説明

個人用電子機器の3次元情報取得及び表示システム

本発明に係る個人用電子機器の3次元(3D)情報取得/表示システムは、様々な機能を有する2つのデジタルカメラを備える。2つのデジタルカメラは、3次元情報を取得し、この3次元情報は、オートステレオスコープディスプレイに表示される。また、明瞭且つ容易な使用感を得るために、2つのデジタルカメラは、ユーザに対し、正しい角度で適切な画像を投写することの補助となる目追跡装置としても機能する。また、2つのデジタルカメラは、正しい深さでのオートフォーカスを補助する機能も有する。各個人用電子機器は、取得された3次元データを保存し、送信し、表示できる。

【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本出願は、2004年3月18日に出願された米国仮出願番号第60/554,673号、発明の名称「個人用電子機器の3次元情報取得及び表示システム(Three-Dimensional Acquisition and Visualization System for Personal Electronic Devices)」について、米国特許法第119条(e)項に基づく優先権を主張する。2004年3月18日に出願された米国仮出願番号第60/554,673号、発明の名称「個人用電子機器の3次元情報取得及び表示システム」は、引用により本願に援用される。
【技術分野】
【0002】
本発明は、3次元(3D)画像の分野に関する。詳しくは、本発明は、3D取得及び表示のための個人用電子機器に関連する。
【背景技術】
【0003】
3次元表示技術は、1世紀以上に亘って研究されているが、主に、平均的なユーザにとって複雑で、高コストであるため、未だに一般的には普及していない。液晶表示装置(Liquid Crystal Display:LCD)及びプラズマスクリーンは、伝統的な陰極線管(Cathode Ray Tube:CRT)モニタ及びテレビジョン受像機より、3次元画像の表示に適しており、家電業界及びコンピュータ業界の両方で注目されている。3次元システムは、技術的な好奇心から進歩し、現在、娯楽、宣伝及び科学的応用のための実用的な取得及び表示システムになっている。これらの興味に後押しされて、多くのハードウェア及びソフトウェア開発企業が、協働して3D製品を開発している。
【0004】
近年、NTTドコモグループ(NTT DoCoMo)は、初めて、3次元画像を表示できるカラー画面を搭載したシャープ株式会社製の携帯電話機、ムーバSH251iSを発表した。ユーザは、単一のデジタルカメラで2次元(2D)画像を撮影し、編集システムを用いて、この画像を3D画像に変換する。同様の機能を有する他の電話機に3次元画像を送信すると、受信者は、3次元画像を見ることができる。オートステレオスコープ方式(眼鏡不要立体画像表示方式)では、特別な眼鏡なしで、3D画像を見ることができる。しかしながら、この技術には、多くの問題がある。良好な3次元画像を見るためには、ユーザは、電話機の真正面から、目を約1ft離して画面を見る必要がある。ユーザが少しでも動くと、ユーザは、画像の焦点を失う。更に、2次元画像しか撮影できないカメラを1台使用し、この画像を3D編集器で編集しているだけなので、画像は、人工的に3次元画像に変換されている。したがって、画像の品質にも問題がある。
【0005】
2D画像から立体画像を生成する1つの方法は、リチャーズ(Richards)に付与された米国特許番号第6,477,267号に開示されており、ここでは、元の画像において、少なくとも1つのオブジェクトを特定し、この1つ以上のオブジェクトの輪郭を描画し、各オブジェクトについて、深さ特性(depth characteristic)を定義し、これに応じて、画像の選択された領域を置換する。なお、上述のように、2次元画像を3次元画像に変換する場合、多くの問題が生じ、このうち、変換の結果として得られる3次元画像の品質の問題が特に重要である。
【0006】
ガートナー(Gartner)他に付与された米国特許番号第6,664,531号には、1つのカメラで2次元画像を捕捉するのではなく、オブジェクトの視差を観察する2つのカメラを用いて画像の対を捕捉することができる構成が開示されている。左眼がこの立体画像の対の一方の画像を見ている間、右眼は、他方の画像を見る。人間の脳は、画像のこの対を容易に併合することができ、これにより、オブジェクトは、3次元画像に見える。
【0007】
モンゴメリ(Montgomery)他に付与された米国特許番号第6,512,892号には、2つのカメラで3次元画像を取得する他の具体例が開示されている。ここでは、3Dカメラは、少なくとも2つの平行な可動検出ヘッドを備える。
【0008】
NTTドコモグループの製品に関連して説明したように、ユーザは、3次元画像を見ている間、動くことができず、ユーザが動くと、焦点が失われる。画像がマルチ画像表示(multi-image display)として表現されることがこのような問題の理由の1つである。マルチ画像表示では、異なる画像を単一のディスプレイにインタリーブする。マルチ画像表示の最も単純な実現例は、左右の画像のシーケンスを繰り返すことである。各連続する画像の間の距離は、65mmであり、これは、観察者の目の間の平均距離に等しい。ここで、観察者が33mm以上右又は左に移動すると、観察者には、逆の3次元画像が見える。逆の3次元画像は、不快であり、しばらくこの画像を見ていると、頭痛等の苦痛が生じることもある。
【0009】
なお、65mm離間された多くの画像を用いることによって、マルチ画像表示を改良できる。多くの画像を用いることにより、観察者が頭を左右に動かしても、観察者には正しい画像が見える。但し、この技術には更なる問題がある。まず、必要なカメラの数が増加する。例えば、4つの視点を設定するためには、4つのカメラが必要である。また、ここでは、複数の画像の対を繰り返しているだけなので、逆の3次元画像が見える位置が単に少なくなっているだけで、逆の3次元画像が見える位置が完全になくなるわけではない。逆の画像の問題は、繰り返される対の間にヌルフィールド又は黒フィールドを挿入することによって解決できる。黒フィールドを用いる手法は、3D画像が逆に見える問題を解決するが、この場合、画像が3D画像に見えない位置が生じる。更に、必要な黒フィールドの数は、使用されるカメラの数に反比例し、すなわち、黒フィールドの数を少なくするには、より多くのカメラを用いなくてはならない。このように、マルチ画像表示には、観察者が3次元体験を楽しむために解決しなければならない多くの問題がある。
【0010】
現在、3次元画像を表示できる様々な表示装置がある。第1の種類の表示装置は、観察者の目に近接して保持されるレンズ、プリズム又は鏡を必要とし、この種類の表示装置は、眼鏡類を必要としない装置に比べて不便である。第2の種類の表示装置は、レンチキュラ方式(lenticular system)を採用する表示装置である。レンチキュラ方式では、高解像度の画像が望まれる場合、製品に用いられる精密要素が多くなるため、高品質の画像を表示する場合、製造が比較的困難で高価になる。更に、レンチキュラ方式で表示される画像の解像度は、通常、レンズのアレイが取り付けられるディスプレイ装置で実現できる解像度より低い。更に、レンチキュラ方式は、コンピュータディスプレイ及びテレビジョン受像機等の表示システムには適さず、したがって、広く普及していない。
