説明

作業実績収集システム

【課題】生産ラインに配置された部品、組み立て重量および締結時間を検知し、標準作業時間と相違点とを照合し、組み立て部品の順番の入れ替えを行うことを可能とする。
【解決手段】自動搬送装置の周辺に配置されており、かつ、作業ステーションIDを保持している作業ステーションRF−IDタグから作業ステーションIDを読取るとともに、部品トレイに貼付されており、部品IDを保持している部品IDタグから部分IDを読取るID情報読取り手段3と、標準作業情報を記憶している標準作業情報記憶手段1と、重量変化値と重量変化値の発生時間とを計測して重量変化情報として検知する重量測定手段4と、電動工具の作動回数と作動時間とを作動情報として検知する電動工具作動状況検知手段5と、標準作業情報読取工程と、ID情報読取工程と、電動工具作動検知工程と、重量変化検知工程と、作業順番確定工程とを実施する制御手段2とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工場等の生産現場に設置され、作業時間および作業順番を作業者別、作業工程別に収集するための作業実績収集システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、作業実績収集を行う方法としては、(例1)収集者による観察、タイム計測またはビデオームービーを用いた映像記録と分析を行う方法、(例2)無線ハンディーターミナルなどで作業者が作業記録を行う方法、などが一般的である。例1の方法は、収集者および分析者の人手作業が必要であるといった問題があり、また、例2の方法は、作業者に作業以外の付帯業務を課すことになるため、作業負担が増大し記録ミスを発生してしまう場合があり、収集データの信頼性に問題があった。
【0003】
上記のような問題の解決方法として、収集分析を自動化し作業者に作業記録をさせることなく作業実績を測る方法があり、その方法の一例として、特許文献1に開示されている作業時間実績収集方法がある。この作業時間実績収集方法では、作業者IDまたは被作業物IDを用いて管理されている作業者および被作業物の入出時間と、作業道具の作動時間と、予め決まっている作業者の作業手順とから作業者がどの作業にどれだけ時間を要したのかを示す情報を収集している。
【特許文献1】特開2005−115722号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記したように、例1のような映像記録から作業実績分析する方法では、新たな業務が発生してしまう。さらに、作業分析に時間を要するため、昨日の作業実績を知りたいという場合には、即座に提示することが困難となる。また、例2のような作業者が作業記録を行う方法では、本来の組み立て作業以外の付帯業務を発生し、生産効率を落とす要因となるといった問題があった。
【0005】
従って、作業者や現場担当者に付帯業務を発生させること無く作業実績を収集することが望ましい。上記特許文献の作業時間実績収集方法においては、RF−ID(Radio Frequency Identification)を利用して、作業ステーションの作業者および被作業物の位置情報から、何時、何処で、どの作業者が、何をしたのかを示す情報を収集している。しかしながら、これは、作業者の作業内容および作業手順が固定されていることを前提に作業内容を確定するものである。そのため、作業ステーションで行う作業内容および作業者の作業内容が日々変化する組み立て生産では、作業者が「何をしたか」を確定することができない。一般的に、標準となる生産の作業順番を示した作業指図書、作業指導書と呼ばれる作業内容、および順番を規定したルールが存在するが、作業者の欠勤や、標準作業とラインバランスとの不一致などから、生産現場では作業順番の入れ替えがしばしば行われている。従って、実際には、基本的な標準作業に準拠しているものの、ラインリーダーと呼ばれるライン責任者が経験や勘に基づき、作業者の得手、不得手を考慮しながら生産状況を見て判断し、作業順番の入れ替えを行っている。また、この生産順番の入れ替えは、生産現場のPC(personal computer)を使用しない職場で行われるものであるので、記録として残らず、作業実績を正確に収集することができなかった。
【0006】
本発明は係る問題点を解決すべく創案されたもので、その目的は、生産ラインに配置された部品、組み立て重量および締結時間を検知し、標準作業時間と相違点とを照合し、組み立て部品の順番の入れ替えを行うことが可能な作業実績収集システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の作業実績収集システムは、作業者、被作業物および作業ステーションの位置情報に加え、作業ステーションに設置された電動工具の動作を示す情報と部品追加に生じる荷重変化情報とを標準作業情報との照合に用い、類似点の抽出を行うといったデータ処理を行っており、その結果、何時、何処で作業者が何をしたかといった作業実績情報を収集することが可能となっている。
【0008】
即ち、全組み立て工程を構成する複数の作業ステーションのそれぞれに配置されており、各作業ステーションを特定する作業ステーション識別情報を保持している作業ステーション識別情報保持手段と、組み立て作業対象物とともに作業ステージ上に載置され、各作業ステーションにおいて作業ステーション識別情報を読取る作業ステーション識別情報読取手段と、各作業ステーションに配置された複数の部品トレイに貼付されており、各部品トレイに収納されている部品の種類を特定する部品識別情報を保持している部品識別情報保持手段と、組み立て作業対象物とともに作業ステージ上に載置されており、部品識別情報を読取る部品識別情報読取手段と、組み立に使用される部品に関する部品識別情報と、部品の重量を示す重量情報と、部品の締結の有無および締結の回数を示す締結情報とを少なくとも含む標準作業情報を記憶している標準作業情報記憶手段と、作業ステージ上に載置されている作業対象物に部品を組み付ける際に生じる重量変化値と重量変化値の発生時間とを計測して重量変化情報として検知する重量検知手段と、組み立て作業に用いられる電動工具の作動回数と作動時間とを作動情報として検知する電動工具作動状況検知手段と、各作業ステーションにおいて組み立て対象部品の作業実績を収集する制御手段とを備えており、前記制御手段は、前記部品識別情報読取手段によって読取られた部品識別情報と、前記作業ステーション識別情報読取手段によって読取られた作業ステーション識別情報とを関連付けして得られた作業実績ログを作業実績ログ記憶手段に記憶する工程と、前記部品識別情報読取手段によって読取られた部品識別情報から部品を特定して、この部品に関する重量情報と締結情報とを標準作業情報から抽出し、抽出された重量情報および締結情報と作業実績ログの部品識別情報とを関連付けすることにより作業実績ログを再編集し、得られた作業実績ログを作業実績ログ記憶手段に記憶する工程と、前記重量検知手段が検知した重量変化値を、前記作業実績ログ記憶手段に記憶されている各重量情報と照合し、照合の結果合致した重量変化値に関する全ての情報を重量変化値の発生時間順に並べ替えて、作業実績ログを構成する情報を実際の作業順番に即して並び替え、並び替え後の作業実績ログを前記作業実績ログ記憶手段に記憶する工程と、電動工具作動状況検知手段によって検知された作動回数および作動時間が、前記作業実録ログ記憶手段に記憶されている作業実録ログの重量情報および締結情報と合致しているか否かを照合して、合致している場合には、作業実録ログの編集を終了する工程と、全ての作業ステーションに関する作業実績ログの編集が終了したときに得られた作業実績ログを示すデータを出力手段から出力する工程と、を各作業ステーションにおいて実施するものである。
