説明

光集積回路

【課題】半導体レーザと半導体マッハツェンダ変調器とを集積した光集積回路において、小型化および低消費電力化を図ること。
【解決手段】波長可変DFBレーザアレイの一端に第1の光導波路、他端に第2の光導波路が接続され、第1の光導波路に第1の半導体マッハツェンダ変調器、第2の光導波路に第2の半導体マッハツェンダ変調器が接続されている。半導体レーザのメサ構造の配置方向は、メサ構造の側面への再成長に最適な方向であり、半導体マッハツェンダ型変調器が有する2本のアーム導波路の配置方向は、2本のアーム導波路に対するポッケルス効果が最大となる方向とする。加えて、本実施形態に係る光集積回路では、半導体レーザの共振器構造を、その両端における光出力が等しくなるように対称に構成し、一方からの光出力を破棄することなく、ともに半導体マッハツェンダ変調器に入力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光集積回路に関し、より詳細には、半導体レーザと半導体マッハツェンダ変調器とを集積した光集積回路に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の光通信網の普及に伴い、40Gbit/sec(ギガビット毎秒)を超える伝送容量を有する基幹系光通信システムへの適応が盛んに進められるようになった。これらの超高速光通信システムでは、従来の光通信システムで適用されてきたNRZ(Non Return to Zero)変調方式と比べて、周波数利用効率が高く、また光信号対雑音比(Optical Signal−to−Noise Ratio:OSNR)耐力および非線形性耐力等の優れた様々な光変調方式の採用が相次いでいる。このような背景の中、1シンボル時間で多ビット情報を送信する方式が最も有力な手段として考えられている。
【0003】
例えば、変調された4つの位相に各2ビットのデータを割り当て可能な方式である差動四相位相偏移変調(differential quadrature phase shift keying:DQPSK)の場合、送信器としては、少なくとも4つの高速位相変調器を集積したデバイス構成が必要となる。現在これらの高速位相変調器には、ニオブ酸リチウム(LiNbO3:LN)で構成されたLN導波路上にLN変調器を設けたものが広く用いられている(以下、LN変調器が設けられたLN導波路全体を「LN導波路」という。)。LN導波路を用いることで、低損失にこれらの光変調器を実現することができるメリットがある。しかしながら、より複雑な情報伝送フォーマットにLN導波路を用いて対応する場合、デバイスサイズが大きくなるというデメリットを生ずる。例えば、100Gbit/secを実現するために、各位相に偏波多重を含めた4ビットのデータを割り当てるDP-QPSK(Dual Polarization Quadrature Phase Shift Keying)を採用した場合、送信器は、偏波毎にDQPSKの構成を備えた形となる。これをLN導波路を用いて形成した場合、必要なカップラーの個数も増える上、位相変調器の個数が少なくとも8個とDQPSKの2倍になるため、素子サイズが非常に大きくなる問題がある。今後、さらにDP-QPSK以上に複雑な情報伝送フォーマットに対応しようとすると、LN導波路ではデバイスサイズが非常に大きくなってしまう。
【0004】
また、LN導波路を収めたモジュール内では、半導体レーザ等の光源が別に用意され、それらをファイバーで接続する形が取られる。そのため、光源およびファイバーの分だけ必然的にモジュールサイズが大きくなってしまうだけでなく、余長ファイバーの格納にもスペースを要する。これらを解決する手法としては、光源とLN導波路を同じパッケージ内に収めることが考えられるが、LN導波路と光源では構成する材料が異なるため、熱膨張係数の違い等から必ずしも容易ではない。
【0005】
DP-QPSKを例とすると、両偏波用のマッハツェンダ干渉計に同一波長で、かつ位相がランダムでない光を入力する必要があり、通常は、LN導波路に入力される半導体単一モード発振レーザからの出力光が、LN導波路上に設けられたパワースプリッタにて二等分され、各マッハツェンダ干渉計に入射されることになる。
【0006】
光源として用いられる半導体単一モード発振レーザは、代表的には、発振スペクトルの線幅が狭い分布帰還型レーザ(Distributed FeedBack laser:DFBレーザ)が多く用いられる。特に、λ/4シフトDFBレーザが用いられることが多い。原理上、λ/4シフトを共振器構造の中央に配置した場合は、無反射構造のレーザ両端に出力される光強度が等しくなる。通常λ/4シフトの位置をややずらすことにより、共振器構造内での光強度が非対称化し、前方からの光出力が強くなるように調整される。しかしながら、λ/4シフトの位置を調整して得られる非対称性は小さい。つまり、共振器構造の中央付近に配置した場合を考えると、ほぼ半分にあたる後方の光出力を捨てる構造なのである。
【0007】
