説明

光源装置および画像形成装置

【課題】発光素子が出射した光を素子基板の端面から光を出射する方式を採用した場合でも、発光素子を高密度に配置することのできる光源装置および当該光源装置を露光ヘッドとて備えた画像形成装置を提供すること。
【解決手段】露光ヘッド10(光源装置)において、素子基板(第1素子基板71および第2素子基板72)には、光源として有機EL素子5(発光素子)がX方向に複数形成されており、かかる有機EL素子5は、素子基板の厚さ方向に積層された第1電極、発光機能層および第2電極を備えている。また、素子基板には、有機EL素子5に対しては、有機EL素子5から出射された光を素子基板のY方向の一方側に位置する端面711、721から出射する導光路4が形成されている。さらに、第1素子基板71と第2素子基板72とは厚さ方向で重ねられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、素子基板上に形成された発光素子を光源とする光源装置、および当該光源装置を備えた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
プリンター、複写機、ファクシミリ等の画像形成装置において、素子基板上に形成した有機エレクトロルミネッセンス素子を光源とする光源装置を露光ヘッドとして使用することが提案されている。また、露光光源に用いるためには、高いパワーと指向性の高い有機エレクトロルミネッセンス素子が求められるが、従来の一般的な構成の有機エレクトロルミネッセンス素子でパワーを高くすると、負担が大きく、寿命が大幅に低下する。そこで、実際の発光部面積より光取り出し部の面積を小さくした素子構造や、外部取り出し効率、指向性を上げるように、散乱層、導光路構造、回折格子等の構造体を組み合わせた構成が提案されている。これらの構成のうち、素子基板の端面から光を出射する構造は、実際の発光部面積より光取り出し部の面積をかなり小さくすることができるという利点がある(例えば、特許文献1〜3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3730573号
【特許文献2】特開平9−226171号
【特許文献3】特開2009−51152号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、素子基板の端面から光を出射する構造の場合、端面に沿う長手方向にしか有機エレクトロルミネッセンス素子を配列することができないため、有機エレクトロルミネッセンス素子を高密度に配置することができないという問題点がある。このため、有機エレクトロルミネッセンス素子を素子基板の端面から光を出射する方式を採用した光源装置を露光ヘッドに用いた画像形成装置では、高い解像度を得ることができないという問題点がある。
【0005】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、発光素子が出射した光を素子基板の端面から光を出射する方式を採用した場合でも、発光素子を高密度に配置することのできる光源装置および当該光源装置を露光ヘッドとて備えた画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、素子基板の厚さ方向に第1電極、発光機能層および第2電極が積層された発光素子を光源とする光源装置であって、素子基板の面内方向で互いに交差する方向をX方向およびY方向としたとき、第1発光素子がX方向に複数配列された第1素子基板と、前記第1発光素子が出射した光を前記第1素子基板のY方向の一方側に位置する端面から出射する第1導光路と、第2発光素子がX方向に複数配列され、前記第1素子基板に対して厚さ方向で重ねて配置された第2素子基板と、前記第2発光素子が出射した光を前記第2素子基板のY方向の前記一方側に位置する端面から出射する第2導光路と、を有していることを特徴とする。
【0007】
本発明では、素子基板には、光源として発光素子がX方向に複数形成されており、かかる発光素子は、素子基板の厚さ方向に積層された第1電極、発光機能層および第2電極を備えている。このため、発光素子は、素子基板の基板面の法線方向に向けて光を出射する。また、発光素子に対しては、発光素子から出射された光を素子基板のY方向の一方側に位置する端面から出射する導光路が形成されているため、発光素子から出射された光は、素子基板の端面から出射される。このため、発光素子の実際の発光部面積より光取り出し部の面積が小さいため、発光素子に大きな負担をかけなくて、パワー密度が高く、指向性の高い光を出射することができる。それ故、光源装置の信頼性を向上することができる。さらに、本発明では、第1発光素子がX方向に複数配列された第1素子基板と、第2発光素子がX方向に複数配列された第2素子基板とを厚さ方向で重ねた構造を有しているため、発光素子が出射した光を素子基板の端面から光を出射する方式を採用した場合でも、発光素子を高密度に配置することができる。
【0008】
本発明において、前記第1発光素子と前記第2発光素子とはX方向にずれた位置に設けられていることが好ましい。このように構成すると、X方向で発光素子を高密度に配置することができる。
【0009】
本発明において、前記第1発光素子は、X方向に等間隔に設けられ、前記第2発光素子は、前記第1発光素子の間隔と同一の間隔をもってX方向に等間隔に設けられ、X方向において、前記第1発光素子は、X方向で隣り合う2つの前記第2発光素子の中央位置に設けられていることが好ましい。このように構成すると、X方向で発光素子を2倍の密度で配置したのと同様な効果を得ることができる。
【0010】
本発明において、前記第1発光素子および前記第2発光素子は、X方向の幅寸法に比してY方向の長さ寸法が大であることが好ましい。このように構成すると、発光素子から出射された光を高パワー密度をもって素子基板の端面から出射することができる。
【0011】
本発明において、前記第1導光路および前記第2導光路は、Y方向の前記一方側とは反対側の他方側から当該一方側に向けて断面積が拡大していることが好ましい。このように構成すると、発光素子から出射された光を効率よく素子基板の端面から出射することができる。
【0012】
