説明

光源装置、光走査装置及び画像形成装置

【課題】光量検出精度を低下させることなく、小型化を図ることができる光源装置を提供する。
【解決手段】 光源11、カップリングレンズ13、第1開口板14、第2開口板16、受光素子18、パッケージ部材21、カバーガラス22、ハーフミラー23、及び光源制御装置30を有している。そして、主走査対応方向及び副走査対応方向に関して、光源11から射出される光束の発散角(θm、θs)と、開口部Aを通過する光束の放射角(θm1、θs1)と、開口部Bを通過する光束の放射角(θm2、θs2)との間に、|(θm1−θm2)/θm|≦0.085、及び|(θs1−θs2)/θs|≦0.085、の関係が満足されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源装置、光走査装置及び画像形成装置に係り、更に詳しくは、レーザ光を射出する光源装置、該光源装置を有する光走査装置及び該光走査装置を備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真の画像記録では、レーザを光源に用いた画像形成装置が広く用いられている。この場合、画像形成装置は、光源から射出され、偏向器で偏向された光束(走査用光束)で感光体ドラムの表面を走査し、感光体ドラムの表面に潜像を形成するために光走査装置を備えている。ところで、画像形成装置では、温度変化や経時変化に伴って走査用光束の光量が変化し、最終的に出力される画像(出力画像)に濃度むらが発生するおそれがある。
【0003】
そこで、従来の端面発光レーザを用いた光走査装置では、端面発光レーザから後方に射出される光をモニタし、光出力の変動を抑制するAPC(Auto Power Controll)を行っていた。しかしながら、面発光レーザではその構造上、後方への射出光が生じないため、面発光レーザを用いた光走査装置では、従来のAPCとは異なる光量制御が必要となる。そこで、面発光レーザを用いた場合の光量制御方法として、面発光レーザから射出された光束の一部を、ビームスプリッタやハーフミラー等の光学素子を用いて分岐させて光検出器に導き、その光検出器の出力に基づいてAPCを行うという方法が考えられた。
【0004】
例えば、特許文献1には、面発光レーザから出射され、コリメータレンズでコリメートされたレーザビームを光偏向器で偏向して被走査面を走査露光すると共に、レーザビームの一部をビーム分離手段で反射し受光素子で光量を検出する光走査装置が開示されている。この光走査装置では、ビーム分離手段とコリメータレンズとの間にレーザビームを整形するアパチャーが設けられている。
【0005】
また、特許文献2には、複数の発光源を主走査方向にモノリシックに配列した光源手段と、光源手段からの複数の光ビームを所定の集束状態に変換するカップリングレンズと光源手段及びカップリングレンズを一体的に保持する支持部材とを備えるマルチビーム光源装置が開示されている。このマルチビーム光源装置では、支持部材は、カップリングレンズを保持し、光源手段から射出される光軸を中心に回動調整可能となるようにして取り付けられた第1の部材と、光源手段を保持し、第1の部材の主走査断面における傾きが調整可能となるように取り付けられた第2の部材とを有している。
【0006】
また、特許文献3には、光源から射出された光束の最も光強度の大きい部分がそのほぼ中央を通る開口部を有し、該開口部の周囲に入射した光束をモニタ用光束として反射する分離光学素子と、該分離光学素子で反射されたモニタ用光束のビーム径を制限するための開口部を有する開口部材と、該開口部材の開口部を通過したモニタ用光束を受光する受光素子とを備えるモニタ装置が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示されている光走査装置、及び特許文献3に開示されているモニタ装置では、光源から光検出手段までの光路長が長くなり、装置の小型化が困難であるという不都合があった。
【0008】
また、特許文献2に開示されているマルチビーム光源装置では、発散角の変動による影響が大きいという不都合があった。
【0009】
本発明は、かかる事情の下になされたもので、その第1の目的は、光量検出精度を低下させることなく、小型化を図ることができる光源装置を提供することにある。
【0010】
また、本発明の第2の目的は、高精度の光走査を行うことができる光走査装置を提供することにある。
【0011】
また、本発明の第3の目的は、高品質の画像を形成することができる画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、第1の観点からすると、光源と;前記光源から射出された光束の光路上に配置され、該光束を第1の光束と第2の光束とに分離する分離素子と;前記分離素子で分離された前記第1の光束の光路上に配置され、第1の開口部を有し、前記第1の光束を整形する第1の開口板と;前記分離素子で分離された前記第2の光束の光路上に配置され、前記第1の開口部と異なる形状の第2の開口部を有し、前記第2の光束を整形する第2の開口板と;を備え、前記第1の開口板に入射する光束、及び前記第2の開口板に入射する光束は、互いに状態が異なり、前記光源から射出される光束の進行方向に直交する面内の互いに直交する第1の方向と第2の方向に関して、該光束の前記第1の方向の発散角θ1、前記第2の方向の発散角θ2、前記第1の開口部を通過する光束の、前記光源における前記第1の方向の放射角θ11、前記第2の方向の放射角θ21、前記第2の開口部を通過する光束の、前記光源における前記第1の方向の放射角θ12、前記第2の方向の放射角θ22、を用いて、|θ11−θ12)/θ1|≦0.085、及び|θ21−θ22)/θ2|≦0.085、の関係が満足されていることを特徴とする光源装置である。
【0013】
これによれば、光量検出精度を低下させることなく、小型化を図ることができる。
【0014】
本発明は、第2の観点からすると、光束により被走査面を主走査方向に走査する光走査装置であって、本発明の光源装置と;前記光源装置から射出された光束を偏向する偏向器と;前記偏向器で偏向された光束を前記被走査面上に集光する走査光学系と;を備える光走査装置である。
【0015】
これによれば、本発明の光源装置を備えているため、高精度の光走査を行うことができる。
【0016】
本発明は、第3の観点からすると、少なくとも1つの像担持体と;前記少なくとも1つの像担持体を画像情報に応じて変調された光束により走査する少なくとも1つの本発明の光走査装置と;を備える画像形成装置である。
【0017】
これによれば、本発明の光走査装置を備えているため、結果として、高品質の画像を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態に係るレーザプリンタの概略構成を説明するための図である。
【図2】図1における光走査装置を示す概略図である。
【図3】図2における光源装置を説明するための図である。
【図4】図3における光源に含まれる2次元アレイ発光素子を説明するための図である。
【図5】第2開口板の位置を調整するための位置調整機構を説明するための図である。
【図6】図6(A)は、第1開口板の開口部の形状を説明するための図であり、図6(B)は、第2開口板の開口部の形状を説明するための図である。
【図7】図7(A)及び図7(B)は、それぞれ第1開口板の開口部と書き込み用光束との関係を説明するための図である。
【図8】第2開口板の開口部とモニタ用光束との関係を説明するための図である。
【図9】L1を説明するための図である。