【0011】
第3の種類の3次元画像表示装置は、3D表示のためのパララックスバリアを含む。このシステムは、表示又は投写される画像に対して、様々な相対的位置に配設された不明瞭なセクションの間に分散して配置された透明なセクションからなるグリッドを有し、画像は、左の画像に由来する領域(最終的に、観察者の左眼のみに見える)と、右の画像に由来する領域(最終的に、観察者の右眼だけに見える)とが混在する画像であり、1つ以上のグリッドは、右の画像の領域を左眼から隠し、左の画像の領域を右眼から隠し、適切な画像に由来する領域を表示するディスプレイの部分は、両目で見ることができる。このようなシステムでディスプレイの約半分は、画像を全く表示しない。クラインバーガー(Kleinberger)他に付与された米国特許番号第6,252,707号には、眼鏡を使用することなく、フルカラー、平面画像、双眼立体画像を表示及び投写するシステムを含む第4の種類の表示システムが開示されている。ここでは、偏光層及び光回転手段(light rotating means)又は色フィルタの様々な組合せを用いて、左右の目に適切な左右の画像を表示する。
【0012】
マルチ画像表示に関して説明した問題を解決するための1つの可能なオプションとして、追跡システムがある。リチャーズ(Richards)に付与された米国特許番号第6,163,336号には、追跡システムを有するオートステレオスコープディスプレイシステムが開示されている。この文献には、観察者の位置を検出し、ディスプレイ装置に対し、観察者の正しい位置に対応するように表示画像の位置を移動させる追跡システムが開示されている。
【0013】
他の問題として、近年のデジタルカメラに用いられている、被写体の高周波成分の測定に基づき、この測定値が最大に達するまで、フォーカス設定を変更する受動オートフォーカスシステムに関連する問題がある。このような手法は、反応が遅く、失敗することも多い。ダハティー(Dougherty)に付与された米国特許番号第6,616,347号には、オートフォーカスの周知の技術として、デュアルカメラシステムが開示されているが、これらは全て、嵩張り、高コストで、重いという問題がある。更に、2つのカメラからの画像の部分を並べることは難しい。スゼリスキ(szeliski)他に付与された米国特許番号第6,611,268号には、少なくとも一方のカメラが、シーンの深さマップを推定するビデオカメラである2つのビデオカメラを用いる手法が開示されている。
【0014】
更に、ツリス(Tullis)に付与された米国特許番号第6,535,243号に開示されいてるように、多くの無線ハンドヘルドデジタルカメラが存在するが、このような無線機器は、3D能力を欠いている。したがって、このような可能性を更に探る必要性がある。
【0015】
また、これまで、3次元画像の投写技術も開発されているが、これらの技術は、更に進歩させる必要がある。クラインバーガー(Kleinberger)他に付与された米国特許番号第6,252,707号には、特別な眼鏡類を必要とすることなく、スクリーンに3次元画像を投写する2つのプロジェクタを含む3Dプロジェクタシステムが開示されている。これらのプロジェクタは、映写機、テレビジョンプロジェクタ、コンピュータ駆動投写装置、スライド映写機又はこれらに類する装置であり、したがって、これらのプロジェクタの寸法はかなり大きい。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明に係る個人用電子機器の3次元(3D)情報取得/表示システムは、様々な機能を有する2つのデジタルカメラを備える。2つのデジタルカメラは、3次元情報を取得し、この3次元情報は、オートステレオスコープディスプレイ(眼鏡不要立体画像表示装置)に表示される。また、明瞭且つ容易な使用感を得るために、2つのデジタルカメラは、ユーザに対し、正しい角度で適切な画像を投写することの補助となる目追跡装置としても機能する。また、2つのデジタルカメラは、正しい深さでのオートフォーカスを補助する機能も有する。各個人用電子機器は、取得された3次元データを保存し、送信し、表示できる。
【0017】
一側面として、3次元情報を取得して表示する3次元情報取得/表示システムは、電子機器と、電子機器に接続され、オートフォーカスを行い、3次元情報を取得する複数のデジタルカメラと、電子機器に接続され、3次元情報を表示するディスプレイとを備える。電子機器は、携帯情報端末装置、カメラ付き携帯電話機、ラップトップコンピュータ、デジタルカメラ、ビデオカメラ及び電子腕時計のいずれかであってもよい。3次元情報は、一組の画像を含んでいてもよい。デジタルカメラは、3次元情報を取得するための1つ以上の電荷結合素子センサを備えていてもよい。オートフォーカスは、光学的三角測量(optical triangulation)、距離測定(range finding)及び光パターンワーピング(light pattern warping)のいずれかの演算に基づいて行うことができる。3次元情報は、圧縮、フォーマッティング、解像度向上及び色強調を含む処理によって処理してもよい。3次元情報は、ローカルメモリにステレオフォーマット(立体フォーマット)で保存され、このステレオフォーマットは、上下フォーマット(above-below)、インタレースフォーマット(line-alternate)、サイドバイサイド(2画像並列)、サイバースコープ(cyberscope)、スカッシュドサイドバイサイド(squashed side-by-side)、JPSステレオスコープJPEG(JPS stereoscopic JPEG)の1つ以上であってもよい。複数のデジタルカメラは、3次元情報を表示している間、観察者の頭及び目の1つ以上を追跡する。更に、3次元情報を表示している間、複数のデジタルカメラは、1つ以上の赤外線レーザを用いて、観察者の頭及び目の1つ以上を追跡してもよい。なお、3次元情報取得/表示システムは、3次元情報を表示している間、観察者の頭及び目の1つ以上を追跡するために、1つ以上の赤外線レーザを用いなくてもよい。3次元情報は、補助器具なしで見ることができる。これに代えて、補助器具を用いて3次元情報を見るようにしてもよい。一実施の形態では、ディスプレイは、2次元情報を表示する。更に他の実施の形態では、ディスプレイは、投写型表示装置である。3次元情報取得/表示システムは、1つ以上の他の機器と通信し、3次元情報を送受信する通信インタフェースを更に備えていてもよい。通信インタフェースは、無線通信を行ってもよい。3次元情報取得/表示システムは、更に、電子機器に接続され、電子機器を制御する制御インタフェースを備えていてもよい。
【0018】
