光書き込み装置及び画像形成装置
【課題】防塵ガラスに付着したホコリなどの異物を的確に清掃することにある。
【解決手段】画像信号に応じて変調された光ビームをポリゴンミラーによって感光体ドラムの被走査面に潜像を書き込む光書き込み装置において、光書き込み装置から感光体ドラムに照射される光ビームの射出口が形成された外部ケージング11に防塵ガラス8aをその外側の面8−11が前記防塵ガラス8aの取り付け部近傍の前記外部ケージング11の外面から外側に突出するように設けた。
【解決手段】画像信号に応じて変調された光ビームをポリゴンミラーによって感光体ドラムの被走査面に潜像を書き込む光書き込み装置において、光書き込み装置から感光体ドラムに照射される光ビームの射出口が形成された外部ケージング11に防塵ガラス8aをその外側の面8−11が前記防塵ガラス8aの取り付け部近傍の前記外部ケージング11の外面から外側に突出するように設けた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光偏向装置により偏向される光ビームを走査して像担持体に潜像の書き込みを行う光書き込み装置及びこれを用いた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像信号に応じて変調された光ビームによって光学系を介してポリゴンミラーのような偏向装置により像担持体である感光体の被走査面を走査して画像記録を行う光書き込み装置は、デジタル複写機、ファクシミリあるいはプリンタのような画像形成装置の書き込み部に広く使用されている。
【0003】
一方、画像形成装置の小型化の要求に伴い、画像形成装置内の光書き込み装置の配置は多様化しており、像担持体に対して同一レベルもしくはそれよりも下方に配置される場合がある。こうした場合、画像形成装置内のホコリや現像剤であるトナー等が光書き込み装置の光ビームの射出口に設けられた防塵ガラスに付着し、光ビームを遮ることにより画像品質の低下という問題が発生しやすくなるという問題があった。特に重合トナーを使用する画像形成装置では、飛散したトナーが装置内の構成部材に付着すると取れにくいということも指摘されていた。
【0004】
そこで、例えば特許文献1では、光書き込み装置の光ビーム射出口の防塵ガラス部に防塵カバーを着脱自在に設けてホコリや飛散トナーなどの異物が付着しないようにするとともに、防塵ガラスにホコリなどが付着した場合には、防塵カバーを外し、防塵ガラスを清掃したり、クリーニング機構を別途設け、そのクリーニングパッドを引き出して防塵ガラスを清掃することが提案されている。
【特許文献1】特開2002−267983号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の従来技術においては、防塵ガラス部上に着脱容易に防塵カバーを設けているためのスペースが必要になり、小型化の障害となっていた。さらに、防塵カバーではホコリや飛散トナーの付着を防ぎきれず、防塵ガラスに付着したホコリや飛散トナーに対しては、防塵ガラス面を拭き取るなどの作業が必要であった。
【0006】
一方、画像形成枚数の増加や高速性が進むにつれ、装置内の熱の問題が生じている。すなわち、機内温度が上がると光学系に影響を及ぼし、高精度や画像品質を要求されるものに限らず、カラー画像形成装置では色ずれと目に見える形で出力される。そこで、熱の影響を弱めるため定着装置を装置の上部に位置させ、定着装置からの発熱が光書き込みユニットや作像ユニットに影響を与えにくいように配慮した画像形成装置が提供されている。このような画像形成装置では、光書き込みユニットが作像ユニットよりも下に位置し、感光体に対して上向きに光書き込みを行うことになるが、このように配置すると、防塵ガラスが上向きになり、防塵ガラス上に付着した塵埃類や飛散トナーが自然に剥離することはなく、特に前述の球形の重合トナーが付着した場合には、清掃も容易ではない。
【0007】
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その発明の目的は、防塵ガラスに付着した塵埃類や飛散トナーなどの異物を的確に清掃することができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するため、第1の手段は、 画像信号に応じて変調された光ビームを偏向手段によって偏向し、ケーシングに設けた透光性防塵部材からケーシング外に出射して像担持体の被走査面に潜像を書き込む光書き込み装置において、前記透光性防塵部材は、その外側の面が当該透光性防塵部材の取り付け部近傍の前記ケージングの外面から外側に突出していることを特徴とする。
【0009】
第2の手段は、第1の手段において、前記透光性防塵部材の外側の面を清掃する清掃具を前記透光性防塵部材の長手方向に沿ってガイドするガイド部材を備えていることを特徴とする。
【0010】
第3の手段は、第2の手段において、前記清掃具は、前記透光性防塵部材の外側の面に摺接し、外側の面に付着した塵埃類を清掃する清掃部材と、この清掃部材を支持する支持部材とを備えていることを特徴とする。
【0011】
第4の手段は、第3の手段において、前記清掃部材がエッジで前記塵埃類を擦り取るブレードからなることを特徴とする。
【0012】
第5の手段は、第3または第4の手段において、前記清掃部材が前記支持部材の先端側に取り付けられ、前記支持部材の前記清掃部材取り付け部よりも清掃方向上流側に湾曲部が設けられていることを特徴とする。
【0013】
第6の手段は、第5の手段において、前記湾曲部が、前記支持部材の前記清掃部材から見て背面側の所定部分が凸になるように設けられていることを特徴とする。
【0014】
第7の手段は、第6の手段において、前記凸の部分が、円弧状の膨出部として一体的に形成されていることを特徴とする。
【0015】
第8の手段は、第6の手段において、前記凸の部分が、湾曲した板バネからなることを特徴とする。
【0016】
第9の手段は、第5ないし第8の手段において、前記ガイド部材によってガイドされて移動する際、前記支持部材の先端部と前記ガイド部材とは常に離間していることを特徴とする。
【0017】
第10の手段は、第1ないし第9の手段において、前記透光性防塵部材外側の面の前記ケーシングの外面に対する突出量Xが、前記透光性防塵部材の厚みtに対し、
0<X<t
の関係に設定されていることを特徴とする。
【0018】
第11の手段は、第1ないし第9の手段において、前記透光性防塵部材の外側の面の前記ケーシングの外面に対する突出量Xが、前記透光性防塵部材の厚みをt、前記ケーシングの外面から前記透光性防塵部材のケーシングへの取り付け面の高さをt1(但し、t1>0)としたとき、
X≦t+t1
の関係に設定されていることを特徴とする。
【0019】
第12の手段は、第11の手段において、前記清掃部材が清掃方向に移動するときの移動開始位置が前記ケーシングの外面に設定されている場合に、前記開始位置側の前記透光性防塵部材の外側の面の突出量Xが、
X≦0
であることを特徴とする。
【0020】
第13の手段は、第1ないし第12の手段において、前記清掃部材が清掃方向に移動するときの移動開始位置が前記透光性防塵部材が取り付けられた開口部の端部と前記光ビームの走査開始位置との間に設定されていることを特徴とする。
【0021】
第14の手段は、第1ないし第12の手段において、前記清掃部材の前記透光性防塵部材の長手方向と直交する方向の寸法が、前記透光性防塵部材の長手方向と直交する方向の寸法よりも小寸で、前記透光性防塵部材が取り付けられた開口部の同方向の寸法より大寸に設定されていることを特徴とする。
【0022】
第15の手段は、第1ないし第14の手段において、前記透光性防塵部材は、その外側の面が上向きになるように設けられていることを特徴とする。
【0023】
第16の手段は、第1ないし第15のいずれかの手段に係る光書き込み装置と、前記光書き込み装置によって像担持体上に書き込みまれた画像を記録媒体に可視画像として出力する画像形成手段とを画像形成装置が備えていることを特徴とする。
【0024】
第17の手段は、第16の手段において、前記画像形成手段によって可視画像が形成された記録媒体上の画像を定着する定着手段をさらに備え、前記定着手段が前記光書き込み装置と同レベル以上の高さ位置に設けられていることを特徴とする。
【0025】
また、第12の手段の趣旨は、第10及び第11の手段においては透光性防塵部材の外側の面がケーシングの外面から突出しているが(後述の図5参照)、前記清掃部材が清掃方向に移動するときの開始位置側の前記ケーシングの外面の部分が前記透光性防塵部材の外側の面と面一でもよいことを示している(後述の図7参照)。
【0026】
