説明

充電ポート用カバーの配設構造

【課題】充電ガンを充電口に挿入して充電を施す際におけるいたずらを防止する充電ポート用カバーの配設構造を提供する。
【解決手段】充電ポート用開口部17に通常充電口21を設けた充電ポート15と、充電ポート用開口部17を覆うと共に開閉可能なリッド7と、リッド7を開いた状態で充電ポート用開口部17とリッド7との開放部分を覆うように取り付けられる充電ポート用カバー35と、を備える充電ポート用カバーの配設構造である。充電ポート用カバー35は、装着状態において、リッド7の前側の開放部分18を覆う前面部37と、リッド7の側方の開放部分16,16を覆う側面部41と、を備え、側面部41の内側に、充電ポート15の内部への侵入を阻止する遮蔽部55を設けている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば電気自動車等の充電ポートに充電時に取り付ける充電ポート用カバーの配設構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、電気自動車やいわゆるハイブリッドカーにおいては、車載バッテリーを充電するために充電ポートが配設されている。この充電ポートは、車載バッテリーに接続された充電口と、該充電口を覆う開閉可能なリッドとを備えている。そして、前記リッドを開き、充電口に充電ガン(パドル)を挿入して充電を行う(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−318004号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来の充電ポートでは、充電中はリッドが開いたままであるため、充電ガンを抜く等のいたずらを防止することが困難であった。
【0005】
そこで、本発明は、充電ガンを充電口に挿入して充電を施す際におけるいたずらを防止する充電ポート用カバーの配設構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る充電ポート用カバーの配設構造は、充電ポート用開口部に充電口を設けた充電ポートと、前記充電ポート用開口部を覆う開閉可能なリッドと、充電時において前記リッドを開いた状態で前記充電ポート用開口部とリッドとの開放部分を覆うように取り付けられる充電ポート用カバーと、を備える充電ポート用カバーの配設構造である。前記充電ポート用カバーは、装着状態において、リッドの前側の開放部分を覆う前面部と、リッドの側方の開放部分を覆う側面部と、を備え、前記側面部の内側に、前記充電ポートの内部への侵入を阻止する遮蔽部を設けている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、充電時にリッドを開いて充電ポート用カバーを装着した状態において、充電ポート用カバーの周縁の隙間から充電ポートの内部に手や工具等を挿入することを効率的に抑制することができる。また、前記遮蔽部によって、充電ポート用カバーの側面部の剛性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施形態による車両前端部の充電ポートを示す斜視図であり、リッドが開いた状態を示している。
【図2】図1のリッドに、本発明に係る充電ポート用カバーを装着する状態を示す側面図である。
【図3】リッドに充電ポート用カバーを装着して閉じた状態を示す斜視図である。
【図4】図3のリッド近傍を車両斜め後方から見た斜視図である。
【図5】本発明の実施形態による充電ポート用カバーを上方斜め前方から見た斜視図である。
【図6】本発明の実施形態による充電ポート用カバーを斜め後方から見た斜視図である。
【図7】充電ポート用カバーの側面部の内側を示す拡大斜視図である。
【図8】充電ポート用カバーの屈曲部における断面図である。
【図9】側面部を折り畳んだ充電ポート用カバーを後方から見た斜視図である。
【図10】充電ポート用カバーにおけるリッドおよび車体側との係合機構を示す斜視図である。
【図11】充電ポート用カバーを組み付けたリッドを閉じる状態を示す断面図である。
【図12】本発明の実施形態による隙間封鎖部材を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を図面と共に詳述する。なお、以下の実施形態では電気自動車を一例とするが、いわゆるハイブリッド車にも本発明は適用可能である。
【0010】
図1〜図4に示すように、車両前端には車幅方向に沿ってバンパー1が配設されており、該バンパー1の後方側には、モータールームを上から覆うフード3が配設されている。このフード3の前端の車幅方向中央部には、左右両側に設けたリッド側ヒンジ5を介して上下方向(前後方向)に開閉可能なリッド7が設けられている。前記リッド7は、平面視で略台形状に形成されており、後縁9の長さは前縁11の長さよりも長く形成され、側縁13,13は前方に向かうにつれて車幅方向内側に向けて斜めに沿って形成されている。