【0009】
また、上記構成において、作業ステーションIDおよび前記作業ステーション識別情報読取手段を用いて作業ステーションを特定する代わりに、ラインで予め設定されているタクトタイムの時間に基づき作業ステーションを特定してもよい。この場合には、作業ステーションIDおよび前記作業ステーション識別情報読取手段を新たに設置することなく、作業ステーションの特定を容易に実施することができる。
【0010】
また、上記構成において、前記作業ステーションIDおよび前記作業ステーション識別情報読取手段を用いて作業ステーションを特定する代わりに、作業者がフットブレーキで作業ステージのフリーフローラインのストッパーを解除したタイミングを示す信号を検知し、この信号を検知したタイミングを、作業ステーションに作業ステージが搬送されたタイミングとして作業ステーションを特定してもよい。この場合には、前記作業ステーションIDおよび前記作業ステーション識別情報読取手段を新たに設置することなく、作業ステーションの特定を比較的容易に実施することができる。
【0011】
また、上記構成において、前記作業ステーションIDとして1次元バーコードまたは2次元バーコードを用いて、前記作業ステーション識別情報読取手段としてバーコードリーダを用いてもよい。この場合には、比較的安価な設備で作業ステーションの特定を実施することができる。
【0012】
また、上記構成において、前記制御手段が作業ステージに装備されており、電動工具作動状況検知手段が検知した情報が無線ローカルエリアネットワーク(LAN)を介して制御手段に配信されるか、または電動工具作動状況検知手段が検知した情報が、情報保持手段に一旦書き込まれた後、作業ステージ上に装備された情報読取手段によって読取られ、この情報読取手段から制御手段に送信されるといったものであってもよい。
【0013】
また、上記構成において、出力された作業実績ログを示すデータから、作業者別の作業要素毎の累計作業時間を示すデータが加工され、加工されたデータが作業者スキル情報としてデータ記憶手段に保存されるといったものであってもよい。この場合には、作業者の作業習熟度の目安に用いることができる。
【0014】
また、上記構成において、重量検知手段によって得られた重量変化情報が標準作業情報に含まれる重量情報とを照合した結果、合致しない場合、および電動工具作動状況検知手段によって得られた作動情報が標準作業情報に含まれる締結情報と照合した結果、照合しない場合、音声または光を用いてアラートを作業者に報知するといったものであってもよい。この場合には、作業者の作業ミスを容易にみつけることができる。
【0015】
次に、本発明の作業実績収集システムの構成例について図面を参照しつつ説明する。
【0016】
図1は、本発明の作業実績収集システムの構成例を示すブロック図である。
【0017】
本発明の作業実績収集システムは、作業ステージ上に載置された作業対象物に対する作業実績を収集するシステムであって、標準作業情報記憶手段1と、制御手段2と、ID情報読取り手段3と、重量検知手段である重量測定手段4と、電動工具作動状態検知手段5とで構成されることを特徴としている。
【0018】
標準作業情報記憶手段1は、機種毎の標準作業情報を検索および抽出する機能を有する。制御手段2は、標準作業情報記憶手段1が呼び出した機種の標準作業情報と、作業実績収集情報とを用いて、作業内容の照合判断や作業順番の確定を実施する機能を有する。
【0019】
ID情報読取り手段3は、各作業ステーションに備えられた作業ステーションRF−IDタグ(作業ステーション識別情報保持手段)が示す作業ステーションIDと、作業者に備えられた作業者RF−IDタグ(作業者識別情報保持手段)が示す作業者IDと、各部品に備えられた部品RF−IDタグ(部品識別情報保持手段)が示す部品IDとを検知する機能を有する。重量測定手段4は、作業終了後の作業対象物の重量変化の測定と変化発生時間とを検知する機能を有する。電動工具作動状態検知手段5は、作業者により電動工具を使用して行なわれた作業における、電動工具の作動時間と作動回数とを検知する機能を有する。
【0020】
制御手段2は、ID情報読取り手段3が検知した部品IDが標準作業情報記憶手段1で抽出した機種の標準作業情報中の部品IDと一致し、かつ、重量測定手段4が検知した(測定した)作業終了後の作業対象物の計測重量(計測により得られた重量変化値)が機種の標準作業情報の重量変化値と一致し、さらに、電動工具作動状態検知手段5が検知した電動工具の作動内容が標準作業情報の部品の締結情報と一致すると、検知された情報を基に、部品を組み立てる順番、作業ステーションID、部品ID、作業者情報、重量変化値および締結回数に関する情報が作業実績に合わせて並べ替えられ、これによって得られた情報を作業実績情報として確定し、保存する機能を有する。
【0021】
即ち、本発明の作業実績収集システムは、作業ステーション、作業者、部品の位置情報のみならず、重量変化情報および部品締結情報(作動情報)を加味して、作業順番および作業時間を確実に検知することができる。
【0022】
上記構成の作業実績収集システムにおいて、ID情報読取り手段3は後述する実施例として作業ステージに装備した移動式のRF−IDリーダで実現されている。これによって、一作業対象物(機種)に対して行われる一連の組み立て作業の作業実績を収集することが可能となる。その結果、生産途中で行われる機種切り替えでライン前後に発生する異機種の組み立て作業の作業実績収集を防ぐことができる。なお、ここでは、ライン全体について作業実績を収集するのではなく、生産時の一作業対象物をサンプルとして着目し、その一作業対象物で行われる組み立て作業について実績を収集するというスタイルである。
【0023】
作業ステージと共にID情報読取り手段であるID情報読取装置が、全組み立て工程を作業ステーション毎に移動しながら作業実績を収集する。
【0024】
つまり、各作業ステーション毎に作業ステーションID、作業者ID、部品IDの順番検知と、標準作業情報との照合を繰り返す。そして、各ステーション毎で部品検知と作業順番を繰り返し確定していく。
【0025】
RF−IDリーダで検知する作業者ID、部品IDは、移動および付け替えが容易なRF−IDタグであるので、作業実績収集システムの実施に際し、RF−IDタグの貼付および配布だけで作業実績収集が可能となる。作業ステーションIDは、RF−IDの貼付、もしくは1次元バーコードまたは2次元バーコードのラインへの添付だけで作業実績収集が可能となる。
【0026】
重量測定手段4の測定装置は、RF−IDリーダ同様、作業ステージに装備した移動式の測定装置である。この重量測定手段4の測定制御装置は、作業ステージにバッテリーとコンピュータを装備して測定データを記録するといったものか、無線LANを装備し測定データを作業実績収集システムの制御部をもつコンピュータに送信するといったものであっても良い。電動工具作動状態検知手段5は、ネットワークまたは無線LANを通し測定データを作業実績収集システムの制御部をもつコンピュータに配信するといったものとする。
【0027】
また、作業ステージに装備された測定データを記録するコンピュータが作業実績収集システムの制御機能を兼ね備えるものであっても良い。
【0028】
ID情報読取装置および重量測定部が装備された作業ステージは移動可能であるので、同工場の別ラインにおいても作業実績収集が可能となる。固定式のRF−IDリーダを用いないことでシステム構築コストを抑制することが可能である。
【0029】
次に、本発明の作業実績収集システムを用いた作業実績収集方法の一例について説明する。
【0030】