本発明においては、前記第1導光路は前記第1素子基板に一体に形成され、前記第2導光路は前記第2素子基板に一体に形成されている構成を採用することが好ましい。このように構成すると、導光路と発光素子とを高い位置精度をもって配置することができる。
【0013】
本発明において、前記第1発光素子および前記第2発光素子は、例えば有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子という。)である。
【0014】
本発明を適用した光源装置は、各種の光学装置に用いることができる。例えば、本発明を適用した光源装置は、画像形成装置の露光ヘッドとして用いることができ、かかる画像形成装置は、前記光源から出射された光によって潜像が形成される像担持体を有している。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施の形態1に係る露光ヘッドおよび画像形成装置の要部を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る露光ヘッド等の構成を示す説明図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る露光ヘッドに用いたレンズアレイの説明図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る露光ヘッドに用いた有機EL装置の説明図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係る露光ヘッドにおいて、有機EL装置を構成する素子基板に構成した発光素子および導光路の断面構成を示す説明図である。
【図6】本発明の実施の形態2に係る露光ヘッドに用いた有機EL装置の説明図である。
【図7】本発明の実施の形態2に係る露光ヘッドにおいて、有機EL装置を構成する素子基板に構成した発光素子および導光路の断面構成を示す説明図である。
【図8】本発明の実施の形態3に係る露光ヘッドにおいて、有機EL装置を構成する素子基板に構成した発光素子および導光路の断面構成を示す説明図である。
【図9】本発明の実施の形態4に係る露光ヘッドにおいて、有機EL装置を構成する素子基板に構成した発光素子および導光路の断面構成を示す説明図である。
【図10】本発明の実施の形態4に係る露光ヘッドにおいて、有機EL装置を構成する素子基板に構成した発光素子および導光路の断面構成を示す説明図である。
【図11】本発明を適用した画像形成装置の全体構成を示す縦断面図である。
【図12】本発明を適用した別の画像形成装置の全体構成を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の説明では、本発明を適用した電気光学装置を画像形成装置の露光ヘッドとして用いた例を中心に説明する。また、以下に参照する図面では、各部材の構成を認識しやすいように、各部材の縮尺を実際の構造とは相違させて表してある。また、各部材同士の位置関係が分りやすいように、以下の説明では、素子基板の面内方向で互いに交差する方向をX方向およびY方向とし、素子基板の基板面に対して垂直な方向をZ方向として説明する。また、電気光学装置を駆動、制御する素子、回路については省略している。
【0017】
[実施の形態1]
(画像形成装置の構成)
図1は、本発明の実施の形態1に係る露光ヘッドおよび画像形成装置の要部を示す斜視図である。図2は、本発明の実施の形態1に係る露光ヘッド等の構成を示す説明図であり、図2(a)、(b)は、露光ヘッド等の断面構成を示す説明図、および有機EL装置の光出射部を示す説明図である。
【0018】
図1に示す画像形成装置100は、プリンター、複写機、ファクシミリ等の印刷部分として使用される装置であり、X方向に延在する母線方向(矢印Aで示す主走査方向)に延在する円筒状の感光体ドラム110(像担持体)と、感光体ドラム110の半径方向外側に配置された露光ヘッド10(光源装置)とを有している。感光体ドラム110は、円周面(外周面)上に像担持面110sを備えており、画像形成装置100のフレーム130において、上方(Y方向)に延在する2本の支柱137の上端部によって軸線R周り(矢印Bで示す方向/副走査方向)に回転可能に支持されている。また、感光体ドラム1100は、支柱137の上端部で駆動装置(図示せず)からの回転駆動が伝達されて軸線R周りに回転する。
【0019】
露光ヘッド10は、フレーム130の底板部135上に配置されており、感光体ドラム110の半径方向外側からY方向に位置する像担持面110sに向けて光を照射して像担持面110s上に潜像を形成する。
【0020】
図1および図2(a)に示すように、露光ヘッド10は、後述する発光素子を備えた有機EL装置70と、有機EL装置70と感光体ドラム110との間に配置されたレンズアレイ20と、有機EL装置70とレンズアレイ20との間に介在して有機EL装置70とレンズアレイ20との距離を規定する透光性スペーサー30とを備えている。
【0021】
図2(b)に示すように、有機EL装置70は、感光体ドラム110の軸線Rの延在方向(X方向)に向かって並ぶ複数の光出射部40を2列備えており、かかる2列において、光出射部40の位置は、感光体ドラム110の母線方向でずれている。特に本形態では、各列において、光出射部40は、X方向に等角度間隔に配置されているとともに、一方の列の光出射部40は、X方向で他方の列において隣り合う光出射部40の中央位置にある。このため、各列における光出射部40のピッチはPであるが、2列の光出射部40の全体を見ると、光出射部40がP/2のピッチで配列された状態にある。
【0022】
(レンズアレイ20の構成)
図3は、本発明の実施の形態1に係る露光ヘッド10に用いたレンズアレイ20の説明図である。図3に示すように、レンズアレイ20では、図2(b)に示す光出射部40の千鳥状のレイアウトに対応して、複数のロッドレンズ23が配置されている。ロッドレンズ23は、屈折率分布型レンズであり、レンズアレイ20は、集束性レンズアレイとして構成されている。かかる屈折率分布型のロッドレンズ23は、中心軸すなわち光軸での屈折率が低く、中心軸から離れるほど屈折率が高くなるように形成されたグレーデッドインデックス光ファイバーであり、有機EL素子5から出射された光を透過させて正立像を感光体ドラム110に結像可能である。かかる集束性レンズアレイの具体例には、例えば日本板硝子株式会社から入手可能なSLA(セルフォックレンズアレイ(「セルフォック」は日本板硝子株式会社の登録商標))等を挙げることができる。