他の側面においては、3次元情報を取得して表示する3次元情報取得/表示システムは、電子機器と、電子機器に接続され、3次元情報を取得する複数のデジタルカメラと、電子機器に接続され、3次元情報を表示するディスプレイとを備え、複数のデジタルカメラは、観察者の頭及び目の1つ以上を追跡し、観察者の頭及び又は目の1つ以上に基づいて、3次元情報を調整して表示する。電子機器は、携帯情報端末装置、カメラ付き携帯電話機、ラップトップコンピュータ、デジタルカメラ、ビデオカメラ及び電子腕時計のいずれかであってもよい。3次元情報は、一組の画像を含んでいてもよい。デジタルカメラは、3次元情報を取得するための1つ以上の電荷結合素子センサを備えていてもよい。複数のカメラは、オートフォーカスに利用される。オートフォーカスは、光学的三角測量、距離測定及び光パターンワーピングのいずれかの演算に基づいて行われる。3次元情報は、圧縮、フォーマッティング、解像度向上及び色強調を含む処理によって処理される。3次元情報は、ローカルメモリにステレオフォーマットで保存され、このステレオフォーマットは、上下フォーマット、インタレースフォーマット、サイドバイサイド(2画像並列)、サイバースコープ、スカッシュドサイドバイサイド、JPSステレオスコープJPEGの1つ以上である。3次元情報を表示している間、1つ以上の赤外線レーザを用いて、観察者の頭及び目の1つ以上を追跡してもよい。なお、3次元情報取得/表示システムは、3次元情報を表示している間、観察者の頭及び目の1つ以上を追跡するために、1つ以上の赤外線レーザを用いなくてもよい。3次元情報は、補助器具なしで見ることができる。これに代えて、補助器具を用いて3次元情報を見るようにしてもよい。一実施の形態では、ディスプレイは、2次元情報を表示する。更に他の実施の形態では、ディスプレイは、投写型表示装置である。3次元情報取得/表示システムは、1つ以上の他の機器と通信し、3次元情報を送受信する通信インタフェースを更に備えていてもよい。通信インタフェースは、無線通信を行ってもよい。3次元情報取得/表示システムは、更に、電子機器に接続され、電子機器を制御する制御インタフェースを備えていてもよい。
【0019】
更に他の側面においては、3次元情報を取得して表示する3次元情報取得/表示システムは、電子機器と、電子機器に接続され、オートフォーカスを行い、3次元情報を取得する複数のデジタルカメラと、3次元情報をステレオフォーマットで保存するローカルメモリと、電子機器に接続され、3次元情報を表示するオートステレオスコープディスプレイと、観察者の頭及び目の1つ以上を追跡し、観察者の頭及び又は目の1つ以上に基づいて、3次元情報を調整して表示する複数のデジタルカメラと、1つ以上の他の機器と通信し、3次元情報を送受信する通信インタフェースと、電子機器に接続され、電子機器を制御する制御インタフェースとを備える。電子機器は、携帯情報端末装置、カメラ付き携帯電話機、ラップトップコンピュータ、デジタルカメラ、ビデオカメラ及び電子腕時計のいずれかであってもよい。3次元情報は、一組の画像を含んでいてもよい。デジタルカメラは、3次元情報を取得するための1つ以上の電荷結合素子センサを備えていてもよい。オートフォーカスは、光学的三角測量(optical triangulation)、距離測定(range finding)及び光パターンワーピング(light pattern warping)のいずれかの演算に基づいて行うことができる。3次元情報は、圧縮、フォーマッティング、解像度向上及び色強調を含む処理によって処理してもよい。ステレオフォーマットは、上下フォーマット(above-below)、インタレースフォーマット(line-alternate)、サイドバイサイド(2画像並列)、サイバースコープ(cyberscope)、スカッシュドサイドバイサイド(squashed side-by-side)、JPSステレオスコープJPEG(JPS stereoscopic JPEG)の1つ以上であってもよい。3次元情報を表示している間、1つ以上の赤外線レーザを用いて、観察者の頭及び目の1つ以上を追跡してもよい。なお、3次元情報取得/表示システムは、3次元情報を表示している間、観察者の頭及び目の1つ以上を追跡するために、1つ以上の赤外線レーザを用いなくてもよい。また、ディスプレイは、投写型表示装置であってもよい。通信インタフェースは、無線通信を行ってもよい。
【0020】
他の側面として、3次元情報を取得して表示する3次元情報取得/表示方法は、電子機器に接続された複数のデジタルカメラを用いて、オートフォーカスを行うステップと、複数のデジタルカメラを用いて3次元情報を取得するステップと、ディスプレイを用いて3次元情報を表示するステップとを有する。電子機器は、携帯情報端末装置、カメラ付き携帯電話機、ラップトップコンピュータ、デジタルカメラ、ビデオカメラ及び電子腕時計のいずれかであってもよい。3次元情報は、一組の画像を含んでいてもよい。デジタルカメラは、3次元情報を取得するための1つ以上の電荷結合素子センサを備えていてもよい。オートフォーカスは、光学的三角測量(optical triangulation)、距離測定(range finding)及び光パターンワーピング(light pattern warping)のいずれかの演算に基づいて行うことができる。3次元情報取得/表示方法は、更に、圧縮、フォーマッティング、解像度向上及び色強調を含む処理によって3次元情報を処理するステップを有していてもよい。更に、3次元情報取得/表示方法は、3次元情報をローカルメモリにステレオフォーマットで保存するステップを有していてもよく、このステレオフォーマットは、上下フォーマット、インタレースフォーマット、サイドバイサイド(2画像並列)、サイバースコープ、スカッシュドサイドバイサイド、JPSステレオスコープJPEGの1つ以上であってもよい。3次元情報取得/表示方法は、更に、複数のデジタルカメラを用いて、3次元情報を表示している間、観察者の頭及び目の1つ以上を追跡するステップを有していてもよい。なお、3次元情報取得/表示方法は、3次元情報を表示している間、観察者の頭及び目の1つ以上を追跡するために、1つ以上の赤外線レーザを用いなくてもよい。また、ディスプレイは、投写型表示装置であってもよい。3次元情報取得/表示方法は、更に、通信インタフェースを用いて、1つ以上の他の機器と通信し、3次元情報を送受信するステップを有していてもよい。通信インタフェースは、無線通信を行ってもよい。
【0021】
更に他の実施の形態においては、3次元情報を取得して表示する3次元情報取得/表示方法は、電子機器に接続された複数のデジタルカメラを用いて、オートフォーカスを行うステップと、複数のデジタルカメラを用いて3次元情報を取得するステップと、複数のデジタルカメラを用いて、観察者の頭及び目の1つ以上を追跡するステップと、ディスプレイを用いて3次元情報を表示するステップと、観察者の頭及び又は目の1つ以上に基づいて、上記3次元情報を調整して表示するステップと、通信インタフェースを用いて、1つ以上の他の機器と通信し、3次元情報を送受信するステップとを有する。電子機器は、携帯情報端末装置、カメラ付き携帯電話機、ラップトップコンピュータ、デジタルカメラ、ビデオカメラ及び電子腕時計のいずれかであってもよい。3次元情報は、一組の画像を含んでいてもよい。デジタルカメラは、3次元情報を取得するための1つ以上の電荷結合素子センサを備えていてもよい。オートフォーカスは、光学的三角測量(optical triangulation)、距離測定(range finding)及び光パターンワーピング(light pattern warping)のいずれかの演算に基づいて行うことができる。3次元情報取得/表示方法は、更に、圧縮、フォーマッティング、解像度向上及び色強調を含む処理によって3次元情報を処理するステップを有していてもよい。更に、3次元情報取得/表示方法は、3次元情報をローカルメモリにステレオフォーマットで保存するステップを有していてもよく、このステレオフォーマットは、上下フォーマット、インタレースフォーマット、サイドバイサイド(2画像並列)、サイバースコープ、スカッシュドサイドバイサイド、JPSステレオスコープJPEGの1つ以上であってもよい。3次元情報取得/表示方法は、更に、複数のデジタルカメラを用いて、3次元情報を表示している間、観察者の頭及び目の1つ以上を追跡するステップを有していてもよい。なお、3次元情報取得/表示方法は、3次元情報を表示している間、観察者の頭及び目の1つ以上を追跡するために、1つ以上の赤外線レーザを用いなくてもよい。また、ディスプレイは、投写型表示装置であってもよい。通信インタフェースは、無線通信を行ってもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