【図10】L2を説明するための図である。
【図11】開口部Aを通過した光束及び開口部Bを通過した光束の空間光強度分布を説明するための図である。
【図12】図12(A)は、θm1を説明するための図であり、図12(B)は、θs1を説明するための図である。
【図13】図13(A)及び図13(B)は、それぞれθm2を説明するための図であり、図13(C)は、θs2を説明するための図である。
【図14】図14(A)は、実施例1を説明するための図であり、図14(B)は、実施例2を説明するための図であり、図14(C)は、実施例3を説明するための図であり、図14(D)は、実施例4を説明するための図である。
【図15】実施例1の計算結果を説明するための図である。
【図16】実施例2の計算結果を説明するための図である。
【図17】実施例3の計算結果を説明するための図である。
【図18】実施例4の計算結果を説明するための図である。
【図19】光源制御装置の構成を説明するためのブロック図である。
【図20】光源装置の変形例1を説明するための図である。
【図21】図20の光源装置に対応する第2開口板の位置調整機構を説明するための図である。
【図22】開口部Aを通過した光束及び開口部Bを通過した光束の空間光強度分布の変形例を説明するための図である。
【図23】光源装置の変形例2を説明するための図である。
【図24】光源装置の変形例3を説明するための図である。
【図25】第2開口板の開口部とモニタ用光束との関係の変形例を説明するための図である。
【図26】光源装置が光学ハウジングに取り付けられている状態を説明するための図である。
【図27】光源装置の組み立てを説明するための図(その1)である。
【図28】光源装置の組み立てを説明するための図(その2)である。
【図29】カラープリンタの概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態を図1〜図19に基づいて説明する。図1には、本発明の一実施形態に係る画像形成装置としてのレーザプリンタ1000の概略構成が示されている。
【0020】
このレーザプリンタ1000は、光走査装置1010、感光体ドラム1030、帯電チャージャ1031、現像ローラ1032、転写チャージャ1033、除電ユニット1034、クリーニングユニット1035、トナーカートリッジ1036、給紙コロ1037、給紙トレイ1038、レジストローラ対1039、定着ローラ1041、排紙ローラ1042、排紙トレイ1043、通信制御装置1050、及び上記各部を統括的に制御するプリンタ制御装置1060などを備えている。なお、これらは、プリンタ筐体1044の中の所定位置に収容されている。
【0021】
通信制御装置1050は、ネットワークなどを介した上位装置(例えばパソコン)との双方向の通信を制御する。
【0022】
感光体ドラム1030は、円柱状の部材であり、その表面には感光層が形成されている。すなわち、感光体ドラム1030の表面が被走査面である。そして、感光体ドラム1030は、図1における矢印方向に回転するようになっている。
【0023】
帯電チャージャ1031、現像ローラ1032、転写チャージャ1033、除電ユニット1034及びクリーニングユニット1035は、それぞれ感光体ドラム1030の表面近傍に配置されている。そして、感光体ドラム1030の回転方向に沿って、帯電チャージャ1031→現像ローラ1032→転写チャージャ1033→除電ユニット1034→クリーニングユニット1035の順に配置されている。
【0024】
帯電チャージャ1031は、感光体ドラム1030の表面を均一に帯電させる。
【0025】
光走査装置1010は、帯電チャージャ1031で帯電された感光体ドラム1030の表面に、上位装置からの画像情報に基づいて変調された光束を照射する。これにより、感光体ドラム1030の表面に、画像情報に対応した潜像が形成される。ここで形成された潜像は、感光体ドラム1030の回転に伴って現像ローラ1032の方向に移動する。なお、この光走査装置1010の構成については後述する。
【0026】
トナーカートリッジ1036にはトナーが格納されており、該トナーは現像ローラ1032に供給される。
【0027】
現像ローラ1032は、感光体ドラム1030の表面に形成された潜像にトナーカートリッジ1036から供給されたトナーを付着させて画像情報を顕像化させる。ここでトナーが付着した潜像(以下では、便宜上「トナー像」ともいう)は、感光体ドラム1030の回転に伴って転写チャージャ1033の方向に移動する。
【0028】
給紙トレイ1038には記録紙1040が格納されている。この給紙トレイ1038の近傍には給紙コロ1037が配置されており、該給紙コロ1037は、記録紙1040を給紙トレイ1038から1枚づつ取り出し、レジストローラ対1039に搬送する。該レジストローラ対1039は、給紙コロ1037によって取り出された記録紙1040を一旦保持するとともに、該記録紙1040を感光体ドラム1030の回転に合わせて感光体ドラム1030と転写チャージャ1033との間隙に向けて送り出す。
【0029】
転写チャージャ1033には、感光体ドラム1030の表面上のトナーを電気的に記録紙1040に引きつけるために、トナーとは逆極性の電圧が印加されている。この電圧により、感光体ドラム1030の表面のトナー像が記録紙1040に転写される。ここで転写された記録紙1040は、定着ローラ1041に送られる。
【0030】
定着ローラ1041では、熱と圧力とが記録紙1040に加えられ、これによってトナーが記録紙1040上に定着される。ここで定着された記録紙1040は、排紙ローラ1042を介して排紙トレイ1043に送られ、排紙トレイ1043上に順次スタックされる。
【0031】
除電ユニット1034は、感光体ドラム1030の表面を除電する。
【0032】
クリーニングユニット1035は、感光体ドラム1030の表面に残ったトナー(残留トナー)を除去する。残留トナーが除去された感光体ドラム1030の表面は、再度帯電チャージャ1031に対向する位置に戻る。
【0033】
次に、前記光走査装置1010の構成について説明する。
【0034】
この光走査装置1010は、一例として図2に示されるように、光源装置10、シリンドリカルレンズ31、ポリゴンミラー33、偏向器側走査レンズ35、像面側走査レンズ36、2つの光検知用ミラー(37a、37b)、及び2つの光検知センサ(38a、38b)などを備えている。
【0035】
なお、本明細書では、XYZ3次元直交座標系において、感光体ドラム1030の長手方向に沿った方向をY軸方向、各走査レンズ(35、36)の光軸に沿った方向をX軸方向として説明する。また、光源装置10からポリゴンミラー33に向かう光束の進行方向を、以下では、便宜上「W方向」とする。
【0036】
また、以下では、便宜上、主走査方向に対応する方向を「主走査対応方向」と略述し、副走査方向に対応する方向を「副走査対応方向」と略述する。
【0037】
光源装置10は、一例として図3に示されるように、光源11、カップリングレンズ13、第1開口板14、第2開口板16、受光素子18、パッケージ部材21、カバーガラス22、ハーフミラー23、及び光源制御装置30を有している。そして、パッケージ部材21及び光源制御装置30は、同一の回路基板19上にそれぞれ実装されている。なお、図3における「M方向」は、光源11での主走査対応方向である。
【0038】
ここでは、回路基板19の+W側の面にパッケージ部材21が実装され、−W側の面に光源制御装置30が実装されている。
【0039】
