作業車輌
【課題】冷却用ファンの送風範囲内にファン用の変速装置が設けられることによる冷却効率の悪化。
【解決手段】エンジン10の駆動回転を無段階に変速して走行装置2を駆動する走行用無段変速装置11を備え、前記エンジン10の外側には、冷却用ファン20と、ラジエータ21と、防塵ネット37とを設け、前記冷却用ファン20はファン用無段変速装置30により正転および逆転駆動される構成とし、前記ファン用無段変速装置30には、前記走行用無段変速装置11の走行用ポンプ入力軸14を介してエンジン10の駆動回転を入力する構成としたことを特徴とする作業車輌。
【解決手段】エンジン10の駆動回転を無段階に変速して走行装置2を駆動する走行用無段変速装置11を備え、前記エンジン10の外側には、冷却用ファン20と、ラジエータ21と、防塵ネット37とを設け、前記冷却用ファン20はファン用無段変速装置30により正転および逆転駆動される構成とし、前記ファン用無段変速装置30には、前記走行用無段変速装置11の走行用ポンプ入力軸14を介してエンジン10の駆動回転を入力する構成としたことを特徴とする作業車輌。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業車輌、特に、コンバインに係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、エンジンの外側にエンジンの冷却用のファンと防塵ネットを有するラジエーターカバーを設け、この冷却用ファンの回転を、二個のテンションプーリとファンベルトとの当接位置を変更することにより正回転と逆回転とに切り替える構成は、公知である(特許文献1)。
また、従来、エンジン冷却用のファンをファン無段変速装置の出力軸に設け、ファン無段変速装置により正回転と逆回転とに切り替える構成は、公知である(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−36754号公報
【特許文献2】特開2008−87723号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記公知例のうち前者の構成では、冷却用ファンの回転を、二個のテンションプーリとファンベルトとの当接位置を変更することにより正回転と逆回転とに切り替える構成のため、ベルトの摩耗等の課題がある。
また、エンジンの出力回転速度に対する冷却用ファンの回転速度を変更することができず、エンジンに負荷が掛かり、エンジンの出力回転が低下した場合、冷却用ファンの回転速度もこれに伴って低下し、冷却用ファンによる冷却効率が悪化する問題がある。
前記公知例のうち後者の構成では、冷却用ファンをファン無段変速装置の出力軸に設け、ファン無段変速装置により正回転と逆回転とに切り替えるので、前記課題は解決しているが、冷却用ファンとエンジンの間の冷却用ファンの送風範囲内にファン無段変速装置が設けられることになり、ファン無段変速装置が冷却用ファンの送風の抵抗となって、冷却効率が低いという課題がある。
本願は、冷却用ファンの回転機構を工夫し、簡単にラジエーターカバーの防塵ネットの付着物を除去すると共に、冷却効率を向上するようにしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明は、エンジン10の駆動回転を無段階に変速して走行装置2を駆動する走行用無段変速装置11を備え、前記エンジン10の外側には、冷却用ファン20と、ラジエータ21と、防塵ネット37とを設け、前記冷却用ファン20はファン用無段変速装置30により正転および逆転駆動される構成とし、前記ファン用無段変速装置30には、前記走行用無段変速装置11の走行用ポンプ入力軸14を介してエンジン10の駆動回転を入力する構成としたことを特徴とする作業車輌としたものであり、通常ではエンジン10の駆動回転を走行用無段変速装置11の走行用ポンプ入力軸14を介してファン用無段変速装置30に伝達し、ファン用無段変速装置30によって変速して冷却用ファン20を正回転駆動して機体外部から機体内部方向へ送風させて、エンジン10を冷却する。一方、ファン用無段変速装置30を逆回転出力させて冷却用ファン20を逆回転させると、機体内部から機体外部方向へ送風し、ラジエーターカバー22の防塵ネット24の付着物を除去する。
請求項2記載の発明は、前記走行用無段変速装置11のケース33から機体内側に突出する走行用ポンプ入力軸14の内側端にエンジン10の駆動回転を入力する入力プーリー15を設け、前記走行用ポンプ入力軸14の外側端を前記ケース33から機体外側に延長させ、走行用ポンプ入力軸14の外側端から前記ファン用無段変速装置30のファン用油圧ポンプ31に向けて駆動回転を出力する構成とし、前記走行用ポンプ入力軸14の外側端には前記ファン用油圧ポンプ31に向けて駆動回転を出力する中間出力プーリー35またはファン用無段変速装置30のファン用油圧ポンプ31の入力軸46に接続するカップリング機構61を設けたことを特徴とする作業車輌としたものであり、ケース33から内側に突出する走行用無段変速装置11の走行用ポンプ入力軸14の内側端にエンジン10からの駆動回転を入力し、ケース33の外側に突出する走行用ポンプ入力軸14の外側端の出力回転をファン用無段変速装置30のファン用油圧ポンプ31に、中間出力プーリー35またはカップリング機構61によって伝達し、ファン用無段変速装置30によって冷却用ファン20を正回転駆動させると、エンジン10を冷却し、ファン用無段変速装置30を逆回転出力させると、冷却用ファン20を逆回転させてラジエーターカバー22の防塵ネット24の付着物を除去する。
請求項3記載の発明は、前記冷却用ファン20のファン回転軸40は、前記エンジン10の外側部に設けた冷却水を循環させるウォーターポンプ41のポンプ入力軸42に回転自在に軸受し、冷却用ファン20が防塵ネット37の外側から内側へ送風する正転状態において、ファン回転軸40の回転方向とポンプ入力軸42の回転方向とが一致する構成としたことを特徴とする作業車輌としたものであり、ファン用無段変速装置30のファン用油圧ポンプ31の駆動回転をファン回転軸40に伝達して冷却用ファン20を正逆回転させる。
ファン回転軸40はウォーターポンプ41のポンプ入力軸42に支持されて回転し、冷却用ファン20の正転時のとき、ファン回転軸40の回転方向とポンプ入力軸42の回転方向とが一致する。
請求項4記載の発明は、前記エンジン10の上側に操縦部6を設け、前記ファン用無段変速装置30は、操縦部6のステップ63の下方空間内に配置したことを特徴とする作業車輌としたものであり、エンジン10の駆動回転が走行用無段変速装置11の走行用ポンプ入力軸14に入力され、走行用無段変速装置11の走行用ポンプ入力軸14に入力された回転が走行用無段変速装置11の側方となる操縦部6のステップ63の下方空間内に配置したファン用無段変速装置30のファン用油圧ポンプ31に入力され、ファン用無段変速装置30によって冷却用ファン20を正回転させてエンジン10を冷却し、または、冷却用ファン20を逆回転させてラジエーターカバー22の防塵ネット24の付着物を除去する。