3次元情報を取得して表示する3次元情報取得/表示システムの実施の形態は、以下に限定されるものではないが、ラップトップコンピュータ、PDA、カメラ付き携帯電話機、デジタルカメラ、ビデオカメラ及び電子腕時計等の個人用電子機器において実現される。
【0023】
図1は、一実施の形態における3次元(3D)情報取得及び表示システムの内部の構成を示している。電子機器100は、システムに適切な機能を保証するために必要な複数のコンポーネントを備えている。一実施の形態では、電子機器は、ラップトップコンピュータ、PDA、カメラ付き携帯電話機、デジタルカメラ、ビデオカメラ又は電子腕時計を含む多くの異なる機器の1つ以上である。第1のデジタルカメラ102と第2のデジタルカメラ104とは、実質的に互いに平行に配設され、オートフォーカス処理、3D情報の取得、及び3D表示の目追跡を実行するために利用される。第1のデジタルカメラ102及び第2のデジタルカメラ104が画像を取得した後、プロセッサ106は、ハードウェア又はソフトウェアを介して、3D情報を処理する。この処理には、圧縮、フォーマッティング及び最終的なローカルメモリ108への格納が含まれる。送信機110は、他の1つ以上の電子機器に3D情報を送信する。受信機112は、他の電子機器から3D情報を受信する。電子機器100は、保存された3D情報を他の機器に送信するだけではなく、保存された3D情報を表示するディスプレイ116を備える。ディスプレイ116は、3D情報を表示する際、第1のデジタルカメラ102及び第2のデジタルカメラ104を用いて、観察者の目を追跡する目追跡機能を有する。また、ディスプレイ116は、3D情報を表示するために1つ以上の様々な適切で使用可能な3Dディスプレイ技術を含む。制御インタフェース114によって、観察者は、設定及び他の機能を含む電子機器100の幾つかの動作を制御することができる。電源118は、電子機器100に電力を供給する。電子機器100内の3D情報取得/表示システムの構成要素の組合せにより、オートフォーカスを行い、3D情報を取得し、3D情報を表示する際に観察者の目を追跡し、他の機器に3D情報を送信し、3D情報を表示することができる。
【0024】
図2は、3D情報取得/表示システムが実行する処理のフローチャートを示している。ステップ202において、第1のデジタルカメラ102及び第2のデジタルカメラ104を用いて、光学的三角測量によって、所望のオブジェクトにオートフォーカスを行う。ステップ204において、第1のデジタルカメラ102及び第2のデジタルカメラ104は、3Dのオブジェクトを含む3D情報であるビデオ又は画像を取得する。3D情報を取得すると、プロセッサ106は、ステップ206において、3D情報を処理し、3D情報を圧縮して、フォーマットする。その後、ステップ208において、3D情報をローカルメモリ108に保存する。3D情報は、保存された後、ステップ209において、観察者に表示することができ、この場合、ステップ210において、目追跡を行っても行わなくてもよい。目追跡のために、第1のデジタルカメラ102及び第2のデジタルカメラ104は、観察者の目を検出し、3D情報が適切に見えるように適切な角度で観察者に表示されるようにする。また、3D情報は、ステップ214において、互換性がある機器に送信してもよい。この送信は、有線、無線、赤外線、高周波、セルラ及び衛星通信を含む適切な如何なる接続を介して行ってもよい。そして、互換性がある受信側の機器の観察者は、互換性がある機器の構成に応じて、3D情報を見ることができる。ステップ216では、互換性がある機器が目追跡に基づく3D表示に対応している場合、観察者は、上述した3D情報取得/表示システムを含む機器での表示と同様に、3D情報を見ることができる。なお、ステップ218は、眼鏡は不要であるが、目追跡に対応していない代替の3D表示処理を示しており、一方、ステップ220は、眼鏡が必要な3D表示処理を示している。また、互換性がある機器が2D表示のみにしか対応していない場合、観察者には、ステップ222において、2次元画像のみが表示される。互換性がある機器は、ソフトウェアを用いて、3D情報を2次元画像に変換する。また、電子機器100は、ステップ212において、他の互換性がある機器から3D情報を受信することもできる。電子機器100は、3D情報を送信する機能と同様に、表示のために、2D情報又は3D情報を受信する機能を有する。電子機器100が受信機112を介して情報を受信すると、電子機器100は、必要に応じて情報を処理し、ローカルメモリ108に保存し、最終的に、3D表示の目追跡を用いて、この情報を観察者に表示する。
【0025】
図3は、3D情報取得/表示システムのオートフォーカスシステムを図式的に示している。一実施の形態では、個人用電子機器用の3D情報取得/表示システムは、第1のデジタルカメラ102及び第2のデジタルカメラ104を用いて、オートフォーカスを実行する。このシステムは、第1のデジタルカメラ102及び第2のデジタルカメラ104を用いて、オブジェクトの3D形状、色及び深さを測定する。第1のデジタルカメラ102は、第1のレンズ302と第1の電荷結合素子(charged-coupled device:CCD)308とを備え、第2のデジタルカメラ104は、第2のレンズ304と第2のCCD310とを備える。周知のとおり、CCDセンサにより、ユーザは、デジタルカメラで写真を撮影することができる。デジタルカメラのメカニカルシャッタが開口すると、CCDセンサは、レンズを介して光に曝される。CCDセンサは、光を電荷に変換し、次に、電荷を信号に変換する。この信号は、デジタル化され、メモリに保存される。そして、取得された情報は、例えば、電子機器のLCD等に表示される。一実施の形態では、光学的三角測量を用いて、第1のデジタルカメラ102及び第2のデジタルカメラ104の焦点を正しい深さに合わせる。光学的三角測量は、第1のデジタルカメラ102及び第2のデジタルカメラ104から取得されたピクチャの点P306の画像の照合を含む。第1のデジタルカメラ102と第2のデジタルカメラ104とは、電子機器100に並列に接続されている。深さマップは、通常、2次元アレイであり、深さ測定値を保存するために用いられる。x成分及びy成分は、符号化され、z成分は、各点に対応する深さの測定値である。ピンホールカメラの場合、深さ(z)は、以下の式に基づいて算出される。
z=b*f/(X’−X’)