本発明の作業実績収集システムは、作業ステージ上に載置された作業対象物に対する作業実績を収集するシステムであって、標準作業情報読取工程と、ID情報読取工程と、電動工具作動検知工程と、重量変化検知工程と、作業順番確定工程とを実施するものである。
【0031】
標準作業情報読取工程では、生産機種の標準作業情報を構成する、生産の個々の作業に関して、取り付けられる部品の部品ID、締結に用いる電動工具の使用の有無、締結の回数、部品単体の重量、個々の作業の標準時間を定めたデータを読取っている。
【0032】
ID情報読取工程では、各作業ステーションでRF−IDタグなどに記録した作業ステーションIDと部品IDと作業者IDとをRF−IDリーダによって検知する。検知した作業ステーション毎の部品IDから組み立て部品に付随する作業内容をそのエリアで行われる作業とする。この時点では検知する部品IDが複数である場合、それぞれの部品の作業順番は判定できない。
【0033】
重量変化検知工程では、作業ステーションでの組み立て作業時の重量変化情報を検知する。重量測定装置は製品を置くバレット、または作業ステーションに設置された部品トレイに設置されており、重量変化および加重を検知して変化重量を検知し、重量変化値とその発生時間とを作業実績収集制御装置に伝達する。そして、検知した重量変化値が作業ステーションの部品重量と一致していれば、重量変化時間がその部品の取り付け時間とすることができる。これにより、作業ステーションで発生する重量変化情報を元に部品の組み立て順番を決めることができる。合わせて、確定した部品取り付け順番に従って変化する製品総重量と組み立て開始からの製品総重量を照合することで、部品取り付け順番を確定することができる。
【0034】
電動工具作動検知工程では、作業ステーションで電動工具のトルクアップ信号で検知した発生時間、終了時間、回数を基に発生時間前に前記重量変化情報で検知した組み立て部品を締結したと確定している。
【0035】
作業内容確定工程では、生産機種の標準作業情報と各作業ステーションの部品IDと作業者ID、組み立て作業時の重量変化情報、電動工具の作動情報とを作業実績収集制御装置で照合し、類似点の抽出を行うデータ処理を行うことで、作業ステーション毎の作業者、作業内容、作業順番および各作業の作業時間を自動的に収集している。
【0036】
なお、本明細書においては、作業者毎に設けられた作業エリアを作業ステーションと呼び、作業対象物を保護する目的で作業対象物の下部に設けられたパレットを作業ステージと称す。
【発明の効果】
【0037】
本発明によれば、標準作業と異なる作業順番であっても、作業時の部品情報、重量変化情報および電動工具作動情報を基に、標準作業情報と照合しながら、自動で作業順番を入れ替え、作業実績情報を確定することができる。ライン構成変更や装置移動に伴う、システム再構築が不要で、かつ、実績収集システムの他ラインへの移動使用が容易な作業実績収集システムを提供することができる。
【0038】
さらに、移動可能な作業実績収集システムを用いることで、比較的安価な設備投資でシステム構築ができるとともに、複数のコンベアラインについて同一システムで作業実績収集が可能である。また、作業者および作業指導者に作業実績収集のために付帯業務を増やすこと無く、正確な実績収集を行うことができる。
【0039】
また、付帯する効果として、作業者の作業要素別に累計作業時間を測ることで、作業者の作業習熟度を知ることができる。また、標準時間見積りと実績作業時間との差、作業指導書と実際の作業手順との違いを把握し、生産管理の基礎データとして用いることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
以下、本発明の作業実績収集システムの実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0041】
図2は、本発明の作業実績収集システムの一実施の形態を示す外観説明図であり、図3は、図2に示す作業実績収集システムの構成を示す説明図である。
【0042】
図2および図3に示すように、この作業実績収集システムは、作業ステージ21の上に載置された組付対象製品22に対して、作業者25が行う組み立て作業の実績収集を行なうシステムである。ID情報読取装置29は、作業ステージ21上に設置されており、ベルトコンベア等の自動搬送装置31により、作業ステージ21と共に全組み立て工程を作業ステーション毎に移動するものである。作業実績収集システムは、このID情報読取り装置29によって得られた情報を利用して、生産機種の標準作業情報に対応する作業内容を全て検知し、照合して得られた作業実績収集結果を作業ログとして作成するものである。
【0043】
この作業実績収集システムが作業実績収集を行う作業の内容は、本実施の形態では、組付対象製品22に対して部品をネジで組付けるものであり、このネジは、作業者25により、電動工具である電動ドライバー23で締付けられる。また、組付に用いられる部品(ネジも含む)は、作業ステージ21の周囲に配設された部品トレイ(ここでは4個の部品トレイ32a,32b,32c,32d)に収納されている。
【0044】
上記の作業実績収集システムは、図3に示すように、作業実績収集情報データベース11、ID情報読取り手段であるID情報読取部12、制御手段である作業実績収集システム制御部13、重量測定手段である重量測定部14、電動工具作動状態検知手段である電動工具作動状態検知部15、作業者25に添付された作業者IDを示す作業者RF−IDタグ28(図2参照)、部品トレイ32a,32b,32c,32dに添付された部品IDを示す部品RF−IDタグ26a,26b,26c,26d(図2参照)、作業ステーションに添付された作業ステーションRF−IDタグ27(図2参照)、および図示されていない作業機種名情報入力部で構成される。
【0045】
作業実績収集システム制御部13としては、工場内に設置されたコンピュータ(図示せず)のCPU(中央演算処理装置)が用いられる。作業実績収集情報データベース11内の情報は、作業実績収集システム制御部13を構成しているコンピュータのHDD(ハードディスクドライブ)等の記憶装置に保持されている。ID情報読取部12および重量測定部14は作業ステージ21と一体型で構成されており、ID情報読取部12は、作業ステージ21上面に設置されたID情報読取り装置29を用いて各RF−IDタグが示すID(ID情報)を読取るものであり、重量測定装置14は、作業ステージ21に組み込まれた重量を測定する測定装置14aと、測定に関する制御を行ったり測定結果(測定情報)を得たり示したりする測定制御装置14bとからなるものである。作業ステージ21は組付対象製品22用の冶具であり、通常、組付対象製品22を保護するために用いられる。電動工具作動状態検知部15は、例えば電動ドライバー23の作動状態を検知するトルクアップ検知部24であり、電動工具の動作を検知するものである。
【0046】
作業者25には、作業者IDを含む作業者情報を記憶した作業者RF−IDタグ28が添付されており、作業者RF−IDタグ28には、作業者情報として、作業者名の他に、例えば、作業者所属、請負業者名、累計作業時間などの作業者スキルの情報などを含む補足情報が記憶されていても良い。これら作業者名以外の補足情報は、収集した複数の作業実績情報を、作業者の所属および作業者スキルなどの視点で集計分析する際に用いることができる。
【0047】
作業ステーションは、作業ステーションIDを含む作業ステーション情報を記憶した作業ステーションRF−IDタグ27を備えている。
【0048】