図1に、LN導波路を用いたDP-QPSKにおける光パワー出力の概算を模式的に示す。現実的にはあり得ないが、LN導波路上での損失、および各光部品を接続する接続損失がゼロであると仮定する。TE偏波用およびTM偏波用のLN導波路の出力に3dBmが必要だったとすると、LN導波路に入射する光強度は、6dBm必要ということになる。そして半導体レーザの出力も結合損失がゼロと仮定すると同じだけ必要となる。しかしながら、DFBレーザ等のレーザ光源を想定すると、後方に破棄される光出力がそれと同様に6dBm程度存在するので、エネルギーの利用効率が低い。実際は5dB程度のLN変調器の挿入損失、1.5dB程度のレーザとファイバーの結合損失などが加わるため、さらに高出力が求められることになり、それに付随して後方への破棄分も増加することになる。
【0008】
なお、図1ではLN導波路から出た光を両偏波用の出力として示しているが、実際は片方の偏波のみがLN導波路内で導波しており、同じ偏波である。このうち一方を半波長板を通過させ偏波を回転させてから、偏波合波し出力する。
【0009】
LN導波路で構成した変調器のサイズが大きいという問題を回避するために、半導体で光導波路を構成し、電界を半導体素子に与えたときに主としてポッケルス効果で生じる屈折率変化を利用して入力電気信号を光の位相変化に変換する、マッハツェンダ型光変調器(以下「半導体マッハツェンダ変調器」という。)が注目されている。半導体マッハツェンダ変調器は、LN導波路に比べて導波路を構成する材料の比屈折率差が大きいため、曲げ半径を小さくでき、小型な回路レイアウトが可能となる。すでに、DQPSK等の多値伝送フォーマットに対応した高速変調器が報告されている(非特許文献1参照)。
【0010】
また、半導体マッハツェンダ変調器のさらなる利点は、レーザ光源と1つのチップ上に集積が可能という点がある。集積することで、半導体レーザ・半導体マッハツェンダ変調器間の接続損失が低減できるだけでなく、余長ファイバー処理が不要で、小型というメリットが得られる。
【0011】
半導体レーザと半導体マッハツェンダ変調器とを集積した光集積回路の具体例として、InP基板を用いた例でより詳細に説明する。なお、以下の説明はInPも属する閃亜鉛鉱型結晶全般に言えることであり、同じ結晶系であるGaAs等でも同様になる。(100)面を有するInP基板上に半導体レーザを作製する場合、一般には[011]方向に半導体レーザの活性層導波路を作製するのが望ましい。様々なレーザ構造があるが、低閾値かつ高出力を可能とする埋め込み型半導体レーザを作製する場合には、活性層を有するメサ構造を[011]方向に作製しないと再成長による埋め込みが困難である。一方、ポッケルス効果による屈折率変化と量子閉じ込めシュタルク効果(Quantum Confined Stark Effect:QCSE)による屈折率変化とを併せて用いる、活性領域に多重量子井戸層(Multiple Quantum Well:MQW)をもつ半導体マッハツェンダ変調器は、[01−1]方向に作製すると電界を印加したときのポッケルス効果による屈折率変化がQCSEによる屈折率変化を強めるように変化し、一方で[011]方向に作製すると弱めるように変化する。よって、半導体マッハツェンダ変調器は、[01−1]方向に作製した方が変調効率がよくなり、その分だけ電界強度を下げたり変調器の素子長を短くしたりできるため、高速変調動作に有利になる。つまり、半導体レーザに適した面方位と、半導体マッハツェンダ変調器に適した面方位がそれぞれあり、集積化は面方位をも考慮した設計が必要となる。
【0012】
そこで、半導体レーザと半導体マッハツェンダ変調器とを集積した光集積回路において、半導体レーザが有するメサ構造の配置方向を、半導体マッハツェンダ変調器が有する2本のアーム導波路の配置方向とは異なる方向にすることが考えられている(特許文献1参照)。たとえば、半導体基板としてInP基板を用いる場合には、半導体レーザのメサ構造の配置方向を[011]方向に、半導体マッハツェンダ変調器のアーム導波路の配置方向を[01−1]方向とする。これにより、半導体レーザと半導体マッハツェンダ変調器が直線的に配置されていた場合と比較して、優れた変調特性を有する光集積回路が得られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】国際公開第2009/022969号
【非特許文献】
【0014】
【非特許文献1】Nobuhiro Kikuchi, Yasuo Shibata, Ken Tsuzuki, Hiroaki Sanjoh, Tomonari Sato, Eiichi Yamada, Tadao Ishibashi, and Hiroshi Yasaka,“80-Gb/s Low-Driving-Voltage InP DQPSK Modulator With an n-p-i-n Structure,” IEEE Photonics Technology Letters, 2009, Vol. 21, No. 12, pp. 787 - 789