請求項5記載の発明は、ファン用無段変速装置30のファン用油圧モータ32の出力プーリー44とファン回転軸40の入力プーリー43との間にベルト45を掛け回し、ファン用油圧モータ32の出力軸47の軸心方向視で、ファン用無段変速装置30におけるファン回転軸40とは反対側の面にファン用油圧ポンプ31を変速するトラニオン軸71を設けたことを特徴とする作業車輌としたものであり、トラニオン軸71を回転させてファン用無段変速装置30を変速させ、ファン用無段変速装置30のファン用油圧モータ32の変速させた回転を出力プーリー44からファン回転軸40の入力プーリー43にベルト45を介して伝達し、冷却用ファン20を正逆回転させる。
【発明の効果】
【0006】
請求項1記載の発明では、ファン用無段変速装置30により冷却用ファン20の回転方向を正回転状態と逆回転状態とに切替えることで、ラジエーター21およびエンジン10の冷却を行うと共に、ラジエーターカバー22の防塵ネット24の付着物を除去することができ、ファン用無段変速装置30には走行用無段変速装置11を介してエンジン10の駆動回転を伝達するので、エンジン10周辺のベルト伝動構成を簡素にでき、メンテナンス作業を容易にできる。
請求項2記載の発明では、ケース33の内側の走行用無段変速装置11の走行用ポンプ入力軸14の内側端から入力し、ケース33の外側の走行用ポンプ入力軸14の外側端から出力させた駆動回転をファン用無段変速装置30のファン用油圧ポンプ31に伝達するので、回転伝動構成を簡素にでき、メンテナンス作業も容易にできる。
請求項3記載の発明では、冷却用ファン20のファン回転軸40をウォーターポンプ41のポンプ入力軸42に軸受して支持しているので、構成を合理的に簡素化でき、また、冷却用ファン20の正転時のとき、ファン回転軸40の回転方向とポンプ入力軸42の回転方向とを一致させているので、耐久性を向上させることができる。
請求項4記載の発明では、ファン用無段変速装置30を操縦部6のステップ63の下方空間を有効利用して設置できる。
請求項5記載の発明では、ベルト45と反対側にトラニオン軸71を設けているので、調節や設定作業およびメンテナンス作業を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】コンバインの側面図。
【図2】冷却用ファンの伝動機構の概略を示した背面図。
【図3】同模式図。
【図4】同拡大背面図。
【図5】同側面図。
【図6】冷却用ファンの伝動機構の他の実施例の背面図。
【図7】同側面図。
【図8】同模式図。
【図9】操縦部の一部平面図。
【図10】走行速度の変化を示す模式図。
【図11】伝動経路機構概略図。
【図12】供給搬送チェンの逆転機構を示した概略図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の実施例を図面により説明すると、1はコンバインの機体フレーム、2は走行装置、3は走行装置2の上方の一側に設けた脱穀装置、4は刈取装置、5は脱穀装置4の側方に設けたグレンタンク、6は操縦部である。
走行装置2は、エンジン10の駆動回転を無段階に変速する走行用無段変速装置(H.S.T)11により駆動回転させ構成とし、走行用無段変速装置11は、油圧ポンプ12と油圧モータ13を有して構成する。油圧ポンプ12の走行用ポンプ入力軸14には入力プーリー15を設ける。入力プーリー15にはエンジン10の内側に設けたエンジン出力軸16の内側出力プーリー17との間にベルト18を掛け回す。走行用無段変速装置11は、図示は省略するが油圧モータ13の出力回転をミッション(ミッションケース)19に伝達して走行装置2を駆動させる。
前記エンジン10は操縦部6の運転座席7の下方(後側)付近に設け、エンジン10の外側(右側)にはエンジンの冷却用ファン20を設ける(図2)。冷却用ファン20の外側にラジエーター21を設け、ラジエーター21の外側には前記ラジエーターカバー22を設ける。ラジエーターカバー22に設けた開口部23には防塵ネット24を設ける。
【0009】
前記冷却用ファン20はエンジン10の駆動回転を無段階に変速するファン無段変速装置(H.S.T)30により正逆駆動回転させる。ファン用無段変速装置30は、ファン用油圧ポンプ31とファン用油圧モータ32を有して構成する。
ファン用無段変速装置30は、前記走行装置2を無段階に変速する走行用無段変速装置11の走行用ポンプ入力軸14から駆動回転を入力する構成とし、前記走行用無段変速装置11の油圧ポンプ12から外側に延長させた前記走行用ポンプ入力軸14からの回転を伝達する。
前記走行用無段変速装置11の走行用ポンプ入力軸14はケース33より内側に突出する一端(内側端)にエンジン10からの回転を入力する前記入力プーリー15を設け、前記ケース33の外側に走行用ポンプ入力軸14の他端(外側端)を延長させ、該走行用ポンプ入力軸14の外側突出部から前記ファン用無段変速装置30のファン用油圧ポンプ31に向けて回転出力する構成とする。
【0010】
即ち、走行用無段変速装置11の走行用ポンプ入力軸14は、走行用ポンプ入力軸14の一端14Aに前記入力プーリー15を設け、走行用ポンプ入力軸14の中間部は走行用無段変速装置11のケース33を貫通させ、走行用ポンプ入力軸14の他端14Bは油圧ポンプ12(ケース33)よりも外側に延長させて突出させ、この走行用ポンプ入力軸14の他端14Bに中間出力プーリー35を設け、中間出力プーリー35と前記ファン用油圧ポンプ31の入力プーリー36との間にベルト37を掛け回す。
そのため、走行用無段変速装置11に伝達する回転伝動機構を利用してファン用無段変速装置30のファン用油圧ポンプ31に回転を入力するので、エンジン10周辺のベルト伝動構成を簡素にし、メンテナンス作業を容易にする。
ファン用無段変速装置30への回転伝達を一本のベルト37で行えるので、この点でも、構成を簡素にしてメンテナンス作業を容易にする。
【0011】
前記冷却用ファン20のファン回転軸40は、前記エンジン10の所定位置に設けた冷却水を循環させるウォーターポンプ41のポンプ入力軸42に二重軸状態に回転自在に嵌合させて軸装する。前記冷却用ファン20のファン回転軸40には入力プーリー43を設け、前記ファン用油圧モータ32の回転が出力される出力プーリー44との間にベルト45を掛け回す。
したがって、エンジン10に軸装したファン回転軸40の軸心から外れた位置にファン用無段変速装置30を設け、冷却用ファン20の送風範囲外に設置させられる(図4)。
この場合、冷却用ファン20が防塵ネット37の外側から内側へ送風する正転状態において、ファン回転軸40の回転方向とポンプ入力軸42の回転方向とを一致させる。
【0012】
また、ファン回転軸40およびポンプ入力軸42は、エンジン10の側面視上下および左右中間に配置し、ファン用無段変速装置30をエンジン10の外周所定位置に取付けると、冷却用ファン20の送風範囲外の設置となる。
また、エンジン10の前面側とミッションケース19との間にファン用無段変速装置30を設けると(図5)、冷却用ファン20の送風範囲から外せると共に、ミッションケース19からのベルト37の配置を合理的にでき、ファン用無段変速装置30のメンテナンスも容易になる。
