトキシ}フェニル)−2−エトキシプロパノエート
(±)エチル3−(4−{2−[2−(4−フルオロフェニル)−5−イソプロピルピロール−1−イル]エトキシ}フェニル)−2−エトキシプロパノエート
(+)エチル3−(4−{2−[2−(4−フルオロフェニル)−5−イソプロピルピロール−1−イル]エトキシ}フェニル)−2−エトキシプロパノエート
(−)エチル3−(4−{2−[2−(4−フルオロフェニル)−5−イソプロピルピロール−1−イル]エトキシ}フェニル)−2−エトキシプロパノエート
(±)エチル3−(4−{2−[2−(4−フルオロフェニル)−5−イソプロピル−3−フェニルピロール−1−イル]エトキシ}フェニル)−2−エトキシプロパノエート
(+)エチル3−(4−{2−[2−(4−フルオロフェニル)−5−イソプロピル−3−フェニルピロール−1−イル]エトキシ}フェニル)−2−エトキシプロパノエート
(−)エチル3−(4−{2−[2−(4−フルオロフェニル)−5−イソプロピル−3−フェニルピロール−1−イル]エトキシ}フェニル)−2−エトキシプロパノエート
(±)エチル3−(4−{2−[2−(4−フルオロフェニル)−5−フェニルピロール−1−イル]エトキシ}フェニル)−2−エトキシプロパノエート
(+)エチル3−(4−{2−[2−(4−フルオロフェニル)−5−フェニルピロール−1−イル]エトキシ}フェニル)−2−エトキシプロパノエート
(−)エチル3−(4−{2−[2−(4−フルオロフェニル)−5−フェニルピロール−1−イル]エトキシ}フェニル)−2−エトキシプロパノエート
(±)エチル3−[4−[2−[2−(2−フェニル−3−カルベトキシ−5−(4−フルオロフェニル)ピロール−1−イル)エトキシ]フェニル−2−エトキシプロパノエート
(+)エチル3−[4−[2−[2−(2−フェニル−3−カルベトキシ−5−(4−フルオロフェニル)ピロール−1−イル)エトキシ]フェニル−2−エトキシプロパノエート
(−)エチル3−[4−[2−[2−(2−フェニル−3−カルベトキシ−5−(4−フルオロフェニル)ピロール−1−イル)エトキシ]フェニル−2−エトキシプロパノエート
(±)エチル3−(4−{2−[2−(4−フルオロフェニル)−5−イソプロピル−3−フェニル−4−フェニルカルバモイルピロール−1−イル]エトキシ}フェニル)−2−エトキシプロパノエート
(+)エチル3−(4−{2−[2−(4−フルオロフェニル)−5−イソプロピル−3−フェニル−4−フェニルカルバモイルピロール−1−イル]エトキシ}フェニル)−2−エトキシプロパノエート
(−)エチル3−(4−{2−[2−(4−フルオロフェニル)−5−イソプロピル−3−フェニル−4−フェニルカルバモイルピロール−1−イル]エトキシ}フェニル)−2−エトキシプロパノエート
(±)エチル3−(4−{3−[2−(4−フルオロフェニル)−5−イソプロピル−3−フェニル−4−フェニルカルバモイルピロール−1−イル]プロポキシ}フェニル)−2−エトキシプロパノエート
(+)エチル3−(4−{3−[2−(4−フルオロフェニル)−5−イソプロピル−3−フェニル−4−フェニルカルバモイルピロール−1−イル]プロポキシ}フェニル)−2−エトキシプロパノエート
(−)エチル3−(4−{3−[2−(4−フルオロフェニル)−5−イソプロピル−3−フェニル−4−フェニルカルバモイルピロール−1−イル]プロポキシ}フェニル)−2−エトキシプロパノエート
(±)エチル3−{4−[2−(2−イソプロピル−5−メチルピロール−1−イル)エトキシ]フェニル}−2−エトキシプロパノエート
(+)エチル3−{4−[2−(2−イソプロピル−5−メチルピロール−1−イル)エトキシ]フェニル}−2−エトキシプロパノエート
(−)エチル3−{4−[2−(2−イソプロピル−5−メチルピロール−1−イル)エトキシ]フェニル}−2−エトキシプロパノエート
(±)3−{4−[2−(ピロール−1−イル)エトキシ]フェニル}−2−エトキシプロパン酸およびその製薬上許容可能な塩
(+)3−{4−[2−(ピロール−1−イル)エトキシ]フェニル}−2−エトキシプロパン酸およびその製薬上許容可能な塩
(−)3−{4−[2−(ピロール−1−イル)エトキシ]フェニル}−2−エトキシプロパン酸およびその製薬上許容可能な塩
(±)3−{4−[2−(2,5−ジメチルピロール−1−イル)エトキシ]フェニル}−2−エトキシプロパン酸およびその製薬上許容可能な塩
(+)3−{4−[2−(2,5−ジメチルピロール−1−イル)エトキシ]フェニル}−2−エトキシプロパン酸およびその製薬上許容可能な塩
(−)3−{4−[2−(2,5−ジメチルピロール−1−イル)エトキシ]フェニル}−2−エトキシプロパン酸およびその製薬上許容可能な塩
(±)3−{4−[2−(2,5−ジイソプロピル−3−フェニルピロール−1−イル)エトキシ]フェニル}−2−エトキシプロパン酸およびその製薬上許容可能な塩
(+)3−{4−[2−(2,5−ジイソプロピル−3−フェニルピロール−1−イル)エトキシ]フェニル}−2−エトキシプロパン酸およびその製薬上許容可能な塩
(−)3−{4−[2−(2,5−ジイソプロピル−3−フェニルピロール−1−イル)エトキシ]フェニル}−2−エトキシプロパン酸およびその製薬上許容可能な塩
(±)3−(4−{2−[2−イソプロピル−5−(4−メトキシフェニル)ピロール−1−イル]エトキシ}フェニル)−2−エトキシプロパン酸およびその製薬上許容可能な塩
(+)3−(4−{2−[2−イソプロピル−5−(4−メトキシフェニル)ピロール−1−イル]エトキシ}フェニル)−2−エトキシプロパン酸およびその製薬上許容可能な塩
(−)3−(4−{2−[2−イソプロピル−5−(4−メトキシフェニル)ピロール−1−イル]エトキシ}フェニル)−2−エトキシプロパン酸およびその製薬上許容可能な塩
(±)3−(4−{2−[2−(4−フルオロフェニル)−5−イソプロピルピロール−1−イル]エトキシ}フェニル)−2−エトキシプロパン酸およびその製薬上許容可能な塩
(+)3−(4−{2−[2−(4−フルオロフェニル)−5−イソプロピルピロール−1−イル]エトキシ}フェニル)−2−エトキシプロパン酸およびその製薬上許容可能な塩
(−)3−(4−{2−[2−(4−フルオロフェニル)−5−イソプロピルピロール−1−イル]エトキシ}フェニル)−2−エトキシプロパン酸およびその製薬上許容可能な塩
(±)3−(4−(2−[2−(4−フルオロフェニル)−5−イソプロピル−3−フェニルピロール−1−イル]エトキシ)フェニル)−2−エトキシプロパン酸およびその製薬上許容可能な塩
(+)3−(4−(2−[2−(4−フルオロフェニル)−5−イソプロピル−3−フェニルピロール−1−イル]エトキシ)フェニル)−2−エトキシプロパン酸およびその製薬上許容可能な塩
(−)3−(4−(2−[2−(4−フルオロフェニル)−5−イソプロピル−3−フェニルピロール−1−イル]エトキシ)フェニル)−2−エトキシプロパン酸およびその製薬上許容可能な塩
(±)3−(4−(2−[2−(4−フルオロフェニル)−5−フェニルピロール−1−イル]エトキシ)フェニル)−2−エトキシプロパン酸およびその製薬上許容可能な塩
(+)3−(4−{2−[2−(4−フルオロフェニル)−5−フェニルピロール−1−イル]エトキシ}フェニル)−2−エトキシプロパン酸およびその製薬上許容可能な塩
(−)3−(4−{2−[2−(4−フルオロフェニル)−5−フェニルピロール−1−イル]エトキシ}フェニル)−2−エトキシプロパン酸およびその製薬上許容可能な塩
(±)3−[4−[2−(2−フェニル−3−カルベトキシ−5−(4−フルオロフェニル)ピロール−1−イル)エトキシ]フェニル]−2−エトキシプロパン酸およびその製薬上許容可能な塩
(+)3−[4−[2−(2−フェニル−3−カルベトキシ−5−(4−フルオロフェニル)ピロール−1−イル)エトキシ]フェニル]−2−エトキシプロパン酸およびその製薬上許容可能な塩
(−)3−[4−[2−(2−フェニル−3−カルベトキシ−5−(4−フルオロフェニル)ピロール−1−イル)エトキシ]フェニル]−2−エトキシプロパン酸およびその製薬上許容可能な塩
(±)3−(4−{2−[2−(4−フルオロフェニル)−5−イソプロピル−3−フェニル−4−フェニルカルバモイルピロール−1−イル]エトキシ}フェニル)−2−エトキシプロパン酸およびその製薬上許容可能な塩
(+)3−(4−{2−[2−(4−フルオロフェニル)−5−イソプロピル−3−フェニル−4−フェニルカルバモイルピロール−1−イル]エトキシ}フェニル)−2−エトキシプロパン酸およびその製薬上許容可能な塩
(−)3−(4−{2−[2−(4−フルオロフェニル)−5−イソプロピル−3−フェニル−4−フェニルカルバモイルピロール−1−イル]エトキシ}フェニル)−2−エトキシプロパン酸およびその製薬上許容可能な塩
(±)3−(4−{3−[2−(4−フルオロフェニル)−5−イソプロピル−3−フェニル−4−フェニルカルバモイルピロール−1−イル]プロポキシ}フェニル)−2−エトキシプロパン酸およびその製薬上許容可能な塩
(+)3−(4−{3−[2−(4−フルオロフェニル)−5−イソプロピル−3−フェニル−4−フェニルカルバモイルピロール−1−イル]プロポキシ}フェニル)−2−エトキシプロパン酸およびその製薬上許容可能な塩
(−)3−(4−{3−[2−(4−フルオロフェニル)−5−イソプロピル−3−フェニル−4−フェニルカルバモイルピロール−1−イル]プロポキシ}フェニル)−2−エトキシプロパン酸およびその製薬上許容可能な塩
(±)3−{4−[2−(2−イソプロピル−5−メチルピロール−1−イル)エトキシ]フェニル}−2−エトキシプロパン酸およびその製薬上許容可能な塩
(+)3−{4−[2−(2−イソプロピル−5−メチルピロール−1−イル)エトキシ]フェニル}−2−エトキシプロパン酸およびその製薬上許容可能な塩、及び
(−)3−{4−[2−(2−イソプロピル−5−メチルピロール−1−イル)エトキシ]フェニル}−2−エトキシプロパン酸およびその製薬上許容可能な塩。
【0060】
本発明は、下記の方法のいずれかにより調製され得る一般式(I)の本発明の新規の化合物、それらの互変異性形態、それらの誘導体、それらの類似体、それらの立体異性体、それらの多形体、それらの製薬上許容可能な塩およびそれらの製薬上許容可能な溶媒和物(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、W、X、Y、Z、Arおよびnは前記と同様である)の製造方法を提供する:
ルート1
【0061】
【化10】