【非特許文献2】H. Oohashi, Y. Shibata, H. Ishii, Y. Kawaguchi, Y. Kondo, Y. Yoshikuni, and Y. Tohmori, “46.9-nm Wavelength-Selectable Arrayed DFB lasers with Integrated MMI Coupler and SOA,” 2001 Intemational Conference on Indium Phosphide and Related Materials (IPRM 2001) Conference Proceedings, 2001, pp. 575-578
【非特許文献3】Hiroyuki Ishii, Hiromi Oohashi, Kazuo Kasaya, Ken Tsuzuki, and Yuichi Tohmori, “High-power (40 mW) L-band tunable DFB laser array module using current tuning,” 2005 Optical Fiber Communication Conference (OFC/NFOEC) Technical Digest, 2005, Vol. 2
【非特許文献4】伊賀健一、「応用物理学シリーズ 半導体レーザ」、オーム社、1994年
【非特許文献5】N. Nunoya, H. Ishii, Y. Kawaguchi, Y. Kondo and H. Oohashi, “Wideband tuning of tunable distributed amplification distributed feedback laser array,” ELECTRONICS LETTERS, 2008, Vol. 44, No. 3, pp. 205-207
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
半導体レーザと半導体マッハツェンダ変調器とを集積した光集積回路は、集積化の面で有望であるが、一層の性能改善が望まれる。
【0016】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、半導体レーザと半導体マッハツェンダ変調器とを集積した光集積回路において、小型化および低消費電力化を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
このような目的を達成するために、本発明の第1の態様は、半導体レーザと半導体マッハツェンダ型変調器とを閃亜鉛鉱型構造の半導体基板上に集積した光集積回路において、メサ構造を有する半導体レーザと、前記半導体レーザの一端と第1の光導波路で接続された第1の半導体マッハツェンダ変調器であって、入力側の分波器と、前記分波器により分波された光信号に対して位相変調を行うための2本のアーム導波路と、前記2本のアーム導波路に接続された合波器とを有する第1の半導体マッハツェンダ変調器と、前記半導体レーザの他端と第2の光導波路で接続された第2の半導体マッハツェンダ変調器であって、入力側の分波器と、前記分波器により分波された光信号に対して位相変調を行うための2本のアーム導波路と、前記2本のアーム導波路に接続された合波器とを有する第2の半導体マッハツェンダ変調器とを備え、前記半導体レーザの前記メサ構造の配置方向が、前記メサ構造の側面への再成長に最適な方向であり、前記第1及び第2の半導体マッハツェンダ型変調器が有する前記2本のアーム導波路の活性層が多重量子井戸構造であり、前記第1及び第2の半導体マッハツェンダ型変調器が有する前記2本のアーム導波路の配置方向が、前記2本のアーム導波路に光変調のための電界を印加したときに、ポッケルス効果による屈折率変化が量子閉じ込めシュタルク効果による屈折率変化を強める方向であることを特徴とする。
【0018】
また、本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記半導体基板がInP基板であり、前記半導体レーザ及び前記半導体マッハツェンダ変調器が、前記InP基板の(100)面上に集積され、前記半導体レーザの前記メサ構造の配置方向が、前記InP基板の[011]方向であり、前記マッハツェンダ型変調器が有する前記2本のアーム導波路の配置方向が、前記InP基板の[01−1]方向であることを特徴とする。
【0019】
また、本発明の第3の態様は、第1又は第2の態様において、前記半導体レーザがDFBレーザであり、前記DFBレーザの中央にλ/4シフトが配置されて、前記DFBレーザの両端からの光出力が等しいことを特徴とする。
【0020】
また、本発明の第4の態様は、第1又は第2の態様において、前記半導体レーザが波長可変DFBレーザアレイであり、前記波長可変DFBレーザアレイの中央にλ/4シフトが配置されて、前記波長可変DFBレーザアレイの両端からの光出力が等しいことを特徴とする。
【0021】
また、本発明の第5の態様は、第4の態様において、前記波長可変DFBレーザアレイ内の合波器が、N×Mのファネル合波器またはモード干渉計合波器(Nは出力側のチャンネル数で2以上、MはDFBレーザの個数であり2以上)であることを特徴とする。
【0022】
また、本発明の第6の態様は、第1から第5のいずれかの態様において、前記第1の半導体マッハツェンダ変調器の出力に接続された、半導体導波路で構成された偏波ローテーターをさらに備えることを特徴とする。