【0023】
レンズアレイ20において、ロッドレンズ23は、直径が約0.28mm程度であり、ハウジング26内に収容されている。ハウジング26内において、ロッドレンズ23の隙間には黒色のシリコーン樹脂24が充填されており、複数本のロッドレンズ23は、一体化されている。本構成では正立像系のロッドレンズアレイを用いたが、UV硬化樹脂成型で形成した倒立縮小光学系のマイクロレンズアレイを組み合わせた構成を用いても良い。
【0024】
(露光ヘッド10の詳細な構成)
図4は、本発明の実施の形態1に係る露光ヘッド10に用いた有機EL装置70の説明図であり、図4(a)、(b)、(c)は、有機EL装置70を光出射部の側からみた説明図、有機EL装置を第1素子基板と第2素子基板とに分解した様子を示す説明図、および素子基板の平面的な構成を示す説明図である。図5は、本発明の実施の形態1に係る露光ヘッド10において、有機EL装置70を構成する素子基板に構成した発光素子および導光路の断面構成を示す説明図である。
【0025】
図1および図2を参照して説明した有機EL装置70を構成するにあたって、本形態では、図4(a)、(b)に示すように、第1発光素子としての有機EL素子5がX方向に一定のピッチPで複数配列された第1素子基板71と、第2発光素子としての有機EL素子5がX方向に一定のピッチPで複数配列された第2素子基板72とが、基板の厚さ方向に重ねて配置された構造を有している。かかる第1素子基板71では、基板厚が0.5mm程度の基板本体710が用いられており、かかる基板本体710において第1発光素子(有機EL素子5)が形成されている側の面を第1面71aとし、その反対側を第2面71bとすると、第1素子基板71は、有機EL素子5が形成されている第1面71aを第2素子基板72の方に向けている。また、第2素子基板72では、基板厚が0.5mm程度の基板本体720が用いられており、かかる基板本体720において、第2発光素子(有機EL素子5)が形成されている側の面を第1面72aとし、その反対側を第2面72bとすると、第2素子基板72は、有機EL素子5が形成されている第1面72aを第1素子基板71の方に向けている。このように構成した有機EL装置70において、第1素子基板71および第2素子基板72は、乾燥材等とともに封止部材で貼り合わせて構成されている。
【0026】
図5に示すように、第1発光素子(有機EL素子5)は、第1素子基板71の第1面71aに対して、陽極(画素電極)としての第1電極51、発光機能層52、および陰極としての第2電極53がこの順に厚さ方向に積層された構造になっている。ここで、有機EL素子5は、X方向の寸法(幅寸法)よりY方向の寸法(長さ寸法)が大の略長方形の平面形状を有している。本形態において、有機EL素子5は、幅寸法は28μmであり、長さ寸法が300μmである。このため、有機EL素子5の発光部面積(有機EL素子5の平面積)は84×10-4mm2である。また、第1素子基板71において、第2電極53の上層側には保護膜62が形成されており、かかる保護膜62は、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、シリコン酸窒化膜、シリコン窒酸化膜の単層あるいは複合膜からなる。なお、第1素子基板71の第1面71aには、発光機能層52等の形成位置を規定する隔壁層61がアクリル樹脂やポリイミド樹脂等により形成されており、隔壁層61で囲まれた領域内に第1電極51および発光機能層52が形成されている。
【0027】
発光機能層52は、発光を担う層であり、発光層と称せられることもある。また、発光機能層52は、正孔輸送層、正孔注入層、電子輸送層および電子注入層等を含むこともある。本形態では、第2電極53は、有機EL素子5毎に独立して形成された構成になっているが、発光機能層52、第2電極53が複数の第1電極51および隔壁層61に跨って、べたで形成されていても良い。
【0028】
本形態において、有機EL素子5は、発光機能層52で発光した光を第1電極51の側から出射するボトムエミッション型である。このため、第1電極51は透光性電極によって構成されている一方、第2電極53は、アルミニウム等の反射層を備えている。
【0029】
なお、第2素子基板72に第2発光素子として形成されている有機EL素子5も、第1発光素子(有機EL素子5)と同一の構成を有しているので、第2発光素子の説明を省略する。
【0030】
(導光路の構成)
このように構成した有機EL装置70において、本形態では、第1素子基板71には、有機EL素子5からの光の出射側に、有機EL素子5が出射した光を第1素子基板71のY方向の一方側に位置する端面711から出射する導光路4(第1導光路)が形成されている。このため、有機EL素子5は、図5に矢印L1で示すように、第1素子基板71に対して垂直な方向に光が出射され、導光路4に入射した後は、図5に矢印L2で示すようにY方向に導かれ、図2および図4に示す光出射部40からY方向に出射される。
【0031】
ここで、有機EL素子5は、発光機能層52で発光した光を第1電極51の側から出射するため、導光路4は、第1電極51に対して発光機能層52が位置する側とは反対側、すなわち、第1電極51と基板本体710との間に形成されている。かかる導光路4としては各種構成のものを利用できるが、本形態において、導光路4は、第1電極51を透過してきた光を受けるコア層41、このコア層41の光を全反射させて端面711に導くためのクラッド層42、およびクロストーク等を防止するための遮光層43とを備えている。かかる導光路4において、コア層41はクラッド層42よりも屈折率が大きく、有機EL素子5の発光波長より充分大きな厚さ寸法を有しており、導光路4は光導波路として機能する。かかるコア層41およびクラッド層42を形成するにあたっては、ポリメタクリル酸メチルやポリスチレン等の有機材料を用いることができるとともに、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、チタン酸化膜等の無機材料を用いてもよい。また、遮光層43としては、アルミニウム等の反射性の金属により構成すれば、遮光層43を反射層として構成することができる。
