説明

光学式位置検出装置

【課題】対象物体が検出用光源を配置した領域の外側にあるのか内側にあるのかを検出す
ることのできる光学式位置検出装置を提供すること。
【解決手段】光学式位置検出装置10において、検出用光源部12が検出光L2を出射し
た際に対象物体Obで反射した検出光を光検出器30で検出して対象物体Obの座標を検
出する。検出空間10Rからみたときに、光検出器30は、複数の検出用光源部12より
内側に位置するとともに、複数の検出用光源部12は各々、外側発光素子12A1〜12
1と内側発光素子12A2〜12D2とを備えている。従って、外側発光素子12A1〜1
2D1が点灯した際の光検出器30での受光強度と内側発光素子12A2〜12D2が点灯
した際の光検出器30での受光強度との比較結果に基づいて対象物体Obが検出用光源部
12より外側あるいは内側のいずれに位置するかを判定することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象物体を光学的に検出する光学式位置検出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
対象物体を光学的に検出する光学式位置検出装置としては、例えば、図8に示すように
、2つの検出用光源部12から透光部材40を介して対象物体Obに向けて検出光L2を
出射し、対象物体Obで反射した検出光L3が透光部材40を透過して光検出器30で検
出されるものが提案されている。かかる光学式位置検出装置では、例えば、光検出器30
での検出結果に基づいて2つの検出用光源部12を差動させれば、2つの検出用光源部1
2のうちの一方の検出用光源部12と対象物体Obとの距離と、他方の検出用光源部12
と対象物体Obとの距離の比がわかる。従って、対象物体Obの位置を検出することがで
きる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2003−534554号公報の図10
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、図8に示す構成では、対象物体Ob1として示すように、2つの検出用
光源部12の内側にある場合と、対象物体Ob2として示すように、対象物体Obが2つ
の検出用光源部12の外側にある場合とにおいて、2つの検出用光源部12のうちの一方
の検出用光源部12と対象物体Obとの距離と、他方の検出用光源部12と対象物体Ob
との距離の比が同一になってしまうという問題点がある。このため、2つの検出用光源部
12のうちの一方の検出用光源部12と対象物体Obとの距離と、他方の検出用光源部1
2と対象物体Obとの距離の比を求めた際、2つの検出用光源部12の距離を内分すれば
よいのか、外分すればよいのかが区別できないことになってしまう。
【0005】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、対象物体が検出用光源を配置した領域の外側
にあるのか内側にあるのかを検出することのできる光学式位置検出装置を提供することに
ある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、対象物体の位置を光学的に検出する光学式位置
検出装置であって、検出光を出射するとともに、当該検出光の出射方向に対して交差する
方向で離間する複数の検出用光源部と、前記検出光の出射側空間に位置する前記対象物体
で反射した前記検出光を受光する光検出器と、前記複数の検出用光源部を順次点灯させる
光源駆動部と、前記光検出器の受光結果に基づいて前記対象物体の位置を検出する位置検
出部と、を有し、前記出射側空間からみたとき、前記光検出器は、前記複数の検出用光源
部より内側に位置するとともに、前記複数の検出用光源部は各々、外側発光素子と、該外
側発光素子に対して前記光検出器が位置する内側に配置された内側発光素子と、を備え、
前記位置検出部は、前記外側発光素子が点灯した際の前記光検出器での受光強度と前記内
側発光素子が点灯した際の前記光検出器での受光強度との比較結果に基づいて前記対象物
体が前記検出用光源部より外側あるいは内側のいずれに位置するかを判定することを特徴
とする。
【0007】
本発明では、光源駆動部は、複数の検出用光源部を順次点灯させ、その間、光検出器は
、対象物体で反射した検出光を受光する。従って、光検出器での検出結果を直接、あるい
は光検出器を介して2つの検出用光源部を差動させたときの駆動電流等を用いれば、位置
検出部は、対象物体の位置を検出することができる。ここで、出射側空間からみたときに
、光検出器は、複数の検出用光源部より内側に位置するとともに、複数の検出用光源部は
各々、外側発光素子と、外側発光素子より内側の内側発光素子とを備えている。従って、
位置検出部は、外側発光素子が点灯した際の光検出器での受光強度と内側発光素子が点灯
した際の光検出器での受光強度との比較結果に基づいて対象物体が検出用光源部より外側
あるいは内側のいずれに位置するかを判定することができる。このため、2つの検出用光
源部のうちの一方の検出用光源と対象物体との距離と、他方の検出用光源と対象物体との
距離の比を求めた際、2つの検出用光源の距離を内分して対象物体の位置を特定すればよ
いのか、2つの検出用光源の距離を外分して対象物体の位置を特定すればよいのかを誤る
ことがない。それ故、対象物体の位置を正確に検出することができる。
【0008】
本発明において、前記位置検出部は、前記外側発光素子および前記内側発光素子が同一
強度で前記検出光を出射した際、前記外側発光素子が発光したときの前記光検出器での受
光強度が前記内側発光素子が発光したときの前記光検出器での受光強度より大であるとき
、前記対象物体が前記検出用光源部により外側に位置すると判定し、前記外側発光素子が
発光したときの前記光検出器での受光強度が前記内側発光素子が発光したときの前記光検
出器での受光強度より小であるとき、前記対象物体が前記検出用光源部により内側に位置
すると判定する構成を採用することができる。
【0009】
本発明において、前記位置検出部は、前記外側発光素子および前記内側発光素子が同一
強度で前記検出光を出射した際、前記外側発光素子が発光したときの前記光検出器での受
光強度が前記内側発光素子が発光したときの前記光検出器での受光強度より大であるとき
、前記対象物体が前記外側発光素子と前記内側発光素子との中間位置より外側に位置する
と判定し、前記外側発光素子が発光したときの前記光検出器での受光強度が前記内側発光
素子が発光したときの前記光検出器での受光強度より小であるとき、前記外側発光素子と
前記内側発光素子との中間位置より内側に位置すると判定する構成を採用してもよい。
【0010】
本発明において、前記検出光の出射方向をZ軸方向とし、当該Z軸方向に対して交差す
る2方向をX軸方向およびY軸方向としたとき、前記複数の検出用光源部には、X軸方向
で離間する検出用光源部と、Y軸方向で離間する検出用光源部とが含まれていることが好
ましい。かかる構成によれば、対象物体のX座標およびY座標を検出することができる。
【0011】
本発明において、前記位置検出部は、前記光検出器の受光結果に基づいて前記複数の検
出用光源部のうちの一部の検出用光源部と他の一部の検出用光源部とを差動させた結果に
基づいて前記対象物体の座標位置を検出することが好ましい。このような差動を用いれば
、環境光等の影響を自動的に補正することができる。
