説明

光量調整装置とそれを有する撮像装置

【課題】小型化と高速のシャッター動作を実現することを可能にした光量調整装置を提供する。
【解決手段】露出調整機能とシャッター機能とを兼ね、複数の絞り羽根31を駆動する第1駆動リング40と第2駆動リング50を有する光量調整装置において、第1駆動リングを第1モータ80で駆動し、第2駆動リングを第2モータ86で駆動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光量調整装置とそれを有する撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、露出調整用絞り機能とシャッター機能を兼用する絞り羽根群を一つのモータで駆動する撮像装置について開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−5248号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の絞り羽根は2つの機能を備えているので露出調整用絞り機能とシャッター機能を別々の羽根で構成するよりも光軸方向の厚さが小さくなって小型化を図れるが、高速のシャッター動作を行えないという問題がある。
【0005】
本発明は、小型化と高速のシャッター動作を実現することを可能にした光量調整装置とそれを有する撮像装置を提供することを例示的な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の光量調整装置は、複数の遮光羽根と、撮像装置の光軸上に配置される開口を有するベース部材と、前記ベース部材に取り付けられる第1駆動部材と、前記ベース部材に取り付けられる第2駆動部材と、前記第1駆動部材と各遮光羽根の一方に設けられた第1軸部と、他方に設けられて前記第1軸部が挿入される第1穴部と、前記第2駆動部材と各遮光羽根の一方に設けられた第2軸部と、他方に設けられて前記第2軸部が挿入される第2穴部と、前記複数の遮光羽根が前記第2軸部を中心に回転して前記開口の大きさを変更するように前記第1駆動部材を回転駆動する第1駆動手段と、前記複数の遮光羽根が前記第1軸部を中心に回転して前記開口を開閉するように前記第2駆動部材を回転駆動する、前記第1駆動手段とは別個に設けられた第2駆動手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、小型化と高速のシャッター動作を実現することを可能にした光量調整装置とそれを有する撮像装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、本実施例の撮像装置のブロック図である。
【図2】図2は、図1に示す光量調整装置の分解斜視図である。
【図3】図3(a)〜(c)は、図1に示す光量調整装置の異なる状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、本実施例の撮像装置のブロック図である。撮像装置は、撮像光学系、撮像素子14、光量検出センサ15、マイコン16、レリーズボタン17、光量調整装置20を有する。
【0010】
撮像光学系は、固定レンズ群11、光軸方向への移動可能な変倍用の変倍(ズーム)レンズ群12、光軸方向への移動可能な焦点調節用のフォーカスレンズ群13を有する。撮像素子14は、被写体像(光学像)を光電変換して電気信号(映像信号)を出力する。
【0011】
光量検出センサ15は撮像素子14から得られた映像信号から光量を検出する。マイコン16は光量検出センサ15の検出結果に基づいて設定された光量を維持するために光量調整装置20の第1モータ80に通電して露出調整をする。また、マイコン16は、レリーズボタン17の操作に応答して第2モータ86(又は/及び第1モータ80)に通電してシャッター動作を行う。レリーズボタン17は半押し動作で撮影条件を設定する。光量調整装置20は、変倍レンズ群12とフォーカスレンズ群13の間に配置され、光量を調整する。
【0012】
図2は、光量調整装置20の分解斜視図である。光量調整装置20は、ベース部材21、絞り羽根群30、第1駆動リング40、第2駆動リング50、押え板60、第1駆動レバー70、第2駆動レバー76、第1モータ80、第2モータ86を有する。
【0013】
ベース部材21は、保持面22、第1リング部23、第2リング部24、第1モータ搭載部(第1搭載部)25、第2モータ搭載部(第2搭載部)26を有する。
【0014】
保持面22は、第1駆動リング40と第2駆動リング50のそれぞれの被写体側と反対側の面を保持する中空円形面である。
【0015】
