説明

個人の緊急データの公衆安全応答地点への提供

【課題】個人の緊急データを公衆安全応答地点(PSAP)に提供すること。
【解決手段】個人の緊急データを公衆安全応答地点(PSAP)に提供する方法が提供される。該方法は、緊急事態が生じる前に、1つの個人データを格納することと、緊急事態が生じた後に、1つの個人データを検索することと、1つの個人データを該PSAPに伝送することとを包含する。1つの個人データは、先在する医学的状態と、医療従事者から要求された行動と、処方箋と、投薬量と、アレルギーと、血液型と、性別と、身長と、体重と、年齢とのうちの少なくとも1つである。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
ワイヤレス遠隔通信能力を有する容易に持ち運びできるデバイス、例えば、モバイル電話、携帯端末、ハンドヘルドコンピュータ、および同様なデバイスが、本明細書においてワイヤレスデバイスと呼ばれる。用語「ワイヤレスデバイス」は、デバイスと、デバイスと関連付けられる汎用集積回路カード(UICC)とを指し得、該汎用集積回路カード(UICC)は、加入者識別モジュール(SIM)アプリケーション、汎用加入者識別モジュール(USIM)アプリケーション、またはリムーバブルのユーザ識別モジュール(R−UIM)アプリケーションを含むか、または用語「ワイヤレスデバイス」は、かかるカードを伴わないデバイス自体を指し得る。一部の車両は、車両が衝突に巻き込まれたときに自動的に緊急通話を行い得る遠隔通信デバイスを装備されている。本明細書において使用される場合、用語「ワイヤレスデバイス」は、車両に設置されたかかる遠隔通信デバイスも指し得る。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0002】
本開示の1つ以上の実施形態の例示的な実装が以下で提供されるが、開示されたシステムおよび/または方法は、現在公知であろうと、既存であろうと、かなりの数の技術を使用して実装され得るということが、最初に理解されるべきである。本開示は、決して以下で例示される例示的な実装、図面、および技術に限定されるべきではなく、本明細書において例示および記述される例示的な設計および実装を含むが、添付の特許請求の範囲の均等物の全範囲と共に、添付の特許請求の範囲内で改変され得る。
【0003】
一実施形態において、個人の緊急データをPSAPに提供する方法が提供される。該方法は、緊急事態が生じる前に、1つの個人データを格納することと、緊急事態が生じた後に、1つの個人データを検索することと、1つの個人データをPSAPに伝送することとを含む。
【0004】
別の実施形態において、ワイヤレスデバイスが提供される。該ワイヤレスデバイスは、緊急事態の場合における使用のために個人データを格納するメモリコンポーネントと、個人データのうちの少なくとも一部を、緊急事態の発生と関連付けられるPSAPに伝送するように構成された伝送コンポーネントとを含む。
【0005】
別の実施形態において、システムが提供される。該システムは、緊急事態の場合における使用のために個人データを格納するメモリコンポーネントと、個人データのうちの少なくとも一部を、緊急事態の発生と関連付けられるPSAPに伝送するように構成された伝送コンポーネントとを含む。
【0006】
米国における911コールおよび欧州における112コールなどの緊急通話は、一般的に、公衆安全応答地点(PSAP)(Public Safety Answering Point)によって対処されており、該公衆安全応答地点(PSAP)は、緊急事態に対する適切な応答を調整する。一部の場合において、PSAP以外の機関またはシステム、例えば、民間の緊急応答サービスが緊急通話を受信し得る。緊急通話を受信するあらゆる実体が、本明細書においてPSAPと呼ばれる。
【0007】
搭載の緊急通話システムを装備された車両が、緊急通話をするときには、緊急事態に関連する最小の組のデータ(MSD)が、PSAPに自動的に伝送され得る。例えば、車両は、センサを装備され得、該センサは、車両のどの部分が衝突によって衝撃を受けたかということと、車両内のどのエアバッグが展開されているかということとを検知し得る。車両が衝突に巻き込まれた場合には、MSDは、PSAPに自動的に伝送され得、そして、車両識別番号、どのエアバッグが展開されたか、車両のどの部分が衝撃を受けたか、例えば、搭載の全地球測位システム(GPS)デバイスによって決定されるように、車両が現在どこにあるか、および他の情報などのデータを含み得る。PSAPは、緊急事態に対するより速い応答またはより適切な応答を提供するためにMSDを使用することが可能であり得る。
【0008】
一実施形態において、個人の緊急データの組(PED)として呼ばれ得る一組のデータが作成され得る。スタンドアロンのワイヤレスデバイス、または車両に設置されたワイヤレスデバイスは、MSDの代わりに、またはMSDに加えてのいずれかで、PEDをPSAPに伝送させる。MSDは、一般的には、車両および車両の現在の状況だけに関連するデータを含むが、PEDは、ワイヤレスデバイスのユーザまたはワイヤレスデバイスのユーザにとって既知の人に関連する1つ以上の個人化されたデータを含み得る。PEDに含まれるデータは、限定するものではないが、例えば、処方箋、投薬量、アレルギー、血液型、性別、身長、体重、年齢、またはユーザが利用可能にすることを望み得る他の個人データを含み得る。PEDは、先在する状態などの病歴情報、または特定の医学的状態を処置するための指示などの医療従事者に関連する他の情報も含み得る。提供され得る他の情報は、臓器提供情報、一定の医学的サービスまたは一定の医学的手順の要求または拒絶などを含む。
【0009】
MSD内のデータは、一般的には、緊急事態または他の事故が生じたときに生成される。例えば、車両の衝突に関連するデータが、衝突時に生成される。一方、PED内のデータは、緊急事態に先立ち特定され、後に使用するために格納され得る。次に、PEDは、緊急事態が生じたときに、PSAPに送信されるために利用可能になり得る。
【0010】