【0062】
Paal-Knorr環化(Paal C. Ber., 1885, 18, 367; Knorr, L., Ber., 1885, 18, 299)を用いる、一般式(I)(式中、記号は全て前記と同様である)の化合物を生成するための、一般式(1a)(式中、記号は全て前記と同様である)と、キラルまたはラセミであり得る式(1b)(式中、記号は全て前記と同様である)の化合物との反応。本反応はそれだけで、あるいはテトラヒドロフラン、ヘキサン、トルエン、エタノール、ヘプタン、石油エーテル、キシレン、ベンゼン、エチルアセテート、tert−ブチルアセテート、1,2−ジクロロエタン、イソ−プロパノール、ジオキサン、シクロヘキサン等のような溶媒またはそれらの混合物の存在下で実行され得る。反応温度は、0℃〜用いられる溶媒(単数または複数)の還流温度の範囲であり得る。生成される水は、Dean Stark水分離機を用いて、または分子篩のような水掃去剤により除去され得る。反応は、不活性大気、例えばN2、HeまたはArの存在下で実行され得る。反応は、酸、例えば酢酸、プロパン酸、酪酸、イソ酪酸、ピバル酸、p−トルエンスルホン酸、ショウノウスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、クロロ酢酸、クロロプロパン酸、フェニル酢酸,フェニルプロパン酸、マロン酸、コハク酸、安息香酸、ハロゲン化安息香酸、トルイル酸等の存在下で実行され得る。無機酸、例えばHClまたはHBrも用いられ得る。反応時間は5分〜72時間、好ましくは1〜48時間の範囲であり得る。
【0063】
ルート2
【0064】
【化11】

【0065】
一般式(I)(式中、記号は全て前記と同様である)の化合物を生成するための、式(1c)(式中、記号は全て前記と同様であり、L1は脱離基、例えばハロゲン原子、p−トルエンスルホネート、メタンスルホネート、トリフルオロメタンスルホネート等を表す)の化合物と、キラルまたはラセミであり得る式(1d)(式中、記号は全て前記と同様である)の化合物との反応は、溶媒、例えばアセトン、THF、DMSO、ジオキサン、DMF、DME等またはそれらの混合物の存在下で実行され得る。塩基、例えばアルカリ金属炭酸塩、例えばK2CO3、Na2CO3、アルカリ金属水素化物、例えばNaH、KHが用いられ得る。反応は、0℃〜150℃の範囲の温度で実行され、反応時間は1〜48時間の範囲であり得る。
【0066】
ルート3
【0067】
【化12】

