説明

信号処理装置及び信号処理方法

【課題】伝送路上の暗号化された放送データに処理負荷に適応した復号化処理を施して記録制御する信号処理装置を提供する。
【解決手段】第1の暗号化処理で暗号化された第1の放送データを取得する取得手段と、前記第1の放送データにおける録画処理時の処理負荷を計測する計測手段と、前記処理負荷に基づいて前記取得手段で取得した前記第1の放送データの領域ごとに復号化処理で復号化するか否かを判断する判断手段と、前記第1の放送データの少なくとも一部の領域を前記復号化処理で復号化すると判断された場合、前記復号化処理で復号化された復号化領域を含む第2の放送データを生成する第1の復号化手段と、第2の暗号化処理で前記第1の放送データまたは前記第2の放送データを暗号化して記録データを生成する暗号化手段と、前記記録データ、前記復号化処理に関する情報、前記復号化領域と非復号化領域との区分け情報を記録する記憶手段とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、信号処理生装置における放送信号の記録再生技術に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、近年では、テレビジョン放送のデジタル化が推進されている。例えば、日本国内においては、BS(Broadcasting Satellite)デジタル放送及び110度CS(Communication Satellite)デジタル放送等の衛星デジタル放送だけでなく、地上デジタル放送も開始されている。さらに、ネットワークを介したIP(Internet Protocol)放送を配信されている。
【0003】
これらデジタルの放送データは、伝送路上では暗号化されている。信号処理装置は、放送データを受信すると、録画処理時に放送データを復号化する。信号処理装置は、復号化した放送データを記録用に暗号化して記憶装置に記録する。信号処理装置は、再生処理時に記録用に暗号化された放送データを復号化する。
【0004】
特許文献1には、動画像の再生処理時に情報処理装置における処理負荷量に適応して、全ての符号化画面をデコード処理するか各符号化画面の一部のデコード処理をスキップするかを切り替えて効率よくデコード処理する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−101406号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1には、動画像の録画処理時に処理負荷量に適応して効率よく伝送路上の暗号化された放送データを復号化して記憶装置に記録する構成は開示されていない。
【0007】
そこで、この発明は、伝送路上の暗号化された放送データに処理負荷に適応した復号化処理を施して記録制御する信号処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る信号処理装置は、第1の暗号化処理で暗号化された第1の放送データを取得する取得手段と、前記第1の放送データにおける録画処理時の処理負荷を計測する計測手段と、前記処理負荷に基づいて前記取得手段で取得した前記第1の放送データの領域ごとに第1の復号化処理で復号化するか否かを判断する第1の判断手段と、第1の判断手段で前記第1の放送データの少なくとも一部の領域を前記第1の復号化処理で復号化すると判断された場合、前記第1の復号化処理で復号化された復号化領域を含む第2の放送データを生成する第1の復号化手段と、前記第1の復号手段が前記第2の放送データを生成していない場合は前記第1の放送データを、前記第1の復号手段が前記第2の放送データを生成した場合は前記第2の放送データを第2の暗号化処理で暗号化して記録データを生成する暗号化手段と、前記暗号化手段で生成された前記記録データ、前記第1の復号化処理に関する情報、前記復号化領域と非復号化領域との区分け情報を記録する記憶手段とを有する。
【発明の効果】
【0009】
上記した発明によれば、伝送路上で暗号化された放送データに処理負荷に適応した復号化処理を施して記録制御する信号処理装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1の実施形態に係る信号処理の概略を示すブロック図。
【図2】第1の実施形態に係る録画処理及び再生処理の概略を示すブロック図。
【図3】第1の実施形態に係る記録データテーブルのフォーマットを示す図。
【図4】第1の実施形態に係る記録データテーブルの内容を示す図。
【図5】第1の実施形態に係る信号処理装置における処理を示すフローチャート。
【図6】第1の実施形態に係る通常処理について示すフローチャート。
【図7】第1の実施形態に係る録画処理について示すフローチャート。
【図8】第1の実施形態に係る再生処理について示すフローチャート。
【図9】第2の実施形態に係る再生処理について示すフローチャート。
【図10】第3の実施形態に係る信号処理装置の概略を示すブロック図。
【図11】第3の実施形態に係る再生処理について示すフローチャート。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は第1の実施形態に係る信号処理装置1を含むシステムの全体構成を示すブロック図である。信号処理装置1は、例えばテレビジョン受像機、または記録再生装置である。信号処理装置1は、制御装置10、チューナ11、通信装置12、表示装置13、音声出力装置14、入力装置15、記憶装置16を備える。
【0012】
制御装置10は、信号処理装置1を含むシステム全体を制御する。MPU(Micro Processing Unit)101は、各装置の動作を制御する。RAM(Random Access Memory)102は、制御プログラムなどのプログラムを記録する。ROM(Read Only Memory)103は、制御プログラムや制御データを格納する。電源104は、制御装置10の各部に電力を供給する。入力力インタフェース106は、制御装置10と接続された各装置と情報を入出力する。発振器106は、信号処理装置1の時刻設定及び各部と同期を取る。
【0013】
チューナ11は、アンテナで受信したデジタル放送信号を復調する。通信装置12は、光回線等のネットワーク3を介して必要な情報を送受信する。さらに、通信装置12は、ネットワークを介してIP放送データを送受信する。表示装置13は、放送番組、ウェブ情報、信号処理装置1における制御結果など各種情報を表示する。音声出力装置14は、音声を出力する。入力装置15は、ユーザが指示する情報を入力する。記憶装置16は、例えば、チューナ11または通信装置12を介して取得した放送データを記録する。ここでは、信号処理装置1は、表示装置13及び記憶装置16を含む構成として説明するが、これらが外部機器として接続されていてもよい。