【0012】
本発明において、前記出射側空間を介さずに前記光検出器に入射する参照光を出射する
参照用光源を備え、前記位置検出部は、前記光検出器の受光結果に基づいて前記複数の検
出用光源部のうちの一部の検出用光源部と前記参照用光源とを組み合わせを変えて差動さ
せた結果に基づいて前記対象物体の座標を検出することが好ましい。このような差動を用
いれば、環境光等の影響を自動的に補正することができる。
【0013】
本発明において、前記位置検出部は、前記複数の検出用光源部が同時、あるいは順次点
灯したときの前記光検出器での受光結果に基づいて前記検出光の出射方向における前記対
象物体の位置を検出することが好ましい。
【0014】
本発明において、前記検出光は赤外光であることが好ましい。かかる構成によれば、検
出光が視認されないので、表示装置に適用した場合でも表示を妨げない等、光学式位置検
出装置を各種機器に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明を適用した光学式位置検出装置の主要部を模式的に示す説明図である。
【図2】本発明を適用した光学式位置検出装置の全体構成を示す説明図である。
【図3】本発明を適用した光学式位置検出装置で行う対象物体Obの内外判定の原理を示す説明図である。
【図4】本発明を適用した光学式位置検出装置において、検出光同士の差動を利用して対象物体の位置を検出する原理を示す説明図である。
【図5】本発明を適用した光学式位置検出装置において、参照光と検出光との差動を利用して対象物体の位置を検出する原理を示す説明図である。
【図6】本発明を適用した光学式位置検出装置において、位置検出部で行なわれる処理内容等を示す説明図である。
【図7】本発明を適用した光学式位置検出装置をハンド装置に設けたロボットアームの説明図である。
【図8】従来の光学式位置検出装置の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、添付図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説
明においては、互いに交差する軸をX軸、Y軸およびZ軸とし、検出光の出射方向をZ軸
方向として説明する。また、以下に参照する図面では、X軸方向の一方側をX1側とし、
他方側をX2側とし、Y軸方向の一方側をY1側とし、他方側をY2側として示してある
。また、以下の説明では、図8に示す構成との対応がわかりやすいように、対応する構成
要素については同一の符号を付して説明する。
【0017】
(全体構成)
図1は、本発明を適用した光学式位置検出装置の主要部を模式的に示す説明図であり、
図1(a)、(b)、(c)は、光学式位置検出装置の構成要素の立体的な配置を示す説
明図、光学式位置検出装置の構成要素の平面的な配置を示す説明図、および光学式位置検
出装置の構成要素を側方からみたときの説明図である。図2は、本発明を適用した光学式
位置検出装置の全体構成を示す説明図である。
【0018】
図1および図2において、本形態の光学式位置検出装置10は、ロボットハンド装置で
の触覚センサー等として利用される光学装置であり、Z軸方向の一方側Z1に向けて検出
光L2を出射する複数の検出用光源部12を備えた光源装置11と、対象物体Obで反射
した検出光L3を検出する光検出器30とを備えている。また、光学式位置検出装置10
は、シート状あるいは板状の透光部材40を有している場合があり、この場合、検出用光
源部12は、透光部材40において第1面41側とは反対側の第2面42側から第1面4
1側に検出光L2を出射し、光検出器30は、対象物体Obで反射して透光部材40の第
2面42側に透過してきた検出光L3を検出する。このため、光検出器30の受光部31
は、透光部材40の第2面42に対向している。
【0019】
本形態において、光源装置11は、複数の検出用光源部12として、第1検出用光源部
12A、第2検出用光源部12B、第3検出用光源部12Cおよび第4検出用光源部12
Dを備えており、これらの検出用光源部12はいずれも、発光部を透光部材40に向けて
いる。従って、検出用光源部12から出射された検出光L2は、透光部材40を透過して
、第1面41側(光源装置11からの検出光L2の出射側空間)に出射され、本形態では
、かかる出射側空間(第1面41側の空間)によって、対象物体Obの位置が検出される
検出空間10Rが構成されている。
【0020】
第1検出用光源部12A、第2検出用光源部12B、第3検出用光源部12Cおよび第
4検出用光源部12Dは、検出空間10R(Z軸方向)からみたとき、光検出器30の中
心光軸の周りにこの順に配置されており、光検出器30は、複数の検出用光源部12より
内側に位置する。かかる複数の検出用光源部12において、第1検出用光源部12Aと第
3検出用光源部12CとはX軸方向で離間し、第2検出用光源部12Bと第4検出用光源
部12DとはY軸方向で離間している。なお、第1検出用光源部12Aからみれば、第2
検出用光源部12Bおよび第4検出用光源部12Dも第1検出用光源部12Aに対してX
軸方向で離間し、第3検出用光源部12Cからみれば、第2検出用光源部12Bおよび第
4検出用光源部12Dも第3検出用光源部12Cに対してX軸方向で離間している。同様
に、第2検出用光源部12Bからみれば、第1検出用光源部12Aおよび第3検出用光源
部12Cも第2検出用光源部12Bに対してY軸方向で離間し、第4検出用光源部12D
からみれば、第1検出用光源部12Aおよび第3検出用光源部12Cも第4検出用光源部
12Dに対してY軸方向で離間している。
【0021】
また、検出空間10R(Z軸方向)からみたとき、第1検出用光源部12A、第2検出
用光源部12B、第3検出用光源部12Cおよび第4検出用光源部12Dは、光検出器3
0を中心に等角度間隔に配置されている。また、検出空間10R(Z軸方向)からみたと
き、第1検出用光源部12A、第2検出用光源部12B、第3検出用光源部12Cおよび
第4検出用光源部12Dは、光検出器30から距離が等しい。
【0022】
また、光源装置11は、光検出器30に発光部120rを向けた参照用光源12Rも備
えている。参照用光源12Rは、LED(発光ダイオード)等により構成され、参照用光
源12Rは、ピーク波長が840〜1000nmに位置する赤外光からなる参照光Lrを
発散光として放出する。但し、参照用光源12Rから出射される参照光Lrは、参照用光
源12Rの向きや、参照用光源12Rに設けられる遮光カバー(図示せず)等によって、
透光部材40の第1面41側(検出空間10R)に入射せず、検出空間10Rを介さずに
光検出器30に入射するようになっている。
【0023】
光検出器30は、透光部材40に受光部31を向けたフォトダイオードやフォトトラン
ジスター等からなり、本形態において、光検出器30は赤外域の感度ピークを備えたフォ
トダイオードである。
【0024】
(検出用光源部12の詳細構成)
本形態の光学式位置検出装置10において、複数の検出用光源部12は各々、検出空間
10R(Z軸方向)からみたとき、径方向で並ぶ2つの発光素子を備えている。より具体
的には、まず、第1検出用光源部12Aは、外側発光素子12A1と、外側発光素子12
1より光検出器30側(内側)の内側発光素子12A2とを備えており、外側発光素子1
2A1、内側発光素子12A2および光検出器30は同一直線上に配置されている。また、