なお、以下の実施形態において、偏向手段はポリゴンミラー1a,1bに、透光性防塵部材は防塵ガラス8a,8b,8c,8dに、像担持体は感光体ドラム9a,9b,9c,9dに、ケージングは外部ケージング11に、ケーシングの外面は11−1に、防塵ガラスの外側の面は8−1に、清掃具は符号32に、ガイド部材は11−2に、清掃部材は32−1に、支持部材は32−2に、清掃部材のエッジは32−5に、ブレードは32−4に、支持部材の先端側は符号32−9に、湾曲部は符号32−8に、円弧状の膨出部は凸部32−11に、湾曲した板バネは符号32−10にそれぞれ対応している。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、透光性防塵部材の取り付け部近傍の書き込み装置のケージングの外面に対して、透光性防塵部材の外側の面を突出させているので、清掃時にケーシングの外面が清掃の障害になることがなくなり、これにより清掃効果を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0029】
<第1の実施形態>
図1は本発明の一実施形態に係る光書き込み装置(以下、光書き込みユニットと称す)の概略構成を感光体ドラムとともに示す縦断面図、図2はその光書き込みユニットの外観を示す斜視図である。この実施形態では、光書き込みユニット300はフルカラーの画像を形成するタンデム方式の画像形成装置に用いられ、並置された像担持体として複数の感光体ドラム9a,9b,9c,9dに色毎に画像を書き込むものである。すなわち、これら4つの感光体ドラム9a,9b,9c,9dのうち例えば感光体ドラム9aはイエロー(Y)に対応した画像を形成し、感光体ドラム9bはマゼンタ(M)に対応した画像を形成し、感光体ドラム9cはシアン(C)に対応した画像を形成し、感光体ドラム9dはブラック(Bk)に対応した画像を形成する。この画像形成する色の順序は任意である。これら4つの感光体ドラム9a,9b,9c,9dの各々の外周部には、電子写真方式の画像形成に必要な公知の作像要素が配置されている。
【0030】
光書き込みユニット300は、4つの感光体ドラム9a,9b,9c,9dが並設された作像部の下方に配置され、4つのレーザダイオードで構成された光源ユニット21a,21b,21c,21d(図2)と、これら各光源ユニット21a,21b,21c,21dからの光ビームを対称な2方向に振り分けて偏向走査する上下2つのポリゴンミラー1a,1bで構成された光偏向手段としての光偏向器と、この光偏向器を中心にして2方向に対称に配設され、光偏向器により偏向される複数の光ビームをそれぞれ対応する感光体ドラム9a,9b,9c,9dの被走査面上に導き、結像するためのfθレンズ3a,3b、結像用レンズ5a,5b,5c,5d、光路折り返し用のミラー4a,4b,4c,4d、6a,6b,6c,6d、7a,7b,7c,7d等の光学部材で構成された伝達・結像光学系とを備えており、これらの構成要素はケージング10内に収納されている。
【0031】
ケージング10は、ポリゴンミラー1a,1bや伝達・結像光学系が配設される基板13bと、この基板13bの周囲を囲む側壁13aとを有するとともに、基板13bが側壁13aの略中央に設けられ、ケージング10を上下に仕切る構造になっている。4つの光源ユニット21a,21b,21c,21dは、図2に示すように側壁13aに配置され、ポリゴンミラー1a,1bは基板13bの略中央の凹部に配置され、光学系を構成する上述した光学部材は基板13bの両面すなわち上下面側に分けて配設されている。下部ケーシング12を含むケージング10上部の開口部は上部ケーシング11で蓋され、ケーシング10内は密閉される。そのため前記上部ケーシング11には光ビームを通過させるための開口31aが設けられ、それらの開口31aには透光性防塵部材として防塵ガラス8a,8b,8c,8dが取り付けられている。
【0032】
光書き込みユニットは、原稿読取装置(図示しない)やパーソナルコンピュータ、ワードプロセッサ、ファクシミリの受信部等の画像データ出力装置から入力される色分解された画像データを光源駆動用の信号に変換し、その信号に基づいて出力されたレーザビームにより前述の感光体ドラム9a,9b,9c,9d上を光走査して光書き込みを行う。その際、各光源ユニット21a,21b,21c,21dから出射された光ビームは、ポリゴンミラー1a,1bに至り、2ビームずつ対称的に2方向に偏向走査される。なお、図1に示す構造ではポリゴンミラー1a,1bは、感光体ドラム9a,9dに書き込むための光ビーム14a,14d用と、感光体ドラム9b、9cに書き込むための光ビーム14b、14c用として上下2段に分けた構造になっているが、1つの軸方向に厚いポリゴンミラーで、4つの光ビームを偏向走査する構成にしてもよい。
【0033】
ポリゴンミラー1a,1bで2ビームずつ2方向に偏向走査された光ビームは、開口1a,1bから第1の結像用レンズである上下2層構造のfθレンズ3a,3bをそれぞれ通過し、光ビーム14a,14dは結像用レンズ5a,5dを介し、光ビーム14b,14cは直接第1の折り返しミラー4a,4b,4c,4dにより折り返され、、光ビーム14b,14cは結像用レンズ5b,5cを介し、また光ビーム14a,14dは直接第2の折り返しミラー6a,6b,6c,6dにより折り返され、さらに第3の折り返しミラー7a,7b,7c,7d、防塵ガラス8a,8b,8c,8dを介して各色用の感光体ドラム9a,9b,9c,9dの被走査面上を照射する。この照射により被走査面上に静電潜像が形成される。
【0034】
図3は図1及び図2に示した光書き込みユニットを備えた画像形成装置の概略構成を概念的に示す図、図4は図3の画像形成装置の作像部の概略構成を概念的に示す図である。
図3において画像形成装置100は、給紙ユニット200、光書き込みユニット300、作像ユニット400及び排紙定着ユニット500の各ユニットから構成され、下部から上部に向かってこの順で積層されている。給紙ユニット200は2段の給紙カセット210,211を備え、給紙ローラによって1枚ずつピックアップした用紙を縦搬送路220に沿って作像ユニット400に送る。なお、作像ユニット400は前述の作像部に対応する。
【0035】
作像ユニット400は、前述の光書き込みユニット300によって感光体ドラム9a,9b,9c,9dに書き込みまれた潜像を可視化し、用紙に転写して可視画像として出力するもので、図4にも示すように前記感光体ドラム9a,9b,9c,9dと、各感光体ドラム9a,9b,9c,9dの外周部に配置された前記作像要素とからなる。作像要素は、電子写真プロセスにより画像形成を行うための要素であり、帯電ローラ、帯電ブラシあるいは帯電チャージャ等で構成された帯電部と、光書き込みユニット300から出射される光ビームによって露光する露光部410と、Y,M,C,Bkの各色の現像装置で構成された現像部420と、これらの現像部420で現像された4色のトナー画像をそれぞれ中間転写ベルト430に転写する1次転写部と、各感光体ドラム9a,9b,9c,9d上に残存したトナーのクリーニングを行うクリーニング部と、次工程の帯電の前工程としての除電部とからなり、本実施形態では、帯電部、クリーニング部、除電部及び感光体ドラムが感光体ユニット440として、また、現像部420が現像ユニットとしてそれぞれ交換可能になっている。
【0036】
前記中間転写ベルト430上に転写され、4色の画像が重畳されたフルカラー画像は2次転写部450で前記給紙部200から搬送されてきた用紙上に転写され、上方の排紙定着ユニット500の定着部510で定着され、排紙部520の排紙口530から排紙トレイ540上に排紙される。なお、前記2次転写部450で転写後、前記中間転写ベルト430上に残存したトナーのクリーニングを行う図示しないクリーニング部も作像ユニット400内に設けられている。これらの構成は従来より公知の構成であるので、詳細な説明は省略する。また、図4では色毎の符号を感光体と防塵ガラスを除いて省略している。
【0037】
図5は防塵ガラス8aの上部ケーシング11に対する取り付け構造を示す要部拡大斜視図である。図5では、防塵ガラス8aのみを示しているが、図2に示したように他の防塵ガラス8b,8c,8dも同様である。防塵ガラス8aは、図5の横断面である図6にも示すように上部ケーシング11に形成された光ビーム14aの通過孔である開口31aを塞ぐようにケーシング外から取り付けられる。防塵ガラス8aの取り付けは、例えば両面テープによって前記開口31aの外縁に貼付することにより行われる。防塵ガラス8aは、その外側の面8−1が上部ケーシング11の外側の面(取り付け面)11−1から突出するように保持され、上部ケーシング11、詳細には取り付け面11−1に邪魔されることなく、防塵ガラス8aの外側の面8−1に接触し、当該面の汚れを清掃具32によって擦り取れるようになっている。
【0038】
清掃具32は、図8に示すように清掃部材32−1と、この清掃部材32−1が先端部に取り付けられた細幅板状の支持部材32−2と、基端部側に設けられたハンドル部32−3とからなる。なお、前記清掃部材32−1としては図8に示すようなブレード32−4、あるいは図13において符号32−7で示すようなブラシ、フェルト、スポンジなどが使用される。このうち感光体や中間転写ベルトに使用されている合成樹脂材、例えばポリウレタンゴムの板材からなるブレード32−4を使用すれば、そのエッジ32−5を使用して最も効率のよい清掃効果を得ることができる。そのため、以下、清掃部材32−1をブレード32−4によって構成した例について説明する。