【0014】
図2は、第1の実施形態に係る信号処理装置1における録画処理及び再生処理を概略的に説明するブロック図である。放送局100からチューナ11または通信装置12を介して信号処理装置1に配信される番組である伝送路上の放送データ(第1の放送データ)は暗号化されている。ここでは、伝送路上の放送データに対して施されている暗号化を第1の暗号化処理と称す。ここで、制御装置10のMPU101は、処理負荷計測モジュール1011を有する。処理負荷計測モジュール1011は、MPU101の処理負荷量を計測する。
【0015】
MPU101は、取得した番組を記憶装置16に記録する。この場合、MPU101は、MPU101の処理負荷量が一定値未満と判断した場合、録画処理時に、1番組における第1の暗号化処理を施された放送データをすべて復号化する。MPU101は、1番組全てについて第1の復号化処理を施した放送データ(第2の放送データ)を記憶装置16に記録する。
【0016】
ここでは、第1の暗号化処理に対応してMPU101が放送データに対して施す復号化処理を第1の復号化処理と称す。
【0017】
MPU101は、MPU101の処理負荷量が一定値以上と判断した場合、録画処理時に、1番組全ての放送データに第1の復号化処理を施さない。MPU101は、1番組について第1の復号化処理を施した放送データと第1の復号化処理を施していない放送データを混在させた状態の放送データ(第2の放送データ)を記憶装置16に記録する。つまり、MPU101は、MPU101の処理負荷量に応じて第1の復号化処理を施す放送データの量を変更する。
【0018】
MPU101は、1番組の放送データについて第1の復号化処理をどこまで完了し(復号化領域)、どこまで完了していないのか(非復号化領域)を示す区分け情報(後述する復号化処理未完了開始アドレスN及び復号化処理未完了終了アドレスN)を記録データテーブル161に反映し、記憶装置16に格納する。
【0019】
そして、MPU101は、第1の暗号化処理とは異なる暗号化処理を放送データに施して記憶装置16に記録する。ここでは、MPU101が放送データに対して記録用に施す暗号化処理を第2の暗号化処理と称す。また、第1の復号化処理が施されているか否かに関わらず、第2の暗号化処理が施された記憶装置16に記録されている放送データを記録データと称す。
【0020】
記憶装置16が1番組全てについて第1の復号化処理を施された記録データを記録している場合、MPU101は再生処理時に記録データを復号化して表示装置13に表示する。ここでは、第2の暗号化処理に対応してMPU101が記録データに対して施す復号化処理を第2の復号化処理と称す。
【0021】
記憶装置16が1番組について第1の復号化処理が施された領域と第1の復号化処理が施されていない領域の混在した記録データを記録している場合、MPU101は、記録データに第2の復号化処理を施し、第1の復号化処理が施されていない領域については第1の復号化処理を施して表示装置13に表示する。つまり、MPU101は、再生処理時に記録データテーブル161に基づいて記録データに第1の復号化処理を施す。
【0022】
図3は、記録データテーブル161のフォーマットを示す図である。記録データテーブル161はMPEG(Motion Picture Experts Group)フォーマットで各種情報を格納する。番組管理番号の項目は、番組を特定する識別番号を示す。サブ管理番号の項目は、TS(Transport Stream)パケット先頭を0としたときのTSパケット番号を、TSパケット数単位で示す。オフセット項目は、TSペイロード先頭からのオフセットバイトを示す。サイズ項目は、データサイズをバイト単位で示す。
【0023】
暗号有無の項目は、放送データに第2の暗号化処理を施すか否かを示す。この項目の「1」は、第2の暗号化処理が有りを示す。この項目の「0」は、第2の暗号化処理が無しを示す。名称の項目は1番組における記録データを制御する項目名称を示す。値の項目は、名称の項目の具体値を示す。暗号化有りの場合、暗号有無の項目に対応する値は第2の暗号化処理が施される。
【0024】
伝送路情報同期情報の項目は、未使用時は「0xFFFF」と、使用時は「0x129A」と格納される。復号化処理情報の項目は、放送データに施す第1の復号処理に関する情報を格納する。全復号化処理完了情報の項目は、当該番組管理番号の放送データの全てに第1の復号化処理が完了している場合は「1」、そうでない場合は「0」を格納する。復号化処理分割数の項目は、当該番組管理番号の放送データに第1の復号化処理が未完了である場合、放送データのうち連続したデータ領域の分割数を格納する。
【0025】
復号化処理未完了開始アドレスNの項目は、当該番組管理番号の放送データに対する第1の復号化処理が復号が未完了である場合、n番目のデータ領域の開始アドレスを先頭からのTSパケット数で格納する。この項目の値が0の場合、この項目は無効となる。復号化処理未完了終了アドレスNの項目は、当該番組管理番号の放送データにおけるn番目のデータ領域の開始アドレスを先頭からのTSパケット数で格納する。この項目の値が0の場合、この項目は無効となる。
【0026】
スタッフィングバイトの項目は、TSペイロード長を満たすために値「0xFF」で埋める。復号化処理分割数、復号化処理未完了開始アドレスN、復号化処理未完了終了アドレスNの項目は、全復号化処理完了情報の項目が「0」の場合にのみ存在する。
【0027】
図4は、記録データテーブル161の具体例を示す図である。信号処理装置1は、取得した番組の放送データを記録データとして記憶装置16に記録する。番組管理番号0では、全復号化処理完了情報の項目が「0」である。つまり、番組管理番号0の放送データに対する第1の復号化処理は完了していない。復号化処理分割数の項目は「3」である。つまり、第1の復号化処理は、番組管理番号0の放送データのうち連続する3つのデータ領域について未完了である。
【0028】
具体的には、放送データのうち復号化処理未完了開始アドレス1の値である1001パケットから復号化処理未完了終了アドレス1の値である2000パケットまでは、第1の復号化処理は完了していない。放送データのうち復号化処理未完了開始アドレス2の値である4001パケットから復号化処理未完了終了アドレス2の値である5000パケットまでは、第1の復号化処理は完了していない。放送データのうち復号化処理未完了開始アドレス3の値である6001パケットから復号化処理未完了終了アドレス3の値である7000パケットまでは、第1の復号化処理は完了していない。
