説明

光モジュール

【課題】 光接続する光導波部材同士を90°捩じれた方向に積層配置するのに便利な光学台等、及び光接続する光導波部材同士を90°捩じれた方向に積層配置することにより容易に構築可能な光モジュールを提供する。
【解決手段】 部品延設領域の一方の側縁に沿って複数の位置決めピンを配置し、部品延設領域の他方の側縁に沿って溝を配置し、この溝により複数の並列方向保持部材を位置決めし、光導波部材を、位置決めピンと並列方向保持部材とに挟まれるようにして、部品延設領域に1層以上配置し、光素子アレイを、光素子が部品延設領域に位置するよう係合ピンにより位置決めし、光導波部材と光素子とを光結合させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光学台,光配線基板,光電子配線基板,光電子集積装置,及び光モジュールに関し、特に光導波部材を積層して容易に光モジュールを構築可能な光学台,光配線基板,及び光電子集積装置、並びに光導波部材を積層して容易に構築可能な光モジュールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の光学台は光学定盤からなり、この光学定盤上に、半導体レーザ,フォトダイオード等の光能動素子、光変調器,光スイッチ,光フィルタ,光合分波器,レンズ,ミラー等の光受動素子、光ファイバ、及び光コネクタ等の光部品を固定台を用いて配置することにより光システムを構築していた。この際、光ファイバを固定するには、その上面にU字状の溝やV字状の溝が形成された固定台が用いられていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−6935号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、光コンピュータ等では多数本の光ファイバを並列に密接して配置するよう要請される場合がある。かかる場合、従来の固定台では、光ファイバの数に応じてU字状又はV字状の溝を多数設ける必要があり固定台の構成が複雑になるという問題点があった。
【0005】
また、出願人は先の出願(特開平11−6935)で、結合効率が低いという従来の光ファイバの光接続構造の欠点を改良するものとして、光導波部材同士を双方の側面のレンズ作用を利用して光接続した光接続構造を提案している。
【0006】
この光接続構造は、その中心軸に沿って光が伝搬可能なように屈折率を異ならしめてなる円柱形状の光導波部材の端に45°の傾斜端面を設け、この傾斜端面を設けた光導波部材同士を、双方に垂直な方向から見て、双方の傾斜端面の中心が一致し、双方が90°の角度で交差し、双方の傾斜端面が反対方向を向き、かつ双方が特定の間隔を有するよう配置したもので、このような構成とすることにより、一方の光導波部材の中心軸に沿って進行し、傾斜端面で反射された光ビームは、互いに90°捩じれた位置関係にある2つの光導波部材の側面のレンズ作用により、該光ビームの横断面方向において直交する2方向の成分が収束効果を受ける。このため、両光導波部材の径,及び屈折率を適宜選択することにより上記反射される光ビームをその横断面方向において均等に収束させることができ、さらに両光導波部材の間隔を、他方の光導波部材の傾斜端面が上記反射される光ビームが他方の光導波部材の光が伝搬する部分の径と同じ径となるような位置に位置するよう設定することにより、上記反射される光ビームの全てを他方の光導波部材に伝搬せしめることができる。すなわち、両光導波部材間を結合効率1でもって光接続することが可能となる。そして、この光接続構造を応用することにより、光導波路、光合分波器、光フィルタ等を構築することができる。
【0007】
また、この光接続構造では、両光導波部材のスポットサイズ,径,屈折率を選択することにより、双方が接触した状態で互いの結合効率が1となるようにすることができることから、両光導波部材をそのような構造のものとし、双方を積層して配置するのが便利である。
【0008】
しかるに、従来の光学台で用いるU字状又はV字状の溝を有する固定台では、光導波部材を1方向に1層配置するのには適しているが、この光接続構造のように、光接続する光導波部材同士を90°捩じれた方向に積層するようにして配置するには不便であるという問題があった。
【0009】
本発明は上記のような問題点を解消するためになされたもので、簡単な構成で多数本の光導波部材を密接して並列配置することができる光学台,光配線基板,光電子配線基板,及び光電子集積装置、並びに光導波部材を積層配置することにより容易に構築可能な光モジュールを提供することを目的とする。
【0010】
また、本発明は光接続する光導波部材同士を90°捩じれた方向に積層配置するのに便利な光学台,光配線基板,光電子配線基板,及び光電子集積装置、並びに光接続する光導波部材同士を90°捩じれた方向に積層配置することにより容易に構築可能な光モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の光モジュールは、その表面に部品配設面を有し、該部品配設面上に仮想されある方向に直線的かつ帯状に延びる1以上の第1の部品延設領域を有する基台と、該基台の部品配設面に垂直に突設され、上記1以上の第1の部品延設領域の各々の一方の側縁に沿って複数配置され、かつ少なくとも所定の高さまで一定の径を有するように形成された位置決めピンと、上記1以上の第1の部品延設領域の各々の他方の側縁に沿って配置されたV字状またはU字状の溝と、上記基台の部品配設面に垂直に突設された1以上の係合ピンとを有する光学台と、上記溝により位置決めされ、かつ上記光学台の基台の部品配設面から所定の高さを有するよう配置された1以上の並列方向保持部材と、光を透過可能な材料からなり、その断面が円形で柱形状を有し、その中心軸に沿って光が伝搬可能なように断面方向に屈折率を異ならしめてなる光導波部材と、光の物理量を変化せしめる光素子を二次元方向に1以上配置してなる光素子アレイとを備え、上記光素子アレイは、上記光学台の上記係合ピンにより、光素子が該光学台の一部又は全部の上記第1の部品延設領域に位置するよう位置決めされ、上記光導波部材は、上記光学台の上記光素子が位置する第1の部品延設領域に、1つの部品延設領域の幅方向に同一径のものが丁度整数本並ぶようにして、1層以上配置され、かつ該1層以上配置された部品延設領域の光導波部材が上記光素子と光結合されるように配置されてなるものとしたものである。
【0012】
本発明の光モジュールは、その表面に部品配設面を有し、該部品配設面上に仮想されある方向に直線的かつ帯状に延びる1以上の第1の部品延設領域、及び該第1の部品延設領域に垂直な方向に直線的かつ帯状に延びる1以上の第2の部品延設領域を有する基台と、該基台の部品配設面に垂直に突設され、上記1以上の第1の部品延設領域、及び上記1以上の第2の部品延設領域の各々の一方の側縁に沿って複数配置され、かつ少なくとも所定の高さまで一定の径を有するように形成された位置決めピンと、上記基台の部品配設面に垂直に突設された1以上の係合ピンと、上記1以上の第1の部品延設領域及び/または上記1以上の第2の部品延設領域の各々の他方の側縁に沿って配置されたV字状またはU字状の溝とを備える光学台と、上記溝により位置決めされ、かつ上記光学台の基台の部品配設面から所定の高さを有するよう配置された1以上の並列方向保持部材と、光を透過可能な材料からなり、その断面が円形で柱形状を有し、その中心軸に沿って光が伝搬可能なように断面方向に屈折率を異ならしめてなる光導波部材と、光の物理量を変化せしめる光素子を二次元方向に1以上配置してなる光素子アレイとを備え、上記光素子アレイは、上記光学台の上記係合ピンにより、光素子が1以上の上記第1の部品延設領域又は第2の部品延設領域に位置するよう位置決めされ、上記光導波部材は、上記光学台の上記光素子が位置する部品延設領域に、1つの部品延設領域の幅方向に同一径のものが丁度整数本並ぶようにして、1層以上配置され、かつ該1層以上配置された部品延設領域の光導波部材が上記光素子と光結合されるように配置されてなるものとしたものである。
【0013】
本発明の光モジュールは、上記光モジュールにおいて、上記光学台の上記光素子が位置する部品延設領域に配置される上記光導波部材の一部に代えて、他の光導波部材と同一形状の積層部材を配置したものである。
【発明の効果】
【0014】
以上のように、本発明によれば、基台表面の平坦な部品配設面に、所定の高さまで一定径を有する複数の位置決めピンを、ある方向に直線的かつ帯状に延びる1以上の部品延設領域の各々の両側縁に沿って、それらを幅方向に位置決め可能なように垂直に突設したので、位置決めピンの間隔より長い円柱形状の光導波部材を用い、予め部品延設領域の幅を光導波部材が丁度整数本並ぶように設定しておき、光導波部材を部品延設領域に積層することにより、各導波部材が幅方向及び高さ方向に位置決めされる。このため、簡単な構成で多数本の導波部材を並列に密接してかつ積層して配置することができる。
【0015】
また、本発明によれば、上記発明において、さらに、位置決めピンを、第1の部品延設領域にに垂直な方向に直線的かつ帯状に延びる1以上の部品延設領域の各々の両側縁に沿って、それらを幅方向に位置決め可能なように垂直に突設したので、位置決めピンの間隔より長い円柱形状の光導波部材を用い、予め部品延設領域の幅を光導波部材及び積層部材が丁度整数本並ぶように設定しておき、光導波部材を、方向が異なる部品延設領域に、互いに交差するようにして積層することにより、各導波部材が幅方向及び高さ方向に位置決めされるとともに異なる方向の部品延設領域に配置された導波部材同士が互いに90°捩じれた関係に位置せしめられる。このため、さらに導波部材を45°の傾斜端面を有する特定構造のものとすれば、導波部材を上記のように積層しかつその傾斜端面の長手方向における位置及び周方向における角度を合わせるだけで、互いに異なる方向の部品延設領域に配置される導波部材を、双方の側面のレンズ作用を利用して光結合させることができ、その結果、構造が簡単で、しかも各導波部材の側面のレンズ作用を利用して光接続してなる光接続,光合分波等の機能を有する光回路を容易に構築することが可能な光学台を提供することができる。