【0023】
また、本発明の第7の態様は、第6の態様において、前記偏波ローテーターの出力と、前記第2の半導体マッハツェンダ変調器の出力とに接続された、半導体導波路で構成された偏波合波器をさらに備えることを特徴とする。
【0024】
また、本発明の第8の態様は、第1から第5のいずれかの態様において、前記第1の半導体マッハツェンダ変調器の出力に、レンズを介して光学的に結合されたキューブミラーと、前記キューブミラーの一面に張り合わされた半波長板と、前記半波長板と、前記キューブミラーと対向する面で張り合わされた偏波合波器とをさらに備え、前記第1の半導体マッハツェンダ変調器から出力される光信号は、前記キューブミラーで前記半波長板の方向に光路が90度変換されて、前記半波長板を通過して前記偏波合波器に導入され、前記第2の半導体マッハツェンダ変調器から出力される光信号と、前記偏波合波器内で合波されることを特徴とする。
【0025】
また、本発明の第9の態様は、第8の態様において、前記第2の半導体マッハツェンダ変調器の出力に遅延線が接続されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、半導体レーザの一端に第1の光導波路、他端に第2の光導波路を接続し、第1の光導波路に第1の半導体マッハツェンダ変調器、第2の光導波路に第2の半導体マッハツェンダ変調器を接続することにより、一方からの光出力を破棄することなく、ともに半導体マッハツェンダ変調器に入力して利用するため、低消費電力化を図ることができるとともに、半導体レーザと第1及び第2の半導体マッハツェンダ変調器の配置方向を別々に定めるため、光集積回路の小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】LN導波路を用いたDP-QPSKにおける光パワー出力の概算を模式的に示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態による光集積回路の概略図である。
【図3】本発明の第1の実施形態による光集積回路の作製方法を説明するための図である。
【図4】(a)は、図3のa−a線に沿ったDFBレーザの断面図であり、(b)は、図3のb−b線に沿った半導体マッハツェンダ変調器の断面図である。
【図5】本発明の第1の実施形態による光集積回路の作製方法を説明するための図である。
【図6】図2のうち、第2の実施形態において置き換える部分を点線で示した図である。
【図7】第3の実施形態に係る光集積回路を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0029】
(第1の実施形態)
図2は、本発明の第1の実施形態による光集積回路の概略図である。本実施形態では、半導体レーザとして、波長可変DFBレーザアレイを例に説明する。波長可変DFBレーザアレイの一端に第1の光導波路、他端に第2の光導波路が接続され、第1の光導波路に第1の半導体マッハツェンダ変調器、第2の光導波路に第2の半導体マッハツェンダ変調器が接続されている。ここで、第1及び第2の半導体マッハツェンダ型変調器が有する前記2本のアーム導波路の活性層は、多重量子井戸構造となっている。図2の例では、各半導体マッハツェンダ変調器は、2段のマッハツェンダ型光変調器からなるDQPSK光変調器である。この構成は、DP-QPSK変調器と波長可変DFBレーザアレイ(TLA)を集積したものである。
【0030】
半導体レーザのメサ構造の配置方向は、メサ構造の側面への再成長に最適な方向であり、半導体マッハツェンダ型変調器が有する2本のアーム導波路の配置方向は、2本のアーム導波路に光変調のための電界を印加したときに、ポッケルス効果による屈折率変化がQCSEによる屈折率変化を強める方向とする。加えて、本実施形態に係る光集積回路では、半導体レーザの共振器構造を、その両端における光出力が等しくなるように対称に構成し、一方からの光出力を破棄することなく、ともに半導体マッハツェンダ変調器に入力する。DFBレーザを使用する場合には、λ/4シフトを共振器構造の中央に配置すれば両端に出力される光強度が等しくなる。ここで「共振器構造を対称に構成する」とは、より具体的には、共振器構造を、その両端面に関する対称軸を有するように構成することを意味する。
【0031】
背景技術に関連して説明したが、波長固定のDFBレーザや、波長可変DFBレーザアレイは、前方に光出力が大きくなるように多くの工夫がなされているが(非特許文献4参照)、かなりの光強度(半分程度)が後方にも出ている。この後方に出る光は、半導体レーザと半導体マッハツェンダ変調器とを集積した従来の光集積回路では、レーザ動作を不安定にするものであり、無反射構造を形成したり吸収させたりすることによって破棄していた。あるいは、後方の光の光強度に前方の光の光強度と相関があることを利用して、半導体レーザのパワーをモニターするのに使用される程度でしかなかった。本発明の第1の実施形態では、後方に出る光も利用することにより、エネルギーの利用効率を上げ、光集積回路の低消費電力化を図る。従来構造(図1参照)で後方に破棄されていた光強度が、前方に出る光強度と同じだとすると、従来構造に比べて、2倍エネルギー利用が高い。つまり、同じ光出力を50%の駆動エネルギーで達成できることを意味し、半導体レーザと半導体マッハツェンダ変調器とを集積した光集積回路の消費電力をその分だけ低減可能となる。この光集積回路の低消費電力化は、光集積回路の低発熱化をももたらす。そのため、光集積回路の波長精度を担保するために回路直近に設けられることが多いTEC(Thermoelectric Controller、一般にはペルチェ素子による温度コントローラを指す。)の負担が減り、TECの消費電力をも低減する事が可能となる。
