説明

光学式磁気ディスク両面欠陥検査装置及びその方法

【課題】
一台の検査装置で従来の連続記録磁性媒体の磁気ディスクの表面欠陥の検査とディスクリートトラック方式、パターンドメディア方式の磁気ディスクの表面欠陥の検査を行うことを可能にする。
【解決手段】
連続記録磁性媒体の磁気ディスクの表面欠陥を検査するときには連続記録磁性媒体検査用のしきい値と比較して欠陥を検出し、ディスクリートトラック方式又はパターンドメディア方式の磁気ディスクの表面欠陥の検査するときにはディスク表面からの反射光を検出した信号のレベルに基いてデータ領域とサーボ領域とを識別し、それぞれの領域からの反射光検出信号を領域に応じたしきい値処理をして欠陥を検出するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気ディスクの表面と裏面との両面の欠陥を検査する方法及びその装置に係り、特に、従来の連続記録磁性媒体の磁気ディスクと次世代のディスクリートトラック方式又はパターンドメディア方式の磁気ディスクとの両方の磁気ディスク表面の凹みや傷及び両面に付着した異物を検出するのに適した光学式磁気ディスクの両面欠陥検査方法及びその装置に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気ディスクの記録容量は年々増大し、従来の連続記録磁性媒体の磁気ディスク平面記録方式から垂直磁気記録方式へ移行し、次の世代としてディスクリートトラック方式の磁気ディスク、更にはナノメートルオーダの孤立した磁気ドットパターンで形成されるパターンドメディア方式の磁気ディスクの開発が進められている。
【0003】
従来の連続記録磁性媒体の磁気ディスク表面の欠陥を検査する装置は、例えば特許文献1(特開2008−268189号公報)に記載されている。この特許文献1には、回転している磁気ディスクにレーザビームを斜め方向から照射して、ディスク表面からの正反射光と散乱光とを検出し、正反射光と散乱光とのそれぞれの検出信号を処理することによりディスク表面の欠陥を検出して分類する検査装置が開示されている。
【0004】
一方、ディスクリートトラック方式またはパターンドメディア方式の磁気ディスクには、従来の連続記録磁性媒体の磁気ディスクとは異なり、ディスク表面にデータを記録するデータ領域の中に周期的なサーボ領域が設けられる。このサーボ領域にはデータ領域とは異なるパターンが形成されるために、連続して回転するディスクリートトラック方式またはパターンドメディア方式の磁気ディスクにレーザを照射したときに、データ領域からの反射光とサーボ領域からの反射光との強度が大きく変化する。
【0005】
したがって、従来の連続記録磁性媒体の磁気ディスク表面の欠陥を検査する装置をそのまま用いたのでは、ディスクリートトラック方式、更にはパターンドメディア方式の記録媒体の磁気ディスク表面の欠陥を検査することが難しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−268189号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
磁気ディスクの記録容量の増大化に伴い、従来の連続磁性媒体の磁気ディスクからディスクリートトラック方式、更にはパターンドメディア方式の磁気ディスクに徐々に移行していくことが予想される。
【0008】
その移行期間においては、一台の検査装置で従来の連続磁性媒体の磁気ディスクの両面欠陥の検査とディスクリートトラック方式、パターンドメディア方式の磁気ディスクの両面欠陥の検査を行えるようにするのが望ましい。
【0009】
図9に、本発明で検査対象とする試料(磁気ディスク)100の外観を示す。(a)は従来の連続記録磁性媒体の磁気ディスク100−1で、(b)にその断面の一部を拡大した模式図を示すが、基板1001の表面に磁性膜1002(実際には、下地膜上に形成された多層膜で構成されている)が均一に形成されその表面が保護膜1003で覆われた構造になっている。したがって、表面が無欠陥の理想的な状態では、磁気ディスク100−1の表面にレーザを斜め方向から照射したときに、どの場所からも同じ光量の反射光が検出される。
一方、(c)は次世代のディスクリートトラック方式又はパターンドメディア方式の磁気ディスク100−2で、ディスクリートトラック方式又はパターンドメディア方式の磁気ディスク100−2には、データの書き込み、読み出しを行うデータ領域1021とディスクの位置制御を行うためのサーボ領域1022が形成されている。(d)にその断面の一部を拡大した模式図を示す。基板1011の表面に磁性膜層1012(実際には、下地膜上に形成された多層膜で構成されている)が形成されその表面が保護膜1013で覆われた構造になっている。この磁性膜層1012は、データ領域1021では同じ形状のパターンが等ピッチに形成されているのに対して、サーボ領域1022では形状やピッチが異なるパターンが形成されている。そのため、表面が無欠陥の理想的な状態であっても、磁気ディスク100−2の表面にレーザを斜め方向から照射したときに、データ領域からの反射光とサーボ領域からの反射光には光量の差が生じてしまう(サーボ領域からの反射光量が大きくなる)。
【0010】
そのため、特許文献1に記載されているような図9(a)及び(b)に示した連続記録磁性媒体の記録方式の磁気ディスクを検査対象とする従来の光学式の検査装置では、図9(c)及び(d)に示したような表面の反射特性が大きく異なるデータ領域とサーボ領域とが存在するディスクリートトラック方式、パターンドメディア方式の磁気ディスクの表面欠陥の検査を行うことが難しい。
【0011】