【0039】
前記清掃具32のブレード32−4の幅Hは、図6示すように防塵ガラス8a全面を清掃できる幅寸法H2とすることもできるが、図7に示すように誤差を見込んでレーザ光が透過できるだけの幅H3が確保できれば、防塵ガラス8aの幅寸法H1よりも小さい幅寸法で充分である。すなわち、
H1≧H≧H3
に設定すればよい。また、この方が防塵ガラス8aを清掃する際に防塵ガラス8aのエッジ8−4とブレード32−4とが干渉しないので、信頼性も高くなる。
【0040】
また、図5及び図8から分かるように防塵ガラス8aの側部の上部ケーシング11には等間隔で前記清掃具32を防塵ガラス8aの長手方向に沿って案内するガイド11−2が設けられている。このガイド11−2は対となって立設され、それぞれの先端部11−3が防塵ガラス8aの面8−1に対して平行に互いに対向するように延出している。これにより図8におけるA−A線断面図である図14に示すように前記先端部11−3の防塵ガラス8aと対向する面11−4が清掃具32の支持部材32−2のブレード32−4の取り付け面に対して背面に当たる側の面(以下、単に背面と称す)32−12に当接し、清掃動作の際に支持部材32−2を保持し、支持部材32−2の進出後退動作時のガイドとして機能する。
【0041】
清掃する場合には、図5におけるガイド11−2のうち、装置前面側(図5では左上)のガイド11−2Fから清掃具32の先端部を図8に矢印FDで示すように挿入し、図9に示すように防塵ガラス8aの最も奥側の稜8−3より内側であって書き込み範囲P1−P2より若干外側の位置P1’に達した後、当該位置P1’から矢印BK方向に引き出し、ブレード32−4で防塵ガラス8aの外側の面8−1に付着した塵埃類を掻き(擦り)取る。この過程で、ブレード32−4が前記防塵ガラス8aの稜8−2を乗り越えるときには、ブレード32−4の背面側32−6が防塵ガラス8aの表面に摺接し、弾性変形するので特に強力な剥離機能を発揮することはできないが、その分、ブレード32−4が防塵ガラス8aの稜8−2を乗り越えたときのブレード32−4へのダメージは非常に少ない(ほとんどない)。
【0042】
これに対しブレード32−4を矢印BK方向に戻す場合には、ブレード32−4の先端のエッジ32−5がスクレーパとして機能するので、前記エッジ32−5が防塵ガラス8aの外側の面8−1に摺接して前記面8−1上のトナー粉や塵埃類を掻き取り、良好な清掃機能を発揮する。したがって、矢印BK方向が機能的には清掃方向である。その際、図9に示す防塵ガラス8aの図示左側の端部8−3を越えて上部ケーシング11側に移動しないように前記前側のガイド11−2Fにより移動位置が規制されているので、矢印BK方向に移動させたとしてもエッジ32−5はP1’位置から移動を開始させることができ、エッジ32−5部分が前記稜8−3に乗り上げてエッジ32−5が損傷することもなく、長期にわたって安定した使用性を保証することができる。これらの操作は清掃具32のハンドル部32−3を持って行う。
【0043】
なお、矢印FD方向に挿入する場合においても防塵ガラス8a上に付着した塵埃類が清掃される場合があるが、これらの塵埃類は後述の図9あるいは図11における清掃開始位置P1よりも外部ケーシング11側に押しやられ、光ビームの走査領域に入ってくることはないので、この場合も清掃効果があることになる。
【0044】
ブレード32−4の信頼性を保証するためには、この他に、上部ケーシング11の外側の面11−1を防塵ガラス8aの外側の面8−1と面一あるいは防塵ガラス8a側を前記外側の面11−1から後退させればよい。しかし、防塵ガラス8aの外側の面8−1が全て外部ケーシング11の外側の面11−1から後退していると、ブレード32−4の弾性により防塵ガラス8a側に突出した部分だけは清掃性を保証できるが、防塵ガラス8aが清掃が要求される部分全てに確実に接触するという保証がなく、本来の目的である清掃機能は低下することになる。このような理由で、本実施形態では、防塵ガラス8aの外側の面8−1を図9及び図10に示すように外部ケーシング11の外側の面11−1から突出させ(突出量X)、清掃部材32−1の先端が防塵ガラス8aの外側の面8−1と完全に摺接し、清掃機能が充分に発揮できるようにした。
【0045】
その際、突出量を大きくして、防塵ガラス8aの下面が外部ケーシング11の外側の面11−1からさらに突出するような構造とすると、前記ガイド11−2をさらに突出させることになって厚さ方向の寸法が大きくなり、あるいは突出部が他の部材と干渉することも考えられることから、図10に示すように防塵ガラス8aの前記突出量Xを、防塵ガラス8aの厚さをtとしたときに、
0<X<t
となるように設定した。なお、実機では、例えば防塵ガラス8aの厚さtが1ないし3mm、好適には2mm程度で突出量Xは0.5mm程度である。
【0046】
その際、前述のように、防塵ガラス8aの図5において左端側の稜8−3よりも左側に清掃開始位置P3を設定すると、前述のようにブレード32−4のエッジ32−5が前記稜8−3の端面に当接し、破損する虞が大きい。そこで、図11に示すように清掃開始位置P3側(図示左側)の防塵ガラス8aの外側の面8−1に対して外部ケーシング11の外側の面11−1を面一あるいは若干突出させてもよい。すなわち、前記稜8−3側の防塵ガラス8aの外側の面8−1を外部ケーシング11の外側の面11−1との関係を、
X≦0
とするとよい。
【0047】
これにより、ブレード32−4が清掃を行うために図11の右側の稜8−2部分から防塵ガラス8aの外側の面8−1に乗り上げる際には、ブレード32−4の背面側32−6が当接して弾性変形するので、ブレード32−4が損傷する虞はほとんどない。また、ブレード32−4が左側の稜8−3部分のさらに左側の清掃開始位置P3から矢印BK方向に移動して清掃を行う際にも、ブレード32−4のエッジ32−5が防塵ガラス8aの左側の稜8−3やその側面に当接してブレード32−4のエッジ32−5を損傷する虞もない。また、清掃時には、防塵ガラス8aの外側の面8−1が外部ケーシング11の外面11−1から突出した部分を掻き取るので、良好な清掃機能を発揮することができる。
【0048】
なお、図12に示すように防塵ガラス8aの取り付け部がケーシングの外面11から突出している場合もある。このような場合には、防塵ガラスの厚さをt、ケーシング11の外面11−1から防塵ガラス8aのケーシング11への取り付け面の高さをt1としたとき、
X≦t+t1
の関係に設定する。この場合、前記t1は突出していることからt1>0となる。
【0049】
このように本実施形態によれば、防塵ガラス8aの表面(外側の面8−1)をケーシング10の表面(外部ケーシング11の側の面11−1)から突出させているので、清掃具32により掻き取った塵埃類が防塵ガラス8aの表面に残存することなく確実に清掃することができる。この清掃効果は防塵ガラス8aが上に向いて装着されている本実施形態の場合においても確実に発揮される。
【0050】
また、清掃部材32−1をブレード構造とすることにより、防塵ガラス8aを突出させたときのブレード32−4のエッジ(先端部)32−5の変形や損傷を防止することができる。
【0051】
また、防塵ガラス8aの外側の面8−1の外部ケーシング11の外側の面11−1からの突出量Xを、防塵ガラス8aの厚さtに対して、0<X<tとしたので、清掃時に清掃部材32−1によって防塵ガラス8aがずれることを防止することができる。
【0052】
なお、本実施形態においては、防塵ガラス8aについて他の3つの防塵ガラス8b,8c,8dを代表して説明しているので、他の3つの防塵ガラス8b,8c,8dも同様に構成されていることはいうまでもない。
【0053】
また、清掃具32自体は、図3に示した画像形成装置の筐体の内面、例えばドアの内側や、筐体の側壁に前述のガイド11−2と同様な保持部を形成し、非使用時は前記保持部に保持させておく。これによりユーザは、必要なときのみ前記保持部から取り出して前述の清掃を行うことになる。
【0054】
<第2の実施形態>
図15ないし図18は他の実施形態に係る清掃具による清掃動作を示す動作説明図である。なお、清掃具を除いて第1の実施形態と同等に構成されているので、同等な各部には同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
【0055】