【0016】
また、本発明によれば、上記発明において、第1の部品延設領域の幅と第2の部品延設領域の幅との比が整数比であるものとしたので、同一径の導波部材を使用することができ、より容易に光回路を構築することができる。
【0017】
また、本発明によれば、上記発明において、基台の部品配設面に垂直に係合ピンを突設したので、さらに、光素子アレイを、該光素子アレイが係合ピンで位置決めされたとき光素子が部品延設領域に積層された導波部材と光接続可能な所定の位置に位置するように設定しておけば、導波部材を上記のように積層しかつ長手方向に位置合わせするだけで、光素子と導波部材とを光接続することができ、その結果、構造が簡単で、しかも容易に光回路を構築することが可能な光学台を提供することができる。
【0018】
また、本発明によれば、特定構造の円柱形状の光導波部材を、上記光学台の第1の部品延設領域に、1つの層においては1つの部品延設領域の幅方向に同一径のものが丁度整数本並ぶようにして、1層以上積層配置したので、光導波部材を積層することにより、並列に密接してかつ積層して配置された光配線を容易に構築することが可能な光モジュールを提供することができる。
【0019】
また、本発明によれば、特定構造の円柱形状の光導波部材を、上記光学台の第1の部品延設領域及び第2の部品延設領域に、1つの層においては1つの部品延設領域の幅方向に同一径のものが丁度整数本並び、方向の異なる方向の部品延設領域のもの同士が交差し、かつその交差点の一部又は全部で、相接触する2つの光導波部材が双方の側面のレンズ作用を利用して光結合されるように1層以上積層配置したので、光導波部材を45°の傾斜端面を有するものとするとともに、これを長手方向の位置及び周方向の角度を合わせながら積層することにより、光導波部材間の光接続を容易に構築することが可能な光モジュールを提供することができる。
【0020】
また、本発明によれば、光素子が二次元方向に配置された光素子アレイを、上記光学台の係合ピンで光素子が一部又は全部の部品延設領域に位置するよう位置決めし、特定構造の円柱形状の光導波部材を、光素子が位置する部品延設領域に、1つの部品延設領域の幅方向に同一径のものが丁度整数本並び、かつ光導波部材が対応する光素子と光結合するようにして1層以上積層配置したので、光素子アレイを係合ピンと係合させて配置し、光導波部材を長手方向に位置合わせしながら積層することにより容易に光回路を構築することができる光モジュールを提供することができる。
【0021】
また、本発明によれば、光素子が二次元方向に配置された光素子アレイを、上記光学台の複数の位置決めピンで光素子が一部又は全部の第1又は第2の部品延設領域に位置するよう位置決めし、特定構造の円柱形状の光導波部材を、光素子が位置する部品延設領域に、1つの部品延設領域の幅方向に同一径のものが丁度整数本並び、かつ光導波部材が対応する光素子と光結合するようにして1層以上積層したので、光素子アレイを位置決めピンに嵌入する等して配置するとともに、光導波部材を長手方向に位置合わせしながら積層することにより、容易に光回路を構築することができる光モジュールを提供することができる。
【0022】
また、本発明によれば、上記発明において、上記光導波部材を、さらに、第1の部品延設領域及び第2の部品延設領域に、1つの層においては1つの部品延設領域の幅方向に同一径のものが丁度整数本並び、方向の異なる方向の部品延設領域のもの同士が交差し、かつその交差点の一部又は全部で、相接触する2つの光導波部材が双方の側面のレンズ作用を利用して光結合されるように1層以上積層配置したので、さらに光導波部材間の光接続を容易に構築することが可能な光モジュールを提供することができる。
【0023】
また、本発明によれば、上記発明において、光導波部材のうち、他の光導波部材,光素子アレイの光素子,又は光接続ピンと光結合しない光導波部材の一部又は全部を、該光結合しない光導波部材と同一形状の積層部材で構成するようにしたので、光導波部材を節約することができる。
【0024】
また、本発明によれば、少なくともその一部が光導波部材からなる1以上の積層部材を、垂直方向保持手段上に並列に密接して載置して該垂直方向保持手段で互いの中心軸が同一平面内に位置するよう保持するとともに、並列方向保持手段で並列方向に保持し、該並列方向保持手段を、保持する積層部材のうちの一方の側端に位置するものを位置決めピンで保持するように構成したので、簡単な構成で、多数本の光導波部材を並列に密接して配置することが可能な光モジュールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施の形態1による光モジュールを構築するのに用いる光学台の構成を示す外観図であって、上面図(図1(a) )、正面図(図1(b) )、及び右側面図(図1(c) )である。
【図2】他の方法で位置決めピンを配置した光学台の構成を示す外観図であって、上面図(図2(a) )、正面図(図2(b) )、及び右側面図(図2(c) )である。
【図3】本実施の形態1による光モジュールの構成を示す外観図であって、上面図(図3(a) )、正面図(図3(b) )、及び右側面図(図3(c) )である。
【図4】光ファイバ間を双方の側面のレンズ作用を利用して光結合した光導波路の構成を示す図であり、斜視図(図4(a) )、図4(a) のA矢示図(図4(b) )、及び図4(a) のB矢示図(図4(c) )である。
【図5】図4の光導波路の解析モデルを示す模式図である。
【図6】図4の光導波路のパラメータαに対する結合効率ηを示すグラフ図である。
【図7】図4の光導波路のクラッドの屈折率nc に対するパラメータαを示すグラフ図である。
【図8】図4の光導波路のクラッド半径に対する比で表した光ファイバ間隔Dに対するパラメータαを示すグラフ図である。
【図9】光配線をU字状に引き回すことが可能な光導波路の構成を示す図であって、斜視図(図9(a) ),図9(a) のA矢示図(図9(b) ),及び図9(a) のB矢示図(図9(c) )である。
【図10】光ビームを合分波可能な光導波路の構成を示す図であって、斜視図(図10(a) ),図10(a) のA矢示図(図10(b) ),及び図10(a) のB矢示図(図10(c) )である。
【図11】本発明の実施の形態2による光モジュールの構成を示す外観図であって、上面図(図11(a) )、正面図(図11(b) )、及び右側面図(図11(c) )である。
【図12】本発明の実施の形態3による光モジュールの構成を示す外観図であって、上面図(図12(a) )、正面図(図12(b) )、及び右側面図(図12(c) )である。
【図13】本発明の実施の形態4による光モジュールの構成を示す外観図であって、上面図(図13(a) )、正面図(図13(b) )、及び右側面図(図13(c) )である。
【図14】本発明の実施の形態5による光モジュールの構成を示す外観図であって、上面図(図14(a) )、正面図(図14(b) )、及び右側面図(図14(c) )である。
【図15】図14の光モジュールに用いるジャンパ部材の他の構成を示す斜視図である。
【図16】本発明の実施の形態6による光モジュールの構成を示す外観図であって、上面図(図16(a) )、正面図(図16(b) )、及び右側面図(図16(c) )である。
【図17】本発明の実施の形態7による光モジュールの構成を示す外観図であって、上面図(図17(a) )、正面図(図17(b) )、及び右側面図(図17(c) )である。
【図18】本発明の実施の形態8による光モジュールの構成を示す外観図であって、上面図(図18(a) )、正面図(図18(b) )、及び右側面図(図18(c) )である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1による光モジュールを構築するのに用いる光学台の構成を示す外観図であって、図1(a) は上面図、図1(b) は正面図、図1(c)は右側面図である。
【0027】
図において、400は光学台であり、該光学台400は、基台(垂直方向保持手段)201の上面201aに位置決めピン(並列方向保持手段)202が垂直に突設されてなる。
【0028】
位置決めピン202は、所定径の円柱形状を有し、基台の上面201aに左右方向及び前後方向に格子状に複数(図示例では16本)配置されている。位置決めピン202は、十分な強度を有する材質のものであればよく、樹脂,金属等で構成される。
【0029】
基台201は、例えば直方体形状を有し、その上面201aが部品配設面を構成する。基台201は、十分な強度を有する材質のものであればよく、樹脂,金属等で構成される。
【0030】
また、上記格子状に配置された複数の位置決めピン202により、左右方向に延びる位置決めピン群の間に、隣り合う位置決めピン群に接する仮想の帯状領域R1が形成され、前後方向に延びる位置決めピン群の間に、隣り合う位置決めピン群に接する仮想の帯状領域R2が形成されており、この帯状領域R1,及びR2が、それぞれ、第1の部品延設領域,及び第2の部品延設領域を構成する。
【0031】
これら第1,第2の部品延設領域R1,R2は、該第1,第2の部品延設領域R1,R2の両側に2本1対で位置する位置決めピン202の2対により幅方向における位置が定まる(幅方向に位置決めされる)。従って、図1のように位置決めピン202を部品延設領域R1,R2の両側に2本1対で配置する場合には、1方向の部品延設領域を形成するのに最低4本、2方向の部品延設領域を双方が重なるように形成するのに最低4本必要である。
【0032】
また、位置決めピン202の前後方向の間隔(第1の部品延設領域R1の幅)と左右方向の間隔(第2の部品延設領域R2の幅)との比は、例えば3:2に設定されている。
【0033】