46はファン用油圧ポンプ31の入力軸、48はファン用油圧モータ32の出力軸47に設けた出力歯車48、49は中間軸49、50は中間軸49に固定の中間歯車50、51は出力軸、52はウォーターポンプ41のポンプ入力軸42に設けたエンジン10の回転を入力する入力プーリー52、54は前記エンジン10の出力軸53に設けた出力プーリー54、55はベルト、56はジェネレータ入力プーリーである。
【0013】
したがって、ウォーターポンプ41と冷却用ファン20は同一軸心で支持され、ウォーターポンプ41と冷却用ファン20の支持構成を兼用する。
図6は、ファン用無段変速装置30の他の実施例を示し、走行用無段変速装置11の走行用ポンプ入力軸14の内側の一端14Aに前記入力プーリー15を設け、走行用無段変速装置11のケース33を貫通させて外側に延長させて突出させた走行用ポンプ入力軸14の他端14Bと、ファン用無段変速装置30のファン用油圧ポンプ31の入力軸60とを同心上に配置し、走行用無段変速装置11の走行用ポンプ入力軸14の他端14Bと入力軸60とをカップリング機構61により接続する。
そのため、走行用無段変速装置11に伝達する回転伝動機構を利用してファン用無段変速装置30のファン用油圧ポンプ31に回転を入力し、しかも、走行用無段変速装置11の走行用ポンプ入力軸14の回転をベルトを介さずにファン用無段変速装置30のファン用油圧ポンプ31に伝達するので、伝動構成を簡素にし、メンテナンス作業を容易にする。
【0014】
また、前記冷却用ファン20のファン回転軸40は、前記エンジン10の所定位置に設けた冷却水を循環させるウォーターポンプ41のポンプ入力軸42に二重軸状態に回転自在に嵌合させて軸装する。
したがって、この点でも、伝動構成を簡素にし、メンテナンス作業を容易にする。
また、ファン用無段変速装置30は、操縦部6のステップ63の下方空間内に開口部70に臨ませて設けると(図1,図7)、冷却用ファン20との距離も近く、空間を有効利用できて、好適である。
ファン用無段変速装置30のファン用油圧ポンプ31を変速するトラニオン軸71とトラニオンアーム72は、前記ファン用油圧モータ32の回転が伝達されるベルト45とは反対側に設ける(図7)。
ファン用無段変速装置30の出力は、所定時間毎に正逆転の切り替え制御を行う。例えば、ファン用無段変速装置30が正回転出力を5分継続した後、10秒の逆回転出力するように設定し、この正回転出力と逆回転出力との切替えを反復し、また、状況に応じて、正回転出力と逆回転出力との設定時間を変更する。
【0015】
しかして、走行装置2は、操縦部6に設けた主変速レバー80により速度調節機構(図示省略)で走行用無段変速装置11をコントロールして走行する(図9)。
この場合、前記操縦部6には、微速モードスイッチ82を設け、微速モードスイッチ82により前記速度調節機構の微速モードを入切する構成とする。
また、微速モードでは主変速レバー80による操作における速度設定を行う速度設定ダイヤル83により設定される最低車速より低い走行速度となるように設定する。
そのため、車への積み降ろしや畦越え等を容易に行える。
図10のSのラインは路上走行における走行速度を示し、Fのラインは作業速度における最高速設定の速度上昇を示し、Lのラインは作業速度における最低速設定の速度上昇を示し、Bのラインは微速モードにおける走行速度を示している。
前記脱穀装置3へ穀稈を搬送供給する穀稈供給搬送装置85は、所定位置に設けた緊急スイッチ(図示省略)により穀稈供給搬送装置85の回転を低速による逆回転させる構成とする(図11,図12)。
【0016】
即ち、通常、穀稈供給搬送装置85は、その供給搬送チェン87が脱穀装置3の始端側から終点側へ穀稈を供給搬送させるが、緊急時に所定位置に設けた緊急スイッチ(図示省略)を操作すると、供給搬送チェン87を逆転させ、移動方向を終端側から始端側に移動させる。
そのため、供給搬送チエン87に挟まれた異物を速やかに除去することができる。
前記供給搬送チェン87を逆転させる逆転機構88を、穀稈供給搬送装置85の回転伝達経路中に設ける。逆転機構88はギヤケース89に入力軸90を軸装し、入力軸90に第一歯車91と第二歯車92を設ける。ギヤケース89には中間軸93を軸装し、中間軸93には正転歯車94と逆転歯車95を遊嵌状態に軸装し、正転歯車94と逆転歯車95の間に切り替えクラッチ96を設け、クラッチ96のシフタ(図示省略)と前記緊急スイッチとを連結する。
そのため、クラッチ96を切り替えることによりギヤケース89の出力軸97の回転方向を正逆に切り換えられる。
98Aは中間出力プーリー、98Bは入力プーリーである。
【0017】
(実施例の作用)
エンジン10を始動して、走行装置2により走行し、走行中に刈取装置4で刈取った穀稈を脱穀装置で脱穀する。
エンジン10を始動すると、エンジン10の回転がファン用無段変速装置30に伝達され、ファン用無段変速装置30が無段階に変速して冷却用ファン20を正回転させ、ラジエーターカバー22の防塵ネット24から外気を吸引し、吸引した外気はラジエーター21を通過してエンジン10の冷却用の冷却水を冷却すると共に、エンジン10の外周を冷却しながら吹き抜ける。
刈取脱穀作業を続けると、ラジエーターカバー22の防塵ネット24の表側に藁屑や塵埃等の付着物が付着するので、ファン用無段変速装置30により冷却用ファン20を逆回転させて、機体内部から機体外部方向へ送風させ、吹散させて除去する。
【0018】
前記冷却用ファン20はエンジン10の駆動回転を無段階に変速するファン無段変速装置(H.S.T)30により正逆駆動回転し、ファン用無段変速装置30は走行装置2を無段階に変速する走行用無段変速装置11の走行用ポンプ入力軸14から駆動回転を入力する構成としているので、走行用無段変速装置11に伝達する回転伝動機構を利用してファン用無段変速装置30のファン用油圧ポンプ31に回転を入力でき、エンジン10周辺のベルト伝動構成を簡素にし、メンテナンス作業を容易にする。
前記走行用無段変速装置11の走行用ポンプ入力軸14はケース33より内側に突出する一端にエンジン10から回転入力する入力プーリー15を設け、ケース33の外側に走行用ポンプ入力軸14の他端を延長させ、該走行用ポンプ入力軸14の外側突出部から前記ファン用無段変速装置30のファン用油圧ポンプ31に向けて回転出力する構成としているので、ファン用無段変速装置30への回転伝達を一本のベルト37で行えるので、この点でも、構成を簡素にしてメンテナンス作業を容易にする。
【0019】
即ち、エンジン10のエンジン出力軸16の出力回転が、内側出力プーリー17とベルト18と入力プーリー15を介して走行用ポンプ入力軸14に伝達されて走行用無段変速装置11の油圧ポンプ12に入力され、油圧ポンプ12と油圧モータ13により変速されて走行装置2を駆動させ、一方、走行用ポンプ入力軸14の回転がそのまま中間出力プーリー35に出力され、中間出力プーリー35とベルト37と入力プーリー36を介してファン用無段変速装置30のファン用油圧ポンプ31に入力され、ファン用無段変速装置30のファン用油圧ポンプ31とファン用油圧モータ32により変速されて冷却用ファン20を回転させる。