【0029】
次に、第1の実施形態における信号処理装置1における処理について説明する。図5は、信号処理装置1における処理を示すフローチャートである。MPU101は、ROM103に格納された本システム全体を制御するモジュールである制御プログラムによって動作する。MPU101は、制御プログラムを起動すると、チューナ11、通信装置12、表示装置13、音声出力装置14、入力装置15などの制御装置10に接続されている各装置を初期化する。
【0030】
MPU101は、現在時刻を取得し、録画予約、視聴予約などで設定された予約時刻か否かを確認する(ステップS101)。予約時刻である場合(ステップS101、YES)、MPU101は、設定された予約処理を開始する(ステップS102)。予約時刻でない場合(ステップS101、NO)、MPU101は、入力装置15でユーザによる指示が入力されるまで例えば2秒間待機する(ステップS103)。
【0031】
ユーザによる指示が入力された場合(ステップS103、YES)、MPU101は、そのユーザによる指示が予約処理の終了指示か否かを確認する(ステップS104)。予約処理の終了指示である場合(ステップS104、YES)、MPU101は、信号処理装置1を含むシステムにおける予約処理を終了し、電源をオフする。
【0032】
予約処理の終了指示でない場合(ステップS104、NO)、MPU101は、通常処理を実行する(ステップS105)。第1の実施形態における通常処理とは、番組の録画処理、記憶装置16に記録されている番組の再生処理、その他ユーザによる放送録画再生装置1を含むシステムの設定処理等である。
【0033】
次に、図5のステップS105における通常処理について説明する。図6は、通常処理について示すフローチャートである。はじめに、MPU101は、録画処理の開始が入力されているか否かを判断する(ステップS201)。録画処理の開始が入力されている場合(ステップS201、YES)、MPU101は、録画処理を開始する(ステップS202)。録画処理の開始が入力されていない場合(ステップS201、NO)、MPU101は、再生処理の開始が入力されているか否かを判断する(ステップS203)。再生処理の開始が入力されている場合(ステップS203、YES)、MPU101は、記憶装置16に記録されている番組の再生処理を開始する(ステップS204)。再生処理の開始が入力されていない場合(ステップS203、NO)、MPU101は、ユーザによる入力された放送録画再生装置1を含むシステムにおける設定処理を開始する(ステップS205)。
【0034】
次に、図6のステップS202における録画処理について説明する。図7は、録画処理について示すフローチャートである。ここでは、図4に示す記録データテーブル161の具体例を用いて説明する。
【0035】
MPU101は、ユーザが録画予約を設定する際に選択したチャンネルの放送信号をチューナ11で選局する(ステップS301)。チューナ11は、取得手段として機能する。MPU101は、チューナ11で番組の受信処理を開始する。MPU101は、記録データテーブル161の伝送路情報同期情報の項目を先頭から参照し、0xFFFF(空き)に対応する番組管理番号「0」を録画処理の対象となる放送データの番組管理番号と設定する。
【0036】
MPU101は、番組管理番号「0」のサブ管理番号に最初「0」を格納する。MPU101は、復号化処理情報の項目に録画処理の対象となる放送データに対して使用する第1の復号化処理に関する情報を格納する。MPU101は、最初は全復号化処理完了情報の項目に「1」を格納する。
【0037】
MPU101は、1番組における放送データを例えば1000パケット単位で読み出して録画処理する。MPU101は、読み出す放送データが有るが否かを確認する(ステップS302)。読み出す放送データがない場合(ステップS302、NO)、MPU101は、録画処理を終了する。
【0038】
読み出す放送データがある場合(はじめは1パケットから1000パケットまで)(ステップS302、YES)、MPU101は、処理負荷計測モジュール1011で信号処理装置1を含むシステムにおけるMPU101の使用率を計測する。処理負荷計測モジュール1011は、計測手段として機能する。MPU101は、MPU101の使用率が一定値以上か否か判断する(ステップS303)。MPU101は、判断手段として機能する。ここでは、MPU101の使用率40%を閾値としているが、この値は可変である。MPU101の使用率が例えば20%であり、一定値以上でない場合(ステップS303、NO)、MPU101は、第1の暗号化処理を施した1000パケット分の放送データに第1の復号化処理を施す(ステップS304)。MPU101は、復号化手段として機能する。
【0039】
次に、MPU101は、第1の復号化処理を施した1パケットから1000パケットまでの放送データに第2の暗号化処理を施す(ステップS305)。MPU101は、暗号化手段として機能する。MPU101は、記録データテーブル161を更新し(ステップS306)、記録データテーブル161のサブ管理番号1から1000の項目に第2の暗号化処理を施した放送データを記録データとして格納する(ステップS307)。記録データテーブル161は、記憶手段として機能する。MPU101は、ステップS302に戻って、1001パケットから2000パケットまでの放送データを読み出す。
【0040】
1001パケットから2000パケットまでの放送データの録画処理時におけるMPU101の使用率が例えば50%であり、一定値以上である場合(ステップS303、YES)、MPU101は、復号化処理完了情報の項目に「0」を格納する。記録データテーブル161は、番組管理番号0の放送データに対する第1の復号化処理が未完了であることを示す。さらに、MPU101は、復号化処理分割数の項目に「1」を格納する。さらに、MPU101は、復号化処理未完了開始アドレス1の項目に現在読み出したTSパケットのオフセットパケット数である1001を格納する。
【0041】
次に、MPU101は、第1の復号化処理を施していない1001パケットから2000パケットまでの放送データに第2の暗号化を施す(ステップS305)。MPU101は、記録データテーブル161を更新し(ステップS306)、記録データテーブル161のサブ管理番号1001から2000の項目に第2の暗号化処理を施した放送データを記録データとして格納する(ステップS307)。MPU101は、ステップS302に戻って、2001パケットから3000パケットまでの放送データを読み出す。
【0042】