ここで、fは、焦点距離であり、bは、2つのデジタルカメラの中心間の距離であり、X’は、第1の画像平面であり、X’は、第2の画像平面である。この計算は、電子機器100の内部のハードウェア及びソフトウェアによって自動的に実行され、電子機器100は、非常に正確にオートフォーカスを行う。
【0026】
デジタルカメラが焦点を合わせると、第1のデジタルカメラ102及び第2のデジタルカメラ104が電子機器100に接続されているため、3次元情報を容易に取得できる。ユーザが通常通り写真を撮影すると、第1のデジタルカメラ102及び第2のデジタルカメラ104は、僅かに異なる角度から、それぞれ3D情報を収集し、これにより、立体画像を生成する。更に、デジタルカメラは、非常に接近して配設されているので、従来のステレオカメラにおける問題の大部分を回避することができる。
【0027】
3D情報の取得の変形例では、レーザがオブジェクトに反射すると、受信機が、反射したビームが戻るまでの時間を算出する適切なサイズのレーザ距離計を電子機器100に接続して用いる。距離計は、第1のデジタルカメラ102及び第2のデジタルカメラ104が正しいデータを取得するための正しい距離におけるオートフォーカスに役に立つ。
【0028】
3D情報の取得の他の変形例では、光のパターンをオブジェクトに投写する。このパターンは、グリッド、ストライプ又は楕円のパターンを含んでいてもよい。そして、光パターンの歪み(warp)からオブジェクトの形状を推定する(光パターンワーピング)。そして、第1のデジタルカメラ102の位置、第2のデジタルカメラ104の位置及び歪みに基づいて深さを算出する。
【0029】
取得された3D情報は、処理され、電子機器100のローカルメモリ108に保存される。この処理は、圧縮と、フォーマッティングと、解像度向上と、色強調とを含む。次に、3D情報は、上下フォーマット、インタレースフォーマット、サイドバイサイド(2画像並列)、サイバースコープ、スカッシュドサイドバイサイド、JPSステレオスコープJPEG等を含むステレオフォーマットで保存される。
【0030】
3D情報を見る観察者に対し、目追跡システムを用いて、3D情報の焦点を合わせ、3D表示状態を常に維持する。ここでは、目追跡システムを実現するために、第1のデジタルカメラ102及び第2のデジタルカメラ104を利用する。目追跡の具体例では、観察者の目からの逆反射効果(retroreflectivity effect)を最大化するために、LED光源をデジタルカメラレンズの光軸にできるだけ近付け、第1のデジタルカメラ102及び第2のデジタルカメラ104のレンズを取り囲む赤外線LEDを利用する。目の反射率及び顔の反射率の間の差分により、目が白になり、顔が黒になるため、目の位置を十分に判定することができる。なお、周囲光が強すぎる場合、又は観察者が眼鏡を掛けている場合等には、問題が生じるが、これらの場合、差分解析技術を用いて、望ましくない反射又は過剰な照明の問題を解決することができる。これに代えて、デジタルカメラは、赤外線LEDを用いず、観察者の画像を分析及び比較して、観察者の目の位置を判定してもよい。第1のデジタルカメラ102及び第2のデジタルカメラ104は、観察者の目の位置を判定した後、観察者がディスプレイ116を見る間、この目の位置を追跡し続ける。ディスプレイ116の上の画像は、観察者が3次元画像を見続けることができるように、必要に応じて回転及び/又は移動される。
【0031】
観察者の追跡の変形例として、観察者の頭を追跡し、次に、観察者の目の位置を推定してもよい。この場合、システムは、観察者の頭の輪郭に関する情報を取得し、次に、観察者の目がどこに位置しているかを予測する。頭追跡には、様々な技術を用いることができる。画像解析は、通常、既知の背景又は一貫して、制御された周囲光を必要とする。赤外線LEDは、第1のデジタルカメラ102及び第2のデジタルカメラ104のレンズの周囲に配設され、背景及び観察者に向けて光を出射する。ここでは、複雑な光レベル制御の必要性がなく、このため、CCDカメラを用いることができる。カメラのアパーチャは、露出する背景が完全に白く見え、観察者が黒く見えるように調整される。次に、電子機器内のソフトウェアを用いて、観察者の輪郭を判定し、目の位置を推定する。これに代えて、この処理は、逆反射スクリーンを用いることなく、赤外線のストライプ及びこのストライプの歪みを用いて、観察者の頭の位置を算出してもよい。これに代えて、赤外線LEDを用いないシステムにおいて、デジタルカメラは、観察者の画像を解析及び比較して、観察者の頭及び目の位置を判定してもよい。
【0032】
頭追跡の変形例として、音響的距離測定を行い、三角測量を用いて、観察者の頭の位置を検出してもよい。電子機器100が備える超音波変換器を用いて、パルスを送信し、パルスからの反響を受信してもよい。この場合、パルスの送信時から反響の受信時までの遅延を測定し、三角測量によりオブジェクトまでの距離を測定できる。この処理は、何度も繰り返され、観察者の頭及び目の位置の推定を継続的に実行する。
【0033】
他の変形例では、複数の観察者の目を追跡し、複数のプロジェクタを用いて、観察者の目に3D情報を表示し、3D情報を適切な位置に向ける。
【0034】
電子機器が3D情報を表示する技術には、多くの異なるオプションがある。3Dオートステレオスコープディスプレイ又は2Dディスプレイとして用いられるディスプレイ116の一具体例では、パララックスバリア方式を利用する。パララックスバリアは、画素平面から所定の距離だけ離間したスリットのアレイを含む。ウィンドウに亘る強度分布は、詳細な画素構造の畳み込み及びウィンドウプレーンの強度を変化させるスリットのアパーチャを介する近視野回折としてモデル化される。更に、パララックスバリアは、高い精度でLCDに揃える必要がある。パララックスバリアは、2D及び3Dの間の変換を実現するために、透明に形成してもよい。
【0035】
変形例では、レンチキュラ要素を用いて、3D情報を表示する。レンチキュラ要素は、通常、LCD等の2Dディスプレイに対して垂直に配設されたシリンドリカルレンズである。シリンドリカルレンズは、画素からの散光を方向付け、これにより、ディスプレイの正面から限定された角度からのみ画素が見えるようになる。これにより、異なる画素をそれぞれ左眼又は右眼の視野角のみから見えるようにする。レンチキュラ要素の前方には、2D/3D切換散光器が配設され、これにより、観察者は、2D表示及び3D表示を切り換えることができる。2D/3D切換散光器をオフにすると、光が散乱し、光がレンチキュラレンズに到達しなくなり、これにより、通常の2Dディスプレイと同様に画像が表示される。
【0036】
他の変形例では、垂直に配設されたマイクロプリズムのアレイをパララックス要素として用いて、左右の画像を垂直に列毎にインタレースし、マイクロプリズムによって、2つのビューウィンドに向ける。
【0037】
他の変形例では、一連の積層されたマイクロ偏光子要素を用いて、切換可能なパララックスバリアを構成する。マイクロ偏光子要素は、一般的なパララックス問題を回避するために、LCD要素内に組み込まれる。
【0038】
他の変形例として、例えば、色付き眼鏡、分光眼鏡又は切換眼鏡等の補助器具(viewing aid)を用いて、オートステレオスコープディスプレイではないステレオスコープディスプレイの3D情報を見るようにしてもよい。
【0039】
他の変形例では、偏光によって左眼及び右眼の立体像を分離し、それぞれの目に適切な画像を向けるビームスプリッタを用いる。