パッケージ部材21は、CLCC(Ceramic leaded chip carrier)と呼ばれるフラットパッケージであり、その+W側に、周囲が壁で囲まれている空間領域を有している。そして、その空間領域の底面中央に光源11が保持されている。
【0040】
光源11は、一例として図4に示されるように、40個の発光部が2次元的に配列されて1つの基板上に形成された2次元アレイ発光素子100を有している。
【0041】
これら40個の発光部は、すべての発光部を副走査対応方向(ここでは、Z軸方向と同じ)に伸びる仮想線上に正射影したときに等間隔となるように配置されている。なお、本明細書では、「発光部間隔」とは2つの発光部の中心間距離をいう。
【0042】
各発光部は、発振波長が780nm帯の垂直共振器型の面発光レーザである。すなわち、2次元アレイ発光素子100は、40個の発光部を有する面発光レーザアレイである。
【0043】
光源11は、+W方向に向けて光束が射出されるように配置されている。
【0044】
図3に戻り、カバーガラス22は、板状の部材であり、パッケージ部材21の+W側の面に取り付けられ、前記空間領域を密閉する。すなわち、光源11に塵や埃が付着するのを防止している。
【0045】
ハーフミラー23は、光源11から射出された光束の光路上に配置され、該光束を透過光と反射光に分離する。透過光と反射光の割合は、限定されるものではなく、光源11の出力、光学系の構成、感光体ドラム1030の光感度、及び受光素子18の光感度などによって定められる。
【0046】
このハーフミラー23は、板状部材であり、その一側の面と他側の面は平行である。ここでは、ハーフミラー23は、表面がMZ面に対して45°傾斜した状態で不図示のホルダに取り付けられている。そこで、ハーフミラー23は、光源11から射出された光束の一部を−Z方向に反射する。なお、以下では、便宜上、ハーフミラー23で反射された光束を「モニタ用光束」ともいう。また、ハーフミラー23を透過した光束を「書き込み用光束」ともいう。
【0047】
カップリングレンズ13は、書き込み用光束の光路上に配置され、該光束を略平行光とする。このカップリングレンズ13は、MZ面内において回転対称な形状であり、M方向及びZ軸方向に関して、同じ光学的なパワーを有している。
【0048】
第1開口板14は、開口部を有し、カップリングレンズ13を介した光束の光路上に配置され、該光束のビーム形状を整形する。この第1開口板14では、M方向が主走査対応方向であり、Z軸方向が副走査対応方向である。第1開口板14の開口部を通過した光束が、光源装置10から射出される光束である。
【0049】
第2開口板16は、開口部を有する板状部材であり、モニタ用光束の光路上に配置され、該光束のビーム形状を整形する。この第2開口板16では、M方向が主走査対応方向であり、W方向が副走査対応方向である。
【0050】
ここでは、第1開口板14に入射する光束、及び第2開口板16に入射する光束は、互いに状態(ビーム径、ピーク強度など)が異なっている。
【0051】
第2開口板16は、一例として図5に示されるように、MW面内における位置を調整するための位置調整機構によって適切な位置に固定されている。
【0052】
この位置調整機構は、第2開口板16の周囲を取り囲む枠状の保持部材と、第2開口板16と保持部材の内壁との間に挿入され、第2開口板16に対して−M方向及び+W方向の押圧力を作用させる板ばねと、該板ばねに対向して保持部材に取り付けられ、第2開口板16をM方向及びW方向に移動させるための2つの調整ねじとを有している。そして、2つの調整ねじの繰り出し量によって第2開口板16の位置が調整される。
【0053】
ここでは、第2開口板16は、受光素子18での受光光量が最大値となる位置に調整されている。このとき、第2開口板16の開口部を通過する光束における光強度のピーク位置と第2開口板16の開口部の中心とがほぼ一致する。
【0054】
図3に戻り、第2開口板16の開口部を通過した光束は、受光素子18で受光される。受光素子18は、受光量に応じた電気信号を出力する。この電気信号は、導線を介して回路基板19に送られ、光源制御装置30に供給される。
【0055】
ハーフミラー23と受光素子18との間の光束の光路上に配置される光学系は、モニタ光学系とも呼ばれている。本実施形態では、モニタ光学系は、第2開口板16のみから構成されている。
【0056】
次に、第1開口板14の開口部及び第2開口板16の開口部について説明する。以下では、便宜上、第1開口板14の開口部を「開口部A」といい、第2開口板16の開口部を「開口部B」ともいう。
【0057】
開口部Aの形状及び開口部Bの形状は、図6(A)及び図6(B)に示されるように、いずれも矩形形状であり、互いに相似の関係にある。ここでは、光源11から第2開口板16までの光路長が光源11からから第1開口板14までの光路長よりも短いことや、光学系の配置の関係上から、第2開口板16における開口部は、第1開口板14における開口部に対して比例縮小の関係にある。
【0058】
そして、第1開口板14におけるZ軸方向に対応する方向は、第2開口板16ではW方向となる。なお、開口部Aの主走査対応方向(M方向)の長さをDm1、副走査対応方向(Z軸方向)の長さをDs1とし、開口部Bの主走査対応方向(M方向)の長さをDm2、副走査対応方向(W方向)の長さをDs2とする。
【0059】
そして、開口部Aは、一例として図7(A)及び図7(B)に示されるように、主走査対応方向の両端近傍を通過する光束の光強度がピーク値の1/2となるように設定されている。また、開口部Bは、一例として図8に示されるように、主走査対応方向の両端近傍を通過する光束の光強度がピーク値の1/2となるように設定されている。
【0060】
本実施形態では、光源11から射出される光束の主走査対応方向(M方向)に関する発散角(θmとする)は7度であり、副走査対応方向(Z軸方向)に関する発散角(θsとする)も7度である。なお、これらの発散角は、半値全幅(Full Width at Half Maximum;FWHM)の値をとっている。また、カップリング13の焦点距離(fcolとする)は45mmである。
【0061】
そして、Dm1は5.6mm、Ds1は1.18mmである。また、Dm2は4.33(=5.6/L1×L2)mm、Ds2は0.91(=1.18/L1×L2)mmである。なお、L1は、図9に示されるように、光源11からカップリングレンズ13までの距離(ここでは、fcolと同じ)、L2は、図10に示されるように、光源11から第2開口板16までの光路長(ここでは、34.78mm)である。
【0062】
図11には、開口部Aを通過した光束の空間光強度分布(空間光強度分布Aという)、及び開口部Bを通過した光束の空間光強度分布(空間光強度分布Bという)が示されている。横軸は光強度のピーク位置を0とする主走査対応方向の位置座標であり、縦軸はピーク値で規格化された光強度である。
【0063】
空間光強度分布Aにおける両端の光強度は互いに等しい光強度(P1とする)である。また、空間光強度分布Bにおける両端の光強度は互いに等しい光強度(P3とする)である。そして、P1≒P3である。
【0064】
また、空間光強度分布A及び空間光強度分布Bにおいて、横軸を光強度のピーク位置を0とする副走査対応方向の位置座標とした場合にも、空間光強度分布Aにおける両端の光強度は互いに等しい光強度(P2とする)であり、空間光強度分布Bにおける両端の光強度は互いに等しい光強度(P4とする)である。そして、P2≒P4である。
【0065】