この位置決めピン202の間隔は後述するように、第1の部品延設領域R1,及び第2の部品延設領域R2に並べようとする光ファイバ及びそのダミーである積層部材の本数に応じて設定される。また、位置決めピン202は、上記したように部品延設領域R1,R2の両側に2本1対で配置するのではなく、部品延設領域R1,R2の両側に交互に配置してもよい。これを図2に示す。
【0034】
図2は他の方法で位置決めピンを配置した光学台の構成を示す外観図であって、図2(a) は上面図、図2(b) は正面図、図2(c) は右側面図である。
【0035】
図2において、図1と同一符号は同一又は相当する部分を示し、図2では、位置決めピン202が部品配設面201aに千鳥状に配置されている点が図1と異なっているものである。
【0036】
このように位置決めピンを千鳥状に配置する場合には、部品延設領域R1,R2は、該部品延設領域R1,R2の両側に交互に位置する3本の位置決めピン202により幅方向に位置決めされる。従って、このように位置決めピンを部品延設領域R1,R2の両側に交互に配置する場合には、1方向の部品延設領域を形成するのに最低3本、2方向の部品延設領域を双方が重なるように形成するのに最低4本必要である。
【0037】
図3は本実施の形態1による光モジュールの構成を示す外観図であって、図3(a) は上面図、図3(b) は正面図、図3(c) は右側面図である。
【0038】
図において、図1と同一符号は同一又は相当する部分を示し、本実施の形態1による光モジュールは、図1の光学台400と、光ファイバOfと、積層部材Stとで構成される。
【0039】
光ファイバOfは、所定径の円形断面を有するとともに長手方向に一様な構造を有し、中心部にコア1が形成され、該コア1の外側にクラッド2が形成されており、そのスポットサイズ,クラッド2の径,及びクラッド2の屈折率は、後述する特定の条件を満たすような値に設定されている。また光ファイバOfは、中心軸に対し45°傾斜した傾斜端面Fを有しており、かつこの傾斜端面Fはコア1を伝搬する光ビーム対し、全反射条件を満たすようなものとなっている。
【0040】
積層部材Stは、光ファイバOfを位置決めするために該光ファイバOfのダミーとして用いられ、光ファイバOfと同一径の円柱形状を有している。積層部材Stの材質は、特に限定されないが、例えば、光ファイバOfと同様にSiO2 等で構成される。ここで、積層部材Stの代わりに光ファイバOfを用いてももちろん構わない。
【0041】
また、光学台400の位置決めピン202の間隔(各部品延設領域の幅)は、光ファイバOf又は積層部材Stが、それぞれ、第1の部品延設領域R1に丁度3本、第2の部品延設領域R2に丁度2本並ぶように設定されている。ここで、部品延設領域に並べる光ファイバOf又は積層部材Stの本数は、余り多くすると整列することが難しくなるため、1〜40本程度とするのが望ましい。また、光ファイバOfは、例えば、125μm,200μm,250μm,500μm,1mmの径のものが用いられる。また、基台201の大きさは、例えば、5mm角〜数cm角程度とされる。
【0042】
また、各部品延設領域R1,R2の両縁部に配置される光ファイバOf又は積層部材Stは、配置される部品延設領域R1,R2の方向における位置決めピン202の間隔より長いものとする必要がある。
【0043】
そして、後側の第1の部品延設領域R1aに、2本の光ファイバOf及び1本の積層部材Stが、前側の第1の部品延設領域R1bに、3本の積層部材Stがそれぞれ配置され、右側の第2の部品延設領域R2に、2本の光ファイバOfが、上記第1の部品延設領域R1に配置された光ファイバOf及び積層部材St上に、該光ファイバOf及び積層部材Stに交差するようにして配置されている。従って、このように積層配置された光ファイバOf及び積層部材Stは位置決めピン202により部品延設領域R1,R2の幅方向に位置決めされ、自身の積層構造により高さ方向に位置決めされている。ここで、第1の部品延設領域R1に配置された2本の光ファイバOfと第2の部品延設領域R2に配置された2本の光ファイバOfとは、それぞれの1本ずつが1対となり、各対の光ファイバOf同士が、双方の光ファイバOfに垂直な方向(上下方向)から見て、双方の傾斜端面Fの中心が一致し、かつ双方の傾斜端面Fが反対方向を向くように配置されている。
【0044】
そして、このように積層配置された光ファイバOf及び積層部材Stは、接着剤(図示せず)で部分的に覆うようにして基台201に固定されている。
【0045】
次に、光ファイバ間を双方の側面のレンズ作用を利用して光結合した光接続構造の原理を、図4〜図8を用いて説明する。
【0046】
図4は光ファイバ間を双方の側面のレンズ作用を利用して光結合した光導波路の構成を示す図であり、図4(a) は斜視図、図4(b) は図4(a) のA矢示図、図4(c) は図4(a) のB矢示図である。図において、光導波路は、第1の光ファイバOf1と、第2の光ファイバOf2とで構成され、これら第1,第2の光ファイバOf1,Of2は、共に、横断面が円形で中心軸Ax1,Ax2方向に径が一定な線形状を有し、一端に中心軸Ax1,Ax2に対し、45°傾斜した鏡面からなる傾斜端面F1,F2を有し、中心部に所定の径で中心軸方向に延びるように形成されたコア1と該コア1の外側に形成されたクラッド2とで構成されている。
【0047】
そして、第1の光ファイバOf1に対し、第2の光ファイバOf2は、該第2の光ファイバOf2の傾斜端面F2の中心Cp2が、第1の光ファイバOf1の傾斜端面F1の中心Cp1にて該傾斜端面F1の中心軸Ax4を挟むようにして該第1の光ファイバOf1の中心軸Ax1に直交する第1の光ファイバ/第2の光ファイバ直交軸Ax3上に位置し、第2の光ファイバOf2の中心軸Ax2が、該第2の光ファイバOf2の傾斜端面F2の中心軸Ax5を挟むようにして第1の光ファイバ/第2の光ファイバ直交軸Ax3に直交するとともに該第1の光ファイバ/第2の光ファイバ直交軸Ax3方向から見て第1の光ファイバOf1の中心軸Ax1に対し90°の交差角を有し、第1の光ファイバOf1の傾斜端面F1と第2の光ファイバOf2の傾斜端面F2とが、第1の光ファイバ/第2の光ファイバ直交軸Ax3方向から見て互いに反対の方向を向き、かつ、第2の光ファイバOf2と第1の光ファイバOf1との間隔dが後述する特定の値となるように配置されている。
【0048】
第1,第2の光ファイバOf1,Of2は、光を透過可能な材料、すなわち誘電体又は半導体で構成され、例えばSiO2 が用いられる。
【0049】
また、クラッド2の屈折率は、コア1の屈折率より小さくなるようにし、コア1,及びクラッド2の屈折率は、光導波路の周囲の媒質(ここでは空気)の屈折率に対し、第1,第2の光ファイバOf1,Of2の傾斜端面F1,F2における全反射条件を満たすに十分大きな値とされる。
また、第1,第2の光ファイバOf1,Of2の傾斜端面F1,F2を得るには、例えば、まず、仕上がり面粗さの粗い研磨面を有する研磨機を用い、光ファイバの端を研磨面に対し45°傾けて研磨し、次いで、仕上がり面粗さの細かい研磨面を有する研磨機を用いて同様に研磨し、最後に、仕上げの研磨をする。これにより、中心軸に対し45°傾斜した鏡面からなる傾斜端面F1,F2を得ることができる。
【0050】
次に、上記のように構成された光導波路の解析モデルについて説明する。
【0051】
図5は解析モデルを示す模式図である。図示するように、第1の光ファイバOf1と第2の光ファイバOf2とは接触しているものとし、第1の光ファイバOf1に光ビームを入射せしめ、第2の光ファイバOf2から出射せしめるものとする。また、第1の光ファイバOf1の入射ビームの進行方向がx方向、第2の光ファイバOf2の出射ビームの進行方向が−y方向となるよう座標軸を取るものとする。また、説明を簡単にするため、グースヘンシェンシフトを無視するものとする。また、図では、説明を分かりやすくするため、コア1の径を大きく誇張して描いてある。
【0052】
この場合、第1の光ファイバOf1に入射せしめた光ビームは、第1の光ファイバの傾斜端面F1,及び第2の光ファイバの傾斜端面F2で全反射して直角に折れ曲がるが、この直角に折れ曲がる光ビームは、グースヘンシェンシフトを無視すれば直進するものとみなされる。このとき、x方向に進む入射ビーム(伝搬モード)と−y方向に進む出射ビームは、共にz方向に進むモードの伝搬問題と考えられる。従って、第1の光ファイバOf1と第2の光ファイバOf2との接続部は、クラッドの屈折率nc を有する半板部101と半円部102に等価的に置き換えることができる。
【0053】
次に、第1の光ファイバOf1から第2の光ファイバOf2への結合効率η(以下単に結合効率ηと記載する)を求める。単一モード光ファイバ内のモード関数は、ガウス関数で近似できる。ここで光ファイバ内のスポットサイズ(光ビームの径)をωとし、光ファイバ内を伝搬する光を、コア1の等価屈折率ne を有する均質ファイバ内を伝搬するスポットサイズωのガウスビームで近似すると、第1の光ファイバOf1と第2の光ファイバOf2の接続部における光線マトリクスのABCDパラメータは、図のy−z面モデルにおいて、
【0054】
【数1】

となる。ここで、aはクラッドの半径(=光ファイバの半径)である。
【0055】
従って、第1の光ファイバOf1内のスポットサイズをωA 、第2の光ファイバOf2内のスポットサイズをωB とすると、両者の比ωA /ωB は、式(1) より、
【0056】
【数2】

となる。ここで、光ビームの波長をλとすると、パラメータαは、α=πωA 2/λaであり、等価的に光ビームのスポットの大きさを表している。
【0057】
また、結合効率ηは、
【0058】
【数3】

と表される。
【0059】
ここで、クラッドの屈折率nc をパラメータとして、結合効率ηとパラメータαとの関係を示すと、図6のようになる。図6において、パラメータαが2となる付近で結合効率ηが最も高く、1となり、パラメータαがさらに大きくなるにつれて、結合効率ηが下がっていくことが分かる。