第2検出用光源部12Bも、第1検出用光源部12Aと同様、外側発光素子12B1と、
外側発光素子12B1より光検出器30側(内側)の内側発光素子12B2とを備えており
、外側発光素子12B1、内側発光素子12B2および光検出器30は同一直線上に配置さ
れている。また、第3検出用光源部12Cも、第1検出用光源部12Aと同様、外側発光
素子12C1と、外側発光素子12C1より光検出器30側(内側)の内側発光素子12C
2とを備えており、外側発光素子12C1、内側発光素子12C2および光検出器30は同
一直線上に配置されている。また、第4検出用光源部12Dも、第1検出用光源部12A
と同様、外側発光素子12D1と、外側発光素子12D1より光検出器30側(内側)の内
側発光素子12D2とを備えており、外側発光素子12D1、内側発光素子12D2および
光検出器30は同一直線上に配置されている。
【0025】
ここで、外側発光素子12A1〜12D1はいずれも、光検出器30を中心とする半径r
1の円周上に位置し、内側発光素子12A2〜12D2はいずれも、光検出器30を中心と
する半径r2(但し、r1>r2)の円周上に位置する。なお、図1(b)には、半径r1
円と半径r2の円との中央に位置する半径r0(但し、r0=(r1+r2)/2)の円も表
わしてある。
【0026】
ここで、外側発光素子12A1〜12D1および内側発光素子12A2〜12D2は各々、
LED(発光ダイオード)等の発光素子により構成され、ピーク波長が840〜1000
nmに位置する赤外光からなる検出光L2(検出光L2a〜L2d)を発散光として放出
する。
【0027】
(位置検出部等の構成)
図2に示すように、光源装置11は複数の検出用光源部12を駆動する光源駆動部14
を備えている。光源駆動部14は、検出用光源部12および参照用光源12Rを駆動する
光源駆動回路140と、光源駆動回路140を介して複数の検出用光源部12および参照
用光源12Rの各々の点灯パターンを制御する光源制御部145とを備えている。光源駆
動回路140は、第1検出用光源部12A〜第4検出用光源部12Dを駆動する光源駆動
回路140a〜140dと、参照用光源12Rを駆動する光源駆動回路140rとを備え
ている。また、光源駆動回路140a〜140dは各々、外側発光素子12A1〜12D1
および内側発光素子12A2〜12D2を個別に駆動する。光源制御部145は、光源駆動
回路140a〜140d、140rの全てを制御する。なお、光源駆動回路140a〜1
40dについては、スイッチング回路により、外側発光素子12A1〜12D1および内側
発光素子12A2〜12D2を個別に駆動する構成を採用することもでき、この場合、1つ
の光源駆動回路140で済む。
【0028】
光検出器30には位置検出部50が電気的に接続されており、光検出器30での検出結
果は位置検出部50に出力される。位置検出部50は、光検出器30での検出結果に基づ
いて対象物体Obの位置を検出するための信号処理部55を備えており、かかる信号処理
部55は、増幅器や比較器等を備えている。また、位置検出部50は、対象物体ObのX
Y座標を検出するXY座標検出部52と、対象物体ObのZ座標を検出するZ座標検出部
53とを備えている。また、位置検出部50は、対象物体ObのX座標およびY座標を検
出する際、対象物体Obが検出用光源部12より内側に位置するか外側に位置するかを検
出する内外検出部54も備えている。このように構成した位置検出部50と光源駆動部1
4とは連動して動作し、後述する位置検出を行なう。
【0029】
(内外検出の原理)
図3は、本発明を適用した光学式位置検出装置10で行う対象物体Obの内外判定の原
理を示す説明図である。
【0030】
本形態の光学式位置検出装置10では、図4および図5を参照して後述するように、検
出用光源部12同士の差動、あるいは検出用光源部12と参照用光源12Rとの差動によ
り、2つの検出用光源部12のうちの一方の検出用光源部12と対象物体Obとの距離と
、他方の検出用光源部12と対象物体Obとの距離の比を求め、かかる比に基づいて、対
象物体Obの位置を検出する。かかる差動の際、外側発光素子12A1〜12D1および内
側発光素子12A2〜12D2のいずれを用いてもよいが、以下の説明では、外側発光素子
12A1〜12D1を用いる場合を例示する。
【0031】
また、本形態では、差動により、2つの検出用光源部12のうちの一方の検出用光源部
12と対象物体Obとの距離と、他方の検出用光源部12と対象物体Obとの距離の比を
求める前、あるいは比を求めた後、図3(a)に対象物体Ob1として示すように、対象
物体Obが2つの検出用光源部12の内側に位置するか、あるいは、図3(a)に対象物
体Ob2として示すように、対象物体Obが2つの検出用光源部12の外側に位置するか
を検出する。
【0032】
以下、かかる内外検出の方法について、対象物体Obの座標を検出する際に対象物体O
bが第3検出用光源部12Cより内側にあるか外側にあるかを検出する場合を例に説明す
る。本形態では、まず、外側発光素子12A1、12C1同士の差動、あるいは外側発光素
子12A1、12C1と参照用光源12Rとの差動により、外側発光素子12A1と対象物
体Obとの距離と、外側発光素子12C1と対象物体Obとの距離の比を求める。
【0033】
また、かかる比を求める前、あるいは比を求めた後、第3検出用光源部12Cに用いた
外側発光素子12C1と内側発光素子12C2とを交互に点灯させ、同一強度で検出光L2
を出射させる。そして、内外検出部54において、外側発光素子12C1が点灯した際の
光検出器30での受光強度と、内側発光素子12C2が点灯した際の光検出器30での受
光強度とを比較し、かかる比較結果に基づいて対象物体Obが第3検出用光源部12Cよ
り外側あるいは内側のいずれに位置するかを検出する。
【0034】
より具体的には、図3(b)に示すように、対象物体Obが第3検出用光源部12Cよ
り内側にある場合、対象物体Obと外側発光素子12C1との距離は、対象物体Obと内
側発光素子12C2との距離よりも長い。従って、外側発光素子12C1が点灯した際の光
検出器30での検出強度は、内側発光素子12C2が点灯した際の光検出器30での受光
強度より小である。従って、内外検出部54は、対象物体Obが第3検出用光源部12C
より内側にあると判定することができる。それ故、XY座標検出部52は、外側発光素子
12A1と対象物体Obとの距離と、外側発光素子12C1と対象物体Obとの距離の比に
基づいて、対象物体Obの座標を特定する際、第1検出用光源部12Aと第3検出用光源
部12Cとの距離を内分する。
【0035】
これに対して、図3(e)に示すように、対象物体Obが第3検出用光源部12Cより
外側にある場合、対象物体Obと外側発光素子12C1との距離は、対象物体Obと内側
発光素子12C2との距離よりも短い。従って、外側発光素子12C1が点灯した際の光検
出器30での検出強度は、内側発光素子12C2が点灯した際の光検出器30での受光強
度より大である。従って、内外検出部54は、対象物体Obが第3検出用光源部12Cよ
り外側にあると検出することができる。それ故、XY座標検出部52は、外側発光素子1
2A1と対象物体Obとの距離と、外側発光素子12C1と対象物体Obとの距離の比に基
づいて、対象物体Obの座標を特定する際、第1検出用光源部12Aと第3検出用光源部
12Cとの距離を外分する。
【0036】