一実施形態において、ワイヤレスデバイスのユーザが、PSAPの電話番号をダイヤルしたときに、ワイヤレスデバイスは、PEDをPSAPに送信し得るか、またはユーザは1つ以上のPEDをPSAPに送信するオプションを与えられ得る。例えば、米国内のユーザがワイヤレスデバイスで911をダイヤルしたときには、そのユーザに対するPEDが、ユーザによるさらなる行動を全く伴うことなく、PSAPに自動的に送信され得る。あるいは、ユーザが911をダイヤルしたときに、インタフェースがワイヤレスデバイス上に出現し、ユーザがユーザのPEDを送信することを望むかを尋ね、ユーザが肯定の応答を提供すると、PEDはPSAPに送信され得る。別の代替案において、複数のPEDが、ユーザがPSAPに送信するために利用可能になり得る。例えば、ユーザは、ユーザ自身、ユーザの妻、およびユーザの子供のそれぞれに対して、別々のPEDを作成し得る。例えば、子供のうちの1人を巻き込んで、緊急事態が生じた場合には、ユーザは、その子供のPEDをPSAPに送信することを望み得る。かかる状況に対処するために、ユーザがワイヤレスデバイスで911をダイヤルしたときには、ワイヤレスデバイスは、ユーザが前もって作成した人物のPEDの名前または識別子を列挙しているインタフェースを表示し得る。次に、ユーザは、ユーザがPSAPに伝送することを望む人物のPEDまたは複数の人物のPEDを選択するためにインタフェースを使用し得、次に、適切なPEDまたは適切な複数のPEDがPSAPに送信され得る。
【0011】
ユーザがPSAPの番号をダイヤルすることによって開始されるPEDの伝送以外の別の代替案において、ワイヤレスデバイスは、PEDを送信するために作動され得る専用のボタンまたは他の入力メカニズムを装備され得る。例えば、ハンドセットは、押され得るボタンを有し得るか、または緊急事態が生じたときに選択され得るメニューアイテムまたはアイコンを有し得る。かかる入力メカニズムを作動させることが、ハンドセットのユーザのPEDをPSAPに自動的に送信し得る。あるいは、入力メカニズムを作動させることが、インタフェースをハンドセット上に出現させ得、該インタフェースは、ユーザが、ユーザのPEDおよび/または1人以上の他の人物に関するPEDをPSAPに伝送すること選択することを可能にする。
【0012】
ワイヤレスデバイスが車両内に設置された場合において、入力メカニズムは、車両内のコントロールパネルまたは他の場所におけるボタンまたは他のコンポーネントであり得る。入力メカニズムを作動させることが、PEDをPSAPに自動的に送信し得るか、またはPSAPに送信する1つ以上のPEDを選択する機会をユーザに与え得る。ワイヤレスデバイスが車両内に設置された場合の代替案において、車両が、衝突または特定の閾値を上回る激しさを有する他の緊急事態に巻き込まれたということを、車両内のセンサが検知したときには、車両の通常の運転手のPEDまたは別の事前に特定された人物のPEDが、PSAPに自動的に送信され得る。PEDが車両内のワイヤレスデバイスによって伝送されたときには、PEDは、MSDと同じメッセージ内で送信され得るか、MSDから別々のメッセージで送信され得るか、またはMSDの代わりに送信され得る。
【0013】
MSDをPSAPに伝送するために、いくつかの伝達メカニズムが、現在、存在する。例えば、セルラーテキスト電話モデム(CTM)システムは、音声通話で緊急データを伝送するために一連のトーンを使用する。他の音声ベースの伝送メカニズムが、当業者によく知られている。一実施形態において、PEDは、CTMなどの公知の音声ベースの伝達メカニズムのうちの1つを使用して伝送される。既存の伝達メカニズムがPEDを送信するために使用されるときには、改変は、PEDを受信し適切に解釈するためには、PSAPの一部分においてほとんど必要とされないか、または全く必要とされないことがあり得る。しかしながら、ワイヤレスデバイスによるPEDの伝送は、既存のPSAP技術と互換性のある技術の使用に限定され得、例えば、音声帯域モデムの使用に限定され得る。かかるワイヤレスデバイスが、PEDを伝送するためにCTMまたは同様な伝達メカニズムを介してMSDを伝送することが既に可能である車両内のワイヤレスデバイスに対して、改変は必要とされないことがあり得る。一方、ハンドセットなどのスタンドアロンのワイヤレスデバイスは、CTMまたは同様な伝達メカニズムを介してPEDを伝送することが可能であるように改変される必要があり得る。
【0014】
代替の実施形態において、CTMなどの音声ベースの伝達メカニズム以外の伝達メカニズムが、PEDを伝達するために、ワイヤレスデバイスによって使用され得る。例えば、PEDは、ボイスオーバインターネットプロトコル(VoIP)通話で伝送されたり、またはWiFi、WiMax、または一部の他のデジタルデータ伝送システムを介したデータ伝送で伝送されたりし得る。かかる技術による伝送は、PEDのより速い伝送を可能にしたり、CTMなどの音声ベースのシステムと比較して、PEDが、より多くの情報を含むことを可能にしたりし得る。しかしながら、かかる技術の使用は、PSAPがPEDを受信し適切に解釈するように、PSAPにおける改変を必然的に伴い得る。
【0015】
一実施形態において、上に記述されたシナリオのうちの1つで、1つ以上のPEDが、ワイヤレスデバイスの中のメモリの位置に格納され得、メモリの位置から検索され得、ワイヤレスデバイスからPSAPに送信され得る。代替の実施形態において、1つ以上のPEDが、遠隔通信ネットワークを介してワイヤレスデバイスにアクセス可能であるコンピュータまたは同様なデバイスに格納され得る。例えば、遠隔通信サービスプロバイダまたは緊急サービスプロバイダによって維持されているサーバコンピュータは、プロバイダの顧客によって生成されたPEDを保持し得る。顧客がPEDをPSAPに送信することを望むとき、またはPEDがPSAPに自動的に送信されるときには、顧客のワイヤレスデバイスが、送信されるPEDを示すメッセージをサーバコンピュータに送信し得る。次に、サーバコンピュータは、特定のPEDをPSAPに送信し得る。あるいは、サーバコンピュータは、適切なPEDをワイヤレスデバイスに返信し得、ワイヤレスデバイスは、PEDをPSAPに送信し得る。
【0016】
本発明はさらに以下の手段を提供する。
【0017】
(項目1)
個人の緊急データを公衆安全応答地点(PSAP)に提供する方法であって、
緊急事態が生じる前に、1つの個人データを格納することと、
該緊急事態が生じた後に、該1つの個人データを検索することと、
該1つの個人データを該PSAPに伝送することと
を包含する、方法。
【0018】
(項目2)
上記1つの個人データは、
先在する医学的状態と、
医療従事者から要求された行動と、
処方箋と、
投薬量と、
アレルギーと、
血液型と、
性別と、
身長と、
体重と、
年齢と
のうちの少なくとも1つである、項目1に記載の方法。
【0019】
(項目3)
上記PSAPの電話番号がダイヤルされたときに、自動的に上記1つの個人データを該PSAPに伝送すること、または
上記ワイヤレスデバイスにおいて入力メカニズムを作動させることであって、該入力メカニズムの該作動が、該1つの個人データを該PSAPに伝送させる、こと
