説明

光源駆動回路、ガスセンサ

【課題】光源に流れる電流の設計を容易にして量産性を向上し、光源消灯時の光源に流れる電流を完全にカットして電力の浪費を無くした上で、光源の寿命を縮めることの無い光源駆動回路を提供する。
【解決手段】光源7の一端にドレインが接続され、ソースがグラウンド電位に接続されるnMOSトランジスタ61、反転入力端子101b、非反転入力端子101a、出力端子101cを有する演算増幅器101を含み、演算増幅器101の出力端子101cがnMOSトランジスタ61のゲートに接続され、光源7の消灯時、演算増幅器101の反転入力端子101bに、非反転入力端子101aに供給されるバイアス電圧VBIASよりも高い電圧を供給し、光源7の点灯時、演算増幅器101の反転入力端子101bをnMOSトランジスタ61のソースに接続する切替器65によって光源駆動回路を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源駆動回路、ガスセンサに係り、特に非分散型赤外線吸収法を使った光源駆動回路、この光源駆動回路を適用したガスセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
赤外線によるガスセンサには、非分散型赤外線吸収法を使ったものがある。非分散型赤外線吸収法のガスセンサは、ガスが特有の波長領域の赤外線を吸収する特性を利用して、特有の波長領域のみの赤外線強度を検出する。
赤外線放射源として波長制限のない光源が用いられる。このような光源の一つとして、点滅の可能なフィラメント電球、いわゆる豆電球や麦球と呼ばれる電球が用いられる。フィラメント電球は、安価である上に、小型化や電気制御に有利な構成として知られている。
【0003】
被測定ガスは、筒状のセルに取り込まれる。このセルの一端にはフィラメント電球が設けてあって、被測定ガスは、フィラメント電球から放射される赤外線のうち、特有の波長領域の赤外線を吸収する。また、セルには、被測定ガスによって吸収される波長領域の赤外線だけを透過して、他の波長の赤外線を透過しない光学フィルタが設けられている。
以上の構成のガスセンサでは、光学フィルタを透過した赤外線の強度を検出することにより、被測定ガスが特有の波長領域の赤外線を吸収した量が分かる。非分散型赤外線吸収法を使ったガスセンサでは、この吸収量から被測定ガスの濃度を算出することができる。
【0004】
このようなガスセンサに用いられるフィラメント電球には、フィラメント電球を点滅させるためのパルス電圧が与えられる。フィラメント電球にフィラメント電球の定格電圧と同じパルス電圧を与えると、電圧の印加初期に、フィラメント電球にフィラメント電球の定格電流を超えた大きな突入電流が流れる。これは、印加初期に、フィラメントが冷えており、フィラメント電球の抵抗値が極端に小さいためである。印加初期の後は、フィラメントが温まり、フィラメント電球の抵抗値が高くなり、フィラメント電球に流れる電流が定格電流に落ち着く。パルス電圧を切る直前に、フィラメント電球に流れる電流がフィラメント電球の定格電流と同じになるよう設計されている場合には、光源の光量が大きくなって、ガスセンサとしてのS/N比が高くなる。ところが、印加初期に生じる定格電流を超えた突入電流は、フィラメント電球の寿命を縮めるために問題となっている。
【0005】
突入電流の問題を解決する従来技術としては、例えば、特許文献1に記載されたガスセンサがある。特許文献1に記載されているガスセンサは、フィラメント電球に与えるパルス電圧の印加初期に、ローパス・フィルタを使って電圧を緩やかに上昇させている。電圧上昇を緩やかにすることにより、フィラメント電球に流れる電流上昇が緩やかになり、突入電流の発生を防いで、突入電流がフィラメント電球の寿命を縮める問題を解決した。
図4は、このような従来のガスセンサの光源駆動回路を説明するための回路図である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−292320号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、図4に示した回路では、その構成上、フィラメント電球に流れる電流がフィラメント電球の抵抗値の大きさによって変化する。この変化は、フィラメント電球の抵抗値が小さいとき、フィラメント電球に流れる電流が大きくなり、フィラメント電球の抵抗値が大きいとき、フィラメント電球に流れる電流が小さくなるように起こる。