なお、第3検出用光源部12Cにおいて、外側発光素子12C1と内側発光素子12C2
との距離が狭い場合には、図3(b)、(c)に示すように、対象物体Obが外側発光素
子12C1および内側発光素子12C2のいずれに近い位置にあるかにかかわらず、上記の
方法を採用しても対象物体Obの座標に対する検出誤差は小さい。
【0037】
但し、第3検出用光源部12Cにおいて、外側発光素子12C1と内側発光素子12C2
との距離が広い場合、半径r1の円と半径r2の円との中央に位置する半径r0(但し、r0
=(r1+r2)/2)の円で囲まれた領域を有効領域とし、半径r0の円で囲まれた領域
より外側を無効領域として対象物体Obの座標の検出を行なわないことにしてもよい。
【0038】
すなわち、図3(c)に示すように、対象物体Obが外側発光素子12C1と内側発光
素子12C2との間のうち、内側発光素子12C2に近い領域に位置する場合、対象物体O
bと外側発光素子12C1との距離は、対象物体Obと内側発光素子12C2との距離より
も長い。従って、第3検出用光源部12Cに用いた外側発光素子12C1と内側発光素子
12C2とを交互に点灯させ、同一強度で検出光L2を出射させるとき、外側発光素子1
2C1が点灯した際の光検出器30での検出強度は、内側発光素子12C2が点灯した際の
光検出器30での受光強度より小である。従って、内外検出部54は、対象物体Obが半
径r0の円で囲まれた領域より内側、すなわち、外側発光素子12C1より内側にあると判
定することができる。それ故、XY座標検出部52は、外側発光素子12A1と対象物体
Obとの距離と、外側発光素子12C1と対象物体Obとの距離の比に基づいて、対象物
体Obの座標を特定する際、第1検出用光源部12Aと第3検出用光源部12Cとの距離
を内分する。
【0039】
これに対して、図3(d)に示すように、対象物体Obが外側発光素子12C1と内側
発光素子12C2との間のうち、外側発光素子12C1に近い領域に位置する場合、対象物
体Obと外側発光素子12C1との距離は、対象物体Obと内側発光素子12C2との距離
よりも短い。従って、対象物体Obが外側発光素子12C1より内側にあるにもかかわら
ず、外側発光素子12C1が点灯した際の光検出器30での検出強度は、内側発光素子1
2C2が点灯した際の光検出器30での受光強度より大である。このような場合、内外検
出部54は、対象物体Obが半径r0の円で囲まれた領域より外側にあるとして、対象物
体Obの座標の検出を停止する。かかる方法によれば、少なくとも対象物体Obが半径r
0の円で囲まれた領域より内側にある場合、対象物体Obの座標の高い精度で検出するこ
とができる。
【0040】
なお、本形態では、上記の内外判定を第1検出用光源部12A〜第4検出用光源部12
Dの全てにおいて行なう。このため、対象物体ObがX軸方向およびY軸方向に対して交
差する角度方向に位置する場合でも、対象物体Obが第1検出用光源部12A〜第4検出
用光源部12Dの内側あるいは外側のいずれに位置するかを判定することができる。従っ
て、対象物体ObのXY座標を高い精度で検出することができる。
【0041】
(座標の基本的な検出原理)
図4は、本発明を適用した光学式位置検出装置10で用いた座標検出の基本原理を示す
説明図であり、図4(a)、(b)は、対象物体Obの位置と光検出器30での受光強度
との関係を模式的に示す説明図、および検出器30での受光強度が等しくなるように検出
光L2の出射強度を調整する様子を模式的に示す説明図である。
【0042】
本形態の光学式位置検出装置10では、図4および図5を参照して以下に説明するよう
に、位置検出部50は、検出用光源部12同士の差動、あるいは検出用光源部12と参照
用光源12Rとの差動により、2つの検出用光源部12のうちの一方の検出用光源部12
と対象物体Obとの距離と、他方の検出用光源部12と対象物体Obとの距離の比を求め
、かかる比に基づいて、対象物体Obの位置を検出する。
【0043】
以下、光検出器30の受光結果に基づいて、第1検出用光源部12A、第2検出用光源
部12B、第3検出用光源部12Cおよび第4検出用光源部12Dのうち、2つの検出用
光源を組み合わせを変えて差動させた複数の結果により対象物体ObのX座標およびY座
標を検出する際の基本的な原理を説明する。
【0044】
本形態の光学式位置検出装置10において、透光部材40の第1面41側(光源装置1
1からの検出光L2の出射側の空間)には検出空間10Rが設定されている。また、2つ
の検出用光源部12、例えば、第1検出用光源部12Aと第3検出用光源部12CはX軸
方向およびY軸方向で離間している。このため、第1検出用光源部12Aの外側発光素子
12A1が点灯して検出光L2aを出射すると、検出光L2aは、図4(a)に示すよう
に、一方側から他方側に向けて強度が単調減少する第1光強度分布L2Gaを形成する。
また、第3検出用光源部12Cの外側発光素子12C1が点灯して検出光L2cを出射す
ると、検出光L2cは、透光部材40を透過して第1面41側(検出空間10R)に、一
方側から他方側に向けて強度が単調増加する第2光強度分布L2Gcを形成する。
【0045】
このような検出光L2a、L2cの差動を利用して対象物体Obの位置情報を得るには
、図4(a)に示すように、まず、第1検出用光源部12Aの外側発光素子12A1を点
灯させる一方、第3検出用光源部12Cの外側発光素子12C1を消灯させ、一方側から
他方側に向かって強度が単調減少していく第1光強度分布L2Gaを形成する。また、第
1検出用光源部12Aの外側発光素子12A1を消灯させる一方、第3検出用光源部12
Cの外側発光素子12C1を点灯させ、一方側から他方側に向かって強度が単調増加して
いく第2光強度分布L2Gcを形成する。従って、検出空間10Rに対象物体Obが配置
されると、対象物体Obにより検出光L2が反射され、その反射光の一部が光検出器30
により検出される。その際、対象物体Obでの反射強度は、対象物体Obが位置する個所
での検出光L2の強度に比例し、光検出器30での受光強度は対象物体Obでの反射強度
に比例する。従って、光検出器30での受光強度は、対象物体Obの位置に対応する値と
なる。それ故、図4(b)に示すように、第1光強度分布L2Gaを形成した際の光検出
器30での検出値LGaと、第2光強度分布L2Gcを形成した際の光検出器30での検
出値LGcとが等しくなるように、第1検出用光源部12Aの外側発光素子12A1に対
する制御量(駆動電流)を調整した際の駆動電流と、第3検出用光源部12Cの外側発光
素子12C1に対する制御量(駆動電流)を調整した際の駆動電流との比や調整量の比等
を用いれば、XY平面内において対象物体Obが第1検出用光源部12Aの外側発光素子
12A1と第3検出用光源部12Cの外側発光素子12C1との間のいずれの位置に存在す
るかを検出できることになる。
【0046】
より具体的には、図4(a)に示すように、第1光強度分布L2Gaと第2光強度分布
L2Gcとを光強度分布が逆向きとなるように形成する。この状態で、光検出器30での
検出値LGa、LGcが等しければ、XY平面内において対象物体Obが第1検出用光源
部12Aの外側発光素子12A1と第3検出用光源部12Cの外側発光素子12C1との間
の中央に位置することが分る。これに対して、光検出器30での検出値LGa、LGcが
相違している場合、検出値LGa、LGcが等しくなるように、第1検出用光源部12A