すなわち、P1≒P3、P2≒P4の関係(以下では、便宜上、「光強度等価関係」ともいう)が満足されるように、開口部A及び開口部Bの形状がそれぞれ設定されている。
【0066】
書き込み用光束とモニタ用光束は、光路上にある光学系や光路長が互いに異なるため、各光束の広がりは異なるが、開口部を通過した光束の端部での規格化された光強度は、互いに等しい。この状態が、主走査対応方向及び副走査対応方向の両方向について維持されている。これにより、2次元アレイ発光素子100から射出される光束の発散角変動の影響を、書き込み用光束とモニタ用光束とで等しくすることができる。
【0067】
ここで、図12(A)に示されるように、主走査対応方向に関して、開口部Aを通過する光束の、光源11における放射角をθm1とし、図12(B)に示されるように、副走査対応方向に関して、開口部Aを通過する光束の、光源11における放射角をθs1とする。
【0068】
また、図13(A)及び図13(B)に示されるように、主走査対応方向に関して、開口部Bを通過する光束の、光源11における放射角をθm2とし、図13(C)に示されるように、副走査対応方向に関して、開口部Bを通過する光束の、光源11における放射角をθs2とする。
【0069】
なお、θm1、θs1、θm2、θs2は、開口部の両端を通る光線が、光源から射出されるときに成す角度として定義する。従って、上記半値全幅で示される発散角(θm、θs)とは異なる。
【0070】
ここでは、θm1は、次の(1)式から算出することができる。
【0071】
θm1=2×tan−1(Dm1/2×fcol) ……(1)
【0072】
また、θs1は、次の(2)式から算出することができる。
【0073】
θs1=2×tan−1(Ds1/2×fcol) ……(2)
【0074】
また、θm2は、次の(3)式から算出することができる。
【0075】
θm2=2×tan−1(Dm2/2×L2) ……(3)
【0076】
また、θs2は、次の(4)式から算出することができる。
【0077】
θs2=2×tan−1(Ds2/2×L2) ……(4)
【0078】
ここでは、θm1=θm2=7.12deg、θs1=θs2=1.50degである。
【0079】
すなわち、主走査対応方向及び副走査対応方向に関して、開口部Aを通過する光束の光源11での放射角と、開口部Bを通過する光束の光源11での放射角は等しい。
【0080】
これにより、光源における発散角が変化しても、書き込み用光束の光量とモニタ用光束の光量との比が一定となる。
【0081】
ところで、一般的に、光源における発散角は10%程度まで変化することが考えられる。
【0082】
光源11から射出された光束の発散角がAのとき、第1開口板14に入射する光束の光量で開口部Aを通過した光束の光量を割った値をη1a、第2開口板16に入射する光束の光量で開口部Bを通過した光束の光量を割った値をη2aとする。
【0083】
光源11から射出された光束の発散角が前記Aから10%変化したBのとき、第1開口板14に入射する光束の光量で開口部Aを通過した光束の光量を割った値をη1b、第2開口板16に入射する光束の光量で開口部Bを通過した光束の光量を割った値をη2bとする。
【0084】
以下では、開口板に入射する光束の光量で、該開口板の開口部を通過した光束の光量を割った値を、「開口板での光利用効率」ともいう。
【0085】
このとき、次の(5)で示されるΔの絶対値は3(%)以下である。
【0086】
Δ={1−(η2b/η1b)/(η2a/η1a)}×100 ……(5)
【0087】
なお、Δの絶対値が3(%)よりも大きくなると、一般的に出力画像において濃度差が3%を超え、濃度むらとして知覚されてしまう。
【0088】
ここで、Jmを次の(6)式で定義し、Jsを次の(7)式で定義する。
【0089】
Jm=(θm1−θm2)/θm ……(6)
Js=(θs1−θs2)/θs ……(7)
【0090】
そして、本実施形態を含む4つの実施例について、ΔとJm及びJsとの関係を計算した。ここでは、光源からの発散角が主走査対応方向及び副走査対応方向の両方に関して、+10%変化した場合と、−10%変化した場合とについて計算した。
【0091】
なお、各開口部はいずれも矩形形状であり、ハーフミラー23を透過した光束はカップリングレンズ13で平行光とされて第1開口板14に入射し、ハーフミラー23で反射された光束は発散しながら第2開口板16に入射するものとする。
【0092】
ここで用いた計算方法について簡単に説明する。なお、ここでは、便宜上、主走査対応方向をy方向、副走査対応方向をz方向としている。
【0093】
半導体レーザから射出される光束の空間光強度分布はガウス関数(正規分布)で表すことができる。そこで、yz平面での光強度分布G(y,z)は、次の(8)式のように書ける。ここで、σyはy方向の断面内での標準偏差(deg)であり、σzはz方向の断面内での標準偏差(deg)である。また、μyはy方向の断面内での平均値(deg)であり、射出方向のずれに対応し、μzはz方向の断面内での平均値(deg)であり、射出方向のずれに対応している。
【0094】
【数1】

【0095】
G(y,z)を全領域で積分すると、次の(9)式のようになる。
【0096】
【数2】

【0097】
ここでは、σyは次の(10)式で示され、σzは次の(11)式で示される。θbyは、主走査対応方向の発散角であり、θbzは、副走査対応方向の発散角である。また、μy=0、μz=0とする。
【0098】
【数3】

【0099】
【数4】

【0100】
そして、第1開口板での光利用効率をη1、第2開口板での光利用効率をη2とすると、η1は次の(12)式で示され、η2は次の(13)式で示される。なお、θa1yは、第1開口板の開口部を通過する光束の主走査対応方向の放射角であり、θa1zは、第1開口板の開口部を通過する光束の副走査対応方向の放射角である。θa2yは、第2開口板の開口部を通過する光束の主走査対応方向の放射角であり、θa2zは、第2開口板の開口部を通過する光束の副走査対応方向の放射角である。すなわち、各積分範囲は、開口部の形状に相当する。
【0101】
【数5】

【0102】
【数6】

【0103】
発散角θby及びθbzが、+10%あるいは−10%変化し、θby’及びθbz’となった場合について考える。このとき、σyは次の(14)式で示されるσy’となり、σzは次の(15)式で示されるσz’となる。
【0104】
【数7】

【0105】
【数8】

【0106】
そして、η1は次の(16)式で示されるη1’となり、η2は次の(17)式で示されるη2’となる。
【0107】
【数9】

【0108】
【数10】

【0109】
そして、次の(18)式から、上記(5)式に対応するΔを求めることができる。
【0110】
Δ={1−(η2’/η1’)/(η2/η1)}×100 ……(18)
【0111】
なお、光束が開口部に対して偏心している場合には、上記計算において、μy、μzを偏心の量に対応させて与えれば良い。
【0112】
実施例1は、図14(A)に示されるように、θm=7.00(deg)、θs=7.00(deg)、L1=45.00(mm)、Dm1=5.60(mm)、Ds1=1.18(mm)、θm1=7.12(deg)、θs1=1.50(deg)、L2=34.78(mm)である。
【0113】
そして、θm2及びθs2を変化させてΔを算出し、Jm及びJsとΔとの関係を求めた。その結果が、図15に示されている。例えば、Jmが0.169、Jsが0.085のときに、発散角が+10%変化すると、Δは4.0%変化する。Δの絶対値が3(%)以下となる場合が、太字で示されている。なお、数値が示されていない斜線部は、放射角が負になる場合である。