【0032】
加えて、非対称型のDFBレーザでは、非対称とすることにより単一モード性が悪化するという問題があったが、DFBレーザを積極的に対称型に構成すると、原理上この問題は発生しなくなり、単一モード性に優れた光出力を得ることができる。
【0033】
従来、変調特性向上のために半導体レーザと半導体マッハツェンダ変調器の配置方向を別々に定める技術があったが、これは、半導体レーザと半導体マッハツェンダ変調器が直線的に配置されていた場合と比較して無駄な面積を取り、サイズが大型化してしまい、必ずしも好ましくない。
【0034】
本発明では、2つの半導体マッハツェンダ変調器を有する変調器、つまりIQ変調器を光集積回路として実現することを念頭においた場合に、半導体レーザと半導体マッハツェンダ変調器の配置方向を別々に定めることにより、逆に小型化が図れる。
【0035】
いずれでも構わないが、図2の例では第1の半導体マッハツェンダ変調器の出力が半導体導波路で構成された偏波ローテーターに接続されて、偏波がTEモードからTMモードに変換された後、他方の第2の半導体マッハツェンダ変調器のTEモードの出力と、偏波合波器(Polarization Beam Combiner:PBC)を通過して合波される。偏波合波器は、マッハツェンダ干渉計(MZI)で構成されている。
【0036】
図2に示したDP-QPSK変調器と波長可変DFBレーザアレイとを集積した光集積回路は、非常にエネルギー利用効率が高い。図1を参照して説明したような従来の構造では、半導体レーザの一端から出力された光が、3dBパワースプリッタで分岐されて、それぞれ半導体マッハツェンダ変調器であるDQPSK光変調器に入射されていた。しかし本実施形態の構造では、半導体レーザの両端からの光出力を共に利用することに加えて、3dBパワースプリッタによる最初の分岐が不要である。波長可変DFBレーザからは、同一波長、同一パワーの光が2経路で供給されるので、それらをそのままDQPSK光変調器に入射すればよい。
【0037】
波長可変DFBレーザアレイ(TLA)は、複数のDFBレーザと、多モード干渉(MMI)型合波器と、半導体光増幅器(SOA)を1チップ上に集積したデバイスである。詳しくは、非特許文献2及び3を参照されたい。集積するDFBレーザの数は、可変波長範囲に合わせて適宜選べばよく、8個、12個等とすることができる。図2では、SOAを半導体マッハツェンダ変調器のアーム導波路と平行方向に作製しているが、TLAと平行方向であってもよい。TLAと平行方向の場合は、TLAのメサ構造形成時にウェットエッチング法が利用でき、同時にSOAの導波路メサ構造の作製も可能であり、簡便に作製することができる。SOAをアーム導波路と平行方向に作製する場合には、SOAを集積するために再成長工程が増える点で後述する作製方法が異なるが基本的には変わらない。
【0038】
本実施形態の例では、波長可変光源として、SOAを集積した波長可変DFBレーザアレイを用いているが、波長可変DFBレーザアレイのみで十分な光強度が得られる場合は、SOAの集積は必要ない。この場合、再成長回数が減少できるためプロセス工程数の削減が可能であり、低コスト化を実現できる。
【0039】
また、波長可変DFBレーザアレイに替えて単一波長で発信する単一モード半導体レーザを用い、合光器やSOAがない構成でもよい。この場合、波長可変の機能は失うが、エネルギー利用効率が高く、小型化が可能であるというメリットは失わない。さらに、双方向に同一波長で発信する単一モード半導体波長可変レーザであれば、波長可変DFBレーザアレイに限るものではない。例えば、TDA-DFB(Tunable distributed amplification distributed feedback)レーザ(非特許文献5参照)や、SSG-DBRレーザ等が挙げられる。
【0040】
また本実施形態の例では、DP-QPSK多値変調の送信器の場合の構成を説明したが、偏波多重DPSKとして一段の半導体マッハツェンダ変調器を集積してもよい。また、他の伝送フォーマットに対応した送信器であっても、偏波多重する構成であれば同様の構成が考えられ、同様の効果が得られる。
【0041】
なお、以下の説明においても面方位に言及した説明を行うが、これは代表的なものを用いているに過ぎず、結晶工学的に等価なものを包含することが意図されていることに留意されたい。
【0042】
ここで、実施例の説明をする。
【0043】
実施例