の外側発光素子12A1および第3検出用光源部12Cの外側発光素子12C1に対する制
御量(駆動電流)を調整して、図4(b)に示すように、再度、第1光強度分布L2Ga
および第2光強度分布L2Gcを順次形成する。その結果、光検出器30での検出値LG
a、LGcが等しくなれば、その時点での第1検出用光源部12Aの外側発光素子12A
1に対する駆動電流と、第3検出用光源部12Cの外側発光素子12C1に対する駆動電流
との比を用いれば、XY平面内において対象物体Obが第1検出用光源部12Aの外側発
光素子12A1と第3検出用光源部12Cの外側発光素子12C1との間のいずれの位置に
存在するかを検出できることになる。
【0047】
かかる検出原理を光路関数を用いて数理的に説明すると、以下のようになる。まず、上
記の差動において、光検出器30での受光強度が等しくなったときの第1検出用光源部1
2Aの外側発光素子12A1に対する駆動電流をIAとし、第3検出用光源部12Cの外側
発光素子12C1に対する駆動電流をICとし、第1検出用光源部12Aの外側発光素子1
2A1から対象物体Obを経て光検出器30に到る距離関数と第3検出用光源部12Cの
外側発光素子12C1から対象物体Obを経て光検出器30に到る距離関数との比をPAC
とすると、比PACは、基本的には下式
AC=IC/IA
により求められる。従って、対象物体Obは、第1検出用光源部12Aの外側発光素子1
2C1と第3検出用光源部12Cの外側発光素子12C1とを結ぶ線を所定の比で分割した
位置を通る等比線上に対象物体Ob位置することが分かる。
【0048】
かかるモデルを数理的に説明する。まず、各パラメータを以下
T=対象物体Obの反射率
t=第1検出用光源部12Aの外側発光素子12A1から出射された
検出光L2が対象物体Obで反射して光検出器30に到る距離関数
A=検出空間10Rに対象物体Obが存在する状態で第1検出用光源部12A
の外側発光素子12A1が点灯したときの光検出器30の検出強度
t=第3検出用光源部12Cの外側発光素子12C1から出射された
検出光L2が対象物体Obで反射して光検出器30に到る距離関数
C=検出空間10Rに対象物体Obが存在する状態で第3検出用光源部12C
の外側発光素子12C1が点灯したときの光検出器30の検出強度
とする。なお、第1検出用光源部12Aの外側発光素子12A1および第3検出用光源部
12Cの外側発光素子12C1の発光強度は、駆動電流と発光係数との積で表されるが、
以下の説明では、発光係数を1とする。
【0049】
また、検出空間10Rに対象物体Obが存在する状態で、前記した差動を行なうと、
A=T×At×IA+環境光 ・・式(1)
C=T×Ct×IC+環境光 ・・式(2)
の関係が得られる。
【0050】
ここで、差動の際の光検出器30の検出強度は等しいことから、式(1)、(2)から
下式
T×At×IA+環境光=T×Ct×IC+環境光
T×At×IA=T×Ct×IC・・式(3)
が導かれる。
【0051】
また、距離関数At、Ctの比PACは、下式
AC=At/Ct・・式(4)
で定義されることから、式(3)、(4)から、距離関数の比PAC
AC=IC/IA・・式(5)
で示すように表される。かかる式(5)では、環境光の項、対象物体Obの反射率の項が
存在しない。それ故、光路係数At、Ctの比PACには、環境光、対象物体Obの反射率が
影響しない。なお、上記の数理モデルについては、対象物体Obで反射せずに入射した検
出光L2の影響等を相殺するための補正を行なってもよい。
【0052】
ここで、検出用光源部12で用いた光源点光源であり、ある地点での光強度は、光源か
らの距離の2乗に反比例する。従って、第1検出用光源部12Aの外側発光素子12A1
と対象物体Oとの離間距離P1と、第3検出用光源部12Cの外側発光素子12C1と対
象物体Obとの離間距離P2との比は、下式
AC=(P1)2:(P2)2
により求められる。それ故、対象物体Obは、検出用光源部12Aの外側発光素子12A
1と第2検出用光源部12Cの外側発光素子12C1とを結ぶ仮想線をP1:P2で分割し
た位置を通る等比線上に対象物体Obが存在することがわかる。
【0053】
同様に、外側発光素子12B1と外側発光素子12D1とを差動させて、外側発光素子1
2B1と対象物体Obとの距離と、外側発光素子12D1と対象物体Obとの距離の比を求
めれば、外側発光素子12B1と外側発光素子12D1とを結ぶ仮想線を所定の比で分割し
た位置を通る等比線上に対象物体Obが存在することがわかる。それ故、対象物体Obの
X座標およびY座標を検出することができる。なお、上記の方法は、本形態で採用した原
理を幾何学的に説明したものであり、実際には、得られたデータを用いて計算を行う。
【0054】
このようにしてX座標およびY座標を検出するにあたって、図3を参照して説明した内
外判定を行なえば、外側発光素子12A1と外側発光素子12C1とを結ぶ仮想線を分割す
る際、および外側発光素子12B1と外側発光素子12D1とを結ぶ仮想線を分割する際、
対象物体Obが第1検出用光源部12A〜第4検出用光源部12Dの内側および外側に位
置するかがわかれば適正な分割を行なうことができる。それ故、対象物体ObのX座標お
よびY座標を精度よく検出することができる。
【0055】
(参照光Lrと検出光L2との差動)
図5は、本発明を適用した光学式位置検出装置10において、参照光Lrと検出光L2
との差動を利用して対象物体Obの位置を検出する原理を示す説明図であり、図5(a)
、(b)は、検出用光源部12から対象物体Obまでの距離と検出光L2等の受光強度と
の関係を示す説明図、および光源への駆動電流を調整した後の様子を示す説明図である。
【0056】
本形態の光学式位置検出装置10においては、検出光L2aと検出光L2cとの直接的
な差動に代えて、検出光L2aと参照光Lrとの差動と、検出光L2cと参照光Lrとの
差動とを利用し、最終的に図4(a)、(b)を参照して説明した原理と同様な結果を導
く。ここで、検出光L2aと参照光Lrとの差動、および検出光L2cと参照光Lrとの
差動は、以下のようにして実行される。
【0057】
図5(a)に示すように、検出空間10Rに対象物体Obが存在する状態においては、
第1検出用光源部12Aの外側発光素子12A1から対象物体Obまで距離と、光検出器
30での検出光L2aの受光強度Daとは、実線SAで示すように単調に変化する。これ
に対して、参照用光源12Rから出射された参照光Lrの光検出器30での検出強度は、
実線SRで示すように、対象物体Obの位置にかかわらず、一定である。従って、光検出
器30での検出光L2aの受光強度Daと、光検出器30での参照光Lrの検出強度Dr
は、相違している。
【0058】
次に、図5(b)に示すように、第1検出用光源部12Aの外側発光素子12A1に対
する駆動電流、および参照用光源12Rに対する駆動電流のうちの少なくとも一方を調整
し、光検出器30での検出光L2aの受光強度Daと、参照光Lrの光検出器30での検
出強度Drとを一致させる。このような差動は、参照光Lrと検出光L2aとの間で行な
われるとともに、参照光Lrと検出光L2cとの間でも行なわれる。従って、光検出器3
0での検出光L2a、L2c(対象物体Obで反射した検出光L3a、L3c)の検出結
果と、光検出器30での参照光Lrの検出結果とが等しくなった時点での第1検出用光源
部12Aの外側発光素子12A1に対する駆動電流と、第3検出用光源部12Cの外側発