【0114】
JmとJsとが−0.085〜+0.085の範囲内となる開口部Bの寸法は、Dm2が3.61〜5.05(mm)であり、Ds2が0.19〜1.63(mm)である。
【0115】
Jm=Js=0となるとき、θm2=7.12(deg)、θs2=1.50(deg)、Dm2=4.33(mm)、Ds2=0.91(mm)である。
【0116】
実施例1では、主走査対応方向よりも副走査対応方向のほうが、開口部Bの寸法の自由度が大きい。この理由は、発散角θsに対して放射角θs1が小さいためである。このような場合には、副走査対応方向において開口部Aを通過する光束の光強度分布が略フラットになり、発散角の変化に対するΔの変化が小さくなる。
【0117】
実施例2は、図14(B)に示されるように、θm=14.00(deg)、θs=6.00(deg)、L1=45.00(mm)、Dm1=5.00(mm)、Ds1=1.50(mm)、θm1=6.36(deg)、θs1=1.91(deg)、L2=34.78(mm)である。
【0118】
そして、θm2及びθs2を変化させてΔを算出し、Jm及びJsとΔとの関係を求めた。その結果が、図16に示されている。
【0119】
JmとJsとが−0.085〜+0.085の範囲内となる開口部Bの寸法は、Dm2が3.52〜6.42(mm)であり、Ds2が0.05〜2.93(mm)である。
【0120】
Jm=Js=0となるとき、θm2=8.17(deg)、θs2=2.46(deg)、Dm2=4.97(mm)、Ds2=1.48(mm)である。
【0121】
実施例3は、図14(C)に示されるように、θm=31.50(deg)、θs=8.50(deg)、L1=15.00(mm)、Dm1=2.90(mm)、Ds1=2.22(mm)、θm1=11.04(deg)、θs1=8.46(deg)、L2=25.00(mm)である。
【0122】
そして、θm2及びθs2を変化させてΔを算出し、Jm及びJsとΔとの関係を求めた。その結果が、図17に示されている。
【0123】
JmとJsとが−0.085〜+0.085の範囲内となる開口部Bの寸法は、Dm2が4.17〜7.17(mm)であり、Ds2が1.18〜4.15(mm)である。
【0124】
Jm=Js=0となるとき、θm2=12.93(deg)、θs2=6.11(deg)、Dm2=5.67(mm)、Ds2=2.67(mm)である。
【0125】
実施例4は、図14(D)に示されるように、θm=7.00(deg)、θs=7.00(deg)、L1=15.00(mm)、Dm1=5.60(mm)、Ds1=1.18(mm)、θm1=21.15(deg)、θs1=4.50(deg)、L2=25.00(mm)である。
【0126】
そして、θm2及びθs2を変化させてΔを算出し、Jm及びJsとΔとの関係を求めた。その結果が、図18に示されている。
【0127】
JmとJsとが−0.085〜+0.085の範囲内となる開口部Bの寸法は、Dm2が3.42〜4.91(mm)であり、Ds2が2.04〜3.52(mm)である。
【0128】
Jm=Js=0となるとき、θm2=9.53(deg)、θs2=6.36(deg)、Dm2=4.17(mm)、Ds2=2.78(mm)である。
【0129】
JmとJsの両方が−0.085〜+0.085の範囲内では、いずれも実施例においても、Δの絶対値が3%以下である。
【0130】
Jm及びJsは、発明者が見出したパラメータであり、このJmとJsを指標とすることで、Δを小さくし、光量の検知精度を向上させることができる。
【0131】
Jm及びJsを、−0.085〜+0.085の範囲内とすることで、設計が容易となるが、それ以外のJmとJsの組合せについても、光検知精度の観点からは許容できる。それは、図15〜図18におけるΔの絶対値が3(%)以下の領域である。この領域内であれば、光源からの光束に対して、開口部Aと開口部Bとは実質的に等価といって良い。
【0132】
なお、受光素子18に到達する光量が少なすぎると検出精度が落ちるため、Δが大きすぎない範囲内(±3%以内)で開口部Bを大きくすることで、発散角変動の影響を抑えつつ、十分な検出光量の確保ができる。
【0133】
図2に戻り、シリンドリカルレンズ31は、開口部Aを通過した光束、すなわち、光源装置10から射出された光束を、ポリゴンミラー33の偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。
【0134】
光源11とポリゴンミラー33との間の光路上に配置される光学系は、偏向器前光学系とも呼ばれている。本実施形態では、偏向器前光学系は、カバーガラス22とハーフミラー23とカップリングレンズ13と第1開口板14とシリンドリカルレンズ31とから構成されている。
【0135】
ポリゴンミラー33は、一例として内接円の半径が25mmの6面鏡を有し、各鏡がそれぞれ偏向反射面となる。このポリゴンミラー33は、Z軸方向に平行な軸のまわりを等速回転しながら、シリンドリカルレンズ31からの光束を偏向する。
【0136】
偏向器側走査レンズ35は、ポリゴンミラー33で偏向された光束の光路上に配置されている。
【0137】
像面側走査レンズ36は、偏向器側走査レンズ35を介した光束の光路上に配置されている。そして、この像面側走査レンズ36を介した光束が感光体ドラム1030の表面に照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、ポリゴンミラー33の回転に伴って感光体ドラム1030の長手方向に移動する。すなわち、感光体ドラム1030上を走査する。このときの光スポットの移動方向が「主走査方向」である。また、感光体ドラム1030の回転方向が「副走査方向」である。
【0138】
ポリゴンミラー33と感光体ドラム1030との間の光路上に配置される光学系は、走査光学系とも呼ばれている。本実施形態では、走査光学系は、偏向器側走査レンズ35と像面側走査レンズ36とから構成されている。なお、偏向器側走査レンズ35と像面側走査レンズ36の間の光路上、及び像面側走査レンズ36と感光体ドラム1030の間の光路上の少なくとも一方に、少なくとも1つの折り返しミラーが配置されても良い。
【0139】
光検知センサ38aには、ポリゴンミラー33で偏向され、走査光学系を介した光束のうち書き込み開始前の光束の一部が、光検知用ミラー37aを介して入射する。また、光検知センサ38bには、ポリゴンミラー33で偏向され、走査光学系を介した光束のうち書き込み終了後の光束の一部が、光検知用ミラー37bを介して入射する。
【0140】
各光検知センサはいずれも、受光量に応じた信号(光電変換信号)を出力する。
【0141】
光源制御装置30は、一例として図19に示されるように、画素クロック生成回路215、画像処理回路216、書込制御回路219、及び光源駆動回路221などを有している。なお、図19における矢印は、代表的な信号や情報の流れを示すものであり、各ブロックの接続関係の全てを表すものではない。
【0142】
画素クロック生成回路215は、光検知センサ38aの出力信号と光検知センサ38bの出力信号とから、各光検知センサの間を光束が走査するのに要した時間を求め、その時間に予め設定されている数のパルスが収まるように周波数を設定し、該周波数の画素クロック信号PCLKを生成する。ここで生成された画素クロック信号PCLKは、画像処理回路216及び書込制御回路219に供給される。また、光検知センサ38aの出力信号は、同期信号として書込制御回路219に出力される。