2001パケットから3000パケットまでの放送データの録画処理時におけるMPU101の使用率が一定値以上でない場合(ステップS303、NO)、MPU101は、2001パケットから3000パケットまでの放送データに第1の復号化処理を施す(ステップS304)。
【0043】
MPU101は、番組管理番号0の復号化処理未完了終了アドレス1の項目に現在読み出したTSパケットのオフセットパケット数である2000を格納する。次に、MPU101は、第1の復号化処理を施した2001パケットから3000パケットまでの放送データに第2の暗号化処理を施す(ステップS305)。MPU101は、記録データテーブル161を更新し(ステップS306)、記録データテーブル161のサブ管理番号2001から3000の項目に第2の暗号化処理を施した放送データを記録データとして格納する(ステップS307)。MPU101は、ステップS302に戻って、3001パケットから4000パケットまでの放送データを読み出す。
【0044】
3001パケットから4000パケットまでの放送データの録画処理時におけるMPU101の使用率が一定値以上でない場合(ステップS303、NO)、MPU101は、3001パケットから4000パケットまで放送データに第1の復号化処理を施す(ステップS304)。
【0045】
MPU101は、第1の復号化処理を施した3001パケットから4000パケットまでの放送データに第2の暗号化処理を施す(ステップS305)。MPU101は、2001パケットから3000パケットの放送データと同様に第1の復号化処理を施したので、記録データテーブル161を更新しない(ステップS306)。MPU101は、記録データテーブル161のサブ管理番号3001から4000の項目に第2の暗号化処理を施した放送データを記録データとして格納する(ステップS307)。MPU101は、ステップS302に戻って、4001パケットから5000パケットまでの放送データを読み出す。
【0046】
4001パケットから5000パケットまでの放送データの録画処理時におけるMPU101の使用率が一定値以上である場合(ステップS303、YES)、MPU101は、復号化処理分割数の項目に1加算して「2」を格納する。MPU101は、復号化処理未完了開始アドレス2の項目に現在読み出したTSパケットのオフセットパケット数である4001を格納する。
【0047】
次に、MPU101は、第1の復号化処理を施していない4001パケットから5000パケットまでの放送データをに第2の暗号化処理を施す(ステップS305)。MPU101は、記録データテーブル161を更新し(ステップS306)、記録データテーブル161のサブ管理番号4001から5000の項目に第2の復号化処理を施した放送データを記録データとして格納する(ステップS307)。MPU101は、ステップS302に戻って、5001パケットから6000パケットまでの放送データを読み出す。
【0048】
5001パケットから6000パケットまでの放送データの録画処理時におけるMPU101の使用率が一定値以上でない場合(ステップS303、NO)、MPU101は、5001パケットから6000パケットまでの放送データに第1の復号化処理を施す(ステップS304)。
【0049】
MPU101は、番組管理番号0の復号化処理未完了終了アドレス2の項目に現在読み出したTSパケットのオフセットパケット数である5000を格納する。次に、MPU101は、第1の復号化処理を施した5001パケットから6000パケットまでの放送データに第2の暗号化処理を施す(ステップS305)。MPU101は、記録データテーブル161を更新し(ステップS306)、記録データテーブル161のサブ管理番号5001から6000の項目に第2の暗号化処理を施した放送データを記録データとして格納する(ステップS307)。MPU101は、ステップS302に戻って、6001パケットから7000パケットまでの放送データを読み出す。
【0050】
6001パケットから7000パケットまでの放送データの録画処理時におけるMPU101の使用率が一定値以上である場合(ステップS303、YES)、MPU101は、復号化処理分割数の項目に1加算して「3」を格納する。MPU101は、復号化処理未完了開始アドレス3の項目に現在読み出したTSパケットのオフセットパケット数である6001を格納する。
【0051】
次に、MPU101は、第1の復号化処理を施していない6001パケットから7000パケットまでの放送データに第2の暗号化処理を施す(ステップS305)。MPU101は、記録データテーブル161を更新し(ステップS306)、記録データテーブル161のサブ管理番号6001から7000の項目に第2の復号化処理を施した放送データを記録データとして格納する(ステップS307)。MPU101は、ステップS302に戻って、7001パケットから8000パケットまでの放送データを読み出す。
【0052】
7001パケットから8000パケットまでの放送データの録画処理時におけるMPU101の使用率が一定値以上でない場合(ステップS303、NO)、MPU101は、7001パケットから8000パケットまで放送データに第1の復号化処理を施す(ステップS304)。
【0053】
MPU101は、番組管理番号0の復号化処理未完了終了アドレス3の項目に現在読み出したTSパケットのオフセットパケット数である7000を格納する。次に、MPU101は7第1の復号化処理を施した7001パケットから8000パケットまでの放送データに第2の暗号化処理を施す(ステップS305)。MPU101は、記録データテーブル161を更新し(ステップS306)、記録データテーブル161のサブ管理番号7001から8000の項目に第2の暗号化処理を施した放送データを記録データとして格納する(ステップS307)。MPU101は、ステップS302に戻って、8001パケットから9000パケットまでの放送データを読み出す。ここでは読み出す放送データがないとすると(ステップS302、NO)、MPU101は、録画処理を終了する。
【0054】
次に、図6のステップS204における再生処理について説明する。図8は、再生処理について示すフローチャートである。ここでは、図4に示す記録データテーブル161の具体例を用いて説明する。
【0055】
MPU101は、ユーザが選択した再生処理の対象となる記録データを記録データテーブル161から選択する(ステップS401)。ここで、MPU101は、番組管理番号0の記録データを選択する。
【0056】