すなわち、光源70に流れる電流ILIGHTは、R5、R6>>RLの条件の下では、以下の式(1)が成立する。
ILIGHT≒VBIAS×(R5+R6)/{R7×(R5+R6)+R6×RL} …式(1)
【0008】
式(1)から明らかなように、電流ILIGHTには光源70の抵抗値RLが含まれている。このため、光源70へのパルス電圧の印加初期には、光源70が次第に温まり、光源70の抵抗値が過渡的に変化し、光源70に流れる電流も過渡的に変化する。また、個体ばらつきによる光源70の抵抗値のばらつきで、電流ILIGHTもばらついてしまう。印加初期の光源70の抵抗値が定まらない上に、光源70の個体ばらつきを考慮すると、演算増幅器181の非反転入力端子に接続されたローパス・フィルタ182を使って光源70に流れる電流ILIGHTを緩やかに上昇させるよう設計するには、光源70ごとにトライ・アンド・エラーによる調整が必要となる。このような点は、ガスセンサの量産性を低下させてしまう。
【0009】
また、光源70を消灯させているとき、演算増幅器181の非反転入力端子はグラウンド電位に接続されるため、理想的には演算増幅器181の反転入力端子もグラウンド電位となり、光源70にかかる電圧がゼロとなり、電流もゼロとなる。
しかし、実際には、演算増幅器181のオフセット電圧等、不確定な要素により、光源70に微小ではあるが電圧がかかり、微小な電流が流れてしまう。電池で動作するガスセンサにおいて、このような微小電力の消費は、電池の消耗を早めてしまうため解決すべき課題となる。
本発明は、上記した点に鑑みてなされたものであり、光源に流れる電流の設計を容易にして量産性を向上し、光源消灯時の光源に流れる電流を完全にカットして電力の浪費を無くした上で、光源の寿命を縮めることの無い光源駆動回路、この光源駆動回路を適用して構成されるガスセンサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
以上の課題を解決するため、本発明の請求項1の光源駆動回路は、光源を駆動する光源駆動回路であって、前記光源(例えば図2に示した光源7)の一端に電源電位(例えば図2に示した電源電位51)が供給され、前記一端と異なる他の一端にドレインが接続され、ソースが第1抵抗素子(例えば図2に示した抵抗素子R1)を介して基準電位(例えば図2に示したグラウンド電位52)に接続されるMOSトランジスタ(例えば図2に示したnMOSトランジスタ61)と、反転入力端子(例えば図2に示した反転入力端子101b)、非反転入力端子(例えば図2に示した非反転入力端子101a)、出力端子(例えば図2に示した出力端子101c)を有する演算増幅器(例えば図2に示した演算増幅器101)と、を含み、前記演算増幅器の出力端子が前記MOSトランジスタのゲートに接続され、前記光源の消灯時、前記演算増幅器の反転入力端子に、前記演算増幅器の非反転入力端子に供給されるバイアス電圧よりも高い電圧を供給し、前記光源の点灯時、前記演算増幅器の反転入力端子を前記MOSトランジスタのソースに接続する切替器(例えば図2に示した切替器65)と、を備えることを特徴とする。
【0011】
本発明の請求項2に記載の光源駆動回路は、請求項1の発明において、前記電源電位と前記基準電位との間に直列に接続された複数の第2抵抗素子(例えば図2に示した抵抗素子R2、R3、R4)でなる抵抗素子群を備え、前記演算増幅器の非反転入力端子が、前記抵抗素子群に含まれる前記第2抵抗素子のうち、所定の数の前記第2抵抗素子をはさんで前記基準電位に接続され、前記切替器は、前記光源の消灯時、前記演算増幅器の反転入力端子を、前記所定の数より多い数の前記第2抵抗素子をはさんで前記基準電位に接続することによって前記バイアス電圧よりも高い電圧を前記演算増幅器の反転入力端子に供給することを特徴とする。
【0012】
本発明の請求項3に記載のガスセンサは、被測定ガスが導入される筒状のセル(例えば図1に示したセル2)と、前記セルの内面に設けられた赤外線を放射する光源(例えば図1に示した光源7)と、前記内面と対向する内面に設けられ、前記光源から放射された赤外線を検出する赤外線センサ(例えば図1に示した赤外線センサ14a、14b)と、請求項1または2に記載の光源駆動回路(例えば図1に示した光源駆動回路18)と、前記赤外線センサの信号出力からガス濃度を算出する信号処理装置(例えば図1に示した信号処理装置4)と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