【0060】
次に、結合効率η=1となる条件を求めると、式(2),(3) より、
【0061】
【数4】

となる。
【0062】
この式(4) におけるパラメータαとクラッドの屈折率nc との関係を示すと図7のようになる。
【0063】
従って、図6及び図7より、パラメータα及びクラッドの屈折率nc を適宜選択することにより、結合効率ηを1とすることができることが分かる。また、この結合効率ηが1となる条件は、式(4) より、コア1の等価屈折率ne ,クラッド2の屈折率nc ,及びパラメータαにより定まり、またパラメータαは、光ファイバのスポットサイズω,クラッドの半径a,及び光ビームの波長λにより定まる。また、上記では、光導波路の周囲の媒質が空気であると仮定して解析しているが、光導波路の周囲の媒質が空気以外の物質である場合には、その媒質の屈折率に応じて、上記解析結果を補正すればよい。従って、結合効率ηが1となる条件は、入射せしめる光ビームの波長λと、光ファイバの構造が定まれば一義的に定まることとなる。
【0064】
次に、第1の光ファイバOf1と第2の光ファイバOf2とが離れている場合を説明する。第1の光ファイバOf1と第2の光ファイバOf2との間隔(以下、光ファイバ間隔と記載する)をd、クラッド半径aに対する光ファイバ間隔dの比(以下、クラッド半径に対する比で表した光ファイバ間隔と記載する)d/aをDとし、上記と同様に結合効率ηが1となる条件を求めると、
【0065】
【数5】

となる。従って、式(5) を満たすようにすることにより、第1の光ファイバOf1と第2の光ファイバOf2とが離れていても、結合効率ηを1とすることができることが分かる。
【0066】
また、式(5) より、クラッド半径に対する比で表した光ファイバ間隔Dに関しては、以下の条件が満足されなければならない。
【0067】
【数6】

この式(5) におけるパラメータαとクラッド半径に対する比で表した光ファイバ間隔Dとの関係を、クラッドの屈折率nc をパラメータとして示すと図8のようになる。図8において、任意の屈折率nc に対し、クラッド半径に対する比で表した光ファイバ間隔Dが小さい領域では、結合効率ηが1となるパラメータαが存在するが、クラッド半径に対する比で表した光ファイバ間隔Dがある値以上となると、その領域では、結合効率ηが1となるパラメータαが存在しない。従って、第1の光ファイバOf1と第2の光ファイバOf2とが一定以上離れると、結合効率ηを1とすることができないことが分かる。
【0068】
従って、この光ファイバ間を双方の側面のレンズ作用を利用して光結合した光導波路では、光ファイバ間隔dは、式(5) を満たすように設定され、この設定は、入射せしめる光ビームの波長に応じて、第1の光ファイバOf1内のスポットサイズωA ,第2の光ファイバOf2内のスポットサイズωB ,クラッドの半径a,及びクラッドの屈折率nc を適宜選択することにより、該光ファイバ間隔dが所望の値となるように行われる。また、第1,第2の光ファイバ内のスポットサイズωA ,ωB は、コア1のドーパント等の熱拡散技術等を用いると比較的容易に変化させることができる。
【0069】
次に、図4,図5において、以上のように構成された光導波路では、第1の光ファイバOf1の他端に所定の波長λの光ビームを入射せしめると、入射した光ビームは、第1の光ファイバOf1の中心部を中心軸Ax1に沿ってスポットサイズωA で伝搬し、第1の光ファイバOf1の傾斜端面F1の中心点Cp1で該傾斜端面F1の中心軸Ax4に対し45°の角度で反射し、第1の光ファイバ/第2の光ファイバ直交軸Ax3に沿って第1の光ファイバOf1の側面,及び第2の光ファイバOf2の側面を通過し、第2の光ファイバOf2の傾斜端面F2で該傾斜端面F2の中心軸Ax5に対し45°の角度で反射し、第2の光ファイバOf2の中心部を中心軸Ax2に沿ってスポットサイズωB で伝搬し、該第2の光ファイバOf2の他端から出射される。
【0070】
この際に、第1の光ファイバの傾斜端面F1の中心Cp1で反射された光ビームは、該第1の光ファイバOf1の半径方向には光の閉じ込め構造が存在しないため径が拡がり、この径の拡がった光ビームは、互いに90°捩じれた位置関係にある第1,第2の光ファイバOf1,Of2の側面のレンズ作用により、該光ビームの横断面方向において均等な収束効果を受ける。ここで、上記解析モデルによる解析により求めた光ファイバ間隔dは、第1の光ファイバの傾斜端面F1の中心Cp1で反射されて径が拡がった光ビームが上記収束効果を受けて、第2の光ファイバOf2内を伝搬する際のスポットサイズωB と同じ径を有するものとなる位置に、該第2の光ファイバの傾斜端面F2の中心Cp2が位置するような間隔であるので、上記収束効果を受けた光ビームは、第2の光ファイバの傾斜端面F2の中心Cp2にて、該第2の光ファイバOf2内のスポットサイズωBと同じ径を有するものとなり、該第2の光ファイバの傾斜端面F2で反射された光ビームの全部が該第2の光ファイバOf2のコア1に入射する。従って、両光ファイバOf1,Of2間の結合効率ηが1となる。
【0071】
また、第2の光ファイバOf2の他端に所定の波長λの光ビームを入射せしめると、入射した光ビームは、上記と全く逆の経路を辿り、上記と同様にして結合効率1でもって第2の光ファイバOf2から第1の光ファイバOf1に伝搬し、該第1の光ファイバOf1の他端から出射される。
【0072】
なお、上記の説明では、第1,第2の光ファイバOf1,Of2と第1の光ファバ/第2の光ファイバ直交軸Ax3との交差角、第1の光ファイバOf1と第2の光ファイバOf2との交差角、各光ファイバの傾斜端面F1,F2の傾斜角、及び光ファイバ間隔dが理想値であるものとしているが、図6のグラフから推測されるように、これら各角度,及び光ファイバ間隔dが理想値から若干ずれたとしても、光ファイバ間の結合効率は急激に低下するものではない。従って、これら各角度,及び光ファイバ間隔dは、理想値に近い範囲内で、必要とされる結合効率に応じた値に設定することができる。
【0073】
また、光導波部材として、コア1とクラッド2とからなる光ファイバを用いているが、その半径方向に徐々に小さくなるように屈折率を変化せしめてなるロッドレンズを用いてもよい。
【0074】
以上のように、光ファイバ間を双方の側面のレンズ作用を利用して光結合すれば、高効率な光接続が可能となり、また、上記説明した基本的な光接続構造では光配線をL字状に引き回すことが可能となる。
【0075】
そして、この光接続構造は種々の応用が可能であり、以下に、その応用例を、図9,図10を用いて説明する。
【0076】
図9は光配線をU字状に引き回すことが可能な光導波路の構成を示す図であり、図9(a) は斜視図、図9(b) は図9(a) のA矢示図、図9(c) は図9(a) のB矢示図である。図において、図4と同一符号は同一又は相当する部分を示し、本光導波路は、図4の第1,第2の光ファイバOf1,Of2とロッドレンズ100とで構成される。ロッドレンズ100は、横断面が円形で中心軸Ax6方向に径が一定な線形状を有しており、例えば、第1,第2の光ファイバOf1,Of2と同じ径を有し、同じ材料で構成される。また、ロッドレンズ100の屈折率は、例えば、第1,第2の光ファイバOf1,Of2のクラッドの屈折率と同じとされる。また、ロッドレンズ100として、第1,第2の光ファイバOf1,Of2と同じ構造の光ファイバを用いても構わない。
【0077】
本光導波路は、第1の光ファイバOf1とロッドレンズ100との位置関係、及びロッドレンズ100と第2の光ファイバOf2との位置関係が図4の第1の光ファイバOf1と第2の光ファイバOf2との位置関係と同じになる。従って、第1の光ファイバOf1とロッドレンズ100との間隔、及びロッドレンズ100と第2の光ファイバOf2との間隔を、図4の光ファイバ間隔dと同様に設定することにより、第1の光ファイバOf1とロッドレンズ100との間、及びロッドレンズ100と第2の光ファイバOf2との間にて、光ビームを結合効率1でもって伝搬せしめることができる。従って、光配線をU字状に引き回すことができる。
【0078】
図10は光ビームを合分波可能な光導波路の構成を示す図であり、図10(a)は斜視図、図10(b) は図10(a) のA矢示図、図10(c) は図10(a) のB矢示図である。図において、図4と同一符号は同一又は相当する部分を示し、本光導波路は、第1,第2の光ファイバOf1,Of2に加えて、該第1,第2の光ファイバOf1,Of2と同一の構造を有し、かつその一端に中心軸Ax7に対し45°傾斜した傾斜端面F3を有する第3の光ファイバOf3をさらに有し、該第3の光ファイバOf3を、該第3の光ファイバOf3の中心軸Ax7が、第1の光ファイバの中心軸Ax1に一致し、かつ第3の光ファイバの傾斜端面F3が、第1の光ファイバの傾斜端面F1に対し略平行でかつ所定の間隔Sを有するよう配置してなる点が、図4の導波路と異なるものである。また、P1〜P3は、第1〜第3の光ファイバOf1〜Of3の他端である第1〜第3のポートを示している。
【0079】
このように構成された光導波路では、光ビームを第1のポートP1から入射せしめると、入射した光ビームは、傾斜端面F1及び傾斜端面F3の間隔Sに応じた割合で、一部が傾斜端面F1及び傾斜端面F3を通過して第3の光ファイバOf3に入射し、第3のポートP3から出射され、他は傾斜端面F1で反射して第2の光ファイバOf2を通り、第2のポートP2から出射される。その結果、光分波器として機能する。
【0080】
一方、第2のポートP2,及び第3のポートP3から光ビームをそれぞれ入射せしめると、入射した2つの光ビームは第1の光ファイバの傾斜端面F1で合波されて第1の光ファイバに入射し、第1のポートP1から出射される。その結果光合波器として機能する。
【0081】
従って、本導波路は光合分波器として機能するとともに、光配線をT字状に引き回すことができる。
【0082】