図3は、本発明の第1の実施形態による光集積回路の作製方法を説明するための図である。簡単のため、片方の半導体マッハツェンダ変調器のみを示している。InP基板の(100)面上に、DFBレーザが[011]方向に配置され、半導体マッハツェンダ変調器が[01−1]方向に配置され、両者が光導波路で接続されている。図4(a)は、図3のa−a線に沿ったDFBレーザの断面図であり、図4(b)は、図3のb−b線に沿った半導体マッハツェンダ変調器の断面図である。図5を参照して、作製方法の説明を行うが、当業者であれば前後の記載から容易に類推できるプロセスについては一部省略してある。
【0044】
まず、DFBレーザの作製方法を説明する。SI(semi−insulating)−InP基板の(100)面上にn型InPを成長し、その上に、PL波長1.15μmの無歪のInGaAlAsガイド層を成長する(図示せず)。その上に、多重量子井戸(multiple quantum well:MQW)構造を有する活性層を成長する。多重量子井戸構造は、PL波長1.55μm、+1.0%の圧縮歪で厚さ7nmのInGaAlAs井戸層と、PL波長1.20μm、−0.4%の引張歪で厚さ10nmのInGaAlAs障壁層とを8周期繰り返した構造である。この活性層上に、p−InGaAsP層を形成する(図5(a))。
【0045】
次に、リソグラフィとエッチングを用いてp−InGaAsP層に回折格子を形成する(図5(b))。回折格子の溝は、後述のプロセスでメサ構造を作製する[011]方向に垂直な方向、すなわち[01−1]方向に平行になるように作製する。
【0046】
そして、p−InPオーバークラッド層、p−InGaAsPコンタクト層を順に結晶成長する(図5(c))。
【0047】
ここまでの工程で、DFBレーザ部分の層構造が完成する。これを利用し、バットジョイント技術を用いてDFBレーザと結合した半導体マッハツェンダ変調器を作製していく。
【0048】
最初に、図5(c)の層構造上にSiO2マスクを付け、標準的なフォトリソグラフィとエッチングを用いてパターニングする。パターニングは、回折格子を作りこんだ領域の直上に幅が15μm、長さが450μmの島状のパターンが残るように行う。ここで、長さ方向は、回折格子の溝が並ぶ方向であり、具体的には[011]方向である。次に、エッチングにより、MQWによる活性層まで除去し、幅が15μm、長さが450μmの島状のメサ構造を形成する(図5(d))。すなわち、幅15μm、長さ450μmの領域にのみ、MQWによる活性層を残した状態にする。なお、活性層とInP基板に挟まれたn-InP層はDFBレーザ部分と半導体マッハツェンダ変調器部分とで共有するため、島状メサ構造形成時に、エッチングにより誤って除去しないようにする。
【0049】
次に、SiO2マスクを用いて選択成長することで、DFBレーザ部分を埋め込むように半導体マッハツェンダ変調器の層構造を結晶成長する(図5(e))。変調器部分として成長する構造は以下の通りである。最初に、厚さ0.4μmのn型GaAlAs/InAlAsからなる多重量子井戸活性層を成長させ、続けて厚さ0.5μmのi-InP、キャリアーブロック層となる厚さ0.05μm、ホール濃度1×1018のp-InP、n−InPオーバークラッド層、p−InGaAsコンタクト層を順に成長する。これにより、npin構造を有する変調器の層構造が形成されるのと同時に、DFBレーザ部分とバッドジョイントにより結合される。
【0050】
次に、DFBレーザ部分のSiO2マスクをフッ酸で除去した後、再度SiO2を堆積し、フォトリソグラフィとエッチングによりDFBレーザ部分の一部にストライプ状の開口部を2つ持ったマスクを新しく形成する。これをマスクにして反応性イオンエッチング(Reactive Ion Etching:RIE)によりDFBレーザ部分の活性層まで除去する。これにより、幅2μmのハイメサ構造を形成する(図5(f))。ハイメサ構造は、次の電流ブロック層の再成長が行いやすいように、[011]方向に平行な方向きに形成する。
【0051】
次いで、ハイメサ構造の両側面に、先にエッチングした量に匹敵する厚さ分だけ、FeドープのInP層を結晶成長する(図5(g))。このInP層は、DFBレーザに対する電流ブロック層として機能する。
【0052】
次に、先ほど用いたSiO2マスクをフッ酸により除去し、再度、SiO2を成膜する。フォトリソグラフィとエッチングにより、DFBレーザと半導体マッハツェンダ変調器を形成する部分をマスクした後、RIE法によりDFBレーザと半導体マッハツェンダ変調器の形状のハイメサ導波路を残してInP基板直上のn―InPが露出するまでエッチングする(図5(h))。半導体マッハツェンダ変調器は、一般のマッハツェンダ変調器と同様に、入力側の分波器と、分波器により分波された光信号に対して位相変調を行うための2本のアーム導波路と、2本のアーム導波路に接続された合波器とを備えるが、上記半導体マッハツェンダ変調器の両アーム導波路は、ポッケルス効果を最大化するために[01−1]方向に平行となるように形成する。ここまでの工程で、DFBレーザと半導体マッハツェンダ変調器の構造が形成される。
【0053】