【0143】
画像処理回路216は、プリンタ制御装置1060を介して上位装置から受信した画像情報をラスター展開するとともに、所定の中間調処理などを行った後、画素クロック信号PCLKを基準とした各画素の階調を表す画像データを発光部毎に作成する。そして、画像処理回路216は、光検知センサ38aの出力信号に基づいて走査開始を検出すると、画素クロック信号PCLKに同期して画像データを書込制御回路219に出力する。
【0144】
書込制御回路219は、画像処理回路216からの画像データ、画素クロック生成回路215からの画素クロック信号PCLK及び同期信号に基づいてパルス変調信号を生成する。また、書込制御回路219は、所定のタイミングで、受光素子18の出力信号に基づいて、開口部Aを通過する光束の光量が所望の値となるように、各発光部の駆動電流を補正する。すなわち、APC(Auto Power Control)を行う。
【0145】
光源駆動回路221は、書込制御回路219からのパルス変調信号に基づいて2次元アレイ発光素子100の各発光部を駆動する。
【0146】
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係るレーザプリンタ1000では、光源装置10によって本発明の光源装置が構成されている。そして、ハーフミラー23によって分離素子が構成されている。
【0147】
以上説明したように、本実施形態に係る光源装置10によると、光源11、カップリングレンズ13、第1開口板14、第2開口板16、受光素子18、パッケージ部材21、カバーガラス22、ハーフミラー23、及び光源制御装置30を有している。
【0148】
そして、主走査対応方向及び副走査対応方向に関して、光源から射出される光束の発散角(θm、θs)と、開口部Aを通過する光束の放射角(θm1、θs1)と、開口部Bを通過する光束の放射角(θm2、θs2)との間に、|(θm1−θm2)/θm|≦0.085、及び|(θs1−θs2)/θs|≦0.085、の関係が満足されている。
【0149】
この場合は、光源11から射出される光束の発散角が10%変化したときの、第1開口板14での光利用効率と第2開口板16での光利用効率の比の変化率に相当するΔの絶対値は、3(%)以下である。
【0150】
また、各開口板の開口部を通過した光束の空間光強度分布において、P1≒P3、P2≒P4の関係が満足されている。
【0151】
この場合は、光量検出精度を低下させることなく、小型化を図ることができる。
【0152】
そして、本実施形態に係る光走査装置1010によると、光源装置10を有しているため、感光体ドラム1030の表面を精度良く光走査することが可能である。
【0153】
また、光源11が複数の発光部を有しているため、同時に複数の走査が可能となり、画像形成の高速化を図ることができる。
【0154】
そして、本実施形態に係るレーザプリンタ1000によると、光走査装置1010を備えているため、高品質の画像を形成することができる。
【0155】
また、光源11が複数の発光部を有しているため、画像の高密度化を図ることができる。
【0156】
なお、上記実施形態において、一例として図20に示されるように、第2開口板16と受光素子18とが一体化されても良い。この場合には、位置調整機構は、一例として図21に示されるように、受光素子18の周囲を取り囲む枠状の保持部材と、受光素子18と保持部材の内壁との間に挿入され、受光素子18に対して−M方向及び+W方向の押圧力を作用させる板ばねと、該板ばねに対向して保持部材に取り付けられ、受光素子18をM方向及びW方向に移動させるための2つの調整ねじとを有していても良い。この場合には、2つの調整ねじの繰り出し量によって受光素子18とともに第2開口板16の位置が調整される。
【0157】
また、上記実施形態において、受光素子18の光検出有効範囲をそのまま第2開口板16の開口部の代わりとしても良い。これにより、第2開口板16が不要となり、部品点数を削減できる。
【0158】
また、上記実施形態では、光強度のピーク位置と開口部の中心とが一致する場合について説明したが、これに限定されるものではない。開口部に対して光束の中心が偏芯し、光強度のピーク位置が開口部の中心からずれていても良い。この場合には、横軸を主走査対応方向の位置座標としたときの開口部Aを通過した光束の−側端部の光強度をP1とし、+側端部の光強度をP1とし、開口部Bを通過した光束の−側端部の光強度をP3とし、+側端部の光強度をP3としたとき、図22に示されるように、P1≒P3、P1≒P3の関係が満足されていれば良い。
【0159】
そして、横軸を副走査対応方向の位置座標としたときの開口部Aを通過した光束の−側端部の光強度をP2とし、+側端部の光強度をP2とし、開口部Bを通過した光束の−側端部の光強度をP4とし、+側端部の光強度をP4としたとき、P2≒P4、P2≒P4の関係が満足されていれば良い。
【0160】
また、上記実施形態において、前記カップリング13に代えて、複数のレンズから構成されるカップリング光学系を用いても良い。
【0161】
また、上記実施形態では、カップリングから平行光束が射出される場合について説明したが、これに限定されるものではなく、光走査装置の構成によってはカップリングから発散光束あるいは収束光束が射出されても良い。
【0162】
また、上記実施形態では、カップリングレンズ13が回転対称の場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、カップリングレンズ13がアナモフィックな場合には、M方向とZ軸方向のパワー比率を考慮して、上記「光強度等価関係」が満足されるように各開口板の開口部の形状をそれぞれ設定すれば良い。
【0163】
また、上記実施形態では、ハーフミラー23の一側の面と他側の面が平行な場合について説明したが、これに限らず、一例として図23に示されるように、ハーフミラー23の一側の面と他側の面が非平行であっても良い。この場合は、ハーフミラー23の入射側の面で反射された光束と射出側の面で反射された光束とが受光素子18の受光面上で干渉を起こすのを抑制することができる。その結果、光量の検知精度を更に向上させることができる。また、ハーフミラー23の内部で反射を繰り返した光束が、被走査面上で干渉を起こすのを抑制することができる。その結果、被走査面上での光強度を更に安定化させることができる。
【0164】
また、上記実施形態において、一例として図23に示されるように、第2開口板16をMW面に対して傾斜あるいは湾曲させても良い。これにより、第2開口板16における開口部の周囲で反射した光束が光源11に戻るのを抑制することができる。この場合は、第2開口板16の開口部をMW面に投影した形状が、上記「光強度等価関係」を満足すれば良い。
【0165】
同様に、第1開口板14をMZ面に対して傾斜あるいは湾曲させても良い。これにより、第1開口板14における開口部の周囲で反射した光束が光源11に戻るのを抑制することができる。この場合は、第1開口板14の開口部をMZ面に投影した形状が、上記「光強度等価関係」を満足すれば良い。
【0166】
また、上記実施形態において、一例として図24に示されるように、第2開口板16と受光素子18との間に集光レンズ25を配置しても良い。この場合は、受光素子18の受光面を小さくすることができる。そして、集光レンズ25の位置を調整するための調整機構を有していても良い。集光レンズ25の位置を調整することで、受光面に対する光束の入射位置、ピント位置を調整することができる。
【0167】