のいずれかのうちの1つによって、該個人データを該PSAPに通信すること
をさらに包含する、項目1に記載の方法。
【0020】
(項目4)
複数個の個人データを複数の人物と関連付けることと、
該人物のうちの少なくとも1人を選択する機会を提供することであって、該人物のうちの少なくとも1人と関連付けられる1つの個人データが、上記PSAPに伝送される、ことと
をさらに包含する、項目1に記載の方法。
【0021】
(項目5)
上記1つの個人データを人物と関連付けることと、
該人物を車両に設置されたワイヤレスデバイスと関連付けることと、
該車両が特定の閾値を上回る激しさの緊急事態に巻き込まれたときに、該1つの個人データを上記PSAPに自動的に伝送することと
をさらに包含する、項目1に記載の方法。
【0022】
(項目6)
複数個の個人データを複数の人物と関連付けることと、
該複数の人物を車両に設置されたワイヤレスデバイスと関連付けることと、
該車両が特定の閾値を上回る激しさの緊急事態に巻き込まれたときに、該人物のうちの少なくとも1人の該1つの個人データを上記PSAPに自動的に伝送することと
をさらに包含する、項目1に記載の方法。
【0023】
(項目7)
上記人物のうちの上記1人を特定することをさらに包含し、上記緊急事態の場合には、該人物のうちの少なくとも1人の1つの個人データが、該人物を上記車両のカスタマイズ可能な特徴と関連付けることによって上記PSAPに伝送される、項目6に記載の方法。
【0024】
(項目8)
最小の組のデータの伝送と関連付けられるデータ伝送において、上記1つの個人データを上記PSAPに伝送することをさらに包含し、上記車両が上記緊急事態に巻き込まれたときに、上記ワイヤレスデバイスは、該最小の組のデータを該PSAPに自動的に伝送する、項目5に記載の方法。
【0025】
(項目9)
上記1つの個人データをネットワークのコンポーネントに格納することと、
該1つの個人データを上記PSAPに伝送するように該ネットワークの該コンポーネントを命令するためにワイヤレスデバイスを使用することと
をさらに包含する、項目1に記載の方法。
【0026】
(項目10)
ワイヤレスデバイスであって、
緊急事態の場合における使用のために個人データを格納するメモリコンポーネントと、
該個人データのうちの少なくとも一部を、緊急事態の発生と関連付けられる公衆安全応答地点(PSAP)に伝送するように構成された伝送コンポーネントと
を備えている、ワイヤレスデバイス。
【0027】
(項目11)
1つの個人データは、
先在する医学的状態と、
医療従事者から要求された行動と、
処方箋と、
投薬量と、
アレルギーと、
血液型と、
性別と、
身長と、
体重と、
年齢と
のうちの少なくとも1つである、項目10に記載のワイヤレスデバイス。
【0028】
(項目12)
インタフェースをさらに備え、該インタフェースは、複数個の個人データが複数の人物と関連付けられるときには、該人物のうちの少なくとも1人を選択する機会を提供し、該人物のうちの少なくとも1人と関連付けられる1つの個人データは、上記PSAPに伝送される、項目10に記載のワイヤレスデバイス。
【0029】
(項目13)
上記ワイヤレスデバイスは、車両に設置され、該車両が特定の閾値を上回る激しさを有する緊急事態に巻き込まれたときには、該ワイヤレスデバイスは、1つの個人データを上記PSAPに自動的に伝送する、項目10に記載のワイヤレスデバイス。
【0030】
(項目14)
上記ワイヤレスデバイスは車両に設置され、複数個の個人データが複数の人物と関連付けられ、該複数の人物が該ワイヤレスデバイスと関連付けられ、そして、該車両が特定の閾値を上回る激しさを有する緊急事態に巻き込まれたときには、該ワイヤレスデバイスは、該人物のうちの少なくとも1人の該1つの個人データを上記PSAPに自動的に伝送する、項目10に記載のワイヤレスデバイス。
【0031】
(項目15)
上記緊急事態の場合に1つの個人データが上記PSAPに伝送される、上記人物のうちの上記1人が、該人物を上記車両のカスタマイズ可能な特徴と関連付けることによって特定される、項目14に記載のワイヤレスデバイス。
【0032】
(項目16)
上記1つの個人データが、最小の組のデータの伝送と関連付けられるデータ伝送において、上記PSAPに伝送され、上記車両が上記緊急事態に巻き込まれたときに、上記ワイヤレスデバイスは、最小の組の該データを該PSAPに自動的に伝送する、項目13に記載のワイヤレスデバイス。
【0033】
(項目17)
システムであって、
緊急事態の場合における使用のために個人データを格納するメモリコンポーネントと、
該個人データのうちの少なくとも一部を、緊急事態の発生と関連付けられる公衆安全応答地点(PSAP)に伝送するように構成された伝送コンポーネントと
を備えている、システム。
【0034】
(項目18)
上記メモリコンポーネントは、ネットワークのコンポーネントであり、上記伝送コンポーネントは、車両に設置される、項目17に記載のシステム。
【0035】
(項目19)
上記メモリコンポーネントは、ハンドヘルドモバイルデバイスと車両とのうちの1つの中のコンポーネントであり、上記伝送コンポーネントは、該車両に設置されている、項目17に記載のシステム。
【0036】
(項目20)
車両に設置されたワイヤレスデバイスは、該車両が特定の閾値を上回る激しさを有する緊急事態に巻き込まれたときに、該車両に設置された該ワイヤレスデバイスを直接的に介して、またはハンドヘルドモバイルデバイスを介して上記PSAPへの個人データの少なくとも一部の伝送を促進する、項目17に記載のシステム。
【0037】
(摘要)
個人の緊急データを公衆安全応答地点(PSAP)に提供する方法。方法は、緊急事態が生じる前に、1つの個人データを格納することと、緊急事態の生じた後に、1つの個人データを検索することと、1つの個人データをPSAPに伝送することとを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
本開示のより完全な理解のために、ここで、添付の図面と詳細な記述と関連して列挙される、以下の簡潔な記述に参照が行われる。図面および詳細な記述においては、同様な参照番号は同様な部分を表す。
【0039】