【0040】
図4a及び図4bは、3D情報取得/表示システムにおいて、電子機器100から互換性がある受信機器400に3D情報を送信する処理を図式的に示している。電子機器100は、3D情報を表示する機能に加えて、互換性がある受信機器400に、3D情報を無線で送信する機能を有する。更に、電子機器100は、互換性がある受信機器400から、同様に3D情報を受け取ることもできる。ここでは、伝送方式として、ブルートゥース(Bluetooth:商標)402、又は機器から機器への直接伝送のための同様の無線技術402を採用してもよい。他の種類の無線伝送として、電子機器100をインターネット410に接続し、3D情報をサーバに供給し、互換性がある受信機器400が、3D情報を無線でダウンロードできるようにしてもよい。上述したように、電子機器100は、送信機110及び受信機112を備える。送信機110及び受信機112は、電子機器100のプロセッサ106、ローカルメモリ108及びディスプレイ116に/からデータを転送できるように接続される。送信機110は、赤外線伝送機能又は無線伝送機能を有していてもよい。互換性ある受信機器400は、同様のコンポーネントを有している必要があるが、互換性がある受信機器400は、必ずしもオートステレオスコープに対応する機器ではなくてもよい。互換性がある受信機器400は、オートステレオスコープ機器、ステレオスコープ機器又は単なる2D機器であってもよい。もちろん、機器に応じて、画像の特徴の全てを見るために、例えば、専用の眼鏡等の更なるハードウェアを必要とていもよい。2D機器の場合、3次元画像は、単に2次元画像として表示される。変形例として、3D情報を無線ではなく、例えば、イーサネット(登録商標)ケーブル、IEEE1394準拠ケーブル又はUSBケーブル等のケーブルを介して伝送してもよい。
【0041】
本発明の変形例では、3D情報をスクリーンに投写して表示する。この場合、電子機器100は、ディスプレイ116に3D情報を表示することに加えて、3D情報をスクリーンに投写し、上述のように、専用の眼鏡を使用することによって、3D画像が見られるようになる。
【0042】
3D情報を取得し及び立体画像を表示する上述した特徴の全てに加えて、電子機器100は、生来的な特徴の全てを有する。例えば、電子機器100がステレオスコープ機能を有するPDAである場合、ユーザは、情報を保存し、スケジュールを設定する等、従来と同様にこのPDAを使用することができる。同様に、電子機器100がカメラ付き携帯電話機の場合、電子機器100は、ステレオスコープ機能に加えて、電話機としても機能する。3D情報取得/表示システムは、ステレオスコープ機能を追加することによって、電子機器100の機能を高める。
【0043】
実際の動作では、電子機器100は、以下に限定されるものではないが、ラップトップコンピュータ、PDA、カメラ付き携帯電話機、デジタルカメラ、ビデオカメラ及び電子腕時計等の基本的な機器の追加的機能として、実質的にデジタルカメラと同様に使用される。ユーザは、3D写真を撮影し、3D情報を取得するために、電子機器100の電源をオンにする。次に、ユーザは、電子機器100の第1のデジタルカメラ102及び第2のデジタルカメラ104を所望のオブジェクトに向ける。そして、ユーザは、第1のデジタルカメラ102及び第2のデジタルカメラ104に接続された撮影ボタンを押し、写真を撮影する。写真を撮影する前に、ユーザが第1のデジタルカメラ102及び第2のデジタルカメラ104を所望のオブジェクトに向けると、第1のデジタルカメラ102及び第2のデジタルカメラ104のオートフォーカスシステムは、オブジェクトの適切な深さに自動的に焦点を合わせ、これにより、可能な限り最も明瞭な写真が撮影される。第1のデジタルカメラ102及び第2のデジタルカメラ104は、三角測量によってオブジェクトの深さを測定し、速やか且つ明瞭にオブジェクトに焦点を合わせる。第1のデジタルカメラ102は、第1の角度から情報を取得し、第2のデジタルカメラ104は、第1の角度から僅かにオフセットした第2の角度から情報を取得する。プロセッサ106は、内部のソフトウェアを用いて、各カメラからの個別の情報を処理し、一組の3D情報を生成する。ユーザは、写真を撮影した後、ディスプレイ116に3D情報を表示させてもよく、互換性がある受信機器400に3D情報を送信してもよく、又は3D情報をスクリーンに投写してもよい。電子機器100上で3D情報を見る場合、第1のデジタルカメラ102及び第2のデジタルカメラ104は、ユーザの目、頭又はこれらの両方を追跡する。ユーザは、自由に動きながら、3D情報への焦点を失うことなく、ディスプレイ116に表示された3D情報を見ることができる。ディスプレイ116は、3D情報を表示するために、1つ以上の適切で利用可能な3Dディスプレイ技術を用いる。互換性がある受信機器400に3D情報を送信する場合、電子機器100は、互換性がある受信機器400と通信するために必要な機能を有する。更に、ユーザは、以下に限定されるものではないが、例えば、一組の押しボタン、タッチスクリーン、回転ノブ等の入力装置を用いて、電子機器100を操作して、3D情報を送信する。更に、ユーザは、3D情報を外部のスクリーンに投写してもよく、この場合、3D情報を見るために、補助器具を用いてもよい。3D情報を投写する場合、外部のスクリーン上に3D情報を明瞭に表示できるように、外部のスクリーンから適切な距離にある位置に電子機器100を固定する。例えば、プロジェクタ用映写スクリーンから5ft離れた位置にあるテーブル上に電子機器100を置き、観察者が分光3D眼鏡を装着して、投写された3D情報を見るようにしてもよい。
【0044】
本発明の構成及び動作原理を明瞭に説明するために、様々な詳細を含む特定の実施例を用いて本発明を説明した。このような特定の実施例の説明及びその詳細は、特許請求の範囲を制限するものではない。添付の特許請求の範囲において定義されている本発明の主旨及び範囲から逸脱することなく、例示的に選択された実施例を変更できることは、当業者にとって明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】3D情報取得/表示システムの実施の形態におけるコンポーネントの内部の構成を示す図である。
【図2】3D情報取得/表示システムが実行する処理のフローチャートである。
【図3】3D情報取得/表示システムのオートフォーカスシステムを図式的に示す図である。
【図4A】3D情報取得/表示システムにおいて、電子機器から互換性がある受信機器に3D情報を送信する処理を図式的に示す図である。
【図4B】3D情報取得/表示システムにおいて、電子機器から、インターネットを介して、互換性がある受信機器に3D情報を送信する処理を図式的に示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
3次元情報を取得して表示する3次元情報取得/表示システムにおいて、
a.電子機器と、
b.上記電子機器に接続され、オートフォーカスを行い、3次元情報を取得する複数のデジタルカメラと、
c.上記電子機器に接続され、上記3次元情報を表示するディスプレイとを備える3次元情報取得/表示システム。
【請求項2】
上記電子機器は、携帯情報端末装置、カメラ付き携帯電話機、ラップトップコンピュータ、デジタルカメラ、ビデオカメラ及び電子腕時計のいずれかであることを特徴とする請求項1記載の3次元情報取得/表示システム。