また、第1の光ファイバの傾斜端面F1と第2の光ファイバの傾斜端面F2との隙間に波長選択フィルタを介挿することにより、第1の光ファイバOf1に入射せしめた光ビームを波長分割することが可能となる。
【0083】
次に、図3に戻り、本実施の形態1による光モジュールでは、第1,第2の部品延設領域R1,R2にそれぞれ配置された光ファイバOfが、図4の第1,第2の光ファバOf1,Of2にそれぞれ相当する。また、図9,図10の第1〜第3の光ファバOf1〜Of3,及びロッドレンズ100に代えて、光ファイバOfが図9,図10に示す位置関係を形成するよう、該光ファイバOfを第1,第2の部品延設領域R1,R2に配置することにより、図9,図10に示す導波路を構築することができる。さらに、光ファイバ間を双方の側面のレンズ作用を利用して光結合した光接続構造の他の応用例についても、同様に、光ファイバOfを第1,第2の部品延設領域R1,R2に配置することにより構築することが可能である。
【0084】
次に、以上のように構成された光モジュールの構築方法を図3を用いて説明する。
【0085】
図3において、本光モジュールを構築するには、まず、4本の光ファイバOfについて、その一端に所定の傾斜端面Fを形成するとともに、これらを図示するような所定の長さに切断する。また、4本の積層部材Stを図示するような所定の長さに切断する。
【0086】
次いで、光学台400の後側の第1の部品延設領域R1aに所定の2本の光ファイバOf及び1本の積層部材Stを、前側の第1の部品延設領域R1bに3本の積層部材Stをそれぞれ配置する。この際、全ての光ファイバOf及び積層部材Stの左端に案内板(図示せず)を当てる等して、それらの長手方向の位置を所定の位置となるように合わせる。2本の光ファイバOfは、さらに、傾斜端面Fが下方を向くように周方向の角度を合わせる。
【0087】
次いで、光学台400の右側の第2の部品延設領域R2に、先に配置された光ファイバOf及び積層部材Stに積層するようにして、所定の2本の光ファイバOfを配置する。この際、2本の光ファイバOfの下端に案内板(図示せず)を当てる等して、それらの長手方向の位置を、それぞれの傾斜端面Fの中心が先に配置された各光ファイバOfの傾斜端面の中心に一致するように合わせる。そして、さらに2本の光ファイバOfの傾斜端面Fが下方を向くように周方向の角度を合わせる。
【0088】
次いで、これら積層配置された光ファイバOf及び積層部材Stを、接着剤(図示せず)で部分的に覆って固定する。
【0089】
次に、以上のように構成された光モジュールの動作を図3を用いて説明する。 本光モジュールでは、いずれかの光ファイバOfの傾斜端面を有しない方の端に光ビームを入射せしめると、入射した光ビームは対応する光ファイバOfに結合効率1でもって伝搬し、その端から出射される。
【0090】
なお、上記の説明では、光ファイバOf及び積層部材を2層に配置したが、もっと多数層に配置しても構わない。
【0091】
また、上記の説明では、各層の光ファイバOf及び積層部材の径を同一にしたが、異なっていてもよい。
【0092】
また、上記の説明では、位置決めピンを格子状に16本配置したが、もっと多数配置するようにしてもよく、また、第1の部品延設領域R1と第2の部品延設領域R2との対が方向を変えて多数形成されるようにしてもよい。
【0093】
以上のように、本実施の形態1においては、基台201の平坦な部品配設面201aに、円柱形状の複数の位置決めピン202を、互いに垂直な2つの方向に直線的かつ帯状にそれぞれ延びる1以上の部品延設領域R1,R2の各々の両側縁に沿って、それらを幅方向に位置決め可能なように垂直に突設したので、構造が簡単で、しかも各光ファイバOfの側面のレンズ作用を利用して光接続してなる光接続,光合分波等の機能を有する光モジュールを容易に構築することが可能な光学台を提供することができる。
【0094】
また、本実施の形態1においては、光モジュールを、特定構造の円柱形状の光ファイバOf及び積層部材Stを、上記光学台400の第1の部品延設領域R1及び第2の部品延設領域R2に、1つの層においては1つの部品延設領域の幅方向に同一径のものが丁度整数本並び、方向の異なる方向の部品延設領域のもの同士が交差し、かつその交差点で、相接触する2つの光導波部材Ofが双方の側面のレンズ作用を利用して光結合されるように積層配置してなるものとしたので、光ファイバOfを45°の傾斜端面Fを有するものとし、これを積層部材Stとともにその長手方向の位置及び周方向の角度を合わせながら積層することにより容易に作成することができる、光接続,光合分波等の機能を有する光モジュールを提供することができる。
【0095】
また、本実施の形態1においては、第1の部品延設領域R1の幅と第2の部品延設領域R2の幅との比が整数比であるものとしたので、同一径の光ファイバOfを使用することができ、より容易に光モジュールを構築することができる。
(実施の形態2)
【0096】
図11は本発明の実施の形態2による光モジュールの構成を示す外観図であって、図11(a) は上面図、図11(b) は正面図、図11(c) は右側面図である。
【0097】
図において、図3と同一符号は同一又は相当する部分を示し、本実施の形態2の光モジュールは、その構成要素として、さらにレンズアレイ(光素子アレイ)301を有している点が、実施の形態1の光モジュールと異なっているものである。
【0098】
すなわち、光学台400の位置決めピン202のうち、左端に前後方向に並んだ4つの位置決めピン(係合ピン)にレンズアレイ301が嵌入されている。そして、光学台400の3つの第1の部品延設領域R1の、上記左端の位置決めピン以外のピンが位置する部分に、それぞれ、光ファイバOf及び積層部材Stが2層配置され、これら2層の光ファイバOf及び積層部材Stは、下層に3本の積層部材が、上層に、中央に光ファイバOfが位置するようにして、1本の光ファイバOfと2本の積層部材Stとがそれぞれ配置されている。
【0099】
レンズアレイ301は、例えば矩形の板状の本体と3つの集光レンズ(光素子)203とからなり、該本体には、幅方向(高さ方向)に、位置決めピン202と嵌合する嵌合孔301aが、位置決めピン202の前後方向のピッチと同じピッチで4つ穿設され、該4つ穿設された嵌合孔301aの中間に位置するように3つの集光レンズ203が配設されている。該集光レンズ203は、レンズアレイ301が位置決めピン202に嵌入された状態で、その中心軸204が上記上層の中央に配置された光ファイバOfの中心軸Axに一致するように配設されている。
次に、以上のように構成された光モジュールの構築方法を説明する。
【0100】
本光モジュールを構築するには、まず、3本の光ファイバOf及び15本の積層部材Stを図示するような所定の長さに切断する。
【0101】
次いで、光学台400の3つの第1の部品延設領域R1に、3本の積層部材Stを長手方向に位置合わせしながら配置し、その後、該配置した3本の積層部材Stに重ねるように、1本の光ファイバOfと2本の積層部材Stとを光ファイバOfが中央に位置するようにして積層配置する。
【0102】
次いで、レンズアレイ301を光学台400の左端の4つの位置決めピン202に嵌入する。
【0103】
次いで、これら積層配置された光ファイバOf及び積層部材St、並びにレンズアレイ301を、それぞれ、接着剤(図示せず)で部分的に覆って固定する。
【0104】
次に、以上のように構成された光モジュールの動作を説明する。
【0105】
本光モジュールでは、レンズアレイ301の集光レンズ203に入射した光ビームが、該集光レンズ203で収束されて光ファイバOfに入射する。
【0106】
なお、上記の説明では、部品延設領域R1を1方向にのみ形成したが、多数の方向に形成してもよい。
【0107】
なお、上記の説明では、光素子として光受動素子である集光レンズ203を用いるようにしたが、光フィルタ,光合分波器,レンズ,ミラー等の他の光受動素子を用いるようにしてもよい。
【0108】
以上のように、本実施の形態2においては、基台201の平坦な部品配設面201aに、円柱形状の複数の位置決めピン202を、ある方向に直線的かつ帯状に延びる部品延設領域R1の各々の両側縁に沿って、それらを幅方向に位置決め可能なように垂直に突設したので、所定径の光ファイバOf及び積層部材Stを部品延設領域R1に積層することにより、各光ファイバOfが幅方向及び高さ方向に位置決めされる。そして、さらに部品配設面201に垂直に複数の位置決めピン202をレンズアレイ位置決め用に突設したので、該レンズアレイ位置決め用の位置決めピン(係合ピン)でレンズアレイを位置決めすることができる。このため、レンズアレイ301を配置し、かつ光ファイバOfを長手方向に位置合わせしながら積層することにより集光レンズ203と光ファイバOfとを光接続することができる。その結果、構造が簡単で、しかも容易に光回路を構築することが可能な光学台を提供することができる。
【0109】
また、本実施の形態2においては、集光レンズ203が二次元方向に配置されたレンズアレイ301を、上記光学台400の複数の位置決めピン202で集光レンズ203が各部品延設領域R1に位置するよう位置決めし、所定の光ファイバOf及び積層部材Stを、集光レンズ203が位置する部品延設領域R1に、1つの部品延設領域R1の幅方向に同一径のものが丁度整数本並び、かつ光ファイバOfに対応する集光レンズ203と光結合するようにして積層配置したので、レンズアレイ301を位置決めピン202に嵌入して配置し、光ファイバOfを積層部材Stとともに長手方向に位置合わせしながら積層することにより、容易に光回路を構築することができる光モジュールを提供することができる。
【0110】
(実施の形態3)
図12は本発明の実施の形態3による光モジュールの構成を示す外観図であって、図12(a) は上面図、図12(b) は正面図、図12(c) は右側面図である。
【0111】