第1リング部23は、保持面22の中空部に配置されて保持面22から被写体側に突出し、中央に光軸Lを中心とした円形開口23aを有する中空円筒形状を有するリング部材である。開口23aは撮像装置の光軸上に配置される。第1リング部23の外周面23bには第1駆動リング40の内周面43が回転自在に係合する。
【0016】
第2リング部24は、保持面22の周囲に設けられて保持面22から被写体側に突出する。第2リング部24の内周面24aには第2駆動リング50の外周面56が回転自在に係合する。第2リング24は、本実施例では、光軸Lの周りに120°間隔で3か所設けられた固定部24bを有し、各固定部24bにはネジ穴24bが設けられている。各ネジ穴24bにはビス90が係合する。
【0017】
第1リング部23と第2リング部24の被写体側の光軸Lに直交する表面は同じ高さ(面一)であり、押え板60の被写体と反対側の裏面を支持する。そして、その第1リング部23と第2リング部24の表面(押え板60の裏面)と保持面22との間の空間に第1駆動リング40、第2駆動リング50、絞り羽根群30が配置される。
【0018】
更に、第2リング部24には第1切り欠き24cと第2切り欠き24dが設けられている。第1切り欠き24cには第1駆動リング40の第1腕部47が横切って配置される。第2切り欠き24dには第2駆動リング50の腕部57が横切って配置される。
【0019】
このように、第2リング部24は、第1第1腕部47の一部が第1モータ搭載部25に配置されるように第1モータ搭載部25に対応する部分が切り欠かれている。また、第2第2腕部57の一部が第2モータ搭載部26に配置されるように第1モータ搭載部26に対応する部分が切り欠かれている。これによって、第1モータ80と第1駆動リング40との接続機構、第2モータ86と第2駆動リング50との接続機構を簡略にすることができる。
【0020】
本実施例では、第1第1腕部47の回転範囲は第1切り欠き24cの周方向の長さによって決定され、第2第2腕部57の回転範囲は第2切り欠き24dの周方向の長さによって決定される。
【0021】
第1モータ搭載部25は駆動レバー70と第1モータ80を搭載するU字形状の穴部であり、第2リング部24から保持面22の径方向の外側に形成される。第2モータ搭載部26は駆動レバー76と第2モータ86を搭載するU字形状の穴部であり、第2リング部24から保持面22の径方向の外側に形成される。
【0022】
絞り羽根群30は、本実施例では、6枚の(虹彩)絞り羽根(複数の遮光羽根)31から構成され、押え板60と一対の駆動リングの間に配置される。絞り羽根群30は遮光機能を有して露出調整効果とシャッター効果を与える。本実施例の絞り羽根群30は、虹彩絞り羽根とシャッター羽根を兼ねているので、両者を別々の羽根群によって構成するよりも光軸方向の厚みを小さくして撮像装置の小型化を図ることができる。
【0023】
各絞り羽根31は、ほぼT字形状の同一構成を有し、長穴形状を有する第1穴部32と、第1穴部32の外側に設けられて円筒形状を有する第2穴部33と、を有する。なお、第2穴部33と第2穴部の形状は単なる例示であり、カム形状など他の形状をとることができる。絞り羽根群30は、順番に時計回り方向に一部が上に重なっていくように配置されている。
【0024】
第1穴部32には第1駆動リング40の、後述する第1軸部45が挿入されて係合される。第2穴部33には第2駆動リング50の、後述する第2軸部55が挿入されて係合される。但し、穴部と軸部との関係は逆であってもよい。
【0025】
即ち、第1駆動部材40と各遮光羽根31の一方に第1軸部が設けられ、他方に第1軸部が挿入される第1穴部が設けられればよい。また、第2駆動部材50と各遮光羽根31の一方に第2軸部が設けられ、他方に第2軸部55が挿入される第2穴部33が設けられればよい。この結果、複数の遮光羽根31が第2軸部55を中心に回転して開口23aの大きさを変更し、複数の遮光羽根31が第1軸部45を中心に回転して開口23aを開閉する。
【0026】
第1駆動リング(第1駆動部材)40は、ベース部材21に取り付けられ、中空円盤形状または中空円筒形状の第1ベース41と、第1ベース41から径方向の外側に延びる第1腕部47と、を有する。なお、本実施例の第1駆動部材はリング形状を有するが、絞り羽根群30を駆動できる限り、その形状は限定されない。
【0027】
第1ベース41は、絞り羽根群30と係合して、第1モータ80からの駆動力をこれに伝達する。第1腕部47は第1ベース41に固定され、第1モータ80から回転駆動力を受ける。
【0028】
第1ベース41は、開口23aよりも若干大きく開口23aを露出する開口42を中央に有し、開口42を規定する内周面43は第1リング部23の外周面23bと回転自在に係合する(第1リング部23が開口42に挿入されて回転自在に係合する)。