本発明の目的は、上記課題を解決して、一台の検査装置で従来の連続記録磁性媒体の記録方式の磁気ディスクの表面欠陥の検査とディスクリートトラック方式、パターンドメディア方式の磁気ディスクの両面の欠陥検査を行うことを可能にする光学式の磁気ディスク両面欠陥検査装置を提供することに有る。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、本発明では、検査対象の磁気ディスクを保持して回転と移動が可能なテーブル手段と、テーブル手段に保持された磁気ディスクの表面の傷や欠陥を光学的に検出する表面側欠陥検出手段と、磁気ディスクの裏面の傷や欠陥を光学的に検出する裏面側欠陥検出手段と、表面側欠陥検出手段からの出力と裏面側欠陥検出手段からの出力とを処理して欠陥を検出する処理手段と、処理手段で処理する条件を入力するとともに処理手段で処理した結果を出力する表示画面を備えた入出力手段と、テーブル手段と表面側欠陥検出手段と裏面側欠陥検出手段と処理手段と入出力手段とを制御する制御手段とを備えた磁気ディスクの両面欠陥検査装置において、入出力手段は表示画面上に検査対象の磁気ディスクの種類を選択する選択部を表示し、制御手段は入出力手段の表示画面上で選択された磁気ディスクの種類に応じて処理手段を制御して検査対象である磁気ディスクの表面と裏面との欠陥を検出するようにした。
【0013】
また上記目的を達成するために、本発明では、検査対象の磁気ディスクを保持して回転と移動が可能なテーブル手段と、テーブル手段に保持された磁気ディスクの表面の傷や欠陥を光学的に検出する表面側欠陥検出手段と、磁気ディスクの裏面の傷や欠陥を光学的に検出する裏面側欠陥検出手段と、表面側欠陥検出手段からの出力と裏面側欠陥検出手段からの出力とを処理して欠陥を検出する処理手段と、処理手段で処理した結果を出力する表示画面を備えた出力手段とを備えた磁気ディスクの両面欠陥検査装置において、処理手段が、検査対象の磁気ディスクの種類を識別し、識別した磁気ディスクの種類に応じて表面側欠陥検出手段からの出力と裏面側欠陥検出手段からの出力とを処理する処理条件を変えるようにした。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、検査対象の磁気ディスクの種類に応じて検査条件を変更することを可能にしたことにより、1台の検査装置で連続記録磁性媒体の磁気ディスクとディスクリートトラック方式又はパターンドメディア方式の磁気ディスクの欠陥の検査を行うことを可能にした。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】表面欠陥検査装置の概略の構成を示すブロック図である。
【図2】表面側の検査光学系の概略の構成を示す正面図である。
【図3】裏面側の検査光学系の概略の構成を示す(a)正面図と、(b)A-A方向から見た側面図である。
【図4】非球面フレネルレンズの断面図及びそれに対応する非球面レンズの断面図である。
【図5】第1の信号処理部の概略の構成を示すブロック図である。
【図6】ディスクリートトラック方式又はパターンドメディア方式の磁気ディスクからの正反射光を第2の光電変換器129で検出したときの検出信号の時間変化を示すグラフである。
【図7】表示画面上に表示された種類選択領域1462の例である。
【図8】表示画面上に表示された検査結果の例(a)と、マップの表示内容の変形例(b)、(c)である。
【図9】連続記録磁気媒体の磁気ディスクの平面図(a)とその断面図(b)、ディスクリートトラック方式又はパターンドメディア方式の磁気ディスクの平面図(c)とその断面図(d)である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明では、一台の検査装置で従来の連続記録磁性媒体の磁気ディスクの表面欠陥の検査とディスクリートトラック方式、パターンドメディア方式の磁気ディスクの表面欠陥の検査を行うことを可能にするために、光学式の磁気ディスク表面欠陥検査装置において、ディスクリートトラック方式、パターンドメディア方式の磁気ディスクの表面欠陥の検査を行うときに、ディスク表面からの反射光を検出した信号のレベルに基いてデータ領域の検出信号とサーボ領域の検出信号とを識別するようにし、識別したそれぞれの領域からの反射光検出信号を領域に応じたしきい値処理をして欠陥を検出するようにした。以下に、本発明の実施の形態を、図を用いて説明する。
【実施例1】
【0017】
以下に、本発明を磁気ディスクの両面に欠陥を同時に検出する両面欠陥検査装置に適用した例を、図を用いて説明する。
【0018】
図1は、本実施例による磁気ディスクの欠陥検査装置の全体構成を示す図である。欠陥検査装置は大きくは、検査対象の試料を載置するテーブル部110、表面側検査光学系120、裏面側検査光学系130、信号処理・制御系140で構成されている。
テーブル部110は、試料(磁気ディスク)100を載置して回転可能なテーブル(スピンドル)111、テーブル111を回転の主軸に直角な方向に移動可能なステージ112を備えている。また、テーブル部は、図示していない試料100をチャックして保持する機構を備えている。
【0019】
試料100の表面側1001の欠陥を検出する表面側検査光学系120の概略の構成を図2に示す。表面側検査光学系120は、照明系1201と散乱光検出系1202及び正反射光検出系1203で構成される。
【0020】
表面側の照明系1201は第1のレーザ光源121、第1のレーザ光源121から発射されたレーザを拡大する拡大レンズ1221、拡大されたレーザを集光する集光レンズ1222、集光されたレーザを試料100の表面に集束させる集束レンズ1223を備える。
表面側の散乱光検出系1202は、試料100の表面からの反射光(正反射光と散乱光)のうち散乱光を集光する対物レンズに相当する第1の非球面フレネルレンズ123、集光された散乱光を集束させる集束レンズに相当する第2の非球面フレネルレンズ124、第2の非球面フレネルレンズ124で集束された散乱光を 通過させるピンホール1252を有して散乱光以外の迷光を遮光するピンホール板1251、ピンホール板1251のピンホール1252を通過した散乱光を高感度に検出する第1の光電変換器125(例えば、アバランシェ・フォトダイオード(APD)や光電子増倍管(PMT)など)を備える。