【0068】
一般式(1e)(式中、記号は全て前記と同様である)の化合物と、キラルまたはラセミであり得る一般式(1d)(式中、記号は全て前記と同様である)の化合物との反応は、カップリング剤、例えばDCC、EDC、トリアリールホスフィン/ジアルキルアザジカルボキシレート、例えばPPh3/DEADまたはPPh3/DIAD等を用いて実行され得る。不活性大気は、N2、ArまたはHeを用いて維持され得る。溶媒、例えばTHF、ジオキサン、トルエン、CH2Cl2、CHCl3、CCl4、アセトニトリル等が用いられ得る。DMAP、HOBTのような化合物が、0.05〜2当量の範囲で用いられ得る。0℃〜溶媒の還流温度の範囲の、好ましくは20℃〜80℃の反応温度が用いられ得る。反応持続時間は、0.5〜24時間、好ましくは0.5〜12時間の範囲であり得る。
【0069】
ルート4
【0070】
【化13】

【0071】
一般式(I)(式中、記号は全て前記と同様であり、XはO原子を表す)の化合物を生成するための、式(1f)(式中、記号は全て前記と同様である)の化合物と、式(1g)(式中、R7はHを除いて前記と同様である)のアルコールとの反応は、ロジウム塩、例えば酢酸ロジウム(II)の存在下で実行され得る。溶媒、例えばベンゼン、トルエン、エーテル、THF、ジオキサン等が用いられ得る。R7OHも、反応速度を増強するための溶媒として用いられ得る。不活性大気は、N2、ArまたはHeを用いて維持され得る。反応時間は、0.25〜48時間、好ましくは0.25〜8時間の範囲であり得る。
【0072】
ルート5
【0073】
【化14】

【0074】
式(I)(式中、R5およびR6は結合を表し、他の記号は全て前記と同様である)の化合物を生成するための、一般式(1h)(式中、記号は全て前記と同様である)の化合物と、式(1i)(式中、記号は全て前記と同様である)の化合物との反応は、Wittig Horner反応条件下で、塩基、例えばアルカリ金属水素化物、例えばNaHまたはKI、アルカリ金属アルコキシド、例えばNaOMe、NaOEt、K+t−BuO-またはそれらの混合物、有機リチウム、例えばCH3Li、BuLi、sec−BULi、LDA等の存在下で実行され得る。非プロトン性溶媒、例えばTHF、ジオキサン、DMF、DMSO、DME等またはそれらの混合物が用いられ得る。HMPAは反応の進行を手助けするが、しかし不可欠というわけではない。反応は、-80℃〜50℃、好ましくは0℃〜30℃の範囲の温度で実行され得る。反応は、無水条件下ではより有効に進行する。
【0075】
式(I)(式中、R5およびR6は結合を表す)の化合物は、触媒、例えば5〜10%Pd/C、Rh/C、Pt/C、ラネーニッケル等の存在下での水素ガスとの反応により一般式(I)(式中、R5およびR6は各々水素原子を表す)の化合物に還元され得るか、あるいは5〜100%w/wの前記のそれらの混合物触媒が用いられ得る。水素ガス圧は、1気圧〜80 psiであり得る。適切な溶媒は、アルコール、例えばエタノール、メタノール等、酢酸エチル、酢酸等である。金属−溶媒、例えばアルコール中のマグネシウムまたはアルコール中のナトリウムアマルガムも用いられ得る。
【0076】
本発明の一特徴によれば、式(1h)(式中、R1、R2、R3、R4、W、nおよびArは前記と同様である)の中間体が提供される。
【0077】
【化15】

【0078】
本発明の別の特徴によれば、前記のような一般式(1h)の新規の中間体の製造方法であって、一般式(1c)(R1〜R4、nは前記と同様であり、そしてL1はハロゲン原子、例えば塩素、臭素またはヨウ素であるか、あるいは脱離基、例えばメタンスルホネート、トリフルオロメタンスルホネート、p−トルエンスルホネート等である)の化合物を、一般式(1j)(式中、Arは前記と同様である)の化合物:
【0079】
【化16】

【0080】
と反応させることを包含する方法が提供される。
【0081】
式(1h)の化合物を生成するための式(1c)の化合物と式(1j)の化合物との反応は、溶媒、例えばTHF、DMF、DMSO、DME等の存在下で実行され得る。溶媒の混合物が用いられ得る。不活性大気は、不活性ガス、例えばN2、ArまたはHeを用いることにより維持され得る。反応は、塩基、例えばK2CO3、Na2CO3またはそれらの混合物の存在下で実行され得る。反応温度は、20℃〜150℃の範囲であり、好ましくは30℃〜100℃の範囲の温度であり得る。反応持続時間は1〜24時間、好ましくは2〜6時間の範囲であり得る。
【0082】
あるいは一般式(1h)の新規中間体は、一般式(1e)(式中、R1〜R4、nは前記と同様である)の化合物と、式(1k)(式中、Arは前記と同様であり、そしてL2はハロゲン原子、例えばフッ素、塩素、臭素またはヨウ素である)の化合物:
【0083】
【化17】

【0084】
との反応によっても調製され得る。式(1h)の化合物を生成するための式(1e)の化合物と式(1k)の化合物との反応は、溶媒、例えばTHF、DMF、DMSO、DME等の存在下で実行され得る。溶媒の混合物が用いられ得る。不活性大気は、不活性ガス、例えばN2、ArまたはHeを用いることにより維持され得る。反応は、塩基、例えばK2CO3、Na2CO3、NaHまたはそれらの混合物の存在下で実行され得る。反応温度は、20℃〜150℃の範囲であり、好ましくは30℃〜100℃の範囲の温度であり得る。反応持続時間は1〜24時間、好ましくは2〜6時間の範囲であり得る。
【0085】
前記の式(1h)の新規中間体は、前記の化合物(1e)の化合物と前記の式(1j)の化合物との反応によっても生成され得る。
【0086】
一般式(1e)の化合物と式(1j)の化合物との反応は、適切なカップリング剤、例えばジシクロヘキシル尿素、トリアリールホスフィン/ジアルキルアザジカルボキシレート、例えばPPh3/DEAD等を用いて実行され得る。反応は、溶媒、例えばTHF、DME、CH2Cl2、CHCl3、トルエン、アセトニトリル、四塩化炭素の存在下で実行され得る。不活性大気は、不活性ガス、例えばN2、ArまたはHeを用いて維持され得る。反応は、DMAP、HOBTの存在下で実行され、それらは0.05〜2当量、好ましくは0.25〜1当量の範囲で用いられねばならない。反応温度は、0℃〜100℃の範囲であり、好ましくは20℃〜80℃の範囲の温度であり得る。反応持続時間は、0.5〜24時間、好ましくは6〜12時間の範囲であり得る。
【0087】
本発明の別の実施態様では、一般式(1c)および(1e)の化合物の製造方法であって、一般式(1c)または(1e)の中間体を生成するために式(1a)(式中、R1〜R4は前記と同様である)の化合物を置換アミノアルコール(1l)(式中、nは前記と同様である)と、または置換アミン(1m)(式中、nおよびL1は前記と同様である)と反応させる:
【0088】
【化18】