作業実績収集の対象となる部品RF−IDタグ26a,26b,26c,26dは、部品IDを示すものであり、本実施の形態では、機種情報も記憶している。これら部品RF−IDタグ26a,26b,26c,26dに記憶される機種情報としては、部品IDの他、製品の機種、仕向け地や製品色等といった各種の情報が含まれる。基本的には、各作業ステーション毎に製品に必要な部品が配分され、漏れ・ダブリは無いとするが、同一部品が異なる作業ステーションで組み立てられる場合、または機種変えで待機している次生産機種の部品で同一部品が用いられる場合などに起こりうる、同一IDによる誤検知を避けるため、部品RF−IDタグ26a,26b,26c,26dは、部品ID以外に、生産日、生産機種名および組み立てが実施される作業ステーションなどの補足情報が記録されているものであっても良い。
【0049】
これらのRF−ID等に記憶される機種情報としては、作業ステーションIDが含まれる。
【0050】
作業実績収集情報データベース11は、機種毎の標準作業情報11aと、収集された作業実績収集情報11bとで構成されており、標準作業情報11aは、作業実績収集システムの制御に用いられるプログラムとデータとで構成されている。また、作業実績収集情報データベース11は、本実施の形態では、上述したように、作業実績収集システム制御部13を構成している前記コンピュータのHDD等の記憶装置に記憶されている。
【0051】
標準作業情報11aのデータである作業指示情報は、作業項目毎に構成されており、図6は、この作業指示情報の一例を示す一覧表である。図6において、横の欄各一行が一つの作業指示情報を示している。一つの作業指示情報は、例えば、作業を行う順番を示す「順番」、「作業項目」、使用される部品の部品IDを示す「規定部品ID」、作業者名を示す「作業者」、「重量変化値」、「ネジ締め回数」および作業にかかる標準的な時間を示す「標準時間」で構成されている。
【0052】
作業機種名情報入力部は、図示されていないが、作業ステージ21の下方に設置されており、作業実績収集を行う機種やライン名など、収集に関する情報を、作業者がキーボードで入力し得る機能を有している。入力した情報は、作業実績収集システム制御部13へ送られる。
【0053】
ID情報読取装置29は、作業ステージ21の上面に設置されており、部品RF−IDタグ26a,26b,26c,26dの部品ID、作業ステーションRF−IDタグ27の作業ステーションID、作業者RF−IDタグ28の作業者IDを読取る機能を有する。ID情報読取装置29としては、RF−IDを読取るためのRF−IDリーダが用いられる。RF−IDリーダは、作業ステージ21周辺にあるRF−IDタグを感知可能な位置に設置されている。
【0054】
部品IDは、部品トレイに貼付されたRF−IDタグ(部品RF−IDタグ26a,26b,26c,26d)に記録されており、固定のものでも、取り外し可能なものであっても良い。
【0055】
作業ステーションIDは、この作業ステーションの位置を表す情報を有する作業ステーションRF−IDタグ27に記憶されており、この作業ステーションRF−IDタグ27は、コンベアラインの作業ステーションと隣接する作業ステーションとの境界に設置される。図2に示す作業ステーションRF−IDタグ27は、作業ステーションとの境界に設置されたポール33に装備される形であるが、正確な境界を認識するため、コンベアラインに隣接した箇所に1次元或いは2次元のバーコードによって実現されていても良い。このように、作業ステーションRF−IDタグ27の代わりにバーコードを用いる場合は、ID情報読取装置29以外に赤外線を用いたバーコードリーダも装備する必要があり、この場合には、ID情報読取装置29と作業ステーションRF−IDタグ27とを密着させることにより作業ステーションの境界を正確に感知できるといったメリットがある。
【0056】
作業者IDは、作業者25が携帯する作業者RF−ID28に記憶されており、この作業者RF−ID28は、例えばネームプレート、バッチまたは腕章の形で作業者25自身の衣服に装着されている。
【0057】
作業実績収集システム制御部13は、作業実績収集システムの制御を全般にわたって行う機能を有し、上述したように、コンピュータが用いられる。作業実績収集システム制御部13は、作業機種名情報入力部で入力された機種名を基に、作業実績収集情報データベース11から所定の標準作業情報11aを呼び出す。さらに、この作業実績収集システム制御部13は、ID情報読取部12によって、作業ステーションIDおよび作業ステーションに関する情報、部品IDおよび機種情報、ならびに作業者IDおよび作業者情報を読み出し、これらのIDおよび情報を用いて標準作業情報11aを参照しつつ、作業実績ログを作成し、この作業実績ログを作業実績ログ記憶部(例えば、作業実績収集システムの制御用コンピュータの記憶部)に記憶する。
【0058】
そして、作業実績収集システム制御部13は、重量測定部14が検出した重量情報に従って、作業実績ログから同重量の部品を抽出し、重量変化順に作業順番の順序組換え処理を行う。その後、作業実績収集システム制御部13は、電動工具作動状態検知部15が検出した電動工具の作動回数および作動時間に従って、作業実績ログから締結組付け対象部品を抽出し、検出時間と対応する重量変化順に作業順番の順序組換え処理を行う。また、作業実績収集システム制御部13は、以下に述べる各部からの情報の提供を受けて、各種の判断をすると共に、後述する実績収集終了判断や、作業時間の測定、およびログデータの作業実績収集情報データベース11内の作業実績収集情報11bへの記録を行う。
【0059】
重量測定部14は、部品が組付けられた後の組付対象製品22の重量を測定する機能を有しており、測定装置14aが作業ステージ21上に設置され、この測定装置14a上に組付対象製品22が載置される。この重量測定部14は、最軽量のネジ1本単位でも計測できる精度を備えている。また、この重量測定部14は、測定した重量変化値(計測重量)を示す情報を、測定制御装置14bを介して、作業実績収集システム制御部13へ伝える。この重量変化値を示す情報を受取った作業実績収集システム制御部13は、この重量変化値が作業実績ログに含まれる重量変化値(即ち、標準作業情報の重量変化値)と一致するか否かにより、部品の組み立て発生時間を検知し、発生順番毎に作業順番を判断する。この判断の仕組みは、標準作業情報の各作業項目に関連付けられている重量変化値が、その一つ前の作業と比べて、各作業項目毎に、組み立てられる部品の重量だけ増加していることに基づくものである。
【0060】
電動工具作動状態検知部15は、電動ドライバー23に備えられている駆動スイッチがON(オン)されると、トルクアップ検知部24によって電動ドライバー23のトルクアップを検知する。このトルクアップの検知は、電動ドライバー23への供給電流を監視して、特定の変化が生じたことを検知することにより行なわれる。トルクアップ検知部24は、検知したトルクアップ情報(電動ドライバーのネジ締め作動回数および作動時間を示す情報)を作業実績収集システム制御部13へ伝える。作業実績収集システム制御部13は、このトルクアップ情報が標準作業情報を用いて作成された作業実績ログに含まれる作業指示情報と一致するか否かにより、電動ドライバー23が正しく作動したか否かを判断する。なお、トルクアップ検知部24から作業実績収集システム制御部13へのトルクアップ情報の情報伝達は、作業実績収集システム制御部13が作業ステージ21に装備される場合、無線LANで逐次送信するか、トルクアップ情報を作業ステーションRF−IDタグ27に逐次書き換えし、ID情報読取装置29がその書き換えた情報を検知するものであっても良い。
【0061】
次に、上記構成の作業実績収集システムを用いた作業実績収集方法について説明する。
【0062】