表面側の正反射光検出系1203は、試料100からの反射光(正反射光と散乱光)のうち正反射光を反射して光路を切替えるミラー126、光路を切替えられた正反射光を集光させる集光レンズ127、集光レンズ127で集光された正反射光を通過させて正反射光以外の迷光を遮光するピンホール1282を有するピンホール板1281、ピンホール1282を通過した正反射光を検出する第2の光電変換器129(APD)を備えている。ミラー126は、正反射光以外の光(散乱光)を反射しないように、十分に小さい形状に形成されている。第2の光電変換器129(APD)は、ディスクリートトラック方式又はパターンドメディア方式の磁気ディスクの表面欠陥のデータエリア上の微小な欠陥からの微弱な反射光とサーボエリアからの比較的強い反射光とを検出できるように、ゲインを調整しておく。
【0021】
試料100の裏面側1002の欠陥を検出する裏面側検査光学系130の概略の構成を図3(a)及び(b)に示す。裏面側検査光学系130は照明系1301と散乱光検出系1302及び正反射光検出系1303で構成される。
【0022】
裏面側検査光学系130の照明系1301は、図3(a)に示すように、第2のレーザ光源131、第2のレーザ光源131から発射したレーザを拡大する拡大レンズ1321、拡大されたレーザを集光する集光レンズ1322、集光されたレーザを試料100の裏面に集束させる集束レンズ1323、集光レンズ1323を透過したレーザの光路を折り曲げるプリズム133を備えて構成される。プリズム133でレーザを反射して光路を折り曲げる構成としたので第2のレーザ光源131を基板100の下部の比較的狭い空間から離れた場所に設置することができ、従来の片面だけを検査する装置に比べてテーブル部110に大きな変更を加えることなく裏面側の検査を可能になった。
【0023】
裏面側の散乱光検出系1302は、レーザが照射された試料100の裏面から発生した反射光(正反射光と散乱光)のうち散乱光を集光する対物レンズに相当する第3の非球面フレネルレンズ1341、集光された散乱光を集束させる集束レンズに相当する第4の非球面フレネルレンズ1342、第4の非球面フレネルレンズ1342を透過してプリズム133で反射して光路を切替えられた散乱光を通過させるピンホール1352を有して散乱光以外の迷光を遮光するピンホール板1351、ピンホール板1351のピンホール1352を通過した散乱光を高感度に検出する第3の光電変換器136(例えば、アバランシェ・フォトダイオード(APD)や光電子増倍管(PMT)など)を備えて構成される。
【0024】
裏面側の散乱光検出系1302に非球面フレネルレンズとプリズム133とを組合せて用いたことにより、基板100の下部の比較的狭い空間にNA(開口数)が比較的大きい光学系を設置することが可能になり、更に、プリズム133で散乱光の光路を折り曲げて検出する構成としたので、従来の片面だけを検査する装置に比べてテーブル部110に大きな変更を加えることなく裏面側の検査が可能になった。
【0025】
裏面側の正反射光検出系1303は、図3(b)に示すように、レーザが照射された試料100の裏面からの反射光(正反射光と散乱光)のうち正反射光の光路を切替えるミラー137(図3(a)の構成では、紙面に垂直な方向に反射する)、光路を切替えられた正反射光を集光する集光レンズ1381、集光された正反射光を検出する第4の光電変換器139(光電子増倍管(PMT))、集光レンズ1381と第4の光電変換器139との間に配置されて集光レンズ1381を透過した正反射光を通過させて正反射光以外の迷光を遮光するピンホール1354を有するピンホール板1353を備えている。
【0026】
図4の(a)は通常の光学レンズ1340を示し、(b)にはそれと同じ開口数(NA)を有する非球面フレネルレンズ134の例を示す。この図からもわかるように、非球面フレネルレンズ134は、同じ開口を有する通常の光学レンズ1340と比べて、比較的薄い寸法で形成することができる。本実施例においては、このような特性を持つ非球面フレネルレンズを散乱光検出光学系に用いる。
【0027】
非球面フレネルレンズは通常の光学ガラスのほかに、プラスチックでも形成することができる。プラスチックで形成する場合、任意の形状に加工することが可能である。また、素材がプラスチックであるために軽量であり、所望の形状に加工した複数の非球面フレネルレンズを組合せて用いる場合に、それらを支持する鏡筒部は通常のガラスレンズを用いる場合と比べて強度を必要としないので、比較的スリムな構造にすることができる。
【0028】
図1において、信号処理・制御系140は、表面側検査光学系120の散乱光検出系1202の第1の光電変換器125から出力される検出信号を増幅してA/D変換する第1のA/D変換器14111と正反射光検出光学系1203の第2の光電変換器129から出力される検出信号を増幅してA/D変換する第2のA/D変換器14112とを備えた第1のA/D変換部1411、裏面側検査光学系130の散乱光検出系1302の第3の光電変換器136から出力される検出信号を増幅してA/D変換する第3のA/D変換器14121と正反射光検出光学系1303の第4の光電変換器139から出力される検出信号を増幅してA/D変換する第4のA/D変換器14112とを備えた第2のA/D変換部1411、第1のA/D変換部1411からの出力を受けて信号処理する第1の信号処理部142と、第2のA/D変換部1412からの出力を受けて信号処理する第2の信号処理部143と、第1の信号処理部142で処理された信号と第2の信号処理部143で処理された信号とを統合して処理する統合信号処理部144、統合信号処理部144で処理された結果を記憶する記憶部145と、統合信号処理部144で処理された結果を出力するとともに検査条件を入力する表示画面1461を備えた入出力部146、全体を制御する全体制御部147、全体制御部147の制御信号を受けてテーブル部110を制御するテーブル制御部148、全体制御部147の制御信号を受けて表面側の検査光学系120と裏面側の検査光学系130とを制御する検査光学系制御部149を備えている。