その後、半導体マッハツェンダ変調器の両アーム導波路間およびDFBレーザ・半導体マッハツェンダ変調器間の電気的な絶縁を行うために、分離溝を形成して各部でn−InPコンタクト層が独立するようにする。次いで、DFBレーザの上面にp電極を、DFBレーザ及びマッハツェンダ変調器のn-InPコンタクト層上にn電極を形成した。そして、ポリイミド、BCB等の絶縁性有機膜を全面に塗布し、半導体マッハツェンダ変調器のメサ脇のみを残して有機膜を除去する。各種電極を形成し、その後、SI−InP基板を研磨した後にへき開を行う。
【0054】
本実施例の説明にあたり、各種の材料や加工技術に言及したが、これらは、本発明の第1の実施形態による光集積回路の作製方法を十分に説明するためのものであり、本発明に係る光集積回路をこれらの材料や加工技術により作製されたものに限定する意図ではない。たとえば、半導体基板としてInP基板を例に説明したが、閃亜鉛鉱型(ジンクブレンド型)構造の半導体基板を用いることができる。
【0055】
このように作製した本実施例の光集積回路により、3dBmの光出力と、3dB帯域30GHzの高速変調特性が得られることが確認された。これは、本実施例の構成により、高速変調器が実現できていることを示している。
【0056】
(第2の実施形態)
第1の実施形態の双方向光出力の波長可変DFBレーザアレイを集積した半導体マッハツェンダ変調器では、2つの12×1のMMI型合波器を介して、双方向出力されていた。第2の実施形態は、この部分から、後段に続くDQPSKのカップラーの一部を、N×Mのファネル導波路に置き換える。
【0057】
図6は、図2のうち、第2の実施形態において置き換える部分を点線で示した図である。この場合は、Nは12、Mは4となる。第1の実施形態の構成では、双方向光出力の波長可変DFBレーザアレイの双方の出力で、12本のDFBレーザが12×1のMMI型合波器を通過した後、2等分され、さらにそれぞれが2等分される。駆動しているDFBレーザの光強度は、このMMI型合波器を通過することで、1/12になり、その後、SOAを通過し、ゲインを得る。さらに、続く2段のカップラーを通過することで4本のアーム導波路に分配されることになり、双方向で同じことが起こる。この構成は、ある意味で一度光を減衰させてから増幅するという形となっている。減衰が小さくできれば、無論増幅が小さくても良く、エネルギー消費が抑えられる。また、十分な光強度が得られるのであればSOAが不要となる。加えてSOAがいらない場合は、プロセスの簡略化ができ、製造コスト低減が可能となる。
【0058】
そこで、この部分を12×4のファネル合波器に置き換える。どちらにせよ4つに配分するので、図中点線で囲まれる箇所(図中では説明を簡潔にするため上部分だけ示しているが、下側の対称な個所も同じである。)を、12×4のファネル合波器に置き換えれば、無駄に減衰させる割合が減少でき、1/12に減衰させられていたのを、4/12、つまり1/3までの減衰で済むようにできるようになり、双方向光出力の利用に加えて、さらにエネルギーの利用効率を高めることが可能となる。
【0059】
ここで、12×4のファネル合波器を本実施形態では利用したが、12×4のMMIを利用しても同様の効果が得られる。また、本実施形態では波長可変DFBレーザアレイを光源として用いているが、活性部がアレイを構成し、かつ、合波器を介して出力され、さらに双方向出力を利用できる波長可変であれば無論同じ効果が得られる。
【0060】
(第3の実施形態)
第1の実施形態では、半導体マッハツェンダ変調器を通過した後、片方の偏波をTEモードからTMモードに変換した後、PBCを通過することにより他方のDQPSK光変調器の出力(TE)と合波される。集積デバイスでは、集積される要素デバイスの完成度、歩留りが高くなければ、デバイス全体で、性能を引き出せない、歩留りが著しく低くなるという問題がある。特に、第1の実施形態の中で半導体からなる偏波ローテーターは、製造が難しい。
【0061】
そこで、本実施形態では、図6の点線より右の部分を、空間系のバルクマイクロ工学系を利用して構成する。
【0062】
図7に、本実施形態に係る光集積回路を示す。それぞれの単一モード半導体波長可変レーザの双方向出力から出たTE偏向の光が、半導体マッハツェンダ変調器を通過した後、レンズを通過することでコリメートされる。一方は、レンズを介してキューブミラーと光学的に結合し、キューブミラーを通過して光路を90度変換する。その後、キューブミラーの一面に張り合わされた半波長板を通過し、TM偏向に偏波を回転させる。その後、半波長板と、キューブミラーと対向する面で張り合わされたPBCを通過して、合波され出力される。実際は、図示していないが、アイソレーターを通過し再度レンズでファイバーにフォーカスされ出力される。本実施形態の例では1mm角のキューブミラー、PBCを利用し、ポリイミドからなる半波長板厚さ20μmを利用した。
【0063】