なお、生産内容・順序は、組付対象製品に対する組み立て部品の組み立て順序を検知することで確定する。大まかな組み立て順序はコンベアラインに隣接し組み立て順に配置された部品トレイで把握することができる。この考えに基づき、本実施の形態では、作業ステーション毎の部品配置を検知するために、作業ステーション毎の部品トレイを検知する。部品トレイはフレキシブルに移動させても検知可能なRF−IDタグを用いて認識させている。
【0063】
さらに、作業ステーション毎の部品トレイの配置が判明しても、詳細な部品単位の組み立て順番は分からない。そこで、本実施の形態では、組付対象製品に対する組み立て部品の重量に着目し、その重量変化を検知して組み立て順番を決定していく。即ち、部品はそれぞれ異なった重量をもっているため、組付対象製品に組み立てによって加わる際の重量の変化を検知することで組み立て部品を確定し、部品重量毎の加重変化の順番を確定している。
【0064】
また、加重変化の発生時間と、標準作業情報の標準時間が示す部品組み立て時間との時間差を調べることで、部品組み立ての時間差を検知している。
【0065】
合わせて、部品組み立て順番をより確実なものとするため、本実施の形態では、電動工具の作動状態を検知することにより、締結部品の締結時間を検知している。即ち、組付対象製品における締結部品の重量変化で組み立て時間を確定し、さらに、電動工具のトルクアップ信号と部品分の重量変化とにより締結回数を検知して作業順番を確定している。
【0066】
本実施の形態の作業実績収集システムを用いた作業実績収集方法における作業順番確定工程では、作業ステーション毎の部品IDから大体の順番入れ替えを行い、重量変化情報および電動工具作動情報を基に詳細な順番入れ替えを行い、計測した位置決め時間および締結時間と、標準作業情報の位置決め時間および締結時間との照合で補足的な順番入れ替えを行う。即ち、全ての作業ステーションの実績収集を行った時点で、標準作業情報に示されている部品IDおよび電工具の締結回数が、実績収集により得られた情報に一致しているか否かを判断する(後述の電動工具作動状況検知工程S6を行う)。合わせて、標準作業情報に示されている部品IDが全て矛盾無く順序入れ替えできているか否かを判断し(後述の作業順番確定工程S9を行い)、これらの工程を経て作業実績を確定していく。
【0067】
図4は、本実施の形態の作業実績収集システムを用いた作業実績収集方法の一例を示すフローチャートである。なお、図4においては、作業実績収集方法の処理の流れを実線矢印を用いて示すとともに、情報の伝達状況についても破線矢印を用いて補足的に示している。
【0068】
まず、作業機種名情報入力工程S1では、作業者25が作業機種名情報入力部を用いて、生産機種名や作業実績収集するラインを入力する。
【0069】
次に、標準作業情報読取工程S2では、上記作業機種名情報入力工程S1で入力された機種名を基に、作業実績収集情報データベース11に格納されている、機種毎の標準作業情報(図6参照)を検索し、データ読み出しの指示を行う。もし、機種に対応した標準作業情報が有る時(工程S3での判断結果がYESである場合)は、データの読み出しを行った後、ID情報読取工程S4に進む。一方、機種に対応した標準作業情報が無い場合(工程S3での判断結果がNOである場合)は、「該当する標準作業情報無し」のメッセージを作業実績収集システムの制御コンピュータの表示部に表示し(工程S11)、動作停止状態になり(工程S13)、処理を終了する。
【0070】
次に、ID情報読取工程S4では、作業ステーション内に装備されている作業ステーションRF−IDタグ27から、作業ステーションIDと作業ステーションに関する情報とを読み出し、作業者RF−IDタグ28から、作業者IDと作業者に関する情報情報(作業者名等)とを読み出し、部品トレイRF−IDタブ26a,26b,26c,26dから、部品IDと機種情報とを読み出す。なお、前記機種情報は、部品の機種名および生産日などといった付加情報からなる。
【0071】
ここでは、作業ステーションIDおよび作業ステーションに関する情報を読み出す。なお、このようにして読み出した情報のうち、1つの作業ステーションに関する作業ステーションIDを検知した時間から、次の1つの作業ステーションに関する作業ステーションIDを検知した時間までに読み出した、作業者ID、部品ID、後述の重量変化検知工程S5において得られる重量変化に関する情報(以下、単に「重量変化情報」ともいう)、後述の電動工具作動状態検知工程S6において得られる電動工具の作動(ネジ締め回数)に関する情報(以下、単に「電動工具作動情報」ともいう)および作業標準時間を1つの作業ステーション情報として紐付けする。
【0072】
この作業ステーション情報の一例を図7に示す。なお、図7には、複数の作業ステーションで得られた作業ステーション情報からなる作業実績ログが示されている。
【0073】
作業実績ログは、「読取ID情報」、「重量変化情報」および「ネジ締め情報」の3つに大別される。読取ID情報は、作業ステーションで検知した作業ステーションID、部品ID、作業者IDおよび計測時間が紐付けされ記録されたものである。なお、同一作業ステーション内の各ID読取りはほぼ同時であるので、計測時間は同一となっている。また、重量変化情報は、組付対象製品の重量値(計測重量)と重量変化を計測した時間(計測時間)とが記録され、時系列に並べられ記録されたものである。また、ネジ締め情報は、電動工具が作動した回数(計測回数)と電動工具の作動が計測された時間(計測時間)とが記録されたものである。
【0074】
なお、ID情報読取工程S4において得られた情報は、破線矢印で示すように、後述の作業順番確定工程S9において使用される。
【0075】
次に、重量変化検知工程S5では、作業ステージ21に装備された重量測定装置14が製品組付けの際に変化した部品重量を検知することで、重量測定情報を得る。この重量測定情報は、具体的には、計測時間と、製品総重量および変化量(計測重量)とからなるものであり、破線矢印で示すように、後述の作業順番確定工程S9において使用される。
【0076】
次に、電動工具作動状態検知工程S6では、作業エリアに装備された、電動ドライバー23や静電ブローなどの電動工具の作動状態を検知して、電動工具作動状態情報を得る。例えば、電動ドライバー23の場合、電動ドライバー23が使用されるたびに発生するトルクアップ信号の検知を行うことで、電動工具作動情報を得る。なお、この電動工具作動状態検知工程S6で得られた電動工具作動情報は、電動工具の作動開始時間、作動終了時間および回数からなり、破線矢印で示すように、作業順番確定工程S9において使用される。
【0077】
続く、作業内容照合判断工程S7では、標準作業情報の各作業情報に含まれる部品ID、部品毎の重量情報、および締結対象部品への電動工具の作動回数(ネジ締め回数)と、重量変化検知工程S5および電動工具作動状態検知工程S6において得られた情報(以下、単に「検知情報」ともいう)とを照合して一致するか否か判定する。
【0078】
もし、標準時間情報に含まれる部品IDと検知情報に含まれる部品IDとが全て一致しており、標準時間情報に含まれる全ての重量変化の和(総重量)と検知情報に含まれる全ての重量変化の和(総重量)とが一致していれば(工程S8での判断結果がYESであれば)、作業実績ログデータ記録工程S10に進み、一方、部品IDおよび総重量のうちの少なくとも1つが異なっていれば(工程S8での判断結果がNOであれば)、「作業内容が異なっている」といったメッセージを作業実績収集システムの制御コンピュータの表示部に表示し(工程S12)、動作停止状態になり(工程S13)、処理を終了する。
【0079】