【0029】
表面側検査光学系120からの検出信号を処理する第1の信号処理部142の構成を、図5を用いて説明する。
【0030】
第1の信号処理部142は、表面側の散乱光検出系1202の第1の光電変換器125から出力されてA/D変換器14111で増幅してA/D変換された信号を処理する表面側散乱光検出信号処理部142−2と、表面側の正反射光検出系1203の第2の光電変換器129から出力されてA/D変換器14112で増幅してA/D変換された信号を処理する表面側正反射光検出信号処理部142−1とを備えている。
【0031】
表面側正反射光検出信号処理部142−1と表面側散乱光検出信号処理部142−2とは基本的に同じ構成になっているので、表面側正反射光検出信号処理部142−1の構成についてその詳細を説明する。
【0032】
表面側正反射光検出信号処理部142−1は、A/D変換器14112からの信号を入力して検査対象試料100がディスクリートトラックメディアまたはパターンドメディアの磁気ディスクのときにサーボ領域とデータ領域とを識別する領域判定部142−11、領域判定部142−11でサーボ領域と判定した領域からの信号を入力してサーボ領域の欠陥を検出するサーボ領域欠陥検出部142−12、領域判定部142−11でデータ領域と判定した領域からの信号を入力してデータ領域の欠陥を検出するデータ領域欠陥検出部142−13、サーボ領域欠陥検出部142−12での欠陥検出結果とデータ領域欠陥検出部142−13での欠陥検出結果とを一旦記憶しておく検査結果記憶部142−14を備えている。
【0033】
一方、検査対象試料100が連続磁気記録媒体の磁気ディスクの場合には、データ領域欠陥検出部142−13で欠陥検出処理がなされ、その結果を検査結果記憶部142−14に一旦記憶される。
【0034】
検査結果記憶部142−14に記憶されて検査結果のデータは、表面側散乱光検出信号処理部142−2から検査結果のデータとともに欠陥判定部142−3に送られて試料100の表面側1001の欠陥が判定される。
【0035】
入出力部146の表示画面1461には、図7に示すような検査対象試料100の種類(連続記録磁気媒体の磁気ディスクであるか又はディスクリートトラックメディア/パターンドメディアの磁気ディスクであるか)を選択する種類選択領域1462が表示される。この表示画面1461上に表示された種類選択領域1462で「連続記録磁気媒体」を選択すると、全体制御部147は第1の信号処理部142と第2の信号処理部143とに連続記録磁気媒体の磁気ディスクの欠陥検出用の信号を送る。一方、種類選択領域1462で「ディスクリートトラックメディア/パターンドメディア」を選択すると、全体制御部147は第1の信号処理部142と第2の信号処理部143とにディスクリートトラックメディア/パターンドメディアの磁気ディスクの欠陥検出用の信号を送る。
【0036】
次に、ディスクリートトラックメディア/パターンドメディアの磁気ディスクを検査する場合の各部の動作を説明する。
【0037】
先ず、入出力部146の表示画面1461に図7に示すような種類選択領域1462を表示させ、検査対象試料100として表中のNo.2の「ディスクリートトラックメディア/パターンドメディア」を選択(指定)する。全体制御部147はこの種類選択領域1462で指定された情報に基いて第1の信号処理部142の表面側正反射光検出信号処理部142−1の領域判定部142−11に領域判定しきい値信号1471、領域判定しきい値信号1471のレベルを超える時間の基準値Ts,サーボ領域欠陥判定部142−12にサーボ領域欠陥検出しきい値信号1472、データ領域欠陥検出部142−13にデータ領域欠陥検出しきい値信号1476をそれぞれ送る。
【0038】
次に、図示していないロード機構で試料100をテーブル部110のテーブル111に載置し図示していないチャック機構でチャックして保持した状態で、テーブル部110はテーブル制御部148で制御されてテーブル111を回転させると共に、テーブル111の回転と同期してステージ112をテーブル111の回転の主軸に直角な方向に移動させる。
【0039】
テーブル部110により試料100を回転、移動させながら、検査光学系制御部149で制御されている表面側検査光学系120の第1のレーザ光源121及び裏面側検査光学系130の第2のレーザ光源131を作動させてそれぞれレーザを発射させる。
【0040】
第1のレーザ光源121からレーザが発射された表面側検査光学系120においては、図2に示すように、拡大レンズ1221で第1のレーザ光源121から発射されたレーザのビーム径が拡大され、集光レンズ1222で拡大されたレーザが集光され、集束レンズ1223で試料100の表面1001に30度前後の入射角度で集束して入射する。集束したレーザが照射された試料100の表面1001からは、表面の欠陥や傷、面の微小な凹凸(荒れ)などの状態に応じた反射光(散乱光と正反射光)が発生する。このとき、散乱光は試料100の表面1001の欠陥の種類や大きさに応じて分布する。すなわち、大きな欠陥や傷からの散乱光は比較的強い強度で指向性を持って分布し、微小な欠陥や傷からの散乱光は比較的弱い強度で等方的に分布する。
【0041】
試料100の表面1001から発生した反射光のうち、散乱光を集光する対物レンズに相当する第1の非球面フレネルレンズ123の方向に向かった反射光は、焦点の位置が試料100の表面1001のレーザ照射位置に合うように設置された第1の非球面フレネルレンズ123に入射し、集光されて平行光として第1の非球面フレネルレンズ123から出斜する。一方、第1の非球面フレネルレンズ123の方向に向かった反射光のうち正反射光は第1の非球面フレネルレンズ123の前方に配置したミラー126で反射されて光路が切替えられて、第1の非球面フレネルレンズ123には入射しない。