【0029】
第1ベース41の被写体側の表面44には光軸Lの周りに60°等間隔で6つ配置された円筒形状の第1軸部45が設けられている。各第1軸部45は、撮像素子側(被写体とは反対側)から各絞り羽根31の第1穴部32に挿入されてこれと係合する。
【0030】
第1ベース41は第2駆動リング50の第2ベース51の中空部である開口52に収納される。第1ベース41は外周面46を有し、外周面46と第2駆動リング50の内周面53との間には隙間(後述する図3に示すクリアランスC)がある。クリアランスCによって第1ベース41の回転は第2駆動リング50の影響を受けないので、光量調整の精度を確保することが容易になる。
【0031】
第1腕部47は、先端に長穴部48を有する。長穴部48には第1駆動レバー70の円筒形状のピン71が挿入される。第1腕部47は、一部は保持面22の上で第2駆動リング50の開口52の内部に配置され、一部は第2駆動リング50の切り欠き52と第2リング部24の第1切り欠き24cを横切って外側に張り出して第1モータ搭載部25に配置される。
【0032】
第2駆動リング(第2駆動部材)50は、ベース部材21に取り付けられ、中空円盤形状または中空円筒形状の第2ベース51と、第2ベース51から径方向の外側に延びる第2腕部57と、を有する。なお、本実施例の第2駆動部材はリング形状を有するが、絞り羽根群30を駆動できる限り、その形状は限定されない。
【0033】
第2ベース51は、絞り羽根群30と係合して、第2モータ86からの駆動力をこれに伝達する。第2腕部57は第2ベース51に固定され、第1モータ86から回転駆動力を受ける。
【0034】
第2ベース51は、開口23aと同心円状の開口52を中央に有して開口23aを露出する円環形状を有し、円環の一部に開口52に接続された切り欠き52aを有する。この結果、第2ベース51はC形状を有する。開口52には第1駆動リング40の第1ベース41と第1腕部47の一部が配置される。
【0035】
切り欠き52aには第1駆動リング40の第1腕部47の一部が配置され、開口52から第1腕部47が外側に突出することを可能にする。切り欠き52aの周方向の長さは第1腕部47が回転する際に接触しない長さに設定される。これによって第1ベース41の回転は第2駆動リング50の影響を受けなくなり、光量調整の精度を確保することが容易になる。
【0036】
上述したように、開口52を規定する内周面53は第1駆動リング40の外周面46とは離れている。第2ベース51の被写体側の表面54には光軸Lの周りに60°等間隔で6つ配置された円筒形状の第2軸部55が設けられている。各第2軸部55は、撮像素子側から各絞り羽根31の第2穴部33に挿入されてこれと係合する。
【0037】
第1ベース41の表面44と第2ベース51の表面54とは、第1駆動リング40と第2駆動リング50が保持面22に置かれた場合に同じ高さ(面一)となる。このように、第2駆動リング50は第1駆動リング40を内部に収納しているので、本実施例の光量調整装置は光軸方向の厚みが増加せずに小型化を図ることができる。但し、絞り羽根群30によって既に光軸方向の小型化が図られているので、本発明は第1駆動リング40が第2駆動リング50の内部に収納されることを必ずしも要求せず、表面44が表面54の反対側の裏面に接触する構成を排除するものではない。
【0038】
第2ベース51はベース部材21の第2リング部24の内部に配置される。第2ベース51は外周面56を有し、外周面56と第2リング部24の内周面24aとは回転自在に係合している。
【0039】
第2腕部57は、先端に長穴部58を有する。長穴部58には第2駆動レバー76の円筒形状のピン77が挿入される。第2腕部57は、一部は保持面22の上に配置され、一部は第2リング部24の第2切り欠き24dを横切って外側に張り出して第2モータ搭載部26に配置される。
【0040】
押え板60は、絞り羽根群30の上から絞り羽根群30をその下に配置された第1駆動リング40と第2駆動リング50と共に押さえてベース部材21に固定する。押え板60は、その中央部に光軸Lを中心とした固定開口61とビス90が挿入される3つの穴62を有する。押え板60はビス90が穴62に挿入された状態でベース部材21に位置決めされた後で固定される。
【0041】
第1駆動レバー70は第1モータ80の出力軸(モータ軸)81が挿入されて係合される不図示の穴部と、第1駆動リング40に設けられた長穴部48に嵌合するピン71を有する。第1駆動レバー70は、第1モータ80が回転すると、第1駆動リング40を光軸周りに回転させることができる。
【0042】