本実施形態に係る清掃具32は、ブレード(清掃部材)32−4と、ブレード32−4の引き抜き方向(矢印BK方向)の上流側の一部が湾曲した支持部材32−2とからなる。湾曲部32−8は図において上に凸になるように形成されている。この湾曲部32−8は、支持部材32−2の弾性による跳ね上がりを防止するためのものである。すなわち、ブレード32−4が取り付けられた支持部材32−2の背面32−12が全てガイド11−2に当接するように構成されていると、清掃時に支持部材32−2の先端部(ブレード32−4取り付け側の端部)32−9がガイド11−2を抜けた時点で跳ね上がり、ブレード32−4の防塵ガラス8aの外側の面8−1に対する圧接力が変化し、清掃不良を起こす虞があるからである。
【0056】
そこで、図15ないし図18に示すように、矢印FD方向に清掃具32を引き抜いて清掃を行う際に、常にブレード32−4の引き抜き方向上流側に位置するガイド11−2のみが支持部材32−2の背面32−12に当接するように湾曲部32−8の位置、湾曲度、及び隣接するガイド11−2の間隔を設定する。これにより、図17のB−B線断面図である図18に示すように、支持部材32−2の先端部32−9とガイドとの間に常にギャップGが存在し、ガイド11−2による押さえ作用の反作用で支持部材32−2の先端部32−9が跳ね上がることはない。このように支持部材32−2に湾曲部32−8を設け、その先端部32−9がガイド11−2に当接しないように構成すると、清掃具32を差し込む場合においても前記先端部32−9とガイド11−2とは前記ギャップGによって干渉することはないので、操作上も好ましい。さらに、前記湾曲度の設定によりブレード32−4の防塵ガラス8aの外側の面8−1に対する圧接力を調整することができる。
【0057】
図19及び図20は支持部材32−2の変形例を示すもので、図19は湾曲部32−8を板バネ32−10によって構成し、図20は支持部材32−2に凸部32−11を一体的に設けたものである。なお、図20の例では、符号32−7で示すように清掃部材32−1をブレード32−4に代えてブラシ、フェルト、スポンジのいずれかから構成している。
【0058】
前記板バネ32−10は図8に示した第1の実施形態における直線状の支持部材32−2の背面32−12の図13における湾曲部32−8形成部位に対応して当該湾曲部32−8と同等の湾曲度に設定されている。これにより、前記湾曲した支持部材32−2と同等の機能を得ることができる。
【0059】
同様に図20の例では、凸部32−11表面は円弧状に形成され、ガイド11−2を凸部32−11が通過するときに所定の圧接力が発生して清掃動作が行われる。
【0060】
その他、特に説明しない各部は前述の第1の実施形態と同等に構成され、同等に機能する。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る光書き込み装置の概略構成を感光体ドラムとともに示す縦断面図である。
【図2】図1における光書き込み装置の外観を示す斜視図である。
【図3】図1の光書き込み装置を備えたが画像形成装置全体の概略構成を概念的に示す図である。
【図4】図3の画像形成装置の作像部の概略構成を概念的に示す図である。
【図5】図2の光書き込み装置の防塵ガラスの上部ケーシングに対する取り付け構造を示す要部拡大斜視図である。
【図6】図5の光書き込み装置の防塵ガラスと外部ケーシングと清掃部材との関係を示す正面図で、清掃部材の幅寸法が防塵ガラスの幅寸法より大きい場合の例である。
【図7】図5の光書き込み装置の防塵ガラスと外部ケーシングと清掃部材との関係を示す正面図で、清掃部材の幅寸法が防塵ガラスの幅寸法より小さい場合の例である。
【図8】清掃時における清掃具とケーシングと防塵ガラスとの関係を示す図である。
【図9】清掃時における清掃部材の動作を説明するための図である。
【図10】防塵ガラスの板厚と突出量との関係を説明するための図である。
【図11】防塵ガラスと外部ケーシングと清掃部材との関係を示す図である。
【図12】防塵ガラスの板厚と突出量との他の関係を示す図である。
【図13】ブレード以外の清掃部材を使用して清掃する例を示す図である。
【図14】図8のA−A線断面図である。
【図15】第2の実施形態に係る清掃具を使用して清掃する例を示す図である。
【図16】図15の状態から少し引き出した状態を示す図である。
【図17】図16の状態から少し引き出した状態を示す図である。
【図18】図17のB−B線断面図である。
【図19】第2の実施形態に係る清掃具の変形例を示す図である。
【図20】第2の実施形態に係る清掃具の他の変形例を示す図である。
【符号の説明】
【0062】
1a,1b ポリゴンミラー
8a,8b,8c,8d 防塵ガラス
8−1 防塵ガラスの外側の面
8−2,8−3 稜
9a,9b,9c,9d 感光体ドラム
10 ケージング
11 外部ケーシング
11−1 外部ケーシングの外側の面
11−2 ガイド
13a 側壁
13b 基板
21a,21b,21c,21d 光源ユニット
31a 開口
32 清掃具
32−1 清掃部材
32−2 支持部材
32−4 ブレード
32−5 エッジ
32−8 湾曲部
32−10 板バネ
32−11 凸部
【技術分野】
【0001】
本発明は、光偏向装置により偏向される光ビームを走査して像担持体に潜像の書き込みを行う光書き込み装置及びこれを用いた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像信号に応じて変調された光ビームによって光学系を介してポリゴンミラーのような偏向装置により像担持体である感光体の被走査面を走査して画像記録を行う光書き込み装置は、デジタル複写機、ファクシミリあるいはプリンタのような画像形成装置の書き込み部に広く使用されている。
【0003】
一方、画像形成装置の小型化の要求に伴い、画像形成装置内の光書き込み装置の配置は多様化しており、像担持体に対して同一レベルもしくはそれよりも下方に配置される場合がある。こうした場合、画像形成装置内のホコリや現像剤であるトナー等が光書き込み装置の光ビームの射出口に設けられた防塵ガラスに付着し、光ビームを遮ることにより画像品質の低下という問題が発生しやすくなるという問題があった。特に重合トナーを使用する画像形成装置では、飛散したトナーが装置内の構成部材に付着すると取れにくいということも指摘されていた。
【0004】
そこで、例えば特許文献1では、光書き込み装置の光ビーム射出口の防塵ガラス部に防塵カバーを着脱自在に設けてホコリや飛散トナーなどの異物が付着しないようにするとともに、防塵ガラスにホコリなどが付着した場合には、防塵カバーを外し、防塵ガラスを清掃したり、クリーニング機構を別途設け、そのクリーニングパッドを引き出して防塵ガラスを清掃することが提案されている。
【特許文献1】特開2002−267983号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の従来技術においては、防塵ガラス部上に着脱容易に防塵カバーを設けているためのスペースが必要になり、小型化の障害となっていた。さらに、防塵カバーではホコリや飛散トナーの付着を防ぎきれず、防塵ガラスに付着したホコリや飛散トナーに対しては、防塵ガラス面を拭き取るなどの作業が必要であった。
【0006】
一方、画像形成枚数の増加や高速性が進むにつれ、装置内の熱の問題が生じている。すなわち、機内温度が上がると光学系に影響を及ぼし、高精度や画像品質を要求されるものに限らず、カラー画像形成装置では色ずれと目に見える形で出力される。そこで、熱の影響を弱めるため定着装置を装置の上部に位置させ、定着装置からの発熱が光書き込みユニットや作像ユニットに影響を与えにくいように配慮した画像形成装置が提供されている。このような画像形成装置では、光書き込みユニットが作像ユニットよりも下に位置し、感光体に対して上向きに光書き込みを行うことになるが、このように配置すると、防塵ガラスが上向きになり、防塵ガラス上に付着した塵埃類や飛散トナーが自然に剥離することはなく、特に前述の球形の重合トナーが付着した場合には、清掃も容易ではない。
【0007】
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その発明の目的は、防塵ガラスに付着した塵埃類や飛散トナーなどの異物を的確に清掃することができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するため、第1の手段は、 画像信号に応じて変調された光ビームを偏向手段によって偏向し、ケーシングに設けた透光性防塵部材からケーシング外に出射して像担持体の被走査面に潜像を書き込む光書き込み装置において、前記透光性防塵部材は、その外側の面が当該透光性防塵部材の取り付け部近傍の前記ケージングの外面から外側に突出していることを特徴とする。
【0009】
第2の手段は、第1の手段において、前記透光性防塵部材の外側の面を清掃する清掃具を前記透光性防塵部材の長手方向に沿ってガイドするガイド部材を備えていることを特徴とする。
【0010】
第3の手段は、第2の手段において、前記清掃具は、前記透光性防塵部材の外側の面に摺接し、外側の面に付着した塵埃類を清掃する清掃部材と、この清掃部材を支持する支持部材とを備えていることを特徴とする。
【0011】