したがって、ファン用無段変速装置30は、冷却用ファン20の送風範囲外に設けることができ、ファン用無段変速装置30の存在が冷却用ファン20の送風の抵抗とならず、冷却効率を低下させない。
【0020】
この場合、冷却用ファン20のファン回転軸40は、エンジン10内の所定位置に設けたウォーターポンプ41のポンプ入力軸42に二重軸状態に回転自在に嵌合させて軸装しているので、エンジン10にファン回転軸40を軸装させながら冷却用ファン20をファン用無段変速装置30により逆転・変速回転可能となる。
そのため、冷却用ファン20の軸心を、エンジン10に対して冷却効率の良好となる、エンジン10の上下左右中間位置に配置でき、冷却用ファン20の変速逆転と冷却効率とを両立させられ、好適である。
また、冷却用ファン20の正転時のとき、ファン回転軸40の回転方向とポンプ入力軸42の回転方向とを一致させると、ファン回転軸40とポンプ入力軸42の間に設けた軸受の耐久性を向上させることができる。
また、ファン回転軸40およびポンプ入力軸42は、エンジン10の側面視上下および左右中間に配置し、ファン用無段変速装置30をエンジン10の外周所定位置に取付けると、冷却用ファン20の送風範囲外の設置とウォーターポンプ41の回転入力構成の兼用とを簡単に構成できる。
【0021】
また、エンジン10の前面側とミッションケース19との間にファン用無段変速装置30を取付けているので、冷却用ファン20の送風範囲から外せると共に、ミッションケース19からのベルト37の配置を合理的にでき、ファン用無段変速装置30のメンテナンスも容易になる。
この場合、ファン用無段変速装置30は、操縦部6のステップ63の下方空間内に開口部70に臨ませて設けているので、冷却用ファン20との距離も近く、空間を有効利用できて、好適である。
ファン用無段変速装置30のファン用油圧ポンプ31を変速するトラニオン軸71とトラニオンアーム72は、前記ファン用油圧モータ32の回転が伝達されるベルト45とは反対側に設けているので、調節や設定作業およびメンテナンス作業を容易に行える。
【0022】
即ち、機体右側方に立ち、開口部70からステップ63の下方空間に手を入れてメンテナンスを行う(図7)。
図6のファン用無段変速装置30の他の実施例では、ファン用無段変速装置30のファン用油圧ポンプ31の入力軸60を走行用無段変速装置11の走行用ポンプ入力軸14と同心上に配置し、入力軸60と走行用無段変速装置11の走行用ポンプ入力軸14とをカップリング機構61により接続しているので、走行用無段変速装置11に伝達する回転伝動機構を利用してファン用無段変速装置30のファン用油圧ポンプ31に回転を入力し、しかも、走行用無段変速装置11の走行用ポンプ入力軸14の回転をベルトを介さずにファン用無段変速装置30のファン用油圧ポンプ31に伝達するので、伝動構成を簡素にし、メンテナンス作業を容易にする。
なお、前記した各実施例は、理解を容易にするために、個別または混在させて図示および説明しているが、これらの各図の実施例は夫々種々組合せ可能であり、一部図示を他の実施例と共用している場合もあり、これらの表現によって、構成・作用等が限定されるものではなく、また、相乗効果を奏する場合も勿論存在する。
【符号の説明】
【0023】
1…機体フレーム、2…走行装置、3…脱穀装置、4…刈取装置、5…グレンタンク、6…操縦部、10…エンジン、11…走行用無段変速装置、12…油圧ポンプ、13…油圧モータ、14…走行用ポンプ入力軸、15…入力プーリー、16…エンジン出力軸、18…ベルト、17…内側出力プーリー、19…ミッションケース、20…冷却用ファン、21…ラジエーター、23…開口部、24…防塵ネット、30…ファン用無段変速装置、31…ファン用油圧ポンプ、32…ファン用油圧モータ、33…ケース、35…中間出力プーリー、36…入力プーリー、37…ベルト、40…ファン回転軸、41…ウォーターポンプ、42…ポンプ入力軸、43…入力プーリー、44…出力プーリー、45…ベルト、47…出力軸、48…出力歯車、49…中間軸、50…中間歯車、51…出力軸、52…入力プーリー、60…入力軸、61…カップリング機構、63…ステップ、70…開口部、71…トラニオン軸、72…トラニオンアーム、80…主変速レバー、82…微速モードスイッチ、83…速度設定ダイヤル、85…穀稈供給搬送装置、87…供給搬送チェン、88…逆転機構、89…ギヤケース、90…入力軸、91…第一歯車、92…第二歯車、93…中間軸、94…正転歯車、95…逆転歯車、96…クラッチ、97…出力軸。
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業車輌、特に、コンバインに係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、エンジンの外側にエンジンの冷却用のファンと防塵ネットを有するラジエーターカバーを設け、この冷却用ファンの回転を、二個のテンションプーリとファンベルトとの当接位置を変更することにより正回転と逆回転とに切り替える構成は、公知である(特許文献1)。
また、従来、エンジン冷却用のファンをファン無段変速装置の出力軸に設け、ファン無段変速装置により正回転と逆回転とに切り替える構成は、公知である(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−36754号公報
【特許文献2】特開2008−87723号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記公知例のうち前者の構成では、冷却用ファンの回転を、二個のテンションプーリとファンベルトとの当接位置を変更することにより正回転と逆回転とに切り替える構成のため、ベルトの摩耗等の課題がある。
また、エンジンの出力回転速度に対する冷却用ファンの回転速度を変更することができず、エンジンに負荷が掛かり、エンジンの出力回転が低下した場合、冷却用ファンの回転速度もこれに伴って低下し、冷却用ファンによる冷却効率が悪化する問題がある。
前記公知例のうち後者の構成では、冷却用ファンをファン無段変速装置の出力軸に設け、ファン無段変速装置により正回転と逆回転とに切り替えるので、前記課題は解決しているが、冷却用ファンとエンジンの間の冷却用ファンの送風範囲内にファン無段変速装置が設けられることになり、ファン無段変速装置が冷却用ファンの送風の抵抗となって、冷却効率が低いという課題がある。
本願は、冷却用ファンの回転機構を工夫し、簡単にラジエーターカバーの防塵ネットの付着物を除去すると共に、冷却効率を向上するようにしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明は、エンジン10の駆動回転を無段階に変速して走行装置2を駆動する走行用無段変速装置11を備え、前記エンジン10の外側には、冷却用ファン20と、ラジエータ21と、防塵ネット37とを設け、前記冷却用ファン20はファン用無段変速装置30により正転および逆転駆動される構成とし、前記ファン用無段変速装置30には、前記走行用無段変速装置11の走行用ポンプ入力軸14を介してエンジン10の駆動回転を入力する構成としたことを特徴とする作業車輌としたものであり、通常ではエンジン10の駆動回転を走行用無段変速装置11の走行用ポンプ入力軸14を介してファン用無段変速装置30に伝達し、ファン用無段変速装置30によって変速して冷却用ファン20を正回転駆動して機体外部から機体内部方向へ送風させて、エンジン10を冷却する。一方、ファン用無段変速装置30を逆回転出力させて冷却用ファン20を逆回転させると、機体内部から機体外部方向へ送風し、ラジエーターカバー22の防塵ネット24の付着物を除去する。