第2駆動レバー76は第2モータ86の出力軸(モータ軸)87が挿入されて係合される不図示の穴部と、第2駆動リング50に設けられた長穴部58に嵌合するピン77を有する。第2駆動レバー76は、第2モータ86が回転すると、第2駆動リング50を光軸周りに回転させることができる。
【0043】
第1モータ80は、光量制御を行うために第1駆動リング40を回転駆動する第1駆動手段としてのモータ、例えば、ステッピングモータである。第1モータ80は、その出力軸(モータ軸)81に圧入もしくは接着等で固定された不図示のマグネットを有し、モータ内のコイルに通電することで回転力を発生する微細な光量調整を可能とする。第1モータ80の内部にはホール素子等の磁気センサが設置され、マグネットの位置を制御している。出力軸81には第1駆動レバー70が圧入もしくは接着等で固定される。第1モータ80は不図示のビス等でベース部材21に結合される。
【0044】
第2モータ86は、シャッター動作を行うために第2駆動リング50を回転駆動する第2駆動手段としてのモータである。第2モータ86もステッピングモータであってもよい。第2モータ86は、その出力軸87に圧入もしくは接着等で固定されたマグネットを有し、モータ内のコイルに通電することで回転力を発生する高速シャッターを実現する。第2モータ86は不図示のビス等でベース部材21に結合される。
【0045】
本実施例では、絞り羽根群30に対して一対のモータ(第1モータ80と第1モータ80とは別個に設けられた第2モータ86)が設けられている。このため、一つのモータで絞り羽根群を回転駆動する特許文献3とは異なり、高速シャッター動作が可能になる。第2モータ86は、第1モータ80よりも分解能が小さくてもよいし、同じでもよい。分解能が小さいモータを使用することができるので光量調整装置20のコストダウンにつながる。
【0046】
図3(a)〜図3(c)は、押え板60を取り外した光量調整装置20の平面図である。
【0047】
図3(a)は、第1腕部47が第1切り欠き24cの開口側の端部にあり、第2腕部57が第2切り欠き24dの開口側の端部にある状態を示している。開口側の端部は絞り羽根群30が開く方向の端部である。図3(a)においては、光量調整装置20の絞り羽根群30が最も広く開いている状態である。
【0048】
図3(a)〜図3(c)において、第1腕部47にとっては反時計回りが絞り羽根群30が開く方向であり、時計回り(R1方向)が羽根群30が閉じる方向である。第2腕部57にとっては時計回りが絞り羽根群30が開く方向であり、反時計回り(R2方向)が羽根群30が閉じる方向である。
【0049】
第1モータ80は、光量検出センサ15からの刻々と変化する検出信号に対して、設定光量に連続的に追従するように、マイコン16によって微細な露出制御(光量調整)が可能である。
【0050】
図3(a)に示す状態から、第1モータ80の回転が第1駆動レバー70を介して第1駆動リング40に伝達される。第1駆動リング40が矢印R1方向に回転すると、駆動リング40に設けられた第1軸部45を介して各絞り羽根31が回転ピン55を中心として光軸Lの周りに回転して開放状態から閉口状態まで絞り動作を行って光量を調整する。
【0051】
図3(b)は、第2腕部57が第2切り欠き24dの開口側の端部にあり、第1腕部47は第1切り欠き24cにおいて絞り羽根群30が開口側の端部と閉口側の端部の中間位置にある状態を示している。図3(b)においては、光量調整装置20の絞り羽根群30が図3(a)に示す開放状態からやや閉じた状態である。
【0052】
上述したように、第2モータ86は、静止画撮影時に撮像素子14に蓄積される光量を制御するシャッター動作を行うための駆動部である。第2モータ86は、途中静止等の絞り動作は必要なく、高速にシャッター動作が可能な駆動部である必要がある。ユーザによりレリーズボタン17押されると、図3(b)及び図3(a)に示すように、撮影条件に合わせて第2モータ80が通電されて光量が調整される。
【0053】
図3(c)は、第2腕部57が第2切り欠き24dの閉口側の端部にあり、第1腕部47は図3(b)に示す位置にある状態を示している。図3(c)においては、光量調整装置20の絞り羽根群30が完全に閉じた状態である。
【0054】
第2モータ86の回転が第2駆動レバー76を介して第2駆動リング50に伝達される。第2駆動リング50が矢印R2方向に回転すると、第2軸部45を介して絞り羽根群30が第1軸部45を中心として光軸Lの周りに回転して開放状態から閉口状態まで絞り動作を行ってシャッター動作を行う。
【0055】
更に高速なシャッター動作を実現するために、第2モータ86と同時に第1モータ80を作動させ、第2駆動リング50の回転方向(矢印R2方向)と逆方向に第1駆動リング40を回転(矢印R1方向)させてもよい。