第4の手段は、第3の手段において、前記清掃部材がエッジで前記塵埃類を擦り取るブレードからなることを特徴とする。
【0012】
第5の手段は、第3または第4の手段において、前記清掃部材が前記支持部材の先端側に取り付けられ、前記支持部材の前記清掃部材取り付け部よりも清掃方向上流側に湾曲部が設けられていることを特徴とする。
【0013】
第6の手段は、第5の手段において、前記湾曲部が、前記支持部材の前記清掃部材から見て背面側の所定部分が凸になるように設けられていることを特徴とする。
【0014】
第7の手段は、第6の手段において、前記凸の部分が、円弧状の膨出部として一体的に形成されていることを特徴とする。
【0015】
第8の手段は、第6の手段において、前記凸の部分が、湾曲した板バネからなることを特徴とする。
【0016】
第9の手段は、第5ないし第8の手段において、前記ガイド部材によってガイドされて移動する際、前記支持部材の先端部と前記ガイド部材とは常に離間していることを特徴とする。
【0017】
第10の手段は、第1ないし第9の手段において、前記透光性防塵部材外側の面の前記ケーシングの外面に対する突出量Xが、前記透光性防塵部材の厚みtに対し、
0<X<t
の関係に設定されていることを特徴とする。
【0018】
第11の手段は、第1ないし第9の手段において、前記透光性防塵部材の外側の面の前記ケーシングの外面に対する突出量Xが、前記透光性防塵部材の厚みをt、前記ケーシングの外面から前記透光性防塵部材のケーシングへの取り付け面の高さをt1(但し、t1>0)としたとき、
X≦t+t1
の関係に設定されていることを特徴とする。
【0019】
第12の手段は、第11の手段において、前記清掃部材が清掃方向に移動するときの移動開始位置が前記ケーシングの外面に設定されている場合に、前記開始位置側の前記透光性防塵部材の外側の面の突出量Xが、
X≦0
であることを特徴とする。
【0020】
第13の手段は、第1ないし第12の手段において、前記清掃部材が清掃方向に移動するときの移動開始位置が前記透光性防塵部材が取り付けられた開口部の端部と前記光ビームの走査開始位置との間に設定されていることを特徴とする。
【0021】
第14の手段は、第1ないし第12の手段において、前記清掃部材の前記透光性防塵部材の長手方向と直交する方向の寸法が、前記透光性防塵部材の長手方向と直交する方向の寸法よりも小寸で、前記透光性防塵部材が取り付けられた開口部の同方向の寸法より大寸に設定されていることを特徴とする。
【0022】
第15の手段は、第1ないし第14の手段において、前記透光性防塵部材は、その外側の面が上向きになるように設けられていることを特徴とする。
【0023】
第16の手段は、第1ないし第15のいずれかの手段に係る光書き込み装置と、前記光書き込み装置によって像担持体上に書き込みまれた画像を記録媒体に可視画像として出力する画像形成手段とを画像形成装置が備えていることを特徴とする。
【0024】
第17の手段は、第16の手段において、前記画像形成手段によって可視画像が形成された記録媒体上の画像を定着する定着手段をさらに備え、前記定着手段が前記光書き込み装置と同レベル以上の高さ位置に設けられていることを特徴とする。
【0025】
また、第12の手段の趣旨は、第10及び第11の手段においては透光性防塵部材の外側の面がケーシングの外面から突出しているが(後述の図5参照)、前記清掃部材が清掃方向に移動するときの開始位置側の前記ケーシングの外面の部分が前記透光性防塵部材の外側の面と面一でもよいことを示している(後述の図7参照)。
【0026】
なお、以下の実施形態において、偏向手段はポリゴンミラー1a,1bに、透光性防塵部材は防塵ガラス8a,8b,8c,8dに、像担持体は感光体ドラム9a,9b,9c,9dに、ケージングは外部ケージング11に、ケーシングの外面は11−1に、防塵ガラスの外側の面は8−1に、清掃具は符号32に、ガイド部材は11−2に、清掃部材は32−1に、支持部材は32−2に、清掃部材のエッジは32−5に、ブレードは32−4に、支持部材の先端側は符号32−9に、湾曲部は符号32−8に、円弧状の膨出部は凸部32−11に、湾曲した板バネは符号32−10にそれぞれ対応している。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、透光性防塵部材の取り付け部近傍の書き込み装置のケージングの外面に対して、透光性防塵部材の外側の面を突出させているので、清掃時にケーシングの外面が清掃の障害になることがなくなり、これにより清掃効果を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0029】
<第1の実施形態>
図1は本発明の一実施形態に係る光書き込み装置(以下、光書き込みユニットと称す)の概略構成を感光体ドラムとともに示す縦断面図、図2はその光書き込みユニットの外観を示す斜視図である。この実施形態では、光書き込みユニット300はフルカラーの画像を形成するタンデム方式の画像形成装置に用いられ、並置された像担持体として複数の感光体ドラム9a,9b,9c,9dに色毎に画像を書き込むものである。すなわち、これら4つの感光体ドラム9a,9b,9c,9dのうち例えば感光体ドラム9aはイエロー(Y)に対応した画像を形成し、感光体ドラム9bはマゼンタ(M)に対応した画像を形成し、感光体ドラム9cはシアン(C)に対応した画像を形成し、感光体ドラム9dはブラック(Bk)に対応した画像を形成する。この画像形成する色の順序は任意である。これら4つの感光体ドラム9a,9b,9c,9dの各々の外周部には、電子写真方式の画像形成に必要な公知の作像要素が配置されている。
【0030】
光書き込みユニット300は、4つの感光体ドラム9a,9b,9c,9dが並設された作像部の下方に配置され、4つのレーザダイオードで構成された光源ユニット21a,21b,21c,21d(図2)と、これら各光源ユニット21a,21b,21c,21dからの光ビームを対称な2方向に振り分けて偏向走査する上下2つのポリゴンミラー1a,1bで構成された光偏向手段としての光偏向器と、この光偏向器を中心にして2方向に対称に配設され、光偏向器により偏向される複数の光ビームをそれぞれ対応する感光体ドラム9a,9b,9c,9dの被走査面上に導き、結像するためのfθレンズ3a,3b、結像用レンズ5a,5b,5c,5d、光路折り返し用のミラー4a,4b,4c,4d、6a,6b,6c,6d、7a,7b,7c,7d等の光学部材で構成された伝達・結像光学系とを備えており、これらの構成要素はケージング10内に収納されている。
【0031】
ケージング10は、ポリゴンミラー1a,1bや伝達・結像光学系が配設される基板13bと、この基板13bの周囲を囲む側壁13aとを有するとともに、基板13bが側壁13aの略中央に設けられ、ケージング10を上下に仕切る構造になっている。4つの光源ユニット21a,21b,21c,21dは、図2に示すように側壁13aに配置され、ポリゴンミラー1a,1bは基板13bの略中央の凹部に配置され、光学系を構成する上述した光学部材は基板13bの両面すなわち上下面側に分けて配設されている。下部ケーシング12を含むケージング10上部の開口部は上部ケーシング11で蓋され、ケーシング10内は密閉される。そのため前記上部ケーシング11には光ビームを通過させるための開口31aが設けられ、それらの開口31aには透光性防塵部材として防塵ガラス8a,8b,8c,8dが取り付けられている。
【0032】
光書き込みユニットは、原稿読取装置(図示しない)やパーソナルコンピュータ、ワードプロセッサ、ファクシミリの受信部等の画像データ出力装置から入力される色分解された画像データを光源駆動用の信号に変換し、その信号に基づいて出力されたレーザビームにより前述の感光体ドラム9a,9b,9c,9d上を光走査して光書き込みを行う。その際、各光源ユニット21a,21b,21c,21dから出射された光ビームは、ポリゴンミラー1a,1bに至り、2ビームずつ対称的に2方向に偏向走査される。なお、図1に示す構造ではポリゴンミラー1a,1bは、感光体ドラム9a,9dに書き込むための光ビーム14a,14d用と、感光体ドラム9b、9cに書き込むための光ビーム14b、14c用として上下2段に分けた構造になっているが、1つの軸方向に厚いポリゴンミラーで、4つの光ビームを偏向走査する構成にしてもよい。
【0033】
ポリゴンミラー1a,1bで2ビームずつ2方向に偏向走査された光ビームは、開口1a,1bから第1の結像用レンズである上下2層構造のfθレンズ3a,3bをそれぞれ通過し、光ビーム14a,14dは結像用レンズ5a,5dを介し、光ビーム14b,14cは直接第1の折り返しミラー4a,4b,4c,4dにより折り返され、、光ビーム14b,14cは結像用レンズ5b,5cを介し、また光ビーム14a,14dは直接第2の折り返しミラー6a,6b,6c,6dにより折り返され、さらに第3の折り返しミラー7a,7b,7c,7d、防塵ガラス8a,8b,8c,8dを介して各色用の感光体ドラム9a,9b,9c,9dの被走査面上を照射する。この照射により被走査面上に静電潜像が形成される。