【請求項3】
上記3次元情報は、一組の画像を含むことを特徴とする請求項1記載の3次元情報取得/表示システム。
【請求項4】
上記デジタルカメラは、3次元情報を取得するための1つ以上の電荷結合素子センサを備えることを特徴とする請求項1記載の3次元情報取得/表示システム。
【請求項5】
上記オートフォーカスは、光学的三角測量、距離測定及び光パターンワーピングのいずれかの演算に基づいて行われることを特徴とする請求項1記載の3次元情報取得/表示システム。
【請求項6】
上記3次元情報は、圧縮、フォーマッティング、解像度向上及び色強調を含む処理によって処理されることを特徴とする請求項1記載の3次元情報取得/表示システム。
【請求項7】
上記3次元情報は、ローカルメモリにステレオフォーマットで保存されることを特徴とする請求項1記載の3次元情報取得/表示システム。
【請求項8】
上記ステレオフォーマットは、上下フォーマット、インタレースフォーマット、サイドバイサイド(2画像並列)、サイバースコープ、スカッシュドサイドバイサイド、JPSステレオスコープJPEGの1つ以上であることを特徴とする請求項7記載の3次元情報取得/表示システム。
【請求項9】
上記複数のデジタルカメラは、上記3次元情報を表示している間、観察者の頭及び目の1つ以上を追跡することを特徴とする請求項1記載の3次元情報取得/表示システム。
【請求項10】
上記3次元情報を表示している間、上記複数のデジタルカメラは、1つ以上の赤外線レーザを用いて、観察者の頭及び目の1つ以上を追跡することを特徴とする請求項9記載の3次元情報取得/表示システム。
【請求項11】
上記ディスプレイは、投写型表示装置であることを特徴とする請求項1記載の3次元情報取得/表示システム。
【請求項12】
上記ディスプレイは、2次元情報を表示することを特徴とする請求項1記載の3次元情報取得/表示システム。
【請求項13】
上記3次元情報は、補助器具なしで見ることができることを特徴とする請求項1記載の3次元情報取得/表示システム。
【請求項14】
上記補助器具は、3次元情報を見るために必要な補助器具であることを特徴とする請求項1記載の3次元情報取得/表示システム。
【請求項15】
1つ以上の他の機器と通信し、上記3次元情報を送受信する通信インタフェースを更に備える請求項1記載の3次元情報取得/表示システム。
【請求項16】
上記通信インタフェースは、無線通信を行うことを特徴とする請求項15記載の3次元情報取得/表示システム。
【請求項17】
上記電子機器に接続され、該電子機器を制御する制御インタフェースを更に備える請求項1記載の3次元情報取得/表示システム。
【請求項18】
3次元情報を取得して表示する3次元情報取得/表示システムにおいて、
a.電子機器と、
b.上記電子機器に接続され、3次元情報を取得する複数のデジタルカメラと、
c.上記電子機器に接続され、上記3次元情報を表示するディスプレイとを備え、
上記複数のデジタルカメラは、観察者の頭及び目の1つ以上を追跡し、該観察者の頭及び又は目の1つ以上に基づいて、上記3次元情報を調整して表示する3次元情報取得/表示システム。
【請求項19】
上記電子機器は、携帯情報端末装置、カメラ付き携帯電話機、ラップトップコンピュータ、デジタルカメラ、ビデオカメラ及び電子腕時計のいずれかであることを特徴とする請求項18記載の3次元情報取得/表示システム。
【請求項20】
上記3次元情報は、一組の画像を含むことを特徴とする請求項18記載の3次元情報取得/表示システム。
【請求項21】
上記デジタルカメラは、3次元情報を取得するための1つ以上の電荷結合素子センサを備えることを特徴とする請求項18記載の3次元情報取得/表示システム。
【請求項22】
上記複数のカメラは、オートフォーカスに利用されることを特徴とする請求項18記載の3次元情報取得/表示システム。
【請求項23】
上記オートフォーカスは、光学的三角測量、距離測定及び光パターンワーピングのいずれかの演算に基づいて行われることを特徴とする請求項22記載の3次元情報取得/表示システム。
【請求項24】
上記3次元情報は、圧縮、フォーマッティング、解像度向上及び色強調を含む処理によって処理されることを特徴とする請求項18記載の3次元情報取得/表示システム。
【請求項25】
上記3次元情報は、ローカルメモリにステレオフォーマットで保存されることを特徴とする請求項18記載の3次元情報取得/表示システム。
【請求項26】
上記ステレオフォーマットは、上下フォーマット、インタレースフォーマット、サイドバイサイド(2画像並列)、サイバースコープ、スカッシュドサイドバイサイド、JPSステレオスコープJPEGの1つ以上であることを特徴とする請求項25記載の3次元情報取得/表示システム。
【請求項27】
上記複数のデジタルカメラは、上記3次元情報を表示している間、1つ以上の赤外線レーザを用いて、観察者の頭及び目の1つ以上を追跡することを特徴とする請求項18記載の3次元情報取得/表示システム。
【請求項28】
上記ディスプレイは、投写型表示装置であることを特徴とする請求項18記載の3次元情報取得/表示システム。
【請求項29】
上記ディスプレイは、2次元情報を表示することを特徴とする請求項18記載の3次元情報取得/表示システム。
【請求項30】
上記3次元情報は、補助器具なしで見ることができることを特徴とする請求項18記載の3次元情報取得/表示システム。
【請求項31】
上記補助器具は、3次元情報を見るために必要な補助器具であることを特徴とする請求項18記載の3次元情報取得/表示システム。
【請求項32】
1つ以上の他の機器と通信し、上記3次元情報を送受信する通信インタフェースを更に備える請求項18記載の3次元情報取得/表示システム。
【請求項33】
上記通信インタフェースは、無線通信を行うことを特徴とする請求項32記載の3次元情報取得/表示システム。
【請求項34】
上記電子機器に接続され、該電子機器を制御する制御インタフェースを更に備える請求項18記載の3次元情報取得/表示システム。
【請求項35】
3次元情報を取得して表示する3次元情報取得/表示システムにおいて、
a.電子機器と、
b.上記電子機器に接続され、オートフォーカスを行い、3次元情報を取得する複数のデジタルカメラと、
c.上記3次元情報をステレオフォーマットで保存するローカルメモリと、
d.電子機器に接続され、3次元情報を表示するオートステレオスコープディスプレイと、観察者の頭及び目の1つ以上を追跡し、該観察者の頭及び又は目の1つ以上に基づいて、上記3次元情報を調整して表示する複数のデジタルカメラと、
e.1つ以上の他の機器と通信し、上記3次元情報を送受信する通信インタフェースと、
f.上記電子機器に接続され、該電子機器を制御する制御インタフェースとを備える3次元情報取得/表示システム。
【請求項36】
上記電子機器は、携帯情報端末装置、カメラ付き携帯電話機、ラップトップコンピュータ、デジタルカメラ、ビデオカメラ及び電子腕時計のいずれかであることを特徴とする請求項35記載の3次元情報取得/表示システム。
【請求項37】
上記3次元情報は、一組の画像を含むことを特徴とする請求項35記載の3次元情報取得/表示システム。
【請求項38】
上記デジタルカメラは、3次元情報を取得するための1つ以上の電荷結合素子センサを備えることを特徴とする請求項35記載の3次元情報取得/表示システム。