請求項2記載の発明は、前記走行用無段変速装置11のケース33から機体内側に突出する走行用ポンプ入力軸14の内側端にエンジン10の駆動回転を入力する入力プーリー15を設け、前記走行用ポンプ入力軸14の外側端を前記ケース33から機体外側に延長させ、走行用ポンプ入力軸14の外側端から前記ファン用無段変速装置30のファン用油圧ポンプ31に向けて駆動回転を出力する構成とし、前記走行用ポンプ入力軸14の外側端には前記ファン用油圧ポンプ31に向けて駆動回転を出力する中間出力プーリー35またはファン用無段変速装置30のファン用油圧ポンプ31の入力軸46に接続するカップリング機構61を設けたことを特徴とする作業車輌としたものであり、ケース33から内側に突出する走行用無段変速装置11の走行用ポンプ入力軸14の内側端にエンジン10からの駆動回転を入力し、ケース33の外側に突出する走行用ポンプ入力軸14の外側端の出力回転をファン用無段変速装置30のファン用油圧ポンプ31に、中間出力プーリー35またはカップリング機構61によって伝達し、ファン用無段変速装置30によって冷却用ファン20を正回転駆動させると、エンジン10を冷却し、ファン用無段変速装置30を逆回転出力させると、冷却用ファン20を逆回転させてラジエーターカバー22の防塵ネット24の付着物を除去する。
請求項3記載の発明は、前記冷却用ファン20のファン回転軸40は、前記エンジン10の外側部に設けた冷却水を循環させるウォーターポンプ41のポンプ入力軸42に回転自在に軸受し、冷却用ファン20が防塵ネット37の外側から内側へ送風する正転状態において、ファン回転軸40の回転方向とポンプ入力軸42の回転方向とが一致する構成としたことを特徴とする作業車輌としたものであり、ファン用無段変速装置30のファン用油圧ポンプ31の駆動回転をファン回転軸40に伝達して冷却用ファン20を正逆回転させる。
ファン回転軸40はウォーターポンプ41のポンプ入力軸42に支持されて回転し、冷却用ファン20の正転時のとき、ファン回転軸40の回転方向とポンプ入力軸42の回転方向とが一致する。
請求項4記載の発明は、前記エンジン10の上側に操縦部6を設け、前記ファン用無段変速装置30は、操縦部6のステップ63の下方空間内に配置したことを特徴とする作業車輌としたものであり、エンジン10の駆動回転が走行用無段変速装置11の走行用ポンプ入力軸14に入力され、走行用無段変速装置11の走行用ポンプ入力軸14に入力された回転が走行用無段変速装置11の側方となる操縦部6のステップ63の下方空間内に配置したファン用無段変速装置30のファン用油圧ポンプ31に入力され、ファン用無段変速装置30によって冷却用ファン20を正回転させてエンジン10を冷却し、または、冷却用ファン20を逆回転させてラジエーターカバー22の防塵ネット24の付着物を除去する。
請求項5記載の発明は、ファン用無段変速装置30のファン用油圧モータ32の出力プーリー44とファン回転軸40の入力プーリー43との間にベルト45を掛け回し、ファン用油圧モータ32の出力軸47の軸心方向視で、ファン用無段変速装置30におけるファン回転軸40とは反対側の面にファン用油圧ポンプ31を変速するトラニオン軸71を設けたことを特徴とする作業車輌としたものであり、トラニオン軸71を回転させてファン用無段変速装置30を変速させ、ファン用無段変速装置30のファン用油圧モータ32の変速させた回転を出力プーリー44からファン回転軸40の入力プーリー43にベルト45を介して伝達し、冷却用ファン20を正逆回転させる。
【発明の効果】
【0006】
請求項1記載の発明では、ファン用無段変速装置30により冷却用ファン20の回転方向を正回転状態と逆回転状態とに切替えることで、ラジエーター21およびエンジン10の冷却を行うと共に、ラジエーターカバー22の防塵ネット24の付着物を除去することができ、ファン用無段変速装置30には走行用無段変速装置11を介してエンジン10の駆動回転を伝達するので、エンジン10周辺のベルト伝動構成を簡素にでき、メンテナンス作業を容易にできる。
請求項2記載の発明では、ケース33の内側の走行用無段変速装置11の走行用ポンプ入力軸14の内側端から入力し、ケース33の外側の走行用ポンプ入力軸14の外側端から出力させた駆動回転をファン用無段変速装置30のファン用油圧ポンプ31に伝達するので、回転伝動構成を簡素にでき、メンテナンス作業も容易にできる。
請求項3記載の発明では、冷却用ファン20のファン回転軸40をウォーターポンプ41のポンプ入力軸42に軸受して支持しているので、構成を合理的に簡素化でき、また、冷却用ファン20の正転時のとき、ファン回転軸40の回転方向とポンプ入力軸42の回転方向とを一致させているので、耐久性を向上させることができる。
請求項4記載の発明では、ファン用無段変速装置30を操縦部6のステップ63の下方空間を有効利用して設置できる。
請求項5記載の発明では、ベルト45と反対側にトラニオン軸71を設けているので、調節や設定作業およびメンテナンス作業を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】コンバインの側面図。
【図2】冷却用ファンの伝動機構の概略を示した背面図。
【図3】同模式図。
【図4】同拡大背面図。
【図5】同側面図。
【図6】冷却用ファンの伝動機構の他の実施例の背面図。
【図7】同側面図。
【図8】同模式図。
【図9】操縦部の一部平面図。
【図10】走行速度の変化を示す模式図。
【図11】伝動経路機構概略図。
【図12】供給搬送チェンの逆転機構を示した概略図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の実施例を図面により説明すると、1はコンバインの機体フレーム、2は走行装置、3は走行装置2の上方の一側に設けた脱穀装置、4は刈取装置、5は脱穀装置4の側方に設けたグレンタンク、6は操縦部である。
走行装置2は、エンジン10の駆動回転を無段階に変速する走行用無段変速装置(H.S.T)11により駆動回転させ構成とし、走行用無段変速装置11は、油圧ポンプ12と油圧モータ13を有して構成する。油圧ポンプ12の走行用ポンプ入力軸14には入力プーリー15を設ける。入力プーリー15にはエンジン10の内側に設けたエンジン出力軸16の内側出力プーリー17との間にベルト18を掛け回す。走行用無段変速装置11は、図示は省略するが油圧モータ13の出力回転をミッション(ミッションケース)19に伝達して走行装置2を駆動させる。
前記エンジン10は操縦部6の運転座席7の下方(後側)付近に設け、エンジン10の外側(右側)にはエンジンの冷却用ファン20を設ける(図2)。冷却用ファン20の外側にラジエーター21を設け、ラジエーター21の外側には前記ラジエーターカバー22を設ける。ラジエーターカバー22に設けた開口部23には防塵ネット24を設ける。