MPU101は、番組管理番号0のサブ管理番号0における全復号化処理完了情報の項目を参照する。MPU101は、全復号化処理完了情報の項目が「0」であるため、番組管理番号0の記録データは第1の復号化処理が未完了と判断する。さらに、MPU101は、復号化処理割数の項目を参照する。ここでは、MPU101は、復号化処理割数の項目が「3」と確認する。MPU101は、復号化処理未完了開始アドレス1の項目を参照し、その値が「1001」であると確認する。
【0057】
次に、MPU101は、記録データテーブル161の番組管理番号0のサブ管理番号1から1000に記録データが格納されているか否かを確認する(ステップS402)。記録データが格納されていない場合(ステップS402、NO)、MPU101は、再生処理を終了する。
【0058】
記録データが格納されている場合(ステップS402、YES)、MPU101は、サブ管理番号1から1000の記録データを読み出して第2の復号化処理を施す(ステップS403)。MPU101は、復号化手段として機能する。MPU101は、復号化処理未完了開始アドレス1及び復号化処理未完了終了アドレス1を参照し、第2の復号化処理を施したサブ管理番号1から1000の記録データに第1の復号化処理が完了しているか否か判断する(ステップS404)。
【0059】
ここでは、復号化処理未完了開始アドレス1の項目が「1001」であるため、MPU101は、サブ管理番号1から1000の記録データに第1の復号化処理が完了していると判断する(ステップS404、NO)。MPU101は、判断手段として機能する。したがって、MPU101は、第2の復号化処理を施したサブ管理番号1から1000の記録データを再生し、表示装置13に表示する(ステップS406)。MPU101は、再生手段として機能する。
【0060】
次に、MPU101は、記録データテーブル161の番組管理番号0のサブ管理番号1001から2000に記録データが格納されているか否かを確認する(ステップS402)。記録データが格納されている場合(ステップS402、YES)、MPU101は、サブ管理番号1001から2000の記録データを読み出して第2の復号化処理を施す(ステップS403)。MPU101は、復号化処理未完了開始アドレス1の項目が「1001」、復号化処理未完了終了アドレス1の項目が「2000」であるため、サブ管理番号1001から2000の記録データに第1の復号化処理が完了していないと判断する(ステップS404、YES)。MPU101は、第2の復号化処理を施したサブ管理番号1001から2000の記録データに対して復号化処理情報の項目を参照して第1の復号化処理を施す(ステップS405)。次に、MPU101は、サブ管理番号1001から2000の記録データを再生し、表示装置13に表示する(ステップS406)。
【0061】
次に、MPU101は、記録データテーブル161の番組管理番号0のサブ管理番号2001から3000に記録データが格納されているか否かを確認する(ステップS402)。記録データが格納されている場合(ステップS402、YES)、MPU101は、サブ管理番号2001から3000記録データを読み出して第2の復号化処理を施す(ステップS403)。MPU101は、復号化処理未完了開始アドレス2の項目が「4001」であるため、サブ管理番号2001から3000の記録データに第1の復号化処理が完了していると判断する(ステップS404、NO)。したがって、MPU101は、第2の復号化処理を施したサブ管理番号2001から3000の記録データを再生し、表示装置13に表示する(ステップS406)。
【0062】
次に、MPU101は、記録データテーブル161の番組管理番号0のサブ管理番号3001から4000に記録データが格納されているか否かを確認する(ステップS402)。記録データが格納されている場合(ステップS402、YES)、MPU101は、サブ管理番号3001から4000記録データを読み出して第2の復号化処理を施す(ステップS403)。MPU101は、復号化処理未完了開始アドレス2の項目が「4001」であるため、サブ管理番号3001から4000の記録データに第1の復号化処理が完了していると判断する(ステップS404、NO)。したがって、MPU101は、第2の復号化処理を施したサブ管理番号3001から4000の記録データを再生し、表示装置13に表示する(ステップS406)。
【0063】
次に、MPU101は、記録データテーブル161の番組管理番号0のサブ管理番号4001から5000に記録データが格納されているか否かを確認する(ステップS402)。記録データが格納されている場合(ステップS402、YES)、MPU101は、サブ管理番号4001から5000の記録データを読み出して第2の復号化処理を施す(ステップS403)。MPU101は、復号化処理未完了開始アドレス2の項目が「4001」、復号化処理未完了終了アドレス2の項目が「5000」であるため、サブ管理番号4001から5000の記録データに第1の復号化処理が完了していないと判断する(ステップS404、YES)。MPU101は、第2の復号化処理を施したサブ管理番号4001から5000の記録データに対して復号化処理情報の項目を参照して第1の復号化処理を施す(ステップS405)。次に、MPU101は、サブ管理番号4001から5000の記録データを再生し、表示装置13に表示する(ステップS406)。
【0064】
次に、MPU101は、記録データテーブル161の番組管理番号0のサブ管理番号5001から6000の記録データが格納されているか否かを確認する(ステップS402)。記録データが格納されている場合(ステップS402、YES)、MPU101は、サブ管理番号5001から6000の記録データを読み出して第2の復号化処理を施す(ステップS403)。MPU101は、復号化処理未完了開始アドレス3の項目が「6001」であるため、サブ管理番号5001から6000の記録データに第1の復号化処理が完了していると判断する(ステップS404、NO)。したがって、MPU101は、第2の復号化処理を施したサブ管理番号5001から6000の記録データを再生し、表示装置13に表示する(ステップS406)。
【0065】