後に図5を参照しつつ詳細に説明する作業順番確定工程S9では、上記の作業実績収集システムのID情報読取工程S4、重量変化検知工程S5、および電動工具作動検知工程S6と並行して、これらの工程を実施した結果得られた情報を用いて作業ステーション毎の作業順番の確定を行う。その結果、各作業ステーション毎の作業順番の変更が行われ、最終的に標準作業情報内の全作業の作業順番の並び替えを行い、組み立て作業の作業順を確定する。そして、作業順番確定工程S9において得られた組み立て作業の作業順を示す作業実績ログは、破線矢印で示すように、作業実績ログデータ記録工程S10において使用される。
【0080】
最後に、作業実績ログデータ記録工程S10では、作業順番確定工程S9で確定した組み立て作業の作業順番に沿って編集された作業実績ログを作業実績収集情報11bとして作業実績収集情報データベース11に記録し、作業実績収集システムによる作業実績収集に関わる処理を終了する。
【0081】
図8に、作業実績収集情報の一例を示す。図8においては、横の欄各一行が、一つの作業情報を示している。一つの作業情報は、例えば、「順番」、作業を実施した作業ステーションの名称を示す「ステーション」、「作業項目」、読取られた部品IDを示す「計測部品ID」、作業者名を示す「作業者」、「重量変化値」、および「ネジ締め回数」と作業にかかった時間を示す「計測時間」とからなる「ネジ締め情報」で構成されている。
【0082】
次に、前述した作業実績収集方法における作業順番確定工程(本発明の作業実績収集システムによる作業順番入れ替え演算手順)S9の一例について、図面を参照しつつ説明する。
【0083】
図5は、図4に示す作業実績収集方法における作業順番確定工程の一例を示すフローチャートである。なお、図5においては、作業順番確定工程の処理の流れを実線矢印を用いて示すとともに、情報の伝達状況についても破線矢印を用いて補足的に示している。
【0084】
作業順番確定工程スタート工程S91は、作業実績収集システムによる作業実績収集方法のスタートと同時にスタートする。
【0085】
作業ステーションのデータ収集工程S92では、ID情報読取工程S4、重量変化検知工程S5および電動工具作動状態検知工程S6において得られた作業ステーション情報を収集し、工程S93において、収集された全ての作業ステーション情報を、作業実績ログとして、破線矢印で示すように、作業実績収集システム制御部13を構成しているコンピュータのHDDに設けられた作業実績ログ記憶部41内に記憶する。
【0086】
次いで、工程S93で記憶した作業実績ログの収集状況が、作業順番入れ替えの演算を行うことが可能な状態に達しているか否かを判断する(工程S94)。この演算を行うことが可能な状態とは、例えば、作業ステーションIDが少なくとも2ヶ所は検知できている状態であり、さらに、2ヶ所の作業ステーション通過時間内に部品IDの検知と検知回数分の重量変化情報とが検知されている状態であることとする。もし、作業順番入れ替えの演算を行うことが可能な状態に達している場合(工程S94での判断結果がYESである場合)は、部品情報データ収集工程S95に進み、もし、達していなければ(工程S94での判断結果がNOである場合は)、作業ステーションのデータ収集工程S92に戻る。
【0087】
部品情報データ収集工程S95では、検知した部品IDに関わる情報を、標準作業情報を記憶している標準作業情報記憶部42から収集する。収集する情報は、順番、作業項目、重量変化、ネジ締めおよび標準時間である。
【0088】
続く工程S96では、部品情報データ収集工程S95で収集された情報を作業実績収集システムの制御用コンピュータの記憶部に記憶する。
【0089】
次いで、部品照合工程S97では、まず、工程S93において作業実績ログ記憶部に記憶した作業実績ログと、工程S96において記憶部に記憶した情報とを用いて、作業ステーション内で検知された部品ID(図7の「部品ID」列)を基に、標準作業情報読取工程S2で得られた標準作業情報のうちの規定部品ID(図6の「規定部品ID」列)の照合を行い、さらに、照合できた部品(以下、単に「照合部品」ともいう)の標準作業情報の重量変化を部品IDと紐付けする。
【0090】
さらに、並び替え工程S98では、並び替えの前に、作業ステーション内で検知された部品IDが使用される作業項目の前後に作業項目を付加する。例えば、図6を参照しつつ説明すると、順番1−2、2−3、3−5〜8、4−2〜4および5−3〜5は新たな部品が使用される作業であるため、ID情報読取工程S4において部品IDが検知されるが、その他の順番では、新たな部品が使用されないため、情報が収集されない。そのため、検知された部品IDと関連付けられている作業項目(順番1−2、2−3、3−5〜8、4−2〜4および5−3〜5の作業項目)の前後に、作業実績ログ中の部品IDと標準作業情報中の規定部品IDとを照合しつつ、標準作業情報のみに含まれる作業項目を付加する。さらに詳しくは、順番1−2の作業項目(規定部品IDがFRONT_CAAB1015の作業項目)を例にとると、順番1−2では部品が使用されるため、ID情報読取工程S4において部品IDが検知され、この部品IDは標準作業情報中の順番1−2の規定部品IDとIDが一致する。ここで、順番1−2に注目して標準作業情報を参照すると、前後に順番1−1,1−3および1−4がある。従って、作業実績ログの順番1−2の前後に順番1−1,1−3および1−4を付加し、順番1−1〜4の作業項目を1つの作業単位とする。この作業単位は個々の作業順番が決められており、入れ替えができない最小作業単位である。また、実際の作業順番に基づく情報の順番入れ替えは作業単位ごとで行う。なお、このとき、ID情報読取工程S4において部品IDが検知されている順番の作業項目を示す情報についても、標準作業情報から読み出され、作業実績ログに付加される。このような手順で作業項目の付加が終了した後、作業実績ログの重量変化情報中の計測時間に従って、作業実績ログの順番を並び替える。
【0091】
次に、部品検索工程S99では、並び替え後の作業実績ログを用いて、重量変化時刻と電動工具作動時刻との照合を行う。
【0092】
通常、組み立て部品は作業対象製品に位置決めされる際に重量変化を発生し、さらに締結部品ビスなどで固定される場合、重量変化検知時刻直後に電動工具作動検知が行われると考えられるので、重量変化時刻と電動工具作動時刻との照合によりそれらが近い時刻で検知されている場合、部品位置決めと締結作業とが連続して行われたものと確定する。従って、部品の締結情報が得られた時間(重量変化時刻)と電動工具作動情報が得られた時間(電動工具作動時刻)とが一致した場合には(工程S100での判断結果がYESである場合には)、作業順番を確定して(工程S101)、処理を終了する。一方、一致しない場合には(工程S100での判断結果がNOである場合には)、工程S102に進み、締結条件と一致する別の締結部品に関する情報の収集を行う状態になり、工程S97に戻る。なお、収集の条件は、締結対象部品であること、締結箇所数が電動工具作動回数と一致していること、である。これは、部品組み立ての際、位置決めを終わった部品が直後に締結されないケースの場合、位置決めを行った作業ステーション以降の作業ステーションで締結される場合も考えられるからである。
【0093】
さらに、各作業ステーション単位で作業項目付加、並び替えを行ったデータを計測時間順に全て並べる。図8に示す作業実績収集情報は、並び替え後の作業実績ログを示した表である。この表は、標準作業情報の作業順番と異なる作業順番を収集した例を示している。具体的には、図6に示す標準作業時間では、順番2−1〜3、順番3−1〜9の順となっているが、図8に示す作業実績収集情報では、順番3−1〜9、順番2−1〜3の順に入れ替わっている。これは、例えば、表計算ツールで「ソート」と呼ばれる変換方法を用いることで順番を入れ替えることができる。図8に示す作業実績収集情報で実施されている並べ替えは、部品を含む作業単位で最優先される並べ替えを「ステーション」、2番目に優先される並べ替えを 「計測部品ID」、3番目に最優先される並べ替えを「重量変化」、4番目に優先される並べ替えを「電動工具作動(ネジ締めおよび計測時間)」とした並べ替えといえる。