【0034】
図3は図1及び図2に示した光書き込みユニットを備えた画像形成装置の概略構成を概念的に示す図、図4は図3の画像形成装置の作像部の概略構成を概念的に示す図である。
図3において画像形成装置100は、給紙ユニット200、光書き込みユニット300、作像ユニット400及び排紙定着ユニット500の各ユニットから構成され、下部から上部に向かってこの順で積層されている。給紙ユニット200は2段の給紙カセット210,211を備え、給紙ローラによって1枚ずつピックアップした用紙を縦搬送路220に沿って作像ユニット400に送る。なお、作像ユニット400は前述の作像部に対応する。
【0035】
作像ユニット400は、前述の光書き込みユニット300によって感光体ドラム9a,9b,9c,9dに書き込みまれた潜像を可視化し、用紙に転写して可視画像として出力するもので、図4にも示すように前記感光体ドラム9a,9b,9c,9dと、各感光体ドラム9a,9b,9c,9dの外周部に配置された前記作像要素とからなる。作像要素は、電子写真プロセスにより画像形成を行うための要素であり、帯電ローラ、帯電ブラシあるいは帯電チャージャ等で構成された帯電部と、光書き込みユニット300から出射される光ビームによって露光する露光部410と、Y,M,C,Bkの各色の現像装置で構成された現像部420と、これらの現像部420で現像された4色のトナー画像をそれぞれ中間転写ベルト430に転写する1次転写部と、各感光体ドラム9a,9b,9c,9d上に残存したトナーのクリーニングを行うクリーニング部と、次工程の帯電の前工程としての除電部とからなり、本実施形態では、帯電部、クリーニング部、除電部及び感光体ドラムが感光体ユニット440として、また、現像部420が現像ユニットとしてそれぞれ交換可能になっている。
【0036】
前記中間転写ベルト430上に転写され、4色の画像が重畳されたフルカラー画像は2次転写部450で前記給紙部200から搬送されてきた用紙上に転写され、上方の排紙定着ユニット500の定着部510で定着され、排紙部520の排紙口530から排紙トレイ540上に排紙される。なお、前記2次転写部450で転写後、前記中間転写ベルト430上に残存したトナーのクリーニングを行う図示しないクリーニング部も作像ユニット400内に設けられている。これらの構成は従来より公知の構成であるので、詳細な説明は省略する。また、図4では色毎の符号を感光体と防塵ガラスを除いて省略している。
【0037】
図5は防塵ガラス8aの上部ケーシング11に対する取り付け構造を示す要部拡大斜視図である。図5では、防塵ガラス8aのみを示しているが、図2に示したように他の防塵ガラス8b,8c,8dも同様である。防塵ガラス8aは、図5の横断面である図6にも示すように上部ケーシング11に形成された光ビーム14aの通過孔である開口31aを塞ぐようにケーシング外から取り付けられる。防塵ガラス8aの取り付けは、例えば両面テープによって前記開口31aの外縁に貼付することにより行われる。防塵ガラス8aは、その外側の面8−1が上部ケーシング11の外側の面(取り付け面)11−1から突出するように保持され、上部ケーシング11、詳細には取り付け面11−1に邪魔されることなく、防塵ガラス8aの外側の面8−1に接触し、当該面の汚れを清掃具32によって擦り取れるようになっている。
【0038】
清掃具32は、図8に示すように清掃部材32−1と、この清掃部材32−1が先端部に取り付けられた細幅板状の支持部材32−2と、基端部側に設けられたハンドル部32−3とからなる。なお、前記清掃部材32−1としては図8に示すようなブレード32−4、あるいは図13において符号32−7で示すようなブラシ、フェルト、スポンジなどが使用される。このうち感光体や中間転写ベルトに使用されている合成樹脂材、例えばポリウレタンゴムの板材からなるブレード32−4を使用すれば、そのエッジ32−5を使用して最も効率のよい清掃効果を得ることができる。そのため、以下、清掃部材32−1をブレード32−4によって構成した例について説明する。
【0039】
前記清掃具32のブレード32−4の幅Hは、図6示すように防塵ガラス8a全面を清掃できる幅寸法H2とすることもできるが、図7に示すように誤差を見込んでレーザ光が透過できるだけの幅H3が確保できれば、防塵ガラス8aの幅寸法H1よりも小さい幅寸法で充分である。すなわち、
H1≧H≧H3
に設定すればよい。また、この方が防塵ガラス8aを清掃する際に防塵ガラス8aのエッジ8−4とブレード32−4とが干渉しないので、信頼性も高くなる。
【0040】
また、図5及び図8から分かるように防塵ガラス8aの側部の上部ケーシング11には等間隔で前記清掃具32を防塵ガラス8aの長手方向に沿って案内するガイド11−2が設けられている。このガイド11−2は対となって立設され、それぞれの先端部11−3が防塵ガラス8aの面8−1に対して平行に互いに対向するように延出している。これにより図8におけるA−A線断面図である図14に示すように前記先端部11−3の防塵ガラス8aと対向する面11−4が清掃具32の支持部材32−2のブレード32−4の取り付け面に対して背面に当たる側の面(以下、単に背面と称す)32−12に当接し、清掃動作の際に支持部材32−2を保持し、支持部材32−2の進出後退動作時のガイドとして機能する。
【0041】
清掃する場合には、図5におけるガイド11−2のうち、装置前面側(図5では左上)のガイド11−2Fから清掃具32の先端部を図8に矢印FDで示すように挿入し、図9に示すように防塵ガラス8aの最も奥側の稜8−3より内側であって書き込み範囲P1−P2より若干外側の位置P1’に達した後、当該位置P1’から矢印BK方向に引き出し、ブレード32−4で防塵ガラス8aの外側の面8−1に付着した塵埃類を掻き(擦り)取る。この過程で、ブレード32−4が前記防塵ガラス8aの稜8−2を乗り越えるときには、ブレード32−4の背面側32−6が防塵ガラス8aの表面に摺接し、弾性変形するので特に強力な剥離機能を発揮することはできないが、その分、ブレード32−4が防塵ガラス8aの稜8−2を乗り越えたときのブレード32−4へのダメージは非常に少ない(ほとんどない)。
【0042】
これに対しブレード32−4を矢印BK方向に戻す場合には、ブレード32−4の先端のエッジ32−5がスクレーパとして機能するので、前記エッジ32−5が防塵ガラス8aの外側の面8−1に摺接して前記面8−1上のトナー粉や塵埃類を掻き取り、良好な清掃機能を発揮する。したがって、矢印BK方向が機能的には清掃方向である。その際、図9に示す防塵ガラス8aの図示左側の端部8−3を越えて上部ケーシング11側に移動しないように前記前側のガイド11−2Fにより移動位置が規制されているので、矢印BK方向に移動させたとしてもエッジ32−5はP1’位置から移動を開始させることができ、エッジ32−5部分が前記稜8−3に乗り上げてエッジ32−5が損傷することもなく、長期にわたって安定した使用性を保証することができる。これらの操作は清掃具32のハンドル部32−3を持って行う。
【0043】
なお、矢印FD方向に挿入する場合においても防塵ガラス8a上に付着した塵埃類が清掃される場合があるが、これらの塵埃類は後述の図9あるいは図11における清掃開始位置P1よりも外部ケーシング11側に押しやられ、光ビームの走査領域に入ってくることはないので、この場合も清掃効果があることになる。
【0044】
ブレード32−4の信頼性を保証するためには、この他に、上部ケーシング11の外側の面11−1を防塵ガラス8aの外側の面8−1と面一あるいは防塵ガラス8a側を前記外側の面11−1から後退させればよい。しかし、防塵ガラス8aの外側の面8−1が全て外部ケーシング11の外側の面11−1から後退していると、ブレード32−4の弾性により防塵ガラス8a側に突出した部分だけは清掃性を保証できるが、防塵ガラス8aが清掃が要求される部分全てに確実に接触するという保証がなく、本来の目的である清掃機能は低下することになる。このような理由で、本実施形態では、防塵ガラス8aの外側の面8−1を図9及び図10に示すように外部ケーシング11の外側の面11−1から突出させ(突出量X)、清掃部材32−1の先端が防塵ガラス8aの外側の面8−1と完全に摺接し、清掃機能が充分に発揮できるようにした。
【0045】
その際、突出量を大きくして、防塵ガラス8aの下面が外部ケーシング11の外側の面11−1からさらに突出するような構造とすると、前記ガイド11−2をさらに突出させることになって厚さ方向の寸法が大きくなり、あるいは突出部が他の部材と干渉することも考えられることから、図10に示すように防塵ガラス8aの前記突出量Xを、防塵ガラス8aの厚さをtとしたときに、
0<X<t
となるように設定した。なお、実機では、例えば防塵ガラス8aの厚さtが1ないし3mm、好適には2mm程度で突出量Xは0.5mm程度である。