図において、図3と同一符号は同一又は相当する部分を示し、本実施の形態3による光モジュールは、光配線基板401と、光ファイバOfと、積層部材Stとで構成される。
【0112】
光配線基板401は、光配線208を有する基板206の平坦な主面206aに位置決めピン202と光接続ピン207とが垂直に突設されてなる。
【0113】
位置決めピン202の配置、位置決めピン202の間隔と光ファイバOf及び積層部材Stの径との関係は図3の光学台400と同じである。
【0114】
光接続ピン207は、例えば光ファイバOfと同一径で同一構造の光ファイバからなり、先端に光ファイバOfの傾斜端面Fと同じ傾斜端面を有し、基端は基板206の光配線208に光学的に接続されている。そして、光接続ピン207は、中心軸が第1の部品延設領域R1の幅方向の中央に位置し、傾斜端面Fが該幅方向(図示例では後方)を向き、かつ傾斜端面Fの中心の高さが2層目に配置される光ファイバOfの中心軸の高さに一致するように配設されている。
【0115】
そして、この光配線基板401の各第1の部品延設領域R1に、光ファイバOfが積層部材Stとともに2層配置され、これら2層の光ファイバOf及び積層部材Stは、下層に3本の積層部材が、上層に、前側に光ファイバOfが位置するようにして、1本の光ファイバOfと2本の積層部材Stとがそれぞれ配置されている。そして、上記光ファイバOfは、傾斜端面Fが第1の部品延設領域R1の幅方向(図示例では前方)を向き、かつ傾斜端面Fの中心が該幅方向から見て光接続ピン207の傾斜端面Fの中心に一致するように配置されている。これにより、光ファイバOfと光接続ピン207とは、実施の形態1で説明した、光ファイバ間を双方の側面のレンズ作用を利用して光結合した光接続構造と同じ位置関係を有するものとなっている。
【0116】
そして、上記積層配置された光ファイバOf及び積層部材Stは接着剤(図示せず)で固定されている。
【0117】
次に、以上のように構成された光モジュールの構築方法を説明する。
【0118】
本光モジュールを構築するには、まず、3本の光ファイバOf及び15本の積層部材Stを図示するような所定の長さに切断する。
【0119】
次いで、光配線基板401の3つの第1の部品延設領域R1に、3本の積層部材Stを長手方向に位置合わせしながら配置し、その後、該配置した3本の積層部材Stに重ねるように、1本の光ファイバOfと2本の積層部材Stとを光ファイバOfが前側に位置するようにして積層配置する。光ファイバOfは、さらに、傾斜端面Fが前方を向くように周方向の角度を合わせる。
次いで、これら積層配置された光ファイバOf及び積層部材Stを接着剤で部分的に覆って固定する。
【0120】
次に、以上のように構成された光モジュールの動作を説明する。
【0121】
本光モジュールでは、光ファイバOfに光ビームを入射せしめると、該入射した光ビームは対応する光接続ピン207に結合効率1でもって伝搬し、基板206の光配線208に伝搬される。また逆に、光配線208からの光ビームが光接続ピン207を介して光ファイバOfに結合効率1でもって伝搬され、その端から出射される。
【0122】
以上のように、本実施の形態3においては、光配線208を有する基板206の平坦な部品配設面206aに、基板206の光配線208と接続され光ファイバOfと同一構造を有する光接続ピン207を垂直に突設するとともに、円柱形状の複数の位置決めピン202を、1以上の部品延設領域R1の各々の両側縁に沿って、それらを幅方向に位置決め可能なように垂直に突設したので、光ファイバOfを積層部材Stとともに長手方向の位置及び周方向の角度を合わせながら積層配置することにより、光ファイバOfと光接続ピン207とを双方の側面のレンズ作用を利用して光接続することができるため、簡単な構成で光配線208を外部と容易に接続することが可能な光配線基板を提供することができる。
【0123】
また、本実施の形態3においては、特定構造の光ファイバOf及び積層部材Stを、上記光配線基板401の部品延設領域R1に、部品延設領域R1の幅方向に同一径のものが丁度整数本並び、かつ光ファイバOfと光接続ピン207とが双方の側面のレンズ作用を利用して光結合されるように積層配置したので、光ファイバOfを積層部材Stとともにその長手方向の位置及び周方向の角度を合わせながら積層することにより、容易に光配線基板の外部光配線を行うことが可能な光モジュール提供することができる。
【0124】
(実施の形態4)
図13は本発明の実施の形態4による光モジュールの構成を示す外観図であって、図13(a) は上面図、図13(b) は正面図、図13(c) は右側面図である。
【0125】
図において、図3,及び図12と同一符号は同一又は相当する部分を示し、本実施の形態5による光モジュールは、EOボード(光電子配線基板)402と、光ファイバOfと、積層部材Stと、レーザアレイ(光素子アレイ)302とで構成される。
【0126】
EOボード402は、光配線208及び電気配線211を有する基板209の平坦な主面(部品配設面)209aに、位置決めピン202と、光接続ピン207と、電極ピン210とが垂直に突設されてなる。
【0127】
電極ピン210は位置決めピン202と同一形状を有しており、さらに、電極ピン210は、第1の電極ピン210aと第2の電極ピン210bとで構成され、第1の電極ピン210aの基端,及び第2の電極ピン210bの基端は、基板209の電気配線211の例えば正極端子,及び負極端子(図示せず)にそれぞれ接続されている。そして、第1の電極ピン210a,及び第2の電極ピン210bは前後方向に交互に配置されており、かつこの電極ピン210と位置決めピン202とが、該電極ピン210が左端に位置するようにして、格子状に配置されている。
これら位置決めピン202及び電極ピン210の間隔と光ファイバOf及び積層部材Stの径との関係は、図3の光学台400における位置決めピン202の間隔と光ファイバOf及び積層部材Stの径との関係と同じである。
【0128】
光接続ピン207は、その中心軸の第1の部品延設領域R1の幅方向における位置が、該第1の部品延設領域R1に配置される後側の積層部材Stの中心軸の位置に一致するように配設される点を除き、図12の光配線基板401の光接続ピン207と同じである。
【0129】
そして、EOボード402の4つの電極ピン210にレーザアレイ302が嵌入されている。また、EOボード402の3つの第1の部品延設領域R1の、位置決めピン202が位置する部分に、それぞれ、光ファイバOf及び積層部材Stが2層配置され、これら2層の光ファイバOf及び積層部材Stは、下層に3本の積層部材が、上層に、中央に光ファイバOfが位置するようにして、1本の光ファイバOfと2本の積層部材Stとがそれぞれ配置されている。そして、上記光ファイバOfと光接続ピン207とは、図12と同様に、双方の側面のレンズ作用を利用して光結合した光接続構造を有するものとなっている。
【0130】
レーザアレイ302は、例えば矩形の板状の本体と3つの半導体レーザ(光素子)213とからなり、該本体には、幅方向に、電極ピン210と嵌合する嵌合孔302aが、電極ピン210の前後方向のピッチと同じピッチで4つ穿設され、該4つ穿設された嵌合孔302aの中間に位置するように3つの半導体レーザ213が配設されている。上記嵌合孔302aの内面には、嵌合する電極ピン210と接触可能に電極ピン接触用電極212が配設され、該電極ピン接触用電極212は半導体レーザ213の正電極又は負電極(図示せず)に接続されている。半導体レーザ213のレーザ光出射孔(図示せず)の中心軸214と光ファイバOfの中心軸Axとの位置関係は、図11のレンズアレイの集光レンズ203の中心軸204と光ファイバOfの中心軸Axとの位置関係と同じである。
【0131】
そして、上記積層配置された光ファイバOf及び積層部材St、並びにレーザアレイ302は接着剤(図示せず)で固定されている。
【0132】
次に、以上のように構成された光モジュールの構築方法を説明する。
【0133】
本光モジュールを構築するには、まず、3本の光ファイバOf及び15本の積層部材Stを図示するような所定の長さに切断する。
【0134】
次いで、EOボード402の3つの第1の部品延設領域R1に、3本の積層部材Stを長手方向に位置合わせしながら配置し、その後、該配置した3本の積層部材Stに重ねるように、1本の光ファイバOfと2本の積層部材Stとを光ファイバOfが後側に位置するようにして積層配置する。光ファイバOfは、さらに、傾斜端面Fが前方を向くように周方向の角度を合わせる。
次いで、レーザアレイ302をEOボード402の4つの電極ピン210に嵌入する。
次いで、これら積層配置された光ファイバOf及び積層部材St、並びに嵌入配置されレーザアレイ302を、それぞれ、接着剤(図示せず)で部分的に覆って固定する。
【0135】
次に、以上のように構成された光モジュールの動作を説明する。
【0136】
本光モジュールでは、レーザアレイ302の半導体レーザ213は、EOボード402の電気配線211から電極ピン210,及び電極ピン接触用電極212を介して給電される。そして、この給電を受けて半導体レーザ213がレーザ光を出射すると、この出射されたレーザ光は、光ファイバOfに入射し、次いで結合効率1でもってEOボード402の光接続ピン207に伝搬され、次いで光配線208に伝搬される。
【0137】
なお、上記の説明では、電極を有する光素子として半導体レーザ213を用いるようにしたが、フォトダイオード等の電極を有する光能動素子、光変調器等の電極を有する光受動素子を用いるようにしてもよい。
【0138】