【0042】
第1の非球面フレネルレンズ123に入射して集光されて平行光となった試料100からの散乱光は、第2の非球面フレネルレンズ124に入射して第2の非球面フレネルレンズ124の焦点位置に集束させられる。第1の光電変換器125の直前にはピンホール板1251が設置されており、ピンホール板1251のピンホール1252を通過した光は第1の光電変換器125に到達する。第1の光電変換器125の直前にピンホール板1251を設けたことにより、散乱光検出系1202から発生した迷光がカットされ、第1の光電変換器125で検出されるのを防止できる。
【0043】
第1の光電変換器125は、検出面がこの第2の非球面フレネルレンズ124の焦点位置に位置するよう配置されており、第2の非球面フレネルレンズ124で集束された試料100からの散乱光を検出する。第1の光電変換器125で試料100からの散乱光を検出して得た信号はA/D変換部1411のA/D変換器14111に入力してデジタル信号に変換されて増幅された後、表面側検出信号処理部142の表面側散乱光検出信号処理部142−2に入力される。
【0044】
散乱光検出系1202に第1と第2の非球面フレネルレンズ123と124とを用いたことにより、コンパクトで比較的大きなNAを持つ光学系を実現することが可能になった。
【0045】
一方、ミラー126で反射されて光路が切替えられた試料100からの正反射光は、集光レンズ127でピンホール板1281のピンホール1282の位置に集光され、ピンホール1282を透過した光は第2の光電変換器129で検出される。この第2の光電変換器129で検出した正反射光の信号はA/D変換部1411のA/D変換器14112に入力し増幅されてデジタル信号に変換された後、表面側検出信号処理部142の表面側正反射光検出信号処理部142−1に入力される。
【0046】
表面側正反射光検出信号処理部142−1に入力したA/D変換器14112からの信号は、図5に示すように、領域判定回路部142−11に入力する。領域判定回路部142−11では、全体制御部147からの領域判定しきい値信号1471と基準時間値Tsを受けてA/D変換器14112から入力された検出信号1470と比較し、図6(a)に示すように、入力された信号1470のうち信号レベルが領域判定しきい値信号1471のレベルを超える時間1471−1が基準時間値Tsよりも長い領域をサーボ領域と判定し、その情報を信号1470と共にサーボ領域欠陥検出部142−12とデータ領域欠陥検出部142−13とに送る。
【0047】
サーボ領域情報が付加された検出信号1470を受けたサーボ領域欠陥検出部142−12では、サーボ領域情報を用いてサーボ領域以外の領域の検出信号をマスキングし、サーボ領域での検出信号に対して全体制御部147から送られたサーボ領域欠陥検出しきい値1472を適用してサーボ領域欠陥検出しきい値1472より大きい信号1473を欠陥候補として抽出する。
【0048】
一方、サーボ領域情報が付加された検出信号1470を受けたデータ領域欠陥検出部142−13では、サーボ領域情報を用いてサーボ領域の検出信号をマスキングするマスキング領域1475を設定し、サーボ領域以外のデータ領域での検出信号に対して全体制御部147から送られたデータ領域欠陥検出しきい値1473を適用してデータ領域欠陥検出しきい値1476より大きい信号1477を欠陥候補として抽出する。
サーボ領域欠陥検出部142−12で検出されて欠陥信号1473とデータ領域欠陥検出部142−13で検出された欠陥信号1477とは、それぞれの欠陥が検出された位置の情報とともに一旦検査結果記憶部142−14に送られて記憶された後、欠陥判定部142−3に送られる。
【0049】
一方、表面側散乱光検出信号処理部142−2に入力されたA/D変換器14111からの検出信号も上記に説明した表面側正反射光検出信号処理部142−1と同様に処理されてその結果が欠陥判定部142−3に送られる。
欠陥判定部142−3では、表面側正反射光検出信号処理部142−1から送られてきた欠陥情報と表面側散乱光検出信号処理部142−2から送られてきた欠陥情報とを用いて試料100の表面側1001の各欠陥の種類(凹状欠陥、凸状欠陥、線状の欠陥等)、サイズレベル(例えば、大、中、小)を判定する。
欠陥判定部142−3で判定した結果は、欠陥の位置情報と共に統合処理部144に送られる。
【0050】
次に、連続記録磁気媒体の磁気ディスクを検査する場合について説明する。
【0051】
先ず、入出力部146の表示画面1461に表示させた図7の種類選択領域1462上で、試料100として選択表中のNo.1の連続記録磁性媒体を選択(指定)する。全体制御部147は種類選択領域1462上で指定された情報に基いて、第1の信号処理部142の表面側正反射光検出信号処理部142−1のデータ領域欠陥検出部142−13に連続記録磁気媒体の欠陥検出しきい値信号1478を送る。
【0052】
この状態で試料100を検査すると、第1の信号処理部142において、A/D変換器14112から入力された信号1470は、領域判定部142−11を通ってデータ領域欠陥検出部142−13に入力し、全体制御部147から入力された連続記録磁気媒体の欠陥検出しきい値信号1478と比較して欠陥が検出される。このとき、サーボ領域欠陥検出部142−12にも領域判定部142−11から信号1470が入力されるが、全体制御部147から欠陥検出用のしきい値信号が入力されないのでサーボ領域欠陥検出部142−12では欠陥検出処理がなされない。
【0053】
次に、裏面側検査光学系130においては、図3(a)に示すように、第2のレーザ光源131から発射されたレーザは、拡大レンズ1321でレーザのビーム径が拡大され、この径が拡大されたレーザは集光レンズ1322で集光されて平行光となる。集束レンズ1323を透過したレーザはプリズム133の面1331で反射されて光路が切替えられ、集束レンズ132の焦点位置に配置された試料100の裏面1002に集束させられる。