【0032】
かかる導光路4は、有機EL素子5に対して1対1の関係をもって、有機EL素子5に平面視で重なるように形成されている。このため、導光路4も、有機EL素子5と同様、第1素子基板71の第1面側71a側に対して、X方向に一定のピッチPをもって配列されている。また、導光路4は、有機EL素子5と同様、X方向の寸法(幅寸法)よりY方向の寸法(長さ寸法)が大の略長方形の平面形状を有している。
【0033】
図4(c)に示すように、導光路4は、第1素子基板71の端面711まで延在し、その端部が光出射部40を構成している。これに対して、有機EL素子5は、第1素子基板71の端面711近傍まで延在しているだけであり、端面711で露出せず、前記した保護膜62で覆われている。本形態において、光出射部40は、縦寸法および横寸法がいずれも25μmであり、光出射部40の面積は6.25×10-4mm2である。
【0034】
また、本形態では、第2素子基板72でも、第1素子基板71と同様、有機EL素子5からの光の出射側に、有機EL素子5が出射した光を第2素子基板72のY方向の一方側に位置する端面721から出射する導光路4(第2導光路)が形成されている。かかる導光路の構成は、第1素子基板71に形成した導光路と同様な構成を有しているため、それらの説明を省略する。
【0035】
(有機EL素子5の位置関係)
このように構成した第1素子基板71と第2素子基板72とを重ねて粘着剤等で貼り合せる。第1素子基板71および第2素子基板72を貼り合せた後の厚さ寸法は1.5mm程度である。また、第1素子基板71と第2素子基板72とを重ね合わせる際、双方に形成されている有機EL素子5の互いの位置をX方向でずらす。ここで、第1素子基板71および第2素子基板72において有機EL素子5のピッチはPで一定であるため、第1素子基板71に形成されている有機EL素子5が、第2素子基板72においてX方向で隣り合う有機EL素子5の中央に位置するように、第1素子基板71と第2素子基板72とを重ねる。その結果、第2素子基板72に形成されている有機EL素子5も、第1素子基板71においてX方向で隣り合う有機EL素子5の中央に位置するので、第1素子基板71および第2素子基板72に形成されている有機EL素子5全体では、有機EL素子5が全てP/2ピッチで配列することになる。それ故、図2(b)に示すように、光出射部40は千鳥状に配置されることになる。よって、第1素子基板71および第2素子基板72での有機EL素子5のピッチPは42.4μmである場合、有機EL素子5全体では、有機EL素子5が全て21.2μmとなる。或いは、第1素子基板71と第2素子基板72において、あらかじめ有機EL素子5を半ピッチずらして形成しておいて、素子基板をずらすことなく貼り合わせて形成しても良い。
【0036】
このようにして第1素子基板71と第2素子基板72とを重ねるにあたって、本形態では、有機EL素子5の製造工程等を利用して第1素子基板71および第2素子基板72の両端部にはアライメントマーク719、729が形成されている。このため、第1素子基板71と第2素子基板72とを高い精度で重ねることができる。
【0037】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態の露光ヘッド10(光源装置)では、素子基板(第1素子基板71および第2素子基板72)には、光源として有機EL素子5(発光素子)がX方向に複数形成されており、かかる有機EL素子5は、素子基板の厚さ方向に積層された第1電極51、発光機能層52および第2電極53を備えている。このため、有機EL素子5は、素子基板の基板面の法線方向に向けて光を出射する。また、素子基板(第1素子基板71および第2素子基板72)には、有機EL素子5に対しては、有機EL素子5から出射された光を素子基板のY方向の一方側に位置する端面(第1素子基板71の端面711および第2素子基板72の端面721)から出射する導光路4が形成されているため、有機EL素子5から出射された光は、素子基板の端面711、712から出射される。このため、有機EL素子5の実際の発光部面積より光取り出し部(光出射部40)の面積が小さい。例えば、有機EL素子5の実際の発光部面積(有機EL素子5の平面積)は84×10-4mm2であるが、光出射部40の面積は6.25×10-4mm2である。このため、有機EL素子5に大きな負担をかけなくて、パワー密度が約10倍高く、指向性の高い光を出射することができる。それ故、露光ヘッド10の信頼性を向上することができる。さらに、本形態では、有機EL素子5(第1発光素子)がX方向に複数配列された第1素子基板71と、有機EL素子5(第2発光素子)がX方向に複数配列された第2素子基板72とを厚さ方向で重ねた構造を有しているため、有機EL素子5が出射した光を素子基板の端面711、721から光を出射する方式を採用した場合でも、有機EL素子5を2400dpiといった高密度に配置することができる。
【0038】
また、本形態の露光ヘッド10(光源装置)では、第1素子基板71に形成した有機EL素子5と、第2素子基板72に形成した有機EL素子5とがX方向にずれた位置にある。このため、X方向で有機EL素子5を高密度に配置することができる。特に本形態では、第1素子基板71に形成した有機EL素子5と、第2素子基板72に形成した有機EL素子5とは、半ピッチ(P/2)分だけX方向にずれた位置にあるため、有機EL素子5全体では、X方向で有機EL素子5が全てP/2ピッチで配列した構成とすることができる。
【0039】
さらに、本形態では、導光路4が第1素子基板71および第2素子基板72の各々に一体に形成されているため、導光路4と有機EL素子5とを高い位置精度をもって配置することができる。
【0040】