次に、MPU101は、記録データテーブル161の番組管理番号0のサブ管理番号6001から7000に記録データが格納されているか否かを確認する(ステップS402)。記録データが格納されている場合(ステップS402、YES)、MPU101は、サブ管理番号6001から7000の記録データを読み出して第2の復号化処理を施す(ステップS403)。MPU101は、復号化処理未完了開始アドレス3の項目が「6001」、復号化処理未完了終了アドレス3の項目が「7000」であるため、サブ管理番号6001から7000の記録データに第1の復号化処理が完了していないと判断する(ステップS404、YES)。MPU101は、第2の復号化処理を施したサブ管理番号6001から7000の記録データに対して復号化処理情報の項目を参照して第1の復号化処理を施す(ステップS405)。次に、MPU101は、サブ管理番号6001から7000の記録データを再生し、表示装置13に表示する(ステップS406)。ここでは記録データテーブル161の番組管理番号0のサブ管理番号7001から8000の記録データがないとすると(ステップS402、NO)、MPU101は、再生処理を終了する。
【0066】
第1の実施形態のよれば、制御装置10が録画処理時に同時に1以上の放送データを受信したとき、制御装置10の処理負荷に適応して放送データに第1の復号化処理を施し、放送データのうち第1の復号化処理が施されていない領域については記録データテーブルに記録される。したがって、制御装置10は録画処理時の処理負荷を低減できるため、受信処理または録画処理の失敗を回避できる。
【0067】
さらに、第1の実施形態によれば、記録データテーブルに復号化処理情報が格納されているので、制御装置10は、再生処理時に記録データテーブルを参照して記録データのうち第1の復号化処理が施されていない領域のみ第1の復号化処理を施すため、正常に記録データを再生できる。
【0068】
次に、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、第1の実施形態と再生処理が異なる。その他の処理については、第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。図9は、第2の実施形態に係る再生処理について示すフローチャートである。図9におけるステップS501、ステップS502、ステップS503、ステップS504、ステップS505、ステップS507は、図8におけるステップS401、ステップS402、ステップS403、ステップS404、ステップS405、ステップS406とそれぞれ同じ動作なので説明を省略する。
【0069】
MPU101が記録データテーブル161の番組管理番号0のサブ管理番号1001から2000の記録データを読み出した場合(ステップS502、YES)について説明する。MPU101は、サブ管理番号1001から2000の記録データに第2の復号化処理を施す(ステップS503)。MPU101は、復号化処理未完了開始アドレス1の項目が「1001」、復号化処理未完了終了アドレス1の項目が「2000」であるため、サブ管理番号1001から2000の記録データに第1の復号化処理が完了していないと判断する(ステップS504、YES)。
【0070】
MPU101は、第2の復号化処理を施したサブ管理番号1001から2000の記録データに対して復号化処理情報の項目を参照して第1の復号化処理を施す(ステップS505)。MPU101は、第1の復号化処理を施した記録データに第2の暗号化処理を施し、サブ管理番号1001から2000の項目に記録データを格納する。MPU101は、記録データテーブル161の復号化処理未完了開始アドレス1及び復号化処理未完了終了アドレス1の項目に「0」を格納する。さらに、MPU101は、復号化処理分割数の項目に「3」から1減算した「2」を格納する(ステップS506)。次に、MPU101は、サブ管理番号1001から2000の記録データを再生し、表示装置13に表示する(ステップS507)。
【0071】
MPU101が記録データテーブル161の番組管理番号0のサブ管理番号4001から5000の記録データを読み出した場合(ステップS502、YES)について説明する。MPU101は、サブ管理番号4001から5000の記録データに第2の復号化処理を施す(ステップS503)。MPU101は、復号化処理未完了開始アドレス2の項目が「4001」、復号化処理未完了終了アドレス2の項目が「5000」であるため、サブ管理番号4001から5000の記録データに第1の復号化処理が完了していないと判断する(ステップS504、YES)。
【0072】
MPU101は、第2の復号化処理を施したサブ管理番号4001から5000の記録データに対して復号化処理情報の項目を参照して第1の復号化処理を施す(ステップS505)。MPU101は、第1の復号化処理を施した記録データに第2の暗号化処理を施し、サブ管理番号4001から5000の項目に記録データを格納する。MPU101は、記録データテーブル161の復号化処理未完了開始アドレス2及び復号化処理未完了終了アドレス2の項目に「0」を格納する。さらに、MPU101は、復号化処理分割数の項目に「2」から1減算した「1」を格納する(ステップS506)。次に、MPU101は、サブ管理番号4001から5000の記録データを再生し、表示装置13に表示する(ステップS507)。
【0073】
MPU101が記録データテーブル161の番組管理番号0のサブ管理番号6001から7000の記録データを読み出した場合(ステップS502、YES)について説明する。MPU101は、サブ管理番号4001から5000の記録データに第2の復号化処理を施す(ステップS503)。MPU101は、復号化処理未完了開始アドレス3の項目が「6001」、復号化処理未完了終了アドレス3の項目が「7000」であるため、サブ管理番号6001から7000の記録データに第1の復号化処理が完了していないと判断する(ステップS504、YES)。
【0074】
MPU101は、第2の復号化処理を施したサブ管理番号6001から7000の記録データに対して復号化処理情報の項目を参照して第1の復号化処理を施す(ステップS505)。MPU101は、第1の復号化処理を施した記録データに第2の暗号化処理を施し、サブ管理番号6001から7000の項目に記録データを格納する。MPU101は、記録データテーブル161の復号化処理未完了開始アドレス3及び復号化処理未完了終了アドレス3の項目に「0」を格納する。さらに、MPU101は、復号化処理分割数の項目に「1」から1減算した「0」を格納する。さらに、MPU101は、全復号化処理完了情報の項目に「1」を格納する(ステップS506)。次に、MPU101は、サブ管理番号6001から7000の記録データを再生し、表示装置13に表示する(ステップS507)。
【0075】
第2の実施形態によれば、制御装置10は、第1の復号化処理が未完了の記録データを再生処理する場合、第1の復号化処理を施した後に記録データを記録データテーブル161に再記録する。したがって、制御装置10は、再記録した記録データを次回再生処理する場合、第1の復号化処理は不要であるため、再生処理時の処理負荷を低減できる。そのため、制御装置10は、再生処理と同時に受信処理または録画処理を実行する場合であっても、その失敗を回避できる。