【0011】
また、図1に示すように、バンパー1における車幅方向中央部の前端部には、充電ポート15が配設されている。前記リッド7は、バンパー1における車幅方向中央部の上端に形成された充電ポート用開口部17を封鎖する部材である。また、充電ポート用開口部17の奥には、車両右側(向かって左側)に急速充電口19が配置され、車両左側(向かって右側)には通常充電口21が配置されている。なお、図1では、通常充電口21に充電ガン30が挿入されている状態を示している。急速充電口19を用いれば短時間で充電が完了するが、通常充電口21を用いると充電が完了するまで長時間かかる。リッド7の裏面には、断面L字状の取付ブラケット23,23が左右一対に締結され、それぞれの取付ブラケット23,23に後述するレール部材25,25が取り付けられている。具体的には、取付ブラケット23の一部23aが凸状に屈曲してリッド7の裏面との間に間隙が形成されている。この間隙に後述の隙間封鎖部材27が挿入されて保持されている。なお、取付ブラケット23,23には、リッド側ヒンジ5,5の上端が締結されている。さらに、リッド7の前端部の車幅方向中央部には、下方(リッド7の裏面側)に向けて突出するリッド側ストライカー29が設けられており、充電ポート用開口部17の底面31には、車幅方向中央部の前端に、前後方向に細長く延在するストライカー挿通口33が形成されている。前記リッド側ストライカー29は、側面視でU字状に形成され、リッド7を閉じると、リッド側ストライカー29はストライカー挿通口33に挿入されたのち、車体側ロック装置34(図11参照)に係合される。
【0012】
また、図3〜図4に示すように、リッド7に充電ポート用カバー35を装着して閉じた状態では、充電ポート用開口部17における、前記リッド側ヒンジ5(図1参照)の軸線方向に対向する両側方と、前記リッド側ヒンジ5の前方とが充電ポート用カバー35によって覆われる。なお、図1に示すように、リッド7を開いた状態では、リッド7の前側には前方の開放部分18が画成され、リッド7の両側方には、開放部分16,16が画成される。また、図4に示すように、充電ポート用カバー35を装着したリッド7の後縁9とフード3の前端3aとの間には、上下方向に隙間が形成されるが、リッド7に設けた隙間封鎖部材27によって、この隙間から充電ポート用開口部17の内部へ手や工具などを挿入することを阻止している。なお、図2は、充電ポート用カバー35を装着したリッド7が全開した状態を示しており、図3に示すように、リッド7に充電ポート用カバー35を装着した状態で充電ポート用カバー35のカバー側ストライカー51を車体側のロックに係合したとき、リッド7は全開状態と全閉状態との間に位置する状態になっている。
【0013】
次に、本実施形態による充電ポート用カバー35を説明する。
【0014】
図5,6に示すように、充電ポート用カバー35は、平面視で略コ字状に形成されており、車両への装着状態における前側に配置された前面部37と、該前面部37の左右両端から後方に屈曲する屈曲部39,39と、該屈曲部39,39とは別体に構成され、屈曲部39の後端から後方に延びる左右一対の側面部41,41と、を備えている。前面部37における車両左側には、下端から上方に延びる縦長の充電ケーブル用切欠き43が形成されており、車幅方向中央部の裏面には、裏面側(後方)に向けて突出する壁状のロック機構部45が形成されている。前記充電ケーブル用切欠き43には、通常充電時において充電ガン30(図1参照)に接続されたケーブルが挿通される。車両右側の裏面には、リッド7に設けられたリッド側ストライカー29とロック機構部45との係合を解除可能なロック解除レバー47が配設されている。即ち、充電ケーブル用切欠き43とロック解除レバー47とは、ロック機構部45を挟んで互いに反対側に配設されている。また、ロック機構部45の上端には、リッド側ストライカー29が挿通可能なストライカー挿通溝49が形成され、下端には、側面視略コ字状のカバー側ストライカー51が下方に向けて突出している。
【0015】
さらに、図5に示すように、充電ポート用カバー35の前記屈曲部39における後端は、側面部41が屈曲部39に対して内側に折れ曲がる分割部53となっている。なお、図6に示すように、充電ポート用カバー35のストライカー挿通溝49とカバー側ストライカー51とは、充電ポート用カバー35の装着状態において、リッド7の開閉軌跡に沿った上下方向に配置されている。また、側面部41は屈曲部39に対して側面部側ヒンジ42を介して回動可能に構成されている。
【0016】