以上の課題を解決するため、請求項1の発明によれば、演算増幅器の反転入力端子がバイアス電圧よりも高い電圧の配線に接続された場合、演算増幅器の出力が基準電位(例えばグラウンド電位)に固定されるので、MOSトランジスタが遮断され、消灯時光源に流れる電流は完全にゼロとなる。また、待機時の消灯や点滅動作時の消灯においても光源に流れる電流を完全にカットすることができるので、電力の浪費を無くし、消費電力の低減を図る光源駆動回路を提供することができる。このような効果は、特に電池で動作するガスセンサにとって有用である。
【0014】
また、請求項1の発明によれば、光源の点灯時に光源駆動回路が定電流回路を構成し、光源に流れる電流は、バイアス電圧と第1抵抗素子の抵抗成分とで表わすことができる。光源に流れる電流が光源の抵抗値に依存しないため、光源に流れる電流の設計が容易にできる。また、光源ごとの抵抗値のばらつきにも依存しないので、量産性の高い光源駆動回路を提供することができる。また、光源の点灯初期に、突入電流は一切発生せず、点灯の初めから終わりまで、光源の定格電流を超えないように設計した定電流が光源に流れる。よって、光源の寿命を縮める問題は発生しない。
【0015】
また、請求項2の発明によれば、簡易な構成によって演算増幅器の反転入力端子に非反転入力端子に供給されるバイアス電圧よりも高い電圧を供給する回路を実現することができる。
また、請求項3の発明によれば、電力の浪費を無くし、消費電力の低減を図るガスセンサを提供することができる。さらに、光源に流れる電流の設計が容易で、量産性が高く、しかも光源の寿命を縮めることの無いガスセンサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態のガスセンサを説明するための図である。
【図2】図1に示したガスセンサの光源駆動回路を説明するための回路図である。
【図3】図2に示した光源駆動回路でガスセンサを動作させたときの過渡応答特性を説明するための図である。
【図4】本発明の実施形態の従来技術に相当する回路を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態に係るガスセンサ、及び、ガスセンサの光源駆動回路を説明する。
(全体構成)
図1は、本実施形態のガスセンサを説明するための概略図である。図示したガスセンサは、被測定ガスが内部に導入される筒状のセル2、セル2の一端に設けられた光源7、セル2において、光源7の取付け面と対向する内面に設けられた赤外線センサ14a、14b、光源7に電力を与える光源駆動回路18、赤外線センサ14a、14bの信号出力からガス濃度を算出する信号処理装置4を備えている。赤外線センサ14と光源7との間には、光学フィルタ15a、15bが設けられている。
【0018】
セル2は、被測定ガスを導入するための容器である。セル2には、ガスを導入するための吸気口9aと、排気口9bと、が設けられている。ここで、セル2の内壁が金やアルミ等の金属であると、光源7から放たれた赤外線が反射して、赤外線センサ14で検出される赤外線強度が大きくなる。
光源7は、対向する赤外線センサ14a、14bに向かって赤外線を放出する。光源7には、波長制限のない非分散型の赤外線放射源が用いられる。赤外線放射源としては、黒体炉やフィラメント電球等が用いられる。
【0019】
赤外線センサ14a、14bは、互いに隣接して配置されている。光学フィルタ15a、15bは、それぞれ赤外線センサ14a、14bの直前に設けられている。
赤外線センサ14a、14bは、光学フィルタ15を透過した赤外線を感知し、電気信号に変換する。赤外線センサ14a、14bには、焦電素子、サーモパイル、量子型素子が用いられる。光学フィルタ15は、所定の波長領域の赤外線を透過させる光学的なバンドパスフィルタである。
【0020】
例えば、二酸化炭素の濃度を測定するガスセンサでは、二酸化炭素の赤外線吸収の起こりやすい4.28μmに中心波長がある光学フィルタ15aと、二酸化炭素の赤外線吸収がなく、かつ、水蒸気や他ガスの赤外線吸収の小さい3.9μmに中心波長がある光学フィルタ15bと、が用いられる。光学フィルタ15bと赤外線センサ14bは、ガスによる赤外線吸収量の検出には関係せず、主に光源7の状態をモニタする機能を有する。
【0021】
つまり、光源7の赤外線強度は、劣化等の理由によって低下することがある。光源7の放射する赤外線の一部を光学フィルタ15bで透過して赤外線センサ14bで検出した信号出力を用いて、二酸化炭素の赤外線吸収をモニタしている光学フィルタ15aと赤外線センサ14aの信号出力を補正することにより、光源7によって放射される光量の変動によらず正確な二酸化炭素の赤外線吸収量を検出することができる。