【0076】
次に、第3の実施形態について説明する。図10は第2の実施形態に係る信号処理装置1を含むシステムの全体構成を示すブロック図である。第1の実施形態で説明した構成と同一部分については、同一符号を付して説明を省略する。信号処理装置1は、図1に示す第1の実施形態から記憶装置43を除いた構成である。
【0077】
信号処理装置4は、制御装置40、チューナ41、通信装置42、記憶装置43を備える。記憶装置43は、記録データテーブル431を有する。制御装置40は、MPU401、RAM402、ROM403、電源404、入出力インタフェース405、発振器406を備える。制御装置40、チューナ41、通信装置42、記憶装置43、記録データテーブル431は、第1の実施形態で説明した制御装置10、チューナ11、通信装置12、記憶装置16、記録データテーブル161とそれぞれ同様の構成である。また、MPU401、RAM402、ROM403、電源404、入出力インタフェース405、発振器406は、第1の実施形態で説明したMPU101、RAM102、ROM103、電源104、入出力インタフェース105、発振器106と同様の構成である。ここでは、信号処理装置4は、記憶装置43を含む構成として説明するが、これらが外部機器として接続されていてもよい。
【0078】
信号処理装置1の通信装置12は、信号処理装置4の通信装置42とネットワーク3を介して接続されている。信号処理装置1の制御装置10は、信号処理装置4を含めたシステム全体を制御する。信号処理装置4の制御装置40は、信号処理装置1の制御装置10による制御に応じてサブ制御する。つまり、制御装置10は信号処理装置1を含むシステムのメイン制御装置であり、制御装置40はサブ制御装置である。
【0079】
制御装置10のMPU101は、ROM103に格納された本システム全体を制御するモジュールであるメイン制御プログラムによって動作する。制御装置40のMPU401は、メイン制御プログラムに連携してROM403に格納されたサブ制御プログラムによって動作する。MPU101は、メイン制御プログラムを起動すると、チューナ11、通信装置12、表示装置13、音声出力装置14、入力装置15などの制御装置10に接続されている各装置を初期化する。MPU401は、サブ制御プログラムを起動すると、チューナ41、通信装置42、記憶装置43などの制御装置40に接続されている各装置を初期化する。
【0080】
第3の実施形態は、第1の実施形態と録画処理が異なる。その他の処理については、第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。図11は、第3の実施形態に係る再生処理について示すフローチャートである。図11におけるステップS601、ステップS602、ステップS603、ステップS604、ステップS605、ステップS606は、図7におけるステップS301、ステップS302、ステップS303、ステップS304、ステップS305、ステップS307とそれぞれ同じ動作なので説明を省略する。
【0081】
第3の実施形態では、主として制御装置40のMPU401がサブ制御プログラムに応じて録画処理を実行する。MPU401が1パケットから1000パケットまでの放送データを読み出した場合(ステップS602、YES)について説明する。MPU401は、MPU401の使用率が一定値(40%)以上でないと判断した場合(ステップS603、NO)、MPU401は、1000パケット分の放送データに第1の復号化処理を施す(ステップS604)。次にMPU401は、第1の復号化処理を施した1パケットから1000パケットまでの放送データに第2の暗号化処理を施す(ステップS605)。MPU401は、記録データテーブル431のサブ管理番号1から1000の項目に第2の暗号化処理を施した放送データを記録データとして格納する(ステップS606)。MPU101は、ステップS602に戻って、1001パケットから2000パケットまでの放送データを読み出す。
【0082】
次に、MPU401が1001パケットから2000パケットまでの放送データを読み出した場合(ステップS602、YES)について説明する。MPU401は、MPU401の使用率が50%であり、一定値(40%)以上であると判断した場合(ステップS603、YES)、通信装置42及び通信装置12を介して制御装置10に1001パケットから2000パケットまでの放送データ及びこの放送データに対する第1の復号化処理の実行を指示する情報を転送する。通信装置42は、送信手段として機能する。制御装置10のMPU101は、1001パケットから2000パケットまでの放送データに第1の復号化処理を施す。MPU101は、復号化手段として機能する。そして、MPU101は、第1の復号化処理を施した1パケットから1000パケットまでの放送データを通信装置12及び通信装置42を介して制御装置40に転送する(ステップS607)。通信装置12は、送信手段として機能する。
【0083】
次に、MPU401は、第1の復号化処理が施された1パケットから1000パケットまでの放送データに第2の暗号化処理を施す(ステップS605)。MPU401は、記録データテーブル431のサブ管理番号1001から2000の項目に第2の暗号化処理を施した放送データを記録データとして格納する(ステップS606)。MPU401は、ステップS602に戻って、以降録画処理を繰り返す。
【0084】
図11のステップS607では、MPU101は、第1の復号化処理を施した放送データを制御装置40に転送しているが、第1の復号化処理を施した放送データにさらに第2の暗号化処理を施して制御装置40に転送するようにしてもよい。
【0085】
第3の実施形態によれば、制御装置40が録画処理時に同時に1以上の放送データを受信したとき、制御装置40の処理負荷に適応して、制御装置10で放送データに第1の復号化処理を施すように制御している。そのため、放送データのうち第1の復号化データが施されていない領域は減少する。また、制御装置40は録画処理時の処理負荷を低減できるため、受信処理または録画処理の失敗を回避できる。
【0086】
本実施形態では、信号処理装置1(4)は、MPU101(401)の処理負荷に適応して第1の復号化処理を施したが、記憶装置16(46)の使用負荷、メモリ使用量などに適応して第1の復号化処理を施してもよい。
【0087】