また、上記実施形態では、ハーフミラー23の表面が、MZ面に対して45°傾斜している場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、図24に示されるように、ハーフミラー23の表面のMZ面に対する傾斜角が、45°よりも小さくても良い。
【0168】
この場合は、受光素子18を回路基板19上に配置することができ、後工程における組付け作業が簡単になる。また、光源11から射出された光束のハーフミラー23における入射角が小さくなるため、光源11から射出された光束における偏光方向のばらつきに起因するハーフミラー23での反射率及び透過率のばらつきを低減することができる。その結果、複数の発光部間での光量の検知誤差を低減することができる。
【0169】
また、上記実施形態において、第2開口板16上での光強度分布が第1開口板14上での光強度分布と異なっていても良い(図25参照)。例えば、第1開口板14はMZ面に平行であるが、第2開口板16がMW面に対して傾斜している場合には、第2開口板16上での光強度分布が第1開口板14上での光強度分布と異なる。また、ハーフミラー23と第2開口板16との間に光学系が設けられているときに、主走査対応方向と副走査対応方向におけるパワーの比が、該光学系とカップリングレンズと異なっている場合に、第2開口板16上での光強度分布が第1開口板14上での光強度分布と異なる。このような場合であっても、要するに、上記「光強度等価関係」が満足されれば良い。
【0170】
また、上記実施形態では、各開口板の開口部が矩形形状の場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、各開口板の開口部が楕円形状であっても良い。
【0171】
また、上記実施形態では、2次元アレイ発光素子100が40個の発光部を有する場合について説明したが、これに限定されるものではない。
【0172】
また、上記実施形態では、光源11が2次元アレイ発光素子100を有する場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、光源11が前記2次元アレイ発光素子100に代えて、複数の発光部が一列に配置されている1次元アレイを有していても良い。また、光源11が前記2次元アレイ発光素子100に代えて、1つの発光部を有していても良い。
【0173】
また、上記実施形態では、モニタ光学系が光源装置に含まれる場合について説明したが、これに限らず、モニタ光学系の少なくとも一部が光源装置とは別に設けられても良い。
【0174】
また、上記実施形態において、ハーフミラー23が光源11を密閉するためのキャップ部材に保持されていても良い(図26参照)。この場合は、前記カバーガラス22は不要である。この光源装置10が、光学ハウジングに取り付けられている状態が図26に示されている。ここでは、カップリングレンズ13、第2開口板16、及び受光素子18は、所定の位置関係で、アルミダイキャスト製のホルダに保持されている。そして、このホルダは、回路基板19にねじによって締結されている。
【0175】
その際、パッケージ部材21の基準面は、M方向、W方向、Z軸方向に関してホルダに突き当てられ、位置決めされている。
【0176】
カップリングレンズ13は、光硬化性樹脂の接着剤によって、光源11との位置関係及び書き込み用光束の状態が所望の位置関係及び状態となるように位置調整された後にホルダに接着される。
【0177】
受光素子18は、ホルダに挿入、固定されてから、回路基板19と接続される。
【0178】
第2開口板16は、光源11からの光を受光素子18で受光しながら、所望の位置に調整された後、不図示の保持機構によって保持される。
【0179】
光学ハウジングは、アルミダイキャスト製であっても、樹脂モールド製であっても良い。
【0180】
ホルダは、光学ハウジングにねじによって締結される。このとき光源11の姿勢を光学ハウジングに搭載されている走査光学系に対して所望の状態にするために、ホルダは、W方向に平行な軸まわりに回転可能となっている。
【0181】
第1開口板14は、光学ハウジング上に保持されている。なお、第1開口板14は、光源11及びカップリングレンズ13との位置精度を向上させるために、ホルダ上に一体的に保持されても良い。なお、この場合は、ホルダの回転調整によって第1開口板14も光学ハウジング上の光学系に対して偏心するため、ビームスポット径の劣化に注意が必要となる。
【0182】
なお、図27及び図28に示されるように、ホルダにおける第2開口板16の設置面に接着剤(例えば、紫外線硬化型の樹脂系接着剤)を塗布し、第2開口板16を調整治具で保持するなどして位置調整を行ってから接着し、光走査装置には調整機構を設けないこともできる。これによって、装置の小型化、軽量化、低コスト化を促進することができる。
【0183】
なお、上記実施形態では、画像形成装置としてレーザプリンタ1000の場合について説明したが、これに限定されるものではない。要するに、光走査装置1010を備えた画像形成装置であれば良い。
【0184】
例えば、レーザ光によって発色する媒体(例えば、用紙)に直接、レーザ光を照射する画像形成装置であっても良い。
【0185】
また、像担持体として銀塩フィルムを用いた画像形成装置であっても良い。この場合には、光走査により銀塩フィルム上に潜像が形成され、この潜像は通常の銀塩写真プロセスにおける現像処理と同等の処理で可視化することができる。そして、通常の銀塩写真プロセスにおける焼付け処理と同等の処理で印画紙に転写することができる。このような画像形成装置は光製版装置や、CTスキャン画像等を描画する光描画装置として実施できる。
【0186】
また、例えば、図29に示されるように、複数の感光体ドラムを備えるカラープリンタ2000であっても良い。
【0187】
このカラープリンタ2000は、4色(ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー)を重ね合わせてフルカラーの画像を形成するタンデム方式の多色カラープリンタであり、ブラック用の「感光体ドラムK1、帯電装置K2、現像装置K4、クリーニングユニットK5、及び転写装置K6」と、シアン用の「感光体ドラムC1、帯電装置C2、現像装置C4、クリーニングユニットC5、及び転写装置C6」と、マゼンタ用の「感光体ドラムM1、帯電装置M2、現像装置M4、クリーニングユニットM5、及び転写装置M6」と、イエロー用の「感光体ドラムY1、帯電装置Y2、現像装置Y4、クリーニングユニットY5、及び転写装置Y6」と、光走査装置2010と、転写ベルト2080と、定着ユニット2030などを備えている。
【0188】
各感光体ドラムは、図29中の矢印の方向に回転し、各感光体ドラムの周囲には、回転方向に沿って、帯電装置、現像装置、転写装置、クリーニングユニットがそれぞれ配置されている。
【0189】
各帯電装置は、対応する感光体ドラムの表面を均一に帯電する。この帯電装置によって帯電された各感光体ドラム表面に光走査装置2010により光走査が行われ、各感光体ドラムに潜像が形成される。
【0190】
そして、対応する現像装置により各感光体ドラム表面にトナー像が形成される。さらに、対応する転写装置により、転写ベルト2080上の記録紙に各色のトナー像が順次転写され、最終的に定着ユニット2030により記録紙に画像が定着される。
【0191】
光走査装置2010は、前記光源装置10と同様な光源装置を色毎に有している。従って、前記光走査装置1010と同様な効果を得ることができる。
【0192】