さらにまた、第1素子基板71と第2素子基板72とは、有機EL素子5が形成されている第1面71a、72b同士が対向して重ねられているため、有機EL素子5が外部に露出しようとする面積がせまい。それ故、有機EL素子5に対する封止を確実かつ容易に行なうことができるので、比較的安価な封止構造で露光ヘッド10の信頼性を向上することができる。
【0041】
[実施の形態2]
図6は、本発明の実施の形態2に係る露光ヘッド10に用いた有機EL装置70の説明図であり、図6(a)、(b)、(c)は、有機EL装置70を光出射部40の側からみた説明図、有機EL装置70を第1素子基板71と第2素子基板72とに分解した様子を示す説明図、および素子基板の平面的な構成を示す説明図である。図7は、本発明の実施の形態2に係る露光ヘッド10において、有機EL装置70を構成する素子基板に構成した発光素子(有機EL素子5)および導光路4の断面構成を示す説明図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付して図示してそれらの説明を省略する。
【0042】
図6および図7に示すように、本形態でも、実施の形態1と同様、露光ヘッド10(光源装置)に用いる有機EL装置70を構成するにあたって、第1発光素子としての有機EL素子5がX方向に一定のピッチPで複数配列された第1素子基板71と、第2発光素子としての有機EL素子5がX方向に一定のピッチPで複数配列された第2素子基板72とが、基板の厚さ方向に重ねて配置された構造を有している。
【0043】
かかる重ね合わせを行なうにあたって、実施の形態1では、第1素子基板71において有機EL素子5が形成されている第1面71a側と、第2素子基板72において有機EL素子5)が形成されている第1面72a側とを重ねた。これに対して、本形態では、有機EL素子5が形成されている第1面71a、72aとは反対側の第2面71b、72b同士を重ねてある。
【0044】
ここで、有機EL素子5は、実施の形態1と同様、陽極としての第1電極51、発光機能層52、および陰極としての第2電極53がこの順に厚さ方向に積層された構造になっており、第2電極53の上層側には保護膜62が形成されている。
【0045】
また、実施の形態1と同様、第1素子基板71および第2素子基板72には、第1電極51に対して発光機能層52が位置する側とは反対側には、有機EL素子5が出射した光を第1素子基板71および第2素子基板72のY方向の一方側に位置する端面711、721から出射する導光路4が形成されている。また、第1素子基板71と第2素子基板72とを重ね合わせる際、双方に形成されている有機EL素子5の互いの位置をX方向で半ピッチ分だけずらしてある。従って、本形態でも、実施の形態1と同様、有機EL素子5の実際の発光部面積より光取り出し部(光出射部40)の面積が小さいので、有機EL素子5に大きな負担をかけなくて、パワー密度が高く、指向性の高い光を出射することができる。また、有機EL素子5が出射した光を素子基板の端面711、721から光を出射する方式を採用した場合でも、有機EL素子5を高密度に配置することができる等、実施の形態1と略同様な効果を奏する。
【0046】
[実施の形態3]
図8は、本発明の実施の形態3に係る露光ヘッド10において、有機EL装置70を構成する素子基板に構成した発光素子(有機EL素子5)および導光路4の断面構成を示す説明図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1、2と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付して図示してそれらの説明を省略する。また、露光ヘッド10(光源装置)全体の説明には、実施の形態1で参照した図4、および実施の形態2で参照した図6を用いる。
【0047】
図4および図6に示すように、本形態でも、実施の形態1、2と同様、露光ヘッド10(光源装置)に用いる有機EL装置70を構成するにあたって、第1発光素子としての有機EL素子5がX方向に一定のピッチPで複数配列された第1素子基板71と、第2発光素子としての有機EL素子5がX方向に一定のピッチPで複数配列された第2素子基板72とが、基板の厚さ方向に重ねて配置された構造を有している。また、第1素子基板71と第2素子基板72とを重ね合わせる際、双方に形成されている有機EL素子5の互いの位置をX方向で半ピッチ分だけずらしてある。
【0048】
図8に示すように、本形態でも、有機EL素子5は、実施の形態1、2と同様、陽極としての第1電極51、発光機能層52、および陰極としての第2電極53がこの順に厚さ方向に積層された構造になっており、第2電極53の上層側には保護膜62が形成されている。かかる有機EL素子5において、実施の形態1、2では、発光機能層52で発生した光を第1電極51の側から出射したが、本形態では、発光機能層52で発生した光を第2電極53の側から出射する。このため、第2電極53は透光性の陰極層によって構成され、第1電極51に対して発光機能層52が位置する側とは反対側には反射層(図示せず)が設けられている。
【0049】
このように、本形態では、有機EL素子5は、第2電極53の側から光を出射する。このため、本形態では、第1素子基板71および第2素子基板72には、第2電極53に対して発光機能層52が位置する側とは反対側には、有機EL素子5が出射した光を第1素子基板71および第2素子基板72のY方向の一方側に位置する端面711、721から出射する導光路4が形成されている。
【0050】
このように構成した第1素子基板71と第2素子基板72とを重ね合わせる際には、図4を参照して説明したように、第1素子基板71において有機EL素子5が形成されている第1面71a側と、第2素子基板72において有機EL素子5が形成されている第1面72a側とを重ねた構成を採用してもよい。また、図6を参照して説明したように、第1素子基板71および第2素子基板72において有機EL素子5が形成されている第1面71a、72aとは反対側の第2面71b、72b同士を重ねてもよい。
【0051】
いずれも場合も、実施の形態1、2と同様、有機EL素子5の実際の発光部面積より光取り出し部(光出射部40)の面積が小さいので、有機EL素子5に大きな負担をかけなくて、パワー密度が高く、指向性の高い光を出射することができる。また、有機EL素子5が出射した光を素子基板の端面711、721から光を出射する方式を採用した場合でも、有機EL素子5を高密度に配置することができる等の効果を奏する。