【0022】
なお、図1に示した構成は、光学フィルタ15a、15bと、光学フィルタ15aに対応する赤外線センサ14a、光学フィルタ15bに対応する赤外線センサ14bを用いる例を示している。しかし、本実施形態は、このような構成に限定されるものではなく、例えば、光学フィルタ15aと赤外線センサ14aとだけによって赤外線の吸収量を検出することも可能である。
【0023】
また、本実施形態では、ガスセンサを二酸化炭素ガスの濃度検出に適用する例を挙げている。本実施形態のガスセンサは、このような構成に限定されず、被測定ガスに応じて中心波長の異なる光学フィルタ15に替えればよいので、一酸化炭素、メタンガス、ホルムアルデヒド、NOX、SOX、H2S等の濃度測定にも適用できる。さらに、光学フィルタ15a、15bと赤外線センサ14a、14bとは別個の構成であることに限定されず、両者をキャンパッケージに一体とした構成を用いても良い。
【0024】
信号処理装置4は、赤外線センサ14a、14bの信号出力を増幅して、A/D変換器でデジタル信号に変換する。また、マイコン等のコンピュータによって信号出力からガス濃度を算出する。例えば、赤外線センサ14a、14bが量子型素子の場合、素子から出力された電流を電流−電圧変換器で電圧に変換し、増幅処理をし、信号をA/D変換器に入力させる。A/D変換器でデジタルに変換された信号は、記憶装置に保存されている温度補正係数や濃度変換係数等と共に、コンピュータにおいてガス濃度を算出する処理に用いられる。
【0025】
(光源駆動回路)
図2は、光源7を含む光源駆動回路18を説明するための回路図である。図2に示した回路では、電源電位51とグラウンド電位52の間に、光源7、nMOSトランジスタ61、抵抗素子R1が接続されている。
また、光源駆動回路18は、演算増幅器101を備えている。演算増幅器101は、非反転入力端子101a、反転入力端子101b、出力端子101cを有し、演算増幅器101の出力端子101cは、nMOSトランジスタ61のゲートに接続されている。
【0026】
非反転入力端子101aには一定のバイアス電圧VBIASが与えられている。反転入力端子101bは、nMOSトランジスタ61のソースと抵抗素子R1との間の配線Aと、バイアス電圧VBIASよりも高い電圧が印加される配線Bと、に接続の切り替えが可能な切替器65に接続されている。切替器65により、演算増幅器101の反転入力端子101bは、配線A、配線Bのいずれか一方に接続されるように切り替えられる。配線Bの電位は、電源電位51とグラウンド電位52との間に直列に接続された抵抗素子R2、R3、R4で作られた電位であり、簡易な構成でバイアス電圧VBIASより高い電位を生成している。
【0027】
切替器65には、点灯/消灯切替信号Sが入力される。切替器65は、点灯/消灯切替信号Sによって演算増幅器101の反転入力端子101bを、配線Aまたは配線Bに接続する。切替器65によって演算増幅器101の反転入力端子101bが配線Aに接続された場合、光源7に電流が流れて光源7が点灯する。また、反転入力端子101bが配線Bに接続された場合、光源7への電流供給が停止して光源7が消灯する。
【0028】
光源7の点灯時は、光源駆動回路18は定電流回路を構成する。このため、光源7に流れる電流ILIGHTは、以下の式(2)によって表される。
ILIGHT=VBIAS/R1 …式(2)
式(2)から明らかなように、電流ILIGHTの値を表す式には光源7の抵抗値が含まれない。すなわち、本実施形態によれば、光源7に流れる電流ILIGHTが光源7の抵抗値に依らないため、光源7に流れる電流ILIGHTの設計が容易にできる。
【0029】
また、本実施形態によれば、光源7ごとの抵抗値のばらつきにも依存しないので、量産性の高い光源駆動回路18をつくることができる。また、本実施形態で説明した光源駆動回路18の場合、点灯初期に突入電流は一切発生せず、点灯の初めから終わりまで式(2)で示した定電流が光源7に流れる。したがって、本実施形態によれば、ILIGHTを光源7の定格電流を超えないように設計して十分な光量を得ながら、光源7の寿命を縮める問題が発生しない。
【0030】
また、光源7の消灯時は、演算増幅器101の出力端子101cの電位がグラウンド電位52に固定される(張り付く)ので、nMOSトランジスタ61がオフされる。このため、光源7に流れる電流は完全にゼロとなる。したがって、本実施形態は、待機時の消灯や点滅動作時の消灯に光源に流れる電流を完全にカットすることができる。