【0094】
以上、図5で示した作業順番確定工程、即ち、作業順番入れ替えの演算(作業ステーション毎の作業順番の照合)を全ての作業ステーションにおいて実施して、作業実績ログの更新を行い、検知した作業者ID、部品ID、計測時間および計測重量を確定した作業順番に配置し、最新の状態の作業実績ログを作成する。作成された作業実績ログは、前述の作業実績ログデータ記録工程S10において使用される。
【0095】
作業順番の入れ替えは、部品取り付けの作業単位で行う。部品取り付け作業単位とは、例えば、図6に示す標準作業情報の順番5−1〜5に示す部品取り付けの作業単位であり、順番5−1ではユニットA運搬が行われ、順番5−2ではコード確認が行われ、順番5−3では位置決めが行われ、順番5−4および順番5−5ではビス締めが行われ、順番5−6では取り置き(T.O(ドライバー))が行われるといった流れで作業が行われている。重量変化は順番5−3の位置決めで発生し、電動工具動作は順番5−4のビス締めで発生する。従って、順番5−1のユニットA運搬、順番5−2のコード確認、順番5−6の取り置き(T.O)などでは具体的に時間計測していないが、図6に示す標準作業情報の順番4−2(規定部品ID:sousa_239)の位置決めや、順番5−3(規定部品ID:unit_671)の位置決めの計測時間が、図8に示す作業実績収集情報を参照すると、それぞれ9:12:31(時:分:秒)、9:14:00(時:分:秒)となっている。さらに、順番4−2(規定部品ID:sousa_239)の位置決めと順番5−3(規定部品ID:unit_671)の位置決めとの間で発生している、順番4−3および順番4−4のビス締め、順番4−5の取り置き(T.O(ドライバー))、順番5−1のユニットA運搬、順番5−2のコード確認の標準時間を合計すると、0:01:29(370RU=70+70+25+200+5)であり、9:12:31と9:14:00との差に等しい。このように、個々の要素作業の計測時間が無くても、検知した重量変化情報および電動工具動作情報と標準作業情報の要素作業単位の標準時間とで推定できる。
【0096】
図8には、作業実績収集結果を示す作業実績収集情報の一例が示されている。
【0097】
図8に示す作業実績収集情報は、図6に示す標準作業情報をベースに作業実績を付加して並べ替えを行った結果得られたものである。
【0098】
図8に示す作業実績収集情報の「順番」列は、図6に示す標準作業情報の「順番」に基づいているが、順番1−1〜4または順番2−1〜3などの作業単位では入れ替え可能としている。図6に示す標準作業情報の「順番」列を比較すると、図6では順番1−1〜4、順番2−1〜3、順番3−1〜9、順番4−1〜5、順番5−1〜6の順番であったものが、図8に示す作業実績収集情報では順番1−1〜4、順番3−1〜9、順番2−1〜3、順番4−1〜5、順番5−1〜6となっている。これは、ID情報読取工程S4、重量変化検知工程S5、電動工具作動検知工程S6および作業順番確定工程S9を実施することにより確定した作業順番を反映した例である。
【0099】
なお、「ステーション」列には、ID情報読取工程S4で検知した作業ステーションIDに基づいた作業ステーション名が記載される。「作業項目」列は、標準作業情報に基づいている。「計測部品ID」列には、ID情報読取工程S4で検知した部品ID名が記載される。「作業者」列には、ID情報読取工程S4で検知した作業者IDに基づいた作業者名が記載される。「重量変化値」列は、重量変化検知工程S5で測定された部品および製品重量の測定結果を示したものである。「ネジ締め情報」列は、電動工具作動検知工程S6で検知した電動ドライバー23のトルクアップ発生の回数(計測回数)と計測時間とを示したものである。
【0100】
なお、作業実績収集情報データベース11は、本実施の形態では、上述したように、工場内に設置されたコンピュータのHDD等の記憶装置に記憶されている。しかし、コンピュータのHDDに代えて、FD(フレキシブルディスク)や、MD(ミニディスク)、MO(Magneto−Optic)、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disk)、またはメモリーカード等の記憶媒体を用いてもよい。あるいは、上述した部品IDの記録と同様にして、組付対象製品22に備えられたRF−IDタグを用い、このRF−IDタグに標準作業情報11aを記憶させるようにしてもよい。この場合、作業実績収集システム制御部13は、RF−IDリーダを用いて標準作業情報の読出しを行う。
【0101】
本発明の作業実績収集システムは、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0102】
上記実施の形態においては、作業ステーションの区分を作業ステーションIDから検知して作業エリアを分割しているが、一般に、ベルトコンベアのライン生産では作業者毎の作業を平準化し、全ての作業者毎の製品1台あたりの持ち時間を一致させたTCT(ターゲットタクトタイム)が設定されている。従って、他の実施の形態においては、このTCTを作業区分として用いてもよい。具体的には、作業実績システムの実績収集開始時間から時間計測を行い、タクトタイム経過毎に、ID検知情報、重量変化情報および電動工具作動情報を振り分けて各作業ステーションで行われた作業とする。
【0103】
さらに他の実施の形態においては、作業ステーションの区分を作業ステーションID情報を用いず、作業者が行うフリーフローラインのストッパー解除を検知して、作業エリアの分割に用いてもよい。フリーフローライン生産では、各作業者の作業ステーションにフリーフローラインで運ばれた組付対象製品をフリーフローで待機させることができる。作業者は作業に取り掛かる前にフリーフローのストッパーを解除し、作業未着手の組付対象製品の作業ステージの移動と、作業完了した組付対象製品の次工程への送り出しとを行う。この作業者が行うストッパーの解除を、センサーで検知し作業ステーションの区分とする。
【0104】
また、本発明の作業実績収集システムの応用的な活用方法の一例として、作業者別の作業スキル情報を収集する作業実績収集システムとして使用することが可能である。すなわち、作業実績収集システムで記録された作業者の検知情報から、作業者別の累計作業時間および作業要素毎の累計作業時間を作業者スキル情報として用いる。ここで、作業要素とは、ネジ締めおよびコネクタ結線などの作業内容であり、作業要素毎の累計作業時間を知ることによって作業者の習熟度の目安に用いることができる。作業者スキル情報は表計算データに記録され、作業者別、作業要素別または機種別など異なる視点で確認できるものとする。また、作業スキル情報は作業者が携帯する作業者RF−IDタグに記録されるものであっても良い。
【0105】
また、本発明の作業実績収集システムの応用的な活用方法の他の例として、作業者の作業を監視し、誤った作業を検知した場合、作業ミスと判定し、音声、光等でアラートを作業者に報知する作業実績収集システムとして使用することが可能である。すなわち、重量変化情報および電動工具作動状態検知情報を標準作業時間情報と照合し、異なる作業である場合、アラートを報知する。なお、標準作業時間情報で異なる重量変化情報および電動工具作動状態検知情報を検知した場合でも、作業の順番が作業効率に影響せず作業者の裁量で行われる作業については、作業ミスと判定しない。この場合、標準作業時間情報に厳守すべき作業順番、自由度のある作業順番情報を予め記録し、照合に用いる。