本実施形態では、信号処理装置1(4)は、MPU101(401)の処理負荷に適応して第1の復号化処理を施したが、信号処理装置1(4)の処理負荷にかかわらず第1の復号化処理を施さず、記録データテーブル161(431)に全復号化処理完了情報を格納してもよい。
【0088】
本実施形態では、信号処理装置1(4)は、録画処理時、再生処理時にMPU101(401)処理負荷に適応して第1の復号化処理を施しているが、記録データ転送時(MOVE/UPLOAD/COPY等)に第1の復号化処理を施してもよい。
【0089】
本実施形態では、記録データテーブル161のフォーマットを規定したが、フォーマットはこれに限るものではない。各項目の暗号有無の区別についても、これに限るものではない。
【0090】
本実施形態では、信号処理装置1(4)は、MPU101(401)の処理負荷にかかわらず録画処理時に記録データに第2の暗号化処理を施し、再生処理時に第2の復号化処理を施しているが、記録データに録画処理時における第2の暗号化処理及び再生処理時における第2の復号化処理のいずれも施さなくてもよい。
【0091】
本実施形態では、信号処理装置1(4)は、放送データに記録処理時または再生処理時に第1の復号化処理を施しているが、MPU101(401)の処理負荷が低いときに記録データテーブル161(431)を参照して第1の復号化処理が未完了の記録データに第1の復号化処理を施して再記録してもよい。
【0092】
本実施形態では、チューナ11(41)を使用しているが、IPTVの用にチューナを使用せずに放送データを受信してもよい。
【0093】
第3の実施形態では、MPU401の処理負荷が高いときは、一方の信号処理装置4で放送データにローカル暗号化処理を施し、他方の信号処理装置1で放送データに第2の暗号化処理を施し、MPU401の処理負荷を低減してもよい。
【0094】
第3の実施形態では、制御装置10と制御装置20は通信装置12及び通信装置42を介して接続しているが、接続方法はこれに限るものではなく、ローカルバスを介して接続していてもよい。
【0095】
なお、この発明は上記した実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を種々変形して具体化することができる。また、上記した実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜に組み合わせることにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても良いものである。さらに、異なる実施形態に係る構成要素を適宜組み合わせても良いものである。
【符号の説明】
【0096】
1…信号処理装置、4…信号処理装置、10…制御装置、11…チューナ、12…通信装置、16…記憶装置、40…制御装置、42…通信装置、43…記憶装置、101…MPU、161…記録データテーブル、401…MPU、431…記録データテーブル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の暗号化処理で暗号化された第1の放送データを取得する取得手段と、
録画処理時に前記第1の放送データを第1の復号化処理で復号化して保存するか否かを選択的に制御する制御手段と、
前記第1の放送データを前記第1の復号化処理で復号化して第2の放送データを生成する第1の復号化手段と、
前記第1の復号化手段が前記第2の放送データを生成する場合、前記第2の放送データを保存し、前記第1の復号化手段が前記第2の放送データを生成しない場合、前記第1の放送データ及び前記第1の復号化処理に関する情報を保存する記憶手段と、
を有する信号処理装置。
【請求項2】
前記第1の放送データまたは前記第2の放送データを第2の暗号化処理で暗号化する暗号化手段とを有し、
前記記憶手段は、前記第2の暗号化処理で暗号化された前記第1の放送データまたは前記第2の放送データを保存する請求項1記載の信号処理装置。
【請求項3】
再生処理時に、前記第2の暗号化処理で暗号化された前記第1の放送データまたは前記第2の放送データを第2の復号化処理で復号化する第2の復号化手段を有する請求項2の信号処理装置。
【請求項4】
前記再生処理時に、前記第1の復号化手段は、前記記憶手段に保存されている前記第1の放送データを前記第1の復号化処理で復号化する請求項3の信号処理装置。
【請求項5】
前記再生処理時に、前記暗号化手段は、前記第1の復号化処理で復号化された前記第1の放送データを前記第2の暗号化処理で暗号化し、
前記記憶手段は、前記第2の暗号化処理で暗号化された前記第1の放送データを保存する請求項4記載の信号処理装置。
【請求項6】
前記取得手段は、ネットワークを介して前記第1の放送データを取得する請求項1記載の信号処理装置。
【請求項7】
前記録画処理時の処理負荷を計測する計測手段を有する請求項1記載の信号処理装置。
【請求項8】
前記制御手段は、前記処理負荷に基づいて、前記第1の放送データを前記第1の復号化処理で復号化するか否かを制御する請求項7記載の信号処理装置。
【請求項9】
第1の暗号化処理で暗号化された放送データを取得する取得手段と、
前記放送データを復号化処理で復号化する第1の復号化手段と、
前記放送データを前記復号化処理で復号化する第2の復号化手段と、
録画処理時に前記放送データを前記第1の復号化手段または前記第2の復号化手段のいずれで前記復号化処理を行うかを選択的に制御する制御手段と、
前記第1の復号化手段または前記第2の復号化手段で復号化された前記放送データを保存する記憶手段と、
を有する信号処理装置。
【請求項10】
第1の暗号化処理で暗号化された第1の放送データを取得し、
録画処理時に前記第1の放送データを第1の復号化処理で復号化して記録制御するか否かを選択的に制御し、
前記第1の放送データを第1の復号化処理で復号化して第2の放送データを生成し、
前記第2の放送データを生成する場合、前記第2の放送データを記録制御し、前記第2の放送データを生成しない場合、前記第1の放送データ及び前記第1の復号化処理に関する情報を記録制御する、
信号処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−223603(P2011−223603A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−123885(P2011−123885)
【出願日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【分割の表示】特願2009−248831(P2009−248831)の分割
【原出願日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】