このような本実施形態によれば、光源駆動回路18における電力の浪費を無くし、ガスセンサを省力化することができる。省力化の効果は、特に電池動作のガスセンサにとって有用である。
【0031】
また、切替器65を配線Cや配線Dに設けても光源7を点滅させることは可能である。しかし、本発明の発明者らの研究によれば、切替器65を配線Cや配線Dに設けた場合、点灯初期に非常に短い時間で定格を超える電流が発生する、あるいは消灯時に微小電流が流れてしまうことが分かった。このため、本実施形態のように、図2に示す位置に切替器65を設けることが最も望ましい。
【0032】
(応答特性)
図3(a)、(b)、(c)は、本実施形態のガスセンサを、図2に示した光源駆動回路18によって動作させたときの過渡応答特性を示した図である。光源7には、定格5V、115mAのフィラメント電球を用いた。電源電位51は4.5V、バイアス電圧VBIASは0.1V、抵抗素子R1は1Ωとした。
図3(a)の縦軸は点灯/消灯切替信号Sを示し、図3(b)の縦軸は光源7の端子間にかかる電圧、図3(c)の縦軸は光源7に流れる電流を示す。図3(a)〜(c)のいずれにおいても、横軸は所定のタイミングを基準にした時間を示している。
図3(a)〜(c)によれば、点灯の初期に突入電流は一切発生せず、点灯の初めから終わりまで、式(2)のとおり100mAの定電流が光源7に流れていることが分かる。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明は、非分散型赤外線吸収法によるガスセンサおいて利用できる。
【符号の説明】
【0034】
2 セル
4 信号処理装置
7 光源
9a 吸気口
9b 排気口
14a、14b 赤外線センサ
15a、15b 光学フィルタ
18 光源駆動回路
51 電源電位
52 グラウンド電位
61 nMOSトランジスタ
65 切替器
101 演算増幅器
101a 演算増幅器101の非反転入力端子
101b 演算増幅器101の反転入力端子
101c 演算増幅器101の出力端子
70 光源
181 演算増幅器
182 ローパス・フィルタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源を駆動する光源駆動回路であって、
前記光源の一端に電源電位が供給され、
前記一端と異なる他の一端にドレインが接続され、ソースが第1抵抗素子を介して基準電位に接続されるMOSトランジスタと、
反転入力端子、非反転入力端子、出力端子を有する演算増幅器と、
を含み、
前記演算増幅器の出力端子が前記MOSトランジスタのゲートに接続され、
前記光源の消灯時、前記演算増幅器の反転入力端子に、前記演算増幅器の非反転入力端子に供給されるバイアス電圧よりも高い電圧を供給し、前記光源の点灯時、前記演算増幅器の反転入力端子を前記MOSトランジスタのソースに接続する切替器と、
を備えることを特徴とする光源駆動回路。
【請求項2】
前記電源電位と前記基準電位との間に直列に接続された複数の第2抵抗素子でなる抵抗素子群を備え、
前記演算増幅器の非反転入力端子が、前記抵抗素子群に含まれる前記第2抵抗素子のうち、所定の数の前記第2抵抗素子をはさんで前記基準電位に接続され、
前記切替器は、前記光源の消灯時、前記演算増幅器の反転入力端子を、前記所定の数より多い数の前記第2抵抗素子をはさんで前記基準電位に接続することによって前記バイアス電圧よりも高い電圧を前記演算増幅器の反転入力端子に供給することを特徴とする請求項1に記載の光源駆動回路。
【請求項3】
被測定ガスが導入される筒状のセルと、
前記セルの内面に設けられた赤外線を放射する光源と、
前記内面と対向する内面に設けられ、前記光源から放射された赤外線を検出する赤外線センサと、
請求項1または2に記載の光源駆動回路と、
前記赤外線センサの信号出力からガス濃度を算出する信号処理装置と、
を有することを特徴とするガスセンサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−174820(P2011−174820A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−39308(P2010−39308)
【出願日】平成22年2月24日(2010.2.24)
【出願人】(303046277)旭化成エレクトロニクス株式会社 (840)
【Fターム(参考)】