【0056】
また、小絞り側からのシャッター動作の場合、駆動アームの回転量が少なくなることより、絞り駆動部の性能でも高速シャッター動作に対応できる場合、第2モータ86は動作させず、第1モータ80のみによるシャッター動作も可能である。この場合、複数の遮光羽根31が開口23aを設定された大きさ以下に狭めた状態から開口を完全に閉じるために第1モータ80を使用し、開口23aが設定された大きさよりも大きい状態から開口を閉じるために第2モータ86を使用する。
【0057】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0058】
光量調整装置は、ビデオカメラ、銀塩フィルムを用いた写真カメラ、撮像素子を用いたデジタルスチルカメラに代表される電子カメラなどの撮像装置に幅広く適用可能である。
【符号の説明】
【0059】
21 ベース部材
31 絞り羽根(遮光羽根)
32 第1穴部
33 第2穴部
40 第1駆動リング(第1駆動部材)
45 第1軸部
50 第2駆動リング(第2駆動部材)
55 第2軸部
80 第1モータ(第1駆動手段)
86 第2モータ(第2駆動手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の遮光羽根と、
撮像装置の光軸上に配置される開口を有するベース部材と、
前記ベース部材に取り付けられる第1駆動部材と、
前記ベース部材に取り付けられる第2駆動部材と、
前記第1駆動部材と各遮光羽根の一方に設けられた第1軸部と、他方に設けられて前記第1軸部が挿入される第1穴部と、
前記第2駆動部材と各遮光羽根の一方に設けられた第2軸部と、他方に設けられて前記第2軸部が挿入される第2穴部と、
前記複数の遮光羽根が前記第2軸部を中心に回転して前記開口の大きさを変更するように前記第1駆動部材を回転駆動する第1駆動手段と、
前記複数の遮光羽根が前記第1軸部を中心に回転して前記開口を開閉するように前記第2駆動部材を回転駆動する、前記第1駆動手段とは別個に設けられた第2駆動手段と、
を有することを特徴とする光量調整装置。
【請求項2】
前記第1駆動部材と前記第2駆動部材の一方は、中空円筒形状の第1ベースと、当該第1ベースから外側に延びる第1腕部と、を有し、
前記第1駆動部材と前記第2駆動部材の他方は、前記第1ベースと前記第1腕部の一部を収納する開口を有して前記開口から前記第1腕部が外側に突出することを可能にするように切り欠かれた中空円筒形状の第2ベースと、当該第2ベースから外側に延びる第2腕部と、を有することを特徴とする請求項1に記載の光量調整装置。
【請求項3】
前記ベース部材は、前記開口を有する第1リング部と、当該第1リング部よりも大きく前記開口を露出する第2リング部と、を有し、
前記第1ベースは、前記第1リング部の外周面に係合する内周面を有し、
前記第2ベースは、前記第2リング部の内周面に係合する外周面を有することを特徴とする請求項2に記載の光量調整装置。
【請求項4】
前記複数の遮光羽根が前記開口を設定された大きさ以下に狭めた状態から前記開口を閉じるために前記第1駆動手段を使用し、前記開口が前記設定された大きさよりも大きい状態から前記開口を閉じるために前記第2駆動手段を使用することを特徴とする請求項1から3のうちいずれか一項に記載の光量調整装置。
【請求項5】
前記ベース部材は、前記第1駆動手段を搭載する第1搭載部と、前記第2駆動手段を搭載する第2搭載部と、を更に有し、
前記第2リング部は、前記第1腕部の一部が前記第1搭載部に配置されるように前記第1搭載部に対応する部分が切り欠かれ、前記第2腕部の一部が前記第2搭載部に配置されるように前記第2搭載部に対応する部分が切り欠かれていることを特徴とする請求項3に記載の光量調整装置。
【請求項6】
前記第2駆動手段が使用される際に、前記開口の開閉が高速になるように、前記第1駆動手段も使用されることを特徴とする請求項1に記載の光量調整装置。
【請求項7】
前記第2駆動手段の分解能は前記第1駆動手段の分解能よりも小さいことを特徴とする請求項1〜6のうちいずれか一項に記載の光量調整装置。
【請求項8】
請求項1〜7のうちいずれか一項に記載の光量調整装置を有することを特徴とする撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−164506(P2011−164506A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−29798(P2010−29798)
【出願日】平成22年2月15日(2010.2.15)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】