【産業上の利用可能性】
【0106】
本発明の作業実績収集システムは、通常は、基本的な標準作業に準拠しており、作業者の欠勤や、標準作業とラインバランスとの不一致などが発生した場合に、作業順番入れ替えが行われるような生産現場での使用に活用できる。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】本発明の作業実績収集システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明の作業実績収集システムの一実施の形態を示す外観説明図である。
【図3】図2に示す作業実績収集システムの構成を示す説明図である。
【図4】本発明の作業実績収集システムを用いた作業実績収集方法の一例を示すフローチャートである。
【図5】図4に示す作業実績収集方法における作業順番確定工程の一例を示すフローチャートである。
【図6】本発明の作業実績収集システムに使用される標準作業情報の一例を示したテーブルである。
【図7】本実施の形態における作業実績収集ログデータの一例を示したテーブルである。
【図8】本実施の形態における作業実績収集ログデータの順番を入れ替えた編集後の作業実績収集結果データの例を示したテーブルである。
【符号の説明】
【0108】
1 標準作業時間記憶手段
2 制御手段
3 ID情報読取手段
4 重量測定手段
5 電動工具作動状態検知手段
11 作業実績収集データベース
11a 標準作業情報
11b 作業実績収集情報
12 ID情報読取部
13 作業実績収集システム制御部
14 重量測定装置
15 電動工具作動状態検知部
21 作業ステージ
22 組付対象製品
23 電動ドライバー
24 トルクアップ検知部
25 作業者
26a,26b,26c,26d 部品RF−IDタグ
27 作業ステーションRF−IDタグ
28 作業者RF−IDタグ
29 ID情報読取装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生産ラインの作業ステージ上に載置された組み立て作業対象物に対する作業実績を収集する作業実績収集システムであって、
全組み立て工程を構成する複数の作業ステーションのそれぞれに配置されており、各作業ステーションを特定する作業ステーション識別情報を保持している作業ステーション識別情報保持手段と、
組み立て作業対象物とともに作業ステージ上に載置され、各作業ステーションにおいて作業ステーション識別情報を読取る作業ステーション識別情報読取手段と、
各作業ステーションに配置された複数の部品トレイに貼付されており、各部品トレイに収納されている部品の種類を特定する部品識別情報を保持している部品識別情報保持手段と、
組み立て作業対象物とともに作業ステージ上に載置されており、部品識別情報を読取る部品識別情報読取手段と、
組み立てに使用される部品に関する部品識別情報と、部品の重量を示す重量情報と、部品の締結の有無および締結の回数を示す締結情報とを少なくとも含む標準作業情報を記憶している標準作業情報記憶手段と、
作業ステージ上に載置されている作業対象物に部品を組み付ける際に生じる重量変化値と重量変化値の発生時間とを計測して重量変化情報として検知する重量検知手段と、
組み立て作業に用いられる電動工具の作動回数と作動時間とを作動情報として検知する電動工具作動状況検知手段と、
各作業ステーションにおいて組み立て対象部品の作業実績を収集する制御手段とを備えており、
前記制御手段は、
前記部品識別情報読取手段によって読取られた部品識別情報と、前記作業ステーション識別情報読取手段によって読取られた作業ステーション識別情報とを関連付けして得られた作業実績ログを作業実績ログ記憶手段に記憶する工程と、
前記部品識別情報読取手段によって読取られた部品識別情報から部品を特定して、この部品に関する重量情報と締結情報とを標準作業情報から抽出し、抽出された重量情報および締結情報と作業実績ログの部品識別情報とを関連付けすることにより作業実績ログを再編集し、得られた作業実績ログを作業実績ログ記憶手段に記憶する工程と、
前記重量検知手段が検知した重量変化値を、前記作業実績ログ記憶手段に記憶されている各重量情報と照合し、照合の結果合致した重量変化値に関する全ての情報を重量変化値の発生時間順に並べ替えて、作業実績ログを構成する情報を実際の作業順番に即して並び替え、並び替え後の作業実績ログを前記作業実績ログ記憶手段に記憶する工程と、
電動工具作動状況検知手段によって検知された作動回数および作動時間が、前記作業実録ログ記憶手段に記憶されている作業実録ログの重量情報および締結情報と合致しているか否かを照合して、合致している場合には、作業実録ログの編集を終了する工程と、
全ての作業ステーションに関する作業実績ログの編集が終了したときに得られた作業実績ログを示すデータを出力手段から出力する工程と、を各作業ステーションにおいて実施することを特徴とする作業実績収集システム。
【請求項2】
前記作業ステーション識別情報および前記作業ステーション識別情報読取手段を用いて作業ステーションを特定する代わりに、ラインで予め設定されているタクトタイムの時間に基づき作業ステーションを特定する請求項1記載の作業実績収集システム。
【請求項3】
前記作業ステーション識別情報および前記作業ステーション識別情報読取手段を用いて作業ステーションを特定する代わりに、作業者がフットブレーキで作業ステージのフリーフローラインのストッパーを解除したタイミングを示す信号を検知し、この信号を検知したタイミングを、作業ステーションに作業ステージが搬送されたタイミングとして作業ステーションを特定する請求項1記載の作業実績収集システム。
【請求項4】
前記作業ステーション識別情報として1次元バーコードまたは2次元バーコードを用いて、前記作業ステーション識別情報読取手段としてバーコードリーダを用いる請求項1記載の作業実績収集システム。
【請求項5】
前記制御手段が作業ステージに装備されており、電動工具作動状況検知手段が検知した情報が無線ローカルエリアネットワークを介して制御手段に配信されるか、または電動工具作動状況検知手段が検知した情報が、情報保持手段に一旦書き込まれた後、作業ステージ上に装備された情報読取手段によって読取られ、この情報読取手段から制御手段に送信される請求項1記載の作業実績収集システム。
【請求項6】
出力された作業実績ログを示すデータから、作業者別の作業要素毎の累計作業時間を示すデータが加工され、加工されたデータが作業者スキル情報としてデータ記憶手段に保存される請求項1記載の作業実績収集システム。
【請求項7】
重量検知手段によって得られた重量変化情報が標準作業情報に含まれる重量情報とを照合した結果、合致しない場合、および電動工具作動状況検知手段によって得られた作動情報が標準作業情報に含まれる締結情報と照合した結果、合致しない場合には、音声または光を用いてアラートを作業者に報知する請求項1記載の作業実績収集システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−115134(P2007−115134A)
【公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−307563(P2005−307563)
【出願日】平成17年10月21日(2005.10.21)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】