図1は、PED120をPSAP130に送信させることが可能であるワイヤレスデバイス110を含むシステム100の実施形態のブロック図である。ワイヤレスデバイス110は、スタンドアロンのデバイスであり、例えば、モバイル電話、携帯端末、ハンドヘルドコンピュータ、または同様なデバイスであり得る。あるいは、ワイヤレスデバイス110と同様な遠隔通信デバイスが、車両150内に設置され得る。一実施形態において、PED120は、ワイヤレスデバイス110に格納される。緊急事態が生じたときには、ワイヤレスデバイス110がPED120をPSAP130に送信し得る。例えば、ワイヤレスデバイス110のユーザが911をダイヤルしたときに、ユーザのPED120が、ワイヤレスデバイス110からPSAP130に自動的に送信され得る。あるいは、ユーザが911をダイヤルしたときに、インタフェースがワイヤレスデバイス110上に出現し、該ワイヤレスデバイス110は、ユーザがユーザのPED120および/または1人以上の他の人物のPED120をワイヤレスデバイス110からPSAP130に送信することを可能する。
【0040】
あるいは、ワイヤレスデバイス110は、入力メカニズム115を含み得、該入力デバイス115は、作動の際、ユーザのPED120をPSAP130に送信させる。別の代替案において、入力メカニズム115を作動させることが、インタフェースをワイヤレスデバイス110上に出現させ得、該ワイヤレスデバイス110は、ユーザがユーザのPED120および/または1人以上の他の人物のPED120をワイヤレスデバイス110からPSAP130に送信することを可能にする。一実施形態において、入力メカニズム115を作動させることが、ワイヤレスデバイス110に自動的に911またはPSAP130に対する別の番号をダイヤルさせ得、それによりユーザがPSAP130との音声接続を確立し得る。
【0041】
ワイヤレスデバイス110が車両150に設置された場合において、車両150が、衝突または特定の閾値を上回る激しさを有する他の緊急事態に巻き込まれたときに、1つ以上のPED120が、ワイヤレスデバイス110からPSAP130に自動的に送信され得る。一実施形態において、車両150の正常な運転手のPED120が伝送される。別の実施形態において、車両の所有者または運転者は、緊急の場合に伝送される1つ以上のPED120を特定し得る。さらに別の実施形態において、伝送されるPED120は、車両150のカスタマイズ可能な特徴に基づき得る。例えば、一部の車両150は、シートの位置、ハンドルの位置、およびミラーの位置などの特徴と共に装備されており、この特徴は、様々な運転手の好みに自動的に調節され得る。異なるPED120が、かかるカスタマイズ可能な特徴の異なる組と関連付けられ得、それにより好みが現在有効である運転手のPED120が、衝突または特定の閾値を上回る激しさを有する他の緊急事態の場合に伝送される。
【0042】
ワイヤレスデバイス110が車両150に設置されている別の場合において、MSDおよび/または1つ以上のPED120の少なくとも一部が、車両150内のメモリコンポーネント152内に格納され得る。緊急の場合に、メモリコンポーネント152内のデータの少なくとも一部分が、車両150内の伝送コンポーネント154からスタンドアロンのワイヤレスデバイス110に伝送され得る。車両のプロセッサ156は、伝送コンポーネント154を介したデータの伝送を促進するように、メモリコンポーネント152と通信するように構成され得る。伝送コンポーネント154からスタンドアロンのワイヤレスデバイス110までの伝送は、Bluetooth伝送を介して行われ得るか、または他の一部の短距離通信リンクを介して行われ得る。次に、スタンドアロンのワイヤレスデバイス110は、車両150から受信されたデータを、スタンドアロンのワイヤレスデバイス110の内部に格納された1つ以上のPED120の少なくとも一部分と組み合わせ得、次に、組み合わされたデータをPSAP130に伝送し得る。あるいは、PEDはスタンドアロンのワイヤレスデバイス110に格納されないことがあり得、また、車両150から受信されたデータだけがPSAP130に伝送され得る。
【0043】
たった今記述されたシナリオに対する代替案において、PED120は、ワイヤレスデバイス110、または車両150内のメモリコンポーネント152に格納されていないが、その代わりに、ワイヤレスデバイス110にワイヤレスでアクセス可能であるネットワーク140のコンポーネントに格納されている。これらの代替の実施形態の一部において、PED120がPSAP130に送信されるときに、ワイヤレスデバイス110または車両150は、メッセージをネットワーク140に送信し、1つのPED120または複数のPED120のどちらが送信されるかを指示する。次に、ネットワーク140は、適切な1つのPED120または適切な複数のPED120を検索し、1つのPED120または複数のPED120をPSAP130に伝送する。あるいは、ネットワーク140は、1つのPED120または複数のPED120をワイヤレスデバイス110または車両150に返信し得、ワイヤレスデバイス110、または車両150における伝送コンポーネント154は、1つのPED120または複数のPED120をPSAP130に伝送し得る。
【0044】
この方法での、ネットワーク140におけるPED120の格納は、ユーザが複数のPED120を複数のワイヤレスデバイス110に対して生成する必要性を排除し得る。例えば、ユーザは、ハンドセットから、または遠隔通信デバイスを装備された車両からのいずれかからユーザのPED120を伝送することができることを望み得る。PED120がワイヤレスデバイス110のそれぞれにおいて内部に格納される場合には、ユーザはこれらのワイヤレスデバイス110のそれぞれに対して別々にPED120を生成する必要があり得る。一方、ネットワークの格納能力が、ユーザが一度だけPED120を生成することを可能にし、かつ、ハンドセットまたは車両のいずれかによる将来のアクセスのために、ネットワーク140においてPED120を格納することを可能にし得る。
【0045】
図2は、個人の緊急データをPSAPに提供する方法200の実施形態を例示する。ブロック210において、緊急事態が生じる前に、1つの個人の緊急データが格納される。データは、人物の処方箋、投薬量、アレルギー、血液型、性別、身長、体重、または年齢であり得るか、または人物がPSAPに利用可能にすることを望み得る他の個人データであり得る。PEDはまた、医療従事者から要求された先在する医学的状態または医学的機能に関する情報も含み得る。データは、ワイヤレスデバイス、またはワイヤレスデバイスにアクセス可能なネットワークのコンポーネントに格納され得る。ブロック220において、緊急事態が生じたときに、1つの個人の緊急データが、ワイヤレスデバイスまたはネットワークから検索される。ブロック230において、1つの個人の緊急データがPSAPに伝送される。