【0052】
[実施の形態4]
図9は、本発明の実施の形態4に係る露光ヘッド10において、有機EL装置70を構成する素子基板に構成した発光素子(有機EL素子5)および導光路4の断面構成を示す説明図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1、2と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付して図示してそれらの説明を省略する。また、露光ヘッド10(光源装置)全体の説明には、実施の形態1で参照した図4、および実施の形態2で参照した図6を用いる。
【0053】
図4および図6に示すように、本形態でも、実施の形態1、2と同様、露光ヘッド10(光源装置)に用いる有機EL装置70を構成するにあたって、第1発光素子としての有機EL素子5がX方向に一定のピッチPで複数配列された第1素子基板71と、第2発光素子としての有機EL素子5がX方向に一定のピッチPで複数配列された第2素子基板72とが、基板の厚さ方向に重ねて配置された構造を有している。また、第1素子基板71と第2素子基板72とを重ね合わせる際、双方に形成されている有機EL素子5の互いの位置をX方向で半ピッチ分だけずらしてある。
【0054】
図9に示すように、本形態でも、有機EL素子5は、実施の形態1、2と同様、陽極としての第1電極51、発光機能層52、および陰極としての第2電極53がこの順に厚さ方向に積層された構造になっており、第2電極53の上層側には保護膜62が形成されている。かかる有機EL素子5において、本形態でも、実施の形態1、2では、発光機能層52で発生した光を第1電極51の側から出射する。
【0055】
ここで、実施の形態1、2では、有機EL素子5と基板本体710、720との間に導光路4が形成されていた。これに対して、本形態では、基板本体710、720に対して有機EL素子5が位置する側とは反対側に導光路4が形成されている。
【0056】
このように構成した第1素子基板71と第2素子基板72とを重ね合わせる際には、図4を参照して説明したように、第1素子基板71において有機EL素子5が形成されている第1面71a側と、第2素子基板72において有機EL素子5が形成されている第1面72a側とを重ねた構成を採用してもよい。また、図6を参照して説明したように、第1素子基板71および第2素子基板72において有機EL素子5が形成されている第1面71a、72aとは反対側の第2面71b、72b同士が対向するように重ねてもよい。
【0057】
いずれの場合も、実施の形態1、2と同様、有機EL素子5の実際の発光部面積より光取り出し部(光出射部40)の面積が小さいので、有機EL素子5に大きな負担をかけなくて、パワー密度が高く、指向性の高い光を出射することができる。また、有機EL素子5が出射した光を素子基板の端面711、721から光を出射する方式を採用した場合でも、有機EL素子5を高密度に配置することができる等の効果を奏する。
【0058】
[実施の形態5]
図10は、本発明の実施の形態5に係る露光ヘッド10において、有機EL装置70を構成する素子基板に構成した発光素子(有機EL素子5)および導光路4の断面構成を示す説明図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付して図示してそれらの説明を省略する。また、露光ヘッド10(光源装置)全体の説明には、実施の形態1で参照した図4を用いる。
【0059】
図4に示すように、本形態でも、実施の形態1と同様、露光ヘッド10(光源装置)に用いる有機EL装置70を構成するにあたって、第1発光素子としての有機EL素子5がX方向に一定のピッチPで複数配列された第1素子基板71と、第2発光素子としての有機EL素子5がX方向に一定のピッチPで複数配列された第2素子基板72とが、基板の厚さ方向に重ねて配置された構造を有している。また、第1素子基板71と第2素子基板72とを重ね合わせる際、双方に形成されている有機EL素子5の互いの位置をX方向で半ピッチ分だけずらしてある。
【0060】
図10に示すように、本形態でも、有機EL素子5は、実施の形態1と同様、陽極としての第1電極51、発光機能層52、および陰極としての第2電極53がこの順に厚さ方向に積層された構造になっており、第2電極53の上層側には保護膜62が形成されている。かかる有機EL素子5において、本形態でも、実施の形態1では、発光機能層52で発生した光を第1電極51の側から出射する。このため、有機EL素子5と基板本体710、720との間に導光路4が形成されている。ここで、第1素子基板71および第2素子基板72のいずれにおいても、導光路4は、図2等を参照して説明した光出射部40が位置するY方向の一方側+Yとは反対側の他方側−Yから一方側+Yに向けて断面積が拡大している。より具体的には、導光路4を構成するコア層41の厚さ寸法tがY方向の他方側−Yから一方側+Yに向けて増大している。このため、コア層41とクラッド層42の界面は、他方側−Yから一方側+Yに向けて斜めに傾いたテーパー面になっている。
【0061】
このため、有機EL素子5において他方側−Yで発生した光を一方側+Yに向けて効率よく導くことができるので、光の出射効率を向上することができる。
【0062】
なお、図10には、実施の形態1に本形態の特徴部分を採用した例を表してあるが、実施の形態2〜4に本形態の特徴部分(導光路4の構成)を採用してもよい。
【0063】
[その他の実施の形態]
上記実施の形態1〜5において複数の光出射部40の各々にマイクロレンズを設けてもよく、かかる構成は、例えば、複数のマイクロレンズが構成されたマイクロレンズアレイを有機EL装置70の光出射端面に貼り合せることによって実現することができる。
【0064】
実施の形態1〜4では、第1素子基板71および第2素子基板72に対して導光路4を一体に形成したが、第1素子基板71および第2素子基板72とは別のシート状部材や基板に対して導光路4を形成して導光路構成部材を構成しておき、かかる導光路構成部材を第1素子基板71および第2素子基板72に貼り合わせてもよい。