【0009】
前記冷却用ファン20はエンジン10の駆動回転を無段階に変速するファン無段変速装置(H.S.T)30により正逆駆動回転させる。ファン用無段変速装置30は、ファン用油圧ポンプ31とファン用油圧モータ32を有して構成する。
ファン用無段変速装置30は、前記走行装置2を無段階に変速する走行用無段変速装置11の走行用ポンプ入力軸14から駆動回転を入力する構成とし、前記走行用無段変速装置11の油圧ポンプ12から外側に延長させた前記走行用ポンプ入力軸14からの回転を伝達する。
前記走行用無段変速装置11の走行用ポンプ入力軸14はケース33より内側に突出する一端(内側端)にエンジン10からの回転を入力する前記入力プーリー15を設け、前記ケース33の外側に走行用ポンプ入力軸14の他端(外側端)を延長させ、該走行用ポンプ入力軸14の外側突出部から前記ファン用無段変速装置30のファン用油圧ポンプ31に向けて回転出力する構成とする。
【0010】
即ち、走行用無段変速装置11の走行用ポンプ入力軸14は、走行用ポンプ入力軸14の一端14Aに前記入力プーリー15を設け、走行用ポンプ入力軸14の中間部は走行用無段変速装置11のケース33を貫通させ、走行用ポンプ入力軸14の他端14Bは油圧ポンプ12(ケース33)よりも外側に延長させて突出させ、この走行用ポンプ入力軸14の他端14Bに中間出力プーリー35を設け、中間出力プーリー35と前記ファン用油圧ポンプ31の入力プーリー36との間にベルト37を掛け回す。
そのため、走行用無段変速装置11に伝達する回転伝動機構を利用してファン用無段変速装置30のファン用油圧ポンプ31に回転を入力するので、エンジン10周辺のベルト伝動構成を簡素にし、メンテナンス作業を容易にする。
ファン用無段変速装置30への回転伝達を一本のベルト37で行えるので、この点でも、構成を簡素にしてメンテナンス作業を容易にする。
【0011】
前記冷却用ファン20のファン回転軸40は、前記エンジン10の所定位置に設けた冷却水を循環させるウォーターポンプ41のポンプ入力軸42に二重軸状態に回転自在に嵌合させて軸装する。前記冷却用ファン20のファン回転軸40には入力プーリー43を設け、前記ファン用油圧モータ32の回転が出力される出力プーリー44との間にベルト45を掛け回す。
したがって、エンジン10に軸装したファン回転軸40の軸心から外れた位置にファン用無段変速装置30を設け、冷却用ファン20の送風範囲外に設置させられる(図4)。
この場合、冷却用ファン20が防塵ネット37の外側から内側へ送風する正転状態において、ファン回転軸40の回転方向とポンプ入力軸42の回転方向とを一致させる。
【0012】
また、ファン回転軸40およびポンプ入力軸42は、エンジン10の側面視上下および左右中間に配置し、ファン用無段変速装置30をエンジン10の外周所定位置に取付けると、冷却用ファン20の送風範囲外の設置となる。
また、エンジン10の前面側とミッションケース19との間にファン用無段変速装置30を設けると(図5)、冷却用ファン20の送風範囲から外せると共に、ミッションケース19からのベルト37の配置を合理的にでき、ファン用無段変速装置30のメンテナンスも容易になる。
46はファン用油圧ポンプ31の入力軸、48はファン用油圧モータ32の出力軸47に設けた出力歯車48、49は中間軸49、50は中間軸49に固定の中間歯車50、51は出力軸、52はウォーターポンプ41のポンプ入力軸42に設けたエンジン10の回転を入力する入力プーリー52、54は前記エンジン10の出力軸53に設けた出力プーリー54、55はベルト、56はジェネレータ入力プーリーである。
【0013】
したがって、ウォーターポンプ41と冷却用ファン20は同一軸心で支持され、ウォーターポンプ41と冷却用ファン20の支持構成を兼用する。
図6は、ファン用無段変速装置30の他の実施例を示し、走行用無段変速装置11の走行用ポンプ入力軸14の内側の一端14Aに前記入力プーリー15を設け、走行用無段変速装置11のケース33を貫通させて外側に延長させて突出させた走行用ポンプ入力軸14の他端14Bと、ファン用無段変速装置30のファン用油圧ポンプ31の入力軸60とを同心上に配置し、走行用無段変速装置11の走行用ポンプ入力軸14の他端14Bと入力軸60とをカップリング機構61により接続する。
そのため、走行用無段変速装置11に伝達する回転伝動機構を利用してファン用無段変速装置30のファン用油圧ポンプ31に回転を入力し、しかも、走行用無段変速装置11の走行用ポンプ入力軸14の回転をベルトを介さずにファン用無段変速装置30のファン用油圧ポンプ31に伝達するので、伝動構成を簡素にし、メンテナンス作業を容易にする。
【0014】
また、前記冷却用ファン20のファン回転軸40は、前記エンジン10の所定位置に設けた冷却水を循環させるウォーターポンプ41のポンプ入力軸42に二重軸状態に回転自在に嵌合させて軸装する。
したがって、この点でも、伝動構成を簡素にし、メンテナンス作業を容易にする。
また、ファン用無段変速装置30は、操縦部6のステップ63の下方空間内に開口部70に臨ませて設けると(図1,図7)、冷却用ファン20との距離も近く、空間を有効利用できて、好適である。
ファン用無段変速装置30のファン用油圧ポンプ31を変速するトラニオン軸71とトラニオンアーム72は、前記ファン用油圧モータ32の回転が伝達されるベルト45とは反対側に設ける(図7)。
ファン用無段変速装置30の出力は、所定時間毎に正逆転の切り替え制御を行う。例えば、ファン用無段変速装置30が正回転出力を5分継続した後、10秒の逆回転出力するように設定し、この正回転出力と逆回転出力との切替えを反復し、また、状況に応じて、正回転出力と逆回転出力との設定時間を変更する。
【0015】
しかして、走行装置2は、操縦部6に設けた主変速レバー80により速度調節機構(図示省略)で走行用無段変速装置11をコントロールして走行する(図9)。
この場合、前記操縦部6には、微速モードスイッチ82を設け、微速モードスイッチ82により前記速度調節機構の微速モードを入切する構成とする。
また、微速モードでは主変速レバー80による操作における速度設定を行う速度設定ダイヤル83により設定される最低車速より低い走行速度となるように設定する。
そのため、車への積み降ろしや畦越え等を容易に行える。
図10のSのラインは路上走行における走行速度を示し、Fのラインは作業速度における最高速設定の速度上昇を示し、Lのラインは作業速度における最低速設定の速度上昇を示し、Bのラインは微速モードにおける走行速度を示している。
前記脱穀装置3へ穀稈を搬送供給する穀稈供給搬送装置85は、所定位置に設けた緊急スイッチ(図示省略)により穀稈供給搬送装置85の回転を低速による逆回転させる構成とする(図11,図12)。
【0016】
即ち、通常、穀稈供給搬送装置85は、その供給搬送チェン87が脱穀装置3の始端側から終点側へ穀稈を供給搬送させるが、緊急時に所定位置に設けた緊急スイッチ(図示省略)を操作すると、供給搬送チェン87を逆転させ、移動方向を終端側から始端側に移動させる。