【0046】
図3は、ワイヤレスデバイス110の一実施形態を含むワイヤレス通信システムを例示する。ワイヤレスデバイス110は、本開示の局面を実装するように動作可能であるが、本開示は、これらの実装に限定されるべきではない。モバイル電話として例示されているが、ワイヤレスデバイス110は、ワイヤレスハンドセット、ポケットベル、携帯端末(PDA)、ポータブルコンピュータ、タブレットコンピュータ、またはラップトップコンピュータを含む様々な形式を取り得る。多くの適切なデバイスは、これらの機能の一部または全てを組み合わせる。本開示の一部の実施形態において、ワイヤレスデバイス110は、ポータブルコンピュータ、ラップトップコンピュータ、またはタブレットコンピュータなどの汎用目的の計算デバイスではなく、むしろモバイル電話、ワイヤレスハンドセット、ポケットベル、PDA、または車両に設置された遠隔通信デバイスなどの、専用目的の通信デバイスであり得る。別の実施形態において、ワイヤレスデバイス110は、ポータブル計算デバイス、ラップトップ計算デバイス、または他の計算デバイスであり得る。ワイヤレスデバイス110は、ゲーミング機能、在庫管理機能、ジョブ制御機能、および/またはタスク管理機能などの専門の活動をサポートし得る。
【0047】
ワイヤレスデバイス110は、ディスプレイ402を含む。ワイヤレスデバイス110はまた、概略的に404で示された、ユーザによる入力のためのタッチセンシティブ面、キーボードまたは他の入力キーを含み得る。キーボードは、完全な英数字のキーボードまたは縮約された英数字キーボード、例えば、QWERTYタイプ、Dvorakタイプ、AZERTYタイプ、および順次タイプであり得るか、または電話のキーパッドと関連付けられたアルファベット文字を有する従来の数字のキーパッドであり得る。入力キーは、トラックホイル、エグジットキーまたはエスケープキー、トラックボール、および他のナビゲーションキーまたはファンクションキーを含み得、これらは、さらなる入力機能を提供するために内側に押し下げられ得る。ワイヤレスデバイス110は、ユーザが選択するオプション、ユーザが作動する制御、および/またはユーザが命令するカーソルまたは他のインジケータを提示し得る。図1の入力メカニズム115は、キーボードまたは他の入力キー404に含まれ得る。
【0048】
ワイヤレスデバイス110は、ユーザからのデータ入力をさらに受け入れ得るものであり、該データ入力は、ダイヤルする番号、またはワイヤレスデバイス110の動作を構成するための様々なパラメータの値を含む。ワイヤレスデバイス110は、さらに、ユーザのコマンドに応答して、1つ以上のソフトウェアまたはファームウェアのアプリケーションを実行し得る。これらのアプリケーションは、ユーザの相互作用に応答して、様々なカスタマイズされた機能を行うように、ワイヤレスデバイス110を構成し得る。さらに、ワイヤレスデバイス110は、無線で(over−the−air)プログラミングおよび/または構成され、例えば、ワイヤレス基地局、ワイヤレスアクセスポイント、またはピアーワイヤレスデバイス110からプログラミングおよび/または構成され得る。
【0049】
ワイヤレスデバイス110によって実行可能である様々なアプリケーションの中に、ディスプレイ402がウェブページを示すことを可能にするウェブブラウザがある。ウェブページは、ワイヤレスネットワークのアクセスノード、セルタワー、ピアーワイヤレスデバイス110、またはその他任意のワイヤレス通信ネットワークもしくはワイヤレス通信システム400とのワイヤレス通信を介して獲得され得る。ネットワーク400は、図1のネットワーク140と同様であり得る。ネットワーク400は、インターネットなどの有線のネットワーク408に結合される。ワイヤレスリンクと有線のネットワークとを介して、ワイヤレスデバイス110は、サーバ410などの様々なサーバにおける情報へアクセスする。サーバ410は、ディスプレイ402に示され得る内容を提供し得る。あるいは、ワイヤレスデバイス110は、中継タイプの接続またはホップタイプの接続において、中間段階として作用するピアーワイヤレスデバイス110を通ってネットワーク400にアクセスし得る。
【0050】
図4は、ワイヤレスデバイス110のブロック図を示す。ワイヤレスデバイス110の様々な公知のコンポーネントが描かれているが、一実施形態において、列挙されたコンポーネントおよび/または列挙されていない追加のコンポーネントのサブセットが、ワイヤレスデバイス110に含まれ得る。ワイヤレスデバイス110は、デジタル信号プロセッサ(DSP)502とメモリ504とを含む。示されているように、ワイヤレスデバイス110は、さらに、アンテナおよびフロントエンドユニット506と、無線周波数(RF)トランシーバ508と、アナログベースバンド処理ユニット510と、マイクロフォン512と、イヤホンのスピーカ514と、ヘッドセットポート516と、入力/出力インタフェース518と、リムーバブルメモリカード520と、ユニバーサルシリアルバス(USB)ポート522と、短距離ワイヤレス通信サブシステム524と、アラート526と、キーパッド528と、タッチセンシティブ面を含み得る液晶ディスプレイ(LCD)530と、LCDコントローラ532と、電荷結合素子(CCD)カメラ534と、カメラコントローラ536と、全地球測位システム(GPS)センサ538とを含む。一実施形態において、ワイヤレスデバイス110は、タッチセンシティブスクリーンを提供しない別の種類のディスプレイを含み得る。一実施形態において、DSP502は、入力/出力インタフェース518を通過することなく、メモリ504と直接的に通信し得る。
【0051】
DSP502、またはコントローラもしくは中央処理装置の一部の他の形式が、メモリ504に格納されたか、またはDSP502自体の中に含まれたメモリに格納された内蔵のソフトウェアまたはファームウェアに従って、ワイヤレスデバイス110の様々なコンポーネントを制御するように動作する。内蔵のソフトウェアまたはファームウェアに加えて、DSP502は、メモリ504に格納された他のアプリケーションを実行し得るか、またはリムーバブルメモリカード520のようなポータブルデータストレージなどの情報キャリア媒体を介して、もしくは有線ネットワーク通信またはワイヤレスネットワーク通信を介して利用可能にされた他のアプリケーションを実行し得る。アプリケーションソフトウェアは、所望の機能性を提供するようにDSP502を構成する、コンパイルされた一組の機械読み取り可能な命令を含み得るか、またはアプリケーションソフトウェアは、DSP502を間接的に構成するために、インタプリタまたはコンパイラによって処理される高レベルのソフトウェアの命令であり得る。