【0065】
上記実施の形態においては、光源を構成する発光素子として有機EL素子5を用いたが、光源用の発光素子としては、無機EL素子やLED(Light Emitting Diode)を用いた場合にも本発明を適用することができる。
【0066】
上記実施の形態においては、露光ヘッド10(光源装置)に本発明を適用した例であったが、画像形成装置100の露光ヘッド10以外の光源装置、例えば、照明装置として用いられる光源装置等に本発明を適用してもよい。
【0067】
[画像形成装置の全体構成]
図11および図12を参照して、本発明を適用した画像形成装置の全体構成を説明する。図11および図12は各々、本発明を適用した画像形成装置の全体構成を示す縦断面図、および本発明を適用した別の画像形成装置の全体構成を示す縦断面図である。
【0068】
(画像形成装置の構成例1)
図11に示す画像形成装置100は、ベルト中間転写体方式を利用したタンデム型のフルカラー画像形成装置である。この画像形成装置100では、4個の露光ヘッド10K、10C、10M、10Yが、4個の感光体ドラム(像担持体)110K、110C、110M、110Yの露光位置にそれぞれ配置されている。露光ヘッド10K、10C、10M、10Yは、上記の各実施形態に係る露光ヘッド10である。
【0069】
画像形成装置100には、駆動ローラー121と従動ローラー122とが設けられており、これらのローラー121、122には無端の中間転写ベルト120が巻回されて、矢印で示すようにローラー121、122の周囲を回転させられる。図示しないが、中間転写ベルト120に張力を与えるテンションローラー等の張力付与手段を設けてもよい。
【0070】
中間転写ベルト120の周囲には、外周面に感光層を有する4個の感光体ドラム110K、110C、110M、110Yが互いに所定の間隔をおいて配置される。添え字K、C、M、Yはそれぞれ黒、シアン、マゼンタ、イエローの顕像を形成するために使用されることを意味している。他の部材についても同様である。感光体ドラム110K、110C、110M、110Yは、中間転写ベルト120の駆動と同期して回転駆動される。
【0071】
各感光体ドラム110(K、C、M、Y)の周囲には、コロナ帯電器111(K、C、M、Y)と、露光ヘッド10(露光ヘッド10K、C、M、Y)と、現像器114(K、C、M、Y)とが配置されている。コロナ帯電器111(K、C、M、Y)は、これに対応する感光体ドラム110(K、C、M、Y)の外周面を一様に帯電させる。露光ヘッド10(露光ヘッド10K、C、M、Y)は、感光体ドラムの帯電させられた外周面に静電潜像を書き込む。各露光ヘッド10(K、C、M、Y)は、複数の有機EL素子5が感光体ドラム110(K、C、M、Y)の母線(主走査方向)に沿って配列するように設置される。静電潜像の書き込みは、複数の発光素子(有機EL素子5)によって感光体ドラムに光を照射することにより行う。現像器114(K、C、M、Y)は、静電潜像に現像剤としてのトナーを付着させることにより感光体ドラムに顕像すなわち可視像を形成する。
【0072】
このような4色の単色顕像形成ステーションにより形成された黒、シアン、マゼンタ、イエローの各顕像は、中間転写ベルト120上に順次一次転写されることにより、中間転写ベルト120上で重ね合わされ、この結果としてフルカラーの顕像が得られる。中間転写ベルト120の内側には、4つの一次転写コロトロン(転写器)112(K、C、M、Y)が配置されている。一次転写コロトロン112(K、C、M、Y)は、感光体ドラム110(K、C、M、Y)の近傍にそれぞれ配置されており、感光体ドラム110(K、C、M、Y)から顕像を静電的に吸引することにより、感光体ドラムと一次転写コロトロンの間を通過する中間転写ベルト120に顕像を転写する。
【0073】
最終的に画像を形成する対象としてのシート102は、ピックアップローラー103によって、給紙カセット101から1枚ずつ給送されて、駆動ローラー121に接した中間転写ベルト120と二次転写ローラー126の間のニップに送られる。中間転写ベルト120上のフルカラーの顕像は、二次転写ローラー126によってシート102の片面に一括して二次転写され、定着部である定着ローラー対127を通ることでシート102上に定着される。この後、シート102は、排紙ローラー対128によって、装置上部に形成された排紙カセット上へ排出される。
【0074】
(画像形成装置の構成例2)
図12に示す画像形成装置100は、ベルト中間転写体方式を利用したロータリー現像式のフルカラー画像形成装置であり、感光体ドラム165の周囲には、コロナ帯電器168、ロータリー式の現像ユニット161と、露光ヘッド167と、中間転写ベルト169とが設けられている。
【0075】
コロナ帯電器168は、感光体ドラム165の外周面を一様に帯電させる。露光ヘッド167は、感光体ドラム165の帯電させられた外周面に静電潜像を書き込む。この露光ヘッド167は、上記実施形態に係る露光ヘッド10である。
【0076】
現像ユニット161は、4つの現像器163Y、163C、163M、163Kが90°の角間隔をおいて配置されたドラムであり、軸161aを中心にして反時計回りに回転可能である。現像器163Y、163C、163M、163Kは、それぞれイエロー、シアン、マゼンタ、黒のトナーを感光体ドラム165に供給して、静電潜像に現像剤としてのトナーを付着させることにより感光体ドラム165に顕像すなわち可視像を形成する。
【0077】
無端の中間転写ベルト169は、駆動ローラー170a、従動ローラー170b、一次転写ローラー166およびテンションローラーに巻回されて、これらのローラーの周囲を矢印で示す向きに回転させられる。一次転写ローラー166は、感光体ドラム165から顕像を静電的に吸引することにより、感光体ドラムと一次転写ローラー166の間を通過する中間転写ベルト169に顕像を転写する。
【0078】