【0054】
プリズム133の面1331は、反射されたレーザが試料100の裏面1002に所望の角度(30度前後)で入射するように設定されている。集束したレーザが照射された試料100の裏面1002からは反射光(正反射光と散乱光)が発生するが、そのうち散乱光を集光する対物レンズに相当する第3の非球面フレネルレンズ1341の方向に向かった反射光は、焦点の位置が試料100の裏面1002のレーザ照射位置に合うように設置された第3の非球面フレネルレンズ1341に入射し、集光されて平行光として第3の非球面フレネルレンズ1341から出斜する。一方、第3の非球面フレネルレンズ1341の方向に向かった反射光のうち正反射光は第3の非球面フレネルレンズ1341の前方に配置したミラー137で反射されて光路が切替えられて、第3の非球面フレネルレンズ123には入射しない。
【0055】
第3の非球面フレネルレンズ1341に入射して集光されて平行光となった試料100の裏面1002からの散乱光は、第4の非球面フレネルレンズ1342に入射し、第4の非球面フレネルレンズ1342を透過した後にプリズム133の面1332で反射されて光路が切替えられ第4の非球面フレネルレンズ1342の焦点位置に集束させられる。プリズム133の面1332は、反射した散乱光が所望の方向(試料100の裏面1002と平行な方向)に光路が切替るように角度が設定されている。なお、本実施例においては、第2のレーザ光源131から発射されたレーザはプリズム133の面1331に到達するまで試料100の裏面1002に対して平行に進むように裏面側の照明系を設定して、面1331と面1332とは同じ傾斜角度に設定されている。プリズム133の面1331と面1332とは、それぞれミラーで構成されていてもよい。
【0056】
第4の非球面フレネルレンズ1342の焦点位置にはピンホール板1351が配置されており、焦点位置に集束した試料からの散乱光を通過させるようにピンホール1352が空けられている。一方、散乱光以外の光(プリズム133など光学部品からの反射光:迷光)の大部分はピンホール1352を通過できずにピンホール板1351で遮光されるため、第3の光電変換器136で検出される光のほとんどはピンホール1352を通過した試料100の裏面1002からの散乱光になる。
【0057】
第3の光電変換器136で試料100の裏面1002からの散乱光を検出して得た信号はA/D変換部1412のA/D変換器14121に入力してデジタル信号に変換されて増幅された後、裏面側検出信号処理部143に入力される。
【0058】
一方、ミラー137で反射されて光路が切替えられた試料100からの正反射光は、図3(b)に示すように、集光レンズ1381に入射して集光される。この正反射光が集光される位置にはピンホール1354が穿たれたピンホール板1353が設置されている。集光レンズ1381で集光された正反射光は、ピンホール1354を通過して迷光が除去された後、第4の光電変換器139で検出される。第4の光電変換器139で検出した正反射光の検出信号はA/D変換部1412のA/D変換器14122に入力して増幅されデジタル信号に変換された後、第2の信号処理部143に入力される。
【0059】
第2の信号処理部143に入力した第3の光電変換器136からの検出信号と第4の光電変換器139からの検出信号とはそれぞれ図6を用いて説明した表面側正反射光検出信号処理部142−1と同様に処理されて試料100の裏面側1002の欠陥が検出され、欠陥の種類と大きさを判定し、その結果が欠陥の位置情報と共に統合処理部144に送られる。
【0060】
また、第2の信号処理部143においても、入出力部146の表示画面1461に表示させた図7の種類選択領域1462上で、試料100として選択表中のNo.1の連続記録磁性媒体を選択(指定)した場合には、第2の信号処理部143において、A/D変換器14122から入力された信号は遅延メモリ142−11に入り、そのまま領域情報付加部142−13を通ってデータ領域欠陥検出回路142−17に入力し、全体制御部147から入力されたデータ領域欠陥検出しきい値信号1473と比較して欠陥が検出される。
【0061】
本実施例に拠れば、入出力画面1461上で試料100として連続記録磁性媒体の磁気ディスク100−1またはディスクリートトラックメディア/パターンドメディアの磁気ディスク100−2の何れかを選択することにより、選択した試料100の種類に合わせた検査を行うことが可能となり、一台の検査装置で連続記録磁性媒体の磁気ディスク100−1とディスクリートトラックメディア/パターンドメディアの磁気ディスク100−2との両方を検査することが可能になった。
【0062】
また、本実施例に拠れば、非球面フレネルレンズを組合せて高NAの検出光学系をコンパクトに構成できるようになったので、装置を大型化することなくより微細な欠陥を基板の両面同時に検出することが可能になった。
また、裏面検査光学系130にプリズム133を用いることにより、試料100の裏面側1002の検査光学系を設置することが可能になり、装置全体をコンパクトに作成することを可能にした。
表面側検出信号処理部142と裏面側検出信号処理部143とで処理されたデータは統合処理部144へ送られて処理され、試料100の両面の欠陥情報として記憶部145に送られて格納されると共に、入出力部146にも送られて画面1461上に検査結果の情報を出力する。
【0063】
図8に出力部146から出力される検査結果の情報の一例を示す。この例は、表示画面1461上に試料100の表面で検出された欠陥の種類ごとの分布801と裏面で検出された欠陥の種類ごとの分布802の状態をマップ形式で並べて表示し、その脇に欠陥のリスト803を表形式で表示した例を示す。ユーザは、欠陥リスト603上で任意の欠陥種類を指定することにより、指定された種類の欠陥の表面側の分布601と裏面側の分布602との状態を視覚的に把握することができる。また、本実施例では試料100の表面1001と裏面1002とを同時に検査しているので、表面1001の側で検出された欠陥と裏面1002の側で検出された欠陥との相対的な位置関係を把握することが可能になり、製造プロセスを管理する上で有効な情報として使うことができる。