本構成では、半導体チップを出てから、ふたつのブロックに挟まれた半波長板を通過する。図中上方の光経路は、下方を経由してくる光よりも光路長が長い。つまり偏波により大きく送信タイミングがずれることになる。スキュー(偏波間の送信タイミングのずれ)を解消するために、短い光路となる方の導波路に遅延線を設けてスキューを解消する構造としてある。遅延線の長さは、導波路の屈折率と、構成するキューブミラー、半波長板の屈折率厚さにより遅延量を適時決定すればよい。
【0064】
また、必ずしもこの遅延線は必要ではなく、光変調に用いる高速電気信号を遅延することによってもスキューを回避することはできる。
【0065】
本実施例によると、空間系部材と組み合わせることで、双方向出力を利用した低消費電力のDP-QPSKを歩留り良く作製できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体レーザと半導体マッハツェンダ型変調器とを閃亜鉛鉱型構造の半導体基板上に集積した光集積回路において、
メサ構造を有する半導体レーザと、
前記半導体レーザの一端と第1の光導波路で接続された第1の半導体マッハツェンダ変調器であって、入力側の分波器と、前記分波器により分波された光信号に対して位相変調を行うための2本のアーム導波路と、前記2本のアーム導波路に接続された合波器とを有する第1の半導体マッハツェンダ変調器と、
前記半導体レーザの他端と第2の光導波路で接続された第2の半導体マッハツェンダ変調器であって、入力側の分波器と、前記分波器により分波された光信号に対して位相変調を行うための2本のアーム導波路と、前記2本のアーム導波路に接続された合波器とを有する第2の半導体マッハツェンダ変調器と
を備え、
前記半導体レーザの前記メサ構造の配置方向が、前記メサ構造の側面への再成長に最適な方向であり、
前記第1及び第2の半導体マッハツェンダ型変調器が有する前記2本のアーム導波路の活性層が多重量子井戸構造であり、
前記第1及び第2の半導体マッハツェンダ型変調器が有する前記2本のアーム導波路の配置方向が、前記2本のアーム導波路に光変調のための電界を印加したときに、ポッケルス効果による屈折率変化が量子閉じ込めシュタルク効果による屈折率変化を強める方向であることを特徴とする光集積回路。
【請求項2】
前記半導体基板は、InP基板であり、
前記半導体レーザ及び前記半導体マッハツェンダ変調器は、前記InP基板の(100)面上に集積され、
前記半導体レーザの前記メサ構造の配置方向が、前記InP基板の[011]方向であり、前記マッハツェンダ型変調器が有する前記2本のアーム導波路の配置方向が、前記InP基板の[01−1]方向であることを特徴とする請求項1に記載の光集積回路。
【請求項3】
前記半導体レーザは、DFBレーザであり、
前記DFBレーザの中央にλ/4シフトが配置されて、前記DFBレーザの両端からの光出力が等しいことを特徴とする請求項1又は2に記載の光集積回路。
【請求項4】
前記半導体レーザは、波長可変DFBレーザアレイであり、
前記波長可変DFBレーザアレイの中央にλ/4シフトが配置されて、前記波長可変DFBレーザアレイの両端からの光出力が等しいことを特徴とする請求項1又は2に記載の光集積回路。
【請求項5】
前記波長可変DFBレーザアレイ内の合波器が、N×Mのファネル合波器またはモード干渉計合波器(Nは出力側のチャンネル数で2以上、MはDFBレーザの個数であり2以上)であることを特徴とする請求項4に記載の光集積回路。
【請求項6】
前記第1の半導体マッハツェンダ変調器の出力に接続された、半導体導波路で構成された偏波ローテーターをさらに備えることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の光集積回路。
【請求項7】
前記偏波ローテーターの出力と、前記第2の半導体マッハツェンダ変調器の出力とに接続された、半導体導波路で構成された偏波合波器をさらに備えることを特徴とする請求項6に記載の光集積回路。
【請求項8】
前記第1の半導体マッハツェンダ変調器の出力に、レンズを介して光学的に結合されたキューブミラーと、
前記キューブミラーの一面に張り合わされた半波長板と、
前記半波長板と、前記キューブミラーと対向する面で張り合わされた偏波合波器と
をさらに備え、
前記第1の半導体マッハツェンダ変調器から出力される光信号は、前記キューブミラーで前記半波長板の方向に光路が90度変換されて、前記半波長板を通過して前記偏波合波器に導入され、前記第2の半導体マッハツェンダ変調器から出力される光信号と、前記偏波合波器内で合波されることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の光集積回路。
【請求項9】
前記第2の半導体マッハツェンダ変調器の出力に遅延線が接続されていることを特徴とする請求項8に記載の光集積回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−156336(P2012−156336A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−14531(P2011−14531)
【出願日】平成23年1月26日(2011.1.26)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】