【0089】
ことを包含する方法が提供される。一般式(1a)の化合物と一般式(1l)または(1m)の化合物との反応は、それだけで、あるいはテトラヒドロフラン、ヘキサン、トルエン、エタノール、ヘプタン、石油エーテル、キシレン、ベンゼン、エチルアセテート、tert−ブチルアセテート、1,2−ジクロロエタン、イソ−プロパノール、ジオキサン、シクロヘキサン等のような溶媒またはそれらの混合物の存在下で実行され得る。反応温度は、0℃〜用いられる溶媒(単数または複数)の還流温度の範囲であり得る。生成される水は、Dean Stark水分離機を用いて、または分子篩のような水掃去剤により除去され得る。反応は、不活性大気、例えばN2、HeまたはArの存在下で実行され得る。反応は、酸、例えば酢酸、プロパン酸、酪酸、イソ酪酸、ピバル酸、p−トルエンスルホン酸、ショウノウスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、クロロ酢酸、クロロプロパン酸、フェニル酢酸,フェニルプロパン酸、マロン酸、コハク酸、安息香酸、ハロゲン化安息香酸、トルイル酸等の存在下で実行され得る。
【0090】
本発明の化合物は1つまたはそれ以上のキラル中心を含有し、したがってそれらは立体異性体としても存在する。本発明の化合物の立体異性体は、以下に示した1つまたはそれ以上の方法により調製され得る:
i.1つまたはそれ以上の試薬が、それらの単一異性体形態で用いられ得る。例えば化合物(1b)または(1d)は、純立体異性体であり得る。
【0091】
ii.任意に純触媒または金属触媒を伴うキラルリガンドが、還元過程に用いられ得る。金属触媒は、ロジウム、ルテニウム、インジウム等であり得る。キラルリガンドは、好ましくはキラルホスフィンであり得る(Principles of Asymmetric synthesis J E Baldwin Ed. Tetrahedron series, Volume 14, Page no. 311-316)。
【0092】
iii.立体異性体の混合物は、慣用的方法、例えば微生物分解、キラル酸またはキラル塩基による生成されたジアステレオマー塩の分解により分解され得る。キラル酸は、酒石酸、マンデル酸、乳酸、ショウノウスルホン酸、アミノ酸等であり得る。キラル塩基は、シンコナアルカロイド、ブルシンまたは塩基性アミノ酸、例えばリシン、アルギニン等であり得る。
【0093】
iv.立体異性体の混合物の分解は、キラル化合物、例えばキラルアミン、キラル酸、キラルアミノアルコール、アミノ酸を用いて化合物を、ジアステレオマーの1:1混合物に誘導することにより化学的方法によっても実行され、そしてジアステレオマーは、分画結晶化、クロマトグラフィー等の慣用的方法と、その後の誘導体の開裂により分離され得る(Jaques et al.“Enantiomers, Racemates and Resolution”, Wiley Interscience, 1981)。
【0094】
本発明の一部を構成する製薬上許容可能な塩は、式(I)の化合物を1〜6当量の塩基、例えば水素化ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、水酸化ナトリウム、カリウムtert−ブトキシド、水酸化カルシウム、酢酸カルシウム、塩化カルシウム、水酸化マグネシウム、塩化マグネシウム等で処理することにより調製され得る。溶媒、例えば水、アセトン、エーテル、THF、メタノール、エタノール、t−ブタノール、ジオキサン、イソプロパノール、イソプロピルエーテルまたはそれらの混合物が用いられ得る。有機塩基、例えばリシン、アルギニン、メチルベンジルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トロメタミン、コリン、グアニジンおよびそれらの誘導体が用いられ得る。酸付加塩は、適用可能な場合はいつでも、水、アルコール、エーテル、酢酸エチル、ジオキサン、DMFまたは低級アルキルケトン、例えばアセトンまたはそれらの混合物のような溶媒中の酸、例えば酒石酸、マンデル酸、フマル酸、マレイン酸、乳酸、サリチル酸、クエン酸、アスコルビン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ヒドロキシナフトエ酸、メタンスルホン酸、リンゴ酸、酢酸、安息香酸、コハク酸、パルミチン酸、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸等を用いた処理により調製され得る。
【0095】
異なる多形体は、異なる条件下での、例えば再結晶化のための種々の割合での異なる溶媒または溶媒混合物、結晶化の種々の方法、例えば結晶化中の緩徐冷却、迅速冷却または極迅速冷却または漸次冷却でのしき(I)の化合物の結晶化により調製され得る。異なる多形体は、化合物を加熱し、化合物を融解し、そして漸次または迅速冷却により固化するか、あるいは真空化でまたは不活性大気下で加熱または融解し、そして真空または不活性大気下で冷却することによっても生成され得る。種々の多形体は、示差走査熱量計、粉末X線回析、IR分光分析法または固形プローブNMR分光分析により同定され得る。
【0096】
本発明の別の局面は、活性成分として一般式(I)の化合物、それらの類似体、それらの互変異性形態、それらの立体異性体、それらの多形体、それらの製薬上許容可能な塩、それらの製薬上許容可能な溶媒和物のうちの少なくとも1つを、製薬的に用いられる担体、希釈剤等と一緒に含有する製剤組成物を包含する。
【0097】
本発明の化合物を含有する製剤組成物は、例えばRemington: the Science and Practice of Pharmacy, 19th Ed., 1995に記載されているような慣用的技法により調製され得る。組成物は、カプセル、錠剤、粉末、溶液、懸濁液、シロップ、エアゾールのような慣用的形態で、または局所的適用であり得る。それらは、注射用溶液または懸濁液を生成するために、適切な固体または液体担体を含有し、あるいは適切な滅菌媒質中であり得る。組成物は、0.5〜20重量%、好ましくは0.5〜10重量%の活性化合物を含有し、残りは製薬上許容可能な担体、賦形剤、希釈剤、溶媒等である。
【0098】