【0052】
アンテナおよびフロントエンドユニット506は、ワイヤレス信号と電気信号との間で変換を行うために提供され、ワイヤレスデバイス110が、セルラネットワークまたは一部の他の利用可能なワイヤレス通信ネットワークから、またはピアーワイヤレスデバイス110から情報を送受信することを可能にし得る。一実施形態において、アンテナおよびフロントエンドユニット506は、複数のアンテナを含むことにより、ビームフォーミングおよび/または複数入力複数出力(MIMO)動作をサポートし得る。当業者には公知であるように、MIMO動作は、空間ダイバーシティを提供し得、該空間ダイバーシティは、困難なチャンネル条件を克服するために、および/またはチャンネルのスループットを増加させるために使用され得る。アンテナおよびフロントエンドユニット506は、アンテナ同調および/またはインピーダンス適合コンポーネント、RF電力増幅器、および/または低ノイズ増幅器を含み得る。
【0053】
RFトランシーバ508は、周波数シフトと、受信したRF信号をベースバンドに変換することと、ベースバンド伝送信号をRFに変換することとを提供する。一部の記述において、無線トランシーバまたはRFトランシーバは、他の信号処理機能を含むことが理解され得、例えば、変調/復調、符号化/復号化、インターリービング/デインターリービング、拡散/逆拡散、高速逆フーリエ変換(IFFT)/高速フーリエ変換(FFT)、サイクリックプレフィックスの付加/除去、および他の信号処理機能などを含むことが理解され得る。明確にする目的のために、ここでの記述は、信号処理の記述をRFおよび/または無線の段階から離れ、アナログベースバンド処理ユニット510および/またはDSP502、または他の中央処理装置に、その信号処理を概念的に割り当てる。一部の実施形態において、RFトランシーバ508と、アンテナおよびフロントエンド506の一部分と、アナログベースバンド処理ユニット510とは、1つ以上の処理装置および/または特定用途向け集積回路(ASIC)において組み合わされ得る。
【0054】
アナログベースバンド処理ユニット510は、入力および出力の様々なアナログ処理を提供し、例えば、マイクロフォン512およびヘッドセット516からの入力のアナログ処理と、イヤホン514およびヘッドセット516への出力のアナログ処理とを提供し得る。このために、アナログベースバンド処理ユニット510は、ビルトインマイクロフォン512およびイヤホンのスピーカ514に接続するポートを有し得、該ポートは、ワイヤレスデバイス110がセル方式の電話として使用されることを可能にする。アナログベースバンド処理ユニット510は、さらに、ヘッドセット、または他のハンズフリーのマイクロフォンとスピーカとの構成に接続するポートを含み得る。アナログベースバンド処理ユニット510は、一方の信号方向においてデジタルアナログ変換を提供し、逆方向の信号方向においてアナログデジタル変換を提供し得る。一部の実施形態において、アナログベースバンド処理ユニット510の機能性のうちの少なくとも一部は、デジタル処理コンポーネントによって提供され、例えば、DSP502または他の中央処理装置によって提供され得る。
【0055】
DSP502は、変調/復調、符号化/復号化、インターリービング/デインターリービング、拡散/逆拡散、高速逆フーリエ変換(IFFT)/高速フーリエ変換(FFT)、サイクリックプレフィックスの付加/除去、およびワイヤレス通信と関連付けられる他の信号処理機能を行い得る。一実施形態において、例えば、符号分割多元接続(CDMA)技術の適用において、トランスミッタ機能に対しては、DSP502は、変調、符号化、インターリービング、および拡散を行い得、レシーバ機能に対しては、DSP502は、逆拡散、デインターリービング、復号化、および復調を行い得る。別の実施形態において、例えば、直交周波数分割多重接続(OFDMA)技術の適用において、トランスミッタ機能に対しては、DSP502は、変調、符号化、インターリービング、高速逆フーリエ変換、およびサイクリックプレフィックスの付加を行い得、レシーバ機能に対しては、DSP502は、頭語の周期的な除去、高速フーリエ変換、デインターリービング、復号化、および復調を行い得る。他のワイヤレス技術の適用において、さらに別の信号処理機能と、信号処理機能の組み合わせとが、DSP502によって行われ得る。
【0056】
DSP502は、アナログベースバンド処理ユニット510を介してワイヤレスネットワークと通信し得る。一部の実施形態において、通信は、インターネット接続を提供し、ユーザがインターネット上のコンテンツへのアクセスを獲得することと、電子メールまたはテキストメッセージを送受信することとを可能にし得る。入力/出力インタフェース518は、DSP502と様々なメモリおよび様々なインタフェースとを相互接続する。メモリ504とリムーバブルメモリカード520とは、DSP502の動作を構成するように、ソフトウェアおよびデータを提供し得る。インタフェースの間にあるものは、USBインタフェース522および短距離ワイヤレス通信サブシステム524であり得る。USBインタフェース522は、ワイヤレスデバイス110を充電するために使用され得、ワイヤレスデバイス110が、パーソナルコンピュータまたは他のコンピュータシステムと情報を交換する周辺機器として機能することも可能にし得る。短距離ワイヤレス通信サブシステム524は、赤外線ポート、Bluetoothインタフェース、IEEEE 802.11適合のワイヤレスインターフェース、またはその他任意の短距離ワイヤレス通信サブシステムを含み得、これらは、ワイヤレスデバイス110が、他の近隣のモバイルデバイスおよび/またはワイヤレス基地局とワイヤレスで通信することを可能にし得る。
【0057】
入力/出力インタフェース518は、さらに、DSP502をアラート526に接続し得、該アラート526は、駆動させられたときに、例えば、呼び出し音を鳴らすこと、メロディを再生すること、または振動することによって、ワイヤレスデバイス110に、通知をユーザに提供させる。アラート526は、静かに振動することによって、または特定の呼び出し者に対して事前に割り当てられた特定のメロディを再生することによって、かかってくる電話、新たなテキストメッセージ、約束の合図などの様々なイベントのうちの任意のものに対してユーザに警告をするメカニズムとして働き得る。
【0058】