以上のように、本実施の形態4においては、電気配線211及び光配線208を有する基板209の平坦な部品配設面209aに、基板209の電気配線211に接続された電極ピン210,及び基板209の光配線208に接続された光接続ピン207をそれぞれ垂直に突設するとともに、円柱形状の複数の位置決めピン202を、ある方向に直線的かつ帯状に延びる1以上の第1の部品延設領域R1の各々の両側縁に沿って、それらを幅方向に位置決め可能なように垂直に突設したので、部品延設領域R1に光ファイバOfを積層部材Stとともに積層することにより簡単な構成で光配線208を外部と容易に接続することが可能であるとともに、電極ピン210をレーザアレイ302の位置決めに利用し、かつ、電極ピン210を通じてレーザアレイ302の半導体レーザ213に給電するように構成することにより光電子回路を容易に構築することが可能なEOボードを提供することができる。
【0139】
また、本実施の形態4においては、特定構造の光ファイバOf及び積層部材Stを、上記EOボードの部品延設領域R1に、1つの部品延設領域R1の幅方向に同一径のものが丁度整数本並び、かつ光ファイバOfと光接続ピン207とが双方の側面のレンズ作用を利用して光接続されるように積層配置したので、光ファイバOfを積層部材Stとともにその長手方向の位置及び周方向の角度を合わせながら積層することにより、容易にEOボードの外部光配線を行いかつ光電子回路を構築することが可能な光モジュールを提供することができる。
【0140】
(実施の形態5)
図において、図13と同一符号は同一又は相当する部分を示し、本実施の形態5による光モジュールは、EOボード402と、ジャンパ部材303とで構成される。
【0141】
EOボード402は、光配線208及び電気配線211を有する基板209の平坦な主面(部品配設面)209aに、位置決めピン202と、電極ピン210とが垂直に突設されてなる。
【0142】
これら電極ピン210及び位置決めピン202は、4つの電極ピン210の基端が基板209の電気配線211の異なる端子(図示せず)にそれぞれ接続されている点を除き、図13の電極ピン210及び位置決めピン202と同様である。
【0143】
ジャンパ部材303は、導電性材料からなり、電極ピン210と嵌合する嵌合孔303aが、電極ピン210の前後方向のピッチと同じピッチで複数(図示例では2つ)穿設されてなる。
【0144】
そして、このジャンパ部材303が、EOボード402の4つの電極ピン210に2つ嵌入されている。これにより、各ジャンパ部材303と嵌合している2つの電極ピン210は、各ジャンパ部材303により電気的に接続されている。
【0145】
なお、上記の説明では、ジャンパ部材303は、嵌合孔303aを有するものとしたが、これに代えて、図15に示すような、その側面に電極ピン210と嵌合可能な半開状の嵌合溝303bを有するものとしてもよい。
【0146】
このように、本実施の形態5においては、EOボード402の電極ピン210が、該電極ピン210に嵌合するジャンパ部材303で電気的に接続されているので、ジャンパ部材303を電極ピン210と嵌合せしめるだけで、容易にEOボード402の外部電気配線を行うことが可能な光モジュールを提供することができる。
【0147】
(実施の形態6)
図16は本発明の実施の形態6による光モジュールの構成を示す外観図であって、図16(a) は上面図、図16(b) は正面図、図16(c) は右側面図である。
【0148】
図において、図12と同一符号は同一又は相当する部分を示し、本実施の形態6の光モジュールは、EOチップ(光電子集積装置)403と、光ファイバOfと、積層部材Stとで構成される。
【0149】
EOチップ403は、光電子回路216を有するチップ215の平坦な上面(部品配設面)215aに位置決めピン202と光接続ピン207とが垂直に突設されてなり、これら位置決めピン202及び光接続ピン207の配置は、光接続ピン207の基端が光電子回路216に光学的に接続されている点を除き、図12の光配線基板401の位置決めピン202及び光接続ピン207の配置と同様である。
【0150】
そして、このEOチップ403の部品配設面215aに光ファイバOf及び積層部材Stが、図12の光モジュールと全く同様に積層配置されている。
【0151】
従って、本実施の形態6によれば、実施の形態3と同様に、簡単な構成で光配線208を外部と容易に接続することが可能なEOチップを提供することができる。
【0152】
また、本実施の形態6によれば、実施の形態3と同様に、光ファイバOfを積層部材Stとともにその長手方向の位置及び周方向の角度を合わせながら積層することにより、容易にEOチップの外部光配線を行うことが可能な光モジュール提供することができる。
【0153】
(実施の形態7)
図17は本発明の実施の形態7による光モジュールの構成を示す外観図であって、図17(a) は上面図、図17(b) は正面図、図17(c) は右側面図である。
【0154】
図において、図13と同一符号は同一又は相当する部分を示し、本実施の形態7の光モジュールは、EOチップ403と、光ファイバOfと、積層部材Stと、レーザアレイ302とで構成される。
【0155】
EOチップ403は、光電子回路216を有するチップ215の平坦な上面(部品配設面)215aに、位置決めピン202と、光接続ピン207と、電極ピン210とが垂直に突設されてなり、これら位置決めピン202、光接続ピン207、及び電極ピン210の配置は、光接続ピン207の基端が光電子回路216に光学的に接続され、電極ピン210の基端が光電子回路216に電気的に接続されている点を除き、図13のEOボード402の位置決めピン202、光接続ピン207、及び電極ピン210の配置と同様である。
【0156】
そして、このEOチップ403の部品配設面215aに光ファイバOf,積層部材St,及びレーザアレイが、図13の光モジュールと全く同様に配置されている。
【0157】
従って、本実施の形態7によれば、実施の形態4と同様に、部品延設領域R1に光ファイバOfを積層部材Stとともに積層することにより簡単な構成で光配線208を外部と容易に接続することが可能であるとともに、電極ピン210をレーザアレイ302の位置決めに利用し、かつ、電極ピン210を通じてレーザアレイ302の半導体レーザ213に給電するように構成することにより光電子回路を容易に構築することが可能なEOチップを提供することができる。
【0158】
また、本実施の形態7によれば、実施の形態4と同様に、光ファイバOfを積層部材Stとともにその長手方向の位置及び周方向の角度を合わせながら積層することにより、容易にEOチップ403の外部光配線を行いかつ光電子回路を構築することが可能な光モジュールを提供することができる。
【0159】
(実施の形態8)
図18は本発明の実施の形態8による光モジュールの構成を示す外観図であって、図18(a) は上面図、図18(b) は正面図、図18(c) は右側面図である。ここで、図18(a) はチップを除いた状態を示している。
【0160】
図において、図13,及び図16と同一符号は同一又は相当する部分を示し、本実施の形態8の光モジュールは、EOボード402と、該EOボード402の部品配設面209aにその部品配設面215aが対向するように配置されたEOチップ403と、EOボード402の部品配設面209aに配置された光ファイバOf,積層部材St,及びレーザアレイ302とで構成される。
【0161】
そして、EOボード402は、図13のEOボード402において、位置決めピン202のうちの左端に位置する4つのものを、第1,第2の電極ピン210a,210bと同じ構造を有しかつそれらより長い電極ピンで構成して第3の電極ピン210cとし、さらに光接続ピン207のうち前側及び後側に位置するものを残してこれを第1の光接続ピン207aとしたものとなっており、また、EOチップ403は、光電子回路216がEOボード402の第3の電極ピン210aの先端と電気的に接続され、さらに、図13のEOボード402における光接続ピン207のうち中央に位置するものに対応する位置に、該光接続ピン207と同一の構造を有しかつその基端が光電子回路216に光学的に接続された第2の光接続ピン207bを有している。ここで、EOチップ403の部品配設面215aの、第3の電極ピン210cに対応する位置には、その内面に光電子回路216に接続された電極を有する電極孔(図示せず)が配設されており、この電極孔にEOボードの第3の電極ピン210cが嵌挿されることにより、該第3の電極ピン210cが光電子回路216に接続されるようになっている。また、EOボード402とEOチップ403とは、図示されない位置決め手段及び固定手段により着脱自在となっている。
【0162】
そして、中央の第1の部品延設領域に配置される光ファイバOfがEOチップ403の第2の光接続ピン207bと双方の側面のレンズ作用を利用して光接続される点を除き、図13の光モジュールと同様にして、EOボード402の部品配設面209aに光ファイバOf,積層部材St,及びレーザアレイ302が配置されている。
【0163】
次に、以上のように構成された光モジュールの動作を説明する。
【0164】
本光モジュールでは、レーザアレイ302の半導体レーザ213が、EOボード402の電気配線211から給電されてレーザ光を出射する。そして、レーザアレイ302の前側及び後側の半導体レーザ213から出射されたレーザ光は、前側及び後側の光ファイバOfに入射し、それぞれEOボード402の第1の光接続ピン207aを通って光配線208に伝搬される。また、レーザアレイ302の中央の半導体レーザ213から出射されたレーザ光は、中央の光ファイバOfに入射し、EOチップ403の第2の光接続ピン207bを通って光電子回路216に伝搬される。また、EOボード402の電気配線211とEOチップ403の光電子回路209とが電気的に接続される。
【0165】
以上のように、本実施の形態8においては、実施の形態4の光モジュールにおいて、EOチップ403が基板209の部品配設面209aに対向するように配置され、少なくとも基板209の電極ピン210cがEOチップ403の光電子回路216に電気的に接続されてなるものとしたので、EOボード402とEOチップ403との間に、所望の光配線又は光電子回路を容易に構築可能な光モジュールを提供することができる。
【0166】