典型的組成物は、担体または希釈剤であり得るか、あるいは担体により希釈されるかあるいはカプセル、サッシェ、紙または他の容器の形態であり得る担体内に封入され得る製薬上許容可能な賦形剤と会合される式(I)の化合物またはその製薬上許容可能な酸付加塩を含有する。担体が希釈剤として供される場合、それは、活性化合物のためのビヒクル、賦形剤または媒質として作用する固体、半固体または液体物質であり得る。活性化合物は、例えばサッシェ中の粒状固体容器上に吸収され得る。適切な担体のいくつかは、水、塩溶液、アルコール、ポリエチレングリコール、ポリヒドロキシエトキシル化ヒマシ油、落花生油、オリーブ油、ゼラチン、ラクトース、石膏、スクロース、シクロデキストリン、アミロース、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ゼラチン、寒天、ペクチン、アラビアゴム、ステアリン酸またはセルロースの低級アルキルエーテル、ケイ酸、脂肪酸、脂肪酸アミン、脂肪酸モノグリセリドおよびジグリセリド、ペンタエリトリトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン、ヒドロキシメチルセルロースおよびポリビニルピロリドンである。同様に担体または希釈剤は、当業界で既知の任意の持効性物質、例えばグリセリルモノステアレートまたはグリセリルジステアレートを、単独でまたは蝋と混合されて、含み得る。処方物は、湿潤剤、乳化剤および沈殿防止剤、防腐剤、甘味剤または風味剤も含み得る。本発明の処方物は、当業界で周知の手法を用いることにより、患者への投与後に活性成分の迅速、持続性または遅延放出を提供するよう処方され得る。
【0099】
製剤組成物は滅菌され、所望により、活性化合物と有害に反応しない助剤、乳化剤、緩衝剤および/または着色物質等と混合され得る。
【0100】
投与経路は、有効に適切なまたは所望の作用部位に活性薬剤を有効に運搬する任意の経路、例えば経口、鼻、経皮、肺または非経口、例えば直腸、貯蔵所、皮下、静脈内、尿道内、筋内、鼻腔内、眼用溶液または軟膏であり、好ましくは経口経路であり得る。
【0101】
固体担体が経口投与のために用いられる場合、調製物は錠剤成形され、粉末またはペレット形態で硬質ゼラチンカプセル中に入れられ得るし、あるいはそれはトローチまたはロゼンジの形態であり得る。液体担体が用いられる場合、調製物はシロップ、エマルション、軟質ゼラチンカプセルまたは滅菌注射液、例えば水性または非水性液体懸濁液または溶液の形態であり得る。
【0102】
鼻投与のためには、調製物は、エアゾール適用のために液体担体、特に水性担体中に溶解または懸濁された式(I)の化合物を含有し得る。担体は、添加剤、例えば可溶化剤、例えばプロピレングリコール、界面活性剤、吸収増強剤、例えばレシチン(ホスファチジルコリン)またはシクロデキストリン、あるいは防腐剤、例えばパラベンを含有し得る。
【0103】
非経口適用に関しては、特に適切なのは注射可能溶液または懸濁液、好ましくはポリヒドロキシル化ヒマシ油中に溶解された活性化合物を伴う水性溶液である。
【0104】
タルクおよび/または炭水化物担体または結合剤等を有する錠剤、糖衣錠またはカプセルは、経口適用に特に適している。好ましくは錠剤、糖衣錠またはカプセル用の担体としては、ラクトース、コーンスターチおよび/またはジャガイモデンプンが挙げられる。シロップまたはエリキシルは、甘味化ビヒクルが用いられ得る場合に用いられ得る。
【0105】
慣用的錠剤成形技法により調製され得る典型的錠剤は、以下のものを含有し得る:
コア:
活性化後(遊離化合物またはその塩として) 5.0 mg
コロイド二酸化ケイ素(エーロシル) 1.5 mg
セルロース、微晶質(アビセル) 70.0 mg
修飾セルロースゴム(Ac−Di−Sol) 7.5 mg
ステアリン酸マグネシウム ad.
コーティング:
HPMC 約9.0 mg
*マイカセット9−40 約0.9 mg
*アシル化モノグリセリド(皮膜コーティング用の可塑剤として用いられる)
一般式(I)の化合物またはその組成物は、代謝障害、例えば高脂血症、インスリン抵抗性、レプチン抵抗性、高血糖症,肥満または炎症により引き起こされる疾患の治療および/または予防のために有用である。
【0106】
これらの化合物は、高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、2型糖尿病、異脂血症、X症候群に関連した障害、例えば高血圧、肥満、インスリン抵抗性、冠動脈疾患、アテローム硬化症、黄色腫、卒中、末梢血管性疾患および関連障害、糖尿病合併症、ある種の腎疾患、例えば糸球体腎炎、糸球体硬化症、ネフローゼ症候群、高血圧性腎硬化症、網膜症、腎症、乾癬、多嚢胞性卵巣症候群、骨粗鬆症、炎症性腸疾患、筋緊張性ジストロフィー、動脈硬化症、黄色腫、膵臓炎の治療のために、ならびに癌の治療のために有用である。
【0107】
本発明の化合物は、前記の疾患のこのような治療、予防、排除、軽減または改善を必要とする哺乳類、特にヒトに投与され得る。
【0108】
本発明の化合物は広範な用量範囲にわたって有効であるが、しかしながら的確な用量、投与方式および組成物の形態は治療される被験者によっており、被験者の治療に関与する医師または獣医師により確定される。一般に、約0.025〜約200 mg、好ましくは約0.1〜約100 mg/日の投薬量が用いられ得る。一般に、単位投薬量形態は、活性成分として約0.01〜100 mgの式(I)の化合物を製薬上許容可能な担体と一緒に含む。通常は、鼻、経口、経皮または肺投与のための適切な投薬形態は、約0.001 mg〜約100 mg、好ましくは0.01 mg〜約50 mgの活性成分を製薬上許容可能な担体または希釈剤と混合されて含む。
【0109】
本発明の別の局面では、前記の疾患の治療および/または予防の方法が提供される。
【0110】
本発明のさらに別の局面では、本文書に記載された疾患の治療および/または予防のためのその薬剤の調製のための1つまたはそれ以上の一般式(I)の化合物または製薬上許容可能な塩が提供される。
【0111】
本発明のさらに別の局面では、スタチン、グリタゾン、スルホニル尿素、fibric acid誘導体、α−グリコシダーゼ阻害剤または酸化防止剤を伴う本発明の化合物の使用が提供される。
【0112】
本発明を下記の実施例で詳細に説明するが、それらは本発明を説明するためにのみ提供されるものであって、したがって本発明の範囲を限定するものではない。
【実施例】
【0113】
調製物1
1−(2−ヒドロキシエチル)−2,5−ジメチル−1H−ピロール(化合物No.2):
【0114】
【化19】