また、図6,7に示すように、側面部41の内側には、遮蔽部55が内側(裏面側)に向けて突出して形成されている。この遮蔽部55は、図4にも示すように、リッド後縁9の左右両端の角部に形成される隙間から手や工具などを侵入させないために設けられている。また、遮蔽部55の内側端部は、リッド7に取り付けられたレール部材25(図1参照)の溝57に挿入および係合が可能な係合部59であり、この係合部59の先端に係止突起61が形成されている。これらの遮蔽部55、係合部59、および係止突起61は、側面部41に一体に形成されている。なお、図7に示すように、係止突起61は、レール部材25の先端に形成した係止孔63に係止可能に構成されている。
【0017】
充電ポート用カバー35における前面部37、屈曲部39および側面部41にかけて、図5に示すように上部と下部に前後方向に沿って稜線65が形成されている。即ち、図8に示すように、例えば屈曲部39においては、上端面67および下端面69は、断面が弧状に形成されており、上端面67と下端面69との間の中間面71は、上端面67と下端面69とを弧状に結ぶ二点鎖線73に対して内側に凹んだ凹部75に形成されている。
【0018】
また、図6に示すように、ロック機構部45の頂面は、側面部41の先端に形成された当接部77が当たるストッパ面79に形成されている。即ち、図9に示すように、左右の側面部41,41を完全に閉じた状態においては、側面部41の当接面77がロック機構部45のストッパ面79に当接し、閉じた状態の側面部41の位置が保持される。
【0019】
また、図10に示すように、リッド側ストライカー29は、リッド7の裏面に取り付けられる支持プレート81と該支持プレート81から下方に突出する側面視U字状のストライカー本体83とからなる。そして、充電ポート用カバー35のロック機構部45には、ロック解除レバー47に連動して回動する係止部材85が回動可能に支持されている。係止部材85の下端部は、ピン87を介して回動可能に支持されており、係止部材85の上端部は、先端が屈曲した鈎部89に形成されている。なお、係止部材85は、ピン87に設けてある図示しないねじりコイルスプリングによって、鈎部89が図10のようにストライカー本体83に係止する方向に押し付けられている。
【0020】
また、ロック解除レバー47のロック機構部45側には、該ロック機構部45に向けて突出するアーム部47aを一体に設けてあり、その先端部に、上下方向を軸心とする図示しない回動支持軸を、ロック機構部45のハウジングに回動可能に支持させている。さらに、前記アーム部47aには、該アーム部47aに対して略直角に前面部37から離れる方向に屈曲する係止部材押圧部47bを一体に設けている。この係止部材押圧部47bの先端は係止部材85に当接している。つまり、前記アーム部47aおよび係止部材押圧部47bを一体に備えるロック解除レバー47は、前記した図示しない回転支持軸を中心として回動可能である。
【0021】
以上より、通常状態では、係止部材85の鈎部89は、リッド側ストライカー29のストライカー本体83に係止されており、ロック解除レバー47を矢印方向(前面部37に向けた方向)に押すと、係止部材押圧部47bが、前記図示しないねじりコイルスプリングに抗して係止部材85を押しつつ回動させ、その結果鈎部89がストライカー本体83から外れることになる。
【0022】
図11に示すように、カバー側ストライカー51は、樹脂製の保持ブラケット91と、該保持ブラケット91に取り付けられた側面視ロ字状のストライカー本体93とからなる。ストライカー本体93は、保持ブラケット91の回動中心52を中心に回動する。ストライカー本体93における前面部側の下側の角部95は、内周側に屈曲して凹んでおり、リッド7に装着した充電ポート用カバー35を閉じるときに、車体側の開口端97に当接するように構成されている。また、保持ブラケット91の前端99は、ロック機構部45の当接部101に当接可能であり、この当接によって保持ブラケット91は、前方側への回動が阻止される一方、後方側への回動が許容されている。従って、カバー側ストライカー51は、矢印に示すように後方側へのみ回動する。
【0023】
そして、図12に示すように、隙間封鎖部材27は弾性を有する板状の樹脂から形成されており、横方向に長く形成された本体部103と該本体部103の左右両端から上方に延びる左右一対の係止部105,105とから一体形成されている。前記本体部103は、両端および中間に配設された一般面107と、これらの一般面107の間に形成された凹面109とからなる。前記凹面109は、一般面107よりもリッド7に装着した状態において奥側(車両後方側)に凹んでいる。向かって左側の凹面109は、急速充電用の充電ガンを急速充電口19に差し込む際に充電ガンの逃げ部となる部位であり、向かって右側の凹面109は、通常充電用の充電ガン30を通常充電口21に差し込む際に充電ガン30の逃げ部となる部位である。なお、係止部105の両端部105aは、前述したように、取付ブラケット23とリッド7の裏面との間隙に嵌合されることによって、隙間封鎖部材27が保持される。