また、本実施の形態8においては、位置決めピンの202の一部を、同一形状の電極ピン210cで構成するようにしたので、位置決めピン202を節約することができる。
【0167】
なお、上記実施の形態2,3,4,6,7,8において、第1の部品延設領域R1にのみ光ファイバOf及び積層部材Stを配置しているが、実施の形態1と同様に、第2の部品延設領域R2にも光ファイバOf及び積層部材Stを配置して所望の光ファイバ間を双方の側面のレンズ作用を利用して光接続するようにしてもよい。また、そのように双方の側面のレンズ作用を利用して光接続された一方の光ファイバと、光素子アレイ301,302の光素子203,213、又は光接続ピン207とを、双方の側面のレンズ作用を利用して光接続するようにしてもよい。
また、上記実施の形態4,7,8において、電極ピン210を増設し、それらを実施の形態5と同様にジャンパ部材303を用いて電気的に接続するようにしてもよい。
【0168】
また、上記実施の形態8において、EOボード402とEOチップ403との間を光接続ピン207で接続するようにしてもよい。
【0169】
また、上記実施の形態8において、EOボード402ではなくEOチップ403に位置決めピン202を配設し、光ファイバOf及び積層部材StをEOチップ403側に配置するようにしてもよい。
【0170】
また、上記実施の形態1〜8では、位置決めピン202又は電極ピン210を円柱形状としているが、これらは光ファイバOf及び積層部材Stを積層しようとしている高さまで一定の径を有すればよく、先端の形状は問わない。また、断面も円形には限られず、例えば、4角形,3角形等としてもよい。
【0171】
また、上記実施の形態2,4,7,8において、光素子アレイ301,302は、嵌合孔301a,302aを有するものとしているが、これを図15に示すジャンパ部材303のように、半開状の嵌合溝302bを有するものとしてもよい。また、光素子アレイ301,302を位置決めピン202又は電極ピン210に嵌入するようにしているが、これらを位置決めピン202又は電極ピン210間に嵌挿することにより位置決めするようにしてもよい。
【0172】
また上記実施の形態6,7,8において、EOチップを用いているが、これは平坦な部品配設面を有する光電子集積装置の一例を示したものであり、EOチップに代えて、例えば、フレーム等の固定部材の中央部にEOチップを、周辺部にEOチップとボンディングワイヤで接続されたボンディングパッドをそれぞれ配設したパッケージであって、該固定部材の一部に平坦な部品配設面を有するようなものを用いてもよい。
【0173】
また、上記実施の形態1〜8では、積層配置された光ファイバOf及び積層部材St、及び光素子アレイ301,302を接着剤で固定するようにしたが、例えば、位置決めピン202,電極ピン210との嵌合孔を有する押さえ板で押さえることにより固定するようにしてもよい。
また、上記実施の形態2において、レンズアレイ301を固定する位置決めピン202(係合ピン)を1本とするとともに該係合ピン及びレンズアレイ301の嵌合孔301aの断面形状を異形(3角形、4角形等)とし、それにより1本の係合ピンでレンズアレイ301を位置決めするようにしてもよい。
【0174】
また、上記実施の形態3,4,6,7,8において、光導波部材Ofと光接続ピン207とを光コネクタで光接続するようにしてもよい。
【0175】
また、上記実施の形態1〜8において、部品延設領域R1,R2の片側に位置する位置決めピン202(並列方向保持手段)に代えて、例えば、V溝を有する固定台の該V溝で位置決めされた光ファイバOf等、他の並列方向保持手段を用いるようにしてもよい。この場合でも、なお、他方の側の位置決めピン202が並列方向保持手段として用いられているため、簡単な構成で多数本の光ファイバを並列に密接配置することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0176】
本発明の光学台は、多数本の光導波部材を密接して並列配置するための台として、有用である。
【符号の説明】
【0177】
1 コア、2 クラッド、100 ロッドレンズ、101 半板部、102 半円部、201 基台、201a,206a,209a,215a 部品配設面、202 位置決めピン、203 集光レンズ、204 レンズの中心軸、206,209 基板、207 光接続ピン、207a 第1の光接続ピン、207b 第2の光接続ピン、208 光配線、210 電極ピン、210a 第1の電極ピン、210b 第2の電極ピン、210c 第3の電極ピン、211 電気配線、212 電極ピン接触用電極、213 半導体レーザ、214 レーザ光出射孔の中心軸、215 チップ、216 光電子回路、301 レンズアレイ、301a,302a,303a 嵌合孔、302 レーザアレイ、303 ジャンパ部材、303b 嵌合溝、400 光学台、401 光配線基板、402 EOボード、403 EOチップ、Ax 光ファイバの中心軸、Ax1 第1の光ファイバの中心軸、Ax2 第2の光ファイバの中心軸、Ax3 第1の光ファイバ/第2の光ファイバ直交軸、Ax4 第1の光ファイバの傾斜端面の中心軸、Ax5 第2の光ファイバの傾斜端面の中心軸、Ax6 ロッドレンズの中心軸、Ax7 第3の光ファイバの中心軸、Cp1 第1の光ファイバの傾斜端面の中心点、Cp2 第2の光ファイバの傾斜端面の中心点、d 光ファイバ間隔、F 傾斜端面、F1 第1の光ファイバの傾斜端面、F2 第2の光ファイバの傾斜端面、F3 第3の光ファイバの傾斜端面、nc クラッドの屈折率、ne 等価屈折率、Of 光ファイバ、Of1 第1の光ファイバ、Of2 第2の光ファイバ、Of3 第3の光ファイバ、P1〜P3 ポート、R1 第1の部品延設領域、R1a 後側の第1の部品延設領域、R1b 前側の第1の部品延設領域、R2 第2の部品延設領域、S 傾斜端面F1及び傾斜端面F3の間隔、St 積層部材。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
その表面に部品配設面を有し、該部品配設面上に仮想されある方向に直線的かつ帯状に延びる1以上の第1の部品延設領域を有する基台と、該基台の部品配設面に垂直に突設され、上記1以上の第1の部品延設領域の各々の一方の側縁に沿って複数配置され、かつ少なくとも所定の高さまで一定の径を有するように形成された位置決めピンと、上記1以上の第1の部品延設領域の各々の他方の側縁に沿って配置されたV字状またはU字状の溝と、上記基台の部品配設面に垂直に突設された1以上の係合ピンとを有する光学台と、
上記溝により位置決めされ、かつ上記光学台の基台の部品配設面から所定の高さを有するよう配置された1以上の並列方向保持部材と、
光を透過可能な材料からなり、その断面が円形で柱形状を有し、その中心軸に沿って光が伝搬可能なように断面方向に屈折率を異ならしめてなる光導波部材と、
光の物理量を変化せしめる光素子を二次元方向に1以上配置してなる光素子アレイとを備え、
上記光素子アレイは、上記光学台の上記係合ピンにより、光素子が該光学台の一部又は全部の上記第1の部品延設領域に位置するよう位置決めされ、
上記光導波部材は、上記光学台の上記光素子が位置する第1の部品延設領域に、1つの部品延設領域の幅方向に同一径のものが丁度整数本並ぶようにして、1層以上配置され、かつ該1層以上配置された部品延設領域の光導波部材が上記光素子と光結合されるように配置されてなることを特徴とする光モジュール。
【請求項2】
その表面に部品配設面を有し、該部品配設面上に仮想されある方向に直線的かつ帯状に延びる1以上の第1の部品延設領域、及び該第1の部品延設領域に垂直な方向に直線的かつ帯状に延びる1以上の第2の部品延設領域を有する基台と、該基台の部品配設面に垂直に突設され、上記1以上の第1の部品延設領域、及び上記1以上の第2の部品延設領域の各々の一方の側縁に沿って複数配置され、かつ少なくとも所定の高さまで一定の径を有するように形成された位置決めピンと、上記基台の部品配設面に垂直に突設された1以上の係合ピンと、上記1以上の第1の部品延設領域及び/または上記1以上の第2の部品延設領域の各々の他方の側縁に沿って配置されたV字状またはU字状の溝とを備える光学台と、
上記溝により位置決めされ、かつ上記光学台の基台の部品配設面から所定の高さを有するよう配置された1以上の並列方向保持部材と、
光を透過可能な材料からなり、その断面が円形で柱形状を有し、その中心軸に沿って光が伝搬可能なように断面方向に屈折率を異ならしめてなる光導波部材と、
光の物理量を変化せしめる光素子を二次元方向に1以上配置してなる光素子アレイとを備え、
上記光素子アレイは、上記光学台の上記係合ピンにより、光素子が1以上の上記第1の部品延設領域又は第2の部品延設領域に位置するよう位置決めされ、
上記光導波部材は、上記光学台の上記光素子が位置する部品延設領域に、1つの部品延設領域の幅方向に同一径のものが丁度整数本並ぶようにして、1層以上配置され、かつ該1層以上配置された部品延設領域の光導波部材が上記光素子と光結合されるように配置されてなることを特徴とする光モジュール。
【請求項3】
請求項1または2のいずれかに記載の光モジュールにおいて、
上記光学台の上記光素子が位置する部品延設領域に配置される上記光導波部材の一部に代えて、他の光導波部材と同一形状の積層部材が配置されてなることを特徴とする光モジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2010−134485(P2010−134485A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−58185(P2010−58185)
【出願日】平成22年3月15日(2010.3.15)
【分割の表示】特願2008−171154(P2008−171154)の分割
【原出願日】平成9年12月12日(1997.12.12)
【出願人】(597086298)
【Fターム(参考)】