光素子12C1に対する駆動電流との比を求めることができる。それ故、第1検出用光源
部12Aと第3検出用光源部12Cとの間のいずれの位置に対象物体Obが存在するかを
検出できることになる。
【0059】
上記の検出原理を光路関数を用いて数理的に説明すると、以下のようになる。まず、各
パラメータを以下
T=対象物体Obの反射率
t=第1検出用光源部12Aの外側発光素子12A1から出射された
検出光L2が対象物体Obで反射して光検出器30に到る距離関数
A=検出空間10Rに対象物体Obが存在する状態で第1検出用光源部12A
の外側発光素子12A1が点灯したときの光検出器30の検出強度
t=第3検出用光源部12Cの外側発光素子12C1から出射された
検出光L2が対象物体Obで反射して光検出器30に到る距離関数
C=検出空間10Rに対象物体Obが存在する状態で第3検出用光源部12C
の外側発光素子12C1が点灯したときの光検出器30の検出強度
s=参照用光源12Rから光検出器30に到る光路係数
R=参照用光源12Rのみが点灯したときの光検出器30の検出強度
とする。なお、第1検出用光源部12Aの外側発光素子12A1、第3検出用光源部12
Cの外側発光素子12C1および参照用光源12Rの発光強度は、駆動電流と発光係数と
の積で表されるが、以下の説明では、発光係数を1とする。また、上記の差動において、
光検出器30での受光強度が等しくなったときの第1検出用光源部12Aの外側発光素子
12A1に対する駆動電流をIAとし、第3検出用光源部12Cの外側発光素子12C1
対する駆動電流をICとし、参照用光源12Rに対する駆動電流をIRとする。また、差動
の際、参照用光源12Rのみが点灯したときの光検出器30の検出強度については、第1
検出用光源部12Aの外側発光素子12A1との差動と、第3検出用光源部12Cの外側
発光素子12C1との差動とにおいて同一と仮定する。
【0060】
検出空間10Rに対象物体Obが存在する状態で、前記した差動を行なうと、
A=T×At×IA+環境光 ・・式(6)
C=T×Ct×IC+環境光 ・・式(7)
R=Rs×IR+環境光 ・・式(8)
の関係が得られる。
【0061】
ここで、差動の際の光検出器30の検出強度は等しいことから、式(6)、(8)から
下式
T×At×IA+環境光=Rs×IR+環境光
T×At×IA=Rs×IR
T×At=Rs×IR/IA・・式(9)
が導かれ、式(7)、(8)から下式
T×Ct×IC+環境光=Rs×IR+環境光
T×Ct×IC=Rs×IR
T×Ct=Rs×IR/IC・・式(10)
が導かれる。
また、距離関数At、Ctの比PACは、下式
AC=At/Ct・・式(11)
で定義されることから、式(9)、(10)から、距離関数の比PAC
AC=IC/IA・・式(12)
で示すように表される。かかる式(12)では、環境光の項、対象物体Obの反射率の項
が存在しない。それ故、光路係数At、Ctの比PACには、環境光、対象物体Obの反射率
が影響しない。なお、上記の数理モデルについては、対象物体Obで反射せずに入射した
検出光L2の影響等を相殺するための補正を行なってもよい。また、第1検出用光源部1
2Aの外側発光素子12A1との差動と、第3検出用光源部12Cの外側発光素子12C1
との差動とにおいて、参照用光源12Rのみが点灯したときの光検出器30の検出強度を
異なる値に設定した場合でも、基本的には同様な原理が成り立つ。
【0062】
ここで、検出用光源部12で用いた光源点光源であり、ある地点での光強度は、光源か
らの距離の2乗に反比例する。従って、第1検出用光源部12Aの外側発光素子12A1
と対象物体Obとの離間距離P1と、第3検出用光源部12Cの外側発光素子12C1
対象物体Obとの離間距離P2との比は、下式
AC=(P1)2:(P2)2
により求められる。それ故、対象物体Obは、検出用光源部12Aの外側発光素子12A
1と第3検出用光源部12Cの外側発光素子12C1とを結ぶ仮想線をP1:P2で分割し
た位置を通る等比線上に対象物体Obが存在することがわかる。
【0063】
同様に、外側発光素子12B1と参照用光源12Rとの差動、および外側発光素子12
1と参照用光源12Rとの差動を利用して、外側発光素子12B1と対象物体Obとの距
離と、外側発光素子12D1と対象物体Obとの距離の比を求めれば、外側発光素子12
1と外側発光素子12D1とを結ぶ仮想線を所定の比で分割した位置を通る等比線上に対
象物体Obが存在することがわかる。それ故、対象物体ObのXY座標を検出することが
できる。
【0064】
このようにしてX座標およびY座標を検出するにあたって、図3を参照して説明した内
外判定を行なえば、外側発光素子12A1と外側発光素子12C1とを結ぶ仮想線を分割す
る際、および外側発光素子12B1と外側発光素子12D1とを結ぶ仮想線を分割する際、
対象物体Obが第1検出用光源部12A〜第4検出用光源部12Dの内側および外側に位
置するかがわかれば適正な分割を行なうことができる。それ故、対象物体ObのX座標お
よびY座標を精度よく検出することができる。
【0065】
(差動のための位置検出部50の構成例)
図6は、本発明を適用した光学式位置検出装置において、位置検出部で行なわれる処理
内容等を示す説明図である。
【0066】
上記の差動を実施するにあたっては、位置検出部50としてマイクロプロセッサーユニ
ット(MPU)を用い、これにより所定のソフトウェア(動作プログラム)を実行するこ
とに従って処理を行う構成を採用することができる。また、図6を参照して以下に説明す
るように、論理回路等のハードウェアを用いた信号処理部で処理を行う構成を採用するこ
ともできる。なお、図6には、図5を参照して説明した差動を示してあるが、参照用光源
12Rを第2検出用光源部12Bに置き換えれば、図4を参照して説明した差動に適用す
ることができる。
【0067】
図6(a)に示すように、本形態の光学式位置検出装置10において、光源駆動回路1
40は、可変抵抗111を介して第1検出用光源部12Aに所定電流値の駆動パルスを印
加する一方、可変抵抗112および反転回路113を介して参照用光源12Rに所定電流
値の駆動パルスを印加する。このため、第1検出用光源部12Aと参照用光源12Rには
逆相の駆動パルスが印加されるので、第1検出用光源部12Aと参照用光源12Rとは交
互に点灯することになる。そして、第1検出用光源部12Aが点灯した時、検出光L2a
のうち、対象物体Obで反射した光は光検出器30で受光され、参照用光源12Rが点灯
した時、参照光Lrが光検出器30で受光される。光強度信号生成回路150において、
光検出器30には、1kΩ程度の抵抗30rが直列に電気的接続されており、それらの両
端にはバイアス電圧Vbが印加されている。
【0068】
かかる光強度信号生成回路150において、光検出器30と抵抗30rとの接続点Q1
には、位置検出部50が電気的に接続されている。光検出器30と抵抗30rとの接続点
Q1から出力される検出信号Vcは、下式
Vc=V30/(V30+抵抗30rの抵抗値)
V30:光検出器30の等価抵抗
で表される。従って、環境光Lcが光検出器30に入射しない場合と、環境光Lcが光検
出器30に入射している場合とを比較すると、環境光Lcが光検出器30に入射している
場合には、検出信号Vcのレベルおよび振幅が大きくなる。
【0069】
位置検出部50は概ね、位置検出用信号抽出回路190、位置検出用信号分離回路17