具体的には、感光体ドラム165の最初の1回転で、露光ヘッド167によりイエロー(Y)像のための静電潜像が書き込まれて現像器163Yにより同色の顕像が形成され、さらに中間転写ベルト169に転写される。また、次の1回転で、露光ヘッド167によりシアン(C)像のための静電潜像が書き込まれて現像器163Cにより同色の顕像が形成され、イエローの顕像に重なり合うように中間転写ベルト169に転写される。そして、このようにして感光体ドラム165が4回転する間に、イエロー、シアン、マゼンタ、黒の顕像が中間転写ベルト169に順次重ね合わせられ、この結果フルカラーの顕像が転写ベルト169上に形成される。最終的に画像を形成する対象としてのシートの両面に画像を形成する場合には、中間転写ベルト169に表面と裏面の同色の顕像を転写し、次に中間転写ベルト169に表面と裏面の次の色の顕像を転写する形式で、フルカラーの顕像を中間転写ベルト169上で得る。
【0079】
画像形成装置には、シートが通過させられるシート搬送路174が設けられている。シートは、給紙カセット178から、ピックアップローラー179によって1枚ずつ取り出され、搬送ローラーによってシート搬送路174を進行させられ、駆動ローラー170aに接した中間転写ベルト169と二次転写ローラー171の間のニップを通過する。二次転写ローラー171は、中間転写ベルト169からフルカラーの顕像を一括して静電的に吸引することにより、シートの片面に顕像を転写する。二次転写ローラー171は、図示しないクラッチにより中間転写ベルト169に接近および離間させられるようになっている。そして、シートにフルカラーの顕像を転写する時に二次転写ローラー171は中間転写ベルト169に当接させられ、中間転写ベルト169に顕像を重ねている間は二次転写ローラー171から離される。
【0080】
以上のようにして画像が転写されたシートは定着器172に搬送され、定着器172の加熱ローラー172aと加圧ローラー172bの間を通過させられることにより、シート上の顕像が定着する。定着処理後のシートは、排紙ローラー対176に引き込まれて矢印Fの向きに進行する。両面印刷の場合には、シートの大部分が排紙ローラー対176を通過した後、排紙ローラー対176が逆方向に回転させられ、矢印Gで示すように両面印刷用搬送路175に導入される。そして、二次転写ローラー171により顕像がシートの他面に転写され、再び定着器172で定着処理が行われた後、排紙ローラー対176でシートが排出される。
【0081】
(他の構成例)
なお、以上に例示した以外の電子写真方式の画像形成装置にも本発明の光源装置を採用することができる。例えば、中間転写ベルトを使用せずに感光体ドラムから直接シートに顕像を転写するタイプの画像形成装置や、モノクロの画像を形成する画像形成装置にも本発明に係る発光装置を応用することが可能である。
【符号の説明】
【0082】
4・・導光路、5・・有機EL素子(有機エレクトロルミネッセンス素子/発光素子)、10・・露光ヘッド(光源装置)、40・・光出射部、51・・第1電極、52・・発光機能層、53・・第2電極、70・・有機EL装置、71・・第1素子基板、72・・第2素子基板、110・・感光体ドラム、110s・・像担持面、100・・画像形成装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
素子基板の厚さ方向に第1電極、発光機能層および第2電極が積層された発光素子を光源とする光源装置であって、素子基板の面内方向で互いに交差する方向をX方向およびY方向としたとき、
第1発光素子がX方向に複数配列された第1素子基板と、
前記第1発光素子が出射した光を前記第1素子基板のY方向の一方側に位置する端面から出射する第1導光路と、
第2発光素子がX方向に複数配列され、前記第1素子基板に対して厚さ方向で重ねて配置された第2素子基板と、
前記第2発光素子が出射した光を前記第2素子基板のY方向の前記一方側に位置する端面から出射する第2導光路と、
を有していることを特徴とする光源装置。
【請求項2】
前記第1発光素子と前記第2発光素子とはX方向にずれた位置に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
【請求項3】
前記第1発光素子は、X方向に等間隔に設けられ、
前記第2発光素子は、前記第1発光素子の間隔と同一の間隔をもってX方向に等間隔に設けられ、
X方向において、前記第1発光素子は、X方向で隣り合う2つの前記第2発光素子の中央位置に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の光源装置。
【請求項4】
前記第1発光素子および前記第2発光素子は、X方向の幅寸法に比してY方向の長さ寸法が大であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の光源装置。
【請求項5】
前記第1導光路および前記第2導光路は、Y方向の前記一方側とは反対側の他方側から当該一方側に向けて断面積が拡大していることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の光源装置。
【請求項6】
前記第1導光路は前記第1素子基板に一体に形成され、前記第2導光路は前記第2素子基板に一体に形成されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の光源装置。
【請求項7】
前記第1発光素子および前記第2発光素子は有機エレクトロルミネッセンス素子であることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の光源装置。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れか一項に記載の光源装置を露光ヘッドとして備えた画像形成装置であって、
前記発光素子から出射された光によって潜像が形成される像担持体を有していることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−131457(P2011−131457A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−291944(P2009−291944)
【出願日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】