【0024】
次に、車両に搭載した図外のバッテリに対し、充電に長時間を要する通常充電口21を利用して行う充電動作について説明する。まず、リッド7を閉じた状態から車内のロック解除レバーを操作して、リッド側ストライカー29と車体側ロック装置34(図11参照)とのロックを解除することで、図1に示すようにリッド7を全開の開放状態とする。この状態で、充電ガン30を通常充電口21に装着して充電を開始する。
【0025】
そして、充電ガン30を通常充電口21に装着した状態で、図5のように側面部41,41が前面部37に対して開いた状態の充電ポート用カバー35を、図2に示すようにリッド7に装着する。このとき、図6に示す充電ポート用カバー35の係合部59を、図1に示すレール部材25の溝57に挿入して係合させる。なお、この挿入の際には、図6、図10に示したロック解除レバー47を、前面部37の裏面に押し付けるようにして回動させることで、リッド側ストライカー29と係止部材85との係合ロック状態を解除しておく。
【0026】
充電ポート用カバー35の係合部59をレール部材25の溝57に挿入したら、ロック解除レバー47の押し付け動作を解除することで、ロック解除レバー47の先端側の係止部材押圧部47bによる係止部材85への押し付けが解除される。その結果、係止部材85は図外のねじりコイルスプリングによって回動して、図10に示すように鈎部89がストライカー本体83に係止してロックされる。
【0027】
ロック解除レバー47を前面部37の裏面に押し付ける作業は、例えば充電ポート用カバー35の前面部37におけるロック機構部45の両側部分を、下方から両手で掴むようにして行う。そのとき、両手の親指を前面部37の表面側に位置させるとともに、両手の他の4本の指を前面部27の裏面側に位置させて、その裏面側の4本の指のうちの少なくとも1本によって、ロック解除レバー47を押すようにすればよい。このようなロック解除レバー47の解除作業は、前記した表側の親指と裏面側の4本の指により充電ポート用カバー35を単に掴む作業となんら変わることはなく容易にできる。
【0028】
このようにして充電ポート用カバー35をリッド7に対してロックしつつ装着した後は、リッド7を、図3、図4に示すように、充電ポート用カバー35とともに閉じる。充電ポート用カバー35を閉じるときは、カバー側ストライカー51におけるストライカー本体93の角部95が車体側の開口端97に当接する。この当接により、カバー側ストライカー51は、開口端97を避けるようにして図11中の矢印方向に回動中心52を中心として回動しつつストライカー挿通口33に入り込み、車体側ロック装置34に係合してロックされる。
【0029】
これにより充電ポート用カバー35は、図11に示すように、リッド7が全開と全閉との間の例えば半開状態で、リッド7とバンパー3などの車体との間に形成される開放部分16,18を塞いだ状態となる。これにより、長時間充電を行う特に夜間などに、充電ポート用開口部17の内部に対し、いたずらによる手や工具などの侵入を抑えることができる。
【0030】
この際、図4に示すように、充電ポート用カバー35に設けた遮蔽部55が、リッド後縁9の左右両端の角部に形成される隙間から充電ポート用開口部17の内部への手や工具などの侵入を抑える。また、リッド7に設けた隙間封鎖部材27が、リッド7の後縁9とフード前端3aとの間の隙間から充電ポート用開口部17の内部へ手や工具などの挿入を抑える。
【0031】
充電が完了した後は、車内のロック解除レバーを操作して、図11に示す状態の充電ポート用カバー35のカバー側ストライカー51と車体側ロック装置34とのロックを解除し、この状態でリッド7を充電ポート用カバー35とともに開放する。
【0032】
その後は、図2の充電ポート用カバー35のリッド7に対する取付作業とは逆の作業を行って、充電ポート用カバー35をリッド7から取り外す。充電ポート用カバー35を取り外したら、図1に示す充電用のガン30を通常充電口21から引き抜き、通常充電口21に対し図外のキャップで蓋をし、その後リッド7を閉じる。
【0033】
取り外した充電ポート用カバー35は、図5の状態から図9の状態に示すように、側面部41,41を前面部37の裏面に折り畳むようにして重ね合わせる。その際、側面部41,41の先端の当接部77が、ロック機構部45のストッパ面79に当接し、閉じた状態の側面部41の位置が保持される。
【0034】
以下に、本実施形態による作用効果を説明する。
【0035】