0、および発光強度補償指令回路180を備えている。位置検出用信号抽出回路190は
、1nF程度のキャパシタからなるフィルター192を備えており、かかるフィルター1
92は、光検出器30と抵抗30rとの接続点Q1から出力された信号から直流成分を除
去するハイパスフィルターとして機能する。このため、フィルター192によって、光検
出器30と抵抗30rとの接続点Q1から出力された検出信号Vcからは、光検出器30
による位置検出信号Vdのみが抽出される。すなわち、検出光L2aおよび参照光Lrは
変調されているのに対して、環境光Lcはある期間内において強度が一定であると見なす
ことができるので、環境光Lcに起因する低周波成分あるいは直流成分はフィルター19
2によって除去される。
【0070】
また、位置検出用信号抽出回路190は、フィルター192の後段に、220kΩ程度
の帰還抵抗194を備えた加算回路193を有しており、フィルター192によって抽出
された位置検出信号Vdは、バイアス電圧Vbの1/2倍の電圧V/2に重畳された位置
検出信号Vsとして位置検出用信号分離回路170に出力される。
【0071】
位置検出用信号分離回路170は、第1検出用光源部12Aに印加される駆動パルスに
同期してスイッチング動作を行なうスイッチ171と、比較器172と、比較器172の
入力線に各々、電気的接続されたキャパシタ173とを備えている。このため、位置検出
信号Vsが位置検出用信号分離回路170に入力されると、位置検出用信号分離回路17
0から発光強度補償指令回路180には、第1検出用光源部12Aが点灯した時の位置検
出信号Vsの実効値Veaと、参照用光源12Rが点灯した時の位置検出信号Vsの実効
値Vebとが交互に出力される。
【0072】
発光強度補償指令回路180は、実効値Vea、Vebを比較して、図6(b)に示す
処理を行ない、位置検出信号Vsの実効値Veaと位置検出信号Vsの実効値Vebとが
同一レベルとなるように光源駆動回路140に制御信号Vfを出力する。すなわち、発光
強度補償指令回路180は、位置検出信号Vsの実効値Veaと位置検出信号Vsの実効
値Vebとを比較して、それらが等しい場合、現状の駆動条件を維持させる。これに対し
て、位置検出信号Vsの実効値Veaが位置検出信号Vsの実効値Vebより低い場合、
発光強度補償指令回路180は、可変抵抗111の抵抗値を下げさせて第1検出用光源部
12Aからの出射光量を高める。また、位置検出信号Vsの実効値Vebが位置検出信号
Vsの実効値Veaより低い場合、発光強度補償指令回路180は、可変抵抗112の抵
抗値を下げさせて参照用光源12Rからの出射光量を高める。
【0073】
このようにして、光学式位置検出装置10では位置検出部50の発光強度補償指令回路
180によって、第1検出用光源点灯動作中および参照用光源点灯動作中での光検出器3
0による検出量が同一となるように、第1検出用光源部12Aおよび参照用光源12Rの
制御量(駆動電流)を制御する。従って、発光強度補償指令回路180には、第1検出用
光源点灯動作中および参照用光源点灯動作中での光検出器30による検出量が同一となる
ような第1検出用光源部12Aおよび参照用光源12Rに対する駆動電流に関する情報が
存在し、かかる情報は、位置検出信号Vgとして位置検出部50に出力される。
【0074】
同様な処理は、第2検出用光源部12Bと参照用光源12Rとの間でも行なわれ、発光
強度補償指令回路180から出力される位置検出信号Vgは、第2検出用光源点灯動作中
および参照用光源点灯動作中での光検出器30による検出量が同一となるような第2検出
用光源部12Bおよび参照用光源12Rに対する駆動電流に関する情報である。
【0075】
(Z座標の検出)
本形態の光学式位置検出装置10において、第1検出用光源部12A〜第4検出用光源
部12Dが同時に点灯すると、透光部材40の第1面41側(検出空間10R)には、第
1面41に対する法線方向で強度が単調減少するZ座標検出用光強度分布が形成される。
かかるZ座標検出用光強度分布では、透光部材40の第1面41から離間するに従って強
度が単調に低下する。従って、位置検出部50のZ座標検出部53では、参照用光源12
Rと第1検出用光源部12A〜第4検出用光源部12Dとを交互に点灯させたときの光検
出器30での検出値の差や比に基づいて対象物体ObのZ座標を検出することができる。
また、位置検出部50のZ座標検出部53では、参照用光源12Rと第1検出用光源部1
2A〜第4検出用光源部12Dとを交互に点灯させたときの光検出器30での検出値が等
しくなったときの参照用光源12Rに対する駆動電流と第1検出用光源部12A〜第4検
出用光源部12Dに対する駆動電流との差や比に基づいて対象物体ObのZ座標を検出す
ることができる。
【0076】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態の光学式位置検出装置10では、光源駆動部14は、複数
の検出用光源部12を順次点灯させ、その間、光検出器30は、対象物体Obで反射した
検出光L3を受光する。従って、光検出器30での検出結果を直接、あるいは光検出器3
0を介して2つの検出用光源部12を差動させたときの駆動電流を用いれば、位置検出部
50は、対象物体Obの位置を検出することができる。ここで、検出空間10Rからみた
ときに、光検出器30は、複数の検出用光源部12より内側に位置するとともに、複数の
検出用光源部12は各々、外側発光素子12A1〜12D1と内側発光素子12A2〜12
2とを備えている。従って、位置検出部50は、外側発光素子12A1〜12D1が点灯
した際の光検出器30での受光強度と内側発光素子12A2〜12D2が点灯した際の光検
出器30での受光強度との比較結果に基づいて対象物体Obが検出用光源部12より外側
あるいは内側のいずれに位置するかを判定することができる。このため、2つの検出用光
源部12のうちの一方の検出用光源部12と対象物体Obとの距離と、他方の検出用光源
部12と対象物体Obとの距離の比を求めた際、2つの検出用光源部12の距離を内分し
て対象物体Obの位置を特定すればよいのか、2つの検出用光源部12の距離を外分して
対象物体Obの位置を特定すればよいのかを誤ることがない。それ故、対象物体Obの位
置を正確に検出することができる。
【0077】
また、本形態では、2つの検出用光源部12での差動、あるいは検出用光源部12と参
照用光源12Rとの差動を利用しているため、環境光等の影響を自動的に補正することが
できる。
【0078】
さらに、検出光L2は赤外光であるため、視認されない。従って、本形態の光学式位置
検出装置10を表示装置に適用した場合でも表示を妨げない等、光学式位置検出装置10
を各種機器に用いることができる。
【0079】
[他の実施形態]
上記実施の形態では、差動を行なう際、外側発光素子12A1〜12D1を点灯させたが
、内側発光素子12A2〜12D2を点灯させてもよい。また、外側発光素子12A1〜1
2D1および内側発光素子12A2〜12D2を点灯させてもよい。
【0080】
[光学式位置検出装置10の利用例]
図7を参照して、本発明を適用した光学式位置検出装置10を触覚センサーとして用い
たロボットハンド装置を説明する。図7は、本発明を適用した光学式位置検出装置10を
触覚センサーとしてハンド装置に備えたロボットアームの説明図であり、図7(a)、(
b)は、ロボットアーム全体の説明図、およびハンド装置の説明図である。