そのため、供給搬送チエン87に挟まれた異物を速やかに除去することができる。
前記供給搬送チェン87を逆転させる逆転機構88を、穀稈供給搬送装置85の回転伝達経路中に設ける。逆転機構88はギヤケース89に入力軸90を軸装し、入力軸90に第一歯車91と第二歯車92を設ける。ギヤケース89には中間軸93を軸装し、中間軸93には正転歯車94と逆転歯車95を遊嵌状態に軸装し、正転歯車94と逆転歯車95の間に切り替えクラッチ96を設け、クラッチ96のシフタ(図示省略)と前記緊急スイッチとを連結する。
そのため、クラッチ96を切り替えることによりギヤケース89の出力軸97の回転方向を正逆に切り換えられる。
98Aは中間出力プーリー、98Bは入力プーリーである。
【0017】
(実施例の作用)
エンジン10を始動して、走行装置2により走行し、走行中に刈取装置4で刈取った穀稈を脱穀装置で脱穀する。
エンジン10を始動すると、エンジン10の回転がファン用無段変速装置30に伝達され、ファン用無段変速装置30が無段階に変速して冷却用ファン20を正回転させ、ラジエーターカバー22の防塵ネット24から外気を吸引し、吸引した外気はラジエーター21を通過してエンジン10の冷却用の冷却水を冷却すると共に、エンジン10の外周を冷却しながら吹き抜ける。
刈取脱穀作業を続けると、ラジエーターカバー22の防塵ネット24の表側に藁屑や塵埃等の付着物が付着するので、ファン用無段変速装置30により冷却用ファン20を逆回転させて、機体内部から機体外部方向へ送風させ、吹散させて除去する。
【0018】
前記冷却用ファン20はエンジン10の駆動回転を無段階に変速するファン無段変速装置(H.S.T)30により正逆駆動回転し、ファン用無段変速装置30は走行装置2を無段階に変速する走行用無段変速装置11の走行用ポンプ入力軸14から駆動回転を入力する構成としているので、走行用無段変速装置11に伝達する回転伝動機構を利用してファン用無段変速装置30のファン用油圧ポンプ31に回転を入力でき、エンジン10周辺のベルト伝動構成を簡素にし、メンテナンス作業を容易にする。
前記走行用無段変速装置11の走行用ポンプ入力軸14はケース33より内側に突出する一端にエンジン10から回転入力する入力プーリー15を設け、ケース33の外側に走行用ポンプ入力軸14の他端を延長させ、該走行用ポンプ入力軸14の外側突出部から前記ファン用無段変速装置30のファン用油圧ポンプ31に向けて回転出力する構成としているので、ファン用無段変速装置30への回転伝達を一本のベルト37で行えるので、この点でも、構成を簡素にしてメンテナンス作業を容易にする。
【0019】
即ち、エンジン10のエンジン出力軸16の出力回転が、内側出力プーリー17とベルト18と入力プーリー15を介して走行用ポンプ入力軸14に伝達されて走行用無段変速装置11の油圧ポンプ12に入力され、油圧ポンプ12と油圧モータ13により変速されて走行装置2を駆動させ、一方、走行用ポンプ入力軸14の回転がそのまま中間出力プーリー35に出力され、中間出力プーリー35とベルト37と入力プーリー36を介してファン用無段変速装置30のファン用油圧ポンプ31に入力され、ファン用無段変速装置30のファン用油圧ポンプ31とファン用油圧モータ32により変速されて冷却用ファン20を回転させる。
したがって、ファン用無段変速装置30は、冷却用ファン20の送風範囲外に設けることができ、ファン用無段変速装置30の存在が冷却用ファン20の送風の抵抗とならず、冷却効率を低下させない。
【0020】
この場合、冷却用ファン20のファン回転軸40は、エンジン10内の所定位置に設けたウォーターポンプ41のポンプ入力軸42に二重軸状態に回転自在に嵌合させて軸装しているので、エンジン10にファン回転軸40を軸装させながら冷却用ファン20をファン用無段変速装置30により逆転・変速回転可能となる。
そのため、冷却用ファン20の軸心を、エンジン10に対して冷却効率の良好となる、エンジン10の上下左右中間位置に配置でき、冷却用ファン20の変速逆転と冷却効率とを両立させられ、好適である。
また、冷却用ファン20の正転時のとき、ファン回転軸40の回転方向とポンプ入力軸42の回転方向とを一致させると、ファン回転軸40とポンプ入力軸42の間に設けた軸受の耐久性を向上させることができる。
また、ファン回転軸40およびポンプ入力軸42は、エンジン10の側面視上下および左右中間に配置し、ファン用無段変速装置30をエンジン10の外周所定位置に取付けると、冷却用ファン20の送風範囲外の設置とウォーターポンプ41の回転入力構成の兼用とを簡単に構成できる。
【0021】
また、エンジン10の前面側とミッションケース19との間にファン用無段変速装置30を取付けているので、冷却用ファン20の送風範囲から外せると共に、ミッションケース19からのベルト37の配置を合理的にでき、ファン用無段変速装置30のメンテナンスも容易になる。
この場合、ファン用無段変速装置30は、操縦部6のステップ63の下方空間内に開口部70に臨ませて設けているので、冷却用ファン20との距離も近く、空間を有効利用できて、好適である。
ファン用無段変速装置30のファン用油圧ポンプ31を変速するトラニオン軸71とトラニオンアーム72は、前記ファン用油圧モータ32の回転が伝達されるベルト45とは反対側に設けているので、調節や設定作業およびメンテナンス作業を容易に行える。
【0022】
即ち、機体右側方に立ち、開口部70からステップ63の下方空間に手を入れてメンテナンスを行う(図7)。
図6のファン用無段変速装置30の他の実施例では、ファン用無段変速装置30のファン用油圧ポンプ31の入力軸60を走行用無段変速装置11の走行用ポンプ入力軸14と同心上に配置し、入力軸60と走行用無段変速装置11の走行用ポンプ入力軸14とをカップリング機構61により接続しているので、走行用無段変速装置11に伝達する回転伝動機構を利用してファン用無段変速装置30のファン用油圧ポンプ31に回転を入力し、しかも、走行用無段変速装置11の走行用ポンプ入力軸14の回転をベルトを介さずにファン用無段変速装置30のファン用油圧ポンプ31に伝達するので、伝動構成を簡素にし、メンテナンス作業を容易にする。
なお、前記した各実施例は、理解を容易にするために、個別または混在させて図示および説明しているが、これらの各図の実施例は夫々種々組合せ可能であり、一部図示を他の実施例と共用している場合もあり、これらの表現によって、構成・作用等が限定されるものではなく、また、相乗効果を奏する場合も勿論存在する。
【符号の説明】
【0023】