【0064】
また、画面1461上の表示領域選択部804で「データ領域」を選択すると、図8(b)に示すようなサーボ領域の欠陥がマスキングされてデータ領域だけの表面側の欠陥マップ805と裏面側の欠陥マップ(図示せず)とが図8(a)の全領域の欠陥マップ801及び802に換わって表示される。更に、画面1461上の表示領域選択部804で「サーボ領域」を選択すると、図8(c)に示すようなデータ領域の欠陥がマスキングされてサーボ領域だけの表面側の欠陥マップ902と裏面側の欠陥マップ(図示せず)とが図8(a)の全領域の欠陥マップ801及び802に換わって表示される。
【実施例2】
【0065】
第1の実施例においては、表示画面1461で、「連続記録磁性媒体」「ディスクリートトラックメディア/パターンドメディア」の何れか選択をし、選択した結果に応じて全体制御部147から領域判定部142−11、サーボ領域欠陥検出部142−12、データ領域欠陥検出部142−13に送る信号を切り分けていたのに対して、第2の実施例においては、表示画面1461で、「連続記録磁性媒体」「ディスクリートトラックメディア/パターンドメディア」の選択を行うことをせず、試料100の種類に関係なく検査を行うものである。
【0066】
第2の実施例においては、テーブル部、表面及び裏面の検査光学系および信号処理・制御系の構成については第1の実施例で説明したものと同じである。
本実施例においては、入出力部146の表示画面1461に図7に示した種類選択領域1462が表示されず、「連続記録磁性媒体」又は「ディスクリートトラックメディア/パターンドメディア」を選択する工程がない。
【0067】
本実施例においては、領域判定部142−11で全体制御部147からの領域判定しきい値信号1471を受けて検査対象試料100のサーボ領域を検出するが、検査対象試料100のサーボ領域が検出されなかったときには検査対象試料100が「連続記録磁性媒体」であると判定し、全体制御部147からデータ領域欠陥検出部142−13に欠陥検出しきい値信号1478が送られ、実施例1で説明したのと同様に「連続記録磁性媒体」の欠陥検査が行われる。一方、検査対象試料100のサーボ領域が検出されたときには検査対象試料100が「ディスクリートトラックメディア/パターンドメディア」であると判定し、全体制御部147からサーボ領域欠陥検出部142−12にはサーボ領域欠陥検出しきい値信号1472が、データ領域欠陥検出部142−13にデータ領域欠陥検出しきい値信号1476がそれぞれ送られ、実施例1で説明したのと同様に「ディスクリートトラックメディア/パターンドメディア」の欠陥検査が行われる。
【0068】
本実施例によれば、入出力画面上で検査対象基板の種類を選択する手間を省くことが可能になり、検査を効率的に行えるようになる。
【符号の説明】
【0069】
110・・・テーブル部 111・・・テーブル(スピンドル) 112・・・ステージ 120・・・表面側検査光学系 121・・・第1のレーザ光源 1221・・・拡大レンズ 1222・・・集光レンズ 1223・・・集束レンズ 123・・・第1の非球面フレネルレンズ 124・・・第2の非球面フレネルレンズ 125・・・第1の光電変換器 126・・・ミラー 127・・・集光レンズ 129・・・第2の光電変換器 130・・・裏面側検査光学系 131・・・第2のレーザ光源 1321・・・拡大レンズ 1322・・・集光レンズ 1323・・・集束レンズ 133・・・プリズム 1341・・・第3の非球面フレネルレンズ 1342・・・第4の非球面フレネルレンズ 1351、1353・・・ピンホール板 136・・・第3の光電変換器 137・・・ミラー 1381・・・集光レンズ 139・・・第4の光電変換器 140・・・信号処理・制御系 1411・・・第1のA/D変換部 1412・・・第2のA/D変換部 142・・・第1の信号処理部 142−1・・・表面側正反射光検出信号処理部 142−2・・・表面側散乱光検出信号処理部 142−16・・・サーボ領域欠陥検出回路 142−17・・・データ領域欠陥抽出回路 143・・・第2の信号処理部 144・・・統合信号処理部 145・・・記憶部 146・・・出力部 147・・・全体制御部 148・・・テーブル制御部 149・・・検査光学系制御部 601・・・出力表示画面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査対象の磁気ディスクを保持して回転と移動が可能なテーブル手段と、
該テーブル手段に保持された磁気ディスクの表面の傷や欠陥を光学的に検出する表面側欠陥検出手段と、
前記磁気ディスクの裏面の傷や欠陥を光学的に検出する裏面側欠陥検出手段と、
前記表面側欠陥検出手段からの出力と前記裏面側欠陥検出手段からの出力とを処理して欠陥を検出する処理手段と、
該処理手段で処理する条件を入力するとともに該処理手段で処理した結果を出力する表示画面を備えた入出力手段と、
前記テーブル手段と前記表面側欠陥検出手段と前記裏面側欠陥検出手段と前記処理手段と前記入出力手段とを制御する制御手段と
を備えた磁気ディスクの両面欠陥検査装置であって、
前記入出力手段は表示画面上に前記検査対象の磁気ディスクの種類を選択する選択部を表示し、前記制御手段は前記入出力手段の表示画面上で選択された磁気ディスクの種類に応じて前記処理手段を制御して前記検査対象である磁気ディスクの表面と裏面との欠陥を検出することを特徴とする光学式磁気ディスク両面欠陥検査装置。
【請求項2】
前記入出力手段の表示画面上に表示する前記検査対象の磁気ディスクの種類を選択する選択部は、前記検査対象の磁気ディスクが連続記録磁気磁性媒体であるかディスクリートトラック方式又はパターンドメディア方式の磁気記録媒体であるかを選択する選択部であることを特徴とする請求項1に記載の光学式磁気ディスク両面欠陥検査装置。