キーパッド528は、インタフェース518を介してDSP502に結合することにより、ユーザが、選択を行ったり、情報を入力したり、入力をワイヤレスデバイス110に提供したりする1つのメカニズムを提供する。キーボード528は、完全な英数字のキーボードまたは縮約された英数字キーボード、例えば、QWERTYタイプ、Dvorakタイプ、AZERTYタイプ、および順次タイプであり得るか、または電話のキーパッドと関連付けられたアルファベット文字を有する従来の数字のキーパッドであり得る。入力キーは、トラックホイル、エグジットキーまたはエスケープキー、トラックボール、および他のナビゲーションキーまたはファンクションキーを含み得、これらは、さらなる入力機能を提供するために内方に押し下げられ得る。別の入力メカニズムは、LCD530であり得、該LCD530は、タッチスクリーン能力を含み、テキストおよび/または図形をユーザに表示もし得る。LCDコントローラ532は、DSP502をLCD530に接続する。
【0059】
CCDカメラ534は、装備された場合には、ワイヤレスデバイス110がデジタル画像を撮影することを可能にする。DSP502は、カメラコントローラ536を介してCCDカメラ534と通信する。別の実施形態において、電荷結合素子カメラ以外の技術に従って動作するカメラが利用され得る。GPSセンサ538がDSP502に結合されることにより、全地球測位システムの信号を復号化し、それによりワイヤレスデバイス110が、ワイヤレスデバイス110の位置を決定することを可能にする。様々な他の周辺機器がまた、例えば、ラジオの受信またはテレビの受信などの追加の機能を提供するために含まれ得る。
【0060】
図5は、ソフトウェア環境602を例示し、該ソフトウェア環境602は、DSP502によって実装され得る。DSP502は、オペレーティングシステムドライバ604を実行し、該オペレーティングシステムドライバ604は、ソフトウェアの残りが動作するプラットフォームを提供する。オペレーティングシステムドライバ604は、アプリケーションソフトウェアにアクセス可能である標準規格のインタフェースを有するワイヤレスデバイスハードウェアにドライバを提供する。オペレーティングシステムドライバ604は、アプリケーション管理サービス(「AMS」)606を含み、該アプリケーション管理サービス(「AMS」)606は、ワイヤレスデバイス110上で走るアプリケーション間の制御を伝える。また図5に示されているものは、ウェブブラウザアプリケーション608と、メディアプレーヤアプリケーション610と、Java(登録商標)アプレット612とである。ウェブブラウザアプリケーション608は、ウェブブラウザとして動作するようにワイヤレスデバイス110を構成し、ユーザが情報をフォームに入力し、リンクを選択することにより、ウェブページを検索し閲覧することを可能にする。メディアプレーヤアプリケーション610は、聴覚媒体または視聴覚媒体を検索し再生するように、ワイヤレスデバイス110を構成する。Java(登録商標)アプレット612は、ゲーム、ユーティリティ、および他の機能性を提供するように、ワイヤレスデバイス110を構成する。コンポーネント614は、個人の緊急データの格納および/または伝送に関連する機能性を提供し得る。
【0061】
いくつかの実施形態が、本開示において提供されてきたが、開示のシステムおよび方法が、本開示の精神または範囲を逸脱することなく、多くの他の特定の形式で体現され得るということが理解される。本例は、例示として考えられるべきであり、限定として考えられるべきではなく、趣旨は、本明細書において与えられた詳細に限定されるべきではない。例えば、様々な要素または様々なコンポーネントが、別のシステムにおいて組み合わされたり、組み込まれたりし得るか、または一定の特徴が、省略されたり、実装されなかったりすることがあり得る。
【0062】
また、別個または別々として、様々な実施形態において記述および例示された技術、システム、サブシステム、および方法が、本開示の範囲を逸脱することなく、他のシステム、モジュール、技術、または方法と組み合わされたり、組み込まれたりし得る。互いに結合もしくは直接的に結合されたか、または互いに通信しているとして示されたり、考察されたりした他のアイテムが、電気的であろうと、機械的であろうと、一部のインタフェース、デバイス、または中間コンポーネントを通って間接的に結合されたり、通信したりし得る。変更、置換、および代替の他の例は、当業者によって確認可能であり、本明細書において開示された精神および範囲から逸脱することなく行われ得る。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】図1は、本開示の実施形態に従った遠隔通信システムのブロック図である。
【図2】図2は、本開示の実施形態に従った、PSAPに個人の緊急データを提供する方法の図である。
【図3】図3は、本開示の様々な実施形態のうちの一部に対して動作可能なワイヤレスデバイスを含むワイヤレス通信システムの図である。
【図4】図4は、本開示の様々な実施形態のうちの一部に対して動作可能なワイヤレスデバイスのブロック図である。
【図5】図5は、本開示の様々な実施形態のうちの一部に対して動作可能なワイヤレスデバイスに実装され得るソフトウェア環境の図である。
【符号の説明】
【0064】
100 システム
110 ワイヤレスデバイス
115 入力メカニズム
120 PED
130 PSAP
140 ネットワーク
150 車両
152 メモリコンポーネント
154 伝送コンポーネント
156 プロセッサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
個人の緊急データを公衆安全応答地点(PSAP)に提供する方法であって、
緊急事態が生じる前に、1つの個人データを格納することと、
該緊急事態が生じた後に、該1つの個人データを検索することと、
該1つの個人データを該PSAPに伝送することと
を包含する、方法。
【請求項2】
前記1つの個人データは、
先在する医学的状態と、
医療従事者から要求された行動と、
処方箋と、
投薬量と、
アレルギーと、
血液型と、
性別と、
身長と、
体重と、
年齢と
のうちの少なくとも1つである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記PSAPの電話番号がダイヤルされたときに、自動的に前記1つの個人データを該PSAPに伝送すること、または
前記ワイヤレスデバイスにおいて入力メカニズムを作動させることであって、該入力メカニズムの該作動が、該1つの個人データを該PSAPに伝送させる、こと
のいずれかのうちの1つによって、該個人データを該PSAPに通信すること