【0115】
ヘキサン−2,5−ジオン(5 g)、エタノールアミン(26.7 g)、ピバル酸(23.26 g)およびn−ヘプタン:テトラヒドロフラン:トルエン(4:1:4, 5 mL)を含有する溶媒混合物の混合物を、110〜120℃で撹拌しながら還流した。反応中に生成された水を、3〜4時間の間に共沸的に除去した。混合物を冷却し、溶媒を除去した。生じた残渣をジクロロメタン(30 mL)に溶解し、飽和重炭酸ナトリウム溶液(30 mL)、水(30 mL)で、次にブライン(30 mL)で洗浄し、乾燥(Na2SO4)して、溶媒を蒸発させた。油状塊として生じた粗製化合物を、溶離液として酢酸エチル:ヘキサン(2:8)を用いてカラムクロマトグラフィー(シリカゲル100〜2000)により精製して、表題化合物を得た。
【0116】
調製物1に記載したのと同様の方法で、式(1e)の以下の化合物(表1に示す)を、適切に置換されたジケトンから調製した。後者は、文献に見出される種々のルートを用いて合成し得る。
【0117】
【化20】

【0118】
【表1】

【0119】
【表2】

【0120】
調製物2
表1に記載した化合物8も、対応するアルデヒドを用いる代替的ルートにより、良好な収率で調製し得る。その過程を以下に示す:
対応するアルデヒド(2 g)およびホウ水素化ナトリウム(0.167 g)を含有する混合物を無水アルコール(20 mL)中に溶解した。それを0〜5℃で約2時間撹拌した。生じた固体生成物を氷冷水(40 mL)で希釈し、15分間撹拌して、濾過し、水(2 x 10 mL)で洗浄して、真空デシケーター中で五酸化リン上で乾燥させた(2 g, 100%)。
【0121】
調製物3
メチル−2−(2,5−ジメチル−1H−ピロール−1−イル)エチルスルホネート(化合物No.13):
【0122】
【化21】

【0123】
調製物1で得た化合物2(3.0 g)、トリエチルアミン(11 mL)の溶液に、0℃でメタンスルホニルクロリド(5 g)を付加し、窒素雰囲気下で0℃で1時間撹拌した。混合物を約20〜25℃の温度に暖めて、その温度で約2時間撹拌した(TLC)。反応完了後、水(30 mL)を付加し、有機層を分離した。混合物を、飽和重炭酸ナトリウム溶液(20 mL)、水(20 mL)で、次にブライン(20 mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥した。有機層を減圧下で蒸発させた。粗製物質は、精製せずに次の段階で用いた。調製物3に記載したのと同様の方法で、式(1c)の以下の化合物(表2に示す)を、表1に記載した適切に置換されたピロール誘導体(1a)から調製した:
表2
【0124】
【化22】

【0125】
【表3】

【0126】
【表4】

【0127】
実施例2
エチル3−{4−[2−(2,5−ジメチルピロール−1−イル)エトキシ]フェニル}−2−エトキシプロパノエートの調製
【0128】
【化23】

【0129】
ジメチルホルムアミド(20 mL)中のエチル3−(4−ヒドロキシフェニル)−2エトキシプロパノエート(1.12 g)および炭酸カリウム(2.37 g)の混合物を70℃〜80℃で10分間撹拌した後、ジメチルホルムアミド(10 mL)中のメシレート(化合物No.13)(2.3 g)を付加した。反応混合物を70℃〜80℃で5時間撹拌し、25℃〜30℃で一夜放置した(約16時間)。反応混合物を水(40 mL)で希釈した。生成物を酢酸エチル(2 x 100 mL)で抽出した。有機層を飽和重炭酸ナトリウム溶液(65 mL)、水(2 x 80 mL)、ブライン(80 mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥した。減圧下で酢酸エチルを蒸発させて、油状物質を得た。
【0130】
粗製生成物(3 g)を、溶離液としてクロロホルム:酢酸エチル(9:1)を用いてシリカゲル上でクロマトグラフィー処理して、純表題化合物を得た(2.6 g, 89%)。
【0131】
前記実施例に記載したのと同様の方法で、式(I)の以下の化合物(表3に示す)を、表2に記載したような適切に置換されたピロール誘導体から調製した:
表3
【0132】
【化24】

【0133】
【表5】

【0134】
【表6】

【0135】
【表7】

【0136】
実施例13
3−{4−[2−(2,5−ジメチルピロール−1−イル)エトキシ]フェニル}−2−エトキシプロパン酸の調製
【0137】
【化25】

【0138】
メタノール(20 mL)中の置換エステル(実施例2で調製)(1.38 g)、水酸化ナトリウム(3.0%, 15 mL)の混合物を20℃〜25℃で10時間撹拌した。メタノールを減圧下で蒸発させた。残渣を水(20 mL)で希釈し、それを希塩酸で酸性にした。生成物を酢酸エチル(3 x 20 mL)で抽出した。有機層を飽和重炭酸ナトリウム溶液(65 mL)、水(2 x 80 mL)、ブライン(80 mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥して、油状物質を得た(1.2 g, 94%)。粗製生成物(3 g)を、溶離液としてヘキサン:酢酸エチル(9:1)を用いてシリカゲルを用いてカラムクロマトグラフィーにより分離して、純表題化合物を得た(0.75 g, 59%)。
【0139】
実施例13に記載したのと同様の方法で、式(I)の以下の化合物(表4に示す)を、適切に置換されたピロール誘導体から同様に調製した:
【0140】
【表8】

【0141】
【表9】

【0142】
【表10】

【0143】
実施例23〜33は、以下の方法により調製される実施例12〜22における酸の対応するナトリウム塩である。
【0144】
実施例26
3−{4−[2−(2,5−ジメチルピロール−1−イル)エトキシ]フェニル}−2−エトキシプロパン酸のナトリウム塩の調製
【0145】
【化26】

【0146】
メタノール20 mL中にとった酸化合物(前記実施例15で調製)(0.64 g)に水酸化ナトリウム(0.056 g)を付加し、20℃〜25℃で3時間撹拌した。その後、メタノールを減圧下で蒸留して、表題化合物(0.5 g)を得た。
【0147】
実施例34〜44は、以下の方法により調製される実施例12〜22の酸の対応するカルシウム塩である。
【0148】
実施例37
3−{4−[2−(2,5−ジメチルピロール−1−イル)エトキシ]フェニル}−2−エトキシプロパン酸のカルシウム塩の調製
【0149】
【化27】