【0046】
その際、前述のように、防塵ガラス8aの図5において左端側の稜8−3よりも左側に清掃開始位置P3を設定すると、前述のようにブレード32−4のエッジ32−5が前記稜8−3の端面に当接し、破損する虞が大きい。そこで、図11に示すように清掃開始位置P3側(図示左側)の防塵ガラス8aの外側の面8−1に対して外部ケーシング11の外側の面11−1を面一あるいは若干突出させてもよい。すなわち、前記稜8−3側の防塵ガラス8aの外側の面8−1を外部ケーシング11の外側の面11−1との関係を、
X≦0
とするとよい。
【0047】
これにより、ブレード32−4が清掃を行うために図11の右側の稜8−2部分から防塵ガラス8aの外側の面8−1に乗り上げる際には、ブレード32−4の背面側32−6が当接して弾性変形するので、ブレード32−4が損傷する虞はほとんどない。また、ブレード32−4が左側の稜8−3部分のさらに左側の清掃開始位置P3から矢印BK方向に移動して清掃を行う際にも、ブレード32−4のエッジ32−5が防塵ガラス8aの左側の稜8−3やその側面に当接してブレード32−4のエッジ32−5を損傷する虞もない。また、清掃時には、防塵ガラス8aの外側の面8−1が外部ケーシング11の外面11−1から突出した部分を掻き取るので、良好な清掃機能を発揮することができる。
【0048】
なお、図12に示すように防塵ガラス8aの取り付け部がケーシングの外面11から突出している場合もある。このような場合には、防塵ガラスの厚さをt、ケーシング11の外面11−1から防塵ガラス8aのケーシング11への取り付け面の高さをt1としたとき、
X≦t+t1
の関係に設定する。この場合、前記t1は突出していることからt1>0となる。
【0049】
このように本実施形態によれば、防塵ガラス8aの表面(外側の面8−1)をケーシング10の表面(外部ケーシング11の側の面11−1)から突出させているので、清掃具32により掻き取った塵埃類が防塵ガラス8aの表面に残存することなく確実に清掃することができる。この清掃効果は防塵ガラス8aが上に向いて装着されている本実施形態の場合においても確実に発揮される。
【0050】
また、清掃部材32−1をブレード構造とすることにより、防塵ガラス8aを突出させたときのブレード32−4のエッジ(先端部)32−5の変形や損傷を防止することができる。
【0051】
また、防塵ガラス8aの外側の面8−1の外部ケーシング11の外側の面11−1からの突出量Xを、防塵ガラス8aの厚さtに対して、0<X<tとしたので、清掃時に清掃部材32−1によって防塵ガラス8aがずれることを防止することができる。
【0052】
なお、本実施形態においては、防塵ガラス8aについて他の3つの防塵ガラス8b,8c,8dを代表して説明しているので、他の3つの防塵ガラス8b,8c,8dも同様に構成されていることはいうまでもない。
【0053】
また、清掃具32自体は、図3に示した画像形成装置の筐体の内面、例えばドアの内側や、筐体の側壁に前述のガイド11−2と同様な保持部を形成し、非使用時は前記保持部に保持させておく。これによりユーザは、必要なときのみ前記保持部から取り出して前述の清掃を行うことになる。
【0054】
<第2の実施形態>
図15ないし図18は他の実施形態に係る清掃具による清掃動作を示す動作説明図である。なお、清掃具を除いて第1の実施形態と同等に構成されているので、同等な各部には同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
【0055】
本実施形態に係る清掃具32は、ブレード(清掃部材)32−4と、ブレード32−4の引き抜き方向(矢印BK方向)の上流側の一部が湾曲した支持部材32−2とからなる。湾曲部32−8は図において上に凸になるように形成されている。この湾曲部32−8は、支持部材32−2の弾性による跳ね上がりを防止するためのものである。すなわち、ブレード32−4が取り付けられた支持部材32−2の背面32−12が全てガイド11−2に当接するように構成されていると、清掃時に支持部材32−2の先端部(ブレード32−4取り付け側の端部)32−9がガイド11−2を抜けた時点で跳ね上がり、ブレード32−4の防塵ガラス8aの外側の面8−1に対する圧接力が変化し、清掃不良を起こす虞があるからである。
【0056】
そこで、図15ないし図18に示すように、矢印FD方向に清掃具32を引き抜いて清掃を行う際に、常にブレード32−4の引き抜き方向上流側に位置するガイド11−2のみが支持部材32−2の背面32−12に当接するように湾曲部32−8の位置、湾曲度、及び隣接するガイド11−2の間隔を設定する。これにより、図17のB−B線断面図である図18に示すように、支持部材32−2の先端部32−9とガイドとの間に常にギャップGが存在し、ガイド11−2による押さえ作用の反作用で支持部材32−2の先端部32−9が跳ね上がることはない。このように支持部材32−2に湾曲部32−8を設け、その先端部32−9がガイド11−2に当接しないように構成すると、清掃具32を差し込む場合においても前記先端部32−9とガイド11−2とは前記ギャップGによって干渉することはないので、操作上も好ましい。さらに、前記湾曲度の設定によりブレード32−4の防塵ガラス8aの外側の面8−1に対する圧接力を調整することができる。
【0057】
図19及び図20は支持部材32−2の変形例を示すもので、図19は湾曲部32−8を板バネ32−10によって構成し、図20は支持部材32−2に凸部32−11を一体的に設けたものである。なお、図20の例では、符号32−7で示すように清掃部材32−1をブレード32−4に代えてブラシ、フェルト、スポンジのいずれかから構成している。
【0058】
前記板バネ32−10は図8に示した第1の実施形態における直線状の支持部材32−2の背面32−12の図13における湾曲部32−8形成部位に対応して当該湾曲部32−8と同等の湾曲度に設定されている。これにより、前記湾曲した支持部材32−2と同等の機能を得ることができる。
【0059】
同様に図20の例では、凸部32−11表面は円弧状に形成され、ガイド11−2を凸部32−11が通過するときに所定の圧接力が発生して清掃動作が行われる。
【0060】
その他、特に説明しない各部は前述の第1の実施形態と同等に構成され、同等に機能する。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る光書き込み装置の概略構成を感光体ドラムとともに示す縦断面図である。
【図2】図1における光書き込み装置の外観を示す斜視図である。
【図3】図1の光書き込み装置を備えたが画像形成装置全体の概略構成を概念的に示す図である。
【図4】図3の画像形成装置の作像部の概略構成を概念的に示す図である。
【図5】図2の光書き込み装置の防塵ガラスの上部ケーシングに対する取り付け構造を示す要部拡大斜視図である。
【図6】図5の光書き込み装置の防塵ガラスと外部ケーシングと清掃部材との関係を示す正面図で、清掃部材の幅寸法が防塵ガラスの幅寸法より大きい場合の例である。
【図7】図5の光書き込み装置の防塵ガラスと外部ケーシングと清掃部材との関係を示す正面図で、清掃部材の幅寸法が防塵ガラスの幅寸法より小さい場合の例である。
【図8】清掃時における清掃具とケーシングと防塵ガラスとの関係を示す図である。
【図9】清掃時における清掃部材の動作を説明するための図である。
【図10】防塵ガラスの板厚と突出量との関係を説明するための図である。
【図11】防塵ガラスと外部ケーシングと清掃部材との関係を示す図である。
【図12】防塵ガラスの板厚と突出量との他の関係を示す図である。
【図13】ブレード以外の清掃部材を使用して清掃する例を示す図である。
【図14】図8のA−A線断面図である。
【図15】第2の実施形態に係る清掃具を使用して清掃する例を示す図である。
【図16】図15の状態から少し引き出した状態を示す図である。
【図17】図16の状態から少し引き出した状態を示す図である。
【図18】図17のB−B線断面図である。
【図19】第2の実施形態に係る清掃具の変形例を示す図である。
【図20】第2の実施形態に係る清掃具の他の変形例を示す図である。
【符号の説明】
【0062】
1a,1b ポリゴンミラー
8a,8b,8c,8d 防塵ガラス
8−1 防塵ガラスの外側の面
8−2,8−3 稜
9a,9b,9c,9d 感光体ドラム
10 ケージング
11 外部ケーシング
11−1 外部ケーシングの外側の面
11−2 ガイド
13a 側壁
13b 基板
21a,21b,21c,21d 光源ユニット
31a 開口
32 清掃具
32−1 清掃部材
32−2 支持部材
32−4 ブレード
32−5 エッジ
32−8 湾曲部
32−10 板バネ
32−11 凸部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像信号に応じて変調された光ビームを偏向手段によって偏向し、ケーシングに設けた透光性防塵部材からケーシング外に出射して像担持体の被走査面に潜像を書き込む光書き込み装置において、