【請求項3】
検査対象の磁気ディスクを保持して回転と移動が可能なテーブル手段と、
該テーブル手段に保持された磁気ディスクの表面の傷や欠陥を光学的に検出する表面側欠陥検出手段と、
前記磁気ディスクの裏面の傷や欠陥を光学的に検出する裏面側欠陥検出手段と、
前記表面側欠陥検出手段からの出力と前記裏面側欠陥検出手段からの出力とを処理して欠陥を検出する処理手段と、
該処理手段で処理した結果を出力する表示画面を備えた出力手段と、
を備えた磁気ディスクの両面欠陥検査装置であって、
前記処理手段は、前記検査対象の磁気ディスクの種類を識別し、該識別した磁気ディスクの種類に応じて前記表面側欠陥検出手段からの出力と前記裏面側欠陥検出手段からの出力とを処理する処理条件を変えることを特徴とする光学式磁気ディスク両面欠陥検査装置。
【請求項4】
前記処理手段は、前記検査対象の磁気ディスクが連続記録磁気磁性媒体の磁気ディスクであるかディスクリートトラック方式又はパターンドメディア方式の磁気ディスクであるかを識別し、ディスクリートトラック方式又はパターンドメディア方式の磁気ディスクであると識別した場合には、該磁気ディスクの表面をサーボ領域とデータ領域とに切り分けて欠陥を検出することを特徴とする請求項3に記載の光学式磁気ディスク両面欠陥検査装置。
【請求項5】
前記表面側欠陥検出手段と前記裏面側欠陥検出手段とは、それぞれ
レーザ光源と
該レーザ光源から発射されたレーザを前記テーブル手段に保持された検査対象である磁気ディスクに照射する照射光学系と
前記レーザが照射された磁気ディスクからの反射光のうち正反射光を検出する正反射光検出光学系と
前記レーザが照射された磁気ディスクからの反射光のうち散乱光を検出する散乱光検出光学系と
を備え、前記散乱光検出光学系は非球面フレネルレンズを備えて構成されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の光学式磁気ディスク両面欠陥検査装置。
【請求項6】
検査対象の磁気ディスクを回転させながら一方向に移動させ、
該回転しながら一方向に移動している前記磁気ディスクの表面側にレーザを照射して該レーザを照射された前記磁気ディスクの表面側からの反射光を検出し、
該回転しながら一方向に移動している前記磁気ディスクの裏面側にレーザを照射して該レーザを照射された前記磁気ディスクの裏面側からの反射光を検出し、
前記磁気ディスクの表面側からの反射光を検出して得た信号と前記磁気ディスクの裏面側からの反射光を検出して得た信号とを処理して前記磁気ディスクの表面側及び裏面側の欠陥を検出する
磁気ディスクの両面欠陥検査方法であって、
前記検査対象の磁気ディスクの種類を入力し、該入力した前記検査対象の磁気ディスクの種類に応じて前記欠陥を検出するステップにおいて前記磁気ディスクの表面側及び裏面側の欠陥を検出する検出条件を切替えることを特徴とする光学式磁気ディスク両面欠陥検査方法。
【請求項7】
前記磁気ディスクの表面側及び裏面側の欠陥を検出する検出条件を切替えることが、前記検査対象の磁気ディスクが連続記録磁気磁性媒体であるかディスクリートトラック方式又はパターンドメディア方式の磁気記録媒体であるかを選択することであることを特徴とする請求項6に記載の光学式磁気ディスク両面欠陥検査方法。
【請求項8】
検査対象の磁気ディスクを回転させながら一方向に移動させ、
該回転しながら一方向に移動している前記磁気ディスクの表面側にレーザを照射して該レーザを照射された前記磁気ディスクの表面側からの反射光を検出し、
該回転しながら一方向に移動している前記磁気ディスクの裏面側にレーザを照射して該レーザを照射された前記磁気ディスクの裏面側からの反射光を検出し、
前記磁気ディスクの表面側からの反射光を検出して得た信号と前記磁気ディスクの裏面側からの反射光を検出して得た信号とを処理して前記磁気ディスクの表面側及び裏面側の欠陥を検出する
磁気ディスクの両面欠陥検査方法であって、
前記磁気ディスクの表面側及び裏面側の欠陥を検出する工程において、前記検査対象の磁気ディスクの種類を識別し、該識別した磁気ディスクの種類に応じて前記磁気ディスクの表面側からの反射光を検出して得た信号と前記磁気ディスクの裏面側からの反射光を検出して得た信号とを処理する処理条件を変えることを特徴とする光学式磁気ディスク両面欠陥検査方法。
【請求項9】
前記磁気ディスクの表面側及び裏面側の欠陥を検出する工程において、前記検査対象の磁気ディスクの種類を識別することが、連続記録磁気磁性媒体の磁気ディスクであるかディスクリートトラック方式又はパターンドメディア方式の磁気ディスクであるかを識別することであり、前記検査対象の磁気ディスクの種類がディスクリートトラック方式又はパターンドメディア方式の磁気ディスクであると識別した場合には、該磁気ディスクの表面をサーボ領域とデータ領域とに切り分けて欠陥を検出することを特徴とする請求項8に記載の光学式磁気ディスク両面欠陥検査方法。
【請求項10】
前記磁気ディスクの表面側からの反射光を検出することと前記磁気ディスクの裏面側からの反射光を検出することとを、それぞれ前記レーザが照射された磁気ディスクからの反射光のうち正反射光と散乱光とを分離し、該分離した散乱光を非球面フレネルレンズで集光して検出することを特徴とする請求項6乃至9の何れかに記載の光学式磁気ディスク両面欠陥検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−96305(P2011−96305A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−247552(P2009−247552)
【出願日】平成21年10月28日(2009.10.28)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】