1…機体フレーム、2…走行装置、3…脱穀装置、4…刈取装置、5…グレンタンク、6…操縦部、10…エンジン、11…走行用無段変速装置、12…油圧ポンプ、13…油圧モータ、14…走行用ポンプ入力軸、15…入力プーリー、16…エンジン出力軸、18…ベルト、17…内側出力プーリー、19…ミッションケース、20…冷却用ファン、21…ラジエーター、23…開口部、24…防塵ネット、30…ファン用無段変速装置、31…ファン用油圧ポンプ、32…ファン用油圧モータ、33…ケース、35…中間出力プーリー、36…入力プーリー、37…ベルト、40…ファン回転軸、41…ウォーターポンプ、42…ポンプ入力軸、43…入力プーリー、44…出力プーリー、45…ベルト、47…出力軸、48…出力歯車、49…中間軸、50…中間歯車、51…出力軸、52…入力プーリー、60…入力軸、61…カップリング機構、63…ステップ、70…開口部、71…トラニオン軸、72…トラニオンアーム、80…主変速レバー、82…微速モードスイッチ、83…速度設定ダイヤル、85…穀稈供給搬送装置、87…供給搬送チェン、88…逆転機構、89…ギヤケース、90…入力軸、91…第一歯車、92…第二歯車、93…中間軸、94…正転歯車、95…逆転歯車、96…クラッチ、97…出力軸。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジン(10)の駆動回転を無段階に変速して走行装置(2)を駆動する走行用無段変速装置(11)を備え、前記エンジン(10)の外側には、冷却用ファン(20)と、ラジエータ(21)と、防塵ネット(37)とを設け、前記冷却用ファン(20)はファン用無段変速装置(30)により正転および逆転駆動される構成とし、前記ファン用無段変速装置(30)には、前記走行用無段変速装置(11)の走行用ポンプ入力軸(14)を介してエンジン(10)の駆動回転を入力する構成としたことを特徴とする作業車輌。
【請求項2】
請求項1記載の作業車輌において、前記走行用無段変速装置(11)のケース(33)から機体内側に突出する走行用ポンプ入力軸(14)の内側端にエンジン(10)の駆動回転を入力する入力プーリー(15)を設け、前記走行用ポンプ入力軸(14)の外側端を前記ケース(33)から機体外側に延長させ、走行用ポンプ入力軸(14)の外側端から前記ファン用無段変速装置(30)のファン用油圧ポンプ(31)に向けて駆動回転を出力する構成とし、前記走行用ポンプ入力軸(14)の外側端には前記ファン用油圧ポンプ(31)に向けて駆動回転を出力する中間出力プーリー(35)またはファン用無段変速装置(30)のファン用油圧ポンプ(31)の入力軸(46)に接続するカップリング機構(61)を設けたことを特徴とする作業車輌。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載の作業車輌において、前記冷却用ファン(20)のファン回転軸(40)は、前記エンジン(10)の外側部に設けた冷却水を循環させるウォーターポンプ(41)のポンプ入力軸(42)に回転自在に軸受し、冷却用ファン(20)が防塵ネット(37)の外側から内側へ送風する正転状態において、ファン回転軸(40)の回転方向とポンプ入力軸(42)の回転方向とが一致する構成としたことを特徴とする作業車輌。
【請求項4】
請求項1または請求項2または請求項3記載の作業車輌において、前記エンジン(10)の上側に操縦部(6)を設け、前記ファン用無段変速装置(30)は、操縦部(6)のステップ(63)の下方空間内に配置したことを特徴とする作業車輌。
【請求項5】
請求項1または請求項2または請求項3または請求項4記載の作業車輌において、ファン用無段変速装置(30)のファン用油圧モータ(32)の出力プーリー(44)とファン回転軸(40)の入力プーリー(43)との間にベルト(45)を掛け回し、ファン用油圧モータ(32)の出力軸(47)の軸心方向視で、ファン用無段変速装置(30)におけるファン回転軸(40)とは反対側の面にファン用油圧ポンプ(31)を変速するトラニオン軸(71)を設けたことを特徴とする作業車輌。
【請求項1】
エンジン(10)の駆動回転を無段階に変速して走行装置(2)を駆動する走行用無段変速装置(11)を備え、前記エンジン(10)の外側には、冷却用ファン(20)と、ラジエータ(21)と、防塵ネット(37)とを設け、前記冷却用ファン(20)はファン用無段変速装置(30)により正転および逆転駆動される構成とし、前記ファン用無段変速装置(30)には、前記走行用無段変速装置(11)の走行用ポンプ入力軸(14)を介してエンジン(10)の駆動回転を入力する構成としたことを特徴とする作業車輌。
【請求項2】
請求項1記載の作業車輌において、前記走行用無段変速装置(11)のケース(33)から機体内側に突出する走行用ポンプ入力軸(14)の内側端にエンジン(10)の駆動回転を入力する入力プーリー(15)を設け、前記走行用ポンプ入力軸(14)の外側端を前記ケース(33)から機体外側に延長させ、走行用ポンプ入力軸(14)の外側端から前記ファン用無段変速装置(30)のファン用油圧ポンプ(31)に向けて駆動回転を出力する構成とし、前記走行用ポンプ入力軸(14)の外側端には前記ファン用油圧ポンプ(31)に向けて駆動回転を出力する中間出力プーリー(35)またはファン用無段変速装置(30)のファン用油圧ポンプ(31)の入力軸(46)に接続するカップリング機構(61)を設けたことを特徴とする作業車輌。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載の作業車輌において、前記冷却用ファン(20)のファン回転軸(40)は、前記エンジン(10)の外側部に設けた冷却水を循環させるウォーターポンプ(41)のポンプ入力軸(42)に回転自在に軸受し、冷却用ファン(20)が防塵ネット(37)の外側から内側へ送風する正転状態において、ファン回転軸(40)の回転方向とポンプ入力軸(42)の回転方向とが一致する構成としたことを特徴とする作業車輌。
【請求項4】
請求項1または請求項2または請求項3記載の作業車輌において、前記エンジン(10)の上側に操縦部(6)を設け、前記ファン用無段変速装置(30)は、操縦部(6)のステップ(63)の下方空間内に配置したことを特徴とする作業車輌。
【請求項5】
請求項1または請求項2または請求項3または請求項4記載の作業車輌において、ファン用無段変速装置(30)のファン用油圧モータ(32)の出力プーリー(44)とファン回転軸(40)の入力プーリー(43)との間にベルト(45)を掛け回し、ファン用油圧モータ(32)の出力軸(47)の軸心方向視で、ファン用無段変速装置(30)におけるファン回転軸(40)とは反対側の面にファン用油圧ポンプ(31)を変速するトラニオン軸(71)を設けたことを特徴とする作業車輌。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
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【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−245914(P2012−245914A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−120265(P2011−120265)
【出願日】平成23年5月30日(2011.5.30)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月30日(2011.5.30)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
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