【0081】
図7(a)に示すロボットアーム200は、数値制御工作機械等に対してワークや工具
の供給および取り出し等行う装置であり、基台290から直立する支柱220と、アーム
210とを備えている。本形態において、アーム210は、支柱220の先端部に第1関
節260を介して連結された第1アーム部230と、第1アーム部230の先端部に第2
関節270を介して連結された第2アーム部240とを備えている。支柱220は、基台
290に対して垂直な軸線H1周りに回転可能であり、第1アーム部230は、支柱22
0の先端部で第1関節260によって水平な軸線H2周りに回転可能であり、第2アーム
部240は、第1アーム部230の先端部で第2関節270によって水平な軸線H3周り
に回転可能である。第2アーム部240の先端部にはハンド装置400のハンド450が
連結されており、ハンド450は、第2アーム部240の軸線H4周りに回転可能である

【0082】
図7(b)に示すように、ハンド装置400は、複数の把持爪410(把持具)を備え
たハンド450を有しており、ハンド450は、複数の把持爪410の根元を保持する円
盤状の把持爪保持体420を備えている。本形態において、ハンド450は、複数の把持
爪410として、第1把持爪410Aおよび第2把持爪410Bを備えている。2つの把
持爪410はいずれも、矢印H4で示すように、互いに離間する方向および接近する方向
に移動可能である。
【0083】
このように構成したロボットアーム200において、対象物体Obを把持する際には、
支柱220、第1アーム部230および第2アーム部240が所定方向に回転してハンド
450を対象物体Ob(ワーク)に接近させた後、2つの把持爪410が互いに接近する
方向に移動して対象物体Obを把持する。
【0084】
ここで、対象物体Ob(ワーク)を把持する際に対象物体Obに接する把持爪410の
内面は、上記の実施の形態で説明した光学式位置検出装置10の透光部材40の第1面4
1からなる。従って、把持爪410が対象物体Obを把持する際、光学式位置検出装置1
0は、対象物体Obと把持爪410との相対位置や位置を検出し、かかる検出結果は、把
持爪410の駆動制御部にフィードバックされる。それ故、把持爪410を対象物体Ob
に高速で接近させることができ、ワーク把持動作の高速化を実現することができる。
【符号の説明】
【0085】
10・・光学式位置検出装置、10R・・検出空間(検出光の出射側空間)、11・・光
源装置、12・・検出用光源部、12A・・第1検出用光源部、12A1〜12D1・・外
側発光素子、12A2〜12D2・・内側発光素子、12B・・第2検出用光源部、12C
・・第3検出用光源部、12D・・第4検出用光源部、12R・・参照用光源、30・・
光検出器、40・・透光部材、50・・位置検出部、52・・XY座標検出部、53・・
Z座標検出部、54・・内外検出部、Ob・・対象物体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物体の位置を光学的に検出する光学式位置検出装置であって、
検出光を出射するとともに、当該検出光の出射方向に対して交差する方向で離間する複
数の検出用光源部と、
前記検出光の出射側空間に位置する前記対象物体で反射した前記検出光を受光する光検
出器と、
前記複数の検出用光源部を順次点灯させる光源駆動部と、
前記光検出器の受光結果に基づいて前記対象物体の位置を検出する位置検出部と、
を有し、
前記出射側空間からみたとき、
前記光検出器は、前記複数の検出用光源部より内側に位置するとともに、前記複数の検
出用光源部は各々、外側発光素子と、該外側発光素子に対して前記光検出器が位置する内
側に配置された内側発光素子と、を備え、前記位置検出部は、前記外側発光素子が点灯し
た際の前記光検出器での受光強度と前記内側発光素子が点灯した際の前記光検出器での受
光強度との比較結果に基づいて前記対象物体が前記検出用光源部より外側あるいは内側の
いずれに位置するかを判定することを特徴とする光学式位置検出装置。
【請求項2】
前記位置検出部は、前記外側発光素子および前記内側発光素子が同一強度で前記検出光
を出射した際、前記外側発光素子が発光したときの前記光検出器での受光強度が前記内側
発光素子が発光したときの前記光検出器での受光強度より大であるとき、前記対象物体が
前記検出用光源部により外側に位置すると判定し、前記外側発光素子が発光したときの前
記光検出器での受光強度が前記内側発光素子が発光したときの前記光検出器での受光強度
より小であるとき、前記対象物体が前記検出用光源部により内側に位置すると判定するこ
とを特徴とする請求項1に記載の光学式位置検出装置。
【請求項3】
前記位置検出部は、前記外側発光素子および前記内側発光素子が同一強度で前記検出光
を出射した際、前記外側発光素子が発光したときの前記光検出器での受光強度が前記内側
発光素子が発光したときの前記光検出器での受光強度より大であるとき、前記対象物体が
前記外側発光素子と前記内側発光素子との中間位置より外側に位置すると判定し、前記外
側発光素子が発光したときの前記光検出器での受光強度が前記内側発光素子が発光したと
きの前記光検出器での受光強度より小であるとき、前記外側発光素子と前記内側発光素子
との中間位置より内側に位置すると判定することを特徴とする請求項1に記載の光学式位
置検出装置。
【請求項4】
前記検出光の出射方向をZ軸方向とし、当該Z軸方向に対して交差する2方向をX軸方
向およびY軸方向としたとき、
前記複数の検出用光源部には、X軸方向で離間する検出用光源部と、Y軸方向で離間す
る検出用光源部とが含まれていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の
光学式位置検出装置。
【請求項5】
前記位置検出部は、前記光検出器の受光結果に基づいて前記複数の検出用光源部のうち
の一部の検出用光源部と他の一部の検出用光源部とを差動させた結果に基づいて前記対象
物体の位置を検出することを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の光学式位置
検出装置。
【請求項6】
前記出射側空間を介さずに前記光検出器に入射する参照光を出射する参照用光源を備え

前記位置検出部は、前記光検出器の受光結果に基づいて前記複数の検出用光源部のうち
の一部の検出用光源部と前記参照用光源とを組み合わせを変えて差動させた結果に基づい
て前記対象物体の位置を検出することを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の
光学式位置検出装置。
【請求項7】
前記位置検出部は、前記複数の検出用光源部が同時、あるいは順次点灯したときの前記
光検出器での受光結果に基づいて前記検出光の出射方向における前記対象物体の位置を検
出することを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の光学式位置検出装置。
【請求項8】
前記検出光は赤外光であることを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の光学
式位置検出装置。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図1】
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