【請求項39】
上記オートフォーカスは、光学的三角測量、距離測定及び光パターンワーピングのいずれかの演算に基づいて行われることを特徴とする請求項35記載の3次元情報取得/表示システム。
【請求項40】
上記3次元情報は、圧縮、フォーマッティング、解像度向上及び色強調を含む処理によって処理されることを特徴とする請求項35記載の3次元情報取得/表示システム。
【請求項41】
上記ステレオフォーマットは、上下フォーマット、インタレースフォーマット、サイドバイサイド(2画像並列)、サイバースコープ、スカッシュドサイドバイサイド、JPSステレオスコープJPEGの1つ以上であることを特徴とする請求項35記載の3次元情報取得/表示システム。
【請求項42】
上記複数のデジタルカメラは、上記3次元情報を表示している間、1つ以上の赤外線レーザを用いて、観察者の頭及び目の1つ以上を追跡することを特徴とする請求項35記載の3次元情報取得/表示システム。
【請求項43】
上記ディスプレイは、投写型表示装置であることを特徴とする請求項35記載の3次元情報取得/表示システム。
【請求項44】
上記通信インタフェースは、無線通信を行うことを特徴とする請求項35記載の3次元情報取得/表示システム。
【請求項45】
3次元情報を取得して表示する3次元情報取得/表示方法において、
a.電子機器に接続された複数のデジタルカメラを用いて、オートフォーカスを行うステップと、
b.上記複数のデジタルカメラを用いて3次元情報を取得するステップと、
c.ディスプレイを用いて3次元情報を表示するステップとを有する3次元情報取得/表示方法。
【請求項46】
上記電子機器は、携帯情報端末装置、カメラ付き携帯電話機、ラップトップコンピュータ、デジタルカメラ、ビデオカメラ及び電子腕時計のいずれかであることを特徴とする請求項45記載の3次元情報取得/表示方法。
【請求項47】
上記3次元情報は、一組の画像を含むことを特徴とする請求項45記載の3次元情報取得/表示方法。
【請求項48】
上記デジタルカメラは、3次元情報を取得するための1つ以上の電荷結合素子センサを備えることを特徴とする請求項45記載の3次元情報取得/表示方法。
【請求項49】
上記オートフォーカスは、光学的三角測量、距離測定及び光パターンワーピングのいずれかの演算に基づいて行われることを特徴とする請求項45記載の3次元情報取得/表示方法。
【請求項50】
圧縮、フォーマッティング、解像度向上及び色強調を含む処理によって上記3次元情報を処理するステップを更に有する請求項45記載の3次元情報取得/表示方法。
【請求項51】
上記3次元情報をローカルメモリにステレオフォーマットで保存するステップを更に有する請求項45記載の3次元情報取得/表示方法。
【請求項52】
上記ステレオフォーマットは、上下フォーマット、インタレースフォーマット、サイドバイサイド(2画像並列)、サイバースコープ、スカッシュドサイドバイサイド、JPSステレオスコープJPEGの1つ以上であることを特徴とする請求項51記載の3次元情報取得/表示方法。
【請求項53】
上記複数のデジタルカメラを用いて、3次元情報を表示している間、観察者の頭及び目の1つ以上を追跡するステップを更に有する請求項45記載の3次元情報取得/表示方法。
【請求項54】
上記3次元情報を表示している間、1つ以上の赤外線レーザを有する上記複数のデジタルカメラを用いて、観察者の頭及び目の1つ以上を追跡するステップを更に有する請求項53記載の3次元情報取得/表示方法。
【請求項55】
上記ディスプレイは、投写型表示装置であることを特徴とする請求項45記載の3次元情報取得/表示方法。
【請求項56】
通信インタフェースを用いて、1つ以上の他の機器と通信し、上記3次元情報を送受信するステップを更に有する請求項45記載の3次元情報取得/表示方法。
【請求項57】
上記通信インタフェースは、無線通信を行うことを特徴とする請求項56記載の3次元情報取得/表示方法。
【請求項58】
3次元情報を取得して表示する3次元情報取得/表示方法において、
a.電子機器に接続された複数のデジタルカメラを用いて、オートフォーカスを行うステップと、
b.上記複数のデジタルカメラを用いて3次元情報を取得するステップと、
c.上記複数のデジタルカメラを用いて、観察者の頭及び目の1つ以上を追跡するステップと、
d.ディスプレイを用いて3次元情報を表示するステップと、
e.上記観察者の頭及び又は目の1つ以上に基づいて、上記3次元情報を調整して表示するステップと、
f.通信インタフェースを用いて、1つ以上の他の機器と通信し、上記3次元情報を送受信するステップとを有する3次元情報取得/表示方法。
【請求項59】
上記電子機器は、携帯情報端末装置、カメラ付き携帯電話機、ラップトップコンピュータ、デジタルカメラ、ビデオカメラ及び電子腕時計のいずれかであることを特徴とする請求項58記載の3次元情報取得/表示方法。
【請求項60】
上記3次元情報は、一組の画像を含むことを特徴とする請求項58記載の3次元情報取得/表示方法。
【請求項61】
上記デジタルカメラは、3次元情報を取得するための1つ以上の電荷結合素子センサを備えることを特徴とする請求項58記載の3次元情報取得/表示方法。
【請求項62】
上記オートフォーカスは、光学的三角測量、距離測定及び光パターンワーピングのいずれかの演算に基づいて行われることを特徴とする請求項58記載の3次元情報取得/表示方法。
【請求項63】
上記3次元情報は、圧縮、フォーマッティング、解像度向上及び色強調を含む処理によって処理されることを特徴とする請求項58記載の3次元情報取得/表示方法。
【請求項64】
上記3次元情報をステレオフォーマットでローカルメモリに保存するステップを更に有する請求項58記載の3次元情報取得/表示方法。
【請求項65】
上記ステレオフォーマットは、上下フォーマット、インタレースフォーマット、サイドバイサイド(2画像並列)、サイバースコープ、スカッシュドサイドバイサイド、JPSステレオスコープJPEGの1つ以上であることを特徴とする請求項64記載の3次元情報取得/表示方法。
【請求項66】
上記3次元情報を表示している間、1つ以上の赤外線レーザを有する上記複数のデジタルカメラを用いて、観察者の頭及び目の1つ以上を追跡するステップを更に有する請求項58記載の3次元情報取得/表示方法。
【請求項67】
上記ディスプレイは、投写型表示装置であることを特徴とする請求項58記載の3次元情報取得/表示方法。
【請求項68】
上記通信インタフェースは、無線通信を行うことを特徴とする請求項58記載の3次元情報取得/表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【公表番号】特表2007−529960(P2007−529960A)
【公表日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−504031(P2007−504031)
【出願日】平成17年3月14日(2005.3.14)
【国際出願番号】PCT/US2005/008588
【国際公開番号】WO2005/091650
【国際公開日】平成17年9月29日(2005.9.29)
【出願人】(593181638)ソニー エレクトロニクス インク (371)
【Fターム(参考)】