【0150】
ナトリウム塩(実施例26で調製)(0.5 g)をメタノール(20 mL)中に溶解し、20℃〜25℃で酢酸カルシウムで処理した。さらに、酸のカルシウム塩が析出する場合には、水50 mLを付加した。沈殿物を濾過し、水で、次にジイソプロピルエーテル(2 x 20 mL)で洗浄して、表題化合物を得た。
【0151】
同様に、適切な酸/塩基を用いて、または文献中で既知の方法により、前記と同様の方法でその他の製薬上許容可能な塩を調製し得る。
【0152】
本発明の化合物は、無作為血糖レベル、トリグリセリド、総コレステロール、LDL、VLDLを下げ、そしてHDLを増大した。これは、in vivo動物実験により実証された。
【0153】
化合物のin vivo効能の立証:
1.Swissアルビノマウスにおける血漿トリグリセリドおよび総コレステロール低減活性:
雄Swissアルビノマウス(SAM)をNIN, Hyderabad, Indiaから入手して、Zydus動物舎に収容した。これらの動物は全て、25±1℃で12時間明暗周期下に保持した。動物に標準実験室食物(NIN, Hyderabad, India)を与え、水は自由に摂らせた。体重範囲20〜25 gのSAMを用いた。
【0154】
0.3〜50 mg/kg/日で6日間、Swissアルビノマウスに被験化合物を経口投与した。対照マウスはビヒクル(0.25%のカルボキシメチルセルロース;用量10 ml/kg)で処置した。
【0155】
処置0および6日目、薬剤投与1時間後に給餌状態で、血液試料を収集した。血液はヘパリン処理毛管を通して眼窩後洞から収集し、トリグリセリドおよび総コレステロールに関して血清を分析した(Wieland, O. Methods of Enzymatic analysis. Bergermeyer, H., O., Ed., 1963. 211-214; Trinder, P. Ann. Clin. Biochem. 1969. 6: 24-27)。血漿トリグリセリドおよび総コレステロールの測定は、市販キット(Zydus-Cadila, Pathline, Ahmedabad, India)を用いて実行した。
【0156】
計算式
以下の式により、トリグリセリド/総コレステロールの低減パーセンテージを算定した:
【0157】
【数1】

【0158】
2.高コレステロール血症ラットモデルにおけるコレステロール低減活性
Zydus動物舎中で飼育した雄Sprague Dawleyラットストックを、25±1℃で12時間明暗周期下に保持した。体重範囲180〜200 gのラットを実験に用いた。15日間、標準実験室食物(NIN, Hyderabad, India)を混合した2%コレステロールおよび1%塩素酸ナトリウムを給餌することにより動物を高コレステロール血症にさせ、水は自由に摂らせた。実験中はずっと、動物は同一食餌で保持した(Petit, D., Bonnefis, M.T., Rey, C and Infante, R. Effects of ciprofibrate on liver lipids and lipoprotein synthesis in normal and hyperlipidemic rats. Atherosclerosis. 1988. 74:215-225)。
【0159】
0.1〜50 mg/kg/日で6日間、被験化合物を経口投与した。対照群はビヒクル単独(0.25%のカルボキシメチルセルロース;用量10 ml/kg)で処置した。
【0160】
処置0および6日目、薬剤投与1時間後に給餌状態で、血液試料を収集した。血液はヘパリン処理毛管を通して眼窩後洞から収集し、市販キット(Zydus-Cadila, Pathline, Ahmedabad, India)を用いて、トリグリセリドおよび総コレステロールおよびHDLに関して血清試料を分析した(Wieland, O. Methods of Enzymatic analysis. Bergermeyer, H., O., Ed., 1963. 211-214; Trinder, P. Ann. Clin. Biochem. 1969. 6: 24-27)。LDLおよびVLDLコレステロールは、総コレステロール、HDLおよびトリグリセリドに関して得られたデータから算定した。実験した種々のパラメーターの低減は、式にしたがって算定する。
【0161】
LDLおよびVLDLコレステロールレベルを、次式により算定した:
LDLコレステロール(mg/dl)=総コレステロール−HDLコレステロール−トリグリセリド
VLDLコレステロール(mg/dl)=総コレステロール−HDLコレステロール−LDLコレステロール。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の式(I)
【化1】