をさらに包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
複数個の個人データを複数の人物と関連付けることと、
該人物のうちの少なくとも1人を選択する機会を提供することであって、該人物のうちの少なくとも1人と関連付けられる1つの個人データが、前記PSAPに伝送される、ことと
をさらに包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記1つの個人データを人物と関連付けることと、
該人物を車両に設置されたワイヤレスデバイスと関連付けることと、
該車両が特定の閾値を上回る激しさの緊急事態に巻き込まれたときに、該1つの個人データを前記PSAPに自動的に伝送することと
をさらに包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
複数個の個人データを複数の人物と関連付けることと、
該複数の人物を車両に設置されたワイヤレスデバイスと関連付けることと、
該車両が特定の閾値を上回る激しさの緊急事態に巻き込まれたときに、該人物のうちの少なくとも1人の該1つの個人データを前記PSAPに自動的に伝送することと
をさらに包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記人物のうちの前記1人を特定することをさらに包含し、前記緊急事態の場合には、該人物のうちの少なくとも1人の1つの個人データが、該人物を前記車両のカスタマイズ可能な特徴と関連付けることによって前記PSAPに伝送される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
最小の組のデータの伝送と関連付けられるデータ伝送において、前記1つの個人データを前記PSAPに伝送することをさらに包含し、前記車両が前記緊急事態に巻き込まれたときに、前記ワイヤレスデバイスは、該最小の組のデータを該PSAPに自動的に伝送する、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記1つの個人データをネットワークのコンポーネントに格納することと、
該1つの個人データを前記PSAPに伝送するように該ネットワークの該コンポーネントを命令するためにワイヤレスデバイスを使用することと
をさらに包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
ワイヤレスデバイスであって、
緊急事態の場合における使用のために個人データを格納するメモリコンポーネントと、
該個人データのうちの少なくとも一部を、緊急事態の発生と関連付けられる公衆安全応答地点(PSAP)に伝送するように構成された伝送コンポーネントと
を備えている、ワイヤレスデバイス。
【請求項11】
1つの個人データは、
先在する医学的状態と、
医療従事者から要求された行動と、
処方箋と、
投薬量と、
アレルギーと、
血液型と、
性別と、
身長と、
体重と、
年齢と
のうちの少なくとも1つである、請求項10に記載のワイヤレスデバイス。
【請求項12】
インタフェースをさらに備え、該インタフェースは、複数個の個人データが複数の人物と関連付けられるときには、該人物のうちの少なくとも1人を選択する機会を提供し、該人物のうちの少なくとも1人と関連付けられる1つの個人データは、前記PSAPに伝送される、請求項10に記載のワイヤレスデバイス。
【請求項13】
前記ワイヤレスデバイスは、車両に設置され、該車両が特定の閾値を上回る激しさを有する緊急事態に巻き込まれたときには、該ワイヤレスデバイスは、1つの個人データを前記PSAPに自動的に伝送する、請求項10に記載のワイヤレスデバイス。
【請求項14】
前記ワイヤレスデバイスは車両に設置され、複数個の個人データが複数の人物と関連付けられ、該複数の人物が該ワイヤレスデバイスと関連付けられ、そして、該車両が特定の閾値を上回る激しさを有する緊急事態に巻き込まれたときには、該ワイヤレスデバイスは、該人物のうちの少なくとも1人の該1つの個人データを前記PSAPに自動的に伝送する、請求項10に記載のワイヤレスデバイス。
【請求項15】
前記緊急事態の場合に1つの個人データが前記PSAPに伝送される、前記人物のうちの前記1人が、該人物を前記車両のカスタマイズ可能な特徴と関連付けることによって特定される、請求項14に記載のワイヤレスデバイス。
【請求項16】
前記1つの個人データが、最小の組のデータの伝送と関連付けられるデータ伝送において、前記PSAPに伝送され、前記車両が前記緊急事態に巻き込まれたときに、前記ワイヤレスデバイスは、最小の組の該データを該PSAPに自動的に伝送する、請求項13に記載のワイヤレスデバイス。
【請求項17】
システムであって、
緊急事態の場合における使用のために個人データを格納するメモリコンポーネントと、
該個人データのうちの少なくとも一部を、緊急事態の発生と関連付けられる公衆安全応答地点(PSAP)に伝送するように構成された伝送コンポーネントと
を備えている、システム。
【請求項18】
前記メモリコンポーネントは、ネットワークのコンポーネントであり、前記伝送コンポーネントは、車両に設置される、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記メモリコンポーネントは、ハンドヘルドモバイルデバイスと車両とのうちの1つの中のコンポーネントであり、前記伝送コンポーネントは、該車両に設置されている、請求項17に記載のシステム。
【請求項20】
車両に設置されたワイヤレスデバイスは、該車両が特定の閾値を上回る激しさを有する緊急事態に巻き込まれたときに、該車両に設置された該ワイヤレスデバイスを直接的に介して、またはハンドヘルドモバイルデバイスを介して前記PSAPへの個人データの少なくとも一部の伝送を促進する、請求項17に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−71828(P2009−71828A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−234067(P2008−234067)
【出願日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(500043574)リサーチ イン モーション リミテッド (531)
【氏名又は名称原語表記】Research In Motion Limited
【住所又は居所原語表記】295 Phillip Street, Waterloo, Ontario N2L 3W8 Canada
【Fターム(参考)】