(1)バンパー(車体)1に形成された充電ポート用開口部17に通常充電口(充電口)21を設けた充電ポート15と、前記充電ポート用開口部17を覆うと共に車体に対して開閉可能なリッド7と、該リッド7を開いた状態で前記充電ポート用開口部17とリッド7との開放部分を覆うように装着される充電ポート用カバー35と、を備える充電ポート用カバー35の配設構造であり、前記充電ポート用カバー35は、装着状態において、リッド7の前側の開放部分18を覆う前面部37と、リッド7の側方の開放部分16,16を覆う側面部41と、を備え、前記側面部41の内側に、前記充電ポート15の内部への侵入を阻止する遮蔽部55を設けている。
【0036】
従って、前記充電ポート用カバー35を装着したときに、充電ポート用カバー35の周縁の隙間から充電ポート15の内部に手や工具等を挿入することを効率的に抑制することができる。また、前記遮蔽部55によって、充電ポート用カバー35の側面部41の剛性を向上させることができる。
【0037】
なお、リッド7の前側および側方は、車両の前側および側方に限定されない。例えば、リッド7が車体側面に設けられ、リッド7の車両前端側がヒンジを介して回動可能に支持されている場合は、リッド7の車両後端側の開放部分とリッド7の上下の開放部分を充電ポート用カバー35によって覆うように構成される。
【0038】
(2)前記充電ポート用カバー35は、リッド7に設けられたレール部材(ガイド部材)25に係合する係合部59を有すると共に、この係合部59をレール部材25に係合して充電ポート用カバー35はレール部材25にガイドされながらリッド7に装着されるように構成され、前記遮蔽部55は、前記係合部59に一体に形成されている。
【0039】
従って、係合部59の剛性が向上するため、充電ポート用カバー35をリッド7に効率的に取り付けることができる。また、充電ポート用カバー35のリッド7に対する保持剛性を向上させることができる。
【0040】
(3)前記リッド7のレール部材25には、先端に係止孔63が形成され、前記充電ポート用カバー35をリッド7に装着するときに、前記レール部材25の係止孔63に嵌合可能な係止突起61を、前記充電ポート用カバー35の係合部59の先端に形成している。
【0041】
従って、充電ポート用カバー35を装着した状態で、側面部41,41を外側に開く荷重が入力された場合でも、側面部41,41が保持されて破損等を防止することができる。
【符号の説明】
【0042】
1 バンパー(車体)
7 リッド
15 充電ポート
16 側方の開放部分
17 充電ポート用開口部
18 前方の開放部分
21 通常充電口(充電口)
25 レール部材(ガイド部材)
35 充電ポート用カバー
37 前面部
41 側面部
55 遮蔽部
59 係合部
61 係止突起
63 係止孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体に形成された充電ポート用開口部に充電口を設けた充電ポートと、前記充電ポート用開口部を覆うと共に車体に対して開閉可能なリッドと、該リッドを開いた状態で前記充電ポート用開口部とリッドとの開放部分を覆うように装着される充電ポート用カバーと、を備える充電ポート用カバーの配設構造であって、
前記充電ポート用カバーは、装着状態において、リッドの前側の開放部分を覆う前面部と、リッドの側方の開放部分を覆う側面部と、を備え、
前記側面部の内側に、前記充電ポートの内部への侵入を阻止する遮蔽部を設けたことを特徴とする充電ポート用カバーの配設構造。
【請求項2】
前記充電ポート用カバーは、リッドに設けられたガイド部材に係合する係合部を有すると共に、この係合部をガイド部材に係合して充電ポート用カバーはガイド部材にガイドされながらリッドに装着されるように構成され、
前記遮蔽部は、前記係合部に一体に形成されたことを特徴とする請求項1に記載の充電ポート用カバーの配設構造。
【請求項3】
前記リッドのガイド部材には、先端に係止孔が形成され、
前記充電ポート用カバーをリッドに装着するときに、前記ガイド部材の係止孔に嵌合可能な係止突起を、前記充電ポート用カバーの係合部の先端に形成したことを特徴とする請求項2に記載の充電ポート用カバーの配設構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−76607(P2012−76607A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−223849(P2010−223849)
【出願日】平成22年10月1日(2010.10.1)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第3項適用申請有り 平成22年8月27日〜8月29日に、2010年度グッドデザイン賞「グッドデザインエクスポ2010」にて発表
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【出願人】(000119232)株式会社イノアックコーポレーション (1,145)
【Fターム(参考)】