{式中、1つ又はそれ以上の基R1、R2、R3、R4は同一であり得るし又は異なることもあり、そして水素、ハロゲン、ペルハロアルキル、アミノ、ニトロ、シアノ、ホルミル、アミジノ、グアニジノ、フェニルカルバモイル、以下の:
(C1〜C12)アルキル基であってメチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、iso−ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、iso−ヘキシル、ヘプチル、オクチル基から選ばれるもの;
直鎖又は分枝(C2〜C12)アルケニル基であってメチレン、エチレン、n−プロピレン、iso−プロピレン、n−ブチレン、iso−ブチレン、t−ブチレン、n−ペンチレン、iso−ペンチレン、n−ヘキシレン、iso−ヘキシレン、n−ヘプチレン、iso−ヘプチレン、オクチレン基から選ばれるもの;
(C3〜C7)シクロアルキル基であってシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル基から選ばれるもの;
(C3〜C7)シクロアルケニル基であってシクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、シクロヘプタジエニル、シクロヘプタトリエニル基から選ばれるもの;
ビシクロアルキル基であってビシクロオクタン、ビシクロノナン、及びビシクロデカンから選ばれるもの;
ビシクロアルケニルであって、ビシクロオクテン、ビシクロノネン、及びビシクロドセンから選ばれることができるもの;
(C1〜C12)アルコキシ基であってメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブチルオキシ、iso−プロピルオキシ、iso−ブチルオキシ、n−ペンチルオキシ、iso−ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、iso−ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、iso−ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、ノニルオキシ基から選ばれるもの;
シクロ(C3〜C7)アルコキシ基であってシクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ、シクロヘプチルオキシ基から選ばれるもの;
アリール基であってフェニル、ナフチル、ベンゾ−[1,3]ジオキソール又はビフェニル基から選ばれるもの;
アリールオキシ基であってフェノキシ、ナフチルオキシ、ビフェニルオキシ基から選ばれるもの;
アラルキル基であって、アリール基及びアルキル基が先に定義したものであるもの;
アラルコキシ基であって、先に定義したそのアラルキル基が酸素原子に結合したもの;
ヘテロアリール基であってピリジル、チエニル、フリール、ピロールイル、オキサゾールイル、チアゾールイル、イミダゾールイル、オキサジアゾールイル、テトラゾールイル、ベンゾピラニル、ベンゾフラニル基から選ばれるもの;
ヘテロアラルキル基であってフランメチル、ピリジンメチル、オキサゾールメチル、オキサゾールエチル基から選ばれるもの;
ヘテロアリールオキシ基であって、先に定義したヘテロアリール基が酸素原子に結合したもの;
ヘテロアラルコキシ基であって、先に定義したヘテロアラルキル基が酸素原子に結合したもの;
アシル基であってアセチル、プロピオニル、ベンゾイル基から選ばれるもの;
アシルオキシ基であってCH3COO、C25COO、C65COO基から選ばれるもの;
アシルアミノ基であってCH3CONH、C25CONH、C37CONH、C65CONH基から選ばれるもの;
モノアルキルアミノ基であってCH3NH、C25NH、C37NH、C613NH基から選ばれるもの;
ジアルキルアミノ基であってN(CH32、CH3(C25)N基から選ばれるもの;
アリールアミノ基であってC65NH、CH3(C65)N、C64(CH3)NH,NHC64−Hal基から選ばれるもの;
アラルキルアミノ基であってC65CH2NH、C65CH2CH2NH、C65CH2NCH3基から選ばれるもの;
アルコキシカルボニル基であって、先に定義したアルコキシ基がカルボニル基に結合したもの;
アリールオキシカルボニル基であって、先に定義したアリールオキシ基がカルボニル基に結合されたもの;
アラルコキシカルボニル基であって、先に定義したアラルコシキ基がカルボニル基に結合されたもの;
ヘテロシクロアルコキシカルボニル基であって、ヘテロシクロアルコキシ基がカルボニル基に結合されたもの;
ヘテロアリールオキシカルボニル基であって、先に定義したヘテロアリールオキシ基がカルボニル基に結合されたもの;
ヘテロアラルコキシカルボニル基であって、先に定義したヘテロアラルコキシ基がカルボニル基に結合されたもの;
ヒドロキシアルキル基であって、先に定義したアルキル基がヒドロキシ基で置換されたもの;
アミノアルキル基であって、先に定義したアルキル基がアミノ基で置換されたもの;
モノ又はジ置換アルキルアミノアルキルであって、先に定義したアルキル基が、先に定義したアルキルアミノ基で置換されたもの;
アルコキシアルキルであって、先に定義したアルキル基が、先に定義したアルコキシ基に結合したもの;
アリールオキシアルキルであって、先に定義したアルキル基が、先に定義したアリールオキシ基に結合したもの;
アラルコキシアルキルであって、先に定義したアルキル基が、先に定義したアラルコキシ基に結合したもの;
アルキルチオ又はチオアルキル基であって、そのアルキル基が先に定義したものであるもの;
アルコキシカルボニルアミノであって、先に定義したアルコキシカルボニル基がアミノ基に結合したもの;
アリールオキシカルボニルアミノであって、先に定義したアリールオキシカルボニル基がアミノ基に結合したもの;
アラルキルオキシカルボニルアミノであって、先に定義したアラルキルオキシカルボニル基がアミノ基に結合したもの;
アミノカルボニルアミノであって、アミカルボニル基がアミノ基に結合したもの;
ヒドラジノ、ヒドロキシアミノ、カルボン酸;
から選択される置換または非置換基を表し;
ここで、R1、R2、R3、及びR4上の置換基は、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、シクロアルコキシ、アリール、アラルキル、アラルコキシアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、アシル、アシルオキシ、ヒドロキシアルキル、アミノ、アシルアミノ、アリールアミノ、アミノアルキル、アリールオキシ、アラルコキシ、アルキルアミノ、アルコキシアルキル、アルキルチオ、オアルキル基から選ばれ、ここで、当該置換基は先に定義したものと同じである;
nは1〜8の範囲の整数であり;WはO、S又はNR9(ここでR9は先に定義したアルキル又はアリールを表す)を表し;Arは置換又は非置換のフェニレン基であり、当該「Ar」上の置換基は直鎖又は分枝アルキル、アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アシル、アミノ、アシルアミノ、チオ又はカルボン酸又はスルホン酸から選ばれ、ここで、当該各基は先に定義したものから選ばれる;R5及びR6はともに水素を表すか又は一緒になって結合を表し;R5及びR6はヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、ハロゲン、アシル、アラルキル基も表し、ここで、当該各基は先に定義したものから選ばれる;XはO又はSを表し;R7は水素、ペルフルオロアルキル、又はアルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、アルコキシアルキル、アリールオキシアルキル、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、アシル基から選択される基を表し、ここで、当該各基は先に定義したものから選ばれる;YはOを表し;Zは酸素又はNR10(ここでR10は水素、又はアルキル、アリール、アラルキル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル基から選択される基を表す、ここで、当該各基は先に定義したものから選ばれる)を表し;R8は水素、又はアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アルキルアミノアルキル基から選択される基を表し、ここで、当該各基は先に定義したものから選ばれる。}
により表される化合物、その互変異性形態、その立体異性体、その製薬上許容可能な塩又はその製薬上許容可能な溶媒和物の製造方法であって、
以下のステップ:
式(1a)
(式中、記号は全て先に定義したものと同じである)の化合物を、ラセミ又はキラルであり得る式(1b)(式中、記号は全て先に定義したものと同じである)と反応させて、式(I)(式中、記号は全て先に定義したものと同じである)の化合物を生成する
【化2】

を含む、前記方法。
【請求項2】
以下のステップ:
式(1e)(式中、記号は全て請求項1で定義したものと同じである)の化合物を、ラセミ又はキラルであり得る式(1d)(式中、記号は全て請求項1で定義したものと同じである)の化合物と反応させる
【化3】

を含む、請求項1に記載の式(I)の化合物の製造方法。
【請求項3】
以下のステップ:
式(1f)(式中、記号は全て請求項1で定義したものと同じである)の化合物を、式(1g)(式中、R7はHを除いて請求項1で定義したものと同じである)のアルコールと反応させて、式(I)の化合物を生成し、一般式(I)(式中、記号は全て請求項1で定義したものと同じであり、そしてXは「O」原子を表す)の化合物を生成する
【化4】

を含む、請求項1に記載の式(I)の化合物の製造方法。
【請求項4】
以下のステップ:
一般式(1h)(式中、記号は全て請求項1で定義したものと同じである)の化合物を、キラル又はラセミであり得る式(1i)(式中、記号は全て請求項1で定義したものと様であり、そしてRは(C1〜C8)アルキルを表す)の化合物と反応させて、式(I)(式中、記号は全て請求項1で定義したものと同じであり、そしてR5及びR6は一緒になって結合を形成する)の化合物を生成する
【化5】

を含む、請求項1に記載の式(I)の化合物の製造方法。
【請求項5】
請求項1に記載の一般式(I)の化合物、それらの互変異性形態、それらの立体異性体、それらの多形体、それらの製薬上許容可能な塩又はそれらの製薬上許容可能な溶媒和物、及びそれらを含有する製薬上許容可能な組成物を含む医薬組成物。
【請求項6】
錠剤、カプセル、粉末、シロップ、溶液又は懸濁液の形態にある、一般式(I)の化合物を含む請求項に記載の医薬組成物。

【公開番号】特開2008−308504(P2008−308504A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−200104(P2008−200104)
【出願日】平成20年8月1日(2008.8.1)
【分割の表示】特願2001−553262(P2001−553262)の分割
【原出願日】平成13年1月17日(2001.1.17)
【出願人】(502262953)カディラ ヘルスケア リミティド (2)
【Fターム(参考)】