そして、カラープリンタ2000は、前記レーザプリンタ1000と同様な効果を得ることができる。
【0193】
なお、タンデム方式の多色カラープリンタでは、機械精度等で各色の色ずれが発生する場合があるが、点灯させる発光部を選択することで各色の色ずれの補正精度を高めることができる。
【0194】
また、このカラープリンタ2000において、光走査装置を1色毎に設けても良いし、2色毎に設けても良い。
【産業上の利用可能性】
【0195】
以上説明したように、本発明の光源装置によれば、光量検出精度を低下させることなく、小型化を図るのに適している。また、本発明の光走査装置によれば、被走査面上を精度良く光走査するのに適している。また、本発明の画像形成装置によれば、高品質の画像を形成するのに適している。
【符号の説明】
【0196】
10…光源装置、11…光源、13…カップリングレンズ、14…第1開口板(第1の開口板)、16…第2開口板(第2の開口板)、18…受光素子、21…パッケージ部材、22…カバーガラス、23…ハーフミラー(分離素子)、25…集光レンズ、33…ポリゴンミラー(偏向器)、35…偏向器側走査レンズ(走査光学系の一部)、36…像面側走査レンズ(走査光学系の一部)、100…2次元アレイ発光素子(面発光レーザアレイ)、1000…レーザプリンタ(画像形成装置)、1010…光走査装置、1030…感光体ドラム(像担持体)、2000…カラープリンタ(画像形成装置)、2010…光走査装置、K1,C1,M1,Y1…感光体ドラム(像担持体)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0197】
【特許文献1】特開2002−040350号公報
【特許文献2】特開2007−079295号公報
【特許文献3】特開2009−065064号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と;
前記光源から射出された光束の光路上に配置され、該光束を第1の光束と第2の光束とに分離する分離素子と;
前記分離素子で分離された前記第1の光束の光路上に配置され、第1の開口部を有し、前記第1の光束を整形する第1の開口板と;
前記分離素子で分離された前記第2の光束の光路上に配置され、前記第1の開口部と異なる形状の第2の開口部を有し、前記第2の光束を整形する第2の開口板と;を備え、
前記第1の開口板に入射する光束、及び前記第2の開口板に入射する光束は、互いに状態が異なり、
前記光源から射出される光束の進行方向に直交する面内の互いに直交する第1の方向と第2の方向に関して、該光束の前記第1の方向の発散角θ1、前記第2の方向の発散角θ2、
前記第1の開口部を通過する光束の、前記光源における前記第1の方向の放射角θ11、前記第2の方向の放射角θ21、
前記第2の開口部を通過する光束の、前記光源における前記第1の方向の放射角θ12、前記第2の方向の放射角θ22、を用いて、
|θ11−θ12)/θ1|≦0.085、及び|θ21−θ22)/θ2|≦0.085、の関係が満足されていることを特徴とする光源装置。
【請求項2】
前記第1の開口部を通過した光束の空間光強度分布において、該光束の進行方向に直交する面内で、光強度の最大値に対する前記第1の方向に対応する方向の端部での光強度P1及び前記第2の方向に対応する方向の端部での光強度P2と、
前記第2の開口部を通過した光束の空間光強度分布において、該光束の進行方向に直交する面内で、光強度の最大値に対する前記第1の方向に対応する方向の端部での光強度P3及び前記第2の方向に対応する方向の端部での光強度P4とを用いて、
P1≒P3、P2≒P4の関係が満足されていることを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
【請求項3】
前記光源と前記第1の開口板との間の光路上に配置された第1の光学系と;
前記分離素子と前記第2の開口板との間の光路上に配置された第2の光学系と;を更に備え、
前記第1の光学系は、前記第1の方向及び前記第2の方向に関して同じ光学的なパワーを有し、
前記第2の光学系は、前記第1の方向に対応する方向及び前記第2の方向に対応する方向に関して同じ光学的なパワーを有し、
前記第1の開口部を該開口部を通過する光束の進行方向に直交する面に投影した形状と、前記第2の開口部を該開口部を通過する光束の進行方向に直交する面に投影した形状とは、互いに相似形であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光源装置。
【請求項4】
前記分離素子は、板状の部材であり、その一側の面と他側の面は平行であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の光源装置。
【請求項5】
前記分離素子は、板状の部材であり、その一側の面と他側の面は非平行であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の光源装置。
【請求項6】
前記第2の光束は光量のモニタ用光束であり、
前記第2の開口部を通過した光束を受光する受光素子を更に備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の光源装置。
【請求項7】
前記分離素子で分離された前記第2の光束の進行方向に直交する面内において、前記第2の開口板の位置を調整するための開口板位置調整機構を更に備えることを特徴とする請求項6に記載の光源装置。
【請求項8】
前記第2の開口部と前記受光素子との間の光路上に配置された集光レンズを更に備えることを特徴とする請求項6又は7に記載の光源装置。
【請求項9】
前記集光レンズの位置を調整するためのレンズ位置調整機構更に備えることを特徴とする請求項8に記載の光源装置。
【請求項10】
光束により被走査面を主走査方向に走査する光走査装置であって、
請求項1〜9のいずれか一項に記載の光源装置と;
前記光源装置から射出された光束を偏向する偏向器と;
前記偏向器で偏向された光束を前記被走査面上に集光する走査光学系と;を備える光走査装置。
【請求項11】
前記光源装置における第1の開口部は、主走査方向の長さが主走査方向に直交する方向の長さよりも長く、
前記光源装置における分離素子は、主走査方向に平行な軸まわりに傾斜していることを特徴とする請求項10に記載の光走査装置。
【請求項12】
少なくとも1つの像担持体と;
前記少なくとも1つの像担持体を画像情報に応じて変調された光束により走査する少なくとも1つの請求項10又は11に記載の光走査装置と;を備える画像形成装置。
【請求項13】
前記画像情報は、多色のカラー画像情報であることを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図7】
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【図8】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図25】
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【公開番号】特開2011−170131(P2011−170131A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−34357(P2010−34357)
【出願日】平成22年2月19日(2010.2.19)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】