前記透光性防塵部材は、その外側の面が当該透光性防塵部材の取り付け部近傍の前記ケージングの外面から外側に突出していることを特徴とする光書き込み装置。
【請求項2】
前記透光性防塵部材の外側の面を清掃する清掃具を前記透光性防塵部材の長手方向に沿ってガイドするガイド部材を備えていることを特徴とする請求項1記載の光書き込み装置。
【請求項3】
前記清掃具は、前記透光性防塵部材の外側の面に摺接し、外側の面に付着した塵埃類を清掃する清掃部材と、この清掃部材を支持する支持部材とを備えていることを特徴とする請求項2記載の光書き込み装置。
【請求項4】
前記清掃部材がエッジで前記塵埃類を擦り取るブレードからなることを特徴とする請求項3に記載の光書き込み装置。
【請求項5】
前記清掃部材が前記支持部材の先端側に取り付けられ、前記支持部材の前記清掃部材取り付け部よりも清掃方向上流側に湾曲部が設けられていることを特徴とする請求項3または4記載の光書き込み装置。
【請求項6】
前記湾曲部は、前記支持部材の前記清掃部材から見て背面側の所定部分が凸になるように設けられていることを特徴とする請求項5記載の光書き込み装置。
【請求項7】
前記凸の部分が、円弧状の膨出部として一体的に形成されていることを特徴とする請求項6記載の光書き込み装置。
【請求項8】
前記凸の部分が、湾曲した板バネからなることを特徴とする請求項6記載の光書き込み装置。
【請求項9】
前記ガイド部材によってガイドされて移動する際、前記支持部材の先端部と前記ガイド部材とは常に離間していることを特徴とする請求項5ないし8のいずれか1項に記載の光書き込み装置。
【請求項10】
前記透光性防塵部材外側の面の前記ケーシングの外面に対する突出量Xが、前記透光性防塵部材の厚みtに対し、
0<X<t
の関係に設定されていることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載の光書き込み装置。
【請求項11】
前記透光性防塵部材の外側の面の前記ケーシングの外面に対する突出量Xが、前記透光性防塵部材の厚さをt、前記ケーシングの外面から前記透光性防塵部材のケーシングへの取り付け面の高さをt1(但し、t1>0)としたとき、
X≦t+t1
の関係に設定されていることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載の光書き込み装置。
【請求項12】
前記清掃部材が清掃方向に移動するときの開始位置が前記ケーシングの外面に設定されている場合に、前記開始位置側の前記透光性防塵部材の外側の面の突出量Xが、
X≦0
であることを特徴とする請求項11記載の光書き込み装置。
【請求項13】
前記清掃部材が清掃方向に移動するときの開始位置が前記透光性防塵部材が取り付けられた開口部の端部と前記光ビームの走査開始位置との間に設定されていることを特徴とする請求項1ないし12のいずれか1項に記載の光書き込み装置。
【請求項14】
前記清掃部材の前記透光性防塵部材の長手方向と直交する方向の寸法が、前記透光性防塵部材の長手方向と直交する方向の寸法よりも小寸で、前記透光性防塵部材が取り付けられた開口部の同方向の寸法より大寸に設定されていることを特徴とする請求項1ないし12のいずれか1項に記載の光書き込み装置。
【請求項15】
前記透光性防塵部材は、その外側の面が上向きになるように設けられていることを特徴とする請求項1ないし14のいずれか1項に記載の光書き込み装置。
【請求項16】
請求項1ないし15のいずれか1項に記載の光書き込み装置と、
前記光書き込み装置によって像担持体上に書き込みまれた画像を記録媒体に可視画像として出力する画像形成手段と、
を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項17】
前記画像形成手段によって可視画像が形成された記録媒体上の画像を定着する定着手段をさらに備え、
前記定着手段が前記光書き込み装置と同レベル以上の高さ位置に設けられていることを特徴とする請求項16記載の画像形成装置。
【請求項1】
画像信号に応じて変調された光ビームを偏向手段によって偏向し、ケーシングに設けた透光性防塵部材からケーシング外に出射して像担持体の被走査面に潜像を書き込む光書き込み装置において、
前記透光性防塵部材は、その外側の面が当該透光性防塵部材の取り付け部近傍の前記ケージングの外面から外側に突出していることを特徴とする光書き込み装置。
【請求項2】
前記透光性防塵部材の外側の面を清掃する清掃具を前記透光性防塵部材の長手方向に沿ってガイドするガイド部材を備えていることを特徴とする請求項1記載の光書き込み装置。
【請求項3】
前記清掃具は、前記透光性防塵部材の外側の面に摺接し、外側の面に付着した塵埃類を清掃する清掃部材と、この清掃部材を支持する支持部材とを備えていることを特徴とする請求項2記載の光書き込み装置。
【請求項4】
前記清掃部材がエッジで前記塵埃類を擦り取るブレードからなることを特徴とする請求項3に記載の光書き込み装置。
【請求項5】
前記清掃部材が前記支持部材の先端側に取り付けられ、前記支持部材の前記清掃部材取り付け部よりも清掃方向上流側に湾曲部が設けられていることを特徴とする請求項3または4記載の光書き込み装置。
【請求項6】
前記湾曲部は、前記支持部材の前記清掃部材から見て背面側の所定部分が凸になるように設けられていることを特徴とする請求項5記載の光書き込み装置。
【請求項7】
前記凸の部分が、円弧状の膨出部として一体的に形成されていることを特徴とする請求項6記載の光書き込み装置。
【請求項8】
前記凸の部分が、湾曲した板バネからなることを特徴とする請求項6記載の光書き込み装置。
【請求項9】
前記ガイド部材によってガイドされて移動する際、前記支持部材の先端部と前記ガイド部材とは常に離間していることを特徴とする請求項5ないし8のいずれか1項に記載の光書き込み装置。
【請求項10】
前記透光性防塵部材外側の面の前記ケーシングの外面に対する突出量Xが、前記透光性防塵部材の厚みtに対し、
0<X<t
の関係に設定されていることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載の光書き込み装置。
【請求項11】
前記透光性防塵部材の外側の面の前記ケーシングの外面に対する突出量Xが、前記透光性防塵部材の厚さをt、前記ケーシングの外面から前記透光性防塵部材のケーシングへの取り付け面の高さをt1(但し、t1>0)としたとき、
X≦t+t1
の関係に設定されていることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載の光書き込み装置。
【請求項12】
前記清掃部材が清掃方向に移動するときの開始位置が前記ケーシングの外面に設定されている場合に、前記開始位置側の前記透光性防塵部材の外側の面の突出量Xが、
X≦0
であることを特徴とする請求項11記載の光書き込み装置。
【請求項13】
前記清掃部材が清掃方向に移動するときの開始位置が前記透光性防塵部材が取り付けられた開口部の端部と前記光ビームの走査開始位置との間に設定されていることを特徴とする請求項1ないし12のいずれか1項に記載の光書き込み装置。
【請求項14】
前記清掃部材の前記透光性防塵部材の長手方向と直交する方向の寸法が、前記透光性防塵部材の長手方向と直交する方向の寸法よりも小寸で、前記透光性防塵部材が取り付けられた開口部の同方向の寸法より大寸に設定されていることを特徴とする請求項1ないし12のいずれか1項に記載の光書き込み装置。
【請求項15】
前記透光性防塵部材は、その外側の面が上向きになるように設けられていることを特徴とする請求項1ないし14のいずれか1項に記載の光書き込み装置。
【請求項16】
請求項1ないし15のいずれか1項に記載の光書き込み装置と、
前記光書き込み装置によって像担持体上に書き込みまれた画像を記録媒体に可視画像として出力する画像形成手段と、
を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項17】
前記画像形成手段によって可視画像が形成された記録媒体上の画像を定着する定着手段をさらに備え、
前記定着手段が前記光書き込み装置と同レベル以上の高さ位置に設けられていることを特徴とする請求項16記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2006−44229(P2006−44229A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−140987(P2005−140987)
【出願日】平成17年5月13日(2005.5.13)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年5月13日(2005.5.13)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]